JPWO2018011965A1 - トルク伝達装置、制動装置および動力伝達装置 - Google Patents

トルク伝達装置、制動装置および動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

低差動域で伝達トルクが十分小さく高差動域で伝達トルクが大きいトルク伝達装置を、取扱いが難しいダイラタンシー性流体を用いることなく、通常の粘性流体を用いて実現する。
アウタープレートはドーナツ円盤状に形成され、かつケース体の内周面に取り付けられ、一方、インナープレートは略円弧状に形成され、かつシャフトの回転中心から所定の距離離れた位置を中心に揺動可能に支持されている。ケース体とシャフトとの相対回転数が小さいときは、インナープレートは、引張コイルバネにより、アウタープレートとインナープレートとの咬合面積が小さい第1の位置に保持され、ケース体とシャフトとの相対回転数が所定の値を超えると、粘性流体の剪断力により、インナープレートがアウタープレート側に回動し、インナープレートとアウタープレートとの咬合面積が大きい第2の位置に保持される。

Description

本発明は、粘性流体の剪断力を利用して、2軸の相対回転の速度(以降、「相対回転数」という)に応じたトルクを、相対回転数を減少させる向きに発生させるトルク伝達装置、ならびに、当該トルク伝達装置を備えた制動装置および動力伝達装置に関する。
従来より、粘性流体の剪断力を利用して、2軸間に生じる相対回転数に応じたトルクを発生させるトルク伝達装置が知られている。また、このような流体式トルク伝達装置を備えた動力伝達装置や制動装置が知られている。
流体式トルク伝達装置を備えた動力伝達装置の例としては、スタンバイ式四輪駆動自動車において、主駆動輪(前輪)と副駆動輪(後輪)とに駆動力を配分するためのビスカスカップリングが挙げられる(特許文献1参照)。
上述のビスカスカップリングに求められる性能として、定常走行時には、タイトコーナーブレーキングを回避するために、相対回転数が小さい状態(以降、「低差動域」という)では、副駆動輪への伝達トルクは小さいことが好ましい。一方、悪路走行時に主駆動輪にスリップが生じた場合には、大きな駆動力を副駆動輪に伝達する必要があるため、相対回転数が大きい状態(以降、「高差動域」という)では、副駆動輪への伝達トルクは大きい必要がある。
しかし、従来のビスカスカップリングでは、低差動域で十分に小さな伝達トルクとしつつ、高差動域で大きな伝達トルクを得ることが難しいため、種々の工夫がなされている。
特許文献1では、ビスカスカップリングおよびダイラタンシー性流体カップリングの両方の構成を含んだ動力伝達装置が開示されている。ダイラタンシー性流体は、ずり速度がある値を超えると急激に剪断抵抗が大きくなる特性があり、ビスカスカップリングと並列に組み合わせれば、低差動域では十分小さな伝達トルクでありながら、高差動域では大きな伝達トルクが実現できる。
更に、流体式トルク伝達装置を備えた制動装置が特許文献2に開示されている。同文献に開示された制動装置は歩行補助車等に用いるものであり、低速時には極力軽く、スピードが上がった場合には、危険防止のために確実に制動がかかることが望ましい。このため、上述の動力伝達装置と同様に、低差動域では小さな伝達トルクでありながら、高差動域では大きな伝達トルクが作用することが求められる。
上述の性能を実現するために、特許文献2では、インナーロータを第1の空間を介してアウターロータで覆い包み、更に当該アウターロータを、第2の空間に封入された液体状の流体を介してドラムにより密封状態で覆い包むことで、回転軸の回転数が上昇した際に、インナーロータの遠心力により出没部材が進出してアウターロータをインナーロータと一体的に回転させ、回転するアウターロータの回転力を、静止状態のドラムに対し液体状の流体を介して伝達している。
更に、特許文献2では、ダイラタンシー性流体を第2の空間に封入し、インナーロータの遠心力により出没部材が進出してアウターロータをインナーロータと一体回転させる際に、ドラムとアウターロータとの間で生じるずり速度の増加に伴ってダイラタンシー性流体の粘性を上昇させることで、アウターロータからドラムへ動力が確実に伝達されるようにしている。
特開平9−58287号公報 特開2013−148183号公報
しかしながら、ダイラタンシー性流体は、流体に粒子を均一に分散する技術、粒子の沈降を防ぐ技術など製造上および管理上の高度な技術が必要であり、トルク伝達装置に使用することが難しい。
また、特許文献2に記載されたようなインナーロータから遠心力により進出した出没部材をアウターロータに係合させて一体的に回転させ、アウターロータとドラムとの間の流体の粘性を利用するものでは、インナーロータの回転速度が速くなければ、遠心力が小さく出没部材が進出できない。よって、比較的低回転速度で制動装置を作動させることが難しい。
更に、アウターロータを車両本体に固定し、インナーロータを車輪に連結する必要があり、逆にアウターロータを車輪に連結した場合には、出没部材に遠心力が作用しないため制動装置として機能しない。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、所望の伝達特性を有するトルク伝達装置を、取扱いが難しいダイラタンシー性流体を用いることなく、通常の粘性流体を用いて実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる第1のトルク伝達装置は、粘性流体の剪断力を利用して、2軸の相対回転数に応じたトルクを、速度差を減少させる向きに発生させるトルク伝達装置であって、
前記粘性流体を収容する作動室を形成するケース体と、
前記ケース体に相対回転可能に挿通されたシャフトと、
前記ケース体に連結された複数の第1プレートと、
前記シャフトに連結され、前記第1プレートと、厚さ方向に間隔を隔てて配置された複数の第2プレートと、を備え、
前記第1プレートまたは第2プレートは、前記シャフトの軸と直交する面内で揺動可能な可動プレートであり、
弾性部材を用いて第1の位置に保持された当該可動プレートを、相対回転によってプレート間に作用する前記粘性流体の剪断力を利用し、前記弾性部材の弾力に抗して第2の位置に移動させることにより、プレート間の咬合面積を切り換えて、前記ケース体と前記シャフトとの間に生じるトルクの値を制御することを特徴とする。
本発明にかかる第1のトルク伝達装置において、前記第2プレートが可動プレートであるとき、
前記第1プレートは前記ケース体の内周面に取り付けられ、かつ前記可動プレートは前記シャフトの回転軸から所定の距離離れた位置を中心に揺動可能に支持され、
前記ケース体と前記シャフトとの相対回転数が小さいときは、前記弾性部材により、前記第1プレートと前記可動プレートとの咬合面積が小さい第1の位置に保持され、
前記ケース体と前記シャフトとの相対回転数が所定の値を超えると、前記粘性流体の剪断力により、前記可動プレートが前記第1プレート側に回動し、前記可動プレートと第1プレートとの咬合面積が大きい第2の位置に保持されることが好ましい。
また一対の前記可動プレートが、前記シャフトの回転軸に対し回転対称に配置されること、もしくは一対の前記可動プレートが、前記シャフトの回転軸を含む面に対し面対称に配置されることが好ましい。
また前記弾性部材として引張コイルバネまたはねじりバネを用いることが好ましい。
また前記第1プレートが可動プレートであるとき、
前記可動プレートは前記ケース体の内周面から所定の距離離れた位置を中心に揺動可能に支持され、かつ前記第2プレートは前記シャフトの外周面に取り付けられ、
前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が小さいときは、前記弾性部材により、前記可動プレートと前記第2プレートとの咬合面積が小さい第1の位置に保持され、
前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が所定の値を超えると、前記粘性流体の剪断力により、前記可動プレートが前記第2プレート側に回動し、前記可動プレートと前記第2プレートとの咬合面積が大きい第2の位置に保持されることが好ましい。
