JPH09506248A - キメラオリゴヌクレオシド化合物 - Google Patents

キメラオリゴヌクレオシド化合物

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JPH09506248A JP7514646A JP51464694A JPH09506248A JP H09506248 A JPH09506248 A JP H09506248A JP 7514646 A JP7514646 A JP 7514646A JP 51464694 A JP51464694 A JP 51464694A JP H09506248 A JPH09506248 A JP H09506248A
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レイノルズ,マーク・エイ
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ジンタ・インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 キメラオリゴヌクレオシド化合物およびこの化合物の調製方法および製剤化の方法を開示する。この化合物および組成物は、標的リボ核酸配列のRNaseHが介在する分解の活性化およびこのような配列に関連する病状の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 キメラオリゴヌクレオシド化合物発明の技術分野 本発明は、修飾したヌクレオシド間(internucleoside)結合および任意に他 の構造上の修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオシド化合物に関する。本発 明の化合物は標的核酸配列にハイブリダイズすることができ、RNアーゼHによ って媒体された該標的の開裂を活性化することができる。発明の背景 近年、生物体中で内生または外来核酸配列に帰しうる状態の研究、治療および 診断に使用するためのアンチセンス核酸オリゴマーを設計することに対し、多大 の関心が向けられている。たとえば、標的mRNAに相補的な適当なアンチセン スを有する核酸オリゴマーが該標的mRNAにハイブリダイズすることができ、 幾つかの場合に該mRNAの翻訳を妨害しうることが今やよく知られている。ア ンチセンス法は、外来(たとえば、ウイルス性)遺伝物質によって、またはミス 機能の(misfunctioning)もしくは変化した内生遺伝物質(たとえば、癌および 遺伝子疾患状態)によって引き起こされた疾患状態の最後の治療として大きな期 待が寄せられている。 しかしながら、アンチセンス法に大きな期待が寄せられているにもかかわらず 、多くの難題が依然として残っている。まず、アンチセンス化合物は一般に、内 生のエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼのために細胞環境中で分解に 供される。ヌクレアーゼ分解に対する耐性が改善された多数の修飾アンチセンス 構造物が記載されているが、化合物の有効性および半減期を増大させるためにさ らに改善が望まれている。第二に、アンチセンス化合物は一般に、目的としない 天然の配列の活性が破壊されることを回避するために目的とする標的核酸に対し て高い特異性を有することが必要である。多数の研究者がアンチセンス化合物の 標的配列に対する結合親和性を増大させるべく設計した方法を記載しているが、 標 的配列に対しては最大の有効性を保持しながら目的としない遺伝子配列の活性の 破壊を回避した構造的な洗練に関しては極わずかの結果しか報告されていない。 所望でない標的mRNAの発現を破壊することに向けた一つのアプローチには 、標的mRNAとアンチセンス鎖との間で二本鎖ハイブリッドを形成させ、つい で該標的mRNAを内生のRNアーゼHで開裂することが含まれる。ダッシュ( Dash,P.)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7896〜7990( 1987)を参照。しかしながら、RNアーゼHの作用様式は殆ど特異的でない ので、このアプローチには多数の制約がある。まず、RNアーゼH酵素は天然で はオリゴデオキシリボヌクレオチド−オリゴリボヌクレオチド二本鎖のオリゴリ ボ核酸鎖を開裂するように作用するが、DNA−DNAまたはRNA−RNA二 本鎖は開裂しない。このことは、少なくとも一部はDNA−RNAハイブリッド の極性の性質によるものであり、該ハイブリッドはDNA−DNAおよびRNA −RNAハイブリッドとは対照的に一方の鎖に(一方の鎖にのみ)2'−OH基 を有する。クラウチ(Crouch,R.J.)&ダークセン(Dirksen,M.−L.)、Nucleases (リン(Linn)&ロバーツ(Roberts)編)(コールドスプリング ハーバーラボラトリー)(1982)中の「リボヌクレアーゼH(Ribonucleas e H)」、212。その結果、アンチセンスRNアーゼH開裂法の一つの推定さ れる要件は、アンチセンス核酸鎖のヌクレオシドの少なくとも幾つかがデオキシ リボヌクレオチド(リボヌクレオチドではなく)と共通する特性を有すること、 とりわけアンチセンスヌクレオシドの糖の2'一位に極性基が存在しないことで ある。おそらくこれに関連したさらなる要件は、アンチセンス化合物中の糖基の 少なくとも幾つかが、リボヌクレオシドに認められる3'−エンド(α)コンホ メーションではなくデオキシリボヌクレオシドに認められる2'−エンド(β) コンホメーションであることである。クック(Cook,P.D.)、PCT公開第W O93/13121(1993)、18〜19。 さらに、種々の2'−位の置換基(たとえば、2'−O−アルキルおよび2'− フルオロ)が、標的核酸に対する結合親和性が増大してもアンチセンス鎖の置換 部分をRNアーゼHに対して作用を受けないようにするであろうことが報告され ている。イノウエ(Inoue,H.)ら、FEBS Letters 215(2):327 〜330(1987);モニア(Monia,B.P.)ら、J.Biol.Chem.268( 19):14514〜14522(1993)。同様に、モニアらの報告は、哺 乳動物の(HeLa)RNアーゼHの有効な活性化を達成するには最低5つの連続 した2'−デオキシ残基が必要であること、およびこの2'−デオキシセグメント は(同じアンチセンス化合物中に2'−置換残基を伴う場合には)、有効なイン ビトロRNアーゼH活性化または細胞中での発現抑制を達成するにはオリゴマー 配列中の中心にくる必要があることを示している。 アンチセンスRNアーゼH開裂法で報告された他の必要な要件は、RNアーゼ H活性化を達成するため、アンチセンス化合物のヌクレオシド間「骨格」の少な くとも一つの部分に荷電された(アニオン性の)リン含有結合基が含まれている ことである。クック、PCT公開第WO93/13121(1993)、18。 メチルホスホネート(非荷電)およびホスホジエステルまたはホスホロチオエー ト(荷電)の両結合を有するキメラアンチセンス化合物の研究において、アグラ ワル(Agrawal)らは、哺乳動物RNアーゼHのインビトロでの有効な活性化に 必要な連続した荷電骨格結合の最小数は5であることを報告している。オリゴマ ーの末端部分かまたは中央部分のいずれかに位置するホスホジエステル結合は、 報告によるとRNアーゼHの活性化においてホスホロチオエート結合よりも有効 であり、一方、メチルホスホネート、ホスホロ−N−モルホリデートまたはホス ホロ−N−ブチルアミデート結合のみを含有するオリゴマーは不活性であった。 アグラワルら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1401〜1405(1 990)。 荷電したホスホジエステル結合はRNアーゼHを活性化させるのに適している が、天然に存在するエンドヌクレアーゼおよび/またはエキソヌクレアーゼによ る分解を受けるという欠点を有する。種々の他の結合基が(その幾つかはヌクレ アーゼ耐性である)、アンチセンス化合物に用いるために開発されもしくは提唱 されている。これらにはホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロ セレネートおよびホスホロジセレネート結合などの荷電結合基が含まれる。一般 に、これら非天然の結合基を有するデオキシリボヌクレオシドアンチセンスオリ ゴマーは、対応するホスホジエステル結合したアンチセンスオリゴマーに比べて 相補的なRNA標的に対して低い結合親和性を有する傾向があるが、アンチセン ス鎖が(デオキシリボヌクレオシドよりもむしろ)リボヌクレオシドまたは2' −置換リボヌクレオシドを有する場合には高い親和性を達成することができる。 メテレブ(Metelev,V.)&アグラワル、PCT公開第WO94/02498( 1994)、9参照。報告された非荷電のリン含有結合基には、アルキルホスホ ネート(たとえば、メチルホスホネート)、アリールホスホネート、アルキルお よびアリールホスホルアミデート、アルキルおよびアリールホスホトリエステル 、ハイドロジェンホスホネート、ボラノホスホネート、アルキルおよびアリール ホスホノチオエート、ホスホロモルホリデート、およびホスホロピペラジデート 結合がある。クックら、PCT公開第WO93/13121(1993)、7; ペダーソン(Pederson,T.)ら、USP5,149,797号および同5,220 ,007号;パドマプリヤ(Padmapriya,A.)&アグラワル、PCT公開第WO 94/02499(1994)参照。リンを含まない結合基も報告されており、 ペプチド、モルホリノ、エチレングリコール、アミドその他の結合が含まれる。 レイノルズ(Reynolds,M.A.)ら、PCT公開第WO92/02532(19 92);クック、PCT公開第WO93/13121(1993)、7参照。上 記荷電したリン含有リンカーの場合と同様、これら他の非天然結合基の多くも、 少なくとも結合した2'−非置換アンチセンスヌクレオチドの場合、とりわけ塩 イオンの不在下では、相補的なRNA標的鎖に対して(ホスホジエステル結合に 比べて)低い結合親和性を示す。 色々な研究者が、改善されたRNアーゼH活性化、結合親和性、ヌクレアーゼ 耐性および/または標的特異性に導くアンチセンスオリゴマーの結合基および/ または構造的修飾の組み合わせを同定するために試みている。それゆえ、コーエ ン(Cohen)らは、たとえば化合物のいずれかの末端かまたは化合物のどこかの 位置に少なくとも一つのホスホロチオエート結合を有するアンチセンスおよび非 アンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチドについて半減期が改善されること を報告している。すべてのホスホロチオエート結合を有するオリゴマーは抗ウイ ルス(抗−HIV)活性を有することが示され、一方、報告によればホスホジエ ステル結合化合物およびメチルホスホネート結合化合物は不活性であった。コー エンら、USP5,264,423号。ワルダー(Walder)らは、3'−末端の非 ホスホジエステル結合を5'−末端の非ホスホジエステル結合または5'−末端の 「キャップ」基と組み合わせて用い、3'−開始される(場合により5'−開始さ れる)オリゴデオキシリボヌクレオチドのエキソヌクレアーゼ分解を回避するこ とを提唱している。RNアーゼH開裂活性化は、報告によると、アンチセンスオ リゴマー中で少なくとも5つ、および好ましくは少なくとも7つの隣接するホス ホジエステル結合の保持を必要とする。好ましい化合物は少なくとも10、好ま しくは少なくとも15のヌクレオチドを含有し、その大部分はホスホジエステル 結合している。ワルダーら、PCT公開第WO89/05358(1989)。 パドマプリヤおよびアグラワルは、非イオン性のアルキルまたはアリールホスホ ノチオエート結合を好ましくはオリゴマーの一方または両末端に導入するとヌク レアーゼ耐性が改善されるが、Tmが1〜2℃/ホスホノチオエート結合低下す ることを報告している。PCT公開第WO94/02499(1994)。 ペダーソンらは、RNアーゼH活性化のためのホスホジエステル結合セグメン トまたはホスホロチオエート結合セグメント、および1または2以上のRNアー ゼHを活性化しない非荷電の結合基セグメントの両者を有する「混合ホスフェー ト骨格」の使用を報告している。標的RNA鎖のRNアーゼH開裂を達成するに は15−mer 化合物において5または6の連続したホスホジエステル結合のセグ メントで充分であり、一方、ホスホジエステル結合が一層少ないかまたはホスホ ジエステル結合の代わりに6までの連続したホスホロチオエート結合を有する同 様の化合物は低い活性を有することがわかった。ペダーソンら、USP5,14 9,797号および同5,220,007号。 ガイルズ(Giles)およびティッド(Tidd)は、高A+T/G+C比を有す る中央のRNアーゼH活性化ホスホジエステル領域によって隔てられた末端のメ チルホスホノジエステル部分を含むキメラ構造を用いることにより、アンチセン スオリゴマーの標的特異性を改善しうることを報告している。観察された非特異 的開裂の減少は、メチルホスホネートセグメントによって低下したTm、小さな A/Tに富むホスホジエステル領域の減少したハイブリダイゼーション力、およ び短縮されたRNアーゼH活性化部位における部分的に相補的なハイブリダイゼ ーションの見込みの減少によるものであった。ガイルズおよびティッド、Nucl .Acids Res.20(4):763〜770(1992)。 オーツカ(Otsuka)らは、二次構造を有するまたは有しないRNA標的の部 位特異的RNアーゼH開裂のために部分的に2'−置換した(たとえば、2'−低 級アルコキシ置換された)オリゴマーの使用を記載している。RNアーゼH開裂 は、報告によると、アンチセンス化合物の非置換(すなわち、デオキシリボヌク レオチド)部分に対応する標的上の部位に局在していた。単一部位開裂は、報告 によると、該化合物の2つの2'−置換末端セグメント間に中央に位置するテト ラデオキシリボヌクレオチドセグメントを使用することにより最適化された。イ ノウエら、FEB Letters215(2):327〜330(1987);シバ ハラ(Shibahara,S.)ら、Nucl.Acids Res.15(11):4403〜4 415(1987);オーツカら、USP5,013,830号。さらに1または 2以上の非ホスホジエステル結合を有する部分的に2'−置換されたオリゴマー の使用もまた報告されている。シバハラら、ヨーロッパ特許出願公開第0339 842A2(1989)(ホスホロチオエートまたは他の結合を有する3'−5' または2'−5'結合したオリゴマーを報告);クック、PCT公開第WO93/ 13121(1993)(2'−置換による増大した結合親和性、およびたとえ ばホスホロチオエートおよびホスホロジチオエート結合によるヌクレアーゼ耐性 を報告);マニアら、J.Biol.Chem.268(19):14514〜1452 2(1993)(ホスホロチオエート結合したオリゴマーにおける2'−置換の 効果を報告);メテレブおよびアグラワル、PCT公開第WO94/02498 (1994)(ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート結合したオリゴ マーにおける2'−置換の使用を報告);マッギー(McGee,D.P.)ら、PC T公開第WO94/02501(1994)(種々の2'−置換ヌクレオシドお よびホスホルアミダイトの調製を記載)参照。発明の要約 本発明は、選択的に修飾したヌクレオシド間結合、および任意に他の構造的修 飾を有する、改善されたRNアーゼH活性化アンチセンスオリゴヌクレオシド化 合物に関する。本発明の化合物は、他のRNアーゼH活性化アンチセンス化合物 に比べて改善された標的特異性および有効性を示す。本発明の化合物は、標的m RNA配列、最も好ましくは疾患状態に関連した配列の翻訳を減少または排除す るうえでインビボおよびインビトロの両方で有用である。 一つの側面において、本発明の化合物は、キラル的に純粋な(chirally−pure )またはキラル性に富む(chirally−enriched)修飾した(非ホスホジエステル )ヌクレオシド間結合を有する1または2以上のポリヌクレオシドセグメントを 含む。キラル的に選択された結合セグメントは、1または2以上の結合構造の不 斉リン原子においてRキラリティーを有する(「RPキラリティー」)結合を含 むように選択するのが好ましい。好ましくは、所定のキラル的に選択されたセグ メントにおいて結合の少なくとも約40%はRP−キラルであろう。1または2 以上のSP−キラル結合を選択的に有するセグメントもまた含まれる。一つの好 ましい態様において、キラル的に選択されたセグメントは化合物の末端(3'お よび5')部分に中央のRNアーゼH活性化領域を囲んで位置する。フランキン グのキラル的に選択されたセグメントは、実質的にRNアーゼH活性化しないの が好ましい。RNアーゼH活性化領域は、不斉(キラル)結合基に結合している ならば、代わりにまたは追加的にキラル的に選択されてよい。関連する態様にお いて、RNアーゼH活性化領域は該化合物の一つの末端またはその近傍に位置し 、該化合物の残りのすべてまたは一部はキラル的に選択され、好ましくはRNア ーゼHを活性化しない。 本発明のキラル的に選択されたRPに富むセグメントは、ラセミ化合物に比べ て化合物の結合親和性を増大させる。加えて、キラル的に選択された修飾した結 合構造は非修飾ホスホジエステル結合よりもエンドヌクレアーゼおよび/または エキソヌクレアーゼによる分解に対する耐性が大きいので、このキラル的に選択 されたセグメントはインビボ環境において分解から化合物を保護するであろう。 他の態様において、本発明の化合物は、混合修飾(非ホスホジエステル)ヌク レオシド間結合を含む1または2以上のポリヌクレオシドセグメントを含む。該 混合結合セグメント中には2または3以上の異なるヌクレオシド間結合構造が含 まれ、これらのうち1または2以上は修飾された結合構造であってよい。該配列 中の1または2以上の結合構造はキラル的に選択されてよい。好ましくは、混合 結合セグメントには、それぞれ2または3以上の異なるヌクレオシド間結合構造 を有する複数の結合配列ブロック(シントン(synthons))、または混合結合セ グメント中で2回またはそれ以上繰り返される単一のかかるシントンが含まれて いてよい。化合物が2以上の混合結合セグメントを含む場合には、結合配列ブロ ックは各セグメント中で同じであっても異なっていてもよい。一つの好ましい態 様において、混合結合セグメントは化合物の末端(フランキング)部分にRNア −ゼH活性化領域を囲んで位置する。RNアーゼH活性化領域は、代わりにまた は追加的に混合結合セグメントを含んでいてよい。フランキング混合結合セグメ ントは、RNアーゼHを活性化しないのが好ましい。関連する態様において、R NアーゼH活性化領域は化合物の一つの末端部分に位置し、該化合物の残りのす べてまたは一部が混合結合セグメントを含み、RNアーゼHを活性化しないのが 好ましい。 本発明の混合結合セグメントはラセミであってもキラル的に選択されてもよい 。いずれの場合においても、ヌクレオシド間構造および/または結合したヌクレ オシド置換基の同定は、標的特異性およびヌクレアーゼ耐性および増大した有効 性を保持しながら化合物に一層大きな結合親和性を付与すべく選択することがで きる。本発明の化合物の混合結合セグメントにはエンドヌクレアーゼおよび/ま たはエキソヌクレアーゼによる分解に耐性の1または2以上の修飾ヌクレオシド 間結合構造を含むので、本発明の化合物はインビボ環境において一層高い有効性 を有するであろう。 他の態様において、本発明は、混合ヌクレオシド間結合を有する結合したヌク レオシドを含む改良されたRNアーゼH活性化セグメントを包含する。一つの好 ましい態様において、RNアーゼH活性化セグメントは、交互の配列中に2また は3以上の異なる荷電(アニオン性)ヌクレオシド間結合構造により連結された 少なくとも5つの連続した2'−置換(すなわち、DNA)ヌクレオシド残基を 含む。好ましくは、RNアーゼH活性化セグメントは、少なくとも4つのかかる 荷電ヌクレオシド間結合構造を含む。RNアーゼH活性化セグメント中の1また は2以上のヌクレオシド間結合構造は、不斉リン原子が該結合構造中に存在する 場合にはキラル的に選択してよい。 他の態様において、本発明は、目的とする標的鎖のRNアーゼH媒体による選 択的な開裂を行う能力を保持しながら活性を最大にする、アンチセンスオリゴヌ クレオシド化合物のためのキメラ構造を提供する。これら目的は、一方において 制御された結合親和性を、他方において制御されたRNアーゼH活性化特性を提 供する構造によって達成される。 それゆえ、一つの態様において、化合物の1または2以上の部分にキラル的に 選択されたRP−キラルヌクレオシド間結合を使用することにより結合親和性が 制御される(選択的に増大される)。代わりにまたはそれに加えて、1または2 以上のSP結合を用いて結合親和性を選択的に減少させることができる。関連す る態様において、化合物の1または2以上の混合結合セグメント中に複数の繰り 返し結合配列ブロック(シントン)を使用することにより結合親和性が制御され る(選択的に増大される)。結合構造はラセミであってもキラル的に選択された ものであってもよい。他の関連する態様において、好ましくは交互の結合セグメ ントおよび/またはキラル的に選択されたヌクレオシド間結合とともに、化合物 中の1または2以上のヌクレオシド糖上の2'−置換基を使用することにより結 合親和性が制御される(選択的に増大される)。2'−置換されたまたは非置換 のヌクレオシド糖を使用することによりおよび/または化合物の所定のセグメン トに対して非荷電または荷電結合構造を選択することにより、化合物のこれらセ グメント中でRNアーゼH活性化特性も同時に制御することができる(実質的に 排除または選択的に減少させることができる)。 同様に、RNアーゼH活性化特性は、化合物のRNアーゼH活性化領域中の混 合または均一荷電ヌクレオシド間結合の選択により制御される(選択的に増大ま たは減少される)。RNアーゼH活性化特性は、とりわけ化合物のRNアーゼH 活性化領域中において、RNアーゼHの一層貧しい基質であるホスホロチオエー トやとりわけホスホロジチオエート構造などの結合構造を使用することにより、 選択的に減少させることができる。RNアーゼH活性化特性はまた、たとえば結 合構造、2'−置換基および以下に記載する他の特性の適当な選択により、化合 物の一部分のみが標的遺伝子配列の開裂の活性化に有効となるように化合物中に RNアーゼH非活性化領域を含めることによっても制御される。 本発明の極めて好ましい化合物としては、化合物の2つの末端(フランキング )部分に実質的にRNアーゼHを活性化しないキラル的に選択される混合結合セ グメントを有し、これらの間に位置してRNアーゼH活性化領域を有するものが 挙げられる。化合物の2つの末端(フランキング)部分に実質的にRNアーゼH を活性化しないラセミ混合結合セグメントを有し、混合結合セグメント中の1ま たは2以上の結合したヌクレオシドが2'−置換されており、RNアーゼH活性 化領域が化合物中で混合結合セグメントの間に位置する化合物もまた好ましい。 特に好ましい化合物としては、下記構造から選ばれるものが挙げられる。 略語表:MP=ラセミメチルホスホネート結合(結合したヌクレオシド間);M P(R)=キラル的に選択されたRP−メチルホスホネート結合;DE=ホスホ ジエステル結合;PS=ホスホロチオエート結合;PS2=ホスホロジチオエー ト結合;PAm=ホスホロアミデート結合;TE=ホスホトリエステル結合;M PS=アルキル(特にメチル)ホスホロチオエート結合;PF=ホスホロフルオ リデート結合;PBH3=ボラノホスフェート結合;RSi=シリル(特にアル キルジ置換シリル)結合;CH2=ホルムアセタール結合;2'OMe=2'−メ トキシ−置換(または他の低級アルコキシ、アリルオキシまたはハロ置換)され たヌクレオシド残基、示した結合構造を用いて結合;「に富む」とは、セグメン ト中の結合のうちで好ましくは少なくとも40%(100%まで)のRP−選択 された結合を含む結合のセグメントをいい、それゆえ、ラセミおよびキラル的に 選択されたRヌクレオシド間結合構造の混合配列を含む;スラッシュで分けた結 合構造は、場合によっては一連の複数のまたは繰り返し混合結合配列ブロック中 に、示した結合構造を含む混合結合セグメントを示す。 他の側面において、本発明は、内生または外来の遺伝情報の発現に起因する生 体における疾患または他の状態の治療または診断に有用な改良されたアンチセン スオリゴヌクレオシド組成物を包含する。本発明の化合物および組成物はまた、 かかる状態をインビトロまたは他の仕方で研究するうえでも有用である。他の態 様において、本発明はかかる状態の治療、診断または研究方法を提供する。 本発明の他の側面および目的は、下記の詳細な記載から明らかとなるであろう 。図面の簡単な説明 図1および2は、本発明の種々の化合物およびセグメントのヌクレアーゼ安定 性を他の混合結合化合物と比較して経時的に示すグラフである。 図3および4は、標的タンパク質の合成(図3)および非標的タンパク質の合 成(図4)の抑制における、キラル的に選択された本発明の化合物とキラル的に 選択されない化合物の用量−応答作用を示す棒グラフである。 図5は、本発明のキラル的に選択された化合物とキラル的に選択されない化合 物のRNアーゼH活性を経時的に示すグラフである。 図6〜10は、本発明の化合物を構築するうえで有用なシントンおよび中間体 を示す。 図11は、本発明の種々の2'−糖−置換された化合物および非置換化合物に よるRNA開裂に関する動力学的データを示すグラフである。詳細な説明 本発明を完全に評価するには、本発明のRNアーゼH開裂法のもとになってい る競合パラメータを理解する必要がある。第一義的に重要なパラメータとして、 オリゴヌクレオシド−標的結合親和性、RNアーゼH開裂速度、特異性/ミスマ ッチ効果、プロセシングリボソームによるオリゴヌクレオシド置換、およびヌク レアーゼ安定性を含む多くのパラメータが存在する。下記記載から明らかとなる であろうように、これら競合パラメータの適当なバランスには、オリゴヌクレオ シド化合物がRNアーゼH開裂速度に比べて大き過ぎない結合親和性(たとえば 、アフィニティー定数KAによって定量される)を有することが必要である。本 発明は、この条件並びに下記に示す他の条件を満足する構造を提供する。 本発明の標的遺伝子配列のRNアーゼH開裂法は、オリゴヌクレオシド化合物 が標的配列にハイブリダイズすること、およびオリゴヌクレオシドがRNアーゼ H酵素による標的配列の開裂が行われるに充分長いハイブリダイゼーション占有 時間を有することが必要である。オリゴヌクレオシド−標的ハイブリダイゼーシ ョンの最初の工程は、一次速度論の観点から、KAを定める正の速度定数および 逆の速度定数(k1およびk-1)(KA=k1/k-1)によって支配される。つい で、標的の開裂(本質的に不可逆である)の速度は下記のように速度定数k2に よって支配される。 オリゴマー + 標的鎖 k1↓↑k-1 ハイブリダイズしたオリゴマー/標的鎖 k2↓[RNアーゼH] 遊離したオリゴマー + 標的開裂断片 他に考慮すべきことは置くとして、標的の開裂はKAおよびk2の両者を最大に することによって最適化されるであろう。しかしながら、このことには、オリゴ ヌクレオシドと開裂(たとえば、細胞)媒体中に存在する所望でない核酸配列と の間の非特異的な結合(すなわち、ミスマッチ)(所望でない配列の所望でない 開裂という結果となる)の問題は考慮に入れられていない。