JPWO2018110546A1 - 熱特性評価測定装置及びそれを用いた熱特性の評価測定方法 - Google Patents

熱特性評価測定装置及びそれを用いた熱特性の評価測定方法 Download PDF

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Abstract

一方向熱流束定常比較法により、測定対象物の接触熱抵抗値、熱抵抗値及び熱伝導率を測定でき、測定対象物の面圧依存性、熱接触方法、熱移動促進効果によって適切な熱測定解析技術に適用でき、信頼性が高い熱特性評価測定装置を提供する。熱特性評価測定装置1は、測定試料部5への熱を検知する熱センサ4g1・4g2を有し測定試料部5を加熱する熱発生源部4と、測定試料部5と、測定試料部5からの熱を検知する熱センサ6c1・6c2を有し測定試料部5を冷却する熱冷却源部6とが順次重ねられた熱特性評価測定装置であって、測定試料部5が、熱特性評価測定対象物5bとそれを挟んでいる熱伝導材5a・5cとの三層構造体を有し、熱伝導材5a・5cと熱発生源部4及び熱冷却源部6とが、熱移動促進剤を介して密着し、熱特性評価測定対象物5bと熱伝導材5a・5cとが、物理接触、化学接触、化学結合接触によって密着している。

Description

本発明は、実用や実験・試験に適した表裏両面に接触する熱伝導材料の接触熱抵抗値、熱伝導材料の熱抵抗値及び熱伝導率などの熱特性評価のための実測的な熱特性評価測定装置、及びそれを用いた熱特性評価測定方法、並びに熱移動促進剤からなる界面接触熱抵抗値低減剤、及びそれを用いた熱抵抗値低下方法に関するものである。
21世紀初頭の重要課題技術に熱の制御技術がある。LEDのような発光素子、太陽電池のような光電変換素子、熱電変換素子、風車発電、プリント配線基板、半導体チップ、自動車等の各種モーターやエンジンの電子制御素子や部品などの多くの電子・電気機器に、熱制御技術が重要である。近年のこれら電子・電気機器の製品は、使用中に自から発する熱の影響を受け、温度制御が製品の効率や性能に直接影響するようになっていることから、熱制御技術は、エネルギー節減、加えて地球環境の維持に必要不可欠な手段となってきている。更に加えて、熱の高速伝送時代を迎え、この傾向は一層加速している。電子・電気機器が発生する温度を放熱により低下させて、電子・電気機器の製品の効率や性能等を発揮・維持させ続けることを可能にする未来社会の構築の観点から、熱制御技術の開発・向上が一層強く求められている。
しかしながら、産業界では電子・電子機器等の温度を下げるためには如何なる因子が最も重要であるかや、具体的な熱特性の内の如何なる性質が評価のために必要なのか等、熱制御のための課題が明確に示されていない。そのため、熱特性の一性質である熱伝導率の値が重要な因子であるとして独り歩きしており、高い熱伝導材料の開発のみに注目が集まり過ぎて「木を見て森を見ない」状態に陥っている。熱特性を総合的かつ正確に評価するという課題を解決するためには、熱特性の評価項目の決定が実用例や実験例・試験例に即した熱伝導材料の使われ方に原点を置いた指針に則り、実用や実験・試験に適した適切な熱特性評価測定装置を製作・開発しその評価測定方法を研究することが、必要である。
熱伝導材料は一般に、熱発生源と熱冷却源の間に挟持されて使用されている。熱発生源、熱伝導材料及び熱冷却源の間には必ず前記三者間に2層の接触界面層が存在し、接触による熱抵抗値(即ち接触熱抵抗値)が存在する。それの熱特性を評価する際、接触熱抵抗値が測定すべき熱伝導材料の熱抵抗値より著しく小さい場合には問題ないが、熱伝導材料の厚さが0.2mm以下と非常に薄い場合には、接触熱抵抗値が熱伝導材料自体の熱伝導率よりも前記三者間の全熱抵抗値に効いてくる。従来の熱伝導率測定装置では、接触熱抵抗値が考慮されていない。そのため、熱伝導材料が熱抵抗値の低い厚さ領域で使われるようになると、従来の熱伝導率測定装置の測定結果からは熱伝導率の高低以外の何ら重要な情報が得られないので、接触熱抵抗値が重要になることは一般的に理解し難く、考慮すらされていない。それ故、接触熱抵抗値を含めた熱特定を正確に評価できる新しい熱特性評価測定装置の作製・開発と測定方法の研究が熱伝導材料の開発や熱制御設計に必要不可欠となっていることが分かる。
従来の熱伝導率測定装置は、上部に加熱ブロック、下部に冷却ブロックを設置して試験片を高熱伝導率の金属ブロックで挟みさらに熱伝導率が既知のロッドで挟んで一方向に熱を流すという一方向熱流定常比較法により、熱発生源、熱伝導材料及び熱冷却源の間に単に荷重を掛けつつ、熱伝導率を測定するものである。例えば、熱伝導率が高いAl板(熱伝導率:240W/mK)やCu板(熱伝導率:403W/mK)を2枚重ねた(表面粗さ:10〜40nm)時、これら金属間の熱伝導率は著しく低く、0.01〜1MPaの圧力下でも、前者で0.54〜0.84W/mK、後者で0.38〜0.80W/mKである。十分な圧力下(0.3MPa)でも金属板を重ねると、両者間の熱伝導率は想像を絶するほど低く、真の熱特性評価ができていない。さらに、1MPaのような高い接触圧を常時、平均的に印荷し続けることは現実的にかなり難しく、正しい熱特定評価とならない。この例は、熱伝導材料単独では熱伝導率が高いが、熱伝導材料を重ねると熱伝導率が著しく低下することを示しており、Al板間やCu板間等固い材料間や金属間での真実接触面積が低いために起きた結果である。従って、熱伝導率のみによる熱伝導材料の評価は、これらが連結して使用されている電子・電気機器の製品や部材においては何の意味も持たないことになる。熱伝導材料の熱伝導率のみによる評価は、電子機器又は電子部材の接続部品において熱拡散による放熱評価を行う場合には無意味であると云える。また、この例は高熱伝導率材料が電子機器や電子部材等の放熱材料として使用されたとしても、放熱による低温化を維持しつつ、高効率や高性能を発揮することに寄与するとは限らないことを示唆している。
一方、一般の実用の放熱部品を有する電子・電気機器等において、熱を伝導して温度の低下を目的とする構成材料の部品単位として、必ず熱伝導性の熱発生源側金属層(固体材)/熱伝導材料(シート材)/熱伝導性の冷却源側金属層(固体材)の3層構造(三層構造体)が少なくとも1単位として構成されている。従って、熱特性評価の測定では目的とする熱伝導材料の熱抵抗値又は熱伝導率と真実接触面積が反映される接触熱抵抗値が必須の測定・評価項目となる。加えて、これ等の評価項目が意味のある値とするためには、得られた数値が熱特性値の平均的な値として示す単位として表示され、単位の明確でない熱抵抗値(例えばK/Wの単位)が使用されないように構成材料や部品を合理的な装置に組立てることで熱特性を測定し、不確かさが明示されることが必要である。
前記三層構造体においても、熱発生源側金属層(固体材)/熱伝導材料層/冷却源側金属層(固体材)の間に接触層を想定して、夫々接触した各接触層での熱伝導材料の接触熱抵抗値、シート熱抵抗値及びシート熱伝導率を求め、三層構造体の界面層に存在する接触熱抵抗値、熱伝導率及び接触面厚を想定した後に、合理的に数式化されることが重要となる。
熱発生源側金属層(固体材)/熱伝導材層/冷却源側金属層(固体材)の間の各層の熱抵抗値を評価して、高熱抵抗値を招く原因の究明や熱抵抗値を減少させる手段の開発には、先ずこれらを正しく測定できる熱特性評価測定装置の新たな発明と評価測定の工夫とが不可欠であるが、現在このような目的に合致した熱特性評価測定装置や評価測定方法は存在しない。
従来から、一方向熱流束定常比較法により樹脂材料等の測定対象物の熱伝導に関する物性値を測定する装置として、例えば下記特許文献1及び2に開示されているように、熱伝導率測定装置が知られている。これらの特許文献に開示された測定装置では、測定対象物を一対の部材(挟持部材)で挟んで層状の構造体とし、この層状構造体を上部ロッドと下部ロッドとの間に挟み込む構成となっている。上部ロッドは、熱発生源が組み込まれるとともに、長手方向の複数個所で温度を測定することができるように構成されている。また下部ロッドは、冷却装置に接続されるとともに、長手方向の複数個所で温度を測定することができるように構成されている。測定試料に近い位置に熱発生源と冷却原及び温度測定器が設置・配慮されているが、測定箇所が多いのはデータの信頼性を確保する点から良いが、試料の出し入れや接触部の清掃に際して著しく邪魔になる場合が多い。
この測定装置は、上部ロッド及び下部ロッドによって層状構造体(測定対象物;熱測定試料)に荷重を加えた状態で熱を流し、上部ロッド及び下部ロッドの複数個所で温度を測定することにより、層状構造体の熱抵抗を測定する。そして、予備試験として、挟持部材のそれぞれについての熱抵抗を予め測定するとともに、この挟持部材と上部ロッド又は下部ロッドとの界面での熱抵抗を測定する。この予備試験によって得られた熱抵抗値を層状構造体の熱抵抗値から差し引くことにより、挟持部材と測定対象物との界面の熱抵抗を含む樹脂材の熱抵抗値を測定することができる。しかし、この測定装置では、界面の熱抵抗値は測定できない。測定試料に接続している金属表面の状態は使用の度毎に変化し、事前に予備試験で得た熱特性値がいつの場合にも同じ値を適用できるとは限らない。測定対象物の出し入れによりロッドの表面に傷の発生や損傷が起こり、真実接触面積は測定回数と共に減少する方向に向かい、正しい熱特性値が得られない矛盾を最初から含んでいる。
また、特許文献1には、上部ロッド、層状構造体及び下部ロッドの全体を断熱材で覆ったり、恒温炉内に設置したりすることにより、周囲への熱の放出を防止することが開示されている。金属部品の周辺で異常な空気の移動が起きない限り、この配慮は問題にならない。
更にまた、前述したように、前記特許文献1に開示された熱伝導率測定装置によって測定対象物の熱抵抗値を求めるには、挟持部材自体の熱抵抗値、挟持部材と上部ロッド又は下部ロッドとの界面での熱抵抗値を予め測定する予備試験が必要である。このため、測定作業が煩雑なものとなるばかりでなく、測定時間も長時間化してしまうと特許文献2は、述べている。界面の熱抵抗値が温度、圧力、時間に依存しない値として与えられるのであれば、問題ないがこのような工夫や事実の記載はない。
また、特許文献2では、温度測定部(挟持部)ブロックには3本の熱電対が上下合わせて6本挿入されており、かつこれらの表面に測定試料をコーティング、乾燥及び整面操作を施すなど限定された材料や限定された使用方法以外測定できない仕組みになっている上に、試料作製や測定操作が著しく煩雑である。高い熱伝導率のブロック(例えば、Al)を使用する場合には、横1cmも離れていない場所の温度差は非常に小さく、Alの固有熱抵抗値又は熱伝導率から容易に計算できる。加えて固有値とこれらの誤差は非常に小さく、金属間の界面接触熱抵抗の方が格段に大きく、前記の配慮は無意味である。
一方向熱流束定常比較法による熱特性測定装置において、挿入される測定試料を挟む銅やアルミニウムの金属ブロックが、MgO,Al,AlN,BN,C,Si等の硬度の高いセラミックス紛体と樹脂材料からなる複合系測定対象物と接触する場合において、測定時の取出し中に金属ブロック表面に傷や測定試料の付着による粗度増加、清掃時の摩耗、測定試料の固着物の除去などに手間が掛り、測定時間の著しい延長につながると同時に真実接触面積の削減につながるため、正確な熱特性の測定が損なわれてしまう。さらに、熱電対や接続物が固定されているため、取替えにも時間と費用がかかる。
このように測定試料の直接測定は界面接触熱抵抗値の測定を困難にするのみならず、時間と費用の浪費をもたらす場合が多々ある。さらに、接触熱抵抗値の改良方法や低熱抵抗値材料の開発(高熱伝導材料の開発)の探索速度を鈍らせるので、界面接触熱抵抗値の測定は解決しなればならない測定機器の必須の要件である。前記界面の接触熱抵抗値は金属間の接触測定面圧、熱移動路に存在する金属と測定対象物及びこの測定対象物間に生じる間隙が大きな値となるので、これ等の影響を出来るだけ最小にすることを考慮するのが重要である。
さらに、特許文献2では熱特性評価に必要な接触熱抵抗値、測定対象物の熱抵抗値及び熱伝導率の三特性値を測定から決定できない。加えてまた、前記特許文献1及び2は複雑表面形状の測定対象物試料を用いた測定は不可能であり、現行熱伝導部材の立体的三層構造体の測定、三層構造体の層間接触(物理接触、化学接触、化学結合接触)試料の作製や測定ができないなど、実用機・実験機・試験機、とりわけ熱制御用実験装置としての要件を満たしていない。
特許第3858660号公報 特許第5509195号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、一方向熱流束定常比較法による熱特性評価測定装置と、この装置を用いた測定対象物の接触熱抵抗値、測定対象物の種々の厚さにおける測定対象物の熱抵抗値及び測定対象物の熱伝導率の決定方法のような熱特性の評価測定方法とを提供することを目的とする。測定対象物の面圧依存性評価、測定対象物の熱接触手法、測定対象物間の熱移動促進手法及びこれらの熱測定解析技術により、種々の測定対象物について装置の信頼性を確保しつつ、実用的乃至実験的・試験的に熱特性の評価測定結果を短時間に求めることにある。また、このような測定により開発され峻別された熱特性評価測定対象物を層構造体にして高い放熱性を示す放熱方法を提供することを目的とする。さらに、その熱特性評価測定装置や熱特性の評価測定方法に用いられるもので、熱移動促進剤からなる界面接触熱抵抗値低減剤、及びそれを用いた熱抵抗値低下方法を提供することを目的とする。
