JPWO2018037474A1 - 荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の収差補正方法 - Google Patents

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Abstract

多極子型収差補正器を用いた荷電粒子線装置における収差補正器の調整動作において,収差補正器の調整を高速に実行できるようにするために、荷電粒子線装置を、一次荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子源と、荷電粒子源から発生した一次荷電粒子ビームの収差を補正する収差補正光学系と、収差補正光学系で収差が補正された一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出する検出部と、検出部で二次荷電粒子を検出して得た信号から試料の荷電粒子像を形成する画像形成部と、この画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して一次荷電粒子ビームの対称性の異なる収差を分離し、分離した収差のうちから優先して補正すべき収差を選択し、選択した収差を補正するための収差補正光学系の補正量を算出する収差補正量算出部と、収差補正量算出部で算出した補正量に基づいて収差補正光学系を制御する収差補正光学系制御部とを備えて構成した。

Description

本発明は,荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の収差補正方法に関する。
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)やイオンビーム加工装置(Focused Ion Bear:FIB)などの収束荷電粒子線(プローブビーム)を用いる装置(荷電粒子線装置)においては、プローブビームで試料上を走査することにより、観察画像や試料の加工を行う。これら荷電粒子線装置の分解能や加工精度は、プローブビームの断面の大きさ(プローブ径)によって決まり、原理的には、これが小さいほど、分解能や加工精度を高めることができる。
近年、荷電粒子線装置向けの収差補正器の開発が進められており、その実用化も進んでいる。収差補正器には、磁極或いは電極で構成された多極子レンズを複数段重ねたものが用いられる。各段は、2極、4極、6極、8極場といった回転対称でない電場・磁場を重畳的にビームに印加し、プローブビームに対して逆収差を与える。
これにより、収差補正器は、光学系の対物レンズや偏向レンズなどで発生する球面収差、色収差などの各種収差をキャンセルすることができる。また,収差補正器の回転非対称場が支配要因となって発生する収差,例えば例えば2回対称非点収差,3回対称非点収差,コマ収差,4回対称非点収差,スター収差などを補正器内部で調整することができる。
収差補正器を備えた荷電粒子線応用装置において装置の性能を最大限に引き出すためには、これら補正器内部で発生する収差も含めて収差補正器を適切に調整することで全ての収差成分の影響をプローブビームから除去しなければならない。
収差補正器の調整においては,補正器を構成する多極子の電源数が多く,調整作業が煩雑なことから,光学系に含まれる収差を定量化し,収差毎にこれを打ち消すフィードバック量を算出し,装置にフィードバックをかけるという自動化が試みられている。
収差補正器を備えた荷電粒子線装置における収差評価方法については,例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1ではSEM画像から収差を計測する方法が開示されている。これによって,各収差の大きさを表す収差係数を評価することができる。
従来の収差補正器を搭載したTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)やSTEM(Scanning Transmission Electron Microscope:走査透過型電子顕微鏡)などでは例えばレーリーの1/4波長則を利用して各収差係数に対し各収差に対し補正目標値を決定し,収差が目標値以下となるよう収差補正器を調整しつつ,ロンチグラムと呼ばれる透過電子像によって収差による電子線の波面位相ずれを観察して収差補正量を確認することが、特許文献2に記載されている。
一方SEMなどの荷電粒子線装置においてはプローブビームによってスキャンされた試料画像を評価することでSEMの画像分解能を決定する方法が知られている。
特許第5028297号公報 特開2013−030278号公報
上述したように,SEM画像から収差を計測することで光学系に含まれている収差の大きさを示す収差係数を計測し,その測定結果を装置にフィードバックすることで収差補正器の調整作業を行うことができる。
一方,SEMなどの荷電粒子線装置では収差はプローブビーム形状に対し重畳的に作用し,全ての収差の影響の結果ビーム径及び形状が決まり,そのビームによって試料をスキャンし,スキャンされた画像を評価することでSEMの画像分解能は決定する。従って,収差補正器を搭載した荷電粒子線装置においては収差補正器内で発生する非回転対称収差を含む光学系の収差が画像分解能に関与する。しかし,収差係数と画像分解能の関係については今まで明らかにされていなかった。
例えば、特許文献2の補正手順においても、目標の分解能になるまで収差補正を続けているにすぎず、強化学習させている対象、すなわち特許文献2で述べられている価値や報酬は、あくまで個々の収差量を基準としている。
