JPWO2018066534A1 - 部品取付具 - Google Patents

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Abstract

部品点数を少なくすることができると共に、被取付部から車装部品を容易に取外すことができる、部品取付具を提供する。この部品取付具(10)は、開口部(21)を有し、壁部(23,23)及び側壁部(25,25)を有する枠状をなし、係止部(3)を収容する収容部(20)と、収容部(20)に設けられ、取付孔(7)の裏側周縁に係合する係合爪(30)と、一方の壁部(23)に、スリット(41)を介して撓み可能に形成され、収容部(20)に収容された係止部(3)に係止可能な係止爪(50)を有する係止片(40)と、係止片(40)の外側面から収容部(20)の外方に向けて延出され、係止片(40)を収容部(20)の外方に撓み変形させることで、係止爪(50)と係止部(3)との係止状態を解除する、操作片(60)とを有している。

Description

本発明は、例えば、車両シート等の車装部品を、車体パネル等の被取付部に取付けるための、部品取付具に関する。
例えば、車両シート等の車装部品を車体パネル等の被取付部に取付ける際には、取付具が用いられている。すなわち、車両シート下方から延設した係止部を、取付具に挿入して係止爪に係止させると共に、該取付具を車体パネルの取付孔に挿入して固定することで、取付具を介して車両シートが車体パネルに取付けられるようになっている。
従来のこの種の取付具として、例えば、下記特許文献1には、シートクッションに設けられたU字状脚部を受け入れる脚受入部を有するクリップ本体と、クリップ本体にスライド可能に設けられ、脚受入部に挿入されたU字状脚部の内側を通って脚受入部の入口部を横切ることにより、U字状脚部の抜け出しを阻止するスライドロック部材とを有し、クリップ本体の脚受入部内側に、スライドロック部材の先端部に係止する、爪部が設けられた構造をなす、クリップが記載されている。
また、スライドロック部材は、板ばね片部によって、爪部との係止方向に付勢されている。そして、クリップ本体の脚受入部にU字状脚部が挿入されて、スライドロック部材で抜け止めされて、フロアにシートクッションが取付けられた状態から、シートクッションを取外す際には、板ばね片部の付勢力に抗して、スライドロック部材をスライドさせることにより、脚受入部内側の爪部との係止が解除される。それによって、脚受入部内からU字状脚部を抜き出して、フロアからシートクッションを取外すことが可能となっている。
特開2010−30347号公報
しかしながら、上記特許文献1のクリップにおいては、シートクッションのU字状脚部を抜け止め保持し且つその抜け止めを解除するための構造として、クリップ本体とスライドロック部材との2部品が必要であるため、部品点数が多く製造コストが増大するという不都合があった。
したがって、本発明の目的は、部品点数を少なくすることができると共に、被取付部から車装部品を容易に取外すことができる、部品取付具を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、係止部を有する車装部品の、前記係止部に係止されると共に、車体に設けられた被取付部の取付孔に挿入されて固定され、前記車装部品を前記被取付部に取付けるための、部品取付具であって、前記係止部を挿入可能な開口部を有すると共に、対向して配置された複数の壁部、及び、該壁部の対向方向に交差する方向に対向して配置された複数の側壁部を有する枠状をなしており、前記車装部品の前記係止部を収容し、かつ、前記取付孔に挿入される収容部と、前記収容部に設けられ、前記取付孔の裏側周縁に係合する係合爪と、一方の前記壁部に、スリットを介して撓み可能に形成され、前記収容部に収容された前記係止部に係止可能な係止爪を有する係止片と、該係止片の外側面から前記収容部の外方に向けて延出され、該係止片を前記収容部の外方に撓み変形させることで、前記係止爪と前記係止部との係止状態を解除する、操作片とを有していることを特徴とする。
本発明によれば、係止爪を有する係止片の外側面から、収容部の外方に向けて、係止片を撓み変形させる操作片が延出されており、収容部に対して係止片と操作片とが一部品で形成されているので、部品点数を少なくして構造を簡単にすることができ、製造コストの低減を図ることができる。また、被取付部の取付孔に部品取付具を介して車装部品を取付けた状態で、被取付部から車装部品を取外したい場合には、操作片を操作して係止片を収容部の外方に撓み変形させることによって、係止片の係止爪と車装部品の係止部との係止を解除することができ、被取付部から車装部品を取外すことができる。
