JPWO2018088300A1 - 積層体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、貼り合わせ時に気泡が発生し難い厚膜の光学透明粘着シート、及び、該光学透明粘着シートを用いた積層体及びタッチパネル付き表示装置を提供する。本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化ポリウレタンを含み、厚みの平均値は、140μm〜4200μmであり、[(光学透明粘着シートの厚みの最大値−光学透明粘着シートの厚みの最小値)/光学透明粘着シートの厚みの平均値]×100で表される光学透明粘着シートの厚み分布(%)は、20%以下であり、好ましくは10%以下である。

Description

本発明は、光学透明粘着シート、積層体、及び、タッチパネル付き表示装置に関する。
光学透明粘着(OCA:Optically Clear Adhesive)シートは、光学部材の貼り合わせに利用される透明な粘着シートである。近年、スマートフォン、タブレットPC、携帯型ゲーム機、カーナビゲーション装置等の分野でタッチパネルの需要が急速に伸びており、これに伴い、タッチパネルを他の光学部材に貼り合わせるために用いられるOCAシートの需要も増加している。タッチパネルを備えた表示装置は、通常では、液晶パネル等の表示パネル、ITO(酸化インジウムスズ)等からなる透明導電膜を表層に有する透明部材(タッチパネル本体)、及び、透明導電膜を保護するカバーパネル等の光学部材が積層された構造を有し、光学部材間の貼り合わせにOCAシートが用いられている。但し、表示パネルとタッチパネル本体との間は、表示パネルの筐体であるベゼルの端部が存在するために他の光学部材の間隔よりも広く、OCAシートによる貼り合わせはされず、エアギャップと呼ばれる空気層を設けることが一般的であった。
OCAシートとしては、例えば、シリコーン系樹脂組成物やアクリル系樹脂組成物からなるものが知られている。しかしながら、シリコーン系樹脂を用いたOCAシートは、粘着力が低いため、光学部材間に空気が入り込み、例えば、表示画面の視認性が低下することがあった。アクリル系樹脂を用いたOCAシートでは、アクリル系樹脂中に残存したアクリル酸や加水分解によって生じた酸成分が、光学部材に用いられている金属を腐食させることがあった。また、アクリル系樹脂組成物が紫外線硬化型の樹脂組成物である場合には、紫外線照射時にアクリル系樹脂の表層部で反応に必要なフリーラジカルが消費されてしまい、底部が未硬化となるため、厚膜のOCAシートを得ることは困難であった。
OCAシートとしては、特許文献1には、アクリル系粘着剤層(B)と該アクリル系粘着剤層(B)の片側に設けられた剥離層(A1)と該アクリル系粘着剤層(B)のもう一方の片側に設けられた剥離層(A2)とを有する粘着シートであって、該剥離層(A1)および該剥離層(A2)が、それぞれ、平均粒子径4μm〜25μmの微粒子(P)を0.1重量%〜20重量%含む粘着シートが開示されている。また、特許文献2には、特定のアクリル系粘着剤組成物から形成された、厚みが3〜15μmの粘着剤層を少なくとも有する粘着シートであって、粘着剤層の全面厚さムラが0.030μm以下である両面粘着シートが開示されている。特許文献3には、離型シート上に粘着剤層を有する画像表示装置の光学フィルム用粘着シートであって、離型シート上の粘着剤層表面の表面粗さ(Ra)が、2〜150nmである画像表示装置の光学フィルム用粘着シートが開示されている。
特開2015−3944号公報 特開2009−215522号公報 特開2011−090312号公報
光学部材間に空気層であるエアギャップが存在すると、空気層及び光学部材の屈折率の差により界面反射が生じるため、表示パネルの視認性が低下する。このため、表示パネルとタッチパネル本体との貼り合わせに適した厚膜のOCAシートが求められていた。また、表示パネルとタッチパネル本体との貼り合わせに用いられるOCAシートには、ベゼルの厚みによって形成される段差を被覆することも求められる。したがって、柔軟性(段差追従性)に優れ、かつ、厚膜化が可能なOCAシートが必要であった。更に、OCAシートは、ガラス板、樹脂板等の平滑な剛体と貼り合わせた場合に、OCAシートと上記剛体との界面に気泡が発生しないことも求められる。
これに対して、本発明者は、柔軟性に優れ、厚膜化が可能なOCAシートの材料として、非溶剤系である熱硬化性ポリウレタン組成物に着目した。本発明者は、熱硬化ポリウレタンを含むOCAシートは、剥離フィルム上に硬化性ポリウレタン組成物を塗工後、硬化させ、硬化物(熱硬化ポリウレタン)の流動性がなくなることでシートとしての取り扱いが可能となる点に着目し、厚膜のOCAシートでは、塗工した硬化性ポリウレタン組成物が硬化する前に流動するために、硬化物であるシートの厚みにばらつきが発生しやすいことを見出した。そして、OCAシートの厚み精度が低い、すなわち、厚み分布の値が大きいと、ガラス板等の剛体との貼り合わせた際に、OCAシートと上記剛体との界面に気泡が発生することを見出した。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、貼り合わせ時に気泡が発生し難い厚膜の光学透明粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者は、熱硬化ポリウレタンを含む厚膜の光学透明粘着シートに関し、厚み分布が20%以下であれば、ガラス板等の剛体と貼り合わせた場合に、気泡が発生し難いことを見出し、本発明を完成した。
本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化ポリウレタンを含み、厚みの平均値は、140μm〜4200μmであり、下記式(1)で表される光学透明粘着シートの厚み分布は、20%以下であることを特徴とする。
光学透明粘着シートの厚み分布(%)=[(光学透明粘着シートの厚みの最大値−光学透明粘着シートの厚みの最小値)/光学透明粘着シートの厚みの平均値]×100 (1)
上記光学透明粘着シートの厚み分布は、10%以下であることが好ましい。
本発明の積層体は、本発明の光学透明粘着シートと、上記光学透明粘着シートの一方の面を覆う第一の剥離フィルムと、上記光学透明粘着シートの他方の面を覆う第二の剥離フィルムとが積層されたものであることを特徴とする。
上記第一の剥離フィルム及び上記第二の剥離フィルムのいずれか一方の厚みの平均値は、90μm以上であり、かつ、上記第一の剥離フィルムの厚みの平均値と上記第二の剥離フィルムの厚みの平均値の合計は、175μm以上であることが好ましい。
上記第一の剥離フィルム及び上記第二の剥離フィルムの厚みの平均値は、90μm以上であることが好ましい。
下記式(2)で表される上記第一の剥離フィルム及び上記第二の剥離フィルムの厚み分布は、3%以下であることが好ましい。
剥離フィルムの厚み分布=[(剥離フィルムの厚みの最大値−剥離フィルムの厚みの最小値)/剥離フィルムの厚みの平均値]×100 (2)
上記第一の剥離フィルム及び上記第二の剥離フィルムは、ポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。
本発明のタッチパネル付き表示装置は、本発明の光学透明粘着シートと、表示パネルとタッチパネルとを備えることを特徴とする。