このため,収差測定で得られた個々の収差が画像分解能に及ぼす影響の大小を収差間で比較判断する方法がなく,現在の画像分解能に対して最も大きな影響を与えている収差はどの収差かということをスキャン画像から判断することが難しかった。このため,画像分解能劣化に対して影響の大きい収差を選択して効率的な収差補正器調整を行うことが難しく,収差補正器調整に時間がかかるという問題点があった。
本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、荷電粒子線装置において、効率的に画像分解能を向上させることができ,収差補正器調整を高速に完了させることができるようにするものである。
上記した課題を解決するために、本発明では、荷電粒子線装置を、一次荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子源と、この荷電粒子源から発生した一次荷電粒子ビームの収差を補正する収差補正光学系と、この収差補正光学系で収差が補正された一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出する検出部と、検出部で二次荷電粒子を検出して得た信号から試料の荷電粒子像を形成する画像形成部と、この画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して一次荷電粒子ビームの対称性の異なる収差を分離し、この分離した収差のうちから優先して補正すべき収差を選択し、この選択した収差を補正するための収差補正光学系の補正量を算出する収差補正量算出部と、この収差補正量算出部で算出した補正量に基づいて収差補正光学系を制御する収差補正光学系制御部とを備えて構成した。
また、上記した課題を解決するために、本発明では、荷電粒子線装置を、一次荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子源と、この荷電粒子源から発生した一次荷電粒子ビームの収差を補正する多極子レンズを備えた収差補正光学系と、収差補正光学系で収差が補正された一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出する検出部と、検出部で二次荷電粒子を検出して得た信号から試料の荷電粒子像を形成する画像形成部と、この画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して収差補正光学系の優先して補正すべき収差を抽出し、この抽出した優先して補正すべき収差の補正量を算出する収差補正量算出部と、この収差補正量算出部で算出した補正量に基づいて収差補正光学系を制御する収差補正光学系制御部と、この収差補正光学系制御部で制御された収差補正光学系を通過した一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出部で検出して得た信号を画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して試料に形成されたパターンの寸法を計測する画像処理部とを備えて構成した。
更に、上記した課題を解決するために、本発明では、荷電粒子線装置の収差補正方法において、荷電粒子線装置の荷電粒子源から発生して収差補正光学系を通過した一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出器で検出し、この検出器で二次荷電粒子を検出して得た信号から画像形成部で試料の荷電粒子像を形成し、画像形成部で形成した荷電粒子像を収差補正量算出部で処理して収差補正光学系の優先して補正すべき収差を抽出し、この抽出した優先して補正すべき収差の補正量を算出し、収差補正量算出部で算出した優先して補正すべき収差の補正量に基づいて収差補正光学系を制御するようにした。
本発明によれば、測定された各収差成分がビーム径,ひいては画像分解能にどの程度影響しているかを個別に評価することができるため,画像分解能向上に対し効果の大きい収差を選択して補正することができる。これにより効率的に画像分解能を向上させることができ,収差補正器調整を高速に完了させることができる。
前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る荷電粒子線装置の構成を示すブロック図である。 本発明の原理を説明するプローブビームの断面形状に収差による変化を示すプローブ義務の断面図である。 本発明の実施例1にかかる荷電粒子線装置の収差補正光学系の多極子レンズの平面図である。 本発明の実施例1にかかる荷電粒子線装置のテーブル記憶部に記憶する収差量と収差補正器電源値の対応関係テーブルである。 本発明の実施例1における収差補正の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例1における収差項目ごとの収差係数と画像分解能の関係を示すグラフである。 本発明の実施例1における収差項目から求めた分解能影響ちと画像分解能との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1における収差補正の処理の流れを示す図で、図5に示したフローチャートのS203の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施例1におけるGUIの正面図である。 本発明の実施例1における収差項目ごとの分解能影響値を示すグラフである。 本発明の実施例1の変形例における収差補正の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例1の変形例における収差項目ごとの分解能影響値を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る荷電粒子線装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る荷電粒子線装置のGUIの正面図である。
