JPWO2018074166A1 - 電気炉用助燃バーナー - Google Patents

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Abstract

石炭などの固体燃料を気体燃料とともに適切かつ効率的に燃焼させることで、鉄系スクラップの高い加熱効果を得ることが可能な電気炉用助燃バーナーを提供する。本開示の電気炉助燃バーナー(100)は、中心側から順に、固体燃料噴射管(1)、気体燃料噴射管(2)、支燃性ガス噴射管(3)が同軸に配された構造を有し、固体燃料噴射管(1)の先端が気体燃料噴射管(2)の内部に位置することにより、固体燃料噴射管(1)の先端と気体燃料噴射管(2)の先端との間に、気体燃料噴射管(2)の先端側部分で囲まれた固体燃料・気体燃料予混合用の第1空間部(4)が形成されることを特徴とする。

Description

本発明は、鉄系スクラップを溶解(melt)して溶鉄を製造する電気炉に付設される助燃バーナーに関するものである。
電気炉を使用して鉄系スクラップを溶解する場合、電極周辺の鉄系スクラップは早く溶解するが、電極から離れた場所、すなわちコールドスポットにある鉄系スクラップは溶解が遅く、炉内の鉄系スクラップ溶解速度に不均一が生じる。このため、炉内全体の操業時間は、コールドスポットの鉄系スクラップの溶解速度に律速されていた。
そこで、このような鉄系スクラップの溶解速度の不均一性を解消し、炉内全体の鉄系スクラップをバランス良く溶解させるべく、コールドスポットの位置に助燃バーナーを設置し、この助燃バーナーでコールドスポットに位置する鉄系スクラップの予熱、切断、溶解を行う方法が採られるようになってきた。
このような助燃バーナーとして、例えば、特許文献1には、中心部から不燃物の飛散用及び鉄系スクラップのカッティング用酸素ガスを噴出し、この酸素ガスの外周部から燃料を、さらにこの燃料の外周部から燃焼用酸素ガスを噴出するために三重管構造としたバーナーであって、中心部から噴出する酸素ガスの速度を高速とするために、中心部の酸素ガス噴出管の先端に絞り部を設けるとともに、最外周から噴出する燃焼用酸素ガスに旋回力を付与するために、燃料噴出管と燃焼用酸素ガス噴出管とで形成される環状空間に旋回羽根を設置した電気炉用高速純酸素助燃バーナーが提案されている。
また、特許文献2には、助燃バーナーのノズル先端を偏心させ、バーナーを回動させることでバーナー火炎の指向性を広範囲へ拡大させる電気炉用バーナー設備が提案されている。
特開平10−9524号公報 特開2003−4382号公報
特許文献1、2に記載された技術を用いることで、助燃バーナーを用いて鉄系スクラップを効率よく予熱、溶解することができる。しかしながら、特許文献1、2では、燃料の対象が高価な気体燃料に制限されるという問題がある。安価な燃料としては、石炭(微粉炭)などの固体燃料が挙げられる。固体燃料が着火するには、着火までの昇温時間が必要である。しかし、従来の助燃バーナーでは、固体燃料を気体燃料よりも早く燃焼させることは困難であり、安定した燃焼にならず、条件によっては失火することもある。また、微粉炭の粒子径が大きいとバーナーの火炎中で燃え切らない問題があり、燃え残った石炭が集塵設備によって電気炉外に排出され、熱的な効率が非常に悪くなる。このため従来技術では、助燃バーナーにおいて石炭などの固体燃料を用いることは事実上困難であった。
そこで本発明は、石炭などの固体燃料を気体燃料とともに適切かつ効率的に燃焼させることで、鉄系スクラップの高い加熱効果を得ることが可能な電気炉用助燃バーナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、石炭などの固体燃料を使用できる電気炉用助燃バーナーについて検討を重ねた結果、中心側から順に、固体燃料噴射管、気体燃料噴射管、支燃性ガス噴射管が同軸に配された基本構造において、バーナー先端部(ガス吐出部)において固体燃料と気体燃料を予混合し、この予混合された固体燃料と気体燃料が支燃性ガスと接触して燃焼するような構造とすること、具体的には、固体燃料噴射管の先端を気体燃料噴射管の内部に位置させ、固体燃料噴射管の先端と気体燃料噴射管の先端との間に、気体燃料噴射管の先端側部分で囲まれた固体燃料・気体燃料予混合用の空間部を形成することにより、固体燃料の燃焼性が高められ、スクラップ加熱効果が向上することを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]鉄系スクラップを溶解して溶鉄を製造する電気炉に付設され、燃料として気体燃料と固体燃料を用いる電気炉用助燃バーナーであって、
