本発明は、表示装置及び画素ユニットに関する。
ディスプレイ等の表示装置には液晶ディスプレイが用いられている。100インチ以上といった大型のディスプレイにおいては、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を用いたLEDディスプレイが利用されている。LEDディスプレイは、画素毎に赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて、フルカラー表示を実現している。
このようなLEDディスプレイは、矩形状の表示領域に、画素毎にLEDを配置して構成しているため、一般にディスプレイの画面サイズが大きくなるほど、LEDの使用量が増え、これに応じて消費電力も増大していく。LEDの使用量を減らすには、画素の密度を小さくすることが考えられる。画素同士の間の隙間(ピッチ)を大きくするほど、LEDの使用量は減るが、逆に表示可能な解像度は低くなる。特にLEDは点光源であるため、直進性が強く、ピッチが大きくなると発光部分と発光しない領域との差が顕著となってドット感が強く感じられるようになり、不均一な粗い画面となる。
このように、LEDの使用量の低減すなわち消費電力の低減と、表示品質とはトレードオフの関係にあり、特に大画面になるほどこの問題が顕著となり、低消費電力の大型ディスプレイを構築することは困難とされていた。また大型ディスプレイに限らず、近年は東日本大震災に伴う電力供給不足、原発の稼働停止や石油等天然資源の枯渇、CO2の削減といった地球環境への配慮が強く求められており、消費電力の削減は緊急の課題である。
米国特許第6082885号明細書
米国特許第5873645号明細書
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり。本発明の目的の一は、低消費電力でLEDディスプレイを構成可能とした表示装置及び画素ユニットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するため、本発明の第1の形態に係る表示装置によれば、複数の画素を一定間隔で配置した表示装置であって、外形を六角柱状とし、内部を空洞として一方を開口端とした反射構造体と、前記反射構造体の開口端を閉塞するように配置された、透光性を有する拡散シートと、前記反射構造体の他方の端縁において、該端縁の中央部分に配置された、赤色、緑色、青色に発光可能な発光ダイオードとで構成された画素ユニットを、複数、各画素ユニットの六角柱状の側面同士を積層して、天面の拡散シートで構成される画素発光領域同士を隣接させて、大きな表示領域を構成することができる。上記構成により、発光ダイオードの点状光源からの光を拡散シートで面状に拡げると共に、拡散シートで構成される面発光領域を隣接させることで、従来のLEDディスプレイでは発光ダイオード同士の間が非発光のため表示面が不均一となっていた問題を解消できる。すなわち、発光ダイオード同士の間隔を拡げても、各画素を面状光源とし、かつこれらを近接させたことで、従来のような画素同士の間に存在する非発光領域を低減して、表示領域全体で均一な発光が得られ、結果として使用する発光ダイオードの数を低減しても、均一でドット感の少ない高品質な表示装置を実現できる。また画素ユニットの画素発光領域を隣接させてより大きな表示領域を構成できる。この際、画素ユニットを六角柱状としたことで、十分な強度を備えさせ、多数の画素ユニットを積層しても型崩れしない利点も得られる。
また、第2の形態に係る表示装置によれば、さらに前記発光ダイオードを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を、外部機器から無線接続にて制御可能とするための通信回路とを備えることができる。
さらに、第3の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の側面を、正方形状とすることができる。上記構成により、反射構造体に配置した発光ダイオードの光が反射構造体の内部で拡散されて、影の少ない、むらの低減された面状光源として拡散シート状に表れるよう構成できる。
さらにまた、第4の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートの厚さを38μm〜125μmとすることができる。
さらにまた、第5の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートを樹脂製の硬質な板状として、透光性を有する反射板で構成することができる。
さらにまた、第6の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射板を、アクリル製とできる。
さらにまた、第7の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートを、前記反射板の表面に積層される、拡散材を塗布した樹脂製の拡散フィルムを備えさせることができる。
さらにまた、第8の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散フィルムを、前記画素ユニットの表面側に位置するよう、前記反射板上に積層することができる。
さらにまた、第9の形態に係る表示装置によれば、前記発光ダイオードを複数備えると共に、前記複数の発光ダイオードを被覆するレンズ体を備えることができる。上記構成により、発光ダイオードを複数個使用して光量を増す一方で、これらの光が拡散シートで面発光となるように集光させることが可能となる。
さらにまた、第10の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の他方の端縁を、底面板で閉塞することができる。
さらにまた、第11の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記底面板の中央部分に開口部を形成し、該開口部から前記発光ダイオードを前記反射構造体の内部に挿入することができる。
さらにまた、第12の形態に係る表示装置によれば、前記発光ダイオードが、前記開口部に挿通可能な円筒状の筒状体と、前記筒状体と隣接して形成された、前記開口部よりも大きい鍔部とを備えており、前記筒状体は、ねじ溝を形成しており、前記表示装置はさらに、前記ねじ溝に螺合可能な環状のリング体を備えており、前記発光ダイオードの筒状体が、前記開口部に前記反射構造体の発光面側から挿入された状態で、前記反射構造体の背面側から突出された筒状体のねじ溝に、前記リング体が螺合されて、前記発光ダイオードが前記反射構造体に固定させることができる。上記構成により、反射構造体の底面に発光ダイオードを簡単に固定することが可能となる。
さらにまた、第13の形態に係る表示装置によれば、前記拡散シートを前記反射構造体から着脱可能とし、前記拡散シートを前記反射構造体から脱離した状態で、前記反射構造体を折り畳み可能に構成することができる。上記構成により、嵩張る反射構造体を折り畳んでコンパクトな状態とすることができ、運搬、保管に便利とできる。特に、多数の反射構造体を用いる場合には低コストでの運搬等が実現される。
さらにまた、第14の形態に係る表示装置によれば、前記反射構造体の底面が、六角柱状の各側面とそれぞれ連続するように、複数の底板片に分割されており、前記反射構造体を折り畳み状態としたとき、各底板片は分離され、前記反射構造体を展開状態としたとき、各底板片が互いに係合されて一体の底面板を形成すると共に、該底面板の中央部分に円形の開口部を形成しており、前記発光ダイオードが、前記開口部に挿通可能な筒状体と、前記筒状体と隣接して形成された、外径を前記開口部の内径よりも大きくする鍔部とを備えており、前記筒状体は、ねじ溝を形成しており、前記表示装置はさらに、前記ねじ溝に螺合可能な環状のリング体を備えており、前記発光ダイオードの筒状体が、前記開口部に前記反射構造体の発光面側から挿入された状態で、前記反射構造体の背面側から突出された筒状体のねじ溝に、前記リング体が螺合されて、前記発光ダイオードを前記反射構造体に固定することができる。上記構成により、折り畳み可能な反射構造体に、発光ダイオードを固定することで、併せて反射構造体を折り畳み姿勢から展開姿勢に維持できる。
さらにまた、第15の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記中央部分を、前記反射構造体の六角柱状の底面の中心から各頂点に向かう線分上の42%の点で囲まれた六角形状の内部とすることできる。上記構成により、発光ダイオードを六角形の中心に位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。
さらにまた、第16の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記発光ダイオードの配光分布を100°〜150°とすることができる。上記構成により、発光ダイオードの配光分布のピークとなる位置が、画素ユニットの高さのほぼ中央となるように位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。
さらにまた、第17の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記画素発光領域の中心に対する、該画素発光領域の隅部における相対光度を70%以上とできる。
さらにまた、第18の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記発光ダイオードを、一つのパッケージに赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを組み込んだ発光ダイオードとすることができる。
さらにまた、第19の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記発光ダイオードを、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードを近接して配置させた発光ダイオード集合体とすることできる。
さらにまた、第20の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の側面に、他の反射構造体と連結するための連結機構を設けることができる。上記構成により、画素ユニット同士を連結機構で連結して、大きな表示装置を構築できる。また画素ユニットをユニット式に連結可能としたことで、連結数を調整すれば、表示装置の表示領域の大きさを調整できる。
さらにまた、第21の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の内部を白色とすることができる。上記構成により、簡単な構造で反射構造体の内部の反射率を高めることができる。
さらにまた、第22の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体を紙製とすることができる。上記構成により、安価で軽量に表示装置を構成できる。
さらにまた、第23の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、さらに前記拡散シートを保持すると共に、前記反射構造体の開口端を閉塞する蓋枠を備えることができる。
さらにまた、第24の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記蓋枠を前記拡散シートの六角形状の外周を被覆する枠状に形成することができる。
さらにまた、第25の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートを、前記反射構造体の開口端に直接貼付することができる。
さらにまた、第26の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記複数の画素ユニットが隣接された状態で、各反射構造体の開口端に、共通の拡散シートを貼付することができる。
さらにまた、第27の形態に係る画素ユニットによれば、上記構成に加えて、ディスプレイの一画素を構成し、複数を組み合わせて大きな表示装置を構成するための画素ユニットであって、外形を六角柱状とし、内部を空洞として一方を開口端とした反射構造体と、前記反射構造体の開口端を閉塞するように配置された、透光性を有する拡散シートと、前記反射構造体の他方の端縁において、該端縁の中央部分に配置された、赤色、緑色、青色に発光可能な発光ダイオードとを備えることができる。上記構成により、発光ダイオードの点状光源からの光を拡散シートで面状に拡げると共に、拡散シートで構成される面発光領域を隣接させることで、従来のLEDディスプレイでは発光ダイオード同士の間が非発光のため表示面が不均一となっていた問題を解消できる。すなわち、発光ダイオード同士の間隔を拡げても、各画素を面状光源とし、かつこれらを近接させたことで、従来のような画素同士の間に存在する非発光領域を低減して、表示領域全体で均一な発光が得られ、結果として使用する発光ダイオードの数を低減しても、均一でドット感の少ない高品質な表示装置を実現できる。また六角柱状としたことで、十分な強度を備えさせ、多数の画素ユニットを積層しても型崩れしない利点も得られる。
本発明の実施形態1に係る表示装置を示す平面図である。
表示装置を構成する画素ユニットの斜視図である。
画素ユニットを正面側から見た分解斜視図である。
画素ユニットを背面側から見た分解斜視図である。
図1の表示装置を、図2の画素ユニットを積層して構成する様子を示す分解斜視図である。
反射構造体の底面においてLEDを配置する領域を示す模式平面図である。
表面実装型のLEDを示す斜視図である。
赤色LEDを2個、緑色LED及び青色LEDをそれぞれ1個配置して一画素を構成したLED集合体を示す模式平面図である。
SMD型LEDの視野角を示す模式断面図である。
砲弾型のLEDの視野角を示す模式断面図である。
図11AはSMD型LEDを用いた画素ユニットの平面図、図11Bは図11AのXB−XB線におけるLEDの配光曲線を示す模式断面図である。
正六角柱状の反射構造体を示す斜視図である。
画素発光領域におけるLEDの配光分布を示す模式平面図である。
側面を設けない画素ユニットでLEDを点灯させた画素発光領域を示すイメージ図である。
図14のXV−XV線におけるLEDの相対発光強度を示すグラフである。
図16Aは、砲弾型LEDを用いた画素ユニットの平面図であり、図16Bは図16AのXIB−XIB線におけるLEDの配光曲線を示す模式断面図である。
画素ピッチを示す模式平面図である。
点状の画素を行列状に配置した表示領域を示す模式平面図である。
正方形状の画素を行列状に配置した表示領域を示す模式平面図である。
LEDを反射材と離間させて発光させた場合の光の強度分布を示す模式側面図である。
正方形状の画素を示す模式平面図である。
六角形状の画素を示す模式平面図である。
六角形状の画素ユニットの内部を示す垂直断面図である。
六角形状の画素を配置した表示領域を示す模式平面図である。
点状の画素を行毎にオフセット配置した表示領域を示す模式平面図である。
六角柱状の画素ユニットを積層したときの加重の分散を示す模式側面図である。
導光板を用いた面発光光源を示す模式断面図である。
拡散レンズを用いた面発光光源を示す模式断面図である。
拡散シートの拡大断面図である。
変形例に係る拡散シートの拡大断面図である。
反射材と拡散材による光の拡散、反射を示す模式断面図である。
LEDを反射構造体の内部に配置する様子を示す模式断面図である。
反射板の厚さを異ならせた画素ユニットを発光させた状態を示す写真である。
反射板の厚さを異ならせた画素ユニットを発光させた状態を示す写真である。
側面を設けた画素ユニットでLEDを点灯させた画素発光領域を示すイメージ図である。
変形例に係る画素ユニットを示す断面図である。
LEDユニットの一例を示す斜視図である。
LEDユニットを反射構造体に固定する状態を示す分解斜視図である。
LEDユニットを反射構造体に固定した状態を背面側から見た斜視図である。
各画素ユニットを点灯駆動する駆動回路を示すブロック図である。
通信機能を備える表示装置を示すブロック図である。
図42Aは変形例に係る連結機構、図42Bは別の変形例に係る連結機構を示す斜視図である。
図43Aは折り畳み自在とした画素ユニットの折り畳み状態、図43Bは展開状態を示す斜視図である。
図44Aは図43Aを背面から見た斜視図、図44Bは図43Bを背面から見た斜視図である。
折り畳み自在とした画素ユニットの展開図である。
図46Aは二重構造の反射構造体の分解斜視図、図46Bは図46Aにさらに蓋枠を被せる状態を示す分解斜視図、図46Cは図46Bの状態から蓋枠を被せた画素ユニットの分解斜視図を示す斜視図である。
図47Aは折り畳み自在な外層を複数連結して折り畳んだ状態、図47Bは展開した状態を示す正面である。
図48Aは折り畳み自在な画素ユニットを複数連結した画素ユニット群の折り畳み状態、図48Bは画素ユニット群の展開状態を示す正面である。
背面ボードを示す正面図である。
図49の背面ボードの下段に画素ユニットを配置した状態を示す正面図である。
図50の背面ボードの二段目に画素ユニットを配置した状態を示す正面図である。
変形例に係る表示装置を示す正面図である。
フレームレスの画素ユニットを示す分解斜視図である。
複数の画素ユニットを連結した表示装置を示す分解斜視図である。
実施例1及び比較例1に係る画素ユニットを発光させた状態を正面から撮影した写真である。
P20のLEDパネルを示す平面図である。
実施例1に係る表示装置を示す平面図である。
実施例1及び比較例1に係る表示装置の消費電力を比較したグラフである。
実施例1に係る画素ユニットの正面から45°の角度で撮影した写真である。
実施例1に係る画素ユニットの正面から60°の角度で撮影した写真である。
図61Aは画素ユニットを組み合わせて文字を表現する例、図61Bは図形を表示する例を示す模式平面図である。
本発明の実施形態2に係る表示装置の分解斜視図である。