この熱特性評価測定装置は、測定対象物の接触熱抵抗値と測定対象物の熱抵抗値の測定から熱伝導率を決定でき、これらの値が平均的でかつ有意義な値を求めることができることを必要とする。
熱特性評価測定装置は、上部から下部へ向けて熱や応力が的確に伝達されるように、それぞれの部品によって組立てられている必要がある。熱特性評価測定装置のそれぞれの箇所の部品同士は、物理的接触及び化学的接触を目的に応じて選択して使用する必要がある。
そして、熱特性評価測定装置は、熱発生源及び熱冷却源の測定箇所は測定対象物の最も近い位置に組み込む選択が重要である。
本発明が解決すべき最も重要な課題は測定対象物の形態である。測定対象物は粘調体(コンパウンド及びグリスなど)、固形シート、凹凸異形個体など雑多多種である。同時に熱伝導性測定対象物の使用のされ方を実用的乃至実験的・試験的に調査研究する必要があると同時に、測定対象物試料を一定形状に統一化することも重要である。さらに、測定対象物が複雑形状体である場合の測定が製品等で要求されるので、全体的平均的な熱特性値の測定が可能となる工夫が必要である。
また、熱特性評価測定装置の使用により、測定対象物が前記装置により実用や実験・試験に即した挿入状態で測定され、取出し及び清掃に際して、測定対象物が接触対象物を損傷したり、面粗度を変化させたりするなどの事態が起こってその後の測定値の信頼性に支障をきたしてしまうことを、防ぐ必要がある。
この時、熱特性評価測定装置に対する測定対象物の挿入操作が簡単であり、挿入操作の繰り返しによっても、熱特性値に変動が起こらない工夫が必要である。熱特性評価測定装置の熱伝達面や熱冷却面の損傷は、測定が繰返し行われる限り、必ず起こり、低摩耗性材料の選択でも対応不可能であると云う大きな課題がある。
加えて、従来の測定法は測定試料の膜、シート及び板の厚は熱測定前に測定された厚さを使用してきた。しかしながら、実際は面圧の変化と共に測定試料の膜厚は変化する。この時の変化量は薄い測定試料を使用した場合ほど大きくなり、正確な熱抵抗値として表現できなくなる。従って、面圧の変化と試料の厚みは連動する必要がある。
以上の課題の他に、測定対象物を一定の形状の構成体に集約することが重要であるが、測定対象物の構成体と熱伝達面や熱冷却面の接触界面、及び前記構成体と測定対象物の接触界面に発生する新しい接触熱抵抗値の削減の課題がある。
測定対象物の面と面が接触する境界面の粗さ、捻り、歪みなどにより真実接触面積は、荷重により異なるが、実際には1%以上に維持することが容易でない。表面に粗さがあり、この粗さを埋め込む方法の開発も重要な課題である。界面の隙間によって発生する接触熱抵抗値を測定する方法が重要となる。
そして、熱特性評価測定装置は、随所に熱的物理接触が存在するため、接触熱抵抗値が発生し、この値が熱特性値に対して有意義な値にならないように、熱的物理接触を減ずる工夫を必要とする。熱特性評価測定装置は物理接触による熱抵抗の変化を知るために測定対象物に面圧を変化させる仕組みが必要となる。熱特性評価測定装置の部材と測定対象物の接触連結部において、熱特性値が面圧や表面粗さに依存しないように工夫することが必要不可欠の課題となる。
従来、接触界面に存在する、空気及び気泡、表面粗度など接触界面熱抵抗値に大きく影響する因子を除去するか、又は低減化する工夫は何処にも開示されておらず、前記課題を解決する手段も示されていない。
熱特性評価測定装置においては、測定中に熱が測定部を伝わり外部に拡散することを防ぐ工夫も必要である。正確な熱特性値を決定するための重要課題である。
熱特性評価測定装置において、測定の所要時間の短縮、測定データの表示システムや図表化等は一方向熱流束定常熱測定法の重要な機能として賦与される必要がある。
そしてそれらの点は、熱特性評価測定装置を用いた熱特性評価測定方法、並びに熱移動促進剤からなる界面接触熱抵抗値低減剤、及びそれを用いた熱抵抗値低下方法についても、同様である。
前記の目的を達成するためになされた本発明の熱特性評価測定装置は、測定試料部への熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を加熱する熱発生源部と、前記測定試料部と、前記測定試料部からの熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を冷却する熱冷却源部と、それらを指示する支持台部とが順次重ねられた熱特性評価測定装置であって、前記測定試料部が、熱特性評価測定対象物とそれを挟んでいる熱伝導材との三層構造体を有し、前記熱伝導材と前記熱発生源部及び前記熱冷却源部とが、熱移動促進剤を介して密着し、前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材とが、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着していることを特徴とする。
この熱特性評価測定装置は、面圧と測定試料厚さが連動して変化するように、前記測定試料部及び/又は前記熱特性評価測定対象物の厚さを計測する測長器を有することが好ましい。
この熱特性評価測定装置は、荷重測定器が設けられ前記測定試料部に荷重を付加する荷重負荷部を、有するものであってもよい。
この熱特性評価測定装置は、前記荷重負荷部が、前記荷重を前記熱特性評価測定対象物に伝達するロードセルと、前記ロードセル内にて前記荷重測定器で感知した歪を電圧に変換する回路を有するものであることが好ましい。
この熱特性評価測定装置において、前記熱発生源部は、断熱材と、前記断熱材に接合する絶縁樹脂に接合して内在する熱発生源と、前記測定試料部側で前記絶縁樹脂に接合する金属ブロックとが順次重ねられたものであり、その接合が分子接着剤による接合とするものであると、好ましい。
この熱特性評価測定装置において、前記測定試料部は、2枚の金属板である前記熱伝導材と、それらの間に挟まれた前記熱特性評価測定対象物とが、前記三層構造体であって、前記物理接触、前記化学接触、及び/又は前記化学結合接触によって、密着しているものであってもよい。
この熱特性評価測定装置は、前記測定試料部とそれに接合する前記熱発生源部の金属ブロックとの間に、及び前記測定試料部とそれに接合する前記熱冷却源部の金属ブロックとの間に、許容熱抵抗値、許容被揮発性、圧力非依存性、及び/又は隙間間距離非依存性を有する熱空間を有していてもよい。
この熱特性評価測定装置は、前記測定試料部の前記熱伝導材とそれに接合する前記熱発生源部の金属ブロックとの間に、及び前記測定試料部の前記熱伝導材とそれに接合する前記熱冷却源部の金属ブロックとの間に、許容熱抵抗値、許容被揮発性、圧力非依存性、及び/又は隙間間距離非依存性の熱空間を有し、前記熱空間が前記熱移動促進剤で充填されていてもよい。
この熱特性評価測定装置は、前記熱伝導材と前記熱特性評価測定対象物とが、熱移動促進剤を介した前記化学接触、及び/又は分子接着剤を介した前記化学結合接触によって、密着していてもよい。
この熱特性評価測定装置は、例えば前記熱移動促進剤が、重水、蒸留水及びイオン交換水から選ばれる高純度水と、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤と、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールから選ばれる水溶性ポリマーと、芒硝、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、亜リン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びエチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウムから選ばれるビルダーと、トリアジントリチオール金属塩、ベンゾトリアゾール・塩酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン四酢酸の乳酸、レゾルシン、t−ブチルフェノール及びアミノフェニルアニリンから選ばれる金属表面安定化剤を含むことが好ましく、少なくとも水及び界面活性剤2成分を含むというものである。
この熱特性評価測定装置において、前記測定試料部は、例えば、前記熱特性評価測定対象物が、単数枚又は複数枚であって1枚当たり0.001mm〜20mmの厚さの測定シートである前記三層構造体とするものである。
この熱特性評価測定装置において、前記測定試料部は、例えば、前記熱伝導材の間に前記熱特性評価測定対象物が挟まれた三層構造体が、単数又は複数重ねられたものである。
この熱特性評価測定装置において、前記測定試料部は、例えば、試料が未架橋液体シリコーン液状ゴム組成物の硬化物に埋め込まれている前記熱特性評価測定対象物と、前記熱伝導材とが、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着しているものであってもよい。
この熱特性評価測定装置において、前記測定試料部は、試料が未架橋液体シリコーン液状ゴム組成物の硬化物に埋め込まれている前記熱特性評価測定対象物と、前記熱伝導材とが、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着している、単数又は複数重なった前記三層構造体であってもよい。
この熱特性評価測定装置は、前記三層構造体の前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材との接触熱抵抗値、前記熱特性評価測定対象物の熱抵抗値及び熱伝導率を、同一の前記熱特性評価測定対象物でかつ平均的な値として測定するためのものであり、前記熱特性評価測定対象物の厚みが1枚当たり0.001〜10mmの範囲内であり、前記熱特性評価測定対象物の接触熱抵抗値及び熱抵抗値が0.0001×10−3K/W〜1mK/Wの範囲内であり、測定対象物の熱伝導率が0.01W/mK〜20W/mKの範囲内であるというものである。
この熱特性評価測定装置は、前記三層構造体の前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材との接触熱抵抗値、前記熱特性評価測定対象物の熱抵抗値及び熱伝導率を、同一の前記熱特性評価測定対象物でかつ平均的な値として測定するためのものであり、複数の前記三層構造体が最大5つ重ねられ、かつ前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材との間及び前記三層構造体の間に熱移動促進剤の5〜20mg/4.84cmの塗布層を有し、前記熱抵抗値が、複数の前記三層構造体を接触面圧0.01MPa以上、3MPa以下の範囲内における、複数の前記三層構造体での前記熱特性評価測定対象物の全熱抵抗値である。
前記の目的を達成するためになされた本発明の熱特性評価測定方法は、測定試料部への熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を加熱する熱発生源部と、前記測定試料部と、前記測定試料部からの熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を冷却する熱冷却源部と、それらを指示する支持台部とが順次重ねられた熱特性評価測定装置により、接触熱抵抗値と、熱抵抗値と、熱伝導率との熱特性を測定する熱特性評価測定方法であって、前記熱伝導材と前記熱発生源部及び前記熱冷却源部とを、熱移動促進剤を介して密着させ、前記測定試料部が、熱特性評価測定対象物とそれを挟んでいる熱伝導材との三層構造体を有するように調製し、前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材とを、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着させてから、前記熱特性を測定するというものである。
前記の目的を達成するためになされた本発明の放熱方法は、請求項16に記載の熱特性評価測定方法で、製造ロット群から抜きだして測定した、熱特性評価測定対象物とそれを挟んで物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって密着している熱伝導材との三層構造体、又は前記製造ロット群中の三層構造体を放熱する方法であって、前記三層構造体が、熱発生源部材及び熱冷却源部材に挟まれた電気材料、電子材料、半導体部品プリント配線基板、モーター、ライト機器、自動車用品、及び放熱材料から選ばれる何れかの一部に用いられて、放熱されるというものである。