前記固体燃料が通過する第1流路を区画し、該第1流路の先端から前記固体燃料を噴射する固体燃料噴射管と、
前記固体燃料噴射管の周囲に配置され、前記固体燃料噴射管の外壁との間で前記気体燃料が通過する第2流路を区画し、該第2流路の先端から前記気体燃料を噴射する気体燃料噴射管と、
前記気体燃料噴射管の周囲に配置され、前記気体燃料噴射管の外壁との間で支燃性ガスが通過する第3流路を区画し、該第3流路の先端から前記支燃性ガスを噴射する支燃性ガス噴射管と、
を有し、
前記固体燃料噴射管の先端が前記気体燃料噴射管の内部に位置することにより、前記固体燃料噴射管の先端と前記気体燃料噴射管の先端との間に、前記気体燃料噴射管の先端側部分で囲まれた固体燃料・気体燃料予混合用の第1空間部が形成されたことを特徴とする電気炉用助燃バーナー。
[2]前記第1空間部のバーナー軸方向での長さLと前記固体燃料噴射管の吐出口径Dが、0.2≦L/D≦1.5を満足する、上記[1]に記載の電気炉用助燃バーナー。
[3]前記気体燃料噴射管の先端が前記支燃性ガス噴射管の内部に位置することにより、前記気体燃料噴射管の先端と前記支燃性ガス噴射管の先端との間に、前記支燃性ガス噴射管の先端側部分で囲まれた保炎用の第2空間部が形成された、上記[1]又は[2]に記載の電気炉用助燃バーナー。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の電気炉用助燃バーナーを備えることを特徴とする電気炉。
[5]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の電気炉用助燃バーナーを備えた電気炉において鉄系スクラップを溶解し、溶鉄を得ることを特徴とする溶鉄の製造方法。
本発明の電気炉用助燃バーナーによれば、固体燃料を気体燃料とともに高い燃焼率で効率的に燃焼させることができ、これにより鉄系スクラップの高い加熱効果が得られる。すなわち、石炭などの安価な固体燃料を用いて、鉄系スクラップを効率よく加熱又は溶解することができる。このため、電気炉操業における電力使用量を節減できるとともに、操業時間の短縮化が可能となる。
本発明の一実施形態による電気炉用助燃バーナー100のバーナー軸線に沿った断面図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態による電気炉用助燃バーナー100の使用状況の一例を模式的に示す説明図である。 実施例で行った助燃バーナーの燃焼試験の方法を示す説明図である。 本発明例及び比較例の助燃バーナーについて、バーナー先端位置からの距離と微粉炭燃焼率との関係を示すグラフである。 本発明例及び比較例の助燃バーナーを設置した電気炉で行った実証試験について、通常操業に対する操業時間指数と電力原単位指数を示すグラフである。
本開示の電気炉用助燃バーナーは、鉄系スクラップを溶解して溶鉄を製造する電気炉に付設されるものであって、燃料として気体燃料と固体燃料を用いる助燃バーナーである。この助燃バーナーは、中心側から順に、固体燃料噴射管、気体燃料噴射管、支燃性ガス噴射管が同軸に配された基本構造を有し、この基本構造において、バーナー先端部(ガス吐出部)で固体燃料と気体燃料を予混合し、この予混合された固体燃料と気体燃料が支燃性ガスと接触(混合)して燃焼するような構造としてある。具体的には、固体燃料噴射管の先端が気体燃料噴射管の内部に位置することにより、固体燃料噴射管の先端と気体燃料噴射管の先端との間に、気体燃料噴射管の先端側部分で囲まれた固体燃料・気体燃料予混合用の空間部が形成された構造を有する。この本開示の電気炉用助燃バーナーでは、バーナー先端部(ガス吐出部)において支燃性ガスと接触(混合)する前の固体燃料と気体燃料を予混合することにより、固体燃料を高い燃焼率で効率的に燃焼させることができ、これにより高いスクラップ加熱効果が得られ、鉄系スクラップを効率よく加熱又は溶解することができる。
