JPWO2018043020A1 - 絶縁性を有するアンダーコート剤組成物 - Google Patents

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Abstract

絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸を含む、電池又は電気二重層キャパシタの集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物である。また、当該アンダーコート剤組成物を、集電体上に塗布して塗膜を形成する工程、及び前記集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した集電体上に、導電性の活物質を塗布する工程を含む、電池又は電気二重層キャパシタの集電体の製造方法である。

Description

本発明は、電池集電体用の絶縁性アンダーコート剤組成物、該絶縁性アンダーコート剤組成物でコートした電池集電体及びこの電池集電体を含む電池に関する。
軽量で電圧が高く容量も大きいリチウムイオン二次電池や、充放電レート特性の良い電気二重層キャパシタは、携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器、デジタルカメラなどのポータブル機器、車両や家庭用の電源として広く実用化されており、生活に欠かせない電気エネルギー蓄積デバイスとなっている。
リチウムイオン二次電池に代表される二次電池は基本的な構造として、セパレーターで隔離された正極シートと負極シートの組合せという構造を有する。二次電池では、充放電の効率、サイクル寿命のような電池特性が求められる。このような電池としての特性を十分に発揮させるために、電池集電体と活物質層間の密着性を高めるべく、電池集電体に導電性のコート層を設け、該導電性コート層の表面に活物質層を形成する方法が知られている(特開昭63−121265公報)。また、集電体と活物質層の間に、主に樹脂からなるバインダー層をドット状に配置することで、導通と接着性とを共に確保する方法が知られている(特許第5522487号公報)。二次電池のサイクル特性を高める方法としてもう一方では、集電体上に、例えばチタンとケイ素粒子を含有する被膜を形成する方法が知られている(特開2014−99270号公報)。
正極シート及び負極シートには、集電体に活物質層が形成された塗布部と、電極端子を接続するため活物質層が塗布されていない未塗布部とが存在する。未塗布部ではアルミニウムや銅等の集電体がむき出しになっていることになるが、これは外力が加わるなどの要因で電池内部に短絡が生じた場合に安全性の面で問題を抱えている。電池の大容量化に伴って発熱量も増加することになるので、例えば車載用等のパワー用途向け電池では、この問題は深刻である。この問題に対して、集電体に積層された活物質層と未塗布部との境界に、固体絶縁物が含まれている絶縁性溶液によって絶縁部材を形成する方法が開示されている(WO2016/067706パンフレット)。
特開昭63−121265公報 特許第5522487号公報 特開2014−99270号公報 WO2016/067706パンフレット
しかしながら、WO2016/067706パンフレット記載の方法では、集電体と活物質層の境界のみに絶縁性溶液を付着させるものであり、密着性の面で課題が残されていた。また、絶縁材料には絶縁性の向上、密着性の面でさらなる改善が求められる。一方で、絶縁性の部材を集電体上に形成すると、集電体と活物質層とでの電子のやりとりが阻害されるので、通常は電池としての特性が妨げられることは避けられない。本発明の課題は、電池の出力特性に悪影響を及ぼすことなく、集電体と活物質層の密着性を向上させ、安全面でも優れた電池を供給することである。
本発明者は、従来技術の上記問題点を解決すべく検討したところ、アンダーコート剤に絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸を配合し、集電体上に塗膜を形成することで、驚くべきことに上記課題が解決することを見出した。
本発明は、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸を含む電池又は電気二重層キャパシタの集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物である。本発明はまた、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸を含む、集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を、集電体上に塗布して塗膜を形成する工程、及び前記集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した集電体上に、導電性の活物質を塗布する工程を含む、電池又は電気二重層キャパシタの集電体の製造方法に関する。本発明は、さらに、上記の電池又は電気二重層キャパシタの集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物でコートした電池又は電気二重層キャパシタの集電体及びこの電池又は電気二重層キャパシタの集電体を含む電池又は電気二重層キャパシタである。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、これを電池又は電気二重層キャパシタの集電体にコートすることにより、絶縁性の組成物であるにも関わらず電池の出力特性に悪影響を及ぼすことなく、集電体と活物質層の密着性を向上させ、安全面に優れた電池を供給することができる。
本発明の組成物を用いた電極シートの構造を表す模式図である。 SEM・EDSによる、本発明の組成物を用いた電極シートの断面元素分析の結果を示す図である。
