JPWO2018110357A1 - 溶接施工方法 - Google Patents
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Abstract
サブマージアーク溶接によって、改良9Cr−1Mo鋼で形成された母材同士を、溶接材料で溶接する溶接施工方法である。溶接材料として、ASME SFA−5.23 F9PZ−EB9−B9で規定される化学組成物を用いる。溶接入熱を、27.0kJ/cm以上33.0kJ/cm以下として溶接を行う。L.M.P.を、21.04×103以上23.30×103以下として後熱処理を行う。
Description
本発明は、溶接施工方法に関し、特に、サブマージアーク溶接によって、改良9Cr−1Mo鋼で形成された母材同士を、溶接材料で溶接する溶接施工方法に関する。
近年、改良9Cr−1Mo鋼は、例えば、2.25Cr−1Mo−V鋼と比較して耐熱温度が高く、高い耐熱性が要求される機器の用途において注目されている。特許文献1は、改良9Cr−1Mo鋼のサブマージアーク溶接およびティグ溶接に使用される好適な溶接材料の化学組成を開示している。
しかしながら、特許文献1では低温での靭性までは考慮されておらず、溶接箇所である溶接継手の低温での靭性が問題となる。低温での靭性が低いと、溶接継手が低温に曝された場合に脆性破壊が生じてしまう等の不都合が生じるおそれがある。低温での靭性を向上させるためには、溶接材料の化学組成のみならず、溶接施工条件の最適化が必要である。なお、ティグ溶接は、サブマージアーク溶接よりも溶接施工効率が悪い。
そこで、本発明は、溶接施工効率が高く、かつ、低温での靭性に優れた溶接継手が得られる溶接施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、サブマージアーク溶接によって、改良9Cr−1Mo鋼で形成された母材同士を、溶接材料で溶接する溶接施工方法であって、溶接材料として、ASME SFA−5.23 F9PZ−EB9−B9で規定される化学組成物を用いて、溶接入熱を27.0kJ/cm以上33.0kJ/cm以下として溶接を行い、以下の式(1)で算出されるL.M.P.を、21.04×103以上23.30×103以下として後熱処理を行うことを特徴とする。
L.M.P.=T(20+log10t) ・・・(1)
T:保持温度[K]
t:保持時間[時間]
T:保持温度[K]
t:保持時間[時間]
本発明の溶接施工方法によれば、溶接施工効率が高く、かつ、低温での靭性に優れた溶接継手が得られる。さらに、得られる溶接継手は、機械的強度にも優れる。
以下、本発明の溶接施工方法について詳細に説明する。本発明の溶接施工方法は、溶接施工効率が高いサブマージアーク溶接を採用している。溶接の母材は、耐熱性が高い改良9Cr−1Mo鋼である。改良9Cr−1Mo鋼については、特許文献1等に記載されているため、詳細な説明を省略する。
溶接材料である溶接ワイヤは、ASME SFA−5.23 F9PZ−EB9−B9(以下、「B9規格」と称することがある。)で規定される化学組成物である。B9規格は、以下の表1に示される物質を表1に示される範囲で含有する化学組成物である。残部はFeと不可避的不純物である。なお、溶接ワイヤのワイヤ径については特に限定されない。
本発明の溶接施工方法は、以下の溶接入熱の条件の下で溶接を行い、その後、後述のL.M.P.の条件の下で後熱処理を行うものである。なお、「溶接施工方法」には、予熱を含む溶接の工程と後熱処理の工程とが含まれるものとする。
(溶接入熱)
本発明において、溶接入熱は、27.0kJ/cm以上33.0kJ/cm以下である必要がある。溶接入熱が低い場合、例えば、27.0kJ/cm未満であると、溶接パス1回当たりにおける溶接ワイヤの溶融量が少なく、溶接工程に必要な溶接パス数が多くなることによって、溶接施工効率が低くなってしまう。また、溶接金属の冷却速度が大きくなるため、硬度が高くなることで脆くなり、低温での靭性が十分に得られないことがある。なお、溶接金属とは、溶融した溶接ワイヤ(溶接材料)と溶融母材が、溶接中に凝固したものを意味する。
本発明において、溶接入熱は、27.0kJ/cm以上33.0kJ/cm以下である必要がある。溶接入熱が低い場合、例えば、27.0kJ/cm未満であると、溶接パス1回当たりにおける溶接ワイヤの溶融量が少なく、溶接工程に必要な溶接パス数が多くなることによって、溶接施工効率が低くなってしまう。また、溶接金属の冷却速度が大きくなるため、硬度が高くなることで脆くなり、低温での靭性が十分に得られないことがある。なお、溶接金属とは、溶融した溶接ワイヤ(溶接材料)と溶融母材が、溶接中に凝固したものを意味する。
一方で、溶接入熱が33.0kJ/cmを超えると、溶接金属の冷却速度が小さくなるため、溶接金属の組織が粗くなり、低温での靭性が十分に得られない。また、溶接入熱が33.0kJ/cmを超えると、溶接時において溶接金属の高温割れが発生することがある。
