JPWO2017221906A1 - 点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、燃焼速度が速く、かつ、放電電極と接地電極の摩耗を抑制し、電極の摩耗や溶損による放電不良が発生することのない小型の点火装置を提供することである。【解決手段】電磁波を発振する電磁波発振器3と、電磁波発振器3を制御する制御装置4と、放電ギャップ6を形成する放電電極55a及び接地電極51aとを備え、昇圧手段5により放電ギャップ6の電位差を高め放電を生じさせるように構成されている。そして、制御装置4によって、電磁波発振器3から発振する電磁波を、発振周期が10μsec以下、発振時間が2.5μsec以下で、かつ、デューティ比が3乃至25%となるように制御するようにしている。【選択図】図5

Description

本発明は、点火装置、特に内燃機関に使用する点火装置に関する。
従来、内燃機関の着火のための点火装置として、内燃機関の燃焼室内に電磁波を放射して電磁波プラズマを生成するプラズマ生成装置を用いた点火装置が提案されている。例えば特開2009−38025号公報及び特開2006−132518号公報には、この種のプラズマ生成装置を用いた内燃機関の点火装置が記載されている。
特開2009−38025号公報には、スパークプラグの放電ギャップでスパーク放電を生じさせるとともに、その放電ギャップに向けてマイクロ波を放射してプラズマを拡大するプラズマ生成装置が記載されている。このプラズマ生成装置では、スパーク放電により生成されたプラズマがマイクロ波パルスからエネルギを受ける。これにより、プラズマ領域の電子が加速され、電離が促進されて、プラズマの体積が増大する。
また、特開2006−132518号公報には、電磁波放射器から燃焼室内に電磁波を放射することによりプラズマ放電を発生させる内燃機関の点火装置が開示されている。ピストンの上面には、ピストンから絶縁された点火用電極が設けられている。点火用電極は、その近傍にて燃焼室内の電磁波の電界強度を局所的に高める役割を果たす。これにより点火用電極の近傍にてプラズマ放電が生成される内燃機関の点火装置である。
また、本発明者等は、電磁波(マイクロ波)のみを用いてスパーク放電を生じさせ、内燃機関の点火装置として使用することができるプラズマ生成装置を開発した。(引用文献3参照)
このプラズマ生成装置は、電磁波(マイクロ波)のみを用いてスパーク放電を生じさせ、内燃機関の点火装置は、電磁波発振器から発振される電磁波を共振させることによって昇圧する昇圧手段により放電電極と接地電極との間(放電ギャップ)の電位差を高め放電を生じさせるようにしている。
特開2009−38025号公報 特開2006−132518号公報 国際公開2014/115707号
しかし、電磁波の発振パターンとして、図5(c)に示すようにパルス発振時間を15μsec、発振周期を20μsec、パルス発振回数を5として、運転を行うと、放電が生じ混合気への着火を行うことができるものの、燃焼速度が通常の点火プラグに比べて遅いという問題があった。また、放電電極の摩耗が進み、放電電極の溶損や放電不良の発生等が生じる場合があるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼速度が速く、かつ、放電電極と接地電極の摩耗を抑制し、電極の摩耗や溶損による放電不良が発生することのない小型の点火装置を提供することである。
電磁波を発振する電磁波発振器と、
前記電磁波発振器を制御する制御装置と、
前記電磁波発振器から発振される電磁波を昇圧する昇圧手段と
放電ギャップを形成する放電電極及び接地電極とを備え、
前記昇圧手段により放電ギャップの電位差を高め放電を生じさせるプラズマ生成器からなる点火装置であって、
