JPWO2017200087A1 - 新規5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン誘導体 - Google Patents

新規5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン誘導体 Download PDF

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Abstract

本願発明は、Aktキナーゼ、Rskキナーゼ及びS6Kキナーゼからなる群から選択される少なくとも1つに対する阻害作用、及び/又は細胞増殖抑制効果を示し、上記キナーゼが関与する疾患、特に癌の予防及び/又は治療剤として有用である下記式(I)で表される化合物又はその塩を提供する。[式中、R1は、置換基を有していても良い、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基であり;R2は、水素原子等であり;R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子等であり;R6は、水素原子等であり;R7及びR8は、同一又は異なって、水素原子等であり;X1及びX2は、同一又は異なって、N又はCR9であり、R9は、水素原子等であり;X3は、破線部(− − −)が単結合の場合、N又はCHであり、破線部が二重結合の場合、Cである。ただし、X1及びX2の少なくとも一方はNである。]

Description

本発明は、新規5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン誘導体、Aktキナーゼ、Rskキナーゼ及びS6Kキナーゼからなる群から選択される少なくとも1つに対する阻害剤、Aktキナーゼ、Rskキナーゼ及びS6Kキナーゼからなる群から選択される少なくとも1つが関与する疾患を治療するための医薬組成物、並びに抗腫瘍剤に関するものである。
Aktキナーゼ(以下、「Akt」と記載)は別名PKBと称される、セリン/スレオニンキナーゼであり、細胞の生存、増殖、代謝などにおいて中心的な役割を持つ分子である(非特許文献1)。
様々なタイプの癌において、Aktの異常な活性化や、Akt遺伝子自身の変異が認められており、Aktが癌の発生、維持、形質の発現に関与していることが強く示唆されている(非特許文献2、3)。
現在までにAktを標的としたいくつかの阻害剤が開発され、その抗腫瘍効果について報告されている。しかしながら、これらの阻害剤は、非臨床モデルにおいて、単剤として十分な抗腫瘍効果を発揮するものではなく、低濃度での強い殺細胞効果やin vivoにおける強力な抗腫瘍効果等を得ることはできていない(非特許文献4、5)。また、これらの阻害剤について、臨床における効果は確認されていない。
さらに、これまでの報告でAkt阻害剤が一定の効果を示している癌種は乳癌、前立腺癌、グリオーマ等の細胞やモデルに限られており(非特許文献4、6)、それ以外の癌種、たとえば大腸癌などに強い効果を示している例は見受けられない。
40Sリボソームタンパク質S6をリン酸化するセリン/スレオニンキナーゼのうち、分子量が90 kDaのものをRskキナーゼもしくはp90Rskキナーゼ(以下、「Rsk」と記載)と称する。Rskは、Ras−Raf−MAPKシグナルカスケードの下流に存在し、細胞の増殖、生存、代謝、運動性を制御する機能をもつ重要なシグナル伝達分子であり、がん細胞の増殖に必要な多様な機能をもつことが報告されている(非特許文献7)。
現在Rskに対して阻害活性を示す化合物がいくつか報告されている(非特許文献7、8、9)。しかしその抗腫瘍効果は限定的である。これまで非臨床の研究においてRsk阻害剤が一定の効果を示した癌腫としては,肺癌、乳癌、甲状腺癌、前立腺癌などが報告されているものの、まだ臨床開発段階のRsk阻害剤は存在しない。
S6Kキナーゼ(以下、「S6K」と記載)は、Rskとともに40Sリボソームタンパク質S6のリン酸化制御に必須のセリン/スレオニンキナーゼである。S6Kはインスリン様増殖因子などの増殖因子刺激によりPI3K/mTORシグナル経路を介して活性化され、がんの多様な性質(増殖、生存、浸潤・転移など)に必要な様々の機能分子をリン酸化することで制御していると考えられている(非特許文献10)。また腫瘍におけるS6Kの普遍的な高発現も報告されておりS6K阻害が抗腫瘍効果を示すと期待されてきた。
近年、S6K選択的に阻害活性を有する化合物が報告されたが、臨床試験ではMTD用量でも奏功は得られていない(非特許文献11)。
また、Akt、Rsk、S6K阻害活性を有するピペラジン誘導体としては、特許文献1及び2に記載された化合物が報告されているが、いずれもその抗腫瘍効果は不十分なものである。
従って、癌治療の分野においては依然として、単剤として強力な抗腫瘍効果を発揮し、また広い範囲の癌種に対して有効であるセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の開発が望まれている。
国際公開第WO2005/117909号公報 国際公開第WO2010/056563号公報
J Cell Sci. 2005;118(Pt 24):5675−8. Curr Cancer Drug Targets. 2008;8(1):27−36. Nature. 2007;448(7152):439−44. Mol Cancer Ther. 2005;4(6):977−86. Mol Cancer Ther. 2010;9(7):1956−67. Cancer Res. 2008;68(7):2366−74. Biochem J. 2012;441(2):553−69. Mol Cancer Res. 2014;12(5):803−12. Mol Cancer Ther. 2016;15(11):2598−2608. Int J Biochem Cell Biol. 2011;43(1):47−59. Eur J Cancer. 2014;50(5):867−75.
本発明の課題は、新規5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン誘導体、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つに対する阻害剤、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つが関与する疾患を治療するための医薬組成物、又は抗腫瘍剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オンを基本構造とし、その4位にピペラジン又はピペリジンを介して6員の含窒素不飽和複素環を有し、且つその不飽和複素環に特定の置換基を有する化合物群が、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つに対する優れた阻害活性、及び/若しくは癌細胞増殖抑制作用を有すること、並びに/又はAkt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つが関与する種々の疾患(特に癌)を治療するための医薬として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
[1] 下記式(I)
Figure 2017200087
[式中、
は、置換基を有していても良い、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
は、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
及びRは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3−C10シクロアルキル基を形成し;
及びXは、同一又は異なって、N又はCRであり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
Figure 2017200087
で表される、化合物又はその塩。
[2] Rが、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していても良い、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基である、[1]の化合物又はその塩。
[3] Rは、水素原子又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子であり、Rは、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、Xは、N又はCRであり、Rは、水素原子、又はハロゲン原子であり、Xは、N又はCHである、[1]又は[2]に記載の化合物又はその塩。
[4] Rが、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していても良い、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、又はピラゾリル基である、[1]〜[3]のいずれかの化合物又はその塩。
[5] R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基である、[1]〜[4]のいずれかの化合物又はその塩。
[6] Rが、ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基を有するピリジニル基、C1−C6アルキル基及びC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、C1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基、或いは無置換のフラニル基、又はチアゾリル基であり、
、R及びRは、水素原子であり、
は、水素原子であり、かつRは、C1−C6アルキル基であるか、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、
は、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
及びXは、互いに異なって、N又はCHであり、
Figure 2017200087
[7] Rが、C1−C6アルキル基及びC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、或いは、C1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基である、[6]の化合物又はその塩。
[8] 化合物が以下の化合物群から選択されるものである、[1]〜[7]のいずれかの化合物又はその塩:
4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン;
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン;及び
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン。
[9] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分とするAkt阻害剤。
[10] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分とするRsk阻害剤。
[11] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分とするS6K阻害剤。
[12] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分とする、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つに対する阻害剤。
[13] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分とする、Akt、Rsk及びS6Kに対する阻害剤。
[14] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分として含有する、Aktが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
[15] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分として含有する、Rskが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
[16] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分として含有する、S6Kが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
[17] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分として含有する、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
[18] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分として含有する、Akt、Rsk及びS6Kが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
[19] [1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
本発明は更に以下を包含する。
[20−1] Aktを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[20−2] Rskを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[20−3] S6Kを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[20−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[20−5] Akt、Rsk及びS6Kを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[21−1] Aktが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[21−2] Rskが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[21−3] S6Kが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[21−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[21−5] Akt、Rsk及びS6Kが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[22] 腫瘍を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩。