前記の目的を達成するためになされた本発明の界面接触熱抵抗値低減剤は、重水、蒸留水及びイオン交換水から選ばれる高純度水と;カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤と、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールから選ばれる水溶性ポリマーと、芒硝、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、亜リン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、及びエチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウムから選ばれるビルダーと、トリアジントリチオール金属塩、ベンゾトリアゾール・塩酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン四酢酸の乳酸、レゾルシン、t-ブチルフェノール及びアミノフェニルアニリンから選ばれる金属表面安定化剤との少なくとも何れかと;を含む熱移動促進剤からなるというものである。
前記の目的を達成するためになされた本発明の熱抵抗値低下方法は、重水、蒸留水及びイオン交換水から選ばれる高純度水と;カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤と、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールから選ばれる水溶性ポリマーと、芒硝、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、亜リン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、及びエチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウムから選ばれるビルダーと、トリアジントリチオール金属塩、ベンゾトリアゾール・塩酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン四酢酸の乳酸、レゾルシン、t-ブチルフェノール及びアミノフェニルアニリンから選ばれる金属表面安定化剤との少なくとも何れかと;を含む熱移動促進剤を媒体として、互いに異種材料からなる固体の接合部材と被接合部材との間に介在させ、熱抵抗を低減し及び/又は熱ノイズを低減乃至キャンセルして、熱抵抗値を低減又はキャンセルするというものである。
この熱抵抗値低下方法は、前記接合部材と前記被接合部材とが、金属材料、金属合金材料、セラミックス材料、及び化合物半導体から選ばれる少なくとも何れかの無機材料と、有機材料と、前記有機材料及び前記無機材料からなる複合材料とから選ばれる前記異種材料で、それぞれ形成されているというものであってもよい。
この熱抵抗値低下方法は、熱伝導材からなる2枚の前記接合部材と、それらに挟まれた前記被接合部材とが、三層構造体であって、前記接合部材と前記被接合部材との間の熱空間に、前記熱移動促進剤を充填しておくというものであってもよい。
本発明によれば、以下に列挙するように、実用や実験・試験のレベルに即した測定対象物の熱特性を測定することが可能となり、かつ新規な熱伝導材料の開発、接触界面熱移動促進剤の開発及び熱特性値の新しい評価方法の開発が可能となることが特長である。
(1)熱特性評価測定装置においては、測定対象物の実用・実験・試験レベルでの接触界面熱抵抗値、正確な熱抵抗値及び正確な熱伝導率からなる熱特性値の平均値を測定することが可能となり、それらの相関係数が0.97以上と高い精度で相関性を示す測定が可能である。
(2)熱特性評価測定装置においては、熱伝導材(金属板)/測定対象物/熱伝導材(金属板)からなる少なくとも三層の多層構造体を単数又は複数用いることにより、簡便かつ正確に、実用や実験・試験に合致した正確な熱特性値の測定が可能となる。
(3)熱特性評価測定装置によれば、三層構造体内又は三層構造体間の各接触間の面圧は印荷荷重により変化させることが可能であり、面圧依存性及び面圧非依存性の熱特性値が測定できる。
(4)熱特性評価測定装置においては、接触面の粗さ及び接触圧の影響は、測定対象物及び/又はそれを有する三層構造体の各接触面に熱移動促進剤を塗布又は介在させることにより著しく減少することが可能となる。
(5)熱特性評価測定装置においては、熱移動促進剤は、気泡非含有の純水又は重水、界面活性剤、ビルダー及び安定剤からなる低粘度の溶液であり塗布又は介在、及びその除去が簡便である。
(6)熱特性評価測定装置においては、測定対象物及び/又はそれを有する三層構造体における界面の接触は物理的接触及び化学的接触、又は物理接触と化学結合接触の混合で構成することにより、面圧依存性及び面圧非依存性が制御可能となる。
(7)その三層構造体内の2界面層の一方又は両方を化学結合接触することによって、熱特性の向上を図ることが可能である。
(8)熱特性評価測定装置においては、測長器を設置することにより、測定時における測定対象物である試料の厚さがμmオーダーで正確に測定されるので、柔軟性の試料から硬直性の試料までの広範な硬さの試料について、正確な試料厚さと熱特性とが、測定可能となる。
(9)熱特性評価測定装置によれば、接触界面層に存在する熱移動促進剤は短時間で定常状態に達するので一方向熱流束定常比較法の欠点である測定時間を著しく削減することができる。
(10)熱移動促進剤は界面接触熱抵抗値低減剤として、前記熱特性評価測定装置を用いた熱特性測定における定常状態の到達時間の短縮のみならず、熱に弱いLED光源部、レーザー発振器、半導体素子の温度上昇の抑制にも使用できる。
本発明の一方向熱流束定常比較法に従う熱特性評価測定装置、及びそれを用いた熱特性評価測定方法によれば、測定対象物の接触界面熱抵抗値、種々の厚さの測定対象物における熱抵抗値及び熱伝導率の決定方法と評価測定するために、種々の厚さの測定対象物を熱特性評価測定装置の熱発生源と熱冷却源の間に置き、両者の温度差を測定し解析するシステムを熱特性評価測定装置に付随して接続することにより、正確で適切な測定が可能となる。また、同時に熱抵抗値と熱特性評価測定対象物の厚さとの相関係数が0.97以上と高い相関性を示すようにすることができる。
即ち熱特性評価測定装置によれば、熱発生源に接続する金属ブロックと熱冷却源に接続する金属ブロックとに、例えば各々2個の穴に熱伝導性グリス塗布熱電対が挿入され、温度が電圧に変換された信号が付随するデータ収集・制御システムへ出力され、インターフェイスユニットを経て、コンピュータディスプレイに結果が映し出される。この時、上下2個の熱電対の内最低でも1個ずつの使用によって測定が可能であるが、温度コントロールや金属内の温度変化をチェックするために4個又はそれ以上が使用されると精度が一層向上する。
熱特性評価測定装置は、上部から下部へ向けて熱や応力が的確に伝達されるようにそれぞれの部品の接触部位を、分子接着技術で接合することによって、それら部品間が連続した化学結合接触で構成されるようになっていると、各部品間の応力は、各部材間をフックの法則に従って弾性的に伝達し、同時に熱も効率よく伝達できる。これによって正確で適切に熱特性を測定可能な熱特性評価測定装置の仕組みが出来上がる。
熱発生源部から測定対象物へ熱が伝達し、熱冷却源部で冷却するための合理的な配置は、熱発生源部と熱冷却源部との中間に測定対象物を、三層構造体として配置することによって達成される。
熱特性評価測定装置においては、測定対象物の位置が決定されると、次なる重要な因子は測定対象物の形態である。測定対象物は粘調体(コンパウンドやグリスなど)、固形シート、凹凸異形固体など雑多多種であるので、これ等を同一手法で、かつ簡素な手段で統一化することが重要となる。本発明の熱特性評価測定装置においては、この目的を達成するために、2枚の金属板の間に測定対象物を挟んだ三層構造体として形状を統一化する。又は、さらに複雑形状測定対象物を未架橋シリコーン液状ゴム組成物で流し込み、長方形状の架橋シリコーンゴムに成形することによって三層構造体として形状を統一化する。このような三層構造体が熱特性評価測定装置の測定対象物として使用されると、測定試料の統一化が実現され、同一の熱特性評価測定装置で、様々な形状・材型の測定対象物の熱特性を正確かつ適切に測定することができる。
この時、異なる測定対象物を用いて三層構造体又は多段三層構造体を作製して熱特性評価測定装置で測定して、測定熱抵抗値(Rt)と測定対象物の厚さ(L)の関係が3点以上でプロットされると、Rt=aL+bの式となる一次関係式が得られる。この式において、測定対象物と熱伝導材(金属板)間界面の接触熱抵抗はbであり、測定対象物の熱抵抗値はRt−b、測定対象物の熱伝導率a=L/(Rt−b)で表わされる。このとき、3点プロットの相関係数が0.97以上に保たれているから、測定値は正確性を確保できている。
熱特性評価測定装置の熱伝達面や熱冷却面の損傷は、同一装置で測定が繰返して行われる限り、必ず起こり、低摩耗性材料の選択だけでは対応不可能であると云う大きな課題がある。本発明の熱特性評価測定装置の測定対象物に熱を印荷する為に一定の形式が必要となるのである。また、測定対象物を熱特性評価測定装置の熱伝導面及び熱冷却面に物理的に接触させて測定する場合、熱伝導面及び熱冷却面が損傷され、凹凸溝化により熱の伝達レベルが変化しても、校正できる機構を賦与する手段の構築が重要である。この課題を解決するため、測定対象物単独又はこれを含み例えば金属板製の熱伝導材で挟んだ三層構造体を採用して、この金属側表面及び測定対象物表面に熱移動促進剤の塗布により接触熱抵抗値を著しく削減させて、熱移動に関する重要なファクターにおける問題点を解決することによって、正確で適切に熱特性が測定可能となったのである。
三層構造体の使用は測定試料の取り外しを極めて単純化し、清掃の手間を著しく軽減するのに有効であるが、熱特性評価測定装置の熱伝達面や熱冷却面の僅かな損傷は避けられない。しかし、損傷による表面粗さの変化によっても熱の移動速度を一定値にするため、両者の界面層の間隙に熱移動促進剤を介在させる新しい手段によって、正確で適切に熱特性を繰り返し測定可能となったのである。
熱移動促進剤は、絶対粘度が10P以下で容易に拭取れ、熱伝達面や熱冷却面を揮発性有機溶媒で清掃できることにより表面を損傷させることなく、熱特性を正確に測定することができるようにする。熱伝達促進剤の主成分は分子量が最も小さく、比熱が大きな純水(4.217J/g・K(約4.19J/cal,1cal/g℃))や重水が適当である。そこで、熱移動促進剤は、純水単独の場合に揮発し易く凹凸を校正し切れないので、水の蒸発を防止しつつ表面粗さによって生じる接触界面間隙壁に付着している微小な気泡の除去の可能な界面活性剤、ビルダー及び金属の防錆に有益な化合物などの共存媒体が、金属間間隙における熱移動促進剤成分として有効である。
熱特性評価測定装置の測定において、測定対象物周辺に存在する界面層の厚さ、言い換えれば真実接触面積を一定値に維持するためにどの程度の圧力が必要かを知ることは接触熱抵抗値を減少させる研究のために重要であるので歪を、検知することが好ましい。例えば荷重負荷部とそれによる歪を荷重測定器で測定するようにすれば、三層積層体に螺子式連結器又はステップモーターにより接触面圧力が歪ゲイジにかかり、この値を歪計測ユニットで検知でき、正確で適切に熱特性の測定に反映できる。
このような面圧印荷により、測定対象物の厚さが変化する可能性がある。その場合、面圧の変化と同時に測定対象物の厚さを測定し、最初の測定対象物厚さに補正することが必要であり、その目的のために、測長器を用いることが必要となる。
熱特性評価測定装置においては測定中に熱が測定部及び測定部を伝わり外部に拡散することを防ぐため、アクリル樹脂製の透明プラスチック容器中で測定され、更に熱特性評価測定装置本体は4個の三角錐コーン上に載せて本体から外部へ熱の移動が最小限な設計となっていると、正確で適切に熱特性を測定できる。
熱特性評価測定装置において、測定の所要時間の短縮、測定データの表示システムや図表化等は一方向熱流束定常比較法による熱測定法として重要な機能であるので、コンピュータの解析ソフト(例えばマイクロソフト エクセル(MICROSOFT EXCEL;マイクロソフト社の登録商標)に連結され、データは随時変換されて有用情報に変換されて表示されるようにしておくと、正確で適切に熱特性を視覚的に認知できる。
本発明の熱特性評価測定装置を用いた熱特性評価測定方法によれば、正確かつ簡便に熱特性を測定することができる。
また、本発明の放熱方法によれば、熱特性評価測定方法に基づいて適切に評価した特性評価測定対象物を含む三層構造体を用いて、熱発生源部材及び熱冷却源部材に挟まれた電気材料、電子材料、半導体部品プリント配線基板、モーター、ライト機器、自動車用品、及び放熱材料から、効率良く十分に放熱することができる。