この単純なアプロー チはまた、宿主のリボソームが標的mRNA配列に沿ってプロセスするたびに、 高い結合親和性を有するオリゴヌクレオシドが一般にそのハイブリダイズした状 態から置換され、それゆえRNアーゼHに媒体された開裂を活性化しえないであ ろう事実をも考慮に入れていない。 まず、アンチセンス開裂化合物との高い標的特異性を達成するという難題を考 察してみよう。哺乳動物の細胞は一般に、約3×107のリボヌクレオチドを含 むRNA集団を含む。この集団内で4種の天然に存在するヌクレオチドが統計的 にランダムに分布をしていると想定することにより、正確な塩基−塩基相補性を 有する集団中の「ミスマッチ」配列の全数、および1または2以上の塩基ミスマ ッチを有する「ミスマッチ」配列の数を所定の長さの標的配列について近づける こ とができる。(もちろん、所定の哺乳動物細胞集団中でのリボヌクレオチドの実 際の分布は本当にはランダムではないであろうが、にもかかわらず、かかる統計 的分析は存在するミスマッチ配列の確率の解明に役立つものである。)下記表は 、かかる集団中に存在する標的の数をミスマッチの数(0〜5)および標的配列 の長さ(12、15または18)の関数として表したものである。 ミスマッチ/長さ 標的 0/12 1.8 0/15 2.8×10-2 1/15 1.24 2/15 26 3/15 340 0/18 4.4×10-4 1/18 2.4×10-2 2/18 0.62 3/18 9.6 4/18 109 5/18 930 特に単一塩基ミスマッチが増加するにつれ、わずか12ヌクレオシドの長さの 標的配列についても相当の数の潜在的ミスマッチ配列が存在することがわかるで あろう。所定のミスマッチニ本鎖のKAがミスマッチした標的へのアンチセンス オリゴマーのかなりのハイブリダイゼーションを可能とするほどに充分に高けれ ば、ミスマッチした標的の意図しないおよび所望でない開裂が起こる結果となる 。たとえば、12〜18ヌクレオシドアンチセンスオリゴマーと意図しないミス マッチRNA配列との間の1塩基ミスマッチの場合を考えてみよう。本発明者ら は、正しい「マッチ」ハイブリダイゼーションのKAは、一般に、正しくない「 ミスマッチ」ハイブリダイゼーションのKAよりも100を越えるオーダーで上 回ることはないことを確かめた。さらに、ハイブリダイゼーションの正の速度定 数(k1)はマッチとミスマッチとでほぼ同じであろう。なぜなら、正のハイブ リダイ ゼーションは一般に、多くは単一塩基ミスマッチの効果を覆い隠そうとする液相 分子間暴露(exposure)の物理学によって支配されるからである。この場合、ハ イブリダイゼーション「オフ速度」(k-1)は、ミスマッチは正しいマッチより も100倍以上とはならない。ここで、開裂速度定数k2がミスマッチについて 逆速度定数k-1よりも実質的に小さくなければ、意図しないミスマッチ核酸配列 が開裂されるであろう(適切にマッチした標的配列とともに)ことがわかるであ ろう。また、k2がk-1(マッチ)のオーダーの値を有するがk-1(ミスマッチ )よりもはるかに小さい場合に、意図した標的配列の特異性が最適となることも わかるであろう。 k-1(マッチ) ≒ k2 << k-1(ミスマッチ) 加えて、本発明は、一般にRNA翻訳の過程で標的mRNAのコード領域で起 こる、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオシドのリボソームによる置換をも考慮 に入れている。リボソームによるプロセス速度はRNAにより若干異なるが、一 般にmRNA上の単一の地点を各10〜15秒毎に通過するものとして計算する 。所定のオリゴヌクレオシドのKA(マッチ)が1010-1であり、KA(ミスマ ッチ)が108-1であるならば、ハイブリダイゼーション占有時間の半減期( t1/2)はマッチおよびミスマッチについてそれぞれ約28分および17秒であ ろう。しかしながら、リボソームのプロセス速度は非常に速いので正しくマッチ したオリゴヌクレオシドはミスマッチしたオリゴマーと全く同じ頻度で標的配列 から置換され、有効な占有時間はほぼ同じであろう。この場合の結果は、特異性 の観点から、正しくマッチしたハイブリダイゼーションの高親和性定数は無用と なり、非特異的な開裂が意図しない配列特異的な開裂と少なくとも同じ頻度で起 こることであろう。実際、「標的」RNA集団中に1を越えるミスマッチ配列が 存在する場合には非特異的な開裂は一層高頻度で起こるであろう。 このようなことを考慮に入れたうえで、本発明者らは、本発明のRNアーゼH 活性化オリゴヌクレオシド化合物の結合親和性定数を、一般に標的mRNAのコ ード領域中の標的に対して1010-1を越えない値に限定するのが有利であるこ とを見いだした。本発明の化合物の好ましいKA値は、107〜1010-1の範囲 である。そのような場合、「オフ速度」は一層高い結合親和性を有する化合物に 比べると比較的高いであろうから、比較的高い開裂速度を有する化合物を利用す ることが可能であり、また望ましい。それゆえ、本発明者らは、本発明の化合物 の開裂速度定数を1〜10-5-1、好ましくは10-1〜10-4-4、最も好まし くは10-2〜10-3-1の範囲に制御することが有利であることを見いだした。 開裂速度は、2−ミスマッチ標的に対して完全な「マッチ」の開裂比が少なくと も3:1となるように選択するのが好ましい。 対照的に、標的mRNA部位の非コード領域(たとえば、5'−キャップ領域 、5'−非翻訳領域、開始コドン領域、3'−非翻訳領域、スプライスアクセプタ ーまたはドナー部位、イントロンブランチ部位、ポリアデニル化部位)において は、タンパク質産生の抑制はアンチセンスオリゴヌクレオシドの適当なハイブリ ダイゼーションによる翻訳過程に先立って行うことができ、ハイブリダイズした オリゴマーのリボソームによる置換は一般に起こらない。その結果、コード領域 に関して上記で記載した特異性を損なうことなく、一層高い結合特異性(および 一層高い占有時間の半減期)を有するオリゴヌクレオシドを非コード領域に利用 することができる。この場合、結合親和性の上限は、ミスマッチハイブリッドの 寿命に対するmRNAプール中のメッセージの寿命によって与えられるであろう 。それゆえ、典型的なmRNA分子種の寿命は(転写によるmRNAプールの補 充を考慮に入れて)5時間のオーダーである。ミスマッチ配列のハイブリッド寿 命が1時間かまたはそれ以上に近づくと、ミスマッチしたメッセージの翻訳はR NアーゼH開裂機構とは別に立体妨害効果により混乱させられるであろう。その 結果、KA(マッチ)は一般に107〜1013-1の範囲でなければならない。さ らに、この場合には(単一のミスマッチオリゴヌクレオシドのミスマッチハイブ リッド寿命に加えて)ミスマッチ占有の経時的な全体レベルが低くなるように、 比較的低濃度のオリゴヌクレオシドを用いるのが好ましい。(もちろん、非特異 的なミスマッチ開裂を回避するため、コード領域標的と全く同様に非コード領域 での標的に対してRNアーゼH媒体開裂の速度(k2)はk-1(ミスマッチ)よりも はるかに低くなければならない。) KA、k1、K-1およびk2の値は、当該技術分野で知られた方法により確かめ ることができる。平衡結合定数であるKAの決定には、単一種および多量体種の (絶対的および相対的)濃度の測定および完全な平衡を確実にするに充分な時間 が必要である。オリゴマーの平衡ハイブリダイゼーションは、ゲルシフト(リマ (Lima)ら、Biochemistry 31、12055〜61(1992))、鎖開裂 (ヤング(Young,S.)、ワグナー(Wagner,R.W.)、Nucleic Acids Res earch 19、2463〜70(1991))、フィルター結合(マックグロー( McGraw,R.A.)ら、BioTechniques 、674〜678)、または平衡透 析(ベビラッカ(Bevilacqua,P.C.)およびターナー(Turner,D.H.)、B iochemistry 30、10632〜40(1991))などのような単一種と多量 体種とを物理的に分離する直接法により検討することができる。間接法は多量体 状態と一本鎖状態の物理化学的特性に基づくものであり、光学的融解(アルバー ゴ(Albergo,D.D.)ら、Biochemistry 20、1409〜13(1981) )および示差走査熱量測定(アルバーゴら、上記文献)などの方法を含む。これ ら刊行物は参照のため本明細書中に引用する。 オン速度(k1)およびオフ速度(k-1)の速度論的測定には、平衡結合定数 決定と同じ検出法の多くを用いるが、経時的な種の生成または消失の正確な相関 に依存する。オフ速度は、上記直接法によって検討することができるし、光学的 方法およびプロトンの重水素交換の核磁気共鳴(レロイ(Leroy)ら、Journal of Molecular Biology 200、223〜38(1988))によって間接的 に検討することもできる。オン速度は、等式k1=KA×k-1を用いてKAおよび k-1から決定することができる。オリゴマーk1の測定は、温度ジャンプ速度論 (ウイリアムズ(Williams,A.P.)ら、Biochemistry 28、483〜429 1(1989)、およびターナー、Investigations of Rates and Mechanism s of Reactions 6、141〜189)などの特別の速度論的方法により行うこ とができる。上記刊行物もまた参照のため本明細書中に引用する。 上記結合定数および速度定数の好ましい値は、本明細書の開示に照らして、本 発明のオリゴヌクレオシドを用いる生物学的系に応じて種々変わるであろうこと が理解されるであろう。上記値は、実質的に二次構造をとらない一本鎖標的配列 に本発明のオリゴヌクレオシドがハイブリダイゼーションすることに基づいた好 ましい値を表す。実質的な二次構造を有するmRNA分子の領域中に標的配列が 位置する場合には、二次構造をとった標的領域に関するオリゴヌクレオシドの結 合親和性は同じヌクレオシド配列を有する非構造(すなわち、合成)標的配列に 関して測定したものに比べてはるかに低いかもしれない。幾つかの場合には、非 構造鎖のKAは構造鎖のKAに比べて107倍も大きくなる。意図する二次構造を 有する標的に関して得られるKAが、たとえば非構造のミスマッチ配列に比べて 余りにも低い場合には、特異性の問題が起こる。 この状況に対する一つの好ましいアプローチは、本発明のオリゴヌクレオシド の結合親和性に悪影響を及ぼさないように、充分な二次構造を有しない標的mR NA中の領域をRNアーゼH媒体開裂にターゲティングすることである。核酸の 二次構造は、最近、ヤーガー(Jaeger)らによって概説されているように(An nual Reviews in Biochemistry 62、255〜287(1993))、ヌク レアーゼ、塩基修飾剤、または糖−リン酸骨格修飾試薬を用いて直接決定するこ とができる。他のアプローチは2またはそれ以上のアンチセンス化合物を直列に 用いることであり、これらアンチセンス化合物のうち少なくとも一つは本発明の キメラオリゴヌクレオシドであり、これらアンチセンス化合物は二次構造を有す るmRNA標的領域中の隣接する領域にハイブリダイズするように選択したヌク レオシド塩基配列を有する。隣接してハイブリダイズするアンチセンス化合物は RNA分子の二次構造を破壊するために用いることができ、それゆえ各化合物の 有効なKAを高めうることが知られている。この方法を用いることにより、本明 細書に教示する制御された結合親和性を有するオリゴヌクレオシド化合物を用い て二次構造を有する標的mRNA領域の開裂を特異的に行うことができる。 本明細書の発明の背景の項目で説明したように、アンチセンスの分野の多くの 研究者が、アンチセンスオリゴヌクレオシドの結合親和性を増大させ、RNアー ゼH活性化を最適化し、ヌクレアーゼ耐性を改善し、および標的特異性を改善す るための種々の努力を報告している。上記詳細な説明に照らして、これらアプロ ーチの多くが競合するまたは矛盾する考察を含んでいることがわかるであろう。 たとえば、上記で論じたように、増大した結合親和性はそれが標的特異性に関し て生み出す問題を考慮すれば必ずしも常に望ましいとは限らない。2'−メトキ シ置換基などのような結合親和性を増大させるある種の構造、あるいはメチルホ スホネートヌクレオシド間結合などのようなヌクレアーゼ耐性を増大させるある 種の構造は、RNアーゼH開裂を活性化することができないように思われる。逆 に、ホスホジエステル結合などのような高いRNアーゼH活性化をもたらすある 種の構造はヌクレアーゼに不安定であり、一方、ホスホロチオエート結合(およ びホスホジエステル結合も)などの他の構造は、とりわけ一層長い配列において ミスマッチ「オフ速度」(k-1)に近づくまたは越える開裂速度(k2)という 結果となる。本発明は、これら競合する考察を考慮に入れ、本明細書に記載する 他の目的を達成する改良されたオリゴヌクレオシド構造を提供する。 本発明のオリゴヌクレオシド化合物は、標的核酸配列の標的領域に相補的な塩 基配列を有する連結したヌクレオシドからなり、RNアーゼH活性化領域および 少なくとも一つのRNアーゼHを活性化しない領域を含む。哺乳動物のRNアー ゼHとともに用いる場合は(たとえば、哺乳動物細胞系において)、RNアーゼ H活性化領域は、好ましい態様において、4〜約8の荷電(アニオン性)ヌクレ オシド間結合構造により連結された5〜約9の連続した2'−非置換ヌクレオシ ドのセグメントを含む。細菌のRNアーゼHとともに用いる場合は(たとえば、 細菌細胞系において、または哺乳動物の抗菌療法において)、RNアーゼH活性 化領域は、好ましい態様において、2〜約6の荷電ヌクレオシド間結合構造によ り連結された3〜約7の連続した2'−非置換ヌクレオシドを含む。 RNアーゼHを活性化しない領域は、一つの態様において、1または2以上の キラル的に選択されたRP−結合を含む、少なくとも3の連結したヌクレオシド 、より好ましくは少なくとも5の連結したヌクレオシドの単一のセグメントを含 む。関連する第二の好ましい態様において、RNアーゼHを活性化しない領域は 2つの隔てられたフランキングセグメントを含み、各セグメントは少なくとも約 2の連結したヌクレオシド、より好ましくは少なくとも約4の連結したヌクレオ シド (またはこれら2つの隔てられたセグメント中に合計、少なくとも約8の連結し たヌクレオシド)を含み、結合の少なくとも1または2以上はキラル的に選択さ れたRP−結合である。RNアーゼH活性化領域は、かかる2つの隔てられたR NアーゼHを活性化しない領域によって化合物中でフランキングされているのが 好ましい。第三の関連する好ましい態様において、RNアーゼHを活性化しない 領域は、(1)ラセミメチル(または低級アルキル)ホスホネート(MP)、メ チル(または低級アルキル)ホスホノチオエート(MPS)、アミノアルキルホ スホネート(AAP)またはアミノアルキルホスホノチオエート(AAPS)結 合と、それと交互の(2)負に荷電したホスフェート、ホスホロチオエートまた はホスホロジチオエート(たとえば、DE、PS、またはPS2)結合、からな るラセミ(キラル的に選択されていない)ヌクレオシド間結合の交互配列を含む 。上記態様のいずれの場合も、RNアーゼHを活性化しない領域中の1または2 以上のヌクレオシドは、RNアーゼH活性化特性を制御(選択的に減少または排 除)しながら、とりわけ結合親和性およびヌクレアーゼ耐性を増大させるために 2'−置換されていてよい。ホスホジエステル結合(RNアーゼHを活性化しな い領域中に存在するなら)の1または2以上またはすべてが2'−置換されてい るのが特に好ましいが、他の2'−置換もRNアーゼHを活性化しない領域中で 有用に用いることができる。 一つの例として、本発明のオリゴマーに用いるホスホネートヌクレオシド間結 合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合のリン上の2つの非結合性(または 非架橋性)酸素の一方が低級アルキル基で置換されていてよく、その場合、他方 の非結合性酸素はそのままであるかまたは硫黄で置換される。低級アルキルによ る酸素の置換はリンの周囲にキラルな環境を生成し、これはいずれの非結合性酸 素が低級アルキルで置換されたかに依存してRPかまたはRSのいずれかで示され る。RPおよびRS配置は下記のように示すことができる。 (式中、Xは酸素または硫黄であり、Rは低級アルキルである) 本発明者らは、キラル的に選択したヌクレオシド間結合構造を含むポリヌクレ オシドセグメントを本発明のRNアーゼH活性化オリゴヌクレオシド化合物中に 選択的に導入することにより、該化合物の結合親和性を有効に制御しうることを 見いだした。かかるキラル的に選択したRPに富むセグメントは、対応するラセ ミ配列よりも大きな結合親和性を与える。本発明者らはまた、荷電したヌクレオ シド間結合構造(ホスホジエステルを含む)および荷電していないヌクレオシド 間結合構造(とりわけ、ラセミのまたはキラル的に選択したメチルホスホネート )の両者を含む複数のまたは繰り返しブロックまたはシントンを用い、キラル的 に富ませまたは富ませることなく、結合親和性を選択的に増大させおよびヌクレ アーゼ耐性を改善することを実際的な仕方で達成しうることをも見いだした。か かるシントンは、とりわけ荷電(アニオン性)結合構造がホスホジエステル結合 である場合、その配列中に1を越える連続した荷電結合構造を含まないのが好ま しい。 これら本発明の制御しうる結合親和性ポリヌクレオシドセグメントは、ヌクレ アーゼ耐性の増大、制御しうるRNアーゼH活性化特性および容易な合成という 利点を提供する。それゆえ、たとえば、結合構造は、RNアーゼHを実質的に活 性化せずヌクレアーゼに対しても耐性である1または2以上の非荷電の修飾した (ホスホジエステルでない)結合構造を含むように選択することができる。本明 細書中に記載する2'−置換基の使用もまた、荷電結合構造、とりわけホスホジ エステル結合を含むセグメントのヌクレアーゼ耐性を増大させる。さらに、個々 のシントンを合成ブロックとして前以て組み立て、ついでこれを組和せて、2ま たはそれ以上の異なるブロック構造または単一の繰り返しブロック構造を含む制 御可能な結合親和性セグメントとすることができる。 記載したキラル選択法は本発明の化合物のRNアーゼH活性化領域およびRN アーゼHを活性化しない領域の両者に有効に用いることができるが、後者の領域 に用いるのが最も有利である。加えて、キラル選択は、本明細書に記載する複数 のまたは繰り返し混合結合構造ブロックを用いて行うのが好ましい。 本発明のキラル的に選択したポリヌクレオシドセグメントは、RPキラル結合 に関して富むまたは純粋なヌクレオシド間結合構造の配列を含む。かかる配列は 、セグメント中のキラル(不斉)結合構造の少なくとも約75%、またはセグメ ント中の全結合構造の少なくとも約40%がRPキラリティーを有する場合にキ ラル性に富むといわれる。下記に示すように、少なくとも約75%のキラル性に 富むことは、一連の二量体ヌクレオシドブロック(シントン)をカップリングす ることによって合成的に行うことができ、その際、各シントンの2つのヌクレオ シドを連結する構造は修飾された(ホスホジエステルでない)RP−キラルな連 結構造であり、各シントン間の連結構造は不斉である。一連のシントン間のカッ プリング反応は最も簡単な場合はラセミ的に行われる。このことは、シントン間 結合の約半分がRP−キラルであり、得られる混合キラル/ラセミセグメント中 のすべてのヌクレオシド間結合の約75%がRP−キラルであろうことを意味す る。(「ラセミ」反応は特別の場合には一つのジアステレオマーに一層向けて駆 動されることに注意すべきである。たとえば、本発明に関連した考察は、2'− O−メチル置換したメチルホスホネートモノマーのカップリングによりSP−キ ラルなヌクレオシド間結合が優先的に導かれることを示した。) 75%を越える不斉結合においてキラル性に富むことは、たとえば3量体ヌク レオシドシントンを結合させることによって行うことができ、その際、ブロック 内の両ヌクレオシド間結合はRP−キラルであり、各3量体シントンはラセミ的 に(またはアキラルに)結合される。かかる3量体シントンの調製について、下 記に合成反応式を示す。別法として、個々のヌクレオシド間またはシントン間の 結合を不斉結合構造を用いて立体特異的に行うことができ、この場合、セグメン ト中のすべての結合はRP−キラルである。約75%(または全結合の約40% ) を越える不斉結合のキラル性に富むセグメントを得ることは本発明の好ましい実 施にとって必要とは思われないが、かかる高度に富むセグメントは一般に一層高 い結合親和性特性を示すであろう。 上記で考察したように、本発明のキラル的に選択した混合セグメントは、その 中に1または2以上のアキラルな(不斉でない)結合構造を含んでいてよい。そ れゆえ、本発明の一つの好ましい構造において、キラル的に選択した混合セグメ ントは、交互に存在するホスホジエステル(アキラル)結合構造およびRP−メ チルホスホネート(または他のキラルな)結合構造からなる。かかる交互の繰り 返し結合配列セグメントは二量体ヌクレオシドブロックを用いて調製することが でき、その際、ブロックの2つのヌクレオシドを連結する構造はRP−キラルな メチルホスホネート結合構造であり、各ブロックはホスホジエステル(または他 のアキラルな)結合構造を用いてアキラルに結合されている。このようにして調 製したポリヌクレオシドセグメントは、セグメント中のすべてのキラル結合がRP コンホメーションであり、全結合の実質的に50%がRP−キラルであるのでキ ラル的に純粋であるのがわかるであろう。 本発明者らは、本発明に関連した考察において、メチルホスホネートRP結合 に富むことが、ランダムなラセミコンホメーションに比べてRPコンホメーショ ンにあるヌクレオシド間結合当たり融点(Tm)が約0.9〜1.5℃上昇させる ことを確かめた。このことにより、各選択した追加的なRP結合につき約1.8の オーダー(または2'−O−メチル置換残基の場合は約2.6のオーダー)で結合 親和性(KA)が増大することになる。ここで、キラル的に選択された結合構造 セグメントを本発明の化合物中で上手に用いることにより、上記詳細な説明中に 示した目的と一致する仕方で結合親和性を制御しうることが評価されるであろう 。下記実施例は、意図する標的配列に対する特異性は保持しながら、ラセミ化合 物に比べて増加した有効性をかかるキラル的に選択した化合物において達成する ことができることを示している。 上記で説明したように、本発明の他の目的は、制御されたRNアーゼH活性化 特性を有するオリゴヌクレオシド構造を提供することにある。この目的は、本発 明において、標的核酸鎖のRNアーゼH媒体開裂を行うに充分なRNアーゼH活 性化能を有するRNアーゼH活性化領域とともに、RNアーゼHを活性化しない ポリヌクレオシド領域またはRNアーゼHを活性化する能力の減少した領域を化 合物中に導入することにより達成される。これら化合物の両セグメントはヌクレ アーゼ耐性となるように構築するのが好ましい。 これも上記で説明したように、哺乳動物RNアーゼH活性化の一つの推定要件 は、アンチセンス化合物が少なくとも4または5の連続した荷電(アニオン性) ヌクレオシド間結合構造(または細菌のRNアーゼHの場合は少なくとも2のか かる結合)の配列を有していなければならず、その際、連結したヌクレオシドは 2'−非置換であることである。逆に、本発明の実施において、RNアーゼHを 活性化しないセグメントは非荷電の結合構造および/または2'−置換基を有効 に含んでいてよい。RNアーゼHを活性化しない領域において本明細書に記載し たような修飾した(ホスホジエステルでない)非荷電結合構造を用いることによ り、本発明の化合物はヌクレアーゼ耐性が増大している。さらに、本明細書に記 載する2'−置換基を用いることにより、結合親和性の選択的に制御しうる増加 が得られる。それゆえ、本発明者らは、本発明に関連した考察において、メチル ホスホネートにより連結したオリゴマーにおける2'−O−メチルヌクレオシド の使用が、2'−デオキシの2'−O−メチルヌクレオシドによる置換当たりTm が約1℃上昇する結果となることを確かめた。さらに、本発明者らはまた、ホス ホジエステル結合により連結されたヌクレオシドに2'−置換基を使用すること によりヌクレアーゼ耐性が増大することも確かめた。 これら目的に適合して、本発明の好ましい2'−置換基としては、低級(1〜 約3の炭素原子)アルコキシ、アリルオキシ、およびハロ(好ましくはフルオロ )置換基が挙げられる。メトキシ基が特に好ましい。一般に、電子吸引性の2' −置換基が本発明の化合物の結合親和性およびヌクレアーゼ耐性を増加させるう えで有用である。というのは、かかる置換基は置換された糖基において3'−エ ンドコンホメーションを生成すると考えられるからである。 さらに、とりわけ荷電または非荷電の結合構造の複数または繰り返しブロック を含む結合配列において、RNアーゼHを活性化しないセグメント中に限られた 割合の荷電結合構造(ホスホジエステル結合を含む)を有効に導入することがで きることも見いだした。かかるセグメントは、結合親和性、ヌクレアーゼ耐性に おける制御しうる増大、および制御されたRNアーゼH活性化特性をもたらし、 その結果、意図する標的核酸配列に対する特異性の高められた化合物が得られる 。 本発明のRNアーゼHを活性化しないセグメントに用いる好ましい結合構造お よび2'−置換基としては以下のものが挙げられる。 略語表:MP=ラセミメチルホスホネート結合(結合したヌクレオシド間);M P(R)=キラル的に選択されたRP−メチルホスホネート結合;DE=ホスホ ジエステル結合;PS=ホスホロチオエート結合;PS2=ホスホロジチオエー ト結合;PAm=ホスホロアミデート結合;TE=ホスホトリエステル結合;M PS=アルキル(特にメチル)ホスホロチオエート結合;PF=ホスホロフルオ リデート結合;PBH3=ボラノホスフェート結合;RSi=シリル(特にアル キルジ置換シリル)結合;CH2=ホルムアセタール結合;2'OMe=2'−メ トキシ−置換(または他の低級アルコキシ、アリルオキシまたはハロ置換)され たヌクレオシド残基、示した結合構造を用いて結合;「に富む」とは、セグメン ト中の結合のうちで好ましくは少なくとも40%(100%まで)のRP−選択 された結合を含む結合のセグメントをいい、それゆえ、ラセミおよびキラル的に 選択されたRヌクレオシド間結合構造の混合配列を含む;スラッシュで分けた結 合構造は、場合によっては一連の複数のまたは繰り返し混合結合配列ブロック中 に、示した結合構造を含む混合結合セグメントを示す。 上記から選択されたセグメントを有する化合物であって、1または2以上の( またはすべての)メチルホスホネート(MPまたはMP(R))結合が低級アル キル(とりわけメチル)ホスホノチオエート(MPSまたはMPS(R))結合 で、またはアミノアルキルホスホネート(AAPまたはAAP(R))またはア ミノアルキルホスホノチオエート(AAPSまたはAAPS(R))結合で置換 されたものもまた好ましい。かかる化合物は、かかる結合を含む2'−置換残基 、並 びにこれらRP−キラル結合に「富む」化合物を包含する。後者の例としては、 MP(ラセミ)結合とAAP(R)結合との交互配列、またはMP(R)結合と AAP(ラセミ)結合との交互配列、またはAAP(ラセミ)結合とAAP(R )結合との交互配列を有する化合物が挙げられる。上記から選択された化合物で あって、1または2以上の(またはすべての)RP−キラルなメチルホスホノチ オエート(MP(R))結合がラセミメチルホスホネート(MP)結合で、好ま しくは交互配列において第二の異なる結合構造で、およびより好ましくは構造ま たは他の混合配列においてホスホジエステル、ホスホロチオエートまたはホスホ ロジチオエート結合で置換されたものもまた好ましい。 