燃焼に必要な要素として、可燃性物質、酸素、温度(火源)の3要素が挙げられる。また、可燃性物質の状態に関して、燃焼の容易さは気体、液体、固体の順番である。これは、可燃性物質が気体状態であれば、可燃性物質と酸素との混合が容易であり、燃焼の継続(連鎖反応)が行われるからである。
助燃バーナーを用いて可燃性物質として気体燃料を燃焼させた場合、酸素濃度や気体燃料の流速やバーナーチップ形状に依存するが、一般的に気体燃料はバーナー先端から噴射された直後に即座に燃焼する。これに対して、可燃性物質として石炭に代表される固体燃料を用いる場合、気体燃料のように早く燃焼させるのは困難である。これは、固体燃料の着火温度が数百度(石炭の場合は400〜600℃程度)であり、この着火温度を維持することと、着火温度までの昇温時間が必要であることに起因する。
固体燃料が着火温度に到達するまでの昇温時間は、固体燃料の粒径(比表面積)に依存し、粒子を細かくすれば、着火時間を短くすることができる。これは、燃焼反応が、着火温度の維持と、可燃性物質と酸素との反応によって進行するためである。燃焼反応を効率よく進行させるためには、固体燃料の効率的な加熱と、その加熱された固体燃料と酸素との反応を早期に発生させることが重要である。本開示の助燃バーナーは、バーナー先端部で固体燃料と気体燃料を予混合することにより、固体燃料の効率的な加熱と、加熱された固体燃料と酸素との速やかな反応を可能ならしめたものである。
以下、助燃バーナーの気体燃料としてLNG(液化天然ガス)、固体燃料として石炭(微粉炭)、支燃性ガスとして純酸素を使用する場合について説明する。なお、これらの燃料の着火温度は、一般的には固体燃料>液体燃料>気体燃料である。
助燃バーナーの燃料としてLNGと石炭を用いた場合、LNGと純酸素の燃焼により石炭の着火温度以上の温度場が作られ、この温度場に石炭が送り込まれることで石炭が着火温度まで温度上昇し、石炭の燃焼(気化→着火)が起こる。石炭の温度上昇に必要な熱量が消費されるため火炎温度は低下するが、石炭の着火が起きる領域では温度が上昇する。
燃料であるLNGや石炭と酸素の反応により、不燃性気体である二酸化炭素が発生する。不燃性気体は燃焼の継続(連鎖反応)を阻害し、燃焼性を低下させる原因となる。また、石炭は搬送気体とともに供給されるが、搬送気体の流量が多いと搬送気体の比熱分の温度低下になることから、一般的に、固気比(単位時間あたりの固体供給速度/単位時間あたりの搬送気体の供給速度)を大きくした方が燃焼性は向上する。しかしながら、固気比が大きい状態とは、石炭が密な状態であり、外部からの熱や酸素との反応が中心部へ伝わりにくい条件である。石炭を効率よく燃焼させるためには、石炭の燃焼場において、石炭の周囲に熱や酸素が十分に存在する条件を作り出すことが重要である。この点、本開示の助燃バーナーでは、石炭はLNGと予混合された状態で燃焼場に送り込まれるため、LNGと酸素との反応による熱を石炭に効率よく伝えることができ、石炭がその着火温度まで迅速に昇温されることにより、石炭の燃焼性が向上する。
図1及び図2は、本開示の一実施形態による電気炉用助燃バーナー100を示すもので、図1はバーナー軸線に沿った断面図であり、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。
この助燃バーナー100において、燃料及び支燃性ガス供給用の本体部分は、中心側から順に固体燃料噴射管1、気体燃料噴射管2、及び支燃性ガス噴射管3が同軸に配された3重管構造となっている。固体燃料噴射管1は、固体燃料が通過する固体燃料流路10(第1流路)を区画し、この固体燃料流路10の先端が円形の固体燃料吐出口11であり、ここから固体燃料を噴射する。気体燃料噴射管2は、固体燃料噴射管1の周囲に配置され、固体燃料噴射管1の外壁との間で気体燃料が通過する気体燃料流路20(第2流路)を区画し、この気体燃料流路20の先端がリング状の気体燃料吐出口21であり、ここから気体燃料を噴射する。支燃性ガス噴射管3は、気体燃料噴射管2の周囲に配置され、気体燃料噴射管2の外壁との間で支燃性ガスが通過する支燃性ガス流路30(第3流路)を区画し、この支燃性ガス流路30の先端がリング状の支燃性ガス吐出口31であり、ここから支燃性燃料を噴射する。