前記制御装置は、電磁波発振器から発振する電磁波を、発振周期が10μsec以下、発振時間が2.5μsec以下で、かつ、デューティ比が3乃至25%となるように制御するようにした点火装置である。
本発明の点火装置は、従来、発振周期が20μsec、発振時間が15μsec(デューティ比75%であった電磁波の発振制御を、デューティ比が短く、かつ、短パルスで電磁波を発振することで、従来の電磁波発振パターンで生じる放電直後に生じる放電部と昇圧手段とのインピーダンス整合のズレが小さくなり、電磁波の反射が低減する。
またこの場合において、前記制御装置は、電磁波発振器から発振する初回の電磁波の発振時間を、2回目以降に発振する電磁波の発振時間の10乃至500倍の時間となるように制御することができる。
さらにこの場合において、初回の電磁波の発振エネルギを、2回目以降に発振する電磁波の発振エネルギを1.2乃至2倍となるように制御することができる。
本発明の点火装置は、電磁波の発振周期及び発振時間を従前の発振パターンと比べて短い時間とした短パルス方式で行うことによって反射波を抑制し、放電後に供給する電磁波が昇圧手段によって再び放電を生じさせるだけでなく電磁波エネルギとして放電プラズマの維持拡大に寄与する。これによって、燃焼速度が著しく向上する。
実施形態1の内燃機関の点火装置のブロック図である。 同点火装置の全体断面図を示す。 同点火装置の放電電極及び接地電極を示し、(a)は平面図、(b)は一部切り欠きの正面図である。 同点火装置の昇圧手段の等価回路である。 点火装置の制御装置による発振パルスパターンを示し、(a)は実施形態1の発振パルスパターンを、(b)は(a)の要部拡大図を示し、(c)は従来の点火装置の発振パルスパターンを示す。 同点火装置の制御装置による別の発振パルパターンを示し、(a)は初回の発振時間を2回目以降より長くするパターンを、(b)は初回の発振エネルギを2回目以降より多くする(ピーク出力を高くする)パターンを示す 本実施形態の点火装置、従来の点火装置、一般的な点火プラグの燃焼質量割合を示すグラフである。 本実施形態の点火装置、従来の点火装置、一般的な点火プラグの燃焼状態を表すシュリーレン画像で、(a)は本実施形態の点火装置、(b)は従来の点火装置、(c)一般的な点火プラグである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>点火装置
本実施形態1は、本発明に係る内燃機関の点火装置である。本発明の点火装置1は、図1〜図2に示すように、電磁波用電源2と、電磁波を発振する電磁波発振器3と、電磁波用電源2及び電磁波発振器3を制御する制御装置4と、電磁波発振器3から発振される電磁波の供給を受ける入力部52と、入力された電磁波を昇圧する昇圧手段5と、放電ギャップ6を形成する放電電極55a及び接地電極51aとを備え、昇圧手段5により放電ギャップ6の電位差を高め放電を生じさせるように構成されている。そして、制御装置4によって、電磁波発振器3から発振する電磁波を、発振周期が10μsec以下、発振時間が2.5μsec以下で、かつ、デューティ比が3乃至25%となるように制御するようにしている。
放電電極55aは、入力部52から伸びる入力軸部53が挿通される有底の筒状部54から反入力部側に伸びる電極軸部55bの先端に形成されている。入力部52から伸びる入力軸部53は、筒状部54とは絶縁されている。具体的には、筒状部54内周面との間に筒状の絶縁体59が介在している。絶縁体59を介在させるか筒状部54の内周面と接触しないように構成することで筒状部54と入力軸部53は容量結合となり、後述する等価回路のC1を形成する。また、筒状部54及び電極軸部55bとケーシング51の先端側ケーシング51Aの内周面との間も電気的に絶縁されている。本実施形態においては、筒状部54及び電極軸部55bは筒状の絶縁体59に内包されている。筒状部54の外周面と筒状部54を覆うケーシング51Aの内周面との間によって、後述する等価回路のC2を形成し、電極軸部55bとケーシング51Aの内周面との間で等価回路のコンデンサC3を形成している。絶縁体59の種類によって異なる誘電率によって、共振周波数が調整される。なお、上述したC1は、入力軸部53を筒状部材54と電気的に接続することで省略することもできる。
