JPWO2018043480A1 - 負荷駆動回路、負荷駆動システム及び負荷駆動方法 - Google Patents

負荷駆動回路、負荷駆動システム及び負荷駆動方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、直流電圧源と回転負荷との間に設けられ、インピーダンスソースと、インバータと、を備える負荷駆動回路であって、インピーダンスソースは、当該回転負荷の制御周期が直流電圧源の電源電圧を昇圧する昇圧期間と、昇圧により得られた第1直流電圧をインバータに印加する印加期間とからなる第1モードと、回転負荷の制御周期において直流電圧源の電源電圧の昇圧と並行して、昇圧により得られた第2直流電圧をインバータに印加する第2モードとの各々を有し、回転負荷に発生する逆起電力を示す指標値に応じて、第1モード及び第2モードのいずれかにより動作し、インバータは、第1モードの制御周期の際、印加期間において回転負荷をPWM制御し、第2モードの制御周期の際、制御周期において回転負荷を所定の幅の単パルスで制御する。

Description

本発明は、負荷駆動回路、負荷駆動システム及び負荷駆動方法に関する。本願は、2016年9月1日に、日本に出願された特願2016−171187号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両では、エネルギ効率のよいモータの駆動が要求されている。
非特許文献1には、関連する技術として、Zソースインバータと呼ばれる回路に関する技術が記載されている。Zソースインバータは、従来のインバータにインダクタLとキャパシタCとから成るインピーダンスソースを追加することにより、昇圧とインバータ動作とを同時に行うことができる回路である。
F. Z. Peng,"Z-source inverter," IEEE Trans. Ind. Appl., vol.39, no.2, pp. 504-510, Mar./Apr. 2003.
しかしながら、モータを用いる車両では、エネルギ効率のほかに、小型かつ単位時間当たりの回転数(以下、「回転数」と記載)とトルクの積で定義される機械出力が大きいモータが求められている。
一般的に、モータの小型化とモータが作り出すトルクの大きさとはトレードオフの関係にあり、モータを小型化するとモータが出力可能なトルクが小さくなり、機械出力が小さくなる傾向にある。
そのため、モータを小型化しつつ、機械出力を維持するためには、小型化により小さくなるトルクを補うためにモータを高速回転させることが必要である。
モータを高速回転させる場合、モータにおいて磁石が磁界の中で回転するため、起電力が発生する。このとき、モータに供給される電圧がモータにおいて発生した起電力よりも高ければ、モータに電力が供給され続ける。しかしながら、モータに印加する電圧がモータにおいて発生した起電力よりも低くなると、モータに電力を供給することができなくなる。その結果、モータの回転数が低下し機械出力が低下してしまう。したがってモータを高速回転させる場合、インバータはモータの起電力以上の高い交流電圧をモータへ印加することが必要である。その際、モータに印加する電圧を、正弦波に比べて基本波の実効値が高い矩形波とすることで、より効率良く高い交流電圧をモータへ印加することが可能となる。
しかしながら、非特許文献1に記載のZソースインバータは、昇圧動作を行いかつ矩形波電圧を発生させることができない。そのため、モータを用いる車両に非特許文献1に記載のZソースインバータを用いた場合、モータの高速回転に適した高い電圧の矩形波を印加することができない。また、非特許文献1に記載のZソースインバータは、制御周期中においてモータ駆動のための出力電圧波形の制御と出力電圧の昇圧を担うためのインバータに対する短絡動作制御を実施している。このため、モータの回転数を増加させていった場合、上記出力電圧波形の周波数が次第に制御周期に近づき、出力電圧波形の制御と昇圧動作に必要な短絡制御との各々の期間の確保を両立させることが困難となり、モータにおいて発生する起電力以上の高い交流電圧をモータへ印加することができず、モータを小型かつモータの機械出力を大きくすることはできない。
そのため、モータを用いる車両において、昇圧動作を行いかつ矩形波電圧を発生させることができ、さらに、エネルギ効率のよい負荷駆動回路が求められていた。
上述の課題を鑑み、本発明は、上記の課題を解決することのできる負荷駆動回路、負荷駆動システム及び負荷駆動方法を提供することを目的としている。
本発明の負荷駆動回路は、直流電圧源と回転負荷との間に設けられ、インピーダンスソースと、インバータと、を備える負荷駆動回路であって、前記インピーダンスソースは、当該回転負荷の制御周期が前記直流電圧源の電源電圧を昇圧する昇圧期間と、昇圧により得られた第1直流電圧を前記インバータに印加する印加期間とからなる第1モードと、前記回転負荷の制御周期において前記直流電圧源の前記電源電圧の昇圧と並行して、昇圧により得られた第2直流電圧を前記インバータに印加する第2モードとの各々を有し、前記回転負荷に発生する逆起電力を示す指標値に応じて、前記第1モードまたは第2モードにより動作し、前記インバータは、前記第1モードの制御周期の際、前記印加期間において前記回転負荷をPWM制御し、前記第2モードの制御周期の際、前記制御周期において前記回転負荷を所定の幅の単パルスで制御することを特徴とする。
本発明の負荷駆動回路は、前記インピーダンスソースは、予め前記指標値の判定値である閾値として、第1閾値及び当該第1閾値より大きい第2閾値の各々が設定されており、前記回転数が前記第1閾値未満の場合、前記直流電圧源の直流電圧を前記インバータに印加する第0モードで動作し、前記回転数が前記第1閾値以上であり、前記第2閾値未満の場合、前記第1モードで動作し、前記回転数が前記第2閾値以上の場合、前記第2モードで動作し、前記インバータが前記第0モードの場合、前記制御周期において前記回転負荷をPWM制御することを特徴とする。
本発明の負荷駆動回路は、前記第1閾値が、前記第0モードでは前記回転負荷を制御できない逆起電力が前記回転負荷に発生する回転数であり、前記第2閾値が、前記回転負荷に前記第1モードにおける前記昇圧期間が所定の昇圧を行う長さを取得できない制御周期となる回転数であることを特徴とする。
本発明の負荷駆動回路は、前記インピーダンスソースは、第1のインダクタと、第2のインダクタと、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、ダイオードと、第1のスイッチと、第2のスイッチと、を備え、前記第2のインダクタの一端と、前記直流電圧源の高電圧側端子と、が接続され、前記第2のインダクタの他端と、前記ダイオードのアノードと、前記第1のスイッチの一端と、が接続され、前記第1のインダクタの一端と、前記第1のキャパシタの一端と、前記ダイオードのカソードと、が接続され、前記第1のインダクタの他端と、前記インバータの入力の一端と、が接続され、前記第1のキャパシタの他端と、前記直流電圧源の低電圧側端子と、前記第1のスイッチの他端と、前記インバータの入力の他端と、が接続され、前記第1のインダクタの他端と前記第2のインダクタの他端との間に、前記第2のキャパシタと前記第2のスイッチとが直列に接続される、ことを特徴とする。
本発明の負荷駆動回路は、前記第2モードにおいて、前記第1のスイッチが前記制御周期と異なる昇圧周期で開閉を制御して、前記第1のインダクタと前記ダイオードのアノードとの接続点の電圧の昇圧を行うことを特徴とする。
本発明の負荷駆動システムは、上述した負荷駆動回路と、前記負荷駆動回路における前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各々の開閉を制御する制御回路と、を備えることを特徴とする。
