以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1〜図3に示す本実施形態の熱交換器10は、第1冷媒としての第1流体と、第2冷媒としての第2流体と、第3冷媒としての第3流体とを熱交換させる熱交換器である。本実施形態では例えば、第1流体は、車両用エンジン90を潤滑するエンジンオイルである。また、第2流体は、車両用変速機92を潤滑する変速機オイルである。また、第3流体は、車両用エンジン90を冷却するエンジン冷却水(すなわち、エンジン冷却液)である。
図1〜図3に示すように、熱交換器10は、ユニット積層部12とタンク14と第1入口配管161と第1出口配管162と第2入口配管171と第2出口配管172とを備えている。これらの複数の配管161、162、171、172は例えばパイプ等の配管部材からなり、ユニット積層部12に対し第1流体および第2流体を出入りさせるインターフェース部として機能する。
ユニット積層部12は、第1流体と第2流体とが互いに分離されつつ流れる複数の流路ユニット18を有している。そして、ユニット積層部12は、その複数の流路ユニット18がユニット積層方向DRsへ積層されることにより構成されている。
タンク14は、ユニット積層部12を収容している。タンク14は、タンク14の外部から第3流体をタンク14内へ流入させるタンク入口部141と、タンク14内の第3流体をタンク14の外部へ流出させるタンク出口部142とを有している。従って、矢印F3iのようにタンク入口部141から流入した第3流体はタンク14内を流通し、その後、矢印F3oのようにタンク出口部142からタンク14の外部へ流出する。すなわち、タンク14内の空間であるタンク空間は、第3流体を各流路ユニット18の外周に流通させる第3流路として機能する。
タンク入口部141とタンク出口部142は任意の位置に配置され得るが、タンク入口部141とタンク出口部142とは、或る程度離れて配置されるのが好ましい。
図1に示すように、タンク入口部141は、ユニット積層方向DRsに直交する方向においてタンク14の一方側の側部147に設けられ、タンク出口部142は、タンク14の他方側の側部148に設けられている。本実施形態では、タンク入口部141は、流路ユニット18の長手幅に沿った長手幅方向DR1においてタンク14の一方側に設けられ、タンク出口部142は、長手幅方向DR1においてタンク14の他方側に設けられている。
また、タンク14は、タンク入口部141およびタンク出口部142以外の部位からは第3流体が出入りしないように気密に構成されている。なお、タンク入口部141およびタンク出口部142は図1のII−II断面およびIII−III断面に表れないが、図2および図3では、タンク14に対する第3流体の出入りを示すために、タンク入口部141およびタンク出口部142は二点鎖線で図示されている。また、図1は、図2および図3のI−I断面を示した断面図でもある。
図2および図3に示すように、複数の流路ユニット18はそれぞれ、ユニット積層方向DRsを厚み方向とした扁平形状を成している。また、複数の流路ユニット18は全て同一形状ではなく、複数の流路ユニット18には、中間流路ユニット18aと一方端流路ユニット18bと他方端流路ユニット18cとが含まれている。なお、その中間流路ユニット18aと一方端流路ユニット18bと他方端流路ユニット18cとを区別せずに説明する場合には、総称して流路ユニット18と呼ぶ。
ここで、中間流路ユニット18aは、その中間流路ユニット18aに対しユニット積層方向DRsの一方側にも他方側にも流路ユニット18が隣接するように設けられたものである。また、一方端流路ユニット18bは、複数の流路ユニット18のうちユニット積層方向DRsの一方側の端に配置されたものである。また、他方端流路ユニット18cは、複数の流路ユニット18のうちユニット積層方向DRsの他方側の端に配置されたものである。
複数の流路ユニット18は何れも、第1流体と第2流体とを流通させるために、図4に示すように、一端側第1連通部181と一端側第2連通部182と他端側第1連通部183と他端側第2連通部184と中間部185とを有している。なお、図4に示されている流路ユニット18は詳細には中間流路ユニット18aである。
また、流路ユニット18は長手幅と短手幅とを有している。その流路ユニット18の長手幅に沿った長手幅方向DR1における流路ユニット18の一端部18dには、一端側第1連通部181と一端側第2連通部182とが配置されている。また、長手幅方向DR1における流路ユニット18の他端部18eには、他端側第1連通部183と他端側第2連通部184とが配置されている。
図2〜図4に示すように、流路ユニット18の一端部18dの中では、一端側第1連通部181と一端側第2連通部182は、流路ユニット18の短手幅に沿った短手幅方向DR2に並んで設けられている。そして、一端側第1連通部181は、一端側第2連通部182に対し短手幅方向DR2の一方側に配置されている。
また、流路ユニット18の他端部18eの中では、他端側第1連通部183と他端側第2連通部184は短手幅方向DR2に並んで設けられている。そして、他端側第1連通部183は、他端側第2連通部184に対し短手幅方向DR2の他方側に配置されている。更に、一端側第1連通部181と他端側第2連通部184は長手幅方向DR1に並んで設けられ、一端側第2連通部182と他端側第1連通部183も長手幅方向DR1に並んで設けられている。
要するに、各連通部181、182、183、184は、長手幅方向DR1および短手幅方向DR2へ平面的に拡がる流路ユニット18の四隅に配置されている。そして、一端側第1連通部181と他端側第1連通部183との並びは、一端側第2連通部182と他端側第2連通部184との並びに対し対角配置になっている。その対角配置とは、一方の並びが四角形の一の対角線に沿うように並び且つ他方の並びが他の対角線に沿うように並んだ配置である。
また、図4および図5に示すように、各流路ユニット18の中間部185は、長手幅方向DR1において一端部18dと他端部18eとの間に配置されている。その中間部185には、第1流体が流れる第1流路185aと、第2流体が流れる第2流路185bとが形成されている。そして、第1流路185aと第2流路185bは中間部185の中でユニット積層方向DRsに積層され、第1流路185aは第2流路185bに対しユニット積層方向DRsの一方側に配置されている。
なお、本実施形態では、第1流路185aと第2流路185bは、図2および図5に示すように、上述した中間部185だけでなく、一端側第1連通部181と一端側第2連通部182との間にも及んでいる。更に、第1流路185aと第2流路185bは、図3および図5に示すように、他端側第1連通部183と他端側第2連通部184との間にも及んでいる。
また、図2、3、5に示すように、複数の流路ユニット18のうちの互いに隣接する流路ユニット18の間では、一端側第1連通部181同士が接続されることにより、互いに隣接する流路ユニット18の第1流路185a同士が一端部18d側にて連通している。それと共に、他端側第1連通部183同士が接続されることにより、互いに隣接する流路ユニット18の第1流路185a同士が他端部18e側にて連通している。
これと同様に、互いに隣接する流路ユニット18の間では、一端側第2連通部182同士が接続されることにより、互いに隣接する流路ユニット18の第2流路185b同士が一端部18d側にて連通している。それと共に、他端側第2連通部184同士が接続されることにより、互いに隣接する流路ユニット18の第2流路185b同士が他端部18e側にて連通している。
また、複数の流路ユニット18のうちの一方端流路ユニット18bでは、一端側第1連通部181に第1流体入口181aが形成され、一端側第2連通部182に第2流体入口182aが形成されている。また、他端側第1連通部183に第1流体出口183aが形成され、他端側第2連通部184に第2流体出口184aが形成されている。
その第1流体入口181aには、第1入口部としての第1入口配管161が接続されている。これにより、第1流体入口181aには、矢印F1iのように、ユニット積層部12の外部から第1流体が第1入口配管161を通って流入する。
第2流体入口182aには、第2入口部としての第2入口配管171が接続されている。これにより、第2流体入口182aには、矢印F2iのように、ユニット積層部12の外部から第2流体が第2入口配管171を通って流入する。
第1流体出口183aには、第1出口部としての第1出口配管162が接続されている。これにより、第1流体出口183aからは、矢印F1oのように、第1流体が第1出口配管162を通ってユニット積層部12の外部へ流出する。
第2流体出口184aには、第2出口部としての第2出口配管172が接続されている。これにより、第2流体出口184aからは、矢印F2oのように、第2流体が第2出口配管172を通ってユニット積層部12の外部へ流出する。なお、第1入口配管161と第1出口配管162と第2入口配管171と第2出口配管172は何れもタンク14を貫通するように設けられている。
このような各流路ユニット18の連結関係から、矢印F1iのようにユニット積層部12に流入した第1流体は、複数の流路ユニット18の直列に連結された一端側第1連通部181内を、矢印F1a、F1bのようにユニット積層方向DRsの一方側から他方側へ流通する。それと共に、その第1流体は各流路ユニット18の第1流路185aへ分配され、その第1流路185aを流通してから各流路ユニット18の他端側第1連通部183へ流入する。この第1流路185aにおける第1流体の流れは図2、3、5では実線矢印で示されており、例えば図5では矢印F1c、F1d、F1eで示されている。このことは後述の図でも同様である。
各他端側第1連通部183へ流入した第1流体は、直列に連結された複数の他端側第1連通部183内を、図3の矢印F1f、F1gのようにユニット積層方向DRsの他方側から一方側へ流通する。その後に、第1流体は、矢印F1oのようにユニット積層部12の第1流体出口183aから流出する。
一方、図2の矢印F2iのようにユニット積層部12に流入した第2流体は、複数の流路ユニット18の直列に連結された一端側第2連通部182内を、矢印F2a、F2bのようにユニット積層方向DRsの一方側から他方側へ流通する。それと共に、その第2流体は各流路ユニット18の第2流路185bへ分配され、図2、3、5に示すように、その第2流路185bを流通してから各流路ユニット18の他端側第2連通部184へ流入する。この第2流路185bにおける第2流体の流れは図2、3、5では破線矢印で示されており、例えば図5では矢印F2c、F2d、F2eで示されている。このことは後述の図でも同様である。
