JPWO2018051762A1 - 副作用を減じたアンチセンス核酸 - Google Patents
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Abstract
Description
1.以下の式(XX)で表されるPSPOユニットを含む、アンチセンス核酸
Aは、独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
nは、2以上の整数を表す]。
2.以下の式(XX’)で表される構造を有する、上記1に記載のアンチセンス核酸
Aは、独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
nは、2以上の整数を表し、
Yは、上記PSPOユニットの5’側に位置し、かつアンチセンス核酸の5’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む5’ウィング領域;式(XX’−a)もしくは式(XX’−b)
Zは、上記PSPOユニットの3’側に位置し、かつアンチセンス核酸の3’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む3’ウィング領域;化学修飾されていてもよいヌクレオシド;式(XX’−c)もしくは式(XX’−d)
3.少なくとも4つの連続した化学修飾されていてもよいヌクレオチドを構成単位として含み、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有する1つまたは複数のモチーフを含むアンチセンス核酸であって、
上記モチーフが以下の式(I)または(II)で表される、上記1に記載のアンチセンス核酸。
A1〜Aiは、それぞれ互いに独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
Rは、独立に、式(I)が核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
ここで、部分構造(I−a)
当該部分構造(I−a)が存在する場合には、i=6〜100の整数であり、そして
当該部分構造(I−a)が存在しない場合には、i=5である]、
または、
A1〜AiおよびRは、式(I)に関して定義されるとおりであり、
ここで、部分構造(II−a)
当該部分構造(II−a)が存在する場合には、i=6〜100の整数であり、そして 当該部分構造(II−a)が存在しない場合には、i=5である]。
4.A1〜Aiのうちの連続した少なくとも4つが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオシドである、上記3に記載のアンチセンス核酸。
5.(a)上記モチーフの5’側に位置し、かつアンチセンス核酸の5’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む5’ウィング領域、および/または、
(b)上記モチーフの3’側に位置し、かつアンチセンス核酸の3’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む3’ウィング領域、
および任意選択的に、
(c)上記5’ウィング領域と上記モチーフの間、上記モチーフと上記3’ウィング領域の間および/または上記モチーフ間に介在し、1〜20塩基の長さを有する少なくとも1つのヌクレオチドリンカー、
をさらに含み、
上記5’ウィング領域および3’ウィング領域は、それぞれ互いに独立に、1〜10塩基の長さを有する、
上記4に記載のアンチセンス核酸。
6.上記デオキシリボヌクレオシドが化学修飾されていない、上記4または5のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
7.上記5’ウィング領域および上記3’ウィング領域を含み、
上記5’ウィング領域が、式(III)
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
cは、1〜9の整数を表す]
で表され、
上記3’ウィング領域が、式(IV)
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
dは、1〜9の整数を表す]
で表されるか;
あるいは、
上記5’ウィング領域が、式(III’)または式(III’’):
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
c’は、0〜4の整数を表す]、
または
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
c’は、0〜4の整数を表す]
で表され、
上記3’ウィング領域が、式(IV’)または式(IV’’):
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
d’は、0〜4の整数を表す]
または
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
d’は、0〜4の整数を表す]
で表される、
上記5または6に記載のアンチセンス核酸。
8.Xが独立して、核酸類似体である、上記7に記載のアンチセンス核酸。
9.核酸類似体が、架橋化核酸である、上記8に記載のアンチセンス核酸。
10.架橋化核酸が、LNA、cEt−BNA、アミドBNA及びcMOE−BNAからなる群から選択される、上記9に記載のアンチセンス核酸。
11.長さが8〜100塩基である、上記1〜10のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
12.式(V)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(V)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(V−a)
当該部分構造(V−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(V−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(VI)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(VI)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(VI−a)
当該部分構造(VI−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(VI−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(V’)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(V’)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(V’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造、または、
式(VI’)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(VI’)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(VI’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造を有する、上記3〜11のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
13.上記モチーフが、式(VII)
Qは、S−またはO−であり、そして
fは、1〜10の整数である]
で表される1つまたは複数の構造により、1か所または複数か所で中断されている、上記3〜12のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
14.A1〜Aiが、それぞれ互いに独立に、化学修飾ヌクレオシドから選択される、上記3に記載のアンチセンス核酸。
15.上記化学修飾ヌクレオシドが核酸類似体である、上記14に記載のアンチセンス核酸。
16.式(VIII)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(VIII)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(VIII−a)
