JPWO2018043519A1 - ブレーキシステム、車両および隊列走行車両群 - Google Patents

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Abstract

ブレーキシステム(15)は、自動運転制御手段(67)または入力手段(64)からブレーキ入力量を受け取ってブレーキ手段の流体圧を調節した場合、車両(10)の実際の減速度とブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度とを確認し、実際の減速度と目標減速度との関係に基づいた値が予め設定された閾値を超えていれば又は閾値以上になっていれば、ブレーキ手段(50)の流体圧をさらに調節する。ここで、自動運転制御手段(67)から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値は、入力手段(64)から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値よりも、小さい。

Description

本発明は、自動運転と通常運転との両方が可能な車両に用いられるブレーキシステムに関する。また、本発明は、ブレーキシステムを備えた車両、および、当該車両を備える隊列走行車両群に関する。
近年、例えば複数の車両が隊列を組んで走行する際に先頭車両に自動で追随可能な車両等、車両を自動で制御する自動運転が可能な車両が知られている。このような車両は、例えば特許第3237451号公報に開示されているように、先頭車両から加速、減速、制動に関する情報を取得し、これらに基づいて自動でアクセル操作やブレーキ操作の制御がなされている。
ところで、車両に与えられるブレーキ入力量(ブレーキ手段の動作量)と車両の実際の減速度との関係は、当該車両が走行する環境や車両状態によって異なる。例えば、車両が走行する路面が乾いている場合と濡れている場合とでは、車両に同じブレーキ入力量を与えても当該車両の実際の減速度は異なってしまう。また、車両の積み荷の重さによっても、同じブレーキ入力量に対する当該車両の実際の減速度は異なってしまう。
ここで、自動運転で隊列走行をしているような車両の場合、車両に与えられるブレーキ入力量は、先頭車両から得た情報に基づいて画一的に決定される。しかし、このような場合、車両に与えたブレーキ入力量と当該ブレーキ入力量によって実現される実際の減速度との関係は一定ではなく、実際の減速度が目標とする減速度と大きく異なってしまうことがある。
一方、人が操作して車両を運転する通常運転の場合、車両に与えられるブレーキ入力量は、車両を運転する人が走行環境や車両状態の変化を感知して調整される。しかしながら、この場合であっても、走行環境や車両状態の変化に応じたブレーキ入力量の調整が適当になされるとは限らず、実際の減速度が目標とする減速度と大きく異なってしまうことがある。また、走行環境や車両状態の変化を常に感知しながら運転を行うことは煩雑であり、運転の快適性という観点から問題がある。
したがって、自動運転および通常運転の両方の場合において、走行環境や車両状態が変化しても、車両にブレーキ入力量が与えられた際、当該ブレーキ入力量から期待される目標減速度に近い減速度で減速可能な車両の実現が望まれる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、自動運転および通常運転の両方の場合において、走行環境や車両状態が変化しても、車両にブレーキ入力量が与えられた際、当該車両の制動が当該ブレーキ入力量から期待される目標減速度と実際の減速度との差が抑制されるように制御される車両を提供することを目的とする。
本発明によるブレーキシステムは、
車両を自動で制御する自動運転と人が操作して車両を運転する通常運転との両方が可能な車両に用いられるブレーキシステムであって、
管路と、前記管路内の流体圧により動作するシューと、を有するブレーキ手段と、
人が操作することでブレーキ入力量を入力可能な入力手段と、
ブレーキ入力量を自動入力する自動運転制御手段と、
前記入力手段および前記自動運転制御手段から入力されたブレーキ入力量に応じて前記管路内の前記流体圧を調節するブレーキ制御手段と、を備え、
前記ブレーキ制御手段は、前記ブレーキ入力量を受け取って前記流体圧を調節した場合、前記車両の実際の減速度と前記ブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度とを確認し、前記実際の減速度と前記目標減速度との関係に基づいた値が予め設定された閾値を超えていれば又は閾値以上になっていれば、前記流体圧をさらに調節し、
前記自動運転制御手段から入力されたブレーキ入力量に対して適用される前記閾値は、前記入力手段から入力されたブレーキ入力量に対して適用される前記閾値よりも、小さい。
前記ブレーキ制御手段は、前記ブレーキ入力量と前記流体圧との予め設定された関係に関する情報を有し、前記ブレーキ入力量が入力された際には、前記情報に基づいて受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧を決定し、前記管路内の流体圧を前記目標流体圧に調節するようにしてもよい。
