JPWO2018083860A1 - 通信装置及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

隣接セル同士で空間再利用を行なう通信装置及び通信方法を提供する。隣接セル信号から入手できる情報を用いてSR送信を行なう端末は、自身が受けている干渉電力の大きさやAPまでの距離などの情報によってSRバックオフの時間を調整することで、パケット衝突を回避しつつ送信機会を獲得する。また、SR送信に成功した端末は追加のバックオフ時間を設定するというペナルティが課される。また、APがSTAに対して、配下の端末台数やスループット状況などに応じた送信待ち時間調整用のパラメータを設定する。

Description

本明細書で開示する技術は、干渉信号(隣接セルから到来する信号など)を検出している状態でパケット送信を行なう通信装置及び通信方法に関する。
無線LANの代表規格の1つであるIEEE802.11では、各端末が自律的に送信機会を獲得する仕組みとして、CSMA/CA(Carrier Sense Multipe Access/Collision Avoidance)を規定している。具体的には、端末はランダムな時間分だけ送信待機(バックオフ)を行ない、このバックオフ中に周囲の電波環境を観測(キャリア・センス)し、ある検出閾値以上の電力を持つ電波を検出したときにはバックオフを停止してパケットの送信を抑制する。このバックオフとキャリア・センスの仕組みによって、端末は自律分散的に送信機会を獲得しながらも、パケット衝突を回避している。
ところが、多くの端末が高密度に存在するような環境では、IEEE802.11規格で設定されている検出閾値を用いて上記の電波検出及び衝突回避を行なうと、例えば隣接するセルに所属する端末から送信された信号を検出してしまうなどして、余分な送信抑制を行なうケースが問題視されている。なお、ここで言うセルは、例えば基地局が配下の端末とともに構成するBSS(Basic Service Set:基本サービスセット)に相当する。また、隣接するセルは、受信可能範囲がオーバーラップする他のBSS(以下、「OBSS」とも呼ぶ)に相当する。
そこで、現在規格化中であるIEEE802.11axでは、隣接セル間で1つの周波数チャネルを再利用して、周波数リソースを効率的に利用するための空間再利用(Spatial Reuse:SR)技術の検討が進められている。具体的には、隣接セル間同士の端末が互いの信号を検出しても、自身のパケット送信を行なうことを可能とする。このようなSR技術は、パケットのPHYヘッダ内に「BSS Color」と呼ばれる簡略化したBSSの識別子を記載して、受信側ではPHYヘッダに記載されたBSS Colorに基づいて自分が所属するBSS(自セル)の信号(以下、「自セル信号」とも呼ぶ)とOBSS(隣接セル)からの信号(以下、「隣接セル信号」とも呼ぶ)とを識別できるようにすることによって実現される。
例えば、パケットを受信した端末は、PHYヘッダの記載内容に基づいて隣接セル信号であると判断できた場合には、その時点でパケットの受信を打ち切り、さらにその信号の受信電力が隣接セル信号の検出閾値(OBSS−PD閾値)以下であればバックオフの開始を許可することによって空間再利用が実現する。なお、この方式では、端末は、自身の送信電力を下げることでOBSS−PD閾値を上昇でき、干渉電力に応じて送信電力を調整することで空間再利用による送信機会を得易くすることが可能である。
また、空間再利用の他の方式として、端末は、隣接セル信号のパケット内に含まれるSRパラメータと呼ばれる情報を取得し、隣接セルに所属する端末へ影響を与えないような送信電力を設定することも採用されている。
本明細書では、端末が、隣接セル信号から入手できる情報(隣接セル信号の受信電力や、パケット内に記載されているSRパラメータ)を用いて、隣接セル信号を検出した後もバックオフを行なってパケットを送信することを、「SR送信」と呼ぶ。
特開2013−179555号公報
本明細書で開示する技術の目的は、隣接セルからの信号を検出している状態でも好適にパケット送信を行なうことができる、優れた通信装置及び通信方法を提供することにある。
本明細書で開示する技術は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、
干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信する通信部と、
干渉電力又は前記パケットの送信先までの通信距離に関連する情報の少なくとも一方に基づいて、前記干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御部と、
を具備するである。
本明細書で開示する技術の第2の側面によれば、第1の側面に係る通信装置の前記制御部は、前記干渉電力又は前記通信距離に関する情報の少なくとも一方に応じて、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を決定するパラメータを選択するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第3の側面によれば、第1の側面に係る通信装置の前記制御部は、前記干渉電力が高いほど、又は、前記通信距離が長いほど、長い送信待ち時間を設定し、前記干渉電力が低いほど、又は、前記通信距離が短いほど、短い送信待ち時間を設定するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第4の側面によれば、第1の側面に係る通信装置の前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信したときの送信失敗回数を、前記干渉電力又は前記通信距離に関する情報の少なくとも一方に基づいて定義されるモードに対応付けて管理するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第5の側面によれば、第1の側面に係る通信装置の前記制御部は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信したときの第1の送信失敗回数と干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信したときの第2の送信失敗回数とを分けて管理するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第6の側面によれば、第1の側面に係る通信装置において、前記通信距離に関連する情報は、前記送信先との伝搬損失に関連する情報を含んでいる。
また、本明細書で開示する技術の第7の側面は、
干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信する通信ステップと、
干渉電力又は前記パケットの送信先までの距離に関連する情報の少なくとも一方に基づいて、前記干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御ステップと、
を有する通信方法である。
また、本明細書で開示する技術の第8の側面は、
パケットを送信する通信部と、
パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の第1の送信待ち時間に、追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
通信装置である。
本明細書で開示する技術の第9の側面によれば、第8の側面に係る通信装置の前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信した結果に応じて、前記第1の送信待ち時間に前記追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第10の側面によれば、第8の側面に係る通信装置の前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいて追加待ち時間を設定するように構成されている。
また、本明細書で開示する技術の第11の側面は、
パケットを送信する通信ステップと、
パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御ステップと、
を有し、
前記制御ステップでは、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の第1の送信待ち時間に、追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
通信方法である。
また、本明細書で開示する技術の第12の側面は、
干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な通信相手の干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御部と、
前記通信相手に送信待ち時間を決定するための情報を通知する通知部と、
を具備する通信装置である。
本明細書で開示する技術の第13の側面によれば、第12の側面に係る通信装置の前記通知部は、アクセスポイントとして動作し、干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な配下の端末に対して、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第14の側面によれば、第13の側面に係る通信装置において、送信待ち時間を決定するための前記情報は、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を決定するパラメータを含んでいる。
本明細書で開示する技術の第15の側面によれば、第13の側面に係る通信装置において、送信待ち時間を決定するための前記情報は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の送信待ち時間に対する追加待ち時間の有無を指定する情報を含んでいる。
本明細書で開示する技術の第16の側面によれば、第15の側面に係る通信装置において、送信待ち時間を決定するための前記情報は、前記追加待ち時間の値に関する情報をさらに含んでいる。
本明細書で開示する技術の第17の側面によれば、第13の側面に係る通信装置の前記通知部は、干渉電力又は通信距離に関する情報の少なくとも一方に基づいて定義されるモードに対応付けて、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第18の側面によれば、第13の側面に係る通信装置の前記通知部は、配下の前記端末の台数又は前記端末のスループットのうち少なくとも一方に関する情報に基づいて前記制御部が設定した、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知するように構成されている。
また、本明細書で開示する技術の第19の側面は、
干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な通信相手の干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御ステップと、
前記通信相手に送信待ち時間を決定するための情報を通知する通知ステップと、
を有する通信方法である。
また、本明細書で開示する技術の第20の側面は、
パケットを送受信する通信部と、
パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記通信部が受信したフレームに記載されている情報に基づいて、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を設定する、
