JPWO2017203609A1 - 破断検知装置 - Google Patents

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Abstract

破断検知装置は、センサと記憶部(20)と破断判定部(24)とを備える。センサは、例えば、エレベータの主ロープ(4)に振動が発生すると、出力信号が変動する。センサからの出力信号は、例えば、巻上機(11)からのトルク信号である。記憶部(20)は、センサからの出力信号の変動をエレベータのかご(1)の位置に紐付けて記憶する。破断判定部(24)は、かご(1)の位置とセンサからの出力信号の変動の推移とに基づいて、主ロープ(4)に破断部(4c)が存在するか否かを判定する。

Description

この発明は、ロープに発生した素線の破断或いはストランドの破断を検知するための装置に関する。
エレベータ装置には種々のロープが使用される。例えば、エレベータのかごは、主ロープによって昇降路に吊り下げられる。主ロープは、巻上機の駆動綱車といった滑車に巻き掛けられる。主ロープは、かごの移動によって繰り返し曲げられるため、次第に劣化する。主ロープが劣化すると、主ロープを構成する素線が破断する。多数の素線が破断すると、素線が縒り合わされたストランドが破断することもある。また、素線の破断或いはストランドの破断は、主ロープと滑車との間に異物が噛み込まれることによっても発生する。
破断した素線或いはストランドは、主ロープの表面から突出する。このため、素線或いはストランドが破断した状態でエレベータの運転が行われると、破断した素線或いはストランドが昇降路に設けられた機器に接触する。
特許文献1及び2に、エレベータ装置が記載されている。特許文献1に記載されたエレベータ装置では、巻上機の駆動綱車にロープガイドが設けられる。また、ロープガイドの振動がセンサによって検知される。センサが検知した振動に基づいて、素線或いはストランドが破断したことが検知される。
特許文献2に記載されたエレベータ装置では、かごに加速度計が設けられる。加速度計が検知した加速度に基づいて、素線或いはストランドが破断したことが検知される。
日本特許第5203339号公報 日本特開平10−81462号公報
エレベータ装置では、各滑車に対し、主ロープが通過する範囲が予め決まっている。例えば、主ロープのうち、ある範囲の部分が駆動綱車を通過する。駆動綱車を通過する部分がつり合いおもりの吊り車を通過するとは限らない。このため、特許文献1に記載されたセンサを用いて素線の破断或いはストランドの破断を検出しようとすると、主ロープが巻き掛けられる各滑車の位置にセンサを取り付ける必要がある。例えば、つり合いおもりの吊り車の位置にセンサを取り付ける場合は、つり合いおもりから制御装置の間に信号線を敷設しなければならない。多数のセンサが必要になるとともに各センサから信号線を引き出さなければならず、構成が複雑になるといった問題があった。特に、多くの滑車が使用される2:1ローピング方式のエレベータ装置では、このような問題が顕著になる。
特許文献2に記載されたエレベータ装置では、加速度計が検知した突発的な加速度から素線の破断或いはストランドの破断を検知する。しかし、加速度計が突発的な加速度を検知するのは、素線の破断或いはストランドの破断が発生した時だけではない。例えば、レールに塗布された油が枯渇してくると、かごがレールの継目を通過する際にかごが僅かに揺れる。特許文献2に記載されたエレベータ装置では、このような事象も素線の破断或いはストランドの破断として検知され得る。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、簡単な構成によって素線或いはストランドの破断の発生を精度良く検知できる破断検知装置を提供することである。
この発明に係る破断検知装置は、エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、かごの位置とセンサからの出力信号の変動の推移とに基づいてロープに破断部が存在するか否かを判定する破断判定手段と、を備える。
また、この発明に係る破断検知装置は、エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、センサからの出力信号の変動が第1閾値を超えた時のかごの位置の再現性と第1閾値より大きい第2閾値を超えた時のかごの位置の再現性とに基づいてロープに破断部が存在するか否かを判定する破断判定手段と、を備える。
この発明に係る破断検知装置は、センサと記憶手段と破断判定手段とを備える。センサは、ロープに振動が発生すると、出力信号が変動する。センサからの出力信号の変動は、かごの位置に紐付けて記憶手段に記憶される。破断判定手段は、記憶手段に記憶された内容に基づいてロープに破断部が存在するか否かを判定する。この発明に係る破断検知装置であれば、簡単な構成によって素線或いはストランドの破断の発生を精度良く検知できる。
エレベータ装置を模式的に示す図である。 返し車を示す斜視図である。 返し車の断面を示す図である。 主ロープの破断部が移動する様子を説明するための図である。 主ロープの破断部が移動する様子を説明するための図である。 主ロープの破断部が移動する様子を説明するための図である。 センサ信号の出力を示す図である。 センサ信号の出力を示す図である。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の例を示す図である。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の詳細な動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の詳細な動作例を示すフローチャートである。 破断部が外れ止めに接触した状態を示す図である。 異常変動検出部の機能の一例を説明するための図である。 再現性判定部の機能の一例を説明するための図である。 再現性判定部の機能の一例を説明するための図である。 エレベータ装置を模式的に示す図である。 センサ信号の出力を示す図である。 センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。 センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。 図19及び図20を組み合わせて3次元的に示す図である。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の他の動作例を示すフローチャートである。 センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。 センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の他の動作例を示すフローチャートである。 センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の他の動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における破断検知装置の他の動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における破断検知装置の動作例を示すフローチャートである。 異常変動検出部の機能の一例を説明するための図である。 複数のセンサ信号を用いることの利点を説明するための図である。 制御装置のハードウェア構成を示す図である。
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
実施の形態1.