本発明の負荷駆動方法は、直流電圧源と回転負荷との間に設けられ、インピーダンスソースと、インバータと、を備える負荷駆動回路の負荷駆動方法であって、前記回転負荷に発生する逆起電力を示す指標値に応じて、第1モードである当該回転負荷の制御周期が前記直流電圧源の電源電圧を昇圧する昇圧期間と、昇圧により得られた第1直流電圧を前記インバータに印加する印加期間とからなるモードにより、または第2モードである前記回転負荷の制御周期において前記直流電圧源の前記電源電圧の昇圧と並行して、昇圧により得られた第2直流電圧を前記インバータに印加するモードにより、前記インピーダンスソースが動作する過程と、前記第1モードの制御周期の際、前記印加期間において前記回転負荷をPWM制御し、前記第2モードの制御周期の際、前記制御周期において前記回転負荷を所定の幅の単パルスで制御する過程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、回転負荷の駆動に際し、インバータに接続された回転負荷の逆起電力を直接に測定することができないため、回転負荷に発生する逆起電力を示す指標値(例えば、回転負荷の回転数など)を測定して、この測定された指標値に応じてインピーダンスソースの動作モードを選択するため、回転数が増加して第1モードでは回転負荷に発生する逆起電力に対応した所定の電圧までの昇圧が行えない場合、第2モードに移行することで、上記逆起電力を示す指標値に基づいて回転負荷に発生する逆起電力に対応させるように、インバータに印加する所定の電圧までの昇圧動作を行い、かつインバータを単発パルスにより制御することにより、制御周期が短くなっても、昇圧及びインバータの駆動を可能とするため、回転負荷をより高速に動作させることができ、かつエネルギ効率を向上させる負荷駆動回路、負荷駆動システム及び負荷駆動方法を提供することができる。
本発明の一実施形態による負荷駆動システムの構成を示す図である。 本発明の一実施形態におけるモータの回転数とトルクの関係の例を示す図である。 本発明の一実施形態によるインバータとインピーダンスソースの具体的な構成例を示す図である。 本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第1の図である。 本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第2の図である。 本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第3の図である。 本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第4の図である。 本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第5の図である。 本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第6の図である。 本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第7の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第1の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第2の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第3の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第4の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第5の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第6の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第7の図である。 本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第8の図である。 本発明の一実施形態における1パルス制御を説明するための図である。 本発明の一実施形態におけるモータの印加電圧とトルクの関係の例を示す図である。 本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第1の図である。 本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第2の図である。 本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第3の図である。 本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第4の図である。 本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第5の図である。 本発明の一実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。 図26(A)における出力線間電圧Vab及び出力線間電圧Vbcの各々を分離して記載した図である。 図26(B)における出力電流i、出力電流i及び出力電流iの各々を分離して記載した図である。 本発明の一実施形態のインピーダンスソース20における第0モード、第1モード及び第2モードの各々における電圧値と回転数との関係を説明する図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による負荷駆動システムの構成を示す図である。
まず、本発明の一実施形態による負荷駆動システムの構成について説明する。
本発明の一実施形態による負荷駆動システム1は、図1に示すように、負荷駆動回路2と、制御回路3と、負荷30と、直流電圧源40と、を備える。
負荷駆動回路2は、インバータ10と、インピーダンスソース20と、を備える。
図1に示すように、インバータ10の入力には、インピーダンスソース20の出力が接続される。
インバータ10の出力には、負荷30が接続される。負荷30は、例えば、交流電圧により動作するモータなどの機器である。
また、インピーダンスソース20の入力には、直流電圧源40が接続される。
制御回路3は、負荷駆動回路2におけるスイッチ(後述するインバータ10における第1スイッチ101から第6スイッチ106の各々と、インピーダンスソース20における第7スイッチ206及び第6スイッチ207の各々と)の開閉(開:オフ状態、閉:オン状態)を制御する。
例えば、負荷30が回転負荷としてのモータである場合、制御回路3は、負荷30の回転数と、負荷30が発生するトルクとに基づいて、負荷駆動回路2における上記スイッチの各々の開閉を制御する。
直流電圧源40は、インピーダンスソース20に対して、所定の電圧の直流電圧を印加する。直流電圧源40は、例えば、バッテリや燃料電池などの直流電圧を供給する電圧源である。また、直流電圧源40は、交流電圧を整流して生成した直流電圧を出力するものであってもよい。直流電圧源40がインピーダンスソース20に印加する電圧は、例えば、230ボルトである。
インピーダンスソース20は、インバータ10が負荷30の回転数に対応し、この負荷30に印加するために必要な交流電圧を生成するために必要な直流電圧の電圧範囲に応じた直流電圧を生成する。
例えば、インピーダンスソース20は、直流電圧源40と負荷30との間における電力の変動を担保するため、内部のスイッチを用いて、直流電圧源40の直流電圧の昇圧を行う。すなわち、インピーダンスソース20は、後述する内部のスイッチの上下短絡動作によりインバータ10に印加する直流電圧を、直流電圧源40の直流電圧を昇圧して増加させる。また、インピーダンスソース20は、生成した直流電圧をインバータ10に印加する。
インバータ10は、インピーダンスソース20により印加される直流電圧から負荷30に印加する交流電圧を生成する。
例えば、インバータ10は、高電圧側と低電圧側の対を成すスイッチを交互にまたは同時に開閉動作させ、すなわちオンとオフとを切り替えることにより、負荷30に印加する交流電圧を生成する。ここで、インバータ10は、インピーダンスソース20が昇圧を行って生成した直流電圧を用いて交流電圧を生成する。
負荷30は、すでに述べたように、回転負荷であり、インバータ10により印加される交流電圧に基づいて動作する。
負荷30は、例えば、モータである場合、インバータ10により印加される交流電圧とその交流電圧の周波数に応じた回転数で回転する。
モータは回転数を上げるにつれて、モータを駆動するために印加すべき、インバータ10から供給する交流電圧の周波数と電圧の振幅とが増大する。
従来のZソースインバータや従来の準Zソースインバータ(以下、単に従来型Zソースインバータと示す)は、モータに印加すべき周波数が、インバータのスイッチング周波数以下となる、図2に示すモータ回転数が1または2の領域では、昇圧動作とインバータ動作の両方を行うことができる。ここで、回転数は負荷30に発生する逆起電力に比例する。このため、本実施形態においては、回転数を、負荷30に発生する逆起電力を示す指標として用いている。インバータ10に接続された状態においては、負荷30に発生する逆起電力を直接測定することができないため、逆起電力を示す指標として回転数を用いて逆起電力の推定を行っている。これにより、本実施形態においては、回転数に応じた逆起電力を基準としてインピーダンスソース20の運転に対する制御が1から3の領域のいずれであるかの判定を行う。