通信装置である。
本明細書で開示する技術によれば、隣接セルからの信号を検出している状態でも、送信待ち時間を適切に調節して、パケット送信を行なうことができる、優れた通信装置及び通信方法を提供することができる。
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本発明の効果はこれに限定されるものではない。また、本発明が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
本明細書で開示する技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1は、無線LANシステムの構成例(実施例1)を示した図である。 図2は、AP並びにSTAとして動作することが可能な通信装置200の機能的構成を模式的に示した図である。 図3は、図1に示した無線LANシステムにおける通信シーケンス例(従来バックオフ時)を示した図である。 図4は、図1に示した無線LANシステムにおける通信シーケンス例(SRバックオフを新設)を示した図である。 図5は、通信装置がSRバックオフを設定するための処理手順を示したフローチャート(実施例1)である。 図6は、SRモード選択テーブルの構成例を示した図である。 図7は、SRモード毎のパラメータ設定テーブルの構成例を示した図である。 図8は、通信装置がパケット送信終了後に行なう処理手順(実施例1)を示したフローチャートである。 図9は、無線LANシステムの構成例(実施例2)を示した図である。 図10は、図9に示した無線LANシステムにおける通信シーケンス例を示した図である。 図11は、図9に示した無線LANシステムにおける通信シーケンス例(実施例2)を示した図である。 図12は、通信装置がパケット送信終了後に行なう処理手順(実施例2)を示したフローチャートである。 図13は、SRバックオフ時間調整に用いるパラメータを通知するために用いるフレームの構成例を示した図である。
以下、図面を参照しながら本明細書で開示する技術の実施形態について詳細に説明する。
SR送信を可能とすることで過剰な送信抑制を緩和でき、各端末が送信機会を増やすことが可能である。しかしその反面、SR送信を行なうことでシステム全体の干渉量が増加する問題が生じる。
例えば、ある端末がSR送信を行なうと、隣接セル信号のパケットを受信している端末へ干渉波が混入し、隣接セルでの通信品質の劣化を招く。一方で、周囲への影響(干渉量)を軽減すべく、前述したように送信電力を抑えるなどして送信機会を得る場合、今度は自身のパケットを受信する端末の受信電力が下がり、自セルでも通信品質の劣化を招く。
このようにシステム全体で通信品質が劣化すると、たとえ端末の送信機会が増えたとしても、システム全体でのスループット改善効果が低下してしまうおそれがある。
このため、SR送信を行なうことが可能である端末が複数存在する場合には、なるべく干渉源から遠く(若しくは、干渉源周辺に影響を与えないで)、且つ、受信機との距離が近い(若しくは、自身のパケット送信が干渉の影響を受けない)端末が送信機会を獲得することが望ましい、と本出願人は思料する。
しかしながら、現状では、SR送信を行なうことが可能である端末が複数存在する場合に、どの端末が送信機会を獲得するかを決定する具体的な方法が定められていない。仮にすべての端末が通常通りのバックオフを行なうと、強い干渉電力を受けている端末が送信機会を獲得してしまう可能性も十分あり、上述したように隣接セル信号への干渉波の混入や、自セル信号の送信電力を抑制による受信端末側の受信電力の低下といった事態が生じ易くなり、隣接セルでも自セルでも通信品質が劣化してしまいシステム全体のスループットが低下する要因となり得る。
例えば、端末同士のパケット衝突が発生したときに、基地局がキャプチャ機能を利用して各々の信号対干渉雑音比(Signal to Interference and Noise Ration:SINR)を計算して端末へ通知し、高いSINR値が通知された端末が固定バックオフを行なうことで送信機会を得易くする無線アクセス制御方法について提案されている(例えば、特許文献1を参照のこと)。リンク状態が良好な端末へ積極的に送信機会を与えるという狙いは上記と同じである。しかしながら、この無線アクセス制御方法では基地局がSINR測定結果を通知する必要があるのに対し、SR技術では干渉信号の送信時間内でSR送信を行なうことが前提となるため、このような通知のためのパケット交換を行なうとSR送信におけるスループットの改善につながらないことが懸念される。
そこで、本明細書では、自セル及び隣接セルでの通信品質の劣化を抑制しながらSR送信を行なうことでシステム全体のスループットを向上させるために、以下の技術(1)〜(4)を提案する。
(1)端末は、隣接セル信号から入手できる情報を用いてSR送信を行なう前に、新たなランダム・バックオフ(SRバックオフ)を行なうことで、パケット衝突を回避しつつ送信機会を獲得する。
(2)上記(1)に従ってSR送信を行なおうとする端末は、自身が受けている干渉電力の強さや送信先までの距離(伝搬損失)などの情報によって、SRバックオフ時間を調整することを可能とする。具体的には、受ける干渉電力の弱い端末ほど短い待ち時間を設定して、送信機会を獲得し易くする。
(3)SR送信によってパケット送信に成功した端末にペナルティを与えることで、特定の端末がSR送信によって送信機会を独占するのを防ぐことを可能とする。具体的には、SR送信によってパケット送信に成功した端末は、新たなバックオフを設定する際、追加バックオフ時間を設けて送信待ち時間を長くする。
(4)上記(2)又は(3)の少なくとも一方の技術を採用する場合において、端末がSRバックオフ時間を調整するために用いる情報を、基地局から通知することを可能とする。具体的には、基地局は、配下の端末の台数や各端末のスループット状況などに基づいて、SR送信時のバックオフ時間を決定するパラメータや、SR送信成功後の追加バックオフ時間を決定するパラメータを変更する命令信号を端末に送信する。
本明細書では、基地局や端末が、隣接セル信号を観測している状態でSR送信を行なうために設定するバックオフのことを「SRバックオフ」と呼び、SRバックオフを行なう時間のことを「SRバックオフ時間」と呼ぶ。なお、SR送信でない通常のパケット送信時(すなわち、隣接セル信号を観測していない状態で、隣接セル信号に関する情報に基づかずにパケットを送信するとき)に、従来技術通りに行なうバックオフのことを、以下では「従来バックオフ」とも呼び、SRバックオフとは区別する。
一般に、ランダムに決めたスロット数に、数マイクロ秒程度の1スロット時間を乗算して、送信待ち時間としてのバックオフ時間を求める。スロット数は、0からCW(Contention Window)値の間でランダムに決められる値である。CW値は、初期値(リセット時の値)をCWmin(CWの最小値)とし、パケット送信に失敗する度にCWmax(CWの最大値)に到達するまで増加していき、パケット送信に成功するとCWminにリセットされる。また、ある端末が送信待ち時間中に他の端末のパケット送信が開始されると、その端末は送信待ちを停止し、他の端末のパケット送信が終了した後に送信待ちを再開する。
上記のCWmin、CWmax、スロット時間などが、バックオフの時間を調整するために用いる情報、若しくは、バックオフ時間を決定するパラメータに相当する。SR送信時に設定するCWmin、CWmax、スロット時間などが、SRバックオフ時間を調整するために用いる情報、若しくは、SRバックオフ時間を決定するパラメータに相当するものと理解されたい。付言すれば、追加バックオフの有無並びに追加バックオフ時間に関する情報も、SRバックオフ時間を決定するパラメータに含まれるものとする。
本明細書では、上記の(1)及び(2)に関する技術を実施例1とし、(3)に関する技術を実施例2とし、(4)に関する技術を実施例3として、以下で詳細に説明する。実施例1では、隣接セル信号から入手できる情報を用いてSR送信を行なう端末は、自身が受けている干渉電力の強さや基地局までの距離(伝搬損失)などの情報によってSRバックオフ時間を調整することで、パケット衝突を回避しつつ送信機会を獲得する。また、実施例2並びに実施例3は、端末又は基地局がSRバックオフを行なってからSR送信を開始することを前提とする。実施例2では、SR送信に成功した端末が追加のバックオフ時間を設定することで、端末間の送信機会の均等化が図られる。また、実施例3では、基地局が、配下の端末の台数や各端末のスループット状況などに基づいて、各端末に対してSRバックオフ時間調整に用いるパラメータを設定する。
なお、以下で説明する実施例はいずれも、隣接セル信号の受信電力がOBSS−PD閾値以下のときにSR送信することを前提としているが、本明細書で開示する技術はこれに限定されるものではない。本明細書で開示する技術は、例えば、隣接セル信号のパケット内に記載されたSRパラメータ(前述)を基にしたSR送信や、干渉信号(隣接セル信号に限定されない)の情報を用いてパケット送信を行なう場合も含むものである。
図1には、本明細書で開示する技術が適用される無線LANシステムの構成例を示している。図示のシステムは、接続が確立された複数の基地局(AccessPoint:AP)と複数の端末(STAtion:STA)から構成され、周囲には隣接セル及び他システムなどの干渉源が存在する。
AP1は、配下のSTA1a及びSTA1bとともに自セル(BSS)を構成している。同様に、AP2は配下のSTA2aとともに自セルを構成し、AP3は配下のSTA3aとともに自セルを構成している。
図1においてセル並びに端末の配置について言及すると、AP2のセルとAP3のセルはいずれも、AP1のセルにとっての隣接セルとなり、受信可能範囲がオーバーラップしている。但し、AP2のセルとAP3のセルは隣接していないものとする。
同図中、矢印はパケットの送信方向を示している。実線の矢印の先は、パケットで指定された送信先を示している。また、点線の矢印の先は、パケットの送信先ではないが、パケットが到来していることを示している。したがって、AP1の配下のSTA1aにはAP2からの隣接セル信号が届くとともに、AP1の配下のSTA1bにはAP3からの隣接セル信号が届くことが示されている。
また、図1中では矢印で示していないが、STA1aからAP1への送信信号は、近くのAP2並びにSTA2aにも届く。同様に、STA1bからAP1への送信信号は、近くのAP3並びにSTA3aにも届く。
但し、実施例1に関する技術を適用可能な無線LANシステムの構成は図1に限定されるものではなく、接続が確立された複数の通信装置が存在し、それぞれの通信装置に対しに周囲端末として通信装置が存在していればよく、これら条件が満たされていればAPとSTAとの位置関係も問わない。
図2には、図1に示した無線LANシステムにおいて、AP並びにSTAとして動作することが可能な通信装置200の機能的構成を模式的に示している。図示の通信装置200は、通信部201と、制御部202と、記憶部203を備えている。
通信部201は、パケットの送受信を行なう。データの送受に関わるデータリンク層並びに物理層の信号処理全般は、この通信部201で実施されるものと理解されたい。例えば、通信部201は、隣接セル信号などの干渉信号の受信電力の測定を行なう。
制御部202は、通信部201にて使用される各種パラメータの設定を行なう。また、通信装置200が本実施形態におけるSTAとして動作する場合には、制御部202は、通常のパケット送信並びに従来バックオフの実行を制御する他、SR送信の有無の判定やSRバックオフの実行も制御する。