本発明にかかる第2のトルク伝達装置は、粘性流体の剪断力を利用して、2軸の相対回転数に応じたトルクを、速度差を減少させる向きに発生させるトルク伝達装置であって、
前記粘性流体を収容する作動室を形成するケース体と、
前記ケース体に相対回転可能に挿通されたシャフトと、
所定のピッチで同心円状に配置され、かつ前記ケース体に連結された、直径の異なる複数のリング状の第1プレートと、
前記第1プレートと同様のピッチで同心円状に配置され、前記シャフトの回転に伴って回転すると共に当該シャフトの軸方向に移動可能な、直径の異なる複数のリング状の第2プレートと、を備え、
前記第2プレートは、前記シャフトの軸方向に移動可能な可動プレートであり、
弾性部材を用いて第1の位置に保持された前記可動プレートを、相対回転によって生じる前記粘性流体の剪断力を利用し、前記弾性部材の弾力に抗して第2の位置に移動させることにより、プレート間の咬合面積を切り換えて、前記ケース体と前記シャフトとの間に生じるトルクの値を制御することを特徴とする。
本発明にかかる第2のトルク伝達装置において、前記可動プレートは、前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が小さいときは、前記弾性部材により、前記第1プレートと前記可動プレートとの咬合面積が小さい第1の位置に保持され、
前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が所定の値を超えると、前記粘性流体の剪断力により、前記可動プレートが前記第1プレート側に移動し、前記可動プレートと前記第1プレートとの咬合面積が大きい第2の位置に保持されることが好ましい。
更に、本発明は、上述したいずれかのトルク伝達装置を備えた制動装置および動力伝達装置を含む。
本発明によれば、低差動域において伝達トルクが十分小さく、かつ高差動域において伝達トルクが大きい特性を有するトルク伝達装置を、取扱いが難しいダイラタンシー性流体を用いることなく、シリコンオイル等の通常の流体を用いて実現できる。
更に、本発明に係るトルク伝達装置は、相対回転数による伝達トルクの変化を増幅する特性を備えており、このような特性を必要とする制動装置または動力伝達装置を、一般的な粘性流体を用いて簡素な構造で実現できる。
本発明の第1の実施形態に係るトルク伝達装置を、シャフトの軸方向から見た正面図である。 図1におけるA−A線で切断した断面図である。 図1の第1および第2のプレート体をケースから抜き出した状態の斜視図である。 通常モードにおける第2のプレート体の斜視図である。 高トルクモードにおける第2のプレート体の斜視図である。 通常モードにおけるトルク伝達装置を、シャフトの軸方向から見た正面図である。 高トルクモードにおけるトルク伝達装置を、シャフトの軸方向から見た正面図である。 第1の実施形態に係るトルク伝達装置において、相対回転数を変化させたときにシャフトからケース体に伝達されるトルクの測定値を示したグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るトルク伝達装置を、シャフトの軸方向から見た正面図である。 ケース体がシャフトに対して時計方向に相対回転する場合の高トルクモードにおける正面図である。 ケース体がシャフトに対して反時計方向に相対回転する場合の高トルクモードにおける正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトルク伝達装置の通常モードにおける概略正面図である。 同実施形態に係るトルク伝達装置の高トルクモードにおける概略正面図である。 本発明の第4の実施形態に係るトルク伝達装置を、シャフトの軸心に沿って半割りした状態の斜視図である。 同実施形態において、シャフトと第2のプレート体とを分解した状態を示す一部切欠斜視図である。 通常モードにおけるトルク伝達装置の断面図である。 高トルクモードにおけるトルク伝達装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るトルク伝達装置について、図面を参照しながら説明する。実施形態について説明する前に、本発明に係るトルク伝達装置の基本的な構成と動作について説明する。
本発明に係るトルク伝達装置は、粘性流体が収容された作動室を形成するケース体に、シャフトと、複数のアウタープレートおよびインナープレートが収容されたものである。説明の便宜上、複数のアウタープレート(第1プレート)の集合体を第1のプレート体と云い、複数のインナープレート(第2プレート)の集合体を第2のプレート体と云う。
所定のピッチで配列された複数のアウタープレートで構成された第1のプレート体は、ケース体に連結されている。一方、アウタープレートと同様のピッチで配列された複数のインナープレートで構成された第2のプレート体は、シャフトに連結されている。
第1のプレート体のアウタープレートと第2のプレート体のインナープレートとを、間隔を隔てて交互に咬合させた状態において、ケース体とシャフトを相対的に回転させると、インナープレートとアウタープレートが面方向に相対移動するため、両プレートは、粘性流体のずり速度に応じた剪断力を受ける。この剪断力によって、ケース体とシャフトとの間にトルクが生じることで、トルク伝達が可能となる。
上述の構成は従来のトルク伝達装置と同じであり、相対回転数が大きくなると、粘性流体のずり速度の上昇により両プレートが受ける剪断力も大きくなる。しかし、このような構成では、粘性流体の粘度特性を超えて、伝達トルクを大きく変化させることはできない。
そこで本発明では、インナープレートまたはアウタープレートのいずれかを可動式とすることにより、両プレートが粘性流体から剪断力を受ける面積を変えることで、粘性流体の粘度特性を超えて、伝達トルクを大きく変化させている。
すなわち、可動式としたインナープレートまたはアウタープレートが面方向に変位することで、可動プレートと、ケース体またはシャフトに固定されたままのプレートとの重なり面積(隙間を挟んで向かい合う面の面積(以降、「咬合面積」という)を変化させることで、プレートが受ける剪断力の変化を大きくしている。
可動プレートは、弾性部材により咬合面積が小さい第1の位置に付勢されているため、弾性部材による付勢力に抗して可動プレートを咬合面積が大きい第2の位置に変位させる力が生じなければ、伝達トルクを小さいまま維持できる。
本発明では、更に、相対回転によって生じる剪断力が可動プレートを第2の位置に付勢する方向に作用する。可動プレートが第1の位置にある状態であっても、相対回転数が増加することにより、粘性流体の粘度特性に応じて剪断力が増加する。
剪断力によって可動プレートに作用する第2の位置方向の付勢力が、弾性部材による第1の位置方向の付勢力を上回る速度を超えたときに、可動プレートの第2の位置方向への変位が開始される。変位が始まると、咬合面積の増加によって剪断力がさらに大きくなるので、可動プレートは、弾性部材の付勢力に抗して第2の位置に到達する。
第2の位置では、咬合面積が大きいので、第1の位置において単に流体のずり速度が増加することによる効果を超えて大きな伝達トルクを実現できる。一方、相対回転数が減少すると、剪断力も小さくなるので、弾性部材の付勢力により、可動プレートは第1の位置へ復帰する。
このように、本発明に係るトルク伝達装置は、相対回転数による伝達トルクの変化を増幅する特性を備えており、このような特性を必要とする制動装置または動力伝達装置を、一般的な粘性流体を用いて簡素な構造で実現できる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るトルク伝達装置を、シャフト3の軸方向(以降、「軸方向」という)から見た正面図、図2は、図1におけるA−A線で切断した断面図である。図1では、内部構造を明らかにするために、図2に示すキャップ22、O−リング23、ブッシュ72およびオイルシール82を取り外した状態を示している。
本実施形態に係るトルク伝達装置1は、ケース体2、シャフト3、第1のプレート体4、第2のプレート体5および引張コイルバネ6で構成され、更に、軸受であるブッシュ71、72および封止部材であるオイルシール81、82を備えている。また本実施形態では、第2のプレート体5を構成するインナープレートを可動プレートとしている。
