JPWO2018079186A1 - 維管束液計測センサ、および維管束液計測センサの製造方法 - Google Patents

維管束液計測センサ、および維管束液計測センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

維管束液が流入する流路が植物の組織により塞がれにくい維管束液計測センサを提供する。維管束液計測センサ(1)は、維管束液を捕集する捕集プローブ(20)と、捕集プローブ(20)を支持する支持部(10)とを備える。捕集プローブ(20)の内部には維管束液が流入する捕集流路(21)が形成されており、捕集流路(21)の入口開口部(24)は捕集プローブ(20)の側面に配置されている。そのため、捕集プローブ(20)を植物に突き刺す際に、植物の組織により捕集流路(21)が塞がれにくい。

Description

本発明は、維管束液計測センサ、および維管束液計測センサの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、植物の新梢末端等の細部における維管束液を捕集したり、維管束液の動態を測定したりできる維管束液計測センサ、およびその維管束液計測センサの製造方法に関する。
作物や果樹等の生産では、生産性の観点から植物の生育状態に合わせて適切な時期に灌水や養分補給を行う必要がある。このため、植物の生育に影響を与えず、その生育状態を的確に把握することが非常に重要となる。
一般に、多くの農業現場では、無降雨日数等に基づいた経験や勘によって植物の生育状態を把握しているというのが現状である。しかし、経験等に基づく方法によって植物の生育状況を管理するには、熟練が必要であり手間や時間がかかる。また、基準となる指標が個人的な経験等に基づくものである。したがって、このような経験等に基づいて植物の生育状態を把握する方法は、誰もが簡便に実施することは難しい。
一方、近年、植物の生体情報に基づいて作物や果樹の水分制御や施肥管理を行うための様々な技術が開発されている。その中でグラニエ法を利用した測定方法が注目を集めている。また、ヒートパルス法により樹液の流速を測定する方法も知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、樹木の主幹にドリル等によって形成した穴の中に配置することができる棒状の3本の温度センサおよび1本の棒状ヒータを備えた装置が開示されている。そして、特許文献1には、この装置の温度センサおよび棒状ヒータを樹木の辺材部に形成した穴の中に配置し、所定の時間経過後に両センサ間における温度差に基づいて樹木中を流れる樹液の流速を測定するという技術が開示されている。
しかし、特許文献1の装置は、そもそも茎径が比較的大きい樹木中を流れる樹液の流速を測定するために開発されたものであり、装置に用いられる棒状のセンサはある程度の大きさを有する。このため、特許文献1の装置は、茎径が数mm程度の小さい植物に適用することができない。
植物の生育状態を把握するには、植物の維管束液流量を直接測定することが重要である。特に、作物や果樹等の生産性および品質を向上させる上では、植物の新梢末端や果柄等、作物や果樹等の近傍に位置する太さが数mm程度の植物細部中の維管束液の動態を測定することが非常に重要である。
そこで、本願発明者は、新梢末端や果柄等の植物細部内を流れる維管束液の動態(水分動態)を測定することができる植物水分動態センサを考案している(特許文献2)。特許文献2には、新梢末端や果柄等に突き刺すことができる寸法に形成された各種のプローブを備える植物水分動態センサが開示されている。プローブを植物の細部に突き刺して配置し、グラニエ法を利用して水分動態を測定できる。
また、特許文献2には、植物水分動態センサに植物の維管束液が流入する流路が形成された捕集プローブを備えることが開示されている。
特開平6−273434号公報 特開2015−145810号公報
特許文献2の植物水分動態センサは、維管束液が流入する流路の開口部が捕集プロープの先端に設けられている。そのため、捕集プローブを植物に突き刺す際に、植物の組織が変形したり、破損したりして流路を塞ぐ可能性がある。植物の組織により流路が塞がれると、維管束液の流入が阻害されるという問題がある。
また、特許文献2の植物水分動態センサは、電気抵抗測定用電極が設けられた電気抵抗プローブを有している。師管液と道管液の電気抵抗の相違により道管の位置を検出し、プローブの突き刺し深さを調整する。しかし、電気抵抗プローブを植物に突き刺すと、道管と師管との間の組織が破壊され、電気抵抗プローブの表面を伝って道管液と師管液とが混ざり合う。そうすると、測定された電気抵抗値が本来の値に比べて大きくなったり、小さくなったりして、道管の位置検出精度が低下するという問題がある。
特許文献2の植物水分動態センサは、グラニエ法に用いられるヒータ付温度プローブと温度プローブとを有している。これらのプローブを植物に突き刺した場合も、道管と師管との間の組織が破壊され、道管液と師管液とが混ざり合う。道管液と師管液とが混合すると流量の測定精度が低下するという問題がある。
捕集プローブの内部に流路を形成する方法として、例えばMEMS技術で用いられる犠牲層エッチングという手法を用いることが考えられる。しかし、捕集プローブは新梢末端や果柄等に突き刺すことができる寸法(例えば、長さ50μm〜1mm、幅50〜300μm、厚み50μm)である。犠牲層エッチングにより、このような細長い捕集プローブの内部に流路を形成するのは困難であるという問題がある。そこで、特許文献2では、ガラス基板上に流路となる溝を形成し、シリコン基板を貼り合わせることで天井を形成しているが、このようなプロセスは工程が複雑で安価に製造することが困難であるという課題を有している。
本発明は上記事情に鑑み、以下の(1)〜(4)のいずれか一または複数を目的とする。
(1)維管束液が流入する流路が植物の組織により塞がれにくい維管束液計測センサを提供する。
(2)道管の位置検出精度が高い維管束液計測センサを提供する。
(3)維管束液の流量を正確に測定できる維管束液計測センサを提供する。
(4)簡単なプロセスでプローブの内部に流路を形成できる維管束液計測センサの製造方法を提供する。
(維管束液計測センサ)
第1発明の維管束液計測センサは、維管束液を捕集する捕集プローブと、前記捕集プローブを支持する支持部と、を備え、前記捕集プローブの内部には前記維管束液が流入する捕集流路が形成されており、前記捕集流路の入口開口部は前記捕集プローブの側面に配置されていることを特徴とする。
第2発明の維管束液計測センサは、第1発明において、前記捕集流路は2つの前記入口開口部を有し、一方の前記入口開口部は前記捕集プローブの一方の側面に配置され、他方の前記入口開口部は前記捕集プローブの他方の側面に配置されていることを特徴とする。
第3発明の維管束液計測センサは、第2発明において、前記捕集流路は、2つの前記入口開口部を接続し、前記捕集プローブの幅方向に沿って形成された第1流路と、一端が前記第1流路に接続され、前記捕集プローブの軸方向に沿って形成された第2流路と、を備え、前記第1流路の内部に、前記入口開口部から流入した前記維管束液を前記第2流路へ導く誘導壁が設けられていることを特徴とする。
第4発明の維管束液計測センサは、第1発明において、前記捕集流路は1つの前記入口開口部を有し、前記入口開口部は前記捕集プローブの一方の側面に配置されていることを特徴とする。
第5発明の維管束液計測センサは、第1、第2、第3または第4発明において、前記捕集流路の内部にpH測定用素子が設けられていることを特徴とする。
第6発明の維管束液計測センサは、第1、第2、第3、第4または第5発明において、電気抵抗測定用電極が設けられた電気抵抗プローブを備え、前記電気抵抗プローブは前記支持部に支持されており、前記電気抵抗プローブの内部には前記維管束液が流入する電極用流路が形成されており、前記電極用流路は前記電気抵抗プローブの幅方向に沿って形成されており、前記電極用流路の開口部は前記電気抵抗プローブの側面に配置されており、前記電極用流路の内部に前記電気抵抗測定用電極が設けられていることを特徴とする。
第7発明の維管束液計測センサは、第6発明において、前記電気抵抗プローブは複数の前記電極用流路を有し、複数の前記電極用流路は、前記電気抵抗プローブの軸方向に並んで配置されており、複数の前記電極用流路のそれぞれに前記電気抵抗測定用電極が設けられていることを特徴とする。
第8発明の維管束液計測センサは、第1、第2、第3、第4、第5、第6または第7発明において、温度センサとヒータとが設けられたヒータ付温度プローブと、温度センサが設けられた温度プローブと、を備え、前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブは前記支持部に支持されていることを特徴とする。
第9発明の維管束液計測センサは、第8発明において、前記ヒータ付温度プローブの内部には前記維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、前記温度センサ用流路は前記ヒータ付温度プローブの幅方向に沿って形成されており、前記温度センサ用流路の開口部は前記ヒータ付温度プローブの側面に配置されており、前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられていることを特徴とする。
第10発明の維管束液計測センサは、第8または第9発明において、前記温度プローブの内部には前記維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、前記温度センサ用流路は前記温度プローブの幅方向に沿って形成されており、前記温度センサ用流路の開口部は前記温度プローブの側面に配置されており、前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられていることを特徴とする。
第11発明の維管束液計測センサは、第8、第9または第10発明において、前記支持部は、絶縁性基板と半導体基板との積層体で形成されており、前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブは前記半導体基板側に形成されており、前記支持部のうち前記ヒータ付温度プローブを支持する部分と、前記温度プローブを支持する部分との間に、前記半導体基板が除去された溝が形成されていることを特徴とする。
第12発明の維管束液計測センサは、温度センサとヒータとが設けられたヒータ付温度プローブと、温度センサが設けられた温度プローブと、前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブを支持する支持部と、を備え、前記ヒータ付温度プローブの内部には維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、前記温度センサ用流路は前記ヒータ付温度プローブの幅方向に沿って形成されており、前記温度センサ用流路の開口部は前記ヒータ付温度プローブの側面に配置されており、前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられていることを特徴とする。