すなわち、従来型Zソースインバータにおいては、負荷30の回転数の制御を行う制御周期において、昇圧動作を行う昇圧期間と負荷の制御を行うインバータ10に対して昇圧した電圧を印加する印加期間とが必要となる。このため、負荷30が所定の回転数までは、直流電圧源40の直流電圧を、回転機30に発生する逆起電力による電圧に対応させて昇圧させる昇圧期間が得られる制御周期となる。
しかしながら、従来型Zソースインバータは、所望の回転数とするために負荷30に印加すべき周波数が、インバータのスイッチング周波数と同等以上の、図2に示すモータ回転数が3の領域では、負荷30の回転数が上昇することで制御周期が短くなり、これに伴い昇圧期間及び印加期間の各々も短くなり、回転機30に発生する逆起電力による電圧に対応させて昇圧させる昇圧期間が得られなくなる。これにより、従来型Zソースインバータは、逆起電力による電圧に対応する、昇圧された電圧を生成することができず、回転負荷10に所望のトルクを発生させることができなくなる。また、従来型Zソースインバータは、交流電圧を生成するためのインバータのスイッチを用いて昇圧動作を行っているため、すなわち昇圧と印加との動作を制御周期において時分割に行う構成であるため、昇圧動作とインバータ動作の両方を同時に並列して行うことができない。
このように、従来型Zソースインバータは、昇圧動作とインバータ動作の両方を同時に並列させて行うことができない。本発明の一実施形態による負荷駆動回路2は、従来型Zソースインバータが負荷30の回転数が所望のトルクを得られない図2に示す3の領域で、昇圧動作とインバータ動作の両方を同時に並列して独立に行うことで、負荷30の所望のトルクを得られる構成とした回路である。
(具体例)
ここで、本実施形態におけるインバータ10と、インピーダンスソース20の具体的な構成例を示す。図3は、本発明の一実施形態によるインバータとインピーダンスソースの具体的な構成例を示す図である。
インバータ10は、例えば、図3に示すように、第1スイッチ101と、第2スイッチ102と、第3スイッチ103と、第4スイッチ104と、第5スイッチ105と、第6スイッチ106と、を備える。
また、インピーダンスソース20は、例えば、図3に示すように、第1インダクタ201(第2のインダクタ)と、第2インダクタ202(第1のインダクタ)と、第1キャパシタ203(第1のキャパシタ)と、第2キャパシタ204(第2のキャパシタ)と、ダイオード205と、第7スイッチ206(第1のスイッチ)と、第8スイッチ207(第2のスイッチ)と、を備える。
第1スイッチ101の端子a1は、第2スイッチ102の端子b1、負荷30の端子c1のそれぞれに接続される。
第1スイッチ101の端子a2は、第3スイッチ103の端子d1、第5スイッチ105の端子e1、第1インダクタ201の端子g1、第8スイッチ207の端子f1のそれぞれに接続される。
第2スイッチ102の端子b2は、第4スイッチ104の端子h1、第6スイッチ106の端子j1、第1キャパシタ203の端子k1、第7スイッチ206の端子l1、直流電圧源40の端子m1のそれぞれに接続される。
第3スイッチ103の端子d2は、第4スイッチ104の端子h2、負荷30の端子c2のそれぞれに接続される。
第5スイッチ105の端子e2は、第6スイッチ106の端子j2、負荷30の端子c3のそれぞれに接続される。
第1インダクタ201の端子g2は、第1キャパシタ203の端子k2、ダイオード205の端子o1(カソード)のそれぞれに接続される。
第2インダクタ202の端子p1は、第7スイッチ206の端子l2、ダイオード205の端子o2(アノード)、第2キャパシタ204の端子n1のそれぞれに接続される。
第2キャパシタ204の端子n2は、第8スイッチ207の端子f2に接続される。
直流電圧源40の端子m2は、第2インダクタ202の端子p2に接続される。
なお、第2キャパシタ204と第8スイッチ207は、直列に接続されていれば、位置が入れ替わってもよい。
上記のように、インバータ10は、2つのスイッチを直列に接続した基本構成(図3で示した第1スイッチ101と第2スイッチ102、第3スイッチ103と第4スイッチ104、第5スイッチ105と第6スイッチ106のそれぞれ)のインバータ回路を備える。第1スイッチ101、第2スイッチ102、第3スイッチ103、第4スイッチ104、第5スイッチ105、第6スイッチ106のそれぞれは、例えば、パワー半導体であるMOSFETやIGBTなどにより実現される。
制御回路3は、第1スイッチ101、第2スイッチ102、第3スイッチ103、第4スイッチ104、第5スイッチ105、第6スイッチ106の各々がパワー半導体の場合、それぞれのゲート電圧を制御することにより、第1スイッチ101、第2スイッチ102、第3スイッチ103、第4スイッチ104、第5スイッチ105、第6スイッチ106の各々の開閉を制御する。
(負荷駆動回路2の動作)
本発明の一実施形態による負荷駆動回路2の動作について説明する。
負荷駆動回路2の動作として、図3で示したインバータ10、インピーダンスソース20それぞれの動作について説明する。
(インバータの動作)
まず、図3で示したインバータ10が備える2つのスイッチを直列に接続した直列回路である基本構成のインバータの動作について説明する。
図4は、本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第1の図である。
図4に示すように、2つのスイッチを直列に接続した直列回路である基本構成のインバータにおいて、高電圧側のスイッチをスイッチQとする。基本構成のインバータにおいて、低電圧側のスイッチをスイッチQとする。また、スイッチQの高電圧側のノードをノードAとする。スイッチQの低電圧側のノードをノードBとする。スイッチQとスイッチQの間のノードをノードCとする。
図5は、本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第2の図である。 図5に示すように、ノードBを基準にE[ボルト]の電圧がノードAに印加された状態で、スイッチQをオン状態、スイッチQをオフ状態とする開閉動作を行う。
この場合、ノードBを基準にE[ボルト]の電圧がノードCから出力される。
図6は、本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第3の図である。図6に示すように、ノードBを基準にE[ボルト]の電圧がノードAに印加された状態で、スイッチQをオフ状態、スイッチQをオン状態とする開閉動作を行う。
この場合、ノードBを基準に0[ボルト]の電圧がノードCから出力される。
図7は、本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第4の図である。
負荷駆動回路2が昇圧動作を行う場合、図7に示すように、スイッチQとスイッチQとをオン状態にして基本構成のインバータを短絡(ノードAとノードBとを短絡)させる開閉動作を行う。
この場合,ノートBを基準に0[ボルト]の電圧がノードCから出力される。
負荷駆動回路2では、上述のスイッチQにおけるオン状態またはオフ状態と、スイッチQにおけるオン状態またはオフ状態との組み合わせを制御し、基本構成のインバータの出力電圧の状態の単位時間あたりの比率を変更する。
こうすることにより、基本構成のインバータは、例えば、図8に示すように、ノードBを基準に0(ゼロ)〜E[ボルト]の範囲の平均電圧をノードCから出力することができる。
図8は、本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第5の図である。
図9は、本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第6の図である。
上述の動作を行う基本構成のインバータを図9に示すように複数接続したインバータにおいて、各基本構成のインバータが出力する出力電圧の位相をずらすと、各出力電圧の平均値が変化する。
図10は、本発明の一実施形態によるインバータの動作を説明するための第7の図である。
図10の(a)の部分と(b)の部分とに示すように、各基本構成のインバータにおける出力端子間の電圧の正負が変化する。