本発明の実施形態2に係る表示装置を示す平面図である。
複数の画素ユニットを連結した画素モジュールを示す分解斜視図である。
複数の画素モジュールを連結した表示装置を示す分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための表示装置を例示するものであって、本発明は表示装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る表示装置1000を図1の平面図に、またこの表示装置1000を構成する画素ユニット100の斜視図を図2に、それぞれ示す。これらの図に示すように、画素ユニット100を複数台積層して、表示装置1000を構成する。各画素ユニット100は、画素ユニット100同士を連結するための連結機構40を設けている。このように表示装置の一画素を構成する画素ユニットをユニット式としたことで、画素ユニットの縦横の連結数を変更することで、任意の大きさの表示装置を構築できる。
(画素ユニット100)
画素ユニット100の斜視図を図2に、正面側すなわち発光領域側から見た分解斜視図を図3に、背面側から見た分解斜視図を図4に、それぞれ示す。これらの図に示す画素ユニット100は、反射構造体10と、拡散シート20と、発光ダイオード(LED)50とを備える。
反射構造体10は、外形を六角柱状とし、内部を空洞として一方を開口端としている。
拡散シート20は、反射構造体10の開口端を閉塞するように配置された、透光性を有する部材である。この拡散シート20は、画素発光領域を構成する。
LED50は、反射構造体10の他方の端縁において、この端縁の中央部分に配置された、赤色、緑色、青色に発光可能な発光ダイオードである。
この画素ユニット100を複数台、各画素ユニット100の六角柱状の側面同士を図5に示すように積層して、天面の拡散シート20で構成される画素発光領域同士を隣接させて、大きな表示領域を構成している。この構成により、LED50の点状光源からの光を拡散シート20で面状に拡げると共に、拡散シート20で構成される面発光領域を隣接させることで、従来のLEDディスプレイではLED同士の間が非発光のため表示面が不均一となっていた問題を解消できる。すなわち、LED同士の間隔を拡げても、各画素を面状光源とし、かつこれらを近接させたことで、従来のような画素同士の間に存在する非発光領域を低減して、表示領域全体で均一な発光が得られ、結果として使用するLEDの数を低減しても、均一でドット感の少ない高品質な表示装置を実現できる。また画素ユニット100を六角柱状としたことで、十分な強度を備えさせ、多数の画素ユニット100を積層しても型崩れしない利点も得られる。
(反射構造体10)
反射構造体10は、図3の分解斜視図に示すように、外形を六角柱状とし、正面側に拡散シート20を配置している。この画素ユニット100は、反射構造体10の正面側を開放した有底筒状に形成し、開放端に蓋枠30を挿入し、蓋枠30と反射構造体10との間に拡散シート20を挟持するよう構成している。蓋枠30は、底面を開放して開口窓としており、この開口窓から拡散シート20が表出される。拡散シート20は、反射構造体10の端縁とほぼ同じ大きさとし、かつ蓋枠30の内径よりも若干小さくする。この蓋枠30は、拡散シート20の六角形状の外周を被覆する枠状に形成されている。
また反射構造体10の他方の端縁すなわち底は、底面板で閉塞している。この底面板の中央部分に開口部OPを形成し、この開口部OPからLED50を反射構造体10の内部に挿入している。
反射構造体10の内部は、反射性に優れた色や材質とする。例えば内面を白色とすることで、反射構造体10の内部の反射率を容易に高めることができる。またこの反射構造体10は、好ましくは紙製とする。これにより、安価で軽量に表示装置を構成できる。特に屋内に配置される表示装置であれば、耐水性や耐候性が求められず、紙製でも十分に対応できる。紙は再生紙としてもよく、これにより環境負荷を低減したリサイクル社会に適合できる。また紙製以外にも、木材、ポリプロピレン、プラスチック等を使用することで、軽量化が可能となり、コストの削減にも繋がる。またアルミニウム等の軽量の金属製としてもよい。さらに反射構造体10は、複数の画素ユニット100同士を連結するための連結機構40を設けている(詳細は後述)。
反射構造体10の側面は、正方形状とすることが好ましい。これにより、反射構造体10に配置したLED50の光が反射構造体10の内部で拡散されて、影の少ない、むらの低減された面状光源として拡散シート20状に表れるよう構成できる。図2、図3等の例では、側面を95mmの正方形としている。正方形状とすることの利点については、後述する。
また反射構造体10の端縁をなす底面の平面図を図6に示す。この図に示すように、LED50は六角形状の底面の中心部分に配置される。この中央部分とは、反射構造体10の六角柱状の底面の中心から各頂点に向かう線分上の42%の点で囲まれた六角形状の内部である。このようにすることで、LED50を六角形の中心に位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。このような配置とすることの詳細な利点については、後述する。
(LED50)
LED50は、表面実装型(SMD)又は砲弾型のものを使用する。特に表面実装型は、配光範囲が広く、拡散させるのに適している。好ましくは図7の斜視図に示すように、一つのパッケージに赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを組み込んだマルチダイスあるいは3in1等と呼ばれるタイプのLED50Mを使用する。このようにRGBの発光色を組み合わせることで、混色により白色を含めたフルカラー表示が可能となる。ただ、必ずしも一のパッケージに複数のチップを組み込む必要はなく、個別のパッケージで構成された赤色LED、緑色LED、青色LEDを並べて使用することもできる。あるいは、何れか2つのLEDを共通のパッケージに組み込み、他のLEDを個別のパッケージとする組み合わせや、任意の色、例えば図8に示すように赤色LEDのみ2個使用して一画素を構成してもよい。特に、他の色に比して輝度の低いLEDを用いる場合は、複数個のLEDを組み合わせることで、各色のLEDの発光輝度が均一になるように調整することが好ましい。これらのLEDの組み合わせが可能であることは、SMD、砲弾型ともに適用できることはいうまでもない。また、要求される光量等の仕様に応じて、SMDや砲弾型のLEDを複数個用いることもできる。例えばSMD型のLEDを一の画素ユニットに3個、6個、9個並べて使用することができる。
LED50の配光分布を示す半減角は、100°〜150°とすることが好ましい。このようにすることで、LED50の配光分布のピークとなる位置が、画素ユニット100の高さのほぼ中央となるように位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。
図9に、SMD型LED50Sの視野角、図10に砲弾型のLED50Hの視野角の例を、それぞれ示す。このように、一般にSMD型のLEDは砲弾型のLEDと比べて視野角が広いため、面状光源とするのに適している。
図11Aの平面図に示す画素ユニット100に、RGBに発光可能なマルチカラーのSMD型のLED50を配置した反射構造体10の、内部における配光曲線を図11Bに示す。ここでは、図11Aの平面図に示す画素ユニット100の、1辺x[mm]、長辺2x[mm]の正六角形の底面の中央のO点にLED50を配置したときの、XB−XB線における断面から見た配光特性を示している。また図11AにおけるS面、すなわち六角形の頂点を1つ飛ばして隣接する点同士を結ぶ線で構成された面における配光分布を考えると、その高さは図11Bに示すように六角柱側面を正方形とするとき、x[mm]となる。
また高さ方向の中点であるa点においては、高さはx/2[mm]である。底面のO点に配置されたLED50からa点に向かう光は、a点を通過して直進し、b’点すなわち六角柱の角部に至る。また仮想的にa点で反射が生じるとすると、六角柱の天面の中心b点に向かうことになる。図11Bに示すように、a点での入射角は45°となる。このことから、六角柱の高さdは、x(=x/2+x/2)以上必要と考えられる。ただ、六角柱を高くするほど、いいかえるとLED50と、画素発光領域である天面との距離dをx以上離すと、混色するものの、反射構造体がないため画素発光領域の外周部が暗くなり、中央部分に色むらが生じるため好ましくない。一方で六角柱の高さdがxよりも短いと、中央部が白飛びする。そこで、輝度を確保しつつも、輝度むらを低減する観点から、反射構造体10の高さをx、すなわち六角柱の側面を正方形とすることで、輝度を確保しつつも輝度むらを抑制する画素ユニットが構築される。このように、反射構造体10の側面は、正方形状とすることが好ましいことが証明される。なおS面はLED選択の指標として与えた仮想平面であって、実際には反射は生じない。
このSMD型LEDの半減角は、約120°である。この場合、LED50から60°で出射される光が六角柱の反射構造体10内部の壁面で反射されると、その反射光は天面の中心であるb点には至らず、その周囲に反射されることになる。この結果、本来的にLED50から直接照射される光が集まる天面の中心近傍でなく、その周辺に反射光が照射されることで、結果的に画素発光領域である天面の中心のみが明るくなって輝度むらが発生する事態を、反射光が周辺部分に照射されるように調整することで、輝度むらを緩和して均一化を図る効果が得られる。このような設計によって、六角柱の底面の中央に配置されたLED50からの光を、天面の画素発光領域に均一に照射することが可能となる。
図12に示すように、側面の辺と高さが等しい正六角柱状の反射構造体を使用する場合、図11Aに示すように入射角45°近傍における相対光度が70%以上得られるように、LEDを選別することが好ましい。いいかえると、図13に示すように、使用するLEDの平面視における配光分布が、六角形状の画素発光領域の中心に対して、頂点における相対光度が70%以上となるように設計する。半減角が120°や150°といった広角のLEDを用いることで、入射角45°において相対光度70%以上を示して実現できる。なお相対光度は配光測定装置等で測定できる。
そして発光面を上から見たとき、LEDの配光分布を示す円形に六角形が内接するように、LEDは正六角形の中央に配置される。またLEDは点光源に近い配光分布を示すことが望ましい。この際、一のLEDパッケージに赤色、青色、緑色等複数の発光素子(ダイス)を実装している場合は、各発光素子の高さや配列によって、配光分布が異なり、赤色、緑色、青色のすべてを完全に六角形の頂点に内接させることは容易でない。一例として3in1タイプと呼ばれるマルチダイスパッケージのSMD型LEDにおいて、赤色LEDのみを最大輝度にて発光させたときの画素発光領域の様子を図14に、また図14のXV−XV線におけるLEDの相対発光強度を示すグラフを図15に、それぞれ示す。ここでは、反射板22として厚さ1mmのアクリル板を使用し、また反射構造体10の側面の一辺を95mmとしている。また図15のグラフでは、赤色LEDの発光強度の最高値(画素値)により正規化した相対発光強度を示している。この図に示すように、相対発光強度のピークは、画素発光領域の中心である点Oでなく、中心Oより8.25mm左方向にずれた点O’において示されている。これは、マルチダイスパッケージのSMD型LEDの内部において、発光素子は赤色、緑色、青色の順に配置されているためと考えられる。よって、相対発光強度について、六角形状の頂点において70%以上となるように設定することが好ましい。
次に、SMD型に代えて砲弾型LEDを用いた場合の配光特性について、図16A、図16Bに基づいて検討する。ここでは、発光色の異なる3つの砲弾型LEDである赤色LED50R、青色LED50B及び緑色LED50Gを用いて、混色によりフルカラー表示可能とした画素ユニット100Bを検討する。まず図16Aの平面図に示すように、赤色LED50R、青色LED50B及び緑色LED50Gの順で、六角形の底面の中心(図において一点鎖線で示す)に沿って配置する。ここで図16Bに示すように、青色LED50Bは、底面の中心O点に、赤色LED50R及び緑色LED50Gは、それぞれ二点鎖線で示すS’面、S面と中心線の交差する点上に、それぞれ配置される。ここで各砲弾型LEDの半減角がそれぞれ約60°として、図16Bに示すような配光曲線を有するとした場合、RBGのLEDの直接光で混色される領域(直接混色エリア)は、矢印で示した領域のみとなる。いいかえると、他の領域では色むらが発生し易い。また、当然輝度むらも生じる。特に、両側に配置した赤色LED50R及び緑色LED50Gの光は反射構造体10内部の壁面で反射され、また中央の青色LED50Bの光も、60°の範囲でしか照射されない結果、画素発光領域である六角柱の天面の隅部には光が照射され難くなってしまう。
そこで、広角レンズを備える砲弾型LEDを用いることで、例えば半減角を120°等とすることができ、SMD型と同様の扱いが可能となる。また、赤色LED50R、青色LED50B及び緑色LED50Gを、中央部分に集中して配置してもよい。この例では、赤色LED50R及び緑色LED50GをS面よりも内側に配置して、青色LED50Bとの間隔を狭くしている。この結果、RBGのLEDの直接光で混色される直接混色エリアを拡大することが可能となる。さらに両側に配置した赤色LED50R及び緑色LED50Gからの直接光が天面の隅部に至るように設定すれば、輝度の低下も抑制することができる。いいかえると、外縁に配置されたLEDの半減角に応じて、画素発光領域である天面の隅部に直接光が照射できるような高さに、反射構造体の高さを設計することが好ましい。
ここで、多くの砲弾型LEDが半減角60°前後であることを考慮し、仮に半減角60°のLEDを配置する位置を計算すると、画素ユニットのように、赤色LED50Rを配置する位置Rは、高さをx[mm]としたとき、三平方の定理により左端からx/√3の位置となる。そして左端から底面の中心O点までの距離はx[mm]であるから、中心O点からRまでの距離はx[mm]−x/√3[mm]となる。よって、中心O点からRまで比率を計算すれば、(x−x/√3)÷xとなり、1−1/√3≒0.42となる。したがって、図6の模式平面図に示すように、側面を正方形とする六角柱状の画素ユニットの底面の中心から42%の範囲内にLEDを配置することで、むらの少ない画素発光領域を得ることが可能となる。
なお、このように各LEDを互いに近接してLED集合体とすることで、熱が集中しやすくなり放熱性が課題となるが、本実施形態によれば、LED集合体の周囲は広い空間となる。また画素ユニット同士を連結することで、さらに隣接するLED集合体同士の間隔が広くなる。このように、本実施形態によれば画素ピッチを大きく取ることができるので、LED集合体間の間隔を広く取ることができ、この領域からの放熱が促進されて、十分な放熱性を発揮できる。また、放熱性能を確保することで、ヒートシンクのような放熱のための別部材を追加する必要性をなくし、軽量化や小型化、低コスト化にも寄与する。なお画素ピッチは、図17に示すように正六角形の一辺をxとしたとき、x√3で表現される。
表示装置に用いるLEDの数は、表示領域(ディスプレイの面積)、すなわち幅(w)と高さ(h)、さらに画素ピッチ(pp)、及び一画素を構成するLEDの個数によって決定される。LEDの個数は、例えば上述した図7の斜視図に示すように、一つのパッケージに赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを組み込んだタイプのLED50Mであれば、1個のLEDを一画素に配置してもカラー表示が可能となる。あるいは砲弾型のLEDであれば、赤色LED、緑色LED、青色LEDを近接して配置させた構成としてもよい。この場合は一画素に最低3種類のLEDを配置する必要がある。あるいは同じ発光色のLEDを複数組み合わせてもよく、例えば図8に示すように、赤色LED50Rを2個、緑色LED50G及び青色LED50Bをそれぞれ1個ずつ配置してもよい。これらは、用いるLEDの出力等に応じて設計される。また複数のLEDの配置方法も、横一列や縦一列といった一直線上に並べる他、図8に示すように行列状に配置してもよい。また異なる発光色のLED同士は近接されることで、発光される光の混色を高めることができる。一方で放熱性を考慮して、LEDには放熱機構を付加することも好ましい。これによって長期に渡って安定的に発光性能を維持できる。このように複数個のLEDで構成されたLED集合体でもって一画素を構成する。
表示装置において、LEDの使用数を低減するには、図18に示すように、画素を構成するLED50同士の間隔すなわちピッチを広くする必要がある。この場合、表示領域において発光する部位が点状となる結果、非発光となる点以外の領域とのコントラスト差が顕著となり、発光部のみが目立つドット感の強い表示装置となってしまう。これを回避するには、光源を点状で無く面状として、画素間の非発光領域を極力小さくすることが考えられる。例えば一画素を図18のような点状から、図19に示すような正方形状の画素52に変更することを考える。LEDの点状光源を、面状光源に変換するには、図20の模式側面図に示すように、画素発光領域となる反射材60(例えば、アクリルやポリカーボネート、塩化ビニル等の透明な乳白色の板材)を用意し、LED50を反射材60から離間させて配置することが考えられる。この場合、LED50の照射光を反射材60に当てると、図21に示すように、四角形の画素の中央に光が集中し、逆に破線で囲んだ四隅の部分では相対的に光量が少なくなって、輝度むらや色むらが発生する。
そこで本実施形態では、画素ユニットの反射構造体を六角柱状とし、その底面の内正面側の画素表示領域を六角形状としている。このように構成すると、図22に示すように、画素表示領域である六角形状の周辺部、特に破線で囲んだ頂点の部分の光量低下が低減され、色むらが抑制される。このように、画素表示領域が正方形状では四隅において光が均一に照射されないものの、六角形状としたことで隅まで一様に照射させることが可能となる。また画素ユニットの反射構造体を六角柱状としたことで、図23の垂直断面図に示すように、内部においても立方体等の構造に比べ、より多く側面で光を反射し、画素内の上層部すなわち画素表示領域に光を充填できる効果が得られる。