第13発明の維管束液計測センサは、第12発明において、前記温度プローブの内部には前記維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、前記温度センサ用流路は前記温度プローブの幅方向に沿って形成されており、前記温度センサ用流路の開口部は前記温度プローブの側面に配置されており、前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられていることを特徴とする。
第14発明の維管束液計測センサは、温度センサとヒータとが設けられたヒータ付温度プローブと、温度センサが設けられた温度プローブと、前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブを支持する支持部と、を備え、前記温度プローブの内部には維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、前記温度センサ用流路は前記温度プローブの幅方向に沿って形成されており、前記温度センサ用流路の開口部は前記温度プローブの側面に配置されており、前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられていることを特徴とする。
第15発明の維管束液計測センサは、第12、第13または第14発明において、前記支持部は、絶縁性基板と半導体基板との積層体で形成されており、前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブは前記半導体基板側に形成されており、前記支持部のうち前記ヒータ付温度プローブを支持する部分と、前記温度プローブを支持する部分との間に、前記半導体基板が除去された溝が形成されていることを特徴とする。
第16発明の維管束液計測センサは、第12、第13、第14または第15発明において、電気抵抗測定用電極が設けられた電気抵抗プローブを備え、前記電気抵抗プローブは前記支持部に支持されており、前記電気抵抗プローブの内部には前記維管束液が流入する電極用流路が形成されており、前記電極用流路は前記電気抵抗プローブの幅方向に沿って形成されており、前記電極用流路の開口部は前記電気抵抗プローブの側面に配置されており、前記電極用流路の内部に前記電気抵抗測定用電極が設けられていることを特徴とする。
第17発明の維管束液計測センサは、第16発明において、前記電気抵抗プローブは複数の前記電極用流路を有し、複数の前記電極用流路は、前記電気抵抗プローブの軸方向に並んで配置されており、複数の前記電極用流路のそれぞれに前記電気抵抗測定用電極が設けられていることを特徴とする。

(維管束液計測センサの製造方法)
第18発明の維管束液計測センサの製造方法は、維管束液が流入する捕集流路を有する捕集プローブを備える維管束液計測センサの製造方法であって、半導体基板に、入口開口部が前記捕集プローブの側面に配置された前記捕集流路の側壁を形成する側壁形成工程と、シート状のフォトレジストを前記側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記捕集流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備えることを特徴とする。
第19発明の維管束液計測センサの製造方法は、第18発明において、前記側壁形成工程において、シート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記捕集流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第20発明の維管束液計測センサの製造方法は、第18発明において、前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記捕集流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第21発明の維管束液計測センサの製造方法は、第18発明において、前記側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程を備えることを特徴とする。
第22発明の維管束液計測センサの製造方法は、第18発明において、前記天井形成工程後に前記捕集流路の内部を親水化する親水化工程を備えることを特徴とする。
第23発明の維管束液計測センサの製造方法は、維管束液が流入する温度センサ用流路を有するヒータ付温度プローブを備える維管束液計測センサの製造方法であって、半導体基板に、入口開口部が前記ヒータ付温度プローブの側面に配置された前記温度センサ用流路の側壁を形成する側壁形成工程と、シート状のフォトレジストを前記側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記温度センサ用流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備えることを特徴とする。
第24発明の維管束液計測センサの製造方法は、第23発明において、前記側壁形成工程において、シート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第25発明の維管束液計測センサの製造方法は、第23発明において、前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第26発明の維管束液計測センサの製造方法は、第23発明において、前記側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程を備えることを特徴とする。
第27発明の維管束液計測センサの製造方法は、第23発明において、前記天井形成工程後に前記温度センサ用流路の内部を親水化する親水化工程を備えることを特徴とする。
第28発明の維管束液計測センサの製造方法は、維管束液が流入する温度センサ用流路を有する温度プローブを備える維管束液計測センサの製造方法であって、半導体基板に、入口開口部が前記温度プローブの側面に配置された前記温度センサ用流路の側壁を形成する側壁形成工程と、シート状のフォトレジストを前記側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記温度センサ用流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備えることを特徴とする。
第29発明の維管束液計測センサの製造方法は、第28発明において、前記側壁形成工程において、シート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第30発明の維管束液計測センサの製造方法は、第28発明において、前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第31発明の維管束液計測センサの製造方法は、第28発明において、前記側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程を備えることを特徴とする。
第32発明の維管束液計測センサの製造方法は、第28発明において、前記天井形成工程後に前記温度センサ用流路の内部を親水化する親水化工程を備えることを特徴とする。
(維管束液計測センサ)
第1発明によれば、捕集プローブにより維管束液を捕集できるので、維管束液に含まれる栄養物質の分析に用いることができる。また、捕集流路の入口開口部が捕集プローブの側面に配置されているので、捕集プローブを植物に突き刺す際に、植物の組織により捕集流路が塞がれにくい。
第2発明によれば、捕集プローブの両側面に捕集流路の入口開口部が配置されているので、捕集プローブのどちら側からでも維管束液を捕集できる。
第3発明によれば、第1流路の内部に誘導壁が設けられているので、一方の入口開口部から流入した維管束液が他方の入口開口部から流出することを抑制でき、維管束液を効率よく捕集できる。
第4発明によれば、捕集プローブの一方の側面のみに捕集流路の入口開口部が配置されているので、入口開口部から流入した維管束液が流出することを抑制でき、維管束液を効率よく捕集できる。
第5発明によれば、pH測定用素子で測定されたpH値に基づいて、捕集流路に流入した維管束液が師管液か道管液かを判断できる。
第6発明によれば、電気抵抗プローブで測定された電気抵抗から道管の位置を検出できるので、各種プローブの突き刺し深さを調整できる。また、電気抵抗測定用電極が電極用流路の内部に設けられているので、道管液と師管液との混合を抑制でき、道管の位置検出精度が高い。
第7発明によれば、電気抵抗測定用電極が電気抵抗プローブの軸方向に並んで配置されているので、植物内部の電気抵抗分布が分かり、道管の位置を正確に判別できる。
第8発明によれば、ヒータ付温度プローブおよび温度プローブに設けられた温度センサ間の温度差から維管束液の流速を求め、流速から流量を求めることができる。
第9発明によれば、ヒータ付温度プローブの温度センサが温度センサ用流路の内部に設けられているので、道管液と師管液との混合を抑制でき、維管束液流量を正確に測定できる。
第10発明によれば、温度プローブの温度センサが温度センサ用流路の内部に設けられているので、道管液と師管液との混合を抑制でき、維管束液流量を正確に測定できる。
第11発明によれば、ヒータ付温度プローブと温度プローブとの間に溝が形成されているので、ヒータ付温度プローブのヒータの熱が支持部を介して温度プローブに伝わりにくい。そのため、維管束液流量を精度良く求めることができる。
第12発明によれば、ヒータ付温度プローブの温度センサが温度センサ用流路の内部に設けられているので、道管液と師管液との混合を抑制でき、維管束液流量を正確に測定できる。
第13発明によれば、温度プローブの温度センサが温度センサ用流路の内部に設けられているので、道管液と師管液との混合を抑制でき、維管束液流量を正確に測定できる。
第14発明によれば、温度プローブの温度センサが温度センサ用流路の内部に設けられているので、道管液と師管液との混合を抑制でき、維管束液流量を正確に測定できる。
第15発明によれば、ヒータ付温度プローブと温度プローブとの間に溝が形成されているので、ヒータ付温度プローブのヒータの熱が支持部を介して温度プローブに伝わりにくい。そのため、維管束液流量を精度良く求めることができる。
第16発明によれば、電気抵抗プローブで測定された電気抵抗から道管の位置を検出できるので、各種プローブの突き刺し深さを調整できる。また、電気抵抗測定用電極が電極用流路の内部に設けられているので、道管液と師管液との混合を抑制でき、道管の位置検出精度が高い。
第17発明によれば、電気抵抗測定用電極が電気抵抗プローブの軸方向に並んで配置されているので、植物内部の電気抵抗分布が分かり、道管の位置を正確に判別できる。

(維管束液計測センサの製造方法)
第18発明によれば、シート状のフォトレジストを用いて捕集流路の天井部を形成するので、捕集プローブの内部に捕集流路を容易に形成できる。
第19発明によれば、捕集流路の側壁をフォトレジストで形成するので、半導体基板に対して垂直な側壁を形成でき、捕集流路の断面積を広くできる。その結果、維管束液が捕集流路に流入しやすくなる。
