JPWO2017208919A1 - フィルタ回路およびコネクタ - Google Patents

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Abstract

本発明は、2本の電線の途中に設けられるフィルタ回路である。フィルタ部(30)は、コンデンサ(4)と、配線(2)と、金属端子(6)とを備え、フィルタ部(40)は、コンデンサ(5)と、配線(3)と、金属端子(7)とを備えている。配線(2),(3)の各々は、少なくとも1つのコイル部(2a),(3a)を有し、金属端子(6),(7)は、金属端子(6),(7)間の距離が予め定められた距離以上となる位置で各々固定され、接地電極(GND)に電気的に接続される。

Description

本発明は、フィルタ回路およびコネクタに関し、特に、キャパシタンス素子を備えるフィルタ回路およびコネクタに関する。
フィルタ回路に使用される電子部品として、例えば、特許文献1に示す3端子型コンデンサがある。この3端子型コンデンサは、キャパシタンス素子であって、チップコンデンサの一端側に導電板を接続し、チップコンデンサの他端側に脚部を接続している。さらに、3端子型コンデンサは、導電板に2つの配線(リード線)を接続するとともに、脚部に別の配線を接続している。
この3端子型コンデンサを電源のノイズ成分を除去するフィルタ回路に用いる場合を考える。具体的に、電源に接続する電線を切断して、切断した電線のそれぞれに3端子型コンデンサのリード線をそれぞれ接続し、別のリード線を接地電極に接続することでフィルタ回路を構成する。このように、電源に接続する電線の途中に3端子型コンデンサを接続することでフィルタ回路を構成することができる。
特開2015−53448号公報
しかし、単純に3端子型コンデンサを電線の途中に接続するだけでは、コンデンサの寄生インダクタンスである等価直列インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)によりノイズ抑制効果が低下することが知られている。
また、電源に接続する電線が2本の場合、各々の電線に3端子型コンデンサを接続する必要がある。各々の電線に接続した3端子型コンデンサにおいて寄生インダクタンスをキャンセルするには、例えば配線の位置を調整するなどの専門的な知識が必要となる問題があった。
そこで、本発明の目的は、専門的な知識が無くても、キャパシタンス素子および配線の寄生インダクタンスを打ち消することが可能で、2本の電線の途中に設けられるフィルタ回路および電線を中継するコネクタを提供する。
本発明の一形態に係るフィルタ回路は、2本の電線の途中に設けられるフィルタ回路であって、2本の電線のうちの第1電線の途中に設けられる第1フィルタ部と、2本の電線のうちの第2電線の途中に設けられる第2フィルタ部とを備え、第1フィルタ部は、第1キャパシタンス素子と、両端の各々が第1電線に電気的に接続されると共に、第1キャパシタンス素子に形成された第1電極に電気的に接続された第1配線と、第1キャパシタンス素子に形成された第2電極に電気的に接続された第2配線とを備え、第2フィルタ部は、第2キャパシタンス素子と、両端の各々が第2電線に電気的に接続されると共に、第2キャパシタンス素子に形成された第3電極に電気的に接続された第3配線と、第2キャパシタンス素子に形成された第4電極に電気的に接続された第4配線とを備え、第1配線および第3配線の各々は、少なくとも1つのコイル部を有し、第2配線および第4配線は、第2配線と第4配線との距離が予め定められた距離以上となる位置で各々固定され、接地電極に電気的に接続される。
本発明の一形態に係るフィルタ回路は、電線を中継するコネクタであって、2本の電線と電気的に接続するための第1接続部と、第1接続部と異なる側の2本の電線と電気的に接続するための第2接続部と、2本の電線のうちの第1電線と電気的に接続される第1フィルタ部と、2本の電線のうちの第2電線と電気的に接続される第2フィルタ部とを備え、第1フィルタ部は、第1キャパシタンス素子と、両端の各々が第1電線に電気的に接続されると共に、第1キャパシタンス素子に形成された第1電極に電気的に接続された第1配線と、第1キャパシタンス素子に形成された第2電極に電気的に接続された第2配線とを備え、第2フィルタ部は、第2キャパシタンス素子と、両端の各々が第2電線に電気的に接続されると共に、第2キャパシタンス素子に形成された第3電極に電気的に接続された第3配線と、第2キャパシタンス素子に形成された第4電極に電気的に接続された第4配線とを備え、第1配線および第3配線の各々は、少なくとも1つのコイル部を有し、第2配線および第4配線は、第2配線と第4配線との距離が予め定められた距離以上となる位置で各々固定され、接地電極に電気的に接続される。
本発明によれば、第1配線および第3配線の各々が少なくとも1つのコイル部を有し、第2配線および第4配線は、第2配線と第4配線との距離が予め定められた距離以上となる位置で各々固定され、接地電極に電気的に接続されるので、専門的な知識が無くても寄生インダクタンスを打ち消し、第2配線および第4配線の間の磁気結合を低く抑えることができ、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係るコネクタの平面図および断面図である。 本発明の実施の形態1に係るコネクタを他のコネクタと接続して電線を中継する構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るリード線付き電子部品の等価回路を示す回路図である。 結合係数K2と金属端子間の距離との関係を説明するためのグラフである。 図3に示す等価回路の周波数に対する伝送特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係るコネクタの断面図である。 本発明の実施の形態3に係るコネクタの平面図である。 本発明の実施の形態4に係るコネクタの平面図である。 本発明の実施の形態5に係るコネクタの平面図および側面図である。 本発明の実施の形態6に係るコネクタの平面図および側面図である。 本発明の実施の形態7に係るフィルタ回路の概略図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るフィルタ回路について説明する。フィルタ回路は、電線の途中に設けられ、電源のノイズ成分を除去する。なお、以下に説明するフィルタ回路は、電線を中継するコネクタとして形成されているとして説明する。しかし、本発明はこれに限定されず、コネクタとしての形状を有しておらず、単に回路基板に形成されたフィルタ回路を直接、電線の途中に接続してもよい。