ここで、溶接入熱は、28.8kJ/cm以上33.0kJ/cm以下であることが好ましい。溶接入熱を28.8kJ/cm以上とすることで、溶接パス1回当たりにおける溶接ワイヤの溶融量つまり溶接部の溶着面積が45mm2という程度に十分に多くなり、溶接パス数を格段に減らすことができ、これにより、溶接施工効率を高くすることが可能となる。反対に溶接入熱が27.0kJ/cm以上28.8kJ/cm未満である場合は、溶接パス数の低減効果は、格段であるとまでは言えない程度となる。
(予熱およびパス間温度)
予熱およびパス間温度は、200℃以上250℃以下であることが好ましい。予熱およびパス間温度を200℃以上とすることによって、溶接時における溶接金属の低温割れを防止できる。また、予熱およびパス間温度を250℃以下とすることによって、溶接金属の組織が細かくなり、低温での靭性を向上させることができる。
予熱およびパス間温度は、200℃以上250℃以下であることが好ましい。予熱およびパス間温度を200℃以上とすることによって、溶接時における溶接金属の低温割れを防止できる。また、予熱およびパス間温度を250℃以下とすることによって、溶接金属の組織が細かくなり、低温での靭性を向上させることができる。
(L.M.P.)
溶接後、後熱処理(焼き戻しとも称される。)を行う。後熱処理は、溶接金属の硬度を低下させて脆さを低減することで靭性を向上させるものである。L.M.P.(Larson Miller Parameter)とは、以下の式(1)に示すように、後熱処理の温度と保持時間とによって後熱処理の効果を特徴づけるパラメータとして知られている。
溶接後、後熱処理(焼き戻しとも称される。)を行う。後熱処理は、溶接金属の硬度を低下させて脆さを低減することで靭性を向上させるものである。L.M.P.(Larson Miller Parameter)とは、以下の式(1)に示すように、後熱処理の温度と保持時間とによって後熱処理の効果を特徴づけるパラメータとして知られている。
L.M.P.=T(20+log10t) ・・・(1)
T:保持温度[K]
t:保持時間[時間]
T:保持温度[K]
t:保持時間[時間]
本発明において、L.M.P.は、21.04×103以上23.30×103以下である必要がある。L.M.P.が21.04×103未満であると、後熱処理における硬度低減の効果が小さく、低温での靭性が十分に得られない。一方で、L.M.P.が23.30×103を超えると、良好な靭性が得られるが、十分な機械的強度が得られない。
本発明の溶接施工方法によれば、サブマージアーク溶接によって、改良9Cr−1Mo鋼で形成された母材同士を、B9規格で規定された溶接材料で、上記特定の溶接条件および特定の後熱処理条件の下で溶接および後熱処理を行うことによって、溶接施工効率が高く、かつ、低温での靭性に優れた溶接継手が得られる。さらに、得られる溶接継手は、機械的強度にも優れる。なお、溶接継手とは、溶接金属と、その周囲の母材とが含まれるものを意味する。
また、本発明の溶接施工方法は、例えば、プラント用プロセス機器の製造に好適に用いられる。プラントとしては、例えば、肥料、GTL(ガストゥリキッド)、CTL(コールトゥリキッド)、石油精製、LNG(液化天然ガス)のプラントが挙げられる。プラント用プロセス機器とは、これらのプラントにおける圧力容器、熱交換器、反応器などである。
このようなプラント用プロセス機器は、高い温度で運転を続けるため、高い耐熱性が要求される。一方で、メンテナンス時などでシャットダウンする際には冷却される。そして、低温の状態からその機器を起動させることによって脆性破壊が生じてしまう可能性がある。そのため、プラント用プロセス機器は、このような脆性破壊が発生しない程度に低温での靭性が高いものである必要がある。
本発明によれば、母材が改良9Cr−1Mo鋼で形成されているため高い耐熱性が得られるとともに、上記のように特定の溶接条件および後熱処理条件の下で溶接および後熱処理を行うものであるため、低温での靭性に優れた溶接継手が得られる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。母材としては、改良9Cr−1Mo鋼を用いた。溶接材料としては、B9規格で規定される化学組成の溶接ワイヤを用いた。具体的には、以下の表2に示される物質を所定含有量含み、残部がFeと不可避的不純物である化学組成の溶接ワイヤを用いた。ワイヤは直径4mmのものを用いた。
[実施例1]
実施例1の溶接施工方法においては、板厚50mm・幅200mm・長さ660mmの改良9Cr−1Mo鋼に開先深さ42mmのU溝加工を行った試験体を溶接対象とし、予熱およびパス間温度を200〜250℃とし、上記の溶接ワイヤを用い、溶接時の電流、電圧、速度を、それぞれ450A、32V、30cm/minとして溶接を行った。溶接入熱は、電流[A]×電圧[V]÷速度[cm/min]×60で算出される。実施例1の溶接入熱は、28.8[kJ/cm]であった。
