JP5378576B2 - 収差補正器を備えた荷電粒子線装置 - Google Patents
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上に述べた収差係数の計算手法は、
(1)ビーム傾斜による光路差の変化が収差を増大させる、(2)ビーム傾斜による収差の変化量は、ビームの傾斜条件とビーム照射系が元々持っている収差の量に依存する、という2つの基本原理を利用している。つまり、本発明の収差係数の計算手法は、デフォーカス量と非点量の傾斜条件依存性を計測し、計測した依存性から傾斜が無い状態での収差係数を逆算する点に特徴を有する。傾斜条件依存性の"傾斜条件"とは、所定の光軸(例えば、荷電粒子カラムの中心軸や対物レンズ光軸など)に対する荷電粒子線の方位角や傾斜角などで表現される。
(式1)
(式1)において, A0,C1,A1,B2,A2,C3,S3,A3はそれぞれ像移動,デフォーカス,2回対称非点収差,軸上コマ収差,3回対称非点収差,3次の球面収差,スター収差,4回対称非点収差をそれぞれ表す。また,ωは物面上の複素座標を表す。ここで,入射電子ビームを傾斜角でτ傾けると,χ(ω)は以下のように書くことができる。ここで、傾斜角τは複素数で表現されるものとする。
(式2)
(式2)において,A0(τ),C1(τ),A1(τ)…はそれぞれ電子ビームを傾斜させたときの収差係数を表す。
(式3)
となる。
同様に,傾斜によって現れる2回対称非点(A1(τ))は
(式4)
となる。
(式3)と(式4)から明らかなように,C1(τ)とA1(τ)には傾斜前の3次までの収差係数が全て含まれている。ここで、より高次の収差係数を式(1)に含めれば、χ(ω)は、ωに関する任意次数の多項式として展開することが可能である。
と表すことができる。これを(式3)に代入して整理すると最終的に(式3)及び(式4)は
(式5)
の形で書くことができる。
ここでmk(t)は,ビーム傾斜前の各収差とtの線形結合から成る式で表される係数である。
図1に、C1(τ)と,その最小二乗フィッティングの例を示す。(式3)に
を代入して整理すると,
(式6)
となる。
を代入すると,(式3)は最終的には
(式7)
となる。従って,ある定数値tについて,φを変化させてC1(t,φ)の値を測定し,得られた値を使って(式7)のφについて最小二乗フィッティングすると,各項の係数から(C1+2C3t2),ReB2,ImB2,ReS3,ImS3の値を求めることができる。また,ビーム非傾斜時のC1の値を事前に測っておくことで,(C1+2C3t2)の値からC3の値を求めることができる。以上のようにして,ビーム傾斜時のC1(t,φ)の測定値から傾斜前の収差係数を求めることができる。
(式8)
(式9)
(式10)
すなわち、4方向の方向微分二乗和の最大値の平均をとった値がデフォーカス値に相当する。非点隔差量は、各非点方向において方向微分の二乗和が最大となるフォーカス位置を三角関数でフィッティングし、得られたフィッティングカーブの極大値と極小値の差を計算することにより求めることができる(極大値と極小値の差を非点隔差と定義した場合)。この方法を用いれば,1回の操作でデフォーカス量と非点量を同時に求めることが可能である。
Claims (13)
- 一次荷電粒子線を試料上に走査し、当該走査により発生する二次荷電粒子を検出して検出結果を二次荷電粒子信号として出力する荷電粒子光学系と、
当該荷電粒子光学系の制御手段と、
前記出力された二次荷電粒子信号を処理し、前記一次荷電粒子線の走査領域に対応する画素の二次元分布情報を取得する情報処理装置とを有し、
前記荷電粒子光学系は、
当該荷電粒子光学系で発生する収差を低減する収差補正器と,
前記荷電粒子線を該荷電粒子線の光軸から傾斜させた状態で前記試料上に導く手段とを有し、
前記情報処理装置は、
前記一次荷電粒子を前記傾斜した状態でかつフォーカスの度合いを変えて前記試料上に走査することにより得られる複数の二次元分布情報の方向鮮鋭度から前記荷電粒子光学系に含まれる焦点ずれ量と非点隔差を計算し、
前記一次荷電粒子線を前記傾斜が無い状態で前記試料上に走査して得られる二次元分布情報と、前記計算された焦点ずれ量および非点隔差とを用いて、前記荷電粒子光学系に発生する任意の次数の収差係数を計算することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記複数の二次元分布情報の方向鮮鋭度がピークとなるフォーカス値に基づいて、焦点ずれ量および非点隔差を計算することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記荷電粒子光学系は、磁界型対物レンズを備え、
前記荷電粒子光学系の制御手段は、前記フォーカスの度合いを前記磁界型対物レンズの調整により変更することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記情報処理装置は、