有底円筒状のケース体2は、円筒状で底面を有するケース21と、ケース21の開口面をふさぐ円盤状のキャップ22とで構成され、内部空間である作動室20を有する。作動室20内には、ケース体2に連結された第1のプレート体4と、シャフト3と一体的に回転する第2のプレート体5が収容され、作動室20内の空隙には粘性流体が封入されている。
シャフト3は、ケース21の底面の中心部およびキャップ22の中心部に設けられた孔に、ブッシ71、72を介してケース体2に相対回転可能に挿通され支持されている。
トルクの伝達は、作動室20内に封入された粘性流体を介して相対回転するシャフト3とケース体2の間に生じる。すなわち、ケース体2に連結された第1のプレート体4のアウタープレート41と、シャフト3に連結された第2のプレート体5のインナープレート51とが隙間を持って咬合し、当該隙間には粘性流体が充填されている。
相対回転によって両プレート間には逆方向の剪断力が生じ、流体の粘性と相対回転数に応じたトルクがシャフト3とケース体2の2軸の間に生じることで、トルクを伝達することができる。
本実施形態に係るトルク伝達装置1は、相対回転数が所定の値を超えたときに、インナープレート51が変位して、アウタープレート41との咬合面積が増加する。以下の説明において、咬合面積が増加した状態を高トルクモードと呼ぶ。
一方、相対回転数が減少し、伝達トルクが減少すると、弾性部材である引張コイルバネ6の付勢力によって、インナープレート51が逆方向に変位して、咬合面積が減少し初期の状態に戻る。以下の説明において、咬合面積が小さい初期の状態を通常モードと呼ぶ。
本実施形態に係るトルク伝達装置1は、相対回転数によって通常モードと高トルクモードの双方向の移行が可能であるため、単に流体のずり速度が増減することによる剪断力の増減を超えて剪断力が増減し、相対回転数による伝達トルクの増減のレンジを拡大することができる。
本実施形態に係るトルク伝達装置1は、遠心力を利用するものではないため、駆動側がシャフト3であってもケース体2であってもかまわない。本実施形態に係るトルク伝達装置1を車輪の制動装置として利用する場合には、ケース体2を車体に固定して、シャフト3に車輪を固定することもできるが、逆にシャフト3を車体に固定して、ケース体2をそのまま車輪のホイールとすることもできる。
次に、各部材の構成と機能を説明する。最初に、第1のプレート体4について説明する。ケース21の円筒壁の内面側には、シャフト3の軸心上の点を中心とする同心円状の外形と孔とを有するドーナツ円盤状のアウタープレート41が、軸方向に所定のピッチで複数枚設置されている。本実施形態においては、第1プレート体4を4枚のアウタープレート41で構成しているが、必要なトルク特性に合わせて、後述する第2のプレート体5を構成するインナープレートの枚数とともに適宜増減できる。
図3は、第1のプレート体4および第2のプレート体5をケース21から抜き出した状態の斜視図である。第1のプレート体4を構成するアウタープレート41の外縁部には、全周にわたり外縁から半径方向に突出したプレート固定突起42を備えている。一方、ケース21の円筒壁内面には、突出した凸部24と、窪んだ凹部25が交互に配置されている。
凸部24の径はアウタープレート41の外縁の径と略一致し、凹部25の径はプレート固定突起42の外縁の径と略一致している。また、凹部25の円周方向の長さは、プレート固定突起42の円周方向の長さに略一致する。したがって、プレート固定突起42を有する第1のプレート体4を、凸部24と凹部25とを有するケース21に相対回転ができない状態で嵌挿することができる。
これにより、第1のプレート体4はケース21と一体的に連結され、ケース21とシャフト3との間に相対回転が生じた場合にも、第2のプレート体5との連れ回りは生じず、粘性流体から受ける剪断力によるトルクをケース体2に伝達できる。
さらに、プレート固定突起42は、図2に示すように、厚さ方向にアウタープレート41の厚さより大きい寸法を有している。4枚のアウタープレート41は、プレート固定突起42同志で当接し、ケース21の底面とキャップ22に設けられた位置決め用の突起26とで挟持される。したがって、プレート固定突起42の厚さを調整することにより、アウタープレート41を所定の間隔で位置決めできる。
なお、4枚のアウタープレート41のピッチは、アウタープレート41の厚さと、これと咬合するインナープレート51の厚さと、両プレート間に剪断抵抗を生じさせる粘性流体が充填される2つの隙間の厚さとを足し合わせた値となる。
次に、前述の図1〜図3、更には新たな図4および図5を参照して、シャフト3、および相対回転時にシャフト3と一体的に動作する第2のプレート体5について説明する。図4は、通常モードにおける第2のプレート体5の斜視図である。また、図5は、高トルクモードにおける第2のプレート体5の斜視図である。図中、見易さを考慮し、上側の第2のプレート体5を仮想線で表している。
図4および図5に示すように、シャフト3がハブ31の中心部に設けられたシャフト挿通孔に挿通されている。また、ハブ31の円筒側面の軸方向中央部からシャフト3の軸心を通り、ハブ31の反対側の円筒側面まで貫通するハブ固定ピン32を圧入することにより、ハブ31がシャフト3に固定されている。これにより、トルクが生じた場合でも、ハブ31はシャフト3と一体となって回転し、または停止状態を維持することができる。
本実施形態では、ハブ31の円筒側面の2か所(シャフト3の軸回りに180度回転した位置)に揺動軸34を支持するための一対のアーム33が設けられている。アーム33には、シャフト3の軸心から所定の距離を隔てた位置に、この軸心と平行に搖動軸支持孔が形成され、その孔に搖動軸34が挿入固定されている。
第2のプレート体5を構成するインナープレート51は、軸方向から見て略半円弧状の形状を有し、一方の端部に揺動軸34が挿通する孔が開けられている。この孔とハブ31の搖動軸支持孔を揺動軸34が連通することにより、第2のプレート体5がハブ31に対して、シャフト3と直交する面内で搖動可能に支持されている。
第2のプレート体5を構成するインナープレート51は、図2に示すように、軸方向に所定のピッチで複数枚設置されている。本実施形態では、5枚のインナープレート51が、連結部材52によって内側で一体的に連結されたものが、シャフト3の軸心に対して回転対称に2セット配置されている。
連結部材52は、本実施形態において、第2のプレート体5の第2の位置側の可動範囲を制限するストッパとしても機能する。すなわち、高トルクモードで第1のプレート体4と第2のプレート体5との咬合面積が増加すると、2枚の隣り合うアウタープレート41の隙間にインナープレート51の先端が入り込む形となるが、アウタープレート41の先端と連結部材52とが当接すると、第2のプレート体5は、この位置を超えて変位することができなくなる。したがって、高トルクモードでは、アウタープレート41の先端と連結部材52とが摺動しながら相対回転する。
なお、粘性流体の潤滑作用により摺動摩擦は大きくはならないが、既存の摩耗対策を施しても良い。また、第2のプレート体5とハブ31との間に搖動角を規制するストッパを別途設けても良く、この場合、第1のプレート体4と第2のプレート体5との摺動を避けて摩耗を防止することができる。
インナープレート51は、略半円弧状の内側曲面の半径が、ハブ31の円筒側面の半径とほぼ一致し、図4に示すように、通常モードでは、搖動軸34によりハブ31に支持された端部から他方の搖動軸に向けてハブ31の円筒側面を、反時計方向に包み込むように配置されている。
第2のプレート体5の先端近くにはフック53が設けられており、他方の揺動軸34との間に弾性部材である引張コイルバネ6を装着して、シャフト3の軸心方向に付勢されている。したがって、通常モードでは、インナープレート51の内側曲面とハブ31の円筒側面とが当接した状態が維持される。
なお、本実施形態では、弾性部材として引張コイルバネを用いているが、これに限らず第2のプレート体5をシャフト3の軸心方向に付勢するものであれば良い。例えば、ねじりバネを用いて、揺動軸34を中心に第2のプレート体と5ハブ31との間に付勢力を生じさせることもできる。