前記ブレーキ制御手段は、前記実際の減速度と前記目標減速度との関係に基づいた前記値が予め設定された閾値を超えていた場合又は閾値以上となっていた場合、前記ブレーキ入力量と前記流体圧との前記予め設定された関係を修正して得られた修正後の関係に基づき、受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧を決定するようにしてもよい。
本発明による車両は、
自動運転と通常運転の両方が可能な車両であって、
上述のブレーキシステムを備える。
本発明による隊列走行車両群は、
先頭車両と、
前記先頭車両を追従する後続車両と、を備え、
前記後続車両は、上述の車両である。
本発明によれば、走行環境や車両状態が変化しても、車両にブレーキ入力量が入力された場合、当該車両の制動は、当該ブレーキ入力量から期待される目標減速度と実際の減速度との差が一定範囲内となるように制御され得る。
本発明の一実施の形態を説明する図であって、隊列走行車両群を示す図。 本発明の一実施の形態を説明する図であって、車両の全体的な構成を示すブロック図である。 ブレーキ入力量と流体圧との予め設定された関係の一例を示す図。 ブレーキ入力量と目標減速度との予め設定された関係の一例を示す図。 ブレーキ入力量に対する目標減速度と下限の減速度と上限の減速度との関係の一例を示す図。 ブレーキ入力量に対する目標減速度と下限の減速度と上限の減速度との関係の他の一例を示す図。 修正条件の作成方法を示す図。 ブレーキ制御手段における流体圧の制御方法を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明による隊列走行車両群の一実施の形態を説明するための図であり、図2は、図1の隊列走行車両群において先頭車両に追随する後続車両として使用される車両の全体的な構成を示すブロック図である。
本実施の形態の隊列走行車両群1は、手動運転または自動運転される先頭車両5と、先頭車両5を追従する後続車両10と、を含んでいる。図1に示す例においては、隊列走行車両群1は、一台の後続車両10を含んでいるが、複数の後続車両10を含んでいてもよい。
隊列走行車両群1に含まれる後続車両10は、車両10を自動で制御する自動運転と、人が操作して車両10を運転する通常運転と、の両方が可能な車両10である。先頭車両5および後続車両10は、それぞれ、車両5,10間で車間通信を行うための通信機器105,110を有しており、先頭車両5は通信機器105を通じて後続車両10の自動運転の制御に必要な情報を発することができるようになっている。また、後続車両10は、通信機器110を通じて通信機器105から発せられた情報を取得することができるようになっている。ここで、通信機器105から発せられる後続車両10の自動運転の制御に必要な情報とは、例えば、目標操舵角度、目標加速度、目標減速度等である。
以下、図2を参照して、車両10の構成について、より詳細に説明する。本実施の形態の車両10は、図2に示すように、ブレーキシステム15と、一対の前輪20aおよび一対の後輪20bを含む車輪20と、エンジンやモータを含む動力部30と、車両10の目標加速度を決定するアクセル量入力手段35と、前輪20aおよび/または後輪20bの向きを変えて車両10の進行方向を変えるための操舵手段40と、各車輪20の回転速度を検出して車両10の実際の走行速度や加速度、減速度に関する情報を取得する回転速度センサ70と、を有している。
アクセル量入力手段35は、人が操作して車両10を運転する通常運転の際に、車両10の所望の加速度に対応して車両10の目標加速度を決定する手段である。アクセル量入力手段35は、本実施の形態では、人が操作して所望のアクセル量を入力するアクセルペダル35aと、当該アクセルペダル35aの踏角、すなわち人によって入力されたアクセル入力量、を検出するアクセル量検出センサ35bと、を含む。
操舵手段40は、車両10の進行方向の所望の変更に対応して所望の操舵角度で車両10を操舵するための手段である。操舵手段40は、本実施の形態では、人が所望の操舵入力量を入力するための操舵量入力手段41と、操舵量入力手段41から入力された操舵入力量を検出し、操舵入力量に基づいて前輪20aおよび/または後輪20bの角度Rを変更する操舵アクチュエータ42を含んでいる。操舵アクチュエータ42は、前輪20aおよび/または後輪20bに接続されたロッド21上に配設されており、当該ロッド21を操作することにより前輪20aおよび/または後輪20bの角度Rを変更することができるようになっている。ここで、前輪20aおよび/または後輪20bの角度Rとは、車両10を平面視で見た場合に、車両10の幅方向に垂直な面に平行な平面P1と、前輪20aおよび/または後輪20bの回転軸に垂直な面P2と、がなす角度のことである。
ブレーキシステム15は、各車輪20に設けられたブレーキ手段50と、通常運転の際に人が所望のブレーキ入力量を入力するためのブレーキ量入力手段64と、自動運転の際にブレーキ入力量を自動入力する自動運転制御手段67と、ブレーキ量入力手段64および自動制御手段67から入力されたブレーキ入力量に応じてブレーキ手段50を駆動するブレーキ制御手段60と、を備えている。
ブレーキ手段50は、各車輪20に設けられており、各車輪20の回転を摩擦抵抗により低減するものである。ブレーキ手段50は、本実施の形態においては、流体圧により駆動して車両10を制動する流体圧ブレーキであって、管路53と、管路53内の流体圧により動作するシュー52と、を有している。