当該部分構造(VIII−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(VIII−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(IX)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(IX)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(IX−a)
当該部分構造(IX−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(IX−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(VIII’)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(VIII’)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(VIII’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造、または、
式(IX’)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(IX’)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(IX’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造を有する、上記3、14および15のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
17.(i)上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸、および
(ii)化学修飾されていてもよいヌクレオチドを構成単位として少なくとも含むポリヌクレオチドであって、少なくとも一部が上記(i)アンチセンス核酸に対して相補的なポリヌクレオチドを含む相補鎖、
を含む二本鎖核酸複合体。
18.(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオチドおよび/または化学修飾されていてもよいリボヌクレオチドを構成単位として少なくとも含む、上記17に記載の二本鎖核酸複合体。
19.(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、上記18に記載の二本鎖核酸複合体。
20.(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、上記19に記載の二本鎖核酸複合体。
21.(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていないリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、上記18に記載の二本鎖核酸複合体。
22.(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオチドおよび化学修飾されていてもよいリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、上記18に記載の二本鎖核酸複合体。
23.上記ポリヌクレオチドが、上記デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドを交互に含む、上記22に記載の二本鎖核酸複合体。
24.上記デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドが化学修飾されていない、上記22または23に記載の二本鎖核酸複合体。
25.(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが少なくとも1つのバルジを含む、上記17〜24のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
26.(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、上記(i)アンチセンス核酸に対して少なくとも1つのミスマッチを含む、上記17〜25のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
27.上記(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドの長さが、8〜100塩基である、上記17〜26のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
28.上記(i)アンチセンス核酸が、上記(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドと同じ長さを有する、上記17〜27のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
29.上記(i)アンチセンス核酸の長さが、上記(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドの長さと異なる、上記17〜27のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
30.少なくとも1つのリガンドを含む、上記17〜29のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
31.少なくとも1つのリガンドが、上記(ii)相補鎖のポリヌクレオチドの1つまたは複数の構成単位に結合している、上記30に記載の二本鎖核酸複合体。
32.上記少なくとも1つのリガンドが、タンパク質リガンド、ペプチドリガンド、アプタマーリガンド、糖鎖リガンド、脂質リガンド、低分子リガンドおよび生体分子/生体活性分子リガンドからなる群から選択される、上記30または31に記載の二本鎖核酸複合体。
33.上記少なくとも1つのリガンドが、環状アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列含有ペプチド、N−アセチルガラクトサミン、コレステロール、ビタミンE(トコフェロール)、ステアリン酸、ドコサン酸、アニスアミド、葉酸、アナンダミドまたはスペルミンである、上記32に記載の二本鎖核酸複合体。
34.哺乳動物において標的遺伝子の発現を減少させるための、上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
35.標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、上記34に記載のアンチセンス核酸。
36.哺乳動物において、標的遺伝子の発現が亢進している細胞の増殖を抑制するための、上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
37.上記標的遺伝子ががん遺伝子であり、上記細胞が癌細胞である、上記36に記載のアンチセンス核酸。
38.哺乳動物において標的遺伝子の発現を減少させるための、上記17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
39.上記(i)アンチセンス核酸が、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、上記38に記載の二本鎖核酸複合体。
40.哺乳動物において、標的遺伝子の発現が亢進している細胞の増殖を抑制するための、上記17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
41.上記標的遺伝子ががん遺伝子であり、上記細胞が癌細胞である、上記40に記載の二本鎖核酸複合体。
42.上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または上記17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体と、任意に薬理学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
43.癌を治療および/または予防するための、上記42に記載の医薬組成物。
44.上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または上記17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体を細胞と接触させる工程を含む、細胞内の転写産物レベルを低減する方法であって、