各他端側第2連通部184へ流入した第2流体は、直列に連結された複数の他端側第2連通部184内を、図3の矢印F2f、F2gのようにユニット積層方向DRsの他方側から一方側へ流通する。その後に、第2流体は、矢印F2oのようにユニット積層部12の第2流体出口184aから流出する。
第1流体および第2流体はユニット積層部12内ではこのように流れるので、ユニット積層部12をユニット積層方向DRsの一方側から見た場合、例えば各流路ユニット18の中間部185では第1流体はおおよそ図1の矢印F1sのように流れる。すなわち、その中間部185では第1流体は、一端側第1連通部181から他端側第1連通部183へ向けて流れる。その一方で、第2流体はおおよそ図1の矢印F2sのように流れる。すなわち、その中間部185では第2流体は、一端側第2連通部182から他端側第2連通部184へ向けて流れる。
要するに、図1の矢印F1s、F2sに示すように、第1流体の主流と第2流体の主流は中間部185では互いに異なる向きに流れつつ、流路ユニット18の一端部18dから他端部18eへと流れる。
また、互いに隣接する流路ユニット18同士は、各連通部181、182、183、184にて互いに接合されて一体となっているが、その連通部181、182、183、184以外の部位では、ユニット積層方向DRsへ互いに離れている。
従って図2、3、5に示すように、互いに隣接する流路ユニット18の中間部185同士の間には、ユニット積層方向DRsの隙間(言い換えれば、クリアランス)であるユニット相互隙間18fが形成されている。そして、このユニット相互隙間18fは、一端側第1連通部181と一端側第2連通部182との間における一端部18d同士の間にも、他端側第1連通部183と他端側第2連通部184との間における他端部18e同士の間にも及んでいる。このユニット相互隙間18fはタンク14内の空間の一部として形成されているので、ユニット相互隙間18fにはタンク14内の第3流体が流通する。
次に、流路ユニット18の具体的な構成について説明する。先ず、何れの流路ユニット18でも共通の構成について説明する。図4に示すように、複数の流路ユニット18はそれぞれ、ユニット積層方向DRsに積層された3つのプレート部材22、24、26から構成されている。すなわち、その流路ユニット18はそれぞれ、一対の外殻プレート22、24と、隔壁プレート26とを有している。その隔壁プレート26は、プレス加工等で成形された一体成形品であり、これと同様に外殻プレート22、24も各々、一体成形品である。
それらのプレート部材22、24、26など流路ユニット18の各構成部材、すなわち、ユニット積層部12の各構成部材は、アルミニウム合金等の金属製である。そして、そのユニット積層部12の各構成部材が一体にろう付け接合されることで、ユニット積層部12は構成されている。
また、一対の外殻プレート22、24のうちの一方である一方側外殻プレート22は、その一方側外殻プレート22の中心位置を通り且つユニット積層方向DRsに沿った基準軸線まわりに点対称の形状となっている。これと同様に、一対の外殻プレート22、24のうちの他方である他方側外殻プレート24も、隔壁プレート26も、点対称の形状となっている。
更に、隔壁プレート26は、その形状がユニット積層方向DRsに180°反転させた形状に一致する表裏対称形状になっている。
図2〜図5に示すように、個々の流路ユニット18では、一方側外殻プレート22は、隔壁プレート26に対しユニット積層方向DRsの一方側に積層配置されている。そして、その一方側外殻プレート22は隔壁プレート26に接合されている。
詳細には、一方側外殻プレート22は、長手幅方向DR1および短手幅方向DR2へ平面状に拡がるプレート基部221と、そのプレート基部221の周縁部分でユニット積層方向DRsの他方側へ立ち上がった短い筒状の外周壁222とを有している。そして、一方側外殻プレート22は、その外周壁222の先端部分にて隔壁プレート26に接合されている。そのため、一方側外殻プレート22と隔壁プレート26との間には、長手幅方向DR1および短手幅方向DR2へ拡がった第1流路185aとして空間が形成されている。
また、他方側外殻プレート24は、隔壁プレート26に対しユニット積層方向DRsの他方側に積層配置されている。そして、その他方側外殻プレート24は隔壁プレート26に接合されている。
詳細には、他方側外殻プレート24は、長手幅方向DR1および短手幅方向DR2へ平面状に拡がるプレート基部241と、そのプレート基部241の周縁部分でユニット積層方向DRsの一方側へ立ち上がった短い筒状の外周壁242とを有している。そして、他方側外殻プレート24は、その外周壁242の先端部分にて隔壁プレート26に接合されている。そのため、他方側外殻プレート24と隔壁プレート26との間には、長手幅方向DR1および短手幅方向DR2へ拡がった第2流路185bとして空間が形成されている。そして、その第2流路185bは、隔壁プレート26によって第1流路185aと隔てられている。
従って、各流路ユニット18内において第1流路185aの第1流体と第2流路185bの第2流体は隔壁プレート26を介して熱交換する。更に、上述したように流路ユニット18の相互間にはユニット相互隙間18fが形成されているので、第1流路185aの第1流体は一方側外殻プレート22を介してタンク14内の第3流体と熱交換する。そして、第2流路185bの第2流体は他方側外殻プレート24を介してタンク14内の第3流体と熱交換する。
一方側外殻プレート22のプレート基部221は、ユニット積層方向DRsにおけるそのプレート基部221の他方側に、第1流路185aに面する内壁面221eを形成している。その一方側外殻プレート22の内壁面221eは、例えば、ユニット積層方向DRsの他方側を向いた平面形状を成している。これに対し、他方側外殻プレート24のプレート基部241は、ユニット積層方向DRsにおけるそのプレート基部241の一方側に、第2流路185bに面する内壁面241eを形成している。その他方側外殻プレート24の内壁面241eは、例えば、ユニット積層方向DRsの一方側を向いた平面形状を成している。
隔壁プレート26は、一端側第1連通部181に含まれる第1隔壁突出部261と、一端側第2連通部182に含まれる第2隔壁突出部262と、他端側第1連通部183に含まれる第3隔壁突出部263と、他端側第2連通部184に含まれる第4隔壁突出部264とを有している。
その第1隔壁突出部261と第3隔壁突出部263はユニット積層方向DRsの他方側へ突き出ている。例えばユニット積層方向DRsの一方側を凸方向とすれば、第1隔壁突出部261と第3隔壁突出部263は凹形状を成している。
具体的には、第1隔壁突出部261は、ユニット積層方向DRsの他方側へ突き出た円筒状の筒状壁部261aと、その筒状壁部261aの先端部分を覆うように形成された平板状の頂部261bとから構成されている。そして、これと同様に、第3隔壁突出部263も筒状壁部263aと頂部263bとから構成されている。
また、第2隔壁突出部262と第4隔壁突出部264はユニット積層方向DRsの一方側へ突き出ている。例えばユニット積層方向DRsの一方側を凸方向とすれば、第2隔壁突出部262と第4隔壁突出部264は凸形状を成している。
具体的には、第2隔壁突出部262は、ユニット積層方向DRsの一方側へ突き出た円筒状の筒状壁部262aと、その筒状壁部262aの先端部分を覆うように形成された平板状の頂部262bとから構成されている。そして、これと同様に、第4隔壁突出部264も筒状壁部264aと頂部264bとから構成されている。
本実施形態では、第1隔壁突出部261と第3隔壁突出部263は互いに同じ凹形状を成し、第2隔壁突出部262と第4隔壁突出部264は互いに同じ凸形状を成ている。更に、第1および第3隔壁突出部261、263の凹形状をユニット積層方向DRsに反転させた形状および寸法は、第2および第4隔壁突出部262、264の凸形状と同じになる。
また、第1隔壁突出部261の頂部261bには、その頂部261bをユニット積層方向DRsへ貫通する第1隔壁孔261cが形成されている。同様に、第2隔壁突出部262の頂部262bには、その頂部262bをユニット積層方向DRsへ貫通する第2隔壁孔262cが形成されている。また、第3隔壁突出部263の頂部263bには、その頂部263bをユニット積層方向DRsへ貫通する第3隔壁孔263cが形成されている。また、第4隔壁突出部264の頂部264bには、その頂部264bをユニット積層方向DRsへ貫通する第4隔壁孔264cが形成されている。
また、ユニット積層方向DRsにおける第2および第4隔壁突出部262、264の凸高さHt(図4参照)は、一方側外殻プレート22の外周壁222の先端から内壁面221eまでのユニット積層方向DRsの凹高さと同じ寸法とされている。このことは、第1および第3隔壁突出部261、263の凸高さと他方側外殻プレート24の凹高さとの関係でも同様である。
このような寸法関係から、第1隔壁突出部261の頂部261bと第3隔壁突出部263の頂部263bはそれぞれ、他方側外殻プレート24の内壁面241eに対してユニット積層方向DRsに当接し、その内壁面241eに接合されている。これと同様に、第2隔壁突出部262の頂部262bと第4隔壁突出部264の頂部264bはそれぞれ、一方側外殻プレート22の内壁面221eに対してユニット積層方向DRsに当接し、その内壁面221eに接合されている。
以上、説明した流路ユニット18の構成は何れの流路ユニット18でも共通であるが、中間流路ユニット18aと一方端流路ユニット18bと他方端流路ユニット18cとの間で異なる構成も存在する。
中間流路ユニット18aについて説明すると、中間流路ユニット18aでは、図4の矢印ARrのように一方側外殻プレート22をユニット積層方向DRsに180°反転させた形状が他方側外殻プレート24と同じ形状になるように、各外殻プレート22、24は形成されている。従って、中間流路ユニット18aにおける外殻プレート22、24の配置および向きは互いに異なるものの、それらの外殻プレート22、24は、本実施形態では同一の部品である。
図2〜図4に示すように、中間流路ユニット18aにおいて一方側外殻プレート22のプレート基部221は、第1一方側連通部221aと第2一方側連通部221bと第3一方側連通部221cと第4一方側連通部221dとを有している。これと同様に、他方側外殻プレート24のプレート基部241は、第1他方側連通部241aと第2他方側連通部241bと第3他方側連通部241cと第4他方側連通部241dとを有している。
第1一方側連通部221aと第1他方側連通部241aは一端側第1連通部181に含まれ、第2一方側連通部221bと第2他方側連通部241bは一端側第2連通部182に含まれている。また、第3一方側連通部221cと第3他方側連通部241cは他端側第1連通部183に含まれ、第4一方側連通部221dと第4他方側連通部241dは他端側第2連通部184に含まれている。