インナープレート51の外側曲面は、図1に示すように、通常モードでは、先端部を除き軸方向から見てシャフト3の軸心に中心を有する円上にある。すなわち、インナープレート51の外側曲面は、先端部を除き、内側曲面と同心円弧形状であるため、内側曲面が同一径であるハブ31の円筒側面に当接する通常モードでは、外側曲面の円弧の中心はシャフト3の軸心上に位置することとなる。よって、通常モードでは、先端部を除き、インナープレート51の外側曲面は、軸方向から見て、シャフト3の軸心を中心とする真円状となっている。
またインナープレート51の外側曲面は、アウタープレート41の内側曲面の半径より小さくなっているため、先端部を除き、インナープレート51とアウタープレート41とが咬合しないので、流体の剪断力は小さい。したがって、通常モードでの伝達トルクを小さくできる。
インナープレート51の先端部は、他の部分に比べて半径方向に突出した形状となっており、通常モードにおいても、アウタープレート41と咬合した状態となっている。よって、インナープレート51は、アウタープレート41と咬合した先端部に差動による流体の剪断力を受けて、搖動軸34回りのモーメントを生じさせ、インナープレート51を半径方向外側(咬合面積が増加する方向)に付勢する。
このように、通常モードにおいて、アウタープレート41とインナープレート51とを先端部のみで咬合させる構成により、剪断力の作用線と搖動軸34との距離を長くでき、第2のプレート体5を、搖動軸34回りに咬合面積が増加する方向へ変位させるモーメントを発生させやすい。また、先端部分以外では、両プレートは咬合しないために剪断力が生じにくく、伝達トルクを極力小さく抑えることができる。
したがって、このような構成のトルク伝達装置を備えた制動装置を歩行補助車や車いす等に用いれば、通常走行時の負荷が小さく、過剰な速度となったときには確実に制動を掛けることができる。
また、通常モードにおいて、第2のプレート体(インナープレート51)の先端部以外の部位でアウタープレート41と咬合させても良く、この場合、通常モードにおいてもある程度の伝達トルクを必要とする動力伝達装置に用いることができる。
本実施形態では、揺動軸を中心として可動プレートを揺動させることで、通常モードと高トルクモードとの移行を可能としたため、モード移行時に可動プレートに生じる摺動抵抗の発生部位は、揺動軸付近に限ることができる。一方、剪断力が可動プレートを第2の位置へ回動させるモーメントを生じさせる構成としたため、剪断力によるモーメントに対して、摺動抵抗のモーメントを小さくでき、安定したモード移行を実現できる。
また、本実施形態では、インナープレート51を可動プレートとしたことで、高トルクモードにおける両プレートの咬合位置をシャフト回転軸から遠い位置とすることができる。シャフトから遠い位置では、両プレートの相対速度が速いため、剪断力は大きい。また、トルクは力と距離との積であるため、剪断力の発生位置の回転軸からの距離が長いほど伝達トルクは大きくなる。したがって、本実施形態に係るトルク伝達装置は、コンパクトなサイズで高トルクモードでの伝達トルクを大きくできる。
なお、本実施形態では、第2のプレート体5を軸心回りに180度回転対称に2セット配置した。しかし、相対回転によって第2のプレート体5に生じる剪断力が、引張コイルバネ6の付勢力に抗して、第2のプレート体5を咬合面積が増加する方向に変位させ得る形状であれば、例えば、120度回転対称に3セット配置しても良い。また4セット以上の第2のプレート体5を配置する構成としても良く、逆に、本実施形態から1セットを取り外して、第2のプレート体5を1セットのみとしても本発明の効果を奏することができる。
本実施形態に係るトルク伝達装置1は、作動室20に粘性流体を充填して使用される。よって、流体の漏れ出しを防ぐために、図2に示すように、ケース21とキャップ22との接合面にはO−リング23を挿入し、キャップ22とシャフト3の間、およびケース21とシャフト3の間には、それぞれオイルシール81と82を挿入している。なお、ケース21とキャップ22との接合には、ボルト等の周知の締結手段を用いることができる。
次に、本実施形態における通常モード、高トルクモードおよび両モード間の移行のメカニズムについて説明する。
図6および図7は、それぞれ通常モードおよび高トルクモードにおけるトルク伝達装置1を軸方向から見た図である。図1と同様に、キャップ22、O−リング23、ブッシュ72およびオイルシール82を取り外した状態を示している。
また図8は、図1および図2に示した本実施形態に係るトルク伝達装置1を用い、相対回転数を変化させたときにシャフト3からケース体2に伝達されるトルクの測定値を示したグラフである。
測定には、内径71.2mm、軸方向の寸法20mmの作動室に信越化学工業製のシリコンオイル(品番KF96-10000CS)を充填したトルク伝達装置1を用いた。そしてシャフト3を固定した状態でケース体2に接続されたモータを回転させ、シャフト3に取り付けられたトルクセンサーでトルクを測定した。
測定に際しては、停止状態から毎秒2.5rpmの加速度で105rpmまで加速した後、毎秒−2.5rpmの加速度で停止状態まで減速させた。図8において、太い線は加速時における相対回転数−伝達トルク特性を示し、細線は減速時における相対回転数−伝達トルク特性を示す。
図6に示すように、相対回転数が小さい通常モードでは、アウタープレート41とインナープレート51との咬合面積S1(斜線で表示)が狭小であるため、流体からインナープレート51が受ける剪断力(破線の矢印で表示)は小さい。このため、剪断力によって揺動軸34回りにインナープレート51に作用する時計方向のモーメント(黒の矢印で表示)は小さなものとなる。
一方、インナープレート51は、引張コイルバネ6によってシャフト3の軸心方向に付勢されている。この引張コイルバネ6の付勢力によって、インナープレート51には、揺動軸34回りに反時計方向のモーメントが作用する。
相対回転数が小さい通常モードでは、剪断力による時計方向のモーメントが引張コイルバネ6による反時計方向のモーメントよりも小さいため、インナープレート41の内側曲面はハブ31の円筒側面に当接したまま相対回転する。したがって、相対回転数が小さい通常モードでは、咬合面積が小さい状態が継続し、伝達トルクを小さくできる。図8に示すように、このときの伝達トルクは0.1Nm程度である。
通常モードにおいて、相対回転数が増加するに従い、プレート間の流体のずり速度が大きくなるため、流体の粘性特性に応じインナープレート51に作用する剪断力が大きくなる。そうすると、剪断力による時計方向のモーメントが増大し、やがて引張コイルバネ6による反時計方向のモーメントを上回る。この結果、インナープレート51の外側への変位が生じ、図7に示す高トルクモードへ移行する。
図7に示すように、高トルクモードでは、咬合面積S2(斜線で表示)が広いため、アウタープレート41およびインナープレート51に大きな剪断力が作用する。したがって、ケース体2とシャフト3間に生じる伝達トルクは、単に流体のずり速度が増加したことによる伝達トルクの増分を超えた大きな値となる。
図8のグラフに示すように、相対回転数が約35rpmを超えた時点から、インナープレート51の外側への変位に応じて伝達トルクが約0.2Nmから約1.5Nmへと急激に変化し、その後、高トルクモードでの動作に移行し、相対回転数が増加するに従って伝達トルクが増加する。最終的には、伝達トルクは約2.7Nmに到達した。
次に、高トルクモードから通常モードへの移行について説明する。高トルクモードにおいて、相対回転数が減少すると、流体のずり速度が減少することにより、伝達トルクの減少とともに、インナープレート51を時計方向に付勢する剪断力が減少する。そして、引張コイルバネ6による反時計方向のモーメントが、剪断力による時計方向のモーメントを上回ったときに、インナープレート51はシャフト3の軸心方向への変位を開始する。
相対回転数が小さい状態が継続すると、インナープレート51は、引張コイルバネ6の付勢力によって、図6に示す状態、すなわち内側曲面がハブ31の円筒側面に当接した状態に復帰する。このように、相対回転数が小さくなると伝達トルクが小さい通常モードに復帰する。
図8に示すように、減速の開始時には、インナープレート51が第2の位置にあるため剪断力が大きく、加速時に伝達トルクが急激に変化した相対回転数より低速でも、インナープレート51は第2の位置に保持される。しかし、さらに減速すると剪断力が減少して弾性部材による付勢力が優勢になるため、相対回転数が0になるまでには第1の位置に復帰して、通常モードに移行する。