本発明は、多極子レンズから成る収差補正光学系を有する荷電粒子線装置に関するものであって、荷電粒子線装置を、収差補正光学系を制御する制御手段と、一次荷電粒子ビームの対称性の異なる収差を分離して計測する手段と、この計測手段で計測した一次荷電粒子ビームの収差に起因する画像劣化への影響値を算出する手段と、この算出手段で算出した結果に基づいて収差補正光学系を制御する制御手段とを備えて構成した。
本発明では、収差成分ごとに画像分解能への寄与を考慮し,収差の画像分解能への影響を表すパラメータを定め,収差補正器調整の判断に用いるようにしたものである。
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[システム構成]
図1に、収差補正器を搭載するSEMシステム100の概略構成を示す。本実施の形態は、4極子−8極子系の電磁界重畳型収差補正器を搭載するSEM110とその制御システム120について説明する。
SEM110は、電子銃1、コンデンサレンズ2、偏向コイル3、収差補正器4、走査コイル5、対物レンズ6、試料台7をカラム111の内部に備えている。
制御システム120は、制御コンピュータ121、画像形成部10、画像表示部11、収差補正器電源制御部17、収差補正器電源18、装置制御部19、を備えている。また、制御コンピュータ121は、メモリ12、収差係数演算部13、補正対象判断部14、補正器電源制御値演算部15を備え、テーブル記憶部16と接続している。
上記した構成において、SEM110のカラム111内の電子銃1より放出された電子線112は、コンデンサレンズ2及び2段構成の偏向コイル3を通過後、収差補正器4に入射する。収差補正器4を通過した電子線112は、走査コイル5及び対物レンズ6を通過後、試料台7に載置された試料8の表面に照射され、試料8の表面を走査する。
電子線112による試料8の照射点からは、2次電子や反射電子などの二次荷電粒子113が放出される。この放出された二次荷電粒子113の一部は検出器9により検出され、検出結果が二次荷電粒子信号として画像形成部10に出力される。
画像形成部10には、信号増幅段、D/A変換器等の処理回路が設けられている。二次荷電粒子信号は、画像形成部10において輝度分布データ(すなわち、画像データ(SEM画像))に変換され、画像表示部11に出力される。画像データ(SEM画像)は、画像形成部10から制御コンピュータ101にも送られ、メモリ12内に蓄積される。
本実施の形態に係るSEMシステム100は、対物レンズ6の物点に入射する電子線112を対物レンズ6の光軸に対して傾斜させることが可能な構成を有している。このための構成として、本実施の形態に係るSEM110は、収差補正器4の上方位置に2段構成の偏向コイル3を有している。偏向コイル3は、電子線112の中心軸を、対物レンズ6の光軸に対して傾斜角τと方位角θを持たせることができる。
図2に、収差によるビーム形状の変化を模式的に示す。電子銃1から発射された電子線112は、コンデンサレンズ2及び2段構成の偏向コイル3を通過して、理想的には1121に示すような断面のビームになる。しかし、実際には収差A:1122、収差B:1123、収差C:1124のようないろいろな要因で収差が発生して収差によるボケ1125が生じ、これが理想的なビーム形状1121に影響して、1126に示すような収差によるボケ成分を含んだビーム形状となってしまう。
このようにぼけ成分を含んだビーム1126をプローブビームとして用いた場合、得られる画像のパターンのエッジがぼけた像シャープネスの悪い画像となってしまう。この像シャープネスを改善したSEM画像を取得できるようにするために、本実施例では、収差補正器4を用いて、収差A:1122、収差B:1123、収差C:1124のようないろいろな要因で発生する収差を低減させて、ボケ1125の発生を極力抑えるようにした。
図3に、収差補正器4の構成として、12極の収差補正器4の例を示す。収差補正器4は、12の電極ないし磁極41〜51が同心円上に等間隔で配置された電磁レンズを多段積み重ねた構成になっており、それぞれの電極ないし磁極が収差補正器電源18と接続されている。
図1の構成に戻って、制御コンピュータ121は、メモリ12内に蓄積された画像データに基づいて、収差補正器4の制御量を算出する処理を実行する。より具体的には、制御コンピュータ121は、収差補正器電源18を制御する収差補正器電源制御部20に与える制御量を算出する処理を実行する。以下、この処理動作を詳細に説明する。
収差係数演算部13は、メモリ12に蓄積された画像データに基づいて収差係数を測定し、補正対象判断部14に転送する。画像データを用いる収差係数の測定方法は、例えば特許文献1に記載されているように、周知である。従って、ここでは詳細な説明を省略する。
