JPWO2018042960A1 - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

有機EL表示装置1は、第1主面を有する第1基板2と、第1主面に接すると共に第1基板の縁2cに沿って設けられる枠状の封止層6と、封止層6に接すると共に第1主面に対向する第2主面を有する第2基板3と、第2主面上であって、第1基板2、封止層6、及び第2基板3に囲まれて封止された封止空間S内に設けられる有機EL素子部4と、封止空間S内であって、第1基板2及び第2基板3の積層方向において少なくとも有機EL素子部4に重なる領域に充填される充填剤7と、を備える。封止層6の内側壁6eと、有機EL素子部4において内側壁6eに最も近い部分との間に位置する封止空間Sには、空隙Vが設けられている。

Description

本発明は、有機EL表示装置に関する。
近年、表示装置として、有機EL材料(EL:Electro-Luminescence)を発光物質として用いた有機EL表示装置が脚光を浴びている。有機EL材料を一対の電極で挟んで構成される有機EL素子は、水分の影響を受けやすい。例えば水の付着により電極の酸化又は剥離等の劣化が発生することがある。このため、有機EL表示装置には、有機EL素子が設けられている領域に浸入する水への対策が施されている。
例えば、下記特許文献1には、いわゆる中空封止構造の有機EL素子が記載されている。この特許文献1では、素子基板及び封止基板によって封止された空間(封止空間)内に捕水剤(乾燥剤)が設けられている。下記特許文献2には、いわゆる充填封止構造の有機EL素子が記載されている。この特許文献2では、上記封止空間内に乾燥剤が分散された充填剤が充填されている。
特開2012−038659号公報 特開2014−201574号公報
上記特許文献1のような中空封止構造の有機EL表示装置においては、封止空間内に、捕水剤を配置するための領域に加えて、不活性ガスが封入される領域が設けられる。このような有機EL表示装置においては、不活性ガスが封入される領域の屈折率と、素子基板及び封止基板の屈折率との差が大きい。このため、当該有機EL表示装置にて封止基板側から光を取り出す場合、光取り出し効率が低くなる傾向にある。これに対して、上記特許文献2のような充填封止構造の有機EL表示装置においては、充填剤の屈折率を調整することにより、中空封止構造の有機EL表示装置よりも光取り出し効率を向上できる。
しかしながら、充填封止構造の有機EL表示装置においては、中空封止構造よりも、有機EL素子の劣化度合いが、それらの設けられる位置に応じて異なる傾向にある。例えば、素子基板又は封止基板の縁の近くに位置する有機EL素子ほど、劣化しやすい傾向にある。このため、有機EL表示装置においては、光取り出し効率の向上と、有機EL素子の劣化の平準化との両立が望まれている。
本発明の一態様は、光取り出し効率を向上できると共に、局所的な劣化を抑制できる有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る有機EL表示装置は、第1主面を有する第1基板と、第1主面に接すると共に第1基板の縁に沿って設けられる枠状の封止層と、封止層に接すると共に第1主面に対向する第2主面を有する第2基板と、第2主面上であって、第1基板、封止層、及び第2基板に囲まれて封止された封止空間内に設けられる有機EL素子部と、封止空間内であって、第1基板及び第2基板の積層方向において少なくとも有機EL素子部に重なる領域に充填される充填剤と、を備え、封止層の内側壁と、有機EL素子部において当該内側壁に最も近い部分との間に位置する封止空間には、空隙が設けられている。
この有機EL表示装置においては、封止空間内の充填剤は、積層方向において少なくとも有機EL素子部に重なる領域に充填されている。このため、充填剤の屈折率を調整し、封止空間内での反射を低減することにより、当該有機EL表示装置は、中空封止構造を有する有機EL表示装置よりも光取り出し効率を向上できる。加えて、封止層の内側壁と、有機EL素子部において当該内側壁に最も近い部分との間に位置する封止空間には、空隙が設けられている。これにより、第1基板の縁及び封止層から、有機EL素子部において最も水による影響を受けやすい上記部分に向かって浸入する水は、封止空間の上記空隙内に拡散する。したがって、封止空間に浸入した水が有機EL素子部の上記部分に直接浸入することを抑制できるので、有機EL素子部の局所的な劣化を抑制できる。
本発明の他の一態様に係る有機EL表示装置は、第1主面を有する第1基板と、第1主面に接すると共に第1基板の縁に沿って設けられる枠状の封止層と、封止層に接すると共に第1主面に対向する第2主面を有する第2基板と、第2主面上であって、第1基板、封止層、及び第2基板に囲まれて封止された封止空間内に設けられる有機EL素子部と、封止空間内であって、第1基板及び第2基板の積層方向において少なくとも有機EL素子部に重なる領域に充填される充填剤と、を備え、第1基板の縁と、有機EL素子部において縁に最も近い部分との間に位置する封止空間には、空隙が設けられている。