アンチセンス核酸が該転写産物のいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、方法。
45.上記転写産物が、タンパク質をコードするmRNA転写産物である、上記44に記載の方法。
46.上記転写産物が、タンパク質をコードしない転写産物である、上記44に記載の方法。
47.哺乳動物において標的遺伝子の発現を低減させるための、上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または上記17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体の使用。
48.哺乳動物において標的遺伝子の発現を低減させるための薬剤を製造するための、上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または上記17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体の使用。
49.上記1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または上記17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物において標的遺伝子の発現レベルを低減する方法であって、
アンチセンス核酸が、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、方法。
50.上記投与が経腸管的投与である、上記49に記載の方法。
51.上記投与が非経腸管的投与である、上記49に記載の方法。
52.上記核酸複合体の投与量が、0.001mg/kg/日〜50mg/kg/日である、上記49〜51のいずれか1つに記載の方法。
53.上記哺乳動物がヒトある、上記49〜52のいずれか1つに記載の方法。
54.上記少なくとも1つのリガンドが、環状ペプチド、N−アセチルガラクトサミン、コレステロール、ビタミンE(トコフェロール)もしくはその類縁体、ステアリン酸、ドコサン酸、アニスアミド、葉酸もしくはその類縁体、アナンダミドまたはスペルミンである、上記32に記載の二本鎖核酸複合体。
Aは、独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
nは、2以上の整数、好ましくは2〜50、例えば5〜20の整数を表す]。
Aは、独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
nは、2以上の整数、好ましくは2〜50、例えば5〜20の整数を表し、
Yは、上記PSPOユニットの5’側に位置し、かつアンチセンス核酸の5’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む5’ウィング領域;式(XX’−a)もしくは式(XX’−b)
Zは、上記PSPOユニットの3’側に位置し、かつアンチセンス核酸の3’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む3’ウィング領域;化学修飾されていてもよいヌクレオシド;式(XX’−c)もしくは式(XX’−d)
A1〜Aiは、それぞれ互いに独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
Rは、独立に、式(I)が核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
ここで、部分構造(I−a)
当該部分構造(I−a)が存在する場合には、i=6〜100の整数であり、そして
当該部分構造(I−a)が存在しない場合には、i=5である]、
または、
A1〜AiおよびRは、式(I)に関して定義されるとおりであり、
ここで、部分構造(II−a)
当該部分構造(II−a)が存在する場合には、i=6〜100の整数であり、そして 当該部分構造(II−a)が存在しない場合には、i=5である]。
本発明の1つの好ましい実施態様において、上記の少なくとも4つの連続した化学修飾されていてもよいヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドである。
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
cは、1〜9の整数を表す]
で表される。
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
dは、1〜9の整数を表す]
で表される。
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
c’は、0〜4の整数を表す]、
または
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
c’は、0〜4の整数を表す]。
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
d’は、0〜4の整数を表す]、
または
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
d’は、0〜4の整数を表す]。
Aは、独立して、化学修飾されていてもよいヌクレオシド、例えば化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドもしくはリボヌクレオシドから選択され、
aおよびbは互いに独立して、0〜20の整数、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、特に1〜3の整数であり、
ただし、a=0の場合には、bは1〜20の整数、好ましくは1〜10、例えば1〜5または1〜3の整数であり、b=0の場合には、aは1〜20の整数、好ましくは1〜10、例えば1〜5または1〜3の整数であり、
aおよびbの両方が1以上である場合、−AP(=O)O−−単位および−AP(=O)S−−単位の配置は、ランダム、交互、ブロック、グラジエントまたはこれらの組み合わせである]。
式(V)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(V)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
eは1〜9の整数、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6を示し、そしてgは1〜9の整数、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6を表し、
ここで、部分構造(V−a)
当該部分構造(V−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数、好ましくは8〜30、より好ましくは9〜25、さらに好ましくは10〜20の整数、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19であり、そして
当該部分構造(V−a)が存在しない場合には、i=5である]、
または、
式(VI)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(VI)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
eは1〜9の整数、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6を示し、そしてgは1〜9の整数、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6を表し、
ここで、部分構造(VI−a)
当該部分構造(VI−a)が存在する場合には、i=6〜96、好ましくは8〜30、より好ましくは9〜25、さらに好ましくは10〜20の整数、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19の整数であり、そして
当該部分構造(VI−a)が存在しない場合には、i=5である]。
式(V’)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(V’)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
e’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を示し、そしてg’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を表し、