また、中間流路ユニット18aの一方側外殻プレート22において第1一方側連通部221aと第3一方側連通部221cはユニット積層方向DRsの一方側へ突き出ている。例えばユニット積層方向DRsの一方側を凸方向とすれば、第1一方側連通部221aと第3一方側連通部221cは凸形状を成している。本実施形態では、その第1一方側連通部221aと第3一方側連通部221cは互いに同じ寸法で且つ同じ形状を成している。
具体的に、その第1一方側連通部221aは、ユニット積層方向DRsの一方側へ突き出た円筒状の筒状壁部221fと、その筒状壁部221fの先端部分を覆うように形成された頂部221gとから構成されている。そして、これと同様に、その第3一方側連通部221cも筒状壁部221jと頂部221kとから構成されている。
そして、第1一方側連通部221aの頂部221gには、その頂部221gをユニット積層方向DRsへ貫通し且つ第1流路185aに連通する第1一方側連通孔221hが形成されている。同様に、第3一方側連通部221cの頂部221kには、その頂部221kをユニット積層方向DRsへ貫通し且つ第1流路185aに連通する第3一方側連通孔221mが形成されている。
また、第2一方側連通部221bには、その第2一方側連通部221bをユニット積層方向DRsへ貫通する第2一方側連通孔221iが形成されている。また、第4一方側連通部221dには、その第4一方側連通部221dをユニット積層方向DRsへ貫通する第4一方側連通孔221nが形成されている。但し、第2一方側連通部221bと第4一方側連通孔221nは、上記の第1一方側連通部221aと第3一方側連通部221cのようには凸形状になっておらず、中間部185におけるプレート基部221から連続する平面形状を成している。
このような一方側外殻プレート22とは逆に、中間流路ユニット18aの他方側外殻プレート24において第2他方側連通部241bと第4他方側連通部241dはユニット積層方向DRsの他方側へ突き出ている。例えばユニット積層方向DRsの一方側を凸方向とすれば、第2他方側連通部241bと第4他方側連通部241dは凹形状を成している。本実施形態では、その第2他方側連通部241bと第4他方側連通部241dは互いに同じ寸法で且つ同じ形状を成している。
具体的に、その第2他方側連通部241bは、ユニット積層方向DRsの他方側へ突き出た円筒状の筒状壁部241gと、その筒状壁部241gの先端部分を覆うように形成された頂部241hとから構成されている。そして、これと同様に、その第4他方側連通部241dも筒状壁部241kと頂部241mとから構成されている。
そして、第2他方側連通部241bの頂部241hには、その頂部241hをユニット積層方向DRsへ貫通し且つ第2流路185bに連通する第2他方側連通孔241iが形成されている。同様に、第4他方側連通部241dの頂部241mには、その頂部241mをユニット積層方向DRsへ貫通し且つ第2流路185bに連通する第4他方側連通孔241nが形成されている。
また、第1他方側連通部241aには、その第1他方側連通部241aをユニット積層方向DRsへ貫通する第1他方側連通孔241fが形成されている。また、第3他方側連通部241cには、その第3他方側連通部241cをユニット積層方向DRsへ貫通する第3他方側連通孔241jが形成されている。但し、第1他方側連通部241aと第3他方側連通部241cは、上記の第2他方側連通部241bと第4他方側連通部241dのようには凹形状になっておらず、中間部185におけるプレート基部241から連続する平面形状を成している。
また、第1一方側連通孔221h、第1隔壁孔261c、および第1他方側連通孔241fは、ユニット積層方向DRsに沿った同軸上に配置されている。また、第2一方側連通孔221i、第2隔壁孔262c、および第2他方側連通孔241iは、ユニット積層方向DRsに沿った同軸上に配置されている。また、第3一方側連通孔221m、第3隔壁孔263c、および第3他方側連通孔241jは、ユニット積層方向DRsに沿った同軸上に配置されている。また、第4一方側連通孔221n、第4隔壁孔264c、および第4他方側連通孔241nは、ユニット積層方向DRsに沿った同軸上に配置されている。
中間流路ユニット18aでは、隔壁プレート26の第1隔壁突出部261の頂部261bは、第1隔壁孔261cを第1他方側連通孔241fへ連通させるように、他方側外殻プレート24の内壁面241eのうち第1他方側連通部241aに属する部位に接合されている。この接合によって、第1他方側連通孔241fは、第2流路185bと隔てられつつ第1流路185aに連通している。
また、第2隔壁突出部262の頂部262bは、第2隔壁孔262cを第2一方側連通孔221iへ連通させるように、一方側外殻プレート22の内壁面221eのうち第2一方側連通部221bに属する部位に接合されている。この接合によって、第2一方側連通孔221iは、第1流路185aと隔てられつつ第2流路185bに連通している。
また、第3隔壁突出部263の頂部263bは、第3隔壁孔263cを第3他方側連通孔241jへ連通させるように、他方側外殻プレート24の内壁面241eのうち第3他方側連通部241cに属する部位に接合されている。この接合によって、第3他方側連通孔241jは、第2流路185bと隔てられつつ第1流路185aに連通している。
また、第4他方側連通部241dの頂部241mは、第4隔壁孔264cを第4一方側連通孔221nへ連通させるように、一方側外殻プレート22の内壁面221eのうち第4一方側連通部221dに属する部位に接合されている。この接合によって、第4一方側連通孔221nは、第1流路185aと隔てられつつ第2流路185bに連通している。
次に、一方端流路ユニット18bについて説明すると、図2、3、5に示すように、一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22は、ユニット積層部12のトッププレートとしての役割を果たす。そのため、一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22は中間流路ユニット18aの一方側外殻プレート22と異なっている。その一方で、一方端流路ユニット18bのうち、それ以外の部分は中間流路ユニット18aと同じである。すなわち、一方端流路ユニット18bの他方側外殻プレート24は中間流路ユニット18aの他方側外殻プレート24と同じであり、一方端流路ユニット18bの隔壁プレート26は中間流路ユニット18aの隔壁プレート26と同じである。
上述したように、第1流体入口181a、第2流体入口182a、第1流体出口183a、および第2流体出口184aは一方端流路ユニット18bに形成されている。詳細には、それらの出入口181a、182a、183a、184aは一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22のプレート基部221を貫通する貫通孔として形成されている。
すなわち、一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22は、第1接続口としての第1流体入口181aが形成された第1接続部223aと、第2接続口としての第2流体入口182aが形成された第2接続部223bとを有している。そして、その一方側外殻プレート22は、第3接続口としての第1流体出口183aが形成された第3接続部223cと、第4接続口としての第2流体出口184aが形成された第4接続部223dとを有している。
従って、一方端流路ユニット18bでは、一方側外殻プレート22の第1接続部223aは、第1流体が流入する第1流入部として機能し、第2接続部223bは、第2流体が流入する第2流入部として機能する。そして、第3接続部223cは、第1流体を排出する第1排出部として機能し、第4接続部223dは、第2流体を排出する第2排出部として機能する。
この一方端流路ユニット18bの第1接続部223aは中間流路ユニット18aの第1一方側連通部221aに対応し、第1流体入口181aは、第1一方側連通孔221hと同軸上に配置された貫通孔として形成されている。また、一方端流路ユニット18bの第2接続部223bは中間流路ユニット18aの第2一方側連通部221bに対応し、第2流体入口182aは、第2一方側連通孔221iと同軸上に配置された貫通孔として形成されている。
また、一方端流路ユニット18bの第3接続部223cは中間流路ユニット18aの第3一方側連通部221cに対応し、第1流体出口183aは、第3一方側連通孔221mと同軸上に配置された貫通孔として形成されている。また、一方端流路ユニット18bの第4接続部223dは中間流路ユニット18aの第4一方側連通部221dに対応し、第2流体出口184aは、第4一方側連通孔221nと同軸上に配置された貫通孔として形成されている。
一方端流路ユニット18bにおいて第1流体入口181aと第1流体出口183aは、第1流路185aへ開放され、その一方で、隔壁プレート26によって第2流路185bから隔てられている。
また、第2流体入口182aは第2隔壁孔262cを介して第2流路185bへ開放され、第2流体出口184aは第4隔壁孔264cを介して第2流路185bへ開放されている。その一方で、第2流体入口182aは、一方端流路ユニット18bの第2隔壁突出部262の頂部262bが一方側外殻プレート22の内壁面221eに接合されることにより、第1流路185aから隔てられている。これと同様に、第2流体出口184aは、一方端流路ユニット18bの第4隔壁突出部264の頂部264bが一方側外殻プレート22の内壁面221eに接合されることにより、第1流路185aから隔てられている。一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22は、以上述べた点を除き、中間流路ユニット18aの一方側外殻プレート22と同じである。
次に、他方端流路ユニット18cについて説明すると、図2、3、5に示すように、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24は、ユニット積層部12のボトムプレートとしての役割を果たす。そのため、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24は中間流路ユニット18aの他方側外殻プレート24と異なっている。その一方で、他方端流路ユニット18cのうち、それ以外の部分は中間流路ユニット18aと同じである。すなわち、他方端流路ユニット18cの一方側外殻プレート22は中間流路ユニット18aの一方側外殻プレート22と同じであり、一方端流路ユニット18bの隔壁プレート26は中間流路ユニット18aの隔壁プレート26と同じである。