この有機EL表示装置においては、封止空間内の充填剤は、積層方向において少なくとも有機EL素子部に重なる領域に充填されている。このため、充填剤の屈折率を調整し、封止空間内での反射を低減することにより、当該有機EL表示装置は、中空封止構造を有する有機EL表示装置よりも光取り出し効率を向上できる。加えて、第1基板の縁と、有機EL素子部において当該縁に最も近い部分との間に位置する封止空間には、空隙が設けられている。これにより、第1基板の縁及び封止層から、有機EL素子部において最も水による影響を受けやすい上記部分に向かって浸入する水は、封止空間の上記空隙内に拡散する。したがって、封止空間に浸入した水が有機EL素子部の上記部分に直接浸入することを抑制できるので、有機EL素子部の局所的な劣化を抑制できる。
積層方向から見て、封止層には隅部が設けられており、封止層の隅部と、充填剤との間には空隙が設けられてもよい。この場合、封止層の隅部周辺の封止空間には、複数の方向から水が浸入する傾向にあるので、当該隅部の近くに設けられる有機EL素子部は、水による影響を受けやすい。このため、隅部と充填剤との間に空隙を設けることによって、上記隅部の近くに位置する有機EL素子部の局所的な劣化を抑制できる。
積層方向から見て、空隙は、封止空間にて有機EL素子部を囲うように設けられてもよい。この場合、封止空間に浸入した水は、一旦空隙の全体に拡散するので、当該水の有機EL素子部への局所的な浸入を好適に抑制できる。
第1主面上において、封止空間内であって有機EL素子部よりも外側には溝が設けられており、溝に重なる封止空間の少なくとも一部には、空隙が設けられてもよい。このように溝が設けられることにより、充填剤の封止層への広がりが抑制され、封止空間内に空隙を容易に設けることができる。
溝は、積層方向から見て有機EL素子部を囲う枠形状を有してもよい。この場合、溝にて封止空間内における充填剤の広がりを抑制することにより、封止空間内に、有機EL素子部を囲う空隙を容易に設けることができる。
溝は、積層方向から見て有機EL素子部を囲う枠形状を有する第1溝と、積層方向から見て第1溝を囲う枠形状を有する第2溝とを備えており、第2溝に重なる封止空間の少なくとも一部には、空隙が設けられてもよい。この場合、第1溝にて封止空間内における充填剤の広がりを抑制し、封止空間内にて第2溝に重なる空隙を確実に設けることができる。
上記有機EL表示装置は、封止空間内に設けられる乾燥剤を更に備え、乾燥剤は、充填剤において、少なくとも空隙を画成する表面の少なくとも一部に設けられてもよい。この場合、空隙に拡散した水が、有機EL素子部において劣化しやすい箇所に浸入することを好適に抑制できる。
上記有機EL表示装置は、溝に設けられる乾燥剤をさらに備え、第1基板、第2基板、及び充填剤のそれぞれは、透光性を有してもよい。この場合、空隙に拡散した水が、有機EL素子部において劣化しやすい箇所に浸入することを好適に抑制できる。加えて、有機EL表示装置を、シースルー型の表示装置とすることができるので、当該有機EL表示装置の両面発光が可能になる。
溝に設けられる乾燥剤は、遮光性を有してもよい。この場合、当該乾燥剤によって有機EL表示装置から外部へ出射される光を阻害することなく、有機EL素子部の局所的な劣化を抑制できる。また、遮光性を有する乾燥剤は、酸化カルシウムを含んでもよい。
充填剤には、乾燥剤が含まれてもよい。この場合、封止空間内に浸入した水が乾燥剤によって捕水されるので、当該水が有機EL素子部に浸入することを好適に抑制できる。
本発明の一態様によれば、光取り出し効率の向上と共に、局所的な劣化抑制を実現できる有機EL表示装置が提供される。
図1(a)は、本実施形態に係る有機EL表示装置の概略平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線模式断面図である。 図2(a)は、第1基板を示す概略平面図であり、図2(b)は、図2(a)のB−B線模式断面図である。 図3(a)〜(c)は、充填剤の充填方法を説明するための模式図である。 図4(a)は、第1変形例に係る有機EL表示装置の概略平面図であり、図4(b)は、図4(a)のC−C線模式断面図である。 図5(a)は、第2変形例に係る有機EL表示装置の概略平面図であり、図5(b)は、図5(a)のD−D線模式断面図である。 図6(a)は、第3変形例に係る第1基板の概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)のE−E線模式断面図である。図6(c)は、第3変形例において充填剤が充填された状態を示す模式断面図である。 図7は、第4変形例に係る有機EL表示装置の概略平面図である。 図8(a)は、実験用発光素子を示す概略平面図であり、図8(b)は、図8(a)のF−F線模式断面図である。 図9は、実施例1,2及び比較例の発光領域変化を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る有機EL表示装置の構成について、図1を参照しつつ説明する。図1(a)は、本実施形態に係る有機EL表示装置の概略平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線模式断面図である。
図1(a),(b)に示されるように、本実施形態に係る有機EL表示装置1は、パッシブマトリックス型であって、シースルー型の表示装置である。このため、有機EL表示装置1では、両面発光が可能となっている。有機EL表示装置1は、互いに積層している第1基板2及び第2基板3と、有機EL素子部4と、配線部5a〜5dと、封止層6と、充填剤7と、集積回路8と、FPC9(フレキシブルプリント基板)とを備えている。以下では、第1基板2と第2基板3とが互いに積層する方向を、単に「積層方向」として説明する。
