JPWO2018078876A1 - 超電導線材および超電導コイル - Google Patents

超電導線材および超電導コイル Download PDF

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Abstract

超電導線材は、本体部と、基板と、被覆部とを備える。本体部は、第1の主面と、第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有し、超電導材料部を含む。基板は本体部の第2の主面を支持する。被覆部は、少なくとも本体部の第1の主面上に形成される。被覆部において、超電導線材の幅方向における中央部の表面粗さは、幅方向における端部の表面粗さよりも小さい。

Description

本開示は、超電導線材および超電導コイルに関する。
近年、転移温度が液体窒素温度以下の高温超電導体である酸化物超電導体からなる超電導材料層が設けられた酸化物超電導線材が注目されている。
このような酸化物超電導線材は、一般的に、酸化物超電導材料層を含む本体部を形成し、さらに、本体部の外周を銀(Ag)や銅(Cu)の被覆部で覆うことにより製造されている(たとえば、特開2013−12321号公報(特許文献1)および特開2013−134856号公報(特許文献2)参照)。
特開2013−12321号公報 特開2013−134856号公報
本開示の超電導線材は、本体部と、基板と、被覆部とを備える。本体部は、第1の主面と、第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有し、超電導材料部を含む。基板は本体部の前記第2の主面を支持する。被覆部は、少なくとも本体部の第1の主面上に形成される。被覆部において、超電導線材の幅方向における中央部の表面粗さは、幅方向における端部の表面粗さよりも小さい。
図1は、本実施の形態に係る超電導線材の断面図である。 図2は、本実施の形態に係る超電導線材を用いたコイル体を示す斜視図である。 図3は、本実施の形態に係る超電導線材を用いた超電導コイルの斜視図である。 図4は、図3に示すA−A線に沿う断面図である。 図5は、本実施の形態に係る超電導線材の一部である被覆部の拡大図である。
[本開示が解決しようとする課題]
従来の超電導線材は、たとえばコイル状に巻回され、樹脂で含浸硬化されて超電導コイルを構成する。超電導コイルを臨界温度以下に冷却して使用する場合、一般的に、超電導線材の熱収縮率に比べて、含浸された樹脂の熱収縮率が大きいため、この熱収縮率の差に起因して、超電導線材に応力が加わる場合がある。この場合、応力を受けて超電導線材の超電導材料層が損傷し、結果的に超電導特性が劣化することがあった。
そこで、超電導特性の劣化を抑制することができる超電導線材および超電導コイルを提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、超電導特性の劣化を抑制することができる超電導線材および超電導コイルを提供することができる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る超電導線材10(図1参照)は、本体部7と、基板2と、被覆部8とを備える。本体部7は、第1の主面7aと、第1の主面7aと反対側に位置する第2の主面7bとを有し、超電導材料部4を含む。基板2は本体部7の第2の主面7bを支持する。被覆部8は、少なくとも本体部7の第1の主面7a上に形成される。被覆部8において、超電導線材10の幅方向における中央部の表面粗さは、幅方向における端部の表面粗さよりも小さい。
超電導線材10が巻回され、樹脂16で含浸硬化された超電導コイル20(図3参照)においては、被覆部8と樹脂16との接着性は被覆部8の表面粗さに依存する。上記のように、被覆部8において、幅方向における中央部の表面粗さを、幅方向における端部の表面粗さよりも小さくすることにより、中央部における被覆部8と樹脂16との接着性は、端部における被覆部8と樹脂16との接着性に比べて低くなる。
このようにすると、超電導コイル20を冷却した際に、超電導線材10と樹脂16との熱収縮率の差に起因して、超電導線材10の厚さ方向に応力が作用した場合、中央部では被覆部8と樹脂16との界面に剥離が生じることで応力が開放される。よって、超電導線材10に加わる応力を軽減することができる。この結果、超電導線材10の超電導材料層4の損傷を防止できるため、超電導特性の劣化を抑制することができる。