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1に係るコネクタについて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るコネクタ100の平面図および断面図である。図1(a)がコネクタ100の平面図および図1(b)がコネクタ100の断面図をそれぞれ示している。図2は、本発明の実施の形態1に係るコネクタ100を他のコネクタと接続して電線を中継する構成を説明するための図である。
コネクタ100は、樹脂モールド1内に配線2および配線3をそれぞれ配置して、配線2にコンデンサ4の一方の電極4aを、配線3にコンデンサ5の一方の電極5aをそれぞれ電気的に接続している。さらに、コンデンサ4の他方の電極4bには金属端子6を、コンデンサ5の他方の電極5bには金属端子7をそれぞれ電気的に接続している。
コネクタ100の図中右側の部分は、図2に示すコネクタ10aと接続する接続部10である。当該接続部10にコネクタ10aを差し込むことで、2本の電線の内の一方の電線50aが配線2に、他方の電線60aが配線3にそれぞれ電気的に接続される。また、コネクタ100の図中左側の部分は、図2に示すコネクタ20aと接続する接続部20である。当該接続部20にコネクタ20aを差し込むことで、2本の電線の内の一方の電線50bが配線2に、他方の電線60bが配線3にそれぞれ電気的に接続される。
コネクタ100は、接続部10にコネクタ10aを、接続部20にコネクタ20aをそれぞれ差込むことで、配線2を介して電線50aと電線50bとを、配線3を介して電線60aと電線60bとをそれぞれ電気的に接続することができる。つまり、コネクタ100は、コネクタ10aとコネクタ20aとを繋ぐ中継コネクタであり、フィルタ回路を内蔵したコネクタである。なお、2本の電線をそれぞれ切断(電線50aと電線50b、電線60aと電線60b)して、2本の電線の途中にコネクタ100に内蔵するフィルタ回路を設けたと考えることもできる。
コネクタ100は、接続部10と接続部20との間にフィルタ部30,40を設けている。なお、フィルタ部30,40がフィルタ回路を構成している。フィルタ部30には、配線2をループ状に配置することでコイル部2aを形成し、当該コイル部2aを形成している配線2にコンデンサ4の一方の電極4aを、金属端子6にコンデンサ4の一方の電極4bをそれぞれ接続している。フィルタ部30は、詳しくは後述するが配線2で形成したコイル部2aのインダクタンスにより、コンデンサ4の寄生インダクタンスを打ち消している。同様に、フィルタ部40には、配線3をループ状に配置することでコイル部3aを形成し、当該コイル部3aを形成している配線3にコンデンサ5の一方の電極5aを、金属端子7にコンデンサ5の一方の電極5bをそれぞれ接続している。フィルタ部40は、配線3で形成したコイル部3aのインダクタンスにより、コンデンサ5の寄生インダクタンスを打ち消している。つまり、コネクタ100では、専門的な知識が無くても寄生インダクタンスを打ち消すコイル部2a,3aが配線2,3により形成されているので、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
配線2,3は、被覆線であり、例えば単線またはより線の銅線にポリ塩化ビニルやポリエチレンなどの被覆を施して絶縁した電線である。これにより、配線2,3は、絶縁コートされていないリード線のように別途、絶縁処理が不要なり、より大きな電流を流すことも可能になる。もちろん、配線2,3は、被覆を施していない単線またはより線の銅線などであってもよい。
コンデンサ4,5は、キャパシタンス素子で、例えば3.2mm×2.5mm×2.5mmのチップコンデンサである。当該コンデンサ4,5は、一対の電極のうち一方の電極4a,5aに被覆していない配線2,3の部分をハンダで接続している。また、当該コンデンサ4,5は、一対の電極のうち一方の電極4b,5bに金属板で形成される金属端子6,7をハンダで接続している。金属端子6,7は、図1(a)の裏側(図1(b)の左側)の方向に延び、断面の形状がL字形状をしている。また、金属端子6,7は、金属板で形成されているので端子間の距離を一定に保つことができ、予め定められた距離以上の端子間の距離を確保した位置で各々固定することができる。なお、金属端子6,7は、金属板に限定されるものではなく、端子間の距離を一定に保つことができる形状であれば棒形状などであってもよい。
次に、等価回路を用いてコネクタ100を説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係るコネクタ100の等価回路を示す回路図である。図3(a)は、磁気結合を考慮したインダクタを用いたコネクタ100の等価回路で、図3(b)は、磁気結合を考慮しないインダクタを用いたコネクタ100の等価回路である。
まず、図3(a)に示すように、コンデンサ4の電極4aと配線2のコイル部2aとを接続した場合、コイル部2aは、電極4aでインダクタL1とインダクタL2とを直列に接続した等価回路と見なすことができる。コンデンサ4の電極4bが金属端子6を介して接地電極GNDに電気的に接続されている場合、コンデンサ4は、キャパシタC4と寄生インダクタンス(等価直列インダクタンス(ESL))のインダクタL3とを直列に接続した等価回路と見なすことができる。
同様に、コンデンサ5の電極5aと配線3のコイル部3aとを接続した場合、コイル部3aは、電極5aでインダクタL4とインダクタL5とを直列に接続した等価回路と見なすことができる。コンデンサ5の電極5bが金属端子7を介して接地電極GNDに電気的に接続されている場合、コンデンサ5は、キャパシタC5と寄生インダクタンスのインダクタL6とを直列に接続した等価回路と見なすことができる。
