JPWO2018047262A1 - 映像投射装置の取付け装置とそれを用いた映像投射システム - Google Patents

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Abstract

ユーザによってより好適な映像投射装置の取付け装置またはそれを含めた映像投射システムを提供する。映像光を生成して投射面に投射し、映像を形成する映像投射装置と、映像投射装置を、投射面に対して所望の姿勢となるように、建造物の一部または建造物に備えられた内装の一部に固定して保持するための保持装置とを含む映像投射システムであって、保持装置は、映像投射装置に対して所定の力以上の外力が加わった場合、前記映像投射装置の位置を移動可能とし、かつ、その後、前記映像投射装置がその揺れを抑制して元の位置を自律的に復帰するように構成する。

Description

本発明は、映像投射装置の取付け装置とそれを用いた映像投射システムに関する。
従来、プロジェクタ等の映像投射装置を天井や壁面に取り付けて利用することができる技術が、以下の特許文献1や特許文献2に開示されている。
特許文献1は、プロジェクタの天井への取り付けに関し、特に、天井付近の空気をそのまま導入しても、その内部を十分に冷却することができる構造のプロジェクタおよびプロジェクタの制御方法に関するものである。また、特許文献2は、プロジェクタに接続されたケーブルを極力目立たせることなく、プロジェクタの向きおよび姿勢を調整することが可能な構造のプロジェクタ天吊り装置に関するものである。
特開2009−186648号公報 特開2009−204902号公報
しかしながら、これらの特許文献1と2に開示された装置は、そのいずれも、プロジェクタ(以下、「映像投射装置」とも言う)を天井面に、堅固な構造から成る固定部により取り付け、その後、向き/姿勢調整装置によってその方向や姿勢を調整しながら、映像投射装置を所望の向きに調整することを可能にする。即ち、上述した従来技術においては、例えば、人体が映像投射装置の一部に接触した場合や地震等の場合におけるユーザの安全や装置の破損からの保護、更には、映像投射装置から投射された映像画面の揺れの静止を含めた対策や工夫については一切開示されていなかった。
本発明は、ユーザにとってより好適な映像投射装置の取付け装置またはそれを含めた映像投射システムを提供することをその目的とする。
上記の目的を達成するための一実施の態様として、本発明によれば、映像投射装置が投射面に対して所望の姿勢となるように、建造物の一部または建造物に備えられた内装の一部に固定して保持するための映像投射装置の取付け装置であって、その一部に基準面を形成すると共に、建造物の一部または建造物に備えられた内装に対して固定するための固定部と、その一部に可動面を形成し、その一端が映像投射装置に固定されると共に、その他端が固定部に対して移動可能に取り付けられた可動部と、可動部の可動面が固定部の基準面に対して所定の関係になるような所定の力を付与する手段と、を備えており、映像投射装置に対して所定の力以上の外力が加わった場合には、可動部の可動面が固定部の基準面に対して移動して映像投射装置の位置を移動可能とし、それ以外の場合には、可動部の可動面が固定部の基準面に対して所定の関係を保持しまたは復元するように構成されている映像投射装置の取付け装置が提供される。
また、上記の目的を達成するための他の実施の態様として、映像光を生成して投射面に投射し、映像を形成する映像投射装置と、映像投射装置を、投射面に対して所望の姿勢となるように、建造物の一部または建造物に備えられた内装の一部に固定して保持するための保持装置とを含む映像投射システムであって、保持装置は、映像投射装置に対して所定の力以上の外力が加わった場合、前記映像投射装置の位置を移動可能とし、かつ、その後、前記映像投射装置がその揺れを抑制して元の位置へ自律的に復帰するように構成されている映像投射システムが提供される。
本発明によれば、ユーザにとってより好適な映像投射装置の取付け装置またはそれを含めた映像投射システムを提供できるという優れた効果を発揮する。