こうすることにより、図4で示した基本構成のインバータを複数接続することで構成したインバータは、一般的にPWM(Pulse Width Modulation)制御と呼ばれる制御によって動作し(以下、「PWM動作」と記載)、任意の相数を持つ交流電圧を生成することができる。
具体的には、基本構成のインバータを3個並列に接続して構成した図2で示したインバータ10は、3相の交流電圧を生成することができる。
(インピーダンスソース20の動作)
インピーダンスソース20は、後述するように、インバータ10のインバータいずれかあるいは組み合わせまたは全てにおける直列に接続された2個のスイッチの両方をオン状態(例えば図7に示すように直列に接続された2個のスイッチを短絡状態)にして、インピーダンスソース20の出力を短絡することで昇圧動作を行う(第1モード)。この第1モードを説明する前に、まず、上記昇圧動作を付加しないPWM動作を行う場合(第0モード)のインピーダンスソース20の動作について説明する。
インバータ10の短絡による昇圧動作を付加しないPWM動作を行う第0モードの場合、図11に示すように、第7スイッチ206はオフ状態である。また、インバータ10の短絡による昇圧動作を付加しないPWM動作を行う場合、第8スイッチ207はオン状態である。
図11は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第1の図である。
第7スイッチ206がオフ状態になり第8スイッチ207がオン状態になると、インピーダンスソース20がインバータ10に印加する電圧vdcは、直流電圧源40が出力する直流電圧Vinに等しくなる。その後、第2インダクタ202には、端子p2から端子p1に向かう電流iL2が流れる。ダイオード205には、端子o2から端子o1に向かう電流iが流れる。第1インダクタ201には、端子g2から端子g1に向かう電流iL1が流れる。そして、インバータ10で消費される電力を供給するために必要な直流電流idcがインピーダンスソース20からインバータ10に流れる。
なお、ダイオード205に電流iが流れたときにダイオード205の順方向電圧はVとなる。
図12は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第2の図である。
インバータ10の短絡による昇圧動作を付加しないPWM動作を行う第0モードの場合、ダイオード205に電流iが流れた後のインピーダンスソース20における電圧vdcは、図12の(a)の部分に示すように、直流電圧源40の電圧Vinからダイオード205に生じる順方向電圧Vを減じた電圧となる。
また、インバータ10の短絡による昇圧動作を付加しないPWM動作を行う場合、第1キャパシタ203に蓄えられた電荷により生じる電圧vc1は、図12の(b)の部分に示すように、電圧Vinから順方向電圧Vを減じた電圧となる。
また、第2キャパシタ204に蓄えられた電荷により生じる電圧vc2は、図12の(b)の部分に示すように、順方向電圧Vに等しい電圧となる。
また、インバータ10の短絡による昇圧動作を付加しないPWM動作を行う場合、図12の(c)の部分に示すように、第1インダクタ201に流れる電流iL1、第2インダクタ202に流れる電流iL2、ダイオード205に流れる電流iのそれぞれは、インバータ10に接続された負荷30で消費される電力を供給するために必要な直流電流idcにほぼ等しい電流である。なお、第1インダクタ201及び第2インダクタ202は、同一であると仮定している。また、第1キャパシタ203と第2キャパシタ204は、同一であると仮定している。また、直流電圧源40が発生させる電圧は、ダイオード205の順方向電圧Vに対して充分に大きいと仮定している。
次に、インバータ10の短絡による昇圧動作を付加したPWM動作を行う上記第1モードの場合のインピーダンスソース20の動作について説明する。
インバータ10の短絡による昇圧動作を付加したPWM動作を行う第1モードの場合、まず、インバータ10において、インバータ10のインバータいずれかあるいは組み合わせまたは全てにおける直列に接続された2個のスイッチの両方がオン状態となり、インバータ10は短絡状態となる。
そのため、インピーダンスソース20の出力は、図13に示すように、短絡した状態となる(電圧vdc=0)。
図13は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第3の図である。
インピーダンスソース20の出力が短絡されると、直流電圧源40、第2インダクタ202、第8スイッチ207、インバータ10(短絡状態)、そして直流電圧源40に戻るループLP1において、第2キャパシタ204に蓄積されていた電荷の放電によって第2インダクタ202の電流が増大する。これにより、短絡状態から定常状態(インバータ動作)に変化した際に、第2インダクタ202に発生する逆起電力を増加させることになる。この短絡状態としている期間が昇圧期間であり、この短絡状態となっている期間(時間)の長さと、短絡状態においてインダクタに流れる電流値との各々に対応して、インダクタに発生する逆起電力の電圧値が決まる。
具体的には、制御周期における昇圧期間において、第2キャパシタ204に電荷が蓄積される。そして、定常状態では、第2キャパシタ204に蓄積された電荷により生じる電圧がほぼ一定の電圧vc2となる。この定常状態において、第2インダクタ202に印加される電圧は、Vin−vc2となり、第2インダクタ202の電流iL2は、第2インダクタ202のインダクタンスをL202とすると、以下の式(1)に従って増大する。
Figure 2018043480
また、インピーダンスソース20の出力がインバータ10の短絡制御により短絡状態とされると、第1キャパシタ203、第1インダクタ201、インバータ10、そして第1キャパシタ203に戻るループLP2において、第1キャパシタ203に蓄積されていた電荷の放電によって第1インダクタ201の電流が増大する。
一方、インバータ10が短絡状態から定常状態に移行したタイミングにおいて第1キャパシタ203に電荷が蓄積される。そして、定常状態では、第1キャパシタ203に蓄積された電荷により生じる電圧がほぼ一定の電圧vc1となる。この定常状態において、第1インダクタ201に印加される電圧は、vc1となり、第1インダクタ201の電流iL1は、第1インダクタ201のインダクタンスをL201とすると、以下の式(2)に従って増大する。
Figure 2018043480
なお、第1インダクタ201及び第2インダクタ202を同一のインダクタンス値であると仮定し、第1キャパシタ203と第2キャパシタ204を同一の容量値であると仮定し、直流電圧源40が発生させる電圧がダイオード205の順方向電圧Vに対して充分に大きいと仮定した場合、第1インダクタ201と第2インダクタ202には、ほぼ同一の電圧が同一の時間だけ印加されることになる。その結果、第1インダクタ201を流れる電流iL1と第2インダクタ202を流れる電流iL2は同一の大きさの電流となる。
インバータ10の短絡による昇圧動作を付加したPWM動作を行う第1モードの場合、次に、インバータ10は、短絡状態から負荷30に電圧を印加するインバータ動作状態(インピーダンスソース20における印加期間の状態)に移行する。
インバータ10がインバータ動作状態に移行すると、インピーダンスソース20がインバータ10に印加する電圧vdcは、「電圧Vinから順方向電圧Vを減じた電圧」にインバータ10が短絡状態のときに増大した同一の大きさの電流によって第1インダクタ201と第2インダクタ202のそれぞれに発生した逆起電力vが加わり、図14に示すように、Vin−V+2vの電圧となる。
図14は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第4の図である。
インピーダンスソース20がインバータ10に印加する電圧vdcがVin−V+2vの電圧になると、直流電圧源40、第2インダクタ202、ダイオード205、第1インダクタ201、インバータ10(インバータ動作状態)、(負荷30)、そして直流電圧源40に戻るループLP3に電流が流れる。また、インピーダンスソース20がインバータ10に印加する電圧vdcがVin−V+2vの電圧になると、直流電圧源40、第2インダクタ202、ダイオード205、第1キャパシタ203、そして直流電圧源40に戻るループLP4に電流が流れる。また、インピーダンスソース20がインバータ10に印加する電圧vdcがVin−V+2vの電圧になると、さらに、ダイオード205、第1インダクタ201、第2キャパシタ204、そしてダイオード205に戻るループLP5に電流が流れる。