図3(a)に示す等価回路では、インダクタL1とインダクタL2とは密結合しており、擬似的に負のインダクタンス成分が生じる。この負のインダクタンス成分は、コンデンサ4および金属端子6の寄生インダクタンス(インダクタL3)を打ち消すことができ、コンデンサ4および金属端子6のインダクタンス成分を見かけ上小さくすることができる。インダクタL1とインダクタL2との負のインダクタンス成分で寄生インダクタンス(インダクタL3)を打ち消すことにより、自己共振周波数が上がり高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。つまり、フィルタ部30は、配線2にコイル部2aを設けることで、コンデンサ4および金属端子6の寄生インダクタンス(インダクタL3)を打ち消して広帯域化を実現することができ、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。ここで、インダクタL1とインダクタL2との結合係数をK1とする。
同様に、インダクタL4とインダクタL5とは密結合しており、擬似的に負のインダクタンス成分が生じる。この負のインダクタンス成分は、コンデンサ5および金属端子7の寄生インダクタンス(インダクタL6)を打ち消すことができ、コンデンサ5および金属端子7のインダクタンス成分を見かけ上小さくすることができる。インダクタL4とインダクタL5との負のインダクタンス成分で寄生インダクタンス(インダクタL6)を打ち消すことにより、自己共振周波数が上がり高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。つまり、フィルタ部40は、配線3にコイル部3aを設けることで、コンデンサ5および金属端子7の寄生インダクタンス(インダクタL3)を打ち消して広帯域化を実現することができ、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。ここで、インダクタL4とインダクタL5との結合係数をK1とする。
例えば、コンデンサ4は、キャパシタC4を1.0μF、インダクタL3を1nHとする。また、インダクタL1,L2は、2nHとそれぞれする。さらに、インダクタL1とインダクタL2との結合係数K1は、0.5(50%)とする。この場合、フィルタ部30は、インダクタL3の1nHの寄生インダクタンスを、2nHのインダクタL1,L2を50%で結合したことで生じる負のインダクタンス成分(−1nH)で打ち消すことが可能である。同様に、フィルタ部40は、インダクタL6の1nHの寄生インダクタンスを、2nHのインダクタL4,L5を50%で結合したことで生じる負のインダクタンス成分(−1nH)で打ち消すことが可能である。
しかし、コネクタ100は、フィルタ部30の金属端子6とフィルタ部40の金属端子7とを同じ接地電極GNDに接続するため、金属端子6と金属端子7との間で磁気結合の影響を考慮しなければならない。つまり、インダクタL3とインダクタL6とが結合係数K2で磁気結合していることを考慮する必要がある。そこで、コネクタ100の等価回路を、磁気結合がないインダクタに置換えた図3(b)に示す等価回路に基づいて考える。
具体的に、図3(a)に示すインダクタL1、インダクタL2、インダクタL4およびインダクタL5は、インダクタンスの大きさをLとし、インダクタL3およびインダクタL6は、インダクタンスの大きさをLgとする。そうすると、図3(a)に示すインダクタL1およびインダクタL2は、図3(b)に示すようにインダクタンスの大きさが(L+K1×L)、(L+K1×L)、(−K1×L)の3つのインダクタに置き換えることができる。同様に、図3(a)に示すインダクタL4およびインダクタL5は、図3(b)に示すようにインダクタンスの大きさが(L+K1×L)、(L+K1×L)、(−K1×L)の3つのインダクタに、図3(a)に示すインダクタL3およびインダクタL6は、図3(b)に示すようにインダクタンスの大きさが(Lg−K2×Lg)、(Lg−K2×Lg)、(K2×Lg)の3つのインダクタにそれぞれ置き換えることができる。
図3(b)に示す等価回路では、K1×L=Lg−K2×Lgと設計することで、コンデンサ4およびコンデンサ5に直接接続されるインダクタンス成分をキャンセルすることができる。つまり、フィルタ部30およびフィルタ部40は、それぞれの寄生インダクタンスを打ち消し、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
しかし、コンデンサ4およびコンデンサ5に直接接続されず、接地電極GNDに接続する(K2×Lg)のインダクタンス成分が、フィルタ部30およびフィルタ部40の共通の寄生インダクタンスとして残る。そのため、インダクタL3とインダクタL6とが結合係数K2が大きくなると、フィルタ部30およびフィルタ部40の共通の寄生インダクタンスが大きくなるので、高周波帯のノイズ抑制効果が低下する。そこで、コネクタ100では、インダクタL3とインダクタL6との磁気結合を低く抑える必要がある。
次に、図3に示す等価回路において、結合係数K2と金属端子6,7間の距離との関係についてのシミュレーションを行った。図4は、結合係数K2と金属端子間の距離との関係を説明するためのグラフである。図4に示すグラフは、横軸を金属端子6と金属端子7との距離(mm)とし、縦軸をインダクタL3とインダクタL6との結合係数K2としている。図4に示すように、金属端子6と金属端子7との距離を長くなることで結合係数K2が低下することが分かる。例えば、金属端子6と金属端子7との距離が2mmの場合、結合係数K2が0.7となり、金属端子6と金属端子7との距離が7mmの場合、結合係数K2が0.3となる。
一方、図3に示す等価回路において、結合係数K2を変化させた場合の周波数に対する伝送特性についてシミュレーションを行った。図5は、図3に示す等価回路の周波数に対する伝送特性を示すグラフである。なお、図5に示すグラフは、横軸を周波数Freq(GHz)とし、縦軸を伝送特性S21(dB)としている。
図5に示す伝送特性を見ると、結合係数K2が大きくなるにつれて、0.010GHz以上の周波数Freq(高周波帯)において伝送特性S21が大きくなっている。つまり、コネクタ100は、結合係数K2が大きくなるにつれて、0.010GHz以上の周波数Freqの出力信号を低減することができず、高周波帯のノイズ抑制効果が低下している。例えば、図5に示す伝送特性S21において1.000GHzまでの周波数Freqの出力信号を−30dB以上低減するためには、結合係数K2を0.42より小さくする必要があることが分かる。結合係数K2を0.42より小さくするには、図4に示すグラフから金属端子6と金属端子7との距離を5mm以上確保する必要がある。つまり、予め定められた距離を5mmとする。