本発明の光学透明粘着シートは、厚膜でありながらも、厚みのばらつきが少ないため、本発明の光学透明粘着シートをガラス等の剛体に貼り合わせても、気泡が発生し難い。このような本発明の光学透明粘着シートは、ディスプレイ、タブレットPC等の用途で好適に用いられるものである。また、本発明の積層体によれば、本発明の光学透明粘着シートの取扱い性を向上することができる。本発明のタッチパネル付き表示装置によれば、表示画面の視認性を向上することができる。
本発明の光学透明粘着シートを備えた積層体を模式的に示した断面図である。 本発明の光学透明粘着シートを備えたタッチパネル付き表示装置の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の光学透明粘着シートの作製に用いる成形装置の一例を説明するための模式図である。 厚み分布の測定方法を説明するための平面模式図である。
本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化ポリウレタンを含み、厚みの平均値は、140μm〜4200μmであり、下記式(1)で表される光学透明粘着シートの厚み分布は、20%以下であることを特徴とする。
光学透明粘着シートの厚み分布(%)=[(光学透明粘着シートの厚みの最大値−光学透明粘着シートの厚みの最小値)/光学透明粘着シートの厚みの平均値]×100 (1)
本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化ポリウレタンを含む。上記熱硬化ポリウレタンは、熱硬化性ポリウレタン組成物の硬化物である。上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含有することが好ましい。この場合、熱硬化ポリウレタンは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることにより得られ、下記式(A)に示した構造を有することが好ましい。
Figure 2018088300
上記式(A)中、Rは、ポリイソシアネート成分のNCO基を除いた部位を表し、R’は、ポリオール成分のOH基を除いた部位を表し、nは、繰り返し単位数を表す。
熱硬化ポリウレタンは、アクリル変性されていないことが好ましく、主鎖中にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等に由来する部位が含まれないことが好ましい。熱硬化ポリウレタンがアクリル変性されると、疎水化されるため、高温・高湿下において水分の凝集が生じやすくなる。この水分の凝集は、白化、発泡等を引き起こし、光学特性を損なうことがある。上記熱硬化ポリウレタンは、ポリオール成分に由来する単量体単位と、ポリイソシアネート成分に由来する単量体単位との合計量が、熱硬化ポリウレタン全体を構成する単量体単位の80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは、ポリオール成分に由来する単量体単位及びポリイソシアネート成分に由来する単量体単位のみからなる。
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分としては、いずれも常温(23℃)で液体のものを用いることができ、溶剤を用いずに熱硬化ポリウレタンを得ることができる。タッキファイヤー等の他の成分は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分のいずれかに添加することができ、好ましくは、ポリオール成分に添加される。このように、熱硬化ポリウレタンを含む光学透明粘着シートを作製する場合、溶剤の除去が必要ないため、均一なシートを厚く形成しやすい。このため、本発明の光学透明粘着シートを、表示パネルと透明導電膜を表層に有する透明部材(タッチパネル)との貼り合わせに用いる場合、ベゼルの段差を被覆することができる。
また、本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化ポリウレタンを含み、柔軟であるため、引張り応力が加わったときに、良く伸び、非常に千切れにくい。このため、糊残りすることなく、引き剥がすことが可能である。本発明の光学透明粘着シートは、柔軟であるとともに厚膜化できることから、耐衝撃性に優れ、透明導電膜を表層に有する透明部材とカバーパネルとの貼り合わせに用いることができ、更に他の部材を用いる場合には、表示パネル、又は、透明導電膜を表層に有する透明部材と、他の部材との貼り合わせにも用いることができる。更に、本発明の光学透明粘着シートは、熱硬化ポリウレタンを含むため、誘電率が高く、従来のアクリル系樹脂組成物からなる光学透明粘着シートよりも高い静電容量が得られる。このため、本発明の光学透明粘着シートは、静電容量方式のタッチパネルの貼り合わせに好適に用いられる。
[ポリオール成分]
上記ポリオール成分としては、例えば、オレフィン骨格を有するもの、すなわち主鎖がポリオレフィン又はその誘導体によって構成されているものが挙げられる。オレフィン骨格を有するポリオール成分としては、例えば、1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオール、1,2−ポリクロロプレンポリオール、1,4−ポリクロロプレンポリオール等のポリブタジエン系ポリオールや、ポリイソプレン系ポリオール、それらの二重結合を水素又はハロゲン等で飽和化したものが挙げられる。また、上記ポリオール成分は、ポリブタジエン系ポリオール等に、スチレン、エチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等のオレフィン化合物を共重合させたポリオールやその水添物であってもよい。上記ポリオール成分は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。上記ポリオール成分は、1種類のみ用いられてもよいし、2種類以上用いられてもよい。上記ポリオール成分は、オレフィン骨格を有するポリオール成分を80モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは、オレフィン骨格を有するポリオール成分のみからなる。
上記ポリオール成分の数平均分子量は、300以上、5000以下であることが好ましい。ポリオール成分の数平均分子量が300未満である場合には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が速過ぎて熱硬化ポリウレタンを均一なシートに成形することが困難になったり、熱硬化ポリウレタンの柔軟性が低下して脆くなったりすることがある。ポリオール成分の数平均分子量が5000を超える場合には、ポリオール成分の粘度が高くなり過ぎて熱硬化ポリウレタンを均一なシートに成形することが困難になったり、熱硬化ポリウレタンが結晶化して白濁したりする等の不具合が生じることがある。ポリオール成分の数平均分子量は、500以上、3000以下であることがより好ましい。
上記オレフィン骨格を有するポリオール成分のうち公知のものとしては、例えば、出光興産社製の水酸基末端ポリイソプレンを水添して得られるポリオレフィンポリオール(「EPOL(エポール、登録商標)」、数平均分子量:2500)、日本曹達社製の両末端水酸基水素化ポリブタジエン(「GI−1000」、数平均分子量:1500)、三菱化学社製のポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(「ポリテール(登録商標)」)等が挙げられる。