ここで、六角形状の面状光源で画素を構成することが好ましい理由を説明する。平面視を六角形状とする画素ユニット100は、図24のように、平面内を有限種類の平面図形(タイル)で隙間なく敷き詰める平面充填を行う。点光源の放射に従うのは円形が最も好ましいが、円形同士を平面充填することはできず、デッドスペースが生じてしまう。そこで正平面充填形として、一種類で平面充填可能なタイルの形状を検討すると、正三角形、正方形、正六角形が挙げられる。
この内、表示装置には六角形状が最も好ましい。すなわち、図18に示すようなマトリックス状に配置された点状光源で表示領域を構成する状態から、図25に示すように、各行をオフセット状に配置した点状光源の配置例を検討し、この状態で図24に示すように各画素間を六角形状に区切ることで、図1に示すような面状光源の画素で構成された表示領域を構成できる。
またLEDディスプレイを構成する際に、画素ユニット100を多数個重ね合わせる必要があるところ、画素ユニット100を六角柱状としたことで、側面を積み上げる平面充填したハニカム構造となり、図26に示すように上部からの荷重を分散できるため、型崩れすること無く十分な強度を維持できる。すなわち画素材料の軽量化が図られる。
次に既存の面発光技術について説明する。面発光として最も一般的な構成は、図27の断面図に示すような導光板(Light Guiding Panel:LGP)である。ここでは、側面から入射した光を導光板LG内で反射させている。図27の例では、拡散材60’と導光板LGと反射材60を積層している。また導光板LGのパネル表面に、レーザー加工によりドットパターンを形成している。この構成では、LED50を導光板LGの側面(対面や外周)に配置する必要がある。すなわち表示領域の一パネルに重ねる導光板LGの辺りに数十個のLEDが必要となり、消費電力が増加することが避けられない。
一方で、図28の断面図に示すように拡散レンズDLを用いた構成も考えられる。ここでは、点光源であるLEDの前面に離間して配置したレンズにより光を拡散させて面状光源に変換している。図28の例では、レンズの上面に拡散板60”を配置している。この構成では、拡散レンズDLの光学設計がパネル毎に必要となる。いいかえると、拡散材の面積に合わせレンズの再設計や配置変更が必要となり、設計コストが高騰するという問題があった。
これに対して実施形態1に係る表示装置1000では、画素ユニット100を六角柱状のハニカム構造としている。また反射板22と拡散フィルム24を貼り合わせて拡散シート20を構成している。このように画素ユニット100をユニット式に連結することで、画素サイズを可変とできる。また面状光源としたことで、LEDの個数を削減することができ、消費電力の削減を達成している。
特に図23の断面図に示すように、反射構造体10の内部に光を充填させることで、均一な光に変換している。さらに図29の拡大断面図に示すように、照射面から照射された光を拡散層で拡散させ、反射層を透過させることで、光の強さを一定に均一化できる。この結果、各画素の隅部、特に頂点近傍における色むらの発生を低減できる。
(拡散シート20)
また反射構造体10の六角柱状の一端の開口端には、画素表示領域を構成する拡散シート20が配置される。拡散シート20は、反射板22で構成される。反射板22は樹脂製の硬質な板状で構成され、内部に拡散材を分散させている。このようにすることで、LED50から受けた光を拡散シート20の内部で散乱させて、より均一な面発光が得られる。さらに、外部から拡散シート20を通じて反射構造体10の内部を見たとき、LED50が視認できないようにする効果も得られる。特にLED50の点灯時においてLED50が確認できないようにすることで、ドット感を低減した高品質な面状光源とできる。このため反射板22は乳白半透明色とすることが好ましい。
このような反射板22には、アクリル板やポリカーボネート、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、PET樹脂等が好適に利用できる。また反射板22の厚さは、1mm〜2mmとすることが好ましい。ここでは、アクリサンデー社製のアクリル素材IR−432を使用している。この反射板22の光の透過率は、3mm厚を基準に特性評価した場合、全光線透過率が58%、反射率43%、拡散率84%である。また本発明者らが行った試験によれば、アクリル板の厚さを1mm、1.5mm、2.0mmのいずれとしても、乳白色で半透明のアクリル素材で、全光線透過率が55%〜70%程度であれば、点灯時にLEDが視認できない状態となって好適に使用できることが確認された。このように、反射板22の色は、乳白色とし、半透明とすることが好ましい。
(拡散フィルム24)
さらに拡散シート20は、反射板22に拡散フィルム24を組み合わせて構成してもよい。拡散フィルム24は、拡散材を塗布した樹脂製のフィルムシートであり、反射板22の表面に積層して使用される。このような拡散フィルム24にはポリエステルフィルムが好適に利用できる。また拡散フィルム24の厚さは、LED光源やアクリル板の厚さに応じて設定され、38μm〜125μmとすることが好ましい。ここでは、Tochiman technical paper co. ltd製の、厚さ38μmのポリエステルフィルムを用いた。また拡散フィルム24は樹脂製とする他、紙製としてもよい。また、反射板と拡散フィルムを一枚のシートで構成する場合や、より薄い厚みとすることができる。
図29に示すように、拡散フィルム24を、画素ユニットの表面側に位置させることで、反射板22による周囲の光の映り込みを押さえられ、またLED50が外部から見え難くなる目隠しの効果が得られる。ただ、拡散フィルム24と反射板22の積層順は上記に限らず、図30に示すように逆に拡散フィルム24の上に反射板22を配置してもよい。これにより反射板22の上に拡散フィルム24を配置した場合と比べ、発色が改善される利点が得られる。
図3の例では、反射板22として乳白色透明のアクリル板1mmを用い、拡散フィルム24にポリエステルフィルム38μmmを用いている。これらの反射板22と拡散フィルム24は貼り合わせて密接させる。これにより、図31の断面図に示すように反射構造体10の内部で上層部に集まった光が拡散材内で乱反射し、画素表面における光の強さを均一にできる。
この構成であればLEDには光を拡散させるレンズ等が必要なく、図32の模式断面図に示すようにLEDを画素中央部に配置するのみで足りる。いいかえるとレンズ等の光学設計が不要となるため、製造コストを安価に抑制できる。このようにして、画素表示領域において均一な光の強さが得られる。またLEDの発光量の調整により画素の階調表現が可能となり、LEDディスプレイの画質を向上できる。
ここで、反射板の厚さを変えて試験した結果を図33及び図34に示す。これらの図において用いた画素ユニットは、アクリル板の反射板の左側で厚さを2mm、右側で厚さを1mmとして、LEDを発光させた状態で画素表示領域を撮影している。なお拡散フィルムは、いずれも使用していない。また図33及び図34は同じ画素ユニットを撮影しており、図33は画素表示領域の正面より斜め右側の1mm側から撮影した状態、図34は逆に正面より斜め左側の2mm側から撮影した状態を示している。これらの図に示すように、図33においてはLED光源が視認でき、一方図34においてはLED光源が確認できないことが判る。
このように、厚さを厚めの2mmとした反射板では、拡散フィルムのない状態でも光源のLEDが視認されず、輝度むらを抑制できる。ただし、厚くした分だけ1mm厚の例と比べて全体に暗くなる。一方、1mm厚の反射板では、より明るいものの、点灯時に光源のLEDが視認できる。よって、1mm厚の反射板に、拡散フィルム24を組み合わせることがより好ましいといえる。
さらに、反射構造体の側面の有無により面発光状態が変化する様子を比較した例を図35及び図14に示す。これらの図において、図35は側面を設けた六角柱状の反射構造体、図14は側面を除去して蓋枠30のみとした反射構造体において、LEDを発光させた状態をそれぞれ示している。これらの図から明らかなとおり、側面を有しない構成では、画素発光領域が全体に暗く、また中心部分が明るく、周囲に向かうほど暗くなる不均一な発光面となっている。これに対して側面を反射面として利用することで、画素発光領域を全体に明るく、かつ周囲にわたって均一に発光させることが可能となることが確認された。
(レンズ体65)
なお、本発明は必ずしもレンズを不要とする構成に限定するものでなく、必要に応じて適宜レンズを採用することもできる。例えば図36に示す変形例に係る画素ユニット100Fのように、光量を稼ぐために反射構造体10内に複数個のLED50を備える場合は、レンズ体65でこれら複数個のLED50を被覆し、各LED50が発する光を集光させ、これらの光が拡散シートで面発光となるように調整することが可能となる。特に屋内で使用される画素ユニットや表示装置の場合は、蛍光灯などの室内照明下でもLEDの面発光が綺麗に表現されるよう、ある程度の光量が必要となり、LEDの使用数が増える分だけ、LED光の分布が不均一となり、光量の高い領域が白飛びすることがあった。これに対して上記変形例によれば、レンズ体65を用いてLED光を均一に集光、分散させることが可能となり、高品質な面発光の光源が得られる。なおレンズ体65とは、LED光を集光させる機能を奏する構成、分散させる機能を奏する構成のいずれをも含む意味で使用する。
(LEDユニット55)
また、レンズ体65を備えるLEDは、ユニット状とすることが好ましい。このような例を変形例として図37の斜視図に示す。この図に示すLEDユニット55は、LEDチップ50Cと、これらLEDチップ50Cを実装する実装板53と、実装板53を封止するレンズ体65と、実装板53の背面側に延長された筒状体56とを備える。
LEDチップ50Cは、要求される光量や定格などの仕様に応じてサイズや個数が選択される。光量を多くするためには、複数個実装していることが好ましい。図37の例では、表面実装(SMD)型LEDチップ50Cを6個、環状に実装している。ただ本発明は、LEDチップの数や配置パターンをこの例に限定せず、例えばLEDチップを3個や8個等、任意の数としてもよい。またLEDチップの配置パターンも、矩形状や直線状などに配置することもできる。
実装板53は、ガラスエポキシ基板やセラミック基板等が利用できる。好ましくは実装板53の表面側にLEDチップ50Cを実装し、駆動回路や保護回路は裏面側に実装する。また裏面側はシリコーン樹脂等の封止樹脂で封止されることが好ましい。
レンズ体65は、複数のLEDチップ50Cの周囲を覆う。このレンズ体65は、無色透明、あるいは乳白色透明など、透光性の樹脂等でドーム状に形成されている。レンズ体65は、複数個のLEDが発する光を拡散シート面上に均一に集光、分散させるように光学的に設計される。またレンズ体65の内部は空洞としているが、この構成に限られず、例えばLEDチップをレンズ体で封止してもよい。
(筒状体56)
さらにレンズ体65の裏面側には、筒状体56が設けられる。筒状体56は円筒状に形成され、その内面は実装板53の裏面側と連通しており、上述の通り実装板53の裏面側に実装された各種回路や電子部品が、封止樹脂で封止されている。また駆動回路等と接続するための電気信号線である接続用ハーネス57が、筒状体56から外部に引き出されている。接続用ハーネス57は、先端にコネクタ58を備えている。複数のLEDユニット55を用いる場合は、各LEDユニット55の接続用ハーネス57のコネクタ58同士をデイジーチェーン接続することで、これらを通信可能な状態に接続できる。
また筒状体56は、側面にねじ溝を形成しており、別部材のリング体90やボルトのような、内面にねじ溝を設けたねじ穴に挿入し螺合可能としている。さらに筒状体56とレンズ体65との境界には、鍔部59が設けられている。鍔部59は、筒状体56よりも外径を大きくしており、リング体90を螺合する際に、リング体90の螺合位置を規定するストッパとなる。
ここで、リング体90を用いてLEDユニット55を反射構造体10に固定する例を、図38の分解斜視図に基づいて説明する。まず、反射構造体10の底面11には、予め円形の開口部OPが開口されている。開口部OPの大きさは、LEDユニット55の筒状体56が挿入でき、かつ鍔部59が通過できない大きさとする。いいかえると開口部OPの直径は、筒状体56の外径よりも大きく、かつ鍔部59の外径よりも小さい。
この開口部OPに、接続用ハーネス57を前面側から裏面側に通して、かつ筒状体56を反射構造体10の裏面側に表出させた状態とし、図39の斜視図に示すように裏面側からリング体90を筒状体56に螺合する。これにより、リング体90と鍔部59で、反射構造体10の底面11を狭持した状態として、LEDユニット55を画素ユニットに固定できる。この方法であれば、ドライバなどの工具を不要として、極めて簡単にLEDユニット55を反射構造体10に固定できる。
(駆動回路)
各LED50は駆動回路により点灯駆動される。図40に、各画素ユニット100を点灯駆動する駆動回路のブロック図を示す。この図に示すように、各発光ユニットのLED50は、コントローラ70に接続されている。コントローラ70は、外部の画像ソース等から入力された、あるいは予め設定された、表示領域に表示すべき内容、例えば静止画像や動画像、テキストなどの情報を受け、これに応じて発光させる画素の位置や発光色などを決定し、必要な画素に対して制御を行う。例えば所望の輝度や色度で発光させるよう、赤色LED、緑色LED、青色LEDの駆動電流量を調整する。またこのコントローラ70は、外部の電源から電力供給を受けて、各画素ユニット100のLED50に対して必要な駆動電力を供給する。たとえば後述する図59〜図60の例では、表示装置の発光色を自動で360°色相が循環するように表示させている。
なお図40の例では、各画素ユニット100を点灯駆動する駆動回路を、共通のコントローラ70で構成し制御しているが、画素ユニット毎に駆動回路を設けてもよい。
あるいはまた、図41の変形例に示すように、コントローラに外部機器と無線通信するための通信回路72を付加してもよい。通信回路72は、外部機器から無線操作でLEDの点灯を制御できるようにするための部材である。この通信回路72が外部機器からの無線操作を受け付けるためのワイヤレス接続方式には、電波、マイクロ波、光通信等等が利用できる。電波の場合は、短距離無線、無線PAN、無線LAN等が利用できる。特にWiFiやBluetooth、ZigBee、6LoWPAN、Sub−1GHz(いずれも商品名)等の規格化された無線通信とすることで、低コストでの実装や導入が可能となる。特にBluetooth Low Energy(BLE)等の低消費電力に対応した通信方式とすることが好ましい。また、外部機器として、スマートフォンにアプリをインストールした機器を利用することで、手軽に外部からのLED点灯の無線操作が可能となる。さらにLED照明用の制御信号として一般的なDMX等の規格化された方式を利用する他、専用の制御信号を利用することもできる。
加えて、外部機器との通信は、LEDの点灯を操作する他、表示装置からの情報配信を外部機器側で受けるように構成することもできる。例えば表示装置をゲーム機器のモニタとして利用し、外部機器をコントローラとして操作可能に構成してもよい。例えばオセロゲームやマインスイーパ(いずれも商品名)等に利用することが可能となる。
あるいはまた、表示装置を広告用のPOPなどに利用することもできる。この場合、iOSのiBeacon(登録商標)やAndroidOSのEddystoneなどのビーコン技術を用いて情報の配信を行うことも可能である。例えば文字や動画を表示装置で表示させる一方、専用のアプリをインストールしたスマホを持つユーザが近付くと、商品紹介ホームページのURLやクーポンの配信などを自動的に行うことができる。またクーポンを利用したユーザに対して、専用の特典映像を表示させるなどの表示動作を行わせてもよい。
さらに各画素ユニット100とコントローラ70との接続は、図40に示すように並列接続とする他、図41に示すように数珠繋ぎのデイジーチェーン方式とすることもできる。特にデイジーチェーン方式は、多数の画素ユニットを直列に繋ぐことで、接続台数の制限を受け難く容易に接続数を変更できるので、好ましい。
(連結機構40)
反射構造体10の側面には、他の反射構造体10と連結するための連結機構40を設けられる。図2等の例では、連結機構40として六角柱状の反射構造体10の側面の縁部に、面ファスナを固定している。たとえば面ファスナを構成するフックとループのいずれか一方を、側面の対向する辺の一方に、フックとループのいずれ片方を、側面の対向する辺の他方に、それぞれ設ける。この画素ユニットを積層すれば、反射構造体10の対向する面において、フックとループの組み合わせとなるため、これらを容易に連結できる。また図2等の例では、六角柱状の反射構造体10の高さ方向、すなわち両側の底面の頂点同士を結ぶ辺に沿って面ファスナを設けている。ただ、本発明はこの構成に限らず、たとえばこれらと直交する辺、すなわち底面を構成する各辺に沿って面ファスナを設けてもよい。この場合は、長さ方向に隣接する面ファスナ同士でフックとループを交互に配置することで、連結し易くできる。また面ファスナは、必ずしも反射構造体の側面の辺の全部に設ける必要は無く、たとえば隅部のみとしたり、辺に沿って一定間隔を空けて均等に配置してもよい。
また連結機構40は、面ファスナに限定されず、機械的な嵌合機構や係合機構等、着脱可能な既知の機構が適宜利用できる。変形例に係る連結機構40Bを備えた画素ユニット100Dの斜視図を図42Aに示す。この例では、断面視L字状に折曲させた鉤状の硬質な連結フックを設けており、L字状同士を互いに係合させて係止させることができる。また図42Bに示す他の変形例に係る画素ユニット100Eの連結機構40Cでは、ホックを用いている。