記憶部203は、通信部201で使用される測定結果や各種パラメータを保存する。通信装置200が本実施形態におけるSTAとして動作する場合には、SR送信並びにSRバックオフの設定に用いるパラメータも、一旦この記憶部203に格納される。
なお、後述する実施例2並びに実施例3においても、図2に示した通信装置200がAP並びにSTAとして動作することが可能であるものと理解されたい。
続いて、実施例1として、端末がSR送信を行なう前にSRバックオフを行ない、また、自身が受けている干渉電力の強さや送信先までの距離(伝搬損失)などの情報によって、SRバックオフ時間を調整する方法について説明する。なお、実施例1では、図1に示したような無線LANシステムの構成を想定するものとする。
図3には、図1に示した無線LANシステムにおける通信シーケンス例を示している。但し、図中の各横軸は時間軸であり、各々の四角は横軸上の位置に対応する時刻に送信されるパケットを示し、平行四辺形は送信待ち時間(バックオフ)を示している。また、パケットから縦方向に伸びる実線の矢印の先がパケットの送信先を示している。さらに、パケットから縦方向に伸びる点線の矢印の先は、パケットの送信先ではないが、パケットが到来していることを示している。図3に示す通信シーケンス例では、各端末は従来技術通りのバックオフ、すなわち従来バックオフを行なうものとする。
同図において、STA1aとSTA1bはいずれも、従来バックオフを設定して、送信待ち状態にあるものとする。そして、時刻T1に、送信待ち中のSTA1aとSTA1bが、AP2から送られた信号を受信するが、その信号内の情報(PHYヘッダ(PHY)に記載されたBSS識別子(BSS Color)など)に基づいて隣接セル信号であることを識別すると、さらにその受信電力がOBSS−PD閾値以下であることを確認して隣接セル信号の受信を打ち切り、それぞれSR送信を行なうために従来バックオフを続行する。
なお、OBSS−PD閾値を超える受信電力を観測したSTAは、SR送信が実施不可能である。この場合のSTAは、従来バックオフを停止し、隣接セル信号の送信が終了してから従来バックオフを再開するが、図3ではこのようなSTAの図示を省略する。
STA1aとSTA1bがともにSR送信を実施可能である場合に従来バックオフを行なうと、残バックオフ時間に応じては、AP2やSTA2aから遠いSTA1bではなく、AP2やSTA2aにより近いSTA1aが送信機会を獲得してしまう。時刻T2において、先に従来バックオフが終了したSTA1aがAP1へのSR送信を開始する。これに伴い、STA1bはAP1からSTA1aに対して確認応答(BA:Block Ack)パケットが返信されるまでの間はNAV(Network Allocation Vector)を設定して送信禁止状態となる。
ところが、AP2からSTA2aへの送信期間にオーバーラップするように、STA1aがAP1にパケットをSR送信すると、AP2からのパケットを受信中のSTA2aに対してより強い干渉電力がかかり、隣接セルのSTA2aの受信品質を大きく劣化させてしまう。
また、STA1aとSTA1bの各々が干渉電力に応じて送信電力を調整するアクセス手順を実行している場合には、AP2から強い干渉電力を受けるSTA1aはより送信電力を下げてSR送信しなくてはならないため、AP1の受信品質は大きく劣化してしまう。
したがって、STA1aとSTA1bがAP2からの隣接セル信号を観測した場合には、干渉源であるAP2からより遠くに位置する、若しくは受ける干渉電力の弱いSTA1bが送信機会を獲得するのが望ましい、と言うことができる。
その後、STA1aは、AP1へのパケット送信を終了してAP1からBAパケットを受信し、まだ送信パケットが存在する場合には、改めて従来バックオフを設定(リセット)する。また、STA1bは、NAVが終了すると、従来バックオフを再開する。続いて、時刻T3に、送信待ち中のSTA1aとSTA1bが、AP3から送られた信号を受信するが、その信号内の情報(PHYヘッダに記載されたBSS Colorなど)に基づいて隣接セル信号であることを識別すると、さらにその受信電力がOBSS−PD閾値以下であることを確認して隣接セル信号の受信を打ち切り、それぞれSR送信を行なうために従来バックオフを続行する。
この場合も、STA1aとSTA1bが従来バックオフを行なうと、残バックオフ時間に応じては、AP3やSTA3aから遠いSTA1aではなく、AP3やSTA3aに近いSTA1bが送信機会を獲得してしまう。特に図示の例では、STA1bは従来バックオフを再開しているのに対し、STA1aは直前にSR送信を実行したことに伴い従来バックオフをリセットするので、STA1bの方が残りのバックオフ時間が短く、STA1bが先にバックオフを終了して送信機会を得ることが予想される。
時刻T4において、先に従来バックオフが終了したSTA1bがAP1へのSR送信を開始するともに、STA1aはAP1からSTA1bに対してBAパケットが返信されるまでの間はNAVを設定して送信禁止状態となる。
ところが、AP3からSTA3aへの送信期間にオーバーラップするように、STA1bがAP1にパケットをSR送信すると、AP3からのパケットを受信中のSTA3aに対して強い干渉電力がかかり、隣接セルのSTA3aの受信品質を大きく劣化させてしまう。また、STA1aとSTA1bの各々が干渉電力に応じて送信電力を調整するアクセス手順を実行している場合には、AP3から強い干渉電力を受けるSTA1bはより送信電力を下げなくてはならないため、AP1の受信品質は大きく劣化してしまう。
したがって、STA1aとSTA1bがAP3からの隣接セル信号を観測した場合には、干渉源であるAP3からより遠くに位置する、若しくは、受ける干渉電力の弱いSTA1aが送信機会を獲得するのが望ましい、と言うことができる。
図4には、図1に示した無線LANシステムにおける他の通信シーケンス例を示している。但し、図中の各横軸は時間軸であり、各々の四角は横軸上の位置に対応する時刻に送信されるパケットを示し、平行四辺形は送信待ち時間(バックオフ)を示している(同上)。また、パケットから縦方向に伸びる実線の矢印の先がパケットの送信先を示している。さらに、パケットから縦方向に伸びる点線の矢印の先は、パケットの送信先ではないが、パケットが到来していることを示している(同上)。
図4に示す通信シーケンス例では、実施例1に係る技術を適用しており、各STAは、隣接セル信号を観測している状態でパケットの送信待ちを行なうときには新たにSRバックオフを設定するとともに、自身が観測する干渉電力の強さやAPとの距離(伝搬損失)などの情報によってSR送信時のバックオフ時間を調整するものとする。図4中、SRバックオフに相当する平行四辺形を斜線で塗り潰して示している。
同図において、STA1aとSTA1bはいずれも、従来バックオフを設定して、送信待ち状態にあるものとする。そして、時刻T1に、送信待ち中のSTA1aとSTA1bが、AP2から送られた信号を受信するが、その信号内の情報(PHYヘッダに記載されたBSS Colorなど)に基づいて隣接セル信号であることを識別すると、さらにその受信電力がOBSS−PD閾値以下であることを確認して隣接セル信号の受信を打ち切り、それぞれSR送信を行なうためのバックオフを開始する。
なお、OBSS−PD閾値を超える受信電力を観測したSTAは、SR送信が実施不可能である。この場合のSTAは、従来バックオフを停止し、隣接セル信号の送信が終了してから従来バックオフを再開するが、図4ではこのようなSTAの図示を省略する。
STA1aとSTA1bがともにSR送信を実施可能である場合には、従来バックオフを停止して、新たにSRバックオフをそれぞれ設定して、パケット送信を待機する。STA1aとSTA1bはそれぞれ、自身が観測する干渉電力の強さや、パケット送信先であるAPとの距離(伝搬損失)などの情報に応じて、SRバックオフ時間を調整する。図1並びに図4で想定しているシステム構成例では、STA1aがAP2から受ける干渉電力に比べて、STA1bがAP2から受ける干渉電力が弱い。したがって、STA1bの方がより短いSRバックオフ時間(「SRモード#1」とする)を設定する一方、STA1aは長いSRバックオフ時間(「SRモード#2」とする)を設定することになり、STA1bはSTA1aよりもSR送信のための送信機会を獲得し易くなる。
この結果、時刻T2において、先にSRバックオフが終了したSTA1bが送信機会を得て、AP1へのSR送信を開始する。また、STA1aはAP1からSTA1bに対してBAパケットが返信されるまでの間はNAVを設定して送信禁止状態となる。
このように干渉源であるAP2からより遠くに位置する、若しくは受ける干渉電力の弱いSTA1bが送信機会を獲得するので、AP2からSTA2aへの送信期間にオーバーラップするようにSTA1bがパケットを送信しても、隣接セルのSTA2aの受信品質の劣化を軽減することができる。
また、STA1aとSTA1bの各々が干渉電力に応じて送信電力を調整するアクセス手順を実行している場合においても、STA1bは、AP2からの弱い干渉電力を観測するので、自身の送信電力を大きく下げる必要はない。したがって、STA1bは、送信電力を下げることなくSR送信することが可能であり、AP1は良好な受信品質を保つことができる。
その後、STA1bは、AP1へのパケット送信を終了してAP1からBAパケットを受信し、まだ送信パケットが存在する場合には、改めて従来バックオフを設定(リセット)する。また、STA1aは、NAVが終了すると、従来バックオフを再開する。続いて、時刻T3に、送信待ち中のSTA1aとSTA1bが、AP3から送られた信号を受信するが、その信号内の情報(PHYヘッダに記載されたBSS Colorなど)に基づいて隣接セル信号であることを識別すると、さらにその受信電力がOBSS−PD閾値以下であることを確認して受信を打ち切り、それぞれSR送信を行なうためのバックオフを開始する。
この場合も、STA1aとSTA1bがともにSR送信を実施可能である場合には、従来バックオフを停止して、新たにSRバックオフをそれぞれ設定して、パケット送信を待機する。STA1aとSTA1bはそれぞれ、自身が観測する干渉電力の強さや、パケット送信先であるAPとの距離(伝搬損失)などの情報に応じて、SRバックオフ時間を調整する。この場合、STA1bがAP3から受ける干渉電力に比べて、STA1aがAP3から受ける干渉電力が弱いので、STA1aはより短いSRバックオフ時間(SRモード#1)を設定する一方、STA1bは長いSRバックオフ時間(SRモード#2)を設定することになり、今度はSTA1aがSTA1bよりもSR送信のための送信機会を獲得し易くなる。
この結果、時刻T4において、先にSRバックオフが終了したSTA1aが送信機会を得て、AP1へのSR送信を開始する。また、STA1bはAP1からSTA1aに対してBAパケットが返信されるまでの間はNAVを設定して送信禁止状態となる。
このように干渉源であるAP3からより遠くに位置する、すなわち受ける干渉電力の弱いSTA1aが送信機会を獲得するので、AP3からSTA3aへの送信期間にオーバーラップするようにSTA1aがパケットを送信しても、隣接セルのSTA3aの受信品質の劣化を軽減することができる。
また、STA1aとSTA1bの各々が干渉電力に応じて送信電力を調整するアクセス手順を実行している場合においても、STA1aは、AP3からの弱い干渉電力を観測するので、自身の送信電力を大きく下げる必要はない。したがって、STA1aは、送信電力を下げることなくSR送信することが可能であり、AP1は良好な受信品質を保つことができる。
