JPWO2018073849A1 - 有摺接面部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の部材に摺接する際の摩擦力が小さく、より潤滑油を均一に貯留しやすい摺接面を有する有摺接面部材を提供する。【解決手段】 所定の部材が潤滑剤を介して摺接する摺接面を有する有摺接面部材であって、前記摺接面は平坦なプラトー部と溝部とを有するホーニング加工面であり、前記摺接面の断面曲線から導かれるISO13565−1に基づいて求められた平均線を用いて算出される前記摺接面の十点平均粗さ、切断レベル20%における負荷長さ率、有効負荷粗さ、及び平均線から0.2μm以上の深さを有する前記溝部の間隔の平均値がそれぞれ、0.6μm以上7.0μm以下、60%以上98%以下、0μm以上1μm以下、且つ、79μm以上280μm以下である。【選択図】 図10

Description

本発明は、所定の部材に摺接する面を有する有摺接面部材、特に、内燃機関のシリンダブロックに関する。
内燃機関の一つであるレシプロエンジンではシリンダブロックに設けられたシリンダボアの内部でピストンが往復運動を行う。その往復運動においてピストンの外周面とシリンダボアの内周壁面とが摺接するため、ピストンの外周面とシリンダボアの内周壁面との間には摩擦力が生じる。その摩擦力はエネルギー損失の原因となることから、シリンダボアの内周壁面は可能な限り平坦にすることによって、ピストンとシリンダボアとの間の摩擦力を抑えることが好ましい。しかしながら、シリンダボアの内周壁面が平坦になると、ピストンの外周面とシリンダボアの内周壁面との間に潤滑油が留まらず、ピストンとシリンダボアとの間の摩擦熱によって、ピストンとシリンダボアとに焼付が生じやすい。
そこで、ピストンとシリンダボアとの間の摩擦力を抑えつつ、ピストンの外周面とシリンダボアの内周壁面との間に潤滑油を貯留することを目的として、略平坦なプラトー面と潤滑油を貯留する溝部とがシリンダボアの内周壁面に形成されたシリンダブロックが知られている(例えば、特許文献1)。
特許第4678802号明細書
しかしながら、従来技術に基づくシリンダブロックでは、必ずしも所期の結果が得られないという問題があった。発明者が鋭意その原因を調査した結果、どのような形状の溝部が、どのような密度で形成されることにより最適な結果が得られるかについての考慮が不十分であったという知見を得た。
本発明は、このような従来技術の問題点及び発明者の知見に基づき、所定の部材に摺接する際の摩擦力が小さく、より潤滑油を均一に貯留しやすい摺接面を有する有摺接面部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、所定の部材(4)が潤滑剤を介して摺接する摺接面(40)を有する有摺接面部材(2)であって、前記摺接面は平坦なプラトー部と溝部とを有するホーニング加工面であり、前記摺接面の断面曲線から導かれるISO13565−1に基づいて求められた平均線を用いて算出される前記摺接面の十点平均粗さ、切断レベル20%における負荷長さ率、有効負荷粗さ、及び平均線から0.2μm以上の深さを有する前記溝部の間隔の平均値がそれぞれ、0.6μm以上7.0μm以下、60%以上98%以下、0μm以上1μm以下、且つ、79μm以上280μm以下であることを特徴とする有摺接面部材が提供される。
この構成によれば、平均線から所定以上の深さを有する溝部の間隔の平均値を所定の範囲内に制御することによって、摺接面が所定の部材に摺接する際の摩擦力が小さく、より潤滑油を均一に貯留することができる。
また、上記の構成において、前記有摺接面部材が内燃機関(1)に用いられるシリンダブロック(2)であり、かつ前記摺接面がシリンダボア(3)の内周壁面であるとよい。
この構成によれば、ピストンに摺接する際の摩擦力が小さく、より潤滑油を均一に貯留することができる内燃機関のシリンダボアの内周壁面を構成することが可能となる。