図2(a)は、第1基板を示す概略平面図であり、図2(b)は、図2(a)のB−B線模式断面図である。図1に加えて図2(a),(b)に示されるように、第1基板2は、封止基板として機能する基板であり、第2基板3に対向するように設けられている。第1基板2は、例えばガラス基板、又は可撓性を有する基板(例えば、プラスチック基板等)であり、透光性を有している。第1基板2において第2基板3に対向する主面2a(第1主面)は、略長方形状を有している。この主面2aには、積層方向から見て、四角枠形状を有する溝2bが設けられている。溝2bの幅W1は、例えば0.2〜2mmである。溝2bの深さは、例えば50μm以上であって、第1基板2の厚さの半分以下である。
主面2aにおいて、溝2bよりも縁2c側の縁領域2dは、封止層6が設けられる領域である。縁領域2dは、溝2bと同様に積層方向から見て四角枠形状を有している。縁領域2dの幅W2は、例えば1〜2mm程度である。
第2基板3は、有機EL素子部4及び配線部5a〜5dが設けられる素子基板である。第2基板3は、第1基板2と同様に、例えばガラス基板、又は可撓性を有する基板(例えば、プラスチック基板等)であり、透光性を有している。第2基板3の主面3a(第2主面)は、主面2aと同様に、略長方形状を有している。主面3aの短辺は、主面2aの短辺と略同一であり、主面3aの長辺は、主面2aの長辺よりも長くなっている。このため、主面2a,3aの短辺同士を合わせた場合、主面3aの一部は、第1基板2から露出している。積層方向における主面2a,3aの距離は、例えば10〜30μmである。本実施形態における「略同一」は、完全同一だけを示すのではなく、多少の誤差(例えば、最大数%程度)を包含する概念である。
有機EL素子部4は、電流が供給されることによって光を発生する部分であり、第2基板3の主面3a上に設けられている。有機EL素子部4は、第1基板2、第2基板3、及び封止層6によって囲まれて封止された封止空間S内であって、積層方向から見て第1基板2の溝2bに囲まれるように設けられている。換言すると、積層方向から見て、封止空間S内であって有機EL素子部4よりも外側には溝2bが設けられており、当該溝2bは、有機EL素子部4を囲う枠形状を有している。有機EL素子部4には、マトリクス状に配置された複数の有機EL素子11と、断面逆テーパー形状を有する陰極分離層(不図示)とが設けられている。
各有機EL素子11は、例えば、陽極と、陰極と、陽極及び陰極に挟持される有機発光層とを有する発光素子である。例えば、第2基板3の主面3a上には陽極が形成され、当該陽極上に有機発光層及び陰極が順に形成される。陽極を構成する材料としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)又はIZO(酸化インジウム亜鉛)等の透光性を有する材料が用いられる。有機発光層は、発光材料を含んだ発光層に加えて、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層、及び正孔注入層等を有してもよい。発光材料は、低分子有機化合物でもよく、高分子有機化合物でもよい。発光材料として、蛍光材料が用いられてもよく、リン光材料が用いられてもよい。陰極を構成する導電層の材料(導電材料)としては、例えばアルミニウム、銀、若しくはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)、又はIZO(酸化インジウム亜鉛)、ITO(酸化インジウムスズ)等の透光性を有する材料が用いられる。第1基板2側に光を出射する場合、陰極は、透光性を有する厚さに設定される。
配線部5a〜5dは、複数の引き回し配線が設けられる部分である。配線部5a,5b,5cのそれぞれは、有機EL素子部4と集積回路8とを接続する配線である。配線部5dは、集積回路8とFPC9とを接続する配線である。配線部5a〜5dの少なくともいずれかは、有機EL素子11の陽極又は陰極と同時に形成されてもよい。配線部5a〜5dに含まれる引き回し配線は、単一又は積層された金属層から構成されている。引き回し配線の表面上には、例えば酸化ケイ素膜又は窒化ケイ素膜等のバリア膜が設けられてもよい。
封止層6は、第1基板2と第2基板3とを接合するための接合剤として機能すると共に、封止空間Sを画成するための側壁として機能する。封止層6は、第1基板2の主面2aにおける縁領域2dに沿って設けられており、当該縁領域2d及び第2基板3の主面3aに接している。このため、封止層6の幅は、縁領域2dに合わせて安定的に形成されている。封止層6は、配線部5a〜5cを構成する引き回し配線の一部にも接している。封止層6は、積層方向から見て、縁領域2dの形状に沿った四角枠形状を有している。このため、封止層6には、積層方向から見て4つの隅部6a〜6dが設けられている。封止層6の隅部6a〜6dのそれぞれは、積層方向から見て封止層6において対応する内角を画成する部分と、当該部分の近傍とを含む。封止層6は、例えば接着性を有する紫外線硬化樹脂を含んでいる。封止層6には、シリカ粒子等のスペーサ等が含まれてもよい。