[23−1] Aktを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[23−2] Rskを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[23−3] S6Kを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[23−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[23−5] Akt、Rsk及びS6Kを阻害するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[24−1] Aktが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[24−2] Rskが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[24−3] S6Kが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[24−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[24−5] Akt、Rsk及びS6Kが関与する疾患を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[25] 腫瘍を治療するための、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[26−1] Aktを阻害するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[26−2] Rskを阻害するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[26−3] S6Kを阻害するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[26−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つを阻害するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[26−5] Akt、Rsk及びS6Kを阻害するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[27−1] Aktが関与する疾患を治療するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[27−2] Rskが関与する疾患を治療するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[27−3] S6Kが関与する疾患を治療するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[27−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つが関与する疾患を治療するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[27−5] Akt、Rsk及びS6Kが関与する疾患を治療するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[28] 腫瘍を治療するための医薬の製造における、[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩の使用。
[29−1] Aktを阻害する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[29−2] Rskを阻害する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[29−3] S6Kを阻害する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[29−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つを阻害する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[29−5] Akt、Rsk及びS6Kを阻害する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[30−1] Aktが関与する疾患を治療する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[30−2] Rskが関与する疾患を治療する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[30−3] S6Kが関与する疾患を治療する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[30−4] Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つが関与する疾患を治療する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[30−5] Akt、Rsk及びS6Kが関与する疾患を治療する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
[31] 腫瘍を治療する方法であって、その必要のある患者に有効量の[1]〜[8]のいずれかの化合物又はその塩を投与することを含む方法。
本明細書は、本願の優先権の基礎となる日本国特許出願第2016−101599号の内容を包含する。
本発明によれば、新規5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン誘導体、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つに対する阻害剤、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つが関与する疾患を治療するための医薬組成物、又は抗腫瘍剤が提供される。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つに対して優れた阻害活性を有し、且つ癌細胞株に対する増殖抑制効果を示すことが明らかとなった。従って、本発明化合物又はその塩は、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも1つが関与する疾患、例えば癌の予防及び/又は治療剤として有用である。
本発明の上記式(I)で表される化合物は、5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オンを基本構造とし、その4位にピペラジン又はピペリジンを介して6員の含窒素不飽和複素環を有し、且つその不飽和複素環に特定の置換基を有することを特徴とした化合物であり、前記のいずれの先行技術文献等にも記載されていない新規な化合物である。
本願明細書において、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C3−C10シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N、S及びOから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜10員の飽和複素環基若しくは4〜10員の不飽和複素環基、C6−C14芳香族炭化水素基等が挙げられ、前記置換基が存在する場合、その個数は典型的には1〜3個である。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、具体的には塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、フッ素原子であり、特に好ましくは、フッ素原子である。
本明細書において、「C1−C6アルキル基」とは、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状の飽和炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基若しくは炭素数3〜4の分枝状のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基である。
本明細書において、「C2−C6アルケニル基」とは、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を含む炭素数2〜6の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素基を示し、具体的にはビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、好ましくは少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を含む炭素数2〜4の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素基である。
本明細書において、「C2−C6アルキニル基」とは、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を含む炭素数2〜6の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素基を示し、具体的にはエチニル基、2−プロピニル基、等が挙げられ、好ましくは少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を含む炭素数2〜4の直鎖状若しくは分枝状の炭化水素基である。
本明細書において、「C1−C6ハロアルキル基」とは、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状の飽和炭化水素基のうち、1個〜全ての水素原子が前記のハロゲン原子で置換された基を示し、具体的にはモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状の飽和炭化水素基のうち、1個〜3個の水素原子が前記のハロゲン原子で置換された基であり、より好ましくはジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基である。
本明細書において、「C1−C6アルコキシ基」とは、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状の飽和炭化水素基が結合したオキシ基を示し、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状の飽和炭化水素基が結合したオキシ基であり、より好ましくはメトキシ基である。
本明細書において、「C3−C10シクロアルキル基」とは、炭素数3〜10の単環式若しくは多環式の飽和炭化水素基を示し、具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、デカリル基等が挙げられ、好ましくは炭素数3〜6の単環式の飽和炭化水素基であり、より好ましくはシクロプロピル基である。
本明細書において、「4〜10員の飽和複素環基」とは、4〜10員の単環式もしくは多環式の完全飽和の複素環基を示し、具体的にはアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモピペラジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられ、好ましくはN、S及びOから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜10員の単環式若しくは多環式の完全飽和の複素環基である。
本明細書において、「4〜6員の単環式の飽和複素環基」とは、4〜6員の単環式の完全飽和の複素環基を示し、具体的にはアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基等が挙げられ、好ましくはN、S及びOから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の完全飽和の複素環基であり、より好ましくはN、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式の完全飽和の複素環基であり、特に好ましくはピロリジニル基である。
本明細書において、「4〜10員の不飽和複素環基」とは、4〜10員の単環式若しくは多環式の完全不飽和又は部分飽和の複素環基を示し、具体的には完全不飽和の不飽和複素環基としてはピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フラニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンズトリアゾリル基、アザインドリル基、ピロロピリジニル基、イミダゾピリジニル基、ピラゾロピリジニル基、トリアゾロピリジニル基、ピロロピリミジニル基、イミダゾピリミジニル基、ピラゾロピリミジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基等が挙げられ、部分飽和の不飽和複素環基としてインドリニル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ジヒドロベンゾフラニル基等が挙げられる。好ましくはN、S及びOから選択される1〜4個の複素原子を有する4〜10員の単環式若しくは多環式の完全不飽和又は部分飽和の複素環基である。
本明細書において、「4〜6員の単環式の不飽和複素環基」とは、4〜6員の単環式の完全不飽和又は部分不飽和の複素環基を示し、具体的には完全不飽和の不飽和複素環基としてはピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フラニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等が挙げられ、部分不飽和の不飽和複素環基としてはテトラジヒドロフラニル基、ジヒドロピラニル基、ジヒドロチエニル基、テトラヒドロピリジニル基、ジヒドロチオピラニル基等が挙げられる。好ましくはN、S及びOから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の完全不飽和の複素環基であり、より好ましくはN、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式の完全不飽和の複素環基であり、特に好ましくはピリジニル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、フラニル基、チエニル基である。
本明細書において、「C6−C14芳香族炭化水素基」とは、炭素数6〜14の単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素基を示し、具体的にはフェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