第20発明によれば、半導体基板により捕集流路の底部と側壁とが一体形成されるので、捕集プローブの強度を高くできる。
第21発明によれば、側壁が親水化されるので、維管束液が捕集流路に流入しやすくなる。
第22発明によれば、捕集流路の内部が親水化されるので、維管束液が捕集流路に流入しやすくなる。
第23発明によれば、シート状のフォトレジストを用いて温度センサ用流路の天井部を形成するので、ヒータ付温度プローブの内部に温度センサ用流路を容易に形成できる。
第24発明によれば、温度センサ用流路の側壁をフォトレジストで形成するので、半導体基板に対して垂直な側壁を形成でき、温度センサ用流路の断面積を広くできる。その結果、維管束液が温度センサ用流路に流入しやすくなる。
第25発明によれば、半導体基板により温度センサ用流路の底部と側壁とが一体形成されるので、ヒータ付温度プローブの強度を高くできる。
第26発明によれば、側壁が親水化されるので、維管束液が温度センサ用流路に流入しやすくなる。
第27発明によれば、温度センサ用流路の内部が親水化されるので、維管束液が温度センサ用流路に流入しやすくなる。
第28発明によれば、シート状のフォトレジストを用いて温度センサ用流路の天井部を形成するので、温度プローブの内部に温度センサ用流路を容易に形成できる。
第29発明によれば、温度センサ用流路の側壁をフォトレジストで形成するので、半導体基板に対して垂直な側壁を形成でき、温度センサ用流路の断面積を広くできる。その結果、維管束液が温度センサ用流路に流入しやすくなる。
第30発明によれば、半導体基板により温度センサ用流路の底部と側壁とが一体形成されるので、温度プローブの強度を高くできる。
第31発明によれば、側壁が親水化されるので、維管束液が温度センサ用流路に流入しやすくなる。
第32発明によれば、温度センサ用流路の内部が親水化されるので、維管束液が温度センサ用流路に流入しやすくなる。
第1実施形態に係る維管束液計測センサの平面図である。 図1の維管束液計測センサの正面図である。 図2におけるIII-III線矢視断面図である。 図(A)は図1におけるIVa-IVa線矢視断面図である。図(B)は図1におけるIVb-IVb線矢視断面図である。図(C)は図1におけるIVc-IVc線矢視断面図である。 図1におけるV-V線矢視断面拡大図である。 図1の維管束液計測センサの使用状態説明図である。 図(A)は準備工程における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)はセンサ部形成工程における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)は保護膜形成工程における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)はプローブ形成工程(前半)における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)はプローブ形成工程(後半)における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)は側壁形成工程(前半)における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)は側壁形成工程(後半)における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)は天井形成工程(前半)における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 図(A)は天井形成工程(後半)における維管束液計測センサの平面図である。図(B)は同維管束液計測センサの正面図である。 第2実施形態に係る維管束液計測センサの平面図である。 図16の維管束液計測センサの正面図である。 図17におけるXVIII-XVIII線矢視断面図である。 図(A)は側部プローブの先端部の横断面拡大図である。図(B)は中央プローブの先端部の横断面拡大図である。 図16の維管束液計測センサの使用状態説明図である。 その他の実施形態に係る維管束液計測センサの横断面図である。 さらに他の実施形態における捕集プローブの先端部の横断面拡大図である。 さらに他の実施形態における維管束液計測センサの正面図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る維管束液計測センサ1は、植物の新梢の末端(以下、単に新梢末端という)や果柄等の植物の細部に容易に取り付けることができる。維管束液計測センサ1は植物の細部における維管束液を捕集する機能と、維管束液の動態を測定する機能とを有する。
(グラニエ法)
維管束液計測センサ1は、グラニエ法を利用して植物の維管束液の動態を測定する。そこで、グラニエ法により樹木中を流れる樹液の流速を求め、流速から流量を求める原理について簡単に説明する。
グラニエ法は、グラニエセンサを用いて樹液流量Fを算出する方法である。グラニエセンサは、一対の棒状のプローブを備えている。一対のプローブにはそれぞれ温度センサが設けられている。一対のプローブのうち、一方のプローブにはヒータが設けられている。温度センサとヒータとを有するプローブをヒータ付温度プローブHPという。他方のプローブは、リファレンス用として使用するプローブである。温度センサのみを有するプローブを温度プローブRPという。
以下、グラニエセンサを樹木に設置して、樹木中の樹液流量Fを測定する方法について説明する。
まず、ドリル等によって樹木の主幹に2ヶ所の穴を形成する。それぞれの穴にグラニエセンサのヒータ付温度プローブHPと温度プローブRPを挿入して樹木に設置した後、1日以上静置する。グラニエセンサの温度プローブRPとヒータ付温度プローブHPは、樹液流の方向に沿って上流から下流に向かってこの順に配置する。つまり、樹液流が根本から末端に向かう方向である場合には、根本側の穴に温度プローブRPを挿入し、末端側の穴にヒータ付温度プローブHPを挿入する。
つぎに、グラニエセンサのヒータ付温度プローブHPのヒータを作動させる。そうすると、一対のプローブHP、RPに設けられた温度センサ間には温度差ΔTが生じる。下記数1に示すように、この温度差ΔTは樹液流速uの関数となるので、かかる関数に基づけば、温度差ΔTから樹液流速uを算出することができる。
ここで、uは平均樹液流速[m/s]、ΔT(u)は平均樹液流速がuの時のヒータ付温度プローブHPと温度プローブRPの温度差[℃]、ΔT(0)はΔTの最大温度[℃]、αとβは観測データから得られる係数である。
また、下記数2に基づき、樹液流速uから樹液流量Fを算出することができる。
ここで、Fは樹液流量[m3/s]、SはプローブHP、RPが幹の円周方向に形成する断面積[m2]である。
例えば、樹木中に流れる樹液流量Fが多い(樹液流速uが速い)場合、グラニエセンサの一対のプローブHP、RPに設けられた温度センサ間の温度差ΔTは小さくなる。なぜなら、ヒータ付温度プローブHPには、ヒータによって一定の熱がかけられるが、ヒータ付温度プローブHPの近傍を流れる多量の樹液によって熱が運び去られるからである。一方、樹液流量Fが少ない(樹液流速uが遅い)場合、グラニエセンサの一対のプローブHP、RPに設けられた温度センサ間の温度差ΔTは大きくなる。なぜなら、ヒータ付温度プローブHPには、ヒータによって一定の熱がかけられるが、ヒータ付温度プローブHPの近傍を流れる樹液が少ないので、ヒータ付温度プローブHPに供給された熱が樹液によって運び去られず溜まったような状態となるからである。
(維管束液計測センサ)
つぎに、維管束液計測センサ1の構成を説明する。
図1に示すように、維管束液計測センサ1は、支持部10と、捕集プローブ20と、電気抵抗プローブ30と、ヒータ付温度プローブ40と、一対の温度プローブ50A、50Bとを備えている。
各プローブ20、30、40、50A、50Bは、それらを同一平面内で平行に並べた状態で、その基端が支持部10に支持されている。一対の温度プローブ50A、50Bは、ヒータ付温度プローブ40を挟む位置に設けられている。これらのプローブ20、30、40、50A、50Bを植物の新末梢端である茎に突き刺すことで、植物に維管束液計測センサ1が設置される。
支持部10およびプローブ20、30、40、50A、50Bは、フォトリソグラフィ、エッチング、スパッタ法、真空蒸着法等の薄膜形成を用いたMEMS技術を用いて、シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板等の半導体基板を加工することで形成されている。
(支持部)
支持部10は、プローブ20、30、40、50A、50Bを支持する部材である。支持部10は、平面視長方形の板材であり、片方の長辺部に全てのプローブ20、30、40、50A、50Bが支持されている。支持部10は、その長手方向の長さが全てのプローブ20、30、40、50A、50Bを所定の間隔で配置できる長さを有していればよく、短手方向の長さは特に限定されない。
図2に示すように、支持部10は半導体基板SSで形成されている。半導体基板SSとして、例えばSOI基板やシリコン基板が用いられる。SOI基板は、支持基板SBと活性層ALとの間に酸化膜層OLが挟まった3層構造を有している。支持基板SBは、シリコン(Si)で形成されており、400〜500μmの厚みを有する。活性層ALは、シリコン(Si)で形成されており、約10μmの厚みを有する。酸化膜層OLは、二酸化ケイ素(SiO2)で形成されており、0.1〜1μmの厚みを有する。活性層ALは熱伝導性を有し、酸化膜層OLは熱および電気を通しにくい絶縁体である。
(プローブ)
図1に示すように、各プローブ20、30、40、50A、50Bは、棒状の部材であり、支持部10の縁(長辺部)に片持ち梁状に形成されている。各プローブ20、30、40、50A、50Bの先端部は三角形等、尖った形に形成されているのが好ましい。プローブ20、30、40、50A、50Bの先端部が尖った形に形成されていれば、プローブ20、30、40、50A、50Bを植物の細部に挿入するときの挿入抵抗を小さくすることができる。これにより、プローブ20、30、40、50A、50Bを植物の細部である茎等にスムーズに突き刺して設置できる。また、プローブ20、30、40、50A、50Bを植物の細部に突き刺す際にプローブ20、30、40、50A、50Bの先端部が破損することを防止できる。
各プローブ20、30、40、50A、50Bは、植物の新梢末端や果柄等、茎径または軸径が数mm程度の植物の細部に突き刺して配置できる寸法に形成されている。各プローブ20、30、40、50A、50Bの長さ(軸方向に基端から先端までの長さ)は、植物の細部に突き刺して設置した状態において、その先端部が植物の細部の道管や師管に配置され得る寸法に形成されている。例えば、各プローブ20、30、40、50A、50Bの長さは50〜1,000μmである。
本実施形態では、電気抵抗プローブ30が他のプローブ20、40、50A、50Bよりも長く形成されている。具体的には、電気抵抗プローブ30の長さは、他のプローブ20、40、50A、50Bの長さよりも、測定対象となる植物の師管の中心と道管の中心との距離の分だけ長く形成されている。この長さの差は、測定対象となる植物の種類や茎の太さによるが、例えば50〜300μmに設定される。