ケーシング51の後端側ケーシング51Bは貫通孔を備え、この貫通孔に、一端に電磁波発振器3からの電磁波の供給を受ける入力部52を形成し他端に入力部52から伸びる入力軸部53が突出する筒状の絶縁体59を配設するとともに、放電電極55a、筒状部54及び電極軸部55bとこれらを覆う絶縁体59を内包したケーシング51Aが組み込まれている。入力部52、入力軸部53及びこれらを覆う絶縁体59のケーシング51Aが組み込み方法は特に限定するものではないが、本実施形態においては、絶縁体59の外周面及びケーシング51Bの貫通孔に対応する段差を設け、図例左側から挿通し、絶縁体を段差に係合させ、右側への抜け落ちを防止するとともに、左側からケーシング51Aを挿通して入力部52、入力軸部53及びこれらを覆う絶縁体59の左側への抜け落ちも防止する。ケーシング51Bに対するケーシング51Aの固定方法も特に限定するものではないが、本実施形態においては、貫通孔に刻設した雌ねじ部にケーシング51Aの外周面に刻設した雄ねじ部を螺合することによって固定する。螺合による固定後に溶接等の固定手段を用いてケーシング51Aをケーシング51Bに対して確実に固定することもでき、また、ねじ部を形成することなく溶接等の固定手段を用いて固定することもできる。
接地電極51aは、放電電極55aを覆う筒状のケーシング51Aの先端で形成され、この接地電極51aの内面と放電電極55aの外面との間で放電ギャップ6を形成する。この放電ギャップ6を形成する接地電極51a(ケーシング51Aの先端)は図3に示すようにスリットsを形成するようにしている。このスリットsによって、放電ギャップ6内に混合気を導き燃焼効率を向上させる。なお、放電ギャップ6の距離は0.2〜1.2mmの範囲で設定することが好ましい。
昇圧手段5は、図4に示す等価回路で構成されている。昇圧手段5は、電極軸部55bをコイルLとして、上述したコンデンサC1、C2及びC3との間の3箇所で共振構造形成し、供給される電磁波を昇圧するようにしている。特に、筒状部54の外周面と筒状部54を覆うケーシング51の内周面との間に形成されるコンデンサC2による第1共振領域及び電極軸部55bと電極軸部55bを覆うケーシング51との間に形成されるコンデンサC3による第2共振領域によって、供給される電磁波を昇圧して、放電電極55aと接地電極51aとの間の電位差を数十kVまで高め放電を生じさせるようにしている。なお、入力軸部53と筒状部54を電気的に接続して容量結合としないことで等価回路のC1を形成しない構成とすることもできる。
一般に、共振領域、特に第2共振領域での共振周波数から外れた周波数の電磁波を供給しても、電磁波を昇圧して放電電極55aと接地電極51aとの間の電位差高めることができない。共振領域で定まる共振周波数からどの程度外れた周波数を供給しても昇圧することができるかは、所謂Q値によって決定される。Q値とは、
Q=ω0/(ω1−ω2)で表される。
ここで、ω0:共振周波数、ω1及びω2(ω1>ω2):それぞれ周波数ω0のときのエネルギが1/2となる周波数である。従って、ω1及びω2の値がω0に近いほど、共振のピークが鋭く、Q値が大きくなり、大きなエネルギを得ることができ一般的にはQ値が大きくなる設計をすることが望ましい。しかし、Q値が大きい場合、共振させるためには共振領域で定まる共振周波数からのズレを大きくとることはできない。本発明者等の実験によるときは、Q値が50程度のときに±30ヘルツ、より好ましくは±20Hzの範囲の周波数の電磁波であれば共振させて放電させることが可能である。