このように画素ユニット同士を連結機構40で連結して、大きな表示装置を構築できる。また画素ユニットをユニット式に連結可能としたことで、連結数を調整すれば、表示装置の表示領域の大きさを調整できる。ただ、必ずしも連結機構でもって着脱式とする構成に限定されず、両面テープや接着材などで反射構造体同士を固定してもよい。
このように複数個の画素ユニットを連結させる際は、上述した背面ボードで各画素ユニットを支持する構成とすることで、安定的に保持できる。特に、後述する図43〜図45に示すような、画素ユニットの底面を分割式として組立時に自動的に組み上がる構造とした場合は、底面を一枚のシートで構成する場合と比較して機械強度が低下するため、多数の画素ユニットを積層する場合は下段の画素ユニット程、荷重が集中し易くなる。そこで背面ボード18を利用することで、このような加重の集中を軽減して補強することが可能となる。
また背面ボード18は、図49等に示したように、必ずしも背面開口部BOを開口した形状とする必要はなく、用いる画素ユニットの態様に応じて、例えば開口のない平板状の背面ボードを構成してもよい。
(折り畳み構造)
さらに各画素ユニットを、折り畳み可能な構造とすることもできる。反射構造体を折り畳んで板状にすることで、嵩張る部材をコンパクトな状態として、運搬や保管に有利となる。特に、多数の反射構造体を用いる場合には低コストでの運搬等が実現される。このような例を図43A〜図45に示す。これらの図において図43Aは折り畳み自在とした画素ユニットの折り畳み状態、図43Bは展開状態を示す斜視図、図44Aは図43Aを背面から見た斜視図、図44Bは図43Bを背面から見た斜視図、図45は折り畳み自在とした画素ユニットの展開図を、それぞれ示している。これらの図に示す画素ユニットは、拡散シートを外した状態で、反射構造体10Bを折り畳み自在としている。ここでは、拡散シートを保持する蓋枠30を着脱式としており、蓋枠30を外した六角柱状の反射構造体10Bを折り畳み式としている。この反射構造体10Bの底面板は、複数の底板片14に分割している。図45の展開図に示すように、反射構造体10Bの六角柱状の各側面13は、底板片14と連続しており、各底板片14は互いに分離されている。この底板片14は、図43Aや図44Aに示すように、反射構造体10Bを折り畳み状態としたとき、それぞれが側面13と接するように折り畳まれて、平らな折り畳み状態となる。一方、図43Bや図44Bに示すように反射構造体10Bを組み立てる状態、すなわち展開状態としたとき、各底板片14は互いに係合されて一体の底面板を形成する。
このとき、底面板の中央部分に円形の開口部OPが形成されるように、予め各底板片14を形成しておくことが好ましい。これにより、図38等で示したようにLEDユニット55の筒状体56を開口部OPに挿入して、リング体90でもって螺合して固定することができる。この構成であれば、リング体90と鍔部59で開口部OPの周辺を挟持して固定できるので、複数の底板片14を組み合わせて構成される底面板を一体的に保持できる。言い換えると、リング体90と筒状体56の螺合は、LEDユニット55を反射構造体10Bに固定する機能と共に、折り畳み式の反射構造体10Bを展開状態に保持する機能も奏することができる。
(多層構造)
また画素ユニットを多層構造としてもよい。例えば六角柱状を構成する反射構造体を、二層を重ねた二重構造とする。このような例を図46A〜図46Cに示す。これらの図において、図46Aは二重構造の反射構造体10Cの分解斜視図、図46Bは図46Aにさらに蓋枠30Cを被せる状態を示す分解斜視図、図46Cは図46Bの状態から蓋枠30Cを被せた画素ユニットの分解斜視図を示す斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示す反射構造体10Cは、中空の六角柱状の外層15と、この外層15の内面に挿入される、外層15よりも一回り小さい内層16で構成される。内層16は、外層15よりも高さを若干高く形成し、内層16を外層15に挿入した状態で内層16の一部が突出するように構成する。この状態で、開口端を閉塞するように蓋枠30Cを被せると、図46Cに示すように画素ユニットの側面において蓋枠30Cと反射構造体10Cとをほぼ同一面とすることができる。特に蓋枠30Cや反射構造体10Cを紙製で構成する場合、同じ厚さの紙で蓋枠30Cや反射構造体10Cを構成して、蓋枠30Cと反射構造体10Cとの境界部分の段差を無くすことができ、外観の見栄えを良くすることができる。また内層16側に、上述した底板片14を形成することもできる。
(複数ユニット連結機能)
さらに、複数の画素ユニットを連結して大きな表示装置を構成する場合、画素ユニットを複数連結した画素ユニット群を積層することで、このような表示装置を得ることができる。この際に、二層構造の反射構造体を利用すれば、画素ユニット同士の連結を容易に行える。すなわち、図47A〜図47Bに示すように、中空の六角柱状の外層15同士を予め連結した外層群15Gを用意しておき、この外層群15Gの各外層15内にそれぞれ、内層16を挿入する。内層16は予め外層群15Gに挿入しておくことが好ましい。これにより、図48A〜図48Bに示すように、反射構造体10Cを折り畳んだ状態から、展開状態とすることで、複数個の画素ユニットを同時に組み立てることが可能となり、作業性が向上する。なお図47A〜図48Bの例では、3個の画素ユニットを横方向に連結した画素ユニット群100Gの例を示しているが、画素ユニットの連結数はこれに限らず、2個、あるいは4個以上とすることもできる。
またこのような画素ユニット群を積み上げて表示装置を構成する例を、図49〜図51に基づいて説明する。まず、図49に示すような背面ボード18を準備する。背面ボード18は、画素ユニットの連結後の形状を示す型紙であり、この上に各画素ユニットが配置される。また画素ユニットの配置位置には、背面開口部BOが形成されている。このような背面ボード18を用いることで、画素ユニットの積層時に印加される負荷の集中を軽減できる。特に画素ユニットを多数積層していくと、最下段の画素ユニットに荷重が集中するところ、各画素ユニットを背面ボードに固定することで応力を分散させて負荷を軽減できる。
次に図50に示すように、背面ボード18の最下段に画素ユニット群を配置する。ここでは、図48Bに示した二層構造の反射構造体群10Gを背面ボード18上に、各開口部OPが背面ボード18の背面開口部BOと一致するように重ねて、この状態で各開口部OPにLEDユニット55を固定する。各LEDユニット55は筒状体56を反射構造体10Cの発光面側から挿入し、背面ボード18の背面から突出させ、筒状体56のねじ溝にリング体90を螺合して固定する。このようにして、最下段の画素ユニット群において各LEDユニット55が固定され、さらに各反射構造体10Cが展開状態に保持される。この状態で、各反射構造体10Cの開口端に、蓋枠30Cを被せて閉塞する。
次に図51に示すように、最下段の画素ユニット群100Gの上、すなわち下から二段目の行に、別の反射構造体群10G’を配置する。以下同様にしてLEDユニット55をそれぞれ固定し、蓋枠30Cで閉塞する。このようにして各行の画素ユニットを固定し、最終的に表示装置を得ることができる。
また、六角柱状の画素ユニットを複数積層した表示装置は、図1等のように最下段を六角柱状とした場合、平面上に載置すると接触面積が少なく、軽量であることと相俟って不安定となることがある。そこで、上述した図49に示すように、背面ボード18の最下段を直線状としたり、あるいは図52に示す変形例に係る表示装置3000のように、最下段のみ五角柱状の画素ユニット100Hを配置してもよい。この構成であれば、表示装置の底面を面状として、一層安定させることが可能となる。
(フレームレス画素ユニット)
さらにまた、上述した例では蓋枠を用いて拡散シートを保持しているため、各画素ユニットは枠状が視認されることとなる。よって、このような枠状をより細くするため、別部材の蓋枠を使用せずに直接拡散シートを、反射構造体の開口端に貼付してもよい。このような例を図53に示す。この例では、予め開口端の六角形状に形成した拡散シート20Dを準備すると共に、反射構造体10Dの開口端に接着材を塗布して、貼付している。ただ、この構成では拡散シート20Dの位置決め作業が面倒になる。そこで、図54の斜視図に示すように、予め複数の画素ユニットを連結した状態で、一枚の大きな拡散シート20Eを貼付するよう構成してもよい。この場合は、複数の画素ユニットを隙間が殆ど無いように詰めて配置した状態で、各反射構造体の開口端に、共通の拡散シートを貼付している。この方法であれば、位置決めの手間が緩和される。また拡散シート20Eの貼付後に、必要に応じて拡散シート20Eの不要な部分をカットすることで、さらに位置決め作業の手間を省力化できる。
あるいは、拡散シートの形状も長方形状に限らず、予め画素ユニットの接続形態に応じた形状にカットしておくこともできる。例えば図64に示すように、反射構造体10Dを連結した形態に応じて予め形成された拡散シート20Fを準備しておき、反射構造体10Dを積層した状態で開口端に貼付する。例えば各開口端の端縁に接着材を塗布して接着する。
また、複数個の画素ユニットを連結した画素モジュールを構成し、さらに複数の画素モジュールを組み合わせてより大きな画像表示装置を構成することもできる。例えば図64に示した横3個×縦4個の画素ユニットを連結した集合体を一の画素モジュール100Iとして、これを複数個組み合わせることで、更に多数の画素ユニットを有する表示装置を構築できる。例えば図65に示す例では、図64の表示装置を画素モジュール100Iとして複数個用意し、これらの画素モジュール100Iを横2個×縦2個に連結することで、画素ユニット数として横6個×縦8個の大きな表示装置4000を構成している。なお、画素ユニットの数は画素モジュール100I同士を連結し易いよう、偶数個とすることが好ましい。また画素モジュール同士の連結には、例えば連結後の表示装置4000の外形に予め形成された一の背面ボードを用意して、各画素モジュール100Iの背面側を固定することができる。
(実施例1)
ここで本発明性の有用性を示すべく、実施例1に係る画素ユニットを作成し、さらに比較例として、表示領域を四角形とした画素ユニットを作成し、それぞれ同じ発光色、輝度でLEDを発光させた状態で正面から撮影した。この結果を図55に示す。ここでは、画素ユニットの側面を1辺7cmの正方形とした。また画素ピッチを約12cmとした。この図に示すように実施例1に係る六角形状では表面の色調、明るさが適切に調整されていることが確認された。一方比較例に係る四角形状では、部位によって輝度むら、色むらが見られ、また中央付近ではLEDの点状光源が視認できるほどに強く、白飛びが顕著であった。このように、本実施例では混色が均一になされ、また輝度も画素発光領域の全体で均一に得られていることが確認された。
(ディスプレイのサイズ)
一般にディスプレイサイズを大型化、高解像度化すると消費電力が大きくなり、設置場所が極めて限定される。このためディスプレイサイズと消費電力とはトレードオフの関係にある。そこで本実施例に係る表示装置では、ディスプレイサイズを大きくしてもLEDの使用数を低減することで、消費電力の上昇を回避している。この方法では、画素を構成するLED間のピッチが長くなるため、解像度が低下する。一般に、LEDディスプレイでは1m2当たりの消費電力が指標として用いられる。例えば図56に示すような、市販されているLEDパネルでP20等と呼ばれるピッチが20mmのタイプでは、1m当たり1000÷20=50個となるので、1m2当たりのLED個数は、50x50=2500個である。これに対して図57で示す本実施例1では、上述の通り六角形状の画素ユニットを1辺9.5cm、画素ピッチ約12cm(P120)としており、1000÷120=8.33であるから、8x8=64個である。同じ定格のLEDを用いた場合の消費電力は、図58のグラフに示すように、比較例1に対して実施例1では約1/40に削減している。このため、一般家庭用の100Vの商用電源でも大型ディスプレイを使用可能とできる。例えば消費電力1500Wで最大約13mx6mの大型ディスプレイを構成できる。
また、消費電力を比較するに当たり、1m2に換算した消費電力で比較すると、市販されている画素ピッチ約20mm(P20)のLEDパネルにおいて、LEDの使用量は2500個/m2であり、その消費電力は1000w/m2である。一方で、実施例で使用した3in1タイプのSMD型LEDの駆動電圧/電流は、定格値5V/60mAのため、1個辺りの消費電力は5V×60mA=0.3Wである。このLEDを一辺9.5cmの正六角形状の反射構造体10に配置した場合、約64個(8個x8個)に相当するので、その消費電力は0.3W×64個=19.2W/m2となる。この画素ユニットは、P20のLEDパネルに比べ、消費電流を1000w/m2÷19.2w/m2≒52.08となり、約1/52に削減できることが判る。また、一般家庭用電源でも1500Wで約78m2(1500W/19.2W)、最大約13mx6mのディスプレイを構成できる。これを、仮にP20のLEDパネルで同規格の砲弾型広角LEDを用いてディスプレイを構成した場合と比較すると、約1/39(64個/2500個)の消費電力の削減が可能となる。
さらに表示領域すなわちディスプレイ形状も自由にアレンジできるという利点が得られる。従来の一般的なディスプレイの形状は、複数個のLEDをマトリックス状に配置した基本モジュールが正方形または長方形のため、四角形に限られる。これに対して本実施例では、一画素を基本モジュールとし、かつその形状を六角形状の画素ユニットとしたことで、より柔軟な配置やレイアウトが可能となる。すなわち、このような画素ユニットの組み合わせにより、平面配置、曲面配置、自由空間への配置が可能となり、設置場所に合わせ、柔軟なディスプレイサイズや形状の提案が可能となる。
(視認距離及び角度)
また、既存の多くのLEDディスプレイでは、LEDから直接放たれる光(直接光)を利用しているため、近距離や側面からの視聴は困難であった。これに対して本実施例では、LEDの直接光を用いず、画素ユニットによりLEDの光を拡散させた上で視認するため、視認距離を選ばず、近距離からの視認が可能で、さらに側面からの視聴が可能となる。ここで、実施例1に係る画素ユニットの視野角を確認すべく、LEDを緑色に発光させた状態で、画素ユニットの正面から45°の角度で撮影した写真を図59に、同じく60°の角度から撮影した写真を図60に示す。いずれも、混色された状態で視認できることが確認され、本実施例によれば側面からの視認性も良好であることが示された。また、ハニカム構造を生かした新しいイフェクトも提案可能である。たとえば図61A、図61Bに示すような文字や図形を描くことが可能となる。
また一般的なLEDディスプレイでは、LEDをパネルモジュールに多数のLEDを集積しているため、LEDの発熱を効率良く放熱させるために、アルミニウム製の大型のヒートシンクや金属シャーシ等が用いられ、また放熱ファンを設ける等の放熱対策が必要となる。これに対して本実施例によれば、画素毎にユニット化したことで、画素間のピッチが広くなり、単位面積当たりのLED使用量が少なくなった結果、放熱量を低減できるため、放熱のための特別な機構を不要とできる。この結果、構成の簡素化や軽量化、製造コスト削減が図られる。
(実施形態2)
以上の例では、画素ユニットを多数連結して表示装置を構成する例を説明した。ただ本発明はこの構成に限られず、一体的に表示装置を構成することもできる。このような例を図62の分解斜視図及び図63の平面図に示す。これらの図に示す表示装置2000は、レーザー加工機を用いて金属製の枠体80に六角形状の開口窓82を形成し、各開口窓82に拡散シート20を配置している。なお、予め表示領域の大きさに拡散シート20を形成し、さらに開口窓82を形成した枠体80のこの上に積層して構成してもよい。また拡散シート20の裏面には、ケーシング12が配置される。ケーシング12は各開口窓82に対応する位置及び大きさに中空の六角柱状、すなわちハニカム状に区画されている。さらにケーシング12の背面側には、各開口窓82に対応する位置にそれぞれLED50を配置したLED実装基板54が配置される。このように、予め所望の表示領域の大きさにケーシング12や枠体80、LED実装基板54を設計して表示装置を構成することも可能である。さらに、このようにして多数のLED50を画素毎に面状光源とした表示装置を、複数台連結して、より大きな表示領域を有する大型の表示装置を構成することもできる。
本発明の表示装置及び画素ユニットによれば、大画面の文字や画像の表示ディスプレイ、インテリジェント照明等として好適に利用できる。
1000、2000、3000、4000…表示装置
100、100B、100D、100E、100F…画素ユニット
100G…画素ユニット群
100H…五角柱状の画素ユニット
100I…画素モジュール
10、10B、10C、10D…反射構造体
10G、10G’…反射構造体群
11…底面
12…ケーシング
13…側面
14…底板片
15…外層;15G…外層群
16…内層
18…背面ボード
20、20D、20E、20F…拡散シート
22…反射板
24…拡散フィルム
30、30C…蓋枠
40、40B、40C…連結機構
50…発光ダイオード(LED);50C…LEDチップ
50R…赤色LED;50G…緑色LED;50B…青色LED
50M…マルチダイスLED;50S…SMD型LED;50H…砲弾型LED
52…正方形状の画素
53…実装板
54…LED実装基板
55…LEDユニット
56…筒状体
57…接続用ハーネス
58…コネクタ
59…鍔部
60…反射材
60’…拡散材;60”…拡散板
65…レンズ体
70…コントローラ
72…通信回路
80…枠体
82…開口窓
90…リング体
OP…開口部
BO…背面開口部
LG…導光板
DL…拡散レンズ
本発明は、表示装置及び画素ユニットに関する。