本発明の電池集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物は、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸を含む。以下、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物に含まれる各成分について詳述する。
[絶縁性フィラー]
絶縁性フィラーは、アンダーコート剤組成物に絶縁性を付与し、集電体上の活物質塗布部と未塗布部の間の短絡を防止する役割を果たす。絶縁性フィラーは、絶縁性材料である各種公知の無機粒子又は有機粒子を使用する事ができる。絶縁性フィラーの非限定的例としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物の粉末、チタン酸バリウム等の金属酸化物塩、コロイダルシリカやチタニアゾル、アルミナゾル等のゾル、タルク、カオリナイト、スメクタイト等の粘土鉱物、炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物、窒化ホウ素、ホウ化チタン、酸化ホウ素等のホウ化物、ムライト等の複合酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ポリエチレン等の有機粒子が挙げられる。チタン酸バリウムは誘電率を上げる事ができる点で好ましいが、入手の容易性などの面から、絶縁性フィラーとしてはアルミナを用いることが好ましい。このような絶縁性フィラーは、1種類、又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらは粉状で使用してもよいし、シリカゾルやアルミゾルのような水分散コロイドの形で使用してもよい。粒子の大きさは特に制限されないが、0.001〜1μmの範囲が好ましく、更に好ましくは0.005〜0.5μmの範囲である。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、絶縁性を確保し短絡を防止しやすくする観点から、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計量100重量部に対して、絶縁性フィラーを20〜80重量部含むことが好ましく、30〜70重量部含むことがより好ましく、40〜60重量部含むことが特に好ましい。
[樹脂バインダー]
樹脂バインダーは、アンダーコート剤組成物に接着性を与え、集電体と活物質層との密着性をもたらす高分子化合物である。樹脂バインダーの具体例として、完全ケン化ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;クラレポバールPVA−124、日本酢ビ・ポバール株式会社製;JC−25等)、部分ケン化ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;クラレポバールPVA−235、日本酢ビ・ポバール株式会社製;JP−33等)、変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;クラレKポリマーKL−118、クラレCポリマーCM−318、クラレRポリマーR−1130、クラレLMポリマーLM−10HD、日本酢ビ・ポバール株式会社製;DポリマーDF−20、アニオン変性PVA AF−17、アルキル変性PVA ZF−15、カルボキシメチルセルロース(ダイセル工業株式会社製;H−CMC、DN−100L、1120、2200、日本製紙ケミカル株式会社製;MAC200HC等)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル工業株式会社製;SP−400等)、ポリアクリルアミド(MTアクアポリマー株式会社製;アコフロックA−102)、ポリオキシエチレン(明成化学工業株式会社製;アルコックスE−300)、エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製;EX−614、ジャパンケムテック株式会社製;エピコート5003−W55等)、ポリエチレンイミン(日本触媒株式会社製;エポミンP−1000)、ポリアクリル酸エステル(MTアクアポリマー株式会社製;アコフロックC−502等)、並びに糖類及びその誘導体(和光純薬工業株式会社;キトサン5、日澱化学株式会社製;エステル化澱粉乳華、グリコ株式会社製;クラスタ−デキストリン)、ポリスチレンスルホン酸(東ソー有機化学株式会社製;ボリナスPS−100等)等が挙げられ、これらの水溶性高分子を水に溶かした状態で用いることができる。
さらに例えば、アクリル酸エステル重合エマルジョン(昭和電工株式会社製;ポリゾールF−361、F−417、S−65、SH−502)、及びエチレン・酢酸ビニル共重合エマルジョン(株式会社クラレ製;パンフレックスOM−4000NT、OM−4200NT、OM−28NT、OM−5010NT)等のエマルジョンを挙げることもでき、これらは水に懸濁させた状態で用いることができる。変性ポリビニルアルコール(信越化学工業株式会社製;シアノレジンCR−V)、変性プルラン(信越化学工業株式会社製;シアノレジンCR−S)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)等の高分子も挙げることができ、これらをN−メチルピロリドンに溶かした状態で用いることができる。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、集電体と活物質層との密着性が良好になる観点から、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計量100重量部に対して、樹脂バインダーを5〜50重量部含むことが好ましく、7〜40重量部含むことがより好ましく、10〜35重量部含むことが特に好ましい。