超電導コイル20を冷凍機を用いて冷却する超電導機器においては、コイル軸方向の両端部にそれぞれ冷却板を配置し、この一対の冷却板を冷却することで、超電導コイルを冷却するように構成されたものがある。当該超電導機器では、超電導線材10の幅方向の端部から樹脂16を経由して冷却板に熱が伝わる伝熱経路が形成される。上記超電導線材10によれば、幅方向の端部では、樹脂16の熱収縮により超電導線材10に応力が作用しても被覆部8と樹脂16との界面の剥離が抑制される。そのため、超電導線材10と樹脂16との間の熱伝導度の低下を防ぐことができる。よって、超電導コイル20を効率良く冷却することができる。
(2)上記超電導線材10においては、被覆部8の中央部の表面粗さは0.8μm以下であってもよい。被覆部8の端部の表面粗さは0.8μmより大きく、かつ、1.2μm以下であってもよい。
この場合、冷却に伴なう樹脂16の収縮により超電導線材10の厚さ方向に応力が作用した際、被覆部8の中央部では、被覆部8と樹脂16との界面に剥離が生じ易くなり、この界面での剥離によって超電導線材10に加わる応力を開放することができる。一方、被覆部8の端部では、被覆部8と樹脂16との界面の剥離が抑制されるため、超電導線材10と樹脂16との間の熱伝導度の低下を抑制することができる。
(3)上記超電導線材10では、被覆部8は、本体部7および基板2の周囲を覆う金属層として形成されてもよい。
このようにすると、本体部7の第1の主面7a上に位置する金属層は、幅方向の中央部の表面粗さが幅方向の端部の表面粗さよりも小さくなっており、そのため、超電導コイル20の使用時に超電導線材10の中央部に加わる応力が開放されて、超電導材料層4の損傷を防止することができる。また、超電導コイル20を効率良く冷却することができる。
(4)本発明の一態様に係る超電導コイル20(図3参照)は、上記超電導線材10を巻回したコイル体12と、コイル体12に含浸される樹脂16とを備える。
このようにすると、超電導線材10の臨界温度以下に冷却されて使用される場合に、熱収縮に起因する応力によって超電導特性が劣化が起こり難く、かつ、冷却効率が良い超電導コイル20を実現することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
最初に、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る超電導線材10について説明する。
図1は、超電導線材10が延在する方向(長手方向)に交差する方向に切断した、本実施の形態に係る超電導線材10の断面を示す。超電導線材10において超電導電流は超電導線材10の長手方向に沿って流れる。図1に示されるように、超電導線材10の幅方向をx軸方向とし、長手方向をy軸方向とし、厚み方向をz軸方向とする。
本実施の形態に係る超電導線材10は、長手方向の長さが厚みおよび幅に比べて大きく、かつ、厚みに比べて幅が大きいテープ形状を有していてもよい。本明細書では、超電導線材10の幅方向および長手方向に延在する表面(xy平面)を主面と呼ぶ。
図1に示すように、超電導線材10は、主に、本体部7と、基板2と、被覆部8とを備える。本体部7は、第1の主面7aと、第1の主面7aとは反対側の第2の主面7bとを有する。基板2は、本体部7の第2の主面7bを支持する。被覆部8は、少なくとも本体部7の第1の主面7a上に形成される。
基板2は、たとえば金属からなり、断面が矩形をなすテープ形状を有していてもよい。コイル形状に巻回するためには、基板2はたとえば1km程度に長尺化されていることが好ましい。基板2の厚みは目的に応じて適宜調整すればよく、通常は50μm〜200μmの範囲とすることができる。
基板2は、配向金属基板を用いることが好ましい。配向金属基板とは、基板表面の面内の2軸方向(x軸方向およびy軸方向)に関して結晶方位が揃っている基板を意味する。配向金属基板としては、たとえばNi(ニッケル)、銅(Cu)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd),銀(Ag)、および金(Au)のうちの2以上の金属からなる合金が好適に用いられる。配向金属基板は、たとえば他の金属または合金の表面に配向金属膜を貼り合せることによって形成されてもよい。合金としては、たとえば高強度材料であるSUSを用いることができる。配向金属膜を構成する材料としては、NiW(ニッケルタングステン)や銅(Cu)を例示することができる。なお、基板2の材料は特にこれに限定されない。なお、基板2としてSUS基板またはハステロイ基板等、表面が配向結晶化されていない無配向基板が用いられる場合には、中間層3として、たとえばIBAD(Ion Beam Assisted Deposition)法にて形成された結晶配向層を用いてもよい。
