JPWO2018020797A1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

電力変換回路(130)は、負荷装置(200)への出力電流(Io)を増減するスイッチング素子(132)を含む。電流検出部(140)は、出力電流(Io)に応じた第1の検出信号(Vdet)を出力する。第2の検出信号(Vdet♯)は、第1の検出信号の交流成分を抽出して生成される。第1のヒステリシス制御部(170)は、第1の検出信号(Vdet)と第1のしきい値(V1h,Vll)との比較に従って第1の制御信号(Sh1)を生成する。第2のヒステリシス制御部(190)は、第2の検出信号と、第2のしきい値(V2h,V2l)の比較に従って、第2の制御信号(Sh2)を生成する。選択部(197)は、第1および第2の制御信号の一方を選択してスイッチング素子(132)へ伝達する。第1のしきい値は、負荷装置の動作状態の変化に応じて変化され、第2のしきい値の差分は、スイッチング周波数に応じて調整される。

Description

この発明は電力変換装置に関し、より特定的には、ヒステリシス制御が適用された電力変換装置の出力制御に関する。
電力変換装置の出力フィードバック制御の一態様として、ヒステリシス制御方式が用いられている。たとえば、特開2001−103739号公報(特許文献1)には、ヒステリシス制御が適用された電源コンバータが記載されている。
ヒステリシス制御では、電力変換装置の出力が上限しきい値および下限しきい値と比較されて、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する)のオンオフが制御されるため、当該上限しきい値および下限しきい値の差分に相当するヒステリシス幅を調整することによって、スイッチング周波数を制御することができる。
特許文献1に記載された電源コンバータでは、ヒステリシス制御におけるヒステリシス幅を調整することによって、電力用半導体スイッチング素子のオンオフ周期(スイッチング周波数)を制御することが記載されている。さらに、デジタルPLL(Phased Locked Loop)での実装例において、コントローラの出力周波数が高すぎる場合にはDAC(Digital to Analog Converter)出力値を周波数が減少する方向に変化させ、周波数が低すぎる場合にはDAC出力値を周波数が上昇する方向に変化させることでスイッチング周波数を所定レベルに維持する制御が記載されている。
特開2001−103729号公報
特許文献1に記載されるヒステリシス制御では、ヒステリシス幅は、DACの分解能によって制約される最小幅以下に設定することができない。すなわち、ヒステリシス幅が最小幅まで減少すると、それ以上スイッチング周波数を高くすることができなくなる。
負荷が大きく変化する用途に適用される電力変換装置では、出力範囲(電圧範囲または電流範囲)が広くなるために、ヒステリシス制御における上限しきい値および下限しきい値の設定範囲も広くなる。この結果、これらのしきい値をデジタル値として設定すると、DACの1階調に対応する出力範囲も広くなるため、スイッチング周波数を所定レベルに維持するのに十分なレベルまで、ヒステリシス幅を細かく調整できなくなることが懸念される。この結果、ヒステリシス制御が適用されたスイッチング素子のスイッチング周波数が、騒音や電磁ノイズを発生させてしまう範囲まで変動する虞がある。
本開示はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、ヒステリシス制御が適用された電力変換装置におけるスイッチング周波数を適切に制御することである。
本開示のある局面によれば、電力変換装置は、直流電源と負荷装置との間に接続される電力変換回路と、検出部と、電源制御部とを備える。電力変換回路は、オンオフに応じて負荷装置への出力を増減するスイッチング素子を含む。検出部は、電力変換回路から負荷装置への出力に応じた第1の検出信号を出力するように構成される。電源制御部は、第1の検出信号を用いてスイッチング素子のオンオフを制御するように構成される。電源制御部は、第1および第2のヒステリシス制御部と、交流信号抽出部と、制御部と、選択部とを含む。第1のヒステリシス制御部は、第1の検出信号を第1の上限しきい値および第1の下限しきい値と比較した結果に従って、スイッチング素子のオンオフを制御する第1の制御信号を生成するように構成される。交流成分抽出部は、第1の検出信号の交流成分を抽出した第2の検出信号を出力するように構成される。第2のヒステリシス制御部は、第2の検出信号を第2の上限しきい値および第2の下限しきい値と比較した結果に従って、スイッチング素子のオンオフを制御する第2の制御信号を生成するように構成される。制御部は、負荷装置の動作状態の変化に応じて第1の上限しきい値および第1の下限しきい値を変化させるとともに、スイッチング素子がオンオフするスイッチング周波数に応じて第2の上限しきい値および第2の下限しきい値の差分を調整するように構成される。選択部は、制御部による選択に従って、第1および第2の制御信号のうちの一方をスイッチング素子に対して出力するように構成される。
本開示によれば、ヒステリシス制御が適用された電力変換装置におけるスイッチング周波数を適切に制御することができる。
本開示の実施の形態に従う電力変換装置の構成を説明するブロック図である。 図1に示された直流成分除去部の構成例を説明するブロック図である。 電流検出部による検出信号からの交流成分の抽出手法を説明する概念図である。 図1に示された直流電流を制御するためのヒステリシス制御部の構成を説明するブロック図である。 図4に示されたヒステリシス制御部の動作を説明するための信号波形図である。 図1に示されたスイッチング周波数を制御するためのヒステリシス制御部の構成を説明するブロック図である。 図6に示されたヒステリシス制御部の動作を説明するための信号波形図である。 図1に示された電流検出部における検出ゲインの設定を説明するための概念図である。 直流電流を制御するためのヒステリシス制御部の動作を説明するための第1の波形図である。 直流電流を制御するためのヒステリシス制御部の動作を説明するための第2の波形図である。 直流電流を制御するためのヒステリシス制御部の動作を説明するための第3の波形図である。 直流電流を制御するためのヒステリシス制御部における上限しきい値および下限しきい値の設定を説明する波形図である。 スイッチング周波数を制御するためのヒステリシス制御部における上限しきい値および下限しきい値の設定を説明する波形図である。 ヒステリシス制御部を用いた直流電流制御の制御処理を説明するフローチャートである。 負荷装置の動作状態に応じた上限しきい値および下限しきい値の変化例を説明する概念的な波形図である。 ヒステリシス制御部を用いたスイッチング周波数制御の制御処理を説明するフローチャートである。 スイッチング周波数制御における上限しきい値および下限しきい値の調整例を説明する概念的な波形図である。 本開示の実施の形態に従う電力変換装置における直流電流制御およびスイッチング周波数制御の状態遷移図である。 図1に示された負荷装置の構成例を説明する電気回路図である。
以下に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本開示の実施の形態に従う電力変換装置の構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、本開示の実施の形態に従う電力変換装置100は、電力線PLおよびNLに接続された負荷装置200に対して、直流電力を供給する。電力変換装置100は、電源主回路部110と、電源制御部150とを備える。
電源主回路部110は、直流電源120と、電力変換回路130と、電流検出部140とを含む。直流電源120は、直流電圧Vinを出力する。たとえば直流電源120は、二次電池等の蓄電素子や、商用交流電源からの交流電圧を整流および平滑化する直流電源回路によって構成することができる。
電力変換回路130は、スイッチング素子132と、リアクトル135と、ダイオード137と、平滑コンデンサ138とを有する。平滑コンデンサ138は、電力線PLおよびNLの間に接続される。以下では、平滑コンデンサ138の端子間電圧を、電力変換回路130の出力電圧Voとも称する。また、リアクトル135のインダクタンス値をLとする。
スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子132は、電力変換回路130の出力を制御するための電源制御部150からのパルス状の制御信号Sgによってオンまたはオフされる。たとえば、スイッチング素子132は、論理ハイレベル(以下、単に「Hレベル」とも称する)期間に対応してオンされる一方で、論理ローレベル(以下、単に「Lレベル」とも称する)期間に対応してオフされる。
スイッチング素子132のオン期間には、スイッチング素子132、リアクトル135および電力線PL,NLを経由して、直流電源120から負荷装置200への電流供給経路が形成される。一方で、スイッチング素子132のオフ期間には、ダイオード137によって、リアクトル135、電力線PL,NLおよび負荷装置200を経由する電流経路が形成される。これにより、電力変換回路130から負荷装置200への出力(出力電流Ioおよび/または出力電圧Vo)は、スイッチング素子132のオン期間に増加する一方で、スイッチング素子132のオフ期間には減少する。
具体的には、図1に例示された電力変換回路130では、スイッチング素子132のオン期間では、(Vin−Vo)/Lの傾きで出力電流Ioは上昇する。一方で、スイッチング素子132のオフ期間では、−Vo/Lの傾きで出力電流Ioは低下する。
したがって、スイッチング素子132のオン期間Tonおよびオフ期間Toffの和(すなわち、スイッチング周期T)に対するオン期間Tonの比であるデューティ比(Ton/T)を制御することによって、電力変換回路130から負荷装置200への出力(出力電圧Voおよび出力電流Io)を制御することができる。
負荷装置200は、電力線PLおよびNLの間に並列に接続されたn個(n:2以上の自然数)の負荷ユニットを有する。各負荷ユニットは、電力線PLおよびNLの間に直列接続された、負荷210および負荷スイッチ220を有する。
したがって、負荷装置200全体では、n個の負荷210(1)〜210(n)および負荷スイッチ220(1)〜220(n)が配置されている。負荷スイッチ220(1)〜220(n)は、負荷制御信号LS(1)〜LS(n)によってそれぞれ制御される。負荷制御信号LS(1)〜LS(n)に従って対応の負荷スイッチ220がオンされた負荷210は、電力線PLおよびNL間に接続されて電流供給を受けることによって作動する。
負荷210(1)〜210(n)の作動電圧は共通であり、電力変換回路130の出力電圧Voは、当該作動電圧に相当する目標電圧Vo*に従って制御される必要がある。
なお、負荷210(1)〜210(n)の作動時における消費電力(電流)は共通であっても異なっていてもよいが、以下では、説明を簡略化するために、負荷210(1)〜210(n)の作動時における消費電力(電流)は同じであるものとする。このため、以下の説明では、負荷装置200における消費電力(電流)は、負荷210(1)〜210(n)のうちの作動する負荷210の個数(以下、単に、「負荷数」と称する)に依存することになる。
このように、負荷装置200は、負荷制御信号LS(1)〜LS(n)に従って、n個の負荷210(1)〜210(n)のうちの一部または全部が作動することによって電力を消費する。このため、電力変換回路130が負荷装置200に対して供給する電力(電流)は、負荷装置200の動作状態(たとえば、負荷数)によって変化する。
したがって、電力変換回路130は、出力電圧Voを目標電圧Vo*に維持した上で、負荷装置200の動作状態に応じた出力電流Ioを負荷装置200に供給する必要がある。この結果、電力変換回路130の出力電流範囲は比較的広いものとなる。
電流検出部140は、出力電流Ioの経路上に配置される。電流検出部140は、抵抗素子やオペアンプ等を用いて、出力電流Ioに応じた電圧を有する検出信号Vdetを出力する。
上述のように、スイッチング素子132のオンオフを制御することによって、負荷装置200への供給電力を制御することができる。電源制御部150は、負荷装置200の動作状態を示す負荷選択信号LDSおよび電流検出部140からの検出信号Vdetに基づいて、スイッチング素子132の制御信号Sgを生成する。
電源制御部150は、制御装置160と、直流電流を制御するためのヒステリシス制御部170と、交流成分抽出部180と、スイッチング周波数を制御するためのヒステリシス制御部190と、選択部197と、信号バッファ198とを有する。
制御装置160は、制御信号Sgを生成するための所定の制御演算を実行する。制御装置160は、全てがIC(Integrated Circuit)を用いない一般のデジタル制御回路(同機能をもつソフトウェアによる回路も含まれる)で構成されてもよく、またその構成要素の一部のみがデジタル制御回路であってもよい。以下では、制御装置160は、マイクロコンピュータによって構成されるものとして説明を進める。すなわち、制御装置160からの出力信号はデジタル信号であるものとする。制御装置160は、「制御部」の一実施例に対応する。
制御装置160は、負荷装置200の動作状態を示す負荷選択信号LDSを受ける。負荷選択信号LDSによって、負荷装置200内の負荷210(1)〜210(n)の作動/停止が指示される。したがって、制御装置160は、負荷選択信号LDSに応じて、作動が指示された負荷210に対応する負荷スイッチ220をオンするように、負荷制御信号LS(1)〜LS(n)を生成する。すなわち、負荷装置200の動作指令が変化すると、負荷選択信号LDSが変化されるのに応じて負荷制御信号LS(1)〜LS(n)が切替えられることにより、負荷装置200の動作状態が変化する。
したがって、制御装置160は、負荷選択信号LDSに基づいて、負荷装置200内での負荷210の作動個数を検知することができる。これにより、負荷装置200での消費電流の予測によって、出力電流Ioの目標レベルを設定することが可能となる。
なお、負荷制御信号LS(1)〜LS(n)は、図1の構成例では電源制御部150から入力されるが、電力変換装置100の外部から負荷装置200へ直接入力されてもよい。この場合には、出力電流Ioの目標レベルを設定するために、負荷装置200内での負荷の作動個数を検知するための情報(たとえば、負荷制御信号LS(1)〜LS(n))を制御装置160へ入力することが必要となる。
制御装置160は、さらにヒステリシス制御部170で用いられる上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを示す、複数ビットのデジタル信号S1およびS2を出力する。さらに、制御装置160は、ヒステリシス制御部190で用いられる上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを示す、複数ビットのデジタル信号S3およびS4を出力する。上限しきい値V1h,V2hおよび下限しきい値V1l,V2lの各々は、複数ビットのデジタルデータによって規定される電圧値を有する。
さらに、制御装置160は、選択部197の制御信号Selを出力する。選択部197は、ヒステリシス制御部170,190と、信号バッファ198との間に接続される。選択部197は、制御信号Selに応じて、ヒステリシス制御部170,190と、信号バッファ198との間の経路を切替える。これにより、ヒステリシス制御部170からの制御信号Sh1およびヒステリシス制御部190からの制御信号Sh2の一方が、選択的に信号バッファ198へ入力される。信号バッファ198は、選択部197から伝達された、制御信号Sh1またはSh2に従って、スイッチング素子132の制御電極(たとえば、MOSトランジスタのゲート)に出力される制御信号Sgを生成する。
電力変換回路130の出力電流Ioには、スイッチング素子132のオンオフによって増減するリップル電流が生じる。このため、出力電流Ioは、平均値に相当する直流電流(直流成分)と、リップル電流に相当する交流電流(交流成分)との和によって示される。ここで、交流電流(交流成分)の周波数は、スイッチング素子132のスイッチング周波数と等しい。
電流検出部140から出力される検出信号Vdetは、出力電流Ioに比例した電圧値を有する。以下では、検出信号Vdetの電圧値についても、Vdetと表記する。すなわち、電流検出部140における検出ゲインをK1とすると、Vdet=Io・K1で示される。したがって、検出信号Vdetについても、直流成分および交流成分の和によって示される。
交流成分抽出部180は、直流成分除去部182および増幅部185を含む。直流成分除去部182は、検出信号Vdetから交流成分を抽出するように構成される。たとえば、直流成分除去部182は、検出信号Vdetの交流成分を通過させるためのコンデンサによって構成することができる。