図1は、エレベータ装置を模式的に示す図である。かご1は、昇降路2を上下に移動する。昇降路2は、例えば建物内に形成された上下に延びる空間である。つり合いおもり3は、昇降路2を上下に移動する。かご1及びつり合いおもり3は、主ロープ4によって昇降路2に吊り下げられる。かご1及びつり合いおもり3を吊り下げるためのローピングの方式は、図1に示す例に限定されない。例えば、かご1及びつり合いおもり3を1:1ローピングで昇降路2に吊り下げても良い。以下においては、かご1及びつり合いおもり3を2:1ローピングで吊り下げる例について具体的に説明する。
主ロープ4は、一方の端部4aが昇降路2の固定体に支持される。端部4aは、主ロープ4の端部のうち、かご1に近い方の端部である。例えば、主ロープ4の端部4aは、昇降路2の頂部に設けられた固定体に支持される。主ロープ4は、端部4aから下方に延びる。主ロープ4は、端部4a側から吊り車5、吊り車6、返し車7、駆動綱車8、返し車9及び吊り車10に順次巻き掛けられる。主ロープ4は、吊り車10に巻き掛けられた部分から上方に延びる。主ロープ4は、他方の端部4bが昇降路2の固定体に支持される。端部4bは、主ロープ4の端部のうち、つり合いおもり3に近い方の端部である。例えば、主ロープ4の端部4bは、昇降路2の頂部に設けられた固定体に支持される。
吊り車5及び吊り車6は、かご1に備えられる。吊り車5及び吊り車6は、例えばかご床の下部に設けられる。吊り車5及び吊り車6は、かご床に対して回転可能である。返し車7及び返し車9は、例えば昇降路2の頂部の固定体に設けられる。返し車7及び返し車9は、昇降路2の頂部の固定体に対して回転可能である。駆動綱車8は、巻上機11に備えられる。巻上機11は、例えば昇降路2のピットに設けられる。吊り車10は、つり合いおもり3に備えられる。吊り車10は、例えばおもりを支持する枠の上部に設けられる。吊り車10は、その枠に対して回転可能である。
主ロープ4が巻き掛けられる滑車の配置は、図1に示す例に限定されない。例えば、駆動綱車8は、昇降路2の頂部又は昇降路2の上方の機械室(図示せず)に配置されても良い。
秤装置12は、かご1の積載荷重を検出する。秤装置12は、例えば主ロープ4の端部4aに掛かる荷重に基づいて、かご1の積載荷重を検出する。秤装置12は、検出した荷重に応じた秤信号を出力する。秤装置12から出力された秤信号は、制御装置13に入力される。
巻上機11は、トルクを検出する機能を有する。巻上機11は、検出したトルクに応じたトルク信号を出力する。巻上機11から出力されたトルク信号は、制御装置13に入力される。
調速機15は、かご1の下降速度が基準速度を超えると、非常止め(図示せず)を動作させる。非常止めは、かご1に備えられる。非常止めが動作すると、かご1が強制的に停止される。調速機15は、例えば調速ロープ16、調速綱車17及びエンコーダ18を備える。調速ロープ16は、調速綱車17に巻き掛けられる。かご1が移動すると、調速ロープ16が移動する。調速ロープ16が移動すると、調速綱車17が回転する。エンコーダ18は、調速綱車17の回転方向及び回転角度に応じた回転信号を出力する。エンコーダ18から出力された回転信号、即ち調速機15からのエンコーダ信号は、制御装置13に入力される。エンコーダ18は、かご1の位置に応じた信号を出力するセンサの一例である。
図2は、返し車9を示す斜視図である。図3は、返し車9の断面を示す図である。返し車9を支持する部材に外れ止め19が設けられる。図2及び図3は、返し車9の軸9aに外れ止め19が設けられる例を示す。外れ止め19は、返し車9の溝から主ロープ4が外れることを防止する。外れ止め19は、例えば、主ロープ4のうち返し車9の溝に巻き掛けられた部分に隙間を空けて対向する。主ロープ4に異常が発生していなければ、主ロープ4は、外れ止め19に接触しない。
図2及び図3は、主ロープ4の表面から破断部4cが突出する例を示す。破断部4cは、主ロープ4を構成する素線が破断した部分である。破断部4cは、素線が縒り合されたストランドが破断した部分であっても良い。かご1が移動すると、破断部4cは返し車9を通過する際に外れ止め19に接触する。
図2及び図3は、主ロープ4が巻き掛けられた滑車の一例として返し車9を示す。吊り車5、吊り車6、返し車7、駆動綱車8及び吊り車10に、外れ止め19と同様の機能を有する外れ止めが設けられても良い。
図4から図6は、主ロープ4の破断部4cが移動する様子を説明するための図である。図4は、かご1が最下階の乗場に停止している状態を示す。図4に示す例では、主ロープ4のうち端部4aから吊り車5に巻き掛けられた部分の間に破断部4cが存在する。
図6は、かご1が最上階の乗場に停止している状態を示す。図6に示す例では、主ロープ4のうち返し車7に巻き掛けられた部分から駆動綱車8に巻き掛けられた部分の間に破断部4cが存在する。即ち、かご1が最下階の乗場から最上階の乗場に移動すると、破断部4cは、吊り車5、吊り車6及び返し車7を順次通過する。かご1が最下階の乗場から最上階の乗場に移動しても、破断部4cは、駆動綱車8、返し車9及び吊り車10を通過しない。即ち、破断部4cは全ての滑車を通過するとは限らない。破断部4cが通過する滑車の組み合わせは、破断部4cが発生した位置等によって決まる。
図5は、かご1が最下階の乗場から最上階の乗場に移動する途中の状態を示す。具体的に、図5は、破断部4cが吊り車5を通過している時の状態を示す。破断部4cは、吊り車5を通過する際に、吊り車5に設けられた外れ止めに接触する。
図7及び図8は、センサ信号の出力を示す図である。図7(a)及び図8(a)は、かご1の位置を示す。本実施の形態で示す例では、かご1の位置はかご1が存在する高さと同義である。図7(a)及び図8(a)は、かご1が最下階(位置0)から位置Pに移動した後に最下階に戻った時のかご位置の変化を示す。図7(a)及び図8(a)に示す波形は、例えばエンコーダ18からの回転信号に基づいて取得される。
図7(b)及び図8(b)は、巻上機11のトルクを示す。図7(b)及び図8(b)に示す波形は、例えば巻上機11から出力されたトルク信号の波形である。図7(b)及び図8(b)は、かご1が最下階及び位置Pの間を移動する際の最大トルクがTq1、最小トルクが−Tq2である例を示す。図7(c)及び図8(c)は、かご1の積載荷重を示す。図7(c)及び図8(c)に示す波形は、例えば秤装置12から出力された秤信号の波形である。図7(c)及び図8(c)は、かご1の積載荷重がw[kg]である例を示す。
図7は、主ロープ4に破断部4cが存在していない場合に得られる波形の例を示す。図8は、主ロープ4に破断部4cが存在し、かご1が位置Pを通過する時に破断部4cがある滑車を通過する場合に得られる波形の例を示す。破断部4cは、滑車を通過する際に外れ止めに接触する。これにより、破断部4cが滑車を通過する際に主ロープ4に振動が発生する。主ロープ4の端部4aが変位すると、秤装置12から出力される秤信号が影響を受ける。主ロープ4に振動が発生し、発生した振動が主ロープ4の端部4aに到達すると、秤装置12からの秤信号に変動が生じる。同様に、主ロープ4のうち駆動綱車8に巻き掛けられた部分が変位すると、巻上機11から出力されるトルク信号が影響を受ける。主ロープ4に振動が発生し、発生した振動が主ロープ4の当該部分に到達すると、巻上機11からのトルク信号に変動が生じる。