本発明の一実施の形態に係る映像投射装置の一般的な使用形態を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る映像投射装置の一般的な使用形態、特に、ポートレート投射機能を行っている形態を示す図である。 本発明の映像投射装置として、ペンダント型と呼ばれる照明機能付き映像投射装置の例を示す図である。 上述した映像投射装置における課題を説明するための概念図である。 本発明の映像投射装置の取付け装置が取り付けられる配線器具の構造の一例を示す下方からの斜視図である。 本発明の実施例1に係る取付け装置を、その固定部と可動部を中心として示す一部拡大斜視図である。 本発明の実施例1に係る取付け装置を、その固定部と可動部を中心として示す断面図である。 本発明の実施例1に係る取付け装置の固定部を示す一部拡大斜視図である。 本発明の実施例1に係る取付け装置の可動部を示す一部側面図、断面図、および、斜視図である。 上記取付け装置の動作を容易に図示するための概念図である。 本発明の実施例2に係る取付け装置の詳細な内部構造を示す断面を含む一部拡大斜視図である。 本発明の実施例2に係る取付け装置の詳細な内部構造を示す断面を含む側面断面図である。 本発明の実施例2に係る取付け装置の固定部の構造を示す上面図および斜視図である。 本発明の実施例2に係る取付け装置の可動部の構造を示す側面図および斜視図である。 本発明の映像投射装置のうち、照明機能付き映像投射装置の内部構造の一例を示す一部断面を含む外観図である。 上記照明機能付き映像投射装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
<映像投射装置または映像投射機能付き照明装置の使用形態>
まず、図1および図2は、映像投射装置の一般的な使用形態(天井への設置)を示している。図1は、建造物内の室内のような空間内において、当該空間内に配置された投射面に対して映像投射装置10が所望の姿勢となるように、建造物の一部または建造物の内装の一部に固定して保持した形態の一例を示している。具体的には、映像投射装置10を天井面50から支持ポール31と取付け部80を介して下方に吊り下げて、室内の壁面51に映像が投射されるように装置を所定の位置に取り付けた形態を示している。図1の例では取り付け対象である建造物の一部または建造物の内装の一部の例として、天井面50の例を示したが、それ以外に壁でもよく、梁でもよく、柱でもよい。その他、内装の一部に映像投射装置10を固定してもよい。これは、以下の全ての実施例において共通である。
当該固定された取付け部80に、保持用の部材(本例では、中空の金属部材からなる「支持ポール」)31を固定し、その先端部に映像投射装置10を固定する例を示している。電源供給部分は省略しているが、映像投射装置10の電源ラインを天井付近のコンセントへ接続して使用するものである。なお、この時、映像投射装置10は、ここでは図示しない調整機構などによって、その投射面が室内の側壁51に対して、その傾斜角度などを含めての所望の位置・姿勢になるように固定・保持されることは当業者であれば明らかであろう。
図2は、映像投射装置10を室内の天井面50から下方に吊り下げて固定し、いわゆる、ポートレート投射と呼ばれる機能を行っている形態を示している。なお、このポートレート投射では、図からも明らかなように、映像投射装置10は、通常は横方向に設置される装置を縦方向に配置すると共に、室内の天井面50と床面52との略中間付近まで降下させた状態で使用されることが多い。また、図1および図2に示した映像投射装置10では、取付け部80や支持ポール31を利用して天井面50に固定された後、所望の映像が投射面上に投射されるように、壁面を含む映像投射面に対する傾斜角度を含めた位置が設定・調整される。
このように、映像投射装置10を天井に固定して使用する場合、特に、ポートレート投射する場合は、設置する支持ポール31が長くなるため、人に当たったり、地震などで大きなG(加速度)がかかり、固定した天井部分等への大きな負荷により、最悪の場合には、天井部分が破損することもある。そこで、本発明では、支持ポール31が接続される取付け部80に衝撃を吸収するダンパ機構を設けることで上述した問題点の解決を図っている。
一方、図3は、上述した映像投射装置と異なり、照明装置内に映像投射機能を搭載した機器であって、特に、天井面に取り付けられる、いわゆる、ペンダント型と呼ばれる照明装置の応用機器(但し、以降は、「照明機能付き映像投射装置10’」とも言う)の一例である。
なお、この例では、映像投射装置10’は、例えば、キッチン、ダイニングルーム、または、居間、オフィス等の空間を構成する天井面50などに取り付けて使用される。より具体的には、図3にも示すように、室内に設置されたテーブルや机60の上方において、照射面であるテーブルの天板の明るさを確保するため、照射面から一定の距離に設置する。また、当該テーブルまたは机60の上面(表示面または投射面)61に様々な映像1を投射して表示する。また、照明機能付き映像投射装置10’への電源供給は、電力ケーブル(図3では支持ポール31’の内側に配置)の先端に取り付けられた接続端子(いわゆる引掛けシーリングプラグ端子)を、取付け部81において、天井面の配線器具70(いわゆる引掛けシーリング)が有する端子に接続することで行われる。