要するに、図4に示した通信シーケンス例では、各端末が観測する干渉電力に応じて送信待ち時間を調整することで、システム全体の受信品質に大きな影響を与えず、且つ余剰な送信抑制を起こさないようにして、SR送信を行なうことができる。具体的には、SR送信を行なおうとする端末は、従来バックオフを停止して、SR送信用のランダムな待ち時間であるSRバックオフを追加する。また、端末は、自身が観測する干渉電力、又は、送信先であるAPとの距離(伝搬損失)に応じてSRバックオフ時間を調整することが可能である。
図5には、実施例1において、AP又はSTAが隣接セル信号を受信したときに、SRバックオフを設定するための処理手順をフローチャートの形式で示している。図示の処理手順は、例えば図2に示した機能的構成を備える通信装置200が、図1に示したような無線LANシステム内でAP又はSTAとして動作する際に、制御部203が中心となって実施する。
通信装置は、例えば、受信信号のパケットのPHYヘッダに記載された簡略化した形式のBSS Colorに基づいて、自セル信号と隣接セル信号とを識別することができる。なお、自セル信号が識別された場合には自セル信号用の処理が実施されるが、図5では自セル信号用の処理については図示せず、また以下では説明を省略する。
通信装置は、まず、受信した隣接セル信号に関する情報を取得して(ステップS501)、SR送信が実施可能であるかどうかを判別する(ステップS502)。
例えば、ステップS501では、隣接セル信号に関する情報として、その隣接セル信号の受信電力を取得する。そして、ステップS502では、受信電力が所定の検出閾値(OBSS−PD閾値)以下であれば、SR送信が実施可能であると判別する。
あるいは、ステップS501では、隣接セル信号のパケット内に含まれるSRパラメータと呼ばれる情報を取得する。そして、ステップS502では、隣接セルに所属する端末へ影響を与えないような送信電力を設定することが可能であれば、SR送信が実施可能であると判別する。
ここで、通信装置がSR送信を実施不可能であると判別した場合には(ステップS502のNo)、従来バックオフを停止して(ステップS506)、本処理ルーチンを終了する。この場合、隣接セル信号を観測しなくなると、従来バックオフを再開して、残りのバックオフ時間だけ送信待ちしてからパケットを送信開始する。
一方、通信装置がSR送信を実施可能であると判別した場合には(ステップS502のYes)、通信装置自身が観測する干渉電力や、SR送信でパケットを送信する相手までの距離に関する情報(伝搬損失など)に応じて、SRモードを決定する(ステップS503)。
本実施例では、SR送信を行なう際の隣接セルからの干渉電力の影響と、SR送信相手までの通信距離の組み合わせに応じて複数のSRモードが定義されている。SRモードは、SR送信を行なう際の、干渉源となる隣接セルの通信品質への影響並びに自セルの通信品質と対応関係がある。SRモード毎に、SRバックオフ時間を設定するための、CWmin、CWmax、スロット時間といったパラメータが対応付けられており(後述)、言い換えれば、SRモードに応じてSRバックオフ時間が設定される。隣接セルへの影響が強く又は自セルの通信品質が良好でないSRモードほど長いSRバックオフ時間が設定されるようにパラメータを設定するべきであるが、SRモードの詳細については後述に譲る。
次いで、通信装置は、選択したSRモードに対応付けられたSRバックオフ時間を決定する各パラメータを用いて、SRバックオフ時間を設定する(ステップS504)。
そして、通信装置は、設定したSRバックオフ時間により、SR送信のためのSRバックオフを開始して(ステップS505)、本処理ルーチンを終了する。その後、SRバックオフの期間中にメディア(使用する周波数チャネル上で)信号を検出しなければ、通信装置は送信機会を獲得して、SR送信によるパケット送信を行なう。
図6には、SRモード選択テーブルの構成例を示している。SR送信を行なう際の干渉電力の影響と、SR送信相手までの通信距離の組み合わせに応じて複数のSRモードが定義される。図6に示すSRモード選択テーブルは、行毎に干渉電力を区分するとともに列方向に通信距離を区分して、干渉電力と通信距離の組み合わせに応じたSRモードを示している。SRモードは、SR送信時における干渉電力の影響と、SR送信先までの距離を示す指標と言うこともできる。
STA又はAPとして動作する通信装置200は、例えばSRモード選択テーブルを記憶部203に記憶している。したがって、通信装置200は、図5に示したフローチャート中のステップS503において、このSRモード選択テーブルを参照することにより、自身が観測する干渉電力と、APとの通信距離に応じて、適当なSRモードを設定することができる。
但し、図6に示す数値は一例であり、これに限るものではない。さらに、図6においてはSTAがAPとの距離情報を保持していることを想定しているが、STAとAPがどれだけ離れているかを示す他の指標を通信距離と置き換えて、SRモード選択テーブルを構成することもできる。例えば伝搬損失やSTAがAPから送信されたビーコン信号の受信信号などを通信距離に置き換えることを以て、SRモードの選択を行なうようにしてもよい。
なお、図6に例示したSRモード選択テーブルは、干渉電力とSR送信相手までの通信距離の組み合わせに対応して定義されたSRモードの一覧を示しているが、その変形例として、干渉電力のみによって定義されたSRモードをリストしたSRモード選択テーブルや、SR送信相手までの通信距離のみによって定義されたSRモードをリストしたSRモード選択テーブルを挙げることもできる。また逆に、干渉電力と通信距離以外にも、SR送信を行なう際に隣接セルの通信品質の影響並びに自セルの通信品質に影響を及ぼすパラメータが存在する場合には、そのようなパラメータもさらに含めてSRモードを定義するようにしてもよい。
図6に示すSRモード選択テーブルでは、干渉電力の強さ又は通信距離に応じてモード番号が上り順に割り振られている。隣接セルへの影響が強く又は自セルの通信品質が良好でないSRモードほど長いSRバックオフ時間が設定されるようにパラメータを設定するべきである。したがって、モード番号が小さいSRモードに対しては短いSRバックオフ時間を設定し、モード番号が大きいSRモードに対しては長いSRバックオフ時間を設定するべきである。
図7には、SRモード毎のパラメータ設定テーブルの構成例を示している。パラメータ設定テーブルは、SRモード毎にSRバックオフ時間を設定するための各パラメータを示した早見表である。パラメータは、固定値からなるデフォルト・パラメータと、カウントして値が逐次更新されるカウント・パラメータからなる。
STAとして動作する通信装置200は、SRモード毎のSRバックオフ時のコンテンション・ウィンドウ(CW)の最小値(以下、「SR_CWmin」とする)と最大値(以下、「SR_CWmax」とする」、並びにスロット時間(Slot Time)を、SRモード毎のパラメータ設定テーブルのデフォルト・パラメータとして記憶部203に記憶している。
通信装置200は、図5に示したフローチャート中のステップS504において、記憶部203に記憶されているパラメータ設定テーブルから、ステップS503で設定したSRモードに対応するSR_CWmin、SR_CWmax、並びに、スロット時間の各パラメータ値を読み出して、(自身が観測する干渉電力と、APとの通信距離との組み合わせに応じた)、SRバックオフ時間を設定することができる。基本的には、SR_CWminを初期値としてSR送信に失敗する度にSR_CWmaxに到達するまでSR_CW値を増加していき、0からSR_CW値の間で決められるランダム値にスロット時間を乗算して、SRバックオフ時間が求まるものとする。
図7に示すように、SRモード♯1→♯2→♯3の順にSR_CWminの値を高く設定することで、SRモード#1を選択したSTAのSRバックオフ時間と比べ、SRモード#3を選択したSTAのSRバックオフ時間を長くできるよう設定している。すなわち、強い干渉電力を受けたSTAほどSRバックオフ時間を長くしなければならないという観点から、モード番号が小さいSRモードに対しては短いSRバックオフ時間を設定し、モード番号が大きいSRモードに対しては長いSRバックオフ時間を設定することができる。
また、図7に示すように、通信装置200は、さらに各SRモードにおけるパケット送信の失敗回数などのカウント・パラメータを記憶する領域を設けて、SRモード毎にパケットの送信失敗回数をカウントし管理するようになっている。但し、図7中のSRモード#0は、SRバックオフの追加を行なわず、従来バックオフのみによってSR送信を行なうことを可能とするモードである。付言すれば、通信装置200は、隣接セル信号を観測しない状態で(従来バックオフにより)パケットを送信したときの送信失敗回数を、SR送信したときの(SRモード毎の)送信失敗回数と分けてカウントし管理するようにもなっている。バックオフ時間の計算に使用するランダム値を求める範囲が送信失敗回数に応じて拡大するという観点から、カウント・パラメータもSRバックオフ時間を決定するパラメータに含まれる。
なお、SR_CWmin、SR_CWmaxやSlot Timeの各デフォルト・パラメータの値は、図7で定める値に限らず、SRモード毎に異なる値を設定してもよい。また、図7に示したデフォルト・パラメータ及びカウント・パラメータ以外にも、SRバックオフ時の送信待ち時間を調整できるパラメータがあれば、SRモード毎に設定してもよい。
図8には、実施例1において、通信装置がパケット送信終了後に行なう処理手順をフローチャートの形式で示している。例えば図2に示した機能的構成を備える通信装置200が、図1に示したような無線LANシステム内でSTAとして動作する際に、制御部203が中心となってこの処理手順を実施する。
STAは、パケット送信を終了した際(ステップS801)、SR送信を行なったのか否かをチェックする(ステップS802)。
STAがSR送信ではなく、通常のパケット送信を行なっていた場合には(ステップS802のNo)、そのパケット送信に成功したか否かをさらにチェックする(ステップS808)。パケット送信に成功したか否かは、STAが送信先のAPから確認応答(BA)パケットが返信されたか否かで判断することができる。
通常のパケット送信が成功した場合には(ステップS808のYes)、STAは、通常のパケット送信時の送信失敗回数を0にリセットする(ステップS809)。また、通常のパケット送信が失敗した場合には(ステップS808のNo)、STAは、通常のパケット送信時の送信失敗回数を1だけインクリメントする(ステップS810)。
一方、STAがSR送信を行なっていた際には(ステップS802のYes)、SRモード毎に送信失敗回数を管理する。具体的には、STAは、SR送信に成功したか否かをさらにチェックする(ステップS803)。SR送信に成功したか否かは、STAが送信先のAPから確認応答(BA)パケットが返信されたか否かで判断することができる。
SR送信に成功した場合には(ステップS803のYes)、STAは、そのときのSRモードの送信失敗回数を0にリセットする(ステップS804)。また、SR送信に失敗した場合には(ステップS803のNo)、STAは、そのときSRモードの送信失敗回数を1だけインクリメントする(ステップS807)。
次いで、STAは、バックオフ時間を設定する(ステップS805)。従来バックオフの場合には、送信失敗回数に応じてCW値を決めて、0からCW値の間のランダム値に(通常送信時の)スロット時間を乗算して、バックオフ時間を求める。CW値は、CWminを初期値として、送信失敗回数に応じてCWmaxまで増加していく。また、通常のパケット送信に成功すると(ステップS808のYes)、送信失敗回数が0にリセットされるので(ステップS809)、その結果CW値もCWminにリセットされる。