図9は、この発明の実施の形態1における破断検知装置の例を示す図である。図10は、この発明の実施の形態1における破断検知装置の動作例を示すフローチャートである。制御装置13は、例えば記憶部20、かご位置検出部21、異常変動検出部22、再現性判定部23、破断判定部24、動作制御部25及び通報部26を備える。
以下に、図11から図21も参照し、破断検知装置の機能及び動作について具体的に説明する。図11及び図12は、この発明の実施の形態1における破断検知装置の詳細な動作例を示すフローチャートである。図12は、図11の後に続く動作フローを示す。即ち、図11と図12とによって一連の動作フローが示される。
異常変動検出部22は、センサ信号の変動を検出する(S101)。本実施の形態に示す例では、例えば秤信号及びトルク信号をセンサ信号として採用できる。また、本実施の形態に示す例以外では、例えば、かご1に設けられた加速度計(図示せず)からの加速度信号をセンサ信号として採用できる。即ち、主ロープ4に振動が発生すると、秤信号及びトルク信号と同様に加速度信号も変動する。以下においては、センサ信号としてトルク信号を採用する例について詳しく述べる。異常変動検出部22は、S101において、トルク信号に発生した変動を検出する。
図13は、破断部4cが外れ止め19に接触した状態を示す図である。かご1が移動してある位置に達すると、図13に示すように破断部4cが外れ止め19に接触する。破断部4cは、外れ止め19に接触した後、主ロープ4の移動に伴って外れ止め19に擦れながら変形する。その後、破断部4cは、外れ止め19から外れる。
破断部4cと外れ止め19との接触は、エレベータに対する強制外乱として作用する。例えば、破断部4cが外れ止め19に接触すると、巻上機11からのトルク信号に異常な変動が現れる。この異常変動は、破断部4cの長さと主ロープ4の移動速度とに応じた固有の周波数帯域の成分を持つ。破断部4cの長さをd[m]、主ロープ4の移動速度をv[m/s]とすると、異常変動(振動)の周波数f[Hz]は次式で表すことができる。
f=v/d ……(1)
図14は、異常変動検出部22の機能の一例を説明するための図である。異常変動検出部22は、例えば、バンドパスフィルタ27、増幅器28及び判定器29を備える。記載を簡略化するため、図面等ではバンドパスフィルタのことをBPFとも表記する。上述したように、破断部4cが外れ止め19に接触すると、巻上機11からのトルク信号に異常な変動が現れる。しかし、この変動は、振幅が小さいことがある。このため、本実施の形態に示す例では、信号を増幅するための増幅器28が異常変動検出部22に備えられている。
異常変動検出部22は、先ず、入力されたトルク信号に対してフィルタ処理を行う(S111)。例えば、バンドパスフィルタ27は、特徴周波数の帯域の信号成分を抽出する。特徴周波数の帯域の信号成分とは、主ロープ4に存在する破断部4cが主ロープ4用の外れ止めに接触することによって発生する信号成分である。この特徴周波数には、上記式(1)から算出される周波数fが含まれる。なお、長さdは、主ロープ4に発生する破断部4cの長さとして設定された値である。破断部4cの長さは、例えば、0.5ピッチ〜数ピッチ分のストランドが解けた時のその解けたストランドの長さとして設定される。主ロープ4の移動速度vは、かご1の移動速度に応じて決まる。例えば、かご1の定格速度から主ロープ4の移動速度vを算出することができる。
増幅器28は、バンドパスフィルタ27からの出力信号uを2乗し、信号を増幅する。本実施の形態では、特徴周波数の帯域の信号成分を抽出及び増幅したものをバンドパスフィルタ出力或いはフィルタ出力と呼ぶ。即ち、本実施の形態に示す例では、増幅器28からの出力信号Y(=u)がバンドパスフィルタ出力である。本実施の形態に示す例では、バンドパスフィルタ出力の符号は正となる。異常変動検出部22が増幅器28を備えていない場合は、バンドパスフィルタ27からの出力信号uがバンドパスフィルタ出力である。
図14に示す異常変動検出部22は一例である。異常変動検出部22は、特徴周波数の帯域の信号成分を抽出するために非線形フィルタを備えても良い。異常変動検出部22に適応フィルタのアルゴリズムを適用し、特徴周波数の帯域の信号成分を抽出しても良い。
判定器29は、トルク信号の変動、即ち増幅器28からの出力信号Yが閾値TH1を超えているか否かを判定する(S112)。出力信号Yと比較される閾値TH1は、例えば記憶部20に予め記憶される。出力信号Yが閾値TH1を超えていないと判定器29が判定すると、動作制御部25は通常運転を制御する(S127)。
かご位置検出部21は、かご1の位置を検出する。かご位置検出部21は、例えば、エンコーダ18から出力された回転信号に基づいて、かご1の位置を検出する。なお、かご位置検出部21が位置を検出する方法は、本実施の形態で示す例に限定されない。例えば、巻上機11はエンコーダを備える。巻上機11に備えられたエンコーダもかご1の位置に応じた信号を出力するセンサの一例である。かご位置検出部21は、巻上機11からのエンコーダ信号に基づいてかご1の位置を検出しても良い。また、かご1の位置を検出する機能を調速機15が備えても良い。かご1の位置を検出する機能を巻上機11が備えても良い。かかる場合、制御装置13には、かご1の位置を示す信号が入力される。
出力信号Yが閾値TH1を超えているとS112で判定されると、かご位置検出部21は、かご1の位置を検出する(S113)。
異常変動検出部22は、S111で得られた出力信号Yが閾値TH1を超えていれば、S111で得られた出力信号Yとその出力信号Yが得られた時のかご1の位置Pとを記憶部20に記憶させる(S114)。記憶部20には、増幅器28からの出力信号Yとかご位置検出部21によって検出された位置Pとが紐付けて記憶される。なお、本実施の形態で示す各例では、一部の出力信号Yだけでなく、全ての出力信号Yをかご位置に紐付けて記憶部20に記憶しておくことが望ましい。
次に、異常変動検出部22は、閾値TH1を超える出力信号Yの検出が複数回目であるか否かを判定する(S115)。閾値TH1を超える出力信号Yの検出が複数回目ではない場合、異常変動検出部22は、異常変動の発生が初めてであると判定する(S116)。かかる場合、動作制御部25は通常運転を制御する(S127)。
次に、再現性判定部23は、センサ信号に生じた変動の再現性を検出する(S102)。
図15は、再現性判定部23の機能の一例を説明するための図である。図15(a)は、かご1の位置を示す。図15に示す例では、かご1は、時間t、時間t、時間t及び時間tで位置Pを通過する。図15(b)は、巻上機11のトルクを示す。図15(c)は、バンドパスフィルタ出力を示す。主ロープ4に破断部4cが存在すると、破断部4cは、かご1がある位置を通過する時に外れ止めに接触する。図15は、かご1が位置Pを通過する際に破断部4cが外れ止めに接触する例を示す。