各プローブ20、30、40、50A、50Bの幅は、特に限定されないが、例えば50〜300μmである。プローブ20、30、40、50A、50Bの幅が短いほど、植物に対するダメ−ジ(損傷)を小さくできる。
図4(A)、(B)、(C)に示すように、各プローブ20、30、40、50A、50Bは、SOI基板SSを構成する支持基板SBの下部を除去することにより、支持部10の厚みよりも薄く形成されている。各プローブ20、30、40、50A、50Bの厚みは測定対象となる植物の師管や道管の幅よりも短く形成されている。各プローブ20、30、40、50A、50Bの厚みは測定対象となる植物の種類や茎の太さによるが、例えば50〜300μmである。厚みが50μm以上であれば強度が十分であり、プローブ20、30、40、50A、50Bを植物の茎等に挿抜する際に折れる恐れがない。また、植物の種類にもよるが道管や師管の太さは100〜400μm程度であるため、厚みが300μm以下であればプローブ20、30、40、50A、50Bを道管や師管に刺してもそれらを塞ぐことを抑制できる。
(捕集プローブ)
捕集プローブ20は、師管液や道管液等の維管束液を捕集するためのプローブであり、維管束液が流入する捕集流路21を有する。
図3および図4(A)に示すように、捕集プローブ20の内部には捕集流路21が形成されている。なお、図3は捕集流路21を構成する天井部13(後述する)を除去した状態の平面図である。捕集流路21は全体として略T字形であり、第1流路22と、第2流路23とからなる。捕集流路21は2つの入口開口部24、24を有している。2つの入口開口部24、24は捕集プローブ20の先端部に設けられている。一方の入口開口部24は捕集プローブ20の一方の側面に配置され、他方の入口開口部24は捕集プローブ20の他方の側面に配置されている。第1流路22は2つの入口開口部24、24を接続し、捕集プローブ20の幅方向に沿って形成されている。第2流路23は一端が第1流路22に接続され、捕集プローブ20の軸方向に沿って形成されている。
第2流路23は支持部10に延長して形成されており、捕集プローブ20が設けられている縁とは反対側の縁に達している。捕集流路21の出口開口部25は、支持部10の背面に設けられている。出口開口部25にチューブを接続し、チューブの他端にシリンジを接続する等の方法により、捕集流路21に流入した維管束液を捕集できる。
図5に示すように、捕集プローブ20は断面が矩形であり、そのほぼ中心に矩形の第2流路23が形成されている。より詳細には、捕集プローブ20の第2流路23が形成されている部分は、底部11と、底部11の両側部に立設した一対の側壁12、12と、一対の側壁12、12の上端に架け渡された天井部13とからなる。
なお、底部11はSOI基板SSの活性層AL、酸化膜層OL、および支持基板SBの表層から構成されている。これにより、底部11にある程度の厚みを持たせることができ、捕集プローブ20の強度を高めることができる。
図3に示すように、第1流路22の内部にはpH測定用素子26が設けられている。
pH測定用素子26は、植物の師管液や道管液等の維管束液のpHを測定するための素子である。pH測定用素子26は、捕集プローブ20の先端部に配設することができる大きさのものであれば、特に限定されない。例えば、pH測定用素子26として、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)を採用することができる。イオン感応性電界効果トランジスタは、通常の電界効果トランジスタ(FET)のゲート酸化膜上の金属電極部がなく、その代わりに誘電体等のイオン感応膜が形成されているものである。
支持部10の上面にはpH測定用素子26に配線(図示せず)を介して接続された3つの電極パッド26eが配設されている。3つの電極パッド26eはそれぞれpH測定用素子26のゲート電極、ソース電極およびドレイン電極に対応している。
イオン感応性電界効果トランジスタは、イオン感応膜の電位が、それに触れた維管束液のイオン濃度に依存して変化する。その電位変化をゲート電極の電圧とドレイン電極の電流との関係から測定する。測定した電位変化から維管束液のpHを求めることができる。
(電気抵抗プローブ)
電気抵抗プローブ30は、師管液や道管液の電気抵抗を測定するための電気抵抗測定用電極31を有するプローブである。
図3および図4(C)に示すように、電気抵抗プローブ30の先端部内部には、3つの電極用流路32が形成されている。各電極用流路32は電気抵抗プローブ30の幅方向に沿って形成されており、開口部が電気抵抗プローブ30の両側面に配置されている。したがって、電気抵抗プローブ30を植物の茎等に突き刺せば、維管束液が電極用流路32に流入する。なお、電極用流路32の一方の開口部を閉じて、1つの開口部が電気抵抗プローブ30の一方の側面に配置された構成としてもよい。
電極用流路32は、捕集流路21と同様に、底部11と、底部11の両側部に立設した一対の側壁12、12と、一対の側壁12、12の上端に架け渡された天井部13とから構成される。
3つの電極用流路32は、電気抵抗プローブ30の軸方向に並んで配置されている。また、3つの電極用流路32のそれぞれには、その内部に一対の電気抵抗測定用電極31、31が設けられている。したがって、3対の電気抵抗測定用電極31が対ごとに電気抵抗プローブ30の軸方向に並んで配置されている。
一対の電気抵抗測定用電極31、31は、その一対の電気抵抗測定用電極31、31間に存在する物質、例えば植物の師管液や道管液の電気抵抗を測定するための電極である。電気抵抗測定用電極31は、電気抵抗プローブ30の先端部に配設することができる大きさのものであれば、特に限定されない。例えば、アルミニウム薄膜を電気抵抗測定用電極31として採用することができる。
支持部10の上面には、各電気抵抗測定用電極31に配線(図示せず)を介して接続された電極パッド31eが配設されている。一対の電気抵抗測定用電極31、31に対応する一対の電極パッド31e、31eの間には、電源が接続される。電源で一対の電気抵抗測定用電極31、31間に電流を供給し、電流計で一対の電気抵抗測定用電極31、31間に流れる電流を測定する。オームの法則を基に、電流計で測定した電流から、一対の電気抵抗測定用電極31、31間の電気抵抗を算出することができる。
なお、1つの電気抵抗プローブ30に設けられる電極用流路32の数は特に限定されず、1つでもよいし、複数でもよい。また、1つの電気抵抗プローブ30に設けられる電気抵抗測定用電極31の数は特に限定されず、1対でもよいし、複数対でもよい。
(ヒータ付温度プローブ)
ヒータ付温度プローブ40は、グラニエ法に用いられる温度センサ41とヒータ42とを有するプローブである。
図3および図4(B)に示すように、ヒータ付温度プローブ40の先端部内部には温度センサ用流路43が形成されている。温度センサ用流路43はヒータ付温度プローブ40の幅方向に沿って形成されており、開口部がヒータ付温度プローブ40の両側面に配置されている。したがって、ヒータ付温度プローブ40を植物の茎等に突き刺せば、維管束液が温度センサ用流路43に流入する。なお、温度センサ用流路43の一方の開口部を閉じて、1つの開口部がヒータ付温度プローブ40の一方の側面に配置された構成としてもよい。ただしこの場合、維管束液の流れ方が変化するため、数1の式を一部修正する必要がある。
温度センサ用流路43は、捕集流路21と同様に、底部11と、底部11の両側部に立設した一対の側壁12、12と、一対の側壁12、12の上端に架け渡された天井部13とから構成される。
温度センサ用流路43の内部には、温度センサ41とヒータ42とが設けられている。温度センサ41は、温度を感知する機能を有しており、ヒータ付温度プローブ40の先端部に配設することができる大きさのものであれば、特に限定されない。例えば、酸化拡散炉を用いたpn接合ダイオードによって形成したものを温度センサ41として採用することができる。
支持部10の上面には、温度センサ41に配線(図示せず)を介して接続された一対の電極パッド41e、41eが配設されている。温度センサ41は、その(pn接合ダイオードの)端子が図示しない配線を介して、それぞれ電極パッド41eと接続されている。
ダイオードの順方向特性は温度によって変化し、ダイオードに一定の電流を流すと温度変化に伴って電圧が変化することが知られている。一対の電極パッド41e、41eの間には、定電流源が接続される。定電流源でpn接合ダイオードである温度センサ41に順方向に定電流を供給し、電圧計で温度センサ41の陽極−陰極間の電圧を測定する。電圧計で測定した電圧から、温度を算出することができる。
ヒータ42は、ヒータ付温度プローブ40に熱を供給することができる機能を有しており、ヒータ付温度プローブ40に配設することができる大きさのものであれば、特に限定されない。例えば、酸化拡散炉を用いたpn接合ダイオードによって形成したものをヒータ42として採用することができる。また、Pt(白金)、NiCr(ニクロム)、またはITO(インジウムスズ酸化材料)の薄膜を蒸着やスパッタリングなどにより形成し、所定の形状に加工することで、ヒータ42を形成してもよい。なお、ヒータ42はヒータ付温度プローブ40に熱を供給することができる位置に配設されればよく、温度センサ用流路43の内部に配設されなくてもよい。
支持部10の上面には、ヒータ42に配線(図示せず)を介して接続された一対の電極パッド42e、42eが配設されている。ヒータ42は、その(pn接合ダイオードの)端子が図示しない配線を介して、それぞれ電極パッド42eと接続されている。
一対の電極パッド42e、42eの間には、直流定電圧源が接続される。直流定電圧源でpn接合ダイオードであるヒータ42に順方向に定電圧を供給する。ヒータ42に電流を流すことで、熱を発することができる。
(温度プローブ)
温度プローブ50A、50Bは、それぞれグラニエ法に用いられる温度センサ51を有するプローブである。
図3に示すように、各温度プローブ50A、50Bの先端部内部には温度センサ用流路52が形成されている。温度センサ用流路52は温度プローブ50A、50Bの幅方向に沿って形成されており、開口部が温度プローブ50A、50Bの両側面に配置されている。したがって、温度プローブ50A、50Bを植物の茎等に突き刺せば、維管束液が温度センサ用流路52に流入する。なお、温度センサ用流路52の一方の開口部を閉じて、1つの開口部が温度プローブ50A、50Bの一方の側面に配置された構成としてもよい。
温度センサ用流路52は、捕集流路21と同様に、底部11と、底部11の両側部に立設した一対の側壁12、12と、一対の側壁12、12の上端に架け渡された天井部13とから構成される。
温度センサ用流路52の内部には、温度センサ51が設けられている。温度センサ51は、ヒータ付温度プローブ40の温度センサ41と同様のものを採用することができる。
支持部10の上面には、温度センサ51に配線(図示せず)を介して接続された一対の電極パッド51e、51eが配設されている。ヒータ付温度プローブ40の温度センサ41と同様の方法で、温度センサ51により温度を測定できる。