また、SRバックオフの場合には、ステップS805では、SRモード毎の送信失敗回数に応じてSR_CW値を決めて、0からSR_CW値の間のランダム値に(SR送信時の)スロット時間を乗算して、SRバックオフ時間を求める。SR_CW値は、SR_CWminを初期値として、送信失敗回数に応じてSR_CWmaxまで増加していく。また、SR送信によるパケット送信に成功すると(ステップS803のYes)、SRモード毎にカウントしている送信失敗回数が0にリセットされるので(ステップS804)、その結果SR_CW値もSR_CWminにリセットされる。ステップS805の処理は、図5に示したフローチャート中のステップS504内で実施される処理に相当する。
そして、送信データが発生したときには、AIFS(Arbitarian Inter Frame Space)が経過してから、STAは、ステップS805で設定したバックオフ時間又はSRバックオフ時間にてバックオフを開始する(ステップS806)。
ステップS806は、図5に示したフローチャート中のステップS505内で実施される処理に相当する。隣接セル信号を観測しない状態のときには、STAは、従来バックオフとして求めたバックオフ時間でバックオフを開始する。そして、このバックオフが終了したら、通常のパケット送信を行なう。また、STAは、隣接セル信号を観測している状態であるが、その受信電力がOBSS−PD閾値以下である場合には、干渉電力とAPまでの距離に応じてSRモードを設定し、対応するSRモードに対して求めたSRバックオフ時間でバックオフを開始する。そして、このバックオフが終了したら、SR送信を行なう。
図8に示した処理手順は、STAとして動作する通信装置が次の送信機会を得るためのバックオフを開始するために実施されるが、通常のパケット送信時とSR送信時に分けて送信失敗回数をカウントする点、並びに、SRモード毎に送信失敗回数をカウントするという点などに特徴がある。
STAがSRモード毎に送信失敗回数を管理することで、SRモード毎に送信失敗回数に応じたSR_CW値が設定されることになる。すなわち、STAは、SR送信時の送信待ち時間を、SRモード毎のパケット送信成功率によって制御することが可能となる。
例えば、STAが、受ける干渉電力が強く、送信電力を大幅に下げてSR送信を行なうとき(すなわち、バックオフ時間が長くなる設定のSRモードを選択したとき)、SR送信によってパケット送信が失敗した際には、SR送信時の待ち時間をより長くすることでSR送信での送信機会を得難くする代わりに、受ける干渉電力が弱く、送信電力をあまり下げずにSR送信を行なうとき(すなわち、バックオフ時間が短くなる設定のSRモードを選択したとき)の送信機会を確保することができる。また、通常状態(すなわち、隣接セル信号がない状態)での送信失敗回数は変化しないため、通常のパケット送信時には積極的に送信機会を得易くすることにもなる。
また、STAは、通常のパケット送信時とSR送信時に分けて送信失敗回数をカウントすることで、干渉電力が強いSRモード下でのパケット送信成功率が低くなり、SR送信時の待ち時間が長く設定されることでSR送信での送信機会を得難くなってしまった場合でも、通常状態(すなわち、隣接セル信号がない状態)での送信失敗回数は変化しないため、通常のパケット送信時には積極的に送信機会を確保することができる。通常のパケット送信での送信機会を確保するという観点では、通常のパケット送信時とSR送信時の2通りに分けて送信失敗回数をカウントすれば十分であり、すべてのSRモードの送信失敗回数を1つにまとめてカウントするようにしてもよい。
要するに、実施例1によれば、隣接セル信号から入手できる情報を用いてSR送信を行なうSTAは、自身が受けている干渉電力の強さやAPまでの距離(伝搬損失)などの情報によってSRバックオフ時間を調整することで、セル内外のパケット衝突を回避しつつ送信機会を獲得することができる。
実施例2は、上述した実施例1の応用として、SR送信によってパケット送信に成功した端末に対して、追加バックオフ時間を設けてペナルティを与える方法である。
図9には、実施例2に係る技術が適用される無線LANシステムの構成例を示している。図示のシステムは、接続が確立された複数の基地局(AP)と複数の端末(STA)から構成され、周囲には隣接セル及び他システムなどの干渉源が存在する。
AP1は、配下のSTA1a及びSTA1bとともに自セル(BSS)を構成している。同様に、AP2は配下のSTA2aとともに自セルを構成している。セル並びに端末の配置について言及すると、AP2のセルはAP1のセルにとっての隣接セルとなり、受信可能範囲がオーバーラップしている。
同図中、矢印はパケットの送信方向を示している。実線の矢印の先は、パケットで指定された送信先を示している。また、点線の矢印の先は、パケットの送信先ではないが、パケットが到来していることを示している。例えば、AP1の配下のSTA1a及びSTA1bからのUL(アップリンク)信号は、AP1に届く。また、AP2から配下のSTA2aにDL(ダウンリンク)信号を送信した際には、STA1a並びにSTA1bにも隣接セル信号として届く。図示の例では、STA1aの方がSTA1bよりもAP2に近い位置にいることを想定している。
STA1a並びにSTA1bは、AP2からの隣接セル信号を観測している状態であっても、その隣接セル信号に関する情報(例えば、隣接セル信号の受信電力がOBSS−PD閾値以下であること、又は、隣接セル信号のパケットに記載されているSRパラメータ)に基づいて、AP1へのUL信号をSR送信することができる。
但し、実施例2に関する技術を適用可能な無線LANシステムの構成は図9に限定されるものではなく、接続が確立された複数の通信装置が存在し、それぞれの通信装置に対しに周囲端末として通信装置が存在していればよく、これら条件が満たされていればAPとSTAとの位置関係も問わない。なお、AP並びSTAはいずれも、図2に示した通信装置200と同様の構成を備えるものとする。
図10には、図9に示した無線LANシステムにおける通信シーケンス例を示している。但し、図中の各横軸は時間軸であり、各々の四角は横軸上の位置に対応する時刻に送信されるパケットを示し、平行四辺形は送信待ち時間(バックオフ)を示している。また、パケットから縦方向に伸びる実線の矢印の先がパケットの送信先を示している。さらに、パケットから縦方向に伸びる点線の矢印の先は、パケットの送信先ではないが、パケットが到来していることを示している。
図10に示す通信シーケンス例では、基本的には実施例1に係る技術を適用しており、各STAは、隣接セル信号を観測している状態でパケットの送信待ちを行なうときには新たにSRバックオフを設定するとともに、自身が観測する干渉電力の強さやAPとの距離(伝搬損失)などの情報によってSR送信時のバックオフ時間を調整するものとする。図10中、SRバックオフに相当する平行四辺形を斜線で塗り潰して示している。但し、同通信シーケンス例では、実施例2に係る技術は適用されていないものとする。
同図において、STA1aとSTA1bはいずれも、従来バックオフを設定して、送信待ち状態にあるものとする。そして、時刻T1に、送信待ち中のSTA1aとSTA1bが、AP2から送られた信号を受信するが、その信号内の情報(PHYヘッダに記載されたBSS Colorなど)に基づいて隣接セル信号であることを識別すると、さらにその受信電力がOBSS−PD閾値以下であることを確認して受信を打ち切り、それぞれSR送信を行なうためのバックオフを開始する。
STA1aとSTA1bがともにSR送信を実施可能である場合には、従来バックオフを停止して、新たにSRバックオフをそれぞれ設定して、パケット送信を待機する。STA1aとSTA1bはそれぞれ、自身が観測する干渉電力の強さや、パケット送信先であるAPとの距離(伝搬損失)などの情報に応じて、SRバックオフ時間を調整する。図9並びに図10で想定しているシステム構成例では、STA1aの方がSTA1bよりもAP2に近い位置にいるため、STA1aがAP2から受ける干渉電力に比べて、STA1bがAP2から受ける干渉電力が弱い。したがって、STA1bの方がより短いSRバックオフ時間を設定する一方、STA1aは長いSRバックオフ時間を設定することになり、STA1bはSTA1aよりも送信機会を獲得し易くなる。
この結果、時刻T2において、先にSRバックオフが終了したSTA1bが送信機会を得て、AP1へのSR送信を開始する。また、STA1aはAP1からSTA1bに対してBAパケットが返信されるまでの間はNAVを設定して送信禁止状態となる。STA1bがSR送信によるパケット送信を行なうことで、隣接セルのSTA2aの受信品質の劣化を軽減することができる。また、干渉電力に応じて送信電力を調整するアクセス手順を実行している場合においても、STA1bは送信電力を大きく下げることなくSR送信することができるので、AP1は良好な受信品質を保つことができる。
その後、STA1bは、AP1へのパケット送信を終了してAP1からBAパケットを受信し、まだ送信パケットが存在する場合には、改めて従来バックオフを設定(リセット)する。このとき、STA1bは、パケット送信に成功したことによりCW値をCWminにリセットしている。したがって、STA1bは、0からCWminの間のランダム値にスロット時間を乗算して得られるバックオフ時間を設定する。また、STA1aは、NAVが終了すると、AP2からの隣接セル信号を受信したことにより停止していた従来バックオフを再開する。
ここで、STA1bが設定した従来バックオフ時間次第では、従来バックオフを再開したSTA1aの残りのバックオフ時間よりも短くなり、再びSTA1bが送信権を獲得することも考えられる。すなわち、図示のように時刻T3において、先に従来バックオフが終了したSTA1bがAP1への通常のパケット送信を開始する。また、STA1aはAP1からSTA1bに対してBAパケットが返信されるまでの間はNAVを設定して送信禁止状態となる。
なお、AP2並びにSTA2aも、このときのSTA1bからの隣接セル信号の受信電力がOBSS−PD閾値を超えるとき、又はSR送信に対応していない場合には、同様にNAVを設定して、AP1からSTA1bに対してBAパケットが返信されるまでの間は送信禁止状態になる。
このようにSR送信に成功したSTAが通常のパケット送信時でも連続して送信権を獲得するというケースが多発すると、特定のSTAがSR送信においても通常パケット送信においても送信機会を占有して、他のSTAの送信機会は失われるという不公平な通信状態になってしまい、システム全体としてはスループットが低下する。
そこで、実施例2では、SR送信によってパケット送信に成功した端末に対して、追加バックオフ時間を設けてペナルティを与えることによって、STA間で送信機会の公平を図るようにしている。
図11には、図9に示した無線LANシステムにおける他の通信シーケンス例を示している。但し、図中の各横軸は時間軸であり、各々の四角は横軸上の位置に対応する時刻に送信されるパケットを示し、平行四辺形は送信待ち時間(バックオフ)を示している。また、パケットから縦方向に伸びる実線の矢印の先がパケットの送信先を示している。さらに、パケットから縦方向に伸びる点線の矢印の先は、パケットの送信先ではないが、パケットが到来していることを示している。
図11に示す通信シーケンス例では、実施例1に係る技術を適用しており、各STAは、隣接セル信号を観測している状態でパケットの送信待ちを行なうときには新たにSRバックオフを設定するとともに、自身が観測する干渉電力の強さやAPとの距離(伝搬損失)などの情報によってSR送信時のバックオフ時間を調整するものとする。図11中、SRバックオフに相当する平行四辺形を斜線で塗り潰して示している。また、同通信シーケンス例では、実施例2に係る技術も適用されており、SR送信によってパケット送信に成功した端末に対して、追加バックオフ時間を設けてペナルティが与えられる。