電磁波発振器3は、常時所定電圧、例えば12Vを電磁波用電源2から供給される。そして、制御装置4から電磁波発振信号(例えばTTL信号)を所定のデューティ比、パルス時間等を設定した発振パターンのパルス波として電磁波(例えば、2.45GHzのマイクロ波)を出力する。
電磁波発振器3の発振パターンは、一般的な発振パターンが、発振周期が20μsec、発振時間が15μsec(デューティ比75%)、発振回数5回(図5(c)参照)であったものを、発振周期が10μsec以下、発振時間が2.5μsec以下で、かつ、デューティ比が5乃至25%、発振回数を500〜1000回となるように、具体的な発振パターンとして、発振周期が1μsec、発振時間が0.1μsec(デューティ比10%)、発振回数750回(図5(a)〜(b)参照)となるようにしている。この発振時間は電磁波発振器3の性能、特に発振器に使用するダイオードの性能によって左右されるものであるが、0.02μsec〜0.05μsec(20nsec〜50nsec)まで設定することができる。また、発振回数の750回は従来の制御方法(発振時間15μsec、発振回数5回)の発振トータルエネルギと同等となるように設定したもので、500〜600回の発振回数、また、筒内圧力が低い場合等、さらに少ない回数であっても良好な燃焼状態を得ることができた。この発振回数については、ECUからの情報(エンジン回転数・エンジン負荷・筒内圧力・筒内温度等)を受け制御装置4が設定を変更するように構成する。
また、電磁波発振器3から発振する初回の電磁波の発振時間を、2回目以降に発振する電磁波の発振時間の10乃至500倍の時間となるように制御することができる。具体的には、図6(a)に示すように、2回目以降に発振する電磁波の発振周期が1μsec、発振時間が0.1μsecに対して、発振周期が5.1μsec、発振時間が5.0μsec(5倍の時間)に設定している。このように制御することで、燃焼室内の圧力が高い場合でも十分に最初の放電を生じさせることができる。また、筒内圧力が高い場合は10〜15μsecとなるように、ECUからの情報(エンジン回転数・エンジン負荷・筒内圧力・筒内温度等)を受け制御装置4が設定を変更するように構成する。
さらに、初回の電磁波の発振エネルギを、2回目以降に発振する電磁波の発振エネルギを1.2乃至2倍とすること、換言すると、初回のピーク出力を2回目以降のピーク出力の1.2乃至2倍とすることができる。具体的には、図6(b)に示すように、2回目移行に発振する電磁波の発振周期が1μsec、発振時間が0.1μsec、発振エネルギ1.2kWに対して、発振周期が2.3μsec、発振時間が2.2μsec、発振エネルギ1.6kWに設定している。この場合の発振周期及び発振時間は、2回目以降の発振周期及び発振時間と同じ設定とすることもできる。初回の電磁波発振のピーク出力の設定もECUからの情報(エンジン回転数・エンジン負荷・筒内圧力・筒内温度等)を受け制御装置4が設定を変更するように構成する。
<点火装置の動作>
点火装置1の点火動作について説明する。点火動作では、放電電極55aと接地電極51aとの間の電位差を数十kVまで高め放電ギャップ6の近傍にプラズマが生じさせるようにしている。
具体的な点火動作は、まず制御装置4が、所定の周波数faの電磁波発振信号を出力する。電磁波用電源2は、制御装置4からこのような電磁波発振信号を受けると、所定のデューティ比で所定の設定時間に亘ってパルス電流を出力する。電磁波発振器3は、設定された内燃機関のサイクル(例えば1サイクル)に亘って周波数faの電磁波パルスを所定のデューティ比で出力する。電磁波発振器3から出力された電磁波パルスは、共振周波数がfaである昇圧手段5を備えた点火装置の放電ギャップ6において放電が生じ、プラズマが生成される。本実施形態の点火装置1は制御装置4の制御方法が短パルス発振方式である。そのため、放電直後に生じる放電部と昇圧手段とのインピーダンス整合のズレが小さくなり、電磁波の反射が低減する。