充填剤7は、封止空間S内に収容され、当該封止空間S内の空間を埋めるものである。充填剤7は、封止空間Sの全てに充填されておらず、例えば封止空間Sの10〜90%程度(もしくは70〜90%程度)を埋めるように設けられている。充填剤7は、封止空間S内であって、積層方向において少なくとも有機EL素子部4に重なる領域に充填されている。加えて、充填剤7は、封止空間Sにおいて有機EL素子部4に重ならない領域にも設けられており、溝2bの一部を埋めている。本実施形態では、充填剤7は、封止空間Sの殆ど(90%前後)を埋めるように設けられている。
充填剤7は、例えば液体状又はゲル状の透光性を有する材料が用いられている。充填剤7の可視光透過率は、80%以上であってもよい。充填剤7のベース材料としては、粘度調整容易性の観点から、例えば種々の硬化性樹脂が挙げられる。充填剤7には、透光性を有する乾燥剤が含まれてもよい。この場合、充填剤7の可視光透過率は、80%以上であってもよい。これにより、有機EL素子部4への水の浸入を乾燥剤によって良好に抑制しつつ、第1基板2側への光の出射の阻害を防止できる。捕水性能、可視光透過性、及び粘度調整容易性の観点から、金属アルコキシドを捕水成分とした液状乾燥剤を用いてもよい。なお、充填剤7は、上記材料が硬化された状態であってもよい。
封止空間Sにおいて充填剤7が充填されていない領域には、空隙Vが設けられている。空隙Vは、封止層6と充填剤7とが互いに離間していることにより設けられており、例えば第1基板2の主面2a、第2基板3の主面3a、封止層6の内側壁6e、及び充填剤7の表面にて画成されている。
本実施形態では、空隙Vは、封止層6の内側壁6eと、有機EL素子部4において内側壁6eに最も近い部分との間に位置する封止空間Sに、少なくとも設けられている。有機EL素子部4において内側壁6eに最も近い部分は、有機EL素子部4において集積回路8が搭載された側と反対側の端辺4aを含んでいる。より具体的には、有機EL素子部4において内側壁6eに最も近い部分は、有機EL素子部4を構成する各端辺である。有機EL素子部4において内側壁6eに最も近い部分が、複数存在し、且つ、互いに離間する場合、空隙Vは、上記部分の少なくとも一つに対応して設けられてもよいし、上記部分の全てに対応して設けられてもよい。換言すると、封止空間Sに設けられる空隙Vは、1つでもよいし、複数でもよい。空隙Vは、溝2bの一部及び当該溝2bに重なる封止空間Sの一部に設けられている。空隙Vは、封止層6の隅部6a〜6dの少なくとも一つと、充填剤7との間に設けられてもよい。
本実施形態では、空隙Vは、積層方向から見て、封止空間Sにて有機EL素子部4を囲うように設けられている。このため本実施形態では、空隙Vは、封止層6の内側壁6eと、有機EL素子部4において内側壁6eに最も近い部分との間に位置する封止空間S、及び封止層6の隅部6a〜6dと充填剤7との間の封止空間Sの両方に設けられている。
集積回路8は、各有機EL素子11の発光及び非発光を制御する駆動回路である。集積回路8は、第2基板3の主面3aにおいて第1基板2から露出した領域に搭載されており、配線部5a〜5dに接続されている。集積回路8は、例えばICチップ等である。主面3aに搭載される集積回路8の数は、1つでもよいし、複数でもよい。
FPC9は、配線部5dに接続されており、有機EL表示装置1と外部装置とを接続する配線である。FPC9は、例えば可撓性を有するプラスチック基板を用いて形成される。FPC9に接続される外部装置は、例えば電源及び電流制御回路等である。
次に、ODF(One Drop Filling)法を用いた充填剤7の充填方法の一例について、図3(a)〜(c)を参照しながら説明する。図3(a)〜(c)は、充填剤の充填方法を説明するための模式図である。この充填方法の説明では、有機EL素子部4及び配線部5a〜5dは省略されている。
まず、図3(a)に示されるように、後に封止層6となる接着剤12が縁領域2d上に設けられた第1基板2を準備する。次に、第1基板2の主面2a上に充填剤7を滴下する。充填剤7の滴下量は、後に封止空間Sに空隙Vができるように調整されている。主面2aにおける充填剤7が滴下される箇所は、1カ所でもよいし、複数箇所でもよい。
次に、図3(b)に示されるように、低圧状態又は真空状態にて、第1基板2に第2基板3を重ねて封止する。このとき、第1基板2及び第2基板3のそれぞれに圧力を付し、積層方向における第1基板2と第2基板3との間隔を狭める。このとき、封止空間S内の充填剤7は、第2基板3と充填剤7との間の隙間を埋めながら、接着剤12側に広がる。そして図3(c)に示されるように、充填剤7の一部が溝2bに侵入して当該充填剤7の広がりが停止する。これにより、空隙Vが形成される。第1基板2に第2基板3を貼り付けた後、常圧状態にて接着剤12に紫外線を照射すると共に当該接着剤12に加熱を施し、封止層6を形成する。
このような実施形態に係る有機EL表示装置1においては、封止層6と充填剤7とが互いに離間していることによる空隙Vが、封止空間Sに設けられている。この空隙Vは、封止層6の内側壁6eと、有機EL素子部4において内側壁6eに最も近い部分との間に位置する封止空間Sに少なくとも設けられている。これにより、封止層6の内側壁6eから、有機EL素子部4において最も水による影響を受けやすい上記部分に向かって浸入する水は、封止空間Sの空隙V内に拡散する。したがって、封止空間Sに浸入した水が有機EL素子部4の上記部分に直接浸入することを抑制でき、当該部分におけるダークスポット又はシュリンク等の発生を防止できるので、有機EL素子部4の局所的な劣化を抑制できる。