コネクタ100では、金属端子6,7を金属板で形成してコンデンサ4,5の電極4b,5bに電気的に接続して固定しているので、例えば、金属端子6と金属端子7との距離を5mm以上確保した位置に固定することが可能である(図1(b)参照)。つまり、コネクタ100では、専門的な知識が無くても結合係数K2を低く抑えて、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
以上のように、本発明の実施の形態1に係るコネクタ100は、電線を中継するコネクタであって、配線2(第1配線に相当)および配線3(第3配線に相当)が、コイル部2a,3aを有し、金属端子6(第2配線に相当)および金属端子7(第4配線に相当)が、金属端子6,7間の距離が予め定められた距離(例えば、5mm)以上となる位置で各々固定され、接地電極GNDに電気的に接続されるので、専門的な知識が無くてもコイル部2a,3aでコンデンサ4.5(第1および第2キャパシタンス素子に相当)の寄生インダクタンスを打ち消し、金属端子6,7の間の磁気結合を低く抑えることが可能である。そのため、本発明の実施の形態1に係るコネクタ100では、フィルタ部30(第1フィルタ部に相当)およびフィルタ部40(第2フィルタ部に相当)の共通の寄生インダクタンスを小さくし、コンデンサ4,5および金属端子6,7の寄生インダクタンスを打ち消して高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
なお、コネクタ100は、フィルタ部30が2本の電線のうちの1つの電線50a,50b(第1電線に相当)の途中に設けられ、フィルタ部40が2本の電線のうちの1つの電線60a,60b(第2電線に相当)の途中に設けられている。また、コネクタ100は、2本の電線50a,60aと電気的に接続するための接続部10(第1接続部に相当)と、2本の電線50b,60bと電気的に接続するための接続部20(第2接続部に相当)とを有している。コネクタ100は、接続部10をコネクタ10aに、接続部20をコネクタ20aにそれぞれ接続することで、電線50aと電線50b,電線60aと電線60bをそれぞれ中継することができる。さらに、配線2は、両端の各々が電線50a,50bに電気的に接続されると共に、コンデンサ4に形成された電極4a(第1電極に相当)に電気的に接続され、配線3は、両端の各々が電線60a,60bに電気的に接続されると共に、コンデンサ5に形成された電極5a(第3電極に相当)に電気的に接続されている。
フィルタ部30においてコンデンサ4(第1キャパシタンス素子に相当)の電極4b(第2電極に相当)が形成される側(図中の上側)は、フィルタ部40においてコンデンサ5(第2キャパシタンス素子に相当)の電極5b(第4電極に相当)が形成される側(図中の下側)と反対側である(図1(a)参照)。そのため、コネクタ100は、電極4bに接続される金属端子6と電極5bに接続される金属端子7との配線間の距離を、予め定められた距離以上の距離を確保することが容易になる。
なお、電線を中継するコネクタとして構成するのではなく、フィルタ部30およびフィルタ部40のみで構成したフィルタ回路として2本の電線の途中に設けてもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1では、コネクタ100の接地電極GNDと接続する配線(第2配線,第4配線に相当)を金属板の金属端子6,7で形成し、コンデンサ4,5の電極4b,5bに電気的に接続する構成について説明した。しかし、接地電極GNDと接続する配線は、配線間の距離が予め定められた距離以上となる位置で固定されていれば金属板に限定されない。例えば、接地電極GNDと接続する配線は、絶縁素材によって配線間の距離が予め定められた距離以上となる位置に各々固定される構成でもよい。本発明の実施の形態2では、接地電極GNDと接続する配線について具体的に説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係るコネクタ100aの断面図である。
図6に示すコネクタ100aは、樹脂モールド1内に配線2および配線3をそれぞれ配置して、配線2にコンデンサ4の一方の電極4aを、配線3にコンデンサ5の一方の電極5aをそれぞれ電気的に接続している。そして、配線2をループ状に配置することでコイル部2aを形成し、配線3をループ状に配置することでコイル部3aを形成している。なお、コネクタ100aにおいて、図1に示すコネクタ100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、コネクタ100aも他のコネクタと接続して電線を中継するコネクタを構成している。
次に、コネクタ100aは、コンデンサ4の他方の電極4bには配線8aを、コンデンサ5の他方の電極5bには配線8bをそれぞれ電気的に接続している。そして、この配線8a,8bは、接地電極GNDと接続する配線であり、配線間の距離が予め定められた距離以上となるように絶縁素材である樹脂8cで位置が固定されている。配線8a,8bは、例えばフィーダー線のような形状をしている。そのため、コネクタ100aは、配線8aと配線8bとの距離を一定に保つことができ、配線8aと配線8bとの距離を5mm以上確保して磁気結合を低く抑えることができる。
なお、配線8a,8bは、被覆線であり、被覆を施していない単線またはより線の銅線の部分が電極4b,5bにそれぞれ電気的に接続している。配線8a,8bの被覆材と、配線8aと配線8bとの位置を固定する樹脂8cとは絶縁素材であれば同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。
以上のように、本発明の実施の形態2に係るコネクタ100aは、配線8a(第2配線に相当)および配線8b(第4配線に相当)が、配線8a,8b間の距離が予め定められた距離以上となる位置に樹脂8c(絶縁素材に相当)で固定されているので、配線8aと配線8bとの磁気結合を低く抑えることができ、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