各噴射管1,2,3の内径は特に限定されないが、一般に、固体燃料噴射管1の内径は10〜40mm程度、気体燃料噴射管2の内径は20〜60mm程度、支燃性ガス噴射管3の内径は40〜100mm程度とする。各噴射管の厚みも特に限定されないが、一般に2〜20mm程度とする。
以上のような基本構造において、固体燃料噴射管1の先端1Aが気体燃料噴射管2の内部に位置することにより、固体燃料噴射管1の先端1Aと気体燃料噴射管2の先端2Aとの間に、気体燃料噴射管2の先端側部分で囲まれた固体燃料・気体燃料予混合用の第1空間部4が形成されている。したがって、この第1空間部4には、固体燃料流路10の開放端である固体燃料吐出口11からは固体燃料が、気体燃料流路20の開放端である気体燃料吐出口21からは気体燃料がそれぞれ供給されて、これら固体燃料と気体燃料が第1空間部4内で予混合される。この第1空間部4は、気体燃料噴射管2の先端側部分で囲まれているので気体燃料の拡散が抑えられ、このため固体燃料と気体燃料が混合されやすく、この第1空間部4で固体燃料と気体燃料のうちの相当量が予混合された状態となる。
固体燃料と気体燃料の予混合の効果を表す指標として、第1空間部4のバーナー軸方向での長さLを固体燃料噴射管1の固体燃料吐出口11の吐出口径Dで除したL/Dを用いる。吐出口径Dは、固体燃料(搬送気体)の任意の吐出流量および吐出速度に応じて適宜決定される。吐出口径Dに対するLの長さを変えることで、予混合性が変化する。例えば、
・Lが短すぎる場合:固体燃料と気体燃料を予混合する時間と領域を確保しにくいため、予混合の効果が十分に得られない。
・Lが適切な場合:固体燃料と気体燃料が予混合され、固体燃料の燃焼性が改善する。
・Lが長すぎる場合:火炎がバーナー先端部に近づきすぎるため、バーナー先端部が溶損しやすくなる。
第1空間部4のバーナー軸方向での長さLは特に限定しないが、固体燃料噴射管1の固体燃料吐出口11の吐出口径Dとの関係で、0.2≦L/D≦1.5を満足することが好ましい。L/Dが0.2未満では、固体燃料と気体燃料を予混合する時間と領域を確保しにくいため、予混合の効果が十分に得られないおそれがある。そのため、L/Dは0.2以上が好ましく、0.6以上がより好ましい。一方、予混合の観点からは、L/Dが大きいほうが好ましいが、大き過ぎると火炎によりバーナー先端部が溶損しやすくなり、L/Dが1.5を超えると溶損の度合いが大きくなるおそれがある。そのため、L/Dは1.5以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
また、気体燃料噴射管2の先端2Aが支燃性ガス噴射管3の内部に位置することにより、気体燃料噴射管2の先端2Aと支燃性ガス噴射管3の先端3Aとの間に、支燃性ガス噴射管3の先端側部分で囲まれた保炎用の第2空間部5が形成されていることが好ましい。この第2空間部5には、第1空間部4からは予混合された固体燃料と気体燃料が、支燃性ガス流路30の開放端である支燃性ガス吐出口31からは支燃性ガスがそれぞれ供給されて、固体燃料と気体燃料は、この第2空間部5及びその下流側領域で支燃性ガスと接触(混合)して燃焼する。
第2空間部5のバーナー軸方向での長さL’は特に限定されないが、気体燃料噴射管の吐出口21の吐出口径D’との関係で0.1≦L’/D’≦1.2を満足することが好ましい。第2空間部5のバーナー軸方向での長さL’を設けることで第2空間部5に循環流が形成し、保炎効果が得られる。保炎効果とは火炎の失火を抑制し、火炎が安定化することをいう。
本実施形態では、このように第1空間部4で予混合された固体燃料と気体燃料が支燃性ガスと接触(混合)して燃焼するので、気体燃料と支燃性ガスとの反応による熱が効率よく固体燃料に伝わり、固体燃料がその着火温度まで迅速に昇温されることにより、石炭の燃焼性が向上する。
バーナー後端側において、支燃性ガス噴射管3のバーナー後端側には、支燃性ガス供給口32が設けられ、これを介して支燃性ガス流路30に支燃性ガスが供給される。同じく、気体燃料噴射管2のバーナー後端側には、気体燃料供給口22が設けられ、これを介して気体燃料流路20に気体燃料が供給される。同じく、固体燃料噴射管1のバーナー後端側には、固体燃料供給口12が設けられ、これを介して固体燃料流路10に固体燃料が搬送気体とともに供給される。