式(I)中、Rは、「置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基」である。
において「N、S及びOから選ばれる1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基」としては、上述の「4〜6員の単環式の不飽和複素環基」が挙げられ、好ましくは、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式の完全不飽和の複素環基であり、より好ましくは、ピリジニル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、フラニル基、チエニル基である。
「N、S及びOから選ばれる1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基」は置換されていてもよく、あるいは置換されていなくてもよい。好ましい置換基の個数は1〜3個である。ここで置換基としては、上述の「置換基」を挙げることができ、好ましくはハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6ハロアルキル基、及びC3−C10シクロアルキル基からなる群から選択することができ、より好ましくは、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC1−C6ハロアルキル基からなる群から選択することができ、さらに好ましくは、C1−C6アルキル基、及び/又はC1−C6ハロアルキル基である。
好ましくは、式(I)中、Rは、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、N、S及びOから選ばれる1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基である。
さらに好ましくは、式(I)中、Rは、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、又はピラゾリル基である。
さらに好ましくは、式(I)中、Rは、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有するピリジニル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、又はチアジアゾリル基、或いは、無置換のフラニル基、チエニル基、チアゾリル基、又はオキサゾリル基である。
さらに好ましくは、式(I)中、Rは、ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基を有するピリジニル基、C1−C6アルキル基及びC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、C1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基、或いは無置換のフラニル基、又はチアゾリル基である。
特に好ましくは、式(I)中、Rは、C1−C6アルキル基及びC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、或いはC1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基である。
式(I)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基である。
好ましくは、式(I)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基であり、より好ましくは、水素原子又はハロゲン原子であり、特に好ましくは、水素原子である。
式(I)中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基である。
式(I)中、R及びRで表される「それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環」としては、上述の「4〜6員の単環式の飽和複素環」が挙げられ、好ましくは、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環であり、特に好ましくは、ピロリジニル基である。
式(I)中、R及びRで表される「それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環」としては、上述の「4〜6員の単環式の飽和複素環」が挙げられ、好ましくは、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環であり、特に好ましくは、ピロリジニル基である。
好ましくは、式(I)中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基である。
特に好ましくは、式(I)中、R及びRは水素原子であり、かつRはC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは水素原子である。
式(I)中、Rは、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基である。
好ましくは、式(I)中、Rは、水素原子又はC1−C6アルキル基であり、特に好ましくは、水素原子である。
式(I)中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3−C10シクロアルキル基を形成する。
好ましくは、式(I)中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又はC1−C6アルキル基である。さらに好ましくは、式(I)中、Rは、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、特に好ましくは、Rは、メチル基であり、Rは、水素原子、又はメチル基である。
式(I)中、X及びXは、同一又は異なって、N又はCRであり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基である。ただし、X及びXの少なくとも一方はNである。
好ましくは、式(I)中、Xは、N又はCRであり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、又はC1−C6アルキル基であり、Xは、N又はCHである(ただし、X及びXの少なくとも一方はNである)。より好ましくは、XはNであり、かつXはCHであるか、或いはXはCRであり、Rは水素原子、又はハロゲン原子であり、かつXはNである。より好ましくは、X及びXは、互いに異なって、N又はCHである。特に好ましくは、XはNであり、XはCHである。
Figure 2017200087
本発明の化合物としては、式(I)中、Rが、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基であり、
は、水素原子又はハロゲン原子であり、
、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いはR及びRは、水素原子であり、かつRは、C1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは水素原子であり、
は、水素原子であり、
は、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
及びXは、互いに異なって、N又はCHであり、
Figure 2017200087
より好ましくは、Rが、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していてもよい、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、又はピラゾリル基であり、
、及びRは、水素原子であり、
、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、水素原子であり、かつRは、C1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは水素原子であり、
は、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
及びXは、互いに異なって、N又はCHであり、
Figure 2017200087
より好ましくは、式(I)中、Rが、ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基を有するピリジニル基、C1−C6アルキル基とC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、C1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基、又は無置換のフラニル基、もしくはチアゾリル基であり、
、R及びRは、水素原子であり、
は、水素原子であり、かつRは、C1−C6アルキル基であるか、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、
は、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
及びXは、互いに異なって、N又はCHであり、
Figure 2017200087
より好ましくは、Rが、C1−C6アルキル基とC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、又はC1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基であり、
、R及びRは、水素原子であり、
は、水素原子であり、かつRは、C1−C6アルキル基であるか、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、
は、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
及びXは、互いに異なって、N又はCHであり、
Figure 2017200087
さらに好ましくは、Rが、メチル基とトリフルオロメチル基を有するピラゾリル基、又はジフルオロメチル基を有するオキサジアゾリル基であり、
、R及びRは、水素原子であり、
は、水素原子であり、かつRは、イソプロピル基又はtert−ブチル基であるか、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジニル基を形成し、
は、メチル基であり、Rは、水素原子、又はメチル基であり、
及びXは、互いに異なって、N又はCHであり、
Figure 2017200087
具体的な本発明の化合物としては、以下の実施例にて製造される化合物が例示できるが、これらには限定されない。
好適な本発明の化合物としては以下のものが例示できる:
4−(4−(5−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(1));
4−(4−(2’−フルオロ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,4’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(13));
4−(4−(6−(フラン−3−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物14);
4−(4−(5−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−5’−メトキシ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(15));
5−メチル−4−(4−(3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(24));
4−(5−フルオロ−5’−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−5’’,6’’−ジヒドロ−[3,2’:6’,4’’−テルピリジン]−1’’(2’’H)−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(26));
5−メチル−4−(4−(5−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(27));
4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(30));
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(32));
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(41));及び
5,5−ジメチル−4−(4−(3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(44))。
より好適な本発明の化合物としては以下のものが例示できる:
4−(4−(5−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(1));
4−(4−(2’−フルオロ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,4’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(13));
4−(4−(6−(フラン−3−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物14);
4−(4−(5−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−5’−メトキシ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(15));
4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(30));
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(32));
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(41));及び
5,5−ジメチル−4−(4−(3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(44))。
特に好適な本発明化合物としては、経口吸収性及びhERG試験(心毒性)の観点から以下のものが例示できる:
4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(30));
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(32));及び
4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(41))。
次に、本発明に係る化合物の製造法について説明する。