ディスプレイ等の表示装置には液晶ディスプレイが用いられている。100インチ以上といった大型のディスプレイにおいては、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を用いたLEDディスプレイが利用されている。LEDディスプレイは、画素毎に赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて、フルカラー表示を実現している。
このようなLEDディスプレイは、矩形状の表示領域に、画素毎にLEDを配置して構成しているため、一般にディスプレイの画面サイズが大きくなるほど、LEDの使用量が増え、これに応じて消費電力も増大していく。LEDの使用量を減らすには、画素の密度を小さくすることが考えられる。画素同士の間の隙間(ピッチ)を大きくするほど、LEDの使用量は減るが、逆に表示可能な解像度は低くなる。特にLEDは点光源であるため、直進性が強く、ピッチが大きくなると発光部分と発光しない領域との差が顕著となってドット感が強く感じられるようになり、不均一な粗い画面となる。
このように、LEDの使用量の低減すなわち消費電力の低減と、表示品質とはトレードオフの関係にあり、特に大画面になるほどこの問題が顕著となり、低消費電力の大型ディスプレイを構築することは困難とされていた。また大型ディスプレイに限らず、近年は東日本大震災に伴う電力供給不足、原発の稼働停止や石油等天然資源の枯渇、CO2の削減といった地球環境への配慮が強く求められており、消費電力の削減は緊急の課題である。
米国特許第6082885号明細書
米国特許第5873645号明細書
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり。本発明の目的の一は、低消費電力でLEDディスプレイを構成可能とした表示装置及び画素ユニットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するため、本発明の第1の形態に係る表示装置によれば、複数の画素を一定間隔で配置した表示装置であって、外形を六角柱状とし、内部を空洞として一方を開口端として内面で反射させるようにした反射構造体と、前記反射構造体の六角柱状の一端の開口端に配置された、透光性を有する拡散シートと、前記反射構造体の他方の端縁において、該端縁の中央部分に配置された、赤色、緑色、青色に発光可能な発光ダイオードとで構成された画素ユニットを、複数、各画素ユニットの六角柱状の側面同士を積層して、天面の拡散シートで構成される画素発光領域同士を隣接させて、大きな表示領域を構成することができる。上記構成により、発光ダイオードの点状光源からの光を拡散シートで面状に拡げると共に、拡散シートで構成される面発光領域を隣接させることで、従来のLEDディスプレイでは発光ダイオード同士の間が非発光のため表示面が不均一となっていた問題を解消できる。すなわち、発光ダイオード同士の間隔を拡げても、各画素を面状光源とし、かつこれらを近接させたことで、従来のような画素同士の間に存在する非発光領域を低減して、表示領域全体で均一な発光が得られ、結果として使用する発光ダイオードの数を低減しても、均一でドット感の少ない高品質な表示装置を実現できる。また画素ユニットの画素発光領域を隣接させてより大きな表示領域を構成できる。この際、画素ユニットを六角柱状としたことで、十分な強度を備えさせ、多数の画素ユニットを積層しても型崩れしない利点も得られる。
また、第2の形態に係る表示装置によれば、さらに前記発光ダイオードを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を、外部機器から無線接続にて制御可能とするための通信回路とを備えることができる。
さらに、第3の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の側面を、正方形状とすることができる。上記構成により、反射構造体に配置した発光ダイオードの光が反射構造体の内部で拡散されて、影の少ない、むらの低減された面状光源として拡散シート状に表れるよう構成できる。
さらにまた、第4の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートの厚さを38μm〜125μmとすることができる。
さらにまた、第5の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートを樹脂製の硬質な板状として、透光性を有する反射板で構成することができる。
さらにまた、第6の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射板を、アクリル製とできる。
さらにまた、第7の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートを、前記反射板の表面に積層される、拡散材を塗布した樹脂製の拡散フィルムを備えさせることができる。
さらにまた、第8の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散フィルムを、前記画素ユニットの表面側に位置するよう、前記反射板上に積層することができる。
さらにまた、第9の形態に係る表示装置によれば、前記発光ダイオードを複数備えると共に、前記複数の発光ダイオードを被覆するレンズ体を備えることができる。上記構成により、発光ダイオードを複数個使用して光量を増す一方で、これらの光が拡散シートで面発光となるように集光させることが可能となる。
さらにまた、第10の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の他方の端縁を、底面板で閉塞することができる。
さらにまた、第11の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記底面板の中央部分に開口部を形成し、該開口部から前記発光ダイオードを前記反射構造体の内部に挿入することができる。
さらにまた、第12の形態に係る表示装置によれば、前記発光ダイオードが、前記開口部に挿通可能な円筒状の筒状体と、前記筒状体と隣接して形成された、前記開口部よりも大きい鍔部とを備えており、前記筒状体は、ねじ溝を形成しており、前記表示装置はさらに、前記ねじ溝に螺合可能な環状のリング体を備えており、前記発光ダイオードの筒状体が、前記開口部に前記反射構造体の発光面側から挿入された状態で、前記反射構造体の背面側から突出された筒状体のねじ溝に、前記リング体が螺合されて、前記発光ダイオードが前記反射構造体に固定させることができる。上記構成により、反射構造体の底面に発光ダイオードを簡単に固定することが可能となる。
さらにまた、第13の形態に係る表示装置によれば、前記拡散シートを前記反射構造体から着脱可能とし、前記拡散シートを前記反射構造体から脱離した状態で、前記反射構造体を折り畳み可能に構成することができる。上記構成により、嵩張る反射構造体を折り畳んでコンパクトな状態とすることができ、運搬、保管に便利とできる。特に、多数の反射構造体を用いる場合には低コストでの運搬等が実現される。
さらにまた、第14の形態に係る表示装置によれば、前記反射構造体の底面が、六角柱状の各側面とそれぞれ連続するように、複数の底板片に分割されており、前記反射構造体を折り畳み状態としたとき、各底板片は分離され、前記反射構造体を展開状態としたとき、各底板片が互いに係合されて一体の底面板を形成すると共に、該底面板の中央部分に円形の開口部を形成しており、前記発光ダイオードが、前記開口部に挿通可能な筒状体と、前記筒状体と隣接して形成された、外径を前記開口部の内径よりも大きくする鍔部とを備えており、前記筒状体は、ねじ溝を形成しており、前記表示装置はさらに、前記ねじ溝に螺合可能な環状のリング体を備えており、前記発光ダイオードの筒状体が、前記開口部に前記反射構造体の発光面側から挿入された状態で、前記反射構造体の背面側から突出された筒状体のねじ溝に、前記リング体が螺合されて、前記発光ダイオードを前記反射構造体に固定することができる。上記構成により、折り畳み可能な反射構造体に、発光ダイオードを固定することで、併せて反射構造体を折り畳み姿勢から展開姿勢に維持できる。
さらにまた、第15の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記中央部分を、前記反射構造体の六角柱状の底面の中心から各頂点に向かう線分上の42%の点で囲まれた六角形状の内部とすることできる。上記構成により、発光ダイオードを六角形の中心に位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。
さらにまた、第16の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記発光ダイオードの配光分布を100°〜150°とすることができる。上記構成により、発光ダイオードの配光分布のピークとなる位置が、画素ユニットの高さのほぼ中央となるように位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。
さらにまた、第17の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記画素発光領域の中心に対する、該画素発光領域の隅部における相対光度を70%以上とできる。
さらにまた、第18の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記発光ダイオードを、一つのパッケージに赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを組み込んだ発光ダイオードとすることができる。
さらにまた、第19の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記発光ダイオードを、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードを近接して配置させた発光ダイオード集合体とすることできる。
さらにまた、第20の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の側面に、他の反射構造体と連結するための連結機構を設けることができる。上記構成により、画素ユニット同士を連結機構で連結して、大きな表示装置を構築できる。また画素ユニットをユニット式に連結可能としたことで、連結数を調整すれば、表示装置の表示領域の大きさを調整できる。
さらにまた、第21の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体の内部を白色とすることができる。上記構成により、簡単な構造で反射構造体の内部の反射率を高めることができる。
さらにまた、第22の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記反射構造体を紙製とすることができる。上記構成により、安価で軽量に表示装置を構成できる。
さらにまた、第23の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、さらに前記拡散シートを保持すると共に、前記反射構造体の開口端を閉塞する蓋枠を備えることができる。
さらにまた、第24の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記蓋枠を前記拡散シートの六角形状の外周を被覆する枠状に形成することができる。
さらにまた、第25の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートを、前記反射構造体の開口端に直接貼付することができる。
さらにまた、第26の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記複数の画素ユニットが隣接された状態で、各反射構造体の開口端に、共通の拡散シートを貼付することができる。
さらにまた、第27の形態に係る表示装置によれば、上記構成に加えて、前記拡散シートが、紙を含むことができる。
さらにまた、第28の形態に係る画素ユニットによれば、上記構成に加えて、ディスプレイの一画素を構成し、複数を組み合わせて大きな表示装置を構成するための画素ユニットであって、外形を六角柱状とし、内部を空洞として一方を開口端として内面で反射させるようにした反射構造体と、前記反射構造体の六角柱状の一端の開口端に配置された、透光性を有する拡散シートと、前記反射構造体の他方の端縁において、該端縁の中央部分に配置された、赤色、緑色、青色に発光可能な発光ダイオードとを備えることができる。上記構成により、発光ダイオードの点状光源からの光を拡散シートで面状に拡げると共に、拡散シートで構成される面発光領域を隣接させることで、従来のLEDディスプレイでは発光ダイオード同士の間が非発光のため表示面が不均一となっていた問題を解消できる。すなわち、発光ダイオード同士の間隔を拡げても、各画素を面状光源とし、かつこれらを近接させたことで、従来のような画素同士の間に存在する非発光領域を低減して、表示領域全体で均一な発光が得られ、結果として使用する発光ダイオードの数を低減しても、均一でドット感の少ない高品質な表示装置を実現できる。また六角柱状としたことで、十分な強度を備えさせ、多数の画素ユニットを積層しても型崩れしない利点も得られる。
本発明の実施形態1に係る表示装置を示す平面図である。
表示装置を構成する画素ユニットの斜視図である。
画素ユニットを正面側から見た分解斜視図である。
画素ユニットを背面側から見た分解斜視図である。
図1の表示装置を、図2の画素ユニットを積層して構成する様子を示す分解斜視図である。
反射構造体の底面においてLEDを配置する領域を示す模式平面図である。
表面実装型のLEDを示す斜視図である。
赤色LEDを2個、緑色LED及び青色LEDをそれぞれ1個配置して一画素を構成したLED集合体を示す模式平面図である。
SMD型LEDの視野角を示す模式断面図である。
砲弾型のLEDの視野角を示す模式断面図である。
図11AはSMD型LEDを用いた画素ユニットの平面図、図11Bは図11AのXB−XB線におけるLEDの配光曲線を示す模式断面図である。
正六角柱状の反射構造体を示す斜視図である。
画素発光領域におけるLEDの配光分布を示す模式平面図である。
側面を設けない画素ユニットでLEDを点灯させた画素発光領域を示すイメージ図である。
図14のXV−XV線におけるLEDの相対発光強度を示すグラフである。
図16Aは、砲弾型LEDを用いた画素ユニットの平面図であり、図16Bは図16AのXIB−XIB線におけるLEDの配光曲線を示す模式断面図である。
画素ピッチを示す模式平面図である。
点状の画素を行列状に配置した表示領域を示す模式平面図である。
正方形状の画素を行列状に配置した表示領域を示す模式平面図である。
LEDを反射材と離間させて発光させた場合の光の強度分布を示す模式側面図である。
正方形状の画素を示す模式平面図である。
六角形状の画素を示す模式平面図である。
六角形状の画素ユニットの内部を示す垂直断面図である。
六角形状の画素を配置した表示領域を示す模式平面図である。
点状の画素を行毎にオフセット配置した表示領域を示す模式平面図である。
六角柱状の画素ユニットを積層したときの加重の分散を示す模式側面図である。
導光板を用いた面発光光源を示す模式断面図である。
拡散レンズを用いた面発光光源を示す模式断面図である。
拡散シートの拡大断面図である。
変形例に係る拡散シートの拡大断面図である。
反射材と拡散材による光の拡散、反射を示す模式断面図である。
LEDを反射構造体の内部に配置する様子を示す模式断面図である。
反射板の厚さを異ならせた画素ユニットを発光させた状態を示す写真である。
反射板の厚さを異ならせた画素ユニットを発光させた状態を示す写真である。
側面を設けた画素ユニットでLEDを点灯させた画素発光領域を示すイメージ図である。
変形例に係る画素ユニットを示す断面図である。
LEDユニットの一例を示す斜視図である。
LEDユニットを反射構造体に固定する状態を示す分解斜視図である。
LEDユニットを反射構造体に固定した状態を背面側から見た斜視図である。
各画素ユニットを点灯駆動する駆動回路を示すブロック図である。
通信機能を備える表示装置を示すブロック図である。
図42Aは変形例に係る連結機構、図42Bは別の変形例に係る連結機構を示す斜視図である。
図43Aは折り畳み自在とした画素ユニットの折り畳み状態、図43Bは展開状態を示す斜視図である。
図44Aは図43Aを背面から見た斜視図、図44Bは図43Bを背面から見た斜視図である。
折り畳み自在とした画素ユニットの展開図である。
図46Aは二重構造の反射構造体の分解斜視図、図46Bは図46Aにさらに蓋枠を被せる状態を示す分解斜視図、図46Cは図46Bの状態から蓋枠を被せた画素ユニットの分解斜視図を示す斜視図である。
図47Aは折り畳み自在な外層を複数連結して折り畳んだ状態、図47Bは展開した状態を示す正面である。
図48Aは折り畳み自在な画素ユニットを複数連結した画素ユニット群の折り畳み状態、図48Bは画素ユニット群の展開状態を示す正面である。
背面ボードを示す正面図である。
図49の背面ボードの下段に画素ユニットを配置した状態を示す正面図である。
図50の背面ボードの二段目に画素ユニットを配置した状態を示す正面図である。
変形例に係る表示装置を示す正面図である。
フレームレスの画素ユニットを示す分解斜視図である。
複数の画素ユニットを連結した表示装置を示す分解斜視図である。
実施例1及び比較例1に係る画素ユニットを発光させた状態を正面から撮影した写真である。
P20のLEDパネルを示す平面図である。
実施例1に係る表示装置を示す平面図である。
実施例1及び比較例1に係る表示装置の消費電力を比較したグラフである。
実施例1に係る画素ユニットの正面から45°の角度で撮影した写真である。
実施例1に係る画素ユニットの正面から60°の角度で撮影した写真である。
図61Aは画素ユニットを組み合わせて文字を表現する例、図61Bは図形を表示する例を示す模式平面図である。