上記課題を解決するために、平坦なプラトー部と溝部とを有し、所定の部材が潤滑剤を介して摺接する摺接面を備える有摺接面部材の、前記所定の部材と前記有摺接面部材との間の摩擦による単位時間当たりのエネルギー損失、及び、対焼付摺動時間の評価方法であって、前記摺接面の断面曲線(50)から、ISO13565−1に基づいて前記溝部を除去し所定のフィルタをかけることによって平均線(54)を算出し、前記摺接面の所定の範囲における、前記平均線を基準とする所定の閾値以上の深さを有する前記溝部の間隔の平均値を評価対象とすることを特徴とする前記有摺接面部材の評価方法が提供される。
この方法によれば、平均線から有摺接面部材との間の摩擦、及び、対焼付摺動時間に対して十分な相関を示す深さを有する溝部の間隔を求め、所定の範囲におけるその間隔の平均値を評価することによって、摩擦による単位時間当たりのエネルギー損失と対焼付摺動時間との評価を行うことができる。
また、前記所定の閾値が0.2μmであるとよい。
この方法によれば、有摺接面部材との間の摩擦、及び、対焼付摺動時間に対して十分な相関を示す深さを有する溝部の間隔を求めることができる。
以上の構成によれば、所定の部材に摺接する際の摩擦力が小さくより潤滑油を均一に貯留しやすい摺接面を有する有摺接面部材を提供することが可能となる。
本発明に係る有摺接面部材が適用された内燃機関の概略図 本発明に係る有摺接面の拡大図 粗さ曲線の導出方法を説明する説明図 十点平均粗さの定義を説明する説明図 負荷長さ率の定義を説明する説明図 有効負荷粗さの定義を説明する説明図 溝部の間隔の定義を説明する説明図 閾値に対するフリクションの低減効果についての相関係数及び対焼付摺動時間についての相関係数の変化を示す図 平均線から0.2μm以上の深さを有する溝部の間隔とフリクションの低減効果及び対焼付摺動時間の関係を示す図 本実施形態に係る有摺接面部材の粗さ曲線
以下に本発明による有摺接面部材を内燃機関に適用した実施形態を図1〜図9を参照して説明する。
本発明に係る内燃機関1は4ストロークレシプロエンジンからなる。図1に示されるように、内燃機関1ではシリンダブロック2にシリンダボア3が設けられ、このシリンダボア3の内部にピストン4が摺動可能に収容されている。ピストン4には、ピストンピン5を介してコネクティングロッド6の上端が連結され、コネクティングロッド6の下端はクランクピン7を介してクランクシャフト8に連結されている。
シリンダブロック2の上側には、吸気バルブ11及び排気バルブ12によりそれぞれ開閉される吸気ポート13及び排気ポート14が設けられたシリンダヘッド15が結合され、このシリンダヘッド15の内周壁面とピストン4の上面とシリンダボア3とによって燃焼室16が画成される。
ピストン4は、燃焼ガスの圧力が作用する頂部21と、この頂部21から垂下した態様で設けられた一対のスカート部22と、この一対のスカート部22を互いに連結する態様で設けられた一対のサイドウォール部23と、この一対のサイドウォール部23に設けられた一対のピンボス部24とを有している。頂部21の外周には、3つのピストンリング25〜27がそれぞれ取り付けられている。なお、頂部21の側の2つのピストンリング25・26はそれぞれ合口隙間28を有するコンプレッションリングであり、最もクランクシャフト8に近い側に位置するピストンリング27はオイルリングである。
膨張行程時に燃焼圧力によりピストン4が押下げられるとき、ピストン4に加わる力はコネクティングロッド6に伝達されるが、同時に、ピストン4はシリンダボア3の内周壁面、特にスラスト側のシリンダボア3の内周壁面から側圧を受ける。このため、スラスト側のピストン4のスカート部22とシリンダボア3との間隙にある潤滑油の油膜厚さが小さくなって境界潤滑状態となり、スカート部22とシリンダボア3との間に摩擦が発生する。また、ピストンリング25、26の外周面はシリンダボア3の内周壁面に摺接するため、それらの間にも摩擦が発生する。本実施形態においてピストン4及びピストンリング25、26の外周面に対向するシリンダボア3の内周壁面がピストン4及びピストンリング25、26の外周面に摺接する摺接面40となっている。すなわち、シリンダブロック2は摺接面40を有するシリンダボア3が形成された有摺接面部材として機能する。