主ロープ4に破断部4cが存在する場合、破断部4cがある外れ止めに接触する時のかご位置は同じである。このため、主ロープ4に破断部4cが存在すると、破断部4cが外れ止めに接触する位置をかご1が通過する度にそのかご位置が記憶部20に記憶される。図15に示す例であれば、時間t、時間t、時間t及び時間tにおいて位置Pが記憶部20に記憶される。このため、閾値TH1を超える出力信号Yが検出された時のかご位置に再現性があれば、主ロープ4に破断部4cが存在している可能性が高いことが分かる。
再現性判定部23は、閾値TH1を超える出力信号Yの検出が複数回目であるとS115で判定されると、出力信号Yが閾値TH1を超えた時のかご位置に再現性があるか否かを判定する(S117)。再現性判定部23は、例えば、記憶部20に記憶された複数の位置Pが同一の位置とみなすことができる場合に、S117において再現性があると判定する。例えば、記憶部20に記憶された複数の位置Pが一定の範囲に存在する場合に、それらの位置Pが同一の位置であるとみなすことができる。上記一定の範囲は、例えば、かご位置を検出する精度等を考慮して予め設定される。図15に示す例であれば、再現性判定部23は、位置Pにおいて再現性があることを判定する。
再現性判定部23は、S117において再現性があると判定すると、当該位置、即ち同一とみなすことができるその位置で出力信号Yが閾値TH1を超過した回数を記憶部20に記憶させる(S118)。図15に示す例であれば、時間tにおいて、位置Pでの閾値TH1の超過回数が2回であることが記憶部20に記憶される。
再現性判定部23は、S117において再現性がないと判定すると、閾値TH1を超える出力信号Yの検出がトルク信号にランダムに発生した変動に起因すると判定する(S119)。かかる場合、動作制御部25は通常運転を制御する(S127)。
再現性判定部23は、S117において、同一とみなすことができる位置をかご1が通過した際に出力信号Yが複数回連続して閾値TH1を超えた場合に、再現性があると判定しても良い。
図16は、再現性判定部23の機能の一例を説明するための図である。図16(a)は、かご1が位置0から位置Pの区間を走行した時に得られた最新のバンドパスフィルタ出力を示す。図16(a)に示す例では、位置P及び位置Pにおいて、増幅器28からの出力信号Yが閾値TH1を超えている。図16(b)は、かご1が同じ区間を走行した時に得られた一走行前のバンドパスフィルタ出力を示す。図16(b)に示す例では、位置P、位置P及び位置Pにおいて、出力信号Yが閾値TH1を超えている。
例えば、同一とみなすことができる位置をかご1が通過した際に出力信号Yが2回連続で閾値TH1を超えている場合にS117で再現性があると判定される例を考える。位置P及び位置Pでは、出力信号Yが2回連続して閾値TH1を超えている。かかる場合、再現性判定部23は、位置P及び位置Pにおいて再現性があることを判定する。一方、位置Pでは、図16(a)において出力信号Yが閾値TH1を超えていない。かかる場合、再現性判定部23は、位置Pにおいて再現性があるとは判定しない。図16(b)に示された位置Pでの変動は、乗客がかご1内で飛び跳ねたといった再現性のない事象に起因して発生したと判定される。
次に、破断判定部24は、破断部4cの有無を検出する(S103)。
図17は、エレベータ装置を模式的に示す図である。図17では、制御装置13及び調速機15の記載を省略している。かご1の移動は、昇降路2に設けられたガイドレールに案内される。ガイドレールは、多数のレール30を備える。ガイドレールは、複数のレール30が上下に繋げられることにより、かご1の移動範囲に亘って配置される。このため、レール30とそのレール30の直上又は直下に配置されたレール30との間には継目が存在する。
レール30に塗布された油が枯渇してくると、かご1がレール30の継目を通過する際にかご1が僅かに揺れる。主ロープ4は、吊り車5及び吊り車6に巻き掛けられているため、かご1が揺れると主ロープ4に振動が発生する。このため、かご1がレール30の継目を通過する際にセンサ信号に変動が生じることがある。また、レール30の継目に段差がある場合にもセンサ信号に変動が生じることがある。
図18は、センサ信号の出力を示す図である。図18は、かご1が位置Pでレール30の継目を通過し、センサ信号に変動が生じた例を示す。かご1がレール30の継目を通過する際にセンサ信号に変動が生じる場合、その変動が生じる時のかご位置は同じである。図18に示す例であれば、かご1が位置Pを通過する度にセンサ信号に変動が生じる。レール30の継目に起因するセンサ信号の変動は、発生時のかご位置に再現性がある点で、破断部4cに起因するセンサ信号の変動と類似する。本実施の形態では、センサ信号に生じた変動を破断部4cに起因するものとレール30の継目に起因するものとに区別する例について説明する。
図19及び図20は、センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。図19及び図20において、縦軸は、バンドパスフィルタ出力であり、センサ信号に生じた変動の振幅に対応する値を示す。横軸は、エレベータの起動回数を示す。図19及び図20の横軸は、例えばエレベータが据え付けられてからの経過時間でも良い。
図19は、かご1が位置Pを通過した時に得られた出力信号Yの推移を示す。起動回数M1では、主ロープ4に破断部4cは発生していない。図19は、起動回数がM2の時に主ロープ4に破断部4cが発生した例を示す。素線の破断及びストランドの破断は、突発的に発生する。このため、破断部4cに起因するセンサ信号の変動は突発的に発生する。主ロープ4に破断部4cが発生すると、出力信号Yの値が直前の値と比較して突然大きくなる。また、主ロープ4に破断部4cが発生すると、図19に示すように、その後も継続して出力信号Yは大きな値を示す。
図20は、かご1が位置Pを通過した時に得られた出力信号Yの推移を示す。レール30に塗布された油の量は突然変わる訳ではない。レール30に塗布された油は徐々に少なくなり、油が供給されなければ最終的に枯渇する。このため、レール30の継目に起因するセンサ信号の変動は、時間を掛けて徐々に大きくなる。図21は、図19及び図20を組み合わせて3次元的に示す図である。本実施の形態では、破断判定部24が、記憶部20に記憶された内容から、かご1の位置とセンサ信号の変動の推移とに基づいて破断部4cの存在を検出する例について説明する。
破断判定部24は、S118で閾値TH1の超過回数が記憶部20に記憶されると、S111で得られた出力信号Yが閾値TH2を超えているか否かを判定する(S120)。出力信号Yと比較される閾値TH2は、閾値TH1より大きい値である。閾値TH2は、例えば記憶部20に予め記憶される。破断判定部24は、出力信号Yが閾値TH2を超えていなければ、閾値TH1を超える出力信号Yの検出がトルク信号に発生した軽微な変動に起因すると判定する(S121)。上記軽微な変動は、例えば、かご1がレール30の継目を通過することによって発生する。かかる場合、動作制御部25は通常運転を制御する(S127)。