さらに、本発明の界面接触熱抵抗値低減剤は、これらの熱特性評価測定装置や熱特性評価測定方法に用いて熱特性を正確に測定したり、放熱方法に用いて放熱効率を向上させたりすることができる。
この界面接触熱抵抗値低減剤を用いれば、本発明の熱抵抗値低下方法の際に、接合部材と被接合部材との間の熱抵抗を低減し及び/又は熱ノイズを低減乃至キャンセルして、熱抵抗値を低減又はキャンセルすることができる。
本発明を適用する熱特性評価測定装置の概要を示す模式正面図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の本体に繋がるデータ収集・制御システムを示すブロック図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の本体に繋がる冷却水循環システムを示すブロック図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の本体に繋がるデータ表示システムを示すブロック図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の測定試料部である三層構造体を構成する金属製熱伝導材/測定対象物/金属製熱伝導材とこれらの界面層及び表面層を示す模式概要図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の測定試料部である異種・異形三層構造体を構成する金属製熱伝導材/シリコーンゴム/異種・異形測定対象物/シリコーンゴム/金属製熱伝導材を示す模式概要図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の測定試料部である三層構造体を金属製熱伝導材/測定対象物/金属製熱伝導材として、成形用治具を用いて作製している途中を示す斜視図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の測定試料部として三層構造体を構成する金属製熱伝導材/測定対象物/金属製熱伝導材と、断熱板とが重ねられている状態を示す模式概要図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置の測定試料部として三層構造体を構成する金属製熱伝導材/測定対象物/金属製熱伝導材の単段又は複数段と、断熱板とが重ねられている状態を示す模式概要図である。 本発明を適用する熱特性評価測定装置と適用外の熱特性評価測定装置とを用いたときにおいて、測定試料部である三層構造体の測定温度変化を示しつつ、定常状態に達するまでの時間を表わすグラフである。 本発明を適用する熱特性評価測定装置と適用外の熱特性評価測定装置とを用いたときにおいて、測定試料部である三層構造体における圧力と熱抵抗値との相関を示すグラフである。 本発明を適用する熱特性評価測定装置と適用外の熱特性評価測定装置とを用いたときにおいて、測定対象物の厚さと全熱抵抗値の関係を示すグラフである。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
先ず全体の構成について、概略を説明する。
(全体の構成)
熱特性評価測定装置1の本体の構成を示す模式正面図である図1に示す通り、熱特性評価測定装置1の本体が、測定試料部5の測定試料(三層構造体)を出し入れ可能な窓付の透明なプラスチック容器等2に収容されている。熱特性評価測定装置1は、一方向熱流束定常比較法による測定機能を備えており、荷重負荷部3、熱発生源部4、測定試料部5、熱冷却源部6、支持台部7から構成される。測定試料部5を中心に、上部に向かって、熱量測定できる熱発生源部4と、歪測定できる荷重負荷部3とが接続され、下部に向かって、熱量測定できる熱冷却源部6と、支持台部7とが接続されるように、配置されている。熱特性評価測定装置1の本体は、熱特性評価の結果を示すデータ表示システム11に接続されている。
次に、熱特性評価機能を備えている熱特性評価測定装置1の本体において、図1を参照しつつ、データ収集・制御システム(図2参照)に接続された荷重負荷部3、熱発生源部4、測定試料部5(図5〜6参照)、熱冷却源部6と、冷却水循環システム(図3参照)に接続された熱冷却源部6と、支持台部7と、データ表示システム11(図4参照)との個々の構成について、それらの付属品(図7参照)について、また熱特性評価測定方法について、詳細に説明する。
(荷重負荷部の構成)
荷重負荷部3は、測定試料部5に圧力を付加する荷重ネジロッド3aと、荷重ネジロッド3aに螺合しそれの順回転によって締め付けるSUSネジ切板3bと、締め付ける順回転又は緩める逆回転の際にSUSネジ切板3bを回動させずに上下動させるガイド3gと、荷重ネジロッド3aが測定試料部5に印荷した荷重を検知するロードセル3dと、ロードセル3dに接しており熱発生源部4からの放熱を防ぐ断熱ブロックである断熱板3eとを有している。この時、規則的な荷重を印加するため、減速式歯車を用いる事は好ましいが、限定される工夫ではない。ロードセル3dにて印荷荷重を歪電圧として感知する歪ゲイジ3f・3fは、それの歪データを計測し歪ゲイジ測定配線3h・3hを経て出力し記録するデータ収集・制御システム9の歪計測ユニット9a(図2参照)に接続している。
(熱発生源部の構成)
熱発生源部4は、熱発生源4bから一方向に熱流束を向けるための断熱ブロックである断熱板4aと、熱発生源4bがポリイミドフィルムの絶縁樹脂4d・4dと電熱ヒータ4eとであるポリイミド/ステンレス線/ポリイミド(PI/SUS/PI)からなっている熱発生板複数枚と、熱発生板に直流安定化電源9c(図2参照)から直流安定電流を供給・接続する電線4fと、熱発生板から電線4fを経て直流電力が分流器9d(図2参照)を経由して接続する電圧測定装置及び記録装置(不図示)と、熱発生板から伝導される熱を集熱するAl製の上側集熱金属ブロック4cと、上側集熱金属ブロック4cに接続している2本の熱センサである熱電対4g・4gとを有している。熱電対4g・4gが高精度温度電圧計測ユニット配線4h・4hを経てその温度を測定制御するデータ収集・制御システム9の高精度温度電圧計測ユニット9b(図2参照)に繋がっている。
(測定試料部の構成)
測定試料部5は、熱特性評価測定対象物5b(測定試料)とそれを挟んでいる熱伝導材5a・5c(金属板)とによる金属板/測定試料/金属板の三層構造体を一つ有している。三層構造体は、熱伝導材5a・5cがその金属板外側表面に物理的に接触する熱移動促進剤でコートされている部分である熱移動促進剤膜5a及び5c(図5参照)を有している。熱伝導材5aは熱移動促進剤膜5aを介して熱発生源部4に密着し、熱伝導材5cは、熱移動促進剤膜5cを介して熱冷却源部6に密着している。外側表面にて熱移動促進剤膜5a・5cでコートされた熱伝導材5a・5cと、それら熱伝導材5a・5cの内側表面同士の間に挟まれて多様な取替え可能な熱特性評価測定対象物5bとが、物理接触、熱移動促進剤を介した化学接触、及び/又は分子接着剤を介した化学結合接触によって密着されて接合されている。
図5に示すように、外側表面(上側)に熱移動促進剤が塗布された金属板の熱伝導材5aと、多様な取替え可能な測定試料である熱特性評価測定対象物5bと、外側表面(下側)に熱移動促進剤が塗布された金属板の熱伝導材5cとの夫々の間は、物理的な接触(機械的接合若しくは分子間力接触)又は化学的な接合(化学結合接触)等種々の界面を形成する。それによって、界面状態と熱移動の関係を研究すると同時に、実用機器や実験機器・試験機器における熱移動部品の性能評価・検索も可能であるように配慮されている。中でも、熱伝導材5a・5cと熱特性評価測定対象物5bとを、物理接触で密着されて接合して三層構造体のコントロールとし、熱移動促進剤を介した化学接触、及び/又は分子接着剤を介した化学結合接触によって密着されて接合して真の熱特性評価測定のための三層構造体としてもよい。
熱特性評価測定対象物5bは厚さを随時変化された測定試料として適宜選択することができるだけでなく、複雑形状の測定対象物を任意に選択し、複雑形状三層基板(図6参照)とすることが可能である。
図5に示すような三層構造体からなる測定試料部5は、図7のような成形用治具20を用いて作製される。先ず、成形用治具20中の対向する左右外枠21a・21bで挟まれた内空部に下側スペーサー25を置き、その上に金属板の熱伝導材5c(例えば1×22×22mm角)、次に未架橋及び/又は架橋測定対象物5b(例えばa×22×22mm角、aは任意の厚さ具体的には0.0001mm〜20mm好ましくは0.001mm〜10mm;測定対象物の種類で異なる)、その後、金属板の熱伝導材5a(例えば1×22×22mm角)を置き、更に上側スペーサー23を載せて、0.01〜1MPaの圧力で圧着又は架橋圧着を50〜180℃、1分間〜30分間行う。この作業中に三層構造体が容易に取出しできるように、コ字型左右外枠21a・21bを採用し、上下をボルト22及びナット24のネジで留めて圧着中の治具20の寸法変化を抑えて使用する。熱伝導材5a・熱特性評価測定対象物5b・熱伝導材5cの夫々の間は、物理接触、熱移動促進剤を介した化学接触、分子接着剤を介した化学結合接触によって接合される。
熱特性評価測定対象物5bの厚さを正確に測定するために、熱特性評価測定装置中で熱特性評価測定対象物5bを挟持する金属ブロック4c・6a側面に、測長器8が取り付けられている(図1参照)。
測長器8は、熱特性評価測定対象物5bに面圧が印加され、両金属ブロック間の温度差が定常状態に達したのち、測長器により測定試料の厚さを測定して、試料厚さを補正するためのものである。
測長器8は、上面側測長器測定子8aと下面側測長器測定子8aとからなる。測長器測定子8a・8aが夫々測長ユニット配線8b・8bを経て熱特性評価測定対象物5bの厚さを測定し記憶制御するデータ収集・制御システム9の測長ユニット9g(図2参照)に繋がっている。測長器8は、例えば測定子8a・8aの機械的変位を電気量に誘導型・抵抗型・容量型などの変換方式で適宜変換し指針の振れとして示す電気的コンパレータ、レーザー干渉測長器、デジタルマイクロメータなど公知の測長器が使用でき、マイクロメーターオーダーで熱特性評価測定対象物5bの厚さを検出できるものである。測長器8は、例えば、ペンシル型ショートレンジ センサヘッド GT2−S1(株式会社キーエンス社製の商品名)が挙げられる。
(熱冷却源部の構成)
熱冷却源部6は、測定試料部5へ接触するAl製の下側集熱金属ブロック6aと、その下側集熱金属ブロック6aに接続した2本の熱センサである熱電対6c・6cとを有している。熱電対6c・6cが高精度温度電圧計測ユニット配線6d・6dを経てその温度を測定制御するデータ収集・制御システム9の高精度温度電圧計測ユニット9b(図2参照)に繋がっている。熱冷却源部6において、下側集熱金属ブロック6aへ熱的に接続した熱交換冷却器6bは、冷却水循環システム10に接続している(図3参照)。熱交換冷却器6bは、熱交換冷却器6bの冷却水入口6eに接続したホースへ冷たい水を送り込む貯蔵冷水循環槽10aと、熱交換冷却器6bを冷却水入口6eから冷却水出口6eまでで冷却する配管と、冷却水出口6eから出た熱交換して温まった冷却水を送り出し貯蔵冷水循環槽10aへ戻すホースとを有している。上記の熱冷却源部は基本的な冷却装置であるが、Alフィンとモーターを内蔵したペルティ素子などの使用も可能である。
(支持台部の構成)
支持台部7において、荷重負荷部3、熱発生源部4、測定試料部5、熱冷却源部6を載置する断熱材7aと置台7bとが、外界の影響を受け難いようにコーン状脚7c・7cで、支えられている。
(データ収集・制御システムと表示システムとの構成)
データ収集・制御システム9においては、三層構造体である測定試料部5への熱の移動を検知するためのもので熱発生源部4の上側集熱金属ブロック4cに接続した2本の熱電対4g・4gと熱冷却源部6の下側集熱金属ブロック6aに接続した2本の熱電対6c・6cとは、夫々の温度が測定制御される高精度温度電圧計測ユニット9bに繋がっている。また熱発生源部4の熱発生源4bに接続された直流安定化電源9cと分流器9dとが高精度温度電圧計測ユニット9bに繋がっている。また、ロードセル3dの歪ゲイジ3f・3fが歪計測ユニット9aに繋がっている。熱特性評価測定対象物5bの厚さを正確に測定するため測長器測定子8a・8aが測長ユニット9gに繋がっている。高精度温度電圧計測ユニット9bと歪計測ユニット9aと測長ユニット9gとは、熱特性評価測定算出ユニット9eに繋がっている。熱特性評価測定算出ユニット9eは、外部出力インターフェイスユニット9fに接続している。これらは、熱特性評価測定装置1の本体からデータ収集・制御システムを経て電気信号を情報処理するコンピュータの中央演算装置(CPU)で制御されている。