[ポリカルボン酸]
ポリカルボン酸は、熱又は光等のエネルギー投与により、樹脂バインダーを硬化するような架橋性化合物であり、1分子中に複数のカルボキシ基を有する化合物である。ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、無水マレイン酸、フタル酸、無水トリメリット酸、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、アスパラギン酸、ピロメリット酸、メリト酸、含リンエステル基テトラカルボン酸、フェニルエチニルフタル酸、3−フルオロ−1,2−ベンゼンジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、オキシジフタル酸及びポリアクリル酸からなる群から選択される1種以上の化合物及び/若しくはこれらの化合物由来の酸無水物、並びに/又は、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート(酸無水物)、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン(酸無水物)、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート(酸無水物)、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート(酸無水物)からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、ピロメリット酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、メリット酸及びポリアクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましく、ポリアクリル酸が更に好ましい。カルボン酸が1分子中に2以上置換されているものが反応性や架橋密度の観点で好ましい。また、例示したポリカルボン酸の内、酸無水物に相当するものを使用することもできる。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計量100重量部に対して、ポリカルボン酸を5〜50重量部含むことが好ましく、7〜40重量部含むことがより好ましく、10〜35重量部含むことが特に好ましい。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、好ましくはカップリング剤、各種の溶媒や安定剤、酸や塩基をさらに含むことができる。
本発明の組成物は、さらに、カップリング剤を含むことができる。カップリング剤を本発明の組成物に配合することにより、本発明の組成物中に含まれる活性水素(例えば、水素結合性官能基)を有する置換基と反応させ、さらに架橋密度を向上させることができる。このようなカップリング剤としては、具体的にはフッ素系のシランカップリング剤として、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、エポキシ変性シランカップリング剤として信越化学工業株式会社製カップリング剤(商品名:KBM−403)、オキセタン変性シランカップリング剤として東亞合成株式会社製カップリング剤(商品名:TESOX電池集電体用組成物)、あるいは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランを挙げることができる。また、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタン系カップリング剤を挙げることができる。これらは、単独で、又は2種以上を併用してもよい。カップリング剤としては、チタン系カップリング剤又はシランカップリング剤が好ましい。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計量100重量部に対して、カップリング剤を0.1〜15重量部含むことが好ましく、1〜10重量部含むことがより好ましく、5〜10重量部含むことが特に好ましい。
(溶媒)
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、液性を調整するために、各種溶媒を含むことができる。溶媒としては、炭化水素(プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、テレビン油、ピネン等)、ハロゲン系炭化水素(塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、臭化メチル、臭化エチル、クロロベンゼン、クロロブロモメタン、ブロモベンゼン、フルオロジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロクロロエタン等)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−オクタノール、n−ドデカノール、ノナノール、シクロヘキサノール、グリシドール等)、エーテル、アセタール(エチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、シネオール、メチラール)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等)、エステル(ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−アミル、酢酸メチルシクロヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