あるいは、直流成分除去部182は、コンデンサおよび抵抗を含む微分回路、または、オペアンプ等によって微分要素を持たせたハイパスフィルタとして構成されてもよい。なお、直流成分除去部182については、低周波成分を確実に除去するために、カットオフ周波数を適切に設定するとともに、急峻な周波数特性を有することが望まれる。
あるいは、図2に示されるように、直流成分除去部182は、減算部184によって構成することも可能である。減算部184は、電流検出部140からの検出信号Vdetから、制御装置160からの直流電圧Vd*を減算した信号を出力する。すなわち、減算部184からの出力信号は、(Vdet−Vd*)の電圧値を有する。
制御装置160は、直流電圧Vd*を、負荷選択信号LDSに従って設定することができる。直流電圧Vd*は、負荷選択信号LDSに従って、負荷装置200による消費電流(直流電流)、すなわち、出力電流Ioの目標値Io*に対応して設定することができる。具体的には、電流検出部140による検出ゲインK1を用いて、Vd*=K1・Io*と示すことができる。
増幅部185は、直流成分除去部182の出力信号を増幅して検出信号Vdet♯を出力する。検出信号Vdet♯は、検出信号Vdetのうちの交流成分、すなわち、出力電流Ioの交流成分に応じた電圧値を有する。このように、検出信号Vdetは「第1の検出信号」に対応し、検出信号Vdet♯は「第2の検出信号」に対応する。
図3は、検出信号からの交流成分の抽出処理を説明するための概念図である。
図3を参照して、電流検出部140から出力される検出信号Vdetは、負荷装置200における負荷の作動個数に応じて、直流成分が(a)〜(c)に示すように変化する。ここで、検出信号Vdetは、電源制御部150で用いられる電源電圧、すなわち、制御装置160の動作電源である制御電源電圧Vc(たとえば3.3Vまたは5V)〜接地電圧GND(0V)の範囲内で、出力電流Ioに応じた電圧値を有するように変化する。
このため、電流検出部140における検出ゲインK1は、負荷装置200での全ての負荷210(1)〜210(n)の作動時における最大消費電流Iomaxに対して、K1・Iomax<Vcとなるように設計する必要がある。
さらに、直流成分除去部182による機能だけでは、検出信号Vdet♯が負電圧期間を有するようになるため、負の電源電圧が必要となってしまう。したがって、検出信号Vdet♯については、抽出された交流電圧(Vdet−Vd*)に対して、バイアスのためのオフセット電圧Vofを加算することが好ましい。これにより、検出信号Vdet♯は、オフセット電圧Vofを平均値(中心値)とした交流信号となる。たとえば、オフセット電圧Vof=(Vc/2)に設定することができる。また、検出信号Vdet♯では、増幅部185によって、交流成分は増幅される。増幅部185によるゲインK2を用いて、(Vdet♯−Vc/2)=K2・(Vdet−Vd*)と示される。
実装時には、図1中の直流成分除去部182および増幅部185の機能を、オペアンプによる差動増幅回路を用いて一体的に構成することによって、負電源の配置を要することなく、出力電流Ioの交流成分を示す検出信号Vdet♯を生成することができる。なお、原理上は、負電圧の発生が必要となるものの、オフセット電圧Vofを加算することなく、直流成分除去部182による検出信号Vdetからの直流成分の除去のみによって検出信号Vdet♯を生成することも可能である。
次に、ヒステリシス制御部170および190によるスイッチング素子132のオンオフ制御について説明する。
図4は、図1に示された、直流電流を制御するためのヒステリシス制御部170の構成を説明するブロック図である。
図4を参照して、ヒステリシス制御部170は、デジタル/アナログ変換器(DAC)171,172と、比較部174,175と、信号発生器176とを有する。DAC171は、制御装置160からのデジタル信号S1をアナログ電圧に変換することによって、上限しきい値V1hを出力する。同様に、DAC172は、制御装置160からのデジタル信号S2をアナログ電圧に変換することによって、下限しきい値V1lを出力する。
比較部174,175の各々は、オペアンプによるコンパレータ等によって構成することができる。比較部174は、電流検出部140からの検出信号Vdetと、DAC171からの上限しきい値V1hとの電圧比較により、Vdet<V1hの状態からVdet>V1hとなるたびに、ワンショットパルスを出力する。
比較部175は、電流検出部140からの検出信号Vdetと、DAC172からの下限しきい値V1lとの電圧比較により、Vdet>V1lの状態からVdet<V1lとなるたびに、ワンショットパルスを出力する。信号発生器176は、比較部174,175の出力に応じて、制御信号Sh1を生成する。
図5には、図4に示されたヒステリシス制御部170の動作を説明する信号波形図が示される。
図5を参照して、検出信号Vdetが、Vdet<V1hの状態から上昇して、上限しきい値V1hよりも高くなると、比較部174がワンショットパルスを出力する。これに応じて、信号発生器176は、スイッチング素子132をオフするために、制御信号Sh1をHレベルからLレベルに変化させる。これにより、検出信号Vdet(すなわち、出力電流Io)のさらなる上昇を回避することができる。
反対に、検出信号Vdetが、Vdet>V1lの状態から低下して、下限しきい値V1lよりも低くなると、比較部175がワンショットパルスを出力する。これに応じて、信号発生器176は、スイッチング素子132をオンするために、制御信号Sh1をLレベルからHレベルに変化させる。これにより、検出信号Vdet(すなわち、出力電流Io)のさらなる低下を回避することができる。
上述のように、検出信号Vdetを、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lとの比較した結果に基づいて制御信号Sh1を生成することにより、検出信号VdetがV1l〜V1hの範囲内に維持されるように、スイッチング素子132をオンオフ制御することができる。これにより、出力電流Ioを一定範囲内に維持するように、直流電流を制御することが可能となる。
このように、ヒステリシス制御部170は「第1のヒステリシス制御部」の一実施例に対応し、制御信号Sh1は「第1の制御信号」に対応する。さらに、上限しきい値V1hは「第1の上限しきい値」に対応し、下限しきい値V1lは「第1の下限しきい値」に対応する。
図6は、図1に示された、スイッチング周波数を制御するためのヒステリシス制御部190の構成を説明するブロック図である。
図6を参照して、ヒステリシス制御部190は、デジタル/アナログ変換器(DAC)191,192と、比較部194,195と、信号発生器196とを有する。DAC191は、制御装置160からのデジタル信号S3をアナログ電圧に変換することによって、上限しきい値V2hを出力する。同様に、DAC192は、制御装置160からのデジタル信号S4をアナログ電圧に変換することによって、下限しきい値V2lを出力する。
比較部194,195の各々は、比較部174,175と同様に、オペアンプによるコンパレータ等によって構成することができる。比較部194は、増幅部185からの検出信号Vdet♯と、DAC191からの上限しきい値V2hとの電圧比較により、Vdet♯<V2hの状態からVdet♯>V2hとなるたびに、ワンショットパルスを出力する。
比較部195は、検出信号Vdet♯と、DAC192からの下限しきい値V2lとの電圧比較により、Vdet♯>V2lの状態からVdet♯<V2lとなるたびに、ワンショットパルスを出力する。信号発生器196は、比較部194,195の出力に応じて、制御信号Sh2を生成する。
図7には、図6に示されたヒステリシス制御部190の動作を説明する信号波形図が示される。
図7を参照して、検出信号Vdet♯が、Vdet♯<V2hの状態から上昇して、上限しきい値V2hよりも高くなると、比較部194がワンショットパルスを出力する。これに応じて、信号発生器196は、スイッチング素子132をオフするために、制御信号Sh2をHレベルからLレベルに変化させる。
反対に、検出信号Vdet♯が、Vdet♯>V2lの状態から低下して、下限しきい値V2lよりも低くなると、比較部195がワンショットパルスを出力する。これに応じて、信号発生器196は、スイッチング素子132をオンするために、制御信号Sh2をLレベルからHレベルに変化させる。