なお、第1インダクタ201と第2インダクタ202により昇圧される電圧は、単位時間当たりのインバータ10が短絡状態である時間とインバータ10が負荷30に電圧を印加するインバータ動作状態の時間との比率によって決定される。
図15は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第5の図である。
インバータ10の短絡による昇圧動作を付加したPWM動作を行う第1モードの場合、インピーダンスソース20における電圧vdcは、図15の(a)の部分に示すように、「電圧Vinから順方向電圧Vを減じた電圧」に第1インダクタ201と第2インダクタ202のそれぞれに発生した逆起電力vを加えた電圧Vin−V+2vとなる。
また、インバータ10の短絡による昇圧動作を付加したPWM動作を行う場合、第1キャパシタ203に蓄えられた電荷により生じる電圧vc1は、図15の(b)の部分に示すように、電圧vdcの平均電圧であるvdc_aveとなる。
また、第2キャパシタ204に蓄えられた電荷により生じる電圧vc2は、図15の(b)の部分に示すように、平均電圧vdc_aveから電圧Vinを減じた電圧となる。
また、インバータ10の短絡による昇圧動作を付加したPWM動作を行う場合、図15の(c)の部分に示すように、第1インダクタ201に流れる電流iL1と第2インダクタ202に流れる電流iL2は、同一の大きさの電流である。インバータ10が短絡状態の場合には、電流IL1と電流iL2とを加えた電流が直流電流idcとなる。また、インバータ10がインバータ動作状態の場合には、電流iL1から第1キャパシタ203に流れる電流ic1を減じた電流が直流電流idcとなる。
図15において示されるように、第1モードの場合には、短絡する期間(昇圧期間)と、インバータ動作の期間(印加期間)とで、負荷30を制御する周期である制御周期を構成している。このため、負荷30の回転数が上昇するに従って制御周期が出力周期(出力波形)に近づくため、昇圧動作とPWM動作との各々を制御周期内において両立させることが困難となり、インピーダンスソース20の出力電圧を回転負荷に発生する逆起電力に対応した所望の電圧に昇圧出来なくなくなる。
次に、制御周期においてインピーダンスソース20が昇圧動作を行い、この昇圧動作と独立して並行にインバータ10が単パルスで制御を行う1パルス制御(「矩形波制御」とも呼ばれる)動作を行う第2モードの場合の動作について説明する。
制御周期においてインピーダンスソース20が昇圧動作を行い、並行に1パルス制御動作を行う第2モードの場合、第8スイッチ207はオフ状態である。そして、第7スイッチ206がスイッチングする。
図16は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第6の図である。
第8スイッチ207がオフ状態で、まず、第7スイッチ206がオン状態になると、図16に示すように、直流電圧源40、第2インダクタ202、第7スイッチ206、そして、直流電圧源40に戻るループLP6に電流が流れる。
このとき、第1キャパシタ203に蓄積されていた電荷が放電され、第1キャパシタ203、第1インダクタ201、インバータ10(インバータ動作状態)、(負荷30)、そして、第1キャパシタ203に戻るループLP7に電流が流れる。
インピーダンスソース20がインバータ10に印加する電圧vdcは、ほぼ電圧vc1に等しい電圧で維持される。
図17は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第7の図である。
次に、第7スイッチ206がオフ状態になると、図17に示すように、直流電圧源40、第2インダクタ202、ダイオード205、第1インダクタ201、インバータ10(インバータ動作状態)、(負荷30)、そして、直流電圧源40に戻るループLP8に電流が流れる。また、第7スイッチ206がオフ状態になると、図17に示すように、直流電圧源40、第2インダクタ202、ダイオード205、第1キャパシタ203、そして、直流電圧源40に戻るループLP9に電流が流れる。
このとき、第2インダクタ202に流れる電流が減少するため、第2インダクタ202に逆起電力vが生じる。逆起電力vは、ダイオード205を介して第1キャパシタ203に印加される。
このことにより、インピーダンスソース20は、インバータ10の動作状態に関係なく昇圧された電圧vdcをインバータ10に印加することができる。
なお、インピーダンスソース20がインバータ10に印加する電圧vdcは、単位時間において第7スイッチ206がオン状態となる時間の比率によって決定される。
図18は、本発明の一実施形態によるインピーダンスソースの動作を説明するための第8の図である。
インピーダンスソース20が昇圧動作を行いかつインバータ10が1パルス制御動作を行う第2モードの場合、インピーダンスソース20における電圧vdcは、図18の(a)の部分に示すように、「電圧Vinから順方向電圧VFを減じた電圧」に第2インダクタ202に発生した逆起電力vを加えた電圧Vin−V+vとなる。
また、インピーダンスソース20が昇圧動作を行いかつインバータ10が1パルス制御動作を行う第2モードの場合、第1キャパシタ203に蓄えられた電荷により生じる電圧vc1は、図18の(b)の部分に示すように、電圧vdcとなる。
また、インピーダンスソース20が昇圧動作を行いかつインバータ10が1パルス制御動作を行う場合、図18の(c)の部分に示すように、第1インダクタ201に流れる電流iL1は、直流電流idcとなる。また、第2インダクタ202に流れる電流iL2は、第7スイッチ206がオン状態の場合、増大する。また、第2インダクタ202に流れる電流iL2は、第7スイッチ206がオフ状態の場合、減少する。
図19は、本発明の一実施形態における1パルス制御を説明するための図である。図19(A)は、PWM制御による電圧波形であり、複数の変調されたパルス幅により基本波が形成されていることを示している。図19(B)は、本発明の一実施形態による1パルス制御における単パルスの電圧波形であり、単パルスのパルス幅及び振幅により基本波形が形成されていることを示している。
負荷30がモータなどの回転負荷である場合、1パルス制御を行い矩形波でモータを駆動したときに得られる基本波の電圧振幅は、図19(B)に示すように、インバータ10に印加される電圧の最大4/π(約1.27)倍となる。これにより、インバータ10及びモータの導通損失を低減することができる。また、図19(B)に示すように、インバータ10における各スイッチのスイッチング回数は、PWM波形でモータを駆動したときに比べて著しく少なくできる。これにより、インバータでのスイッチング損失を低減することができる。そのため、1パルス制御を行う負荷駆動回路2は、モータを高速回転させる場合に必要な高周波数で大振幅の電圧を発生させるのに適している。
また、第7スイッチ206が開閉動作と、インバータ動作の制御とは独立して行われる。第1モードにおいては、図15に示されるように、制御周期が短絡された期間(昇圧期間)とインバータ動作の期間(印加期間)とで時分割の制御が行われている。しかしながら、第2モードにおいては、所定の周期で第7スイッチ206が開閉制御され、第2インダクタ206に発生する逆起電力により、直流電圧源40の直流電圧が昇圧され、昇圧により生成された電圧(第2直流電圧)がインバータ10に対して供給される。すなわち、第2モードにおいては、直流電圧源40の直流電圧を昇圧する動作と、昇圧により生成された電圧をインバータ10へ印加する動作との各々が独立して並行に(同時に)行われる。これにより、負荷30の回転数が増加して制御周期が短くなっても、負荷30の逆起電力に対応した所望の電圧を生成する昇圧の動作と、インバータ制御の動作とを所定の制御周期内において行うことができる。また、第2モードにおいては、負荷30の回転数により制御周期が短くなることから、図19(a)に示すPWM制御ではなく、図19(b)に示すように、制御周期において単パルスを負荷30に印加させる1パルス制御が行われる。
(モータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作)
ここでは、負荷30がモータである場合を例に、図2で示したモータの回転数が1〜3のそれぞれの領域における負荷駆動回路2の動作を説明する。
負荷駆動回路2は、上述の動作を行うインバータ10と、インピーダンスソース20と、を備える。