上記混合結合セグメントは、それぞれ、上記各結合構造を少なくとも一つ含む であろう。合成の観点からは、上記結合構造を交互に用いるかまたは両構造を有 する繰り返し配列を用いるのが都合がよいが、このことは必ずしも必要ではない 。上記構造結合セグメントを2またはそれ以上、化合物の所定のRNアーゼHを 活性化しない領域内で連続的に結合させることができる。この場合、合成的な観 点から、各混合結合群から別個のシントンを選択し、これらを単一の領域中で組 み合わせるのが都合がよい。 それゆえ、本発明が、混合ヌクレオシド間結合を含む1または2以上のセグメ ントを有する合成オリゴマー、とりわけ単一の非ホスホネートヌクレオシド間結 合を散在させたキラル的に純粋なまたは富むホスホネートヌクレオシド間結合を 有するオリゴマー、並びにそれらの調製方法を提供することは明らかであろう。 かかるホスホネートヌクレオシド間結合としては、炭素数1〜3の低級アルキル ホスホネートヌクレオシド間結合および炭素数1〜3の低級アルキルホスホノチ オエート(アルキルチオホスホネート)ヌクレオシド間結合が挙げられる。これ ら混合オリゴマーセグメントは、単一の非ホスホネートヌクレオシド間結合の間 に分散してホスホネートヌクレオシド間結合を、ホスホネート1に対して約1か ら約4の比で有するのが好ましい。好ましい態様によれば、かかるオリゴマーは 、非ホスホネートヌクレオシド間結合と交互に存在する交互のキラル的に純粋な ホスホネートヌクレオシド間結合を有する。とりわけ1または2以上のRNア ーゼHを活性化しない領域中にかかるセグメントを含むオリゴマーは、一本鎖R NA標的配列の発現または翻訳を防ぎまたは妨害するのに用いることができる。 キメラオリゴヌクレオシドは、RNアーゼH活性化領域およびRNアーゼHを活 性化しない領域を含む全体にわたるヌクレオシド塩基配列を有し、これはRNA 標的配列とハイブリダイズするに充分に相補的である。 好ましいキラル的に純粋なホスホネート結合としては、RP低級アルキルホス ホネート結合が挙げられ、さらに好ましくはRPメチルホスホネートヌクレオシ ド間結合である。好ましい非ホスホネート結合としては、ホスホジエステル、ホ スホロチオエートおよびホスホロジチオエートが挙げられるが、ホスホルアミデ ート、ホスホロフルオリデート、ボラノホスフェート、ホルムアセタールおよび シリルヌクレオシド間結合もまた用いることができる。特に好ましい態様によれ ば、化合物のRNアーゼHを活性化しない領域中でホスホジエステル結合と交互 に存在するキラル的に純粋なRP−メチルホスホネート結合を有するRPに富むオ リゴマーが提供される。これら交互のオリゴマーは、RNA標的配列に対して高 い結合親和性を示し、さらに増大したヌクレアーゼ耐性および特異性をも示すこ とがわかった。 本発明は同様に、非ホスホネートヌクレオシド間結合、好ましくはホスホジエ ステルまたはホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート結合の間に分散し たRP配置について高められたメチルホスホネートヌクレオシド間結合を有する 1または2以上のセグメントを含む、遺伝子発現のアンチセンスインヒビターと しての高い有効性を有するキメラアンチセンスオリゴマーを包含する。本発明者 らは、キラル性に富むオリゴマーがRNA標的配置に一層堅固にハイブリダイズ し、同じ非ホスホネートヌクレオシド間結合とともにラセミMPヌクレオシド間 結合を有するオリゴマーと比べてRNA標的の翻訳を抑制するうえで高い有効性 を示すに違いないことを見いだした。 上記で説明したように、本発明のRNアーゼH活性化領域は、開裂に利用され るRNアーゼH酵素の種(哺乳動物または細菌)に依存して種々の最小および最 適の長さを有する。いずれの場合も、RNアーゼH活性化領域は、荷電されたヌ クレオシド間結合により連結された連続した2'−非置換ヌクレオシドの配列を 含むのが好ましい。RNアーゼH活性化領域の好ましい結合構造および混合結合 構造は、下記のものから選ばれる。 DE PS2 PS PS2/DE PS/DE PS/PS2 特に好ましい結合構造は、ホスホロチオエート(PS)結合である。 関連する態様において、末端に位置するRNアーゼH活性化領域を有する本発 明の2つのオリゴヌクレオシドは、標的mRNA部位の開裂を行うために直列で 用いられる。各化合物のヌクレオシド塩基配列は、標的mRNA鎖中に隣接領域 に相補的となるように選択する。RNアーゼH活性化領域は、標的mRNA部位 の開裂を行うために直列で用いられる。RNアーゼH活性化領域は、標的中の隣 接領域にともにハイブリダイズしたときにこれら2つのRNアーゼH活性化領域 が違いに隣接し、mRNA鎖の全体の標的配列中の隣接する標的サブ領域にハイ ブリダイズするように、各化合物の5'−末端および3'−末端に位置する。これ ら2つのRNアーゼH活性化領域は、標的領域のRNアーゼHに媒体された開裂 に関して互いに補うように作用する。これら2つの化合物には、その他の場合に 要求されるよりも短いRNアーゼH活性化領域を用いることができ、特異性も、 開裂を行うために相互ハイブリダイゼーションが必要な程度に増加するに違いな い。 前以て決定されたヌクレオシド単位の塩基配列を有し、非ホスホネート結合と ともにキラル的に純粋なホスホネートヌクレオシド間結合を有し、その際、該ホ スホネート結合は単一の非ホスホネート結合の間に分散している本発明のキメラ オリゴマーまたはそのセグメントを調製するには、キメラ的に純粋なまたはラセ ミのホスホネートまたは他のヌクレオシド間結合を有する前以て決定されたヌク レオシド塩基配列の個々のヌクレオシド二量体、三量体または四量体を互いにカ ップリングすることにより行うことができる。 この観点から、下記式: (式中、Xは酸素または硫黄、Rは炭素数1〜3の低級アルキル、B1は除去し うるブロッキング基、Zは水素、炭素数1〜10のアルコキシ、ハロゲンまたは 炭素数3〜6のアルケニルオキシ、Bは任意に保護されたプリンまたはピリミジ ン塩基、nは1、2または3、Cpはカップリング基である)のキメラ的に純粋 なまたはラセミのシントンを用いることができる。カップリング基Cpは、他の シントンにカップリングさせたときに所望の非ホスホネートヌクレオシド間結合 を与えるように都合よく選択される。 一つの好ましいキラル的に選択された合成法によれば、2つのヌクレオシド単 位を連結するホスホネート結合を有するヌクレオシド二量体を調製し、RP異性 体およびSP異性体に分離する。ついで、その結果得られるホスホネート結合に おいて定められたキラリティーを有する二量体を、自動DNA合成機を用いて一 緒にカップリングできるように誘導体化する。これら二量体は、二量体間で種々 のヌクレオシド間結合のいずれかを与えるカップリング基を有していてよい。1 6の二量体のストックから、適当な二量体を結合させることによりいかなるヌク レオシド塩基配列のオリゴマーセグメントも合成することができる。所望の数の ヌクレオシドを有するオリゴマーセグメントが得られるまで、大きくなりつつあ るオリゴマー鎖に二量体を加える。得られるオリゴマーセグメントは、すべての 他のヌクレオシド間結合(すなわち、カップリングした二量体単位に本来由来す る結合)に定められたキラリティーを有する。残りのヌクレオシド間結合は、ホ スホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、モルホリノ、ホ スホルアミデート、ホスホロフルオリデート、ボラノホスフェート、ホルムアセ タール、シリルまたは他の非ホスホネートヌクレオシド間結合などの非ホスホネ ートヌクレオシド間結合を含む。 別法として、三量体や四量体などの一層大きなブロックのヌクレオシドをカッ プリングさせてキラル性に富むオリゴマーを生成させることができる。2つのキ ラル的に純粋なヌクレオシド間結合を有する三量体は、適当なキラル的に純粋な 二量体シントンを他のヌクレオシドにカップリングし、ついでたとえばRPキラ リティーを選択する場合には、得られたRP−RPおよびRP−SP三量体を分離す ることにより都合よく調製することができる。得られる三量体は、両ヌクレオシ ド間結合において定められたキラリティーを有する(すなわち、キラル的に純粋 である)。ついで、自動DNA合成機を用いてカップリングできるように、三量 体を誘導体化して三量体シントンを得る。三量体シントンは、カップリングして キラル性に富むホスホネートオリゴマーセグメントを与えることのできるカップ リング基を有する。64の三量体のストックから、適当な三量体を連結させるこ とによりいかなる塩基配列のオリゴマーも合成することができる。所望の数のヌ クレオシドを有するセグメントが得られるまで、三量体を大きくなりつつあるオ リゴマー鎖に連続して加えるか、またはヌクレオシド単量体、二量体および/ま たは四量体とカップリングさせることができる。得られるキメラオリゴマーは、 カップリングしたキラル的に選択した二量体、三量体または四量体のヌクレオシ ド間結合に由来するキラル的に選択したセグメント中のヌクレオシド間結合に定 められたキラリティーを有する。それゆえ、これら三量体を使用することにより 、3つのヌクレオシド間結合当たり約2つに定められたキラリティーのホスホネ ート結合を有するオリゴマーセグメントが得られる。同様の方法に従い、3つの キ ラル的に純粋なヌクレオシド間結合を有する四量体を調製することができ、これ を互いにまたは他のシントン(単量体を含む)とカップリングさせて他のキラル 的に選択したセグメントまたはその部分が得られる。別法として、定められたキ ラリティー(純粋なRPなど)のヌクレオシド間結合を有する二量体、三量体お よび他の短いオリゴマーを互いにまたは適当な配列で他のシントンとカップリン グさせて、特定の所望の配列および長さのオリゴマーセグメントまたはその部分 を得る。かかるキラル的に選択したセグメントは、さらに化合物の別のセグメン ト、とりわけRNアーゼH活性化領域を生成する荷電結合構造により連結された 連続した2'−非置換ヌクレオシドのセグメントを生成するヌクレオシドとカッ プリングさせることができる。 別の合成法に従えば、所望のキラル配置を高収率で与えるようにカップリング を指向させるカップリング条件をヌクレオシドシントン(または二量体)に用い る。この方法は、個々のヌクレオシドシントンまたはキラル的に純粋な二量体を カップリングするのに用いることができ、それゆえ、各ホスホネートヌクレオシ ド間結合において所望のキラル配置に富むオリゴマーセグメント、とりわけRN アーゼH活性化セグメントが得られる。 本明細書の実施例および詳細な説明に記載するキラル的に選択したメチルホス ホネートおよび他の単量体、二量体、三量体などは、種々の異なる方法によりカ ップリングさせて下記の非限定タイプのヌクレオシド間結合とすることができる :ホスホジエステル、ホスホトリエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチ オエート、ホスホルアミデート、ホスホロフルオリデート、ボラノホスフェート 、ホルムアセタール、およびシリル。 ヌクレオシド間ホスホジエステル結合は、キラル的に選択したまたはラセミの 合成単位(単量体、二量体、三量体、ポリヌクレオシドなど)の3'−OHを、 ホスホトリエステルシントン(リース(Reese,C.B.)、(1978)Tetrah edron 34、3142〜3179)、ホスホルアミダイトシントン(ボケージ( Beaucage,S.L.)およびライアー(Lyer,R.P.)(1992)Tetrahedron 48、2223〜2311)、H−ホスホネートシントン(フローラー(Froe h ler,B.C.)、アグラワル編、Protocols for Oligonucleotides and Analog s,Synthesis and Properties,Methods in Molecular Biology Vol.20、 フマナプレス、トトワ、ニュージャージー、1993、63〜80頁)、または ホスホロモノクロリダイト試薬(ホグリーフ(Hogrefe,R.I.)(1987) 学位論文、ノースウエスタンユニバーシティー、エバンストン、イリノイ)のい ずれかに変換させることにより得ることができる。 ヌクレオシド間ホスホロチオエート結合は、シントン単位の3'−OHを、ホ スホトリエステルシントン(ステック(Stec,W.J.)ら、(1991)Nucl .Acids Res.19、5883〜5888)、ホスホルアミダイトシントン(ラ イアーら(1990)JACS 112、1254〜1255)、H−ホスホネ ートシントン(シーラ(Seela,F.)およびクレッチマー(Kretschmer,U.) (1991)J.Org.Chem.56、3861〜3869)、またはホスホロモノ クロリダイト試薬(ホグリーフ(1987)学位論文、ノースウエスタンユニバ ーシティー、エバンストン、イリノイ)のいずれかに変換させることにより得る ことができる。 ヌクレオシド間ホスホロジチオエート結合の調製は、本明細書の開示により、 およびゴレンスタイン(Gorenstein)らの米国特許第5,218,088号によ り行うことができる。ヌクレオシド間ホスホトリエステル結合は、合成単位の3 '−OHを、ホスホトリエステルシントン(リース(1978)Tetrahedron 3 4、3142〜3179)、ホスホルアミダイトシントン(ボケージおよびライ アー(1992)Tetrahedron 48、2223〜2311)、H−ホスホネー トシントン(フローラー、アグラワル編、Protocols for Oligonucleotides a nd Analogs,Synthesis and Properties,Methods in Molecular Biology Vol.20、フマナプレス、トトワ、ニュージャージー、1993、63〜80 頁)、またはホスホロモノクロリダイト試薬(ホグリーフ(1987)学位論文 、ノースウエスタンユニバーシティー、エバンストン、イリノイ)のいずれかに 変換させることにより、または合成後に(ツリス(Tullis)の米国特許第5,0 23,243号参照)得ることができる。 ヌクレオシド間ホスホルアミデート、ホスホロフルオリデート、ボラノホスフ ェート、ホルムアセタール、およびシリル結合は、合成単位の3'−OHを適当 なシントンに変換させることにより得ることができる。(上記のそれぞれのシン トンを得るための合成プロトコールについては、アグラワル編、Protocols for Oligonucleotides and Analogs,Synthesis and Properties,Methods in Molecular Biology Vol.20、フマナプレス、トトワ、ニュージャージー、 1993を参照のこと。) 本発明に有用なシントンおよび反応性中間体の化学構造は図6〜10に示して あり、米国特許出願第08/154,013号および08/154,014号に一 層詳細に記載されている。 下記の実施例は本発明の種々の重要な側面を示すものであるが、あくまでも例 示にすぎず、本発明の範囲を限定するものと解してはならない。実施例 実施例1 MP(RP)/DEおよびMP(RP)/MP二量体シントンの調製 A.液相化学を用いたキラル的に純粋なメチルホスホネートヌクレオシド間結合 を有する(CT)二量体の調製 2L容のロト−エバポレーターフラスコ中に、10.0g(28mM)の3'− tert−ブチルジメチルシリルチミジンおよび26.1g(35mM)の5'−ジメ トキシトリチル−N4−イソブチリル−3'−メチル−N,N−ジイソプロピルア ミノホスホルアミダイト−2'−デオキシシチジンを入れた。これら固形分を5 00mlのアセトニトリル中に溶解し、真空下で蒸発乾固させた。この工程を他 の500mlのアセトニトリルでも繰り返し、ついでフラスコをアルゴン下に放 置し、ゴム栓で封をした。 ついで、この乾燥固形泡を500mlのアセトニトリル(「ACN」)中に溶 解し、手で撹拌しながら一度に404mlのテトラゾール(THF中に180m M、0.45Mテトラゾール)で処理した。手での撹拌を30秒続け、ついでフ ラスコをさらに2.5分間放置し、その後、反応混合物を275mlの酸化剤溶 液(I2/H2O/ルチジン/THF;25g/2.5ml/100ml/900 ml)で一度に処理する。この溶液を手で撹拌し、室温で15分間放置した。つ いで、得られた暗琥珀色の溶液を重亜硫酸塩(2g/25ml H2O)で処理 した。この添加により溶液が過剰のヨウ化物と反応して薄琥珀色になった。つい で、この反応混合物を濃厚な油状物に濃縮し、酢酸エチル(「EtOAc」)( 500ml)中に取り、飽和重炭酸ナトリウム(2×250ml)およびH2O (2×250ml)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、薄い 色の固形泡に濃縮し、これをさらに乾燥して粗製の二量体(35g)を得た。 この粗製の二量体を、50%アセトニトリルおよび0.1Mトリエチルアンモ ニウムアセテート(TEAA、pH〜7.0)から開始し、20分かけて100 %アセトニトリルまで直線勾配で増加させるプログラム(ACNMETH)を用 いたHPLC(逆相、ウオーターズC18ボンダパック)にかけた。2つの主要 なピークを分離した。4.5分での一方のピークは残留するルチジンのものであ り、14.5分での他方のピークはRPおよびSPジアステレオマーの混合物のも のである。粗製の生成物の5mgのアリコートを取り、これを0.5mlのテト ラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF、THF中の1M溶液)とともに 1.5mlのアセトニトリル中に溶解することにより、RPとSPとの比率を定量 的に決定した。室温で10分間放置した後、試料をHPLCにかけた。6.5分 と7.1分に2つの新たなピークが観察され、後で溶出したピークは消えた。最 初の新たなピークはSPジアステレオマーのものと思われたが、2つのピークの 正規値の66%(2/1)を示した。粗製のピークはまた、5%メタノールを加 えた75/25 EtOAc/CH2Cl2(「75/25」)中の(順相シリカ プレート)によっても分析した。TLCは、それぞれ0.45および0.64のR fを有する2つのスポットを示した。速く移動した生成物(RP形であると思わ れた)は遅く移動した生成物よりも強度が低かった。 75/25 EtOAc/CH2Cl2中のメタノール段階勾配を用いた順相シ リカ上でRPジアステレオマーを分離させた。7.5cm×60cmのカラムに7 00gのシリカ(最初に2.5Lの正味の75/25 EtOAc/CH2Cl2中 にスラリー化)を負荷した。ついで、粗製の二量体を75mlの75/25 E tOAc/CH2Cl2中に溶解し、カラムに負荷した。カラムの溶出を1%メタ ノールから開始し、2%に増加し、最後に3%に増加するとRP二量体の溶出が 始まった。RP二量体は、溶出液中で3%メタノールを維持しながら幾つかのベ ッド容量で明瞭に溶出した。SP二量体は、後に30%メタノールで溶出した。 RP二量体の収量は11.0gであり、一方、SPの収量は17.8gであった。H PLC分析(ACNMETH)をRP二量体について行い、14.5分で一つのピ ークが観察された。この生成物のTLC(75/25 EtOAc/CH2Cl2 、5%メタノール)により、Rfが0.55の単一のスポット生成物が明らかと なり、このものはエタノール中の10%硫酸および熱で処理するとトリチルおよ び糖の両者について陽性であった。 新たに分離したRP二量体(11.0g、0.011M)を110mlのACN 中に溶解し、22mlのTBAF(0.022M、THF中に1M)で室温にて 一度に処理した。この反応混合物を周囲温度にて一夜放置した。翌日の朝、TL C(75/25、EtOAc/CH2Cl2、10%メタノール含有)により反応 が完了していることが決定された。出発物質は検出されなかったが、少量の5' −DMT−dTが観察され、このものは二量体の3'−OHに比べて順相シリカ 上で相当速く移動する。この反応混合物をロータリーエバポレーター上で濃厚な 油状物となるまで濃縮し、ついでこれをCH2Cl2(200ml)中に溶解し、 飽和重炭酸ナトリウム(2×100ml)およびH2O(2×100ml)で洗 浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、薄黄色の固形泡に濃縮し、こ れを100gのシリカ(75/25、EtOAc/CH2Cl2、5%メタノール 含有)上で精製した。5'−DMT−dTを除去したが、13.5分で不純物(H PLC、ACNMETH)が検出され、このものは最初未反応の出発物質(t− BDMS付加)であると思われたが、TBAFでさらに処理したところそうでは ないことがわかった。100gのシリカおよび同じ溶出液を用いた第二のカラム を行い、一層小さなフラクションを得た。このカラムは2つのスポットを分離す ることができた。純粋なCT−RP二量体フラクションをプールし、濃縮して、 ほぼ白色の固形泡(5.5g)を得た。 B.キラル的に純粋な(CT)MP(RP)/DE二量体シントンの調製 100ml容の丸底フラスコ中に0.5g(0.55mM)のCT−3'−OH 二量体(実施例1Aの生成物)を入れ、これをピリジンとともに共蒸発(3×2 0ml)させることにより無水とした。フラスコを真空系からアルゴンガス下に 移し、ゴム栓で封をした。化合物を10mlのアセトニトリル中に再溶解し、2 00μl(1.4mM、2.5当量)のTEAを加えた。得られた混合物に室温に て手で撹拌しながら、2'−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルクロロホスホ ルアミダイト(200μl、0.90ミリモル、1.6当量)を一度に加えた。こ の反応混合物を室温で放置し、ついで逆相HPLCにより分析した。HPLC( ベックマンシステムゴールド、C18ボンダパック、ACN法;溶液Aは水中の 50/50 ACN/0.1M TEAA、pH7であり、溶液BはACNであっ た。0〜100%の溶液Bの勾配を25分にわたって1ml/分の速度で行った )は、出発物質の完全な変換および90%以上の粗製の純度を示した。ホスホル アミダイトのジアステレオマーは分離しなかった。反応混合物を真空下で濃縮し て薄黄色の固形泡とした。この泡を2%TEAを加えた5/1/5 酢酸エチル /アセトニトリル/メチレンクロライドで平衡化した20gのノーマルフラッシ ュグレードシリカ上のクロマトグラフィーにより直ちに精製して、上記生成物( 0.5g、82%収率)をHPLCによって決定されるように99.3%の純度を 有するオフホワイトの固形泡を得た。 C.キラル的に純粋な(CT)MP(RP)/MP二量体シントンの調製 上記工程Aの記載に従って調製したCT−3'−OH二量体(5.5g、6mM )を、ピリジンとともに2回蒸発させることにより無水とした。得られた固形泡 をロータリーエバポレーターからアルゴン下に移し、ゴム栓で封をした。固形泡 を100mlの9/1、ACN/CH2Cl2中に溶解し、ついで1.7mlのト リエチルアミン(TEA、12mM)で処理した。マグネチックスターラーで撹 拌しながら、反応混合物を1.5mlのクロロメチル−N,N−ジイソプロピルア ミノホスフィン(Cl−MAP、8mM)で室温にて滴下処理した。反応をHP L C(ACNMETH)上でモニターしたところ、1.5時間後に反応が完了し、 2つの主要な生成物を示した。3.5分における一つの生成物はピリジンであり 、14.3分における第二の生成物は所望のアミダイトであった。 この反応混合物を部分真空を用いてロータリーエバポレーター上で濃縮した。 得られた薄琥珀色のスラッジを入れたフラスコをアルゴン下に移し、蓋をした。 粗製の生成物を直ちに60gのシリカを含むフラッシュカラム(最初に3%TE Aを含有する1/1/1 ACN/EtOAc/CH2Cl2中で平衡化)に通し た。この溶出液で生成物は速やかに溶出し、すべてのUV陽性のフラクションを プールし、濃縮した。得られた固形泡をACNとともに共蒸発させて残留するT EAを除去し、ついで完全真空下で一夜乾燥させた。最終生成物であるオフホワ イトの固形泡は5.0gの重量であった。実施例2 (CU)2'−O−メチルMP(RP)/2'−O−メチルDEおよび2'−O−メ チルMP(RP)/2'−O−メチルMP二量体シントンの調製 A.2'−O−メチルC単量体の調製 2'−O−メチルシチジンの5.0g(8ミリモル)部分をピリジンとともに共 蒸発(3×25ml)させて無水とし、ついで50mlのアセトニトリル中に溶 解した。この溶液を1.65mlのトリエチルアミン(「TEA」)(12ミリ モル、1.5当量)で処理し、氷浴中で冷却した。ついで、この溶液を1.65m lのクロロメチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィン(「Cl−MAP 」)を2分間かけて滴下して処理した。氷浴を除き、反応混合物を2時間撹拌し た。反応混合物(HPLCにより反応は完了していると決定された)を濃縮乾固 した。得られた残渣を4%TEAを含有する酢酸エチル/ヘプタン(1:1)( 20ml)中に溶解し、ついで同じ溶出系で平衡化した40gシリカゲル上に負 荷した。UVを吸収する溶出液をすべてカラムから回収およびプールし、ついで 濃縮して5.5gの上記生成物(収率約90%)を得た。 B.シリル保護した2'−O−メチルウリジンの調製 250ml容の丸底フラスコ中に5.0g(9.0ミリモル)の5'−DMT, 2'−O−メチルウリジンを入れ、ジメチルホルムアミド(DMF)で共蒸発( 3×25ml)することにより無水とした。得られた乾燥泡を50mlのDMF 中に取り、ついで2.4g(35ミリモル、3.9当量)のイミダゾールで一度に 処理し、ついで3.0ml(12ミリモル、1.3当量)のt−ブチルジフェニル シリルクロライドを滴下した。この反応混合物を室温にて一夜撹拌した。 反応の進行をHPLC(ACN法(溶液Aは、水中の50/50 ACN/0. 1M TEAA、pH7であり、溶液BはACNであった;0〜100%溶液B の勾配を1ml/分の速度で25分間かけて行った))およびメチレンクロライ ド中の5%メタノールを用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)によりチェッ クし、完了したと決定された(出発物質は認められなかった)。ついで、反応混 合物を氷水中に注ぎ、メチレンクロライド中に取り、ついで重炭酸ナトリウム水 溶液および水で数回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、 ついで濃縮して7.2gの固形泡を得た(TLC上で単一のスポットを与えた) 。ついで、この固形泡を70mlのメチレンクロライド中に溶解し、(マグネチ ックスターラーで素早く撹拌しながら)70mlのベンゼンスルホン酸(2:1 メチレンクロライド/メタノール中に2重量%)で一度に処理した。室温で15 分間撹拌した後、反応混合物の反応を10mlのTEAで停止させた。得られた 脱トリチル化した化合物を濃厚な琥珀色の油状物にストリッピングし、ついでこ れを熱メチレンクロライド中で平衡化した150gのシリカゲル上に負荷した。 2%メタノール(メチレンクロライド中)を用いて生成物をカラムから溶出した 。乾燥後、3.51gの上記生成物を得た(収率約80%)。 C.(CU)2'−O−メチルMP(RP)二量体の調製 シリル保護した2'−O−メチルウリジン単量体(実施例2Bの生成物)(3. 