収差係数演算部13で測定する収差係数としては、光学系の対物レンズ6や偏向コイル3などで発生する球面収差C3、色収差CCなどの各種収差、また収差補正器4の回転非対称場が支配要因となって発生する2回対称非点収差A1,3回対称非点収差A2,コマ収差B2,4回対称非点収差A3,スター収差S3などの収差係数がある。
補正対象判断部14は、収差係数演算部13で算出された収差係数の中から優先的に補正すべき収差を選択し、選択した収差の情報を補正器電源制御値演算部15に与える。ここで,優先的に補正すべき収差とは,上記した各種の収差のうち、補正することによる画像劣化の改善への効果が大きい収差、この場合は画像分解能改善への効果が大きい収差であり,例えば、後述する分解能影響値rが最も大きい収差,分解能影響値rが事前に設定した目標値を超えた収差などが用いられる。
補正器電源制御値演算部15では、あらかじめ取得してテーブル記憶部16に記憶しておいた収差量と収差補正器電源値の対応関係を示すテーブル160を参照し,補正対象判断部14が出力した補正すべき収差を補正するために必要な収差補正器電源18の制御値を算出する。算出された制御値は収差補正器電源制御部17を経由し,収差補正器電源18にフィードバックされる。
図4にテーブル記憶部16に記憶しておく収差量と収差補正器電源値の対応関係を示すテーブル160の例を示す。テーブル160には、各段ごとに(図4の例では4段)、電極161(図4の例では8極)と収差162(図4の例では5種類)の関係が記録されている。
図5には本発明を用いた収差補正器4の調整フロー図を示す。
まず,収差係数演算部13は、メモリ12に蓄えられた画像データを用いて収差係数を測定する(S201)。測定結果である収差係数の集合A{a1,a2・・・}を受け取った補正対象判断部14ではまず集合Aを用いて画像分解能への影響値rの集合R{r1,r2・・・}を得る(S202)。
ここで画像分解能への影響値rとは,収差による画像分解能劣化を表すパラメータであり,収差係数aと画像分解能への影響値rの間には
r =w(x)*a
の関係がある。ここでw(x)は収差成分の画像分解能に対する寄与を表す重み付け関数であり、予め求めておく。
画像分解能への影響値rを、以降、分解能影響値rと記述する。
図6A及び図6Bに、収差係数と画像分解能の関係を示す。図6Aは、収差係数a1,a2,a3と画像分解能の関係を表す。一般に収差係数が大きいほどビームぼけへの影響が大きいため画像分解能は劣化し,収差係数が小さくなると影響が小さくなり,画像分解能は一定の値(回折及び光源径,装置のノイズなどによって決まる)に近づく。
ただし,回転非対称な収差、例えば2回対称非点収差A1,3回対称非点収差A2,コマ収差B2,4回対称非点収差A3,スター収差S3などは、その成分によってビーム開き角依存性,対称性などが異なるため,ビームのぼけに対する影響の大きさが成分ごとに異なる。従って,収差測定の結果得られる収差係数は同じ大きさであっても収差の種類が異なると画像分解能劣化の度合いが異なる。
一方、図6Bは、収差係数から変換される分解能影響値rと画像分解能の関係を表す。ここで、上記した重み付け関数w(x)を、分解能影響値rと画像分解能の関係が収差の種類によらず一定となるように設定することにより、図6Aの収差係数a1,a2,a3に対応する曲線が、1本の曲線610に重なって表される。従って,分解能影響値rを用いれば収差間の相対比較が容易であり,どの収差によって分解能が劣化しているのかを判断することができるようになる。
なお,本実施例では各収差の画像分解能に対する影響値(分解能影響値)rとしたが,収差による画像劣化(画像分解能を含むより広い概念)への影響の大小を異なる収差間で比較できる数値であればよく,例えばプローブ径,CD値(Critical Dimension:測長値)への影響値などを用いてもよい。
次に,補正対象判断部14において、得られた分解能影響値rを用いて、収差補正器4の調整が必要か否かの判断を行う(S203)。補正が必要と判断した場合(S203でNOの場合),実際にどの収差を調整すべきかを判断し(S204),補正対象となる収差の種類と収差量に関する情報を補正器電源制御値演算部15へと結果を出力する。
補正器電源制御値演算部15では補正対象判断部14の出力結果とあらかじめ取得してテーブル記憶部16に記憶しておいた収差量と収差補正器電源値の対応関係を示すテーブル160から収差補正器電源18の制御値を算出し(S205),収差補正器電源制御部17へと出力する。このとき、補正対象となる収差の種類が複数ある場合には、分解能影響値rが大きい収差から順に、収差補正器電源18の制御値の算出と収差補正器電源制御部17への出力とを実行する。
収差補正器電源制御部17は、収差補正器電源18に対し補正器電源制御値演算部15の演算結果をフィードバックして,収差補正器電源18で収差補正器4に印加する電圧を調整(S206)した後、再びS201に戻る。これを収差補正の1ステップとし,S203で収差補正は不要と判断(S203でYESの場合)するまで実施する。
図7に図5のS203における収差補正器調整要否判断フローの一例を示す。まず分解能影響値rの集合Rの各要素の合計xを求める(S401)。合計xは現在の光学系の収差全体による画像分解能への影響の大きさを示す指標であり,集合Rの要素の単純和,或いは二乗和,平均値,二乗平均平方根などが用いられる。
次にxを事前に設定した目標値と比較(S402)し,目標値を下回っていれば(S402でYESの場合)補正動作終了と判断される。そうでなければ(S402でNOの場合)補正動作必要と判断し,補正対象を決定するため,図5のS204の補正対象判断に進む。S402における目標値は、所望の画像分解能に対応する分解能影響値rとして事前に定めておく。