なお、配線8a,8bは、配線間の距離が予め定められた距離以上となる位置に樹脂8cで固定されている構成に限定されず、配線間の距離が予め定められた距離以上となる位置に固定されていれば、いずれの手段で固定されていてもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態1では、フィルタ部30においてコンデンサ4の電極4bが形成される側が、フィルタ部40においてコンデンサ5の電極5bが形成される側と反対側である(図1(a)参照)構成について説明した。しかし、コンデンサ4,5の電極4b,5bの配置はこれに限定されるものではなく、同じ側の位置となるように配置されてもよい。そこで、本発明の実施の形態3では、コンデンサ4,5の電極4b,5bの配置について具体的に説明する。図7は、本発明の実施の形態3に係るコネクタ100b,100cの平面図である。
図7(a)に示すコネクタ100bは、樹脂モールド1内に配線2および配線3をそれぞれ配置して、配線2にコンデンサ4の一方の電極4aを、配線3にコンデンサ5の一方の電極5aをそれぞれ電気的に接続している。そして、配線2をループ状に配置することでコイル部2aを形成し、配線3をループ状に配置することでコイル部3aを形成している。なお、コネクタ100bにおいて、図1に示すコネクタ100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、コネクタ100bも他のコネクタと接続して電線を中継するコネクタを構成している。
しかし、コネクタ100bは、フィルタ部40bが図1に示すフィルタ部40と異なり、フィルタ部40bにおけるコンデンサ5の電極5bが形成される側が、フィルタ部30におけるコンデンサ4の電極4bが形成される側と同じ側になるように配置されている。つまり、コネクタ100bでは、フィルタ部30においてコンデンサ4の電極4bが形成される側と、フィルタ部40bにおいてコンデンサ5の電極5bが形成される側とがコネクタ100bの同じ面側に配置されている。そのため、コネクタ100bは、電極4aに接続される金属端子6および電極5aに接続される金属端子7を同じ面側から引き出すことができ、片側のみから接地電極GNDと接続することが可能な構造の場合に有利になる。
なお、コネクタ100bは、電極4bと電極5bとを結ぶ直線が配線2,3の長手方向に対して直交以外(α≠90°)の位置になるように配置されている。つまり、配線2,3の長手方向に対して直交する直線上にコンデンサ4とコンデンサ5とが並んでいない。これは、電極4bと電極5bとをコネクタ100bの同じ面側に配置したことで、金属端子6,7間の距離が予め定められた距離より短くなることを回避するための構成である。
図7(a)に示すように、コネクタ100bでは、図中の左右方向にフィルタ部30の電極4bとフィルタ部40bの電極5bとの位置をずらすことで、電極4bと電極5bとをコネクタ100bの同じ面側に配置しても金属端子6,7間の距離を長くすることができ、予め定められた距離以上の長さを確保することができる。
なお、電極4bと電極5bとをコネクタ100bの反対の面側に配置した場合でも、電極4bと電極5bとを結ぶ直線が配線2および配線3の長手方向に対して直交以外の位置になるように配置してもよい。図7(b)に示すコネクタ100cは、フィルタ部40cが図1に示すフィルタ部40と異なり、電極4bと電極5bとを結ぶ直線が配線2および配線3の長手方向に対して直交以外(α≠90°)の位置になるように配置している。つまり、コネクタ100cは、図中の左右方向にフィルタ部30の電極4bとフィルタ部40cの電極5bとの位置をずらして配置してある。
コネクタ100cは、左右方向にフィルタ部30の電極4bとフィルタ部40cの電極5bとの位置をずらすことで、図1(a)に示すコネクタ100に比べて金属端子6と金属端子7との配線間の距離を長くすることができる。
以上のように、本発明の実施の形態3に係るコネクタ100bは、フィルタ部30においてコンデンサ4の電極4bが形成される側(図中の上側)が、フィルタ部40bにおいてコンデンサ5の電極5bが形成される側(図中の上側)と同じ側である(図7(a)参照)。そのため、コネクタ100bは、電極4aに接続される金属端子6および電極5aに接続される金属端子7をコネクタ100bの同じ面側から引き出すことが可能なる。
また、コネクタ100b,100cは、電極4bと電極5bとを結ぶ直線が配線2および配線3の長手方向に対して直交以外の位置になるように配置することで、金属端子6,7間の距離をより長くすることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態1では、図1に示すように配線2をループ状に配置することでコイル部2aを形成し、配線3をループ状に配置することでコイル部3aを形成する構成について説明した。しかし、コイル部2a,3aの構成はこれに限定されない。本発明の実施の形態4では、コイル部の構成が異なるコネクタついて具体的に説明する。図8は、本発明の実施の形態4に係るコネクタ100dの平面図である。
図8に示すコネクタ100dは、樹脂モールド1内に配線2および配線3をそれぞれ配置して、配線2にコンデンサ4の一方の電極4aを、配線3にコンデンサ5の一方の電極5aをそれぞれ電気的に接続している。そして、配線2をループ状に配置するとともに、配線2同士が重なる部分で配線2同士をツイストさせてコイル部2bを形成している。同様に、配線3をループ状に配置するとともに、配線3同士が重なる部分で配線3同士をツイストさせてコイル部3bを形成している。なお、コネクタ100dにおいて、図1に示すコネクタ100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、コネクタ100dも他のコネクタと接続して電線を中継するコネクタを構成している。
以上のように、本発明の実施の形態4に係るコネクタ100dは、コイル部2b,3bを構成する配線2,3の少なくとも一部において、各々の配線2,3がツイストしているので、配線2,3をツイストしないコイル部に比べて結合係数K1(図3(a)参照)を大きくすることができる。そのため、コネクタ100dは、寄生インダクタンスを打ち消すための負のインダクタンスを大きくすることができ、接地電極GNDに接続する配線(金属端子6,7など)を長くすることができる。