本発明の実施形態2に係る表示装置の分解斜視図である。
本発明の実施形態2に係る表示装置を示す平面図である。
複数の画素ユニットを連結した画素モジュールを示す分解斜視図である。
複数の画素モジュールを連結した表示装置を示す分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための表示装置を例示するものであって、本発明は表示装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る表示装置1000を図1の平面図に、またこの表示装置1000を構成する画素ユニット100の斜視図を図2に、それぞれ示す。これらの図に示すように、画素ユニット100を複数台積層して、表示装置1000を構成する。各画素ユニット100は、画素ユニット100同士を連結するための連結機構40を設けている。このように表示装置の一画素を構成する画素ユニットをユニット式としたことで、画素ユニットの縦横の連結数を変更することで、任意の大きさの表示装置を構築できる。
(画素ユニット100)
画素ユニット100の斜視図を図2に、正面側すなわち発光領域側から見た分解斜視図を図3に、背面側から見た分解斜視図を図4に、それぞれ示す。これらの図に示す画素ユニット100は、反射構造体10と、拡散シート20と、発光ダイオード(LED)50とを備える。
反射構造体10は、外形を六角柱状とし、内部を空洞として一方を開口端としている。
拡散シート20は、反射構造体10の開口端を閉塞するように配置された、透光性を有する部材である。この拡散シート20は、画素発光領域を構成する。
LED50は、反射構造体10の他方の端縁において、この端縁の中央部分に配置された、赤色、緑色、青色に発光可能な発光ダイオードである。
この画素ユニット100を複数台、各画素ユニット100の六角柱状の側面同士を図5に示すように積層して、天面の拡散シート20で構成される画素発光領域同士を隣接させて、大きな表示領域を構成している。この構成により、LED50の点状光源からの光を拡散シート20で面状に拡げると共に、拡散シート20で構成される面発光領域を隣接させることで、従来のLEDディスプレイではLED同士の間が非発光のため表示面が不均一となっていた問題を解消できる。すなわち、LED同士の間隔を拡げても、各画素を面状光源とし、かつこれらを近接させたことで、従来のような画素同士の間に存在する非発光領域を低減して、表示領域全体で均一な発光が得られ、結果として使用するLEDの数を低減しても、均一でドット感の少ない高品質な表示装置を実現できる。また画素ユニット100を六角柱状としたことで、十分な強度を備えさせ、多数の画素ユニット100を積層しても型崩れしない利点も得られる。
(反射構造体10)
反射構造体10は、図3の分解斜視図に示すように、外形を六角柱状とし、正面側に拡散シート20を配置している。この画素ユニット100は、反射構造体10の正面側を開放した有底筒状に形成し、開放端に蓋枠30を挿入し、蓋枠30と反射構造体10との間に拡散シート20を挟持するよう構成している。蓋枠30は、底面を開放して開口窓としており、この開口窓から拡散シート20が表出される。拡散シート20は、反射構造体10の端縁とほぼ同じ大きさとし、かつ蓋枠30の内径よりも若干小さくする。この蓋枠30は、拡散シート20の六角形状の外周を被覆する枠状に形成されている。
また反射構造体10の他方の端縁すなわち底は、底面板で閉塞している。この底面板の中央部分に開口部OPを形成し、この開口部OPからLED50を反射構造体10の内部に挿入している。
反射構造体10の内部は、反射性に優れた色や材質とする。例えば内面を白色とすることで、反射構造体10の内部の反射率を容易に高めることができる。またこの反射構造体10は、好ましくは紙製とする。これにより、安価で軽量に表示装置を構成できる。特に屋内に配置される表示装置であれば、耐水性や耐候性が求められず、紙製でも十分に対応できる。紙は再生紙としてもよく、これにより環境負荷を低減したリサイクル社会に適合できる。また紙製以外にも、木材、ポリプロピレン、プラスチック等を使用することで、軽量化が可能となり、コストの削減にも繋がる。またアルミニウム等の軽量の金属製としてもよい。さらに反射構造体10は、複数の画素ユニット100同士を連結するための連結機構40を設けている(詳細は後述)。
反射構造体10の側面は、正方形状とすることが好ましい。これにより、反射構造体10に配置したLED50の光が反射構造体10の内部で拡散されて、影の少ない、むらの低減された面状光源として拡散シート20上に表れるよう構成できる。図2、図3等の例では、側面を95mmの正方形としている。正方形状とすることの利点については、後述する。
また反射構造体10の端縁をなす底面の平面図を図6に示す。この図に示すように、LED50は六角形状の底面の中心部分に配置される。この中央部分とは、反射構造体10の六角柱状の底面の中心から各頂点に向かう線分上の42%の点で囲まれた六角形状の内部である。このようにすることで、LED50を六角形の中心に位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。このような配置とすることの詳細な利点については、後述する。
(LED50)
LED50は、表面実装型(SMD)又は砲弾型のものを使用する。特に表面実装型は、配光範囲が広く、拡散させるのに適している。好ましくは図7の斜視図に示すように、一つのパッケージに赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを組み込んだマルチダイスあるいは3in1等と呼ばれるタイプのLED50Mを使用する。このようにRGBの発光色を組み合わせることで、混色により白色を含めたフルカラー表示が可能となる。ただ、必ずしも一のパッケージに複数のチップを組み込む必要はなく、個別のパッケージで構成された赤色LED、緑色LED、青色LEDを並べて使用することもできる。あるいは、何れか2つのLEDを共通のパッケージに組み込み、他のLEDを個別のパッケージとする組み合わせや、任意の色、例えば図8に示すように赤色LEDのみ2個使用して一画素を構成してもよい。特に、他の色に比して輝度の低いLEDを用いる場合は、複数個のLEDを組み合わせることで、各色のLEDの発光輝度が均一になるように調整することが好ましい。これらのLEDの組み合わせが可能であることは、SMD、砲弾型ともに適用できることはいうまでもない。また、要求される光量等の仕様に応じて、SMDや砲弾型のLEDを複数個用いることもできる。例えばSMD型のLEDを一の画素ユニットに3個、6個、9個並べて使用することができる。
LED50の配光分布を示す半減角は、100°〜150°とすることが好ましい。このようにすることで、LED50の配光分布のピークとなる位置が、画素ユニット100の高さのほぼ中央となるように位置させることで、画素発光領域を均一に発光させることが可能となる。
図9に、SMD型LED50Sの視野角、図10に砲弾型のLED50Hの視野角の例を、それぞれ示す。このように、一般にSMD型のLEDは砲弾型のLEDと比べて視野角が広いため、面状光源とするのに適している。
図11Aの平面図に示す画素ユニット100に、RGBに発光可能なマルチカラーのSMD型のLED50を配置した反射構造体10の、内部における配光曲線を図11Bに示す。ここでは、図11Aの平面図に示す画素ユニット100の、1辺x[mm]、長辺2x[mm]の正六角形の底面の中央のO点にLED50を配置したときの、XB−XB線における断面から見た配光特性を示している。また図11AにおけるS面、すなわち六角形の頂点を1つ飛ばして隣接する点同士を結ぶ線で構成された面における配光分布を考えると、その高さは図11Bに示すように六角柱側面を正方形とするとき、x[mm]となる。
また高さ方向の中点であるa点においては、高さはx/2[mm]である。底面のO点に配置されたLED50からa点に向かう光は、a点を通過して直進し、b’点すなわち六角柱の角部に至る。また仮想的にa点で反射が生じるとすると、六角柱の天面の中心b点に向かうことになる。図11Bに示すように、a点での入射角は45°となる。このことから、六角柱の高さdは、x(=x/2+x/2)以上必要と考えられる。ただ、六角柱を高くするほど、いいかえるとLED50と、画素発光領域である天面との距離dをx以上離すと、混色するものの、反射構造体がないため画素発光領域の外周部が暗くなり、中央部分に色むらが生じるため好ましくない。一方で六角柱の高さdがxよりも短いと、中央部が白飛びする。そこで、輝度を確保しつつも、輝度むらを低減する観点から、反射構造体10の高さをx、すなわち六角柱の側面を正方形とすることで、輝度を確保しつつも輝度むらを抑制する画素ユニットが構築される。このように、反射構造体10の側面は、正方形状とすることが好ましいことが証明される。なおS面はLED選択の指標として与えた仮想平面であって、実際には反射は生じない。
このSMD型LEDの半減角は、約120°である。この場合、LED50から60°で出射される光が六角柱の反射構造体10内部の壁面で反射されると、その反射光は天面の中心であるb点には至らず、その周囲に反射されることになる。この結果、本来的にLED50から直接照射される光が集まる天面の中心近傍でなく、その周辺に反射光が照射されることで、結果的に画素発光領域である天面の中心のみが明るくなって輝度むらが発生する事態を、反射光が周辺部分に照射されるように調整することで、輝度むらを緩和して均一化を図る効果が得られる。このような設計によって、六角柱の底面の中央に配置されたLED50からの光を、天面の画素発光領域に均一に照射することが可能となる。
図12に示すように、側面の辺と高さが等しい正六角柱状の反射構造体を使用する場合、図11Aに示すように入射角45°近傍における相対光度が70%以上得られるように、LEDを選別することが好ましい。いいかえると、図13に示すように、使用するLEDの平面視における配光分布が、六角形状の画素発光領域の中心に対して、頂点における相対光度が70%以上となるように設計する。半減角が120°や150°といった広角のLEDを用いることで、入射角45°において相対光度70%以上を示して実現できる。なお相対光度は配光測定装置等で測定できる。
そして発光面を上から見たとき、LEDの配光分布を示す円形に六角形が内接するように、LEDは正六角形の中央に配置される。またLEDは点光源に近い配光分布を示すことが望ましい。この際、一のLEDパッケージに赤色、青色、緑色等複数の発光素子(ダイス)を実装している場合は、各発光素子の高さや配列によって、配光分布が異なり、赤色、緑色、青色のすべてを完全に六角形の頂点に内接させることは容易でない。一例として3in1タイプと呼ばれるマルチダイスパッケージのSMD型LEDにおいて、赤色LEDのみを最大輝度にて発光させたときの画素発光領域の様子を図14に、また図14のXV−XV線におけるLEDの相対発光強度を示すグラフを図15に、それぞれ示す。ここでは、反射板22として厚さ1mmのアクリル板を使用し、また反射構造体10の側面の一辺を95mmとしている。また図15のグラフでは、赤色LEDの発光強度の最高値(画素値)により正規化した相対発光強度を示している。この図に示すように、相対発光強度のピークは、画素発光領域の中心である点Oでなく、中心Oより8.25mm左方向にずれた点O’において示されている。これは、マルチダイスパッケージのSMD型LEDの内部において、発光素子は赤色、緑色、青色の順に配置されているためと考えられる。よって、相対発光強度について、六角形状の頂点において70%以上となるように設定することが好ましい。
次に、SMD型に代えて砲弾型LEDを用いた場合の配光特性について、図16A、図16Bに基づいて検討する。ここでは、発光色の異なる3つの砲弾型LEDである赤色LED50R、青色LED50B及び緑色LED50Gを用いて、混色によりフルカラー表示可能とした画素ユニット100Bを検討する。まず図16Aの平面図に示すように、赤色LED50R、青色LED50B及び緑色LED50Gの順で、六角形の底面の中心(図において一点鎖線で示す)に沿って配置する。ここで図16Bに示すように、青色LED50Bは、底面の中心O点に、赤色LED50R及び緑色LED50Gは、それぞれ二点鎖線で示すS’面、S面と中心線の交差する点上に、それぞれ配置される。ここで各砲弾型LEDの半減角がそれぞれ約60°として、図16Bに示すような配光曲線を有するとした場合、RBGのLEDの直接光で混色される領域(直接混色エリア)は、矢印で示した領域のみとなる。いいかえると、他の領域では色むらが発生し易い。また、当然輝度むらも生じる。特に、両側に配置した赤色LED50R及び緑色LED50Gの光は反射構造体10内部の壁面で反射され、また中央の青色LED50Bの光も、60°の範囲でしか照射されない結果、画素発光領域である六角柱の天面の隅部には光が照射され難くなってしまう。
そこで、広角レンズを備える砲弾型LEDを用いることで、例えば半減角を120°等とすることができ、SMD型と同様の扱いが可能となる。また、赤色LED50R、青色LED50B及び緑色LED50Gを、中央部分に集中して配置してもよい。この例では、赤色LED50R及び緑色LED50GをS面よりも内側に配置して、青色LED50Bとの間隔を狭くしている。この結果、RBGのLEDの直接光で混色される直接混色エリアを拡大することが可能となる。さらに両側に配置した赤色LED50R及び緑色LED50Gからの直接光が天面の隅部に至るように設定すれば、輝度の低下も抑制することができる。いいかえると、外縁に配置されたLEDの半減角に応じて、画素発光領域である天面の隅部に直接光が照射できるような高さに、反射構造体の高さを設計することが好ましい。
ここで、多くの砲弾型LEDが半減角60°前後であることを考慮し、仮に半減角60°のLEDを配置する位置を計算すると、画素ユニットのように、赤色LED50Rを配置する位置Rは、高さをx[mm]としたとき、三平方の定理により左端からx/√3の位置となる。そして左端から底面の中心O点までの距離はx[mm]であるから、中心O点からRまでの距離はx[mm]−x/√3[mm]となる。よって、中心O点からRまで比率を計算すれば、(x−x/√3)÷xとなり、1−1/√3≒0.42となる。したがって、図6の模式平面図に示すように、側面を正方形とする六角柱状の画素ユニットの底面の中心から42%の範囲内にLEDを配置することで、むらの少ない画素発光領域を得ることが可能となる。
なお、このように各LEDを互いに近接してLED集合体とすることで、熱が集中しやすくなり放熱性が課題となるが、本実施形態によれば、LED集合体の周囲は広い空間となる。また画素ユニット同士を連結することで、さらに隣接するLED集合体同士の間隔が広くなる。このように、本実施形態によれば画素ピッチを大きく取ることができるので、LED集合体間の間隔を広く取ることができ、この領域からの放熱が促進されて、十分な放熱性を発揮できる。また、放熱性能を確保することで、ヒートシンクのような放熱のための別部材を追加する必要性をなくし、軽量化や小型化、低コスト化にも寄与する。なお画素ピッチは、図17に示すように正六角形の一辺をxとしたとき、x√3で表現される。
表示装置に用いるLEDの数は、表示領域(ディスプレイの面積)、すなわち幅(w)と高さ(h)、さらに画素ピッチ(pp)、及び一画素を構成するLEDの個数によって決定される。LEDの個数は、例えば上述した図7の斜視図に示すように、一つのパッケージに赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを組み込んだタイプのLED50Mであれば、1個のLEDを一画素に配置してもカラー表示が可能となる。あるいは砲弾型のLEDであれば、赤色LED、緑色LED、青色LEDを近接して配置させた構成としてもよい。この場合は一画素に最低3種類のLEDを配置する必要がある。あるいは同じ発光色のLEDを複数組み合わせてもよく、例えば図8に示すように、赤色LED50Rを2個、緑色LED50G及び青色LED50Bをそれぞれ1個ずつ配置してもよい。これらは、用いるLEDの出力等に応じて設計される。また複数のLEDの配置方法も、横一列や縦一列といった一直線上に並べる他、図8に示すように行列状に配置してもよい。また異なる発光色のLED同士は近接されることで、発光される光の混色を高めることができる。一方で放熱性を考慮して、LEDには放熱機構を付加することも好ましい。これによって長期に渡って安定的に発光性能を維持できる。このように複数個のLEDで構成されたLED集合体でもって一画素を構成する。
表示装置において、LEDの使用数を低減するには、図18に示すように、画素を構成するLED50同士の間隔すなわちピッチを広くする必要がある。この場合、表示領域において発光する部位が点状となる結果、非発光となる点以外の領域とのコントラスト差が顕著となり、発光部のみが目立つドット感の強い表示装置となってしまう。これを回避するには、光源を点状で無く面状として、画素間の非発光領域を極力小さくすることが考えられる。例えば一画素を図18のような点状から、図19に示すような正方形状の画素52に変更することを考える。LEDの点状光源を、面状光源に変換するには、図20の模式側面図に示すように、画素発光領域となる反射材60(例えば、アクリルやポリカーボネート、塩化ビニル等の透明な乳白色の板材)を用意し、LED50を反射材60から離間させて配置することが考えられる。この場合、LED50の照射光を反射材60に当てると、図21に示すように、四角形の画素の中央に光が集中し、逆に破線で囲んだ四隅の部分では相対的に光量が少なくなって、輝度むらや色むらが発生する。