本発明のGUI(Graphical User Interface)の例を図8に示す。使用者には、図8に示したGUI:50を用いて、現在の光学系に含まれている収差の量が示される。
グラフ51にはこれまでの収差補正器4を用いた収差補正による画像分解能53の変化が表示される。ユーザーはグラフ51によって、これまでの収差補正器4を用いた収差補正による画像分解能53の変化を確認することができる。
グラフ52は直近の収差測定結果を収差の種類ごとに分解能影響値54に換算した値をグラフで表示したものである。A2は3回対称非点収差,B2はコマ収差,A3は4回対称非点収差,S3はスター収差、C3は球面収差、totalは各収差の合計を表している。ユーザーは現在の光学系で画像分解能劣化に対してどの収差が影響を及ぼしているのかを、GUI:50に表示されたグラフ52で確認することができる。
また,ユーザーはGUI:50で収差の状態を確認し,グラフ51における画像分解能53を確認し、必要に応じてグラフ52に表示された収差項目55ごとの分解能影響値54の中から調整すべき収差項目を選択して、この選択した収差を補正することができる。
具体的には、グラフ52上で分解能影響値54が一番大きい収差項目の位置にカーソルを移動させてクリックすることにより調整する収差項目を選択する。次に、調整実行ボタン56をクリックすることで、図5に示したフローのS205,S206に従って収差補正器4の選択した収差項目について調整を行い、S201で補正した収差係数を測定し、S202で分解能影響値を算出することができる。また、停止ボタン57をクリックすることで、収差補正器4による補正動作を停止することができる。
図9は、各収差及び収差の合計の分解能影響値を示すグラフ900である。収差の合計901が目標値910以下に収まるように調整した結果を示している。この場合、個々の収差間のバランスには配慮せずに調整するので、収差の分解能への寄与が個々の収差間で大きなばらつきが発生し、一部の収差は収差単独目標値911を超えている。しかし、各収差間のバランスを気にする必要がないので、比較的短時間に収差の合計901が目標値内に収まるように調整することができる。
本実施例によれば、収差項目ごとに分解能影響値を求めて収差補正の順位を決め、分解能影響値が大きい収差から順に補正することにより、収差補正を比較的短時間に、より確実に行うことができるようになった。これにより、高精度な収差補正を確実に行うことができ、比較的短時間でより高品質な画像を取得することが可能になった。
また、本実施例に拠れば、測定された各収差成分がビーム径,ひいては画像分解能にどの程度影響しているかを個別に評価することができるため,画像分解能向上に対し効果の大きい収差を選択して補正することができるようになった。これにより効率的に画像分解能を向上させ,収差補正器調整を高速に完了させることができるようになった。
[実施例1の変形例]
図7に示したステップS203の詳細フロー図においては、ステップS402において分解能影響値rの集合Rの各要素の合計xを目標値と比較して、目標値よりも小さい場合(S402でYESの場合)には、補正動作を終了していた。
しかし、集合Rの各要素の合計xは、現在の光学系の収差全体による画像分解能への影響の大きさを示す指標であり、収差全体が目標値よりも小さい場合であっても、個々の収差間に分解能影響値rのばらつきが有る場合がある。このような場合は、分解能影響値rが比較的大きい収差を調整して、収差間の分解能影響値rのばらつきが小さくなるようにすることで、全ての収差のプローブビームへの寄与を同程度にすることができ、より高精度な収差補正を行うことができる。
そこで、本変形例においては、まず、集合Rの各要素(収差)の合計x(収差全体)を目標値と比較し、合計xが目標値よりも小さくなった場合に、次に、各要素(収差)の分解能影響値rを比較して、補正動作の終了を判定するようにした。
本変形例に基づく図7に示したステップS203の詳細フロー図に対応するフロー図を図10に示す。
まず分解能影響値rの集合Rの各要素の合計xを求める(S501)。合計xは現在の光学系の収差全体による画像分解能への影響の大きさを示す指標であり,集合Rの要素の単純和,或いは二乗和,平均値,二乗平均平方根などが用いられる。
次にxを事前に設定した目標値と比較(S502)し,目標値を下回っていなければ(S502でNOの場合)、補正動作必要と判断し,補正対象を決定するため,図5のS204に対応する補正対象判断S503に進み、図5のS205,S206に対応する収差補正器制御値算出(S504),収差補正器制御値偏向(S505)を実行後、図5のS201とS202に対応する収差係数測定(S506),分解能影響値計算(S507)を実行後、再び。S501を実行する。S502における目標値は、所望の画像分解能に対応する分解能影響値rとして事前に定めておく。
一方、S502において、合計xが目標値を下回っていれば(S502でYESの場合)、次に、各収差間の分解能影響値rのばらつき(例えば、分解能影響値rの最大値と最小値の差)を予め設定した目標値Tと比較する(S508)。
比較した結果、分解能影響値rのばらつきが予め設定した目標値Tを下回っていない場合(S508でNOの場合) には、図5のS204に対応する補正対象判断S509に進み、図5のS205,S206に対応する収差補正器制御値算出(S510),収差補正器制御値偏向(S511)を実行する。その後、図5のS201とS202に対応する収差係数測定(S506),分解能影響値計算(S507)を実行し、再び、S501を実行する。