本体部7は、中間層3と、超電導材料層4と、保護層5とを含んでもよい。本体部7は、少なくとも超電導材料層4を含んでいればよい。
中間層3は、基板2の主面上に形成されてもよい。中間層3は、超電導材料層4との反応性が極めて低く、超電導材料層4の超電導特性を低下させないような材料を用いることができる。中間層3は、高温プロセスを利用して超電導材料層4を形成する際に、基板2から超電導材料層4へ金属原子が流出することを防止する材料を用いることができる。中間層3は、好ましくは、たとえば、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、CeO(酸化セリウム)、MgO(酸化マグネシウム)、Y(酸化イットリウム)、Al(酸化アルミニウム)、LaMnO(酸化ランタンマンガン)およびSrTiO(チタン酸ストロンチウム)の少なくとも1つから構成される。
中間層3は、複数の層により構成されていてもよい。中間層3が複数の層により構成される場合、中間層3を構成するそれぞれの層は互いに異なる材料または一部が同じ材料により構成されてもよい。
超電導材料層4は、中間層3の、基板2に対向する主面と反対側の主面(図1における上側の主面)上に形成されてもよい。超電導材料層4は、超電導線材10のうち、超電導電流が流れる部分である。超電導材料層4は本実施の形態における「超電導材料部」に相当する。本実施の形態では、超電導材料部である超電導材料層4は、超電導材料から実質的に構成される薄膜層である。
超電導材料層4に用いることのできる超電導材料は特に限定されない。超電導材料として、RE−123系の酸化物超電導体を用いてもよい。RE−123系の酸化物超電導体とは、REBaCu(yは6〜8、より好ましくは6.8〜7、REはイットリウム、またはGd、Sm、Hoなどの希土類元素である)として表される超電導体を意味する。
臨界電流Icを向上させるために、超電導材料層4の厚みは0.5μm以上であることが好ましい。超電導材料層4の厚みは特に限定されるものではないが、生産性を考慮すると10μm以下が望ましい。
保護層5は、超電導材料層4の、中間層3に対向する主面とは反対側の主面(図1における上側の主面)上に形成されてもよい。保護層5は、超電導材料層4を保護する機能を有する。保護層5は、たとえば銀(Ag)または銀合金からなる。保護層5の厚みは、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上2μm以下である。
被覆部8は、少なくとも本体部7の第1の主面7aを覆っていればよい。本実施の形態では、本体部7および基板2の全周を覆うように被覆部8が設けられている。
被覆部8は、良導電性の金属材料の箔またはめっき層などの金属層で構成される。被覆部8は、保護層5とともに、超電導材料層4が超電導状態から常電導状態に遷移する際に超電導材料層4の電流が転流するバイパスとして機能する。被覆部8はさらに、外力や水分などから本体部7を保護する機能を有する。被覆部8が保護層5および超電導材料層4を物理的に保護するために、被覆部8は、10μm以上500μm以下の厚みを有することが好ましい。
被覆部8を構成する材料は、薄い箔に成形できるもの、または、めっき形成できるものであればよく、特に限定されないが、銅(Cu)、NiCr(Ni−Cr合金)、ステンレス、Cu−Ni合金等の銅合金が好ましい。なお、超電導線材10を超電導限流器に使用する場合、被覆部8は高抵抗の金属材料であることが好ましく、たとえばNiCr等のNi系合金であることが好ましい。
次に、本実施の形態に係る超電導線材10の製造方法について説明する。
まず、基板2を準備する工程が実施される。具体的には、好ましくは配向金属基板からなる基板2が準備される。
次に、基板2上に中間層3を形成する工程が実施される。具体的には、基板2の主面上に中間層3が形成される。中間層3の形成方法としては、たとえばスパッタ法などの物理蒸着法を用いることができる。基板2の表面が配向結晶化されていない場合には、IBAD法によって、配向された中間層3が形成されてもよい。