なお、モータの回転数とモータに印加する印加電圧とは相関関係がある。そのため、図2で示した領域1から領域3の各々は、領域の境界を示すモータの回転数のそれぞれに対応する印加電圧に置き換えることにより、図20に示すように、横軸が印加電圧で縦軸がトルクのグラフに置き換えることができる。
図20は、本発明の一実施形態におけるモータの印加電圧とトルクの関係の例を示す図である。図20のグラフにおいては、横軸がインピーダンスソース20が出力する印加電圧を示し、縦軸が印加電圧で駆動した際のトルクを示している。図20においては、図2の領域1と領域2との境界の回転数を第1の判定電圧に置き換え、図2の領域2と領域3との境界の回転数を第2の判定電圧に置き換えた場合を示しており、第1の判定電圧及び第2の判定電圧の各々を用いることにより、領域1、領域2、領域3それぞれを区別することができる。すなわち、モータの回転数は、回転負荷に発生する逆起電力(逆起電力)に比例することを利用して、逆起電力をモニターするための指標値の一つとして用いている。しかしながら、逆起電力を示す指標値として回転数を用いずに、図20における回転負荷に発生する逆起電力に対応して回転負荷に印加する電圧である印加電圧を用いることができる。また、回転負荷に印加する電圧のみでなく、回転負荷に流れる電流値を逆起電力を示す指標値として用いても良い。回転負荷に印加する印加電圧や回転負荷に流れる電流値(負荷電流)を逆起電力を示す指標値として用いる場合、指令値である回転負荷の回転数及びトルクを実現する負荷電流とするという条件からインピーダンスソース20の出力電圧を決定する。そして、このインピーダンスソースの出力電圧の範囲が、どの判定電圧(領域1、領域2、領域3のいずれか)に対応するかにより、インピーダンスソース20のモードを切り替えるかを予め設定しておく。
まず、図2で示した領域1について負荷駆動回路2の動作を説明する。
図2で示した領域1は、モータを駆動するために必要な印加電圧が低い領域である。
図21は、本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第1の図である。
図21においては、モータを駆動するために必要な印加電圧が低い領域であるため、負荷駆動回路2のインピーダンスソース20がモード1で動作し、直流電圧源40の直流電圧の昇圧動作を行わない。インバータ10は、第1モードで動作するインピーダンスソース20から供給される電圧に基づき、PWM動作により負荷20(例えば、モータ)を正弦波(図19(a)に示すPWM波形による基本波)で駆動させる。このとき、インピーダンスソース20は、第7スイッチ206をオフ状態とし、第8スイッチ207をオン状態として、直流電圧源40が出力する電圧からダイオード205の順方向電圧Vを減じた電圧をインバータ10に印加する。
次に、図2で示した2の領域について負荷駆動回路2の動作を説明する。
図22は、本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第2の図である。また、図23は、本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第3の図である。
図2で示した2の領域は、回転数に応じてモータに発生する逆起電力の電圧値が高くなり、モータを駆動するために必要な印加電圧を、インバータ10による直流電圧源40の直流電圧に基づくPWM動作のみでは生成できない領域である。そのため、制御回路3は、図15に示す第2モードの動作により、インバータ10のインバータにおける直列に接続された2個のスイッチ(例えば、スイッチQ1(第1スイッチ101)及びスイッチQ2(第2スイッチ102))をオン状態としてインピーダンスソース20の出力を短絡状態(図22)とすることにより、インピーダンスソース20に昇圧動作を行わせ、直流電圧源40の直流電圧を、モータを駆動するために必要な印加電圧の電圧値に昇圧させる。ここで、制御回路3は、インバータ10におけるインバータのいずれかあるいは全てにおいて、直列に接続されている2個のスイッチをON状態とし、インダクタに流れる電流を増加させる(図22)。そして、制御回路3がインバータ10に対してインバータ動作をさせることにより、インピーダンスソース20の出力電圧Vdcは昇圧される(図23)。これにより、制御回路3は、昇圧した電圧に基づくPWM制御によりモータを正弦波で駆動する(図23)。このとき、インピーダンスソース20は、直流電圧源40が出力する電圧からダイオード205の順方向電圧Vを減じた電圧に、インダクタL(第1インダクタ201)、インダクタL(第2インダクタ202)の各々で発生する逆起電力Vの2倍の電圧が加算された(重畳された)電圧をインバータ10に印加する。
次に、図2で示した3の領域について負荷駆動回路2の動作を説明する。
図24は、本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第4の図である。また、図25は、本発明の一実施形態によるモータの回転数に応じた負荷駆動回路の動作を説明するための第5の図である。図24及び図25の各々において、スイッチQは第1スイッチ101(図3)に対応し、スイッチQは第2スイッチ102に対応し、スイッチQは第3スイッチ103に対応し、スイッチQは第4スイッチ104に対応し、スイッチQは第5スイッチ105に対応し、スイッチQは第6スイッチ106に対応している。また、インダクタLは第1インダクタ201(図3)に対応し、インダクタLは第2インダクタ202に対応し、キャパシタC1は第1キャパシタ203に対応し、キャパシタCは第2キャパシタ204に対応し、ダイオードDはダイオード205に対応し、スイッチQは第7スイッチ206に対応し、スイッチQは第8スイッチ207に対応している。直流出力電圧Vinを出力する直流電圧源は直流電圧源40に対応している。
図24及び図25の各々は、スイッチQの開閉制御を示す図であり、第6スイッチ206を開閉動作させ、第2モードにおける直流電圧源40の直流電圧の昇圧動作を説明する図である。図24がスイッチQの閉状態(ON状態)を示し、図25がスイッチQの開状態(OFF状態)を示している。
図24においては、制御回路3は、スイッチQをON状態とすることにより、インダクタLに流れる電流を増加させ、インダクタLに対して出力電圧Vdcを昇圧させるための電気エネルギを蓄積させる。この時点において、インバータ10は、コンデンサCに蓄積された電力(昇圧されたVdc)を用いて、負荷30に対する1パルス(単パルスの矩形波)による駆動制御を行う。図25においては、制御回路3は、スイッチQをOFF状態とすることにより、インダクタLに蓄積された電気エネルギにより、直流電圧源40の直流電圧Vinの昇圧を行い、出力電圧Vdcが上昇させる。このにより、コンデンサC1に対して、インダクタLに発生した電圧Vと直流電圧Vinとが加算された電圧となる電力が蓄積される。この時点において、インバータ10は、図24の時点と同様に、コンデンサCに蓄積された電力(昇圧されたVdc)を用いて、負荷30に対する1パルス(単パルスの矩形波)による駆動制御を行う。
図2で示した3の領域は、負荷30に発生する逆起電力を示す指標値としての回転数が増加し、モータに発生する逆起電力の電圧値が高くなり、かつ制御周期と出力周期(出力波形)との差が小さくなり、モータを駆動するために必要な印加電圧をインバータ10の短絡による昇圧動作を付加したPWM動作では生成できない領域である。このとき、インピーダンスソース20は、第2モードの動作により、直流電圧源40が出力する直流電圧を昇圧した電圧からダイオード205の順方向電圧Vを減じた電圧をインバータ10に印加する。このインピーダンスソース20における昇圧動作は、すでに述べたように、インバータ10によるモータの駆動の制御周期とは独立に並行して行われる。すなわち、制御回路3は、スイッチQを必要な電圧値に昇圧する所定の周期で開閉させてインピーダンスソース20の出力する電圧を昇圧させつつ、図19(b)に示すように、インバータ10が単パルス(1パルスの矩形波)の基本波によりモータの駆動制御を行う。制御回路3は、インバータ10を1パルス制御させて、モータを矩形波で駆動する。このとき、制御回路3は、インバータ10に対する1パルス制御の制御周期と独立させて、1パルス制御と並行に、スイッチQの開閉動作を所定の周期で継続させて、コンデンサCに対して昇圧した電圧の電力を蓄積し続け、このコンデンサCに蓄積された電力を、負荷30を駆動する電力としてインバータ10に対して供給する。
(シミュレーションによる動作確認)