なお、コイル部の構成は、被覆線をループ状に配置することで形成される以外に、被覆材のないリード線をループ状に配置することで形成してもよい。また、コイル部の構成は、被覆線をループ状に配置するのではなく、ループ状に配線パターンを形成した回路基板でもよい。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態1では、図1に示すように配線2をループ状に配置することでコイル部2aを形成し、配線3をループ状に配置することでコイル部3aを形成する構成について説明した。本発明の実施の形態5では、支持体に配線を巻き付けることでループ状のコイル部を形成する構成について説明する。図9は、本発明の実施の形態5に係るコネクタ100eの平面図および側面図である。図9(a)がコネクタ100eの平面図および図9(b)がコネクタ100eの側面図をそれぞれ示している。なお、コネクタ100eにおいて、図1に示すコネクタ100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、コネクタ100eも他のコネクタと接続して電線を中継するコネクタを構成している。
図9に示すコネクタ100eは、樹脂モールド1内に配線2および配線3をそれぞれ配置して、配線2にコンデンサ4の一方の電極4aを、配線3にコンデンサ5の一方の電極5aをそれぞれ電気的に接続している。なお、図示していないが、配線2とコンデンサ4の一方の電極4aとの間、および配線3とコンデンサ5の一方の電極5aとの間は、導電性接着剤または半田により接続されている。そして、配線2は、支持体70に巻き付けられることでループ状に配置されコイル部2eを形成している。同様に、配線3は、支持体70に巻き付けられることでループ状に配置されコイル部3eを形成している。
支持体70は、樹脂により構成され、表面に配線をループ状に巻き付けるための図9(b)に示すように溝71が形成されている。なお、支持体70は、樹脂で形成されるが、絶縁性を有していれば何れの材料であってもよい。また、支持体70は、樹脂モールド1内でコイル部を形成する位置に固定されている。なお、支持体70は、樹脂モールド1と一体として成形されても、別体として形成され樹脂モールド1に固定されてもよい。
コネクタ100eは、樹脂モールド1内に支持体70を設けることで、コイル部2eとコイル部3eとの位置合わせが容易になり、製造時の作業性が向上する。さらに、支持体70の表面には溝71が予め形成してあるので、当該溝71に配線2,3を添わせることでコイル部2e,3eを形成することができる。そのため、コイル部2e,3eは、ループ状に巻き付けた配線2,3間の距離が一定となるように固定でき、インダクタンスの値がばらつくことなく安定し、より精度の高いフィルタ回路30e,40eを構成することができる。
なお、支持体70の表面に形成される溝71は、図9(b)に示すように配線2,3の半分を埋め込むことができる程度の深さである。しかし、溝71の深さは、これに限定されず、配線を沿わせることができれば配線2,3の一部が埋め込むことができる程度の深さであっても、配線2,3を全部埋め込むことができる程度の深さであってもよい。
以上のように、本発明の実施の形態5に係るコネクタ100eは、配線2,3の各々の少なくとも一部をループ状に巻き付けるための溝71が形成された支持体70をさらに備える。そのため、コネクタ100eは、コイル部2e,3eの位置合わせが容易となり、製造時の作業性が向上するとともに、配線2,3間の距離が一定となるように固定でき、より精度の高いフィルタ回路30e,40eを構成することができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態5では、図9(a)に示すようにコイル部2eが配置される面とコイル部3eが配置される面とが同一の平面に位置するように形成した構成について説明した。本発明の実施の形態6では、一方のコイル部が配置される面と他方のコイル部が配置される面とが対向するように形成した構成について説明する。図10は、本発明の実施の形態6に係るコネクタ100fの平面図および側面図である。図10(a)がコネクタ100fの平面図および図10(b)がコネクタ100fの側面図をそれぞれ示している。なお、コネクタ100fにおいて、図1に示すコネクタ100と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、コネクタ100fも他のコネクタと接続して電線を中継するコネクタを構成している。
図10に示すコネクタ100fは、樹脂モールド1内に配線2および配線3をそれぞれ配置して、配線2にコンデンサ4の一方の電極4aを、接続板85を介して電気的に接続し、配線3にコンデンサ5の一方の電極5aを、接続板85を介して電気的に接続している。なお、接続板85は、金属板で形成されるが、電導性を有していれば何れの材料であってもよい。そして、配線2は、支持体80の一端に巻き付けられることでループ状に配置されコイル部2fを形成している。同様に、配線3は、支持体80の他端に巻き付けられることでループ状に配置されコイル部3fを形成している。
支持体80は、樹脂により構成され、図10(b)に示すように側面から見た形状がT字形状である。なお、支持体80は、樹脂で形成されるが、絶縁性を有していれば何れの材料であってもよい。支持体80は、T字形状の一端に配線2をループ状に巻き付けるための溝81が形成され、T字形状の他端に配線3をループ状に巻き付けるための溝81が形成されている。また、コイル部2fとコイル部3fとは、1つの支持体80の一端と他端とに形成されている。つまり、コイル部2fが配置される面とコイル部3fが配置される面とが対向する位置となるように、樹脂モールド1内の支持体80で固定している。なお、一体の支持体80にコイル部2fとコイル部3fとを形成する場合に限られず、コイル部2fが配置される面とコイル部3fが配置される面とが対向する位置に配置できれば、コイル部2fを形成する支持体と、コイル部3fを形成する支持体とが別体であってよい。さらに、支持体80は、樹脂モールド1と一体として成形されても、別体として形成され樹脂モールド1に固定されてもよい。