一般にペンダント型の照明装置は、電源ケーブルを利用して設置されるが、同様に照明機能付き映像装置10’を電源ケーブルのみで設置した場合、装置本体が振動したり回転したりして、なかなか静止状態とならない事態が発生し、また、一旦静止状態となっても、その後、人が当たったり、地震が発生した場合には、揺れが再発してしまい、投射した映像が揺れ、見ている人の気分が悪くなる(不快感を与える)。そこで、金属もしくは強度の高い樹脂材などの支持ポール(図3の31’)を利用することにより天井面に対して固定し、これにより振動および回転から防ぐことが考えられる。
以上、説明した2例(映像投射装置10と照明機能付き映像投射装置10’)は電源供給部分を除くと、天井50への固定の仕方はほぼ同様である。
しかしながら、上述した図1および図2に示した映像投射装置10と、図3、図4に示した照明機能付き映像投写装置10’に関しては、強い衝撃が加わった時や地震等で大きな加速度が加わった時には、支持ポール(31、31’)自体が曲がるか、あるいは、天井部分が破損するなどの問題が生じる。また、人の頭が当たったりすると怪我をする場合もある。そこで、本発明では、支持ポールや天井の破損を避けるために、ダンパ機構を有する固定部および支持ポールにより固定して設置することで、画面の不快な揺れを防止・抑制すると共に、衝撃が加わった時の装置の破損や人の怪我などを防止する。
このように、映像投射装置10(特に、図2を参照)やペンダント型の照明機能付き映像投射装置10’(図3を参照)は、いずれの場合においても、映像投射装置10、10’が人体や物に、例えば、ユーザの頭部に接触してしまうことが多く見受けられる。そのため、かかる場合における接触による衝撃からユーザの安全を確保すると共に、当該衝撃による破損から映像投射装置10、10’を保護することが強く求められる。なお、かかる状況は、地震発生の際にも同様に発生する。
<映像投射装置のための安全システム>
かかる課題に対して、本発明の映像投射装置10や映像投射装置10’では、映像投射装置10’を保持する取付け部80、81に弾性体などを用いた衝撃吸収機構を組み込むこととする。具体的には、ここでは、上記図3の映像投射装置10’の場合についてのみ示すが、支持ポール31’が固定される取付け部81内に衝撃吸収用のダンパ(例えば、バネ等)を組み込んで、衝突や接触の際の衝撃を吸収するものである。
これによれば、図4にもその一例を示すように、金属もしくは強度の高い樹脂材などの剛体からなる支持ポール31’を利用することにより、映像投射装置を天井面に対して固定して取り付け、これにより、設置時や通常使用の際における装置の振動や回転を防止することが可能となる。更には、衝突や接触等により映像投射装置10’が衝撃を受けると、支持ポール31’は、衝撃吸収用ダンパの働きにより、加わる衝撃に応答してその位置を天井面50に固定された取付け部81に対して移動する(即ち、傾斜する)。これにより、衝撃を吸収および/または緩和してユーザの安全を確保すると共に、映像投射装置10’を破損から保護する。その後、支持ポール31’は、ダンパの働きにより、その振動が吸収され、再び、元の位置に戻ろうとする。
しかしながら、図4に示すように、振動吸収のみ重視したダンパ機能においては、映像投射装置10’が正常な位置からずれ、映像が予め設定された所望の位置から外れた位置に歪んで(または、変形して)投射されてしまい、振動が停止した後、再度、映像投射装置10’の位置調整が必要となってしまう。
このように、照明機能付き映像投射装置10’では、装置の振動や回転により、当該装置により投射される映像の位置、大きさ、歪などが、大きく影響されてしまい、また、ユーザは、映像投射装置10’が衝突した後に復帰したとしても、再度、予め設定した位置に設定し直す必要があり、ユーザにとっては面倒な作業であった。これは、図1および図2に示した映像投射装置10においても同様である。
即ち、所望の映像を拡大して投射する映像投射装置10、および照明機能付き映像投射装置10’では、その取り付け装置である天井吊り下げ装置にとって、(1)投射された画面の揺れを抑制して速やかに静止されること(揺れる映像を見ている人への不快・不安感を防止する)、(2)人体などの衝突や接触に対しても、映像投射装置を破損から保護すると共に、ユーザの安全を確保すること、そして、(3)投射面に対する位置ずれをも含め、振動後の映像投射装置を、映像投射装置の揺れを抑制して、投射面への投射状態を速やかに予め設定した元の位置に戻すことが重要である。