他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24には、その他方端流路ユニット18c内の第1流路185aに連通する孔も、他方端流路ユニット18c内の第2流路185bに連通する孔も形成されていない。要するに、中間流路ユニット18aの他方側外殻プレート24に形成された連通孔241f、241i、241j、241nに相当する孔は、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24には一切無い。そして、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24のプレート基部241には凸形状も凹形状も形成されていない。
従って、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24は、中間流路ユニット18aの連通部241a、241b、241c、241dに相当する部位を備えていない。そのため、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24のプレート基部241は平面的に形成されている。
また、他方端流路ユニット18cでも、中間流路ユニット18aと同様に、第1隔壁突出部261の頂部261bと第3隔壁突出部263の頂部263bはそれぞれ、他方側外殻プレート24の内壁面241eに接合されている。但し、その接合では、隔壁プレート26の第1隔壁孔261cと第3隔壁孔263cとが他方側外殻プレート24の内壁面241eによって塞がれている。これにより、他方端流路ユニット18c内において、第1流体と第2流体とが、その第1隔壁孔261cまたは第3隔壁孔263cを介して混ざり合わないようになっている。他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24は、以上述べた点を除き、中間流路ユニット18aの他方側外殻プレート24と同じである。
次に、複数の流路ユニット18の中で互いに隣接する流路ユニット18同士の接続関係について説明する。その互いに隣接する流路ユニット18同士のうちユニット積層方向DRsの一方側のものを一方側の流路ユニット18と呼び、他方側のものを他方側の流路ユニット18と呼ぶものとする。例えば本実施形態では中間流路ユニット18aが1つであるので、中間流路ユニット18aが他方側の流路ユニット18に該当するとすれば、一方側の流路ユニット18には一方端流路ユニット18bが該当する。逆に、中間流路ユニット18aが一方側の流路ユニット18に該当するとすれば、他方側の流路ユニット18には他方端流路ユニット18cが該当する。
図2および図4に示すように、他方側の流路ユニット18の第1一方側連通部221aは、一方側の流路ユニット18の第1他方側連通部241aに対しユニット積層方向DRsに当接して接合されている。そして、その接合された状態において、その他方側の流路ユニット18の第1一方側連通孔221hと、その一方側の流路ユニット18の第1他方側連通孔241fとが互いに重なるように配置されている。これにより、その第1一方側連通孔221hと第1他方側連通孔241fとが1つの連通孔になるので、その他方側の流路ユニット18の第1流路185aと、その一方側の流路ユニット18の第1流路185aとが、双方の一端側第1連通部181を介して互いに連通する。
また、他方側の流路ユニット18の第2一方側連通部221bは、一方側の流路ユニット18の第2他方側連通部241bに対しユニット積層方向DRsに当接して接合されている。そして、その接合された状態において、その他方側の流路ユニット18の第2一方側連通孔221iと、その一方側の流路ユニット18の第2他方側連通孔241iとが互いに重なるように配置されている。これにより、その第2一方側連通孔221iと第2他方側連通孔241iとが1つの連通孔になるので、その他方側の流路ユニット18の第2流路185bと、その一方側の流路ユニット18の第2流路185bとが、双方の一端側第2連通部182を介して互いに連通する。
また、図3および図4に示すように、他方側の流路ユニット18の第3一方側連通部221cは、一方側の流路ユニット18の第3他方側連通部241cに対しユニット積層方向DRsに当接して接合されている。そして、その接合された状態において、その他方側の流路ユニット18の第3一方側連通孔221mと、その一方側の流路ユニット18の第3他方側連通孔241jとが互いに重なるように配置されている。これにより、その第3一方側連通孔221mと第3他方側連通孔241jとが1つの連通孔になるので、その他方側の流路ユニット18の第1流路185aと、その一方側の流路ユニット18の第1流路185aとが、双方の他端側第1連通部183を介して互いに連通する。
また、他方側の流路ユニット18の第4一方側連通部221dは、一方側の流路ユニット18の第4他方側連通部241dに対しユニット積層方向DRsに当接して接合されている。そして、その接合された状態において、その他方側の流路ユニット18の第4一方側連通孔221nと、その一方側の流路ユニット18の第4他方側連通孔241nとが互いに重なるように配置されている。これにより、その第4一方側連通孔221nと第4他方側連通孔241nとが1つの連通孔になるので、その他方側の流路ユニット18の第2流路185bと、その一方側の流路ユニット18の第2流路185bとが、双方の他端側第2連通部184を介して互いに連通する。
このようにして複数の流路ユニット18は相互に接続されているので、図2、3、5に示すように、第1流体入口181aと第1流体出口183aは、それぞれの流路ユニット18の第2流路185bと隔てられつつ第1流路185aに連通している。そして、第2流体入口182aと第2流体出口184aは、それぞれの流路ユニット18の第1流路185aと隔てられつつ第2流路185bに連通している。
本実施形態の熱交換器10の作用効果について述べる。上述したように、本実施形態によれば図2、3、5に示すように、ユニット積層部12は複数の流路ユニット18を有し、それぞれの流路ユニット18には、第1流体が流れる第1流路185aと、第2流体が流れる第2流路185bとが形成されている。そして、そのユニット積層部12を収容するタンク14内には第3流体が流通する。更に、互いに隣接する流路ユニット18の中間部185同士の間には、第3流体が流通するユニット相互隙間18fが形成されている。従って、第1流体と第2流体と第3流体とを相互に熱交換させることが可能である。
それと共に、タンク入口部141とタンク出口部142とをユニット積層方向DRsとは無関係に配置することができる。すなわち、第3流体を熱交換器10に出入りさせる配管をタンク14内におけるユニット積層部12の向き又は姿勢に制約されずに配置することができる。これにより、熱交換器10に出入りする流体を流す配管のレイアウト上の制約、特に第3流体を流す配管のレイアウト上の制約を、特許文献1の車両用熱交換器と比較して緩くすることが可能である。その結果として、第3流体を流す配管のレイアウトに関する設計自由度が向上し、例えばタンク14内での第3流体の偏流を抑える設計も容易になる。
また、特許文献1の車両用熱交換器では第1〜3作動流体の入口と出口とを3つずつ並べるスペースが必要とされるため、車両用熱交換器の幅寸法を一定以上確保する必要がある。これに対し、第3流体を流すためのタンク入口部141とタンク出口部142とを任意に配置できるので、第1〜3流体を出入りさせるための配管スペースの確保に関して制約が緩い。そのため、本実施形態の熱交換器10では、特許文献1の車両用熱交換器と比較して小型化が容易である。
また、本実施形態によれば図4に示すように、中間流路ユニット18aの一対の外殻プレート22、24は同一の部品である。そのため、その中間流路ユニット18aでは、その外殻プレート22、24と隔壁プレート26との2種類の部品だけで第1流路185aと第2流路185bとを形成することが可能である。すなわち、中間流路ユニット18aを簡素な部品構成とすることが可能である。また、中間流路ユニット18aはユニット積層方向DRsに表裏を持たないので、製造工程を簡素にすることが可能である。
また、本実施形態によれば図2〜5に示すように、個々の流路ユニット18では、一方側外殻プレート22は、隔壁プレート26に対しユニット積層方向DRsの一方側に積層配置されると共に、その隔壁プレート26に接合されている。他方側外殻プレート24は、隔壁プレート26に対しユニット積層方向DRsの他方側に積層配置されると共に、その隔壁プレート26に接合されている。また、第1流路185aは、一方側外殻プレート22と隔壁プレート26との間に形成されている。その一方で、第2流路185bは、他方側外殻プレート24と隔壁プレート26との間に形成され、その隔壁プレート26によって第1流路185aと隔てられている。
従って、第1流体と第2流体との混合を隔壁プレート26によって防止しつつ、簡素な積層構造によって、1つの流路ユニット18内に第1流路185aと第2流路185bとを形成することが可能である。
また、本実施形態によれば、一端側第1連通部181と他端側第1連通部183との並びは、一端側第2連通部182と他端側第2連通部184との並びに対し対角配置になっている。隔壁プレート26は、一端側第1連通部181に含まれユニット積層方向DRsの他方側へ突き出た第1隔壁突出部261と、一端側第2連通部182に含まれユニット積層方向DRsの一方側へ突き出た第2隔壁突出部262とを有している。そして、隔壁プレートは、他端側第1連通部183に含まれユニット積層方向DRsの他方側へ突き出た第3隔壁突出部263と、他端側第2連通部184に含まれユニット積層方向DRsの一方側へ突き出た第4隔壁突出部264とを有している。第1隔壁突出部261の頂部261bと第3隔壁突出部263の頂部263bはそれぞれ、他方側外殻プレート24の内壁面241eに対しユニット積層方向DRsに当接している。第2隔壁突出部262の頂部262bと第4隔壁突出部264の頂部264bはそれぞれ、一方側外殻プレート22の内壁面221eに対しユニット積層方向DRsに当接している。
従って、一端側第1連通部181および他端側第1連通部183では第1流体が流路ユニット18相互間で流通でき、且つ一端側第2連通部182および他端側第2連通部184では第2流体が流路ユニット18相互間で流通できるように、隔壁プレート26を形成することが可能である。そして、その隔壁プレート26を、ユニット積層方向DRsに沿った軸線まわりに点対称の形状として、流路ユニット18の製造工程を簡素化することが可能である。