S508で各収差間の分解能影響値rのばらつきが目標値Tを下回っていた場合(S508でYESの場合)には、補正動作を終了する。
図11は、本変形例によって得られる各収差及び収差の合計の分解能影響値を示すグラフ1100である。この一連の調整によって、収差の合計1101が目標値1110以下に収まるように調整するとともに、各収差の分解能影響値が収差単独目標値1111に近いほぼ一定の水準に調整した状態を示している。このように、全ての収差の分解能への寄与が同程度になるように調整することにより、図9の場合と比べて調整に多少時間を要するが、像シャープネスが良い、より高精度な画像を取得することができる。
本変形例によれば、実施例1に記載した効果に加えて、分解能影響値rの集合Rの各要素の合計xだけでなく、各収差ごとの分解能影響値rがほぼ均等になるように調整することができるので、より高精度な収差補正を行うことができ、より高品質な画像を取得することが可能になった。
本実施例では、SEM110で取得した試料8のSEM画像から、試料8の表面に形成されたパターンの寸法を計測する測長SEMに本発明を適用して、プローブビームの方向別分布を用いて画像分解能の管理を行う例を示す。
図12に、本実施例における収差補正器を搭載した測長SEMシステム700の図を示す。測長SEMシステム700は、実施例1で説明した図1に示した構成と同様に、4極子−8極子系の電磁界重畳型収差補正器を搭載するSEM750とその制御システム760を備えている。
SEM750は、実施例1で説明したSEM110と同様に、電子銃701、コンデンサレンズ702、偏向コイル703、収差補正器704、走査コイル705、対物レンズ706、試料台707をカラム751の内部に備えている。
制御システム760は、実施例1で説明した制御システム120と同様に、制御コンピュータ730、画像形成部710、画像表示部711、収差補正器電源制御部717、収差補正器電源718、装置制御部719、を備えている。また、制御コンピュータ730は、メモリ712、収差係数演算部713、補正対象判断部714、補正器電源制御値演算部715を備え、テーブル記憶部716と接続している。
上記した構成において、SEM750のカラム751内の電子銃701より放出された電子線752は、コンデンサレンズ702及び2段構成の偏向コイル703を通過後、収差補正器704に入射する。収差補正器704を通過した電子線752は、走査コイル705及び対物レンズ706を通過後、試料台707に載置された試料708の表面に照射され、試料708の表面を走査する。
本実施例に係る側長SEMは、SEM750で取得した信号に基づいて画像形成部710で形成した画像を画像処理部で処理して、画素計算を行うことにより、測定した画像データ上の2点間の距離を計測する装置である。
本実施例に係る測長SEMは,試料をカラム751の内部に導入するための試料準備室201から試料搬送機構202によって装置内に試料を導入する。試料準備室201と絡む751の内部とはゲートバルブ203によって隔てられる。また,試料台707上には観察対象の試料708とは別に測定用標準試料204を備える。その他の各構成要素の機能・動作は、実施例1で説明した内容とほぼ同様であるので、説明を割愛する。
図13に本実施例におけるGUI:800の例を示す。
本実施例では,回転非対称収差による方向毎のビーム広がりへの寄与の差異を考慮し,分解能影響値rを画像の方向毎に定義する。これによって,各収差成分による画像の方向別分解能への影響を得ることができる。直近の測定結果における各収差成分による画像の方向別分解能の状態は834〜838に表示され,これらの収差成分全てによる画像の方向別分解能は839に表示される。なお,図では画像の方向別分解能を0,45,90,135,180,225,270,315度の8方向で定義しているが,任意の分割数で定義してよい。
本実施例ではある一定の間隔で自動的に収差測定を実施し,その測定結果から得た収差による画像の方向別分解能の状態をGUIに示すことでユーザーが装置の状態をモニタリングすることができる。
画像平均分解能遷移グラフ830には画像の方向別分解能の平均値の時間による遷移状態と画像平均分解能の許容ライン(832)が併せて示され,画像分解能ばらつき遷移グラフ831には画像の方向別分解能のばらつきと画像方向別分解能ばらつきの許容ライン(833)が併せて示される。ユーザーはGUI:800上のこれらの情報を参照することで装置の状態変化や状態異常,収差補正器の再調整時期などを把握することができる。
なお,本発明は上記した実施例に限定されるものではなく,様々な変形例が含まれる。例えば,上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり,必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また,ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり,また,ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また,各実施例の構成の一部について,他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本実施例では収差の測定方法に関しては何も制約がないため,他の荷電粒子線装置,例えば透過型電子顕微鏡,走査透過型電子顕微鏡,集束イオンビーム装置などに収差補正器を搭載した場合の応用も可能である。また,収差補正器についても6極子型,電磁場重畳4極子-電場8極子型,電磁場重畳4極子-磁場8極子型,全段静電型,全段磁場型などの多段多極子を利用した収差補正器への応用が可能であり,補正対象とする収差も色収差,幾何収差どちらに対しても適用可能である。