図2に示すように、支持部10のうちヒータ付温度プローブ40を支持する部分と、温度プローブ50A、50Bを支持する部分との間には溝14が形成されている。溝14はSOI基板SSの活性層AL、酸化膜層OL、および支持基板SBの上部を除去することで形成されている。なお、溝14は活性層ALのみを除去して形成してもよい。
ヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50A、50Bとの間に溝14が形成されているので、ヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50A、50Bとは断熱性の高い酸化膜層OLを介して接続されることとなる。すなわち、ヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50A、50Bとは熱分離されている。そのため、ヒータ付温度プローブ40のヒータ42の熱が支持部10を介して温度プローブ50A、50Bに伝わりにくい。その結果、温度プローブ50A、50Bの温度センサ51で維管束液の温度を精度良く測定でき、維管束液の流速を精度良く求め、流速から流量を精度良く求めることができる。
(使用方法)
つぎに、維管束液計測センサ1の使用方法を説明する。
(取り付け)
まず、測定対象となる植物の新梢末端に、維管束液計測センサ1を取り付ける。
具体的には、図6に示すように、維管束液計測センサ1の全てのプローブ20、30、40、50A、50Bを植物の茎等の細部に突き刺して取り付ける。このとき、道管XYおよび師管PHに沿って、プローブ20、30、40、50A、50Bを配置する。
プローブ20、30、40、50A、50Bを植物の茎等の細部に突き刺していくと、電気抵抗プローブ30に設けられた電気抵抗測定用電極31は、植物の皮層COおよび師管PHを通り、道管XYに達する。さらに、深く突き刺していくと、電気抵抗測定用電極31は、植物の髄PIに達する。
ここで、道管XYに流れる道管液にはミネラルが含まれているため、その他の部分(皮層CO、師管PH、髄PI等)に含まれる水分に比べて電気抵抗が低いという性質を有する。これを利用して、電気抵抗プローブ30で測定された電気抵抗から道管XYの位置を検出できる。特に、本実施形態では、3対の電気抵抗測定用電極31が電気抵抗プローブ30の軸方向に並んで配置されているので、植物内部の電気抵抗分布が分かり、道管XYの位置を正確に判別できる。
また、電気抵抗測定用電極31は電極用流路32の内部に設けられている。電気抵抗プローブ30を植物の茎等に突き刺すことにより道管XYと師管PHとの間の組織が破壊されたとしても、電極用流路32の内部では道管液と師管液との混合を抑制できる。電気抵抗測定用電極31が純粋な道管液または師管液の電気抵抗を測定できるため、道管XYで測定される電気抵抗と、その他の部分で測定される電気抵抗との差が大きくなる。そのため、道管XYの位置検出精度が高い。
検出された道管XYの位置に基づいてプローブ20、30、40、50A、50Bの突き刺し深さを調整できる。捕集プローブ20、ヒータ付温度プローブ40、温度プローブ50A、50Bの先端部を師管PHに配置することもできるし、道管XYに配置することもできる。
捕集プローブ20に設けられたpH測定用素子26を用いて維管束液のpH値を測定できる。師管液にはスクロース等の光合成産物が含まれているため、道管液に比べてpH値が高い。具体的には、一般に、道管液のpHは約6であるのに対して、師管液のpH値は約7.5〜8である。pH測定用素子26により測定されたpH値に基づいて、捕集プローブ20の捕集流路21に流入した維管束液が師管液か道管液かを判断できる。pH測定用素子26で測定されたpH値が師管液のpH値となるまでプローブ20、30、40、50A、50Bを突き刺せば、捕集プローブ20の先端部を師管PHに配置することができる。
(維管束液の捕集)
維管束液計測センサ1による維管束液の捕集は以下のように行われる。
捕集プローブ20の先端部を植物の師管PHに配置すると、師管液が捕集流路21に流入する。捕集流路21に流入した師管液は、出口開口部25に接続されたシリンジ等により回収することができる。なお、捕集プローブ20の先端部を道管XYに配置すれば、道管液を回収することができる。
捕集された維管束液は、研究室等に持ち帰って液体クロマトグラフィー等の装置で分析することにより、栄養物質等を分析することができる。このように、捕集プローブ20により維管束液を捕集できるので、維管束液に含まれる栄養物質の分析に用いることができる。
捕集流路21の入口開口部24が捕集プローブ20の側面に配置されているので、捕集プローブ20を植物に突き刺す際に、植物の組織により捕集流路21が塞がれにくい。
捕集プローブ20の両側面に捕集流路21の入口開口部24が配置されているので、捕集プローブ20のどちら側からでも維管束液を捕集できる。特に、師管流の方向は植物の外形から把握することはできないところ、このような場合でも師管流の方向を気にすることなく、師管液を捕集できる。
また、捕集流路21の入口開口部24が捕集プローブ20の側面に配置されているので、道管液と師管液とが混ざることなく、純粋な師管液または道管液を採取できる。アブラムシなどを用いた手法のように、吸引口が外界に触れることがないため、純度の高い師管液または道管液を採取でき、また、長期モニタリングに適する。
(維管束液の動態)
維管束液計測センサ1による維管束液の動態の測定は以下のように行われる。
まず、ヒータ付温度プローブ40および温度プローブ50A、50Bの先端部を植物の師管PHに配置する。つぎに、ヒータ付温度プローブ40に設けられたヒータ42を作動させる。ヒータ42を作動すれば、ヒータ42から供給された熱エネルギは、ヒータ付温度プローブ40に供給される。ヒータ付温度プローブ40に供給された熱エネルギは、ヒータ付温度プローブ40の表面から師管PH内を流れる師管液に放出される。
このときのヒータ付温度プローブ40および温度プローブ50A、50Bの温度を、温度センサ41、51によって測定する。そして、2つの温度プローブ50A、50Bの温度を比較することで、師管流の方向を特定できる。
なぜなら、2つの温度プローブ50A、50Bは、ヒータ付温度プローブ40を挟む位置に設けられているので、師管液が植物の末端から根本に向かって流れている場合、根本側に位置する温度プローブ50Bは、ヒータ付温度プローブ40により昇温された師管液により暖められ、末端側の温度プローブ50Aに比べて温度が高くなるからである。
逆に、師管液が植物の根本から末端に向かって流れている場合、末端側に位置する温度プローブ50Aは、ヒータ付温度プローブ40により昇温された師管液により暖められ、根本側の温度プローブ50Bに比べて温度が高く検出される。
すなわち、師管流の方向は、温度の低い温度プローブ50Aまたは50Bから温度の高い温度プローブ50Bまたは50Aに向かう方向であると特定できる。
つぎに、ヒータ付温度プローブ40および温度プローブ50A、50Bで測定した温度から、上述したグラニエ法に基づいて新梢末端内を流れる師管流の流量(流速)を測定する。ここで、2つの温度プローブ50A、50Bのうち、温度の低い温度プローブ50Aまたは50Bと、ヒータ付温度プローブ40との温度差を基に計算する。温度の低い温度プローブ50Aまたは50Bは、ヒータ付温度プローブ40よりも師管流の上流側に配置されているからである。
例えば、師管流の流量が多い(流速が速い)場合には、ヒータ付温度プローブ40の近傍の師管液は、常に新しい師管液に置き換えられた状態となる。このため、ヒータ付温度プローブ40に供給する熱エネルギを一定とすれば、ヒータ付温度プローブ40の温度は、ヒータ付温度プローブ40の近傍の師管液によって運び去られる。一方、師管流の流量が少ない(流速が遅い)場合には、ヒータ付温度プローブ40の近傍の師管液は、滞留したような状態となるので、ヒータ付温度プローブ40に供給する熱エネルギを一定とすれば、ヒータ付温度プローブ40の温度は、蓄積されたような状態となる。
したがって、師管流の流速および流量を、ヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50Aまたは50Bとの間の温度差ΔTを測定することによって算出することができる。なお、ヒータ付温度プローブ40および温度プローブ50A、50Bの先端部を植物の道管XYに配置すれば、道管流の流速および流量を求めることができる。
ヒータ付温度プローブ40の温度センサ41は温度センサ用流路43の内部に設けられている。ヒータ付温度プローブ40を植物に突き刺すことにより道管XYと師管PHとの間の組織が破壊されたとしても、温度センサ用流路43の内部では道管液と師管液との混合を抑制できる。また、温度プローブ50A、50Bの温度センサ51は温度センサ用流路52の内部に設けられている。温度プローブ50A、50Bを植物に突き刺すことにより道管XYと師管PHとの間の組織が破壊されたとしても、温度センサ用流路52の内部では道管液と師管液との混合を抑制できる。
一般に、師管流の流速は道管流の流速に比べて1オーダー程度遅い。そのため、道管液と師管液とが混合すると流量を正確に測定できなくなる。しかし、本実施形態では道管液と師管液との混合を抑制できるため、維管束液流量を正確に測定できる。
維管束液計測センサ1を半導体基板SSで形成することにより、維管束液計測センサ1を小型化することができ、プローブ20、30、40、50A、50Bを微細化できる。そのため、かかる維管束液計測センサ1を植物に設置しても植物に対するダメ−ジ(損傷)を小さくできるので、長期間設置させておくことができる。その結果、植物の維管束液の動態を長期間に渡ってモニタリングすることができるので、植物の生育状態に合わせて適切な水分供給や養分補給(施肥)を行うことができる。
また、プローブ20、30、40、50A、50Bが微細化されているので、プローブ20、30、40、50A、50Bを植物に突き刺して設置しても、植物に与えるストレスを小さくすることができる。換言すれば、プローブ20、30、40、50A、50Bの設置前後における植物の設置部位内の維管束液の動態の変動を小さくできる。このため、プローブ20、30、40、50A、50Bを植物に設置したのち、すぐに設置部位内を流れる維管束液の動態を測定することができる。しかも、従来のセンサでは設置することが困難であった植物の新梢末端や果柄等の細部にも容易に取付けることができる。
維管束液計測センサ1を用いて植物の維管束液の動態測定を行うことで、植物の生育状態に合わせて最も適切な時期に灌水や養分補給を行なうことが可能となる。その結果、作物や果樹等の収穫量の増大を図ることができる。また、植物の新梢末端や果柄の水分量測定が可能なため、的確な灌水制御(水資源の有効利用)を行なうことができる。そのため、果樹栽培の高品質(果実糖度が高い)・安定生産(品質が揃った)等、高付加価値栽培が実現できる。
(製造方法)
つぎに、図7から図15に基づき、維管束液計測センサ1の製造方法を説明する。