外部出力インターフェイスユニット9fは、図4に示すように、外部出力インターフェイスユニット9fを介してメモリ11aに記憶された、歪ゲイジ3f・3fによる歪や、熱電対4g・4g・6c・6cによる温度や、測定子8a・8aによる熱特性評価測定対象物5bの厚さや、分流器9dによる熱発生源4bの電力等の各種データ、又はそれに基づく熱特性評価測定結果を、データ表示するディスプレイ11bに接続している。
(各構成材料及び部品間の構成)
熱特性評価測定装置における各構成材料及び部品間について、金属ブロック間の測定試料部の連結以外の異種材料間は、分子接着剤を用いた分子接着技術によって化学結合と分子間力が混合した接合形態になっており、応力や熱量の伝達に考慮した接合方式を採用している。
(測定対象物に対する圧力印荷)
この熱特性評価測定装置1の機能部品の配置において、荷重負荷部3が熱特性評価測定対象物5bから離れているため、測定された圧力と測定試料部分の圧力に差があるかどうかの問題があるが、両者の圧力を比較した結果、0.4MPaの圧力まではほとんど差がなく、1MPa付近で±2%の差が出るが、熱抵抗の測定にはほとんど差は認められなかった。従って、使用中に印加される常識的な印荷圧力は1MPa以下であり、ほとんど問題にならないと考えられる。
(熱発生源部の接合)
熱特性評価測定装置1の熱発生源部4は、三層構造体である測定試料部5の温度変化を正確に測定するため、断熱材である断熱板4aと熱発生源4bの絶縁樹脂である上側ポリイミドフィルム4d、上側ポリイミドフィルム4dと電熱ヒータであるステンレス回路配線4e、ステンレス回路配線4eと下側ポリイミドフィルム4d、及び下側ポリイミドフィルム4dと上側集熱金属ブロック4cのそれぞれの界面は接着剤を用いることなく、分子接着剤の水溶液(0.01wt%)に浸漬・乾燥後、それぞれを接触・加熱(120℃×10分間)する分子接着技術で非流動体接合されて作製されている。
(測定試料部の三層構造体)
熱特性評価測定装置1は使用されるにあたり、熱発生源部4の上側集熱金属ブロック4cの下面と熱冷却源部6の下側集熱金属ブロック6aの上面、及び三層構造体の間の2箇所(金属板である熱伝導材5a・5c)の界面層である測定対象物接触界面5ab・5bc間において、これら金属板同士の金属/金属間、例えばAl/Al,Cu/Al、Al/Cu及びCu/Cu等とこれらの合金の組合せの接触隙間に極低熱抵抗値、低揮発性、圧力非依存性、隙間間距離非依存性の熱空間を備えている時、材料間の接触隙間層の熱抵抗値は測定条件に係らずいつも一定の接触熱抵抗値となるようにすることが重要である。
熱特性評価測定装置1の測定試料部5における三層構造体は、図5に示すように、2枚の金属板である熱伝導材5a・5cがSUS(熱伝導率;16.2W/Km)、Al(熱伝導率;240W/Km)若しくはAl合金(熱伝導率;139W/Km)、又は銅(熱伝導率;391W/Km)若しくは銅合金(熱伝導率;320W/Km)などの一般的な金属板であり、その熱伝導材5a(金属板)の上面及び熱伝導材5c(金属板)の下面に熱移動促進剤を塗布して、金属間接触の熱抵抗値が低レベルの一定値にすると同時に圧力、温度、時間,表面粗さに依存度が低い状態に調整されている。その値は上下2面で凡そ±0.007×10−3K/Wの範囲内に入る。この値は低レベルの接触熱抵抗値より低く、妥当な値である。
(熱特性評価測定装置の熱抵抗測定における定常状態)
熱抵抗値の測定においては迅速な測定が望まれるので、図8に示すような上側集熱金属ブロック4c及び下側集熱金属ブロック6aの両金属ブロック表面の温度(T及びT)を経時的に測定して迅速性について検討し、その結果を図10に示す。図10から明らかな通り、0.24W/mk品、2.1W/mk品及び5.1W/mk品について、定常状態に達する温度を測定した結果、良好な結果が得られた。熱特性評価測定装置1においては、測定値について、温度の立ち上がりから傾きを微分して定常値を予測するコンピュータソフト(例えば株式会社大地製)を内蔵しており、図10の定常状態よりもかなり早い時期(例えば定常状態到達時間の0.5〜1/min程度の短期)に定常状態が予測計算され記録されているので、高速測定装置であることが分かる。
以下に、図8の三層構成体の全熱抵抗値を例示すると、
R=(1)-(7)間の熱抵抗値=R(1)+R(2)+R(3)+R(4)+R(5)+R(6)+R(7)
となる。各成分の熱抵抗値を接触界面、金属及び測定対象物に分けて、例示すると以下になる。
Al/Al間の接触熱抵抗値=R(1)+R(7)=0.015、10−3K/W
Al/測定対象物間の接触熱抵抗値R(3)+R(5)=Rc,10−3K/W
Alの熱抵抗値=R(3)+R(6)=0.00417,10−3K/W
測定対象物の熱抵抗値=R(4)=Rs
全熱抵抗値Rt=R+Rc−0.015−2×0.00417
ΔT=T−T
である。
(熱移動促進剤の組成)
熱特性評価測定装置1中の測定試料部5である三層構造体の熱伝導材(金属板)5a・5cの上面及び下面において、この間に生成する熱空間に熱移動促進剤媒体が充填されていることによって、熱空間の接触熱抵抗値は極低熱抵抗値、低揮発性、圧力非依存性、隙間間距離非依存性になることが可能である。
熱特性評価測定装置1における測定試料部5の三層構造体の上下2枚の金属板、例えばAl板の上面及び下面にコートされた熱移動促進剤は、その成分が、重水、蒸留水及びイオン交換水等から選ばれる高純度水と、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤で例示される界面活性剤と、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、芒硝、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、リン酸アンモニウム、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、亜リン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウムで例示されるビルダーと、トリアジントリチオール金属塩、ベンゾトリアゾール・塩酸塩、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、EDTAの乳酸塩、レゾルシン、レゾルシン誘導体、t−ブチルフェノール、アミノフェニルアニリンで例示される金属表面安定化剤とを含む時、熱空間が極低熱抵抗値、低揮発性、圧力非依存性、隙間間距離非依存性に変化することが可能である。
本発明で云うカチオン系界面活性剤とは、1本鎖トリメチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、1本鎖トリメチル高級不飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、2本鎖ジメチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、1本鎖トリメチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、1本鎖トリメチル高級不飽和アルキルアンモニウムヒドロキサイド、2本鎖ジメチル高級飽和アルキルアンモニウムヒドロキサイド、2本鎖ジメチル高級不飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、3本鎖メチル高級飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、3本鎖メチル高級不飽和アルキルアンモニウムハロゲナイド、4本鎖テトラメチルアンモニウムクロリド、4本鎖テトラエチルアンモニウムクロリド、4本鎖テトラプロピルアンモニウムクロリド、4本鎖テトラブチルアンモニウムクロリド、1本鎖トリフェニル高級アルキルフォスホニウムハロゲナイド、1本鎖トリフェニル高級アルキルフォスホニウムヒドロキサイド、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラオクチルホスホニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムホブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミドなどを意味する。
アニオン系界面活性剤とは、ステアレス−6、ラウレス硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、トリス(2‐アミノエチルアミノ)アミンと有機酸反応物、トリス(2‐アミノエチルアミノ)アミンと無水有機酸反応物、6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4−チオール−2−チオナトリウム塩、6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4−チオール−2−チオカリウム塩、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2−チオール−2−チオカリウム塩、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジアミノエチルアミン、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジアミノエチルアミン、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジアミノエチルアミン、6−トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジヒドラジン、6−ジ(トリヒドロキシリルプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジアミノエチルアミン、6−トリヒドロキシシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジアミノエチルアミン、飽和アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、飽和アルキル、モノアルキル酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、ココイルグルタミン酸TEA、コカミドメチルMEA、コカミドMEA、ラウレス硫酸アンモニウムなどである。
両性界面活性剤とは、アルキルアミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミドプロピルベタイン、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウレス-16、ラウラミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルグリコシド、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルジメチルアミンオキシドR(CHNOや、アルキルカルボキシベタインR(CHCHCOO、2−トリヒドロキシシリルプロピルアミノ−3,5−ジアミノエチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2−(ジトリヒドロキシシリルプロピルアミノ)−3,5−ジアミノエチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2−(ジトリヒドロキシシリルプロピル)アミノ−4,6−ジアミノエチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2−(トリヒドロキシシリルプロピル)アミノ−4,6−ジアミノエチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2−ジ(トリヒドロキシシリルプロピルアミノ)−4,6−アミノエチル(ジアミノエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、2−(ジトリヒドロキシシリルプロピル)アミノ−4,6−ジ(ジエチレントリアミノ)アミノ−1,3,5−トリアジンなどが有効である。
ノニオン系界面活性剤とは、ジステアリン酸グリコール、リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルRO(CHCHO)H(Rは例えば炭素数1〜30のアルキル基、mは酸化エチレンの付加モル数例えば2〜1000)、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミドRCON(CHCHOH)(Rは前記と同じ)、アルキルモノグリセリルエーテルROCHCH(OH)CHOH(Rは前記と同じ)、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの化合物が該当する。