同図において、STA1aとSTA1bはいずれも、従来バックオフを設定して、送信待ち状態にあるものとする。そして、時刻T1に、送信待ち中のSTA1aとSTA1bが、AP2から送られた信号を受信するが、その信号内の情報(PHYヘッダに記載されたBSS Colorなど)に基づいて隣接セル信号であることを識別すると、さらにその受信電力がOBSS−PD閾値以下であることを確認して受信を打ち切り、それぞれSR送信を行なうためのバックオフを開始する。
STA1aとSTA1bがともにSR送信を実施可能である場合には、従来バックオフを停止して、新たにSRバックオフをそれぞれ設定して、パケット送信を待機する。STA1aとSTA1bはそれぞれ、自身が観測する干渉電力の強さや、パケット送信先であるAPとの距離(伝搬損失)などの情報に応じて、SRバックオフ時間を調整する。図9並びに図11で想定しているシステム構成例では、STA1aの方がSTA1bよりもAP2に近い位置にいるため、STA1aがAP2から受ける干渉電力に比べて、STA1bがAP2から受ける干渉電力が弱い。したがって、STA1bの方がより短いSRバックオフ時間を設定する一方、STA1aは長いSRバックオフ時間を設定することになり、STA1bはSTA1aよりも送信機会を獲得し易くなる。
この結果、時刻T2において、先にSRバックオフが終了したSTA1bが送信機会を得て、AP1へのSR送信を開始する。また、STA1aは、AP1からSTA1bに対してBAパケットが返信されるまでの間はNAVを設定して送信禁止状態となる。STA1bがSR送信によるパケット送信を行なうことで、隣接セルのSTA2aの受信品質の劣化を軽減することができる。また、干渉電力に応じて送信電力を調整するアクセス手順を実行している場合においても、STA1bは送信電力を大きく下げることなくSR送信することができるので、AP1は良好な受信品質を保つことができる。
STA1aは、NAVが終了すると、AP2からの隣接セル信号を受信したことにより停止していた従来バックオフを再開する。一方、STA1bは、AP1へのパケット送信を終了してAP1からBAパケットを受信し、まだ送信パケットが存在する場合には、改めて従来バックオフを設定(リセット)する。このとき、STA1bは、パケット送信に成功したことによりCW値をCWminにリセットしているが、追加バックオフ時間を設けてペナルティが与えられる。図11中、追加バックオフに相当する平行四辺形をドットで塗り潰して示している。
具体的には、STA1bは、0からCWminの間で決められたランダム値に所定値αを加えた値にスロット時間を乗算して得られる追加バックオフ時間を設定する。ここで、αは正の整数であり、αにスロット時間を乗算した時間が追加バックオフ時間に相当する。αは固定値でもよく、あるいはSTAがSR送信に成功した回数やその他の通信状況などに応じて変化する可変値であってもよい。STAがSR送信に失敗したときにはαを0にすると捉えてもよい。あるいは、αは負の整数でもよい。αが正の値であれば、追加バックオフを設定するSTAが送信機会を獲得する際のハンディキャップとなり、他のSTAにとってアドバンテージとなるが、αが負の値であれば、逆に追加バックオフを設定するSTAにとってアドバンテージになる。
SR送信にてパケット送信に成功したSTA1bは、この追加バックオフにより、従来バックオフを再開したSTA1aの残りのバックオフ時間よりも長いバックオフ時間を設定することにより、SR送信を行なうことができなかったSTA1aに通常のパケット送信時の送信機会を譲ることが可能になる。すなわち、図示のように時刻T3´において、先に従来バックオフが終了したSTA1aがAP1への通常のパケット送信を開始する。また、STA1bはAP1からSTA1aに対してBAパケットが返信されるまでの間はNAVを設定して送信禁止状態となる。なお、AP2並びにSTA2aも、このときのSTA1aからの隣接セル信号の受信電力がOBSS−PD閾値を超えるとき、又はSR送信に対応していない場合には、同様にNAVを設定して、AP1からSTA1aに対してBAパケットが返信されるまでの間は送信禁止状態になる。
このように、SR送信にてパケット送信に成功したSTAは、追加バックオフというペナルティが与えられることにより、隣接セル信号による干渉を受けない状態で通常のパケット送信を行なう際には、他のSTAに送信機会を譲ることが可能となる。したがって、SR送信を適用するセル内において、特定のSTAが送信機会を独占することを防ぎ、STA間で送信機会の公平を図ることができる。
なお、SR送信に成功したSTAに対して必ず追加バックオフ時間を設ける必要はない。自セルが隣接セルから干渉を受けている状況など、通信環境に応じて、SR送信にてパケット送信に成功したSTAに対して追加バックオフを与えるか否かを判別したり、追加バックオフ時間の具体的な数値を決定したりするようにしてもよい。
例えば、STAが直前のSR送信に成功したか否かでバックオフ時間を設けてもよく、あるいは過去数回分のSR送信の成功回数(又は失敗回数)を記憶しておき、それらに応じて追加バックオフ時間を調整するようにしてもよい。
また、追加バックオフが課されることによってSR送信にてパケット送信に成功したSTAがむしろ不利になるような状況では、追加バックオフを与えないようにしてもよい。また、SRモード毎に追加バックオフを設定するようにしてもよい。
また、STAは、隣接セル信号から入手できる情報(隣接セル信号の受信電力や、パケット内に記載されているSRパラメータ)や、その他の周囲環境に基づいて、追加バックオフ時間を設定したり、追加バックオフ時間を設定するか否かを決定したりするようにしてもよい。具体的には、STAは、隣接セル信号のパケットに記載されている、そのパケット送信時に設定したバックオフ時間や、バックオフ時間を決定する際に使用したパラメータなどの情報に基づいて、自分の追加バックオフ時間を設定するようにしてもよい。
状況によっては、STAは、直前のSR送信に成功し、又は過去数回分のSR送信でパケット送信成功率が高かった場合であっても、追加バックオフ時間を設定しない、あるいは短い追加バックオフ時間を設定するということもあり得る。
図12には、実施例2において、通信装置がパケット送信終了後に行なう処理手順をフローチャートの形式で示している。例えば図2に示した機能的構成を備える通信装置200が、図9に示したような無線LANシステム内でSTAとして動作する際に、制御部203が中心となってこの処理手順を実施する。
STAは、パケット送信を終了した際(ステップS1201)、SR送信を行なったのか否かをチェックする(ステップS1202)。
STAがSR送信ではなく、通常のパケット送信を行なっていた場合には(ステップS1202のNo)、STAは、そのパケット送信に成功したか否かをさらにチェックする(ステップS1208)。パケット送信に成功したか否かは、STAが送信先のAPから確認応答(BA)パケットが返信されたか否かで判断することができる。
通常のパケット送信が成功した場合には(ステップS1208のYes)、STAは、通常のパケット送信時の送信失敗回数を0にリセットする(ステップS1209)。また、通常のパケット送信が失敗した場合には(ステップS1208のNo)、STAは、通常のパケット送信時の送信失敗回数を1だけインクリメントする(ステップS1210)。
一方、STAがSR送信を行なっていた際には(ステップS1202のYes)、SRモード毎に送信失敗回数を管理する。具体的には、STAは、SR送信に成功したか否かをさらにチェックする(ステップS1203)。SR送信に成功したか否かは、STAが送信先のAPから確認応答(BA)パケットが返信されたか否かで判断することができる。
SR送信に失敗した場合には(ステップS1203のNo)、STAは、そのときSRモードの送信失敗回数を1だけインクリメントする(ステップS1207)。
一方、SR送信に成功した場合には(ステップS1203のYes)、STAは、そのときのSRモードの送信失敗回数を0にリセットするとともに(ステップS1204)、追加バックオフ時間を設定する(ステップS1211)。具体的には、0からCWminの間で決められたランダム値に加える所定値α(前述)を設定することで、追加バックオフ時間を設定することができる。
また、ステップS1211は、SR送信にてパケット送信に成功したSTAに対して追加バックオフを与えるか否かを判別する処理を含んでいてもよい。例えば、追加バックオフが課されたことによってSR送信にてパケット送信に成功したSTAがむしろ不利になるような通信環境では、追加バックオフを与えないようにしてもよい。上記の値α=0に設定すれば、追加バックオフを与えないことになる。
次いで、STAは、バックオフ時間を設定する(ステップS1205)。従来バックオフの場合には、送信失敗回数に応じてCW値を決めて、0からCW値の間のランダム値に(通常送信時の)スロット時間を乗算して、バックオフ時間を求める。CW値は、CWminを初期値として、送信失敗回数に応じてCWmaxまで増加していく。また、通常のパケット送信に成功すると(ステップS1208のYes)、送信失敗回数が0にリセットされるので(ステップS1209)、その結果CW値もCWminにリセットされる。
また、SRバックオフの場合には、ステップS1205では、SRモード毎の送信失敗回数に応じてSR_CW値を決めて、0からSR_CW値の間のランダム値に(SR送信時の)スロット時間を乗算して、SRバックオフ時間を求める。SR_CW値は、SR_CWminを初期値として、送信失敗回数に応じてSR_CWmaxまで増加していく。また、SR送信によるパケット送信に成功すると(ステップS1203のYes)、SRモード毎にカウントしている送信失敗回数が0にリセットされるので(ステップS1204)、その結果SR_CW値もSR_CWminにリセットされる。ステップS1205の処理は、図5に示したフローチャート中のステップS504内で実施される処理に相当する。
そして、送信データが発生したときには、AIFSが経過してから、STAは、ステップS1205で設定したバックオフ時間にてバックオフを開始する(ステップS1206)。
ステップS1206は、図5に示したフローチャート中のステップS505内で実施される処理に相当する。隣接セル信号を観測しない状態のときには、STAは、従来バックオフとして求めたバックオフ時間でバックオフを開始する。そして、このバックオフが終了したら、通常のパケット送信を行なう。また、STAは、隣接セル信号を観測している状態であるが、その受信電力がOBSS−PD閾値以下である場合には、干渉電力とAPまでの距離に応じてSRモードを設定し、対応するSRモードに対して求めたSRバックオフ時間でバックオフを開始する。そして、このバックオフが終了したら、SR送信を行なう。
図12に示した処理手順は、SR送信に成功したときにのみ追加バックオフが設けられ、通常のパケット送信に成功したときには追加バックオフが設けられない点、並びに、SRモード毎に追加バックオフを設定するという点などに特徴がある。
SR送信に成功したSTAに対して追加バックオフが設けられるので、SR送信を実施できない(若しくは、通常のパケット送信のみを行なう)STAは、不利を解消して、SR送信を行なう他のSTAとの間で送信機会の公平を図ることができる。
また、STAがSRモード毎に追加バックオフを設けることで、干渉電力が弱くパケット送信成功率が高いSRモードでパケット送信に成功したときには追加バックオフを設定することにより他のSTAとの送信機会の公平を図ることができる。逆に、干渉電力が強くパケット送信成功率が低いSRモードでは、他のSRモードでパケット送信に成功したことにより追加バックオフが設けられることはなく、不利にならずに済む。