破断判定部24は、出力信号Yが閾値TH2を超えていれば、当該位置で出力信号Yが閾値TH2を超過した回数を記憶部20に記憶させる(S122)。次に、破断判定部24は、S122で記憶部20に記憶された閾値TH2の超過回数が複数回であるか否かを判定する(S123)。破断判定部24は、S123において超過回数が複数回であると判定すると、主ロープ4に破断部4cが発生していると判定する(S124)。かかる場合、動作制御部25は、かご1を最寄り階に停止させる。また、通報部26は、エレベータの管理会社に通報を行う(S125)。
破断判定部24は、S123において超過回数が複数回ではないと判定すると、閾値TH2の超過が初めてであるため、破断部4cの有無の判定を保留する(S126)。かかる場合、動作制御部25は通常運転を制御する(S127)。
破断判定部24は、S123において、閾値TH2の超過回数が規定回数に達したか否かを判定しても良い。かかる場合、破断判定部24は、閾値TH2の超過回数が規定回数に達していれば、主ロープ4に破断部4cが発生していると判定する(S124)。一方、破断判定部24は、閾値TH2の超過回数が規定回数に達していなければ、破断部4cの有無の判定を保留する(S126)。上記規定回数は、例えば3回以上の回数に設定される。
本実施の形態に示す破断検知装置では、主ロープ4に振動が発生した際に出力信号が変動するセンサを利用して、破断部4cの存在を検出する。センサ信号として、例えばトルク信号或いは秤信号を利用できる。このため、本実施の形態に示す破断検知装置であれば、破断部4cの有無を判定するために専用のセンサを備える必要がない。また、少なくとも1つのセンサがあれば、破断部4cの存在を検出できる。破断部4cの有無を判定するために多数のセンサを備える必要がない。このため、構成を簡素化できる。
本実施の形態に示す破断検知装置では、破断判定部24は、かご1の位置とセンサ信号の変動の推移とに基づいて破断部4cの有無を判定する。本実施の形態に示す破断検知装置であれば、センサ信号に発生した変動が破断部4cに起因するものであるのかレール30の継目に起因するものであるのかを区別することができる。このため、破断部4cの検出精度が向上する。
具体的に、上記例では、破断判定部24は、センサ信号の変動が閾値TH1を超えた時のかご位置の再現性と閾値TH2を超えた時のかご位置の再現性とに基づいて破断部4cの有無を判定する。図24に示すように、レール30の継目に起因するセンサ信号の変動は、時間を掛けて徐々に大きくなる。このため、破断判定部24は、センサ信号の変動が閾値TH1を超えた時のかご位置に再現性がある場合でも、センサ信号の変動が閾値TH2を超えていなければ、主ロープ4に破断部4cが存在することを判定しない。破断判定部24は、例えば、その変動がレール30の継目を通過したことに起因すると判定する。2つの閾値TH1及びTH2を採用することにより、センサ信号に発生した変動が破断部4cに起因するものであるのかレール30の継目に起因するものであるのかを区別することができる。
閾値TH1及びTH2は、学習運転を行うことによって設定しても良い。かかる場合、例えば、制御装置13は、閾値設定部(図示せず)を備える。閾値設定部は、例えば、学習運転時のセンサ信号の変動に基づいて、閾値TH1及びTH2を設定する。
学習運転は、例えばエレベータの据え付け完了時に行われる。学習運転では、例えば、かご1を最下階から最上階に移動させる。そして、その時に取得したトルク信号に対してフィルタ処理を行う。例えば、閾値設定部は、学習運転で取得されたセンサ信号の変動の最大値の定数倍を閾値TH1に設定し、その値より大きい値を閾値TH2に設定する。閾値設定部は、センサ信号の変動の最大値の定数倍を閾値TH2に設定し、その値より小さい値を閾値TH1に設定しても良い。
巻上機11からのトルク信号は、経年変化によってエレベータの据え付け後に変動する。このため、閾値TH1及びTH2を定期的に更新しても良い。閾値TH1及びTH2の更新は短い間隔で行われることが望ましい。例えば、エレベータの運行状況を考慮し、夜間等の利用者が少ない時間帯に学習運転を実施する。利用者を目的階に運ぶ通常運転の速度と同じ速度で学習運転を行えば、通常運転中に破断部4cの発生を検知することが可能である。エレベータ保守員による定期的な検査を不要にすることができる。
図22は、この発明の実施の形態1における破断検知装置の他の動作例を示すフローチャートである。図22は、図11の後に続く動作フローを示す。即ち、図11と図22とによって一連の動作フローが示される。図22のS120からS127に示す動作は、本実施の形態で開示した上記動作と同様である。図22に示す動作は、S122とS123との間にS128がある点において図12に示す動作と相違する。
図23及び図24は、センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。図23及び図24において、縦軸は、バンドパスフィルタ出力であり、センサ信号に生じた変動の振幅に対応する値を示す。横軸は、エレベータの起動回数を示す。図23及び図24の横軸は、例えばエレベータが据え付けられてからの経過時間でも良い。
図23は、かご1が位置Pを通過した時に得られた出力信号Yの推移を示す。起動回数がM4になるまでの間に、主ロープ4に破断部4cは発生していない。図23は、起動回数がM5の時に主ロープ4に破断部4cが発生した例を示す。図23に示す例では、起動回数M5の時に、出力信号Yの値が直前の値と比較して突然大きくなる。
図24は、かご1が位置Pを通過した時に得られた出力信号Yの推移を示す。上述したように、レール30の継目に起因するセンサ信号の変動は、時間を掛けて徐々に大きくなる。図24に示す例では、起動回数がM4になるまでの間に、出力信号Yは閾値TH2を超えていない。しかし、起動回数がM5の時に、出力信号Yが閾値TH2を超える。図23に示す例と図24に示す例とは、起動回数がM5の時に出力信号Yが閾値TH2を初めて超える点で一致する。図22は、図23及び図24に示す例でも、センサ信号に生じた変動が破断部4cに起因するものであるのかレール30の継目に起因するものであるのかを区別することができる動作例を示す。
異常変動検出部22は、センサ信号の異常な変動を検出する(S101)。また、再現性判定部23は、センサ信号に生じる変動の再現性を検出する(S102)。
次に、破断判定部24は、破断部4cの有無を検出する(S103)。例えば、破断判定部24は、S122で閾値TH2の超過回数を記憶部20に記憶させると、当該位置で出力信号Yが閾値TH1を超過した回数が規定回数以下であるか否かを判定する(S128)。図23に示すように、主ロープ4に破断部4cが発生した場合は出力信号Yが突然大きくなる。このため、S128で超過回数が規定回数以下であると判定される場合は、主ロープ4に破断部4cが発生している可能性が高い。破断判定部24は、S128において超過回数が規定回数以下であれば、S123に示す処理に進む。