発振する周波数fa(例えば、昇圧手段5の共振周波数が2.45GHzの場合には2.45GHz)のみの発振で制御することもできるが、放電が生じた直後に大きな反射が生じた場合、例えば、2.45±0.05GHzの範囲で周波数を変動させ、共振周波数から外し、プラズマ維持発振に切り替えるように構成することもできる。
<燃焼試験>
本発明の点火装置(電磁波(マイクロ波)のみを用いてスパーク放電を生じさせる点火装置(以下、MDIという。))の制御方法による燃焼試験を、同じMDIを従来の制御方法で行った場合、一般的な点火プラグを用いて行った場合と比較した。
本実施形態の制御方法を用いたMDIの試験(A)の試験条件は、電磁波周波数2.46GHz、出力1.2kW、発振時間0.1μsec、発振周期1.0μsec、発振回数750回。同MDIを従来の制御方法で行った試験(B)の試験条件は、電磁波周波数2.46GHz、出力1.2kW、発振時間15μsec、発振周期20μsec、発振回数5回。一般的な点火プラグを用いて行った試験(C)の試験条件は、32Vの直流電源を2msec蓄えて放電を行った。電磁波発振及び直流電流の発振トリガーからのズレは(A)、(B)の場合が3μsec、(C)の場合が10μsecであり、燃焼速度の比較に略影響を与えるものではない。また、試験はプロパンガスCとドライエアを混合比1としたものを用い、試験容器内を0.3MPaとして実施した。
<試験結果>
図7に試験(A)〜(C)を同条件で3回繰り返し、それぞれその平均をとった燃焼質量割合のグラフを示す。グラフから明らかなように、本実施形態の制御方法による試験(A)は、従来の制御方法による試験(B)と比べて、CA10(燃焼質量割合が10%となるまでの時間が約5msec、一般的な点火プラグによる試験(C)と比べても0.75msec速くなった。
また、図8に試験(A)〜(C)の点火開始から3msec後の燃焼状態を示すシュリーレン画像を示す。この画像からも明らかなように、本実施形態の制御方法による試験(A)による3msec後の燃焼状態(図8(a))は、従来の制御方法による試験(B)による3msec後の燃焼状態(図8(b))と比べて明らかに大きく燃焼速度が格段に向上していることが判る。また、一般的な点火プラグによる試験(C)と比べても燃焼範囲は広く、燃焼速度が速いことが判る。
本実施形態の点火装置1は、その制御方法として電磁波を短パルス方式、具体的には発振時間0.1μsec、発振周期1.0μsecで供給するようにしている。点火装置1の昇圧手段5は、共振構造を採用しており、共振による昇圧に約0.3μsecの時間を要する。従って、放電後に供給する電磁波が昇圧手段によって再び放電を生じさせるだけでなく電磁波エネルギとして放電プラズマの維持拡大に寄与している。これによって、燃焼速度が著しく向上することとなる。
また、従来は、絶縁破壊を生じさせる電界強度を放電電極に与え放電プラズマが生じた後も同じ電界強度になるように電磁波を供給していた。そのためt電離体(放電プラズマ)には強い電界が印加され、衝突分離した電子を増倍加速していた。この結果、電子密度が過剰に高まり供給される電磁波の大部分を反射する。本試験の計測によれば、試験(B)の反射は実に70%であり、投入エネルギの30%しか活用されておらず、継続的に一定の電子密度下でエネルギを電離体に吸収させることができなかった。一方、本実施形態の制御方法である短パルス方式で電磁波を供給すると、一定の電子密度を有する電離体を維持するために印加する電磁波を微小に断続させることとなり、より電子の再結合速度と平衡させることが可能になる。これによって、投入した電磁波の反射も大幅に低減される。本試験の計測によれば、試験(A)の反射は40%であり、投入エネルギの60%つまり試験(B)に比べて倍の電磁波エネルギを投入することができた。