上述のように、検出信号Vdet♯を、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lと比較した結果に基づいて制御信号Sh2を生成することにより、スイッチング素子132のオンオフ周期を、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lによって調整できる。すなわち、出力電流Ioの交流成分を小さくするように、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの差分を小さく設定することにより、スイッチング素子132のスイッチング周波数を高くすることができる。
このように、ヒステリシス制御部190は「第2のヒステリシス制御部」の一実施例に対応し、制御信号Sh2は「第2の制御信号」に対応する。さらに、上限しきい値V2hは「第2の上限しきい値」に対応し、下限しきい値V2lは「第2の下限しきい値」に対応する。
次に、図8を用いて、電流検出部140の検出ゲインK1の設定について説明する。
図8を参照して、本実施の形態に従う電力変換装置100において、一例として、負荷装置200での最大消費電流Iomax=5(A)であり、検出信号VdetおよびDAC171,172,191,192等の上限電圧に相当する、電源制御部150での制御電源電圧Vc=5(V)として、DAC171,172,191,192の分解能が8ビットであるものと仮定して説明する。
ヒステリシス制御部170では、出力電流Ioの大きさが制御される。したがって、最大消費電流Iomax=5(A)に対応するために、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lの平均値が、Io=5(A)に対応する検出信号Vdetの電圧レベルと等しくなるように、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lは決定される。
上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lの最大電圧は、制御電源電圧Vc=5(V)となる。このため、出力電流Io=Imax=5(A)のときに、検出信号Vdet<Vcとする制約条件が生じる。
図8の例では、電流検出部140は、出力電流Ioを通過するように配置された電流検出抵抗142と、電流検出抵抗142の両端に生じる電圧差(すなわち、Ioによる電圧降下量)を増幅する増幅器145を含む。増幅器145は、検出信号Vdetを出力する。
このとき、電流検出抵抗142(抵抗値R)では、Io2・Rの電力損失が発生する。したがって、電力損失を抑制するためには抵抗値Rを低くすることが好ましい。たとえば、R=5(mΩ)とすると、電流検出抵抗142での最大損失については、5(A)×5(A)×0.005(Ω)=0.125(W)と見積もることができる。
その一方で、抵抗値Rを小さくすると、電流検出抵抗142での電圧差が小さくなる。R=5(mΩ)とすると、出力電流Io=Imax=5(A)のときに生じる電圧差が、5(A)×0.005(Ω)=25(mV)となる。
これに対して、8ビットを用いたDAC171,172での分解能は、Vc/28で示されるので、Vc=5(V)のときには、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lの分解能は約20(mV)となる。したがって、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lでの1階調は、出力電流Ioに換算すると、5(A)×(20/25)=4(A)となり、Imax=5(A)に対して、十分な電流制御精度を確保することができない。
したがって、増幅器145(ゲインG)を用いて検出信号Vdetを生成することによって、制御電源電圧Vcに相当するDACのフルスケールを有効に使用することができる。ここで、仮にG=100とすると、Io=Iomax=5(A)のときの検出信号Vdetは、5(A)×0.005(Ω)×100=2.5(V)となる。また、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lでの1階調を出力電流Ioに換算すると、4(A)/100=40(mA)となり、電流制御精度も向上する。
このように、電流検出部140の設計、たとえば、電流検出抵抗142の抵抗値Rおよび増幅器145のゲインGの設計は、負荷装置200への供給電流が最大となるケースにおける、電流検出抵抗142での電力損失、電流制御精度(ヒステリシス制御における上限しきい値および下限しきい値の分解能)および、電流リップル等を考慮して行うことができる。なお、図8の例では、電流検出部140での検出ゲインK1は、K1=R・G=0.005×100=0.5となることが理解される。
次に、図9〜図11の波形図を用いて、ヒステリシス制御部170による直流電流制御をさらに説明する。
図9〜図11を参照して、実線で示された検出信号Vdetは、出力電流Ioに対して検出ゲインK1を乗算した電圧レベルを有する(Vdet=Io・K1)。したがって、検出信号Vdetの平均値(直流成分)Vdavは、出力電流Ioの平均値(直流電流Iodc)に検出ゲインK1を乗算した値となる。直流電流Iodcは、負荷装置200の作動状態(負荷数)に依存するので、負荷選択信号LDSに基づいて予測することが可能である。
ヒステリシス制御部170による制御信号Sh1(図5)に従ってスイッチング素子132をオンオフすることにより、実線で示された検出信号Vdetは、上限しきい値V1l〜下限しきい値V1hの範囲内に制御されている。このときのスイッチング素子132のオンオフ周期は、T=1/fswで示される。
図9では、実線で示されたケースよりもインダクタンス値が大きいリアクトル135が用いられるときに、同じV1h,V11lを用いてヒステリシス制御を行ったときの挙動が点線で示される。このとき、実線と比較して、スイッチング素子132のオン期間およびオフ期間の両方で出力電流Ioの傾きが小さくなるため、検出信号Vdetの傾きも小さくなる。したがって、ヒステリシス制御によるスイッチング素子132のオンオフ周期は、実線で示されるときよりも長くなり、スイッチング周波数は、fswからfswaに低下する。
図10では、実線で示されたケースよりも入力電圧Vinが低いときに、同じV1h,V11lを用いてヒステリシス制御を行ったときの挙動が点線で示される。このとき、実線と比較して、スイッチング素子132のオン期間において、出力電流Ioの傾きが小さくなるため、検出信号Vdetの傾きも小さくなる。したがって、ヒステリシス制御によるスイッチング素子132のオンオフ周期は、実線で示されるときよりも長くなり、スイッチング周波数は、fswからfswbに低下する。
図11では、実線で示されたケースよりも出力電圧Voが低いときに、同じV1h,V11lを用いてヒステリシス制御を行ったときの挙動が点線で示される。このとき、実線と比較して、スイッチング素子132のオフ期間において、出力電流Ioの傾きが小さくなるため、検出信号Vdetの傾きも小さくなる。したがって、ヒステリシス制御によるスイッチング素子132のオンオフ周期は、実線で示されるときよりも長くなり、スイッチング周波数は、fswからfswcに低下する。
図9〜図11に示したように、リアクトル135のインダクタンス値L、入力電圧Vinおよび出力電圧Voが変わると、ヒステリシス制御下でのスイッチング周波数は変化する可能性がある。したがって、スイッチング周波数を一定に保つためには、これらのパラメータを反映して、ヒステリシス制御に用いられる上限しきい値V1hおよび下限しきいを設定する必要があることが理解される。
図12は、ヒステリシス制御部170における上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lの設定手法を説明するための概念的な波形図である。
図12を参照して、スイッチング素子132のスイッチング周期Tに対して、そのうちのオン期間をtonとする。このとき、出力電圧Voおよび入力電圧Vinの比について、いわゆる降圧チョッパでの電圧変換比から、下記の式(1)が成立する。式(1)中のf(f=1/T)は、スイッチング周波数の目標値とすることができる。
Figure 2018020797
また、出力電流Ioに含まれる電流リップルΔIoは、下記の式(2)によって表わされる。
Figure 2018020797