なお、半導体基板SSを用いてMEMS技術により維管束液計測センサ1を形成する場合、通常は12インチサイズや8インチサイズなどの円板状の基板を用いて、多数の維管束液計測センサ1を一括して形成する。このような製造方法を採用することにより維管束液計測センサ1の一個当たりの製造コストを大幅に低減できる。しかし、以下では、説明の便宜のため、一個の維管束液計測センサ1を形成する場合について図示し、説明する。円板状の基板を用いて多数の維管束液計測センサ1を一括して製造する場合も、基本的には同様の手順で行うことができる。ただし、基板上に多数の維管束液計測センサ1を形成した後に、個別の維管束液計測センサ1とするためにダイシングして分割する工程が必要である。
(1)準備工程
図7(A)、(B)に示すように、半導体基板SSを準備する。以下では、半導体基板SSとしてSOI基板を用いる例を説明するが、シリコン基板を用いる場合もほぼ同様である。
加工前のSOI基板SSは平面視矩形の薄板である。準備工程では、まず、SOI基板SSに対して化学薬品を用いて表面洗浄を行う。つぎに、SOI基板SSの表面に、酸化拡散炉を用いて熱酸化膜を形成する。なお、SOI基板SSの表面に酸化膜を形成すればよく、熱酸化膜に代えて、薄膜形成技術により酸化膜を形成してもよい。
(2)センサ部形成工程
つぎに、図8(A)、(B)に示すように、SOI基板SSの表面に形成された熱酸化膜上に、pH測定用素子26、電気抵抗測定用電極31、温度センサ41、51、ヒータ42、電極パッド26e、31e、41e、42e、51e、および配線からなるセンサ部を形成する。
pH測定用素子26としてのイオン感応性電界効果トランジスタは、MOS型電界効果トランジスタ(MOS−FET)を基本構造としている。イオン感応性電界効果トランジスタは以下の手順で形成される。すなわち、SOI基板SSの活性層AL(p型)上にソースおよびドレインの埋め込み層(n+)を拡散工程等により形成する。ついで、それらの埋め込み層と接続する金属電極をスパッタ法や蒸着法を用いて形成する。ついで、これらの上部に、SiO2やTaOX等の誘電体膜からなるイオン感応膜(ゲート酸化膜)をスパッタ法等により形成する。
温度センサ41、51、およびヒータ42としてのpn接合ダイオードは、SOI基板SS上に拡散用ホール(p型)を形成した後、n拡散(n型)を形成することで、形成される。
電気抵抗測定用電極31、電極パッド26e、31e、41e、42e、51e、および配線は、例えば、スパッタ法や蒸着法を用いてSOI基板SS上にAl薄膜を堆積させることにより形成される。
(3)保護膜形成工程
つぎに、図9(A)、(B)に示すように、SOI基板SSの表面にフォトレジストを塗布し、フォトレジストに対して露光、現像して不要部分を除去することで、センサ部の配線を覆う保護膜15を形成する。なお、保護膜15は、薄膜技術によりSiO2やSi34などの絶縁材料の層を形成した後に、露光、エッチングプロセスで必要とする形状に加工して形成してもよい。
(4)プローブ形成工程
つぎに、図10(A)、(B)に示すように、SOI基板SSにプローブ形状のフォトリソグラフィを行い、ICP−RIE等のドライエッチングにより不要部分を除去してプローブ形状の原形を形成する。ここで、SOI基板SSの活性層AL、酸化膜層OL、および支持基板SBの上部を除去する。
その後、図11(A)、(B)に示すように、プローブ20、30、40、50A、50Bが片持ち梁状になるように、SOI基板SSを裏面からエッチングする。この工程では、ICP−RIE等のドライエッチングが用いられる。ここで、SOI基板SSの支持基板SBを裏面からエッチングしていき、プローブ20、30、40、50A、50Bが分離された段階でエッチングをストップする。これにより、片持ち梁状のプローブ20、30、40、50A、50Bを形成できる。
(5)側壁形成工程
つぎに、図12(A)、(B)に示すように、SOI基板SS上の必要領域に、シート状のフォトレジストR1を熱融着する。シート状のフォトレジストR1としては、熱融着でき、かつ、ある程度の強度を有するものであれば特に限定されない。フォトレジストR1としてSU8が好適に用いられる。
つぎに、図13(A)、(B)に示すように、フォトレジストR1に対して露光、現像することで、フォトレジストR1の不要部分を除去する。具体的には、プローブ形状からはみ出した部分と、捕集流路21、電極用流路32、および温度センサ用流路43、52に相当する部分とを除去する。
フォトレジストR1の各種流路21、32、43、52に相当する部分を除去することで、SOI基板SS上に各種流路21、32、43、52を構成する側壁12を形成できる。
このように、各種流路21、32、43、52の側壁12をフォトレジストR1で形成するので、SOI基板SSに対して垂直な側壁12を形成できる。結晶異方性エッチング等によりSOI基板SSに流路21、32、43、52を直接形成すると側壁12がSOI基板SSに対して傾斜するが、この場合に比べて流路21、32、43、52の断面積を広くできる。その結果、維管束液が流路21、32、43、52に流入しやすくなる。また、シート状のフォトレジストR1を用いることで側壁12の高さを十分大きくすることができ、維管束液を流路21、32、43、52に容易に流すことができる。
(6)親水化工程
以上のように、側壁12は硬化したフォトレジストR1で形成されている。一般に、フォトレジストR1は疎水性であるため、そのままでは維管束液が流路21、32、43、52に流入しにくい。そこで、側壁12を親水化する処理を行う。側壁12を親水化することで、維管束液が流路21、32、43、52に流入しやすくなる。
親水化処理は、例えば、形成途中の維管束液計測センサ1をプラズマエッチング(Plasama Etching)装置や反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)装置に挿入し、O2ガスを用いた酸素アッシング等の表面処理をすることで行われる。ここで、プラズマ中の酸素ラジカル(O*)は、シート状のフォトレジスト(主な元素構成はCxy)表面で、下記化学式(1)の化学反応を起こしエッチングが進行する。
xy +O* → CO2↑ + H2O (1)
この過程で、フォトレジスト表面の改質(表面の組成変成や構造変化)が行われる。最適な酸素アッシング条件を選ぶと、C−C結合に対して、C−O結合が相対的に増大したり、COOの結合が新たに発現する。このような表面状態が形成されると、大気中の水分子(H2O)とフォトレジスト表面の結合手とが反応して、C−OHやCO−OHを形成し、極性を持つOH基が水分子を引き寄せることで、親水性が付与される(疎水性から親水性に代わる)。一例として、親水化処理に用いた反応性イオンエッチングの条件は、酸素ガス流量:10sccm、酸素ガス圧力:6.5Pa、高周波電力:100W、処理時間:5分程度である。
(7)天井形成工程
つぎに、図14(A)、(B)に示すように、硬化したフォトレジストR1の上に別のシート状のフォトレジストR2を熱融着する。ここで、フォトレジストR2を、流路21、32、43、52を構成する側壁12の上端に架け渡して熱融着する。シート状のフォトレジストR2としては、熱融着でき、かつ、ある程度の強度を有するものであれば特に限定されない。フォトレジストR2としてSU8が好適に用いられる。
つぎに、図15(A)、(B)に示すように、フォトレジストR2に対して露光、現像することで、フォトレジストR2の不要部分を除去する。フォトレジストR2により流路21、32、43、52の天井部13を形成できる。
このように、シート状のフォトレジストR2を用いて流路21、32、43、52の天井部13を形成するので、プローブ20、30、40、50A、50Bの内部に流路21、32、43、52を容易に形成できる。また、シート状のフォトレジストR2を用いて捕集流路21の天井部13を形成するので、表面状態に敏感なpH測定用素子26であっても、捕集流路21内に簡単に形成できる。
(8)熱分離工程
最後に、図1および図2に示すように、支持部10のうちヒータ付温度プローブ40を支持する部分と、温度プローブ50A、50Bを支持する部分との間のSOI基板SSを、支持基板SBに達する深さまで切削して溝14を形成する。なお、溝14の形成方法は特に限定されないが、ダイシングソー、レーザダイシング、エッチング加工などによる方法が挙げられる。また、溝14の深さは活性層ALの厚み以上とすればよい。
なお、上記実施形態では親水化工程を側壁形成工程と天井形成工程との間で行っているが、それに加えて天井形成工程の後に行ってもよい。あるいは、天井形成工程後のみに親水化工程を行ってもよい。そうすれば、側壁12に加えて天井部13も親水化できる。すなわち、流路21、32、43、52の内部全体を親水化できる。そのため、維管束液が流路21、32、43、52に流入しやすくなる。
ただし、天井形成工程の後は、流路21、32、43、52は底部11、側壁12、天井部13で囲まれており、その内壁は流路21、32、43、52の開口端でしか外気と繋がっていないことや、酸素ラジカルが流路中に十分侵入しにくいこともあり、親水化工程には比較的長時間を要する。天井形成工程の前であれば、天井部13がないので流路21、32、43、52の上部が全体に渡って外気と繋がっている。そのため、天井形成工程の前に親水化処理を行ったほうが、短時間で効率よく処理を行うことができる。
また、流路21、32、43、52の底部11の表面には酸化膜が形成されており、酸化膜は一般に親水性を有する。側壁12を親水化すれば流路21、32、43、52の3面が親水性を有することになる。そのため、天井部13が疎水性のままでも、十分に維管束液が流路21、32、43、52に流入できる。
前記側壁形成工程では、フォトレジストR1により側壁12を形成したが、これに代えて、SOI基板SSの流路21、32、43、52に相当する部分をエッチングにより除去して、SOI基板SSにより側壁12を形成してもよい。
この場合、SOI基板SSにより流路21、32、43、52の底部11と側壁12とが一体形成されるので、プローブ20、30、40、50A、50Bの強度を高くできる。また、底部11と側壁12がもともと親水性を有するので、親水化工程を設けなくてもよい。
〔第2実施形態〕
つぎに、本発明の第2実施形態に係る維管束液計測センサ2を説明する。なお、第1実施形態に係る維管束液計測センサ1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、維管束液計測センサ2は、支持部10と、一対の側部プローブ60A、60Bと、1つの中央プローブ70とを備えている。
各プローブ60A、60B、70は、それらを同一平面内で平行に並べた状態で、その基端が支持部10に支持されている。一対の側部プローブ60A、60Bは、中央プローブ70を挟む位置に設けられている。これらのプローブ60A、60B、70を植物の茎等に突き刺すことで、植物に維管束液計測センサ2が設置される。
(側部プローブ)
各側部プローブ60A、60Bは、第1実施形態おける捕集プローブ20、電気抵抗プローブ30、および温度プローブ50A、50Bが一体のプローブとして形成されたものである。すなわち、各側部プローブ60A、60Bは、捕集流路21と、電気抵抗測定用電極31と、温度センサ51とを有している。