、ステアリン酸ブチル等)、多価アルコールとその誘導体(エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル等)、脂肪酸及びフェノール(ギ酸、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、無水プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸、フェノール、クレゾール、o−クレゾール、キシレノール等)、窒素化合物(ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジアミルアミン、アニリン、モノメチルアニリン、o−トルイジン、o−クロロアニリン、ジクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル、ピリジン、α−ピコリン、2,4−ルチジン、キノリン、モルホリン等)、硫黄、リン、その他化合物(二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、4,4−ジエチル−1,2−ジチオラン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、メタンチオール、プロパンスルトン、リン酸トリエチル、リン酸トフェニル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、ホウ酸アミル等)、無機溶剤(液体アンモニア、シリコーンオイル等)、水等の液体を例示することができる。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、塗工装置に合わせて溶媒を粘度調製のために任意の比率で添加することが可能で、塗工性の観点から1〜10000mPa・sの粘度が好ましく、10〜1000mPa・sの粘度がより好ましく、100〜500mPa・sの粘度が特に好ましい。
(安定剤)
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、さらに必要に応じて、安定剤を適宜選択して含むことができる。このような安定剤としては、具体的には2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチル−フェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−1,3,5−トリアジン等によって例示されるフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等によって例示される芳香族アミン系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−tert−ブチル−フェニル]スルフィド、2−メルカプト−5−メチル−ベンゾイミダゾール等によって例示されるサルファイド系ヒドロペルオキシド分解剤、トリス(イソデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスファートジエチルエステル、ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファート等によって例示されるリン系ヒドロペルオキシド分解剤、フェニルサリチラート、4−tert−オクチルフェニルサリチラート等によって例示されるサリチレート系光安定剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等によって例示されるベンゾフェノン系光安定剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等によって例示されるベンゾトリアゾール系光安定剤、フェニル−4−ピペリジニルカルボナート、セバシン酸ビス−[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]等によって例示されるヒンダードアミン系光安定剤、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル(II)によって例示されるNi系光安定剤、シアノアクリレート系光安定剤、シュウ酸アニリド系光安定剤等を挙げることができる。これらの化合物は、1種類、又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、安定剤を、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部含むことが好ましく、0.05〜5重量部含むことがより好ましく、0.1〜1重量部含むことが特に好ましい。
(酸、塩基)
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、例えばアルミや銅集電体などの腐食を抑制するためのpH調整剤として、酸や塩基を含むことができる。具体的な酸としては、塩酸、酢酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸及び臭化水素酸を挙げることができ、具体的な塩基としては、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニアなどを挙げることができる。これらの化合物は、1種類、又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、酸、塩基を、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計100重量部に対して、0.00001〜10重量部含むことが好ましく、0.0005〜5重量部含むことがより好ましく、0.001〜1重量部含むことが特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、濡れ性を調節するために、各種界面活性剤を含有することができる。