本発明の式(I)で表される化合物は、例えば、下記の製造法又は実施例に示す方法等により製造することができる。ただし、本発明の式(I)で表される化合物の製造法はこれら反応例に限定されるものではない。各工程で得られる生成物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィーなどにより単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
(工程1)本工程は、式(II)で表される化合物を塩基及びアルキル化剤で処理し、アルキル化反応により式(III)で表される化合物を製造する工程である。
本工程において用いられる塩基は、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が例示できる。
本工程において用いられるアルキル化剤は、R及びRを導入できるものであれば特に限定されないが、ヨードメタン、ヨードエタン、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジブロモブタン等が例示できる。
本工程には触媒として臭化銅(I)等を用いることが出来る。
本工程は、通常、式(II)で表される化合物1モルに対して、塩基を0.5モルないし5モル、好ましくは1ないし2モル、アルキル化剤を0.5モルないし5モル、好ましくは1ないし3モル用いて行われる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、−78℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは0℃ないし室温である。
反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは10分ないし1時間である。
(工程2)本工程は、式(III)で表される化合物と式(IV)で表される化合物とのSAr反応により、式(V)で表される化合物を製造する工程である。
PG及びPGは、慣用されるアミノ基の保護基であれば、特に制限されないが、PGとしては2,4,6−トリメトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基又は4―メトキシベンジル基が好ましく、PGとしてはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、又は4−メトキシベンジル基が好ましい。
本工程は、通常、式(III)で表される化合物1モルに対して、式(IV)で表される化合物を0.5モルないし5モル、好ましくは1ないし2モル用いて行われる。
本工程において用いられる塩基は、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩基が例示できる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、0℃ないし200℃、好ましくは80℃ないし180℃である。
反応時間は、通常、10分ないし3日間、好ましくは1時間ないし10時間である。
Figure 2017200087
(工程3)本工程は、式(VIII)で表される化合物と式(IX)で表される化合物のクロスカップリング反応により、式(X)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、例えば、公知の鈴木カップリング反応、根岸反応、BuchwaldやHartwigらによって報告されているパラジウム触媒存在下でのアリールハライドとアミン類からの芳香族アミン合成法等を適用することができる。
本反応は、例えばパラジウム触媒の存在下若しくは非存在下に、適当な溶媒中、20℃から200℃の範囲内で加熱することで行うことができる。
使用しうるパラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラキス(卜リフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ジクロロビスアセトニトリルパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を挙げることができる。
使用しうるパラジウム触媒の量は、式(VIII)で表される化合物1モルに対して、0.001〜1モルの範囲内が適当である。
必要であればパラジウムのリガンドとして、1−1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフエ二ル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリ−i−プロピルビフェニルなどを用いることができる。
使用しうる反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ卜アミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本工程には塩基として、例えばカリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩基を使用することが出来る。
反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常、30分〜24時間の範囲内が適当である。
Figure 2017200087
[式中、R、R12、X、及びXは前記と同義である。R1bは水素原子、シアノ基、CO11であるか、Rと同義である。R13はPGであるか、又は、式(XIII)
Figure 2017200087
(式中、R、R、及びRは前記と同義である。)
で表される置換基である。PGは前記と同義である。]
(工程4)本工程は、式(XI)で表される化合物を還元し、式(XII)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、例えば、アセトニトリル、酢酸エチル、THF、メタノール、エタノール、DMF、DMA、NMP等の反応に支障のない適当な溶媒中、水素、ギ酸、ギ酸アンモニウム、シクロヘキサジエンなどの水素原を用い、パラジウム/炭素、水酸化パラジウム/炭素等を触媒として行うことが出来る。本工程は、通常、式(XI)で表される化合物1モルに対して、触媒を0.01モルないし5モル、好ましくは0.05ないし1モル用いて行われる。反応温度は、通常、室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、1時間ないし24時間である。
Figure 2017200087
[式中、R1b、R、R12、R13、X、X、及びXは前記と同義である。R1Cはハロゲン基を表す。]
(工程5)本工程は、式(XIV)で表される化合物をハロゲン化し、式(XV)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、臭素、及び、ヨウ素などを用いて行うことが出来る。溶媒としては、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、酢酸エチル、THF、メタノール、エタノール、DMF、DMA、NMP等の反応に支障のない適当な溶媒中で行うことが出来る。反応温度は、通常、0℃ないし100℃、好ましくは室温ないし還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし3日間、好ましくは30分ないし24時間である。
(工程6)本工程は、式(XV)で表される化合物と、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等とのシアノ化反応、又は、有機ホウ素試薬、有機スズ試薬、有機亜鉛試薬等とのクロスカップリング反応、又は、一酸化炭素挿入によるエステル合成反応により、式(XVI)で表される化合物を製造する工程である。本反応は、例えばパラジウム触媒の存在下若しくは非存在下に、適当な溶媒中、20℃から200℃の範囲内で加熱することで行うことができる。使用しうるパラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラキス(卜リフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ジクロロビスアセトニトリルパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を挙げることができる。使用しうるパラジウム触媒の量は、式(XV)で表される化合物1モルに対して、0.001〜1モルの範囲内が適当である。必要であればパラジウムのリガンドとして、1−1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフエ二ル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリ−i−プロピルビフェニルなどを用いることができる。
本工程には塩基として、例えばカリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩基を使用することが出来る。
使用しうる反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ卜アミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常、30分〜24時間の範囲内が適当である。
Figure 2017200087
[式中、R、R12、R13、X、X、及びXは前記と同義である。R14は水素原子、置換されていても良いアルキル基、又は置換されていても良いシクロアルキル基である。]
(工程7)本工程は、式(XVII)で表される化合物と、ヒドロキシアミンの反応により、式(XVIII)で表される化合物を製造する工程である。ヒドロキシアミンは、水溶液として、又は塩酸などの塩と、適宜、塩基を併用して用いることが出来る。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、又は炭酸ナトリウム、リン酸カリウムなどの無機塩基を例示出来る。反応溶媒は、反応に支障のないものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは10分ないし1時間である。
(工程8)本工程は、式(XVIII)で表される化合物から、アシル化、及び環化反応により、式(XIX)で表される化合物を製造する工程である。アシル化剤としては、R14を有するカルボン酸無水物、混合酸無水物、酸クロリド、或いはカルボン酸を用いることが出来る。続く環化反応は、前述のアシル化剤を過剰に用いることによって、或いはトリフェニルホスフィン−四臭化炭素、塩化ホスホリル、プロピルホスホン酸無水物(環状トリマー)、又はジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いることによって行うことが出来る。反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは10分ないし1時間である。
(工程9)本工程は、式(XIX)で表される化合物から、異性化反応により、式(XX)で表される化合物を製造する工程である。本工程は、例えば、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等又はその混合溶媒等の反応溶媒中、ヒドロキシアミンを作用させることによって行うことが出来る。反応溶媒は、反応に支障のないものであれば特に限定されない。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは10分ないし1時間である。
Figure 2017200087
[式中、R、R11、R12、R14、X、及びXは前記と同義である。Xは酸素原子、又は硫黄原子を表す。R15は水素原子、ハロゲン基、又は式(XXIV)
Figure 2017200087
(式中、X、及びR13は前記と同義である。)
で表される置換基である。]
(工程10)本工程は、式(XXI)で表される化合物とヒドラジンから、式(XXII)で表される化合物を製造する工程である。ヒドラジンは水和物、又は塩酸等の塩として用いることが出来る。原料としてカルボン酸を用いる場合、活性化剤として、カルボニルジイミダゾール、塩化ホスホリル、プロピルホスホン酸無水物(環状トリマー)、又はジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を用いることが出来る。反応溶媒は、反応に支障のないものであれば特に限定されないが、例えば、エタノール、プロパノール、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等、又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは30分ないし12時間である。
(工程11)本工程は、式(XXII)で表される化合物をアシル化、及び環化反応により、式(XXIII)で表される化合物を製造する工程である。本工程は工程8と同様に行うことが出来る。
Figure 2017200087
(式中、R1a、R、R、R、R、R、R15、X、及びXは前記と同義である。R16はハロゲン基、又はトシル基、メシル基、又はトリフルオロメタンスルホニル基などの脱離基を表す。R17はハロゲン基を表す。)
(工程12)本工程は、式(XXV)で表される化合物のニトロ基を還元し、式(XXVI)で表される化合物を製造する工程である。本工程は、パラジウム炭素等の触媒を用いた水素添加反応、鉄、亜鉛などの金属や、塩化スズ(II)を還元剤として用いる反応によって行うことが出来る。反応溶媒は、反応に支障のないものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等、又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは30分ないし12時間である。
(工程13)本工程は、式(XXVI)で表される化合物とアルデヒド、又はその等価体との還元的アミノ化反応によって、式(XXVII)で表される化合物を製造する工程である。本工程に用いるアルデヒド、又はその等価体としては、1,4−ジオキサン−2,5−ジオール、2−ヒドロキシアセトアルデヒド等を用いることが出来る。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ酸ナトリウム等を用いることが出来る。反応溶媒は、反応に支障のないものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等、又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは30分ないし12時間である。
(工程14)本工程は、式(XXVII)で表される化合物の水酸基を、・BR>Nロゲン基、メタンスルホニル基等の脱離基に変換し、式(XXVIII)で表される化合物を製造する工程である。スルホニルエステル化の条件としては、メタンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド等と、適当な塩基を用いる条件を例示出来る。ハロゲン化に用いる条件としては、四塩化炭素、四臭化炭素、又はヨウ素等のハロゲン化剤と、トリフェニルホスフィン等を用いる条件、又は前述のスルホニルエステルをハロゲン化リチウム等にて処理し、ハロゲン基へと変換する条件が例示出来る。