また,上記の各構成,機能,処理部,処理手段等はそれらの一部または全部を,例えば集積回路で設計することによりハードウェアで実現しても良い。また,上記の各構成,機能等は,プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し,実行することによりソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム,テーブル,ファイル等の情報は,メモリやハードディスク,SSD(Solid State Drive)等記録装置,またはICカード,SDカード,DVD等記録媒体に置くことができる。また,制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており,製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。
1,701・・・電子銃 2,702・・・コンデンサレンズ 3,703・・・偏向コイル 4、704・・・収差補正器 5,705・・・走査コイル 6、706・・・対物レンズ 7、707・・・試料台 8,708 試料 9、709・・・検出器 10,710・・・画像形成部 11,711・・・画像表示部 12,712・・・メモリ 13,713・・・収差係数演算部 14,714・・・収差補正対象判断部 15,715・・・補正器電源制御値演算部 16,716・・・テーブル記憶部 17、717・・・収差補正器電源制御部 18,718・・・収差補正器電源 100・・・SEMシステム 110,750・・・SEM 111,751・・・カラム 120,760・・・制御システム 121、730・・・制御コンピュータ 720・・・画像処理部。

Claims (13)

  1. 荷電粒子線装置であって、
    一次荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から発生した一次荷電粒子ビームの収差を補正する収差補正光学系と、
    前記収差補正光学系で収差が補正された一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出する検出部と、
    前記検出部で前記二次荷電粒子を検出して得た信号から前記試料の荷電粒子像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して前記一次荷電粒子ビームの対称性の異なる収差を分離し前記分離した収差のうちから優先して補正すべき収差を選択し前記選択した収差を補正するための前記収差補正光学系の補正量を算出する収差補正量算出部と、
    前記収差補正量算出部で算出した補正量に基づいて前記収差補正光学系を制御する収差補正光学系制御部と
    を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線装置であって、前記収差補正量算出部は、前記画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して前記一次荷電粒子ビームの対称性の異なる収差を分離し前記分離した収差ごとの収差係数を求める収差係数演算部と、前記収差係数演算部で求めた収差ごとの収差係数に基づいて補正する収差を判定する補正対象判定部と、前記補正対象判定部で補正対象と判定した収差を補正するための前記収差補正光学系の補正量を算出する収差補正光学系補正量算出部とを備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2記載の荷電粒子線装置であって、前記補正対象判定部は、前記分離した収差のうち補正することによる画像分解能改善への効果が大きい収差を補正対象収差として判定する優先して補正するように前記収差補正光学系を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項2記載の荷電粒子線装置であって、前記補正対象判定部は、前記分離した収差について前記収差係数演算部で求めた収差係数に基づいて収差による画像分解能劣化を表すパラメータである分解能影響値を求め、前記収差ごとの前記分解能影響値の合計が予め設定した値よりも小さくなるように補正する収差を判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項4記載の荷電粒子線装置であって、前記補正対象判定部は、前記収差ごとの前記分解能影響値の合計が予め設定した値よりも小さくなるように補正する収差を判定するとともに、前記収差ごとの前記分解能影響値の差が予め設定した値よりも小さくなるように補正する収差を判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 荷電粒子線装置であって、
    一次荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源から発生した一次荷電粒子ビームの収差を補正する多極子レンズを備えた収差補正光学系と、