加えて、有機EL表示装置1においては、封止空間S内の充填剤7は、積層方向において少なくとも有機EL素子部4に重なる領域に充填されている。このため、充填剤7の屈折率を調整し、例えば当該屈折率を第1基板2との屈折率と略同一にする。これにより、充填剤7と第1基板2との界面にて光が反射しにくくなる。換言すると、有機EL表示装置1内における反射界面の数を低減できる。これにより、有機EL表示装置1によれば、中空封止構造を有する有機EL表示装置よりも光取り出し効率を向上できる。
積層方向から見て、封止層6には隅部6a〜6dが設けられており、封止層6の隅部6a〜6dと、充填剤7との間には空隙Vが設けられている。封止層6の隅部6a〜6d周辺の封止空間Sには、複数の方向から水が浸入する傾向にあるので、有機EL素子部4における隅部6a〜6dの近くに位置する部分は、水による影響を受けやすい。このため、隅部6a〜6dと充填剤7との間に、それぞれ空隙Vを設けることによって、隅部6a〜6dを介して封止空間Sに浸入した水を空隙Vに拡散できる。これにより、隅部6a〜6dの近くに位置する有機EL素子部4の局所的な劣化を抑制できる。
積層方向から見て、空隙Vは、封止空間Sにて有機EL素子部4を囲うように設けられている。このため、封止空間Sに浸入した水は、空隙Vの全体に拡散する。これにより、有機EL素子部4へ浸入する水の量が、特定の領域に偏りにくくなるので、当該水の有機EL素子部4への局所的な浸入を好適に抑制できる。
主面2a上において、封止空間S内であって有機EL素子部4よりも外側には溝2bが設けられており、溝2bに重なる封止空間Sの少なくとも一部には、空隙Vが設けられている。このように溝2bが設けられることにより、充填剤7の封止層6への広がりが抑制され、封止空間Sに空隙Vを容易に設けることができる。
溝2bは、積層方向から見て有機EL素子部4を囲う枠形状を有している。この場合、溝2bにて封止空間S内における充填剤7の広がりを抑制することにより、封止空間Sに、有機EL素子部4を囲う空隙Vを容易に設けることができる。
充填剤7には、乾燥剤が含まれてもよい。この場合、封止空間S内に浸入した水が有機EL素子部4に到達することを好適に抑制できる。乾燥剤が透光性を有する場合、第1基板2側への光の出射の阻害を防止できる。
以下では、図を参照しながら上記実施形態の変形例について説明する。以下の変形例の説明において、上記実施形態と重複する部分の説明は省略する。
図4(a)は、第1変形例に係る有機EL表示装置の概略平面図であり、図4(b)は、図4(a)のC−C線模式断面図である。図4(a),(b)に示されるように、第1変形例の有機EL表示装置1Aでは、第1基板2Aに溝2bが設けられていない。この場合であっても、充填剤7の滴下量及び充填方法の条件を調整することによって、封止空間Sに空隙Vを設けることができる。このような第1変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
図5(a)は、第2変形例に係る有機EL表示装置の概略平面図であり、図5(b)は、図5(a)のD−D線模式断面図である。図5(a),(b)に示されるように、第2変形例では、第1基板2Bの溝2bに乾燥剤21が充填されている。この第1基板2Bを用い、乾燥剤21の少なくとも一部が充填剤7から露出することにより、空隙Vを画成する表面の少なくとも一部が乾燥剤21から形成される。このような第2変形例においては、空隙Vに拡散した水が、乾燥剤21に捕水されるので、有機EL素子部4への水の浸入を好適に抑制できる。
第2変形例において、溝2bに設けられる乾燥剤21は、遮光性を有する。この場合、乾燥剤21は、例えばアルカリ土類金属の酸化物を含む酸化物粒子を含有する。酸化物粒子は、捕水性能を有し得るアルカリ土類金属の酸化物を含む。酸化物粒子には、80質量%以上、又は90質量%以上のアルカリ土類金属の酸化物が含まれる。アルカリ土類金属の酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)が挙げられる。アルカリ土類金属の酸化物は、酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウムであってもよい。このような乾燥剤21が有機EL素子部4を囲う溝2bに設けられることによって、有機EL表示装置1Aから外部へ出射される光を阻害することなく、有機EL素子部4への水の浸入を好適に抑制することができる。遮光性を有する乾燥剤とは、透光性を有さない乾燥剤とも呼称できる。
第2変形例において、充填剤7にも乾燥剤が含まれることにより、有機EL素子部4の劣化をより好適に抑制できる。乾燥剤21は溝2bを完全に埋めるように充填されているが、これに限られない。例えば、乾燥剤21は、溝2bの半分程度を埋めるように充填されてもよい。この場合、乾燥剤21の一部が充填剤7によって覆われてもよい。
図6(a)は、第3変形例に係る第1基板の概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)のE−E線模式断面図である。図6(a),(b)に示されるように、第3変形例では、第1基板2Cの主面2aに設けられる溝2bは、2つの溝31a,31bを有している。溝31a(第1溝)は、積層方向から見て有機EL素子部4を囲う枠形状を有しており、溝31b(第2溝)は、積層方向から見て溝31aを囲う枠形状を有している。換言すると、有機EL素子部4を囲う溝31aは、溝31bに囲われている。溝31bは、縁領域2dよりも内側に位置している。溝31aの幅W3は、溝31bの幅W4よりも小さくなっているが、これに限定されない。すなわち、幅W3は、幅W4以上でもよい。溝31a,31bの深さは略同一であるが、互いに異なってもよい。