上記式(1),(2)より、電流リップルΔIoは、下記の式(3)で示される。すなわち、電流リップルΔIoは、インダクタンス値L、入力電圧Vin、出力電圧Voおよびスイッチング周波数fの関数となるので、許容できる電流幅(電流リップルΔIo)を考慮して、インダクタンス値Lを設計するとともに、ヒステリシス制御部170によるヒステリシス制御時におけるスイッチング周波数の目標値を定めることができる。
Figure 2018020797
検出信号Vdetには、電流リップルΔIo(電流幅)に対応して、K1・ΔIoの電圧幅が生じる。
ヒステリシス制御部190による直流電流制御では、負荷装置200の作動状態(負荷数)に依存する直流電流Iodcを中心とした一定範囲内に出力電流Ioが収まるように、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを設定する必要がある。
したがって、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lは、下記の式(4)および(5)に従って設定することができる。すなわち、上限しきい値V1hは、直流電流Iodcに電流幅ΔIoの1/2を加算した電流値に対応して設定され、下限しきい値V1l、直流電流Iodcに電流幅ΔIoの1/2を減算した電流値に対応して設定される。
Figure 2018020797
式(4),式(5)に式(3)を入力することによって、下記の式(6)および(7)が得られる。
Figure 2018020797
式(6),(7)に従って、リアクトル135のインダクタンス値L、直流電源120の入力電圧Vinおよび出力電圧Voに従って、所望のスイッチング周波数fとするための、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを算出することができる。
なお、式(6),(7)に従う上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lの算出は、一定周期毎に実施してもよく、負荷装置200の作動状態(負荷数)の変化により直流電流Iodcが変化する毎に実行してもよい。なお、式(6),(7)から、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lの差分(ヒステリシス幅)は、直流電流Iodcが変化しても一定であることが理解される。
また、負荷装置200の作動状態(負荷数)に対応させて上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを設定するための、式(6),(7)を反映したテーブルを予め作成することも可能である。この場合には、電力変換装置100の動作時には、負荷選択信号LDSによって取得される負荷装置200の作動状態に応じて、当該テーブルを参照することによって、式(6),(7)に従った演算を都度実行することなく、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを簡易に設定することができる。
なお、実際には、制御演算に伴う遅れやスイッチング素子132のオンオフ遅延等の遅延時間が存在するので、上限しきい値V1hについては、式(6)に従う算出値よりも小さく設定するようにマージンを設けることが好ましい。同様に、下限しきい値V1lについても、式(7)に従う算出値よりも大きく設定するようにマージンを設けることが好ましい。あるいは、式(6),(7)中のスイッチング周波数fを、実際の所望周波数よりも高くして、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを設定しても、同様の効果を得ることができる。
図12に示されるように、上記のように設定された上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lの範囲内に検出信号Vdetを制御することにより、出力電流Ioを、Iodc−(ΔIo/2)≦Io≦Iodc+(ΔIo/2)の範囲内に制御することができる。
次に、ヒステリシス制御部190におけるしきい値の設定について説明する。
図13は、ヒステリシス制御部190における上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの設定手法を説明するための概念的な波形図である。
図13を参照して、検出信号Vdet♯は、オフセット電圧Vof(Vof=Vc/2)を平均値として、出力電流Ioの交流成分(Io−Iodc)に従って変動する。ここで、出力電流Ioの交流成分(Io−Iodc)は、電流検出部140による検出ゲインK1および増幅部185のゲインK2を乗算して、検出信号Vdet♯に現れている。
ヒステリシス制御部190によってスイッチング素子132をオンオフ制御しても、リップル電流ΔIoについては、スイッチング素子132のスイッチング周期T(スイッチング周波数f=1/T)を用いると、式(3)で表わすことができる。
上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lは、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lと同様に、オフセット電圧Vofを中心として、K1・K2・ΔIoの差分を有するように設定することができる。
したがって、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lは、下記の式(8),(9)に従って算出することができる。
Figure 2018020797
このように、式(8),(9)を用いて上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを算出することにより、所望のスイッチング周波数fにおいて、式(3)によって設定された電流リップルΔIoの範囲内に出力電流Ioを収束させるための、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを算出することができる。
上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを用いたヒステリシス制御では、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの差分を変化させると、電流リップルΔIoおよびスイッチング素子132の周波数が変化することが理解される。
したがって、本実施の形態に従う電力変換装置では、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを、式(8),(9)に従って設定された初期値から、スイッチング周波数を調整する目的で変化させる。
なお、式(8),(9)には、式(6),(7)とは異なり、Iodcの項は入っていない。すなわち、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lについては、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lとは異なり、負荷装置200の作動状態(負荷210の作動個数)に対応して更新する必要はないことが理解される。
次に、制御装置160による、ヒステリシス制御部170による直流電流制御と、ヒステリシス制御部190による周波数制御との切替えについて説明する。
図14は、ヒステリシス制御部170を用いた直流電流制御の制御処理を説明するフローチャートである。
図14を参照して、制御装置160は、直流電流制御が開始されると、ステップS100により、ヒステリシス制御部170からの制御信号Sh1が信号バッファ198へ伝達される経路を選択するように、選択部197の制御信号Selを生成する。
さらに、制御装置160は、ステップS105により、負荷装置200の作動状態(負荷数)に応じた上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを設定する。具体的には、負荷選択信号LDSに応じて設定される直流電流Iodcを用いて、式(6),式(7)に従って、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを設定することができる。