ここで、部分構造(V’−a)
i=6〜96の整数、好ましくは6〜96の範囲内の偶数であり、より好ましくは8〜30の範囲内の偶数、さらに好ましくは8〜26の範囲内の偶数、より一層好ましくは10〜20の範囲内の偶数、例えば、10、12、14、16、18または20である]、または、
式(VI’)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(VI’)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
e’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を示し、そしてg’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を表し、
ここで、部分構造(VI’−a)
i=6〜96の整数、好ましくは6〜96の範囲内の偶数であり、より好ましくは8〜30の範囲内の偶数、さらに好ましくは8〜26の範囲内の偶数、より一層好ましくは10〜20の範囲内の偶数、例えば、10、12、14、16、18または20である]。
Qは、S−またはO−であり、そして
fは、1〜10の整数である]
で表される1つまたは複数の構造により、1か所または複数か所で中断されている。例えば、上記式(VII)で中断されたモチーフは以下のような構造を有する:
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(VIII)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
eは1〜9の整数、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6を示し、そしてgは1〜9、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6の整数を表し、
ここで、部分構造(VIII−a)
当該部分構造(VIII−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数、好ましくは8〜30、より好ましくは9〜25、さらに好ましくは10〜20の整数、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19であり、そして
当該部分構造(VIII−a)が存在しない場合には、i=5である]、
または、
式(IX)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(IX)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
eは1〜9の整数、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6を示し、そしてgは1〜9の整数、好ましくは1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6を表し、
ここで、部分構造(IX−a)
当該部分構造(IX−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数、好ましくは8〜30、より好ましくは9〜25、さらに好ましくは10〜20の整数、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19であり、そして
当該部分構造(IX−a)が存在しない場合には、i=5である]。
(VIII’)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(VIII’)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
e’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を示し、そしてg’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を表し、
ここで、部分構造(VIII’−a)
i=6〜96の整数、好ましくは6〜96の範囲内の偶数であり、より好ましくは8〜30の範囲内の偶数、さらに好ましくは8〜26の範囲内の偶数、より一層好ましくは10〜20の範囲内の偶数、例えば、10、12、14、16、18または20である]、 または、
式(IX’)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(IX’)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
e’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を示し、そしてg’は0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、すなわち、0、1、2または3を表し、
ここで、部分構造(IX’−a)
i=6〜96の整数、好ましくは6〜96の範囲内の偶数であり、より好ましくは8〜30の範囲内の偶数、さらに好ましくは8〜26の範囲内の偶数、より一層好ましくは10〜20の範囲内の偶数、例えば、10、12、14、16、18または20である]。
(i)上記アンチセンス核酸、および
(ii)化学修飾されていてもよいヌクレオチドを構成単位として少なくとも含むポリヌクレオチドであって、少なくとも一部が上記(i)アンチセンス核酸に対して相補的なポリヌクレオチドを含む相補鎖、
を含む二本鎖核酸複合体、
に関する。
本発明のさらなる1つの実施態様において、相補鎖におけるポリヌクレオチドは、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオチドおよび化学修飾されていてもよいリボヌクレオチドのみを構成単位として含む。好ましくは、上記デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドは化学修飾されていない。
(a)配列番号2、17、19または22で示される塩基配列を有するポリヌクレオチド、
(b)上記(a)のポリヌクレオチドと70%以上の配列同一性を有するポリヌクレオチド、
(c)上記(a)のポリヌクレオチドのうちの少数のヌクレオチドが置換し、欠失し、付加し及び/又は挿入されたポリヌクレオチド、
(d)上記(a)〜(c)のいずれかのポリヌクレオチドを部分配列として含むポリヌクレオチド。
(a’)配列番号7〜16、18、20、21および23のいずれか1つで示される塩基配列を有するポリヌクレオチド、
(b’)上記(a’)のポリヌクレオチドと70%以上の配列同一性を有するポリヌクレオチド、
(c’)上記(a’)のポリヌクレオチドのうちの少数のヌクレオチドが置換し、欠失し、付加し及び/又は挿入されたポリヌクレオチド、
(d’)上記(a’)〜(c’)のいずれか1つのポリヌクレオチドを部分配列として含むポリヌクレオチド。
cRGDfK(Arg−Gly−Asp−D−Phe−Lys)(配列番号24)。
本明細書において、「トコフェロール類縁体」には、トコフェロールの不飽和アナログ(例えば、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等のトコトリエノール)、トコフェロールもしくは上記不飽和アナログの薬学的に許容可能なエステル(例えば、酢酸エステル、コハク酸エステル、プロピオン酸エステル)、およびそれらの薬学的に許容可能な塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩)が含まれる。上記の塩は、特に、コハク酸のような二カルボン酸とのエステルの場合に形成させることが可能である。上記のトコフェロール類縁体は、トコフェロールと同一のまたは類似のリガンド特性、特に標的特異性を有することができる。
cRGDfKとAzido−PEG4−NHS esterを、NHSエステルとcRGDfKのリジンのアミノ基との縮合反応により結合させて、cRGDfKにアミド結合によりアジド−PEG4が連結しているアジド化cRGDfKを作成する。
(リンカーを介して)リガンドを結合させたい位置の構成単位をアルキン修飾ヌクレオチドとしたポリヌクレオチドを調製する。このようなポリヌクレオチドの調製方法は、当業者には公知であり、例えば、標準的なオリゴ合成においてアルキンホスホロアミダイトを用いることにより合成することができる。アルキン修飾ヌクレオチドの調製のためには、例えば、2’−O−プロパルギルアデノシン、2’−O−プロパルギルシチジン、2’−O−プロパルギルグアノシン、2’−O−プロパルギルウリジンまたは2’−O−プロパルギル脱塩基リボースを使用することができる。