図6(c)は、第3変形例において充填剤が充填された状態を示す模式断面図である。図6(c)に示されるように、第1基板2Cを用いて封止空間S内に充填剤7を充填した場合、当該充填剤7の封止層6への広がりは、溝31aにて抑制される。これにより、充填剤7は、溝31aを越えて溝31bまで到達しにくくなり、封止空間Sにて溝31bに重なる空隙Vを確実に設けることができる。したがって、第3変形例においては、上記実施形態及び上記第1,第2変形例よりも、確実に枠状の空隙Vを封止空間Sに設けることができる。第3変形例において、溝31bに充填剤7が入り込んでもよい。
図7は、第4変形例に係る有機EL表示装置の概略平面図である。図7に示されるように、第4変形例における有機EL表示装置1Bは、上記実施形態と異なり、セグメント型の表示装置である。このため、積層方向から見た有機EL素子11Aの形状を、上記実施形態よりも自由に設定できる。第4変形例では、有機EL素子部4Aにおいて、積層方向から見て数字、文字、又は図形を示す有機EL素子11Aが設けられている。このような有機EL表示装置1Bにおいて、充填剤7に乾燥剤が含まれている場合、有機EL素子11Aの近くには多くの充填剤7が設けられてもよい。換言すると、封止空間内において、充填剤7は均一に広がらなくてもよい。例えば、図7においては、有機EL素子11Aの近くに設けられる溝2bの大部分には充填剤7が充填されている。一方、有機EL素子11Aが近くに設けられていない溝2b(紙面において有機EL素子部4Aの右上に設けられている溝2b)には、他の箇所に比べて充填剤7が充填されていない。このように、有機EL素子11Aの近くに乾燥剤が含まれる充填剤7を多量に設けることによって、上記実施形態と同様の作用効果に加えて、有機EL素子11Aに浸入しようとする水を好適に捕水できる。
本発明による有機EL表示装置は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。上記実施形態及び上記変形例は、適宜組み合わせてもよい。例えば、第2,第3変形例が組み合わされてもよい。この場合、例えば溝31b内に乾燥剤21が充填されてもよい。
上記実施形態及び上記第2〜第4変形例において、第1基板に設けられる溝の形状は、特に限定されない。例えば、溝は、枠形状でなくてもよい。溝は、第1基板の縁と、有機EL素子部において当該縁に最も近い部分との間に位置する封止空間に重なるように設けられてもよい。より具体的には、溝は、封止層の内側壁と、有機EL素子部において当該内側壁に最も近い部分との間に位置する封止空間に重なるように設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例において、空隙は、封止層の内側壁と、有機EL素子部において内側壁に最も近い部分との間に位置する封止空間に設けられなくてもよい。例えば、封止層の幅のばらつきが大きく生じている場合、空隙は、第1基板の縁と、有機EL素子部において当該縁に最も近い部分との間に位置する封止空間に設けられてもよい。加えて、上記実施形態及び上記変形例においては、空隙は、封止層の内側壁と、有機EL素子部において内側壁に最も近い部分との間であって、第1基板の縁と、有機EL素子部において当該縁に最も近い部分との間に位置する封止空間に少なくとも設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例において、封止層と充填剤との一部が互いに接触し、他の一部が互いに離間することによって空隙が設けられてもよい。この場合、空隙は、第1基板の主面又は第2基板の主面と、封止層の内壁と、充填剤の表面とによって画成されてもよい。この場合、封止層と充填剤との接触した部分に起因して、複数の空隙が形成され得る。
上記実施形態及び上記第2〜第4変形例において、溝内には必ずしも空隙が設けられなくてもよい。封止空間内において溝の上に空隙が設けられているのであれば、充填剤によって溝の全てが充填されていてもよい。
上記実施形態及び上記第2〜第4変形例において、乾燥剤が空隙を画成する表面の少なくとも一部である場合、当該乾燥剤は溝内に設けられなくてもよい。例えば、乾燥剤は、第1基板の主面、第2基板の主面、封止層の内側壁、及び充填剤の表面の少なくともいずれかに設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例において、充填剤の粘度は、特に限定されないが、例えば室温で流動可能な値であってもよい。この場合、有機EL表示装置を傾けることにより、空隙内を充填剤が流動することが可能となる。充填剤に乾燥剤が含まれている場合、当該充填剤の流動により、劣化しきっていない乾燥剤を空隙の表面に露出させることが可能となる。これにより、封止空間に浸入する水を効率的に捕水することができる。
上記実施形態及び上記変形例において、有機EL表示装置は、パッシブマトリクス型の表示装置に限られない。例えば、有機EL表示装置は、アクティブマトリクス型の表示装置でもよい。この場合、各有機EL素子に対応するトランジスタ等が設けられる。
上記実施形態及び上記変形例において、有機EL表示装置は、シースルー型の表示装置でなくてもよい。例えば、第1基板及び充填剤の少なくともいずれかは透光性を有さなくてもよい。