    前記収差補正光学系で収差が補正された一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出する検出部と、
    前記検出部で前記二次荷電粒子を検出して得た信号から前記試料の荷電粒子像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して前記収差補正光学系の優先して補正すべき収差を抽出し前記抽出した優先して補正すべき収差の補正量を算出する収差補正量算出部と、
    前記収差補正量算出部で算出した補正量に基づいて前記収差補正光学系を制御する収差補正光学系制御部と
    前記収差補正光学系制御部で制御された前記収差補正光学系を通過した一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を前記検出部で検出して得た信号を前記画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して前記試料に形成されたパターンの寸法を計測する画像処理部と
    を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6記載の荷電粒子線装置であって、前記収差補正量算出部は、前記画像形成部で形成した荷電粒子像を処理して前記一次荷電粒子ビームの対称性の異なる収差を分離し前記分離した収差ごとの収差係数を求める収差係数演算部と、前記収差係数演算部で求めた収差ごとの収差係数に基づいて補正する収差を判定する補正対象判定部と、前記補正対象判定部で補正対象と判定した収差を補正するための前記収差補正光学系の補正量を算出する収差補正光学系補正量算出部とを備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項7記載の荷電粒子線装置であって、前記補正対象判定部は、前記分離した収差のうち補正することによる画像分解能改善への効果が大きい収差を補正対象収差として判定する優先して補正するように前記収差補正光学系を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項7記載の荷電粒子線装置であって、前記補正対象判定部は、前記分離した収差について前記収差係数演算部で求めた収差係数に基づいて収差による画像分解能劣化を表すパラメータである分解能影響値を求め、前記収差ごとの前記分解能影響値の合計が予め設定した値よりも小さくなるように補正する収差を判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項9記載の荷電粒子線装置であって、前記補正対象判定部は、前記収差ごとの前記分解能影響値の合計が予め設定した値よりも小さくなるように補正する収差を判定するとともに、前記収差ごとの前記分解能影響値の差が予め設定した値よりも小さくなるように補正する収差を判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 荷電粒子線装置の荷電粒子源から発生して収差補正光学系を通過した一次荷電粒子ビームが照射された試料から発生した二次荷電粒子を検出器で検出し、
    前記検出器で前記二次荷電粒子を検出して得た信号から画像形成部で前記試料の荷電粒子像を形成し、
    前記画像形成部で形成した荷電粒子像を収差補正量算出部で処理して前記収差補正光学系の優先して補正すべき収差を抽出し前記抽出した優先して補正すべき収差の補正量を算出し、
    前記収差補正量算出部で算出した優先して補正すべき収差の補正量に基づいて前記収差補正光学系を制御する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置の収差補正方法。
  12. 請求項11記載の荷電粒子線装置の収差補正方法であって、
    前記収差補正量算出部で荷電粒子像を処理して前記収差補正光学系により優先して補正すべき収差を抽出し前記抽出した優先して補正すべき収差の補正量を算出することを、
    前記荷電粒子像から一次荷電粒子ビームの対称性の異なる収差を分離して収差係数を求め、
    前記求めた収差係数から収差による画像分解能劣化を表すパラメータである分解能影響値を前記収差ごとに求め、
    前記収差ごとに求めた分解能影響値の合計が予め設定した値よりも大きいかをチェックし、
    前記分解能影響値の合計が予め設定した値よりも大きい場合には、前記分解能影響値が最も大きい収差を優先して補正すべき収差として抽出し、
    前記抽出した優先して補正すべき収差を補正するための収差補正光学系の補正量を算出することにより行う
    ことを特徴とする荷電粒子線装置の収差補正方法。
  13. 請求項12記載の荷電粒子線装置の収差補正方法であって、前記収差ごとに求めた分解能影響値の合計が予め設定した値よりも大きいかをチェックして前記分解能影響値の合計が予め設定した値よりも小さい場合には、前記収差ごとの分解能影響値のばらつきが予め設定した範囲に入っているかをチェックし、前記収差ごとの分解能影響値のばらつきが予め設定した範囲に入っていない場合には、分解能影響値の大きい収差を優先して補正すべき収差として抽出し、前記抽出した優先して補正すべき収差を補正するための収差補正光学系の補正量を算出することにより行うことを特徴とする荷電粒子線装置の収差補正方法。
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