0g、6ミリモル)を30mlの無水ACN中に取った。これとは別に2'−O −メチルシチジンアミダイト単量体(実施例2Aの生成物)(5.5g、7ミリ モル、1.2当量)を55mlのACN中に取った。両溶液を室温にて3Åのモ レキュラーシーブ上で一夜静置した。 上記2つの溶液を単一のフラスコ中にデカントし、94ml(ACN中に0. 45M、42ミリモル、7当量)のテトラゾールで処理した。得られた混合物を 4分間撹拌し、ついで1.5ml(1.2当量)のクメンヒドロペルオキシドを加 えることにより酸化した。反応混合物を濃縮乾固し、ついでメチレンクロライド 中に取り、重炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシ ウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して7.5gの固形泡を得た。ピーク下の面積を 比較することによりHPLCによって決定されるジアステレオマー比は、57/ 43 SP/RPであった。 RPジアステレオマーを2つのシリカカラムを用いたカラムクロマトグラフィ ー(粗製の生成物に対するシリカの比が100:1、メタノールを1〜5%の勾 配で増加させながら3:1酢酸エチル/メチルクロライド中で平衡化)により単 離した。全量1.07gの純粋なRP二量体を単離した。 D.(CU)2'−O−メチル二量体の調製 2'−O−メチルCU二量体(実施例2Cの生成物)の1.07g(0.90ミ リモル)部分を10mlのTHF中に溶解し、1.5ml(THF中に1ml、 1.5当量)のテトラブチルアンモニウムフルオライド(「TBAF」)で一度 に処理した。反応混合物を室温にて30分間撹拌し、その後、HPLCによりシ リル基の完全な脱保護が達成されたことが明らかとなった。反応混合物を濃縮し 、濃縮物を5%メタノールを含有する3:1酢酸エチル/メチレンクロライドで 溶出して10gのシリカゲル上で精製した。清浄なフラクションを濃縮して55 0mgの上記純粋な5'−OH二量体を得た。 E.キラル的に純粋な(CU)2'−O−メチル(MP/DE)二量体シントン の調製 2'−O−メチルCU3'−OH二量体(実施例2Dの生成物)の230mg部 分を、ACN中で共蒸発(2×5ml)させることにより無水とした。得られた 乾燥固形泡を2.5mlのACN中に溶解し、ついで73μl(2.5当量)のト リエチルアミン(「TEA」)および94μl(2.0当量)の2'−シアノエチ ル−N,N−ジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(βCNE)を加えた。 反応混合物を室温にて2時間撹拌すると、この時点でHPLC分析は反応が完了 したことを決定した。反応混合物を溶出液(3/1/1 酢酸エチル/アセトニ トリル/メチレンクロライド、4%TEA含有)中に溶解し、4%TEAを含有 する3/1/1 酢酸エチル/アセトニトリル/メチレンクロライドで平衡化し た2gのシリカゲル上に負荷した。このカラムを1%TEAを含有する3/1/ 1酢酸エチル/アセトニトリル/メチレンクロライドを用いて溶出した。清浄な フラクション、3〜25を濃縮し、アセトニトリル中に再溶解し、再び濃縮して 固形泡とした。この泡を完全な真空下で一夜乾燥させて200mgの上記生成物 を得た。 F.キラル的に純粋な(CU)2'−O−メチルMP(RP)/MP二量体シント ンの調製 100ml容の丸底フラスコに400mg(0.372ミリモル)の2'−O− メチルCU二量体(実施例2Dの生成物)を入れた。これをアセトニトリルとと もに共蒸発(1×5ml)させることにより無水とした。ついで、乾燥した泡を 真空系からアルゴンガス下に置き、4mlのACN中に溶解し、ゴム栓で封をし た。この溶液を2当量のTEA(103μl、0.744ミリモル)で処理し、 ついで1.75当量のクロロ−メチル−N,N−ジイソプロピルホスフィン(「C l−MAP」)(118μl、0.651ミリモル)で処理した。反応液を室温 にて1時間撹拌し、その後、HPLCは約50/50出発物質/生成物を示した 。ついで、さらに50μlのTEAおよび70μのCl−MAPを加え、混合物 を1時間撹拌した。HPLCが80%の変換を示したときにさらに30μlのT EAおよび30μlのCl−MAPを加え、得られた混合物をさらに1時間撹拌 した。この時点でHPLCは6%の出発物質を示した。この反応混合物を濃縮乾 固した。得られた残渣を4%TEAを含む500mlの3/1/3酢酸エチル/ アセトニトリル/メチレンクロライド中に溶解し、同溶媒系で平衡化した5gの シリカに負荷した。フラクションを回収した。早く溶出するフラクションは黄色 の不純物で汚染されていたので、別にプールし濃縮した。ついで、これらフラク ションからの生成物を同じ条件のクロマトグラフィーにより再精製し、最初のカ ラムから単離した清浄な生成物とともにプールした。コンバインした生成 物をACN(3×5ml)とともに共蒸発させ、完全真空下で一夜乾燥させて3 50mg(77%収率)の上記生成物を得、このものはHPLCにより95.5 %の純度であることが示された。実施例3 2'−O−メチルMPS(RP)/2'−O−メチル−DEおよび2'−O−メチル MPS(RP)/2'−O−メチル−MP二量体シントンの調製 これら二量体シントンの調製は、パラグラフCにおいてクメンヒドロペルオキ シドの代わりに等価量の3−1,2−ベンゾジチオール−3−オン,1,1−ジ オキシド(ボケージ(Beaucage)試薬)を用いる他は実施例2の記載の手順に 従って行う。パラグラフ2Eおよび2Fの手順により、それぞれホスホジエステ ルおよびメチルホスホチオエート結合の組み合わせが得られる。実施例4 MPS(RP)/DE二量体シントンの調製 これら二量体シントンの調製は、パラグラフAにおいて酸化剤溶液(I2/H2 O/ルチジン/THF)の代わりに等価量の3−1,2−ベンゾジチオール− 3−オン,1,1−ジオキシド(ボケージ試薬)を用いる他は実施例1の記載の手 順に従って行う。実施例5 MP(RP)/PS2二量体シントンの調製 MP(RP)/PS2二量体シントンの調製を以下のようにして行う。遊離の 3'−OHを有するイソメトリックに純粋な(isometrically pure)RPジヌクレ オシドを実施例1Aに記載の方法に従って調製する。このジヌクレオシドを、プ ロット(Plotto)ら(プロットら、Tetrahedron 47:2449〜61(19 91))やゴレンスタイン(Gorenstein)ら(米国特許第5,218,088号 )の方法を用いて対応するチオホスホルアミダイトに変換する。このジヌクレオ シドを無水ピリジンとともに3回共蒸発させ、ついでトルエンで3回共蒸発させ る。ジヌクレオシドの一部(10ミリモル)を200mlの無水ジクロロメタン 中に溶解し、ついで3当量の無水ジイソプロピルエチルアミン、さらに1.5当 量の クロロ−N,N−ジイソプロピルアミノチオメトキシホスフィンを0℃にて撹拌 しながら加える。反応が完了したと決定されるまでTLCにより反応をモニター する。 この生成物を、MP(RP)/DEホスホルアミダイトの単離についての実施 例1Bの手順を用いて処理および精製する。実施例6 MPS(RP)/PS2二量体シントンの調製 MPS(RP)/PS2二量体シントンの調製を以下のようにして行う。遊離 の3'−OHを有するイソメトリックに純粋なRPジヌクレオシドを実施例4の方 法に従って調製する。このジヌクレオシドを用い、上記二量体シントンを実施例 5の方法により調製する。実施例7 MPS(RP)/2'−O−メチルDE二量体シントンの調製 MPS(RP)/2'−O−メチルDE二量体シントンの調製を、実施例1およ び3と同様の方法だが適当に保護した2'−デオキシヌクレオシドおよび保護し た2'−O−メチルヌクレオシドを用いて行う。実施例8 交互のMP(RP)/DEヌクレオシド間結合を有するポリCTオリゴマーの調 5'−(C*T)−(C*T)−(C*T)−(C*T)−(C*T)−(C*T) −(C*T)−A−3'の配列を有するオリゴマーを、実施例1に従って調製した C*TMP(RP)/DE二量体シントンを用いて調製した。グループ分けしたジ ヌクレオシドは、シリカゲル上で早く溶出する異性体として立体化学(推定RP )が固定されている場所を示し、星印はキラル的に純粋な結合を示す。 自動化DNA合成機でも手順を行うことができるが、試薬を保存するため手動 のカップリングを用いてオリゴマーを合成した。メタクリレート支持体に結合し たデオキシアデノシンから出発して3'−末端から配列を合成した。 ピリジンおよびトルエンとともに新たに共蒸発させて乾燥させた保護ジヌクレ オシドメチルホスホンアミダイト(必要なカップリング当たり各22mg)を、 乾燥させた1ml容のガラスオートサンプラーバイアルに入れ、無水アセトニト リル中に0.1M(カップリング当たり200μl)の濃度に溶解した。容器に アルゴンを通し、テフロン栓を有するねじキャップで密に封をした。 1μモルスケールDNA合成カラム(ミリゲン(Milligen))に1μモルの メタクリレート支持体結合したデオキシアデノシンを充填させた。このカラムを リングスタンドに垂直方向にて設置した。流出液を制御するため、メール−メー ルルアフィッティング(male−male luer fitting)を18ゲージの針とともに 底部に設置した。カラムを注射器を用いて10mlのアセトニトリルで洗浄した 。カラムにジクロロメタン中の2%ジクロロ酢酸(3ml)を1.5分間かけて 通すことにより、支持体に結合したヌクレオシドを脱トリチル化した。オレンジ 色のジメトキシトリチルカチオンを有する溶液を保存した。カラムを各10ml の無水アセトニトリルで2回洗浄した。 第一のカップリングを以下のようにして行った。さらに10mlの無水アセト ニトリルをカラムに通した。ついで、200μlのCTメチルホスホンアミダイ トを1ml容注射器に注入した。ついで、無水アセトニトリル中の0.45Mテ トラゾール(200μl)を同様に上記メチルホスホンアミダイトを入れた注射 器に注入した。これら試薬を注射器中で素早く混合し、ついで3分間かけてカラ ムにゆっくりと滴下して通し、プランジャーを上下に手早く引いて支持体と適切 に混合させた。3分後に1mlの酸化剤(73%テトラヒドロフラン、25%2 ,6−ルチジンおよび2%水中の0.1M I2)を1分間かけてカラムに通した。 カラムを20mlのアセトニトリルで洗浄し、ついで20%(v/v)無水酢酸 、30%(v/v)アセトニトリル、50%(v/v)ピリジンおよび0.31 2%(v/v)ジメチルアミノピリジンを含有する溶液(600μl)で処理し た。ついで、カラムを20mlのアセトニトリルで洗浄した。 上記合成サイクルを合成が完了するまで繰り返した。ジメトキシトリチル吸光 度に基づく全体のカップリング効率は95.7%であり、カップリング当たり平 均99.3%であった。 ついで、オリゴマーを支持体から開裂し、脱保護した。支持体に結合したオリ ゴマーを合成カートリッジから外し、ねじトップを有するガラスの1ドラムバイ アルに入れた。支持体をアセトニトリル/エタノール/NH4OH(9/9/1 )の溶液(1ml)で室温にて30分間処理した。ついで、1mlのエチレンジ アミンを反応容器に加え、反応を完了させるために反応液を室温にて6時間放置 した。ついで、オリゴマーを含有する上澄み液を支持体から除去し、支持体を2 mlの1/1 アセトニトリル/水で2回濯いだ。この洗浄液を上澄み液とコン バインした。コンバインした溶液を水で30mlの全量に希釈し、約4mlの6 N HClで中和した。ついで、中和した溶液を、10mlのアセトニトリル、 10mlの50%アセトニトリル/100mMトリエチルアンモニウム重炭酸塩 、および10mlの25mMトリエチルアンモニウム重炭酸塩で順番に前以て平 衡化したウオーターズ(Waters)C−18セパック(Sep−Pak)カートリッ ジを用いて脱塩した。反応溶液をカラムに通した後、30mlの水で洗浄した。 ついで、生成物を5mlの1/1アセトニトリル/水で溶出した。 上記オリゴマーを、0.5Mトリエチルアンモニウムアセテート中のアセトニ トリルの増加勾配(40分間で1%から40%)のベックマンウルトラスフィア 逆相4.5×250mmカラムを用いたHPLCにより精製した。単離収率は、 41 OD260単位(35%)であった。得られた化合物を電子スプレー質量分析 法により特徴付けた(計算値4391/実測値4391)。 別法として、上記で同定したオリゴマーは自動DNA合成機で合成することが できる。この場合は適当な二量体シントン(上記手動合成で用いたのと同様)を アセトニトリル中に上記0.1Mの濃度に溶解する。アミダイト溶液をミリポア エクスペダイト(Millipore Expedite)DNAシンセサイザー上の円錐容器中 に入れる。他のすべての試薬(酸化剤、脱保護剤、キャッピング試薬および、活 性化剤)を上記手動合成と同様にして調製し、手動の場合に指示された装置上の 適当な位置に適用する。一つの合成サイクルのプログラミングパラメーターは米 国特許出願第08/158,014号の表Iに示す通りである。オリゴマーの脱 保護および精製は、手動合成したオリゴマーについての記載と同様にして行う。 実施例9 交互する2'−O−メチル MP(Rp)/2'−O−メチル DEおよび2'−O −メチル MP(Rp)/2'−O−メチル MP インターヌクレオシジル連結を 有するポリ−CUオリゴマーの製造:− 上記実施例2に従って製造した2'−O−メチル MP(Rp)/2'−O−メチ ル DEダイマーシンソン(dimer synthon)を用い、5'−(C*U)−(C*U) −(C*U)−(C*U)−(C*U)−(C*U)−(C*U)−A−3'配列を有する オリゴマーを製造する。 適当なダイマーシンソンをアセトニトリルに、0.1M濃度で溶解する。なお 、用いた他の全ての試薬は、実施例8に記載のものである。 1μモルスケールのDNA合成カラム(ミリポア)に、1μモルのメタクリレ ート支持結合デオキシアデノシンを充填する。ダイマーシンソンを、カップリン グ時間を2分まで延長する以外は、実施例8の記載と同様に、3'−末端から連 続的にカップリングさせる。ジメトキシトリチル吸光度に基づく全カップリング 効率は50%である(平均91%/カップリングの場合)。合成の終りにオリゴ マーからジメトキシトリチル基を脱離する。 実施例8の記載と同様に、脱保護を行う。粗収量は103OD260ユニットで ある。オリゴマーをHPLCにて、0.5Mトリエチルアンモニウムアセテート 中のアセトニトリルの勾配を上昇せしめて(30分にわたり10%から30%へ )、ベックマン・ウルトラスフェアーRpで精製する。単離収量は39OD260ユ ニット(38%)である。化合物を電子スプレーマススペクトロメトリーで特性 決定する(計算値4713/実測値4712)。 またこのオリゴマーは、自動式DNAシンセサイザーにて以下の手順で合成す ることもできる。マニュアル合成で使用した適当なダイマーシンソンを実施例8 の記載と同様に、アセトニトリルに溶解する。ミリポア・エクスピダイト(Mil lipore Expedite)DNAシンセサイザーの円錐容器に、アミダイト溶液を入 れる。他の全ての試薬(酸化剤、脱ブロック、キャッピング試薬および賦活物質 )を実施例8の記載と同様に製造し、これらをマニュアルの指示通り、器具の適 当 な位置に適用する。実施例8に記載と同じカップリングプログラムを用いるが、 カップリング時間を2分まで延長する。 実施例8の記載と同様に、脱保護を行う。オリゴマーをHPLCにて、上述の マニュアル合成の場合と同様にして精製することができる。 U.S.特許出願No.08/154013の実施例8に詳記される同じ手順を用 いて、2'−O−メチル MP(Rp)/2'−O−メチル MP(ラセミ体)混合 連結を有する5'−(C*U)−(C*U)−(C*U)−(C*U)−(C*U)−(C* U)−(C*U)−A−3'オリゴマーを製造する。またこの生成物も、電子スプレ ーマススペクトロスコピーで特性決定する(計算値4699.5/実測値470 1)。上記説明の如く、自動式合成も使用しうる。 実施例10 繰返しMP(Rp)/MP連結構造を有する5'−(T*A)−(G*C)−(T*T) −(C*C)−(T*T)−(A*G)−(C*T)−(C*C)−(T*G)−C−3'の 製造:− グループに入れたジヌクレオシドは、カップリングしたダイマーを示し、星印 はシリカゲル上の速溶離異性体として立体化学が固定する場合(キラル表示また はキラル純粋)を示す(Rpで同定)。 この配列を有するオリゴマーは、上記実施例1Aおよび1Cに記載されるよう な方法で製造した適当な保護ジヌクレオチドメチルホスホンアミダイトを用いて 合成する。試薬を保存するため、マニュアルカップリングを用いてオリゴマーを 合成するが、この方法は、出発物質として支持体結合シチジンを用い、3'末端 から自動式DNAシンセサイザーで行うことができる。 乾燥度を確保するためピリジンおよびトルエンと新たに共蒸発した、所定の保 護ジヌクレオチドメチルホスホンアミダイト(必要カップリング当り各22mg) 、T*A,G*C,T*T(2回)、C*C(2回)、A*G,C*T,および T*Gのそれぞれを、乾燥した1mlガラス自動サンプラーバイアルに入れ、無水 アセトニトリルで溶解して、0.1M濃度を得る(1カップリング当り200μl を使用)。バイアルをアルゴンでパージし、テフロン隔膜を持つねじ蓋でしっか り とシールする。 1μモルスケールのミリゲン(Milligen)DNA合成カラムに、1μモルの 支持体結合シチジンを充填する。カラムを、垂直方向のリングスタントに取付け る。流出液をコントロールするため、底部に雄−雄ルアー(leur)付属品を18 ゲージ指針と共に取付ける。注射器を用い、10mlのACNでカラムを洗う。次 いで、3mlの2%ジクロロ酢酸/ジクロロメタンをカラムに1.5分にわたって 通すことにより、支持体結合ヌクレオシドを脱トリチル化する。オレンジ色のジ メトキシトリチルカチオン含有溶液を取っておく。カラムを各10mlのACN( 無水物)で2回洗う。 10ml以上のACN(無水物)をカラムに通して、最初のカップリングを行う 。次いで、200μlのTGメチルホスホンアミダイトを1ml注射器に吸込む。 次に、該メチルホスホンアミダイトを有する注射器へ、200μlの0.45Mテ トラゾール/無水ACNを同様にして吸込む。各試薬を注射器内で迅速に混和し 、次いで3分にわたり滴下させながらカラムへゆっくりと通し、この場合、支持 体との適切な混和を確保するため、必ずプランジャーの吸込み作動をそっと行う 。3分後、1mlの酸化試薬(0.1M I2/THF74.25%、2,6−ルチジ ン 25%および水0.25%)を1分にわたりカラムに通す。次いでカラムを2 0mlのACNで洗う。次にカラムを、無水酢酸20%(V/V)、ACN30% (V/V)、ピリジン50%(V/V)およびジメチルアミノピリジン0.31 2%(W/V)含有溶液600μlで1分間処理する。カラムを20mlのACNで 洗う。 次いで、それぞれジヌクレオチドメチルホスホンアミダイトを用い、合成が完 了するまで、合成サイクルを繰返す。初めのT*Gカップリング後のダイマーの 添加順序は、C*C、C*T、A*G、T*T、C*C、T*T、G*Cおよび T*Aである。 合成の終りに、オリゴマーからジメトキシトリチル基を脱離する。 次いで支持体からオリゴマーを開裂し、脱保護する。合成カートリッジから支 持体結合オリゴマーを取出し、ねじ上蓋を持つガラス製の1ドラムバイアルに入 れる。支持体を室温にて、1mlのアセトニトリル/エタノール/NH4OH(9 /9/1)溶液で30分間処理する。次いで、反応容器に1mlのエチレンジアミ ンを加え、反応を完了に至らせるため、反応混合物を周囲温度で6時間放置せし める。次いで、オリゴマー含有の上層液を支持体から除去し、支持体を1mlのア セトニトリル/水(1/1)で2回リンスし、洗液を上層液とコンバインする。 コンバインした溶液を、水でトータル容量50mlに希釈し、約1.7mlの氷酢酸 で中和する。中和した溶液を、5mlのアセトニトリル、5mlの50%アセトニト リル/水、および5mlの水で連続して予め平衡状態にしたウォーターズ(Water s)C−18セプ−パク(Sep−Pak)カートリッジを用いて脱塩する。反応溶 液をカラムに通した後、50mlの水で洗う。次いで生成物を2mlのアセトニトリ ル/水(1/1)で溶離する。 オリゴマーを逆相カラム(ポロス(Poros)II R/H、4.6×100mm) にて、アセトニトリル/水勾配を用いるHPLCで精製する。 カップリング効率を下記表に示す。 実施例11 繰返しMP(Rp)/MP連結構造を有する5'−(G*T)−(C*T)−(T*C) −(C*A)−(T*C)−(C*A)−(T*G)−(T*T)−(G*T)−C−3'の 製造:− グループに入れたジヌクレオチドは、カップリングしたダイマーを示し、星印 は立体化学が固定する場合を示す。 この配列は、上記実施例1Aおよび1Cに記載されるような手順で製造および 単離した適当な保護Rpジヌクレオチドメチルホスホンアミダイトを用いて合成 する。試薬を保存するため、マニュアルカップリングを用いてオリゴマーを合成 する。しかしながら、所望ならば、この方法は、出発物質としてメタクリレート 支持結合2'−デオキシシチジンを用い、3'末端から自動式DNAシンセサイザ ーで行うことができる。 所定の保護ジヌクレオチドメチルホスホンアミダイト(100mg)、G*T, T*T,T*G,C*A,T*G,C*A,T*C,C*T,およびG*Tのそ れぞれを、乾燥した3mlガラス円錐バイアルに入れ、無水アセトニトリルで溶解 して0.1M濃度とする。各容器にモレキュラーシーブス(3Å)(0.5ml容量 )を加え、容器をアルゴンでパージし、テフロン隔膜を持つねじ蓋でしっかりと シールする。各試薬は使用前に、一夜静置せしめる。 1μモルスケールのミリゲンDNA合成カラムに、1μモルのメタクリレート 支持結合2'−デオキシシチジンを充填する。カラムを、垂直方向のリングスタ ンドに取付ける。流出液をコントロールするため、底部に雄−雄ルアー付属品を 18ゲージ指針と共に取付ける。注射器を用い、10mlのACNでカラムを洗う 。次いで、3mlの2.5%ジクロロ酢酸/ジクロロメタンをカラムに3.0分にわ たって通すことにより、支持体結合ヌクレオシドを脱トリチル化する。オレンジ 色のジメトキシトリチルカチオン含有溶液を取っておく。カラムを各10mlのA CN(無水物)で2回洗う。 10ml以上のACN(無水物)をカラムに通して、最初のカップリングを行う 。次いで、200μlのG*Tメチルホスホンアミダイトを1ml注射器に吸込む 。次に、該メチルホスホンアミダイトを有する注射器へ、200μlの0.45M テトラゾール/無水ACNを同様にして吸込む。各試薬を注射器内で迅速に混和 し、次いで1分にわたり滴下させながらカラムへゆっくりと通し、この場合、支 持体 との適切な混和を確保するため、必ずプランジャーの吸込み作動をそっと行う。 3分後、1mlの酸化試薬(0.1M I2/THF74.25%、2,6−ルチジン 25%および水0.25%)を1分にわたりカラムに通す。次いでカラムを20m lのACNで洗う。次にカラムを、無水酢酸20%(V/V)、ACN30%( V/V)、ピリジン50%(V/V)およびジメチルアミノピリジン0.312 %(W/V)含有溶液600μlで1分間処理する。カラムを20mlのACNで洗 う。 次いで、それぞれジヌクレオチドメチルホスホンアミダイトを用い、合成が完 了するまで、合成サイクルを繰返す。初めのG*Tカップリング後のダイマーの 添加順序は、T*T、T*G、C*A、T*G、C*A、T*C、C*Tおよび G*Tである。 合成の終りに、オリゴマーからジメトキシトリチル基を脱離する。 次いで支持体からオリゴマーを開裂し、脱保護する。合成カートリッジから支 持体結合オリゴマーを取出し、ねじ上蓋を持つガラス製の1ドラムバイアルに入 れる。支持体を室温にて、1mlのアセトニトリル/エタノール/NH4OH(9 /9/1)溶液で30分間処理する。次いで、反応容器に1mlのエチレンジアミ ンを加え、反応を完了に至らせるため、反応液を6時間放置せしめる。次いで、 オリゴマー含有の上層液を支持体から除去し、支持体を1mlのアセトニトリル/ 水(1/1)で2回リンスし、洗液を上層液とコンバインする。コンバインした 溶液を、水でトータル容量30mlに希釈し、約1.7mlの氷酢酸で中和する。中 和した溶液を、5mlのアセトニトリル、5mlの50%アセトニトリル/水、およ び5mlの水で連続して予め平衡状態にしたWaters C−18 Sep−Pak カ ートリッジを用いて脱塩する。反応溶液をカラムに通した後、5mlの水で洗う。 次いで生成物を2mlのアセトニトリル/水(1/1)で溶離する。 オリゴマーを逆相カラム(Poros II R/H、4.6×100mm)にて、アセ トニトリル/水勾配を用いるHPLCで精製する。 実施例12 繰返しMP(Rp)/MP連結構造を有する5'−(G*A)−(G*G)−(A*G) −(G*A)−(G*G)−(A*G)−(G*A)−(A*G)−G−3’の製造:− グループに入れたジヌクレオシドは、カップリングしたダイマーを示し、星印 はシリカゲル上の速溶離異性体として立体化学が固定する場合(キラル表示また はキラル純粋)を示す(Rpで同定)。 このオリゴマーは、上記実施例1Aおよび1Cの手順に従って製造した自動式 合成カップリングのG*A,G*GおよびA*G MP(Rp)/MPダイマーシ ンソンを用いて製造する。 ある量のG*A,G*GおよびA*Gダイマーシンソンをアセトニトリルに溶 解して、0.1M濃度を得、3Åモレキュラーシーブス(マサチューセッツ州ミ ルホードのミリポア)上で一夜貯蔵する。 溶解したダイマーをモレキュラーシーブスと共に、エンドラインのフィルター を備えたミリポア・エクスピダイトDNAシンセサイザーの円錐容器に入れ、粒 子を除去する。他の全ての試薬(酸化剤、脱ブロック、キャッピング試薬および 賦活物質)を製造し、これらをマニュアルの指示通り、器具の適当な位置に適用 する。カップリングプログラムは、酸化前の主鎖開裂を減少するため、カップリ ング工程の直後に酸化工程を配置するよう改変する。〔ホグレフ(Hogrefe), R.I.の「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」(アグラウ ォル(Agrawal S.編),143〜164頁、ヒュマナ・プレス,トトワN. Y.,1983年),分子生物学の方法(Methods in Molecular Biology) ,vo1.20の“メチルホスホネートオリゴヌクレオチドの合成および脱保護の 改良方法”参照〕。1つの合成サイクルのプログラミング・パラメーター(“S yn 4 オール−1μモル”)は、U.S.特許出願No.08/154013の表I Iに記載されている。 1μモルスケールのDNA合成カラム(ミリポア)に、1μモルのメタクリレ ート支持結合デオキシグアノシンを充填し、DNAシンセサイザーに設置する。 ダイマーを3'末端から連続的にカップリングする。合成の終りに、オリゴマー からジメトキシトリチル保護基を脱離する。 次いで支持体からオリゴマーを開裂し、脱保護する。合成カートリッジから支 持体結合オリゴマーを取出し、ねじ上蓋を持つガラス製の1ドラムバイアルに入 れる。支持体を室温にて、1mlのアセトニトリル/エタノール/NH4OH(9 /9/1)溶液で30分間処理する。次いで、反応容器に1mlのエチレンジアミ ンを加え、反応を完了に至らせるため、反応液を6時間放置せしめる。