上記実施形態及び上記変形例において、第1基板及び第2基板の両方は、積層方向から見て略矩形状に限られない。例えば、積層方向から見て第1基板及び第2基板の両方は、多角形状を有してもよいし、略円形状を有してもよい。同様に、第1基板に設けられる封止層は、積層方向から見て多角枠形状又は略環状を有してもよい。このため、封止層は、一つの隅を有してもよいし、隅を有さなくてもよい。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
図8(a)は、実験用発光素子を示す概略平面図であり、図8(b)は、図8(a)のF−F線模式断面図である。図8(a),(b)に示されるように、主面102aにザグリ部102bが設けられた第1基板102と、有機EL素子部104が設けられる第2基板103とを、枠状の封止層106によって接着された実験用発光素子101とを準備した。実験用発光素子101の封止空間Sには、充填剤107が充填された領域と、充填剤107が充填されていない領域(空隙V)とを設けた。第1基板102上であって空隙V内には、乾燥剤121(双葉電子工業株式会社製、製品名:OleDry P2)を設けた。ザグリ部102bは、上記実施形態における溝2bに相当する。この実験用発光素子101の準備方法を以下にて説明する。
まず、厚さ0.5mmのガラス基板である第1基板102を準備した。次に、第1基板102の主面102aにおいて、封止層106及び有機EL素子部104のいずれにも重ならない部分にザグリ部102bを形成した。そして、ザグリ部102b上に乾燥剤121を設けた。
第1基板102とは別に、ガラス基板である第2基板103を準備した。次に、第2基板103の主面103a上に有機EL素子部104を設けた。
以下では、有機EL素子部104内の有機EL発光素子の形成方法を説明する。まず、主面103a上に厚さ135nmのITO膜を成膜した。次に、ITO膜をパターニングして陽極を形成した。次に、化学気相成長法(CVD法)によって厚さ0.1μmの酸化ケイ素膜を形成した。次に、酸化ケイ素膜をパターニングして陽極を露出する層間絶縁膜を形成した。次に、第2基板103を洗浄した。次に、乾燥した第2基板103を真空蒸着装置に収容し、陽極上に有機発光層を形成した。具体的には、厚さ40nmの正孔注入層、厚さ40nmの正孔輸送層、厚さ10nmの発光層、厚さ65nmの電子輸送層、及び厚さ2.5nmの電子注入層を順に陽極上に成膜することによって、有機発光層を形成した。そして、有機発光層上に陰極を形成することによって有機EL素子部104を形成した。具体的には、厚さ1nmのアルミニウムと、厚さ100nmのIZO膜とを順に有機発光層上に成膜することによって、陰極を形成した。IZO膜は、スパッタリング法によって形成した。
次に、第1基板102の主面102aにおいてザグリ部102bによって囲まれる領域上に、ディスペンサを用いて充填剤107を塗布した。第1基板102の主面102aにおいてザグリ部102bを囲む縁領域102d上に、ディスペンサを用いて厚さ20μmのシール材を塗布した。充填剤107は、透明液体乾燥剤(双葉電子工業株式会社製、製品名:OleDry−F)が含まれたものである。シール材は、スペーサが分散された紫外線硬化樹脂(株式会社スリーボンド製)である。
次に、減圧下にて、第1基板102の主面102aと、第2基板103の主面103aとを対向させ、シール材を介して第1基板102と第2基板103とを貼り合わせた。そして、大気圧下にて、シール材に紫外線を照射した後に、貼り合わせた第1基板102と第2基板103とを85℃、180分の条件下にて加熱した。これにより、シール材を紫外線硬化させ、封止層106を形成した。シール材に紫外線を照射する際には、有機EL素子部104に紫外線が照射されないようにした。以上の工程を経て、実施例1の実験用発光素子101を形成した。
(実施例2)
充填剤107としてシリコーン系透明熱硬化型樹脂(信越化学工業株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様の手法により、実験用発光素子を準備した。
(比較例)
第1基板102にザグリ部102bを設けなかったこと、主面102a上に乾燥剤121を設けなかったこと、及び封止空間S内に隙間なく充填剤107を充填したこと以外は実施例1と同様の手法により、実験用発光素子を準備した。
(高温高湿加速寿命試験)
実施例1の実験用発光素子101、実施例2の実験用発光素子、及び比較例の実験用発光素子のそれぞれに対して高温高湿加速寿命試験を行い、各実験用発光素子内における有機EL素子部の発光領域の変化を測定した。より具体的には、各有機EL素子部の所定の有機EL素子(画素)の変化を測定した。高温高湿加速寿命試験では、温度を60℃に設定し、湿度95%に設定した条件下に各実験用発光素子を約1500時間静置した。
図9は、実施例1,2及び比較例の発光領域変化を示すグラフである。図9において、縦軸は有機EL素子部にて発光している領域の割合を示し、横軸は試験時間を示している。グラフ41は実施例1の測定結果を示し、グラフ42は比較例の測定結果を示している。