アジドとアルキンによる付加感化反応(クリック反応)を用いて、アジド化cRGDfKとアルキン修飾ヌクレオチドとを結合させる。
本発明の他の実施態様において、上記二本鎖核酸複合体は、上記アンチセンス核酸および上記相補鎖のみからなる。本発明のさらなる実施態様において、上記二本鎖核酸複合体は、アンチセンス核酸、相補鎖およびリガンドのみからなる。本発明のさらに他の実施態様において、上記二本鎖核酸複合体は、アンチセンス核酸、相補鎖、リガンドおよびリンカーのみからなる。
本発明のアンチセンス核酸または二本鎖核酸複合体は、特異性高く効率良く標的細胞内に取り込まれて、当該細胞内の標的遺伝子の発現又は標的転写産物レベルを抑制し、当該細胞の増殖を極めて効果的に抑制することができる。従って、上記アンチセンス核酸または二本鎖核酸複合体を有効成分として含有する、例えば、標的遺伝子の発現および/または標的細胞(例えば癌細胞)の増殖をアンチセンス効果によって抑制するための組成物を、本発明は提供することができる。本発明のアンチセンス核酸または二本鎖核酸複合体は、優れた特異性と効率で標的組織や標的部位に送達することができ、高い特異性および効率で標的細胞の増殖を抑制できるため、低濃度の投与により高い薬効を得ることができる。そして、発明のアンチセンス核酸または二本鎖核酸複合体は特に、副作用が少ないという利点も有する。従って、代謝性疾患、腫瘍、感染症といった標的遺伝子の発現亢進に伴う疾患を治療、予防するための医薬組成物も提供することができる。
さらに別の実施態様において、本発明は、上記アンチセンス核酸または二本鎖核酸複合体を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物において癌を治療する方法に関する。
[2本鎖核酸の合成]
ヒトBCL2遺伝子の配列に基づいて、該遺伝子を標的とするPS−PO型アンチセンス核酸を基本骨格とする2本鎖核酸を設計した。BCL2遺伝子に対する2本鎖核酸の具体例としては、アンチセンス鎖ヌクレオチドの配列(16mer)を配列番号1〜6に、相補鎖ヌクレオチド配列を配列番号7〜16に示す(表1)。各々の遺伝子配列においてアンチセンス鎖とそれぞれの相補鎖をアニーリングさせることで2本鎖核酸を形成する。配列番号1〜6と7〜12で各々形成される2本鎖核酸をBNSP−1〜36とする(表2参照)。また、配列番号1と14から形成される2本鎖核酸をBNSP−37、配列番号2と13から形成される2本鎖核酸をBNSP−38、配列番号2と14から形成される2本鎖核酸をBNSP−39、配列番号2と15から形成される2本鎖核酸をBNSP−40、配列番号2と16から形成される2本鎖核酸をBNSP−41、配列番号17と10から形成される2本鎖核酸をBNSP−42とする。尚、配列番号13〜16の5’末端には、
[細胞培養]
後述の実験に用いるヒト癌由来細胞株は、以下の方法で維持した細胞株を用いた。
[細胞増殖アッセイ]
後述の実験で行った細胞増殖アッセイは、特に断りのない限り、以下の方法で行った。
[定量RT−PCR]
後述の実験で行った定量RT−PCRは、特に断りのない限り、以下の方法で行った。Rneasy Mini Kit(QIAGEN社)を用いて、培養細胞からトータルRNAを抽出した。上記トータルRNAを用いた定量RT−PCRはQuant−Fast Probe RT−PCR Kit(QIAGEN社製)を使用し、推奨される条件で行った。プライマーはApplied Biosystem社製 TaqMan Gene Expression Assays Probeを使用した。内因性コントロールプライマーには同社製β−Actinを用いた。上記定量RT−PCRの増幅は、ROTOR−Gene Q (QIAGEN社製)を用いて行った。mRNA発現量はDelta Delta CT法により算出した。
[ヒトBCL2遺伝子遺伝子を標的とする2本鎖核酸の細胞増殖抑制活性試験]
上記のヒトBCL2遺伝子を標的とする2本鎖核酸のインビトロにおける細胞増殖抑制活性を調べるために、以下の実験を行った。まず、表2に示した2本鎖核酸BNPS−1〜36(計36本)を用意した。次いで、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いて、上述の実施例2に示した計16細胞株に3nMの2本鎖核酸をトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞株を、トランスフェクトから72時間培養し、上述の実施例3に記載の細胞増殖アッセイ法により2本鎖核酸の細胞増殖抑制活性を測定した。
[ヒトBCL2遺伝子を標的とする2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性試験]
上記のヒトBCL2遺伝子を標的とする2本鎖核酸のインビトロにおけるmRNA発現抑制活性を調べるために、以下の実験を行った。アンチセンス配列番号1〜6と相補鎖配列番号10をアニーリングさせた2本鎖核酸BNSP−4、BNSP−10、BNSP−16、BNSP−22、BNSP−28、BNSP−34を用意した。次いで、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いて、OVCAR−3細胞株及びA431細胞株に10nMの上記2本鎖核酸をトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞株を、トランスフェクトから24時間培養し、上述の実施例4に記載の定量RT−PCR法により2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性を定量した。
[PS−PO型2本鎖核酸の膵癌同所移植マウスモデルにおける肝毒性発現検証及び薬効評価]
上記のPS−PO型2本鎖核酸とアンチセンス鎖が全てPS結合を基本骨格とする2本鎖核酸を比較して後述する2項目において差が出るかどうか評価するため、以下の実験を行った。
1.肝毒性の発現検証
2.膵癌部位の増殖抑制効果
[2本鎖核酸の合成]
ヒトBCL2、BCR−ABL及びSTAT3遺伝子の配列に基づいて、該遺伝子を標的とするDNA−DNAを基本骨格とし、糖部位にリガンド結合部位を有する塩基を含む2本鎖核酸を設計した。各標的遺伝子に対する2本鎖核酸の具体例としては、BCL2遺伝子に対する相補鎖ヌクレオチド配列(16mer)を配列番号18に示す。また、BCR−ABL遺伝子に対するアンチセンス鎖ヌクレオチドの配列(20mer)を配列番号19に、相補鎖ヌクレオチド配列を配列番号20及び21に示す。さらに、STAT3遺伝子に対するアンチセンス鎖ヌクレオチドの配列(20mer)を配列番号22に、相補鎖ヌクレオチド配列を配列番号23に示す。各々の遺伝子配列においてアンチセンス鎖とそれぞれの相補鎖をアニーリングさせることで2本鎖核酸を形成する。ヒトBCL2遺伝子を標的とした配列番号2と18から形成される2本鎖核酸をBNSP−43、ヒトBCR−ABL遺伝子を標的とした配列番号19と20から形成される2本鎖核酸をBNSP−44、配列番号19と21から形成される2本鎖核酸をBNSP−45、ヒトSTAT3遺伝子を標的とした配列番号22と23から形成される2本鎖核酸をBNSP−46とする。核酸は社内でDNA/RNA自動合成機(NTSH−8:日本テクノサービス株式会社製)を用い、常法に従い合成した。また、アンチセンス鎖とそれぞれの相補鎖のアニーリングによる2本鎖核酸の形成も社内で行った。
配列表記として下線で示すヌクレオチドはRNA、
[糖部2’部位へのRGD付加]
上記相補鎖のうち、Propargyl基を有するBNSP−43相補鎖(配列番号18)へのcRGD付加は以下の通り行った。
(1)cRGDfK (Monomeric RGD:Cyclo(−RGDfK) Selleck社製S7834)のペプチドのN末端に縮合反応によりAzido−PEG4−NHS esterを結合させアジド化ペプチドを作製した。
(2)30%DMSO溶液中、BNSP−43相補鎖(配列番号18)とアジド化ペプチドを原料として、Cu(II)錯体の存在下、クリック反応を行った。30%DMSO溶液中、peptide−N3 5等量、CuSO4・5H2O 5等量を加え40℃で16時間反応させた。
(3)クリック反応による過剰なCuはオリゴDNAのリン酸ジエステル、塩基部あるいはトリアゾールに付着している可能性があり、陽イオン交換樹脂(Ag(登録商標)MP−50(バイオラッド社製)によりNa+に置換した。。