次いで、 オリゴマー含有の上層液を支持体から除去し、支持体を1mlのアセトニトリル/ 水(1/1)で2回リンスし、その時上層液とコンバインする。コンバインした 溶液を、水でトータル容量50mlに希釈し、約1.7mlの氷酢酸で中和する。中 和した溶液を、5mlのアセトニトリル、5mlの50%アセトニトリル/水、およ び5mlの水で連続して予め平衡状態にしたWaters C−18 Sep−Pak カ ートリッジを用いて脱塩する。反応溶液をカラムに通した後、5mlの水で洗う。 次いで生成物を1.8mnのアセトニトリル/水(1/1)で溶離する。 粗収量は870D260ユニットである。オリゴマーをHPLCにて、β−シク ロボンド標準相4.5×250mmカラム(NJウィッパニーのアゼテック・Inc. )を用い、0.05Mトリエチルアンモニウムアセテート(pH7)中のアセトニ トリルの勾配を減少せしめて(80%から40%へ)精製する。単離収量は22 0D260ユニット(25%)である。生成物を電子スプレーマススペクトロメト リーで特性決定する(計算値5407/実測値5401)。 実施例13 交互するMP(Rp)/PSインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマーの 製造:− ダイマーシンソンを用いて、交互するMP(Rp)/PSインターヌクレオシジ ル連結を有するオリゴマーを製造する。合成、脱保護および精製の全てのパラメ ーターは実施例8の記載の通りであるが、酸化試薬を3H−1,2−ベンゾジチ オール−3−オン・1,1−ジオキシドの0.1M溶液または二硫化炭素/ジイソ プロピルエチルアミン(1/1)中の硫黄の0.1M溶液と交換する。 実施例14 交互するMPS(Rp)/DEインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマー の製造:− 実施例4のダイマーシンソンを用いて、交互するMPS(Rp)/DEインター ヌクレオシジル連結を有するオリゴマーを製造する。合成、脱保護および精製の 他の全てのパラメーターは、実施例8の記載の通りである。 実施例15 交互するMPS(Rp)/PSインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマー の製造:− 実施例4のダイマーシンソンを用いて、交互するMPS(Rp)/PSインター ヌクレオシジル連結を有するオリゴマーを製造する。合成、脱保護および精製の 全てのパラメーターは実施例8の記載の通りであるが、酸化試薬を3H−1,2 −ベンゾジチオール−3−オン・1,1−ジオキシドの0.1M溶液または二硫化 炭素/ジイソプロピルエチルアミン(1/1)中の硫黄の0.1M溶液と交換す る。 実施例16 交互するMP(Rp)/PS2インターヌクレオシジル連結を有するオリゴマー の製造:− 実施例5のダイマーシンソンを用いて、交互するMP(Rp)/PS2インター ヌクレオシジル連結を有するオリゴマーを製造する。合成、脱保護および精製の 全てのパラメーターは、実施例15の記載の通りである。 実施例17 交互するMPS(Rp)/PS2インターヌクレオシジル連結を有するオリゴマ ーの製造:− 実施例6のダイマーシンソンを用いて、交互するMPS(Rp)/PS2インタ ーヌクレオシジル連結を有するオリゴマーを製造する。合成、脱保護および精製 の全てのパラメーターは実施例16の記載の通りである。 実施例17A 交互するMP(Rp)/2'−O−メチルDEインターヌクレオシジル連結を有す るオリゴマーの製造:− 実施例7のそれらに類するダイマーシンソンを用いて、交互するMP(Rp)/ 2'−O−メチルDEインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマーを製造す る。合成、脱保護および精製の他の全てのパラメーターは、実施例9の記載の通 りである。 実施例18 交互するMP(Rp)/MPSインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマー の製造:− 実施例1Aおよび1Cに従って製造し、次いで溶解およびモレキュラーシーブ ス上で貯蔵したダイマーシンソンを用いて、交互するMP(Rp)/MPSインタ ーヌクレオシジル連結を有するオリゴマーの製造を行う。酸化試薬は、3H−1 ,2−ベンゾジチオール−3−オン・1,1−ジオキシドの0.1M溶液〔アイヤ ー(Iyer),R.P.らの「JACS」(112,1254−1255、199 0年),“ビュウケージ(Beaucage)試薬”参照〕または二硫化炭素/ジイソ プロピルエチルアミン(1/1)中の硫黄の0.1M溶液であり、合成は一般に 実施例12の記載と同様に進行する。 実施例19 2'−O−メチルヌクレオシジルユニットおよび交互するMP(Rp)/MPSイ ンターヌクレオシジル連結を有するオリゴマーの製造:− 実施例2A〜2Dおよび2Fに記載のダイマーシンソンを用い、かつ酸化試薬 が3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン・1,1−ジオキシドの0.1M溶 液または二硫化炭素/ジイソプロピルアミン(1/1)の0.1M溶液である以 外は、U.S.特許出願No.08/154013の実施例8の一般的合成手順と同 様にして、このオリゴマーを製造する。 実施例20 2'−O−メチルヌクレオシジルユニットおよび交互するMPS(Rp)/MPイ ンターヌクレオシジル連結を有するオリゴマーの製造:− 上記実施例3に記載のダイマーシンソンを用い、かつ実施例19の合成、脱保 護および精製のパラメーターと同様にして、このオリゴマーを製造する。 実施例21 交互するMPS(Rp)/MPインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマー の製造:− 実施例1Aの酸化剤の代わりにビュウケージ試薬を用い実施例1Aおよび1C に従って製造したダイマーシンソンを用い、かつ実施例12に記載の合成、脱保 護および精製のパラメーターと同様にして、このオリゴマーを製造する。 実施例22 交互するMPS(Rp)/MPSインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマ ーの製造:− 実施例21に記載のダイマーシンソンを用い、かつ酸化試薬を3H−1,2− ベンゾジチオール・1,1−ジオキシドの0.1M溶液または二硫化炭素/ジイソ プロピルエチルアミン(1/1)中の硫黄の0.1M溶液と交換する以外は、実 施例12に記載の合成、脱保護および精製のパラメーターと同様にして、このオ リゴマーを製造する。 実施例23 2'−Fダイマーシンソンの製造:− 2'−フルオロヌクレオシドを用いて、本発明オリゴマーの製造に有用なダイ マーシンソンを製造しうる。2'−フルオロヌクレオシドの製造法は、既に報告 されており、当業者にとって公知である。〔たとえば、コディングトン(Codin gton)の「JOC」,(Vol.29、1964年)(2'−F U);マンゲル( Mangel)の「Angew.Chem.」(96、557〜558、1978年)および ドーエン(Doen)の「JOC」(32、1462〜1471、1967年)(2 '−F C);イケハラの「Chem.Pharm.Bull.」(29、1034〜103 8、1981年)(2'−F G);イケハラの「J.Carbohydrates,Nucleosi des,Nucleotides」(、131〜140、1980年)(2'−F A)および クルグ(Krug),Aの「Nucleosides & Nucleotides」(、1473〜1 483、1989年)参照〕。 2'−フルオロヌクレオシドを用いるダイマーシンソンの製造は、2'−O−メ チルダイマーシンソンの場合に記載したもの(たとえば実施例2、3および7参 照)に類する手順を用いて行うことができる。得られるダイマーシンソンを用い て、実施例9などの2'−O−メチルダイマーシンソンの場合に用いた方法に類 する方法でオリゴマーを製造しうる。 実施例24 MP(Rp)/MP(Rp)/DEおよびMP(Rp)/MP(Rp)/MPトリマーシン ソンの製造:− 実施例1CのMP(Rp)/MPダイマーシンソンを用いて、上記のトリマーシ ンソンを製造する。3'−ヌクレオシドのモノマーホスホルアミダイトへのカッ プリングの場合の実施例1Aの方法に従って、該ダイマーシンソンを5'−ヒド ロキシ,3'−シリル化ヌクレオシドにカップリングする。 選定した5'−ヒドロキシ,3'−シリル化ヌクレオシド(1当量)および異性 体的に純粋なRpダイマーメチルホスホンアミド(1.25当量)を、丸底フラス コ内で計量し、アセトニトリルとの共蒸発で乾燥する。得られる泡状物をアセト ニトリルに溶解し、0.45Mテトラゾール/アセトニトリル溶液(4.5当量) で処理する。3分後、反応混合物を酸化し、反応生成物を実施例1Aの記載に準 じワークアップする。3'−シリル化トリマーのジアステレオマーを、ダイマー 異性体の分割の場合の実施例1Aの記載に準じ、シリカゲルカラム上で分割する 。分離したジアステレオマーの立体配置を2−Dnmr(ROSEY)で判定する 。2つのインターヌクレオシジル連結の所望のキラル配置(Rp/Rp)を有する トリマーを、実施例1Bに記載の方法で、クロロ−β−シアノエトキシ−N,N −ジイソプロピルアミノホスホルアミダイトと反応させることにより、トリマー シンソンに交換する。トリマーシンソンをワークアップし、実施例1Bに記載の 方法で精製して、MP(Rp)/MP(Rp)/DEトリマーを得る。 同様な操作を用いて、MP(Rp)/MP(Rp)/MPホスホルアミダイトシ ンソンを得ることができる。すなわち、対応するダイマーシンソンの場合の実施 例1Cに記載の最終反応で、クロロメチル−N,N−ジイソプロピルアミノホス フィンを用いることによる。ワークアップと精製は、実施例1Cの記載の通りで ある。 実施例25 2'−O−アリルダイマーおよびトリマーシンソンの製造とそれらのオリゴマ ー合成での用途:− 2'−O−アリルヌクレオシドを用いて、たとえば実施例1および24に記載 のダイマーおよびトリマーシンソンを製造することができる。2'−O−アリル ヌクレオシドの製造およびそれらのオリゴマー製造での用途については、既に報 告されており〔たとえば、イリバレン(Iribarren)らの「Proc.Natl.Aca d.Sci.(USA)」(87、7747〜7751、1990年);およびレスニ ク(Lesnik)らの「Biochemistry」(32、7832〜7838、1983年) 参照〕、このような置換ヌクレオシドは商業上入手可能である。かかるヌクレオ シドを用い、上述の操作によりダイマーおよびトリマーシンソンを製造する。こ れらのシンソンを用い、上記実施例10、11、12、13等に記載されるよう な方法でオリゴマーを製造する。 実施例26 MP(Rp)/MP/DEインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマーの製 造:− 実施例24のトリマーシンソンを用いるか、あるいはU.S.特許出願No.08 /154014の実施例20に記載のものにより、かつダイマーシンソンの代わ りにトリマーシンソンを用い実施例8に記載の方法と同様にして、上記オリゴマ ーを製造する。合成、脱保護および精製の他の全てのパラメーターは、実施例8 の記載の通りである。 実施例27 MP(Rp)/MP(Rp)/MPインターヌクレオシジル連結を有するオリゴマー の製造:− U.S.特許出願No.08/154013の実施例14に記載の操作を用いて、 上記のオリゴマーを製造する。 実施例28 オリゴリボヌクレオシドの製造:− 本実施例で用いるオリゴリボヌクレオチドは、以下に記載のような一般操作を 用いて合成しうる。 合成のため、適当な5'−O−ジメトキシトリチル−2'−O−t−ブチルジメ チルシリル−3'−O−N,N−ジイソプロピル−β−シアノエチルホスホルアミ ダイトヌクレオシド(マサチューセッツ州ヒルホールドのミリポア)を用いる。 合成は1μモルスケールにて、標準ミリゲン・ホスホルアミダイト操作を用い、 ミリゲン8750自動式DNAシンセサイザーで行うが、例外として、カップリ ング時間を12分まで延長することにより、より立体障害を受ける2'−O−t− ブチルジメチルシリルRNAモノマーが反応するのに十分な時間を付与する。他 のオリゴヌクレオチド合成試薬の全ては、ミリポアの標準記録に記載される通り である。 合成後、無菌でRNaseの無い条件下で、オリゴヌクレオチドを取扱う。水は 0.5%ジエチルピロカーボネートで一夜処理した後、オートクレーブ処理に付 して殺菌する。全てのガラス器具は、300℃で少なくとも4時間のベーキング に付す。 先ず、支持体結合オリゴマーを55℃にて水酸化アンモニウム/エタノール( 3/1)で15時間処理することにより、オリゴヌクレオチドを脱保護し、支持 体から開裂する。次いで、オリゴヌクレオチドを含有する上層液をデカントし、 蒸発乾固する。得られる残渣を室温にて、0.6mlの1Mテトラブチルアンモニ ウムフルオライド/テトラヒドロフラン(5%以下の水を含有)で24時間処理 する。0.6mlの水性2Mトリエチルアンモニウムアセテート(pH7)の添加で 、反応を抑える。無菌水を用い、溶液をビオ−ラッド(Bio−Rad)10DGカ ラムに通すことにより、反応混合物の脱塩を行う。次いで脱塩したオリゴヌクレ オチドを乾燥する。 標準操作を用い、ポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミド(19/1)1 5%および7Mウレアを含有するポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE) により、オリゴリボヌクレオチドの精製を行う〔マニアチス(Maniatis)T. らの「Molecular Cloning:A Laboratory Manual(分子クローニング: 実験マニュアル)」(184〜185頁、コールド・スプリング・ハーバー、19 82年)参照〕。ゲルは20cm幅×40cm長さおよび6mm厚である。オリゴリボ ヌクレオチド(600Dユニット)を、1.25%ブロモフェノール・ブルー含 有の200μlの水に溶解し、ゲル上に装填する。ゲルを300Vで一夜走行さ せる。生成物バンドをUV裏面増影法で目視し、切除し、生成物を0.5M酢酸 ナトリウムで一夜溶離する。製造業者提供の記録を用い、Waters C18 Se p−Pak カートリッジで生成物を脱塩する。生成物をキネージング(kinasing )で32P標識し、PAGEで分析する。 実施例29 ラセミ体のメチルホスホネート・オリゴヌクレオチドの製造:− 5'−(ジメトキシトリチル)・デオキシヌクレオシド−3'−〔(N,N−ジイソ プロピルアミノ)メチル〕ホスホノアミダイトモノマーを用いて、種々のラセミ 体オリゴマーを合成する。メタクリレートポリマー支持体にて、ビオサーチ・モ デル(Biosearch Model)8750 DNAシンセサイザーを用い、以下に示 す改変以外は、製造業者の規格に従って固相合成を行う。すなわち、モノマーを アセトニトリルに100mM濃度で溶解し、dGを除き、アセトニトリル/ジクロ ロメタン(1/1)に100mMで溶解する。脱ブロック試薬=2.5%ジクロロ 酢酸/ジクロロメタン。酸化剤試薬=25g/l沃素/0.25%水,25%2, 6−ルチジン,72.5%テトラヒドロフラン。CAP A=10%無水酢酸/ アセトニトリル。CAP B=0.625%N,N−ジメチルアミノピリジン/ピ リジン。 合成の終りに、オリゴヌクレオチドからジメトキシトリチル基を脱離する。 次いで支持体からオリゴヌクレオチドを開裂し、脱保護する。合成カートリッ ジから支持体結合オリゴヌクレオチドを取出し、ねじ上蓋を持つガラス製の1ド ラムバイアルに入れる。支持体を室温にて、1mlのアセトニトリル/エタノール /NH4OH(9/9/1)溶液で30分間処理する。次いで、反応容器に1ml のエチレンジアミンを加え、反応を完了に至らせるため、反応液を6時間放置せ しめる。次いで、オリゴヌクレオチド含有の上層液を支持体から除去し、支持体 を2mlのアセトニトリル/水(1/1)で2回リンスし、その時上層液とコンバ インする。コンバインした溶液を、水でトータル容量30mlに希釈し、約4mlの 6N−HClで中和する。中和した溶液を、10mlのアセトニトリル、10mlの 50%アセトニトリル/100mMトリエチルアンモニウムビカーボネート、お よび10mlの25mMトリエチルアンモニウムビカーボネートで連続して予め平 衡状態にしたWaters C−18 Sep−Pak カートリッジを用いて脱塩する 。反応溶液をカラムに通した後、30mlの水で洗う。次いで生成物を5mlのアセ トニトリル/水(1/1)で溶離する。 オリゴヌクレオチドを逆相カラム(ウオットマン(Whatman)RACII)にて 、アセトニトリル/50mMトリエチルアンモニウムアセテート勾配を用いるH PLCで精製する。 実施例30 MP(Rp)/MPおよびMP(Rp)/DEダイマーシンソンとホスホルアミダイ トおよびメチルホスホンアミダイトモノマーシンソンからのキメラのオリゴヌク レオチド・アセンブリー MP(Rp)/MPダイマーシンソンは、3'末端にメチルホスホルアミダイト・ カップリング基を含有する。これらのシンソンは、共にカップリングしてオリゴ マーを形成するとき、他のどの位置にも、ラセミ体のメチルホスホネート連結を 付与する。MP(Rp)/DEダイマーシンソンは、3'末端にβ−シアノエチルホ スホルアミダイト・カップリング基を含有する。両種のダイマーシンソンを、実 施例1の記載に準じ合成する。メチルホスホンアミダイト・モノマーシンソンを 、JBLサイエンティフィック(CAのサン・ルイス・オビスポ)で合成する。 ベータシアノエチルホスホルアミダイト・モノマーシンソンは、ミリゲン/ビオ サーチから購入する。 ミリゲン・エクスピダイト(登録商標)自動式DNAシンセサイザーを用いて 、全てのシンソンをカップリングする。各シンソンのカップリングプログラムを 、以下の如く表にする。なお、カップリング工程中にホスホロチオエート結合を 生じさせるために、β−シアノエチルホスホルアミダイト・カップリング基を含 有するダイマーまたはモノマーシンソンのいずれかといっしょに、プログラム“ チ オエート−5μM”を用いた。 当業者であれば、適当なダイマーまたはモノマーシンソンを用い、これらのカ ップリング常套手段の少なくとも1つを適用することにより、後記実施例に記載 のキメラオリゴマーのそれぞれが合成しうることを認識することができる。 各キメラオリゴマーの脱保護および精製は、実質的に実施例8〜12の記載に 従って行った。 本実施例に従って製造した一定のキメラオリゴマー、並びに他の化合物の素生 は、下記表に示す電子スプレーマススペクトロメトリーで確認した。 1.( )はRNaseHを賦活する部分を示し、表示ヌクレオシドの5'−側鎖 の連結はチャージされている。 実施例31 種々のバックボーン修飾(非キメラ)オリゴマーのヌクレアーゼ安定性の実験 この実施例に記載された各実験においては、次の配列:5'−CTCTCTC TCTCTCTA−3'(2'−デオキシ糖質の場合);または5'−CUCUC UCUCUCUCUA−3'(2'−O−メチル糖質の場合)を有する種々のバッ クボーン修飾オリゴマーを評価した。全ジエステル(DE)バックボーンオリゴ マーは、オリゴス・エトセトラから購入した。他のバックボーンオリゴマーは、 先の実施例の記載と同様にして合成した。 (a)精製ヘビ毒ホスホジエステラーゼの存在下における安定性の実験 ガラガラヘビ(crotalus adamanteus)由来のヘビ毒ホスホジエステラーゼI (PDE−I)は、ユーエス・バイオケミカルズ・インコーポレイテッドから購 入した。各オリゴマーのアリコート(0.075A260ユニット)をピペットで ポリプロピレンのマイクロ遠心管に入れ、スピード-バク(登録商標)真空遠心 分離機(サヴァント・インコーポレイテッド)で乾燥した。次いで、該遠心管を 氷上に置き、各遠心管にPDE−Iのアリコートを加えた(95μLの10mM トリス−HCl中に0.1ユニット/mL、pH8.8、2mMのMgCl2、 0.4%グリセロール)。ゼロ時点のサンプルをアセトニトリル(35μL)で すばやく希釈し、ドライアイス/イソプロパノール浴中で凍結し、分析に供する まで−20℃で貯蔵した。次いで、残りのサンプルを37℃にて水浴上に置く。 次いで、各特定の時点のサンプルを水浴から外し、アセトニトリルで希釈し、ゼ ロ時点サンプルと同様にして凍結する。 ヌクレアーゼ分解実験の最終段階として、サンプルを個々に融解し、モデル1 26二元勾配ポンプモジュールおよびモデル168ダイオードアレイ検出器を具 備したベックマン・システム・ゴールド装置を用いて逆相HPLCで迅速に分析 した。サンプルは、200μLのサンプルループを持つマニュアルインジェクタ ーを用いてカラムに注入した。これらの実験にはビダックC4プロテインカラム (ビダックカタログ番号901019、内径4.6mm×長さ250mm)を用 いた。溶離は、2溶媒系を用いて行った:緩衝液A=1%アセトニトリル/50 mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA,pH7.0);緩衝液B=50% アセトニトリル/50mM TEAA(pH7.0)。最初の1分間は溶媒の流 速を0.05から1.0mL/分に増加しながらHPLCを行い、その後は1. 0mL/分で行った。各バックボーンに対する勾配条件は次のとおりであった: 全DEバックボーン−5〜25%緩衝液B(2.5〜9分),25〜45%緩衝 液B(9.0〜22.5分),45〜100%緩衝液B(22.5〜28.0分 );2'−デオキシMP(Rp)/DEバックボーン−5〜35%緩衝液B(2 .5〜12.5分),35〜50%緩衝液B(12.5〜22.5分),50〜 100%緩衝液B(22.5〜27.5分);2'−O−メチルMP(Rp)/ DEバックボーン−5〜50%緩衝液B(2.5〜17.5分),50〜65% 緩衝液B(17.5〜27.5分),65〜100%緩衝液B(27.5〜31 . 0分)。各バックボーンオリゴマー(分解されなかったもの)の平均の保持時間は 次の通りである: 全DE: 15.7分 2'−デオキシMP(Rp)/DE: 18.5分 2'−O−メチルMP(Rp)/2'−O−メチルDE: 18.6分。 早期溶出ピークの出現および全長オリゴマーに対応するピークの領域の減少(ま たは完全損失)によって分解を決定した。 (b)ヒーラ細胞溶菌液における安定性の実験 ヒーラ細胞細胞質溶菌液は、エンドトロニクス・インコーポレイテッド(ミネ アポリス,MN)から購入した。この調製物は充填細胞の5倍容の低張ドウンス (dounce)細胞溶解物である。氷上の3.6mLの細胞溶菌液に、0.4mLの 2−(N−モルホリノ)エタンスルホネート(MES,0.5M溶液,pH6. 0)を加えてpH6.0に緩衝し、緩やかに撹拌混合した。先の実施例と同様に して、オリゴマーのアリコートを乾燥し、次いで、ヒーラ細胞溶菌液(95μL )で希釈した。次いで先の実施例と同様にして、サンプルを37℃でインキュベ ートし、逆相HPLCによって正確に分析した。 (c)アフリカミドリザルの腎臓COS−7細胞の細胞溶菌液における安定性 の実験 この実験で用いるCOS−7細胞溶菌液は、次のようにして調製した。COS −7細胞を90%の集密度まで成長させ、次いで0.25%トリプシンの存在下 で採集した。細胞ペレットを、リン酸緩衝生理的食塩水で2回洗浄し、次いで− 20℃で一夜凍結させた。次いで、ペレットをおよそ等体積の細胞溶解緩衝液( 2.5mM HEPES,pH7.2,2.0mM MgCl2,0.1%NP− 40)に再懸濁し、1mLの滅菌したポリプロピレンピペットで10回吸い出し 、次いで10000×Gで5分間遠心分離した。次いで得られる上清の約40% を用いて20ストロークのドウンスホモジナイザー(A型乳棒)で細胞ペレット を溶解した。次いで、この懸濁液を上記と同様に遠心分離し、上清を最初の再懸 濁液からの上清の残りと合わせた。得られる溶液は、どのような核破片をも含ま な い細胞質ゾルが優勢の溶菌液であり、もとの充填細胞ペレットの約1.5倍の体 積である。得られる細胞溶菌液のアリコートは、オリゴマーとインキュベートす る前に、25mMトリス−アセテート(最終pH7.4)または25mM ME S(最終pH6.0)のいずれかで緩衝した。各オリゴマーのアリコート(0. 075A260ユニット)を滅菌ポリプロピレンマイクロ遠心管中で乾燥し、次い で、氷上で10μLのCOS−7細胞溶菌液中に再懸濁した。ゼロ時点サンプル に水(90μL)およびアセトニトリル(35μL)を迅速に加え、ドライアイ ス/エタノール浴中で凍結させ、分析に用いるまで−20℃で貯蔵した。次いで 、残りのサンプルを水浴上で37℃にてインキュベートした。ゼロ時点対照と同 様にして、正確に特定の時点においてサンプルを水浴から外し、水およびアセト ニトリルで希釈し、凍結する。前記と同様に、細胞溶菌液とともにインキュベー トした後、サンプルを個々に融解し、水(535μL)で希釈し、逆相HPLC によって迅速に分析した。 (d)大腸菌の細胞溶菌液における安定性の実験 大腸菌細胞溶菌液は、次のようにして調製した。およそ2×1011個の細胞を 遠心分離によってペレット化し、10mLのトリス−HCl(50mM、pH7 .5)に再懸濁し、室温にて5分間インキュベートした。次いで、ジチオスレイ トールおよびリゾチームを最終濃度がそれぞれ2mMおよび1mg/mLとなる ように加え、得られる懸濁液を37℃で30分間インキュベートした。次いで、 混合物を氷上で短く10回音波処理し、7000rpmで20分間遠心分離した 。視覚的判断に基づいて、この操作が十分に細胞を溶解したかどうかを評価し、 次いで上清(5mL)を集め、4℃で貯蔵し、細胞ペレットを1mLのトリス− HCl(50mM、pH7.5)に再懸濁した。染色体DNAを破壊するために 、再懸濁した細胞ペレットの凍結/融解を5回繰り返し、短く音波処理し、次い で8000rpmで5分間遠心分離した。次いで、得られる上清(約700μL )を前段階の上清(約5mL)と合わせ、6000×Gで5分間遠心分離し、残 留破片をペレット化した。最終上清は、もとの細胞ペレットの約57倍の体積( 100μL)中に約50%の溶解細胞を含んでいることがわかった。オリゴマー の アリコート(0.050A260ユニット)を滅菌ポリプロピレンマイクロ遠心管 中で乾燥し、氷上で95μLの細胞溶菌液に懸濁した。前記と同様にして正確に 、37℃でインキュベートし、HPLC分析を行い、次いでオリゴマーの分解の 定量を行った。 (e)スタフィロコッカス・アウレウス(S.アウレウス)の細胞溶菌液にお ける安定性の実験 S.アウレウス細胞溶菌液は、次の変更を行った以外は前記大腸菌で行った方 法と同様にして調製した:(i)約4×1010個の細胞を含む細胞ペレットで細 胞溶解を行った;(ii)リゾチームの代わりにリゾスタフィン(lysostaphin )を用いた(500ユニット,シグマ・インコーポレイテッド製);および(i ii)凍結/融解サイクルを5回ではなく合計10回行った。前記大腸菌を用い た実験で行った操作と同様にして正確に、37℃にてオリゴマーとインキュベー トし、HPLC分析を行い、該クロマトグラムからオリゴマーの分解を定量した 。 結果: 分解%は、各実験における各時点のピーク高さおよびピーク領域をゼロ時点対 照と比較することによって決定した。次いで、log(全長%)vs時間をプロット し、Iog(50%)=1.699に対応する値をみつけることによってPDE−I の存在下における各オリゴマーの半減期を決定した。上記実験から得られた結果 を下記表にまとめた。 