一方、図24に示すように、レール30に塗布された油が枯渇していく場合は出力信号Yが徐々に大きくなる。このため、S128において超過回数が規定回数以下ではないと判定される場合は、閾値TH2を超える出力信号Yの検出が軽微な変動に起因すると判定できる。破断判定部24は、S128において超過回数が規定回数以下でなければ、S121に示す処理に進む。
S128において閾値TH1の超過回数と比較される規定回数は、例えば記憶部20に予め記憶される。上記規定回数は、例えば3回以上の回数に設定される。
図22に示す動作例では、破断判定部24は、センサ信号の変動が閾値TH1を超えた時のかご位置に再現性がある場合でも、当該位置でセンサ信号の変動が閾値TH2を超える前に閾値TH1を超えた回数が規定回数より多い場合は、主ロープ4に破断部4cが存在することを判定しない。破断判定部24は、例えば、その変動がレール30の継目を通過したことに起因すると判定する。このため、破断部4cの検出精度を更に向上させることができる。
図25は、この発明の実施の形態1における破断検知装置の他の動作例を示すフローチャートである。図25は、図11の後に続く動作フローを示す。即ち、図11と図25とによって一連の動作フローが示される。図25のS120からS128に示す動作は、本実施の形態で開示した上記動作と同様である。図25に示す動作は、S128でNoと判定された後にS129がある点において図22に示す動作と相違する。
図26は、センサ信号に生じた変動の振幅の推移を示す図である。図26において、縦軸は、バンドパスフィルタ出力であり、センサ信号に生じた変動の振幅に対応する値を示す。横軸は、エレベータが据え付けられてからの経過時間を示す。図26の横軸は、エレベータの起動回数でも良い。
図26は、時間T2が経過した際に主ロープ4に破断部4cが発生した例を示す。また、図26は、かご1がレール30の継目を通過する位置で破断部4cが外れ止めに接触する例を示す。図25は、図26に示す例でも、センサ信号に生じた変動が破断部4cに起因するものであるのかレール30の継目に起因するものであるのかを区別することができる動作例を示す。
異常変動検出部22は、センサ信号の異常な変動を検出する(S101)。また、再現性判定部23は、センサ信号に生じる変動の再現性を検出する(S102)。
次に、破断判定部24は、破断部4cの有無を検出する(S103)。例えば、破断判定部24は、S122で閾値TH2の超過回数を記憶部20に記憶させると、当該位置で出力信号Yが閾値TH1を超過した回数が規定回数以下であるか否かを判定する(S128)。破断判定部24は、超過回数が規定回数以下であるとS128において判定すると、S123に示す処理に進む。
破断判定部24は、超過回数が規定回数以下ではないとS128において判定すると、当該位置での出力信号Yの最新値とその一つ前の値との差γを算出する。そして、破断判定部24は、算出した差γが基準値α以上であるか否かを判定する(S129)。図26に示すように、主ロープ4に破断部4cが発生していなければ、出力信号Yは徐々に大きくなる。このため、S129において差γが基準値α以上ではないと判定される場合は、閾値TH2を超える出力信号Yの検出が軽微な変動に起因すると判定できる。破断判定部24は、S129で差γが基準値α以上でなければ、S121に示す処理に進む。
一方、図26に示すように、主ロープ4に破断部4cが発生した場合は出力信号Yが突然大きくなる。このため、S129において差γが基準値α以上であると判定される場合は、主ロープ4に破断部4cが発生していると判定できる。破断判定部24は、S129で差γが基準値α以上であれば、S124に示す処理に進む。
図25に示す動作例では、破断判定部24は、S128においてNoであれば、差γと基準値αとの比較によって破断部4cの有無を判定する。S128においてNoと判定されるのは、センサ信号の変動が閾値TH1を超えた時のかご位置に再現性があり且つ当該位置でセンサ信号の変動が閾値TH2を超える前に閾値TH1を超えた回数が規定回数より多い場合である。破断判定部24は、差γが基準値α以上でない場合は、主ロープ4に破断部4cが存在することを判定しない。破断判定部24は、例えば、センサ信号の変動がレール30の継目を通過したことに起因すると判定する。このため、破断部4cの検出精度を更に向上させることができる。
図27及び図28は、この発明の実施の形態1における破断検知装置の他の動作例を示すフローチャートである。図27及び図28は、図11の後に続く動作フローを示す。即ち、図11、図27及び図28によって一連の動作フローが示される。図27及び図28のS120からS129に示す動作は、本実施の形態で開示した上記動作と同様である。図27及び図28に示す動作は、S129の後にS130からS132がある点において図25に示す動作と相違する。図27及び図28は、かご1がレール30の継目を通過する位置で破断部4cが外れ止めに接触する場合でも、上記区別ができる他の動作例を示す。
異常変動検出部22は、センサ信号の異常な変動を検出する(S101)。また、再現性判定部23は、センサ信号に生じる変動の再現性を検出する(S102)。
次に、破断判定部24は、破断部4cの有無を検出する(S103)。例えば、破断判定部24は、超過回数が規定回数以下ではないとS128において判定すると、差γが基準値α以上であるか否かを判定する(S129)。破断判定部24は、差γが基準値α以上であるとS129において判定すると、当該位置において基準値α以上の差γが検出されたことを記憶部20に記憶させる(S130)。かかる場合、動作制御部25は通常運転を制御する(S127)。
破断判定部24は、S129において差γが基準値α以上でなければ、当該位置において出力信号Yが閾値TH1を超えてから閾値TH2に達するまでの間に基準値α以上の差γが検出されたか否かを判定する(S131)。破断判定部24は、基準値α以上の差γが検出されていないことをS131において判定すると、S121に示す処理に進む。
一方、破断判定部24は、S131において基準値α以上の差γが検出されると、当該位置において出力信号Yが閾値TH2を超過した回数が複数回であるか否かを判定する(S132)。閾値TH2の超過回数が複数回ではないことを破断判定部24がS132で判定すると、動作制御部25は通常運転を制御する(S127)。破断判定部24は、S132で閾値TH2の超過回数が複数回であれば、S124に示す処理に進む。
破断判定部24は、S132において、閾値TH2の超過回数が規定回数に達したか否かを判定しても良い。かかる場合、破断判定部24は、閾値TH2の超過回数が規定回数に達していれば、主ロープ4に破断部4cが発生していると判定する(S124)。一方、閾値TH2の超過回数が規定回数に達していない場合は、動作制御部25によって通常運転が制御される(S127)。上記規定回数は、例えば3回以上の回数に設定される。
実施の形態2.