図2に示されるように、摺接面40となるシリンダボア3の内周壁面には、おおよそ同じ高さに形成された複数の略平坦なプラトー面部41と、隣り合うプラトー面部41との間に形成された溝部42とが形成されている。溝部42にはシリンダボア3の焼付を防止するための潤滑油が貯留される。
シリンダボア3の内周壁面のうちの、シリンダボア3の上死点にあるピストン4に対向する領域、上死点と下死点との中間の位置にあるピストン4に対向する領域、及び下死点にあるピストン4に対向する領域からなる3つの上下位置のそれぞれにおいて、周方向略90度毎に4ヶ所、合計12箇所に於いて断面曲線50を測定する。断面曲線50は、面の粗さを評価するために、所定の基準面からの高さの測定値の上下方向の分布を表す。図3(A)には、そのようにして得られた断面曲線50の一例が示されている。この例は、ISO13565−1から転記したものである。
得られた断面曲線50にカットオフ波長λCが0.8mmのガウシアン位相補償フィルタをかけることによって、参考フィルタ平均線52が求められる。次に、断面曲線50から参考フィルタ平均線52以下の部分を除去することによって、図3(B)に示されるような谷除去断面曲線53が求められる。その谷除去断面曲線53にガウシアン位相補償フィルタをかけることによって、図3(C)の平均線54が求められる。図3(D)は断面曲線50及び平均線54を同一グラフ上に示す。最後に、断面曲線50から平均線54を差し引くことによって、図3(E)に示されるような粗さ曲線51が求められる。
先ず、粗さ曲線51からJIS B0601:2001に基づいて十点平均粗さRzを求める。十点平均粗さRzとは、図4に示されるように、粗さ曲線51から上下方向に設定した基準長さ(0.8mm)について、最も高い凸部55aから5番目に高い凸部55bまでのそれぞれの高さ(平均線54から各凸部の頂点までの距離Yp1〜Yp5)の絶対値の平均値と、最も低い凹部56aから5番目に低い凹部56bまでのそれぞれの深さ(平均線54から各凹部の谷底までの距離Yv1〜Yv5)の絶対値の平均値の和である。すなわち、Rzは、以下の(1)式のように表される。
Figure 2018073849
シリンダボア3の内周壁面の十点平均粗さRzは、0.6μm以上7.0μm以下となるように形成されていると良い。Rzが0.6μm未満であると、凹部56が浅くなるので潤滑油を充分に貯留することができなくなる。すなわち、摺接面40が潤滑油保持能に乏しくなる。また、7.0μmを超えると、摺接面40の摩擦抵抗が高くなる。
次に、全体に対するプラトー面部41の割合を評価するために、ISO4287に基づいて、負荷長さ率Rmr(20)を求める。負荷長さ率Rmr(20)とは、図5に示されるように、粗さ曲線51に於いて、最も高い凸部55aの頂点の高さを100%とし、最も低い凹部56aの底部の高さを0%とし、20%に相当する高さを切断レベルとして凸部を切断したときに得られる切断長さ(図5におけるb、b、...b、...b)の総和の、評価長さ(4.0mm)に対する比を百分率で表したものである。すなわち、負荷長さ率Rmr(20)は以下の(2)式のように表される。
Figure 2018073849
摺接面40の切断レベル20%における負荷粗さRmr(20)は60%〜98%の範囲内となるように形成すると良い。負荷粗さRmr(20)が60%未満であると、摺接面40の摩擦抵抗が大きくなる。また、98%を超えると、凹部56の数が過度に少なくなる。すなわち、オイルピットの量が少なくなるので、摺接面40が潤滑油保持能に乏しくなる。