次に、中間層3上に超電導材料層4を形成する工程が実施される。本実施の形態では、中間層3の基板2と対向する主面と反対側の主面(図1における中間層3の上側の主面)上にRE−123系の酸化物超電導体を含む超電導材料層4を形成する。たとえば、気相堆積法および液相堆積法、またはそれらの組合せにより、薄膜層である超電導材料層4を形成してもよい。気相堆積法としては、パルスレーザ蒸着法(PLD法)、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、有機金属化学体積気相堆積(MOCVD)法や分子線エピタキシー(MBE)法を例示することができる。これらの堆積法のうち少なくとも1つによって超電導材料層4を成膜すると、結晶配向性および表面平滑性に優れた表面を有する超電導材料層4を形成することができる。
次に、超電導材料層4上に保護層5を形成する工程が実施される。具体的には、超電導材料層4の中間層3と対向する主面と反対側の主面(図1における超電導材料層4の上側の主面)上に、銀(Ag)またが銀合金からなる保護層5を形成する。保護層5は、たとえばスパッタなどの物理的蒸着法により形成してもよい。
次に、本体部7を酸素雰囲気下でアニールする工程が実施される。このアニール工程によって、超電導材料層4に酸素が導入される。以上の工程が実施されることにより、基板2の上に、中間層3と超電導材料層4と保護層5とを含む本体部7が形成される。
最後に、本体部7および基板2を覆うように被覆部8を形成する工程が実施される。被覆部8は、少なくとも本体部7の第1の主面7aを覆っていればよい。本実施の形態では、本体部7および基板2の全周を覆うように、被覆部8が設けられる。たとえば、めっき法、または箔を貼り合せる方法により、被覆部8を本体部7および基板2上に形成してもよい。
なお、線材の幅を調整するために、保護層5を形成する工程と被覆部8を形成する工程との間に、本体部7および基板2を細線に加工する工程を行なってもよい。本体部7および基板2を細線に加工する工程では、本体部7および基板2に、たとえば機械スリット加工またはレーザスリット加工を施すことにより、本体部7および基板2を所定の幅に細線化する。たとえば、30mm幅の本体部7および基板2を4mm幅の細線に加工して、1本の本体部7および基板2から7本の細線化された本体部7および基板2を得ることができる。
あるいは、基板2を準備する工程において、基板2を細線に加工する工程を行なってもよい。たとえば、30mm幅の基板2を4mm幅の細線に加工する。細線に加工された基板2上に中間層3、超電導材料層4、保護層5を順に形成することにより、細線化された本体部7を得ることができる。
以上の工程が実施されることにより、図1に示す超電導線材10が製造される。
次に、本実施の形態に係る超電導線材10を用いた超電導コイル20の一例について、図2および図3を基に説明する。
図2は、実施の形態に係る超電導線材10を用いたコイル体12を示す斜視図である。超電導線材10は、一般的に、巻枠14に対してシングルパンケーキ状あるいはダブルパンケーキ状に巻回されてコイル形状にされる。図2には、ダブルパンケーキコイル18が例示されている。ダブルパンケーキコイル18は、互いに積層された2つのコイル体12を含む。
ダブルパンケーキコイル18において、一方のコイル体12における超電導線材10の巻回し方向と他方のコイル体12における巻回し方向とは互いに逆である。2つのコイル体12の超電導線材10の内周側に位置する端部同士は図示しない接続部を介して電気的に接続されている。これにより、一方のコイル体12の外周側に位置する端部と、他方のコイル体12の外周側に位置する端部との間で、2つのコイル体12は互いに直列に接続されている。
なお、本実施の形態において、コイル体12は、超電導線材10の本体部7が形成された側を内側とし、基板2側を外側として巻回されている。
図2に示したダブルパンケーキコイル18全体を樹脂16で覆うことにより超電導コイル20が形成される。図3は、図2に示すダブルパンケーキコイル18を樹脂16で覆い構成された超電導コイル20の斜視図である。
図3に示すように、ダブルパンケーキコイル18を樹脂16で含浸硬化することによって、ダブルパンケーキコイル18全体が樹脂16により一体的に覆われる。これにより、電磁力に対しても超電導線材10同士の相対位置関係を維持することができ、安定した磁界を形成することができる。