熱移動促進剤には、その他の添加剤、例えばクエン酸、EDTA−4ナトリウム、エチレンジアミンジコハク酸3ナトリウム、パンテノール、パンテニルエチル HCl塩、メチルクロロイソチアゾリノン、クエン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、ポリクオタニウム−10、酢酸トコフェロール、PPG−7、クエン酸、乳酸、ソルビン酸カリウム、グリセリン、水酸化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、EDTA、安息香酸ナトリウム、香料コメヌカエキス、コメエキス、ボタンエキス、ラカンセア、加水分解コメ発酵液、コメ胚芽油、サクラ葉エキス、ツバキ種子エキス、ヒオウギエキス、ムクロジエキス、塩化ナトリウム、クエン酸、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−7、BG、エタノール、EDTA−2ナトリウム、香料、カラメルレモン果実エキス、キウイエキス、キイチゴエキス、グリチルリチル酸2カリウム、ポリクオタニウム−10、コカミドMEA、ラウレス−3、塩化ナトリウム、リン酸、水酸化カリウム、ベンジルアルコール、安定化剤、金属封鎖剤、除菌剤を含有していてもよい。
熱移動促進剤液又は分散流体の具体的配合例は、質量比で、水が49.7〜99.88wt%、好ましくは50〜99.88wt%、さらに好ましくは70〜99.88wt%、界面活性剤が0.1〜50wt%、好ましくは0.1〜30wt%、ビルダーが0.1〜10wt%、金属表面安定化剤0.1〜5wt%の範囲内の組成からなり、必須主要成分は水と界面活性剤で、他は補助的な役割をする。界面活性剤は水の粘度を下げ、同時に水の表面蒸発を防ぐ。ビルダーは界面活性剤の水蒸発抑制効果を高める役割をすると同時に、金属表面との接触を促進し気泡の集合を抑制する。
熱特性評価測定装置1における測定試料部5の三層構造体の上下2枚の金属板である熱伝導材5a・5cと、熱特性評価測定対象物5bとが、熱移動促進剤膜を介した化学接触により、密着している例を示したが、分子接着剤を介した化学結合接触によって、密着していてもよい。熱特性評価測定装置1の測定試料部の連結以外の異種材料間、例えば断熱板4aと熱発生源4b、熱発生源4b中の絶縁樹脂4d・4dと電熱ヒータ4e、熱発生源4bと上側集熱金属ブロック4c、及び/又は下側集熱金属ブロック6aと熱冷却源部6は、分子接着剤を用いた分子接着技術によって、単なる物理接触又は化学接触よりも遥かに強い共有結合接触による化学結合と分子間力が混合した接合形態によって、結合されて密着して接合されていることが好ましい。分子接着剤分子の単分子で又は複数分子で、それら両者を結合点同士にて一挙に化学的に接合させ、多数の結合点同士の化学結合により、強固に接合することができる。
(分子接着技術)
分子接着技術は、分子接着剤を用いて、金属同士、樹脂同士、金属と樹脂のような様々な同種又は異種の材質を化学結合により接合するものである。分子接着剤は、接合すべきそれら材質の表面に本来有する水酸基等の活性基のような結合点、又は事後的に例えば、接合すべき材質の界面を酸・塩基等で改質したり熱・光・電界・電磁波等で改質したりして増幅した活性基のような結合点に反応して、両者を化学結合により接合することができる。そのため接着剤のように樹脂の硬化によって分子間力で接合するよりも、はるかに強固な接合強度を示すことができる。
このような分子接着剤として、置換基を有していてもよいシリル基及び/又はアミノ基とメルカプト基とを有するトリアジンチオール誘導体(置換基はアルキル基、アルコキシ基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、チオエーテル基から選ばれる何れか)、例えばトリエトキシシリルプロピルトリアジンジチオール、トリトリメトキシシランプロピルメルカタプタン、6−トリメトキシシランデシルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルメトキシシランプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジ(トリエトキシシランプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−トリメトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ(アミノエチル)アミン、6−6−トリメトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアジドのようなトリアジンチオール誘導体;
シロキサン結合を形成するもので、ヒドロシリル含有シリル基、ビニル含有シリル基、アルコキシシリル含有シリル基、及び加水分解性基含有シリル基から選ばれる少なくとも1種類の活性シリル基を含有するシランカップリング剤のようなシラン誘導体;
が挙げられる。
このような分子接着剤は、溶液又は懸濁液にして塗布、噴霧、浸漬によって接着すべき材質の表面に付着させてから、分子接着させる。溶液・懸濁液の濃度は0.01〜10重量%が好ましく、浸漬時間は0.1〜10分が好ましく、浸漬温度は20〜60℃が好ましい。
分子接着剤は、接合すべき材質の一方の接合面に付してもよく、接合すべき材質の両方の接合面に付してもよい。少なくとも一方に分子接着剤が付された材質を、接合すべき面で貼り合わせ、必要に応じて加圧又は減圧下、室温又は加熱条件下に曝し、分子接着により接合される。
(三層構造体の使い方)
熱特性評価測定装置1の測定試料部5の三層構造体における熱特性評価測定対象物5bは、1枚及び2枚以上の複数枚である。1枚当たり0.0001mm〜20mmの厚さの熱特性評価測定対象物5bで構成する三層構造体を用いて好ましくは3点以上の測定を行い、全熱抵抗と厚さの関係を求める。
熱特性評価測定装置1において、測定試料部5の三層構造体の熱特性評価測定対象物5bは、三層構造体を、1段(図8 5参照)又は2段以上の複数段数(図9 5・5・5参照)重ねて測定することによって複雑な三層構造体構造の熱特性を解明することができる。
熱特性評価測定装置1の測定試料部5の三層構造体の熱特性評価測定対象物5bとして、図6のように、複雑形状の目的測定試料5bをシリコーン液状ゴム5bの中に埋め込んだ後、シリコーン液状ゴム組成物を硬化させてゴムにして、上下に熱伝導材(金属板)5a・5cであるAl板を物理接触又は化学接触した三層構造体を使用することによって、これまで不可能であった試料形状の熱特性を平均的な熱特性値として測定することができる。なお、積層体全体の値は測定により、シリコーンゴム熱抵抗値は既知熱伝導率0.20W/mKを用いた計算値を使用する。
熱特性評価測定装置1の測定試料部5の三層構造体の熱特性評価測定対象物5bであって、複雑形状の目的測定試料5bを、シリコーン液状ゴム5bの中に埋め込んだ後、上下にAl板を物理的接触又は化学的接触した三層構造体を1段又は2段以上の複数段重ねることにより、熱伝導材5a・5cである金属板と測定試料間の熱伝導の機構や熱伝導に都合の良い加工法などの開発が可能となる。
この熱特性評価測定装置1は、接触熱抵抗値、熱抵抗値及び熱伝導率の三者を同一測定試料でかつ平均的な値として測定することが可能であり、熱特性評価測定対象物5bの厚みは、1枚当たり0.001〜10mmの範囲内が望ましく、接触熱抵抗値及び測定対象物の熱抵抗値が0.001×10−3K/W〜1mK/Wの範囲内、熱特性評価測定対象物5bの熱伝導率が0.1W/mK以上15W/mKの範囲内で評価・測定するのに適した装置である。
(三層構造体の熱特性値の決定法)
熱特性評価測定対象物5bの熱特性(接触熱抵抗、熱抵抗及び熱伝導率)は、先ず、熱伝導材5a・5cである金属板1×22×22mm角2枚と任意の厚さ(Lx,10−3m)の熱特性評価測定対象物5bとの計3枚から厚さの異なる三層構造体3個を前記の220(図7参照)を使用して作成する。次に、熱特性評価測定装置1の測定試料部5に前記三層構造体を挿入して、測定試料部5の三層構造体に一定圧力(0.01〜3MPa)を印荷し、直流安定化電源9cと冷却水循環システム10のスイッチをonとする。この時、熱は熱発生源4bから上側集熱金属ブロック4c、三層積層体、下側集熱金属ブロック6aを通過して熱冷却源で冷却される。この過程が図8に示されている。
熱特性評価測定対象物5bの熱特性(接触熱抵抗、熱抵抗及び熱伝導率)は先ず、三層構造体の熱伝導材5a・5cである金属板と一定厚さ(Lx,10−3m)の熱特性評価測定対象物5b間の接触熱抵抗値(Rc,mK/W)と測定対象物の熱抵抗値(Rs,mK/W)の和からなる全熱抵抗値(Rt,mK/W)を熱特性評価測定対象物5bの断面積(A)と三層構造体における熱伝導材5a・5cである金属板の表面温度TとTの温度差(ΔT)と電力(Φ、W)から下記式1に従って求める。
Figure 2018110546
上記の式1において、Φはヒータ電源の電圧E1と電流i((分流器の電圧E2)/(分流器の抵抗値Ro))から計算する。その結果を表1に示す。
Figure 2018110546
前記項において、熱特性評価測定対象物5bの厚さ(1.0、2.0、3.0mm)を変化させて横軸に厚さ、縦軸に全熱抵抗値をプロットすると、両者の間に下記直線関係式2
Figure 2018110546
が得られ、切片(b)から接触熱抵抗値(Rc)が、全熱抵抗値から接触熱抵抗値を差引くと測定対象物の熱抵抗値(Rs)が求められる。また、測定対象物の熱伝導率(λ、W/m×K)は測定対象物の厚さを熱抵抗値で割ると得られ、これらの結果が熱特性測定評価方法として表2に示される。
Figure 2018110546
以下、本発明の熱特性評価測定装置を用いた熱特性評価測定方法の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:正確な熱特性評価測定装置が必要な理由を示す実施例)
前記の通り、熱伝導材料の評価基準が熱伝導率に集中しており、熱伝導率の高い熱伝導性材料が良いとの風評が産業界を席巻している。このような風評は物造の根底を揺るがし、日本産業の信頼を失うことになる。そこで、本発明の熱特性評価測定装置1を用いた熱特性評価測定対象物5bの熱抵抗値と熱伝導率との測定結果を、表3に示す。
Figure 2018110546
表3は熱伝導材料を製造販売しているA,B,C,D,E及びF社の製品(熱特性評価測定対象物)を三層構成体にして、熱特性評価測定装置で測定した結果と、株式会社いおう化学研究所((株)SCL)の開発品の結果を0.2mm(圧力0.3MPa)の測定対象物の熱特性値に変換して示している。0.2mmに限定した理由は実用又は実験・試験される時の厚さが0.2mm程度か、これ以下の製品が多いからである。各社の熱伝導率のカタログ値は熱特性評価測定装置で得た値より一般に小さい。接触熱抵抗値と測定対象物の熱抵抗値の和が全熱抵抗値であり、全熱抵抗値のベスト3と熱伝導率のベスト3では異なる。(株)SCLの開発製品(実施例1)は4.18W/mKの熱伝導材料であるが全熱抵抗値は0.025x10−3K/Wと14.5W/mKのA社製品より格段低い熱抵抗値を示す。しかしながら、実用的にはA社の製品より(株)SCL社の製品が優れているが、その理由は大きな違いが接触熱抵抗値の低さにある。0.2mm以下で使用される熱伝導材料は熱伝導率より接触熱抵抗値が熱移動を支配するからである。
(実施例2〜6:三層構造体の多段重を用いた実施例)
前項で記述したように、熱伝導材5a・5cである銅板(延伸銅箔、0.175mm)2枚と熱伝導性複合体(シリコーンゴム100部とAl1500部から成る熱伝導性シート)から切り出した22mm角正方形の熱特性評価測定対象物5b(厚さ:0.120mm)との三層構造体を成形用治具20(図7参照)を用いて作製し、これを1段〜5段重ねにして熱評価測定装置1の測定試料部5に挿入した。この時、熱特性評価測定装置1の上側集熱金属ブロック4c・下側集熱金属ブロック6aであるAl板と、熱伝導材5a・5cである銅板、及び三層構造体の多段重ねの銅板間の接触間隙には、熱移動促進剤10mgを全体が濡れるように塗布した。一段重ね毎に熱移動促進剤は拭取り、乾燥後再度熱移動促進剤を塗布した。熱特性評価測定結果を、表4の実施例2〜6に示す。
Figure 2018110546
試料の枚数は三層構造体の重ね段数である。全体厚さは三層構造体を荷重0.5MPa圧力下で重ねた時の厚さである。熱特性評価測定対象物5bの三層構造体一つ当りの厚さは0.120mm±0.001mmである。三層構造体多段重熱抵抗値は三層構造体、Cu(0.175mm)/測定対象物(0.120mm)/Cu(0.175mm)の多段重の全体熱抵抗値である。Rtcは全体厚さと三層構造体多段重熱抵抗値をプロットし、切片値Rtc(厚さゼロの熱抵抗値→接触熱抵抗値)を求めた。三層構造体多段重熱抵抗値からRtcを引いて、異なる厚さの測定対象物の熱抵抗値を得た。それぞれの全体の熱伝導率は全体の厚さを三層構造体の各々多段重ねの熱抵抗値を割って求めた。多段重の測定対象物の熱伝導率は測定対象物の厚さを測定対象物の体積抵抗値(Rs)で割って求めた。