本発明の部品取付具の一実施形態を示しており、同部品取付具を用いて、車装部品を被取付部に取付ける際の状態を示す、斜視図である。 同部品取付具の斜視図である。 同部品取付具の、図2とは異なる方向から見た斜視図である。 (a)は同部品取付具の正面図、(b)は同部品取付具の側面図である。 同部品取付具を用いて、車装部品を被取付部に取付けた状態を示す断面説明図である。 同部品取付具を用いて、車装部品を被取付部に取付けた状態を示しており、図7とは異なる方向から見た断面説明図である。 (a)は同部品取付具から係止部を引き抜く場合の断面説明図、(b)は同部品取付具の、係止爪が収容部内方に撓んだ状態の場合の断面説明図である。 本発明の部品取付具の、他の実施形態を示す斜視図である。 同部品取付具を用いて、車装部品を被取付部に取付けた状態を示す断面説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の部品取付具の一実施形態について説明する。
図1、図5及び図6に示すように、この実施形態の部品取付具10(以下、単に「取付具10」という)は、車装部品1の係止部3に係止されると共に、車体に設けられた被取付部5の取付孔7に挿入されて固定されて、車装部品1を被取付部5に取付けるためのものである。この実施形態における車装部品1としては、車両のリアシートであり、その下方から、断面円形のワイヤをU字状に折り曲げてなるU字フック状の係止部3が延設されている。ただし、車装部品としては、係止部を有するものであれば、特に限定はされない。また、係止部3の形状も特に限定はない。更に、被取付部5としては、例えば、車体パネルや車体フレーム等が挙げられるが、これも特に限定はされない。なお、被取付部5に設けた取付孔7は、長孔状をなしている(図1参照)。
図2及び図3に示すように、この実施形態の取付具10は、車装部品1の係止部3に適合した長尺状の開口部21を有し、複数の壁部で囲まれて枠状をなした収容部20を有している。この実施形態の収容部20は、前記開口部21の長手方向に沿って互いに対向して配置された一対の壁部23,23と、これらの一対の壁部23,23の対向方向に交差する方向に対向して配置されると共に、一対の壁部23,23の両端どうしを連結する、一対の側壁部25,25とからなる枠状をなしている。
また、図5に示すように、一対の壁部23,23の、開口部21側の上方周縁部からは、斜め上方に向けて次第に広がるガイド壁部27,27がそれぞれ延設されており、前記係止部3を収容部20内に収容しやすくなっている。
更に図2や図4(b)に示すように、各側壁部25の外面側であって、その幅方向両側には、収容部20の軸方向に沿って延びる、リブ29,29がそれぞれ形成されている。
また、収容部20を構成する一対の側壁部25,25には、取付孔7の裏側周縁に係合する、一対の係合爪30,30が設けられている。図2〜4に示すように、この実施形態における係合爪30は、前記一対のリブ29,29の間において、側壁部25の外面の先端側から基端側に向けて斜め外方に延びていると共に、その延出方向途中の外面に、取付孔7の裏側周縁に係合する係合段部32が形成されており、更に係合爪30の基端側には、側方から見て略L字状に屈曲した操作ノブ34が設けられている。
前記操作ノブ34は、係合爪30の係合段部32が取付孔7の裏側周縁に係合した状態で、取付孔7の表側に配置されるようになっている(図6参照)。そして、この操作ノブ34を操作して、係合爪30を収容部内方側に向けて撓ませることによって、係合段部32と取付孔7の裏側周縁との係合が解除されるようになっている。
なお、係合爪の形状としては、上記形状に限定されるものではなく、取付孔7の裏側周縁に係合可能であればよい。また、係合爪を設ける位置についても、一対の側壁部25,25ではなく、一対の壁部23,23側に設けてもよく(この態様については、図8及び図9の実施形態で説明する)、特に限定はされない。
また、図4(a),(b)に示すように、前記一対の壁部23,23の外面側であって、前記一対の係合爪30,30の係合段部32と操作ノブ34との間の高さとなる位置には、薄肉板状をなしたフランジ部35が、壁部23の幅方向に沿って所定長さでそれぞれ形成されている。この一対のフランジ部35,35は、係合爪30の係合段部32が取付孔7の裏側周縁に係合した状態で(図6参照)、取付孔7の表側周縁に当接するようになっている(図5参照)。