樹脂16としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂などを用いることができる。たとえば真空含浸法を用いることにより、ダブルパンケーキコイル18の隅々にまで樹脂16を浸透させることができる。これにより、ダブルパンケーキコイル18の機械的強度を向上させることができる。
図4は、図3に示すA−A線に沿う断面図である。図4に示されるように、超電導線材10を覆うように樹脂16が含浸されることにより、超電導線材10間にも樹脂16が充填されている。
超電導コイル20を冷凍機を用いて冷却する超電導機器においては、超電導コイル20のコイル軸方向の両端部に、それぞれ冷却板(図示せず)が配置される。そして、これらの冷却板を冷却することで、超電導コイル20を冷却するように構成されている。このような超電導機器では、超電導線材10と冷却板との間には、主に、超電導線材10の幅方向の端部から樹脂16を経由して冷却板に熱が伝わる伝熱経路が形成される。
以下、本実施の形態の作用および効果について説明する。
本実施の形態に係る超電導線材10は、本体部7の第1の主面7a上に位置する被覆部8において、幅方向(x軸方向)における中央部の表面粗さが、幅方向における端部の表面粗さよりも小さくなっている。
図5は、本実施の形態に係る超電導線材10の一部である被覆部8の拡大図である。図5には、本体部7の第1の主面7a上に位置する被覆部8が部分的に示されている。
図5に示すように、被覆部8において、端部10aは幅方向(x軸方向)の一方端に位置し、端部10bは幅方向の他方端に位置する。また、被覆部8において、中央部10cは幅方向の中央線を含むように位置する。
超電導線材10の幅をWとし、端部10a,10bの幅をW1とし、中央部10cの幅をW2すると、幅Wに対する幅W1の比率(W1/W)は、好ましくは10%以上30%以下である。また、幅Wに対する幅W2の比率は、好ましくは40%以上80%以下である。
端部10a,10bおよび中央部10cの各々の表面粗さは、被覆部8の主面の表面形状を測定することにより求めることができる。本実施の形態では、表面形状の測定は、触針表面形状計測器(装置名:DEKTAK 3030、Bruker Nano製)を用いて行なった。
表面形状の測定では、端部10a,10bおよび中央部10cの各々に相当する被覆部8の表面を、上記触針形状計測器を用いて、500μmの範囲内で幅方向になぞった。この測定で得られた曲線は、被覆部8の表面の断面曲線を表す。そして、得られた断面曲線から基準長さ(たとえば、50μm)だけを抜き取り、この抜き取り部分での最大谷深さと最大山高さとの和(最大高さ)を計測した。
実施例1〜4に係る超電導線材10の各々について、表面粗さを計測した結果を表1に示す。実施例1〜4に係る超電導線材10はいずれも、上述した製造方法によって製造されたものであり、図1に示した超電導線材構造を有している。なお、端部の表面粗さについては、端部10aの表面粗さの計測値と端部10bの表面粗さの計測値とを平均した値とした。
Figure 2018078876
表1に示されるように、実施例1,2,4の各々において、中央部の表面粗さは、端部の表面粗さよりも小さくなっている。実施例3では、中央部の表面粗さと端部の表面粗さとが等しくなっている。
本実施の形態に従う超電導線材10において、被覆部8の中央部10cの表面粗さは、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.6μm以下とすることができる。また、被覆部8の端部10a,10bの表面粗さは、好ましくは0.8μmより大きく、かつ、1.2μm以下とすることができる。
なお、被覆部8において、中央部10cの表面粗さを端部10a,10bの表面粗さよりも小さくすることは、たとえば、被覆部8がめっき層である場合、被覆部8を形成する工程において、めっき液中に含まれる添加剤によって被覆部8の主面の表面形状を制御することで実現することができる。被覆部8が金属箔である場合には、金属箔によって被覆部8を形成する工程において、金属箔を表面加工することで実現することができる。
本実施の形態によれば、超電導線材10を用いて作製された超電導コイル20(図3参照)において、超電導特性の劣化を抑制することができる。以下、この理由について説明する。