[ポリイソシアネート成分]
ポリイソシアネート成分としては、例えば、イソシアネート基を有する脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネートと、エチレンオキシドユニットを有するエーテル化合物とを反応させて得られる変性ポリイソシアネートが挙げられる。脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネートは、光学透明粘着シートの着色や変色がより発生しにくく、長期に渡って光学透明粘着シートの透明性を確保することができる観点から、好適に用いられる。また、エチレンオキシドユニットを有するエーテル化合物を反応させた変性体とすることによって、ポリイソシアネート成分は、親水性部分(エチレンオキシドユニット)の作用によって白化を抑制することができ、疎水性部分(その他のユニット)の作用によって低極性のタッキファイヤー、可塑剤等との相溶性を発揮することができる。
上記脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及び、脂肪族及び/又は脂環族のジイソシアネートを出発物質として得られるポリイソシアネートの少なくとも一種を意味する。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート、それらの変性体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート、それらの変性体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記具体例のなかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びそれらの変性体が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート及びその変性体が特に好ましい。なお、ヘキサメチレンジイソシアネートの変性体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート変性、アロファネート変性、及び/又は、ウレタン変性したもの等が挙げられる。
上記エチレンオキシドユニットを有するエーテル化合物としては、例えば、アルコール類、フェノール類及び/又はアミン類のエチレンオキシド付加物が挙げられ、親水性を高める観点から、1分子当たり3個以上のエチレンオキシドユニットを有するものが好適に用いられる。
上記アルコール類としては、例えば、1価アルコール類、2価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレンジオール、ネオペオペンチルグリコール等)、3価アルコール類(グリセリン、トリメチロールプロパン等)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF等)、フェノール化合物のホルマリン低縮合物(ノボラック樹脂、レゾールの中間体)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記ポリイソシアネート成分の含有量は、熱硬化性ポリウレタン組成物の全体に対して、1重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。上記変性ポリイソシアネートの1分子当たりのイソシアネート基の数は、平均で2.0以上であることが好ましい。上記イソシアネート基の数が平均で2.0未満であると、架橋密度の低下により、熱硬化性ポリウレタン組成物が充分に硬化しないおそれがある。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、α比(ポリオール成分由来のOH基のモル数/ポリイソシアネート成分由来のNCO基のモル数)が1以上であってもよい。α比が1未満である場合には、ポリイソシアネート成分の配合量が、ポリオール成分の配合量に対して過剰であるため、熱硬化ポリウレタンが硬くなり、光学透明粘着シートに要求される柔軟性を確保することが困難となるおそれがある。光学透明粘着シートの柔軟性が低いと、特に、タッチパネル等の光学部材を貼り合わせる場合、貼り合わせ面に存在する凹凸及び段差を被覆することができないことがある。また、光学透明粘着シートの粘着力が不十分となることがある。α比は、1<α<2.0を満たすことがより好ましい。α比が2.0以上である場合には、熱硬化性ポリウレタン組成物が充分に硬化しないことがある。
[タッキファイヤー]
本発明において、熱硬化性ポリウレタン組成物は、更に、タッキファイヤー(粘着付与剤)を含有してもよい。タッキファイヤーは、粘着力を向上するために添加される添加剤であり、通常、分子量が数百〜数千の無定型オリゴマーで、常温で液状又は固形の熱硬化性樹脂である。熱硬化性ポリウレタン組成物がタッキファイヤーを含有することで、熱硬化ポリウレタンを含む光学透明粘着シートは、その両面において、より優れた粘着力を発現させることができる。
上記タッキファイヤーとしては特に限定されず、例えば、石油樹脂系タッキファイヤー、炭化水素樹脂系タッキファイヤー、ロジン系タッキファイヤー、テルペン系タッキファイヤー等を含むものが挙げられる。これらは1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
上記タッキファイヤーとしては、上記オレフィン骨格を有するポリオール成分との相溶性に優れることから、石油樹脂系タッキファイヤーが好適に用いられる。上記石油樹脂系タッキファイヤーの中でも、ジシクロペンタジエンと芳香族化合物の共重合体を水素添加して得られる水添石油樹脂が好適に用いられる。ジシクロペンタジエンは、C5留分から得られる。上記芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物が挙げられる。ジシクロペンタジエンとビニル芳香族化合物との割合は特に限定されないが、重量基準で、ジシクロペンタジエン:ビニル芳香族化合物=70:30〜20:80であることが好ましく、60:40〜40:60であることがより好ましい。上記水添石油樹脂の好ましい軟化点は90〜160℃、好ましいビニル芳香族化合物単位含有量は35質量%以下、好ましい臭素価は0〜30g/100g、好ましい数平均分子量は500〜1100である。上記水添石油樹脂のうち公知のものとしては、例えば、出光興産社製の「アイマーブP−100」が挙げられる。
上記タッキファイヤーとしては、上記オレフィン骨格を有するポリオール成分との相溶性に優れることから、炭化水素樹脂系タッキファイヤーが好適に用いられる。上記炭化水素樹脂系タッキファイヤーの中でも、脂環族飽和炭化水素樹脂が好適に用いられる。上記脂環族飽和炭化水素樹脂のうち公知のものとしては、例えば、荒川化学工業社製の「アルコンP−100」が挙げられる。
上記タッキファイヤーは、酸価が1mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH/g以下であれば、タッキファイヤーがポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応を阻害するのを充分に防止することができる。また、タッキファイヤーの軟化点は、80℃以上、120℃以下であることが好ましく、80℃以上、100℃以下であることがより好ましい。軟化点が80℃以上、120℃以下である場合には、タッキファイヤーをポリオール成分中に溶解させる際に、ポリオール成分が熱によって劣化してしまうのを充分に防止することができる。