また、本実施形態によれば、中間流路ユニット18aでは、第1一方側連通部221aと第3一方側連通部221cはユニット積層方向DRsの一方側へ突き出ている。そして、第1一方側連通部221aの頂部221gには第1一方側連通孔221hが形成され、第3一方側連通部221cの頂部221kには第3一方側連通孔221mが形成されている。また、第2他方側連通部241bと第4他方側連通部241dはユニット積層方向DRsの他方側へ突き出ている。そして、第2他方側連通部241bの頂部241hには第2他方側連通孔241iが形成され、第4他方側連通部241dの頂部241mには第4他方側連通孔241nが形成されている。また、第1隔壁突出部261の頂部261bは、第1隔壁孔261cを第1他方側連通孔241fへ連通させるように、他方側外殻プレート24の内壁面241eのうち第1他方側連通部241aに属する部位に接合されている。そして、その接合によって、第1他方側連通孔241fは、第2流路185bと隔てられつつ第1流路185aに連通する。また、第2隔壁突出部262の頂部262bは、第2隔壁孔262cを第2一方側連通孔221iへ連通させるように、一方側外殻プレート22の内壁面221eのうち第2一方側連通部221bに属する部位に接合されている。そして、その接合によって、第2一方側連通孔221iは、第1流路185aと隔てられつつ第2流路185bに連通する。また、第3隔壁突出部263の頂部263bは、第3隔壁孔263cを第3他方側連通孔241jへ連通させるように、他方側外殻プレート24の内壁面241eのうち第3他方側連通部241cに属する部位に接合されている。そして、その接合によって、第3他方側連通孔241jは、第2流路185bと隔てられつつ第1流路185aに連通する。また、第4隔壁突出部264の頂部264bは、第4隔壁孔264cを第4一方側連通孔221nへ連通させるように、一方側外殻プレート22の内壁面221eのうち第4一方側連通部221dに属する部位に接合されている。そして、その接合によって、第4一方側連通孔221nは、第1流路185aと隔てられつつ第2流路185bに連通する。
従って、各連通部221a、221c、241b、241dの突き出た形状によって、中間流路ユニット18aとそれに隣接する流路ユニット18との相互間にユニット相互隙間18fを形成することができる。それと共に、外殻プレート22、24の各連通孔によって、第1および第2流体がそれらの流路ユニット18a、18の相互間で流通できるように、それらの流路ユニット18a、18を相互に接続できる。そして、そのような外殻プレート22、24の各連通部221a、221c、241b、241dの突き出た形状を許容しつつ、中間流路ユニット18a内に第1流路185aと第2流路185bとを形成することが可能である。更に、中間流路ユニット18aをユニット積層方向DRsに180°反転させても組立可能な構成として、ユニット積層部12の製造工程を簡素化することが可能である。
また、本実施形態によれば、一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22には、第1流体入口181aと第2流体入口182aと第1流体出口183aと第2流体出口184aとが形成されている。その第1流体入口181aと第1流体出口183aは、複数の流路ユニット18の第2流路185bと隔てられつつ第1流路185aに連通する。また、第2流体入口182aと第2流体出口184aは、複数の流路ユニット18の第1流路185aと隔てられつつ第2流路185bに連通する。従って、第1流体と第2流体とをユニット積層部12に出入りさせる配管161、162、171、172を、ユニット積層方向DRsの一方側に集中させることが可能である。言い換えれば、その配管161、162、171、172を、ユニット積層方向DRsの他方側に設ける必要がないというメリットがある。
また、本実施形態によれば、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24には、その他方端流路ユニット18cの第1流路185aに連通する孔も、その他方端流路ユニット18cの第2流路185bに連通する孔も形成されていない。従って、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24を、他方端流路ユニット18cの機能に対し過不足ない簡素な形状にすることができる。
また、本実施形態によれば、例えば、第1流体はエンジンオイルであり、第2流体は変速機オイルであり、第3流体はエンジン冷却液である。そして、ユニット相互隙間18fには、第3流体としてのエンジン冷却液が流通する。従って、車両の暖機完了後である定常運転時においては、エンジン冷却液で、エンジンオイルと変速機オイルとを同時に冷却することが可能である。すなわち、エンジンオイルと変速機オイルとを冷却する冷却器として熱交換器10を機能させることが可能である。
ここで、車両の冷間始動直後など各流体の温度立ち上がり時には、変速機オイルはエンジンオイルとエンジン冷却液とに対して遅れて温度上昇する。そして、図5等から判るように、変速機オイルは第2流路185bを流通するので、変速機オイルは、エンジンオイルとエンジン冷却液との間に挟まれるようにして流通する。従って、各流体の温度立ち上がり時には、エンジン冷却液とエンジンオイルとによって変速機オイルを温めるウォーマーとして熱交換器10を機能させることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の第3実施形態以降でも同様である。
図6および図7に示すように、本実施形態では、第2流体入口182aと第2流体出口184aとが、ユニット積層方向DRsにおいてユニット積層部12の一方側ではなく他方側に設けられている。また、タンク14が、座面プレート143とタンク容器部144とから構成されている。これらの点において本実施形態は前述の第1実施形態と異なっている。それ以外については、本実施形態は第1実施形態と同様である。
具体的には、タンク14の座面プレート143は、ユニット積層方向DRsを厚み方向とした平板状の金属板である。例えば、座面プレート143は肉厚に成形されており、高い曲げ剛性を備えている。
座面プレート143は、ユニット積層部12に対しユニット積層方向DRsの他方側に配置されている。また、タンク容器部144は、ユニット積層方向DRsの一方側に窪んだ有底筒状を成している。そのタンク容器部144は、環状の先端縁部144aをユニット積層方向DRsの他方側に有している。そして、タンク容器部144は、その先端縁部144aの全長にわたって、ろう付け等により座面プレート143に気密に接合されている。この接合により、座面プレート143とタンク容器部144は、第3流体が流通するタンク空間を形成し、ユニット積層部12はそのタンク空間に収容されている。
本実施形態では、タンク入口部141およびタンク出口部142はタンク容器部144に設けられている。
また、座面プレート143には、ユニット積層部12が接合され固定されている。詳細には、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24が、座面プレート143に、ろう付け等によって接合されている。
一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22には、第1流体入口181aと第1流体出口183aとが形成されている。この点は第1実施形態と同様であるので、第1流体入口181aと第1流体出口183aは、第1実施形態と同様に、複数の流路ユニット18の第2流路185bと隔てられつつ第1流路185aに連通している。
但し、本実施形態では、一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22に、第2流体入口182aと第2流体出口184aは形成されていない。その替わりに、その第2流体入口182aと第2流体出口184aは、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24に形成されている。そして、その第2流体入口182aと第2流体出口184aは、他方端流路ユニット18cの第2流路185bへ開放されているので、第1実施形態と同様に、複数の流路ユニット18の第1流路185aと隔てられつつ第2流路185bに連通している。
詳細には、座面プレート143は、第1実施形態の第2入口配管171に相当する第2入口部143aと、第1実施形態の第2出口配管172に相当する第2出口部143cとを有している。その第2入口部143aには、座面プレート143をユニット積層方向DRsに貫通する第2入口孔143bが形成されている。これと同様に、第2出口部143cには、座面プレート143をユニット積層方向DRsに貫通する第2出口孔143dが形成されている。
そして、第2入口孔143bおよび第2流体入口182aは、ユニット積層方向DRsで他方端流路ユニット18cの第2隔壁孔262cと同軸上に配置されている。座面プレート143の第2入口孔143bは、座面プレート143に対する他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24の接合によって、タンク14内には連通せずに、第2流体入口182aを介して他方端流路ユニット18cの第2流路185bへ連通している。
これと同様に、第2出口孔143dおよび第2流体出口184aは、ユニット積層方向DRsで他方端流路ユニット18cの第4隔壁孔264cと同軸上に配置されている。座面プレート143の第2出口孔143dは、座面プレート143に対する他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24の接合によって、タンク14内には連通せずに、第2流体出口184aを介して他方端流路ユニット18cの第2流路185bへ連通している。
なお、本実施形態では、一方端流路ユニット18bにおいて第2隔壁孔262cは、第2隔壁突出部262の頂部262bが一方側外殻プレート22の内壁面221eに接合されることによって塞がれている。これと同様に、一方端流路ユニット18bの第4隔壁孔264cは、第4隔壁突出部264の頂部264bが一方側外殻プレート22の内壁面221eに接合されることによって塞がれている。
本実施形態のユニット積層部12では、第1流体は図6の矢印F1iのように流入し、図6および図7の実線矢印のように流れてから、図7の矢印F1oのように流出する。また、第2流体は図6の矢印F2iのように流入し、図6および図7の破線矢印のように流れてから、図7の矢印F2oのように流出する。