要するに、実施例2では、端末は、隣接セル信号を観測している状態では、SRバックオフを行なってからSR送信を開始するが、SR送信に成功したときには、その直後にバックオフを設定又は再開する際に、ペナルティとしての追加バックオフ時間を設定することで、端末間の送信機会の均等化が図られる。
実施例3は、APが、配下のSTAの台数や各端末のスループット状況などに基づいて、各STAに対してSRバックオフ時間調整に用いるパラメータを設定する方法である。
SRバックオフ時間調整に用いるパラメータは、具体的には、SRモード毎に設定した、SRバックオフ時のコンテンション・ウィンドウの最小値SR_CWmin及び最大値SR_CWmax、並びにスロット時間(Slot Time)などである。さらに、SR送信によるパケット送信時に追加バックオフを設けるか否かを指定するフラグ(Extra backoff flag)や、追加バックオフ時間の値に関する情報(Extra backoff Time)を含めることもできる。さらにこれら以外の情報を含めることもできる。
また、APは、AC(Access Category)レベル毎に、これらのSRバックオフ時間調整に用いるパラメータを設定するようにしてもよい。
例えばIEEE802.11e規格では、QoS(Quality of Service)機能の提供を目的としてEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)を規定し、パケットを4つのACに分類して各キューに格納し、AC毎の優先度に応じて送信する仕組みが採用されている。ここで言う4つのACは、AC_VO(Voice)、AC_VI(Video)、AC_BE(Best Effort)、AC_BK(Background)である。
APは、例えば、IEEE802.11規格内のアクション・フレームを拡張して、配下の各STAに対して、SRバックオフ時間調整に用いるパラメータを通知することができる。
図13には、APが配下の各STAに対して、SRバックオフ時間調整に用いるパラメータを通知するために用いるフレームの構成例を示している。
同図において、Categoryは、ACレベルを指定する1オクテット(8ビット)のフィールドである。また、SR modeは、通知の対象となるSRモードを指定する1オクテットのフィールドである。また、Interference Level Limitは、許容される干渉レベルの限界値を指定する1オクテットのフィールドである。
SR mode parameterは、SRバックオフ時間調整に用いる各種パラメータを記載する、可変長のフィールドである。図示の例では、SRモード毎に設定した、SRバックオフ時のコンテンション・ウィンドウの最小値SR_CWmin及び最大値SR_CWmax、並びにスロット時間(Slot Time)、SR送信によるパケット送信時に追加バックオフを設けるか否かを指定するフラグ(Extra backoff flag)、追加バックオフ時間に関する情報(Extra backoff Time)の各々を記載するフィールドが設けられている。勿論、さらにこれら以外の情報を記載するフィールドを、SR mode parameterフィールド内に設けてもよい。
なお、APが配下の各STAにSRバックオフ時間調整に用いるパラメータを通知するフレーム構成は、図13に限定されるものではない。同様の情報を伝送する限りにおいて、図示した以外のアクション・フレームの構成であってもよい。また、アクション・フレームではなく、ネットワーク情報を報知するビーコン・フレームやその他のマネジメント・フレームを拡張して、SRバックオフ時間調整に用いるパラメータを通知するようにすることもできる。
APは、自セルの通信環境などに応じてSRバックオフ時間調整に用いる各パラメータを設定して、上記のようなアクション・フレーム(若しくは、ビーコン・フレームやマネジメント・フレーム)を用いて配下のSTAに通知して、SRバックオフ時間を設定させる。
APは、基本的には、自セル内(若しくは、隣接セルを含んだシステム全体)のスループットが最大となるように、SRバックオフ時間調整に用いる各パラメータを柔軟に設定する。例えば、APは、配下のSTAの台数が多くなってきたと判断した場合には、SR送信のパケット衝突を防ぐために、SR_CWminの値を大きくする。また、ある特定のSTAからのパケット送信が多いと判断した場合には、追加バックオフ・フラグを1にして、SR送信によるパケット送信に成功したSTAの送信権の獲得を抑制して、自セル内の各STAの送信機会が均等になるようにする。
一方、STAは、基本的には、APから通知されたSRバックオフ時間調整に用いる各パラメータに従って、パケットをSR送信する際のSRバックオフ時間を設定する。但し、STAは、APから上記の通知フレームを受信はするが、自分の裁量でSRバックオフ時間を設定するというネットワークの運用も考えられる。
要するに、実施例3では、基地局が、配下の端末の台数や各端末のスループット状況などに基づいて、各端末に対してSRバックオフ時間調整に用いるパラメータを設定することにより、システム全体のスループットの向上と端末間の送信機会の均等化を図りながら、SR送信を促進することができる。
これまで各実施例について説明してきたが、本明細書で開示する技術によれば、次のような効果が期待できるということを十分理解されたい。
STAは、観測する干渉電力に応じてSR送信する際の送信待ち時間を調整することで、隣接セル及び自セルを含む全体の通信品質に大きな影響を与えることなく、且つ、余剰な送信抑制を起こさないような送信制御が可能となる。
また、SR送信に成功したSTAには、追加バックオフを設けるなどのペナルティが与えられるので、SR送信では送信機会を得ることができなかった他のSTAは、干渉信号が観測されない状況では優先して送信機会を獲得することができる。したがって、各STAが均等に送信機会を獲得することができるようになり、システム全体でのスループットが改善される。
但し、本明細書で開示する技術の要旨を逸脱しない範囲で、当業者が上記の各実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書で開示する技術は、例えばIEEE802.11ax規格に従う無線LANシステムに好適に適用することができるが、本明細書で開示する技術の要旨はこれに限定されるものではない。本明細書で開示する技術は、隣接セル信号から入手できる情報を用いて、端末が隣接セル信号を核即した状態でもパケット送信を行なうSR技術を利用するさまざまなネットワーク・システムに適用することができる。
要するに、例示という形態により本明細書で開示する技術について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本明細書で開示する技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
なお、本明細書の開示の技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信する通信部と、
干渉電力又は前記パケットの送信先までの通信距離に関連する情報の少なくとも一方に基づいて、前記干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御部と、
を具備する通信装置。
(1−1)干渉信号は、隣接セルから到来する隣接セル信号である、
上記(1)に記載の通信装置。
(1−2)前記干渉信号に関する情報は、干渉電力又は前記干渉信号のパケットに記載されたパラメータを含む、
上記(1)に記載の通信装置。
(1−3)前記制御部は、前記干渉信号を観測していない第1の状態で設定した第1の送信待ち時間にわたる第1の送信待ち中に、前記干渉信号を観測している第2の状態に入ったことに応じて、前記第1の送信待ちを停止するとともに、前記干渉電力又は前記通信距離に関連する情報の少なくとも一方に基づいて設定した第2の送信待ち時間にわたる第2の送信待ちを開始する、
上記(1)に記載の通信装置。
(2)前記制御部は、前記干渉電力又は前記通信距離に関する情報の少なくとも一方に応じて、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を決定するパラメータを選択する、
上記(1)に記載の通信装置。
(2−1)送信待ち時間を決定する前記パラメータは、コンテンション・ウィンドウの最小値及び最大値とスロット時間を含む、
上記(2)に記載の通信装置。
(3)前記制御部は、前記干渉電力が高いほど、又は、前記通信距離が長いほど、長い送信待ち時間を設定し、前記干渉電力が低いほど、又は、前記通信距離が短いほど、短い送信待ち時間を設定する、
上記(1)又は(2)のいずれかに記載の通信装置。
(4)前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信したときの送信失敗回数を、前記干渉電力又は前記通信距離に関する情報の少なくとも一方に基づいて定義されるモードに対応付けて管理する、
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の通信装置。
(4−1)前記制御部は、該当するモードに対応付けられた送信失敗回数を考慮して、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を決定する、
上記(4)に記載の通信装置。
(5)前記制御部は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信したときの第1の送信失敗回数と干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信したときの第2の送信失敗回数とを分けて管理する、
上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の通信装置。
(5−1)前記制御部は、前記第1の送信失敗回数を考慮して干渉信号を観測しない状態でパケットを送信するための第1の送信待ち時間を決定し、前記第2の送信失敗回数を考慮して干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信するための第2の送信待ち時間を決定する、
上記(5)に記載の通信装置。
(6)前記通信距離に関連する情報は、前記送信先との伝搬損失に関連する情報を含む、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の通信装置。
(7)干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信する通信ステップと、
干渉電力又は前記パケットの送信先までの距離に関連する情報の少なくとも一方に基づいて、前記干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御ステップと、
を有する通信方法。
(8)パケットを送信する通信部と、
パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の第1の送信待ち時間に、追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
通信装置。
(9)前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信した結果に応じて、前記第1の送信待ち時間に前記追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
上記(8)に記載の通信装置。