上記タッキファイヤーの含有量は、熱硬化性ポリウレタン組成物に対して、1重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。タッキファイヤーの含有量が1重量%未満である場合には、光学透明粘着シートの粘着力を充分に向上できないことがあり、特に、高温・高湿下における粘着力が不充分になることがある。タッキファイヤーの含有量が20重量%を超える場合には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応を阻害し、熱硬化ポリウレタン中にウレタン架橋が充分に形成されなくなることがある。その結果、高温・高湿下において光学透明粘着シートが溶解して形状が変化したり、タッキファイヤーが析出(ブリード)したりすることがある。また、ウレタン架橋を充分に形成するためにポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応時間を長くすると、生産性が低下する。
[可塑剤]
本発明において、熱硬化性ポリウレタン組成物は、更に、可塑剤を含有してもよい。可塑剤の添加により、低硬度化されることで、本発明の光学透明粘着シートの取り扱い性や段差追従性を向上することができる。なお、可塑剤の添加により接着力は低下するおそれがあるが、本発明の光学透明粘着シートによれば、多少接着力が低下しても充分な接着力を確保できる。
上記可塑剤としては、熱硬化性樹脂に柔軟性を付与するために用いられる化合物であれば特に限定されないが、相溶性及び耐候性の観点から、カルボン酸系可塑剤を含むことが好ましい。上記カルボン酸系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル(フタル酸系可塑剤)や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル、ポリ−α−オレフィン等が挙げられる。これらは1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。上記カルボン酸系可塑剤のうち公知のものとしては、例えば、BASF社製の「DINCH」、新日本理化社製の「サンソサイザーDUP」、イネオスオリゴマーズ社製の「Durasyn(登録商標)148」が挙げられる。
[触媒]
本発明において、熱硬化性ポリウレタン組成物は、更に、触媒を含有してもよい。触媒としては、ウレタン化反応に用いられる触媒であれば特に限定されず、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン酸錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
上記触媒としては、非アミン系触媒が好ましい。アミン系触媒を用いる場合、光学透明粘着シートが変色しやすくなることがある。より好ましい触媒は、ジラウリル酸ジメチル錫である。
上記触媒の添加量は、例えば、ポリオール成分、及び、ポリイソシアネート成分の合計量に対して、0.001重量%以上、0.1重量%以下である。
[モノイソシアネート成分]
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、更に、モノイソシアネート成分を含有してもよい。モノイソシアネート成分を含有することにより、光学透明粘着シートに要求される柔軟性を損なうことなく、高温・高湿下における粘着力を向上することができる。熱硬化性ポリウレタン組成物のα比が1以上である場合には、硬化物中に未反応のOH基が残存することを防止するために、モノイソシアネート成分が用いられることが好ましい。
上記モノイソシアネート成分は、分子内に1個のイソシアネート基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、オクタデシルジイソシアネート(ODI)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)、イソシアン酸オクチル、イソシアン酸ヘプチル、3−イソシアナートプロピオン酸エチル、イソシアン酸シクロペンチル、イソシアン酸シクロヘキシル、2−メトキシエタンイソシアネート、イソシアナート酢酸エチル、イソシアナート酢酸ブチル、p−トルエンスルフォニルイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。モノイソシアネート成分としては、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)が好ましい。これは、ポリオール成分との相溶性が良く、疎水性が高いためである。
しかしながら、熱硬化性ポリウレタン組成物がモノイソシアネート成分を含有する場合には、モノイソシアネート成分が従来のウレタン骨格を阻害するために特性が低下することがある。また、モノイソシアネート成分が過剰に含有されると、空気中の水分と反応して発泡を引き起こすことがある。このため、本発明の光学透明粘着シートを製造する場合において、設計のロバスト性を考慮すると、熱硬化性ポリウレタン組成物は、モノイソシアネート成分を含有しないことが好ましい。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物には、光学透明粘着シートの要求特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、着色剤、安定剤、酸化防止剤、防徽剤、難燃剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
本発明の光学透明粘着シートは、厚みの平均値が、140μm〜4200μmである。上記厚みの平均値が140μm未満であると、熱硬化ポリウレタンを含む光学透明粘着シートの厚み分布の値が大きくなる。これは、熱硬化性ポリウレタン組成物の粘度が高いため、本発明の光学透明粘着シートの製造において熱硬化性ポリウレタン組成物をギャップロールに通過させる際に、均一に応力がかかり難いためであると考えられる。一方、上記厚みの平均値が4200μmを超えると、熱硬化性ポリウレタン組成物が充分に硬化されず、厚み分布の値が大きくなる。上記光学透明粘着シートの厚みの平均値の、より好ましい下限は200μmであり、更に好ましい下限は300μmであり、特に好ましい下限は350μmである。光学透明粘着シートの厚みの平均値の、より好ましい上限は4000μmであり、更に好ましい上限は3500μmである。また、光学透明粘着シートは、被着体の貼り付け面に存在する凹凸又は段差の高さに対して3倍以上の厚みを有することが好ましい。
上記光学透明粘着シート厚みの平均値は、光学透明粘着シートの両面に剥離フィルムが貼りつけられた状態で総厚を測定し、上記総厚から剥離フィルムの厚みの平均値を引いた値の平均値を算出することで得られる。上記総厚は、例えば、オムロン社製の変位センサーZW−S20を用いて測定できる。上記総厚の測定方法としては、例えば、平面視において、光学透明粘着シートの縦方向及び横方向に一定間隔(例えば15mm間隔)で測定点を設定し、全測定点で総厚を測定する方法が挙げられる。各測定点での総厚から、第一の剥離フィルムの厚みの平均値と第二の剥離フィルムの厚みの平均値とを引いた値を、各測定点での光学透明粘着シートの厚さとし、全測定点での厚さの平均値を「光学透明粘着シートの厚みの平均値」とする。また、上記全測定点での厚さのうち、最も大きい値を「光学透明粘着シートの厚みの最大値」とし、最も小さい値を「光学透明粘着シートの厚みの最小値」とする。