より詳細には、各ブレーキ手段50は、ブレーキアクチュエータ51と、シュー52と、一方の端部がブレーキアクチュエータ51に接続され、他方の端部がブレーキ制御手段60に接続されたアクチュエータ駆動管路53と、を含んでいる。ブレーキアクチュエータ51は、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧によって駆動して、対応するシュー52を対応する車輪20に対して押しつけるようになっている。
ブレーキ量入力手段64は、人が操作して車両10を運転する通常運転の際に、人が操作して所望のブレーキ入力量を入力する手段である。ブレーキ量入力手段64は、本実施の形態では、ブレーキペダル64aと、当該ブレーキペダル64aの踏角、すなわち人によって入力されたブレーキ入力量、を検出するブレーキ入力量検出センサ64bと、を含む。
自動運転制御手段67は、通信機器110により取得した情報に基づいて、車両10の自動運転の制御を行うものである。具体的には、通信機器110により取得した情報に基づいて、操舵入力量や、アクセル入力量、ブレーキ入力量等を自動入力するようになっている。
ブレーキ制御手段60は、ブレーキ量入力手段64および自動制御手段67から入力されたブレーキ入力量に応じてアクチュエータ駆動管路53内の流体圧を調節するものである。ブレーキ制御手段60は、流体タンク61と、アクチュエータ駆動管路53に入力される流体圧を制御してブレーキ手段50を制御する通常ブレーキ制御手段65および自動ブレーキ制御手段66と、を含んでいる。
流体タンク61は、エンジンで駆動される図示しないコンプレッサにより圧縮流体、例えば圧縮空気、を蓄えるものであり、この流体タンク61内の流体圧は、所定圧に保持されている。
通常ブレーキ制御手段65は、ブレーキ量入力手段64から入力されたブレーキ入力量に応じて、流体タンク61からアクチュエータ駆動管路53に入力される流体圧を調節するものである。通常ブレーキ制御手段65は、一方の端部が流体タンク61に接続され、他方の端部がアクチュエータ駆動管路53に接続された第1流体管路65aと、第1流体管路65a上に配置され、開閉動作を行うことにより第1流体管路65aを介して流体タンク61とアクチュエータ駆動管路53とを連通あるいは遮断させる第1調整弁65bと、第1調整弁65bの開閉を制御する第1調整弁制御手段65cと、を含んでいる。
第1調整弁65bは、通常、第1調整弁制御手段65cからの入力が無い限り、閉鎖されている。第1調整弁65bとしては、ソレノイドバルブ等、公知の調整弁が採用可能である。第1調整弁制御手段65cは、ブレーキ量入力手段64によって入力されたブレーキ入力量に基づいて、アクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧を決定するものである。そして、第1調整弁制御手段65cは、決定された目標流体圧に応じて第1調整弁65bの開閉量を決定し、決定した開閉量の分だけ第1調整弁65bを開放するようになっている。
自動ブレーキ制御手段66は、自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に応じて、流体タンク61からアクチュエータ駆動管路53に入力される流体圧を調節するものである。自動ブレーキ制御手段66は、一方の端部が流体タンク61に接続され、他方の端部がアクチュエータ駆動管路53に接続された第2流体管路66aと、第2流体管路66a上に配置され、開閉動作を行うことにより第2流体管路66aを介して流体タンク61とアクチュエータ駆動管路53とを連通あるいは遮断させる第2調整弁66bと、第2調整弁66bの開閉を制御する第2調整弁制御手段66cと、を含んでいる。
第2調整弁66bは、通常、第2調整弁制御手段66cからの入力が無い限り、閉鎖されている。第2調整弁66bとしては、ソレノイドバルブ等、公知の調整弁が採用可能である。第2調整弁制御手段66cは、自動運転制御手段67によって入力されたブレーキ入力量に基づいて、アクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧を決定するものである。そして、第2調整弁制御手段66cは、決定された目標流体圧に応じて第2調整弁66bの開閉量を決定し、決定した開閉量の分だけ第2調整弁66bを開放するようになっている。
ここで、図3乃至図7を参照して、ブレーキ制御手段60における、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧の調節方法について、詳細に説明する。
ブレーキ制御手段60は、ブレーキ入力量と流体圧との予め設定された関係に関する情報を有している。具体的には、第1調整弁制御手段65cおよび第2調整弁制御手段66cは、それぞれ、図3に示すような、ブレーキ入力量と流体圧との関係を規定する条件Aを示す情報を保持している。そして、第1調整弁制御手段65cおよび第2調整弁制御手段66cは、それぞれ、ブレーキ入力量が入力された際には、条件Aに基づいて受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧pを決定し、決定された目標流体圧pに応じた量だけ第1調整弁65bまたは第2調整弁66bを開放して、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧を目標流体圧pに調節するようになっている。