このような界面活性剤としては、アニオン界面活性剤として、石ケン、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩等が挙げられ、カウンターカチオンとしてはナトリウムイオンやリチウムイオンを用いる事ができる。リチウムイオン二次電池に於いてはリチウムイオンタイプがより好ましい。両性界面活性剤としては、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、脂肪酸アルキルベタイン、スルホベタイン、アミオキサイド等が挙げられ、非イオン(ノニオン)型界面活性剤としては、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型化合物、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキルエーテル型化合物、ポリオキシソルビタンエステル等のエステル型化合物、アルキルフェノール型化合物、フッ素型化合物、シリコーン型化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種類、又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、界面活性剤を、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計100重量部に対して、0.01〜50重量部含むことが好ましく、0.1〜20重量部含むことがより好ましく、1〜10重量部含むことが特に好ましい。
(有機物粒子)
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、さらに、有機物粒子を含むことができる。有機物粒子により本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物に、皮膜の柔軟性を付与したり、より高い絶縁性を与えることができる。このような有機物粒子としては、スチレンブタジエンやニトリルゴムのようなゴム微粒子、アクリル粒子、ウレタン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリエチレン粒子、テフロン(登録商標)粒子、等が挙げられる。これらの粒子は、1種類、又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができるし、エマルジョンの形で添加することもできる。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、有機物粒子を、絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸の合計100重量部に対して、0.01〜100重量部含むことが好ましく、0.5〜80重量部含むことがより好ましく、1〜50重量部含むことが特に好ましい。
[絶縁性アンダーコート剤組成物の製造方法]
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は、上記成分を混合し撹拌することによって溶液又は懸濁液等として得ることができる。撹拌は、プロペラ式ミキサー、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ニーダー、乳化用ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の各種撹拌装置を適宜選択して行うことができる。また、必要に応じて加熱又は冷却しながら撹拌することもできる。
本発明の一態様は、絶縁性材料である無機粒子、樹脂バインダー及びポリカルボン酸を含む、集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を、集電体上に塗布して塗膜を形成する工程、及び前記集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した集電体上に、導電性の活物質を塗布する工程を含む、電池又は電気二重層キャパシタの集電体の製造方法である。当該方法により、集電体上の活物質が塗布されている部分とそうでない部分とが隔離され、短絡が生じにくい電極を得ることができる。また、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物は電気抵抗が大きいので、外力などの衝撃に伴う変形などがあった場合でも、電気的に集電体上の活物質が塗布されている部分とそうでない部分が隔離され、高い安全性を発揮することができる。
集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を、集電体上に塗布して塗膜を形成する方法は、スピンコート、スプレー塗布など、平面状に塗工することができるものであれば特に制限されず、当業者に公知の方法を採用することができる。塗工した後は、温風を当てるなどの加熱により乾燥させ、塗膜を形成することができる。加熱温度は、集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物が溶媒を含む場合には、例えば溶媒の沸点前後の温度とすることができる。また、減圧下で溶媒を蒸発させることにより塗膜を形成してもよい。塗膜の形成後は、必要に応じて、ロールプレスなどの方法によりプレスしてもよい。