また、式(XXVIII)で表される化合物は式(XXVI)で表される化合物から直接還元的アミノ化等によって合成することも出来る。この場合、アルデヒドとして、2−クロロアセトアルデヒド、又は2−ブロモアセトアルデヒドなどを用い、工程13と同様に合成出来る。
(工程15)本工程は、式(XXVIII)で表される化合物と、HNRで表されるアミンとの反応により、式(XXIX)で表される化合物を製造する工程である。本工程はHNRで表されるアミンを過剰量用いるか、又は適当な塩基の存在下、HNRで表されるアミンを作用させることによって行うことが出来る。本工程は溶媒を用いること無く行うことが出来るが、溶媒を使用する場合は、例えば、エタノール、プロパノール、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等、又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは30分ないし12時間である。
(工程16)本工程は、式(XXX)で表される化合物と、式(XXXI)
Figure 2017200087
(式中、R、R、R、及びRは前記と同義である。)
で表されるアミンとの反応により、式(XXIX)で表される化合物を製造する工程である。本工程は、式(XXXI)で表されるアミンを過剰量用いるか、式(XXXI)で表されるアミンと適当な塩基を用いて行うことが出来る。また、本反応にはパラジウム、又は銅などの触媒を用いることが出来る。使用しうるパラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラキス(卜リフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ジクロロビスアセトニトリルパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等を挙げることができる。
使用しうるパラジウム触媒の量は、式(XXX)で表される化合物1モルに対して、0.001〜1モルの範囲内が適当である。
必要であればパラジウムのリガンドとして、1−1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフエ二ル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリ−i−プロピルビフェニルなどを用いることができる。
本工程には塩基として、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の有機塩基、又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩基を使用することが出来る。反応溶媒としては、エタノール、プロパノール、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等、又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、0℃ないし溶媒の還流温度、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度である。反応時間は、通常、10分ないし24時間、好ましくは30分ないし12時間である。
(工程17)本工程は、式(XXX)で表される化合物と、式(XXXII)
Figure 2017200087
(式中、R、及びRは前記と同義である。R18は保護基、又は水素原子を表す。)で表されるアミンとの反応により、式(XXVII)で表される化合物を製造する工程である。本工程は(工程16)と同様に行うことが出来る。
本発明化合物又はその塩は、アモルファスであっても、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても多形混合物であっても本発明化合物又はその塩に包含される。結晶は、公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。本発明化合物又はその塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも本発明化合物又はその塩に包含される。同位元素(例えば、H、14C、35S、125Iなど)などで標識された化合物も、本発明化合物又はその塩に包含される。
本発明化合物の塩とは、薬学的に許容される塩を意味する。
本発明化合物又はその塩には、そのプロドラッグも含まれる。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明化合物又はその塩に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして本発明化合物又はその塩に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして本発明化合物又はその塩に変化する化合物をいう。また、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で本発明化合物又はその塩に変化するものであってもよい。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、優れたAktの阻害活性を有する。本明細書において「Akt」とは、ヒトまたは非ヒト哺乳動物のAktを含み、好ましくはヒトAktである。また、「Akt」には、複数のアイソフォームが含まれ、例えば、AktがヒトAktである場合には、Akt1、Akt2およびAkt3が含まれる。一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、これらアイソフォームの少なくとも一種、好ましくは二種以上、さらに好ましくは三種以上、より好ましくは全てのアイソフォームに対する阻害活性を有する。具体的にはAkt1又はAkt2が好ましく、Akt1がより好ましい。Aktに対する本発明化合物の阻害活性は、当該分野において公知である一般的な定法によって測定することができる(Biochem.J.vol.385,pp399−408(2005)及びCancer Res.vol.68,pp2366−2374(2008))。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、優れたRskの阻害活性を有する。本明細書において「Rsk」とは、ヒトまたは非ヒト哺乳動物のRskを含み、好ましくはヒトRskである。また、「Rsk」には、複数のアイソフォームが含まれ、例えば、RskがヒトRskである場合には、Rsk1(RPS6KA1)、Rsk2(RPS6KA3)、Rsk3(RPS6KA2)、Rsk4(RPS6KA6)が含まれる。一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、これらアイソフォームの少なくとも一種、好ましくは二種以上、さらに好ましくは三種以上、より好ましくは全てのアイソフォームに対する阻害活性を有する。具体的にはRsk1が好ましい。Rskに対する本発明化合物の阻害活性は、当該分野において公知である一般的な定法によって測定することができる(Biol.Pharm.Bull.vol.39.pp547−555(2016))。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、優れたS6Kの阻害活性を有する。本明細書において「S6K」とは、ヒトまたは非ヒト哺乳動物のS6Kを含み、好ましくはヒトS6Kである。また、「S6K」には、複数のアイソフォームが含まれ、例えば、S6KがヒトS6Kである場合には、S6K1(RPS6KB1)、S6K2(RPS6KB2)が含まれる。一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、これらアイソフォームの少なくとも一種、好ましくは全てのアイソフォームに対する阻害活性を有する。具体的にはS6K1が好ましい。S6Kに対する本発明化合物の阻害活性は、当該分野において公知である一般的な定法によって測定することができる(J.Biol.Chem.vol.285.pp4587−4594(2010))。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、その優れたAktの阻害活性により、Aktが関与する疾患の予防や治療のための医薬として有用である。「Aktが関与する疾患」とは、Aktの機能を欠失、抑制及び/又は阻害することによって、発症率の低下、症状の寛解、緩和、及び/又は完治する疾患が挙げられる。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、その優れたRskの阻害活性により、Rskが関与する疾患の予防や治療のための医薬として有用である。「Rskが関与する疾患」とは、Rskの機能を欠失、抑制及び/又は阻害することによって、発症率の低下、症状の寛解、緩和、及び/又は完治する疾患が挙げられる。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、その優れたS6Kの阻害活性により、S6Kが関与する疾患の予防や治療のための医薬として有用である。「S6Kが関与する疾患」とは、S6Kの機能を欠失、抑制及び/又は阻害することによって、発症率の低下、症状の寛解、緩和、及び/又は完治する疾患が挙げられる。
「Aktが関与する疾患」、「Rskが関与する疾患」又は「S6Kが関与する疾患」として、例えば、癌、自己免疫疾患、マクログロブリン血症等が挙げられるが、これらに限定はされない。本発明の対象となる腫瘍は特に制限はされないが、例えば、頭頚部癌、消化器癌(食道癌、胃癌、十二指腸癌、肝臓癌、胆道癌(胆嚢・胆管癌等)、膵臓癌、大腸癌(結腸直腸癌、結腸癌、直腸癌等)等)、肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌、中皮腫等)、乳癌、生殖器癌(卵巣癌、子宮癌(子宮頚癌、子宮体癌等)等)、泌尿器癌(腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍等)、造血器腫瘍(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等)、骨・軟部腫瘍、皮膚癌、脳腫瘍等が挙げられる。本発明の対象となる腫瘍は、好ましくは、消化器癌及び生殖器癌であり、より好ましくは、大腸癌及び子宮体癌である。
一実施形態において、本発明化合物又はその塩は、Akt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つを同時に阻害する。例えば、本発明化合物又はその塩は、Akt及びRskを同時に阻害する。例えば、本発明化合物又はその塩は、Akt及びS6Kを同時に阻害する。例えば、本発明化合物又はその塩は、Rsk及びS6Kを同時に阻害する。例えば、本発明化合物又はその塩は、Akt、Rsk及びS6Kを同時に阻害する。単一の化合物でAkt、Rsk及びS6Kからなる群から選択される少なくとも2つを同時に阻害することによって、複数の化合物でこれらのキナーゼを同時に阻害する場合と比較して、副作用を低減し、且つ相乗的な治療効果を得ることが期待できる。
本発明化合物又はその塩は医薬として用いるにあたっては、必要に応じて薬学的担体を配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、吸入剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、経口剤が採用される。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mgとするのが望ましい。
また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、本発明化合物として通常成人(体重50kg)1日あたり約0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
以下に実施例及び試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
実施例で用いた各種試薬は、特に記載の無い限り市販品を使用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー、及び、塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、照光サイエンティフィック社製、または、バイオタージ社製プレパックドカラムを用いた。NMRスペクトルは、AL400(400MHz;日本電子(JEOL))、又はMercury400(400MHz;Varian)型スペクトロメータを使用し、重溶媒中にテトラメチルシランを含む場合は内部基準としてテトラメチルシランを用い、それ以外の場合には内部基準としてNMR溶媒を用いて測定し、全δ値をppmで示した。マイクロウェーブ反応は、バイオタージ社製Initiator(登録商標)を用いて行った。
またLCMSスペクトルはWaters社製SQDを用いて下記条件にて測定した。
カラム:Acquity BEH C18、2.1X50mm,1.7μm
MS検出:ESI positive
UV検出:254及び210nm
カラム流速:0.5mL/分
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
インジェクション量:1μL
グラディエント
時間(分) 水 アセトニトリル
0 95 5
0.1 95 5
2.1 5 95
3.0 停止
略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
dd:ダブル ダブレット
dt:ダブル トリプレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
m:マルチプレット
br:ブロード
DMSO−D:重ジメチルスルホキシド
CDCl:重クロロホルム
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
NBS:N−ブロモスクシンイミド
TFA:トリフルオロ酢酸
参考例1 4−クロロ−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(参考例(1))
4−クロロ−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(6g)、THF(93.8ml)、tert―ブトキシカリウム(6.32g)の混合物にヨウ化メチル(3.51ml)をゆっくり滴下し、その後室温にて2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、上記表題の参考例(1)を白色固体として得た。
参考例2 4−クロロ−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(参考例(2))