図2や図3に示すように、各フランジ部35には、複数の切欠き部36が形成されている(ここでは一対の切欠き部36,36)。この切欠き部36を設けることにより、フランジ部35の剛性を低減して、柔軟性を高めることができる。その結果、取付孔7の表側から収容部20を挿入していき、取付孔7の表側にフランジ部35が衝突した際の、跳ね返りを軽減することができ(切欠き部なしだと、フランジ部35が取付孔7の表側に衝突したときに跳ね返りやすい)、取付孔7に収容部20を挿入しやすくなる。また、取付孔7の表側に対するフランジ部35の密着性を高めることができる。
また、一対の壁部23,23のうち、一方の壁部23には、スリット41を介して、収容部20の内方及び外方に撓み可能とされた係止片40が形成されており、該係止片40には、収容部20に収容された係止部3に係止する係止爪50が設けられている。
この実施形態においては、図4(a)に示すように、一方の壁部23の、ガイド壁部27とフランジ部35との間に、収容部20の軸方向に沿って延びる一対の縦溝41a,41aと、該一対の縦溝41a,41aの、収容部20の開口部21から離れた側(収容部20に対する、係止部3の挿入方向先端側)の端部どうしを連結する横溝41bとからなる、コ字状のスリット41が形成されている。
このようなスリット41を介して形成された係止片40は、図5に示すように、その基端43が、一方の壁部23の、収容部20の開口部21側に連結されて、先端45(自由端)をスリット41の横溝41b側に向けて配置された片持ち梁状をなしており、その先端45の内側面(収容部20の内方に向く面)に、前記係止爪50が形成されている。なお、係止片40及び係止爪50は、U字フック状をなした係止部3の屈曲部3aの内側に、入り込むことが可能な大きさで形成されている。
また、図4(a)や図5に示すように、係止片40の基端43の外側面には、係止片40の幅方向に沿って、所定深さの凹溝47が形成されている。
なお、係止片の形状としては、上記形状に限定されるものでない。例えば、スリットを、一対の縦溝と、該一対の縦溝の、収容部20の開口部21側の端部どうしを連結する横溝とからなる、略門形をなした形状に形成して、係止片の基端を、収容部20の開口部21から離れた側(収容部20に対する、係止部3の挿入方向先端側)に連結させた構造としてもよい。
一方、図5に示すように、この実施形態の係止爪50は、係止片40の先端45の内側面から、ほぼ直交するように突出した形状をなしている。また、係止爪50の先端側であって、前記開口部21とは離れた側の面には、開口部21から離れる方向(収容部20に対する係止部3の挿入方向)に向けて次第に高さ(係止片40の内側面からの突出量)が高くなるテーパ面状をなした第1係止面51が形成されている。
そして、図7(a)に示すように、この第1係止面51は、後述する操作片60を操作して、係止片40が収容部20の外方に撓んだ状態で、スリット41の内周縁部(ここでは横溝41bの内周縁部)に当接可能とされている。なお、係止爪50の、前記開口部21とは離れた側の面であって、前記第1係止面51に隣接した位置からは、係止爪50の基端側に向けて、前記第1係止面51とは角度の異なるテーパ面52が形成されている(図5参照)。このテーパ面52及び前記第1係止面51は、係止爪50に係止部3からの引き抜き力F(図5参照)が作用した際に、係止部3に係止して、その抜け止めを図る部分となっている。
また、図5に示すように、係止爪50の先端側であって、前記開口部21側の面には、開口部21から離れる方向(収容部20に対する係止部3の挿入方向)に向けて次第に高さ(係止片40の内側面からの突出量)が高くなるテーパ面状をなし、後述する撓み規制孔55の内周縁部に係止可能とされた(図7(b)参照)、第2係止面53が形成されている。
上記第2係止面53に関連して、撓み規制孔55について説明する。すなわち、図3や図5に示すように、一対の壁部23,23のうち、係止片40が形成された壁部23に対向配置された、他方の壁部23に、係止爪50に係止部3からの引き抜き力F(図5参照)が作用して、係止片40が収容部20の内方に撓んだ状態で、係止爪50が係止可能とされて、係止片40の、更なる内方への撓み変形を規制する、撓み規制孔55が形成されている(図7(b)参照)。この実施形態における撓み規制孔55は、前記他方の壁部23の、ガイド壁部27とフランジ部35との間であって、フランジ部35に隣接した位置に、壁部23の幅方向に長く延びる長孔状をなしている(図3参照)。
そして、係止爪50に係止部3からの引き抜き力Fが作用して、係止片40が収容部20の内方に撓んだ状態で、撓み規制孔55の、開口部21側の内周縁部に、係止爪50の上記第2係止面53が係止可能とされて、係止片40の、更なる内方への撓み変形が規制されるようになっている(図7(b)参照)。
なお、係止爪としては、上記形状に限定されるものではなく、また、その形成位置も限定されない。例えば、係止片の先端側内面ではなく、係止片の延出方向途中の内面側に、係止爪を設けてよい。