集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を、集電体上に塗布して得られた集電体用の積層シートには、次いで活物質層を塗布することで、電極板を得ることができる。活物質層の塗工方法は集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物の塗布方法と同様、当業者に公知のものを採用することができる。活物質層の塗布領域を、電極板上に集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物の塗布領域が現れるように塗工することで、短絡を防止し、また密着性に優れた電極板を得ることができる。
[集電体]
本発明のさらなる一態様は、上記電池又は電気二重層キャパシタの集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物でコートした電池又は電気二重層キャパシタの集電体である。
本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物でコートされた集電体は、上記材料を用いて配合した絶縁性アンダーコート剤組成物を電池又は電気二重層キャパシタの集電体にコートすることで製造できる。電池又は電気二重層キャパシタの集電体としては、金、銀、銅、アルミ、ニッケル、鉄、コバルトなどの金属やカーボン繊維不織布、金属複合材料などの導電性を有する複合材料を例示できる。リチウムイオン二次電池においては正極用にアルミ箔、負極用に銅箔が、電気二重層キャパシタにおいてはアルミ箔やアルミのエッチング箔がそれぞれ用いられている。コーティングはグラビアコーターやスリットダイコーター、スプレーコーター、ディッピングなどを利用することができる。コート層の厚さは0.01〜100μmの範囲が好ましく、電気特性及び密着性の観点から0.05〜5μmの範囲が更に好ましい。コート層があまり薄いと十分な抵抗を発揮することができない。逆に厚すぎると電池としたときの体積に影響が出る。
[電池又は電気二重層キャパシタ]
本発明は、上記電池又は電気二重層キャパシタの集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物でコートした電池又は電気二重層キャパシタの集電体を含む電池又は電気二重層キャパシタに関する。電池の製造は、公知の方法によって行うことができる。
本発明の電池は、内部抵抗が低く、また集電体と活物質層間の剥離が起き難いため、大電流を流すことが可能で、急速充放電が可能になる。また、電池集電体表面に強固に結合するため、界面の劣化に伴う抵抗値の増大を抑えることができ、充放電試験や保存試験など長期信頼性試験後の電池特性の低下が小さい。特に、本発明の活性水素基を有する無機粒子は、電池集電体表面に存在する極性置換基(例えば金属の場合は水酸基など)と水素結合や共有結合を形成するため、密着力とその密着力の電気化学的な耐久性に優れる。さらに、集電体と活物質とが絶縁部で隔てられるので、短絡を生じることなく安全性を保つことができる。
以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。添加量の表示は、断りが無い場合は重量部である。
※実施例、比較例で使用した各材料は以下の通りである。
・ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製;JC−25)
・キトサン(和光純薬工業株式会社;キトサン100)
・PVDF(アルケマ株式会社;カイナーADX111)
・ポリアクリル酸(東亞合成社;ポリアクリル酸20%水溶液AC10H)
・ピロメリット酸(東京化成工業;ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸)
・ポリアクリルアミド(和光純薬工業株式会社;ポリアクリルアミド10%水溶液)
〔製造例1〕集電体用コート剤組成物
各実施例及び比較例に対応する各材料と配合量(質量部表示である)で、10Lのビーカーに溶媒(イオン交換水又はN−メチルピロリドン:NMP)1000mLを加え、樹脂バインダーを加え、80℃で6時間均一になるまで攪拌した。そこへ、ポリカルボン酸を加え60℃で4時間均一になるまで攪拌した。そこへ、絶縁性フィラーを加え、絶縁性フィラーが概ね均一に分散するまで攪拌してアンダーコート組成物の溶液を得た。各実施例及び比較例に対応する材料、配合量は以下の表1及び3に示すとおりである。
上記溶液を、冷却ジャケットつきのビーズミルを用いてさらに絶縁性フィラーを分散した後、液温が30℃以上にならないように冷却しながら、0.5mmのジルコニアボールを充填率80%で入れ、周速7mで、2回循環攪拌して、集電体用コート剤組成物である塗工液を得た。
〔製造例2〕蓄電デバイス用電極板/集電体積層シート
集電体1(幅200mm、厚さ15μmの圧延銅箔)に、幅200mmで上記塗工液を塗布し、150℃温風炉で30秒乾燥させた後、線圧300kgf/cmでロールプレスした。乾燥後の塗工膜厚が1μmの集電体1を用いた集電体積層シート1を作製した。
(1)集電体積層シート1の抵抗測定
実施例1〜8及び比較例1〜4の集電体用コート剤組成物で得られた集電体積層シート1を、それぞれ、幅20mm長さ50mmのサイズで4枚切り出した。切り出した2枚の塗工面同士を合せ、その接触面を20mm×20mmになるよう調整し塩化ビニル板上に置いた。必要に応じて2枚が接触している部分に1kg/cmになるよう加重を掛け接触部分を固定した。集電体同士が接触していない各々の端部をACミリオームメーターに結合し、集電体の貫通抵抗値を2回測定した。なお、比較例1の集電体積層シート1は、アンダーコート剤組成物を塗布しない圧延銅箔である。
〔製造例3〕(負極の製造)
冷却ジャケットつきの10Lプラネタリーミキサーに、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:アルケマ株式会社;カイナーADX111)の15質量%NMP溶液600質量部(600g)、グラファイト(昭和電工製;SCMG-AR)1150質量部(1150g)、NMP700質量部(700g)を加え、液温が30℃を超えないように冷却しながら均一になるまで攪拌し、負極活物質混合物を作製した。