本発明の光学透明粘着シートは、下記式(1)で表される光学透明粘着シートの厚み分布が、20%以下である。
光学透明粘着シートの厚み分布(%)=[(光学透明粘着シートの厚みの最大値−光学透明粘着シートの厚みの最小値)/光学透明粘着シートの厚みの平均値]×100 (1)
上記光学透明粘着シートの厚み分布が20%以下であることで、ガラス板等の剛体と貼り合わせた場合に、光学透明粘着シートとガラス板との界面に気泡が発生し難い。また、上記厚み分布が20%以下であれば、ガラス板等との貼り合わせ時に気泡が発生したとしても微細な気泡であるため、製品として使用可能である。上記光学透明粘着シートの厚み分布が20%を超えると、ガラス板等の剛体と貼り合わせた場合に、その界面に気泡が発生するため、タッチパネル等の光学部材の貼り合わせに用いた場合には、視認性が低下したり、密着性が不十分となる。上記厚み分布は、後述する第一の剥離フィルム及び第二の剥離フィルムの厚みの平均値を一定以上とすること、第一の剥離フィルム及び第二の剥離フィルムの厚み分布を一定以下とすること、製造時の引張速度を一定範囲とすること等により低減することができる。
上記光学透明粘着シートの厚み分布は、10%以下であることが好ましい。上記厚み分布が10%以下であると、ガラス板等の剛体との貼り合わせ時に気泡が発生し難いため、より透明性が要求される用途(例えば、光学部材の貼り合わせ)に好適に用いることができる。
本発明の光学透明粘着シートは、光学透明粘着シートとしての性能を確保するために、ヘイズが1%以下であること、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。ヘイズ及び全光線透過率は、例えば、日本電色工業社製の濁度計「HazeMeter NDH2000」を用いて測定することができる。上記ヘイズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定され、上記全光線透過率は、JIS K 7361−1に準拠した方法で測定される。
本発明の光学透明粘着シートは、180°剥離試験で測定される粘着力が、常温・常湿下において2N/25mm以上であることが好ましく、5N/25mm以上であることがより好ましい。180°剥離試験での粘着力は、常温・常湿下において、15N/25mm以下であることが好ましい。光学透明粘着シートの粘着力が15N/25mm以下であれば、光学透明粘着シートをタッチパネル等の光学部材の貼り合わせに用いた場合に、糊残りなく剥がすことができるので、リワーク性に優れる。また、光学透明粘着シートの粘着力が大きくなり過ぎると、光学透明粘着シートと被着体との間に入った気泡を抜くのが困難になることがある。上記180°剥離試験の試験方法は以下の方法により行う。光学透明粘着シートの両面に剥離フィルムが貼り付けられた試験片を準備し、この試験片の片面の剥離フィルムを剥離した後、光学透明粘着シートにスライドガラスを貼り付け、例えば、圧力0.4MPaで30分間保持し、光学透明粘着シートとスライドガラスとを貼り合わせる。次に、スライドガラスとは反対側の剥離フィルムを剥離し、光学透明粘着シートのスライドガラスとは反対側の面に、PETシート(例えば厚み125mm)を貼り合わせる。その後、例えば、常温・常湿下で72時間放置した後、PETシートを180°方向に引っ張り、光学透明粘着シートをスライドガラスとの界面で剥離させ、スライドガラスに対する光学透明粘着シートの粘着力を測定する。
本発明の光学透明粘着シートのマイクロゴムA硬さは、0.1°以上、25°以下であることが好ましい。マイクロゴムA硬さが0.1°未満である場合には、使用時(光学部材への貼り付け時)の取り扱い性が悪く、光学透明粘着シートを変形させてしまうことがある。一方、マイクロゴムA硬さが25°を超える場合には、光学透明粘着シートの柔軟性が低く、光学部材に貼り付ける際に、光学部材の表面形状に追従することができず、空気を噛み込んでしまうことで、光学部材から剥がれる原因となることがある。また、光学透明粘着シートの柔軟性が低いと、特に、タッチパネル等の光学部材を貼り合わせる際に、ベゼルの段差を被覆することができないことがある。光学透明粘着シートのマイクロゴムA硬さは、0.5°以上、15°以下であることがより好ましい。マイクロゴムA硬さは、例えば、高分子計器社製のマイクロゴム硬度計「MD−1タイプA」を用いて測定することができる。マイクロゴム硬度計「MD−1タイプA」は、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして、設計・製作された硬度計であり、測定対象物のサイズが薄くてもスプリング式ゴム硬度計A型の硬度と一致した測定値を取得することができる。上記マイクロゴム硬度計としては、直径が0.16mmの円柱形で、高さが0.5mmの押針を備えたものを用いることができる。
本発明の光学透明粘着シートの両面には剥離フィルムが貼り付けられてもよい。本発明の光学透明粘着シートと、上記光学透明粘着シートの一方の面を覆う第一の剥離フィルムと、上記光学透明粘着シートの他方の面を覆う第二の剥離フィルムとが積層された積層体(以下、「本発明の積層体」ともいう)もまた、本発明の一態様である。図1は、本発明の光学透明粘着シートを備えた積層体を模式的に示した断面図である。光学透明粘着シート12の一方の面に第一の剥離フィルム11が貼り付けられ、他方の面に第二の剥離フィルム13が貼り付けられることにより、光学透明粘着シート12の表面を、被着物に貼り付ける直前まで保護することができる。これにより、粘着性の低下や、異物の付着を防止できる。また、被着物以外に貼りついてしまうことも防止できるので、本発明の光学透明粘着シートの取扱い性を向上することができる。
第一の剥離フィルム11及び第二の剥離フィルム13の厚みの平均値は、同じであってもよいし、異なってもよい。第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みが薄いと、第一及び第二の剥離フィルム11、13間に熱硬化性ポリウレタン組成物を注入する際に、注入の圧力により剥離フィルムが変形することがある。第一の剥離フィルム11及び第二の剥離フィルム13の厚みの平均値は、50μm以上であることが好ましく、75μm以上であることがより好ましい。また、第一の剥離フィルム11及び第二の剥離フィルム13のいずれか一方の厚みの平均値が90μm以上であり、かつ、第一の剥離フィルム11の厚みの平均値と第二の剥離フィルム13の厚みの平均値の合計が175μm以上であることが更に好ましい。第一の剥離フィルム11及び第二の剥離フィルム13の厚みの平均値は、90μm以上であることが特に好ましい。第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの平均値が90μm以上であることで、光学透明粘着シート12の厚みの精度をより効果的に向上させることができる。第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの上限は、特に限定されないが、例えば200μmである。