生物学的システムにおけるバックボーン類縁体の代謝分解速度 実施例32 RNA標的とキラル性付与オリゴマーおよび非キラルオリゴマーとのハイブリ ッド形成 Rp−またはSp−ダイマーユニットのいずれかを用いて、キラル性付与全ピ リミジン(C*T)7Aおよび全プリン(A*G)7T MP−オリゴマーを調製 した。個々のモノマーユニットを用いて、対照オリゴマーも調製した。星印は明 らかにされたキラル性の位置を示す。 各オリゴマーを相補的合成RNA標的にアニーリングし、次いで温度の関数と して260nmにおける吸光度をモニターした。ハイブリッド形成複合体の熱変 性に対応するS字形遷移が観察された。各S字形遷移の中央点においてTm値を 決定した。先に、我々は(CT)8オリゴマーは中性pHにおいてRNAと二本 鎖複合体を形成するが、(AG)8オリゴマーは三本鎖複合体を形成することを 明らかにしている。したがって、我々は、各キラル性付与シリーズのデータがそ れぞれ二本鎖および三本鎖MP/RNAヘリックスに適用しうることを予想した 。Tmデータを下記にまとめた。交互(CT)7 (A) (B) 交互(AG)7 (A) (B) 上記表に示されるように、Rp−付与オリゴマーはRNA標的とのTmは比較的 高い。一方Sp−付与オリゴマーはRNA標的どのTmは比較的低い。 別の実験において、我々は、キラル性付与(C*T)7Aおよび(A*G)7T MP−オリゴマーが中性においてRNAとそれぞれ二本鎖および三本鎖複合体を 形成することを確認した。 これらの実験は、キラル性の付与が、二本鎖および三本鎖の両方の形態におい てMP−オリゴマーの結合親和性を劇的にもたらしうることを説明している。 実施例33 Rp−付与またはラセミバックボーンのいずれかを有するメチルホスホネート オリゴマーにおける比較 ラセミメチルホスホネートオリゴマーおよび相補的RNA標的は、実施例28 および29の記載と同様にして合成した。MP(Rp)/MPオリゴマーは、本 明細書中に記載したMP(Rp)/MPダイマーをカップリングする方法にした がって合成した。各カップリングしたMP(Rp)/MPダイマーは、下記表に おいて丸括弧で示し、星印はキラル性が純粋な結合を示す。 アニーリングした反応混合物は、等モル量のメチルホスホネートオリゴマーお よびRNA標的(全鎖濃度2.4μM)、20mMのリン酸カリウム(pH7. 2)、100mMの塩化ナトリウム、0.1mMのEDTAおよび0.03%の サルコシル酸カリウムを含有していた。反応混合物を80℃に加熱し、次いで、 およそ4〜6時間かけてゆっくりと4℃まで冷却した。次いで、アニーリングし たサンプルを1cmの石英キュベットに移し、温度の関数として260nmにお ける吸光度を、6×6温度制御サンプルホルダーを具備したバリアン・キャリー ・モデル3E分光光度計を用いてモニターし、データをIBMコンパチブルPC コンピューターにて分析した。温度は、昇温率1℃/分で5℃から80℃まで変 化させた。それぞれ解離プロフィールにおけるTmは、(A260−温度関数の) 最初の導函数に対応する温度として定義した。下記の表は、幾つかのラセミペア vs Rp−付与メチルホスホネートオリゴマーに対して得られたデータまとめた ものである。Tmの増加が観察されたことに基づいて、本明細書において記載し たMP(Rp)/MPダイマーカップリング法を用いるRp−付与によって、メ チルホスホネートオリゴマーとそのRNA標的の間の結合エネルギーが有意に増 強されるという結論が導かれる。 MP(Rp)/MP付与およびラセミメチルホスホネート オリゴマーにおけるTmの比較 実施例34 相補的合成RNA標的に対する(CT)7Aモデル配列を有する種々のバック ボーン修飾オリゴマーの結合安定性 ラセミメチルホスホネートオリゴマーおよび相補的RNA標的オリゴマーは、 前の出願の記載と同様にして合成した。同じ配列を有するが、バックボーンの異 なる一連のオリゴマーは、この出願の他所に記載した方法で調製した。Rp−( CT)ダイマーを用いて、75%Rp−付与全メチルホスホネートおよび2'− デオキシMP(Rp)/2'−デオキシDEオリゴマーを作成した。Rp−(C U)ダイマーを用いて、2'−O−メチルMP(Rp)/2'−O−メチルDEオ リゴマーを作成した。他の結合と混合してホスホロチオエート結合を有するオリ ゴマーは、実施例30および他の上記実施例に記載した一般的操作にしたがって 合成した。正常ホスホジエステル(2'−デオキシ全DE)バックボーンまたは 2'−O−メチルホスホジエステル(2'−O−メチルDE)バックボーンのいず れかを有する対照オリゴマーおよび全ホスホロチオエートオリゴマーは、オリゴ ス・エトセトラから購入した。2'−デオキシまたは2'−O−メチル置換は下記 のとおりであり、このような構造は、交互配列または繰り返し配列中のすべての 残基において発生する。 アニーリングした反応物は、等モル量のバックボーン修飾オリゴマーおよびR NA標的(全鎖濃度2.4μM)、20mMのリン酸カリウム(pH7.2)、 100mMの塩化ナトリウム、0.1mMのEDTAおよび0.03%のサルコ シル酸カリウムを含有していた。これらの反応混合物を80℃に加熱し、次いで 、およそ4〜6時間かけてゆっくりと4℃まで冷却した。次いで、アニーリング したサンプルを1cmの石英キュベットに移し、温度の関数として260nmに おける吸光度を、6×6温度制御サンプルホルダーを具備したバリアン・キャリ ー・モデル3E分光光度計を用いてモニターし、データをIBMコンパチブルP Cコンピューターにて分析した。温度は、昇温率1℃/分で5℃から80℃まで 変化させた。Tmは、熱分解プロフィールの最初の導函数の最大値に対応する点 として定義した。37℃における結合定数(KA(37℃))は、変性プロセス の2 状態モデルを仮定して熱的解離データの非直線最小二乗法によって決定した。下 記の表は結果をまとめたものである。 配列=5’−CTCTCTCTCTCTCTA−3’ このデータから、もとのラセミ全MPオリゴマーに種々のバックボーン修飾を 行うことによってRNA標的に対する結合安定性が劇的に改良されることがわか る。 実施例35 相補的RNA標的に対する種々のキメラバックボーンオリゴマーの結合親和性 相補的合成RNA標的に対するハイブリッド形成能力を下記のオリゴヌクレオ チドについて試験を行った。 マル括弧中に示される塩基は、それぞれの修飾の説明において中央のカギ括弧の セット中に示されるバックボーン修飾を含んでおり、同様にオリゴマーの端の部 分は、カギ括弧の端のセット中に示される結合構造を含んでいる。PS/DEと は、ホスホロチオエート結合で開始する交互に繰り返される修飾を意味する。た とえば、PS/DEで示される配列において5個の塩基が存在するならば、それ らは3個のホスホロチオエート(PS)と2個のホスホロジエステル(DE)結 合を含んでいる。 20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)、100mM NaCl、0 .03%サルコシル酸カリウムおよび0.1mMのEDTAからなる緩衝系中で 、各オリゴマーをその相補的合成RNA標的と1:1のモル比で混合した(全鎖 濃度=2.4μM)。得られる溶液を70℃に加熱し、次いで、およそ4〜6時 間かけてゆっくりと4℃まで冷却した。次いで、サーモスタットマルチセルホル ダー、温度コントローラーおよび温度表示アクセサリーを具備したバリアン・キ ャリー・モデル3E UV/視覚化分光光度計を用い、260nmにおいて、1 ℃/分で昇温しながらアニーリングしたオリゴマーをモニターする。データを記 録し、PCコンピューターを用いて解析した。Tmは、熱融解プロフィールの最 初の導函数から決定した。37℃における結合定数(KA(37℃))は、変性 プロセスの2状態モデルを仮定して熱的解離データの非直線最小二乗法によって 決定した。これらの値を下記表に示す。 さらに、他のキメラバックボーンオリゴマーの実験から、Rp−キラルメチル ホスホネート結合を含む化合物は、同じ組成であるがラセミのメチルホスホネー ト結合であるオリゴマーと比べて、RNA標的との正味の結合安定性がより高い ことが示された。Tm値の決定は、通常上述したやり方で行った。RNアーゼH 活性化領域におけるサイズの変化や、選択された2'−糖質置換などを有するな どの配列のデータは、下記のようにして得た。(スラッシュで分割された結合構 造は、挙げられた結合が交互に配列することを意味する;したがって、化合物2 681−1の5塩基PS/DEコアの場合、−PS−DE−PS−DE−PS− という結合配列を意味する。下記の2'−O−メチル置換を有する化合物のカギ 括弧内では、ウリジン残基がチミジン残基と置換されている。ダイマーシンソン 付加前に固相に別に結合している3'末端残基以外は、これらの化合物(番号3 341、3336、3339、3337、3382および3386)の端部の非 RNアーゼH活性化領域のメチルホスホネート−およびホスホジエステル−結合 ヌクレオシド糖質のそれぞれに、2'−O−メチル糖質置換基を結合させた(後 記実施例44を参照)。) 配列型1 5塩基コア:5'[GTCTTCCA](TGCAT)[GTTGTCC]3'7 塩基コア:5'[GTCTTC](CATGCAT)[GTTGTCC]3' 配列型2 5塩基コア:5'[GCTTGGCTA](TTGCT)[TCCATCTTCC]3' 7塩基コア:5'[GCTTGGCTA](TTGCTTC)[CATCTTCC]3' 配列型3 5塩基コア:5'[GGTATATC](CAGTG)[ATCTUCUTCTC]3' これらのデータは、ラセミメチルホスホネート結合がRp−キラルメチルホス ホネートと置換される場合に、結合親和性が有意に増強されることが示している 。この観察結果は、2'−デオキシリボフラノース糖質を含むヌクレオシドなら びに2'−O−メチルリボフラノース糖質を含む塩基にも見られた。交互MP( Rp)/DE結合領域を含むオリゴマーは、交互MP(Rp)/MP(ラセミ) 結合を有するオリゴマーよりも結合親和性が高い。2'−O−メチルリボフラノ ース糖質が2'−デオキシ糖質と置換される場合に、さらに結合は強化される。 上記データに基づくと、Tmは、約0.5〜0.6℃/置換の割合で上昇すること になる。 実施例36 ヒーラ細胞核抽出物からのRNアーゼHを活性化する種々のキメラオリゴマー の能力の説明 ヒーラ細胞核抽出物からの真菌RNアーゼHを活性化する能力を下記のオリゴ マーについて試験を行った。 50mMトリス−HCl(pH8.0)、20mM KCl、9mM MgCl2 、1mMβ−メルカプトエタノール、250μg/mLウシ血清アルブミンおよ び25〜100ユニット/mLのRNasin(プロメガ・コーポレイション製,マ ディソン,WI)を含有する緩衝系中で、これらの各オリゴマー(10μM)を その相補的合成RNA標的(1μM)にアニーリングした。[γ−32P]−AT P(ニューイングランド・ヌクリア/デュポン製,ボストン,MA)およびT4 −ポリヌクレオチドキナーゼ(ストラティジーン製,サンディエゴ,CA)を用 い、標準的操作にしたがって、5'末端に32Pをもつ放射標識したRNAを調製 した。各反応物中には、およそ2000,0000dpmsの32P標識RNAが放射 トレーサーとして含まれた。これらのサンプルを65℃まで加熱し、約4〜6時 間かけてゆっくりと冷却してアニーリングした。 ヒーラ細胞核抽出物を含む貯蔵溶液は、次のようにして調製した。ヒーラ細胞 核抽出物(プロメガ・コーポレイション,マディソン,WI,カタログナンバー E3521,5mg/mLタンパク質)を、20mM HEPES(pH8.0)、 20%グリセロール、0.1M KCl、0.2mMパラメチルフェニルスルホ ニルフルオリド(PMSF)および0.5mMジチオスレイトールを含有する緩 衝液で250倍に希釈した。 各アニーリングしたオリゴマーサンプル(10μL)に、希釈したヒーラ細胞 核抽出物(5μL)を添加することによって、RNアーゼH切断反応を開始し、 次いでサンプルを37℃で15分間または2時間インキュベートした。それぞれ のインキュベーション時間の終了時に、1.5μLのEDTA(125mM,p H8)を加え、次いで、ドライアイス中で迅速に凍結させ、−20℃で貯蔵して 反応を停止した。すべての切断反応が停止した後、反応物を冷凍庫から取り出し てポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。各反応物からアリコート(5μ L)を吸い出し、ゲルローディング緩衝液(5μL、90%ホルマリン/1xT BE緩衝液/0.1%ブロモフェノールブルー/0.1%キシレンシアノールブ ルー)で希釈した。得られるサンプルを、1xTBE緩衝液(pH8.2)中で 調製した15%ポリアクリルアミド/7Mウレアゲル(20cm×30cm× 0.5mm厚)に載せた。ゲルを1200ボルトで1.5時間電気泳動した。全 長および切断RNA産物に対応するゲル上のバンドを、バイオーラド・モデルG S−250モレキュラー・イメージャー(バイオーラド・ラボラトリーズ製,ハ ークレス,CA)を用いるリン造影分析によって検出した。各反応物中に生じた 切断物の量は、レーンごとの合計カウント数を、全長バンドのリン造影カウント と比較することによって定量した。まとめた結果は下記のとおりである。 各切断フラグメントの長さを、その放射活性バンドの電気泳動移動度から決定し た。この分析から、切断はキメラオリゴマー由来のヘテロ2重体の中央で選択的 に起こることが判った。予想どおり、より多くの切断産物が、全ホスホジエステ ル(DE)および全ホスホロチオエート(PS)オリゴマーにおいて観察された 。このデータは、DE結合をPS結合と置換することによって、RNアーゼH仲 介切断の割合が減少することを示している。交互MP(Rp)/DEバックボー ンを有するサンプルにおいては切断は観察されなかった。 実施例37 S1−エンドヌクレアーゼの存在下におけるヌレアーゼ分解に対する種々のキ メラオリゴマーの安定性 S1−エンドヌクレアーゼの存在下におけるヌレアーゼ安定性を下記のオリゴ マーについて試験を行った。 S1−エンドヌクレアーゼは、プロメガ・コーポレイションから購入した(カ タログ番号E576B,マディソン,WI)。各キメラオリゴマーのアリコート (0.05〜0.075 OD260ユニット)を、30mM酢酸ナトリウム(p H5.0)中のS1−エンドヌクレアーゼ(0.5ユニット/mL)、50mM NaCl、1.0mM酢酸亜鉛および5%グリセロールを入れたポリプロピレン マイクロ遠心管に個々に加えた(反応物の総体積=10μL)。これらの遠心管 を37℃にて特定の時間インキュベートし、ドライアイス中で迅速に凍結させ、 次いで冷凍庫で−20℃にて貯蔵した。次いで、モデル126溶媒モジュールお よびモデル168ダイオードアレイ検出器を具備したベックマン・システム・ゴ ールド・クロマトグラフィーシステムを用いる逆相HPLCによってサンプルを 分析した。カラム=ビダック・プロテインC4(カタログ番号214TP54, 内径4.9mm×長さ250mm)。緩衝液A=50mM酢酸トリエチルアンモ ニウム(pH7)/1%アセトニトリル;緩衝液B=50mM酢酸トリエチルア ンモニウム(pH7)/50%アセトニトリル。溶離プロフィールは、5〜35 %緩衝液B(2.5〜12.5分);35〜50%緩衝液B(12.5〜22. 5分);50〜100%緩衝液B(22.5〜27.5分);流速=1.5mL /分。サンプルを水(50μL)で希釈し、100μLサンプルループを用いて カラムに注入した。260nmでモニターすることによって、全長オリゴマーお よびその分解産物に対応するピークを検出した。反応物中に生じた分解の量は、 全長オリゴマーに対するピーク領域の減少を測定することによって定量した(外 部対照との比較および/または分解されなかったオリゴマーを内部対照として共 注入することによって同定)。データを表形式で下記に示し、またグラフ形式で 図1に示す。 オリゴマー配列番号 分解の半減期* 2567−1 1.7時間 2681−1 12.2時間 3169−1 0.9時間 3214−1 5.0時間 3256−1 12.5時間 *)最小二乗法で処理したデータに基づいて50%の全長オリゴマーが分解さ れた時点として決定した。 このデータは、ホスホジエステル(DE)結合をホスホロチオエート(PS) 結合で置換することによって、S1−エンドヌクレアーゼが触媒するヌクレアー ゼ分解に対する耐性が付与されることを示している。 実施例38 10%ウシ胎児血清の存在下におけるヌレアーゼ分解に対する種々のキメラオ リゴマーの安定性 氷上の1.5mLのポリプロピレンマイクロ遠心管中に各キメラオリゴマーの 複数のサンプルを調製した。各サンプルは、オリゴマー(0.1 OD260ユニ ット)、10%ウシ胎児血清(FCS,ジェミニ・バイオプロダクツ製,カラバ サス,CA)、20mM HEPES(pH8.0)、0.2%パラメチルスル ホニルフルオリド(PMSF)、175mM KCl、0.1mMジチオスレイ トール、0.1mM EDTA、2mM MgCl2および4%グリセロール(総 体積=100μL)。これらのサンプルを37℃にて特定の時間インキュベート し、次いで、0.4%NP−40/アセトニトリル(35μL)で希釈し、ドラ イアイス中で迅速に凍結させ、−20℃にて貯蔵した。次いで、サンプルを個々 に融解し、水(635μL)で希釈し、先の実施例で用いた方法にしたがって、 逆相HPLCによって迅速に分析した(ただし、カラムに注入する際に2mLサ ンプルループを用いた)。データを表形式で下記に示し、またグラフ形式で図2 に示す。 オリゴマー配列番号 分解の半減期* 2567−1 5.8時間 2681−1 8.1時間 3169−1 3.4時間 3214−1 4.3時間 3256−1 16.2時間 *)各データセットにおいて最初の3時点を最小二乗法で処理したものに基づ き、50%の全長オリゴマーが分解された時点として決定した。 このデータは、DE結合の代わりにPS結合を用いると、ヌクレアーゼ分解対 する安定性が同様に強化されることを示している。 実施例39 標的mRNAの無細胞翻訳における[MP][DE][MP]オリゴマー2567− 1および[MP(Rp)/DE][DE][MP(Rp)/DE]オリゴマー3169−1 の活性 T7ポリメラーゼによって触媒される逆転写を用いる標準的クローニング技術 によって、これらのオリゴマーに対して開始コドン領域において相補性をもつ標 的mRNAを、使用説明書に従って調製した(非キャッピングRNA用のプロメ ガ・メガスクリプトキット)。特異性検定用の対照としてギブコから対照CAT mRNAを得た。 ウサギ網状赤血球溶菌液(プロメガ製)を用い、35[S]−Cys(NEN/ デュポン製)の存在下、標的mRNAおよび対照CATmRNAを無細胞翻訳ア ッセイにおいて、使用説明書に従って翻訳した。オリゴマー2567−1および 3169−1を、0,0.2または1.0Mの最終濃度で個々の翻訳反応物に加え た。RNアーゼH(プロメガ製)を、0.04ユニット/μLで、すべての翻訳 反応物に加えた。各段階は3回行った。翻訳反応物を37℃で1時間インキュベ ートした。翻訳反応の終了時に、レムリサンプル緩衝液(ノベックス製)を用い てタンパク質を変性させ、各ケースにおいて合成された標的タンパク質の量を、 高度免疫抗体血清による免疫沈降、次いでタンパク質産物のゲル分画(10〜2 0% 勾配SDS−PAGEゲル,ノベックス製)およびリン造影分析を行って、評価 した。 図3および4に示されるように、オリゴマー3169−1は、0.2または1 μM存在する場合、標的mRNAの翻訳を、それぞれ約50%および90%阻害 した。オリゴマー2567−1は、0.2または1μM存在する場合、標的mR NAの翻訳を、それぞれ約0%および50%阻害した。両方のオリゴマーが、良 好な特異性を示しながら、対照CATmRNAの翻訳を僅かに阻害した。この結 果から、ラセミMP末端の代わりに、キラル性付与MP(Rp)/DE結合セグ メントで置換することによって、標的mRNAの無細胞翻訳をブロックするオリ ゴマーの能力が有意に増強されることが示される。 実施例40 [MP][DE][MP]オリゴマー2567−1および[MP(Rp)/DE][DE] [MP(Rp)/DE]オリゴマー3169−1による、RNアーゼHの存在下にお ける標的mRNAの切断 T7ポリメラーゼ無細胞アッセイを用いる標準的クローニング技術によって、 これらのオリゴマーに対して開始コドン領域において相補性をもつ標的mRNA を、使用説明書に従って調製した(非キャッピングRNA用のプロメガ・メガス クリプトキット)。RNアーゼHおよび得られるmRNA転写翻訳物は長さが約 340ntである。 [MP][DE][MP]オリゴマー2567−1および[MP(Rp)/DE][DE] [MP(Rp)/DE]オリゴマー3169−1による、RNアーゼHの存在下にお けるこの標的mRNAを切断する能力を、次のようにして測定した。 無細胞翻訳緩衝液(3.5mM MgCl2、25mM KCl、70mM Na Clおよび20mM酢酸ナトリウムを含有)中で、0.04ユニット/μLのR NアーゼH(プロメガ製)および0,0.1,1または10μMのオリゴマー2 567−1または3169−1のいずれかの存在下、無細胞転写mRNA(10 0nM)を37℃でインキュベートした。30分後、RNAを抽出し、変性ゲル 中で変性し、変性ゲル中で展開した。展開後、RNAを臭化エチジウムで着色し 、 その完全性をゲル中に存在するRNAバンドの視覚的観察によって測定した。 下記の表に示されるように、試験した濃度において両方のオリゴマーに良好な 用量−応答効果が得られた。オリゴマー3169−1は、オリゴマー2567− 1よりも活性が高かった(1μMの3169−1は反応物中の〜98%の標的m RNAを切断したが、同濃度の2567−1は50%しか切断しなかった)。両 方のオリゴマーが良好な特異性が示し、ひとつの位置で標的mRNAを切断した 。 実施例41 非真核レポーター遺伝子に対して標的化されたキメラアンチセンスオリゴマー による細胞培養におけるタンパク質合成の阻害、クロラムフェニコールトランス フェラーゼ 次の実施例は、キメラアンチセンスオリゴマーの、真核細胞培養系においてタ ンパク質合成を選択的に阻害する能力を示す。COS−7細胞を標的レポーター 遺伝子または対照非標的レポーター遺伝子をコードするプラスミドで短期的にト ランスフェクトさせた。次いで、これらの細胞を種々のキメラアンチセンスまた は対照オリゴマーで処理し、レポーター遺伝子の発現をアッセイした。 プラスミド: この実施例では次のプラスミドを用いた。 pG1035:スプライサーCAT、pRc/CMVベクターに挿入された pG1036:野生型CAT、pRc/CMVベクターに挿入された pG1040:UCAT、pRc/CMVベクターに挿入された pGL2:ルシフェラーゼ発現プラスミド(プログマ製) pSVβ:β−ガラクトシダーゼ発現プラスミド(クローンテック製) プラスミドpG1035、pG1036およびpG1040の説明は下記のとお りである。 1.pG1035(スプライサーCAT)およびpG1036(野生型CAT )および合成スプライス部位配列: A.プラスミドpG1036の作成に用いた野生型CAT遺伝子の配列: B.スプライサーCATおよびプラスミドpG1035の作成に用いたCA Tコーデイング配列内に挿入されたイントロンの全配列: イントロンが挿入されるCAT遺伝子の領域を上記配列Aに示す。野生型CA TDNA(ファルマシア製)をpRc/CMV(インビトロゲン製)に挿入して プラスミドpG1036を作成した。該配列をmRNAとして示す。pG103 5と比較するために、409塩基と410塩基をラベルする。上記配列Bで示さ れる合成イントロンをCATDNAに挿入してプラスミドpG1035を作成し た。成熟mRNA配列は上段のものであり、イントロン配列は下段のものである 。スプライスドナーの規範グアノシンを、CATの転写解読枠の409塩基に対 応する+409とラベルする。イントロンの最初の塩基を1とラベルする。 規範分枝アデノシンは39塩基であり、規範イントロンスプライスアクセプター グアノシンはイントロンの87塩基である。410塩基はCATの転写解読枠の 再開を示す。オリゴマーが標的化される配列は、下線部である。共通スプライス 部位の塩基は太字のイタリック体で示す(スミスら(1989年);グリーン( 1986年))。 転写解読枠の最初の2/3および合成イントロンの半分を含むHindIII− SpeI 5'フラグメントならびにイントロンの残りの半分および転写解読枠の残 りの1/3を含むSpeI−NotIフラグメントを作成するために、合成DNAP CRプライマーを用いてpG1035のクローンを作成した。3ウエイ連結にお いてこれらをHindIII−NotI切断pRcCMVと結合し、最終的プラスミ ドを得た。該イントロンを含む人工的なCAT遺伝子をスプライサーCATと名 付ける。これまでの記載の参考文献として、スミスCWG、パットンJGおよび ナーダル−ギナードBの(1989年)“遺伝子発現のコントロールにおける交 互スプライシング”「Annual Reviews in Genetics」23:522〜77;グリ ーンMRの(1986年)“プレmRNAスプライシング”「Annual Reviews i n Genetics」20:671〜708が挙げられる。 2.pG1040(UCAT)5'非翻訳領域およびアミノ末端: 野生型CAT pG1040,UCAT 野生型の配列および開始コドンAUGの周囲のpG1040UCATを示す。 オリゴマーに対する標的部位を下線で示され、幾つかの各標的部位に対するキメ ラオリゴマーを下に記載する。 UCATは、合成DNAPCRプライマーを用いて野生型CATDNA(ファ ルマシア製)から作成した。得られるフラグメントをHindIII(5'末端), NotI(3'末端)フラグメントとしてベクターpRc/CMV内でクローン化 した。転写解読枠の最初のアデノシンを+1と記した。野生型とpG1040の 間のアミノ酸の変化は保存性である。 キメラオリゴヌクレオチドは、下記の通りであった。 5'AUGオリゴマー(位置−21〜+3): 3'AUGオリゴマー(位置+4〜+27): スプライスドナーオリゴマー: スプライス分岐点オリゴマー: スプライスアクセプター部位オリゴマー: 細胞の調製および処理 COS−7細胞を12ウェルのプレートフォーマットに1.5×105細胞/ウ エルにてトランスフェクションを開始する前日に入れた。すべての培養細胞を3 7℃に維持した。次の日に、トランスフェクション混合物を調製した。12ウェ ルプレートの各ウェルにつき、1.0μMのオリゴマーをOptimem(Gi bco/BRL)0.5mL中の1μgのpGL2またはpSVβ+1μgの標的C ATプラスミドおよび同じくOptimem 0.5mL中の18.75μg Tra nsfectam(キメラオリゴマー用,Progema)またはLipofe ctamine(全てPSのオリゴマー用,Progema)18.75μgと混 合した。これらの量は、カチオン脂質対オリゴマープラスDNAの比が合計1m L中で、それぞれ6.9または4.5または2.0対1となる。pGL2およびpS Vβをトランスフェクションおよびオリゴマー選択性の対照として用いた。 培地を吸引し細胞をウェル毎にOptimem(Gibco/BRL)1mL で2回洗浄した後、トランスフェクション混合物1mLを各ウェルに加えた。細 胞をトランスフェクション混合物中で16時間培養した。この混合物を除き、完 全培地(DMEM+10%ウシ胎児血清,ペニシリン/ストレプトマイシン保存 液の1/100希釈溶液,すべてGibco/BRLより入手)1mLで置換し 、細胞をさらに5時間インキュベートした。 