ところで、一般に、アクチュエータ駆動管路内の流体圧と、車両の実際の減速度と、の関係は、当該車両が走行する環境や車両状態によって異なる。例えば、車両が走行する路面が乾いている場合と濡れている場合とでは、アクチュエータ駆動管路内の流体圧が同じであっても、車両の実際の減速度は異なってしまう。また、車両の積み荷の重量によっても、同じ流体圧に対する当該車両の実際の減速度は異なってしまう。このことは、車両に与えられるブレーキ入力量と車両の実際の減速度との関係が、当該車両が走行する環境や車両状態によって異なることを意味する。
このような事情を考慮して、本発明のブレーキ制御手段60は、ブレーキ入力量を受け取って流体圧を調節した場合、車両10の実際の減速度と、ブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度と、を確認するようになっている。
具体的には、第1調整弁制御手段65cおよび第2調整弁制御手段66cは、それぞれ、図4に示すような、ブレーキ入力量と目標減速度との関係を規定する条件Bを示す情報を保持している。そして、第1調整弁制御手段65cおよび第2調整弁制御手段66cは、それぞれ、図2に示す速度センサ70から取得した車両10の実際の減速度と、ブレーキ入力量に応じて条件Bにより決定された目標減速度αと、を確認するようになっている。
さらに、上述の事情を考慮して、本発明のブレーキ制御手段60は、実際の減速度と目標減速度αとの関係に基づいた値が予め設定された閾値を超えていれば又は閾値以上になっていれば、流体圧をさらに調節することができるようになっている。
具体的には、実際の減速度と目標減速度αとの差の大きさが所定の閾値t1,t2を超えていればまたは所定値以上であれば、第1調整弁65bまたは第2調整弁66bの開放量を変更し、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧をさらに調節するようになっている。
ここで、ブレーキ制御手段によるアクチュエータ駆動管路内の流体圧の調整は、車両の実際の減速度が迅速に目標減速度に近づくように頻度高く行われることが好ましい。しかしながら、車両が人により操作されて運転される通常運転の場合、車両の減速度の度重なる変化は、車両を運転する人に違和感を生じさせることとなる。
このような事情を考慮して、本発明のブレーキ制御手段60において、自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値t2は、ブレーキ量入力手段64から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値t1よりも、小さい。
したがって、図5によく示されているように、ブレーキ入力量に応じて変化する目標減速度をαとすると、ブレーキ量入力手段64から入力されたブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度として許容される下限の減速度L1は、L1=α−t1で表され、上限の減速度H1は、H1=α+t1で表される。一方、自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度として許容される下限の減速度L2は、L2=α−t2で表され、上限の減速度H2は、H2=α+t2で表される。
なお、実際の減速度と目標減速度との関係に基づいた値は、実際の減速度と目標減速度との差に限られず、例えば、実際の減速度と目標減速度との比を用いて表されてもよい。この場合、図6に示されているように、ブレーキ入力量に対する目標減速度をαとすると、ブレーキ量入力手段64から入力されたブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度として許容される下限の減速度L1は、例えばL1=α(1−t1)で表され、上限の減速度H1は、例えばH1=α(1+t1)で表される。一方、自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度として許容される下限の減速度L2は、例えばL2=α(1−t2)で表され、上限の減速度H2は、例えばH2=α(1+t2)で表される。
ところで、走行環境や車両状態が変化してブレーキ入力量とアクチュエータ駆動管路内の流体圧との予め設定された関係が変化した場合、この変化後の関係は、一般に一定期間持続するものと考えられる。例えば、車両が走行する路面が濡れていることによる当該関係の変化は、路面が乾くまで持続するであろうし、車両の積み荷の重量が大きいことによる当該関係の変化は、車両から積み荷を下ろすまで持続するであろう。このような場合、車両の実際の減速度と目標減速度との確認結果をその後の流体圧の調節にも利用すれば、車両の減速度の調整頻度および調整量が抑制され、車両の減速を安定して行うことが可能であると考えられる。