第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの平均値は、例えば、平面視において、第一及び第二の剥離フィルム11、13の縦方向及び横方向に一定間隔(例えば15mm間隔)で測定点を設定し、全測定点での第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの測定値から、それぞれ、第一の剥離フィルムの厚みの平均値、第二の剥離フィルムの厚みの平均値を算出することで得られる。第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みは、例えば、ミツトヨ社製のダイヤルゲージABSデジマチックインジケータID−SXを用いて測定できる。また、全測定値のうち、最も大きい値を「剥離フィルムの厚みの最大値」とし、最も小さい値を「剥離フィルムの厚みの最小値」とする。第一及び第二の剥離フィルム11、13は、それぞれの厚みの最大値から、それぞれの厚みの最小値を引いた値が、1μm〜2μmであることが好ましい。
下記式(2)で表される第一の剥離フィルム11及び第二の剥離フィルム13の厚み分布は、3%以下であることが好ましい。第一及び第二の剥離フィルムの厚み分布が3%以下であることで、より平坦な光学透明粘着シート12を形成することができる。
剥離フィルムの厚み分布=[(剥離フィルムの厚みの最大値−剥離フィルムの厚みの最小値)/剥離フィルムの厚みの平均値]×100 (2)
上記第一の剥離フィルム及び上記第二の剥離フィルムとしては、80℃〜90℃で変形し難いフィルムであることが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。PETフィルムは、ローラーで巻き取るための柔軟性を有し、かつ、耐熱性が高く高温でもたわみ難いため、熱硬化ポリウレタンを含む厚膜のOCAシートの製造に好適に用いられる。
本発明の光学透明粘着シートと第一の剥離フィルムとの貼り合わせ強度(剥離強度)と、本発明の光学透明粘着シートと第二の剥離フィルムとの貼り合わせ強度は、同じであってもよいし、互いに異なってもよい。本発明の積層体から第一及び第二の剥離フィルムの一方(貼り合わせ強度が弱い方の剥離フィルム)のみを剥離し、露出させた光学透明粘着シートの第一の面と第一の被着体を貼り合わせ、その後に、第一及び第二の剥離フィルムの他方(貼り合わせ強度が強い方の剥離フィルム)を剥離し、露出させた光学透明粘着シートの第二の面と第二の被着体を貼り合わせることが容易になるという観点からは、貼り合わせ強度に差があることが好ましい。第一の剥離フィルムの本発明の光学透明粘着シートと接する側の表面、及び、第二の剥離フィルムの本発明の光学透明粘着シートと接する側の表面のいずれか一方、又は、両方に、易剥離処理(離型処理)が施されていてもよい。易剥離処理としては、例えば、シリコーン処理が挙げられる。
本発明の光学透明粘着シートの用途は特に限定されないが、例えば、表示パネル、タッチパネル、カバーパネル等を互いに貼り合わせるために用いることができる。本発明の光学透明粘着シートと、表示パネルとタッチパネルとを備えるタッチパネル付き表示装置(以下、「本発明のタッチパネル付き表示装置」ともいう)もまた、本発明の一態様である。
図2は、本発明の光学透明粘着シートを備えたタッチパネル付き表示装置(本発明のタッチパネル付き表示装置)の一例を模式的に示した断面図である。図2に示す表示装置20では、表示パネル21、光学透明粘着シート12、タッチパネル(ITO透明導電膜付きガラス基板)23、光学透明粘着シート12、及び、透明カバーパネル24が順に積層されている。表示パネル21、タッチパネル23、及び、透明カバーパネル24の3つの光学部材は、2枚の本発明の光学透明粘着シート12により一体化されている。表示パネル21の種類は特に限定されず、例えば、液晶パネル、有機エレクトロルミネッセンスパネル(有機ELパネル)等を用いることができる。タッチパネル23としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式等の検出方式のものが用いられる。
表示パネル21は、表示面側に開口が設けられたベゼル(表示パネル21の筐体)21A内に収容されており、ベゼル21Aの開口の外縁には、ベゼル21Aの厚みに対応した段差が存在する。光学透明粘着シート12は、表示パネル21、及び、ベゼル21Aの表示面側を覆って貼り付けられており、ベゼル21Aの厚みに対応した段差を被覆している。光学透明粘着シート12には、ベゼル21Aの厚みによって形成される段差を被覆するために、段差部に追従することができる柔軟性と、ベゼル21Aの厚みよりも厚いことが求められる。このように、ベゼル21Aに収容された表示パネル21との貼り合わせに用いられる光学透明粘着シートの厚みは、700μm以上であることが好ましい。本発明の光学透明粘着シートは、700μm以上の厚みであっても、充分な光学特性及び柔軟性を有するものであり、ベゼル21Aに収容された表示パネル21との貼り合わせに好適に用いることができる。
このような表示装置では、本発明の光学透明粘着シートが用いられているため、光学部材と光学透明粘着シートとの界面に気泡が発生し難いため、視認性に優れ、かつ、光学部材を互いに密着させることができる。その結果、各光学部材と光学透明粘着シートとの間に空隙が発生しないので、界面反射の増加等による視認性の低下を防止することができる。
本発明の光学透明粘着シートの製造方法は特に限定されず、例えば、熱硬化性ポリウレタン組成物を調製した後、この組成物を従来公知の方法で熱硬化させつつ成形する方法が挙げられる。上記光学透明粘着シートの製造方法としては、例えば、第一の剥離フィルムと第二の剥離フィルムの間に熱硬化性ポリウレタン組成物を挟持した状態で、加熱することで上記熱硬化性ポリウレタン組成物を硬化させる硬化工程を含む光学透明粘着シートの製造方法が挙げられる。
上記光学透明粘着シートの製造方法は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び、タッキファイヤーを攪拌混合して熱硬化性ポリウレタン組成物を調製する工程を含むことが好ましい。上記熱硬化性ポリウレタン組成物を調製する工程の具体例としては、まず、所定量のタッキファイヤーを、ポリオール成分に添加し、加温及び攪拌して溶解させることによって、マスターバッチを調製し、続いて、得られたマスターバッチ、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、及び、必要に応じて触媒等の他の成分を混合し、ミキサー等で攪拌することによって、液状又はゲル状の熱硬化性ポリウレタン組成物を得る方法が挙げられる。
上記硬化工程は、第一の剥離フィルムと第二の剥離フィルムの間に熱硬化性ポリウレタン組成物を挟持した状態で、加熱することで上記熱硬化性ポリウレタン組成物を硬化させる。上記熱硬化性ポリウレタン組成物は粘度が高いため、厚膜の光学透明粘着シートシートを製造できる一方で、硬化させる前に組成物が流動するため、厚みにばらつきが発生しやすい。そのため、第一の剥離フィルムと第二の剥離フィルムの間に挟持した状態で、熱硬化性ポリウレタン組成物を硬化させることで、厚み精度の高い光学透明粘着シートを製造することができる。上記第一の剥離フィルム、上記第二の剥離フィルムとしては、本発明の積層体で説明した第一の剥離フィルム11、第二の剥離フィルム13と同様のものを用いることができる。