実施の形態1では、かご1の走行方向に関わらずセンサ信号の変動をかご位置に紐付けて記憶部20に記憶させる例について説明した。しかし、破断部4cの突出方向によっては、かご1の走行方向が変わると破断部4cの外れ止めへの当たり方が変わる。例えば、図13に示す例のように破断部4cが突出する場合、右側の外れ止め19に対して破断部4cが下から当たる場合と上から当たる場合とでは、その当たり方が違う。
図29は、この発明の実施の形態2における破断検知装置の動作例を示すフローチャートである。図29は、図10に示す動作をかご1の走行方向に応じて分けて行う例を示す。本実施の形態に示す例では、先ず、かご1の走行方向が判定される(S104)。図29のS101UからS103Uに示す動作は、実施の形態1で開示したS101からS103に示す動作と同じである。同様に、図29のS101DからS103Dに示す動作は、実施の形態1で開示したS101からS103に示す動作と同じである。
本実施の形態に示す例では、上昇時のかご位置と下降時のかご位置とが異なる位置として扱われる。即ち、図15に示す例であれば、時間tでのかご位置と時間tでのかご位置とは同じ位置とみなされる。また、時間tでのかご位置と時間tでのかご位置とは同じ位置とみなされる。しかし、時間tでのかご位置と時間tでのかご位置とは同じ位置とはみなされない。同様に、時間tでのかご位置と時間tでのかご位置とは同じ位置とはみなされない。本実施の形態に示す破断検知装置であれば、破断部4cの検出精度を更に向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、1種類のセンサ信号を利用して破断部4cの有無を判定する例について説明した。本実施の形態では、複数のセンサ信号を利用して破断部4cの有無を判定する例について説明する。3つ以上のセンサ信号を利用しても良いが、本実施の形態では最も簡単な例として2つのセンサ信号を利用して破断部4cの有無を判定する例を示す。
図30は、異常変動検出部22の機能の一例を説明するための図である。異常変動検出部22は、例えば、バンドパスフィルタ27a及び27bと、増幅器28a及び28bと、判定器29a及び28bと、判定器31とを備える。バンドパスフィルタ27aは、例えばトルク信号から特徴周波数の帯域の信号成分を抽出する。増幅器28aは、バンドパスフィルタ27aからの出力信号u1を2乗し、信号を増幅する。判定器29aは、増幅器28aからの出力信号Y1が閾値TH1を超えているか否かを判定する。
バンドパスフィルタ27bは、例えば秤信号から特徴周波数の帯域の信号成分を抽出する。増幅器28bは、バンドパスフィルタ27bからの出力信号u2を2乗し、信号を増幅する。判定器29bは、増幅器28bからの出力信号Y2が閾値TH1を超えているか否かを判定する。
判定器31は、出力信号Y1及びY2の何れかが閾値TH1を超えているか否かを判定する。出力信号Y1及びY2のどちらも閾値TH1を超えていなければ、通常運転が行われる。出力信号Y1及びY2の少なくとも一方が閾値TH1を超えていれば、再現性判定部23の処理に移行するための処理が行われる。判定器31による上記動作は、S112の判定に対応する。
図31は、複数のセンサ信号を利用することの利点を説明するための図である。図31は、返し車7に設けられた外れ止めに破断部4cが衝突した時のセンサ信号の変動レベルの規模を示すゲイン線図である。G1は、外力から巻上機11の角速度までのゲインを示す。G2は、外力から秤信号までのゲインを示す。
ゲインG1では、1次の固有振動数F1と2次の固有振動数F3との間に反共振点F2が存在する。また、2次の固有振動数F3と3次の固有振動数F5との間に反共振点F4が存在する。破断部4cが外れ止めに衝突した時の異常変動(振動)の周波数が反共振点F2或いはF4に近い値であると、トルク信号から異常変動を検知することが難くなる。一方、ゲインG2は、当該周波数においてゲインG1より高く、感度が良い特性がある。このため、反共振点F2或いはF4に近い周波数で異常変動を検知する場合は、トルク信号からよりも秤信号からの方が検知が容易になる。
各実施の形態では、主ロープ4に発生した破断部4cを検知する例について説明した。破断検知装置は、エレベータで使用されている他のロープに発生した破断部を検知しても良い。
符号20−26に示す各部及び閾値設定部は、制御装置13が有する機能を示す。図32は、制御装置13のハードウェア構成を示す図である。制御装置13は、ハードウェア資源として、例えばプロセッサ32とメモリ33とを含む処理回路を備える。制御装置13は、メモリ33に記憶されたプログラムをプロセッサ32によって実行することにより、各機能を実現しても良い。
プロセッサ32は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ或いはDSPともいわれる。メモリ33として、半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク或いはDVDを採用しても良い。採用可能な半導体メモリには、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM及びEEPROM等が含まれる。
制御装置13が有する各機能の一部又は全部をハードウェアによって実現しても良い。制御装置13の機能を実現するハードウェアとして、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用しても良い。
この発明に係る破断検知装置は、エレベータのロープに発生した破断部を検知するものに適用できる。
1 かご、 2 昇降路、 3 つり合いおもり、 4 主ロープ、 4a 端部、 4b 端部、 4c 破断部、 5 吊り車、 6 吊り車、 7 返し車、 8 駆動綱車、 9 返し車、 9a 軸、 10 吊り車、 11 巻上機、 12 秤装置、
13 制御装置、 15 調速機、 16 調速ロープ、 17 調速綱車、 18 エンコーダ、 19 外れ止め、 20 記憶部、 21 かご位置検出部、 22 異常変動検出部、 23 再現性判定部、 24 破断判定部、 25 動作制御部、 26 通報部、 27 バンドパスフィルタ、 28 増幅器、 29 判定器、 30 レール、 31 判定器、 32 プロセッサ、 33 メモリ
この発明に係る破断検知装置は、エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、センサからの出力信号の変動が第1閾値を超えた時のかごの位置の第1の再現性と第1閾値より大きい第2閾値を超えた時のかごの位置の第2の再現性とに基づいて、ロープに破断部が存在するか否かを判定する破断判定手段と、を備える。破断判定手段は、第1の再現性及び第2の再現性があり且つ当該位置でセンサからの出力信号の変動が第2閾値を超えた時に第1閾値を超えた回数が規定回数より少ない場合に、ロープに破断部が存在することを判定する。