この負極活物質混合物を、集電体積層シート1の塗工膜側に、塗工液の塗布面が両端25mm幅で残るように幅150mmで塗工し、120℃温風炉で1分間乾燥させたのち、線圧300kgf/cmでロールプレスした。その後、120℃恒温槽にて6時間減圧乾燥させて、集電体積層シート1と負極活物質が積層した電極板(以下、負極という)を得た。
(2)電極シートの抵抗測定
実施例9〜13及び比較例5〜9の電極シートを、それぞれ、幅20mm長さ50mmのサイズで4枚切り出した。切り出した2枚の塗工面同士を合せ、その接触面を20mm×20mmになるよう調整し塩化ビニル板上に置いた。必要に応じて、2枚が接触している部分に1kg/cmになるよう加重を掛け接触部分を固定した。集電体同士が接触していない各々の端部をACミリオームメーターに結合し、電極シートの貫通抵抗値を測定した。
表1から、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した集電体積層シート1は、圧延銅箔そのものを集電体積層シートとした比較例1、絶縁性フィラー及び/又はポリカルボン酸を含まない組成物を塗布した集電体積層シート(比較例2〜4)と比べて大きな抵抗を示した(実施例1〜8)。一方表2から、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した電極シートは、圧延銅箔そのもの又は絶縁性フィラー及び/若しくはポリカルボン酸を含まない組成物を塗布した集電体積層シートを電極シートとした比較例5〜9と比べて抵抗に有意な差がないことが示された(実施例9〜13)。このことは、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物を集電体に塗布することで、集電体積層シートとしては短絡を防止できる高い絶縁性を有しつつも、絶縁性組成物が塗布されているにも関わらず電極として変わらない特性を有する、すなわち、本発明の組成物をアンダーコート剤として塗布した電極シートを含む電池は、電池としての特性を保ちつつ、安全性が非常に向上していることがわかる。
電極と集電体の間に絶縁性アンダーコート剤組成物が存在しているか確認するために、実施例10の電極の断面元素分析をSEM・EDSを用いて行った。試料はチャージアップを防ぐために表面にオスミウムを蒸着した。
〔製造例4〕蓄電デバイス用電極板/集電体積層シート
集電体2(幅200mm、厚さ20μmの圧延アルミ箔)に、幅200mmで上記塗工液を塗布し、150℃温風炉で30秒乾燥させ、乾燥後の塗工膜厚が1μmの集電体2を用いた集電体積層シート2を作製した。
(3)集電体積層シート2の抵抗測定
実施例14〜21及び比較例7〜10の集電体用コート剤組成物で得られた集電体積層シート2を、それぞれ、幅20mm長さ50mmのサイズで4枚切り出した。切り出した2枚の塗工面同士を合せ、その接触面を20mm×20mmになるよう調整し塩化ビニル板上に置いた。必要に応じて、2枚が接触している部分に1kg/cmになるよう加重を掛け接触部分を固定した。集電体同士が接触していない各々の端部をACミリオームメーターに結合し、集電体の貫通抵抗値を測定した。なお、比較例7の集電体積層シート1は、アンダーコート剤組成物を塗布しない圧延アルミ箔である。
〔製造例5〕正極の製造
冷却ジャケット付きの10Lプラネタリーミキサーに、PVDF(アルケマ株式会社;カイナー761)14質量%NMP溶液500質量部(500g)、コバルト酸リチウム(日本化学工業株式会社製;C−5H)1100質量部(1100g)、AB50質量部(50g)、NMP300質量部(300g)を加え、液温が30℃を超えないように冷却しながら均一になるまで攪拌して正極活物質混合物を作製した。
この正極活物質混合物を、集電体積層シート2の塗工膜側に、塗工液の塗布面が両端25mm幅で残るように幅150mmで塗工し、120℃温風炉で1分間乾燥させたのち、線圧300kgf/cmでロールプレスした。その後、120℃恒温槽にて6時間減圧乾燥させて、集電体積層シート2と正極活物質が積層した電極シート(以下、正極という)を得た。
(4)電極シートの抵抗測定
実施例22〜29及び比較例11〜14の電極シートを、それぞれ、幅20mm長さ50mmのサイズで4枚切り出した。切り出した2枚の塗工面同士を合せ、その接触面を20mm×20mmになるよう調整し塩化ビニル板上に置いた。必要に応じて、2枚が接触している部分に1kg/cmになるよう加重を掛け接触部分を固定した。集電体同士が接触していない各々の端部をACミリオームメーターに結合し、電極シートの貫通抵抗値を測定した。
表3から、表1と同様、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した集電体積層シート2は、圧延アルミ箔そのものを集電体積層シートとした比較例7、絶縁性フィラー及び/又はポリカルボン酸を含まない組成物を塗布した集電体積層シート(比較例8〜10)と比べて大きな抵抗を示した(実施例14〜21)。一方表4から、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した電極シートは、圧延アルミ箔そのものを電極シートとした比較例11と比べて抵抗に有意な差がなく、絶縁性フィラー及び/又はポリカルボン酸を含まない組成物を塗布した集電体積層シートを電極シートとした比較例12〜14と比べて抵抗値を抑えられることが示された(実施例22、24、26、28:プレス工程を含まないものでの比較)。このことから、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物を集電体に塗布することで、集電体積層シートとしては短絡を防止できる絶縁性を有しつつも、絶縁性組成物が塗布されているにも関わらず電極として変わらない特性を有する、すなわち、本発明の組成物をアンダーコート剤として塗布した電極シートを含む電池は、電池としての特性を保ちつつ、安全性が非常に向上していることがわかる。