このような事情を考慮して、本実施の形態のブレーキ制御手段60は、実際の減速度と目標減速度との関係に基づいた値が予め設定された閾値を超えていた場合又は閾値以上となっていた場合、ブレーキ入力量と流体圧との予め設定された関係を修正するようになっている。具体的には、自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度と目標減速度αとの差が、図5に示す下限の減速度L2を下回っていた場合、図7に示すように、ブレーキ入力量に対する流体圧pを増大させる方向に修正して修正後の流体圧pcとし、修正条件Acを決定する。一方、自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度と目標減速度αとの差が、図5に示す上限の減速度H2を上回っていた場合、ブレーキ入力量に対する流体圧pを減少させる方向に修正して修正条件Acを決定する。このとき、ブレーキ入力量に対して設定される流体圧をどの程度増大/減少させるかは、車両10の実際の減速度と目標減速度αとの差に基づいて決定するが、これに限られない。例えば、車両10は、車両10が走行する路面の状態を検出する路面状態検出センサや、車輪20の状態を検出する車輪状態検出センサ、車両10の総重量あるいは積載量を検出する車両重量検出センサ等を有していてよく、この場合、各種センサによって検出された検出結果に基づいて、ブレーキ入力量に対して設定される流体圧を修正しても良い。ここで、路面状態検出センサが検出する路面の状態としては、天候や路面の材質の変化による路面の摩擦力の変化や、路面の傾斜度などが挙げられる。また、車輪状態検出センサによって検出される車輪20の状態としては、車輪20のタイヤの摩耗の度合い、当該タイヤの温度や空気圧、各車輪20に対応して設けられたシュー52の劣化の度合いや温度などが挙げられる。
そして、本実施の形態のブレーキ制御手段60は、得られた修正後の関係に基づき、受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧を決定するようになっている。すなわち、修正条件Acに基づいて、受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧pcを決定する。
次に、本実施の形態の車両10の作用について説明する。
まず、車両10におけるアクセル量入力手段35の作用について、図1を参照して説明する。
まず、車両10が通常運転で走行中の場合、人によってアクセルペダル35aが踏み込まれると、アクセルペダル35aの踏角がアクセル量検出センサ35bによって検出され、当該踏角に対応するアクセル入力量が動力部30に入力される。アクセル入力量がアクセル量検出センサ35bから動力部30に入力されると、エンジン出力が当該アクセル入力量に対応するエンジン出力となるよう、エンジン出力が制御される。
一方、車両10が自動運転で走行中の場合、図1に示す通信機器110によって車両10の加速度制御に必要な加速度情報が取得されると、当該加速度情報が自動運転制御手段67によって検出され、当該加速度情報に対応するアクセル入力量が動力部30に入力される。アクセル入力量がアクセル量検出センサ35bから動力部30に入力されると、エンジン出力が当該アクセル入力量に対応するエンジン出力となるよう、エンジン出力が制御される。
次に、車両10における操舵手段40の作用について、図1を参照して説明する。
まず、車両10が通常運転で走行中の場合、人によって操舵量入力手段41に操舵入力量が入力されると、入力された操舵入力量が操舵アクチュエータ42によって検出される。そして、検出された操舵入力量に基づいて、操舵アクチュエータ42によるロッド21の操作が行われる。
一方、車両10が自動運転で走行中の場合、図1に示す通信機器110によって車両10の操舵制御に必要な操舵情報が取得されると、当該操舵情報が自動運転制御手段67によって検出され、当該操舵情報に対応する操舵入力量が決定される。そして、決定された操舵入力量に基づいて、操舵アクチュエータ42によるロッド21の操作が行われる。
次に、車両10におけるブレーキシステム15の作用について、図1乃至図8を参照して説明する。図8は、ブレーキ制御手段60における流体圧の制御方法を示すフローチャートである。
まず、車両10が通常運転で走行中の場合、車両10を操作する人によってブレーキペダル64aが踏まれることによって、ブレーキ量入力手段64にブレーキ操作が入力される。ブレーキ量入力手段64にブレーキ操作が入力されると、ブレーキ入力量検出センサ64bによって、ブレーキペダル64aの踏角に対応するブレーキ入力量が決定される。そして、図8に示すように、電気信号としての当該ブレーキ入力量は、第1調整弁制御手段65cに入力される(ステップS1)。
ブレーキ入力量が第1調整弁制御手段65cに入力されると、第1調整弁制御手段65cにおいて、当該ブレーキ入力量に応じてアクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧が決定される。具体的には、図3に示す条件Aを参照して、ブレーキ入力量に対応する目標流体圧pが決定され(ステップS2)、当該目標流体圧pに基づいて第1調整弁65bの開閉量が決定される。第1調整弁65bの開閉量が決定されると、第1調整弁65bが当該開閉量の分だけ開放される。
第1調整弁65bが開放されることにより、流体タンク61とアクチュエータ駆動管路53とが第1流体管路65aを介して連通され、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧力が上昇して、第1調整弁65bの開閉量に対応した流体圧力となる。この結果、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧が目標流体圧pに等しくなる。アクチュエータ駆動管路53内の流体圧が目標流体圧pに等しくなると、当該目標流体圧pに対応してブレーキアクチュエータ51が駆動される。これにより、シュー52が対応する車輪20に当該目標流体圧力pに対応する圧力で押し付けられる。この結果、車両10が制動されて、車両10が減速を開始する。