また、この発明に係る破断検知装置は、エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、センサからの出力信号の変動が第1閾値を超えた時のかごの位置の第1の再現性と第1閾値より大きい第2閾値を超えた時のかごの位置の第2の再現性とに基づいてロープに破断部が存在するか否かを判定する破断判定手段と、を備える。破断判定手段は、第1の再現性がある場合でも、当該位置でセンサからの出力信号の変動が第2閾値を超えた時に第1閾値を超えた回数が規定回数より多い場合は、ロープに破断部が存在することを判定しない。
また、この発明に係る破断検知装置は、エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、センサからの出力信号の変動が第1閾値を超えた時のかごの位置の第1の再現性と第1閾値より大きい第2閾値を超えた時のかごの位置の第2の再現性とに基づいて、ロープに破断部が存在するか否かを判定する破断判定手段と、を備える。破断判定手段は、第1の再現性があり且つ当該位置でのセンサからの出力信号の変動の最新値とその一つ前の値との差が基準値以上であるか否かを判定する。破断判定手段は、差が基準値以上である場合に、ロープに破断部が存在することを判定する。
また、この発明に係る破断検知装置は、エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、センサからの出力信号の変動が第1閾値を超えた時のかごの位置の第1の再現性と第1閾値より大きい第2閾値を超えた時のかごの位置の第2の再現性とに基づいて、ロープに破断部が存在するか否かを判定すると共に、センサからの出力信号の変動が、かごが通過したレール継目に起因するか否かを第1の再現性により、ロープの破断部に起因するか否かを第2の再現性により区別する破断判定手段と、を備える。
この発明に係る破断検知装置は、センサと記憶手段と破断判定手段とを備える。センサは、ロープに振動が発生すると、出力信号が変動する。センサからの出力信号の変動は、かごの位置に紐付けて記憶手段に記憶される。破断判定手段は、第1の再現性と第2の再現性とに基づいてロープに破断部が存在するか否かを判定する。この発明に係る破断検知装置であれば、簡単な構成によって素線或いはストランドの破断の発生を精度良く検知できる。


Claims (13)

  1. エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、
    前記センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、
    前記かごの位置と前記センサからの出力信号の変動の推移とに基づいて、前記ロープに破断部が存在するか否かを判定する破断判定手段と、
    を備えた破断検知装置。
  2. エレベータのロープに振動が発生すると、出力信号が変動するセンサと、
    前記センサからの出力信号の変動をエレベータのかごの位置に紐付けて記憶する記憶手段と、
    前記センサからの出力信号の変動が第1閾値を超えた時の前記かごの位置の再現性と前記第1閾値より大きい第2閾値を超えた時の前記かごの位置の再現性とに基づいて、前記ロープに破断部が存在するか否かを判定する破断判定手段と、
    を備えた破断検知装置。
  3. 前記破断判定手段は、前記センサからの出力信号の変動が前記第1閾値を超えた時の前記かごの位置に再現性がある場合でも、前記センサからの出力信号の変動が前記第2閾値を超えていない場合は、前記ロープに破断部が存在することを判定しない請求項2に記載の破断検知装置。
  4. 前記破断判定手段は、前記センサからの出力信号の変動が前記第1閾値を超えた時の前記かごの位置に再現性がある場合でも、当該位置で前記センサからの出力信号の変動が前記第2閾値を超える前に前記第1閾値を超えた回数が規定回数より多い場合は、前記ロープに破断部が存在することを判定しない請求項2に記載の破断検知装置。
  5. 前記破断判定手段は、
    前記センサからの出力信号の変動が前記第1閾値を超えた時の前記かごの位置に再現性があり且つ当該位置で前記センサからの出力信号の変動が前記第2閾値を超える前に前記第1閾値を超えた回数が規定回数より多い場合は、当該位置での前記センサからの出力信号の変動の最新値とその一つ前の値との差が基準値以上であるか否かを判定し、
    前記差が前記基準値以上である場合に、前記ロープに破断部が存在することを判定する請求項2に記載の破断検知装置。
  6. 前記破断判定手段は、前記差が前記基準値以上ではない場合に、前記ロープに破断部が存在することを判定しない請求項5に記載の破断検知装置。
  7. 前記センサからの出力信号の変動を検出し、検出した変動が前記第1閾値を超えているか否かを判定する異常変動検出手段を更に備えた請求項2から請求項6の何れか一項に記載の破断検知装置。
  8. 前記異常変動検出手段は、前記ロープに存在する破断部が前記ロープ用の外れ止めに接触することによって発生する特徴周波数の帯域の信号成分を抽出する請求項7に記載の破断検知装置。
  9. 前記特徴周波数は、前記ロープの移動速度をv[m/s]、前記ロープに発生する破断部の長さとして設定された値をd[m]とした場合に、
    f=v/d
    で表される周波数f[Hz]を含む請求項8に記載の破断検知装置。
  10. 前記センサからの出力信号の変動に基づいて、前記第1閾値及び前記第2閾値を設定する閾値設定手段を更に備えた請求項2から請求項9の何れか一項に記載の破断検知装置。
  11. 前記センサからの出力信号は、前記ロープが巻き掛けられた駆動綱車を有する巻上機からのトルク信号又は前記かごの積載荷重を検出する秤装置からの秤信号である請求項2から請求項10の何れか一項に記載の破断検知装置。
  12. 前記かごの位置に応じた信号を出力する第2センサと、
    前記第2センサから出力された信号に基づいて、前記かごの位置を検出するかご位置検出手段と、
    を更に備えた請求項2から請求項11の何れか一項に記載の破断検知装置。
  13. 前記第2センサから出力される信号は、前記ロープが巻き掛けられた駆動綱車を有する巻上機からのエンコーダ信号又は前記かごに備えられた非常止めを動作させるための調速機からのエンコーダ信号である請求項12に記載の破断検知装置。
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