これに応じて、ヒステリシス制御部170は、電流検出部140からの検出信号Vdetと、ステップS105で設定された上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lとに基づいて、図5に示したように制御信号Sh1を生成する。信号バッファ198は、選択部197から伝達された制御信号Sh1に従って、スイッチング素子132の制御信号Sgを生成する。これにより、図12に示されたヒステリシス制御が実行されるように、スイッチング素子132のオンオフが制御される。
制御装置160は、ヒステリシス制御部170によるスイッチング素子132のオンオフ制御が開始されると、ステップS110による収束判定を実行する。
たとえば、ステップS110では、検出信号Vdetが、V1l<Vdet<V1hの範囲内であるか否かによって、出力電流Ioが直流電流Iodcの近傍に収束しているか否かを判定することができる。すなわち、V1l<Vdet<V1hを検知すると、ステップS110がYES判定とされる。
あるいは、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1l(S105)を用いたヒステリシス制御の開始からの経過時間に基づいて、出力電流Ioが目標レベルに収束しているか否かを判定することも可能である。この場合には、経過時間が判定値T*を超えるまでは、ステップS110はNO判定とされ、経過時間が判定値T*に達すると、ステップS110はYES判定とされる。
このような収束判定とする場合には、直流電流Iodcが変化した際に発生する、検出信号Vdet♯の振動が十分に減衰する時間を確保できるように、判定値T*を設定することが好ましい。シミュレーションや実機実験の結果に従って、判定値T*は予め定めることができる。
制御装置160は、ステップS110のNO判定時には、ステップS120により、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1l(S105)を用いたヒステリシス制御を継続する。この間、ステップS110がYES判定になるまで、ステップS110による収束判定は繰り返し実行される。したがって、出力電流Ioが直流電流Iodcの近傍に収束するまで、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを用いたヒステリシス制御(S120)によって、スイッチング素子132のオンオフが制御される。なお、ステップS110については、ヒステリシス制御の開始から所定時間が経過するまでは待機し、当該所定時間の経過後に1回目の判定を実行するようにしてもよい。
制御装置160は、ステップS110がYES判定であると、出力電流Ioが直流電流Iodcの近傍に収束したことを検知して、ステップS130に処理を進める。ステップS130では、制御装置160は、ヒステリシス制御部170による直流電流制御を終了して、ヒステリシス制御部190によるスイッチング周波数制御へ移行する。
図15には、負荷装置の動作状態に応じた上限しきい値および下限しきい値の変化例を説明する概念的な波形図が示される。
図15を参照して、時間経過に応じて、負荷210(1)のみが作動された状態から、負荷210(2)〜負荷210(4)がさらに順次作動される。このような負荷210(2)〜負荷210(4)の各々の作動(ON)/停止(OFF)は、負荷選択信号LDSによって指定される。
負荷選択信号LDSが変化する毎に、図14のフローチャートに従う制御処理が実行されることにより、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lが新たに設定される(S105)。これにより、作動する負荷が増加するのに応じて直流電流Iodcが段階的に上昇されるのに伴って、上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lについても、段階的に増加させることができる。
したがって、順次更新された上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを用いたヒステリシス制御(直流電流制御)によって、電力変換装置100は、負荷装置200で必要な消費電流に応じた出力電流Ioを供給することができる。
図16は、ヒステリシス制御によるスイッチング周波数制御の制御処理を説明するフローチャートである。
図16を参照して、制御装置160は、スイッチング周波数制御が開始されると、ステップS200により、ヒステリシス制御部190からの制御信号Sh2が信号バッファ198へ伝達される経路を選択するように、選択部197の制御信号Selを生成する。
さらに、制御装置160は、ステップS205により、式(8),(9)に従って、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの初期値を設定する。
これに応じて、ヒステリシス制御部190は、出力電流Ioの交流成分に応じた検出信号Vdet♯と、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lとに基づいて、図7に示したように制御信号Sh2を生成する。信号バッファ198は、選択部197から伝達された制御信号Sh2に従って、スイッチング素子132の制御信号Sgを生成する。これにより、図13に示されたヒステリシス制御が実行されるように、スイッチング素子132のオンオフが制御される。
これにより、出力電流Ioは、直流電流制御によって制御された状態を起点に、交流成分が、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lに従う一定範囲内に収まるように制御される。
さらに、制御装置160は、ステップS210により、スイッチング素子132の現在のスイッチング周波数foを測定する。たとえば、制御装置160に内蔵されたタイマ(図示せず)を用いて、選択部197から信号バッファ198へ伝達される制御信号Sh2の周期を測定することにより、スイッチング周波数foを測定することができる。
さらに、制御装置160は、ステップS220により、ステップS210で測定されたスイッチング周波数foを、所定の下限周波数ftと比較する。たとえば、下限周波数ftは、電磁ノイズや騒音の発生を回避できる下限となる周波数に対応して設定することができる。
制御装置160は、測定されたスイッチング周波数foが下限周波数ftよりも高いときには(S220のYES判定時)、ステップS240により、現在の上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを維持してヒステリシス制御を実行する。
これに対して、制御装置160は、測定されたスイッチング周波数foが下限周波数ftよりも低いときには(S220のNO判定時)、ステップS230に処理を進めて、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを調整する。そして、制御装置160は、ステップS240により、ステップS230による調整後の上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを用いて、ヒステリシス制御を実行する。
ステップS230では、スイッチング周波数を高めるために、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの間の差分が減少するように、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lが調整される。
図17には、スイッチング周波数制御における上限しきい値および下限しきい値の調整例を説明する概念的な波形図である。
図17を参照して、式(8),(9)に従えば、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの初期値は、オフセット電圧Vofを中心値として対称に設定される。この上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを用いたヒステリシス制御下でのスイッチング周波数foが下限周波数よりも低いと、上限しきい値V2hが、所定の単位電圧Vu低下されるとともに、下限しきい値V2lが単位電圧Vu上昇される。なお、単位電圧は、DAC191,192における分解能、すなわち、1階調の電圧変化に対応して予め設定することができる。
調整後の上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを用いたヒステリシス制御下でのスイッチング周波数foが、再度測定されるとともに、下限周波数ftとの比較結果に応じて、ステップS230による調整が実行される。この結果、fo>ftが確保できるような差分となるまで、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lは調整される。