上記硬化工程の具体例としては、上記で得られた熱硬化性ポリウレタン組成物を即座に成形装置に投入し、第一及び第二の剥離フィルムによって挟んだ状態で熱硬化性ポリウレタン組成物を移動させながら架橋硬化させることで、熱硬化性ポリウレタン組成物を半硬化させ、第一及び第二の剥離フィルムと一体化されたシートを得た後、炉で一定時間架橋反応させることで、熱硬化ポリウレタンを含む光学透明粘着シートを得る方法が挙げられる。上記硬化工程は、例えば、50〜80℃で1時間程度加熱し、架橋反応させた後、60〜120℃で1〜12時間加熱する方法が挙げられる。
図3は、本発明の光学透明粘着シートの作製に用いる成形装置の一例を説明するための模式図である。図3に示す成形装置30では、まず、硬化前の液状又はゲル状の熱硬化性ポリウレタン組成物31を、離間して配置された一対のロール32から連続的に送り出される第一の剥離フィルム11及び第二の剥離フィルム13の間隙に流し込む。そして、第一及び第二の剥離フィルムの間隙に熱硬化性ポリウレタン組成物31を保持した状態で硬化反応(架橋反応)を進行させつつ、加熱装置33内に搬入する。加熱装置33内において、熱硬化性ポリウレタン組成物31は、第一及び第二の剥離フィルム間に保持された状態で熱硬化し、熱硬化性ポリウレタン組成物31の硬化物(熱硬化ポリウレタン)を含む光学透明粘着シート12の成形が完了する。熱硬化性ポリウレタン組成物31の硬化は、地面と水平な状態で行われることが好ましい。図3では、熱硬化性ポリウレタン組成物31の下側を第一の剥離フィルム11で、上側を第二の剥離フィルム13で挟んで加熱装置33を通過させているが、第一の剥離フィルム11と第二の剥離フィルム13の配置は入れ替えてもよく、第一の剥離フィルム11が上側、第二の剥離フィルム13が下側であっても、硬化物である光学透明粘着シートの厚み分布に差はない。
第一及び第二の剥離フィルム11、13間に熱硬化性ポリウレタン組成物を挟んだ状態で硬化させる工程は、第一及び第二の剥離フィルム11、13の引張速度が4m/分以下であることが好ましい。上記引張速度が4m/分を超えると、熱硬化性ポリウレタン組成物31は粘度が高いため、第一又は第二の剥離フィルム11、13上で充分に広がらず、熱硬化性ポリウレタン組成物31を硬化させた際に厚みのばらつきが大きくなることがある。上記引張速度の下限は特に限定されないが、例えば0.1m/分である。
上記熱硬化性ポリウレタン組成物は、25℃での粘度が100〜100000mPa・sであることが好ましい。上記粘度のより好ましい下限は1000mPa・sである。上記粘度のより好ましい上限は10000mPa・sである。上記粘度は、JIS K7117−1に準拠し、B型粘度計(ブルックフィールド回転粘度計)を用いて測定される。
本発明の光学透明粘着シートの製造方法としては、硬化前の熱硬化性ポリウレタン組成物を調製した後、各種コーティング装置、バーコート、ドクターブレード等の汎用の成膜装置や成膜方法を用いるものであってもよい。また、遠心成形法を用いて本発明の光学透明粘着シートを作製してもよい。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(配合原料)
下記の実施例及び比較例において、熱硬化性ポリウレタン組成物を調製するために用いた配合原料は以下の通りである。
(A)ポリオール成分
ポリオレフィンポリオール(出光興産社製の「EPOL(エポール、登録商標)」、数平均分子量:2500)
(B)ポリイソシアネート成分
HDI系ポリイソシアネート(東ソー社製の「コロネート4022」)
(C)タッキファイヤー
水添石油樹脂系タッキファイヤー(出光興産社製の「アイマーブP−100」)
(D)触媒
ジラウリル酸ジメチル錫(Momentive社製の「Fomrez catalyst UL−28」)
なお、上記HDI系ポリイソシアネートは、HDI及び/又はHDIモノマーを出発物質とするポリイソシアネートに対して、1分子当たり平均3個以上のエチレンオキシドユニットを有するエーテルポリオールを反応させて得られたものである。
(実施例1)
まず、100〜150℃に温調したポリオレフィンポリオール(A)に、固形状の水添石油樹脂系タッキファイヤー(C)を添加し、攪拌することによって、ポリオレフィンポリオール中にタッキファイヤーを溶解させたマスターバッチを得た。このとき、マスターバッチにおけるタッキファイヤーの含有量は30重量%に調整した。次に、ポリオレフィンポリオール(A)100重量部、HDI系ポリイソシアネート(B)11.7重量部、タッキファイヤーマスターバッチ33.3重量部、及び、触媒(D)0.05重量部を、往復回転式撹拌機アジターを用いて攪拌混合し、熱硬化性ポリウレタン組成物を調製した。得られた熱硬化性ポリウレタン組成物の25℃での粘度は、3000mPa・sであった。
得られた熱硬化性ポリウレタン組成物を図3に示した成形装置30に注入し、熱硬化性ポリウレタン組成物を第一の剥離フィルム11及び第二の剥離フィルム13によって挟んだ状態で、1m/分の引張速度で搬送しつつ、炉内温度50〜80℃、炉内時間1時間程度の条件で架橋硬化させ、剥離フィルム付きのシートを得た。第一及び第二の剥離フィルムとしては、ともに、表面に離型処理が施されたPETフィルムを用いた。その後、60〜120℃に調節した加熱装置33で1〜12時間時間架橋反応させ、図1に示した積層体10(以下、「剥離フィルム付き光学透明粘着シート」ともいう)を作製した。積層体10は、熱硬化ポリウレタンを含む光学透明粘着シート12と、上記光学透明粘着シート12の一方の面を覆う第一の剥離フィルム11と、上記光学透明粘着シートの他方の面を覆う第二の剥離フィルム13とが積層されたものであった。上記光学透明粘着シートのヘイズは0.13%、全光線透過率は90.55%、180°剥離試験で測定される粘着力は8.3N/25m、高分子計器社製のマイクロゴム硬度計「MD−1タイプA」を用いたマイクロゴムA硬さは0.9であった。
(実施例2〜11、及び、比較例1〜5)
下記表1及び2に示したように、厚みの平均値及び厚み分布が異なる第一及び第二の剥離フィルム11、13を用いて、光学透明粘着シートの厚み(平均値)を変更したことを除いて実施例1と同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜5に係る剥離フィルム付き光学透明粘着シートをそれぞれ作製した。なお、比較例4及び5では、第一及び第二の剥離フィルム11、13間に熱硬化性ポリウレタン組成物を挟んだ状態で硬化させる際の引張速度を変更した。
実施例及び比較例で得られた剥離フィルム付き光学透明粘着シートについて、以下の方法により、光学透明粘着シート12、第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの平均値及び厚み分布を算出した。
(光学透明粘着シートの厚みの平均値)
剥離フィルム付き光学透明粘着シートの総厚を測定し、上記総厚から第一及び第二の剥離フィルムの厚みの平均値を引いた値の平均値を「光学透明粘着シートの厚みの平均値」とした。図4は、厚み分布の測定方法を説明するための平面模式図である。まずは、剥離フィルム付き光学透明粘着シートの総厚を測定した。上記総厚は、図4に示したように、実施例及び比較例で得られた剥離フィルム付き光学透明粘着シートを縦297mm、横210mmに切り出し、15mm間隔で、297mm辺に19点、210mm辺に13点の測定点を設け、合計247点で測定を行った。上記総厚は、オムロン社製の変位センサーZW−S20を用いて測定した。