(4)アンチセンス鎖(配列番号2)とcRGDの付加したBNSP−43相補鎖(配列番号18)をアニーリングさせた2本鎖核酸をBNSP−43−cRGDとする。
(5)さらに、多量体のcRGDを付加した2本鎖核酸の場合には、2本鎖核酸名に「DicRGD」(二量体)や「TEcRGD」(四量体)を付して呼ぶ(例えば、「BNSP−43−DEcRGD」、「BNSP−43−TEcRGD」)。
[葉酸の付加]
葉酸は、PEG3−Folate(base click社製:BCFA−111−1)をクリック反応によりPropargyl基を有するBNSP−45相補鎖(配列番号21)に付加した。アンチセンス鎖(配列番号19)とPEG3−Folateを付加したBNSP−45相補鎖(配列番号21)をアニーリングさせた2本鎖核酸をBNSP−45−PEG−3−Folateとする。さらに、アンチセンス鎖(配列番号19)と社内で合成したPEG11−Folate及びPEG23−Folateを付加したBNSP−45相補鎖(配列番号21)をアニーリングさせた2本鎖核酸をBNSP−45−PEG−11−Folate及びBNSP−45−PEG−23−Folateとする。
[細胞培養]
後述の実験に用いるヒト癌由来細胞株は、以下の方法で維持した細胞株を用いた。
ヒト肺胞基底上皮腺癌由来細胞株(A549細胞株:JCRB細胞バンクより購入、細胞番号:JCRB0076)は、10質量%のウシ胎児血清、MEM用非必須アミノ酸(NEAA)、100ユニット/mlのペニシリン及び100μgのストレプトマイシンを添加した成長培地(MEM:GIBCO社)、ヒト膵臓癌由来細胞株(PANC−1細胞株:理研セルバンクより購入、細胞番号:RBRC−RCB2095)、ヒト慢性骨髄性白血病細胞株(K562細胞株:JCRB細胞バンクより購入、細胞番号:JCRB0019)、ヒト膵臓癌由来細胞株(AsPC−1細胞株:ATCC細胞バンクより購入、細胞番号:CRL−1682)は、10質量%のウシ胎児血清、100ユニット/mlのペニシリン及び100μgのストレプトマイシンを添加した成長培地(RPMI1640:GIBCO社製)を用い、ヒト末梢血単核細胞(PBMC:クラボウ社より購入、製品番号:HC−0001)は、5質量%のウシ胎児血清、10μg/mLのDNaseIを添加した成長培地(LGM−3 lymphocyte:ロンザ社製)を用いた。
[ヒトBCL2遺伝子を標的とする2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性試験]
上記のヒトBCL2遺伝子を標的とする2本鎖核酸のインビトロにおけるmRNA発現抑制活性を調べるために、以下の実験を行った。2本鎖核酸BNSP−1、BNSP−4、BNSP−7、BNSP−10及びPS結合とPO結合が完全に交互である構造を持つアンチセンス鎖(配列番号17)と相補鎖(配列番号10)をアニーリングさせたBNSP−42を用意した。次いで、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いて、PANC−1細胞株、AsPC−1細胞株及びA549細胞株に10nMとなるよう上記2本鎖核酸をトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞株を、トランスフェクトから24時間培養し、上述の実施例4に記載の定量RT−PCR法により2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性を定量した。
[cRGDを相補鎖中央部に結合させたヒトBCL2遺伝子を標的とする2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性試験]
上記のヒトBCL2遺伝子を標的とするcRGDを結合させた2本鎖核酸のインビトロにおけるmRNA発現抑制活性を調べるために、以下の実験を行った。相補鎖中央部に1量体、2量体、4量体のcRGDを結合させた2本鎖核酸BNSP−43−cRGD、BNSP−43−DicRGD、BNSP−43−TEcRGD、並びにBNSP−10を用意し、PANC−1細胞株には3μM、K562細胞株には300nMとなるよう添加した。2本鎖核酸添加後、24時間培養し、上述の実施例4に記載の定量RT−PCR法により2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性を定量した。
[葉酸を相補鎖中央部に結合させたヒトBCR−ABL遺伝子を標的とする2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性試験]
上記のヒトBCR−ABL遺伝子を標的とする葉酸を結合させた2本鎖核酸のインビトロにおけるmRNA発現抑制活性を調べるために、以下の実験を行った。相補鎖中央部に異なる長さのPEGを介して葉酸を結合させた2本鎖核酸BNSP−45−PEG3−Folate、BNSP−45−PEG11−Folate、BNSP−45−PEG23−Folate、並びに及びBNSP−44を用意し、K562細胞株に300nMとなるよう添加した。2本鎖核酸添加後、24時間培養し、上述の実施例4に記載の定量RT−PCR法により2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性を定量した。
その結果を図31に示す。図31から分かる通り、ヒトBCR−ABL遺伝子を標的とする2本鎖核酸に葉酸を結合させることでリガンドの結合していないBNSP−44よりもK562細胞株に対してmRNA発現抑制活性が増強していることが明らかとなった。また、PEG3、PEG11、PEG23の比較では、PEGの長さは短い方がmRNA発現抑制活性が増強することが明らかとなった。
[ヒトSTAT3遺伝子を標的とする2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性試験]
上記のヒトSTAT3遺伝子を標的とする2本鎖核酸のインビトロにおけるmRNA発現抑制活性を調べるために、以下の実験を行った。2本鎖核酸BNSP−46を用意し、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社)を用いて、AsPC−1細胞株に0.3、1、3nMとなるようトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞株を、トランスフェクトから24時間培養し、上述の実施例4に記載の定量RT−PCR法により2本鎖核酸のmRNA発現抑制活性を定量した。
その結果を図32に示す。図32から分かる通り、ヒトSTAT3遺伝子を標的とすることでAsPC−1細胞株に対して用量依存的なmRNA発現抑制活性を示した。
[PS−PO型2本鎖核酸のPBMC(ヒト末梢血単核細胞)におけるインターフェロン−α(IFN−α)発現誘導作用の検証]
上記のPS−PO型2本鎖核酸と、アンチセンス鎖が全てPS結合を基本骨格とする1本鎖核酸及びアンチセンス鎖が全てPS結合を基本骨格とする2本鎖核酸を比較してIFN−α発現誘導作用において差が出るかどうか評価するため、以下の実験を行った。
Claims (53)
- 以下の式(XX’)で表される構造を有する、請求項1に記載のアンチセンス核酸
Aは、独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
nは、2以上の整数を表し、
Yは、上記PSPOユニットの5’側に位置し、かつアンチセンス核酸の5’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む5’ウィング領域;式(XX’−a)もしくは式(XX’−b)
Zは、上記PSPOユニットの3’側に位置し、かつアンチセンス核酸の3’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む3’ウィング領域;化学修飾されていてもよいヌクレオシド;式(XX’−c)もしくは式(XX’−d)
- 少なくとも4つの連続した化学修飾されていてもよいヌクレオチドを構成単位として含み、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有する1つまたは複数のモチーフを含むアンチセンス核酸であって、
上記モチーフが以下の式(I)または(II)で表される、請求項1に記載のアンチセンス核酸。
A1〜Aiは、それぞれ互いに独立に、化学修飾されていてもよいヌクレオシドから選択され、
Rは、独立に、式(I)が核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
ここで、部分構造(I−a)