一般に、負荷長さ率Rmrは切断レベルの関数として与えられる。以下では、切断レベルをx%としたときのRmrの値をRmr(x)と表記する。例えば、切断レベル0%における負荷長さ率はRmr(0)と表記され、Rmr(0)は常に100%となる。
次に、ISO13565−2に基づいて、プラトー構造表面の潤滑性評価パラメータとして知られている有効負荷粗さRkを評価する。図6に示されるように、最も高い凸部55aの頂点の高さを100%とし、最も低い凹部56aの底部の高さを0%としたときの、x%に対応する粗さ曲線51に於ける高さhを縦軸とし、横軸に負荷長さ率Rmr(x)を取って作図する。更に横軸即ち負荷長さ率Rmr(x)の方向に40%の幅の2点(C点及びD点)間に於ける高さhの勾配が最小となるように2点を設定する。このようにして、C点及びD点を結ぶことにより最小傾斜線60が得られる。次に、最小傾斜線60と負荷長さ率Rmr(x)=0、及びRmr(x)=100の限界線との交点A、Bを求め、その縦軸方向の差を算出することによって、有効負荷粗さRkが求められる。
シリンダボア3の内周壁面の有効負荷粗さRkは1μm以下となるように形成するとよい。有効負荷粗さRkが1μmよりも大きいと、摺接面40の摩擦抵抗が高くなる。
図7に示されるように、平均線54(図3)から或る閾値以上に深い部分を溝部42とする。溝部42の間隔の平均値dは、評価長さにおける溝部42の始まりから次の溝部42の始まりまでの長さ(図7におけるc、c、...c、...c)の平均値、すなわち、溝部42の波長(空間的な周期)の平均値とする。
摺接面40の溝部42の間隔の平均値dは79μm以上280μm以下となるように形成されていると良い。dが79μm以下であると、溝部42によってピストン4とシリンダボア3との間の摺動抵抗が大きくなる。dが280μm以上であると、溝部42の間隔が広すぎるため潤滑油が均一に貯留されにくくなる。
摺接面40の溝部42を判断するための深さの閾値Dthと溝部42の間隔の平均値dの好適な値及び範囲は以下のようにして決められる。まず、基準となるシリンダボア3を1つ備えた1つのシリンダブロック2と、サンプルとしてそれぞれ1つずつのシリンダボア3を備えた9つのシリンダブロック2とを用意した。各シリンダボア3は、溝部42の間隔及び又は溝部42の深さが異なるように加工されている。
次に、サンプルとなるシリンダボア3(i=1〜9)の内周壁面の粗さを評価するため、シリンダボア3の内周壁面の断面曲線50をそれぞれ測定した。測定された断面曲線50に対して、それぞれISO13565−1に基づいて溝部42を除去しフィルタをかけることによって平均線54を求め、粗さ曲線51を得た。次に、それぞれのシリンダボア3から得られた粗さ曲線51を用いて、十点平均粗さRz、切断レベル20%における負荷長さ率Rmr(20)、有効負荷粗さRkをそれぞれ求めた。更に、粗さ曲線51それぞれに対して、閾値Dthを0μmから0.5μmまで0.1μm間隔で、それぞれの閾値Dthに対応する溝部42の間隔の評価長さにおける平均値d(Dth)(i=1〜9)を求めた。
次に、基準となるシリンダボア3を有するシリンダブロック2を用いて内燃機関1を構成し、回転数1500rpm、油温80℃の条件下でのモータリング試験を行うことによって、フリクションによる単位時間当たりのエネルギー損失を計測した。更に、サンプルとなるシリンダブロック2に対してそれぞれ内燃機関1を構成し、同様のモータリング試験を行うことによって、それぞれの内燃機関1におけるフリクションによる単位時間当たりのエネルギー損失を計測した。次に、基準となるシリンダボア3を有する内燃機関1におけるフリクションによる単位時間当たりのエネルギー損失から、サンプルとなるシリンダボア3を有する内燃機関1において測定されたフリクションによる単位時間当たりのエネルギー損失を引き、それぞれの内燃機関1に対応するフリクションの低減効果W(i=1〜9)を求めた。