従って、ユニット積層部12内において第1流体は、第1実施形態と同様に流れる。また、第2流体は、各流路ユニット18の第2流路185bでは、第1実施形態と同様に流れる。但し、本実施形態では、座面プレート143の第2入口孔143bから流入した第2流体は、複数の流路ユニット18の直列に連結された一端側第2連通部182内を、ユニット積層方向DRsの他方側から一方側へ流通する。そして、複数の流路ユニット18の直列に連結された他端側第2連通部184内では第2流体は、ユニット積層方向DRsの一方側から他方側へ流通する。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、一方端流路ユニット18bの一方側外殻プレート22には、第1流体入口181aと第1流体出口183aとが形成されている。そして、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24には、第2流体入口182aと第2流体出口184aが形成されている。従って、第1流体と第2流体とをユニット積層部12に出入りさせる出入口部161、162、143a、143cがユニット積層方向DRsの一方側または他方側に集中することを回避することが可能である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図8に示すように、本実施形態では、ユニット積層部12は複数のフィン121を有している。また、ユニット積層部12の一方端流路ユニット18bが有する一方側外殻プレート22のプレート基部221が、タンク14の内壁面に対しユニット積層方向DRsに当接している。それと共に、ユニット積層部12の他方端流路ユニット18cが有する他方側外殻プレート24のプレート基部241も、タンク14の内壁面に対しユニット積層方向DRsに当接している。
また、タンク出口部142は、短手幅方向DR2においてタンク14の一方側に設けられ、タンク入口部141は、短手幅方向DR2においてタンク14の他方側に設けられている。これらの点において本実施形態は前述の第1実施形態と異なっている。それ以外については、本実施形態は第1実施形態と同様である。
具体的に説明すると、ユニット積層部12のフィン121は、流路ユニット18の外側に設けられるアウターフィンである。フィン121は、アルミニウム合金等の金属板が波形等に成形されてなる熱交換フィンであり、一般的な熱交換器に用いられているものと同様である。そのフィン121はユニット相互隙間18fにそれぞれ配置されている。従って、そのユニット相互隙間18f内を流通する第3流体は、フィン121の表面に接触しつつユニット相互隙間18fを通過する。
例えば、このフィン121は、長手幅方向DR1および短手幅方向DR2において、ユニット相互隙間18fが拡がる略全域にわたって設けられている。従って、フィン121は、ユニット相互隙間18fのうち、互いに隣接する流路ユニット18の中間部185同士の間の部位にも設けられている。
そして、各フィン121は、そのフィン121に対しユニット積層方向DRsの一方側にて当接する他方側外殻プレート24のプレート基部241に、ろう付け等により接合されている。これと同様に、各フィン121は、そのフィン121に対しユニット積層方向DRsの他方側にて当接する一方側外殻プレート22のプレート基部221にも、ろう付け等により接合されている。これにより、各フィン121は、フィン121に接合された他方側外殻プレート24を介して第3流体と第1流体との熱交換を促進する。それと同時に、各フィン121は、フィン121に接合された一方側外殻プレート22を介して第3流体と第2流体との熱交換を促進する。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、ユニット相互隙間18fには、第3流体と第1流体または第2流体との熱交換を促進するフィン121がそれぞれ設けられている。従って、そのフィン121が無い場合と比較して、第3流体と第1流体または第2流体との熱交換を促進することを、簡単な構成によって実現することが可能である。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
図9および図10に示すように、本実施形態では、タンク14は、座面プレート143とタンク容器部144とに加え、タンクボトムプレート145とタンクパッキン146とを有している。また、タンク入口部141およびタンク出口部142が両方とも、短手幅方向DR2においてタンク容器部144の他方側に設けられている。
なお、図9では、各構成部材の配置を判りやすく示すために、構成部材の相互間に敢えて隙間を空けて、各構成部材が図示されている。また、図9では、ユニット積層部12から第1流体および第2流体が流出する流れを示すために、第1出口配管162と第2出口孔143dとが二点鎖線で図示されている。また、図10では、図示の簡略化のために、タンク入口部141およびタンク出口部142の図示が省略されている。
本実施形態のタンク容器部144は金属製ではなく樹脂製である。
タンクボトムプレート145は金属製の板状部材から構成されている。タンクボトムプレート145は、座面プレート143に対しユニット積層方向DRsの一方側に配置され、長手幅方向DR1および短手幅方向DR2へ平面的に拡がるように設置されている。すなわち、タンクボトムプレート145は、ユニット積層方向DRsにおいて座面プレート143とタンク容器部144との間に配置されている。タンクボトムプレート145は、座面プレート143に対し、例えばろう付け等によって接合されている。
タンクパッキン146は、ゴムなどの弾性部材で構成されている。タンクパッキン146は、タンク容器部144の先端縁部144aの全長にわたって延びるように設けられている。そして、タンクパッキン146は、タンク容器部144の先端縁部144aとタンクボトムプレート145との間に配置されている。
タンク容器部144は、先端縁部144aとタンクボトムプレート145の周縁部分145aとの間にタンクパッキン146を挟んだ状態でタンクボトムプレート145の周縁部分145aにカシメ固定されている。このカシメ固定によって、そのタンクパッキン146は、タンク容器部144の先端縁部144aとタンクボトムプレート145の周縁部分145aとの間にてユニット積層方向DRsに挟圧された状態に維持されている。これにより、タンク容器部144とタンクボトムプレート145は、第3流体が流通するタンク空間を形成している。ユニット積層部12はそのタンク空間に収容されている。また、タンクパッキン146は挟圧されることで、タンク容器部144とタンクボトムプレート145との間から第3流体が漏出することを防止している。
また、図11および図12に示すように、本実施形態では、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24は、中間流路ユニット18aの他方側外殻プレート24と同様に、第2他方側連通部241bと第4他方側連通部241dとを有している。すなわち、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24は、第2他方側連通部241bの筒状壁部241gと頂部241hとを有すると共に、第4他方側連通部241dの筒状壁部241kと頂部241mとを有している。
この2つの頂部241h、241mはそれぞれ、タンクボトムプレート145に対しユニット積層方向DRsの一方側から当接しており、その当接した状態でろう付け等により接合されている。そのため、他方端流路ユニット18cとタンクボトムプレート145との間には、ユニット積層方向DRsの隙間であるタンクボトム隙間18gが形成されている。
このタンクボトム隙間18gにも、ユニット相互隙間18fと同様にフィン121が配置されている。そのタンクボトム隙間18gのフィン121は、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24のプレート基部241とタンクボトムプレート145とに、ろう付け等によって接合されている。
また、第2流体入口182aは、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24が有する第2他方側連通部241bの頂部241hをユニット積層方向DRsへ貫通する貫通孔として形成され、座面プレート143の第2入口孔143bに接続されている。また、第2流体出口184aは、他方端流路ユニット18cの他方側外殻プレート24が有する第4他方側連通部241dの頂部241mをユニット積層方向DRsへ貫通する貫通孔として形成され、座面プレート143の第2出口孔143dに接続されている。
また、図9に示すように、本実施形態の各流路ユニット18は第1インナーフィン28と第2インナーフィン30とを有している。その第1および第2インナーフィン28、30は何れも、アルミニウム合金等の金属板が波形等に成形されてなる熱交換フィンであり、一般的な熱交換器のチューブ内に設けられるフィンと同様である。
第1インナーフィン28は第1流路185aに配置されている。従って、その第1流路185a内を流通する第1流体は、第1インナーフィン28の表面に接触しつつ第1流路185aを通過する。第1インナーフィン28は、例えば第1流路185aのうち、少なくとも中間部185(図5参照)に属する部位に設けられている。
そして、図9、11、12に示すように、第1インナーフィン28は、その第1インナーフィン28に対しユニット積層方向DRsの一方側にて当接する一方側外殻プレート22のプレート基部221に、ろう付け等により接合されている。これと同様に、第1インナーフィン28は、その第1インナーフィン28に対しユニット積層方向DRsの他方側にて当接する隔壁プレート26にも、ろう付け等により接合されている。
これにより、第1インナーフィン28は、第3流体と第1インナーフィン28が配置された第1流路185a内を流通する第1流体との熱交換、および、その第1流体と第2流体との熱交換を促進する。
第2インナーフィン30は第2流路185bに配置されている。従って、その第2流路185b内を流通する第2流体は、第2インナーフィン30の表面に接触しつつ第2流路185bを通過する。第2インナーフィン30は、例えば第2流路185bのうち、少なくとも中間部185に属する部位に設けられている。
そして、第2インナーフィン30は、その第2インナーフィン30に対しユニット積層方向DRsの一方側にて当接する隔壁プレート26に、ろう付け等により接合されている。これと同様に、第2インナーフィン30は、その第2インナーフィン30に対しユニット積層方向DRsの他方側にて当接する他方側外殻プレート24のプレート基部241にも、ろう付け等により接合されている。
これにより、第2インナーフィン30は、第3流体と第2インナーフィン30が配置された第2流路185b内を流通する第2流体との熱交換、および、その第2流体と第1流体との熱交換を促進する。以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。
なお、図11および図12では、図示の簡略化のために、タンク容器部144、タンクパッキン146、フィン121、第1インナーフィン28、および第2インナーフィン30の図示が省略されている。