工程1: Pierik,Antonio J.;Ciceri,Daniele;Broeker,Gerd;Edwards,Christopher H.;McFarlane,William;Winter,Joachim;Buckel,Wolfgang;Golding,Bernard T.;Journal of the American Chemical Society,124(47),14039−14048;2002.に記載の方法で合成したプロパン−1,1,2−トリカルボン酸トリエチル(3.0g)、メタノール(7.0ml)、ナトリウムメトキシド(25%、メタノール溶液、0.050ml)の混合物を室温にて3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、ナトリウムメトキシド(25%、メタノール溶液、5.3g)、メタノール(2ml)、ホルムアミジン酢酸塩(1.3g)を加え、室温にて15時間撹拌した。反応混合物に塩化水素(5−10%、メタノール溶液、19ml)を加え、0℃にて15分間撹拌した。生じた固体を濾取し、メタノールにて洗浄後、減圧乾燥し、2−(4,6−ジヒドロキシピリミジン−5−イル)プロピオン酸メチル(参考例(2−1))を白色固体として得た。
工程2: 参考例(2−1)(1.2g)、オキシ塩化リン(3.5ml)、N,N−ジエチルアニリン(4.0ml)の混合物を130℃にて3時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却後、トルエン(40ml)にて希釈し、氷水に注いだ。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)プロピオン酸メチル(参考例(2−2))を褐色固体として得た。
工程3: 参考例(2−2)(0.50g)、2,4−ジメトキシベンジルアミン(0.35ml)、DIPEA(0.44ml)、DMF(5ml)の混合物を60℃にて2.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチルにて希釈し、水、1N塩酸、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濃縮した。得られた残渣をトルエン(10ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸水和物(20mg)を加え、2.5時間、加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチルにて希釈し、水、飽和重曹水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、室温にて撹拌した。生じた固体を濾取し、上記表題の参考例(2)を白色固体として得た。
参考例3 7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(参考例(3))
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.0g)をジクロロメタン(2.0ml)、TFA(2.0ml)に溶解し、室温にて15分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、乾燥させて得られた残渣に、参考例(2)(1.1g)、DMSO(7.0ml)、及び、DIPEA(2.3ml)を加え、マイクロウェーブ照射下、120℃にて4時間撹拌した。室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濃縮した。得られた残渣をカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、上記表題の参考例(3)を白色アモルファス状物質として得た。
参考例4 7−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−(4−ヨードピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(参考例(4))
工程1: 参考例(1)(6.22g)、DIPEA(6.23ml)、4−ヒドロキシピペリジン(1.99g)及びDMSO(24ml)の混合物をマイクロウェーブ照射下130℃にて3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈後、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(参考例(4−1))を黄色固体として得た。
工程2: 参考例(4−1)(7.14g)、THF(89.4ml)の混合物に0℃にてヨウ素(6.81g)、トリフェニルホスフィン(7.04g)、イミダゾール(1.83g)を加え、室温まで上昇、1時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製したのち、メタノール(80ml)にて再結晶した。得られた固体を濾取、乾燥し、上記表題の参考例(4)を白色粉末として得た。
参考例5 5,5−ジメチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(参考例(5))
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.25g)、塩化水素(1,4−ジオキサン溶液、4M、6ml)、クロロホルム(3ml)の混合物を室温にて3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた残渣にShepherd,Timothy Alan;Dally,Robert Dean;Joseph,Sajan;US20100120801A1.に記載の方法で合成した4−クロロ−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(1.31g)、DIPEA(4.62ml)、及びDMSO(10ml)を加え、この混合物を140℃にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、上記表題の参考例(5)を淡黄色アモルファス状物質として得た。
実施例1 4−(4−(5−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(1))
工程1: 3−アミノ−2−ブロモピリジン4.0g、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(9.0g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(1.9g)、1,4−ジオキサン(25ml)、及び、炭酸ナトリウム水溶液(2M、15ml)の混合物を100℃にて3時間撹拌した。室温に冷却後、水で希釈し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、3−アミノ−5’,6’−ジヒドロ−[2,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−カルボン酸tert−ブチル(化合物(1−1))を褐色油状物質として得た。
工程2: 化合物(1−1)(9.0g)、酢酸エチル(80ml)、10%パラジウム炭素(2.5g)の混合物を、水素雰囲気下、室温にて14時間撹拌した。窒素置換後、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、4−(3−アミノピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(1−2))を褐色アモルファスとして得た。
工程3: 化合物(1−2)(7.5g)、THF(60ml)、及び、グリコールアルデヒド2量体(4.2g)の混合物に、撹拌下、0.5Mシアノ水素化ホウ素ナトリウム−0.25M塩化亜鉛 メタノール溶液(30ml)を加えた。反応混合物を室温にて16時間撹拌した後、水、28%アンモニア水溶液を加え、撹拌した後、有機溶媒を減圧留去した。得られた混合物をクロロホルムにて抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濾過し、濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(1−3))を淡黄色固体として得た。
工程4: 化合物(1−3)(5.5g)、及び、THF(100ml)の混合物にNBS(3.2g)を加え室温にて90分間撹拌した。得られた混合物に飽和重曹水、及び、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、クロロホルムにて抽出した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過後、濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(6−ブロモ−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(1−4))を褐色固体として得た。
工程5: 化合物(1−4)(6.9g)をTFA(20ml)に溶解し、室温にて30分間撹拌した。反応混合物を濃縮後、残渣にアンモニアメタノール溶液(7M、10ml)を加え、室温にて撹拌した。反応混合物に食塩水を加え、クロロホルム−エタノールの混合溶媒(4:1)にて抽出した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濾過した。濾液を濃縮し、2−((6−ブロモ−2−(ピペリジン−4−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エタノール(化合物(1−5))を褐色アモルファス状物質として得た。
工程6: 化合物(1−5)(5.1g)、参考例(1)(6.6g)、DMSO(34ml)、DIPEA(30ml)の混合物を150℃にて16時間撹拌した。冷却後、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(4−(6−ブロモ−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(1−6))を褐色固体として得た。
工程7: 化合物(1−6)(11g)、トリフェニルホスフィン(6.1g)、THF(90ml)の混合物に、氷冷下、四臭化炭素(7.8g)を加えた。得られた混合物を室温にて30分間撹拌した後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物を濾別した後、濾液を濃縮した。得られた残渣をクロロホルム(8ml)、メタノール(110ml)の混合溶媒にて再結晶した。得られた固体を濾取、乾燥し、4−(4−(6−ブロモ−3−((2−ブロモエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(1−7))を白色固体として得た。
工程8: 化合物(1−7)(0.85g)、THF(3ml)、tert−ブチルアミン(0.66ml)の混合物を75℃にて終夜撹拌した。反応混合物を濃縮後、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(4−(6−ブロモ−3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(1−8))を白色固体として得た。
工程9: 化合物(1−8)(0.15g)、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸(0.050g)、1,4−ジオキサン(3.5ml)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、0.40ml)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)(0.020g)の混合物を100℃にて2時間撹拌した後、冷却し、酢酸エチルにて希釈した。混合物を水、飽和食塩水にて順に洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物を濾過後、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(4−(5−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(1−9))を白色固体として得た。
工程10: 化合物(1−9)(0.050g)、アニソール(0.2ml)、TFA(2ml)の混合物をマイクロウェーブ照射下140℃にて1時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、上記表題の化合物(1)を得た。
実施例2 4−(4−(6’−フルオロ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(2)) 実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに2−フルオロピリジン−5−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(2)を得た。
実施例3 4−(4−(6−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(3))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに1,3−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾールを用い、上記表題の化合物(3)を得た。
実施例4 4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(1−ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(4))
実施例1に準じ、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに1−(ジフルオロメチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾールを用い、上記表題の化合物(4)を得た。
実施例5 4−(4−(5’,6’−ジフルオロ−5−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(5))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに2,3−ジフルオロピリジン−5−ボロン酸ピナコールエステルを用い、上記表題の化合物(5)を得た。
実施例6 4−(4−(6−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)−3−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(6))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに2,4−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−チアゾールを用い、上記表題の化合物(6)を得た。