支燃性ガス供給口32には、支燃性ガス供給機構(図示せず)が接続され、これが支燃性ガスを支燃性ガス供給口32に供給する。気体燃料供給口22には、気体燃料供給機構(図示せず)が接続され、これが気体燃料を気体燃料供給口22に供給する。固体燃料供給口12には、固体燃料供給機構及び搬送気体供給機構(ともに図示せず)が接続され、これらが固体燃料及び搬送気体を固体燃料供給口12に供給する。
また、図示しないが、支燃性ガス噴射管3の外側には、さらに内側管体と外側管体が同軸に配され、それら外側管体と内側管体との間と、内側管体と支燃性ガス噴射管3との間に、相互に連通した冷却流体用流路(冷却流体の往路及び復路)を形成している。
なお、支燃ガス流路30や気体燃料流路20内には、支燃ガスや気体燃料に旋回流を付与するための旋回羽根を設けてもよい。支燃ガスや気体燃料に旋回流を与えることで、バーナーから吐出されたガスが低速な旋回流を形成するため、気体燃料と固体燃料の予混合を促進できるとともに、予混合された気体燃料・固体燃料と支燃性ガスとの混合も促進できる。
[支燃性ガス噴射管を最外周とする理由]
支燃性ガスの流量は、供給ガス量の中で最も多いことから、他の供給ガス(気体燃料及び搬送気体)と流速を合せるためには、支燃性ガス吐出口31の吐出面積を気体燃料吐出口21や固体燃料吐出口11よりも大きくする必要がある。その観点から、支燃性ガス噴射管3は最外周とするのが最適である。以下、支燃性ガスとして酸素を、気体燃料としてLNGを、固体燃料として微粉炭をそれぞれ使用する場合を例に説明する。
まず、燃焼に必要な酸素の量は下記(1)式により算出される。
燃焼に必要な酸素量=酸素比(係数)×[LNG流量×LNGの理論酸素量+微粉炭供給量×微粉炭の理論酸素量] …(1)
燃焼に必要な酸素量について、以下の条件にて具体的に算出する。すなわち、計算条件として、LNGの発熱量を9700kcal/Nm3とし、固体燃料である微粉炭の発熱量を7500kcal/kgとする。また、助燃バーナーの総エネルギーの90%を固体燃料、10%を気体燃料から供給するものとする。例えば、LNGを6.2Nm3/hで供給する場合は、その発熱量は60Mcal/hとなる。この場合、バーナーの目標総発熱量である600Mcal/hとの差分である540Mcal/hを微粉炭から供給する必要があり、その供給量は約72kg/hとなる。また、理論酸素量は燃料中の炭素分や水素分などから算出され、LNGの理論酸素量は2.25Nm3/Nm3程度、微粉炭の理論酸素量は1.70Nm3/kgである。
酸素比は1.0〜1.1の酸素過剰条件が一般的であり、酸素比を1.1とした場合の燃焼に必要な酸素量は、上記(1)式より150Nm3/h(≒1.1×[6.2×2.25+72×1.70])と算出される。したがって、純酸素を用いた場合では、LNGの約24倍の流量が必要である。また、微粉炭の搬送窒素と比較しても、固気比が12の場合の窒素流量は5.8Nm3/hであり、約26倍の流量が必要である。したがって、酸素の吐出速度をLNGや微粉炭の吐出速度と同じにするためには、支燃性ガス吐出口31は、気体燃料吐出口21や固体燃料吐出口11の20倍以上の吐出面積(径方向断面積)が必要となる。このため、バーナーのレイアウト上、支燃性ガス吐出口31をバーナーの最外周部に配置するのが合理的である。また、支燃性ガスとして純酸素ではなく、空気を用いる場合はさらに5倍の流量が必要となる。この場合も、同様の理由から、支燃性ガス吐出口31をバーナーの最外周部に配置するのが合理的である。
本実施形態の助燃バーナーに使用できる燃料としては、以下のものが例示できる。気体燃料としては、例えば、LPG(液化石油ガス)、LNG(液化天然ガス)、水素、製鉄所副生ガス(Cガス、Bガス等)、これらの2種以上の混合ガスなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。また、固体燃料としては、粉末状固体燃料、例えば、石炭(微粉炭)、プラスチック(粒状又は粉状のもの。廃プラスチックを含む)などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができるが、石炭(微粉炭)が特に好ましい。また、支燃性ガスとしては、純酸素(工業用酸素)、酸素富化空気、空気のいずれを用いてもよいが、純酸素を用いることが好ましい。搬送気体としては、例えば窒素を用いることができる。