コイル部2fとコイル部3fとの位置関係は、図10(b)に示すようにコイル部2fが配置される面とコイル部3fが配置される面とが完全に対向する位置が好ましい。しかし、コイル部2fとコイル部3fとの位置関係は、コイル部2fが配置される面とコイル部3fが配置される面とが一部対向する位置であってもよい。
以上のように、本発明の実施の形態6に係るコネクタ100fは、フィルタ部30fのコイル部2fが配置される面が、フィルタ部40fのコイル部3fが配置される面と対向する位置にある。そのため、コネクタ100fは、コイル部2fとコイル部3fとを同一の平面に位置するように形成した場合に比べて、コイルの巻き方向の空間を有効に利用して小型化することができる。特に、コイル部2fおよびコイル部3fのコイル径が大きくなった場合、コイル部2fとコイル部3fとを同一の平面に位置するように形成したのでは、コネクタが大型化する。しかし、コネクタ100fのように、フィルタ部30fのコイル部2fが配置される面が、フィルタ部40fのコイル部3fが配置される面と対向する位置に形成することで、コイル径が大きくなったとしても比較的に小型化することができる。
なお、コネクタ100fでは、支持体80に配線2,3を巻き付けることでコイル部2f,3fを形成したが、コイル部2fが配置される面が、コイル部3fが配置される面と対向する位置に形成されていれば、支持体80はなくてもよい。つまり、配線2,3をループ状に配置することでコイル部を形成し、一方のコイル部が配置される面と他方のコイル部が配置される面とが対向するように形成する。
(実施の形態7)
本発明の実施の形態1〜6では、電線を中継するコネクタにフィルタ回路が設けられた構成として説明したが、フィルタ回路自体の構成であってもよい。本発明の実施の形態7では、特に、フィルタ回路を構成するキャパシタンス素子がチップコンデンサではなく、リード線付きのキャパシタンス素子であるフィルタ回路の構成について説明する。図11は、本発明の実施の形態7に係るフィルタ回路200の概略図である。なお、フィルタ回路200において、図1に示すコネクタ100においてフィルタ回路を構成しているフィルタ部30,40と同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、フィルタ回路200も、他のコネクタと接続して電線を中継するコネクタに内蔵されてもよい。
図11に示すフィルタ回路200では、配線2を支持体90の一端に巻き付けることでループ状のコイル部2gを形成し、配線3を支持体90の他端に巻き付けることでループ状のコイル部3gを形成している。コイル部2gを形成している配線2に、リード線付きのコンデンサ45を電気的に接続する。具体的に、コンデンサ45の一方のリード線45aを、コイル部2gの部分の配線2に電気的に接続する。同様に、コイル部3gを形成している配線3に、リード線付きのコンデンサ55を電気的に接続する。具体的に、コンデンサ55の一方のリード線55aを、コイル部3gの部分の配線3に電気的に接続する。なお、コンデンサ45の他方のリード線45bおよびコンデンサ55の他方のリード線55bは、それぞれ接地電極GNDに電気的に接続している。
支持体90は、樹脂により構成され、図11に示すように側面から見た形状がI字形状である。なお、支持体90は、樹脂で形成されるが、絶縁性を有していれば何れの材料であってもよい。支持体90は、I字形状の一端に配線2をループ状に巻き付けるための溝91が形成され、I字形状の他端に配線3をループ状に巻き付けるための溝91が形成されている。また、コイル部2gとコイル部3gとは、1つの支持体90の一端と他端とに形成されている。つまり、コイル部2gが配置される面とコイル部3gが配置される面とが対向する位置となるように、支持体90が固定されている。なお、一体の支持体90にコイル部2gとコイル部3gとを形成する場合に限られず、コイル部2gを形成する支持体90と、コイル部3gを形成する支持体90とを別体として図9(b)のようにコイル部2gとコイル部3gとを同一の平面に位置するように形成してもよい。
以上のように、本発明の実施の形態7に係るフィルタ回路200は、ループ状のコイル部2g,3gにそれぞれリード線付きのコンデンサ45,55を電気的に接続している。そのため、フィルタ回路200は、実施の形態1で説明したように、共通の寄生インダクタンスを小さくし、コンデンサ45,55およびリード線の寄生インダクタンスを打ち消して高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
なお、フィルタ回路200では、支持体90に配線2,3を巻き付けることでコイル部2g,3gを形成したが、配線2,3の途中にコイル部2g,3gが形成されていれば、支持体90はなくてもよい。つまり、配線2,3をループ状に配置することでコイル部2g,3gを形成してもよい。
(変形例)
本発明の実施の形態1〜7で説明した構成の変形例について以下に説明する。
(1)図1に示すフィルタ部30,40に形成されるコイル部2a,3aは、配線2,3をループ状に配置した各々1つのコイルであると説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、配線をループ状に配置したコイルを各々複数設けて、複数のコイル部を構成してもよい。なお、図8に示すフィルタ部30d,40dに形成されるコイル部2b,3bも、複数のコイル部を構成してもよい。
(2)図1に示すコネクタ100は、コイル部2a,3aやコンデンサ4,5を樹脂モールド1で覆う構成であると説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、コネクタ100は、樹脂モールドで覆わずに基板上にコイル部2a,3aやコンデンサ4,5を配置しただけの構成でもよい。なお、同様に図6に示すコネクタ100a、図7に示すコネクタ100b,100cおよび図8に示すコネクタ100dも、樹脂モールドで覆わずに基板上にコイル部やコンデンサを配置しただけの構成でもよい。
(3)コンデンサ4,5は、チップコンデンサであると説明したが、BaTiO3(チタン酸バリウム)を主成分とした積層セラミックコンデンサや、他の材料を主成分とした積層セラミックコンデンサでもよい。さらに、コンデンサ4,5は、積層セラミックコンデンサに限定されるものではなく、例えばアルミ電解コンデンサなどの他の種類のコンデンサでもよい。