更に、この取付具10は、係止片40の外側面から、収容部20の外方に向けて延出され、該係止片40を収容部20の外方に撓み変形させることで、係止爪50と係止部3との係止状態を解除する、操作片60を有している。
すなわち、この取付具10においては、収容部20に対して係止片40と操作片60とが一体形成された一部品となっている。なお、この取付具10では、係止片40と操作片60のみらなず、収容部20や係合爪30等の他部材も全て、合成樹脂によって一体形成された一部品とされている。
また、図3、図5及び図6に示すように、係止片40と係止爪50との収容部側の内面であって、その幅方向両側には、略三角板状をなした一対のリブ54,54が設けられており、係止片40と係止爪50との補強が図られている。
更に、図2や図5に示すように、この実施形態の操作片60は、係止片40の先端側の外側面から、収容部20の外方に向けて長板状に延出された形状をなしている。また、操作片60の幅方向(延出方向に直交する方向)の両側であって、前記開口部21側の表面からは、操作片60の基端から先端に向けて延びる突条をなした、一対の突条部61,61が設けられている。この一対の突条部61,61によって、操作片60の剛性を高めることができ、操作片60による係止片40の操作時に、操作片60からの操作力を伝達しやすくなっている。
また、図4(b)や図5に示すように、この実施形態における操作片60は、一方の壁部23に設けたフランジ部35よりも長く形成されていると共に、同フランジ部35に対して離間した位置に設けられている。
なお、操作片としては、上記形状に限定されるものではない。例えば、操作片60の幅方向両側であって、その裏面側に上記のような一対の突条部を設けたり、操作片の裏面側に、筋目状の微少な凸部を裏面側に複数設けたりしてもよい。このような形状とした場合には、操作片60を操作して係止片40の撓み変形させる際に、作業者の手や指が引っ掛かりやすくって、滑りにくくすることができ、操作片60の操作性を向上させることができるという利点が得られる。
次に、上記構造からなる取付具10の使用方法及び作用効果について説明する。
まず、取付具10の収容部20の開口部21の長手方向の向きに、車装部品1の係止部3を整合させた後、同係止部3を収容部20内に収容すべく押し込んでいく。すると、係止部3が、一対のガイド壁部27,27により案内されつつ開口部21を通じて、収容部20内に入り込むと共に、同係止部3が係止片40の内面側のリブ54,54を押圧して、係止片40が収容部外方に向けて撓む。その後、係止部3が、係止爪50の頂部を乗り越えて、第1係止面51側に至ると、係止片40が弾性復帰して、係止爪50が係止部3の屈曲部3aの内側に位置する(図5参照)。その結果、係止爪50に、係止部3からの引き抜き力F(収容部20内に収容された係止部3が、収容部20の開口部21から引き抜かれる方向の力)が作用しても、係止爪50の第1係止面51やテーパ面52に係止するので、収容部20内からの係止部3の抜け止めがなされて、取付具10に係止部3が抜け止めされた状態で装着することができる(図5及び図6参照)。
続いて、被取付部5の長孔状の取付孔7に、取付具10の収容部20の長手方向の向きを整合させて、取付孔7の表側から挿入していく。すると、収容部20が、側壁部25のリブ29,29によってガイドされると共に、取付孔7の内周に、一対の係合爪30,30の外周面が押圧されて内方に撓みつつ、取付孔7に挿入されていく。その後、各係合爪30の係合段部32が取付孔7の裏側周縁に至ると、一対の係合爪30,30がそれぞれ弾性復帰して、係合段部32,32が取付孔7の裏側周縁に係合すると共に、一対のフランジ部35,35が取付孔7の表側周縁に当接して、取付孔7に取付具10が固定されて、取付具10を介して被取付部5に車装部品1を取付けることができる(図6参照)。
なお、上記説明では、係止部3に取付具10が装着された後、被取付部5の取付孔7に挿入して固定するようにしたが、先に、被取付部5の取付孔7に取付具10を挿入して固定させておき、その後、取付具10の収容部20内に係止部3を収容して、係止部3に取付具10を係止させるようにしてもよく、特に限定はされない。