図3は、本実施形態の助燃バーナー100の使用状況の一例(電気炉の半径方向での縦断面)を模式的に示すものであり、7は炉体、8は電極、100は助燃バーナー、xはスクラップである。助燃バーナー100は、適当な伏角をもって設置される。助燃バーナー100は、電気炉内のいわゆるコールドスポットにあるスクラップを加熱又は溶解できるように、通常、複数基設置される。
すなわち、本開示の電気炉は、上記電気炉用助燃バーナー100を備えることを特徴とし、さらに炉体7及び電極8を備えることができる。この電気炉によれば、鉄系スクラップの高い加熱効果を得ることが可能である。そして、本開示の溶鉄の製造方法は、上記電気炉用助燃バーナー100を備えた電気炉において鉄系スクラップを溶解し、溶鉄を得ることを特徴とする。この方法によれば、鉄系スクラップの高い加熱効果を得ることが可能である。
一般に、助燃バーナーはガス流速が比較的小さいために、飛散してくる溶鉄や溶融スラグのスプラッシュによりガス吐出口が詰まってしまうことがあるが、本実施形態の助燃バーナーでは、固体燃料の搬送ガスによりスプラッシュがパージされるため、スプラッシュによるガス吐出口の詰まりが生じにくい。
[実施例1]
図1及び図2に示す構造の本発明例の助燃バーナーと、第1空間部4を有しない点を除いて同様の基本構造を有する比較例の助燃バーナーを用いて燃焼実験を行った。本発明例については、固体燃料噴射管の吐出口径Dは変更せず、第1空間部4のバーナー軸方向での長さLを種々変更して、表3に示す種々のL/Dで燃焼実験を行った。また、本発明例及び比較例ともに、第2空間部5は、L’/D’=0.8を満たす寸法とした。
助燃バーナーの燃料にはLNG(気体燃料)と微粉炭(固体燃料)を用い、支燃性ガスには純酸素を用いた。中心の固体燃料噴射管から窒素を搬送気体として微粉炭を噴射するとともに、その外側の気体燃料噴射管からLNGを、その外側(最外周)の支燃性ガス噴射管から純酸素を、それぞれ噴射した。この助燃バーナーの出力及び使用条件を表1に示す。また、微粉炭としては、表2に示す成分、低位発熱量、粒度のMDTを用いた。
図4に燃焼実験の概略を示す。助燃バーナーから噴射した微粉炭の燃焼率を測定するために、燃焼試験後の微粉炭の燃え残り(以下、「残渣」という)を回収・分析した。具体的には、残渣回収箱を炉内に設置して燃焼試験を行い、残渣回収箱に堆積した残渣を回収し、その残渣に含まれるash分を求め、下式により微粉炭燃焼率を算出した。
Figure 2018074166
但し ash:残渣中の灰分の割合
ash0:微粉炭中の灰分の割合
残渣回収箱の寸法は幅0.5m、長さ1m、高さ0.1mであり、図4に示すように、バーナー先端位置からバーナー軸延長線上に3つの残渣回収箱を直列状に配置することで、バーナー先端位置(0m)からバーナー軸延長線上の3m位置までを3つの領域(i)(0m〜1m)、領域(ii)(1m〜2m)、領域(iii)(2m〜3m)に分けて残渣を回収し、各領域(残渣回収箱)で回収された残渣に基づき微粉炭燃焼率を算出した。
一般的な電気炉では、バーナー先端からスクラップまでの距離は0.5m〜2.5m程度である。このため、領域(i)、領域(ii)、及び領域(iii)の微粉炭燃焼率を評価することが適当である。算出される微粉炭燃焼率が60%未満では、安定した火炎が形成されにくく、失火の原因となる可能性があるため、微粉炭燃焼率60%以上を一応の目標とした。以上の結果を表3及び図5に示す。
また、バーナー先端部の溶損の有無を調査した。バーナー先端部に溶損があった場合、その溶損深さを測定し、バーナー先端部直径に対する割合を求めた。結果を表3に示す。
表3及び図5によれば、第1空間部4を有しない比較例1(L/D=0)の助燃バーナーは、領域(i)〜(iii)ともに微粉炭燃焼率が低く、全体として微粉炭の燃焼性が不十分であることが判る。これに対して、第1空間部4を有する本発明例1〜7の助燃バーナーは、第1空間部4での固体燃料と気体燃料の予混合効果により比較例1に対して微粉炭燃焼率が改善され、微粉炭の燃焼性が向上している。