図18および図19(A)に示すように、側部プローブ60A、60Bの内部には捕集流路21が形成されている。捕集流路21は全体として略T字形であり、第1流路22と、第2流路23とからなる。捕集流路21は2つの入口開口部24、24を有している。一方の入口開口部24は側部プローブ60A、60Bの一方の側面に配置され、他方の入口開口部24は側部プローブ60A、60Bの他方の側面に配置されている。第1流路22は2つの入口開口部24、24を接続し、側部プローブ60A、60Bの幅方向に沿って形成されている。第2流路23は一端が第1流路22に接続され、側部プローブ60A、60Bの軸方向に沿って形成されている。なお、捕集流路21の内部にpH測定用素子26を設けてもよい。
側部プローブ60A、60Bの内部には、捕集流路21よりも先端側に2つの電極用流路32が形成されている。各電極用流路32は側部プローブ60A、60Bの幅方向に沿って形成されており、開口部が側部プローブ60A、60Bの両側面に配置されている。したがって、側部プローブ60A、60Bを植物の茎等に突き刺せば、維管束液が電極用流路32に流入する。
2つの電極用流路32は、側部プローブ60A、60Bの軸方向に並んで配置されている。また、2つの電極用流路32のそれぞれには、その内部に一対の電気抵抗測定用電極31が設けられている。したがって、電気抵抗測定用電極31は対ごとに側部プローブ60A、60Bの軸方向に並んで配置されている。
捕集流路21の第1流路22の内部にも、一対の電気抵抗測定用電極31が設けられている。したがって、第1流路22は捕集流路21の一部を構成するとともに、電極用流路32としての機能も有する。
捕集流路21の第1流路22の内部には、温度センサ51が設けられている。したがって、第1流路22は捕集流路21の一部を構成するとともに、温度センサ用流路52としての機能も有する。
(中央プローブ)
中央プローブ70は、第1実施形態おける電気抵抗プローブ30、およびヒータ付温度プローブ40が一体のプローブとして形成されたものである。すなわち、中央プローブ70は、電気抵抗測定用電極31と、温度センサ41と、ヒータ42とを有している。
図18および図19(B)に示すように、中央プローブ70の先端部内部には、2つの電極用流路32が形成されている。また、2つの電極用流路32のそれぞれには、その内部に一対の電気抵抗測定用電極31が設けられている。
中央プローブ70の先端部内部には温度センサ用流路43が形成されている。温度センサ用流路43よりも先端側に2つの電極用流路32が配置されている。温度センサ用流路43の内部には、温度センサ41とヒータ42とが設けられている。
図17に示すように、支持部10のうち中央プローブ70を支持する部分と、側部プローブ60A、60Bを支持する部分との間には溝14が形成されている。したがって、中央プローブ70のヒータ42の熱が支持部10を介して側部プローブ60A、60Bに伝わりにくい。
(使用方法)
つぎに、維管束液計測センサ2の使用方法を説明する。
図20に示すように、維管束液計測センサ2の全てのプローブ60A、60B、70を植物の細部に突き刺して取り付ける。このとき、道管XYおよび師管PHに沿って、プローブ60A、60B、70を配置する。
各プローブ60A、60B、70は、電気抵抗測定用電極31が設けられており、道管XYの位置を検出する機能を有する。検出された道管XYの位置に基づいてプローブ60A、60B、70の突き刺し深さを調整できる。
側部プローブ60A、60Bに設けられた捕集流路21により維管束液を捕集できる。中央プローブ70に設けられたヒータ42を作動させ、温度センサ41、51で測定された温度から維管束液流の方向、流量を求めることができる。
本実施形態によれば、プローブ60A、60B、70の本数を少なくできるので、維管束液計測センサ2を小型化することができる。また、プローブ60A、60B、70の本数が少ないので、植物に対するダメ−ジ(損傷)をより小さくできる。
なお、第1実施形態における、捕集プローブ20、電気抵抗プローブ30、ヒータ付温度プローブ40、温度プローブ50A、50Bを、いかなる組み合わせで一体化してもよい。
〔その他の実施形態〕
前記実施形態の捕集流路21の入口開口部24の数は2つであるが、これを1つとしてもよい。例えば、図21に示すように、各側部プローブ60A、60Bに形成される捕集流路21を全体として略L字形とし、入口開口部24を1つのみ有する構成とする。入口開口部24は側部プローブ60A、60Bの一方の側面に配置される。
側部プローブ60A、60Bの一方の側面のみに捕集流路21の入口開口部24が配置されているので、入口開口部24から流入した維管束液が流出することを抑制でき、維管束液を効率よく捕集できる。
また、この場合、一方の側部プローブ60Aに形成される捕集流路21と、他方の側部プローブ60Bに形成される捕集流路21とで、入口開口部24の向きを逆にするとともに、各入口開口部24が側方を向くようにすることが好ましい。そうすれば、維管束液流の方向によらず、いずれかの側部プローブ60A、60Bで維管束液を捕集できるので、側部プローブ60A、60Bを植物に突き刺す向きを気にする必要がない。
図22に示すように、捕集流路21が2つの入口開口部24を有する構成において、2つの入口開口部24を接続する第1流路22の内部に誘導壁27を設けてもよい。誘導壁27により入口開口部24から流入した維管束液を第2流路23へ導くことができる。そのため、一方の入口開口部24から流入した維管束液が他方の入口開口部24から流出することを抑制でき、維管束液を効率よく捕集できる。
図23に示すように、支持部10を、絶縁性基板GBと半導体基板SSとの積層体である基板Bで形成してもよい。各プローブ20、30、40、50A、50Bは半導体基板SS側に形成されている。絶縁性基板GBとしてはガラス基板など、絶縁材料で形成された基板が用いられる。
支持部10のうちヒータ付温度プローブ40を支持する部分と、温度プローブ50A、50Bを支持する部分との間には溝14が形成されている。溝14は半導体基板SSを除去することで形成されている。溝14の形成方法は特に限定されないが、ダイシングソー、レーザダイシング、エッチング加工などによる方法が挙げられる。
ヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50A、50Bとの間に溝14が形成されているので、ヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50A、50Bとは断熱性の高い絶縁性基板GBを介して接続されることとなる。すなわち、ヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50A、50Bとは熱分離されている。そのため、ヒータ付温度プローブ40のヒータ42の熱が支持部10を介して温度プローブ50A、50Bに伝わりにくい。その結果、温度プローブ50A、50Bの温度センサ51で維管束液の温度を精度良く測定でき、維管束液の流速を精度良く求め、流速から流量を精度良く求めることができる。
なお、このような構成を有する維管束液計測センサは、半導体基板SSの表面にセンサ部を形成した後に、半導体基板SSの裏面に絶縁性基板GBを接着し、プローブ形成を行うことで製造できる。
維管束液計測センサは捕集プローブ20、電気抵抗プローブ30、ヒータ付温度プローブ40、温度プローブ50A、50Bの全てを備える必要はない。維管束液計測センサは捕集プローブ20を備えていれば維管束液を捕集できる。捕集プローブ20のみを備える形態としてもよいし、捕集プローブ20および電気抵抗プローブ30のみを備える形態としてもよい。
維管束液計測センサはヒータ付温度プローブ40と温度プローブ50A、50Bとを備えていれば維管束液流の方向、流量を測定できる。ヒータ付温度プローブ40および温度プローブ50A、50Bのみを備える形態としてもよいし、ヒータ付温度プローブ40、温度プローブ50A、50Bおよび電気抵抗プローブ30のみを備える形態としてもよい。
維管束液計測センサに設けられる温度プローブ50A、50Bの数は1つでもよい。この場合、維管束液の下流側にヒータ付温度プローブ40に配置し、維管束液の上流側に温度プローブ50Aを配置する。そうすれば、維管束液の流量を測定できる。
1、2 維管束液計測センサ
10 支持部
20 捕集プローブ
21 捕集流路
24 入口開口部
26 pH測定用素子
30 電気抵抗プローブ
31 電気抵抗測定用電極
32 電極用流路
40 ヒータ付温度プローブ
41 温度センサ
42 ヒータ
43 温度センサ用流路
50A、50B 温度プローブ
51 温度センサ
52 温度センサ用流路
60A、60B 側部プローブ
70 中央プローブ

Claims (32)

  1. 維管束液を捕集する捕集プローブと、
    前記捕集プローブを支持する支持部と、を備え、
    前記捕集プローブの内部には前記維管束液が流入する捕集流路が形成されており、
    前記捕集流路の入口開口部は前記捕集プローブの側面に配置されている
    ことを特徴とする維管束液計測センサ。
  2. 前記捕集流路は2つの前記入口開口部を有し、一方の前記入口開口部は前記捕集プローブの一方の側面に配置され、他方の前記入口開口部は前記捕集プローブの他方の側面に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の維管束液計測センサ。
  3. 前記捕集流路は、
    2つの前記入口開口部を接続し、前記捕集プローブの幅方向に沿って形成された第1流路と、
    一端が前記第1流路に接続され、前記捕集プローブの軸方向に沿って形成された第2流路と、を備え、
    前記第1流路の内部に、前記入口開口部から流入した前記維管束液を前記第2流路へ導く誘導壁が設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の維管束液計測センサ。
  4. 前記捕集流路は1つの前記入口開口部を有し、前記入口開口部は前記捕集プローブの一方の側面に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の維管束液計測センサ。
  5. 前記捕集流路の内部にpH測定用素子が設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の維管束液計測センサ。
  6. 電気抵抗測定用電極が設けられた電気抵抗プローブを備え、
    前記電気抵抗プローブは前記支持部に支持されており、
    前記電気抵抗プローブの内部には前記維管束液が流入する電極用流路が形成されており、
    前記電極用流路は前記電気抵抗プローブの幅方向に沿って形成されており、
    前記電極用流路の開口部は前記電気抵抗プローブの側面に配置されており、
    前記電極用流路の内部に前記電気抵抗測定用電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の維管束液計測センサ。
  7. 前記電気抵抗プローブは複数の前記電極用流路を有し、
    複数の前記電極用流路は、前記電気抵抗プローブの軸方向に並んで配置されており、
    複数の前記電極用流路のそれぞれに前記電気抵抗測定用電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項6記載の維管束液計測センサ。