超電導コイルを臨界温度以下に冷却して使用する場合、一般的に、超電導線材の熱収縮率に比べて、含浸された樹脂の熱収縮率が大きいため、この熱収縮率の差に起因して、超電導線材に応力が加わる場合がある。この応力は専ら超電導線材の厚さ方向に作用する。すなわち、超電導線材の主面に対して応力が加わることになる。そのため、超電導線材では、応力を受けて超電導材料層において局所的な破損や変形が生じ易くなる。この結果、超電導コイルの超電導特性が劣化する可能性がある。
本実施の形態に係る超電導コイル20では、超電導線材10と樹脂16との熱収縮率の差に起因する応力は、主に、超電導線材10の最外周の被覆部8に加わることになる。
ここで、超電導コイル20において、被覆部8と樹脂16との接着性は被覆部8の表面粗さに依存する。詳細には、被覆部8の表面が粗くなるほど、樹脂16が被覆部8の表面に形成された微小な凹凸に食い込みやすくなるため、接着性が高くなる。
上記のように、本体部7の第1の主面7a上に位置する被覆部8において、幅方向における中央部10cの表面粗さは、幅方向における端部10a,10bの表面粗さよりも小さくなっている。したがって、中央部10cにおける被覆部8と樹脂16との接着性は、端部10a,10bにおける被覆部8と樹脂16との接着性に比べて低くなっている。
これにより、冷却に伴なう樹脂16の収縮により超電導線材10の厚さ方向に応力が作用した際、中央部10cでは、被覆部8と樹脂16との界面に剥離が生じ易くなる。この界面での剥離によって超電導線材10に加わる応力が開放されることとなり、結果的に超電導線材10に作用する応力を軽減することができる。したがって、超電導材料層4の破損および変形が抑制されるため、超電導特性の劣化を抑制することができる。
一方、被覆部8と樹脂16との界面に剥離が生じると、当該界面で隙間が生じるため、超電導線材10と樹脂16との間の熱伝導度が低下する可能性がある。その結果、上述した、超電導コイル20を冷凍機を用いて冷却するように構成された超電導機器では、超電導線材10から樹脂16を経由して冷却板への熱伝導性が低下し、結果的に超電導コイル20の冷却効率が低下する可能性がある。
本実施の形態に係る超電導線材10では、端部10a,10bにおいて被覆部8と樹脂16との接着性が高くなっている。そのため、樹脂16の熱収縮により応力が作用しようとしても、端部10a,10bでは被覆部8と樹脂16との界面の剥離が抑制され得る。よって、超電導線材10と樹脂16との接着が保たれるため、熱伝導度の低下を抑制することができる。したがって、超電導コイル20を効率良く冷却することができる。
ここで、端部10a,10bの表面粗さが大きくなるほど、被覆部8と樹脂16との接着性が高くなる傾向がある。ただし、端部10a,10bの表面粗さが大きくなると、超電導コイル20の使用時において、端部10a,10b近傍に電界が集中しやすくなる。これにより、超電導コイル20に過電圧が生じると、コイル体12の巻線ターン間で絶縁破壊が生じる可能性がある。超電導コイル20の絶縁強度を確保するためには、端部10a,10bの表面粗さは1.2μm以下であることが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 基板、3 中間層、4 超電導材料層、5 保護層、7 本体部、7a 第1の主面、7b 第2の主面、8 被覆部、10 超電導線材、10a,10b 端部、10c 中央部、12 コイル体、16 樹脂、18 ダブルパンケーキコイル、20 超電導コイル。

Claims (4)

  1. 超電導線材であって、
    第1の主面と、前記第1の主面と反対側に位置する第2の主面とを有し、超電導材料部を含む本体部と、
    前記本体部の前記第2の主面を支持する基板と、
    少なくとも前記本体部の前記第1の主面上に形成された被覆部とを備え、
    前記被覆部において、前記超電導線材の幅方向における中央部の表面粗さは、前記幅方向における端部の表面粗さよりも小さい、超電導線材。
  2. 前記被覆部の前記中央部の表面粗さは0.8μm以下であり、
    前記被覆部の前記端部の表面粗さは0.8μmより大きく、かつ、1.2μm以下である、請求項1に記載の超電導線材。
  3. 前記被覆部は、前記本体部および前記基板の周囲を覆う金属層として形成される、請求項1または請求項2に記載の超電導線材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前記超電導線材を巻回したコイル体と、
    前記コイル体に含浸される樹脂とを備える、超電導コイル。
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