また減速時には、伝達トルクは緩やかに低下する。歩行補助車等の制動装置では、十分に減速するまでは制動が解除されないことが好ましい。したがって、本実施形態に係るトルク伝達装置1は、このような歩行補助車等の制動装置として用いるのに好適である。
図1に示すように、本実施形態では、第2のプレート体5を、シャフト3の軸に対して180度回転対称となる位置に2セット設けており、いずれのプレート体5も、ケース体2がシャフト3に対して時計方向の差動(正転)の場合に高トルクモードへの移行が可能である。
時計方向とは逆方向の差動が生じた場合には、剪断力が正転とは逆に作用するため、剪断力によってインナープレート51に生じる付勢力は、引張コイルバネ6による付勢力と同一方向となる。よって、逆転の場合、相対回転数が増加しても、通常モードのまま低伝達トルクを維持することができる。
したがって、本実施形態に係るトルク伝達装置1を、例えば、スタンバイ式四輪駆動自動車において、主駆動輪(前輪)と副駆動輪(後輪)とに駆動力を配分するためのビスカスカップリングとして用いれば、後輪側プロペラシャフトが高回転となった場合にも、ワンウェイクラッチを併用することなく、動力伝達装置の損傷を防止することができる。
すなわち、従来のビスカスカップリングを用いた動力伝達装置では、レッカー移動の際に前輪をレッカー車に固定することができない。具体的には、従来のビスカスカップリングでは、正転、逆転ともに、相対回転数に応じたトルクを伝達するため、前輪を固定したレッカー移動では、差動が大きい状態が長時間続き、動力伝達装置が破損する恐れがある。
これに対して、本実施形態に係るトルク伝達装置1を用いた動力伝達装置では、前輪がスリップして高回転になった場合(正転)には、高トルクモードに移行して高トルクを伝達することができる。一方、後輪が高回転となった場合(逆転)には、低伝達トルクのままであるため、動力伝達装置にかかる負荷は小さく、損傷の恐れを小さくできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るトルク伝達装置1aについて、図9から11を参照して説明する。なお、図中、第1の実施形態との同一機能を有する部材には、同一の符号またはそれにアルファベットを追加した符号を付している。以後も同様とする。
本実施形態に係るトルク伝達装置1aは、第1の実施形態と同様に、第2のプレート体を構成するインナープレートに可動式プレートを採用しているが、その配置は第1の実施形態と異なっている。
図9は、通常モードにおけるトルク伝達装置1aを軸方向から見た正面図である。また、図10は、ケース体2がシャフト3に対して、時計方向(正転)に相対回転する場合の高トルクモードにおける正面図、図11は、反時計方向(逆転)に相対回転する場合の高トルクモードにおける正面図である。なお、図1と同様にキャップ22、O−リング23、ブッシュ72およびオイルシール82を取り外した状態を図示している。
前述の第1の実施形態では、2セットの第2のプレート体5が、シャフト3の軸に対して回転対称となるように配置されている。よって、第1の実施形態では、正転の場合にのみ、高トルクモードに移行できる構成となっている。
これに対して、本実施形態では、2セットのインナープレート51を、シャフト3の軸を含む平面(図9では水平面)に対して面対称となる位置に配置することで、正逆双方向の相対回転に対して、高トルクモードへの移行が可能な構成となっている。
すなわち、第1の実施形態で2か所に設けた搖動軸支持用のアーム33を、本実施形態では1か所とし、このアーム33に、正転で作動する第2のプレート体5Xの搖動軸34Xと、逆転で作動する第2のプレート体5Yの搖動軸34Yを前記水平面に対して面対称に設けている。
第2のプレート体5Xは、図9に示す通常モードでは、搖動軸34Xによりハブ31に支持された端部からハブ31の円筒側面の上側を反時計方向に包み込むように配置されている。一方、第2のプレート体5Yは、同じく通常モードでは、搖動軸34Yによりハブ31に支持された端部からハブ31の円筒側面の下側を時計方向に包み込むように配置されており、前記水平面に対して面対称となっている。
また、双方のインナープレート51X、51Yの面対称となる位置にフック53Xおよび53Yを設け、両フック53X、53Y間に引張コイルバネ6aを装着して、双方の第2のプレート体5X、5Yともにシャフト3の軸心に向かう方向に付勢されている。
次に、本実施形態における通常モード、および正転、逆転の2種類の高トルクモード、ならびに両モード間の移行のメカニズムについて説明する。
ケース体2がシャフト3に対して時計方向に相対回転する正転の場合、第2のプレート体5Xには、剪断力により時計方向の搖動軸34X回りのモーメントが生じる。しかし、相対回転数が小さい低差動域においては、この時計方向のモーメントは小さく、引張コイルバネ6aの付勢力による反時計方向のモーメントに抗して、インナープレート51Xを変位させることができない。
また、正転の場合、第2のプレート体5Yに作用する搖動軸34Y回りのモーメントは、引張コイルバネ6aの付勢力によるモーメントと剪断力によるモーメントがいずれも時計方向で、インナープレート51Yがハブ円筒側面に押し付けられる方向に作用するため、正転の場合には、インナープレート体51Yは通常モードの位置から変位は生じない。
したがって、低差動域においては、インナープレート51X、51Yの双方が通常モードの位置を維持するため、伝達トルクは小さいものとなる。
次に、正転方向の相対回転数が増加すると、インナープレート51Xに作用する剪断力が大きくなるため、次第に剪断力による時計方向のモーメントが大きくなり、引張コイルバネ6aの付勢力による反時計方向のモーメントを上回ったときにインナープレート51Xの外側への変位が生じ、図10に示す高トルクモードへ移行する。図中、白抜きの矢印はケース体2の回転方向を示す。
図10に示すように、インナープレート51Yには変位は生じない。上述のとおり、正転の場合、インナープレート51Yに作用する2つのモーメントは、いずれもハブ31の円筒側面へ押し付けられる方向となるためである。
正転の高トルクモードでは、咬合面積S3(斜線で示す)が広いため、アウタープレート41およびインナープレート51Xとの間に大きな剪断力が作用する。したがって、シャフト3とケース体2間に生じる伝達トルクは、単に流体のずり速度が増加したことによる伝達トルクの増分を超えた大きな値となる。
次に、高トルクモードから通常モードへの移行について説明する。正転の高トルクモードにおいて、相対回転数が減少すると、流体のずり速度が減少することにより、伝達トルクが減少するとともに、インナープレート51Xを時計方向に付勢する剪断力が減少する。そして、引張コイルバネ6aによる反時計方向のモーメントが、剪断力による時計方向のモーメントを上回ったときに、インナープレート51Xはシャフト3の軸心方向への変位を開始する。
相対回転数が小さい状態が継続すると、インナープレート51Xは、引張コイルバネ6aの付勢力によって、内側曲面がハブ31の円筒側面に当接した状態に復帰する。このように、相対回転数が小さくなると伝達トルクが小さい通常モードに復帰する。
一方、ケース体2が、シャフト3に対して反時計方向に相対回転する逆転の場合には、正転方向とは逆に、インナープレート51Yのみが変位して、通常モード(図9)と、逆転の高トルクモード(図11)との間を移行し、インナープレート51Xは、ハブ31円筒側面に当接したまま変位しない。
このように、本実施形態では、2セットの第2のプレート体5X・5Yをシャフト3の軸を含む平面に対して面対称に配置したので、正転の場合には、第2のプレート体5Xが変位して正転の高トルクモードとなり、逆転の場合には、第2のプレート体5Yが変位して逆転の高トルクモードとなる。結果として、正転および逆転の両方向の相対回転で、高差動域で単に流体のずり速度が増加したことによる伝達トルクの増分を超えた大きな伝達トルクを実現できる。