更に、それぞれの閾値Dthに対応する溝部42の間隔の平均値d(Dth)をサンプルの数について平均することによってdav(Dth)を求めた。また、フリクションの低減効果Wをシリンダボアの数について平均することによってWavを求めた。これらの値を用いて、溝部42の間隔とフリクションの低減効果との間の相関係数ρ(Dth)を以下の式に従って求めた。
Figure 2018073849
更に、サンプルとなるシリンダブロック2を用いて内燃機関1のそれぞれに対して、周波数20Hz、油温80℃の条件下で単体試験片を利用した対焼付摺動試験を行い、対焼付摺動時間T(秒)(i=1〜9)を求めた。対焼付摺動時間とはピストン4とシリンダボア3との間に焼付が生じるまでの時間である。
求められた対焼付摺動時間Tをサンプルの数について平均することによって平均値Tavを求めた。それぞれの閾値Dthに対応するdav(Dth)とTavとを用いて、溝部42の間隔と対焼付摺動時間との間の相関係数ρ(Dth)を以下の式に従って求めた。
Figure 2018073849
次に、閾値Dthとして好適な値を導くため、閾値Dthを横軸とし、ρ(Dth)及びρ(Dth)を縦軸して、図8にプロットした。閾値Dthはフリクションの低減効果W、及び対焼付摺動時間Tのどちらにも強い相関を示すことが好ましい。図8に示されるようにDthが0.2μmのとき、ρ(Dth)及びρ(Dth)が共に大きくなっていることから、閾値Dthとして0.2μmが好適であると判断した。
次に、各シリンダボア3それぞれに対応する十点平均粗さRz、切断レベル20%における負荷長さ率Rmr(20)、有効負荷粗さRk、閾値Dthを0.2μmとしたときの各シリンダボア3の溝部42の間隔の平均値d、フリクションの低減効果W、及び対焼付摺動時間Tを表1にまとめた。更に、溝部42の間隔の平均値dを横軸とし、フリクションの低減効果W(W)、及び対焼付摺動時間T(秒)を縦軸として、図9にプロットした。
Figure 2018073849
フリクションの低減効果Wが10W以上であれば摩擦によるエネルギー損失が十分低減されると判定する。また、対焼付摺動時間Tは260秒以上であれば、シリンダボア3とピストン4との間の焼付が回避されると判定する。表1によれば、摺接面40の十点平均粗さRzが0.6μm以上7.0μm以下であり、切断レベル20%における負荷長さ率Rmr(20)が60%以上98%以下であり、有効負荷粗さRkが0μm以上1μm以下であり、かつ、平均線54から0.2μm以上の深さを有する溝部42の間隔の平均値dが79μm以上280μm以下となるとき、摩擦によるエネルギー損失が抑えられ、かつ、ピストン4とシリンダボア3との間の焼付が回避されることが分かる。
更に、図9によれば、溝部42の間隔の平均値dが増加すると対焼付摺動時間Tは短くなるがフリクションの低減効果Wが増加する。一方、溝部の間隔の平均値dが減少すると対焼付摺動時間Tは長くなるがフリクションの低減効果Wが減少する。フリクションの低減効果Wが10W以上あり、かつ、対焼付摺動時間Tが260秒以上となるのは、溝部42の間隔の平均値dが79μm以上280μm以下である場合であることが確認できる。
次に、シリンダボア3の内周壁面の加工について説明する。シリンダボア3の内周壁面は少なくとも2種類の砥石を用いた粗加工、及び、粗加工の後に行われる仕上加工による2段階のホーニング加工によって形成されるホーニング加工面である。粗加工に用いられる砥石は140〜270メッシュのダイヤモンド砥粒であり、好ましくは230メッシュのダイヤモンド砥粒が銅、錫、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン等の合金からなるメタルボンドで相互に結合されることにより構成されたメタルボンドダイヤモンド砥石である。研削回数は30〜60回であり好ましくは40回である。