実施例1の溶接施工方法においては、板厚50mm・幅200mm・長さ660mmの改良9Cr−1Mo鋼に開先深さ42mmのU溝加工を行った試験体を溶接対象とし、予熱およびパス間温度を200〜250℃とし、上記の溶接ワイヤを用い、溶接時の電流、電圧、速度を、それぞれ450A、32V、30cm/minとして溶接を行った。溶接入熱は、電流[A]×電圧[V]÷速度[cm/min]×60で算出される。実施例1の溶接入熱は、28.8[kJ/cm]であった。
後熱処理条件については、温度を740℃、保持時間を10時間とした。後熱処理のパラメータであるL.M.P.は、上記の式(1)で算出される。実施例1のL.M.P.は、21.27×103であった。
後熱処理完了後に溶接金属の一部を採取し、これにV字溝を加えることでシャルピー衝撃試験用の試験片を得た。この試験片を用いて、0℃にてシャルピー衝撃試験を行った。その結果、吸収エネルギーは32.0Jとなった。なお、この吸収エネルギーは、6本の試験片を用いて6回試験した結果の平均値を示している。吸収エネルギーが27J以上となったため評価を「良好」とした。EN規格において、シャルピー衝撃試験で27J以上の吸収エネルギーを示せば良好な靭性であるとされているためである。
実施例1の溶接施工方法の評価結果を表3に示す。
[実施例2〜9、比較例1〜3]
表3に示すように、実施例1と比べて溶接条件および後熱処理条件を変更した。そして、それ以外は実施例1と同様の条件で、実施例2〜9、比較例1〜3の試験片を得た。なお、実施例3、4、比較例1では、先行トーチと後行トーチの2本の溶接トーチが用いられており、溶接入熱は、電流[A]×電圧[V]÷速度[cm/min]×60×2で算出される。実施例2〜9、比較例1〜3の溶接施工方法の評価結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例1と比べて溶接条件および後熱処理条件を変更した。そして、それ以外は実施例1と同様の条件で、実施例2〜9、比較例1〜3の試験片を得た。なお、実施例3、4、比較例1では、先行トーチと後行トーチの2本の溶接トーチが用いられており、溶接入熱は、電流[A]×電圧[V]÷速度[cm/min]×60×2で算出される。実施例2〜9、比較例1〜3の溶接施工方法の評価結果を表3に示す。
実施例1〜9の試験片は、本発明の溶接条件および後熱処理条件を満たすため、0℃のシャルピー衝撃試験において27J以上の吸収エネルギーが測定され、低温での靭性に優れるものとなった。このため、上述のように評価は「良好」であった。一方で、比較例1においては、溶接入熱が33.0kJ/cmを超えるため、0℃のシャルピー衝撃試験において27J未満の吸収エネルギーが測定され、低温での靭性に劣るものとなった。このため、評価は「不良」であった。
また、比較例2および3においては、後熱処理のL.M.P.が21.04×103未満であるため、低温での靭性に劣るものとなった。このため、表3に示されるように、評価は「不良」であった。図1は、実施例1〜9および比較例2、3におけるL.M.P.の値と、0℃のシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーとの関係をグラフ化したものである。なお、比較例1のデータは、溶接入熱が本発明で規定する範囲よりも高いことに起因して、吸収エネルギーが低くなったものであるため、図1において除外されている。このグラフに示されているように、0℃のシャルピー衝撃試験において27J以上の吸収エネルギーを得るためには、L.M.P.を21.04×103以上とする必要があることがわかる。
また、実施例5〜9および比較例2、3の溶接施工方法によって得られた溶接継手の一部を採取し、これらを引張試験用の試験片としてその引張強さを測定した。それぞれの引張強さを表3に示す。L.M.P.の値が大きくなるにつれて、図1に示されるように低温での靭性が高くなるが、引張強さは小さくなる傾向にある。ここで、溶接継手は、585MPa以上の引張強さが要求されることが多い。図2は、実施例5〜9および比較例2、3におけるL.M.P.の値と、その引張強さの値との関係をグラフ化したものである。図2の結果から、585MPa以上の引張強さを確保できるL.M.P.の上限値は、23.30×103と判断される。すなわち、本明細書においては実際の比較例としては記載しないが、L.M.P.が23.30×103を超えると、引張強さが585MPa以下となり、十分な機械的強度が得られないことが、図2から容易に理解される。
なお、実施例1〜9では、溶接材料として表2に示される物質を所定含有量含む化学組成物が用いられているが、本発明の溶接材料の化学組成は、このような具体的な組成に限定されるものではない。溶接材料が表1で示されるB9規格で規定される化学組成物であれば適用可能である。