車両10が減速を開始すると、図1に示す回転速度センサ70によって、車両10の実際の減速度が検出される。そして、第1調整弁制御手段65cによって、当該実際の減速度と、ブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度αと、が確認され、実際の減速度と目標の減速度αとの差の大きさが閾値t1以上であるか否かの判断がなされる(ステップS3)。この結果、当該差の大きさが閾値t1より小さければ(NO)、第1調整弁制御手段65cによるアクチュエータ駆動管路53内の流体圧の調整は終了される。
一方、実際の減速度と目標の減速度αとの差の大きさが閾値t1以上である場合には(YES)、実際の減速度と目標の減速度αとの差に基づいて条件Aが修正されて修正条件Acが決定される。例えば、実際の減速度が図5に示す実際の減速度として許容される下限の減速度L1を下回っている場合、図7に示すように、ブレーキ入力量に対して設定される流体圧pは増大する方向に修正されて修正後の流体圧pcとされ、修正条件Acが決定される。一方、ブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度と目標減速度αとの差が、図5に示す実際の減速度として許容される上限の減速度H1を上回っていた場合、ブレーキ入力量に対して設定される流体圧pは減少する方向に修正されて修正条件Acが決定される。そして、当該修正条件Acに基づいて、再度アクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧pcが決定され(ステップS4)、当該目標流体圧pcに基づいて第1調整弁65bの開閉量が修正される。第1調整弁65bの開閉量が修正されると、第1調整弁65bの開閉量が、修正後の開閉量に基づいて調整される。
第1調整弁65bの開閉量が調整されることにより、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧力が第1調整弁65bの調整後の開閉量に対応して修正後の目標流体圧pcになる。これにより、ブレーキアクチュエータ51が目標流体圧pcで駆動され、シュー52が対応する車輪20に目標流体圧pcに対応する圧力で押しつけられる。この結果、車両10の減速度が、目標減速度αにより近い減速度となる。
次に、図2に示す回転速度センサ70によって、車両10の実際の減速度が検出される。そして、第1調整弁制御手段65cによって、当該実際の減速度と、ブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度αと、が再度確認され、実際の減速度と目標の減速度αとの差の大きさが閾値t1以上であるか否かの判断が再度なされる(ステップS3)。このようにして、実際の減速度と目標減速度αとの差の大きさが閾値t1よりも小さくなるまで条件Aの修正が繰り返され、アクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧が修正される。
一方、車両10が自動運転で走行中の場合、通信機器110によって自動運転制御手段67に種々の情報が送信される。自動運転制御手段67には、受信した情報に基づきブレーキ入力量を決定する。そして、図8に示すように、電気信号としての当該ブレーキ入力量は、第2調整弁制御手段66cに入力される(ステップS1)。
ブレーキ入力量が第2調整弁制御手段66cに入力されると、第2調整弁制御手段66cにおいて、当該ブレーキ入力量に応じてアクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧が決定される。具体的には、図3に示す条件Aを参照して、ブレーキ入力量に対応する目標流体圧pが決定され(ステップS2)、当該目標流体圧pに基づいて第2調整弁66bの開閉量が決定される。第2調整弁66bの開閉量が決定されると、第2調整弁66bが当該開閉量の分だけ開放される。
第2調整弁66bが開放されることにより、流体タンク61とアクチュエータ駆動管路53とが第2流体管路66aを介して連通され、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧力が上昇して、第2調整弁66bの開閉量に対応した流体圧力となる。この結果、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧が目標流体圧pに等しくなる。アクチュエータ駆動管路53の流体圧力が目標流体圧pに等しくなると、当該目標流体圧力pに対応してブレーキアクチュエータ51が駆動される。これにより、シューが対応する車輪20に当該目標流体圧力pに対応する圧力で押し付けられる。この結果、車両10は制動されて、車両10は減速を開始する。
車両10が減速を開始すると、図1に示す回転速度センサ70によって、車両10の実際の減速度が検出される。そして、第2調整弁制御手段66cによって、当該実際の減速度と、ブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度αと、が確認され、実際の減速度と目標の減速度αとの差の大きさが閾値t2以上であるか否かの判断がなされる(ステップS3)。この結果、当該差の大きさが閾値t2より小さければ(NO)、第2調整弁制御手段66cによるアクチュエータ駆動管路53内の流体圧の調整は終了される。