そこで、本発明では、上述した問題点を解消し、即ち、照明機能付き映像投射装置10’を天井面50から下方に吊り下げて固定して保持することが可能であり、かつ、映像投射装置10’への衝撃に対しても、ユーザの安全の確保と装置の破損からの保護を可能とすると共に、更に、衝突後においても、映像投射装置10’がその揺れを抑制しながら、速やかに自律的に予め設定した位置に戻ることを可能とする。このことにより、ユーザにとって面倒な位置の再度設定の必要のない、実用的にも便利で、優れた天井吊り下げ装置を提案するものである。そして、更には、天井吊り下げ装置である取付け装置を含めた映像投射装置のための安全システムを実現するものである。
続いて、上述した取付け装置の詳細について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
(実施例1)
まず、図5は、天井吊り下げ装置が取り付けられる配線器具70の一例を示している。当該配線器具70は、予め/または必要に応じ、天井面50に固定して取り付けられ、その円盤状の本体71の底面72の中央部には、電源を供給するための一対の端子部73が設けられた開口部74が形成されており、必要な場合には、当該開口部74内に装置側のプラグなどを差し込むことにより電源が映像投射装置10’に供給される。更に、この配線器具70の外周部には、ねじ穴が設けられた一対のフック金具75が設けられており、本実施例では、これら一対のフック金具75を利用して、天井吊り下げ装置を天井面50に対して固定して取り付ける。
次に、図6および図7は、本発明の一実施の形態に係る取付け装置(図1〜4における取付け部80、取付け部81に対応する)の詳細を、それを構成する固定部20と可動部30を中心として一部拡大斜視図と断面図により示している。また、図8および図9は、これら固定部20と可動部30を、それぞれ、示している。
なお、この固定部20は、これらの図からも明らかなように、例えば、円盤状の外形を有する金属製の部材であり、その底面を上記配線器具70の底面72へ当接すると共に、ネジ21によって固定されている。即ち、固定部20は、天井面50に対して固定して取り付けられる。
また、この固定部20の底面には、下方に向かって突出する3本の棒状部材22が設けられている。なお、これら3本の棒状部材22は、本例では、互いに同じ長さを有しており、その端部(下端)には、リング状の留め部材23を固定するためのネジ溝(図示せず)が形成されている。更に、これら3本の棒状部材22の周囲には、それぞれ、以下にも詳述する復帰用の押圧バネ24が設けられており、これらの押圧バネ24は、上記固定部20の底面とリング状の留め部材23との間に保持される(特に、図8を参照)。
一方、可動部30は、本例では、例えば、三角状の外形を有する金属製の部材から構成されおり、その底面には、上述した映像投射装置の吊り下げ部材である中空状の支持ポール31が、ネジ32等を介して固定されている。より正確には、可動部30の底面に支持ポール保持部材34がネジ32により固定され、支持ポール保持部材34の一端に設けられたネジ部に大径ネジ35が嵌合し、もって、支持ポール31を可動部30に固定する。その結果、これら可動部30と支持ポール31とは一体となっている。あるいは、支持ポール31の上端には上記三角形状の可動部30が鍔状に取り付けられた構造となっている(特に、図9を参照)。また、三角形状の可動部30の各角部には、それぞれ、開口部33が形成されている。
そして、これらの固定部20と可動部30は、図6に示すように、互いに、上述した3本の復帰用押圧バネ24を間に挟んで組み立てられている。より詳細には、固定部20の底面から下方に延びた3本の棒状部材22を、各々、押圧バネ24を所定量圧縮して取り付けた状態で、三角形状の可動部30の各角部に設けた開口部33を貫通させた後、リング状の留め部材23をネジ止めする。また、図7における符号40は、上記固定部20と可動部30を取り囲んで形成されたケーシング部材であり、また、符号76は、上記配線器具70からの商用電源を、天井吊り下げ装置に取り付けられた映像投射装置へ供給するため、支持ポール31の内部に収納されたケーブルを示す。なお、ケーブルを収納することのメリットとしては、例えば、衝撃吸収の動作時に経路長の変化を少なくすることができるため、衝撃吸収の動作を妨げない、更には、ケーブルの保護などが挙げられる。