実施例7 4−(4−(5’−メトキシ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(7)) 実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−メトキシピリジン−5−ボロン酸ピナコールエステルを用い、上記表題の化合物(7)を得た。
実施例8 4−(4−(5’−フルオロ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(8)) 実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、上記表題の化合物(8)を得た。
実施例9 4−(4−(6−(3−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(9))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにジメチルアミン(2M、THF溶液)を用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−クロロ−1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾールを用い、上記表題の化合物(9)を得た。
実施例10 4−(4−(3−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−6−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(10))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−5−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(10)を得た。
実施例11 4−(4−(6−(3−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(11))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−クロロ−1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾールを用い、上記表題の化合物(11)を得た。
実施例12 4−(4−(5−((2−(エチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオ・BR>香|[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(12))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにエチルアミン(2M,THF溶液)を用い、上記表題の化合物(12)を得た。
実施例13 4−(4−(2’−フルオロ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,4’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(13))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに2−フルオロピリジン−4−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(13)を得た。
実施例14 4−(4−(6−(フラン−3−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物14)
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フランを用い、上記表題の化合物(14)を得た。
実施例15 4−(4−(5−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−5’−メトキシ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(15))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−メトキシピリジン−5−ボロン酸ピナコールエステルを用い、上記表題の化合物(15)を得た。
実施例16 4−(4−(5’−フルオロ−2’−メトキシ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,4’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(16))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに5−フルオロ−2−メトキシピリジン−4−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(16)を得た。
実施例17 4−(4−(2’−フルオロ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(17))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに2−フルオロピリジン−3−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(17)を得た。
実施例18 5−メチル−4−(4−(3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−6−(チオフェン−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(18))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−チエニルボロン酸を用い、上記表題の化合物(18)を得た。
実施例19 4−(4−(5’−フルオロ−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(19))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、上記表題の化合物(19)を得た。
実施例20 5−メチル−4−(4−(6−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(20))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−5−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(20)を得た。
実施例21 4−(4−(5−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−メトキシ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(21))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにジメチルアミン(2M、THF溶液)を用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−メトキシピリジン−5−ボロン酸ピナコールエステルを用い、上記表題の化合物(21)を得た。
実施例22 5−メチル−4−(4−(2’−メチル−5−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(22))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに2−メチルピリジン−3−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(22)を得た。
実施例23 4−(4−(3−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(チオフェン−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(23))
実施例1に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにジメチルアミン(2M、THF溶液)を用い、3−フルオロピリジン−5−ボロン酸の代わりに3−チエニルボロン酸を用い、上記表題の化合物(23)を得た。
実施例24 5−メチル−4−(4−(3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(24))
工程1: 実施例1の工程1〜8に準じ、参考例(1)の代わりに参考例(2)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、4−(4−(6−ブロモ−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(24−1))を黄色アモルファス状物質として得た。
工程2: 化合物(24−1)(0.044g)、2−(トリブチルスタニル)チアゾール(0.032ml)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(4.7mg)、1,4−ジオキサン(1.5ml)の混合物をマイクロウェーブ照射下、100℃にて1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮後、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−4−(4−(3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−6−(チアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(24−2))を淡黄色固体として得た。
工程3: 実施例1の工程10に準じ、化合物(1−9)の代わりに化合物(24−2)を用い、上記表題の化合物(24)を得た。
実施例25 5−メチル−4−(4−(6−(オキサゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(25))
実施例24に準じ、2−(トリブチルスタニル)チアゾールの代わりに2−(トリメチルスタニル)オキサゾールを用い、上記表題の化合物(25)を得た。
実施例26 4−(5−フルオロ−5’−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−5’’,6’’−ジヒドロ−[3,2’:6’,4’’−テルピリジン]−1’’(2’’H)−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(26))
工程1: 5−ブロモ−2−クロロピリジン(10g)、エタノールアミン(6.3ml)、ヨウ化銅(I)(0.99g)、L−プロリン(1.2g)、炭酸カリウム(14g)、DMSO(40ml)の混合物をマイクロウェーブ照射下、100℃にて1時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルにて希釈後、濾過し、濾液を水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濾過、濃縮し、2−((6−クロロピリジン−3−イル)アミノ)エタノール(化合物(26−1))を得た。
工程2: 化合物(26−1)(7.2g)をTHF(150ml)に溶解し、0℃に冷却した後、NBS(7.4g)をゆっくり加えた。反応混合物を室温にて30分間撹拌した後、再び0℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(16g)、四臭化炭素(21g)を順に加えた。反応混合物を室温にて30分間撹拌した後、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を分離後、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣にメタノールを加え、生じた固体を濾取した。得られた固体を減圧乾燥し、2−ブロモ−N−(2−ブロモエチル)−6−クロロピリジン−3−アミン(化合物(26−2))を白色固体として得た。
工程3: 化合物(26−2)(0.51g)、THF(2ml)、ピロリジン(0.30ml)の混合物を80℃にて30分間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過した。濾液を濃縮し、2−ブロモ−6−クロロ−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)ピリジン−3−アミン(化合物(26−3))を褐色油状物質として得た。
工程4: 化合物(26−3)(0.10g)、参考例(3)(0.10g)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(30mg)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、0.30ml)、1,4−ジオキサン(2ml)の混合物を115℃にて30分間撹拌した後、室温にて酢酸エチルを加え、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(6−クロロ−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−5’−6’ジヒドロ−[2,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(26−4))を淡黄色固体として得た。
工程5: 実施例1の工程9及び10に準じ、化合物(1−8)の代わりに化合物(26−4)を用い、上記表題の化合物(26)を得た。
実施例27 5−メチル−4−(4−(5−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(27))
工程1: 3−ブロモ−2−フルオロピリジン(1.8g)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.4g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.60g)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、6.5ml)、1,4−ジオキサン(25ml)の混合物を110℃にて20時間撹拌した。室温に冷却後、酢酸エチルにて希釈し、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−フルオロ−5’,6’−ジヒドロ−[3,4’−ビピリジン]−1’(2’H)−カルボン酸tert−ブチル(化合物(27−1))を淡黄色固体として得た。
工程2: 化合物(27−1)(2.7g)、酢酸エチル(20ml)、20%水酸化パラジウム/炭素(1g)の混合物を水素雰囲気下、室温にて終夜撹拌した。窒素置換後、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、4−(2−フルオロピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(27−2))を淡黄色固体として得た。