そこで本実施形態では、画素ユニットの反射構造体を六角柱状とし、その底面の内正面側の画素表示領域を六角形状としている。このように構成すると、図22に示すように、画素表示領域である六角形状の周辺部、特に破線で囲んだ頂点の部分の光量低下が低減され、色むらが抑制される。このように、画素表示領域が正方形状では四隅において光が均一に照射されないものの、六角形状としたことで隅まで一様に照射させることが可能となる。また画素ユニットの反射構造体を六角柱状としたことで、図23の垂直断面図に示すように、内部においても立方体等の構造に比べ、より多く側面で光を反射し、画素内の上層部すなわち画素表示領域に光を充填できる効果が得られる。
ここで、六角形状の面状光源で画素を構成することが好ましい理由を説明する。平面視を六角形状とする画素ユニット100は、図24のように、平面内を有限種類の平面図形(タイル)で隙間なく敷き詰める平面充填を行う。点光源の放射に従うのは円形が最も好ましいが、円形同士を平面充填することはできず、デッドスペースが生じてしまう。そこで正平面充填形として、一種類で平面充填可能なタイルの形状を検討すると、正三角形、正方形、正六角形が挙げられる。
この内、表示装置には六角形状が最も好ましい。すなわち、図18に示すようなマトリックス状に配置された点状光源で表示領域を構成する状態から、図25に示すように、各行をオフセット状に配置した点状光源の配置例を検討し、この状態で図24に示すように各画素間を六角形状に区切ることで、図1に示すような面状光源の画素で構成された表示領域を構成できる。
またLEDディスプレイを構成する際に、画素ユニット100を多数個重ね合わせる必要があるところ、画素ユニット100を六角柱状としたことで、側面を積み上げる平面充填したハニカム構造となり、図26に示すように上部からの荷重を分散できるため、型崩れすること無く十分な強度を維持できる。すなわち画素材料の軽量化が図られる。
次に既存の面発光技術について説明する。面発光として最も一般的な構成は、図27の断面図に示すような導光板(Light Guiding Panel:LGP)である。ここでは、側面から入射した光を導光板LG内で反射させている。図27の例では、拡散材60’と導光板LGと反射材60を積層している。また導光板LGのパネル表面に、レーザー加工によりドットパターンを形成している。この構成では、LED50を導光板LGの側面(対面や外周)に配置する必要がある。すなわち表示領域の一パネルに重ねる導光板LGの辺りに数十個のLEDが必要となり、消費電力が増加することが避けられない。
一方で、図28の断面図に示すように拡散レンズDLを用いた構成も考えられる。ここでは、点光源であるLEDの前面に離間して配置したレンズにより光を拡散させて面状光源に変換している。図28の例では、レンズの上面に拡散板60”を配置している。この構成では、拡散レンズDLの光学設計がパネル毎に必要となる。いいかえると、拡散材の面積に合わせレンズの再設計や配置変更が必要となり、設計コストが高騰するという問題があった。
これに対して実施形態1に係る表示装置1000では、画素ユニット100を六角柱状のハニカム構造としている。また反射板22と拡散フィルム24を貼り合わせて拡散シート20を構成している。このように画素ユニット100をユニット式に連結することで、画素サイズを可変とできる。また面状光源としたことで、LEDの個数を削減することができ、消費電力の削減を達成している。
特に図23の断面図に示すように、反射構造体10の内部に光を充填させることで、均一な光に変換している。さらに図29の拡大断面図に示すように、照射面から照射された光を拡散層で拡散させ、反射層を透過させることで、光の強さを一定に均一化できる。この結果、各画素の隅部、特に頂点近傍における色むらの発生を低減できる。
(拡散シート20)
また反射構造体10の六角柱状の一端の開口端には、画素表示領域を構成する拡散シート20が配置される。拡散シート20は、反射板22で構成される。反射板22は樹脂製の硬質な板状で構成され、内部に拡散材を分散させている。このようにすることで、LED50から受けた光を拡散シート20の内部で散乱させて、より均一な面発光が得られる。さらに、外部から拡散シート20を通じて反射構造体10の内部を見たとき、LED50が視認できないようにする効果も得られる。特にLED50の点灯時においてLED50が確認できないようにすることで、ドット感を低減した高品質な面状光源とできる。このため反射板22は乳白半透明色とすることが好ましい。
このような反射板22には、アクリル板やポリカーボネート、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、PET樹脂等が好適に利用できる。また反射板22の厚さは、1mm〜2mmとすることが好ましい。ここでは、アクリサンデー社製のアクリル素材IR−432を使用している。この反射板22の光の透過率は、3mm厚を基準に特性評価した場合、全光線透過率が58%、反射率43%、拡散率84%である。また本発明者らが行った試験によれば、アクリル板の厚さを1mm、1.5mm、2.0mmのいずれとしても、乳白色で半透明のアクリル素材で、全光線透過率が55%〜70%程度であれば、点灯時にLEDが視認できない状態となって好適に使用できることが確認された。このように、反射板22の色は、乳白色とし、半透明とすることが好ましい。
(拡散フィルム24)
さらに拡散シート20は、反射板22に拡散フィルム24を組み合わせて構成してもよい。拡散フィルム24は、拡散材を塗布した樹脂製のフィルムシートであり、反射板22の表面に積層して使用される。このような拡散フィルム24にはポリエステルフィルムが好適に利用できる。また拡散フィルム24の厚さは、LED光源やアクリル板の厚さに応じて設定され、38μm〜125μmとすることが好ましい。ここでは、Tochiman technical paper co. ltd製の、厚さ38μmのポリエステルフィルムを用いた。また拡散フィルム24は樹脂製とする他、紙製としてもよい。また、反射板と拡散フィルムを一枚のシートで構成する場合や、より薄い厚みとすることができる。
図29に示すように、拡散フィルム24を、画素ユニットの表面側に位置させることで、反射板22による周囲の光の映り込みを押さえられ、またLED50が外部から見え難くなる目隠しの効果が得られる。ただ、拡散フィルム24と反射板22の積層順は上記に限らず、図30に示すように逆に拡散フィルム24の上に反射板22を配置してもよい。これにより反射板22の上に拡散フィルム24を配置した場合と比べ、発色が改善される利点が得られる。
図3の例では、反射板22として乳白色透明のアクリル板1mmを用い、拡散フィルム24にポリエステルフィルム38μmmを用いている。これらの反射板22と拡散フィルム24は貼り合わせて密接させる。これにより、図31の断面図に示すように反射構造体10の内部で上層部に集まった光が拡散材内で乱反射し、画素表面における光の強さを均一にできる。
この構成であればLEDには光を拡散させるレンズ等が必要なく、図32の模式断面図に示すようにLEDを画素中央部に配置するのみで足りる。いいかえるとレンズ等の光学設計が不要となるため、製造コストを安価に抑制できる。このようにして、画素表示領域において均一な光の強さが得られる。またLEDの発光量の調整により画素の階調表現が可能となり、LEDディスプレイの画質を向上できる。
ここで、反射板の厚さを変えて試験した結果を図33及び図34に示す。これらの図において用いた画素ユニットは、アクリル板の反射板の左側で厚さを2mm、右側で厚さを1mmとして、LEDを発光させた状態で画素表示領域を撮影している。なお拡散フィルムは、いずれも使用していない。また図33及び図34は同じ画素ユニットを撮影しており、図33は画素表示領域の正面より斜め右側の1mm側から撮影した状態、図34は逆に正面より斜め左側の2mm側から撮影した状態を示している。これらの図に示すように、図33においてはLED光源が視認でき、一方図34においてはLED光源が確認できないことが判る。
このように、厚さを厚めの2mmとした反射板では、拡散フィルムのない状態でも光源のLEDが視認されず、輝度むらを抑制できる。ただし、厚くした分だけ1mm厚の例と比べて全体に暗くなる。一方、1mm厚の反射板では、より明るいものの、点灯時に光源のLEDが視認できる。よって、1mm厚の反射板に、拡散フィルム24を組み合わせることがより好ましいといえる。
さらに、反射構造体の側面の有無により面発光状態が変化する様子を比較した例を図35及び図14に示す。これらの図において、図35は側面を設けた六角柱状の反射構造体、図14は側面を除去して蓋枠30のみとした反射構造体において、LEDを発光させた状態をそれぞれ示している。これらの図から明らかなとおり、側面を有しない構成では、画素発光領域が全体に暗く、また中心部分が明るく、周囲に向かうほど暗くなる不均一な発光面となっている。これに対して側面を反射面として利用することで、画素発光領域を全体に明るく、かつ周囲にわたって均一に発光させることが可能となることが確認された。
(レンズ体65)
なお、本発明は必ずしもレンズを不要とする構成に限定するものでなく、必要に応じて適宜レンズを採用することもできる。例えば図36に示す変形例に係る画素ユニット100Fのように、光量を稼ぐために反射構造体10内に複数個のLED50を備える場合は、レンズ体65でこれら複数個のLED50を被覆し、各LED50が発する光を集光させ、これらの光が拡散シートで面発光となるように調整することが可能となる。特に屋内で使用される画素ユニットや表示装置の場合は、蛍光灯などの室内照明下でもLEDの面発光が綺麗に表現されるよう、ある程度の光量が必要となり、LEDの使用数が増える分だけ、LED光の分布が不均一となり、光量の高い領域が白飛びすることがあった。これに対して上記変形例によれば、レンズ体65を用いてLED光を均一に集光、分散させることが可能となり、高品質な面発光の光源が得られる。なおレンズ体65とは、LED光を集光させる機能を奏する構成、分散させる機能を奏する構成のいずれをも含む意味で使用する。
(LEDユニット55)
また、レンズ体65を備えるLEDは、ユニット状とすることが好ましい。このような例を変形例として図37の斜視図に示す。この図に示すLEDユニット55は、LEDチップ50Cと、これらLEDチップ50Cを実装する実装板53と、実装板53を封止するレンズ体65と、実装板53の背面側に延長された筒状体56とを備える。
LEDチップ50Cは、要求される光量や定格などの仕様に応じてサイズや個数が選択される。光量を多くするためには、複数個実装していることが好ましい。図37の例では、表面実装(SMD)型LEDチップ50Cを6個、環状に実装している。ただ本発明は、LEDチップの数や配置パターンをこの例に限定せず、例えばLEDチップを3個や8個等、任意の数としてもよい。またLEDチップの配置パターンも、矩形状や直線状などに配置することもできる。
実装板53は、ガラスエポキシ基板やセラミック基板等が利用できる。好ましくは実装板53の表面側にLEDチップ50Cを実装し、駆動回路や保護回路は裏面側に実装する。また裏面側はシリコーン樹脂等の封止樹脂で封止されることが好ましい。
レンズ体65は、複数のLEDチップ50Cの周囲を覆う。このレンズ体65は、無色透明、あるいは乳白色透明など、透光性の樹脂等でドーム状に形成されている。レンズ体65は、複数個のLEDが発する光を拡散シート面上に均一に集光、分散させるように光学的に設計される。またレンズ体65の内部は空洞としているが、この構成に限られず、例えばLEDチップをレンズ体で封止してもよい。
(筒状体56)
さらにレンズ体65の裏面側には、筒状体56が設けられる。筒状体56は円筒状に形成され、その内面は実装板53の裏面側と連通しており、上述の通り実装板53の裏面側に実装された各種回路や電子部品が、封止樹脂で封止されている。また駆動回路等と接続するための電気信号線である接続用ハーネス57が、筒状体56から外部に引き出されている。接続用ハーネス57は、先端にコネクタ58を備えている。複数のLEDユニット55を用いる場合は、各LEDユニット55の接続用ハーネス57のコネクタ58同士をデイジーチェーン接続することで、これらを通信可能な状態に接続できる。
また筒状体56は、側面にねじ溝を形成しており、別部材のリング体90やボルトのような、内面にねじ溝を設けたねじ穴に挿入し螺合可能としている。さらに筒状体56とレンズ体65との境界には、鍔部59が設けられている。鍔部59は、筒状体56よりも外径を大きくしており、リング体90を螺合する際に、リング体90の螺合位置を規定するストッパとなる。
ここで、リング体90を用いてLEDユニット55を反射構造体10に固定する例を、図38の分解斜視図に基づいて説明する。まず、反射構造体10の底面11には、予め円形の開口部OPが開口されている。開口部OPの大きさは、LEDユニット55の筒状体56が挿入でき、かつ鍔部59が通過できない大きさとする。いいかえると開口部OPの直径は、筒状体56の外径よりも大きく、かつ鍔部59の外径よりも小さい。
この開口部OPに、接続用ハーネス57を前面側から裏面側に通して、かつ筒状体56を反射構造体10の裏面側に表出させた状態とし、図39の斜視図に示すように裏面側からリング体90を筒状体56に螺合する。これにより、リング体90と鍔部59で、反射構造体10の底面11を狭持した状態として、LEDユニット55を画素ユニットに固定できる。この方法であれば、ドライバなどの工具を不要として、極めて簡単にLEDユニット55を反射構造体10に固定できる。
(駆動回路)
各LED50は駆動回路により点灯駆動される。図40に、各画素ユニット100を点灯駆動する駆動回路のブロック図を示す。この図に示すように、各発光ユニットのLED50は、コントローラ70に接続されている。コントローラ70は、外部の画像ソース等から入力された、あるいは予め設定された、表示領域に表示すべき内容、例えば静止画像や動画像、テキストなどの情報を受け、これに応じて発光させる画素の位置や発光色などを決定し、必要な画素に対して制御を行う。例えば所望の輝度や色度で発光させるよう、赤色LED、緑色LED、青色LEDの駆動電流量を調整する。またこのコントローラ70は、外部の電源から電力供給を受けて、各画素ユニット100のLED50に対して必要な駆動電力を供給する。たとえば後述する図59〜図60の例では、表示装置の発光色を自動で360°色相が循環するように表示させている。
なお図40の例では、各画素ユニット100を点灯駆動する駆動回路を、共通のコントローラ70で構成し制御しているが、画素ユニット毎に駆動回路を設けてもよい。
あるいはまた、図41の変形例に示すように、コントローラに外部機器と無線通信するための通信回路72を付加してもよい。通信回路72は、外部機器から無線操作でLEDの点灯を制御できるようにするための部材である。この通信回路72が外部機器からの無線操作を受け付けるためのワイヤレス接続方式には、電波、マイクロ波、光通信等等が利用できる。電波の場合は、短距離無線、無線PAN、無線LAN等が利用できる。特にWiFiやBluetooth、ZigBee、6LoWPAN、Sub−1GHz(いずれも商品名)等の規格化された無線通信とすることで、低コストでの実装や導入が可能となる。特にBluetooth Low Energy(BLE)等の低消費電力に対応した通信方式とすることが好ましい。また、外部機器として、スマートフォンにアプリをインストールした機器を利用することで、手軽に外部からのLED点灯の無線操作が可能となる。さらにLED照明用の制御信号として一般的なDMX等の規格化された方式を利用する他、専用の制御信号を利用することもできる。
加えて、外部機器との通信は、LEDの点灯を操作する他、表示装置からの情報配信を外部機器側で受けるように構成することもできる。例えば表示装置をゲーム機器のモニタとして利用し、外部機器をコントローラとして操作可能に構成してもよい。例えばオセロゲームやマインスイーパ(いずれも商品名)等に利用することが可能となる。
あるいはまた、表示装置を広告用のPOPなどに利用することもできる。この場合、iOSのiBeacon(登録商標)やAndroidOSのEddystoneなどのビーコン技術を用いて情報の配信を行うことも可能である。例えば文字や動画を表示装置で表示させる一方、専用のアプリをインストールしたスマホを持つユーザが近付くと、商品紹介ホームページのURLやクーポンの配信などを自動的に行うことができる。またクーポンを利用したユーザに対して、専用の特典映像を表示させるなどの表示動作を行わせてもよい。
さらに各画素ユニット100とコントローラ70との接続は、図40に示すように並列接続とする他、図41に示すように数珠繋ぎのデイジーチェーン方式とすることもできる。特にデイジーチェーン方式は、多数の画素ユニットを直列に繋ぐことで、接続台数の制限を受け難く容易に接続数を変更できるので、好ましい。
(連結機構40)
反射構造体10の側面には、他の反射構造体10と連結するための連結機構40を設けられる。図2等の例では、連結機構40として六角柱状の反射構造体10の側面の縁部に、面ファスナを固定している。たとえば面ファスナを構成するフックとループのいずれか一方を、側面の対向する辺の一方に、フックとループのいずれ片方を、側面の対向する辺の他方に、それぞれ設ける。この画素ユニットを積層すれば、反射構造体10の対向する面において、フックとループの組み合わせとなるため、これらを容易に連結できる。また図2等の例では、六角柱状の反射構造体10の高さ方向、すなわち両側の底面の頂点同士を結ぶ辺に沿って面ファスナを設けている。ただ、本発明はこの構成に限らず、たとえばこれらと直交する辺、すなわち底面を構成する各辺に沿って面ファスナを設けてもよい。この場合は、長さ方向に隣接する面ファスナ同士でフックとループを交互に配置することで、連結し易くできる。また面ファスナは、必ずしも反射構造体の側面の辺の全部に設ける必要は無く、たとえば隅部のみとしたり、辺に沿って一定間隔を空けて均等に配置してもよい。
また連結機構40は、面ファスナに限定されず、機械的な嵌合機構や係合機構等、着脱可能な既知の機構が適宜利用できる。変形例に係る連結機構40Bを備えた画素ユニット100Dの斜視図を図42Aに示す。この例では、断面視L字状に折曲させた鉤状の硬質な連結フックを設けており、L字状同士を互いに係合させて係止させることができる。また図42Bに示す他の変形例に係る画素ユニット100Eの連結機構40Cでは、ホックを用いている。