また、試験(A)〜(C)に使用したMDI及び点火プラグを用いて、内燃機関でのA/F試験(リーン限界試験)を行った。内燃機関としては、500ccの可視化エンジンを用い回転数2000rpm、IMEP550kPaで行った。その結果、従来の制御方法によるMDIでは、A/F17、一般的な点火プラグではA/F19であったのに対して、本実施形態の制御方法によるMDIではA/F20となった。
−実施形態1の効果−
本実施形態1の点火装置1は、上述した効果の他に電極摩耗を低減する効果を有する。従来の制御方法では1度の発振で大きなエネルギを投入することによって大きなアーク放電が生じ、放電電極に比較的大きなアーク痕跡生じる。そして、このアーク痕跡が蓄積され、摩耗・溶損に繋がる。一方、本実施形態の点火装置は短パルス方式での電磁波供給であることから、1度の発振によって大きなエネルギ投入となることがないため1度に大きなアーク放電を生じさせることがなく、最初の放電によって生じることのあるアーク痕跡も小さく、放電後の電磁波によって最初の放電プラズマが維持拡大され、アーク痕跡が生じた電極表面の凹凸を平滑化させ、アーク痕跡の蓄積による電極の摩耗・溶損を抑制することができる。また、燃焼によって生じる有機物の付着に対して、蒸発ガスが熱プラズマの生成を助長し、電極温度上昇せしめるが、放電後に供給される電磁波により低温プラズマを生成することでラジカル発生が増加し、有機物の化学的分解を行わせることで発生した有機物の除去することが可能となる。
また、内燃機関として、予混合圧縮着火方式(HCCI(Homogeneous−Charge Compression Ignition))を採用することができる。予混合圧縮着火方式は、ガソリンをディーゼルエンジンのように自己着火させる方式であるが、着火時期が燃焼室内の温度に依存するため、そのコントロールが困難である。そのため、本発明の点火装置1を使用し、電磁波の出力をガソリンエンジンで使用する場合よりも低く制御することで、燃焼支援を行うとともに、燃焼室内の温度を容易にコントロールすることができ、予混合圧縮着火方式の欠点を補うことができる。
以上説明したように、本発明の点火装置は、電磁波のみでプラズマを生成、拡大、維持させることができるため、電源は一つで足り、複雑な伝送線路等を必要としない。そのため、本発明の点火装置は、自動車エンジン等の内燃機関等に好適に用いられる。
1 点火装置
2 電磁波用電源
3 電磁波発振器
4 制御装置
5 昇圧手段
6 放電ギャップ
51 ケーシング
51a 接地電極
52 入力部
53 入力軸部
54 筒状部
55 中心電極
55a 放電電極
55b 軸部
59 絶縁体

Claims (3)

  1. 電磁波を発振する電磁波発振器と、
    前記電磁波発振器を制御する制御装置と、
    前記電磁波発振器から発振される電磁波を昇圧する昇圧手段と
    放電ギャップを形成する放電電極及び接地電極とを備え、
    前記昇圧手段により放電ギャップの電位差を高め放電を生じさせるプラズマ生成器からなる点火装置であって、
    前記制御装置は、電磁波発振器から発振する電磁波を、発振周期が10μsec以下、発振時間が2.5μsec以下で、かつ、デューティ比が3乃至25%となるように制御するようにした点火装置。
  2. 前記制御装置は、電磁波発振器から発振する初回の電磁波の発振時間を、2回目移行に発振する電磁波の発振時間の10乃至500倍の時間となるように制御する請求項1に記載の内燃機関の点火装置。
  3. 前記制御装置は、電磁波発振器から発振する初回の電磁波の発振エネルギを、2回目以降に発振する電磁波の発振エネルギを1.2乃至2倍となるように制御する請求項1又は2に記載の点火装置。
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