以上に詳述した本実施の形態に係る取付け装置によれば、図7や図10の概念図にも示すように、固定部20は、天井面50に対して配線器具70を介して固定されて取り付けられていることから、当該固定部20の底面から下方に延びた3本の棒状部材22の端部(下端)は、上記天井面50に対して固定された平面(以下、「基準面」とも言う)を形成する。換言すれば、固定部20は、可動部30と共に、鉛直方向の位置決め部と共に、回転方向の位置決め部を形成しており、これにより、その鉛直方向および回転方向の移動を規制する。このことにより、映像投射装置の揺れを抑制しながら、可動部30のより迅速な元の位置への自律的な復帰を可能にしている。
他方、可動部30は、上記押圧バネ24により下方に押されて3本の棒状部材22の端部(下端)で停止されることから、可動部30の三角形状の面(「移動面」とも言う)は、上述した基準面に対して平行な面に沿って配置されることとなる。なお、上記の説明では、可動部30の三角形状の移動面は、基準面に対して平行な面に沿って配置されるものと述べたが、しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、例えば、棒状部材の端部のリング状留め部材の位置を調整することで、「基準面」に対する「移動面」の傾きを可変とすることも可能である。
そして、可動部30は、所定量以下の外力、例えば風などの場合は、押圧バネ24により不用意に移動することはない。他方、所定量以上の外力、例えば、人体や物等の映像投射装置への接触や地震等により衝撃が発生した場合には、可動部30(可動面)は、上記押圧バネ24に抗して移動し、その底面に固定された支持ポール31を移動可能にする(即ち、傾斜する)。ケーシング部材40の開口部41は、支持ポール31の移動範囲よりも大きいため、可動部30の移動を妨げることがなく、またケーシング部材40を破損することもない。これにより、衝撃を吸収および/または緩和してユーザの安全を確保すると共に、映像投射装置を破損から保護する。
その後、本実施の形態(実施例1)に係る取付け装置によれば、可動部30の可動面は、上記押圧バネ24の働きによって押し戻されるが、その際、固定部20の3本の棒状部材22の端部(下端:基準面を形成)で停止される。このことから、可動部30の可動面は、映像投射装置の揺れを抑制しながら、上述した鉛直方向の位置決め部や回転方向の位置決め部の働きなどによって、速やかに、再度、基準面またはそれに対して平行な面に戻る。即ち、元の設定位置に復帰することが可能となる。
このように、本実施の形態(実施例1)に係る取付け装置によれば、映像投射装置10’への衝撃に対しても、ユーザの安全の確保や装置の破損からの保護が可能であり、衝突後においても、映像投射装置の揺れを抑制しながら、映像投射装置の元の設定位置への速やかな自律的復帰が可能となり、面倒な位置の再度設定をする必要もなく、ユーザにとっては非常に便利である。
(実施例2)
続いて、本発明の他の実施の形態(実施例2)に係る取付け装置について、図11〜図14を参照しながら詳細に説明する。なお、この他の実施の形態(実施例2)では、例えば、配線器具70の底面72へ当接して取り付けることによって天井面50に対して固定した固定部20は、上記と同様に、円盤状の外形を有する金属製の部材により構成されると共に、円筒状部材25を備えている。なお、この円筒状部材25の底面26の一部に開口部27が形成されている。また、この円筒状部材25の上端には鍔状部28が形成されており、上記と同様に、この鍔状部28を固定部20へ当接して、例えば、ここでは図示しないネジ21等によって固定される。
また、この円筒状部材25の底面26には、上記実施例1における3本の棒状部材に替えて、特に、図13および図14から明らかなように、3個の着座部材29がネジ291等により固定されている。なお、符号292は、着座部材29と一体に形成されたガイド部を示している。
一方、可動部30は、上記実施例1の三角状の金属製部材に替えて、本例では、特に、図14から明らかなように、3本の棒状部材34を支持ポール31の端(上端)部に一体に取り付けることにより形成されている。
そして、図11および図12に示すように、可動部30は、一体に取り付けた支持ポール31を、固定部20の円筒状部材25の底面26に形成された開口部27内に挿入した状態で、その上端部に取り付けた3本の棒状部材34が、円筒状部材25の底面26に形成された3か所の突起部251により鉛直方向の位置決めをされ、着座部材29のガイド部292により回転方向の位置決めがされる。更に、その上には、実施例1の3本の押圧バネ24に替えて、1本の押圧バネ24’が取り付けられて、固定部20を構成する円盤状の部材との間に取り付けられ、棒状部材34を、ひいては可動部30を、円筒状部材25に押圧する。