そして、修理やメンテナンス、交換等の理由で、被取付部5から車装部品1を取外したい場合には、操作片60を把持して、収容部20の外方に向けて係止片40を撓み変形させる。この実施形態では、図7(a)に示すように、操作片60を、収容部20の開口部21側に向けて持ち上げるように操作して、係止片40を撓み変形させる。すると、係止片40に設けた係止爪50の第1係止面51が、スリット41の横溝41bの内周縁部に近接した状態となり、係止爪50と係止部3との係止状態が解除される(すなわち、係止部3に引き抜き力Fが作用しても、係止爪50に引っ掛からず係止しないようになる)。なお、操作片60を操作して、係止片40の係止爪50の第1係止面51を、スリット41の横溝41bの内周縁部に当接した状態にして、係止爪50と係止部3との係止状態を解除してもよい。そして、この状態を保持しつつ、係止部3を開口部21を通じて収容部20から引き抜くことによって、被取付部5から車装部品1を取外すことができる。
なお、上述したように、係止片が、略門形をなしたスリットを介して形成されて、その基端が収容部20の開口部21から離れた側に連結された構造の場合には、操作片を、収容部20の開口部21から離れる方向に向けて、押し下げるように操作して、係止片を撓み変形させることで、係止爪50と係止部3との係止状態を解除することが可能となる。
また、取付孔7から取付具10を取外したい場合には、操作ノブ34,34を把持して、一対の係合爪30,30を、収容部20の内方側に向けて撓み変形させて、係合段部32,32と取付孔7の裏側周縁との係合を解除した後、この状態を保持しつつ、取付孔7から収容部20を引き抜くことで、取付孔7から取付具10を取外すことができる。
そして、この取付具10においては、係止爪50を有する係止片40の外側面から、収容部20の外方に向けて、係止片40を撓み変形させる操作片60が延出されていて、収容部20に対して係止片40と操作片60とが一部品で形成されているので、部品点数を少なくして構造を簡単にすることができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、この実施形態においては、スリット41はコ字状をなしており、一方の壁部23の、収容部20の開口部21側に、係止片40の基端43が連結されており、係止片40の先端45側の内側面に係止爪50が形成され、係止片40の先端45側の外側面から操作片60が延出された構造となっているので、次のような作用効果がもたらされる。
すなわち、係止片40の基端43が、一方の壁部23の、収容部20の開口部21側に連結され、係止片40の先端45側の外側面から操作片60が延出されているので、係止片40の基端43を支点として、操作片60を収容部20の開口部21側に向けて持ち上げるように操作して、係止片40を撓み変形させることによって、係止爪50と係止部3との係止を解除することができる。
また、係止片40の撓み変形の支点となる係止片40の基端43と、係止片40の先端45との距離を長く確保することができるので、回転モーメントを大きく確保することができ、梃子の原理によって、係止片40の撓み変形を容易にすることができる。
更に、係止片40は、収容部20の開口部21側に向けて持ち上げるように撓み変形させるので、その撓み変形時に、取付孔7を設けた被取付部5等が邪魔にならず、操作片60を操作しやすい。
また、係止爪50が係止部3に係止した状態で、係止爪50に係止部3から引き抜き力Fが作用したときには、係止片40が収容部20の内方に撓むので、係止爪50と係止部3との係止状態を解除しにくくすることができる。
更に、この実施形態においては、図7(b)に示すように、係止爪50に係止部3からの引き抜き力Fが作用して、係止片40が収容部20の内方に向けて撓んだ状態で、係止爪50が撓み規制孔55に係止して(ここでは係止爪50の第2係止面53が、撓み規制孔55の、開口部21側の内周縁部に係止する)、係止片40の撓み変形が規制されるので、係止爪50を係止部3に係止した状態に維持することができると共に、係止部3が係止爪50から外れることを確実に防止することができる。また、係止爪50に係止部3からの引き抜き力Fが作用せず、係止片40が収容部20の内方に向けて撓んでいない状態では、係止爪50は撓み規制孔55に係止せず、撓み規制孔55に対して離間しているので(図5参照)、開口部21から、車装部品1の係止部3を、収容部20内にスムーズに挿入することができる。
また、この実施形態においては、図7(a)に示すように、係止片40の係止爪50と係止部3との係止を解除すべく、操作片60を操作して、係止片40を収容部20の外方に撓ませると、係止爪50がスリット41の内周縁部に当接可能とされているので(ここでは、係止爪50の第1係止面51がスリット41の横溝41bの内周縁部に当接する)、係止片40のそれ以上の外方への撓み変形が規制されることとなり、係止片40の破損を防止することができる。
更に、この実施形態においては、係止片40は、その基端43が、収容部20の一方の壁部23に連結されており、該係止片40の基端43の外側面には、凹溝47が形成されているので、次のような作用効果がもたらされる。