(9−1)前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づくパケット送信に成功したときに、前記第1の送信待ち時間に前記追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
上記(9)に記載の通信装置。
(9−2)前記制御部は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際に、前記第1の送信待ち時間に前記追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
上記(9)に記載の通信装置。
(9−3)前記制御部は、直前の干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信した結果に応じて追加待ち時間を設定する、
上記(9)に記載の通信装置。
(9−4)前記制御部は、過去所定回数分の干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信した結果に応じて追加待ち時間を設定する、
上記(9)に記載の通信装置。
(10)前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいて追加待ち時間を設定する、上記(8)に記載の通信装置。
(11)パケットを送信する通信ステップと、
パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御ステップと、
を有し、
前記制御ステップでは、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の第1の送信待ち時間に、追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
通信方法。
(12)干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な通信相手の干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御部と、
前記通信相手に送信待ち時間を決定するための情報を通知する通知部と、
を具備する通信装置。
(13)アクセスポイントとして動作し、
前記通知部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な配下の端末に対して、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知する、
上記(12)に記載の通信装置。
(13−1)前記通知部は、前記端末が送信するパケットのカテゴリに応じた、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知する、
上記(13)に記載の通信装置。
(14)送信待ち時間を決定するための前記情報は、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を決定するパラメータを含む、
上記(13)に記載の通信装置。
(14−1)送信待ち時間を決定する前記パラメータは、コンテンション・ウィンドウの最小値及び最大値とスロット時間を含む、上記(14)に記載の通信装置。
(15)送信待ち時間を決定するための前記情報は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の送信待ち時間に対する追加待ち時間の有無を指定する情報を含む、
上記(13)又は(14)のいずれかに記載の通信装置。
(16)送信待ち時間を決定するための前記情報は、前記追加待ち時間の値に関する情報をさらに含む、
上記(15)に記載の通信装置。
(17)前記通知部は、干渉電力又は通信距離に関する情報の少なくとも一方に基づいて定義されるモードに対応付けて、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知する、
上記(13)乃至(16)のいずれかに記載の通信装置。
(18)前記通知部は、配下の前記端末の台数又は前記端末のスループットのうち少なくとも一方に関する情報に基づいて前記制御部が設定した、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知する、
上記(13)乃至(17)のいずれかに記載の通信装置。
(19)干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な通信相手の干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御ステップと、
前記通信相手に送信待ち時間を決定するための情報を通知する通知ステップと、
を有する通信方法。
(20)パケットを送受信する通信部と、
パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記通信部が受信したフレームに記載されている情報に基づいて、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を設定する、
通信装置。
200…通信装置、201…通信部
202…制御部、203…記憶部

Claims (20)

  1. 干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信する通信部と、
    干渉電力又は前記パケットの送信先までの通信距離に関連する情報の少なくとも一方に基づいて、前記干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御部と、
    を具備する通信装置。
  2. 前記制御部は、前記干渉電力又は前記通信距離に関する情報の少なくとも一方に応じて、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を決定するパラメータを選択する、
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記制御部は、前記干渉電力が高いほど、又は、前記通信距離が長いほど、長い送信待ち時間を設定し、前記干渉電力が低いほど、又は、前記通信距離が短いほど、短い送信待ち時間を設定する、
    請求項1に記載の通信装置。
  4. 前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信したときの送信失敗回数を、前記干渉電力又は前記通信距離に関する情報の少なくとも一方に基づいて定義されるモードに対応付けて管理する、
    請求項1に記載の通信装置。
  5. 前記制御部は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信したときの第1の送信失敗回数と干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信したときの第2の送信失敗回数とを分けて管理する、
    請求項1に記載の通信装置。
  6. 前記通信距離に関連する情報は、前記送信先との伝搬損失に関連する情報を含む、
    請求項1に記載の通信装置。
  7. 干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信する通信ステップと、
    干渉電力又は前記パケットの送信先までの距離に関連する情報の少なくとも一方に基づいて、前記干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御ステップと、
    を有する通信方法。
  8. パケットを送信する通信部と、
    パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の第1の送信待ち時間に、追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
    通信装置。
  9. 前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケットを送信した結果に応じて、前記第1の送信待ち時間に前記追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
    請求項8に記載の通信装置。
  10. 前記制御部は、干渉信号に関する情報に基づいて追加待ち時間を設定する、
    請求項8に記載の通信装置。
  11. パケットを送信する通信ステップと、
    パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御ステップと、
    を有し、
    前記制御ステップでは、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の第1の送信待ち時間に、追加待ち時間を加えた送信待ち時間を設定する、
    通信方法。
  12. 干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な通信相手の干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御部と、
    前記通信相手に送信待ち時間を決定するための情報を通知する通知部と、
    を具備する通信装置。
  13. アクセスポイントとして動作し、
    前記通知部は、干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な配下の端末に対して、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知する、
    請求項12に記載の通信装置。
  14. 送信待ち時間を決定するための前記情報は、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を決定するパラメータを含む、
    請求項13に記載の通信装置。
  15. 送信待ち時間を決定するための前記情報は、干渉信号を観測しない状態でパケットを送信する際の送信待ち時間に対する追加待ち時間の有無を指定する情報を含む、
    請求項13に記載の通信装置。
  16. 送信待ち時間を決定するための前記情報は、前記追加待ち時間の値に関する情報をさらに含む、
    請求項15に記載の通信装置。
  17. 前記通知部は、干渉電力又は通信距離に関する情報の少なくとも一方に基づいて定義されるモードに対応付けて、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知する、
    請求項13に記載の通信装置。
  18. 前記通知部は、配下の前記端末の台数又は前記端末のスループットのうち少なくとも一方に関する情報に基づいて前記制御部が設定した、送信待ち時間を決定するための前記情報を通知する、
    請求項13に記載の通信装置。
  19. 干渉信号に関する情報に基づいてパケット送信が可能な通信相手の干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を制御する制御ステップと、
    前記通信相手に送信待ち時間を決定するための情報を通知する通知ステップと、
    を有する通信方法。
  20. パケットを送受信する通信部と、
    パケットを送信する際の送信待ち時間を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、前記通信部が受信したフレームに記載されている情報に基づいて、干渉信号を観測している状態における送信待ち時間を設定する、
    通信装置。
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