厚銅を両側に挟んだ三層基板は全体では高い熱伝導率を示すが、測定対象物は4W/mK程度である。一段の三層構造体では接触熱抵抗値の示す割合が29%と大きい。この値は0.5MPaの圧縮下であり、通常使用される0.10MPa位の場合には29%の2倍以上に増加すると予想される。
(実施例7〜9、比較例7〜8及び参考例1:様々な熱移動促進剤を用いた例)
熱特性評価測定装置1において、測定試料部5の下に位置する下側集熱金属ブロック6a(Al合金、熱伝導率;139W/mk、Ra;0.025μm)表面上に各種熱移動促進剤をスポイドで20mg/4.84cm滴下し、ガラス棒で平らにならして溢れた分を拭取ると、10mg±2mgの範囲で熱移動促進剤が塗布される。次に測定試料部5の上に位置する上側集熱金属ブロック4c(Al合金、熱伝導率;139W/mk、Ra;0.025μm)を合わせて、0.2MPaの荷重を印加して金属ブロック4c・6a間の間隙を熱移動促進剤の薄膜層を形成させる。結果を表5に示す。なお、表5中、比較例7は上記の実施例おいて、熱移動促進剤に代わって大気圧空気が充填された場合である。表5中比較例8は市販品の放熱用ゲルコンパウンド(G746,信越化学工業株式会社製、熱伝導率:1.9W/mK)を使用した比較例である。表5中、参考例1は上記の実施例おいて、熱移動促進剤に代えて大気圧空気中にしたときの結果である。
Figure 2018110546
金属ブロック間の界面間隙には接触圧力によって得られた金属同士の物理接触がある。この物理接触間の距離は0.5nm以内であり、熱はフォノン振動により伝達する。大気空間(参考例1)は物理振動に加えて、酸素及び窒素分子が金属ブロック界面壁に衝突してエンエルギーの交換を行う。純水(比較例7)は金属ブロック接触間隙間で水分子が温度の高い方の壁(Al合金ブロック壁:上側集熱金属ブロック4c)からエネルギーをもらい、温度の低い壁(Al合金ブロック壁:下側集熱金属ブロック6a)にエネルギーを放出(放熱)するのに有能な物質(水素結合分子)であるが、時間と共に揮発するため金属ブロック間の接触熱抵抗値は時間と共に増加する。市販の放熱材料(比較例8)はシリコーンオイルと無機放熱材(Al微粒子、1μm以下)からできているため、熱の伝導性は初期では水より高いが、時間による変化は少ない。
上記の比較例7〜8や参考例1と比べて、実施例7〜9の熱移動促進剤を用いた例では、60分間に渡って、金属ブロック間隙の熱抵抗値は小さい値で一定値を維持している。界面活性剤とビルダーの微量添加で水の蒸発と水素結合した水クラスターの単分子化とクラスター化が円滑に起こり、金属ブロック間隙中でのエネルギー移動が起こるもの予想される。
(実施例10〜12、比較例9及び参考例2:熱移動媒体と接触圧力の関係を示す実施例)
熱特性評価測定装置1において、測定試料部5とその下の下側集熱金属ブロック6a(Al合金、熱伝導率;139W/mk、Ra;0.025μm)間間隙に熱移動促進剤を充填する際、金属ブロックに印荷される接触圧力によって熱移動促進剤の熱抵抗値が影響されるかどうかは重要である。これは測定対象物への圧力が接触熱抵抗値を支配するためである。0.01〜0.30Mpaの接触圧力での結果を、表6に示す。
Figure 2018110546
比較例9や参考例2は接触熱抵抗値が接触圧力の影響を受けるが、実施例10,11及び12はほとんど受けない。比較例9の圧力比0.3MPa/0.01MPa=0.58、参考例2の圧力比=0.70、実施例10〜12の圧力比=93〜97となっており、熱移動促進性は市販品に比べても実施例がかなり優位である。
(実施例13〜15、比較例10及び参考例3:表面粗さと接触圧力の関係を示す実施例)
熱特性評価測定装置1において、測定試料部5とその下の下側集熱金属ブロック6a(Al合金、熱伝導率;139W/mk、Ra;0.025μm)間間隙に熱移動促進剤を充填する際、金属ブロックの表面粗さ(Ra)によって熱移動促進剤の熱抵抗値が影響されるかどうかは重要である。0.020±0.01〜0.30±0.02の表面粗さでの結果を、表7に示す。
Figure 2018110546
間隙の熱抵抗値における比較例10の粗さ影響度は比較例10が1.37倍、参考例3が5.46倍であるが、実施例13,14及び15はいずれも0.1以下であり、表面粗さ影響度が低いことが分かる。これは界面活性剤の特性によるものであり、界面の熱伝導に関する新規な学問的な成果であると云える。
(実施例16〜17、比較例11:三層構造体の架橋シリコーンゴムの界面物理接合及び界面化学結合の影響を示す例)
Al板2枚と架橋シリコーンゴムからなる三層構造体の接触界面について検討し、結果を図11に示す。実施例16は1層が物理接触であり、2層目が化学結合接触であり、シリコーンゴム板に対して、両方の接触方式を用いて接触することにより形成した場合である。実施例17は2層とも同様な化学接触の場合である。比較例11は2層構造体の2界面がいずれも物理接触(分子間力)で構成されている場合である。その結果を図11に示す。
図11から明らかなように、物理接触のみの場合は架橋シリコーンゴムの熱抵抗値は波状に変化し、界面層が膨張と収縮が荷重の変化で起こるのではないかと予測される。一方が化学接触になると熱抵抗値は接触圧力の影響を受けず、一定になる。これらの中で安定して接触圧力に影響されず、最も低い熱抵抗値を示すのは2層が化学的接触の場合である。この結果は実用又は実験・試験される三層熱伝導性構造体が使用環境に影響されず、最も低く安定した熱伝導が起こるためには界面層の化学結合の生成が必要なことが分かる。
(実施例18〜19及び比較例12:接触間隙の媒体と接触圧力の関係を示す例)
各種測定対象物で測定した結果を表8に示す。熱伝導性複合体シリコーンゴムシート(配合:東レ・ダウコーニング株式会社製SH851シリコーンゴム100phr, 昭和電工株式会社製Al−AS30(30μm)200phr,RC−4 0.6Phr,架橋条件;160℃×30min,3MPa)0.175mmの熱特性評価測定(実施例18)において、全熱抵抗値と測定対象物に対する接触面圧の関係は熱抵抗値が0.215〜0.216×10−3K/W、とほとんど一定であり、全熱抵抗値が熱移動促進剤の使用により、接触面圧非依存性であることが分かる。さらに、ポリイミド(PI,25μm,カプトン250EN)と前記熱伝導性複合体シリコーンゴムシートを分子接着したPI貼合熱伝導性複合体シリコーンゴムシート0.2mm(実施例19)の全熱抵抗値は面圧が0.01〜0.60MPaの範囲で0.341×10−3K/Wから0.333×10−3K/Wまで減少し接触面圧の影響をうけるが、その変化量(2.4%)は非常に少ない。熱移動促進剤を使用しない比較例12は0.421×10−3K/Wから0.360×10−3K/Wへ減少(14.5%変化)し、強く接触面圧の影響をうける。この結果は熱移動促進剤が三層構成体のAl板と測定対象物の熱接触移動を著しく促進していることを示す。
Figure 2018110546
(実施例20〜22及び比較例13〜15:測定対象物シート重ね枚数、熱移動促進剤の有無、及び接触面圧の関係を示す例)
熱伝導性複合体シリコーンゴムシート(配合:東レ・ダウコーニング株式会社製SH851シリコーンゴム100phr,昭和電工株式会社製Al−AS30(30μm)600phr,RC−4 0.6Phr,架橋条件;160℃×30min,3MPa)0.180〜0.225mmの熱特性評価測定(実施例18、19及び20)において、Al板と複合体シート間の接触界面(2箇所)、及び複合体シート間の接触界面(1箇所又は2箇所)に熱移動促進剤を10mg/4.84cmを塗布し(実施例20〜23)又は未塗布(比較例13〜15)にして、かつ1〜3枚の複合体シートを重ねて、全熱抵抗値と測定対象物の間の関係を測定した結果を、表9に示す。
Figure 2018110546
熱移動促進剤の塗布は極めて低い接触面圧(凡そ0.05MPa)以上で全熱抵抗値を一定にする効果があり、接触面圧非依存性を実現しており、熱抵抗値の測定において、使用状態と同様の測定値が得られることが分かる。一方、熱移動促進剤が存在しない場合(比較例)、全熱抵抗値は接触面圧の増加と共に減少し、実際に使用される接触面圧から著しく離れた値をとり、接触面圧依存性となるので、測定面圧を印加しなければ複合材料の熱抵抗測定値は発揮されない。インバーターやLEDなどの小さな部品に使用するとき、接触面圧の増加は部品が大きくなり、重くなるので困難である。
(実施例20〜22及び比較例13〜15:測定対象物の厚さと全熱抵抗値の関係を示す例)
本発明の熱特性評価測定装置1に取り付けた測長器8は、レーザー反射型であるペンシル型ショートレンジ センサヘッド GT2−S1(株式会社キーエンス社製の製品名)を用いた。この測長器8は、1μm±0.1μm以上の高感度の変位計である。前記上の支持板である熱伝導材5aに取付け、前記下の支持板である熱伝導材5cとの変位距離を測定する仕組みになっている。面圧(0.2MPa)の印荷により、前記変位距離が変化する。この時、試料である熱特性評価測定対象物5bの厚さも面圧と共に変化し、熱抵抗値は随時面圧の変化と同時に前記厚さにおける値として表現される。実施例20〜22及び比較例13〜15は、最初に測定された試料である熱特性評価測定対象物5bの厚さ0.2004mm、0.4040mm及び0.6015mmを前記熱特性評価測定装置1の上側集熱金属ブロック4cと下側集熱金属ブロック6aとの間に、熱伝導材5a・熱特性評価測定対象物5b・熱伝導材5cごと挟んで挟持し、全熱抵抗値と試料厚さの関係から3点プロットして求めたものである。
比較例13〜15は、測定試料の厚さを補正しないで、面圧が変化しても同じ測定試料厚さを使用して計算された接触界面熱抵抗値、測定試料熱抵抗値及び熱伝導率を求めたというものである。実施例20〜22は、面圧負荷後の試料である熱特性評価測定対象物5bの厚さを測長器8で測定し、接触界面熱抵抗値、測定試料熱抵抗値及び熱伝導率を求めたというものである。その結果を、表10及び図12に示す。

Figure 2018110546
表10及び図12から明らかな通り、比較例13〜15では接触界面熱抵抗値は面圧により圧縮されるためマイナスの値を示すが、実施例20〜22では正確な厚さが求められるので接触界面熱抵抗値はプラスの0以上の値を示す。結果として、実施例20〜22の熱抵抗値は正確な値を示し、熱伝導率も比較例13〜15より大きな値でかつ正確な値となっている。
本発明の熱特性評価測定装置及びそれを用いた熱特性評価測定方法は、発光素子、光電変換素子、熱電変換素子、風車発電、プリント配線基板、半導体チップ、自動車等の各種モーターやエンジンの電子制御素子や部品などの多くの電子・電気機器の製品に使用される部材の熱測定解析技術に適用できる。それにより測定された部材は、これら製品に組み込んで使用される。
1は熱特性評価測定装置、2は出入れ窓付き透明プラスチック容器、3は荷重負荷部、3aは荷重ネジロッド、3bはSUSネジ切板、3cはSUS荷重負荷板、3dはロードセル、3eは断熱板、3f・3f歪ゲイジ、3gはガイド、3h・3hは歪ゲイジ測定配線、4は熱発生源部、4aは断熱板、4bは熱発生源、4cは上側集熱金属ブロック、4d・4dは絶縁樹脂、4eは電熱ヒータ、4fは電線、4g・4gは熱電対、4h・4hは高精度温度電圧計測ユニット配線、5・5・5・5は測定試料部、5aは熱移動促進剤膜、5aは熱伝導材、5abは熱伝導材/測定対象物接触界面、5b・5bは熱特性評価測定対象物、5bはシリコーン液状ゴム、5bcは測定対象物/熱伝導材接触界面、5cは熱伝導材、5cは熱移動促進剤膜、6は熱冷却源部、6aは下側集熱金属ブロック、6bは熱交換冷却器、6c・6cは熱電対、6d・6dは高精度温度電圧計測ユニット配線、6e冷却水入口、6eは冷却水出口、7は支持台部、7aは断熱材、7bは置台、7c・7cはコーン状脚、8は測長器、8a・8aは測長器測定子、8b・8bは測長ユニット配線、9はデータ収集・制御システム、9aは歪計測ユニット、9bは高精度温度電圧計測ユニット、9cは直流安定化電源、9dは分流器、9eは熱特性評価測定算出ユニット、9fは外部出力インターファイスユニット、9gは測長ユニット、10は冷却水循環システム、10aは貯蔵冷水循環槽、10bは冷却水循環装置、11はデータ表示システム、11aはメモリ、11bはディスプレイ、20は成形用治具、21a・21bは左右外枠、22はボルト、23は上側スペーサー、24はナット、25は下側スペーサー、Tは上側集熱金属ブロック表面温度、Tは下側集熱金属ブロック表面温度である。

Claims (22)

  1. 測定試料部への熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を加熱する熱発生源部と、前記測定試料部と、前記測定試料部からの熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を冷却する熱冷却源部と、それらを指示する支持台部とが順次重ねられた熱特性評価測定装置であって、