このように画素ユニット同士を連結機構40で連結して、大きな表示装置を構築できる。また画素ユニットをユニット式に連結可能としたことで、連結数を調整すれば、表示装置の表示領域の大きさを調整できる。ただ、必ずしも連結機構でもって着脱式とする構成に限定されず、両面テープや接着材などで反射構造体同士を固定してもよい。
このように複数個の画素ユニットを連結させる際は、上述した背面ボードで各画素ユニットを支持する構成とすることで、安定的に保持できる。特に、後述する図43〜図45に示すような、画素ユニットの底面を分割式として組立時に自動的に組み上がる構造とした場合は、底面を一枚のシートで構成する場合と比較して機械強度が低下するため、多数の画素ユニットを積層する場合は下段の画素ユニット程、荷重が集中し易くなる。そこで背面ボード18を利用することで、このような加重の集中を軽減して補強することが可能となる。
また背面ボード18は、図49等に示したように、必ずしも背面開口部BOを開口した形状とする必要はなく、用いる画素ユニットの態様に応じて、例えば開口のない平板状の背面ボードを構成してもよい。
(折り畳み構造)
さらに各画素ユニットを、折り畳み可能な構造とすることもできる。反射構造体を折り畳んで板状にすることで、嵩張る部材をコンパクトな状態として、運搬や保管に有利となる。特に、多数の反射構造体を用いる場合には低コストでの運搬等が実現される。このような例を図43A〜図45に示す。これらの図において図43Aは折り畳み自在とした画素ユニットの折り畳み状態、図43Bは展開状態を示す斜視図、図44Aは図43Aを背面から見た斜視図、図44Bは図43Bを背面から見た斜視図、図45は折り畳み自在とした画素ユニットの展開図を、それぞれ示している。これらの図に示す画素ユニットは、拡散シートを外した状態で、反射構造体10Bを折り畳み自在としている。ここでは、拡散シートを保持する蓋枠30を着脱式としており、蓋枠30を外した六角柱状の反射構造体10Bを折り畳み式としている。この反射構造体10Bの底面板は、複数の底板片14に分割している。図45の展開図に示すように、反射構造体10Bの六角柱状の各側面13は、底板片14と連続しており、各底板片14は互いに分離されている。この底板片14は、図43Aや図44Aに示すように、反射構造体10Bを折り畳み状態としたとき、それぞれが側面13と接するように折り畳まれて、平らな折り畳み状態となる。一方、図43Bや図44Bに示すように反射構造体10Bを組み立てる状態、すなわち展開状態としたとき、各底板片14は互いに係合されて一体の底面板を形成する。
このとき、底面板の中央部分に円形の開口部OPが形成されるように、予め各底板片14を形成しておくことが好ましい。これにより、図38等で示したようにLEDユニット55の筒状体56を開口部OPに挿入して、リング体90でもって螺合して固定することができる。この構成であれば、リング体90と鍔部59で開口部OPの周辺を挟持して固定できるので、複数の底板片14を組み合わせて構成される底面板を一体的に保持できる。言い換えると、リング体90と筒状体56の螺合は、LEDユニット55を反射構造体10Bに固定する機能と共に、折り畳み式の反射構造体10Bを展開状態に保持する機能も奏することができる。
(多層構造)
また画素ユニットを多層構造としてもよい。例えば六角柱状を構成する反射構造体を、二層を重ねた二重構造とする。このような例を図46A〜図46Cに示す。これらの図において、図46Aは二重構造の反射構造体10Cの分解斜視図、図46Bは図46Aにさらに蓋枠30Cを被せる状態を示す分解斜視図、図46Cは図46Bの状態から蓋枠30Cを被せた画素ユニットの分解斜視図を示す斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示す反射構造体10Cは、中空の六角柱状の外層15と、この外層15の内面に挿入される、外層15よりも一回り小さい内層16で構成される。内層16は、外層15よりも高さを若干高く形成し、内層16を外層15に挿入した状態で内層16の一部が突出するように構成する。この状態で、開口端を閉塞するように蓋枠30Cを被せると、図46Cに示すように画素ユニットの側面において蓋枠30Cと反射構造体10Cとをほぼ同一面とすることができる。特に蓋枠30Cや反射構造体10Cを紙製で構成する場合、同じ厚さの紙で蓋枠30Cや反射構造体10Cを構成して、蓋枠30Cと反射構造体10Cとの境界部分の段差を無くすことができ、外観の見栄えを良くすることができる。また内層16側に、上述した底板片14を形成することもできる。
(複数ユニット連結機能)
さらに、複数の画素ユニットを連結して大きな表示装置を構成する場合、画素ユニットを複数連結した画素ユニット群を積層することで、このような表示装置を得ることができる。この際に、二層構造の反射構造体を利用すれば、画素ユニット同士の連結を容易に行える。すなわち、図47A〜図47Bに示すように、中空の六角柱状の外層15同士を予め連結した外層群15Gを用意しておき、この外層群15Gの各外層15内にそれぞれ、内層16を挿入する。内層16は予め外層群15Gに挿入しておくことが好ましい。これにより、図48A〜図48Bに示すように、反射構造体10Cを折り畳んだ状態から、展開状態とすることで、複数個の画素ユニットを同時に組み立てることが可能となり、作業性が向上する。なお図47A〜図48Bの例では、3個の画素ユニットを横方向に連結した画素ユニット群100Gの例を示しているが、画素ユニットの連結数はこれに限らず、2個、あるいは4個以上とすることもできる。
またこのような画素ユニット群を積み上げて表示装置を構成する例を、図49〜図51に基づいて説明する。まず、図49に示すような背面ボード18を準備する。背面ボード18は、画素ユニットの連結後の形状を示す型紙であり、この上に各画素ユニットが配置される。また画素ユニットの配置位置には、背面開口部BOが形成されている。このような背面ボード18を用いることで、画素ユニットの積層時に印加される負荷の集中を軽減できる。特に画素ユニットを多数積層していくと、最下段の画素ユニットに荷重が集中するところ、各画素ユニットを背面ボードに固定することで応力を分散させて負荷を軽減できる。
次に図50に示すように、背面ボード18の最下段に画素ユニット群を配置する。ここでは、図48Bに示した二層構造の反射構造体群10Gを背面ボード18上に、各開口部OPが背面ボード18の背面開口部BOと一致するように重ねて、この状態で各開口部OPにLEDユニット55を固定する。各LEDユニット55は筒状体56を反射構造体10Cの発光面側から挿入し、背面ボード18の背面から突出させ、筒状体56のねじ溝にリング体90を螺合して固定する。このようにして、最下段の画素ユニット群において各LEDユニット55が固定され、さらに各反射構造体10Cが展開状態に保持される。この状態で、各反射構造体10Cの開口端に、蓋枠30Cを被せて閉塞する。
次に図51に示すように、最下段の画素ユニット群100Gの上、すなわち下から二段目の行に、別の反射構造体群10G’を配置する。以下同様にしてLEDユニット55をそれぞれ固定し、蓋枠30Cで閉塞する。このようにして各行の画素ユニットを固定し、最終的に表示装置を得ることができる。
また、六角柱状の画素ユニットを複数積層した表示装置は、図1等のように最下段を六角柱状とした場合、平面上に載置すると接触面積が少なく、軽量であることと相俟って不安定となることがある。そこで、上述した図49に示すように、背面ボード18の最下段を直線状としたり、あるいは図52に示す変形例に係る表示装置3000のように、最下段のみ五角柱状の画素ユニット100Hを配置してもよい。この構成であれば、表示装置の底面を面状として、一層安定させることが可能となる。
(フレームレス画素ユニット)
さらにまた、上述した例では蓋枠を用いて拡散シートを保持しているため、各画素ユニットは枠状が視認されることとなる。よって、このような枠状をより細くするため、別部材の蓋枠を使用せずに直接拡散シートを、反射構造体の開口端に貼付してもよい。このような例を図53に示す。この例では、予め開口端の六角形状に形成した拡散シート20Dを準備すると共に、反射構造体10Dの開口端に接着材を塗布して、貼付している。ただ、この構成では拡散シート20Dの位置決め作業が面倒になる。そこで、図54の斜視図に示すように、予め複数の画素ユニットを連結した状態で、一枚の大きな拡散シート20Eを貼付するよう構成してもよい。この場合は、複数の画素ユニットを隙間が殆ど無いように詰めて配置した状態で、各反射構造体の開口端に、共通の拡散シートを貼付している。この方法であれば、位置決めの手間が緩和される。また拡散シート20Eの貼付後に、必要に応じて拡散シート20Eの不要な部分をカットすることで、さらに位置決め作業の手間を省力化できる。
あるいは、拡散シートの形状も長方形状に限らず、予め画素ユニットの接続形態に応じた形状にカットしておくこともできる。例えば図64に示すように、反射構造体10Dを連結した形態に応じて予め形成された拡散シート20Fを準備しておき、反射構造体10Dを積層した状態で開口端に貼付する。例えば各開口端の端縁に接着材を塗布して接着する。
また、複数個の画素ユニットを連結した画素モジュールを構成し、さらに複数の画素モジュールを組み合わせてより大きな画像表示装置を構成することもできる。例えば図64に示した横3個×縦4個の画素ユニットを連結した集合体を一の画素モジュール100Iとして、これを複数個組み合わせることで、更に多数の画素ユニットを有する表示装置を構築できる。例えば図65に示す例では、図64の表示装置を画素モジュール100Iとして複数個用意し、これらの画素モジュール100Iを横2個×縦2個に連結することで、画素ユニット数として横6個×縦8個の大きな表示装置4000を構成している。なお、画素ユニットの数は画素モジュール100I同士を連結し易いよう、偶数個とすることが好ましい。また画素モジュール同士の連結には、例えば連結後の表示装置4000の外形に予め形成された一の背面ボードを用意して、各画素モジュール100Iの背面側を固定することができる。
(実施例1)
ここで本発明性の有用性を示すべく、実施例1に係る画素ユニットを作成し、さらに比較例として、表示領域を四角形とした画素ユニットを作成し、それぞれ同じ発光色、輝度でLEDを発光させた状態で正面から撮影した。この結果を図55に示す。ここでは、画素ユニットの側面を1辺7cmの正方形とした。また画素ピッチを約12cmとした。この図に示すように実施例1に係る六角形状では表面の色調、明るさが適切に調整されていることが確認された。一方比較例に係る四角形状では、部位によって輝度むら、色むらが見られ、また中央付近ではLEDの点状光源が視認できるほどに強く、白飛びが顕著であった。このように、本実施例では混色が均一になされ、また輝度も画素発光領域の全体で均一に得られていることが確認された。
(ディスプレイのサイズ)
一般にディスプレイサイズを大型化、高解像度化すると消費電力が大きくなり、設置場所が極めて限定される。このためディスプレイサイズと消費電力とはトレードオフの関係にある。そこで本実施例に係る表示装置では、ディスプレイサイズを大きくしてもLEDの使用数を低減することで、消費電力の上昇を回避している。この方法では、画素を構成するLED間のピッチが長くなるため、解像度が低下する。一般に、LEDディスプレイでは1m2当たりの消費電力が指標として用いられる。例えば図56に示すような、市販されているLEDパネルでP20等と呼ばれるピッチが20mmのタイプでは、1m当たり1000÷20=50個となるので、1m2当たりのLED個数は、50x50=2500個である。これに対して図57で示す本実施例1では、上述の通り六角形状の画素ユニットを1辺9.5cm、画素ピッチ約12cm(P120)としており、1000÷120=8.33であるから、8x8=64個である。同じ定格のLEDを用いた場合の消費電力は、図58のグラフに示すように、比較例1に対して実施例1では約1/40に削減している。このため、一般家庭用の100Vの商用電源でも大型ディスプレイを使用可能とできる。例えば消費電力1500Wで最大約13mx6mの大型ディスプレイを構成できる。
また、消費電力を比較するに当たり、1m2に換算した消費電力で比較すると、市販されている画素ピッチ約20mm(P20)のLEDパネルにおいて、LEDの使用量は2500個/m2であり、その消費電力は1000w/m2である。一方で、実施例で使用した3in1タイプのSMD型LEDの駆動電圧/電流は、定格値5V/60mAのため、1個辺りの消費電力は5V×60mA=0.3Wである。このLEDを一辺9.5cmの正六角形状の反射構造体10に配置した場合、約64個(8個x8個)に相当するので、その消費電力は0.3W×64個=19.2W/m2となる。この画素ユニットは、P20のLEDパネルに比べ、消費電流を1000w/m2÷19.2w/m2≒52.08となり、約1/52に削減できることが判る。また、一般家庭用電源でも1500Wで約78m2(1500W/19.2W)、最大約13mx6mのディスプレイを構成できる。これを、仮にP20のLEDパネルで同規格の砲弾型広角LEDを用いてディスプレイを構成した場合と比較すると、約1/39(64個/2500個)の消費電力の削減が可能となる。
さらに表示領域すなわちディスプレイ形状も自由にアレンジできるという利点が得られる。従来の一般的なディスプレイの形状は、複数個のLEDをマトリックス状に配置した基本モジュールが正方形または長方形のため、四角形に限られる。これに対して本実施例では、一画素を基本モジュールとし、かつその形状を六角形状の画素ユニットとしたことで、より柔軟な配置やレイアウトが可能となる。すなわち、このような画素ユニットの組み合わせにより、平面配置、曲面配置、自由空間への配置が可能となり、設置場所に合わせ、柔軟なディスプレイサイズや形状の提案が可能となる。
(視認距離及び角度)
また、既存の多くのLEDディスプレイでは、LEDから直接放たれる光(直接光)を利用しているため、近距離や側面からの視聴は困難であった。これに対して本実施例では、LEDの直接光を用いず、画素ユニットによりLEDの光を拡散させた上で視認するため、視認距離を選ばず、近距離からの視認が可能で、さらに側面からの視聴が可能となる。ここで、実施例1に係る画素ユニットの視野角を確認すべく、LEDを緑色に発光させた状態で、画素ユニットの正面から45°の角度で撮影した写真を図59に、同じく60°の角度から撮影した写真を図60に示す。いずれも、混色された状態で視認できることが確認され、本実施例によれば側面からの視認性も良好であることが示された。また、ハニカム構造を生かした新しいイフェクトも提案可能である。たとえば図61A、図61Bに示すような文字や図形を描くことが可能となる。
また一般的なLEDディスプレイでは、LEDをパネルモジュールに多数のLEDを集積しているため、LEDの発熱を効率良く放熱させるために、アルミニウム製の大型のヒートシンクや金属シャーシ等が用いられ、また放熱ファンを設ける等の放熱対策が必要となる。これに対して本実施例によれば、画素毎にユニット化したことで、画素間のピッチが広くなり、単位面積当たりのLED使用量が少なくなった結果、放熱量を低減できるため、放熱のための特別な機構を不要とできる。この結果、構成の簡素化や軽量化、製造コスト削減が図られる。
(実施形態2)
以上の例では、画素ユニットを多数連結して表示装置を構成する例を説明した。ただ本発明はこの構成に限られず、一体的に表示装置を構成することもできる。このような例を図62の分解斜視図及び図63の平面図に示す。これらの図に示す表示装置2000は、レーザー加工機を用いて金属製の枠体80に六角形状の開口窓82を形成し、各開口窓82に拡散シート20を配置している。なお、予め表示領域の大きさに拡散シート20を形成し、さらに開口窓82を形成した枠体80のこの上に積層して構成してもよい。また拡散シート20の裏面には、ケーシング12が配置される。ケーシング12は各開口窓82に対応する位置及び大きさに中空の六角柱状、すなわちハニカム状に区画されている。さらにケーシング12の背面側には、各開口窓82に対応する位置にそれぞれLED50を配置したLED実装基板54が配置される。このように、予め所望の表示領域の大きさにケーシング12や枠体80、LED実装基板54を設計して表示装置を構成することも可能である。さらに、このようにして多数のLED50を画素毎に面状光源とした表示装置を、複数台連結して、より大きな表示領域を有する大型の表示装置を構成することもできる。
本発明の表示装置及び画素ユニットによれば、大画面の文字や画像の表示ディスプレイ、インテリジェント照明等として好適に利用できる。
1000、2000、3000、4000…表示装置
100、100B、100D、100E、100F…画素ユニット
100G…画素ユニット群
100H…五角柱状の画素ユニット
100I…画素モジュール
10、10B、10C、10D…反射構造体
10G、10G’…反射構造体群
11…底面
12…ケーシング
13…側面
14…底板片
15…外層;15G…外層群
16…内層
18…背面ボード
20、20D、20E、20F…拡散シート
22…反射板
24…拡散フィルム
30、30C…蓋枠
40、40B、40C…連結機構
50…発光ダイオード(LED);50C…LEDチップ
50R…赤色LED;50G…緑色LED;50B…青色LED
50M…マルチダイスLED;50S…SMD型LED;50H…砲弾型LED
52…正方形状の画素
53…実装板
54…LED実装基板
55…LEDユニット
56…筒状体
57…接続用ハーネス
58…コネクタ
59…鍔部
60…反射材
60’…拡散材;60”…拡散板
65…レンズ体
70…コントローラ
72…通信回路
80…枠体
82…開口窓
90…リング体
OP…開口部
BO…背面開口部
LG…導光板
DL…拡散レンズ