  8. 温度センサとヒータとが設けられたヒータ付温度プローブと、
    温度センサが設けられた温度プローブと、を備え、
    前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブは前記支持部に支持されている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の維管束液計測センサ。
  9. 前記ヒータ付温度プローブの内部には前記維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、
    前記温度センサ用流路は前記ヒータ付温度プローブの幅方向に沿って形成されており、
    前記温度センサ用流路の開口部は前記ヒータ付温度プローブの側面に配置されており、
    前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられている
    ことを特徴とする請求項8記載の維管束液計測センサ。
  10. 前記温度プローブの内部には前記維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、
    前記温度センサ用流路は前記温度プローブの幅方向に沿って形成されており、
    前記温度センサ用流路の開口部は前記温度プローブの側面に配置されており、
    前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられている
    ことを特徴とする請求項8または9記載の維管束液計測センサ。
  11. 前記支持部は、絶縁性基板と半導体基板との積層体で形成されており、
    前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブは前記半導体基板側に形成されており、
    前記支持部のうち前記ヒータ付温度プローブを支持する部分と、前記温度プローブを支持する部分との間に、前記半導体基板が除去された溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項8、9または10記載の維管束液計測センサ。
  12. 温度センサとヒータとが設けられたヒータ付温度プローブと、
    温度センサが設けられた温度プローブと、
    前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブを支持する支持部と、を備え、
    前記ヒータ付温度プローブの内部には維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、
    前記温度センサ用流路は前記ヒータ付温度プローブの幅方向に沿って形成されており、
    前記温度センサ用流路の開口部は前記ヒータ付温度プローブの側面に配置されており、
    前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられている
    ことを特徴とする維管束液計測センサ。
  13. 前記温度プローブの内部には前記維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、
    前記温度センサ用流路は前記温度プローブの幅方向に沿って形成されており、
    前記温度センサ用流路の開口部は前記温度プローブの側面に配置されており、
    前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられている
    ことを特徴とする請求項12記載の維管束液計測センサ。
  14. 温度センサとヒータとが設けられたヒータ付温度プローブと、
    温度センサが設けられた温度プローブと、
    前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブを支持する支持部と、を備え、
    前記温度プローブの内部には維管束液が流入する温度センサ用流路が形成されており、
    前記温度センサ用流路は前記温度プローブの幅方向に沿って形成されており、
    前記温度センサ用流路の開口部は前記温度プローブの側面に配置されており、
    前記温度センサ用流路の内部に前記温度センサが設けられている
    ことを特徴とする維管束液計測センサ。
  15. 前記支持部は、絶縁性基板と半導体基板との積層体で形成されており、
    前記ヒータ付温度プローブおよび前記温度プローブは前記半導体基板側に形成されており、
    前記支持部のうち前記ヒータ付温度プローブを支持する部分と、前記温度プローブを支持する部分との間に、前記半導体基板が除去された溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項12、13または14記載の維管束液計測センサ。
  16. 電気抵抗測定用電極が設けられた電気抵抗プローブを備え、
    前記電気抵抗プローブは前記支持部に支持されており、
    前記電気抵抗プローブの内部には前記維管束液が流入する電極用流路が形成されており、
    前記電極用流路は前記電気抵抗プローブの幅方向に沿って形成されており、
    前記電極用流路の開口部は前記電気抵抗プローブの側面に配置されており、
    前記電極用流路の内部に前記電気抵抗測定用電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項12、13、14または15記載の維管束液計測センサ。
  17. 前記電気抵抗プローブは複数の前記電極用流路を有し、
    複数の前記電極用流路は、前記電気抵抗プローブの軸方向に並んで配置されており、
    複数の前記電極用流路のそれぞれに前記電気抵抗測定用電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項16記載の維管束液計測センサ。
  18. 維管束液が流入する捕集流路を有する捕集プローブを備える維管束液計測センサの製造方法であって、
    半導体基板に、入口開口部が前記捕集プローブの側面に配置された前記捕集流路の側壁を形成する側壁形成工程と、
    シート状のフォトレジストを前記側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記捕集流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備える
    ことを特徴とする維管束液計測センサの製造方法。
  19. 前記側壁形成工程において、シート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記捕集流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成する
    ことを特徴とする請求項18記載の維管束液計測センサの製造方法。
  20. 前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記捕集流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成する
    ことを特徴とする請求項18記載の維管束液計測センサの製造方法。
  21. 前記側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程を備える
    ことを特徴とする請求項18記載の維管束液計測センサの製造方法。
  22. 前記天井形成工程後に前記捕集流路の内部を親水化する親水化工程を備える
    ことを特徴とする請求項18記載の維管束液計測センサの製造方法。
  23. 維管束液が流入する温度センサ用流路を有するヒータ付温度プローブを備える維管束液計測センサの製造方法であって、
    半導体基板に、入口開口部が前記ヒータ付温度プローブの側面に配置された前記温度センサ用流路の側壁を形成する側壁形成工程と、
    シート状のフォトレジストを前記側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記温度センサ用流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備える
    ことを特徴とする維管束液計測センサの製造方法。
  24. 前記側壁形成工程において、シート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成する
    ことを特徴とする請求項23記載の維管束液計測センサの製造方法。
  25. 前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成する
    ことを特徴とする請求項23記載の維管束液計測センサの製造方法。
  26. 前記側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程を備える
    ことを特徴とする請求項23記載の維管束液計測センサの製造方法。
  27. 前記天井形成工程後に前記温度センサ用流路の内部を親水化する親水化工程を備える
    ことを特徴とする請求項23記載の維管束液計測センサの製造方法。
  28. 維管束液が流入する温度センサ用流路を有する温度プローブを備える維管束液計測センサの製造方法であって、
    半導体基板に、入口開口部が前記温度プローブの側面に配置された前記温度センサ用流路の側壁を形成する側壁形成工程と、
    シート状のフォトレジストを前記側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記温度センサ用流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備える
    ことを特徴とする維管束液計測センサの製造方法。
  29. 前記側壁形成工程において、シート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成する
    ことを特徴とする請求項28記載の維管束液計測センサの製造方法。
  30. 前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記温度センサ用流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成する
    ことを特徴とする請求項28記載の維管束液計測センサの製造方法。
  31. 前記側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程を備える
    ことを特徴とする請求項28記載の維管束液計測センサの製造方法。
  32. 前記天井形成工程後に前記温度センサ用流路の内部を親水化する親水化工程を備える
    ことを特徴とする請求項28記載の維管束液計測センサの製造方法。
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