一方、実際の減速度と目標の減速度αとの差の大きさが閾値t2以上である場合には(YES)、実際の減速度と目標の減速度αとの差に基づいて条件Aが修正されて修正条件Acが決定される。例えば、実際の減速度が図5に示す実際の減速度として許容される下限の減速度L2を下回っている場合、図7に示すように、ブレーキ入力量に対して設定される流体圧pは増大する方向に修正されて修正後の流体圧pcとされ、修正条件Acが決定される。一方、ブレーキ入力量に対する車両10の実際の減速度と目標減速度αとの差が、図5に示す実際の減速度として許容される上限の減速度H2を上回っていた場合、ブレーキ入力量に対して設定される流体圧pは減少する方向に修正されて修正条件Acが決定される。そして、当該修正条件Acに基づいて、再度アクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧pcが決定され(ステップS4)、当該目標流体圧pcに基づいて第2調整弁66bの開閉量が修正される。第2調整弁66bの開閉量が修正されると、第2調整弁66bの開閉量が、修正後の開閉量に基づいて調整される。
第2調整弁66bの開閉量が調整されることにより、アクチュエータ駆動管路53内の流体圧力が第2調整弁66bの調整後の開閉量に対応して修正後の目標流体圧pcになる。これにより、ブレーキアクチュエータ51が目標流体圧pcで駆動され、シューが対応する車輪20に目標流体圧pcに対応する圧力で押しつけられる。この結果、車両10の減速度が、目標減速度αにより近い減速度となる。
次に、図2に示す回転速度センサ70によって、車両10の実際の減速度が検出される。そして、第2調整弁制御手段66cによって、当該実際の減速度と、ブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度αと、が再度確認され、実際の減速度と目標の減速度αとの差の大きさが閾値t2以上であるか否かの判断が再度なされる(ステップS3)。このようにして、実際の減速度と目標減速度αとの差の大きさが閾値t2よりも小さくなるまで条件Aの修正が繰り返され、アクチュエータ駆動管路53内の目標流体圧が修正される。
ところで、図5及び図6に示されるように、自動運転の場合に自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値t2は、通常運転の場合にブレーキ量入力手段64から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値t1よりも、小さい。このため、通常運転の場合と自動運転の場合とでは、自動運転の場合の方が、頻繁に車両10の減速度の調節がなされることとなる。
以上に説明した一実施の形態において、ブレーキシステム15は、車両10を自動で制御する自動運転と人が操作して車両10を運転する通常運転との両方が可能な車両10に用いられるブレーキシステム15であって、管路53と、管路53内の流体圧により動作するシュー52と、を有するブレーキ手段50と、人が操作することでブレーキ入力量を入力可能な入力手段64と、ブレーキ入力量を自動入力する自動運転制御手段67と、入力手段64および自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に応じて管路53内の流体圧を調節するブレーキ制御手段15と、を備え、ブレーキ制御手段15は、ブレーキ入力量を受け取って流体圧を調節した場合、車両10の実際の減速度とブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度αとを確認し、実際の減速度と目標減速度αとの関係に基づいた値が予め設定された閾値t1,t2を超えていれば又は閾値t1,t2以上になっていれば、流体圧をさらに調節する。
このようなブレーキシステム15によれば、ブレーキ制御手段60が、ブレーキ手段50のシュー52を動作させた後、車両10の実際の減速度と目標減速度αとを比較する。そして、両者の差が大きい場合には、シュー52を動作させる流体圧の調整を行うことによってシュー52の押し付け力の調整を行う。この結果、車両10は、走行環境や車両状態が変化しても、ブレーキ入力量が入力されれば、当該ブレーキ入力量から期待される目標減速度αに実際の減速度が近づくように、シュー52の押し付け力、したがって車両10の制動力、が制御される。
また、上述した一実施の形態のブレーキシステム15において、自動運転制御手段67から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値t2は、入力手段64から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値t1よりも、小さい。
このようなブレーキシステム15によれば、管路53の流体圧の調整を行うか否かの判断に用いられる閾値は、自動運転の場合と通常運転の場合とでは異なり、前者の場合の方が小さい。このため、自動運転の場合には頻繁に減速度の調整がなされる一方、通常運転の場合には、減速度の調整頻度が抑制される。自動運転では、車両を運転する操作者の学習能力を期待することができないが、高頻度で減速度の調整を行うことで、高精度な速度制御および期待した制動距離での制動を安定して実現することができる。一方、通常運転では、車両を操作する運転者に、自身が入力したブレーキ入力量と実際の減速度との相違に起因した違和感を、過度に与えること無く、路面状況や積載重量等の外乱要素に起因した減速度の変動を補正することができる。すなわち、自動運転制御手段から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値を、入力手段から入力されたブレーキ入力量に対して適用される閾値と、変更することで、目標とする減速度を実現するための制御を、自動運転および通常運転の運転モードに応じて、適切に変更している。