なお、本実施形態では、2つの第2のプレート体5Xと5Yを180度ピッチで配置したが、これに限らず、例えば、4つの第2のプレート体5を90度ピッチで配置しても良い。この場合、正転用と逆転用の第2のプレート体5X、5Yを交互に配置しても良く、正転用と逆転用を2つずつ連続して配置しても良い。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るトルク伝達装置ついて、図12および図13を用いて説明する。
図12は、本実施形態に係るトルク伝達装置1bの通常モードにおける概略断面図である。同じく図13は、トルク伝達装置1bの高トルクモードにおける概略断面図である。図1と同様に、内部構造を明らかにするために、キャップ22やO−リング23を外した状態を示している。なお、両図において白抜き矢印の方向にシャフト3が相対回転するものとして説明する。
前述した第1および第2の実施形態は、いずれもシャフト3に連結された第2のプレート体5のインナープレート51が揺動し、第1のプレート体4を構成するアウタープレート41がケース体2に固定された構成とした。
これに対して本実施形態では、第1および第2の実施形態とは逆に、第2のプレート体5を構成するインナープレート51bはシャフト3に固定され、ケース体2に連結された第1のプレート体4bを構成するアウタープレート41bが揺動する構成を採用している。
本実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様に、アウタープレート41bとインナープレート51bとの間に生じる粘性流体の剪断力により、シャフト3とケース体2との間に伝達トルクを生じさせることができる。
図12および13に示すように、差動室20b内において、第2のプレート体5bを構成する円盤状のインナープレート51bが、シャフト3の軸に対して垂直にシャフト3に固定されている。よって、第2のプレート体5bはシャフト3と一体的に回転または静止状態を維持できる。
一方、揺動軸27は、シャフト3の軸と平行に、作動室20b内の第2のプレート体5bの外縁より半径方向外側の位置に設けられている。第1のプレート体4bを構成するアウタープレート41bは、略円弧状の形状を有し、その端部に揺動軸27が挿通される搖動軸挿通孔が設けられている。揺動軸27は、ケース21の底面とキャップ22とで両端を支持されており、その間で搖動軸挿通孔に連通することにより、アウタープレート41bが搖動可能に支持されている。
アウタープレート41bは、略円弧状の外側曲面の曲率半径が、ケース21の円筒壁内面の曲率半径とほぼ等しく、図12に示す通常モードでは、両曲面が当接するように、弾性部材である捻じりバネ6bにより付勢されている。捻じりバネ6bは中心部に設けられたコイル部に揺動軸27が挿通されている。そして一方の腕がスプリングフック61でアウタープレート41bに固定され、他方の腕がスプリングフック62でキャップ22(図2参照)に固定されている。
捻じりバネ6bは、図12に示す設置状態において、両腕が開放された状態より小さい角度に保持されている。よって、アウタープレート41bは通常モードにおいて、捻じりバネ6bによって第1の位置方向に付勢されている。
通常モードにおいて、アウタープレート41bは、揺動軸27と反対側の端部(先端部)で、インナープレート51bと咬合し、搖動軸27に近いその他の部分では、略円弧状の内側曲面はインナープレート51bの外縁より半径方向外側に位置するようになっている。
よって、通常モードから高トルクモードへの移行の際に、咬合部S7(図12に斜線で表示)でアウタープレート41bに生じる剪断力が、咬合面積が大きい第2の位置へ変位させるための搖動軸27回りのモーメントを効果的に生じさせつつ、通常モードでの剪断力を小さくして伝達トルクを小さくできる。なぜなら、アウタープレート41bとインナープレート51bとが咬合している位置では、インナープレート51bには、シャフト3の軸を中心とする円の接線方向に剪断力が作用し、アウタープレート41bの搖動軸27に近い部分が咬合状態にあると、その部分では、剪断力によるモーメントが第1の位置方向へ付勢する向きとなるが、当該部位を咬合させないことで、第1の位置方向へ付勢する剪断力の発生を抑制できるためである。
次に、通常モードと高トルクモードとの間の移行について説明する。図12に示す通常モードにおいて、相対回転数が増加すると、アウタープレート41bに作用する流体の粘性による剪断力が大きくなり、アウタープレート41bを第2の位置方向へ変位させる搖動軸27回りのモーメントを増大させる。このモーメントが捻じりバネ6bの付勢力によるモーメントを上回ったときに、アウタープレート41bの第2の位置方向への変位が開始される。
アウタープレート41bの変位に伴い、インナープレート51bとアウタープレート41bとの咬合面積S8の増加によって剪断力が大きくなり、アウタープレート41bを第2の位置方向へ付勢するモーメントも大きくなる。したがって、アウタープレート41bの変位開始後、変位はストッパ(図示しない)で制限された位置まで急激に進み、図13に示す高トルクモードへ移行して、伝達トルクは急激に増加する。
高トルクモードにおいて、相対回転数が低下すると、剪断力による第2の位置方向へ付勢するモーメントが小さくなる結果、第1の位置方向へ付勢する捻じりバネ6bの付勢力によるモーメントが優勢となり、通常モードへ復帰する。
本実施形態において、アウタープレート41bをこのような形状とすることにより、通常モードでは、伝達トルクを極力小さくすることができ、歩行補助車や車いす等の制動装置として用いた場合には、通常走行時には、少ない力で走行でき、速度過剰時には確実に制動を懸けることができる。
しかし、動力伝達装置として用いる場合で、通常モードにおいても、ある程度の伝達トルクが必要な場合は、このような構成をとらないこともできる。すなわち、アウタープレート41bの搖動軸27側と先端部の双方で咬合している場合、搖動軸27側で生じる剪断力と先端側で生じる剪断力が同程度であったとしても、剪断力の作用線と搖動軸27との距離は、先端側の方が長いため、搖動軸27回りのモーメントは、第2の位置方向へ変位させる方向が優勢となる。よって、アウタープレート41bの搖動軸27側でインナープレート51bと咬合させても、第2の位置へ変位を開始する相対回転数は大きくなるが、相対回転数の増加によって第2の位置への変位は可能である。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態にかかるトルク伝達装置ついて、図14〜図17を用いて説明する。
前述した第1〜第3の実施形態では、第1および第2のプレート体として、複数のアウタープレートまたはインナープレートが所定のピッチで配列されたプレート体を用いた。これに対して、本実施形態では、第1および第2のプレート体として、直径の異なる複数のリング状プレートが所定のピッチで同心円状に配置されたプレート体を用いる。
また第1〜第3の実施形態では、アウタープレートまたはインナープレートを回動させることによりプレート間の咬合面積を切り換えて、ケース体とシャフト間に生じるトルクを制御した。これに対し、本実施形態では、第1のプレート体に対し、第2のプレート体をシャフトの軸方向に移動させることにより、プレート間の咬合面積を切り換えるようにしている。また本実施形態では、そのための手段として、シャフトの回転運動を第2のプレート体の直進運動に変換する運動変換手段を備えている。
図14は、本実施形態に係るトルク伝達装置1cを、シャフト3の軸心に沿って半割りにした状態の斜視図である。また図15は、側面に雄ネジを備えたシャフト3cと、この雄ネジと螺嵌可能な雌ネジを備えた第2のプレート体5cとを分解した状態の一部切欠斜視図である。更に図16および図17は、それぞれ通常モードおよび高トルクモードのシャフト3cの軸心を含むトルク伝達装置1cの断面図である。
図14に示すように、本実施形態に係るトルク伝達装置1cのケース体2cは、他の実施形態と同様に、略円筒状で底面を有するケース21cと、ケース21cの開口面をふさぐ円盤状のキャップ22cとからなり、内部に作動室20cを有している。
ケース体2cは、作動室20c内に、ケース体2cと一体に成形された第1のプレート体4cと、シャフト3cと一体的に相対回転する第2のプレート体5cを内包するとともに、作動室20c内の空隙にはシリコンオイル等の粘性流体が封入されている。なお、ケース21cとキャップ22cの接合面のシーリングと締結手段については説明を省略する。