〔製造例6〕蓄電デバイス
正極及び負極を短辺に10mmの幅で活物質層が塗工されておらず無機粒子が存在している領域が含まれるように、正極40mm×50mm、負極44mm×54mmでカットし、無機粒子が存在している部分の裏面に、負極はニッケルのタブを、正極にアルミのタブを超音波溶接で接合した。
セパレータ(セルガード株式会社製;#2400)を幅50mm、長さ150mmにカットし、3つに折り返してその間に正極及び負極が対向するように挟み込み、これを幅140mm長さ200mmのアルミラミネートセルを二つ折りにしたもので挟み、タブが当たる部分にシーラントを挟み込んだ上でシーラント部分とそれに直行する辺を熱ラミネートして袋状にした。
これを100℃の真空オーブンに12時間入れて真空乾燥させ、次いでドライグローブブローブボックス中で6フッ化リン酸リチウム/EC:DEC=1:1 1M電解液(キシダ化学株式会社製;LBG−96533)を注入し、真空含浸した後、余った電解液を扱き出し、真空シーラーで接合密封して、リチウムイオン二次電池を製造し、以下の評価条件で各種試験を行った。
(初期容量)
リチウムイオン二次電池を0.01mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電した。次いで、4.2Vの定電圧で2時間充電した。その後、0.01mAの定電流で電圧が3Vになるまで放電した。これを2回繰り返し、2回目の充電容量と放電容量から充放電効率を算出した。
(レート特性)
初期容量から放電レートを求めて、放電レート別の放電容量を測定した。充電は毎回10時間かけて定電流で4.2Vまで電圧を上げた後、4.2V定電圧で2時間充電した。その後、10時間かけて定電流で3Vになるまで放電し、このときの放電容量を0.1Cの放電容量とした。次に同様に充電した後0.1Cで求めた放電容量から12分で放電が完了する電流値で放電しそのときの放電容量を求め5Cのときの放電容量とした。
(サイクル寿命)
1Cで4.2Vまで充電し、4.2Vの定電圧で2時間充電したあと1Cで放電する充放電試験を実施した。放電容量が最初の1回目の放電に対して500サイクル後に何%になるかを計算した。
(サイクル寿命試験後の電極の剥離試験)
電池を上記サイクル寿命条件で500サイクル耐久充放電試験を行い、耐久試験後の負極から活物質層の脱離がないかを電池を分解して確認した。
評価基準は以下の通りであった。
◎:全く脱離は見られない
○:一部脱離は見られるが、集電体は剥き出しになっていない
×:脱離が進行し、集電体の一部が剥き出しになっている。
表5から、本発明の絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布することにより、初期容量、容量維持率のいずれも優れた特性を示しつつ、電極の剥離がないリチウムイオン二次電池を作製することができたことがわかる。
本発明の電池又は電気二重層キャパシタの集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物によれば、電池又は電気二重層キャパシタの集電体に対する密着力が高く、電気化学的な耐久性が従来のものよりも良く、かつ安全性が高いため、長期信頼性に優れた電池又は電気二重層キャパシタを提供できる。
1 活物質層
2 アンダーコート剤組成物
3 集電体

Claims (7)

  1. 絶縁性フィラー、樹脂バインダー及びポリカルボン酸を含む、電池又は電気二重層キャパシタの集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物。
  2. 前記絶縁性フィラーが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、タルクからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1記載の絶縁性アンダーコート剤組成物。
  3. 前記樹脂バインダーが、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、キトサン、澱粉、セルロース、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2記載の絶縁性アンダーコート剤組成物。
  4. 前記ポリカルボン酸が、ピロメリット酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、メリット酸及びポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項記載の絶縁性アンダーコート剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を、集電体上に塗布して塗膜を形成する工程、及び
    前記集電体用絶縁性アンダーコート剤組成物を塗布した集電体上に、導電性の活物質を塗布する工程、
    を含む、電池又は電気二重層キャパシタの集電体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項記載のアンダーコート剤組成物でコートした、電池又は電気二重層キャパシタの集電体。
  7. 請求項6記載の電池又は電気二重層キャパシタの集電体を含む電池又は電気二重層キャパシタ。
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