(4)コネクタ100,100a〜dは、2本の電線同士を接続して、中継するコネクタであると説明したが。3本以上の電線同士を接続して、中継するコネクタにも同様に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 樹脂モールド、2,3,8a,8b 配線、2a,2b,3a,3b コイル部、4,5 コンデンサ、4a,4b,5a,5b 電極、6,7 金属端子、8c 樹脂、10,20 接続部、10a,20a,100,100a〜d コネクタ、30,30d,40,40b〜d フィルタ部。

Claims (14)

  1. 2本の電線の途中に設けられるフィルタ回路であって、
    前記2本の電線のうちの第1電線の途中に設けられる第1フィルタ部と、
    前記2本の電線のうちの第2電線の途中に設けられる第2フィルタ部とを備え、
    前記第1フィルタ部は、
    第1キャパシタンス素子と、
    両端の各々が前記第1電線に電気的に接続されると共に、前記第1キャパシタンス素子に形成された第1電極に電気的に接続された第1配線と、
    前記第1キャパシタンス素子に形成された第2電極に電気的に接続された第2配線とを備え、
    前記第2フィルタ部は、
    第2キャパシタンス素子と、
    両端の各々が前記第2電線に電気的に接続されると共に、前記第2キャパシタンス素子に形成された第3電極に電気的に接続された第3配線と、
    前記第2キャパシタンス素子に形成された第4電極に電気的に接続された第4配線とを備え、
    前記第1配線および前記第3配線の各々は、少なくとも1つのコイル部を有し、
    前記第2配線および前記第4配線は、前記第2配線と前記第4配線との距離が予め定められた距離以上となる位置で各々固定され、接地電極に電気的に接続される、フィルタ回路。
  2. 前記第2配線および前記第4配線の各々は、金属板で形成され、前記第2配線と前記第4配線との距離が予め定められた距離以上となる位置で各々固定されている、請求項1に記載のフィルタ回路。
  3. 前記第2配線および前記第4配線は、前記第2配線と前記第4配線との距離が予め定められた距離以上となる位置に絶縁素材で固定されている、請求項1に記載のフィルタ回路。
  4. 前記第1フィルタ部において前記第2電極が形成されている側は、前記第2フィルタ部において前記第4電極が形成されている側と同じ側である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ回路。
  5. 前記第1フィルタ部において前記第2電極が形成されている側は、前記第2フィルタ部において前記第4電極が形成されている側と反対側である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ回路。
  6. 前記第1フィルタ部および前記第2フィルタ部は、前記第2電極と前記第4電極とを結ぶ直線が前記第1配線および前記第3配線の長手方向に対して直交以外の位置になるように配置されている、請求項4または請求項5に記載のフィルタ回路。
  7. 前記第1フィルタ部の前記コイル部が配置される面は、前記第2フィルタ部の前記コイル部が配置される面と対向する位置にある、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ回路。
  8. 前記第1配線および前記第3配線の各々の少なくとも一部が、ループ状に配置されることで前記コイル部を構成している、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のフィルタ回路。
  9. 前記第1配線および前記第3配線の各々の少なくとも一部をループ状に巻き付けるための溝が形成された支持体をさらに備える、請求項8に記載のフィルタ回路。
  10. 前記コイル部を構成する前記第1配線および前記第3配線の各々の少なくとも一部は、各々の配線がツイストしている、請求項8または請求項9に記載のフィルタ回路。
  11. 前記第1配線および前記第3配線は、被覆線である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のフィルタ回路。
  12. 前記第2配線と前記第4配線との距離は、5mm以上を確保する、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のフィルタ回路。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の前記フィルタ回路を含む、中継型のコネクタ。
  14. 電線を中継するコネクタであって、
    2本の電線と電気的に接続するための第1接続部と、
    前記第1接続部と異なる側の前記2本の電線と電気的に接続するための第2接続部と、
    前記2本の電線のうちの第1電線と電気的に接続される第1フィルタ部と、
    前記2本の電線のうちの第2電線と電気的に接続される第2フィルタ部とを備え、
    前記第1フィルタ部は、
    第1キャパシタンス素子と、
    両端の各々が前記第1電線に電気的に接続されると共に、前記第1キャパシタンス素子に形成された第1電極に電気的に接続された第1配線と、
    前記第1キャパシタンス素子に形成された第2電極に電気的に接続された第2配線とを備え、
    前記第2フィルタ部は、
    第2キャパシタンス素子と、
    両端の各々が前記第2電線に電気的に接続されると共に、前記第2キャパシタンス素子に形成された第3電極に電気的に接続された第3配線と、
    前記第2キャパシタンス素子に形成された第4電極に電気的に接続された第4配線とを備え、
    前記第1配線および前記第3配線の各々は、少なくとも1つのコイル部を有し、
    前記第2配線および前記第4配線は、前記第2配線と前記第4配線との距離が予め定められた距離以上となる位置で各々固定され、接地電極に電気的に接続される、コネクタ。
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