すなわち、操作片60によって、係止片40を収容部20の外方に撓み変形させるときには、係止片40の基端43の外面側が縮むと共に、基端43の内面側が伸び(図7(a)参照)、一方、係止部3からの引き抜き力Fによって、係止片40を収容部20の内方に撓み変形させるときには、係止片40の基端43の外面側が伸びると共に、基端43の内面側が縮むことになる(図7(b)参照)。
そして、図7(a)に示すように、係止片40を収容部20の外方に撓み変形させるときには、係止片40の基端43の、縮む部分である外面側に、凹溝47が形成されているので、係止片40を撓み変形させやすくすることができ、また、係止片40が撓み変形しやすいため、収容部20に係止部3を挿入しやすくなる。一方、図7(b)に示すように、係止片40を収容部20の内方に撓み変形させるときには、係止片40の基端43の、縮む部分である内面側には、凹溝47が形成されていないので、係止片40を撓み変形させにくくさせて、係止爪50と係止部3との係止を解除させにくくすることができる。
図8及び図9には、本発明の部品取付具の、他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の部品取付具10A(以下、単に「取付具10A」という)は、取付孔7の裏側周縁に係合する係合爪の形成位置が、前記実施形態と異なっている。
すなわち、図8に示すように、この取付具10Aの収容部20を構成する、対向配置された一対の壁部23,23に、コ字状をなしたスリット31を介して、撓み可能な係合爪30A,30Aが形成されている。なお、フランジ部35は、一対の側壁部25,25からも形成されており、また、収容部20を構成する一対の壁部23,23及び一対の側壁部25,25の、開口部21側の上方周縁部の全周から、ガイド壁部27が斜め外方に向けて延設されている。
そして、一対の係合爪30A,30Aの係合段部32,32が、取付孔7の裏側周縁に係合することで、取付孔7に取付具10Aが固定されて、取付具10Aを介して被取付部5に車装部品1を取付けることができるようになっている(図9参照)。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
1 車装部品
3 係止部
5 被取付部
7 取付孔
10,10A 部品取付具(取付具)
20 収容部
21 開口部
23 壁部
25 側壁部
30,30A 係合爪
31 スリット
40 係止片
41 スリット
43 基端
45 先端
47 凹溝
50 係止爪
55 規制孔
60 操作片

Claims (5)

  1. 係止部を有する車装部品の、前記係止部に係止されると共に、車体に設けられた被取付部の取付孔に挿入されて固定され、前記車装部品を前記被取付部に取付けるための、部品取付具であって、
    前記係止部を挿入可能な開口部を有すると共に、対向して配置された複数の壁部、及び、該壁部の対向方向に交差する方向に対向して配置された複数の側壁部を有する枠状をなしており、前記車装部品の前記係止部を収容し、かつ、前記取付孔に挿入される収容部と、
    前記収容部に設けられ、前記取付孔の裏側周縁に係合する係合爪と、
    一方の前記壁部に、スリットを介して撓み可能に形成され、前記収容部に収容された前記係止部に係止可能な係止爪を有する係止片と、
    該係止片の外側面から前記収容部の外方に向けて延出され、該係止片を前記収容部の外方に撓み変形させることで、前記係止爪と前記係止部との係止状態を解除する、操作片とを有していることを特徴とする部品取付具。
  2. 前記スリットはコ字状をなしており、一方の前記壁部の、前記収容部の開口部側に、前記係止片の基端が連結されており、該係止片の先端側の内側面に前記係止爪が形成され、前記係止片の先端側の外側面から前記操作片が延出されている請求項1記載の部品取付具。
  3. 前記係止片が形成された一方の前記壁部に対向する他方の前記壁部には、前記係止爪に前記係止部からの引き抜き力が作用して、該係止片が前記収容部の内方に撓んだ状態で、前記係止爪が係止可能な撓み規制孔が形成されている請求項1又は2記載の部品取付具。
  4. 前記操作片を操作して、前記係止片が前記収容部の外方に撓んだ状態で、前記係止爪が前記スリットの内周縁部に当接可能とされている請求項1〜3のいずれか1つに記載の部品取付具。
  5. 前記係止片は、その基端が一方の前記壁部に連結されており、該係止片の基端の外側面には、凹溝が形成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の部品取付具。
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