特に、L/D=0.6である本発明例3とL/D=0.8である本発明例4の助燃バーナーは、領域(i)、(ii)の微粉炭燃焼率が60%以上であって、比較例1に対して最大で8.9%(本発明例4、領域(i))の微粉炭燃焼率の改善が見られた。また、L/D=1.0である本発明例5の助燃バーナーは、領域(i)〜(iii)の微粉炭燃焼率が60%以上であり、比較例1に対して最大で14.7%(領域(i))の微粉炭燃焼率の改善が見られた。
一方、L/D=0.3である本発明例2の助燃バーナーは、領域(i)だけが微粉炭燃焼率60%以上であるが、第1空間部4での固体燃料と気体燃料の予混合効果が認められ、比較例1に較べて微粉炭の燃焼性が高くなった。。また、L/D=0.2である本発明例1の助燃バーナーは、微粉炭燃焼率60%以上の領域は無いものの、第1空間部4での固体燃料と気体燃料の予混合効果により比較例1に対して微粉炭燃焼率の改善が見られた。
また、L/D=1.5である本発明例6とL/D=1.6である本発明例7の助燃バーナーは、領域(i)〜(iii)の微粉炭燃焼率が60%以上であり、本発明例のなかで微粉炭燃焼率が最も高く、比較例1に対して最大で16.1%(本発明例7、領域(i))の微粉炭燃焼率の改善が見られた。このようにL/Dが大きいほど微粉炭の燃焼性が高くなる可能性があるが、一方において、バーナー先端部の溶損が生じるおそれがある。本発明例6では、試験後にバーナー先端部がわずかに溶損しているのが確認され、その溶損深さはバーナー先端部直径に対して2.3%であった。本発明例7でも、試験後にバーナー先端部がわずかに溶損しているのが確認され、その溶損深さはバーナー先端部直径に対して3.1%であった。また、本発明例7では、バーナー先端部に微粉炭の固着が見られた。これは、L/Dが大きすぎるあまり、高温な微粉炭が先端に固着し、溶損がより進行したと考えられる。バーナー先端部の溶損や、微粉炭の付着は、メンテナンス性を阻害する。このように、高い微粉炭燃焼率に加えてメンテナンス性も確保する観点からは、L/Dが1.5以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましい。
本発明例1〜7の助燃バーナーでは、微粉炭の燃焼性の改善はバーナーに近い側で顕著であり、実際の電気炉での助燃バーナーとスクラップの距離は最短で0.5mであるため、本発明1〜7による微粉炭の燃焼性の改善は、スクラップを効率よく加熱又は溶解するのに有効であるといえる。
この試験でのバーナー出力600Mcal/hは、60t/chの電気炉に設置されている規模であり、実機スケールでの試験を実施した。したがって、実機の電気炉においても同様な効果が期待できることは明らかである。
Figure 2018074166
Figure 2018074166
Figure 2018074166
[実施例2]
表3(実施例1)の本発明例4と比較例1の助燃バーナーをそれぞれ設置した電気炉で実証試験を行った。電気炉は、炉径が約6.3m、炉高が約4.1m、Tap容量が約120トンであり、中心に電極が1本ある直流タイプである。助燃バーナーは、炉体周方向の4箇所に設置される。
助燃バーナーの燃料にはLNG(気体燃料)と微粉炭(固体燃料)を用い、支燃性ガスには純酸素を用いた。中心の固体燃料噴射管から窒素を搬送気体として微粉炭を噴射するとともに、その外側の気体燃料噴射管からLNGを、その外側(最外周)の支燃性ガス噴射管から純酸素を、それぞれ噴射した。この助燃バーナーの出力及び使用条件を表4に示す。微粉炭とLNGのエネルギー比率は、微粉炭:LNG=90:10とした。また、微粉炭としては、表2に示す成分、低位発熱量、粒度のMDTを用いた。
試験の評価は操業時間指数と電力原単位指数で行った。操業時間指数とは、各試験での操業時間を通常の操業における平均操業時間で除した指数である。また、電力原単位指数とは、各試験での電力原単位を通常の操業における電力原単位で除した指数である。それぞれの指数が1.0よりも低ければ操業コストにメリットがあることを示している。ここで、通常の操業とは、燃料としてLNGのみを用いた助燃バーナーを使用した操業を指す。
試験結果を表5及び図6に示す。ここで、表5に示す「◎」、「〇」、「×」は指数の評価であり、指数が0.8以下であるものを「◎」、同じく0.8超1.0以下であるもの「〇」、同じく1.0超であるものを「×」とした。