図3で示した本発明の一実施形態による負荷駆動回路2について、インピーダンスソース20が昇圧し、インバータ10が単パルスを基本波とした1パルス制御により負荷30であるモータを駆動した場合のシミュレーションを行った。
シミュレーションの条件は、第1インダクタ201と第2インダクタ202のインダクタンスを1mHとし、第1キャパシタ203と第2キャパシタ204のキャパシタンスを100uFである。図26は、本発明の一実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。図26に示すように、インピーダンスソース20が直流電圧源40の直流電圧を昇圧し、インバータ10が図19(b)に示す1パルス制御により負荷30を駆動する場合の電圧vdcと電流idcとをシミュレーションにより確認することができた。図26から、電圧vdcは、入力電圧Vin(直流電圧原40の直流電圧、23V)がインピーダンスソース20により昇圧され、入力電圧Vinのおよそ2倍の矩形波電圧(400V)となっていることがわかる。インピーダンスソース20が昇圧することによりインバータ10に印加される電圧が上昇し、インバータ10が負荷30に対して供給する単パルスの振幅が大きくなり、インバータ10及びモータの導通損失を低減することができる。これにより、モータに印可される単パルスの振幅が第1モードに比較して大きく、モータに逆起電力が発生しても、この逆起電力を超え、所定のトルクを発生するモータを駆動させる電圧を印加することができる。また、インバータ10が1パルス制御により負荷30を駆動することにより、インバータ10における各スイッチ(第1スイッチ106から第6スイッチ106の各々)のスイッチング回数がPWM波形でモータを駆動したときに比べて著しく少なくすることができ、インバータ10でのスイッチング損失を低減することができる。
なお、図26において、電圧Vabは、図24及び図26の各々における端子aと端子bとの間の電圧である。出力線間電圧Vbcは、端子bと端子cとの間の電圧である。また、出力電流iは、端子aを流れる電流である。出力電流iは、端子bを流れる電流である。出力電流iは、端子cを流れる電流である。また、DCリンク電流idcは、インピーダンスソース20の出力とインバータ10の直流側との間に流れる電流(図20(C)におけるDCリンク電流)である。また、入力電流Iinは、直流電圧原40が出力する電流の電流値を示している。
すなわち、図26(A)は、制御回路3の制御による電圧Vab及びVbcの各々の時間変化を示す波形図であり、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示している。図26(B)は、制御回路3の制御による電流Ia、Ib及びIcの各々の変化を示す波形図であり、縦軸が電流を示し、横軸が時間を示している。図26(C)は、制御回路3の制御による電流Idc及びIinの各々の変化を示す波形図であり、縦軸が電流を示し、横軸が時間を示している。図26(D)は、制御回路3の制御による電圧Vdc及びVinの各々の時間変化を示す波形図であり、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示している。
図27は、図26(A)における出力線間電圧Vab及び出力線間電圧Vbcの各々を分離して記載した図である。
図27(A)は、図26(A)における出力線間電圧Vabの電圧波形を示しており、縦軸が電圧値(Voltage、例えばV(ボルト))を示し、横軸が時間(例えば、ms(ミリ秒))を示している。この図27(A)の電圧波形により、直流電圧源40が出力する出力電圧Vinの100Vが昇圧されて、出力線間電圧Vabが200V程度となっていることが判る。同様に、図27(B)は、図26(A)における出力線間電圧Vbcの電圧波形を示しており、縦軸が電圧値(Voltage)を示し、横軸が時間を示している。この図27(B)の電圧波形により、直流電圧源40が出力する出力電圧Vinの100Vが昇圧されて、出力線間電圧Vbcが200V程度となっていることが判る。
図28は、図26(B)における出力電流i、出力電流i及び出力電流iの各々を分離して記載した図である。
図28(A)は、図26(B)における出力電流iの電流波形を示しており、縦軸が電流値(Current、例えば、A(アンペア))を示し、横軸が時間(例えば、ms(ミリ秒))を示している。同様に、図28(B)は、図26(B)における出力電流iの電流波形を示しており、縦軸が電流値(Current)を示し、横軸が時間を示している。図28(C)は、図26(B)における出力電流iの電流波形を示しており、縦軸が電流値(Current)を示し、横軸が時間を示している。
図29は、本発明の一実施形態のインピーダンスソース20における第0モード、第1モード及び第2モードの各々における電圧値と回転数との関係を説明する図である。図29においては、縦軸がインピーダンスソース20がインバータ10に供給する出力電圧の電圧値を示し、横軸がインバータ20が駆動する回転負荷の回転数を示している。ここで、縦軸がインピーダンス20の出力電圧としたが、回転負荷に印加される印加電圧でもかまわない。
第0モードにおける回転数においては、回転負荷であるモータの逆起電力が低いため、直流電圧源40の電圧を昇圧しなくとも、所定のトルクを発生させる電圧が印加できるため、昇圧動作を付加しないPWM動作により回転負荷の回転制御を行っている。第0モードの場合、インピーダンスソース20がインバータ10に対して印加する最大電圧は、直流電圧源40の直流電圧Vinである。
また、事前にモータの回転数とこの回転数に応じてモータに発生する逆起電力との関係は、シミュレーションや実験等で判っている。
しかしながら、例えば、モータの回転数がR1(第1閾値)以上となった場合、モータに発生する逆起電力により、所定のトルクを発生させるためには、インピーダンスソース20の動作モードを第1モードに移行させ、直流電圧源40の直流電圧を昇圧し、昇圧した電圧によりPWM動作を行う。すなわち、モータの制御周期を、インバータ10における直列回路の短絡を用いて直流電圧源40の直流電圧を昇圧する昇圧期間と、この昇圧した直流電圧をインバータ10に対して印加する印加期間とに時分割し、所定のトルクを発生させるようにモータを駆動する。第1モードの場合、インピーダンスソース20がインバータ10に対して印加する最大電圧は、直流電圧源40の直流電圧Vinを昇圧した出力電圧Vである。負荷30の回転数が回転数R1(第1閾値)未満の範囲が図2における1の領域(インピーダンスソース20が第0モードで動作する領域)であり、負荷30の回転数が回転数R1以上であり回転数R2(第2閾値)未満の範囲が図2における2の領域(インピーダンスソース20が第1モードで動作する領域)である。
また、さらに、モータの回転数が上昇し、回転数R2(第2閾値)以上となった場合、モータに発生する逆起電力に対応して、所定のトルクを発生させるためには、第1モードでの制御周期を昇圧期間と印加期間との各々に時分割して行う昇圧では、制御周期が短くなり、直流電圧源40の直流電圧を所定のトルクを発生させる電圧まで、すなわち出力電圧Vを超えて昇圧することができなくなる。このため、インピーダンスソース20の動作モードを第2モードに移行させ、直流電圧源40の直流電圧を昇圧する動作と、昇圧した電圧をインバータ10に印加する動作との各々を、それぞれ独立させて並行に行う。これにより、直流電圧源40の直流電圧を昇圧する動作が、モータの制御周期に対して独立した所定の周期により行えるため、所定のトルクを得るための電圧まで十分に昇圧を行うことができる。また、制御周期が短くなるため、PWM動作でなく、1パルス動作によりモータを駆動するため、制御周期が短くとも所定の電力をモータに印加することができる。負荷30の回転数が回転数R1(第1閾値)以上であり回転数R2(第2閾値)未満の範囲が図2における2の領域(インピーダンスソース20が第1モードで動作する領域)であり、負荷30の回転数が回転数R2以上の範囲が図2における3の領域(インピーダンスソース20が第2モードで動作する領域)である。
本実施形態においては、モータなどの回転負荷(負荷30)の開放電圧が回転数に比例する関係を用い、制御を行う前に、開放電圧と回転数との対応表を作成しておく。そして、電圧センサによりモータに発生する逆起電力を直接的に測定せず、エンコーダなどによりモータの回転数を測定することにより、回転数から上記対応表によりモータに発生する逆起電力を推定し、この推定された逆起電力に対応するモータの駆動に必要な電圧を、すでに説明したモード0からモード2の各々の制御により、インピーダンスソース20において昇圧して生成する。