本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態は第2実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第1実施形態と組み合わせることも可能である。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
図13に示すように、本実施形態では、タンク容器部144は樹脂製ではなく、アルミニウム合金等の金属製である。
タンク容器部144は、そのタンク容器部144の先端縁部144aの全長にわたって、ろう付け等により、タンクボトムプレート145の周縁部分145aに気密に接合されている。この接合により、タンク容器部144とタンクボトムプレート145は、第3流体が流通するタンク空間を形成し、ユニット積層部12はそのタンク空間に収容されている。
なお、図13では、図示の簡略化のために、フィン121、第1インナーフィン28、および第2インナーフィン30の図示は省略されているが、本実施形態のユニット積層部12も第4実施形態のユニット積層部12と同様に、それらのフィン121、28、30を有している。
また、タンク入口部141およびタンク出口部142は両方とも、短手幅方向DR2においてタンク容器部144の一方側に設けられている。以上説明したことを除き、本実施形態は第4実施形態と同様である。
本実施形態では、前述の第4実施形態と共通の構成から奏される効果を第4実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態は第4実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第1実施形態と組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、第1流体はエンジンオイルであり、第2流体は変速機オイルであり、第3流体はエンジン冷却水であるが、これは一例である。例えば、第1流体が変速機オイルであって第2流体がエンジンオイルであってもよい。更に言えば、第1〜第3流体のうちの何れか又は全部は、エンジンオイル、変速機オイル、およびエンジン冷却水以外の流体であってもよいし、液体ではなく気体であってもよい。
(2)上述の各実施形態では、流路ユニット18は長手幅と短手幅とを有し、その長手幅は短手幅よりも長いが、その長手幅と短手幅とが同じ長さになっていても差し支えない。
(3)上述の第1実施形態では、一方側外殻プレート22の第1接続部223aの第1接続口は、第1流体が流入する第1流体入口181aとして設けられ、第3接続部223cの第3接続口は、第1流体が流出する第1流体出口183aとして設けられているが、これは一例である。
例えば逆に、第1接続口が第1流体出口183aとして設けられると共に、第3接続口が第1流体入口181aとして設けられてもよい。すなわち、一方端流路ユニット18bでは、第1流体が第3接続口に流入すると共に、第1接続口から流出してもよい。要するに、その第1接続口と第3接続口との一方が第1流体入口181aとして設けられると共に、他方が第1流体出口183aとして設けられていればよい。このようにすれば、各流路ユニット18の相互間における第1流体の流れを一端側第1連通部181と他端側第1連通部183との各々においてユニット積層方向DRsに沿った流れにして、第1流体を効率的に各流路ユニット18へ流すことが可能である。
(4)上述の第1実施形態では、一方側外殻プレート22の第2接続部223bの第2接続口は、第2流体が流入する第2流体入口182aとして設けられ、第4接続部223dの第4接続口は、第2流体が流出する第2流体出口184aとして設けられているが、これは一例である。
例えば逆に、第2接続口が第2流体出口184aとして設けられると共に、第4接続口が第2流体入口182aとして設けられてもよい。すなわち、一方端流路ユニット18bでは、第2流体が第4接続口に流入すると共に、第2接続口から流出してもよい。要するに、その第2接続口と第4接続口との一方が第2流体入口182aとして設けられると共に、他方が第2流体出口184aとして設けられていればよい。このようにすれば、各流路ユニット18の相互間における第2流体の流れを一端側第2連通部182と他端側第2連通部184との各々においてユニット積層方向DRsに沿った流れにして、第2流体を効率的に各流路ユニット18へ流すことが可能である。
(5)上述の第1実施形態では、図1の矢印F1s、F2sに示すように、中間部185(図4参照)での第1流体流れと第2流体流れは、それぞれの主流の向きが長手幅方向DR1では互いに同じになる並行流となっているが、これは一例である。例えば、第1流体流れと第2流体流れは、それらのうちの一方の主流の向きが逆転した対向流となっていてもよい。その対向流とは、一方の主流の向きと他方の主流の向きとが長手幅方向DR1において相対向することである。
(6)上述の第1実施形態では、他方端流路ユニット18cの隔壁プレート26は、中間流路ユニット18aの隔壁プレート26と同じ部品であるが、それらの隔壁プレート26が互いに異なる部品になっていても差し支えない。そのようにした場合、例えば、他方端流路ユニット18cの隔壁プレート26は、第1隔壁孔261cと第3隔壁孔263cが設けられていない部品とされてもよい。その場合、それらの隔壁孔261c、263cを他方側外殻プレート24の内壁面241eで塞ぐ必要がないので、第1隔壁突出部261および第3隔壁突出部263の突出形状は不要である。
(7)上述の各実施形態では、複数の流路ユニット18の積層数は3段であるが、その積層数は2段または4段以上であっても差し支えない。例えば、その積層数が2段である場合には、中間流路ユニット18aは設けられず、ユニット積層部12は一方端流路ユニット18bと他方端流路ユニット18cとから構成される。また、その積層数が4段以上である場合には、一方端流路ユニット18bと他方端流路ユニット18cとを除いた積層数だけ、中間流路ユニット18aが積層される。
(8)上述の第3実施形態では、図8に示すユニット積層部12のフィン121は、そのフィン121に対しユニット積層方向DRsに当接する一方側外殻プレート22と他方側外殻プレート24とにそれぞれ接合されているが、これは一例である。
例えば、ユニット積層部12のフィン121は、その一方側外殻プレート22と他方側外殻プレート24とのうちの一方にだけ接合され、他方には接合されていないということも考え得る。すなわち、フィン121は、ユニット積層方向DRsでそのフィン121の両隣に配置された一対の中間部185(図5参照)のうちの一方には接合され、他方には接合されていないということである。但し、フィン121は、それらの外殻プレート22、24のうちの接合されていない側である他方に対して当接している。
このようにすれば、第1流体および第2流体のそれぞれと第3流体とを熱交換させつつ、第1流体と第2流体とのうちの一方と第3流体との熱交換を、その他方と第3流体との熱交換に比して、より積極的に行わせることが可能である。
(9)上述の第4実施形態では、図9および図10に示すように、タンク入口部141とタンク出口部142は両方とも、短手幅方向DR2においてタンク容器部144の他方側に設けられているが、逆に、タンク容器部144の一方側に設けられていても差し支えない。
(10)上述の各実施形態では、一方側外殻プレート22は一体成形品であるが、複数の部材が互いに接合されることにより構成されていても差し支えない。例えば、複数の流路ユニット18のうちの少なくとも何れかにおいて、図14に示すように、一方側外殻プレート22が、一方側突出部材224と一方側外殻プレート構成部材225とが互いに接合されることによって構成されることが想定される。その接合は、ろう付け等により気密に接合される。また、一方側外殻プレート構成部材225とは、一方側突出部材224の構成部位以外の他の部位を構成する部材である。
その想定のように為される場合、一方側突出部材224は、一方側外殻プレート22のうちユニット積層方向DRsの一方側へ突き出た一方側突出部位221a、221cを構成する。その一方側突出部位221a、221cとは、第1一方側連通部221aまたは第3一方側連通部221c(図4参照)である。また、一方側外殻プレート構成部材225は、一方側外殻プレート22のプレート基部221(図5参照)を構成する。
このようにすれば、一方側外殻プレート22の全体を一体成形することで上記一方側突出部位221a、221cを形成することが困難な場合にも、その一方側突出部位221a、221cを形成することが可能である。
このことは、一方側外殻プレート22だけでなく、他方側外殻プレート24でも同様である。具体的に言えば、複数の流路ユニット18のうちの少なくとも何れかにおいて、図14に示すように、他方側外殻プレート24が、他方側突出部材244と他方側外殻プレート構成部材245とが互いに接合されることによって構成されることが想定される。その他方側外殻プレート構成部材245とは、他方側突出部材244の構成部位以外の他の部位を構成する部材である。
その想定のように為される場合、他方側突出部材244は、他方側外殻プレート24のうちユニット積層方向DRsの他方側へ突き出た他方側突出部位241b、241dを構成する。その他方側突出部位241b、241dとは、第2他方側連通部241bまたは第4他方側連通部241d(図4参照)である。また、他方側外殻プレート構成部材245は、他方側外殻プレート24のプレート基部241(図5参照)を構成する。
このようにすれば、他方側外殻プレート24の全体を一体成形することで上記他方側突出部位241b、241dを形成することが困難な場合にも、その他方側突出部位241b、241dを形成することが可能である。
更に、上述のことは、隔壁プレート26でも同様である。具体的に言えば、複数の流路ユニット18のうちの少なくとも何れかにおいて、図15に示すように、隔壁プレート26が、隔壁突出部材265と隔壁プレート構成部材266とが互いに接合されることによって構成されることが想定される。その隔壁プレート構成部材266とは、隔壁突出部材265の構成部位以外の他の部位を構成する部材である。
その想定のように為される場合、隔壁突出部材265は、第1隔壁突出部261と第2隔壁突出部262と第3隔壁突出部263と第4隔壁突出部264(図4参照)とのうちの何れかを構成する。また、隔壁プレート構成部材266は、隔壁プレート26のうちそれらの隔壁突出部261、262、263、264を除いた平板部分を構成する。
このようにすれば、隔壁プレート26の全体を一体成形することで各隔壁突出部261、262、263、264を形成することが困難な場合にも、その隔壁突出部261、262、263、264を形成することが可能である。