シャフト3cは、円形のケース21cの底面の中心部およびキャップ22cの中心部に設けられたベアリングハウジングに、ボールベアリング73および74を介してケース体2cと相対回転可能に支持されている。トルクの伝達は、他の実施形態と同様に、封入された粘性流体を介して相対回転するシャフト3cとケース体2cの間に生じる。
図14に示すように、キャップ22c側のシャフト3cの端部はキャップ22cを貫通しない構成としたため、オイルシール81はケース21c側だけに設ければ良い。
次に、本実施形態における部材の構成と機能について説明する。シャフト3cの軸心を中心として、複数のリング状プレート(第1プレート)44が同心円状に所定のピッチで配置された第1のプレート体4cがキャップ22cの内面に設けられている。本実施形態では、第1のプレート体4cはキャップ22cと一体成形されているが、別部品として、リング状プレート44が同心円状に設けられた円盤を相対回転不能にキャップ22cに締結しても良い。
次に、シャフト3cと一体的に相対回転する第2のプレート体5cについて説明する。第2のプレート体5cには、シャフト3cの軸心を中心とする同心円状で、第1のプレート体4cのリング状プレート44と咬合可能な厚さと間隔を有する複数のリング状プレート(第2プレート)55が、ナット部53の円筒側面から放射状に突出したプレート連結リブ56で連結されている(図15参照)。
シャフト3cと第2のプレート体5cのナット部54には、シャフト3cと第2のプレート体との相対回転運動を第2のプレート体5cの軸方向の直進運動に変換する運動変換手段が組み込まれている。この運動変換手段は、シャフト3cの外周面に形成された雄ネジ36と、第2のプレート体5cのナット部54の内周面に形成された雌ネジ58とで構成されている。
具体的には、シャフト3cの外周面に形成された雄ネジ36と、ナット部54の内周面に形成された雌ネジ58は螺嵌し、作動室20cに封入された粘性流体が潤滑剤として作用するため、シャフト3cと第2のプレート体5cとの間に、軸方向の力を加えると、第2のプレート体5cは相対回転しながら軸方向にスライドして直進運動を行う。また、逆に、シャフト3cと第2のプレート体5cとの間に軸回りのトルクを負荷すると、第2のプレート体5cは軸方向にスライドしながら相対回転する。
第2のプレート体5cは、通常モードにおいては、図16に示すように、弾性部材である圧縮コイルスプリング6c(以降、単に「コイルスプリング6c」という)によってケース21cの底面側へ付勢され、第2のプレート体5cの可動範囲を制限するためにシャフト3cに一体的に設けられたストッパ35に当接した状態に保持されている。
コイルスプリング6cとシャフト3cの間には、フランジを有する円筒状のナット側スプリングガイド91と軸側スプリングガイド92が嵌挿されている。
ナット側スプリングガイド91は、内径がシャフト3cと摺動可能なクリアランスを持っており、外径がコイルスプリング6cの姿勢を保持しつつコイルスプリング6cの伸縮に影響を与えないクリアランスを持っている。また、フランジ面は第2のプレート体5cのナット部54のうち回転軸に直交する面と当接するようになっており、コイルスプリング6cの力をナット部54に伝える構成となっている。
軸側スプリングガイド92は、ナット側スプリングガイド91と同一形状であるが、軸方向の姿勢が反対方向であり、フランジ面はシャフト3cに固定されたセットカラー93によってコイルスプリング6cを圧縮する方向に付勢されている。したがって、通常モードにおいては、コイルスプリング6cによって第2のプレート体5cを構成するリング状プレート55がケース21cの底面側(図16において左側)に付勢されているため、第1のプレート体4cを構成するリング状プレート44との重なり面積が小さい状態が維持される。
一方、ケース体2cが、図15に示す黒い矢印の方向に相対回転した場合には、第2のプレート体5cに作用する剪断力によって、ケース体2cの相対回転と同じ方向のトルクが第2のプレート体5cにも生じ、シャフト3cと第2のプレート体5cの運動変換手段によって、図15に白抜きの矢印で示すように、第2のプレート体5cにキャップ22cの方向へ向かう軸方向の力が生じる。
相対回転数が小さい低差動域においては、この軸方向の力がコイルスプリング6cによる付勢力より小さいため、図16に示す通常モードを維持する。
相対回転数が増加するに従い、前記軸方向の力が大きくなり、コイルスプリング6cによる付勢力を上回った場合、図17に示す高トルクモードに移行する。このとき、前述した軸側スプリングガイド92とナット側スプリングガイド91とが円筒端面同志で当接し、第2のプレート体5cの第2の位置側の可動範囲を制限するストッパの機能を果たす。
高トルクモードでは、図17に示すように、第1のプレート体4cのリング状プレート44と第2のプレート体5cのリング状プレート55との咬合面積が大きく、両プレートが流体から受ける剪断力が大きくなるため、シャフト3cとケース体2cとの間の伝達トルクは、通常モードで回転速度が増加する以上に増大する。
また、第2のプレート体5cおよび第1のプレート体4cのそれぞれのリング状プレートの断面形状を根元が太く先端が細いテーパ形状とすると、プレートの重なり面積の増加に加えて、プレート間の流体の厚さが小さくなることによる粘性流体の速度勾配の増加が、より顕著な剪断力の増加要因となる。この場合、通常モードから高トルクモードへの移行に必要な第2のプレート体5cのストロークを短くできるため、移行の応答性を向上させるのに役立つ。
高トルクモードにおいて、相対回転数が減少して剪断力が小さくなり、コイルスプリング6cの付勢力が、剪断力に起因して第2のプレート体5cに作用していた軸方向の力を上回ると、第2のプレート体5cがケース21cの底面方向に移動して通常モードに復帰する。
なお、通常モードと高トルクモードの移行の際には、図15に示すように、隣接するプレート連結リブ56の間の流通孔57を通って流体が軸と平行な方向に移動できるため、第2のプレート体5cの軸方向の動作がスムーズに行える。
本実施形態は、第1の実施形態と同様、高トルクモードへ移行する相対回転方向は一方向のみで、反対回転の場合は高差動域でも高トルクモードへの移行は生じない。
なお、上述した各実施形態において、作動室内に封入する粘性流体は、粘性を有する液体であれば良く、潤滑性を有する油剤、特に鉱物油が好ましい。シャフトや第1、第2のプレート体の軸受け部や摺動面、その他の作動室内で潤滑を要する部位に、特に潤滑剤を供給しなくても、粘性流体が潤滑剤として機能するからである。
さらに、温度によらず粘度が安定しているシリコンオイルを用いると、環境温度に変化がある場合や、流体の摩擦によって温度上昇が生じた場合でも、安定したトルクの伝達が可能である点で好ましい。作動室内は、粘性流体で満たすことが好ましいが、トルクの伝達や可動プレートの作動が可能であれば、充填率が100%でなくても良い。
粘性流体の粘度は、伝達するトルクの特性と高トルクモードへ移行する相対回転数(以降、「移行速度」という)に影響する。粘度が低いと伝達トルクは小さく、移行速度は速くなり、粘度が高いと逆の傾向となる。
しかし、伝達トルクと移行速度へ影響を与える因子は、粘度以外にも、第1および第2のプレート体の形状、間隔および咬合面積、ならびに弾性部材の物性等の設計要素が挙げられる。目的とするトルク特性や移行速度を実現するためには、これら設計要素に合わせて粘性流体の粘度を選択すればよい。
例えば、トルク伝達装置を歩行補助車や車いすの速度制限用の制動装置に利用する場合には、通常モードでは、軽い力で走行できるように極力伝達トルクが小さいことが好ましい。粘度の低い流体を用いた場合、剪断力が小さく伝達トルクを小さくできるが、移行速度が上昇する。そこで、移行速度が高すぎる場合には、弾性部材のバネ定数やセット長を変更して付勢力を小さくすることで移行速度を低くすることができる。
また、粘性流体の粘度は、通常モードと高トルクモードの双方で、伝達トルクに与える影響は同じ傾向となる。ここで、通常モードにおいて低伝達トルクとしつつ、高トルクモードで高い伝達トルクが必要な場合には、例えば、低粘度の粘性流体を用いつつ、高トルクモードでの咬合面積が大きくなるように、両プレートの形状や寸法を決定すれば良い。