なお、図17の例では、ステップS230において上限しきい値V2hの低下および下限しきい値V2lの上昇を同時に実行しているが、ステップS230の実行毎に、上限しきい値V2hの低下および下限しきい値V2lの上昇の一方のみを交互に実行してもよい。また、単位電圧についても、任意に設定することが可能である。たとえば、DAC191,192でのm階調(m:2以上の自然数)に対する電圧変化に対応させて、単位電圧Vuを設定することも可能である。
再び図16を参照して、制御装置160は、ステップS250では、負荷選択信号LDSに基づいて、負荷装置200の動作状態(負荷数)が切替えられたかどうかを判定する。制御装置160は、負荷装置200の動作状態が切替えられるまで(S250のNO判定時)、ステップS210〜S240の処理を繰返し実行する。これにより、スイッチング周波数foが下限周波数ftよりも高い状態が維持されるように、ヒステリシス制御部190によって、スイッチング素子132のオンオフが制御される。
一方で、制御装置160は、負荷装置200の動作状態(負荷数)が切替えられると(S250のYES判定時)、ステップS260に処理を進めて、ヒステリシス制御部190によるスイッチング周波数制御を終了して、ヒステリシス制御部170による直流電流制御への移行を指示する。これに応じて、制御装置160は、図14に示された制御処理を起動する。
なお、上述のように、ヒステリシス制御部190で用いる上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lについては、負荷装置200の作動状態(負荷数)が変化しても更新する必要はない。したがって、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lについては、式(8),(9)に従ってデフォルト値を設定するとともに、電力変換装置100の運転開始後では、スイッチング周波数制御が終了されるときに(S260)、現時点での上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを保存し、次回のスイッチング周波数制御の起動時には、当該保存値を読み出すことによって、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの初期値設定(S205)を行うことも可能である。
また、図16では、スイッチング周波数foの下限周波数を制限する制御を例示したが、スイッチング周波数foの上限周波数を制限する制御を行うことも可能である。この場合には、測定されたスイッチング周波数foが上限周波数よりも高いときに、ステップS230により、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの差分を拡大するように、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを調整することができる。具体的には、ステップS230では、上限しきい値V2hの上昇および/または下限しきい値V2lの低下を行うことができる。
あるいは、上限周波数および下限周波数の両方を設定して、スイッチング周波数を下限周波数から上限周波数までの範囲に収めるように制御することも可能である。この場合には、測定されたスイッチング周波数foが下限周波数よりも低いときには図16と同様に、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの差分を縮小するとともに、測定されたスイッチング周波数foが上限周波数よりも高いときには、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの差分を拡大するように、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lを調整する制御処理を変更することができる。
図18には、本実施の形態に従う電力変換装における直流電流制御(ヒステリシス制御部170)および周波数制御(ヒステリシス制御部190)の状態遷移図が示される。
図18を参照して、電力変換装置100の運転開始時には、まず直流電流制御が実行される。これにより、負荷装置200の動作状態(負荷210の作動個数)に応じて設定された直流電流Iodcが供給されるように、検出信号Vdetに基づくヒステリシス制御が実行される。
直流電流制御によって出力電流Ioが直流電流Iodcの近傍に収束すると、すなわち、図14においてステップS110がYES判定されるのに応じて、ヒステリシス制御は、直流電流制御からスイッチング周波数制御へ切替えられる。
これにより、出力電流Ioが負荷装置200の作動状態に応じた電流レベルに制御された状態を起点として、検出信号Vdet#に基づくヒステリシス制御が実行される。したがって、出力電流Ioの交流成分が、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの差分によって規定される一定範囲内に維持されるように、スイッチング素子132のオンオフが制御される。この結果、実測されたスイッチング周波数foに応じて、上限しきい値V2hおよび下限しきい値V2lの差分を調整することにより、スイッチング周波数を制御することができる。
スイッチング周波数制御の実行中に、負荷装置200の動作状態が変化すると、出力電流Ioの直流成分を変化させる必要があるため、ヒステリシス制御は、スイッチング周波数制御から直流電流制御へ戻される。そして、変化後の負荷装置200の動作状態(負荷210の作動個数)に従って、式(6),式(7)によって算出される上限しきい値V1hおよび下限しきい値V1lを用いたヒステリシス制御が実行される。
このように、本実施の形態に従う電力変換装置では、直流電流を制御するためのヒステリシス制御と、スイッチング周波数制御とを組み合わせることにより、出力電流Ioが広範囲にわたって変化する電力変換装置にヒステリシス制御を適用した場合でも、スイッチング周波数を適切に制御することが可能である。
次に、本開示の実施の形態に従う電力変換装置が適用される負荷装置の一例を説明する。
図19は、図1に示された負荷装置の構成例を説明する電気回路図である。
図19を参照して、負荷装置200を構成する負荷210(1)〜210(n)の各々は、所定個数の発光ダイオード(LED)240の集合体であるLEDモジュールによって構成することができる。各LEDモジュールを、負荷210(1)〜210(n)として並列接続することによって、車両ヘッドライト用のマトリクスLEDの実現が可能である。
負荷スイッチ220(1)〜220(n)のオンオフにより、負荷210(1)〜210(n)毎に、LEDモジールの点灯および消灯を制御することができる。なお、複数個のLEDモジュールについては、直並列に接続してマトリクスLEDを構成することも可能である。また、各LEDモジュールについても、LED240を並列または直並列に接続することも可能である。
車両のヘッドライトでは、対向車体を検知した際に、検知部分に対応した領域を自動的に遮光するADB(Adaptive Driving Beam)機能の搭載要求がある。たとえば、ADB機能を有するLEDヘッドライトでは、照射範囲ごとにLEDを割り当てて、対向車等の検知に応じて照射範囲毎のLEDの照度を制御する、いわゆるマトリクス制御方式が開発されている。マトリクス制御方式では、機械的機構によって遮光するメカニカルADB方式に比較して、光を効率良く照射できるという利点がある。
ADB機能では、外部状況の変化に応じてLEDの点灯および消灯を高速に切り替える必要がある。このため、点灯されるLEDモジュールの個数に応じて、電力変換装置100の出力電流Ioが広範囲に変化する。このため、負荷変動への応答速度に優れるヒステリシス制御が適用されることが多い。
一方で、車載用途では、AMラジオへのノイズ干渉を避ける必要があり、電力変換装置100のスイッチング周波数範囲が制限される。たとえば、スイッチング周波数は、500kHz〜1.6MHzの範囲を回避する必要がある。電力変換装置100では、リアクトル135の小型化の面から高周波化を指向した場合には、スイッチング周波数を1.6MHz以上の高周波数帯に安定的に維持する必要がある。