上述した実施例2に係る取付け装置の構成によれば、上記の図10により説明したと同様に、固定部20を構成する円筒状部材25の3個の突起部251が、天井面50に対して固定された平面である基準面を形成している。他方、可動部30では、支持ポール31の上端に固定された3本の棒状部材34は、1本の押圧バネ24’により下方に押されていることから、3個の突起部251の位置で停止し、基準面またはそれに対して平行な面に位置することとなる。
そして、人体や物などの映像投射装置への接触や地震等により映像投射装置10’に衝撃が発生した場合には、可動部30は、上記1本の押圧バネ24’に抗して移動することにより、その底面に固定された支持ポール31を移動可能にする(即ち、傾斜する)。これにより、衝撃を吸収および/または緩和してユーザの安全を確保すると共に、映像投射装置を破損から保護する。
その後、この実施例2に係る取付け装置によれば、上記と同様に、その可動部30は、上記1本の押圧バネ24’の働きによって押し戻され、3個の突起部251および着座部材29の位置で停止する。これにより、可動部30は、映像投射装置の揺れを抑制しながら、上述した鉛直方向の位置決め部や回転方向の位置決め部の働きなどによって、速やかに、再度、基準面またはそれに対して平行な面に戻り、元の設定位置に復帰することが可能となる。
即ち、この実施例2に係る取付け装置も、上記と同様に、映像投射装置10’への衝撃に対してユーザの安全の確保や装置の破損からの保護が可能であり、衝突後においても、映像投射装置の揺れを抑制しながら、映像投射装置の元の設定位置への速やかな自律的復帰が可能となり、面倒な位置の再度設定の必要もなく、ユーザにとっては非常に便利である。
続いて、図15により、上述した映像投射装置のうち、代表的な図3に示した照明装置に映像投射機能を搭載した照明機能付き映像投射装置10’の内部構造の一例を示す。
図からも明らかなように、シェード110の内部には、組込み台を構成する保持部材200がT形状に配置されており、上記照明装置10の主要な構造物や部品は、当該保持部材200に固定される構成となっている。即ち、当該保持部材200には、光学ユニット部300が搭載されると共に、その下端部付近には、環状に形成されたアルミ放熱板410の表面にやはり環状に形成されたLED基板420を重ね、かつ、その基板表面に複数の照明用LED430を配列した、いわゆる、照明用LED400が、水平に取り付けられている。当該照明用LEDの発光素子が本照明装置の照明光光源である。また、シェード110の下端部には、照明光の拡散板を含んだ照明カバー130が取り付けられている。
保持部材200の表面には、複数本のロッドや突起部(図示せず)が取り付けられ、その上部には、回路基板240や電源部500などが取り付けられている。また、スピーカー700も同様にして取り付けられている。
更に、上記保持部材200の上端部には、上述した配線器具70からの電源を供給する外部電源ケーブル76(ここでは図示しない)が取り付けられ、更に、その外周面にルーバ650を形成した上部カバー660が取り付けられている。その下方には、ここでは図示しないが、例えば、円盤形状の金属板からなるファンブラケットが水平に取り付けられており、その上面には、例えば、軸流ファンや電動モータからなる送風手段であるファン600が取り付けられており、これらにより、シェード110内の空気を、ルーバ650を介して外部に放出するための冷却機構を構成している。
また、上記保持部材200の他の面には、ヒートパイプ710を介してヒートシンク700が取り付けられており、光学ユニット部300が発生する熱をシェード110内部の空気流に伝達して必要な放熱を図っている。
図16は、上述した照明機能付き映像投射装置10’の回路構成の一例を示すブロック図である。
この図からも明らかなように、映像投射装置10’は、概略すると、電源を必要なACまたはDC電力に変換するAC/DC電源500と、照明機能を実現するための照明部200と、そして、映像投射装置として光学ユニット部300とから構成されている。
照明部200は、その外部から(例えば、以下にも述べる光学ユニット部300のマイコン1730等から)の制御信号を入力して駆動電流を制御するLEDドライバ440を備えており、これにより、LED基板420の表面に配置された照明用のLED430は、当該LEDドライバ440から供給される電流により、適宜、駆動される。