図9に示されるように、試験開始時においては、比較例の有機EL素子部の全体が発光した。すなわち、試験開始時における比較例の発光領域の割合は、100%であった。しかしながら、試験時間が500時間を超えた辺りから、比較例の発光領域の割合が低下した。試験時間が約1000時間経過したときの比較例の発光領域の割合は、約50%であった。加えて、試験時間が約1500時間を超えたところにて、比較例の発光領域の割合は、ほぼ0になった。
これに対して、実施例1においては、試験時間が約1500時間を超えた場合であっても、発光領域の割合は初期値とほぼ同等であった。図9には実施例2の発光領域の変化は示されていないが、実施例2は実施例1とほぼ同等の結果が得られた。すなわち、実施例1,2のいずれにおいても、試験時間が約1500時間を超えたとしても、発光領域の割合は初期値とほぼ同等であった。
これらの結果より、少なくとも封止空間S内に空隙Vを設け、且つ、当該空隙V内に乾燥剤121を設けることによって、実験用発光素子の水分に対する耐久性が格段に向上することがわかった。
1,1A,1B…有機EL表示装置、2,2A,2B,2C…第1基板、2a…主面(第1主面)、2b…溝、2c…縁、2d…縁領域、3…第2基板、3a…主面(第2主面)、4,4A…有機EL素子部、6…封止層、6a〜6d…隅部、6e…内側壁、7…充填剤、11,11A…有機EL素子、21…乾燥剤、31a…溝(第1溝)、31b…溝(第2溝)、S…封止空間、V…空隙、W1〜W4…幅。

Claims (12)

  1. 第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面に接すると共に前記第1基板の縁に沿って設けられる枠状の封止層と、
    前記封止層に接すると共に前記第1主面に対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第2主面上であって、前記第1基板、前記封止層、及び前記第2基板に囲まれて封止された封止空間内に設けられる有機EL素子部と、
    前記封止空間内であって、前記第1基板及び前記第2基板の積層方向において少なくとも前記有機EL素子部に重なる領域に充填される充填剤と、
    を備え、
    前記封止層の内側壁と、前記有機EL素子部において当該内側壁に最も近い部分との間に位置する前記封止空間には、空隙が設けられている、
    有機EL表示装置。
  2. 第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面に接すると共に前記第1基板の縁に沿って設けられる枠状の封止層と、
    前記封止層に接すると共に前記第1主面に対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第2主面上であって、前記第1基板、前記封止層、及び前記第2基板に囲まれて封止された封止空間内に設けられる有機EL素子部と、
    前記封止空間内であって、前記第1基板及び前記第2基板の積層方向において少なくとも前記有機EL素子部に重なる領域に充填される充填剤と、
    を備え、
    前記第1基板の前記縁と、前記有機EL素子部において前記縁に最も近い部分との間に位置する前記封止空間には、空隙が設けられている、
    有機EL表示装置。
  3. 前記積層方向から見て、前記封止層には隅部が設けられており、
    前記封止層の前記隅部と前記充填剤との間には、前記空隙が設けられている、請求項1又は2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記積層方向から見て、前記空隙は、前記封止空間にて前記有機EL素子部を囲うように設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記第1主面上において、前記封止空間内であって前記有機EL素子部よりも外側には溝が設けられており、
    前記溝に重なる前記封止空間の少なくとも一部には、前記空隙が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
  6. 前記溝は、前記積層方向から見て前記有機EL素子部を囲う枠形状を有する、請求項5に記載の有機EL表示装置。
  7. 前記溝は、前記積層方向から見て前記有機EL素子部を囲う枠形状を有する第1溝と、前記積層方向から見て前記第1溝を囲う枠形状を有する第2溝とを備えており、
    前記第2溝に重なる前記封止空間の少なくとも一部には、前記空隙が設けられている、請求項5に記載の有機EL表示装置。
  8. 前記封止空間内に設けられる乾燥剤を更に備え、
    前記乾燥剤は、前記空隙を画成する表面の少なくとも一部に設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
  9. 前記溝に設けられる乾燥剤をさらに備え、
    前記第1基板、前記第2基板、及び前記充填剤のそれぞれは、透光性を有している、請求項5〜7のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
  10. 前記乾燥剤は、遮光性を有する、請求項9に記載の有機EL表示装置。
  11. 前記乾燥剤は、酸化カルシウムを含む、請求項10に記載の有機EL表示装置。
  12. 前記充填剤には、乾燥剤が含まれている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
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