したがって、本実施の形態に従う電力変換装置によれば、2種類のヒステリシス制御の組み合わせによって、出力電流IoをLEDモジュールの点灯数に対応させて制御するとともに、スイッチング周波数をAMラジオ帯よりも高い領域(fo>1.6MHz)に安定的に維持することができる。
また、LEDが負荷であるので、負荷数によらず、電力変換装置100の出力電圧Voは一定とできる。このため、ヒステリシス制御のための上限しきい値V1h,V2hおよび下限しきい値V1l,V2lを算出するための式(6)〜(9)中で出力電圧Voを変化させる必要が無い。このため、制御装置160による演算負荷を軽減することができる。このように、図19に例示した、ADB機能を有するLEDヘッドライトを構成するLEDモジュールへの電力供給に、本実施の形態に従う電力変換装置は好適である。
なお、本実施の形態では、上述のように、出力電圧Voの目標レベルが略一定の下で、電力変換装置の出力として出力電流Ioが広範囲に制御される場合のヒステリシス制御について説明した。しかしながら、本実施の形態の電力変換装置は、負荷装置200の作動状態に応じて出力電圧Voが広範囲に制御される用途にも適用することができる。この場合には、検出信号Vdet,Vdet♯を出力電圧Voの検出値に従って算出することにより、同様のヒステリシス制御を実行することができる。このヒステリシス制御では、式(6)〜(9)中での出力電圧Voを負荷装置200の作動状態に応じた変数として扱って、上限しきい値V1h,V2hおよび下限しきい値V1l,V2lを算出することができる。また、負荷装置200の作動状態に応じて、出力電圧Voおよび出力電流Ioの両方の目標レベルが変化する場合にも、式(6)〜(9)中で出力電圧Voおよび出力電流Ioの両方について、その目標レベルに従った変数として扱うことにより、同様のヒステリシス制御を実行することができる。
さらに、図1における電力変換回路130の回路構成は一例に過ぎず、直流電圧変換機能を有する回路構成であれば、任意の構成を適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 電力変換装置、110 電源主回路部、120 直流電源、130 電力変換回路、132 電力用半導体スイッチング素子、135 リアクトル、137 ダイオード、138 平滑コンデンサ、140 電流検出部、142 電流検出抵抗、145 増幅器、150 電源制御部、160 制御装置、170,190 ヒステリシス制御部、171,172,191,192 DAC、174,175,194,195 比較部、176,196 信号発生器、180 交流成分抽出部、182 直流成分除去部、184 減算部、185 増幅部、197 選択部、198 信号バッファ、200 負荷装置、210(1)〜210(n) 負荷、220(1)〜220(n) 負荷スイッチ、Io 出力電流、Io 目標レベル、Iodc 直流電流(負荷消費電流)、L インダクタンス値、LDS 負荷選択信号、LS(1)〜LS(n) 負荷制御信号、NL,PL 電力線、Sel 制御信号(選択部)、Sg 制御信号(スイッチング素子)、Sh1,Sh2 制御信号(ヒステリシス制御)、T スイッチング周期、Ton オン期間、V1h,V2h 上限しきい値、V1l,V2l 下限しきい値、Vc 制御電源電圧、Vd* 直流電圧、Vdet 検出信号(出力電流)、Vdet♯ 検出信号(交流成分)、Vo 出力電圧、Vof オフセット電圧、Vu 単位電圧。

Claims (11)

  1. 電力変換装置であって、
    直流電源と負荷装置との間に接続される電力変換回路を備え、
    前記電力変換回路は、
    オンオフに応じて前記負荷装置への出力を増減するスイッチング素子を含み、
    前記電力変換装置は、
    前記電力変換回路から前記負荷装置への出力に応じた第1の検出信号を出力する検出部と、
    前記第1の検出信号を用いて前記スイッチング素子のオンオフを制御するための電源制御部とをさらに備え、
    前記電源制御部は、
    前記第1の検出信号を第1の上限しきい値および第1の下限しきい値と比較した結果に従って、前記スイッチング素子のオンオフを制御する第1の制御信号を生成する第1のヒステリシス制御部と、
    前記第1の検出信号の交流成分を抽出した第2の検出信号を出力するための交流成分抽出部と、
    前記第2の検出信号を第2の上限しきい値および第2の下限しきい値と比較した結果に従って、前記スイッチング素子のオンオフを制御する第2の制御信号を生成する第2のヒステリシス制御部と、
    前記負荷装置の動作状態の変化に応じて前記第1の上限しきい値および前記第1の下限しきい値を変化させるとともに、前記スイッチング素子がオンオフするスイッチング周波数に応じて前記第2の上限しきい値および前記第2の下限しきい値の差分を調整する制御部と、
    前記制御部による選択に従って、前記第1および第2の制御信号のうちの一方を前記スイッチング素子に対して出力する選択部とを含む、電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記負荷装置の動作状態が変化すると、変化後の前記第1の上限しきい値および前記第1の下限しきい値の下での前記第1の検出信号の収束を検知するまでは前記第1の制御信号を選択するように前記選択部を制御するとともに、前記第1の検出信号の収束を検知した後は前記負荷装置の動作状態が次に変化するまで前記第2の制御信号を選択するように前記選択部を制御する、請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記負荷装置の動作状態が変化すると、変化後の前記第1の上限しきい値および前記第1の下限しきい値の間の範囲内に前記第1の検出信号が入ることに応じて、前記第1の検出信号の収束を検知する、請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記負荷装置の動作状態が変化すると、当該変化から所定時間が経過することに応じて、前記第1の検出信号の収束を検知する、請求項2記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、前記負荷装置の動作状態が変化すると、前記第1の上限しきい値および前記第1の下限しきい値の差分を一定に維持して、前記第1の上限しきい値および前記第1の下限しきい値を変化させる、請求項1記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記スイッチング周波数が基準値よりも低い場合には、前記第2の上限しきい値および前記第2の下限しきい値の差分が減少するように、前記第2の上限しきい値および前記第2の下限しきい値を変化させる、請求項1記載の電力変換装置。
  7. 前記負荷装置は、並列に接続された複数の負荷ユニットを含み、
    前記複数の負荷ユニットの各々は、直列に接続された負荷スイッチおよび負荷を有し、
    前記複数の負荷ユニットにおいて、前記負荷スイッチは、前記複数の負荷ユニットの作動および停止を規定するための複数の負荷制御信号にそれぞれ応じてオンオフされ、
    前記検出部は、前記電力変換回路から前記負荷装置への出力電流に応じて前記第1の検出信号を出力し、
    前記制御部は、前記複数の負荷制御信号が切替わるのに応じて、前記第1の上限しきい値および前記第1の下限しきい値を変化させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記交流成分抽出部は、
    前記第1の検出信号から、前記負荷装置の動作状態に応じた直流成分を除去することによって前記第2の検出信号を抽出する、請求項7記載の電力変換装置。
  9. 前記交流成分抽出部は、
    前記第1の検出信号から、前記負荷装置の動作状態に応じた直流成分を除去するとともに、オフセット値を加算することによって前記第2の検出信号を抽出する、請求項7記載の電力変換装置。
  10. 前記制御部は、前記複数の負荷制御信号に対応して設定される目標直流電流値と、前記直流電源からの入力電圧および前記負荷装置への目標出力電圧に基づく電流幅の1/2を加算した電流値に従って前記第1の上限しきい値を算出するとともに、前記目標直流電流値から前記電流幅の1/2を減算した電流値に従って前記第1の下限しきい値を算出する、請求項7記載の電力変換装置。
  11. 前記負荷は、発光ダイオードの集合体を含む、請求項7記載の電力変換装置。
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