光学ユニット部300は、ここでは図示しない操作信号入力部から操作ボタンやリモコン等を介してユーザからの操作信号を入力して、各種の制御信号を出力するマイコン1703を含んでおり、当該マイコン1703からの制御信号の1つは、上述した照明部200へ出力されると共に、光学ユニット部300を構成するパネルドライバ1712や光源駆動部1717、更には、音声処理部2405へ出力される。パネルドライバ1712は、パネル制御信号に基づいて、LCDやDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)等から構成されるパネル1713上に表示される映像を制御すると共に、光源制御信号は、光源駆動部1717を介して、映像投射機の光源を構成するLED光源1716を駆動・制御し、レンズやミラーを含む照明光学系1715を介して照明光をパネル1713上に照射する。これにより、照明光学系1715からの照明光は、パネル1713により変調されて映像光となり、投射レンズやミラーを含む投射光学系1714を介して設定された投射面上に投射される。また、音声信号も、同様に、音声処理部2405により変換されたてスピーカー2406に供給されて音声として出力される。
以上説明したように、光学ユニット部300には様々な機能を載せることが可能であるが、しかしながら、必ずしも上述した構成の全てを有する必要はなく、基本的には、映像を投射する機能がある構成であればよい。
上述した本発明の各実施例の映像投射装置の取付け装置とそれを含めた映像投射システムによれば、人体が映像投射装置の一部に接触した場合や地震等の場合においても、映像投射装置やユーザをその衝撃から保護すると共に、その際に生じる映像投射装置から投射された映像画面の望ましくない揺れを速やかに静止して当該装置を元の姿勢に戻すことができ、これは、ユーザにとって安全かつ安心な映像投射システムとそのための映像投射装置の取付け装置と言える。即ち、本発明によれば、ユーザによってより好適な映像投射装置の取付け装置またはそれを含めた映像投射システムを提供できる。
以上、本発明の種々の実施例に係る映像投射装置の取付け装置とそれを含めた映像投射装置のシステムについて述べた。しかしながら、本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…映像投射装置、10’…照明機能付き映像投射装置、50…天井面、20…固定部、30…可動部、22…棒状部材、23…リング状の留め部材、24、24’…押圧バネ、25…円筒状部材、29…着座部材、31…支持ポール、33…開口部、34…棒状部材。

Claims (17)

  1. 映像投射装置が投射面に対して所望の姿勢となるように、建造物の一部または前記建造物に備えられた内装の一部に固定して保持するための映像投射装置の取付け装置であって、
    その一部に基準面を形成すると共に、前記建造物の一部または前記建造物に備えられた内装に対して固定するための固定部と、
    その一部に可動面を形成し、その一端が前記映像投射装置に固定されると共に、その他端が前記固定部に対して移動可能に取り付けられた可動部と、
    前記可動部の可動面が前記固定部の基準面に対して所定の関係になるような所定の力を付与する手段と、を備えており、
    前記映像投射装置に対して前記所定の力以上の外力が加わった場合には、前記可動部の可動面が前記固定部の基準面に対して移動して前記映像投射装置の位置を移動可能とし、それ以外の場合には、前記可動部の可動面が前記固定部の基準面に対して前記所定の関係を保持しまたは復元するように構成されている、映像投射装置の取付け装置。
  2. 請求項1に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記固定部は、前記可動部に対する位置決め手段を有しており、当該位置決め手段は、前記固定部の基準面に対する前記可動部の位置を一意的に定めるように構成されている、映像投射装置の取付け装置。
  3. 請求項1に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記固定部は、前記可動部に対して、鉛直方向の位置決め部と回転方向の位置決め部とを備えている、映像投射装置の取付け装置。
  4. 請求項1に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記固定部は、前記建造物の一部または前記建造物に備えられた内装に取り付けられた配線器具に固定されている、映像投射装置の取付け装置。
  5. 請求項4に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記固定部は、前記配線器具の一対のフック金具を利用して固定されている、映像投射装置の取付け装置。