次に、第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの平均値を算出した。実施例及び比較例の剥離フィルム付き光学透明粘着シートから、それぞれ第一及び第二の剥離フィルム11、13を剥離し、第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みを、上記総厚の測定と同様に、15mm間隔で、297mm辺に19点、210mm辺に13点の測定点を設け、合計247点で測定を行った。第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みは、ミツトヨ社製のダイヤルゲージABSデジマチックインジケータID−SXを用いて測定した。全測定点での第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの測定値から、それぞれ、第一の剥離フィルムの厚みの平均値、第二の剥離フィルムの厚みの平均値を算出した。
各測定点での総厚の測定値から、第一の剥離フィルムの厚みの平均値と第二の剥離フィルムの厚みの平均値とを引いた値を各測定点での光学透明粘着シートの厚さとし、247点での光学透明粘着シートの厚さの平均値を「光学透明粘着シートの厚みの平均値」とした。
(光学透明粘着シートの厚み分布)
上記247点の測定点での光学透明粘着シートの厚さのうち、最も大きい値を「光学透明粘着シートの厚みの最大値」とし、最も小さい値を「光学透明粘着シートの厚みの最小値」とした。上記光学透明粘着シートの厚みの平均値、最大値及び最小値を用いて、下記式(1)により、光学透明粘着シートの厚み分布を算出した。
光学透明粘着シートの厚み分布(%)=[(光学透明粘着シートの厚みの最大値−光学透明粘着シートの厚みの最小値)/光学透明粘着シートの厚みの平均値]×100 (1)
(剥離フィルムの厚み分布)
第一及び第二の剥離フィルム11、13のそれぞれに対し、上記247点の測定点のうち、最も大きい値を「剥離フィルムの厚みの最大値」とし、最も小さい値を「剥離フィルムの厚みの最小値」とした。上記第一及び第二の剥離フィルム11、13の厚みの平均値、最大値及び最小値を用いて、下記式(2)により、各剥離フィルムの厚み分布を算出した。
剥離フィルムの厚み分布=[(剥離フィルムの厚みの最大値−剥離フィルムの厚みの最小値)/剥離フィルムの厚みの平均値]×100 (2)
(光学透明粘着シートの評価)
実施例及び比較例で作製した光学透明粘着シートについて、以下の方法で気泡の発生の有無を評価した。
実施例及び比較例で作製した光学透明粘着シートから、第一及び第二の剥離フィルムを剥離し、各光学透明粘着シートの両面に、厚さ0.7mmのガラス板(松波硝子工業社製、ソーダガラス)を貼り合わせた。上記光学透明粘着シートと上記ガラス板とは、真空貼合機を用いて20Paの真空度にした後、1.8kgf/cmの押し圧で貼り合わせた。真空貼合機から取り出した後、室内環境(常温・常湿)で30分間室内に放置した。その後、目視にて気泡の有無を確認し、気泡が確認されなかったものを○とした。
気泡が確認されたサンプルについては、更に、圧力0.3MPa、常温(18〜28℃)℃に設定したオートクレーブで30分間加圧し、オートクレーブから取り出した後、1時間間室内に放置し、目視にて気泡の有無を確認した。光学透明粘着シートを他の部材と貼り合わせる際には、オートクレーブを用いることがある。そのため、オートクレーブで除去できる程度の微細な気泡であれば、製品として使用可能である。上記真空貼り合わせ後には気泡が確認されたが、上記加圧により気泡が消失した場合を△とした。また、上記真空貼り合わせ後に気泡が確認され、かつ、上記加圧によっても気泡が消失しなかった場合を×とした。結果を表1及び2に示した。
Figure 2018088300
Figure 2018088300
表1に示したように、実施例1〜8の光学透明粘着シートは、厚み分布の値が小さく、ガラス板に貼り付けた際に気泡が発生しなかった。実施例9〜11の光学透明粘着シートは、ガラス板に貼り付けた際には気泡が発生したものの、加圧することで気泡は消失した。一方、表2に示したように、比較例1、3〜5の光学透明粘着シートは、厚み分布が20%を超えており、ガラス板に貼りつけた際に気泡が発生し、かつ、加圧しても気泡が消失しなかった。比較例1及び3は、光学透明粘着シートの平均厚みが140μm〜4200μmの範囲外であるため、厚み精度の高い光学透明粘着シートの作製が困難であったと考えられる。また、比較例4及び5は、製造時の引張速度が速いため、厚み分布の値が大きくなったと考えられる。比較例2は、厚み分布が20%以下であるものの、光学透明粘着シートの厚みが厚く硬化が不十分であったため、加圧により気泡が発生したものと考えられる。
10 積層体
11 第一の剥離フィルム
12 光学透明粘着シート
13 第二の剥離フィルム
20 表示装置
21 表示パネル
21A ベゼル
23 タッチパネル
24 透明カバーパネル
30 成形装置
31 熱硬化性ポリウレタン組成物
32 ロール
33 加熱装置

Claims (8)

  1. 熱硬化ポリウレタンを含み、
    厚みの平均値は、140μm〜4200μmであり、
    下記式(1)で表される光学透明粘着シートの厚み分布は、20%以下であることを特徴とする光学透明粘着シート。
    光学透明粘着シートの厚み分布(%)=[(光学透明粘着シートの厚みの最大値−光学透明粘着シートの厚みの最小値)/光学透明粘着シートの厚みの平均値]×100 (1)
  2. 前記光学透明粘着シートの厚み分布は、10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学透明粘着シート。
  3. 請求項1又は2に記載の光学透明粘着シートと、前記光学透明粘着シートの一方の面を覆う第一の剥離フィルムと、前記光学透明粘着シートの他方の面を覆う第二の剥離フィルムとが積層されたものであることを特徴とする積層体。
  4. 前記第一の剥離フィルム及び前記第二の剥離フィルムのいずれか一方の厚みの平均値は、90μm以上であり、かつ、前記第一の剥離フィルムの厚みの平均値と前記第二の剥離フィルムの厚みの平均値の合計は、175μm以上であることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. 前記第一の剥離フィルム及び前記第二の剥離フィルムの厚みの平均値は、90μm以上であることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  6. 下記式(2)で表される前記第一の剥離フィルム及び前記第二の剥離フィルムの厚み分布は、3%以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の積層体。
    剥離フィルムの厚み分布=[(剥離フィルムの厚みの最大値−剥離フィルムの厚みの最小値)/剥離フィルムの厚みの平均値]×100 (2)
  7. 前記第一の剥離フィルム及び前記第二の剥離フィルムは、ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 請求項1又は2に記載の光学透明粘着シートと、表示パネルとタッチパネルとを備えることを特徴とするタッチパネル付き表示装置。

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