上述した一実施の形態において、ブレーキ制御手段60は、ブレーキ入力量と流体圧との予め設定された関係に関する情報(条件Aを示す情報)を有し、ブレーキ入力量が入力された際には、情報(条件Aを示す情報)に基づいて受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧pを決定し、管路53内の流体圧を目標流体圧pに調節する。この場合、ブレーキ入力量に基づいた目標流体圧pの決定が容易である。
上述した一実施の形態において、ブレーキ制御手段60は、実際の減速度と目標減速度αとの関係に基づいた値が予め設定された閾値t1,t2を超えていた場合又は閾値t1,t2以上となっていた場合、ブレーキ入力量と流体圧との予め設定された関係(条件A)を修正して得られた修正後の関係(修正条件Ac)に基づき、受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧pcを決定する。この場合、実際の減速度と目標減速度αとが大きく異なっていれば、流体圧の決定に用いられるブレーキ入力量と流体圧との関係に関する条件Aが修正され、修正後の条件Acに基づいて目標流体圧pcが決定される。そして、修正後の条件Acを、その後の流体圧の決定に用いることが可能である。したがって、走行環境や車両状態が変化した場合のように、ブレーキ入力量と流体圧との予め設定された関係を一定期間継続して修正する必要がある場合、一度修正した関係(修正条件Ac)をその後の流体圧の調整に反映させることが可能である。この結果、車両10の減速度の調整頻度や調整量が抑制され、車両10の減速を安定して行うことが可能である。
上述した一実施の形態において、車両10は、自動運転と通常運転の両方が可能な車両であって、上述のブレーキシステム15を備える。この場合、車両10は、走行環境や車両状態が変化しても、ブレーキ入力量が入力されれば、当該ブレーキ入力量から期待される目標減速度αに実際の減速度が近づくように、シュー52の押し付け力、したがって車両10の制動力、が制御される。
上述した一実施の形態において、隊列走行車両群1は、手動運転又は自動運転される先頭車両5と、先頭車両5を追従する後続車両10と、を備え、後続車両10は、上述の車両10である。この場合、後続車両10は、走行環境や車両状態が変化しても、ブレーキ入力量が入力されれば、当該ブレーキ入力量から期待される目標減速度αに実際の減速度が近づくように、シュー52の押し付け力、したがって車両10の制動力、が制御される。

Claims (5)

  1. 車両を自動で制御する自動運転と人が操作して車両を運転する通常運転との両方が可能な車両に用いられるブレーキシステムであって、
    管路と、前記管路内の流体圧により動作するシューと、を有するブレーキ手段と、
    人が操作することでブレーキ入力量を入力可能な入力手段と、
    ブレーキ入力量を自動入力する自動運転制御手段と、
    前記入力手段および前記自動運転制御手段から入力されたブレーキ入力量に応じて前記管路内の前記流体圧を調節するブレーキ制御手段と、を備え、
    前記ブレーキ制御手段は、前記ブレーキ入力量を受け取って前記流体圧を調節した場合、前記車両の実際の減速度と前記ブレーキ入力量に応じて予め設定された関係から決定される目標減速度とを確認し、前記実際の減速度と前記目標減速度との関係に基づいた値が予め設定された閾値を超えていれば又は閾値以上になっていれば、前記流体圧をさらに調節し、
    前記自動運転制御手段から入力されたブレーキ入力量に対して適用される前記閾値は、前記入力手段から入力されたブレーキ入力量に対して適用される前記閾値よりも、小さい、ブレーキシステム。
  2. 前記ブレーキ制御手段は、前記ブレーキ入力量と前記流体圧との予め設定された関係に関する情報を有し、前記ブレーキ入力量が入力された際には、前記情報に基づいて受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧を決定し、前記管路内の流体圧を前記目標流体圧に調節する、請求項1に記載のブレーキシステム。
  3. 前記ブレーキ制御手段は、前記実際の減速度と前記目標減速度との関係に基づいた前記値が予め設定された閾値を超えていた場合又は閾値以上となっていた場合、前記ブレーキ入力量と前記流体圧との前記予め設定された関係を修正して得られた修正後の関係に基づき、受け取ったブレーキ入力量に対応した目標流体圧を決定する、請求項2に記載のブレーキシステム。
  4. 自動運転と通常運転の両方が可能な車両であって、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のブレーキシステムを備える、車両。
  5. 先頭車両と、
    前記先頭車両を追従する後続車両と、を備え、
    前記後続車両は、請求項4に記載の車両である、隊列走行車両群。
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