(11)上述の各実施形態では図5に示すように、各流路ユニット18の中間部185において、第1流路185aは、第2流路185bに対しユニット積層方向DRsの一方側に配置されているが、これは一例である。例えば逆に、第1流路185aは、第2流路185bに対しユニット積層方向DRsの他方側に配置されていても差し支えない。
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、ユニット積層部は、第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とが形成された複数の流路ユニットを有し、その複数の流路ユニットが積層方向へ積層されることにより構成されている。また、タンクはユニット積層部を収容し、そのタンク内には第3流体が流通する。また、複数の流路ユニットはそれぞれ、その流路ユニットの一端部に配置された一端側第1連通部および一端側第2連通部と、その流路ユニットの他端部に配置された他端側第1連通部および他端側第2連通部とを有する。それと共に、その複数の流路ユニットはそれぞれ、一端部と他端部との間に配置され第1流路と第2流路とが積層方向へ積層して形成された中間部を有する。また、互いに隣接する流路ユニットの中間部同士の間には、第3流体が流通する隙間が形成されている。
また、第2の観点によれば、一方側外殻プレートは、隔壁プレートに対し積層方向の一方側に配置されると共にその隔壁プレートに接合される。そして、他方側外殻プレートは、隔壁プレートに対し積層方向の他方側に配置されると共にその隔壁プレートに接合される。また、第1流路は、一方側外殻プレートと隔壁プレートとの間に形成され、第2流路は、他方側外殻プレートと隔壁プレートとの間に形成され、その隔壁プレートによって第1流路と隔てられている。従って、第1流体と第2流体との混合を隔壁プレートによって防止しつつ、簡素な積層構造によって、1つの流路ユニット内に第1流路と第2流路とを形成することが可能である。
また、第3の観点によれば、一端側第1連通部と他端側第1連通部との並びは、一端側第2連通部と他端側第2連通部との並びに対し対角配置になっている。隔壁プレートは、一端側第1連通部に含まれ積層方向の他方側へ突き出た第1隔壁突出部と、一端側第2連通部に含まれ積層方向の一方側へ突き出た第2隔壁突出部とを有している。そして、隔壁プレートは、他端側第1連通部に含まれ積層方向の他方側へ突き出た第3隔壁突出部と、他端側第2連通部に含まれ積層方向の一方側へ突き出た第4隔壁突出部とを有している。第1隔壁突出部の頂部と第3隔壁突出部の頂部はそれぞれ、他方側外殻プレートの内壁面に対し積層方向に当接し、第2隔壁突出部の頂部と第4隔壁突出部の頂部はそれぞれ、一方側外殻プレートの内壁面に対し積層方向に当接している。従って、一端側第1連通部および他端側第1連通部では第1流体が流路ユニット相互間で流通でき、且つ一端側第2連通部および他端側第2連通部では第2流体が流路ユニット相互間で流通できるように、隔壁プレートを形成することが可能である。そして、その隔壁プレートを、積層方向に沿った軸線まわりに点対称の形状として、流路ユニットの製造工程を簡素化することが可能である。
また、第4の観点によれば、中間流路ユニットでは、第1一方側連通部と第3一方側連通部は積層方向の一方側へ突き出ており、第1一方側連通部の頂部には第1一方側連通孔が形成され、第3一方側連通部の頂部には第3一方側連通孔が形成されている。また、第2他方側連通部と第4他方側連通部は積層方向の他方側へ突き出ており、第2他方側連通部の頂部には第2他方側連通孔が形成され、第4他方側連通部の頂部には第4他方側連通孔が形成されている。また、第1隔壁突出部の頂部は、第1隔壁孔を第1他方側連通孔へ連通させるように、他方側外殻プレートの内壁面のうち第1他方側連通部に属する部位に接合され、その接合によって、第1他方側連通孔は、第2流路と隔てられつつ第1流路に連通する。また、第2隔壁突出部の頂部は、第2隔壁孔を第2一方側連通孔へ連通させるように、一方側外殻プレートの内壁面のうち第2一方側連通部に属する部位に接合され、その接合によって、第2一方側連通孔は、第1流路と隔てられつつ第2流路に連通する。また、第3隔壁突出部の頂部は、第3隔壁孔を第3他方側連通孔へ連通させるように、他方側外殻プレートの内壁面のうち第3他方側連通部に属する部位に接合され、その接合によって、第3他方側連通孔は、第2流路と隔てられつつ第1流路に連通する。また、第4隔壁突出部の頂部は、第4隔壁孔を第4一方側連通孔へ連通させるように、一方側外殻プレートの内壁面のうち第4一方側連通部に属する部位に接合され、その接合によって、第4一方側連通孔は、第1流路と隔てられつつ第2流路に連通する。従って、各連通部の突き出た形状と各連通孔とによって、中間流路ユニットとそれに隣接する流路ユニットとの相互間に上記隙間を形成しつつ、第1および第2流体がそれらの流路ユニットの相互間で流通できるように、それらの流路ユニットを相互に接続できる。そして、そのような外殻プレートの各連通部の突き出た形状を許容しつつ、中間流路ユニット内に第1流路と第2流路とを形成することが可能である。更に、中間流路ユニットを積層方向に180°反転させても組立可能な構成として、ユニット積層部の製造工程を簡素化することが可能である。
また、第5の観点によれば、複数の流路ユニットのうちの少なくとも何れかにおいて、隔壁プレートは、隔壁突出部材と隔壁プレート構成部材とが互いに接合されることによって構成されている。そして、その隔壁突出部材は、第1隔壁突出部と第2隔壁突出部と第3隔壁突出部と第4隔壁突出部とのうちの何れかを構成する。また、隔壁プレート構成部材は、その隔壁突出部材の構成部位以外の他の部位を構成する。このようにすれば、隔壁プレートの全体を一体成形することで各隔壁突出部を形成することが困難な場合にも、その隔壁突出部を形成することが可能である。
また、第6の観点によれば、一方端流路ユニットの一方側外殻プレートには、第1流体入口と第1流体出口と第2流体入口と第2流体出口とが形成されている。その第1流体入口と第1流体出口は、複数の流路ユニットの第2流路と隔てられつつ第1流路に連通する。また、第2流体入口と第2流体出口は、複数の流路ユニットの第1流路と隔てられつつ第2流路に連通する。第1流体入口にはユニット積層部の外部から第1流体が流入し、第1流体出口からは第1流体がユニット積層部の外部へ流出する。第2流体入口にはユニット積層部の外部から第2流体が流入し、第2流体出口からは第2流体がユニット積層部の外部へ流出する。従って、第1流体と第2流体とをユニット積層部に出入りさせる配管類を、積層方向の他方側に設ける必要がないというメリットがある。
また、第7の観点によれば、一方端流路ユニットの一方側外殻プレートは、一端側第1連通部に含まれ第1接続口が形成された第1接続部と、一端側第2連通部に含まれ第2接続口が形成された第2接続部とを有する。また、その一方側外殻プレートは、他端側第1連通部に含まれ第3接続口が形成された第3接続部と、他端側第2連通部に含まれ第4接続口が形成された第4接続部とを有する。第1接続口と第3接続口との一方は第1流体入口として設けられると共に、他方は第1流体出口として設けられている。また、第2接続口と第4接続口との一方は第2流体入口として設けられると共に、他方は第2流体出口として設けられている。従って、各流路ユニットの相互間における第1流体の流れと第2流体の流れとをそれぞれ積層方向に沿った流れにして、第1流体および第2流体を効率的に各流路ユニットへ流すことが可能である。
また、第8の観点によれば、他方端流路ユニットの他方側外殻プレートには、その他方端流路ユニットの第1流路に連通する孔も、その他方端流路ユニットの第2流路に連通する孔も形成されていない。従って、他方端流路ユニットの他方側外殻プレートを、他方端流路ユニットの機能に対し過不足ない簡素な形状にすることができる。
また、第9の観点によれば、一方端流路ユニットの一方側外殻プレートには、第1流体入口と第1流体出口とが形成され、他方端流路ユニットの他方側外殻プレートには、第2流体入口と第2流体出口とが形成されている。従って、第1流体と第2流体とをユニット積層部に出入りさせる配管類が積層方向の一方側または他方側に集中することを回避することが可能である。
また、第10の観点によれば、複数の流路ユニットのうちの少なくとも何れかにおいて、一方側外殻プレートは、一方側突出部材と一方側外殻プレート構成部材とが互いに接合されることによって構成されている。そして、その一方側突出部材は、一方側外殻プレートのうち積層方向の一方側へ突き出た部位を構成する。また、一方側外殻プレート構成部材は、その一方側突出部材の構成部位以外の他の部位を構成する。このようにすれば、一方側外殻プレートの全体を一体成形することで上記一方側へ突き出た部位を形成することが困難な場合にも、その一方側へ突き出た部位を形成することが可能である。
また、第11の観点によれば、複数の流路ユニットのうちの少なくとも何れかにおいて、他方側外殻プレートは、他方側突出部材と他方側外殻プレート構成部材とが互いに接合されることによって構成されている。そして、その他方側突出部材は、他方側外殻プレートのうち積層方向の他方側へ突き出た部位を構成する。また、他方側外殻プレート構成部材は、その他方側突出部材の構成部位以外の他の部位を構成する。このようにすれば、他方側外殻プレートの全体を一体成形することで上記他方側へ突き出た部位を形成することが困難な場合にも、その他方側へ突き出た部位を形成することが可能である。
また、第12の観点によれば、第3流体が流通する上記隙間には、第3流体と第1流体または第2流体との熱交換を促進するフィンが設けられている。従って、そのフィンが無い場合と比較して、第3流体と第1流体または第2流体との熱交換を促進することを、簡単な構成によって実現することが可能である。
また、第13の観点によれば、フィンは、積層方向でそのフィンの両隣に配置された一対の中間部のうちの一方には接合され、他方には接合されていない。従って、第1流体および第2流体のそれぞれと第3流体とを熱交換させつつ、第1流体と第2流体とのうちの一方と第3流体との熱交換を、その他方と第3流体との熱交換に比して、より積極的に行わせることが可能である。
また、第14の観点によれば、第1流体はエンジンオイルであり、第2流体は変速機オイルであり、第3流体はエンジン冷却液である。そして、流路ユニットの中間部同士の間に形成された上記隙間には、第3流体としてのエンジン冷却液が流通する。従って、エンジン冷却液で、エンジンオイルと変速機オイルとを同時に冷却することが可能である。
また、第15の観点によれば、タンクは、そのタンクの外部から第3流体をタンク内へ流入させるタンク入口部と、タンク内の第3流体をタンクの外部へ流出させるタンク出口部とを有する。
また、第16の観点によれば、タンク入口部は、積層方向に直交する方向において、タンクの一方側の側部に設けられ、タンク出口部は、タンクの他方側の側部に設けられている。