細胞リゼイトをPBS中で2回洗浄することにより調製した後、1X Rep orter Lysis Buffer(Promega)0.5mLで処理した 。遊離し溶解した細胞を1.5mLのチューブにピペットで入れ、CO2/EtOH 中で1回凍結させて解凍した。次いで、粗製のリゼイトを10分間遠心分離し、 細胞片をペレットとし、上清を回収して直接分析するかまたは−20℃で凍結し た。 次に、細胞リゼイトをCAT、ルシフェラーゼまたはβ−ガラクトース活性に ついて分析し、総タンパク濃度を以下に記載する通りに測定した。クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)分析プロトコール この分析は、一般に以下のように行った。まず、次の反応混合物を各試料につ いて調製した: 65mL,0.25mM Tris,pH8/0.5% BSA 4μL,14C−クロラムフェニコール,50nCi/μL(Dupont),およ び5mL,5mg/mL n-Butyryl Coenzyme A(Pharm acia)CAT保存液(Promage)を0.25M Tris,pH8/0.5% BSA中で1:1000,1:10,000および1:90:000に連続希釈 することによりCAT標準曲線を作成した。元のCAT保存液は7000units /mLであった。次いで、CATリゼイトを標識したチューブにTris/BSA緩 衝液と共に加え、最終の体積を50mLとした。 次いで、反応混合物74mLを各チューブに加えた後、典型的には37℃のオ ーブン中で約1時間インキュベートした。Pristane/Mixed Xy lenes(2:1)(Sigma)500μLを各チューブ加えることにより 反応を停止した。次に、チューブを2分間撹拌し、5分間遠心分離した。上相4 00mLをScintiverse(Fisher)5mLと共にシンチレーショ ンバイアルに移した。Packardシンチレーションカウンターで試料を計測 した。ルシフェラーゼ分析プロトコール 標準的な手順に従い、一般にこの分析を以下のように行った。リゼイト20μ Lをルシフェラーゼ分析試薬(Promega)100μLと混合し、(Prom egaが推奨するように)20秒以内にシンチレーションカウンター(Pack ard)で計測した。β−ガラクトシダーゼ分析プロトコール 一般にこの分析は、以下のように行った。0.25M Tris−HCl,pH8.0 /0.5%BSA中で1:1,000および1:9,000に連続希釈することに より、β−gal標準曲線を作成した。β−gal保存液は、1,000units/ mL(Promega)であった。したがって、1:1,000希釈については 、ストックβ−gal酵素 1μLをTris/BSA緩衝液1000μL中に希釈し 、1:9,000希釈については、1:1,000希釈液 100μLをさらにTris /BSA緩衝液1000μL中に希釈した。 次いで、ウェル(未処理のミクロ滴定プレート,Corning)毎にリゼイ ト 75μLを加えた。2X β−gal Reaction Buffer(Pr omega)を各チューブに加えた。インキュベーションは、典型的には37℃ のオーブン中で約1〜1時間半行った。プレートをミクロプレート読み取り器( Molecular Devices)により、A405(405nm)で測定し た。タンパク質分析プロトコール 試料を未処理のミクロ滴定プレート(Corning)中で調製した。次の通 りに、一連のタンパク質標準を2つ一組で調製した。 ウェル毎にリゼイト6μLを加え、次いでCoomassie Protei n Assay Reagent(Pierce)300μLをウェル毎に加え た。それぞれの試料プレートをミクロプレート読み取り器(Molecular Devices)により、A570で読み取った。CAT活性の値をリゼイトの タンパク質量および与えられた他のパラメーターに対して標準化した。 これら実験の結果は以下の通りである。アンチ−スプライス部位オリゴマー対pG1035およびpG1036 (アンチセンスオリゴマーによるスプライシング阻害): オリゴマーをCOS−7細胞中へトランスフェクトし、リゼイトを調製し、前 記の通りに分析した。すべてのオリゴマーを培地中で終濃度1.0μMにした。 結果は阻害±標準誤差のパーセントで表した。N.D.=検出されず。すべての試 料について3回一組で行った。キメラオリゴマー(PS/DE中心およびPS中 心)の場合、非処理の細胞に対しオリゴマー処理細胞において、非スプライシン グpG1036 CATの発現が僅かに高まった。したがってpG1035発現 はpG1036発現に対し、正常化された。結果は、すべて総タンパク量とルシ フェラーゼカウントについて標準化した。 結果は、スプライス部位配列をキメラオリゴマーを使用して標的とした場合の CAT発現の特異的阻害を示している。すべてホスホロチオエートオリゴマーの 場合、pG1035とほぼ同様にpG1036発現を阻害し、遺伝子発現におけ る強い非選択的作用が明らかとなった。さらに、オリゴマー3387−1のスプ ライス部位受容フランキング末端部分における2'−O−メチル基の組み込みお よびPS中心の連続するホスホロチオエート骨格連鎖の5から7への伸長によっ てスプライス受容部位標的に対するアンチセンス活性が著しく増加するが、対照 標的に対しては非選択的活性は増加しない。CATのAUGを標的とするキメラオリゴマーの発現阻害 オリゴマーをCOS−7細胞中へトランスフェクトし、リゼイトを調製し、前 記の通りに分析した。すべてのオリゴマーを培地中で終濃度1.0μMにした。 このCAT遺伝子はスプライス部位を含まないからである。オリゴマー3269 −1はpG1040中に標的部位を有しない対照であった。何故ならばこのCA T遺伝子はスプライス部位を含まないからである。結果は阻害±誤差のパーセン トで表した。各オリゴマーを3回一組で試験した。 5'AUG部位を標的とするキメラオリゴマー(3258−1,3260−1) は、CAT mRNA発現の阻害に効果的であった(それぞれ、43〜72%阻 害)。3'AUG部位を標的とするキメラオリゴマー(3261−1,3262− 1)は、さらに効果的であって、それそれ96、97%の阻害をもたらした。対 照オリゴマー(3269−1)については阻害はみられず、pG1040 mR NAと対合するキメラについて観察された阻害は選択的であったことを示した。 結論として、これらの結果は、カチオン脂質により培養COS−7細胞中に導 入されたキメラオリゴマーを使用してCAT活性を抑制調節できることを示して いる。 標的はAUG部位(pre−mRNAと成熟mRNAの両方に存在する)およ びイントロン部位(いずれかの細胞の核のpre−mRNAにのみ存在する)で あった。PS/DEおよびPS中心の両方を有するキメラオリゴマーはすべてP Sのオリゴマーおよび対照のキメラよりもさらに選択的であることが明らかにさ れた。標的に特異的およびオリゴマーに特異的な対照がいずれも含まれており、 この結果は配列に特異的なアンチセンス効果に基づくものであることを示してい る。実施例42 特異性の測定 一重および多重に誤対合のある相補遺伝子標的およびオリゴマーは、不完全で 非特異的な標的と完全対合標的オリゴマーとの識別を評価する交差実験を可能に する。本実施例は実施例41で使用したオリゴマーに関してO−または4−塩基 の誤対合を持つCAT・mRNA標的の調製ならびに本発明オリゴマーの特異性 および活性に及ぼす種々な誤対合の効果を示す。 pG1040(UCAT)およびpG1042(UCAT・4mm)− 5'−非翻訳領域およびアミノ末端およびオリゴマー: 野生型 CAT: pG1042、4−誤対合UCAT: pG1040(UCAT)およびpG1042(UCAT)4mmの間の誤対 合を星印(*)で示す。これらプラスミドにより製造されるmRNAの他の塩基 全ては同一である。野生型CAT遺伝子の配列を比較のために提示する。オープ ン読み枠の第一アデノシンを+1として指定する。オリゴマー標的部位には下線 を引いた。 プラスミドpG1040およびpG1042は正確に変異したDNA断片を増 幅するための合成DNA−PCRプライマーを使用して構築した。これら断片を 次にHindIII(5’−末端)、NotI(3’末端)断片としてベクター pRc/CMV(Invitrogen)にクローニングし、陽性のクローンを 認定した。 これら標的遺伝子のいずれかに対するオリゴマーが決まると、確実に決定して いる誤対合の度合を持つ対照標的が決まることに注目すべきである。これで次に 例示するように、完全な対合に対するオリゴマーおよび確実に決定している誤対 合標的のテストが可能になる。 pG1042、4−誤対合UCAT: この場合、オリゴマーXV−2はpG1040に完全対合であるが、pG104 2は誤対合4個を持つ。決まった誤対合塩基4個以外は一致している標的mRN A2個に対するこのオリゴマー1個の相対的効果をこうして決定することができ る。 これに加えて、標的遺伝子中の誤対合は増幅操作に使用するPCRプライマー の配列によって正確に制御することができ、確実な誤対合の決定された配列を、 たとえばAUGコドンの直5’領域における系列のように、構築することができ る。これを下記実施例に示す。 ここに、研究すべき標的配列は−18から+3まで延びている。最も上の配列と 比較した変異mRNA中の誤対合は肉太活字の大文字で示す。この実施例のオリ ゴマー、21量体、の配列を各mRNAの下に示すが、これは非変換型である。 この各後続mRNAに対するオリゴマー中の不適正対合は大文字で示す。 他は同一な標的であるが、決まっている確実に知られた数の誤対合を増加して 行く方法を使用して、種々のオリゴマー化学(例えば、ホスホロチオエート対キ メラ)および作用機序(たとえば、立体障害剤対リボヌクレアーゼH切断剤)の 特異性を正確に決定することができる。 キメラ体オリゴヌクレオシド内のRNaseH−活性化領域の荷電した骨格の 位置における変化におよびオリゴヌクレオシドの塩基配列および/または標的m RNAに導入された種々の誤対合に、起因する活性および特異性に対する効果を 研究するテストを行った。以下(実施例41も参照)に列挙するキメラ化合物を pG1040(UCAT)標的およびpG1042(UCAT)4−塩基誤対合 対照との双方に対するアンチセンス活性を検定した。これらオリゴマー配列は次 の通り。 pG1040(UCAT)標的mRNAおよびアンチセンスオリゴマー: これらキメラオリゴマーのホスホロチオエート結合は下線を付した塩基の直5’ 位にある。ホスホロチオエートコアの位置が、標的mRNAに照らして順次移動 していることが判る。 0.5μM−オリゴマーを使用した以外は実施例41に一般的に記載した操作 を使用して、アンチセンス活性をpG1041(UCAT)とpG1042(U CAT)との双方について検定した。ホスホロチオエートコア中の誤対合および キメラオリゴマー中のコアの位置はアンチセンス活性に大きく影響することが証 明された。次表は検定した各被検査リゴマーの遺伝子発現百分率(±誤差)を与 える。 この結果はオリゴマー中でのRNaseH−活性化ホスホロチオエートコアの 移動による効果を示す。3637−1、3638−1、3262−5および36 36−1の比較により判るように、ホスホロチオエートコアの位置および/また はホスホロチオエートコアの塩基成分はアンチセンス活性に大きな効果を示す。 キメラ内でより中央寄りの位置は最も活性であるが、コアがキメラの末端に近い 時にさえ若干の活性が検出される。 このキメラオリゴマーのRNaseHホスホロチオエートコア配列内における 塩基1個の誤対合(前記配列上、「x」で示した)で、3639−1および36 40−1と3262−5との比較に見られるように、この真核細胞培養検定法で のアンチセンス活性を失う。同一検定システムを使用する別の実験で、全ホスホ ロチオエート24量体であるXV−2はpG1040(UCAT)発現の90% 阻害およびpG1042(UCAT)に対する約50%阻害を示し、後者標的の 場合には誤対合4個が存在するにも関わらずこの結果を示した。キメラオリゴマ ー3639および3640とpG1040標的との間の誤対合1個でさえ活性を 完全に破壊したが、一方ではXV−2およびpG1042の場合の誤対合4個で は50%以下の活性減だったのだから、これは全ホスホロチオエートオリゴマー はホスホロチオエート結合の短かな領域を含むキメラオリゴマーよりもはるかに 特異性が低いことを指摘するものである。実施例43 キラルリッチ化オリゴヌクレオシドであるメチルホスホネート末端保護を含むキ メラでのRNaseH切断速度増加 本実施例は高結合親和性を持つキメラオリゴマーは同じ塩基配列を持つ低親和 性オリゴマーよりもRNA標的鎖のRNaseH切断を高速度で促進することを 証明する。ラセミ的にまたはキラル的に純粋な(Rp)メチルホスホネートを含 むキメラオリゴヌクレオシドをRNaseHを活性化する性能について試験した 。この実験では次のキメラオリゴマーを使用した。 これらキメラオリゴマーの各々は実施例30に記載した方法に従って合成した 。相補合成RNA標的は実施例28に記載した方法に従って調製した。このオリ ゴマーは次の配列を有する: 当業界で普通に公知の操作に従い、[γ−32P]ATPおよびT4ポリヌクレ オチドキナーゼを使用して32P標識をこのオリゴマーの5’−末端に結合した。 大腸菌からのRNaseHはPromega社(Madison、WI)から 購入した。RNaseH反応に使用する緩衝液Aは20mM−KCl、9mM− MgCl2,1mM−2−メルカプトエタノール、BSA(Promega社) 250μg/mL、およびRNasin(Promega社)100u/mLを 含有していた。 5'−32P−標識RNA標的(約80000dpm、5×10-10M)の混合物 をいずれかのキメラオリゴマー1モル当量の反応緩衝液A溶液(全容積=98マ イクロリットル)と混合した。この混合物を37℃で1時間インキュベーション した。次に、RNaseH(1.1マイクロリットル、30単位/mL、最終濃 度=2×10-9M)を添加し、得られる混合物を37℃でインキュベーションし た。適量(15マイクロリットル)を所定の時間間隔で取出し、EDTA(0. 5M、3マイクロリットル)で希釈し、ドライアイス上で凍結し、−20℃で貯 蔵した。RNA切断生成物を1×TBE緩衝液(pH8.2)と平衡化した15 %ポリアクリルアミド/7M−尿素ゲル(20cm×30cmx0.5mm、i .d.)を使用するゲル電気泳動術により分析した。ゲルを1200ボルトで約 3時間電気泳動した。湿潤ゲル上のバンドをBio−Rad社GS−250型分 子 画像器(Calabasas、CA)を使用するりん光分析によって可視化した 。 部位特異的なRNaseH−媒介切断をキメラオリゴマー双方について観察し た。断片の長さはその電気泳動的易動度に従って推測した。この分析に従って、 切断はRNA標的配列の中央部に限定されていたことが確認された。すなわち、 切断は各キメラオリゴマーのマイナス荷電部分に相補的なRNA鎖の位置に限定 されていた。図5に示すようにこの異なるキメラオリゴマー2種について、RN aseH媒介切断の速度に差が検出された。 キメラオリゴマー、3124−1(3’および5’−末端において様々なMP (Rp)/DEの骨格断片を含む)存在下のRNA加水分解速度はもう一つのキ メラオリゴマー2681−1(ラセミMP骨格断片を含む)のものよりも約10 倍速いことが明らかである。実施例44 キメラオリゴマー切断活性に対する2’−糖置換部位の効果 本発明オリゴマーのRNaseH活性化領域に関する2’−糖置換部位の効果 を、標的RNA配列に対する様々に置換したキメラオリゴマーの切断活性を測定 することによって研究した。標的とする切断部位の近くにAUG配列を含み、次 の配列を持つ、3593と命名した合成20量体RNA分子を調製した: キメラ20量体RNaseH活性化オリゴヌクレオシド3463、3465およ び3466を一般的に前記した適切な二量体シントン法を用いて合成した。これ ら化合物は様々なMP(Rp)/DE結合が連結した非−RNaseH活性化領 域に連接する5個連続するホスホロチオエート−結合デオキシリボヌクレオシド (下記括弧内に示す)を含む中央のRNaseH活性化領域を含んでいた。キメ ラ3463および3465の連接領域における選択したヌクレオシド糖は下記の 大文字ヌクレオシド略号文字に下線で示した2’−O−メチル置換を含む(標的 相補性を示すために標的3593配列も併載する): ここに開示する他種キメラオリゴマー化合物についてと同様に、RNaseH −活性化領域に関連する荷電した結合(ここではホスホロチオエート)は括弧内 に示す各ヌクレオシドの5’に存在する。そこで前記各化合物3463、346 5および3466はキラル選択されたRp−メチルホスホネート({MP(Rp) })連結が両端に連接する中央ホスホロチオエート({PS})5個の連続的な 連結を下記のように含有する(3’から5’向けに記載): 前記の下線を付したホスホロチオエート結合[断片...u{MP(Rp)}(c{PS }t...中で]は、例えば前記実施例13に、記載したような二量体シントン法を 使用して化合物に導入することができる。キメラ化合物の残りの非RNaseH 活性化部分には、例えば化合物の3’−末端での担体結合「uc」ジヌクレオチ ド配列に続く適当な二量体の連続的付加(たとえば、前記実施例8、9および1 7A参照)によって、導入された種々のMP(Rp)/DE連結部分を含む。そ こで、前述の化合物3463および3465の2’−糖置換体は適当な2’OM e{MP(Rp)}c{DE}または2’OMe{MP(Rp)}2’OMe {DE}二量体を各オリゴマーに順次に導入することで達成される。前記キメ ラオリゴマーのRNaseH切断活性を評価するために、5’−32P標識RNA 標的化合物3593(160dpm)と選択した被検オリゴマー(1:1モル比 ;濃度0.5nM)との混合物320μLを緩衝液A中で37℃で1時間インキ ュベーションして相補複合体形成および平衡化を達成する。(緩衝液A:20m M−KCl、9mM−MgCl2,1mM−2−メルカプトエタノール、BSA [Promega社]250μg/mL、およびRNasin[Promega 社]100u/mL)。時間ゼロサンプルとして20μLを取出し、2nM− 菌(大腸菌)RNaseH(Promega社)の緩衝液A溶液3.3μLを添 加した(溶液中、酵素の最終濃度は0.022nM)。反応混合物は37℃に保 った。適当な時間間隔で20マイクロリットル量を混合物から取出し、0.5M −EDTAナトリウム溶液2μLを添加して反応を止め、次にドライアイスで凍 結した。RNA切断生成物を7M−尿素および1×TBE緩衝液(pH8.1) を含有する15%PAGE(20cm×30cm×0.5mm)で分析した。ゲ ルを1200Vで2時間展開した。定量的な動力学的データはりん光分析による 各バンドの容積との積分によって得られた。 この実施例の動力学的曲線を図11に示す。2’−O−メチルヌクレオシドの 単位が中央のホスホロチオエートRNaseH活性化領域の隣に位置する時には (化合物3463、三角データ点)、全部が2’−Hのヌクレオシドを含有する キメラ化合物(化合物3466、円)と比較してRNA切断の全体的速度の明瞭 な低下(約10倍)が見出された。初期の切断生成物数は化合物3466と比較 して3463では減少(3の代わりに2)していた。2’−O−メチルヌクレオ シドの代わりに、2’−Hヌクレオシドを様々なメチルホスホネート/ホスホジ エステルの5’−末端部分およびホスホロチオエート領域の境界に導入した時に は(化合物3465、菱形)、化合物3463で得られたものと比較して切断速 度の顕著な低下は見当らず、切断生成物数も変化がなかった。 この実施例はRNaseH切断部位に隣接する非ヒドロキシ2’−糖置換基の 存在はRNaseH切断活性に顕著な縮小効果を及ぼすこと、および僅か1個の 2’−O−メチル置換でさえ切断活性の低下を招来しうることを証明する。これ と対照的に、RNaseH活性化領域からヌクレオシド単位1個または2個だけ 離れた2’−置換の使用ではRNaseH結合および/または切断活性化には極 く僅かな効果を及ぼすに過ぎない。実施例45 キメラオリゴヌクレオシド化合物のHPV標的に対する活性 この実施例はヒト乳頭腫ウイルス(HPV)遺伝子配列を標的とする本発明の 種々のキメラオリゴヌクレオシドを使用する実験を記載する。A.ポリシストロン性E6/E7mRNAを発現するプラスミドの調製 HPV11・E6/E7をコードする挿入体を持つ発現ベクターを発現ベクタ ーpRc/CMV(Invitrogen社)を使用して調製した。プラスミド pRc/CMVをHindIIIでリネアライズした。陥凹−3’−末端をT4 DNAポリメラーゼの5’−3’ポリメラーゼ作用により充填した。BamHI 部位でpBR322にクローニングしたHPV−11の完全長クローンを制限酵 素BstIIおよびHinfIで消化した。E6およびE7読み取りフレームを 含む873塩基対断片をアガロースゲル上で精製した。この断片の制限末端をT4 DNAポリメラーゼで陥凹3’−末端において充填して修正した。 ベクターと挿入物をT4DNAリガーゼで連結し、大腸菌DH5αに形質転換 した。組換え体を適切な挿入体および方向ならびにE6/E7転写活性と翻訳活 性とについてスクリーニングした。 このプラスミド(pRc/CMVII−E6/E7)を下記の無細胞翻訳系で 使用した。B.E2挿入体を持つプラスミドの調製 HPV−11・E2挿入物を持つ発現ベクターをpRc/CMV(Invit rogen社)を使用して調製した。プラスミドをHindIIIでリネアライ ズし、続いてウシ胸腺アルカリホスファターゼで処理した。E2オープン読み枠 を分離するために、pBR322のBamHI部位にクローニングしたHPV− 11の完全長クローンを制限酵素XmmIおよびSspIで消化した。陥凹3’ 末端をDNAポリメラーゼIのKlenov断片にある5’−3’ポリメラーゼ 作用で充填した。次にHindIIIリンカーを付加した。完全E2・ORFを 含む1309塩基対断片をアガロースゲルで精製した。修正ベクターおよびE2 挿入体をT4DNAリガーゼで連結し、大腸菌DH5αに形質転換した。組換え 体を適切な挿入体、転写および翻訳についてスクリーニングした。 このプラスミド(pRc/CMVII−E2)を下記の無細胞翻訳系で使用し た。C.モノシストロン性E7挿入体を持つプラスミドの調製 HPV−11・E7挿入物を持つ発現ベクターをpcDNA−1(Invit rogen社)を使用して調製した。プラスミドpcDNAをBamHIおよび XbaIで消化した。BamHIおよびXbaI制限部位が隣接するHPV−1 1の完全長オープン読み枠を含む断片(−30から終結コドンまで)は標準的実 験計画を使用するPCRによって調製した。消化したベクターおよび断片をT4 DNAリガーゼで連結し、MC1061/P3細胞に形質転換した。組換え体は 適切な挿入体、転写および翻訳についてスクリーニングした。 このプラスミド(pcDNA・E7)を下記の無細胞翻訳系および下記の一過 性発現検定で使用した。D.無細胞翻訳系抽出物中のHPV−11・E7を標的とするアンチセンスキメ ラオリゴマー活性の証明 モノシストロン性(100nM)HPV−11・E7またはポリシストロン性 (50nM)HPV−11・E6/E7RNAを無細胞ウサギ網状赤血球抽出物 (Promega社)中でクロラムフェニコールアセチル転位酵素(CAT)R NA(2から10nM)と共翻訳した。各検定系の成分は次の通りであった。 無細胞翻訳系は37℃で60分間行い、SDSゲル負荷緩衝液の添加と95℃ 3分間インキュベーションで停止した。E7の翻訳はαE7ヤギ抗血清とプロテ インAセファロースとによる免疫沈降とそれに続くSDS−PAGEおよびりん 光分析により評価した。このプロトコールは以下に記載する無細胞翻訳系でも使 用した。E.無細胞系RNaseH切断検定法におけるアンチセンスオリゴマーの活性の 証明 試験管内転写、非キャップ構造モノシストロン性RNAを転写プラスミドpc DNA11・E7によりRNAポリメラーゼ(Ambion・MegaScri pt)で調製した。このE7RNAを100nM濃度で0.04単位の大腸菌R NaseH(Promega社)1μL、3.5mM−MgCl2,25mM− KCl、70mM−NaClおよび20mM−酢酸カリウムの存在下に37℃で 30分間インキュベーションした。ホルムアミドゲル負荷緩衝液の添加に続いて 100℃に5分間加熱により反応を停止させた。 標本を4%尿素−PAGE分析とそれに続くエチジウムブロミド染色とで分析 した。RNaseH存在下におけるメチルホスホネートキメラオリゴマー265 7−1、3169−1、3214−1、3257−1、3241−1および32 36−1のE7mRNAの切断の百分率を次表に示す。検査した濃度では全オリ ゴマーで良好な用量作用効果が得られた。力価の順序は3169−1=3257 −1>3214−1=2657−1>3236−1>3241−1であった。全 オリゴマーはE7mRNAを1個所で切断する良好な特異性を示した。 結果はE7mRNAの切断百分率で示す。推定値はゲルの目視検査で得た。F.一過性に形質転換したCOS−7細胞におけるアンチセンスオリゴマーの活 性の証明 24ウエル板にCOS−7細胞を1×105細胞/ウエルで接種し、次に細胞 培養培地(90%DMEM、10%ウシ胎児血漿およびペニシリン50国際単位 、ストレプトマイシン50mg/mLとアンホテリシンB0.25μg/mL) 中で一夜培養した。24時間後、細胞は約80〜90%全面生長した。2.5μ g/mLのpcDNA1−E7、Transfectam(Promega社) 50μg/mL、および種々の濃度のオリゴマーからなる形質転換カクテルを調 製し、2秒間ふりまぜ混合した後、室温で15分間インキュベーションした。 プレート上で、Optimem(Gibco−BRL)1mL/ウエルで細胞 を2回洗浄した。次に、ウエル当り形質転換カクテル0.5mLを複製ウエルに 追加した。プレートを5%CO2中で4時間37℃でインキュベーションした。 インキュベーション後、細胞を細胞培養培地1mL/ウエルで2回洗浄し、一夜 培養した。次に細胞をシステイン不足DMEM1mL/ウエルで2回洗浄し、次 にシステイン不足DMEM中で細胞培養条件下に309分間インキュベーション した。細胞を35S−システイン250μCi/ウエルの血漿不含システイン不足 DMEM500μL溶液中で5時間インキュベーションして標識した。次に1× 燐酸緩衝液食塩水1mL/ウエルで2回洗浄、次にSDSサンプル緩衝液(50 mM−トリス−Cl[pH6.8]、100nM−ジチオスレイトール、2%ド デシル硫酸ナトリウム、0.1%ブロムフェノールブルー、10%グリセリン) 100μLで細胞を溶解した。各ウエルをRIPA緩衝液(10mM−トリス− Cl[pH7.4]、150mM−NaCl、1%トリトンX−100、0.1% ドデシル硫酸ナトリウム、0.5%デオキシコール酸ナトリウム)100μLで 洗浄し、細胞溶解物のサンプル緩衝液と混合した。 E7合成はヤギ抗HPV−11・E7血漿およびA蛋白質セファロースビーズ (Sigma社)とE7蛋白質との免疫沈降反応により評価した。免疫沈降した E7蛋白質はSDS−PAGEおよびりん光分析により定量化した。免疫沈降前 の形質転換細胞溶解物画分のSDS−PAGEおよびりん光分析によって蛋白質 合成全体を評価した。 代表的な実験は次のように実施した。E7発現プラスミドpcDNA11E7 (5μg/mL)および種々の量のアンチセンスオリゴヌクレオチドをTran sfectam(商品名、Promega社)の存在下にCOS−7細胞に形質 転換した。