当該部分構造(I−a)が存在する場合には、i=6〜100の整数であり、そして
当該部分構造(I−a)が存在しない場合には、i=5である]、
または、
A1〜AiおよびRは、式(I)に関して定義されるとおりであり、
ここで、部分構造(II−a)
当該部分構造(II−a)が存在する場合には、i=6〜100の整数であり、そして 当該部分構造(II−a)が存在しない場合には、i=5である]。 - A1〜Aiのうちの連続した少なくとも4つが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオシドである、請求項3に記載のアンチセンス核酸。
- (a)上記モチーフの5’側に位置し、かつアンチセンス核酸の5’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む5’ウィング領域、および/または、
(b)上記モチーフの3’側に位置し、かつアンチセンス核酸の3’末端に位置する構成単位を含む、1つまたは複数の化学修飾ヌクレオチドを含む3’ウィング領域、
および任意選択的に、
(c)上記5’ウィング領域と上記モチーフの間、上記モチーフと上記3’ウィング領域の間および/または上記モチーフ間に介在し、1〜20塩基の長さを有する少なくとも1つのヌクレオチドリンカー、
をさらに含み、
上記5’ウィング領域および3’ウィング領域は、それぞれ互いに独立に、1〜10塩基の長さを有する、
請求項4に記載のアンチセンス核酸。 - 上記デオキシリボヌクレオシドが化学修飾されていない、請求項4または5のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
- 上記5’ウィング領域および上記3’ウィング領域を含み、
上記5’ウィング領域が、式(III)
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
cは、1〜9の整数を表す]
で表され、
上記3’ウィング領域が、式(IV)
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
dは、1〜9の整数を表す]
で表されるか;
あるいは、
上記5’ウィング領域が、式(III’)または式(III’’):
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
c’は、0〜4の整数を表す]、
または
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
c’は、0〜4の整数を表す]
で表され、
上記3’ウィング領域が、式(IV’)または式(IV’’):
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
d’は、0〜4の整数を表す]
または
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
d’は、0〜4の整数を表す]
で表される、
請求項5または6に記載のアンチセンス核酸。 - Xが独立して、核酸類似体である、請求項7に記載のアンチセンス核酸。
- 核酸類似体が、架橋化核酸である、請求項8に記載のアンチセンス核酸。
- 架橋化核酸が、LNA、cEt−BNA、アミドBNA及びcMOE−BNAからなる群から選択される、請求項9に記載のアンチセンス核酸。
- 長さが8〜100塩基である、請求項1〜10のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
- 式(V)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(V)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(V−a)
当該部分構造(V−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(V−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(VI)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(VI)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(VI−a)
当該部分構造(VI−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(VI−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(V’)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(V’)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(V’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造、または、
式(VI’)
A1〜Aiは、独立して、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオシドであり、
Rは、独立に、式(VI’)のA1からAiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
Xは、独立して化学修飾ヌクレオシドであり、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(VI’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造を有する、請求項3〜11のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。 - A1〜Aiが、それぞれ互いに独立に、化学修飾ヌクレオシドから選択される、請求項3に記載のアンチセンス核酸。
- 上記化学修飾ヌクレオシドが核酸類似体である、請求項14に記載のアンチセンス核酸。
- 式(VIII)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(VIII)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(VIII−a)
当該部分構造(VIII−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(VIII−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(IX)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(IX)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
eは1〜9の整数、gは1〜9の整数を表し、
ここで、部分構造(IX−a)
当該部分構造(IX−a)が存在する場合には、i=6〜96の整数であり、そして
当該部分構造(IX−a)が存在しない場合には、i=5である]
で表される構造、または、
式(VIII’)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(VIII’)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(VIII’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造、または、
式(IX’)
XおよびX1〜Xiは、独立して核酸類似体であり、
Rは、独立に、式(IX’)のX1からXiまでの間の領域が、核酸間結合としてホスホジエステル結合とホスホロチオエート化結合を交互に有するように、S−またはO−から選択され、
e’は0〜4の整数を示し、そしてg’は0〜4の整数を表し、
ここで、部分構造(IX’−a)
i=6〜96の整数である]
で表される構造を有する、請求項3、14および15のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。 - (i)請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸、および
(ii)化学修飾されていてもよいヌクレオチドを構成単位として少なくとも含むポリヌクレオチドであって、少なくとも一部が上記(i)アンチセンス核酸に対して相補的なポリヌクレオチドを含む相補鎖、