  6. 請求項1に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記所定の力の付与手段は、押圧バネにより構成されている、映像投射装置の取付け装置。
  7. 請求項1に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記固定部は、その底面から下方に向かって突出する少なくとも3本の棒状部材の先端部により前記基準面を形成しており、かつ、前記可動部の前記可動面を形成する一部は、当該少なくとも3本の棒状部材に対して移動可能に取り付けられている板状の部材により形成されている、映像投射装置の取付け装置。
  8. 請求項7に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記所定の力の付与手段は、前記少なくとも3本の棒状部材にそれぞれ取り付けられた少なくとも3本のバネにより構成されている、映像投射装置の取付け装置。
  9. 請求項6に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記固定部は、その内部に固定して設けられた少なくとも3個の着座部材により前記基準面を形成しており、かつ、前記可動部の前記可動面を形成する一部は、当該3個の着座部材に対して移動可能に取り付けられている少なくとも3本の棒状部材により形成されている、映像投射装置の取付け装置。
  10. 請求項9に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記押圧力の付与手段は、前記固定部と前記少なくとも3個の着座部材の間に前記可動部の少なくとも3本の棒状部材を挟んで、前記少なくとも3個の着座部材の周囲に取り付けられた1本のバネにより構成されている、映像投射装置の取付け装置。
  11. 請求項1に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記建造物の一部または建造物に備えられた内装の一部は天井面であって、前記取付け装置は、前記映像投射装置を前記天井面から吊り下げた状態で固定する、映像投射装置の取付け装置。
  12. 請求項11に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記取付け装置の前記固定部は、前記天井面に固定されている、映像投射装置の取付け装置。
  13. 請求項12に記載の映像投射装置の取付け装置において、
    前記取付け装置の前記固定部は、前記天井面に設けられた配線装置を利用して固定されている、映像投射装置の取付け装置。
  14. 映像光を生成して投射面に投射し、映像を形成する映像投射装置と、
    前記映像投射装置を、前記投射面に対して所望の姿勢となるように、建造物の一部または建造物に備えられた内装の一部に固定して保持するための保持装置とを含む映像投射システムであって、
    前記保持装置は、前記映像投射装置に対して所定の力以上の外力が加わった場合、前記映像投射装置の位置を移動可能とし、かつ、その後、前記映像投射装置がその揺れを抑制して元の位置を自律的に復帰するように構成されている、映像投射システム。
  15. 請求項14に記載の映像投射システムにおいて、
    前記保持装置は、前記映像投射装置が移動する際、その鉛直方向と回転方向の移動を規制する規制手段を備えている、映像投射システム。
  16. 請求項14に記載の映像投射システムにおいて、
    前記映像投射装置は、更に、照明機能を備えている、映像投射システム。
  17. 請求項14または15に記載の映像投射システムにおいて、
    前記保持装置は、
    その一部に基準面を形成すると共に、前記建造物の一部または建造物に備えられた内装の一部に固定するための固定部と、
    その一部に可動面を形成し、その一端が前記映像投射装置に固定されると共に、その他端が前記固定部に対して移動可能に取り付けられた可動部と、
    前記可動部の可動面が前記固定部の基準面に対して所定の関係になるような所定の力を付与する手段と、を備えており、
    前記映像投射装置に対して前記所定の力以上の外力が加わった場合には、前記可動部の可動面が前記固定部の基準面に対して移動して映像投射装置の位置を移動可能とし、それ以外の場合には、前記可動部の可動面が前記固定部の基準面に対して前記所定の関係を保持するように構成されている、映像投射システム。
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