また、第1のプレート体および/または第2のプレート体の各プレートを、先端部が薄く、根本側が太いテーパ状とすると、咬合面積とともに両プレート間に充填される粘性流体の厚さ(プレート間隔)も変わるため、通常モードと高トルクモードでのトルク差を大きくすることができる。
逆に、高トルクモードでの伝達トルクを小さく抑えたい場合には、プレートの形状や寸法の他に、可動プレートの第2の位置の可動範囲を制限するストッパで、咬合面積が大きくならないように制限しても良い。
また、本発明に係るトルク伝達装置を動力伝達装置として利用する場合であって、通常モードにおいても、ある程度の伝達トルクが必要な場合には、第1の位置における咬合面積を大きめに設定すれば良い。
また、両モードにおける伝達トルクを同じ方向に増減させるには、第1および第2のプレート体を構成するプレートの枚数を増減すれば良く、もしくは第1のプレート体と第2のプレート体の間の粘性流体が充填される隙間の寸法を変更しても良い。
以上、詳述したとおり、本発明に係るトルク伝達装置は、ケース体とシャフトとの相対回転により生じる粘性流体の剪断力を利用して咬合面積を変化させることにより、相対回転数による伝達トルクの変化を増幅する。よって、遠心力を利用して同様の効果を得ようとする、例えば、特許文献2に示す制動装置等とは異なる利点がある。すなわち、入力軸と出力軸との相対回転数に依存して、通常モードと高トルクモードとの間でのモード移行が可能であり、絶対回転速度への依存性は小さい。
したがって、駆動側がシャフトであってもケース体であっても同様の相対回転数でのモード移行が可能である。例えば、本発明に係るトルク伝達装置を備えた車両用の制動装置では、シャフトを固定側、ケース体を車輪側としても、逆に用いた場合でも、同様の回転速度で制動力が作用する。
また、本発明に係るトルク伝達装置をスタンバイ4WD自動車のビスカスカップリングとして使用した場合、遠心力を利用するものではないため、絶対的な回転速度、すなわち車速によらず前輪のスリップにより発生する相対回転数に基づいてモード移行が可能となる。
1、1a、1b、1c トルク伝達装置
2、2c ケース体
3、3c シャフト
4、4b、4c 第1のプレート体
5、5b、5c、5X、5Y 第2のプレート体
6、6a 引張コイルバネ
6b 捻じりバネ
6c コイルスプリング
20、20b、20c 作動室
21、21b、21c ケース
22、22c キャップ
23 O−リング
24 凸部
25 凹部
26 位置決め突起
31 ハブ
32 ハブ固定ピン
33 アーム
34、34X、34Y、27 揺動軸
36 雄ネジ
41、41a、41b アウタープレート
42 プレート固定突起
44、55 リング状プレート
51、51b、51X、51Y インナープレート
52 連結部材
53、53X、53Y スプリングフック
54 ナット部
56 プレート連結リブ
58 雌ネジ
71、72 ブッシュ
73,74 ベアリング
81、82、オイルシール
91、92 スプリングガイド

Claims (11)

  1. 粘性流体の剪断力を利用して、2軸の相対回転数に応じたトルクを、速度差を減少させる向きに発生させるトルク伝達装置であって、
    前記粘性流体を収容する作動室を形成するケース体と、
    前記ケース体に相対回転可能に挿通されたシャフトと、
    前記ケース体に連結された複数の第1プレートと、
    前記シャフトに連結され、前記第1プレートと、厚さ方向に間隔を隔てて配置された複数の第2プレートと、を備え、
    前記第1プレートまたは第2プレートは、前記シャフトの軸と直交する面内で揺動可能な可動プレートであり、
    弾性部材を用いて第1の位置に保持された当該可動プレートを、相対回転によってプレート間に生じる剪断力を利用し、前記弾性部材の弾力に抗して第2の位置に移動させることにより、プレート間の咬合面積を切り換えて、前記ケース体と前記シャフトとの間に生じるトルクの値を制御することを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 前記第2プレートが可動プレートであるとき、
    前記第1プレートは前記ケース体の内周面に取り付けられ、かつ前記可動プレートは前記シャフトの回転軸から所定の距離離れた位置を中心に揺動可能に支持され、
    前記ケース体と前記シャフトとの相対回転数が小さいときは、前記弾性部材により、前記第1プレートと前記可動プレートとの咬合面積が小さい第1の位置に保持され、
    前記ケース体と前記シャフトとの相対回転数が所定の値を超えると、前記粘性流体の剪断力により、前記可動プレートが前記第1プレート側に回動し、前記可動プレートと第1プレートとの咬合面積が大きい第2の位置に保持される、請求項1に記載のトルク伝達装置。
  3. 一対の前記可動プレートが、前記シャフトの回転軸に対し回転対称に配置された、請求項1または2に記載のトルク伝達装置。
  4. 一対の前記可動プレートが、前記シャフトの回転軸を含む面に対し面対称に配置された、請求項1または2に記載のトルク伝達装置。
  5. 前記弾性部材として引張コイルバネを用いる、請求項2乃至4のいずれかに記載のトルク伝達装置。
  6. 前記第1プレートが可動プレートであるとき、
    前記可動プレートは前記ケース体の内周面から所定の距離離れた位置を中心に揺動可能に支持され、かつ前記第2プレートは前記シャフトの外周面に取り付けられ、
    前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が小さいときは、前記弾性部材により、前記可動プレートと前記第2プレートとの咬合面積が小さい第1の位置に保持され、
    前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が所定の値を超えると、前記粘性流体の剪断力により、前記可動プレートが前記第2プレート側に回動し、前記可動プレートと前記第2プレートとの咬合面積が大きい第2の位置に保持される、請求項1に記載のトルク伝達装置。
  7. 前記弾性部材としてねじりバネを用いる、請求項6に記載のトルク伝達装置。
  8. 粘性流体の剪断力を利用して、2軸の相対回転数に応じたトルクを、速度差を減少させる向きに発生させるトルク伝達装置であって、
    前記粘性流体を収容する作動室を形成するケース体と、
    前記ケース体に相対回転可能に挿通されたシャフトと、
    所定のピッチで同心円状に配置され、かつ前記ケース体に連結された、直径の異なる複数のリング状の第1プレートと、
    前記第1プレートと同様のピッチで同心円状に配置され、前記シャフトの回転に伴って回転すると共に当該シャフトの軸方向に移動する、直径の異なる複数のリング状の第2プレートと、を備え、
    前記第2プレートは、前記シャフトの軸方向に移動可能な可動プレートであり、
    弾性部材を用いて第1の位置に保持された前記可動プレートを、相対回転によって生じる剪断力を利用し、前記弾性部材の弾力に抗して第2の位置に移動させることにより、プレート間の咬合面積を切り換えて、前記ケース体と前記シャフトとの間に生じるトルクの値を制御することを特徴とするトルク伝達装置。
  9. 前記可動プレートは、前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が小さいときは、前記弾性部材により、前記第1プレートと前記可動プレートとの咬合面積が小さい第1の位置に保持され、
    前記ケース体と前記シャフトの相対回転数が所定の値を超えると、前記粘性流体の剪断力により、前記可動プレートが前記第1プレート側に移動し、前記可動プレートと前記第1プレートとの咬合面積が大きい第2の位置に保持される、請求項8に記載のトルク伝達装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載のトルク伝達装置を備えた制動装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載のトルク伝達装置を備えた動力伝達装置。
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