を含む二本鎖核酸複合体。 - (ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオチドおよび/または化学修飾されていてもよいリボヌクレオチドを構成単位として少なくとも含む、請求項17に記載の二本鎖核酸複合体。
- (ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、請求項18に記載の二本鎖核酸複合体。
- (ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていないデオキシリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、請求項19に記載の二本鎖核酸複合体。
- (ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていないリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、請求項18に記載の二本鎖核酸複合体。
- (ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、化学修飾されていてもよいデオキシリボヌクレオチドおよび化学修飾されていてもよいリボヌクレオチドのみを構成単位として含む、請求項18に記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記ポリヌクレオチドが、上記デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドを交互に含む、請求項22に記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドが化学修飾されていない、請求項22または23に記載の二本鎖核酸複合体。
- (ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが少なくとも1つのバルジを含む、請求項17〜24のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- (ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドが、上記(i)アンチセンス核酸に対して少なくとも1つのミスマッチを含む、請求項17〜25のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドの長さが、8〜100塩基である、請求項17〜26のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記(i)アンチセンス核酸が、上記(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドと同じ長さを有する、請求項17〜27のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記(i)アンチセンス核酸の長さが、上記(ii)相補鎖におけるポリヌクレオチドの長さと異なる、請求項17〜27のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- 少なくとも1つのリガンドを含む、請求項17〜29のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- 少なくとも1つのリガンドが、上記(ii)相補鎖のポリヌクレオチドの1つまたは複数の構成単位に結合している、請求項30に記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記少なくとも1つのリガンドが、タンパク質リガンド、ペプチドリガンド、アプタマーリガンド、糖鎖リガンド、脂質リガンド、低分子リガンドおよび生体分子/生体活性分子リガンドからなる群から選択される、請求項30または31に記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記少なくとも1つのリガンドが、環状ペプチド、N−アセチルガラクトサミン、コレステロール、ビタミンE(トコフェロール)もしくはその類縁体、ステアリン酸、ドコサン酸、アニスアミド、葉酸もしくはその類縁体、アナンダミドまたはスペルミンである、請求項32に記載の二本鎖核酸複合体。
- 哺乳動物において標的遺伝子の発現を減少させるための、請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
- 標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、請求項34に記載のアンチセンス核酸。
- 哺乳動物において、標的遺伝子の発現が亢進している細胞の増殖を抑制するための、請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸。
- 上記標的遺伝子ががん遺伝子であり、上記細胞が癌細胞である、請求項36に記載のアンチセンス核酸。
- 哺乳動物において標的遺伝子の発現を減少させるための、請求項17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記(i)アンチセンス核酸が、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、請求項38に記載の二本鎖核酸複合体。
- 哺乳動物において、標的遺伝子の発現が亢進している細胞の増殖を抑制するための、請求項17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体。
- 上記標的遺伝子ががん遺伝子であり、上記細胞が癌細胞である、請求項40に記載の二本鎖核酸複合体。
- 請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または請求項17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体と、任意に薬理学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
- 癌を治療および/または予防するための、請求項42に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または請求項17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体を細胞と接触させる工程を含む、細胞内の転写産物レベルを低減する方法であって、
アンチセンス核酸が該転写産物のいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、方法。 - 上記転写産物が、タンパク質をコードするmRNA転写産物である、請求項44に記載の方法。
- 上記転写産物が、タンパク質をコードしない転写産物である、請求項44に記載の方法。
- 哺乳動物において標的遺伝子の発現を低減させるための、請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または請求項17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体の使用。
- 哺乳動物において標的遺伝子の発現を低減させるための薬剤を製造するための、請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または請求項17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体の使用。
- 請求項1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンス核酸または請求項17〜33のいずれか1つに記載の二本鎖核酸複合体を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物において標的遺伝子の発現レベルを低減する方法であって、
アンチセンス核酸が、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に相補的なアンチセンス鎖である、方法。 - 上記投与が経腸管的投与である、請求項49に記載の方法。
- 上記投与が非経腸管的投与である、請求項49に記載の方法。
- 上記核酸複合体の投与量が、0.001mg/kg/日〜50mg/kg/日である、請求項49〜51のいずれか1つに記載の方法。
- 上記哺乳動物がヒトある、請求項49〜52のいずれか1つに記載の方法。
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