細胞を形質転換混合物と4時間インキュベーションし、培地プラス血 漿中で一夜放置して回復させ、そして35S−システインで5時間標識した後に収 穫した。細胞を溶解し、αE7血漿との免疫沈降と、これに続く蛋白質生成物の SDS−PAGEゲル分画およびりん光分析とによりE7蛋白質合成を評価した 。蛋白質全体の合成は細胞抽出物適量のSDS分離、各レーンに存在する蛋白質 全体のオートラジオグラフィーおよびりん光定量化により分析した。次表はキメ ラオリゴマー3169−1、3214−1、3256−1、3257−1および 3336−1で得られたIC50値およびIC90値を要約する。 細胞系検定によるHPV−11・E7を標的とするオリゴマー力価 この実施例で、中央にホスホロチオエート([PS])または種々のホスホロ チオエート/ホスホジエステル([PS/DE])連結を含み、末端ブロックと してホスホジエステル連結([MP(Rp)/DE])が連結するキラルメチル ホスホロチオエート/メチルホスホネート二量体を含むキメラオリゴヌクレオチ ド3214−1、3257−1および3256−1はCOS−7細胞ではHPV ・E7蛋白質の一過性発現の強力な阻害剤であることが明らかである。 たとえば3169−1のようにホスホジエステル連結が中央にあるキメラオリ ゴヌクレオチドは無細胞系の検定では非常に強力であることが証明されているけ れども、細胞含有検定では強力ではない。この相違はホスホジエステル連結部の 細胞内での不安定性に起因するものでありうる。最後に末端に存在するヌクレオ シドの糖内にある2’−OMe修飾を含むオリゴヌクレオチド(3336−1参 照)は[MP(Rp)/DE]末端を持つ対応するキメラよりも力価が低い。G.VERO細胞における微量注射によるオリゴマー活性の証明 (i)微量注射 下記の操作に従って、オリゴマーをE2(pRc/CMV11−E2)または E7(pcDNAE7)発現プラスミドと共に50μg/μLでVERO細胞の 原形質に微量注射した。注射の1日前に、VERO細胞(約2×105細胞/m L)をカバーグラスに塗布した。プラスミドDNAをエッペンドルフチューブ中 PBSで20ng/μL(E7)または50ng/μL(E2)の濃度まで希釈 した。プラスミドDNAを含む管を1400rpmで15分間遠心分離した。微 量注射の前に管を氷上に置いた。プラスミドDNA溶液の2μL量をフェムに上 部まで載せた。先端をカバーグラスに45°で設定した。微量注射器の圧力を8 0に設定して注射した。注入後、カバーグラスを37℃で一夜インキュベーショ ンした。注射の16時間後、細胞を固定し、下記に説明するようにヤギ抗E7ポ リクローナル抗体で免疫染色した。 (ii)間接螢光免疫検定 この検定に使用する前に、ヤギ抗−HPV−11・E7またはHPV−11・ E2血漿を下記のようにVERO細胞で前吸着した。T−150フラスコ2個か ら全面生長VERO細胞を掻取り、PBSで2回洗浄した。細胞ペレットに次に 血漿200μLを添加し、一夜40℃で混合した。混合物を遠心分離し、上清液 を新しいチューブに移した。前吸着した血漿は50%グリセリン中、−20℃で 保存した。 E2またはE7の発現水準を螢光抗体検定を使用して評価した。カバーグラス を室温で20分間PBS中で10%ホルムアルデヒドで固定し、次にPBSで2 回洗浄し、続いてPBSで1:1000希釈下に前述のように前吸着したヤギ抗 −HPV−11・E7またはHPV−11・E2蛋白質血漿と室温で2時間イン キュベーションした。カバーグラスを次にPBSで各5分づつ3回洗浄し、PB Sに1:200希釈したFITC−複合ロバ抗−ヤギIgGAb(Jackso n・ImmunoResearch、カタログ#705−095−147)とイ ンキュベーションした。カバーグラスを次にPBSで3回洗浄し、風乾し、50 %グリセリンでスライドグラス上に装着した。検査はUV光線下に行った。結果 を次表に表示する。 HPV−11・E7を標的とするオリゴマーの力価 H.無細胞翻訳系抽出物中のE2を標的とするアンチセンスオリゴマーの活性の 証明 Ambion・MegaScriptキットを製造元の指示に従って使用し、 T7RNAポリメラーゼでプラスミドpRc/CMV−11E2を転写してE2 RNAを調製した。 試験管内転写E2mRNAをウサギ網状赤血球溶解物(Promega社)中 で無細胞系で翻訳した。この検定系の各成分の最終濃度は次の通りであった: 無細胞系翻訳を37℃で1時間行い、SDSゲル充填緩衝液の添加および95 ℃で3分間インキュベーションで停止させた。E2の転写は翻訳混合物の分離後 にSDS−PAGE分析およびりん光分析により評価した。E2の翻訳開始コド ンを標的とするオリゴマーの効果を測定するため、試験管内転写E2mRNAを RNaseH0.02または0.04単位/μLの存在下に0.01から10μM 濃度範囲のオリゴヌクレオチドを用いて翻訳した。対照としてCATmRNAを 共翻訳するか、または独立の翻訳反応物中で翻訳した。 次表に示すように、E2の無細胞翻訳系阻害の測定およびCAT対照mRNA に関する特異性の測定は、オリゴマー3170、3233および3234につい て行った。並行研究では、これら末端保護キメラオリゴマーは全ホスホジエステ ル・オリゴマーより特異的であることを示した。 無細胞系検定法によるHPV−11を標的とするオリゴマーの力価 I.無細胞翻訳系抽出物中のE6を標的とするアンチセンスオリゴマーの活性の 証明 Ambion・MegaScriptキットを製造元の指示に従って使用して 、T7RNAポリメラーゼでプラスミドpRc/CMV11−E6/E7を転写 してポリシストロン性E6/E7mRNAを調製した。前記Dの部に記載したよ うに、試験管内転写E6/E7mRNA(50nM)をウサギ網状赤血球溶解物 (Promega社)中で無細胞系で翻訳した。無細胞系翻訳を37℃で1時間 行い、SDSゲル充填緩衝液の添加および95℃で3分間インキュベーションで 停止した。E6の転写は翻訳混合物の分離およびそれに続くSDS−PAGE分 析およびりん光分析により評価した。 E6の翻訳開始コドンを標的とするオリゴマーの効果を測定するため、試験管 内転写E6/E7mRNAを下記オリゴヌクレオチドの存在または不在下に翻訳 した。翻訳はRNaseH0.02または0.04単位/μLの存在下に、濃度0 .01から10μMの範囲のオリゴマーを用いて行った。CATmRNAを、対 照として共翻訳した。次表に示すように、最善の結果はAUG−10を標的とす る20量体キメラメチルホスホネートオリゴマーであるオリゴマー3215−1 で得られた。 化合物3255および3215は次の通り: 以下はキラル的に純粋な2’−O−メチル二量体の合成に有用な化学物質に関 連する一群の実施例である。二量体2種の調製は実施例46および47に記載し 、5’または3’−ホスホロアミダイト単量体いずれかによるP(III)結合 剤化学物質の有用性をさらに例示する。これら2つの実施例は所望のメチルホス ホネート結合を得るためにクメンハイドロペルオキシドまたはカンファースルホ ニルオキサジリジンのいずれかを使用してヌクレオシド間メチルホスホロアミダ イト連結を(保持しつつ)酸化する性能をも証明する。どちらかまたは両方の試 薬を使用してもよいけれども、クメンハイドロペルオキシドに関連する危険がな いので、われわれはカンファースルホニルオキサジリジンの使用を優先する。実 施例48は2’−O−Me−グアノシン−5’−OHの合成を記載するが、これ は他種5’−OHヌクレオシドの調製に適用することのできる一般的方式である 。実施例49はβ−シアノエチル(「CE」)ホスホロアミダイトを持つ2'− O−Me−UC二量体のホスフィチル化を記載する。実施例46 5’−メチルホスホンアミダイト一量体を経由する2’−O−Me,GG(5’ O−DMT,3’O−βCE,N2IBU)MP(Rp)二量体の製造 500mLRBFに2’−O−Me,G(3’O−tBDPS,5’O−OH , N2IBU)30.5g(0.05M)を入れ、これをピリジン1×100mLお よびアセトニトリル(ACN)2×100mLで乾燥した。得られた乾燥泡状物 をアルゴンでロータリーエバポレーターから取り出し、無水ACN300mL、 トリエチルアミン10.5mL(0.075M)1.5当量)で処理した。フラス コをゴム製隔壁で閉じ、クロロ,メチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスフ ィン10.9mL(0.06M、1.2当量)で処理(滴加)した。反応物を一夜 室温で撹拌した。 翌朝にHPLC(Beckman・Gold・RP、Waters・C18・ bondapak;λ254nm,20分、プログラム50/50ACN/0. 1M−TEAAから100%ACNまで)を測定すると反応物は出発物質不含で あった。反応混合物を濃縮し、次にシリカ225g上2%TEA含有酢酸エチル /ヘプタン3:1で精製した。生成物を集め、濃縮して泡状固体25g(67% )を得たが、これはHPLCによれば純度86%であった。この生成物をACN に取り、所期アミダイトの10%溶液とし、これをモレキュラーシーブ(分子篩 )上に貯蔵した。 アルゴンバルーンを頂部に取付けた火炎乾燥500mLRBFにガラス繊維を 入れた滴加濾斗を経由して2’−O−Me,G(5’−アミダイト,3’−tB DPS,N2IBU)の保存溶液100mL(10g、0.013M、1.25当 量)と共に2’−O−Me,G(5’DMT,3’OH,N2IBU)の保存溶 液71.1mL(7.1g、0.011M、1.0当量)を投入した。反応混合物を 次にエチルチオテトラゾール(ETT)30.9mL(ACN中25%重溶液、 5.0当量)で一度に処理し、室温で5分間撹拌し、その後にクメンハイドロペ ルオキシド(2.1mL、工業用、80%)を一度に添加した。5分後に反応を 飽和亜硫酸水素ナトリウム20mLで停止させた。反応混合物をHPLCにより 分析すると1.2/1.0(Sp/Rp)比の二量体86%であった。反応混合物を 次にロータリーエバポレーターに注入し、ACNを除去した。得られた濃縮物を 次にジクロロメタン(DCM)150mLに取り、飽和のNaHCO32×75 mLおよび水1×75mLを使用して洗浄した。水性洗浄液を集め、次にDCM 1×75mLで抽出し、元の有機相と混合し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃 縮して薄コハク色の泡状固体とした。 この泡状固体2’−O−Me,GG(5’DMT,3’tBDPS,N2−i Bu)MP(Rp/Sp)生成物12.6g(0.0094M、1.0当量)をTH F120mLに取り、TBAF14.2mL(THF中1M、0.014M、1. 5当量)で一度に処理し、室温に一夜放置した。翌朝脱シリル化の完了と純度8 4%(44%Spおよび40%Rp)とをHPLCで確認した。反応混合物にシリ カゲル少量を添加し、10分間撹拌後、反応混合物をシリカゲル濾床を入れた溶 融ガラス濾斗を通した。生成物を10%メタノール含有DCM500mLで床か ら溶離した。濾液を濃縮し、DCMに取り、飽和NaHCO32×75mLおよ び食塩水1×75mLを使用して洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濾 過し、濃縮して粘稠な油としたが、これは強いクメンハイドロパーオキシド臭を 有し、14g重量であった。 この油をACNに取って23%重溶液とし、2インチの分取HPLCカラム上 (Beckman・Gold、RP、Kromasil・C18、10u、λ2 95nm、60mL/分、等勾配45%ACNおよび55%H2O)で精製した 。3回実験して純粋なRp画分を集め、濃縮して100%純粋なGG(3’−O H)MP(Rp)二量体3.3gを得た。実施例47 3’−メチルホスホンアミダイト一量体を経由する2’−O−Me,CU(5’ −DMT,3’OH,N4IBU)MP(Rp)二量体の製造 2’−O−Me,DMT保護シチジン50g(0.082M、1.0当量)をピ リジン3×100mLとACN1×100mLとの共蒸発により無水とした。フ ラスコをアルゴンで置換し、これに撹拌棒、ACN500mL、TEA22.7 mL(0.163M、2当量)を入れ、アルゴンバルーンを頂につけた隔壁を装 着した。溶液を20mLプラスチック注射筒を経るCl−MAP19.2mL( 0.11M、1.3当量)で滴加処理し、一夜室温で撹拌した。翌朝反応物をHP LCで検査したが、出発物質は不在であった。反応混合物を濃縮し、シリカゲル 3 00g上2%TEA含有50/50EtOAc/ヘプタンで精製した。溶離液4 Lをカラムに通し、UV陽性物質全部を集め、濃縮して泡状固体(52g、純度 95%(HPLC)、回収84%)とした。この生成物をACNに取って所期の 3’−メチルホスホノアミダイトの10%重溶液とし、この溶液に分子篩を添加 した。 分子篩上で一夜放置後、この保存液100mL(10g、0.013M、1.2 5当量)をU,5’−OH51mL(5.1g、0.01M、1.0当量)の保存 液と共に火炎乾燥500mLRBF中に添加した。滴加濾斗を経由してETT( 67mL、分子篩上ACN中10%溶液、6.7g、0.052M、5.0当量) で一度に処理し、反応物を室温で5分間撹拌した。このホスファイト中間体を次 にカンファースルホニルオキサジリジン(CSO)溶液(分子篩上のACN中1 0%)36mLで5分間酸化した。反応混合物をHPLCで検査すると1.2/ 1.0(Sp/Rp)比の二量体79%であった。反応混合物を濃縮して泡状固体 とし、DCM150mLに取り、実施例46記載のように後処理した。得られた 泡状固体はHPLCによれば二量体89%であって、それ以上の精製なしに脱シ リル化されていた(下記参照)。 泡状固体2’−O−Me,CU(5’ODMT,3’−OtBDPS,N4− IBU)MP(Rp/Sp)二量体をTHF100mLに取り、次にテトラブチル アンモニウムフルオリド12.3mL(THF中1M、0.012M、1.5当量 )で一度に処理した。1時間後、反応をHPLCで検査し、出発物質の消失によ り完了と認めた。反応混合物を濃縮し、シリカゲル(10:1)上、10%メタ ノールを含む3:1EtOAc:DCMで精製した。精製した二量体(8g、1 .5/1.0、Rp/Sp)を次に分取HPLCで精製し、後続2回の実験により 純Rp二量体、3’−OHを3.3g得た。実施例48 DMT保護3’−OHを経由する2’−O−Me,G(5’−OH,3’OtB DPS,N2IBU)の製造 DMT保護2’−O−Me−グアノシンを3×100mLDMFとの共蒸発で 無水にした。泡状固体をロータリーエバポレーターからアルゴンで取り出し、無 水DMF250mLに溶解した。溶液を次にt−ブチルジフェニルシリルクロリ ド15.3g(0.056M、1.5当量)およびイミダゾール10.1g(0.1 5M、4.0当量)で処理し、次に溶液が均質になるまで手動撹拌し、室温に一 夜放置した。翌朝反応をHPLCで検査して出発物質の不在を確認した。反応混 合物を手動で撹拌しながら次に氷水300mL中に注入した。固体をブフナー濾 斗で集め、冷水で洗浄し、次にDCM250mLに溶解し、飽和NaHCO33 ×200mL、水1×100mLを使用して洗浄した。水層を集め、DCM2× 100mLで抽出した。有機層を集め、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮し て泡状固体として、新規にシリル化した生成物35g(理論収率より僅かに多い )を得た。この泡状固体2’−O−Me,G(5’−ODMT,3’OtBDP S,N2IBU)をDCM150mLに溶解し、磁気撹拌しつつベンゼンスルホ ン酸260mL(75/25・DCM/MeOH中0.1M溶液、0.026M、 0.67当量)で一度に処理した。反応が10分間進行した後、5%MeOHの DCM溶液によるTLCは完全な脱シリル化が起きたことを示した。TEA20 mLで反応を直ちに停止させると溶液は濃透明コハク色から透明な薄黄色に変化 した。溶液を濃縮して粘性油とし、次に0.5%MeOH含有DCMと平衡化さ せたシリカゲル250g上に負荷した。遊離のトリチルを同じ溶離液で除去し、 生成物を次に6%MeOH含有DCMで溶離した。生成物含有画分を集め、濃縮 して表記化合物21.8g(HPLCで98.5%純、全収率91%)を得た。実施例49 UC,3’−OHを経由する2’−O−Me,UC(5’−ODMT,N4IB U)−3’CEホスホロアミダイトの製造 2’−O−Me,UC(5’DMT,3’OH,N4IBU)MP(Rp)二量 体980mgをACN3×10mLとの共蒸発で無水にした。得られた乾燥泡状 物を次に無水ACN10mLに取り、続いてこれにTEA325μL(2.32 ミリモル、2.25当量)を添加し、続いて2’−シアノメチル−N,N−ジイ ソプロピルクロロホスホロアミダイト460μL(2.06ミリモル、2.0当量 ) を滴加(1mLガラス注射筒を経て)した。反応物を一夜撹拌し、そこでTLC とHPLCとで反応完了を確認した。反応混合物を濃縮し、1%TEAを含有す る3:1:1のEtOAc:DCM:ACNと平衡させたシリカ30gを含む1 .5×20cmカラムに充填した。生成物を同一物で溶出し、純生成物を含む画 分を集め、濃縮して純アミダイト600mgを得た。 本発明の化合物を利用する医薬的組成物、およびその製剤化方法は当業界で公 知であり、適切な組成物の製剤化技術はさらに米国特許出願08/154013 号および08/154014号に記載されている。同様に本発明の化合物および 組成物を使用する、例えば哺乳類疾患の処置においてなど、適用可能な方法はこ れら出願に開示されており、これらを参考のためにここに引用する。 前掲の実施例および記載には本発明を達成する好適な態様および種々の方法を 記述するが、それらは後記請求項に記述する本発明の範囲についての限定を意図 されているものではない。さらにその上に、前記開示に照らせば本発明はここに 記載したものの合法的均等物である態様および構造の選択肢を複数包含すること が認識されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/233,778 (32)優先日 1994年4月26日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/238,177 (32)優先日 1994年5月4日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,KR,N Z,US (72)発明者 ギアチェッティ,クリスティーナ アメリカ合衆国92075カリフォルニア、ソ ラナ・ビーチ、サンタ・エステラ946番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.標的リボ核酸配列のRNaseHを介する開裂を達成するためのオリゴヌクレ オシド化合物であって、RNaseH−活性化領域と非−RNaseH−活性化領域と を含有し、ここに、 RNaseH−活性化領域は電荷を有するヌクオシド間結合構造によって結合さ れた、少なくとも3つの連続的な2'−非置換ヌクオシドのセグメントを含有し 、 非−RNaseH−活性化領域は少なくとも2つの結合したヌクオシドのセグメ ントを含有し、該非−RNaseH−活性化領域内の結合のうち、少なくとも1つ はキラル的に選択されており、 ここに、オリゴヌクレオシド化合物の塩基配列は標的リボ核酸配列の標的領域 と相補的である。 2.該RNaseH−活性化領域が5〜約9個の連続的に結合したヌクオシドを含 有している、請求項1記載のオリゴヌクレオシド化合物。 3.該RNaseH−活性化領域内の荷電結合構造がホスホジエステル結合、ホス ホロジチオエート結合及びホスホロチオエート結合からなる群から選択されるも のである請求項2記載のオリゴヌクレオシド化合物。 4.該RNaseH−活性化領域内の荷電結合構造のセグメントが少なくとも2つ の異なる荷電結合構造を含む、混合荷電結合配列を含有するものである請求項2 記載のオリゴヌクレオシド化合物。 5.該混合荷電結合配列が、RNaseH−活性化配列内で少なくとも2回繰り返 されている請求項4記載のオリゴヌクレオシド化合物。 6.該RNaseH−活性化領域が複数のホスホロチオエート結合を含有するもの である請求項3記載のオリゴヌクレオシド化合物。 7.非−RNaseH−活性化領域内のキラル的に選択されたヌクレオシドの該セ グメントが、少なくとも4個の結合ヌクレオシドを含有し、さらに複数のRP− 選択された結合構造をも含むものである請求項2記載のオリゴヌクレオシド化合 物。 8.該キラル的に選択されたヌクオシドセグメント中の結合構造の総数の少なく とも約40%がRP結合構造である請求項7記載のオリゴヌクレオシド化合物。 9.該キラル的に選択されたヌクオシドセグメント中の不斉結合構造の少なくと も約75%がRP結合構造である請求項7記載のオリゴヌクレオシド化合物。 10.該キラル的に選択されたヌクオシドセグメント中の不斉結合構造の実質上 全てが、RP結合構造である請求項7記載のオリゴヌクレオシド化合物。 11.該非−RNaseH−活性化領域内のキラル的に選択された結合構造のセグ メントが、少なくとも2つの異なる結合構造であって、少なくとも1つは不斉な 結合構造を含む、混合キラル結合配列を含有するものである請求項7記載のオリ ゴヌクレオシド化合物。 12.該混合キラル結合配列が非−RNaseH−活性化領域内で少なくとも2回 繰り返されている請求項11記載のオリゴヌクレオシド化合物。 13.混合型キラル結合配列中の該異なる結合構造が下記の群: RP−メチルホスホネート結合及びホスホジエステル結合; RP−メチルホスホネート結合及びラセミ形メチルホスホネート結合; RP−メチルホスホネート結合及びホスホロチオエート結合; RP−メチルホスホネート結合及びホスホロジチオエート結合;及び RP−メチルホスホネート結合及びアルキルホスホノチオエート結合 からなる群から選択されるものである請求項11記載のオリゴヌクレオシド化合 物。 14.混合キラル結合配列中の該異なる結合構造が下記の群: 又は上記の混合結合構造において、少なくとも1個のMP又はMP(R)結合構 造が、それぞれMPS又はMPS(R)結合構造、AAP又はAAP(R)結合 構造、又はAAPS又はAAPS(R)結合構造で置換されている混合結合構造 の組合せ からなる群から選択されるものである請求項11記載のオリゴヌクレオシド化合 物。 15.混合キラル結合配列中の該異なる結合構造によって結合しているヌクオシ ドの1方又は両方が2'−置換ヌクオシドである請求項11、13又は14に記 載のオリゴヌクレオシド化合物。 16.混合キラル結合配列中の該異なる結合構造によって結合しているヌクオシ ドの両方が2'−置換ヌクオシドである請求項15記載のオリゴヌクレオシド化 合物。 17.該2'−置換基がアルコキシ、アリルオキシ、ハロ置換基からなる群から 選択されるものである請求項15記載のオリゴヌクレオシド化合物。 18.該2'−置換基がメトキシ置換基である請求項17記載のオリゴヌクレオ シド化合物。 19.該RNaseH活性化領域が化合物の1つの末端部分にあり、該非−RNase H−活性化領域が他の末端部分にある請求項1、7、11、13又は14に記載 のオリゴヌクレオシド化合物。 20.第2の非−RNaseH−活性化領域を含有し、化合物中で該RNaseH−活 性化領域が第1及び第2の非−RNaseH−活性化領域と側面を接している請求 項1、7、11、13又は14に記載のオリゴヌクレオシド化合物。 21.該第2の非−RNaseH−活性化領域が、少なくとも4つの結合したヌク レオシドを含有し、さらに複数のRP−選択された結合構造を含有するものであ る請求項20記載のオリゴヌクレオシド化合物。 22.該第2の非−RNaseH−活性化領域内のヌクオシド間結合構造及び所望 の2'−置換基が、該第1の非−RNaseH−活性化領域について定義されたもの から選択される、請求項21記載のオリゴヌクレオシド化合物。 23.RNaseH−活性化領域と非−RNaseH−活性化領域とを含有する、標的 リボ核酸配列のRNaseHを介する開裂を達成するためのオリゴヌクレオシド化 合物であって、ここに、 RNaseH−活性化領域は電荷を有するヌクオシド間結合構造によって結合さ れた、少なくとも3個の連続的な2'−非置換ヌクオシドのセグメントを含有し 、 非−RNaseH−活性化領域は、(a)ラセミ形の低級アルキルホスホネート 、低級アルキルホスホノチオエート又はアミノ−(低級アルキレン)−ホスホネ ート結合構造及びそれと交互の(b)負の電荷を有するホスフェートエステル、 ホスホロチオエート又はホスホロジチオエート結合構造を含む交互配列を含有す るラセミ形ヌクオシド間結合のセグメントを含有し、 オリゴヌクレオシド化合物の塩基配列は標的リボ核酸配列の標的領域と相補的 である。 24.該RNaseH−活性化領域が5〜約9個の連続的に結合したヌクオシドを 含有するものである請求項23記載のオリゴヌクレオシド化合物。 25.該RNaseH−活性化領域内の電荷を有する結合構造が、ホスホジエステ ル結合、ホスホロジチオエート結合及びホスホロチオエート結合からなる群から 選択されるものである請求項24記載のオリゴヌクレオシド化合物。 26.該RNaseH−活性化領域が複数のホスホロチオエート結合を含有するも のである請求項25記載のオリゴヌクレオシド化合物。 27.該低級アルキル又は低級アルキレン部分がメチル及びメチレンから選択さ れるものである請求項24記載のオリゴヌクレオシド化合物。 28.該負の電荷を有する結合構造がホスホジエステル結合構造である請求項2 4又は27記載のオリゴヌクレオシド化合物。 29.該交互結合構造中に結合した1又はそれ以上のヌクオシドが2'−置換ヌ クオシド残基である請求項24又は27記載のオリゴヌクレオシド化合物。 30.該交互結合配列が2'−置換ホスホジエステルと結合したヌクオシド残基 を含有している請求項29記載のオリゴヌクレオシド化合物。 31.該2'−置換基がアルコキシ、アリルオキシ及びハロ置換基からなる群か ら選択されるものである請求項29記載のオリゴヌクレオシド化合物。 32.該2'−置換基がメトキシ置換基である請求項31記載のオリゴヌクレオ シド化合物。 33.該RNaseH活性化領域が化合物の1つの末端部分にあり、該非−RNase H−活性化領域が化合物の他の末端部分にある請求項23記載のオリゴヌクレオ シド化合物。 34.第2の非−RNaseH−活性化領域を含有し、化合物中で該RNaseH−活 性化領域が第1及び第2の非−RNaseH−活性化領域と側面を接している請求 項23記載のオリゴヌクレオシド化合物。 35.該第2の非−RNaseH−活性化領域内のヌクオシド間結合構造及び所望 の2'−置換基が、該第1の非−RNaseH−活性化領域について定義されたもの から選択される、請求項29記載のオリゴヌクレオシド化合物。 36.該第2の非−RNaseH−活性化領域内のヌクオシド間結合構造が、該第 1の非−RNaseH−活性化領域について定義されたものから選択される、請求 項34記載のオリゴヌクレオシド化合物。 37.該1又はそれ以上の交互結合構造中に結合した1又はそれ以上のヌクオシ ドが2'−置換ヌクオシド残基である請求項36記載のオリゴヌクレオシド化合 物。 38.請求項1又は23に記載のオリゴヌクレオシド化合物の有効量と薬学的に 許容し得る担体とを含有する医薬組成物。 39.細胞又は多細胞生物に請求項1又は23記載のオリゴヌクレオシド化合物 を投与することを含む、該細胞又は多細胞生物おける標的リボ核酸配列の翻訳を 阻害する方法。
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