仕上加工に用いられる砥石は1500メッシュ〜3500メッシュのメタルボンドダイヤモンド砥粒であり、好ましくは3000メッシュのビトリファイドボンド砥石である。研削回数は20〜200回であり好ましくは150回である。
上記の粗加工、仕上加工を行った後のシリンダボア3の内周壁面の断面曲線50を計測し、ISO13565−1に基づいて求めた粗さ曲線71の要部が図10に示されている。図10には平均線54からの深さが0.2μmとなるときに対応する高さが破線で示されている。粗さ曲線71の高さ方向の分解能は0.01μm程度であり、0.2μmより深い溝部42(例えば、図10の71a)が検出され評価される。平均線54の高さはおおむねプラトー面部41付近であるが、その高さは溝部42の影響を受けて変動する。
粗さ曲線71を用いて算出される十点平均粗さRzの値は2.0μmであり、切断レベル20%における負荷長さ率Rmr(20)の値は94%であり、平均線54から0.2μm以上の深さを有する溝部42の間隔の平均値dが276μmである。
上記の粗加工、仕上加工を行った後のシリンダボア3を有する内燃機関1に対してモータリング試験を行ったところ、測定されたフリクションの低減効果Wは38Wであり、十分なフリクションの低減効果が確認された。また、その内燃機関1の対焼付摺動試験を行ったところ、測定された対焼付摺動時間Tは260秒以上であり、十分な耐焼付性能が確認された。
一方、特許第4678802号明細書の図6に示される粗さ曲線CV1に対応するシリンダボア3を有する内燃機関1では、十分なフリクションの低減効果Wと十分長い対焼付摺動時間Tを期待することはできない。なぜなら、粗さ曲線CV1は、高さ方向の分解能が0.4μm程度であって高さ方向の分解能が不十分であり、0.2μm程度の深さの溝部42を正確に検出することができない。更に、粗さ曲線CV1がISO13565−1に基づいて求めた粗さ曲線であるとの記載がなく、溝部42を判断するための平均線54の求め方も不明である。そのため、粗さ曲線CV1に対応するシリンダボア3を有する内燃機関1では、ISO13565−1に基づいて求められた平均線を用いて算出される溝部の間隔の平均値dが79μm以上280μm以下にはないからである。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。有摺接面部材としてシリンダブロック2を挙げたが、潤滑油を介して所定の部材が摺接する部材であればどのような部材であってもよい。
1 :内燃機関
2 :シリンダブロック
3 :シリンダボア
4 :ピストン
40 :摺接面

Claims (2)

  1. 所定の部材が潤滑剤を介して摺接する摺接面を有する有摺接面部材であって、
    前記摺接面は平坦なプラトー部と溝部とを有するホーニング加工面であり、
    前記摺接面の断面曲線から導かれるISO13565−1に基づいて求められた平均線を用いて算出される前記摺接面の十点平均粗さ、切断レベル20%における負荷長さ率、有効負荷粗さ、及び平均線から0.2μm以上の深さを有する前記溝部の間隔の平均値がそれぞれ、0.6μm以上7.0μm以下、60%以上98%以下、0μm以上1μm以下、且つ、79μm以上280μm以下であることを特徴とする有摺接面部材。
  2. 前記有摺接面部材が内燃機関に用いられるシリンダブロックであり、かつ前記摺接面がシリンダボアの内周壁面であることを特徴とする請求項1に記載の有摺接面部材。
JP2018545718A 2016-10-20 2016-10-20 有摺接面部材 Expired - Fee Related JP6717964B2 (ja)

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