    前記測定試料部が、熱特性評価測定対象物とそれを挟んでいる熱伝導材との三層構造体を有し、
    前記熱伝導材と前記熱発生源部及び前記熱冷却源部とが、熱移動促進剤を介して密着し、
    前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材とが、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着することを特徴とする熱特性評価測定装置。
  2. 前記測定試料部及び/又は前記熱特性評価測定対象物の厚さを計測する測長器を有することを特徴とする請求項1に記載の熱特性評価測定装置。
  3. 荷重測定器が設けられ前記測定試料部に荷重を付加する荷重負荷部を、有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱特性評価測定装置。
  4. 前記荷重負荷部が、前記荷重を前記熱特性評価測定対象物に伝達するロードセルと、前記ロードセル内にて前記荷重測定器で感知した歪を電圧に変換する回路を有することを特徴とする請求項3に記載の熱特性評価測定装置。
  5. 前記熱発生源部は、断熱材と、前記断熱材に接合する絶縁樹脂に接合して内在する熱発生源と、前記測定試料部側で前記絶縁樹脂に接合する金属ブロックとが順次重ねられたものであり、その接合が分子接着剤による接合とするものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  6. 前記測定試料部は、2枚の金属板である前記熱伝導材と、それらの間に挟まれた前記熱特性評価測定対象物とが、前記三層構造体であって、前記物理接触、前記化学接触、及び/又は前記化学結合接触によって、密着しているものであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  7. 前記測定試料部とそれに接合する前記熱発生源部の金属ブロックとの間に、及び前記測定試料部とそれに接合する前記熱冷却源部の金属ブロックとの間に、許容熱抵抗値、許容被揮発性、圧力非依存性、及び/又は隙間間距離非依存性を有する熱空間を有していることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  8. 前記測定試料部の前記熱伝導材とそれに接合する前記熱発生源部の金属ブロックとの間に、及び前記測定試料部の前記熱伝導材とそれに接合する前記熱冷却源部の金属ブロックとの間に、許容熱抵抗値、許容被揮発性、圧力非依存性、及び/又は隙間間距離非依存性の熱空間を有し、前記熱空間が前記熱移動促進剤で充填されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  9. 前記熱伝導材と前記熱特性評価測定対象物とが、熱移動促進剤を介した前記化学接触、及び/又は分子接着剤を介した前記化学結合接触によって、密着していることを特徴とする1〜8の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  10. 前記熱移動促進剤が、重水、蒸留水及びイオン交換水から選ばれる高純度水と;
    カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤と、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールから選ばれる水溶性ポリマーと、芒硝、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、亜リン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、及びエチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウムから選ばれるビルダーと、トリアジントリチオール金属塩、ベンゾトリアゾール・塩酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン四酢酸の乳酸、レゾルシン、t-ブチルフェノール及びアミノフェニルアニリンから選ばれる金属表面安定化剤との少なくとも何れかと;を含むことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  11. 前記測定試料部は、前記熱特性評価測定対象物が、単数枚又は複数枚であって1枚当たり0.001mm〜20mmの厚さの測定シートである前記三層構造体とするものであることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  12. 前記測定試料部は、前記熱伝導材の間に前記熱特性評価測定対象物が挟まれた三層構造体が、単数又は複数重ねられたものであることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  13. 前記測定試料部は、試料が未架橋液体シリコーン液状ゴム組成物の硬化物に埋め込まれている前記熱特性評価測定対象物と、前記熱伝導材とが、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着していることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  14. 前記測定試料部は、試料が未架橋液体シリコーン液状ゴム組成物の硬化物に埋め込まれている前記熱特性評価測定対象物と、前記熱伝導材とが、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着している、単数又は複数重なった前記三層構造体であることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  15. 前記三層構造体の前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材との接触熱抵抗値、前記熱特性評価測定対象物の熱抵抗値及び熱伝導率を、同一の前記熱特性評価測定対象物でかつ平均的な値として測定するためのものであり、
    前記熱特性評価測定対象物の厚みが1枚当たり0.001〜10mmの範囲内であり、前記熱特性評価測定対象物の接触熱抵抗値及び熱抵抗値が0.001×10−3K/W〜1mK/Wの範囲内であり、測定対象物の熱伝導率が0.01W/mK〜20W/mKの範囲内であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  16. 前記三層構造体の前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材との接触熱抵抗値、前記熱特性評価測定対象物の熱抵抗値及び熱伝導率を、同一の前記熱特性評価測定対象物でかつ平均的な値として測定するためのものであり、
    複数の前記三層構造体が最大5つ重ねられ、かつ前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材との間及び前記三層構造体の間に熱移動促進剤の5〜20mg/4.84cmの塗布層を有し、
    前記熱抵抗値が、複数の前記三層構造体を接触面圧0.01MPa以上、3MPa以下の範囲内における、複数の前記三層構造体での前記熱特性評価測定対象物の全熱抵抗値であることを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の熱特性評価測定装置。
  17. 測定試料部への熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を加熱する熱発生源部と、前記測定試料部と、前記測定試料部からの熱を検知する熱センサを有し前記測定試料部を冷却する熱冷却源部と、それらを指示する支持台部とが順次重ねられた熱特性評価測定装置により、接触熱抵抗値と、熱抵抗値と、熱伝導率との熱特性を測定する熱特性評価測定方法であって、
    前記熱伝導材と前記熱発生源部及び前記熱冷却源部とを、熱移動促進剤を介して密着させ、
    前記測定試料部が、熱特性評価測定対象物とそれを挟んでいる熱伝導材との三層構造体を有するように調製し、
    前記熱特性評価測定対象物と前記熱伝導材とを、物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって、密着させてから、
    前記熱特性を測定することを特徴とする熱特性評価測定方法。
  18. 請求項17に記載の熱特性評価測定方法で、製造ロット群から抜きだして測定した、熱特性評価測定対象物とそれを挟んで物理接触、化学接触、及び/又は化学結合接触によって密着している熱伝導材との三層構造体、又は前記製造ロット群中の三層構造体を放熱する方法であって、
    前記三層構造体が、熱発生源部材及び熱冷却源部材に挟まれた電気材料、電子材料、半導体部品プリント配線基板、モーター、ライト機器、自動車用品、及び放熱材料から選ばれる何れかの一部に用いられて、放熱されることを特徴とする放熱方法。
  19. 重水、蒸留水及びイオン交換水から選ばれる高純度水と;
    カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤と、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールから選ばれる水溶性ポリマーと、芒硝、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、亜リン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、及びエチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウムから選ばれるビルダーと、トリアジントリチオール金属塩、ベンゾトリアゾール・塩酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン四酢酸の乳酸、レゾルシン、t-ブチルフェノール及びアミノフェニルアニリンから選ばれる金属表面安定化剤との少なくとも何れかと;
    を含む熱移動促進剤からなることを特徴とする界面接触熱抵抗値低減剤。
  20. 重水、蒸留水及びイオン交換水から選ばれる高純度水と;カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤と、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールから選ばれる水溶性ポリマーと、芒硝、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、亜硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、ケイ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、亜リン酸ソーダ、亜リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン、及びエチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウムから選ばれるビルダーと、トリアジントリチオール金属塩、ベンゾトリアゾール・塩酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミン四酢酸の乳酸、レゾルシン、t-ブチルフェノール及びアミノフェニルアニリンから選ばれる金属表面安定化剤との少なくとも何れかと;を含む熱移動促進剤を媒体として、
    互いに異種材料からなる固体の接合部材と被接合部材との間に介在させ、
    熱抵抗を低減し及び/又は熱ノイズを低減乃至キャンセルして、
    熱抵抗値を低減又はキャンセルすることを特徴とする熱抵抗値低下方法。
  21. 前記接合部材と前記被接合部材とが、金属材料、金属合金材料、セラミックス材料、及び化合物半導体から選ばれる少なくとも何れかの無機材料と、有機材料と、前記有機材料及び前記無機材料からなる複合材料とから選ばれる前記異種材料で、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項20に記載の熱抵抗値低下方法。
  22. 熱伝導材からなる2枚の前記接合部材と、それらに挟まれた前記被接合部材とが、三層構造体であって、前記接合部材と前記被接合部材との間の熱空間に、前記熱移動促進剤を充填しておくことを特徴とする請求項20又は21に記載の熱抵抗値低下方法。
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