一般的に、モータなどの回転負荷が電流制御により駆動されるため、制御回路3は、インピーダンスソース20の出力側に設けられた電流センサやインバータ10の回路内のシャント抵抗からモータを駆動する駆動電流の電流値を検出して取得する。そして、制御回路3は、取得したモータに対する駆動電流が、所望の回転数やトルクを得るための制御値である指令値電流に近づくように、インピーダンスソース20の出力電圧を制御する。
以上、本発明の一実施形態による負荷駆動回路2を備える負荷駆動システム1について説明した。
負荷駆動システム1において、負荷駆動回路2は、直流電圧源40と負荷30との間に設けられる。負荷駆動回路2は、インピーダンスソース20と、インバータ10と、を備える。インピーダンスソース20は、負荷駆動回路2が負荷30の許容電圧によって決定される負荷30に印加する許容電圧範囲のうち、第1の判定電圧以上の電圧を負荷30に印加する場合(第2モードの場合)に、直流電圧源40から供給された直流電圧を、第2インダクタ202及び第7スイッチ206の各々を用いることで昇圧して第1の直流電圧を生成し、かつ、この第1の直流電圧をインバータ10に対して供給し、インバータ10の1パルス制御を補助する。インバータ10は、1パルス制御に基づいて、第1の直流電圧を、負荷30を駆動する交流電圧に変換する。
このようにすれば、負荷駆動回路2は、小型のモータであっても高速回転させることで高い出力を得ることができる。その結果、負荷駆動回路2は、モータを用いる車両において、昇圧動作を行いかつ矩形波電圧を発生させることができ、さらに、エネルギ効率をよくすることができる。
すなわち、モータの回転数が上昇して、制御周期がモータを駆動する出力波形に近づき、かつ発生する逆起電力が増加することにより、制御周期における昇圧期間及び昇圧して生成した電圧の印加期間の各々を時分割で行う第1モードでは、負荷30の逆起電力に対応した昇圧を十分に行うことができなくなる。一方、本実施形態によれば、インピーダンスソース20が制御周期とは無関係の周期により直流電圧源40の直流電圧を昇圧するため、制御周期とは関係なく並行して独立に、モータに発生する逆起電力に対応した昇圧動作を行わせることができ、かつインバータ10が制御周期において単パルスで負荷30を駆動するため、負荷30の回転数が上昇して制御周期がモータを駆動する出力波形に近づいても、負荷30の効率のよい駆動を行うことができる。
なお、本発明の実施形態による負荷駆動システム1は、例えば、自動車や電車などの車両あるいは低速から高速まで幅広い速度領域で駆動が求められる回転機アプリケーションに備えられるものであってよい。
なお、本発明の実施形態について説明したが、上述の制御回路3は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記の処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。
1・・・負荷駆動システム
2・・・負荷駆動回路
3・・・制御回路
10・・・インバータ
20・・・インピーダンスソース
30・・・負荷(モータなど)
40・・・直流電圧源
101・・・第1スイッチ
102・・・第2スイッチ
103・・・第3スイッチ
104・・・第4スイッチ
105・・・第5スイッチ
106・・・第6スイッチ
201・・・第1インダクタ
202・・・第2インダクタ
203・・・第1キャパシタ
204・・・第2キャパシタ
205・・・ダイオード
206・・・第7スイッチ
207・・・第8スイッチ

Claims (7)

  1. 直流電圧源と回転負荷との間に設けられ、インピーダンスソースと、インバータと、を備える負荷駆動回路であって、
    前記インピーダンスソースは、
    当該回転負荷の制御周期が前記直流電圧源の電源電圧を昇圧する昇圧期間と、昇圧により得られた第1直流電圧を前記インバータに印加する印加期間とからなる第1モードと、前記回転負荷の制御周期において前記直流電圧源の前記電源電圧の昇圧と並行して、昇圧により得られた第2直流電圧を前記インバータに印加する第2モードとの各々を有し、前記回転負荷に発生する逆起電力を示す指標値に応じて、前記第1モードまたは第2モードにより動作し、
    前記インバータは、
    前記第1モードの制御周期の際、前記印加期間において前記回転負荷をPWM制御し、前記第2モードの制御周期の際、前記制御周期において前記回転負荷を所定の幅の単パルスで制御する
    ことを特徴とする負荷駆動回路。
  2. 前記インピーダンスソースは、
    予め前記指標値の判定値である閾値として、第1閾値及び当該第1閾値より大きい第2閾値の各々が設定されており、
    前記指標値が前記第1閾値未満の場合、前記直流電圧源の直流電圧を前記インバータに印加する第0モードで動作し、
    前記指標値が前記第1閾値以上であり、前記第2閾値未満の場合、前記第1モードで動作し、
    前記指標値が前記第2閾値以上の場合、前記第2モードで動作し、
    前記インバータが前記第0モードの場合、前記制御周期において前記回転負荷をPWM制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動回路。
  3. 前記第1閾値が、前記第0モードでは前記回転負荷を制御できない逆起電力が前記回転負荷に発生する指標値であり、
    前記第2閾値が、前記回転負荷に前記第1モードにおける前記昇圧期間が所定の昇圧を行う長さを取得できない制御周期となる指標値である
    ことを特徴とする請求項2に記載の負荷駆動回路。
  4. 前記インピーダンスソースは、
    第1のインダクタと、第2のインダクタと、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、ダイオードと、第1のスイッチと、第2のスイッチと、
    を備え、
    前記第2のインダクタの一端と、前記直流電圧源の高電圧側端子と、
    が接続され、
    前記第2のインダクタの他端と、前記ダイオードのアノードと、前記第1のスイッチの一端と、
    が接続され、
    前記第1のインダクタの一端と、前記第1のキャパシタの一端と、前記ダイオードのカソードと、
    が接続され、
    前記第1のインダクタの他端と、前記インバータの入力の一端と、
    が接続され、
    前記第1のキャパシタの他端と、
    前記直流電圧源の低電圧側端子と、前記第1のスイッチの他端と、前記インバータの入力の他端と、が接続され、
    前記第1のインダクタの他端と前記第2のインダクタの他端との間に、前記第2のキャパシタと前記第2のスイッチとが直列に接続される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の負荷駆動回路。
  5. 前記第2モードにおいて、前記第1のスイッチが前記制御周期と異なる昇圧周期で開閉を制御して、前記第1のインダクタと前記ダイオードのアノードとの接続点の電圧の昇圧を行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の負荷駆動回路。
  6. 請求項4または請求項5に記載の負荷駆動回路と、
    前記負荷駆動回路における前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各々の開閉を制御する制御回路と、
    を備える負荷駆動システム。
  7. 直流電圧源と回転負荷との間に設けられ、インピーダンスソースと、インバータと、を備える負荷駆動回路の負荷駆動方法であって、
    前記回転負荷に発生する逆起電力を示す指標値に応じて、第1モードである当該回転負荷の制御周期が前記直流電圧源の電源電圧を昇圧する昇圧期間と、昇圧により得られた第1直流電圧を前記インバータに印加する印加期間とからなるモードにより、または第2モードである前記回転負荷の制御周期において前記直流電圧源の前記電源電圧の昇圧と並行して、昇圧により得られた第2直流電圧を前記インバータに印加するモードにより、前記インピーダンスソースが動作する過程と、
    前記第1モードの制御周期の際、前記印加期間において前記回転負荷をPWM制御し、前記第2モードの制御周期の際、前記制御周期において前記回転負荷を所定の幅の単パルスで制御する過程と
    を有することを特徴とする負荷駆動方法。
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