表5及び図6によれば、表3の比較例1(L/D=0)の助燃バーナーを用いた試験No.1では、操業時間指数0.96であり、また電力原単位指数は0.91であり、通常の操業と同等であった。しかし、同じく比較例1(L/D=0)の助燃バーナーを用いた試験No.2では、操業時間指数1.19であり、操業時間が長くなった。これは微粉炭の燃焼率が不十分であったことからスクラップへの着熱効率が低下し、結果として操業時間が長くなったと考えられる。以上のことから、比較例1の助燃バーナーでは、微粉炭の燃焼が安定しておらず、結果として操業コストの悪化を招く恐れがある。
これに対して、表3の本発明例4(L/D=0.8)の助燃バーナーを用いた試験No.3〜5では、操業時間指数はそれぞれ0.99、0.97、0.96であり、試験No.1と差異はみられなかった。一方、電力原単位指数は、それぞれ0.75、0.79、0.74であり試験No.1よりも大幅に低減した。これは、微粉炭の燃焼率が向上し、スクラップへの着熱が効率的に行われたことによるものと考えられる。また、操業時間の遅れもなかったため、安定した燃焼が行われたものと考えられる。
以上の説明から明らかなように、本発明の助燃バーナーは、固体燃料の安定した燃焼を実現し、操業コストを低減することが可能な助燃バーナーであると言える。このため、本発明の助燃バーナーを用いることにより、電気炉におけるスクラップの溶解コストを大幅に削減できる。
Figure 2018074166
Figure 2018074166
本発明の電気炉用助燃バーナーによれば、固体燃料を気体燃料とともに高い燃焼率で効率的に燃焼させることができ、これにより鉄系スクラップの高い加熱効果が得られる。
100 電気炉用助燃バーナー
1 固体燃料噴射管
2 気体燃料噴射管
3 支燃性ガス噴射管
4 第1空間部
5 第2空間部
7 炉体
8 電極
x 鉄系スクラップ
10 固体燃料流路(第1流路)
11 固体燃料吐出口
12 固体燃料供給口
20 気体燃料流路(第2流路)
21 気体燃料吐出口
22 気体燃料供給口
30 支燃性ガス流路(第3流路)
31 支燃性ガス吐出口
32 支燃性ガス供給口
1A 固体燃料噴射管の先端
2A 気体燃料噴射管の先端
3A 支燃性ガス噴射管の先端
L 第1空間部のバーナー軸方向での長さ
D 固体燃料噴射管の吐出口径

Claims (5)

  1. 鉄系スクラップを溶解して溶鉄を製造する電気炉に付設され、燃料として気体燃料と固体燃料を用いる電気炉用助燃バーナーであって、
    前記固体燃料が通過する第1流路を区画し、該第1流路の先端から前記固体燃料を噴射する固体燃料噴射管と、
    前記固体燃料噴射管の周囲に配置され、前記固体燃料噴射管の外壁との間で前記気体燃料が通過する第2流路を区画し、該第2流路の先端から前記気体燃料を噴射する気体燃料噴射管と、
    前記気体燃料噴射管の周囲に配置され、前記気体燃料噴射管の外壁との間で支燃性ガスが通過する第3流路を区画し、該第3流路の先端から前記支燃性ガスを噴射する支燃性ガス噴射管と、
    を有し、
    前記固体燃料噴射管の先端が前記気体燃料噴射管の内部に位置することにより、前記固体燃料噴射管の先端と前記気体燃料噴射管の先端との間に、前記気体燃料噴射管の先端側部分で囲まれた固体燃料・気体燃料予混合用の第1空間部が形成されたことを特徴とする電気炉用助燃バーナー。
  2. 前記第1空間部のバーナー軸方向での長さLと前記固体燃料噴射管の吐出口径Dが、0.2≦L/D≦1.5を満足する、請求項1に記載の電気炉用助燃バーナー。
  3. 前記気体燃料噴射管の先端が前記支燃性ガス噴射管の内部に位置することにより、前記気体燃料噴射管の先端と前記支燃性ガス噴射管の先端との間に、前記支燃性ガス噴射管の先端側部分で囲まれた保炎用の第2空間部が形成された、請求項1又は2に記載の電気炉用助燃バーナー。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気炉用助燃バーナーを備えることを特徴とする電気炉。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気炉用助燃バーナーを備えた電気炉において鉄系スクラップを溶解し、溶鉄を得ることを特徴とする溶鉄の製造方法。
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