前記複数の二次元分布情報の方向鮮鋭度から前記荷電粒子光学系に含まれる焦点ずれ量、非点隔差及び非点方向を計算し、
前記傾斜が無い状態で前記試料上に走査して得られる二次元分布情報と、前記計算された焦点ずれ量、非点隔差及び非点方向とを用いて、前記収差係数を計算することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 一次荷電粒子線を試料上に走査し、当該走査により発生する二次荷電粒子を検出して検出結果を二次荷電粒子信号として出力する荷電粒子光学系と、
当該荷電粒子光学系の制御手段と、
前記出力された二次荷電粒子信号を処理し、前記一次荷電粒子線の走査領域に対応する画素の二次元分布情報を取得する情報処理装置とを有し、
前記荷電粒子光学系は、
磁界型対物レンズと、
当該荷電粒子光学系で発生する収差を低減する収差補正器と,
前記荷電粒子線を該荷電粒子線の光軸から傾斜させた状態で前記試料上に導く手段とを有し、
前記情報処理装置は、
前記一次荷電粒子を前記傾斜した状態でかつフォーカスの度合いを変えて前記試料上に走査することにより得られる複数の二次元分布情報から前記荷電粒子光学系に含まれる焦点ずれ量と非点隔差を計算し、
前記一次荷電粒子線を前記傾斜が無い状態で前記試料上に走査して得られる二次元分布情報と、前記計算された焦点ずれ量および非点隔差とを用いて、前記荷電粒子光学系に発生する任意の次数の収差係数を計算し、
前記フォーカスの度合いは前記磁界型対物レンズの調整により変更することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項5に記載の荷電粒子線装置において、
前記情報処理装置は、
前記複数の二次元分布情報から前記荷電粒子光学系に含まれる焦点ずれ量、非点隔差及び非点方向を計算し、
前記傾斜が無い状態で前記試料上に走査して得られる二次元分布情報と、前記計算された焦点ずれ量、非点隔差及び非点方向とを用いて、前記収差係数を計算することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 荷電粒子線を試料上に走査し、当該走査により試料を透過した荷電粒子を検出して検出結果を透過荷電粒子信号として出力する荷電粒子光学系と、
当該荷電粒子光学系の制御手段と、
前記出力された透過荷電粒子信号を処理し、前記荷電粒子線の走査領域に対応する画素の二次元分布情報を取得する情報処理装置とを有し、
前記荷電粒子光学系は、
当該荷電粒子光学系で発生する収差を低減する収差補正器と,
前記荷電粒子線を該荷電粒子線の光軸から傾斜させた状態で前記試料上に導く手段とを有し、
前記情報処理装置は、
前記一次荷電粒子を前記傾斜した状態でかつフォーカスの度合いを変えて前記試料上に走査することにより得られる複数の二次元分布情報から前記荷電粒子光学系に含まれる焦点ずれ量と非点隔差を計算し、
前記荷電粒子線を前記傾斜が無い状態で前記試料上に走査して得られる二次元分布情報と、前記計算された焦点ずれ量および非点隔差とを用いて、前記荷電粒子光学系に発生する任意の次数の収差係数を計算することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
前記情報処理装置は、前記計算された収差係数を用いて前記収差補正器の調整量を計算
することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
前記荷電粒子光学系は、静電レンズを備えた磁界型対物レンズを備え、
前記荷電粒子光学系の制御手段は、前記フォーカスの度合いを当該静電レンズの調整により変更することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項9に記載の荷電粒子線装置において、
前記フォーカス調整の範囲幅に関する情報が格納された記憶手段を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
前記情報処理装置は、前記二次元分布情報から焦点ずれ量と二回対称非点量を計算し、当該計算された焦点ずれ量と二回対称非点量を用いて収差係数を計算することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
前記荷電粒子光学系は、磁界型対物レンズを備え、
前記荷電粒子光学系の制御手段は、前記フォーカスの度合いを前記磁界型対物レンズの調整により変更することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
前記情報処理装置は、
前記複数の二次元分布情報から前記荷電粒子光学系に含まれる焦点ずれ量、非点隔差及び非点方向を計算し、
前記傾斜が無い状態で前記試料上に走査して得られる二次元分布情報と、前記計算された焦点ずれ量、非点隔差及び非点方向とを用いて、前記収差係数を計算することを特徴とする荷電粒子線装置。
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