[比較例4]
溶接入熱が27.0kJ/cm未満の場合、たとえば25.0kJ/cmである場合の不都合点について、比較例4として詳細に説明する。溶接入熱が27.0kJ/cmであるときには溶着面積は42mm2になる。これに対し溶接入熱が25.0kJ/cmであるときには溶着面積は39mm2にしかならない。このため、たとえば、板厚150mmで開先底部の幅20mm、開先角度10°のV形開先で断面積4969mm2という条件で溶接する場合に、溶接入熱が27.0kJ/cmであるときには溶接パス数が約120回で済むのに対し、たとえば溶接入熱が25.0kJ/cmであるときには、溶接パス数は約130回に増大する。
溶接入熱が27.0kJ/cm未満の場合、たとえば25.0kJ/cmである場合の不都合点について、比較例4として詳細に説明する。溶接入熱が27.0kJ/cmであるときには溶着面積は42mm2になる。これに対し溶接入熱が25.0kJ/cmであるときには溶着面積は39mm2にしかならない。このため、たとえば、板厚150mmで開先底部の幅20mm、開先角度10°のV形開先で断面積4969mm2という条件で溶接する場合に、溶接入熱が27.0kJ/cmであるときには溶接パス数が約120回で済むのに対し、たとえば溶接入熱が25.0kJ/cmであるときには、溶接パス数は約130回に増大する。
たとえば口径4000mm、長さ3000mmの管状体を、一対の横断面U字形の構造体を溶接することにより製造する場合は、管状体の周方向の2箇所について、それぞれ長さ3000mmにわたる溶接が必要である。また2つの管状体を溶接により長さ方向に接合する場合には、周方向に12500mmの長さを溶接することが必要である。したがって、このような管状体を長さ方向に10本つないだ構造物を製造する場合には、長さ方向3000mmについて20か所、周方向12500mmについて9か所を溶接することが必要となる。そのときの溶接線の長さは、
3000×20+12500×9=172500mm
となる。溶接速度が300mm/minである場合には、1パスに要する時間は、
172500÷300=575min
となる。これは、約10時間に相当する。
3000×20+12500×9=172500mm
となる。溶接速度が300mm/minである場合には、1パスに要する時間は、
172500÷300=575min
となる。これは、約10時間に相当する。
上記の管状体の肉厚が上述のように150mmで、かつ上述のように開先底部の幅20mm、開先角度10°のV形開先という条件で溶接する場合には、上述のように、溶接入熱が27.0kJ/cmであるときに比べて溶接入熱が25.0kJ/cmであるときには溶接パス数は約10回増大する。上記のように1パスに要する時間が約10時間である場合には、溶接パス数が約10回増大すると、合計の溶接時間は約100時間も増大することになる。
Claims (3)
- サブマージアーク溶接によって、改良9Cr−1Mo鋼で形成された母材同士を、溶接材料で溶接する溶接施工方法であって、
溶接材料として、ASME SFA−5.23 F9PZ−EB9−B9で規定される化学組成物を用いて、
溶接入熱を、27.0kJ/cm以上33.0kJ/cm以下として溶接を行い、
以下の式(1)で算出されるL.M.P.を、21.04×103以上23.30×103以下として後熱処理を行う
ことを特徴とする溶接施工方法。
L.M.P.=T(20+log10t) ・・・(1)
T:保持温度[K]
t:保持時間[時間] - 前記溶接入熱を、28.8kJ/cm以上33.0kJ/cm以下とする
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接施工方法。 - プラント用プロセス機器を構築するための部材を前記母材として用いる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の溶接施工方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2016239958 | 2016-12-12 | ||
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
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KR (1) | KR20190094358A (ja) |
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WO (1) | WO2018110357A1 (ja) |
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