工程3: 化合物(27−2)(0.22g)、2−ピロリジン−1−イルエタナミン(2ml)の混合物を130℃にて7日間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(27−3))を淡黄色油状物質として得た。
工程4: 化合物(27−3)(0.17g)、酢酸(5ml)の混合物に、室温にてNBS(96mg)を加えた。室温にて40分間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(5−ブロモ−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(27−4))を褐色油状物質として得た。
工程5: 化合物(27−4)(0.060g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.023g)、1,4−ジオキサン1ml、1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−5−ボロン酸(77mg)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、0.20ml)の混合物を100℃にて3時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(5−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(27−5))を無色油状物質として得た。
工程6: 化合物(27−5)(74mg)、TFA(1ml)の混合物を室温にて30分間撹拌した後濃縮した。得られた残渣をDMSO(1ml)に溶解し、参考例(2)(42mg)、DIPEA(0.18ml)を加え、130℃にて3時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−4−(4−(5−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−2−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−3−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(27−6))を無色アモルファス状物質として得た。
工程7: 実施例1の工程10に準じ、化合物(1−9)の代わりに化合物(27−6)を用い、上記表題の化合物(27)を得た。
実施例28 4−(4−(3,5’−ジフルオロ−5−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(28))
工程1: 2−ブロモ−5−フルオロ−3−ニトロピリジン(1.0g)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.7g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(66mg)、1,4−ジオキサン(15ml)、炭酸ナトリウム(0.96g)、及び、水(6ml)の混合物を16時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、濾過し、濾液を酢酸エチルにて希釈後、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、不溶物を濾別した。濾液を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、5−フルオロ−3−ニトロ−5’,6’−ジヒドロ−[2,4’−ビピリジン]−1’(2’H)カルボン酸tert−ブチル(化合物(28−1))を褐色アモルファス状物質として得た。
工程2: 実施例1の工程2〜10に準じ、化合物(1−1)の代わりに化合物(28−1)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、上記表題の化合物(28)を得た。
実施例29 4−(4−(5−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペラジン−1−イル)−5−メチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(29))
工程1: 1−(tert−ブトキシカルボニル)−ピペラジン(4.5g)、2−プロパノール(30ml)、DIPEA(6.1ml)の混合物に、2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(3.8g)のTHF溶液(30ml)を加え、室温にて2.5時間撹拌した。反応混合物に10%リン酸水溶液を加えた後、有機溶媒を減圧留去した。生じた固体を濾取し、水にて洗浄した。得られた固体を酢酸エチルにて懸濁し、不溶物を濾別した。得られた濾液を飽和重曹水、飽和食塩水にて順に洗浄し、有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(29−1))を得た。
工程2: 化合物(29−1)(1.0g)、エタノール(10ml)、水(2ml)、鉄(0.80g)、塩化アンモニウム(1.2g)の混合物を60℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、飽和重曹水、及び、酢酸エチルを加えた。不溶物を濾別後、有機層を分離し、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(29−2))を得た。
工程3: 化合物(29−2)(0.94g)、N,N−ジメチルグリシン(0.45g)、DMF(10ml)、HATU(1.8g)、DIPEA(2ml)の混合物を室温にて18時間撹拌した。再びHATU(0.90g)を加え、18時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(6−クロロ−3−(2−(ジメチルアミノ)アセトアミド)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(29−3))を得た。
工程4: 化合物(29−3)(0.66g)のTHF溶液(10ml)にボラン・硫化ジメチル錯体(2ml)を加え室温にて18時間撹拌した。ゆっくり水を加えた後、2N塩酸(4ml)を加え、60℃にて12時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、5N水酸化ナトリウム水溶液5ml、二炭酸ジ−tert−ブチル(1M、THF溶液、1.7ml)を加え、24時間撹拌した。反応混合物を水にて希釈後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(6−クロロ−3−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(化合物(29−4))を得た。
工程5: 実施例27の工程5〜7に準じ、化合物(27−4)の代わりに化合物(29−4)を用い、1−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−5−ボロン酸の代わりに3−フルオロピリジン−5−ボロン酸を用い、上記表題の化合物(29)を得た。
実施例30 4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(30))
工程1: 化合物(1−6)(2.74g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(366mg)、トリエチルアミン(1.87ml)、N,N−ジメチルホルミルアミド(8ml)及びメタノール(8ml)の混合物を一酸化炭素雰囲気下0.4MPa、80℃にて12時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、6−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−5−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピコリン酸メチル(化合物(30−1))を褐色アモルファス状物質として得た。
工程2: 化合物(30−1)(2.60g)、ヒドラジン一水和物(5ml)及びエタノール(12ml)の混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、酢酸エチルにて希釈し、水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過、濾液を濃縮し、6−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−5−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピコリン酸ヒドラジド(化合物(30−2))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程3: 化合物(30−2)(500mg)、ジクロロメタン(8.47ml)、トリエチルアミン(0.24ml)の混合物にジフルオロ酢酸無水物(0.11ml)を加え、室温で15分撹拌した。さらにジフルオロ酢酸(0.11ml)を加え、室温で15分撹拌した後、濃縮し、残渣にアンモニアメタノール溶液(7M、8ml)を加え、室温にて撹拌した。混合物を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N’−(2,2−ジフルオロアセチル)−6−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−5−((2―ヒドロキシエチル)アミノ)ピコリン酸ヒドラジド(化合物(30−3))を白色アモルファス状物質として得た。
工程4: 化合物(30−3)(621.2mg)、トリフェニルホスフィン(710.5mg)、四臭化炭素(898.3mg)、イミダゾール(207.5mg)、及びジクロロメタン(8.47ml)の混合物を室温にて3時間撹拌した。さらに40℃で1時間撹拌し、トリフェニルホスフィン(710.5mg)、四臭化炭素(898.3mg)を加え、40℃で2日間撹拌した。混合物を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトフラフィーにて精製し、化合物(30−4)を白色アモルファス状物質として得た。
工程5: 実施例1の工程8及び10に準じ、化合物(1−7)の代わりに化合物(30−4)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、上記表題の化合物(30)を得た。
実施例31 4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(31))
実施例30に準じ、ピロリジンの代わりにイソプロピルアミンを用い、上記表題の化合物(31)を得た。
実施例32 4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(32))
実施例30に準じ、ジフルオロ酢酸無水物の代わりにトリフルオロ酢酸無水物を用い、ピロリジンの代わりにtert−ブチルアミンを用い、上記表題の化合物(32)を得た。
実施例33 4−(4−(3−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(33))
実施例30に準じ、ジフルオロ酢酸無水物の代わりにトリフルオロ酢酸無水物を用い、ピロリジンの代わりにイソプロピルアミンを用い、上記表題の化合物(33)を得た。
実施例34 4−(4−(3−((2−(tert−ブチル(メチル)アミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(34))
実施例30に準じ、ジフルオロ酢酸無水物の代わりにトリフルオロ酢酸無水物を用い、ピロリジンの代わりにメチル−tert−ブチルアミンを用い、上記表題の化合物(34)を得た。
実施例35 (S)−5,5−ジメチル−4−(4−(3−((ピロリジン−2−イルメチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(35))
工程1: 5−フルオロピリジン−2−カルボン酸メチル(0.5g)、(S)−2−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.0g)、DIPEA(0.67ml)、DMSO(3.0ml)の混合物を130℃にて1.5時間、140℃にて1時間撹拌した。室温に冷却後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、(S)−5−(((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)ピコリン酸メチル(化合物(35−1))を無色油状物質として得た。
工程2: 化合物(35−1)(601mg)、THF(9ml)の混合物に室温でNBS(319mg)を加え、1時間撹拌した。得られた混合物に飽和重曹水、及び、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、(S)−6−ブロモ−5−(((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)ピコリン酸メチル(化合物(35−2))を無色油状物質として得た。
工程3: 亜鉛粉末(512mg)、N,N−ジメチルアセトアミド(5ml)の混合物にトリメチルシリルクロリド(0.06ml)を加え、室温にて10分間撹拌した。続いて参考例(4)(1.2g)を加え、60℃にて1時間撹拌して有機亜鉛試薬のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を得た。別の反応容器に化合物(35−2)(649mg)、酢酸パラジウム(35mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(64mg)、N,N−ジメチルアセトアミド(1.5ml)を加え、室温にて10分間撹拌した。得られた混合物に上記の有機亜鉛試薬のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を加え、60℃にて5時間撹拌した。室温に冷却し、反応混合物に水(5ml)、酢酸エチル(5ml)を加えた後濾過した。有機層を分離後、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し、濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、(S)−5−(((1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)メチル)アミノ)−6−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)ピコリン酸メチル(化合物(35−3))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程4: 実施例30の工程2〜4に準じ、化合物(30−1)の代わりに化合物(35−3)を用い、ジフルオロ酢酸無水物の代わりにトリフルオロ酢酸無水物を用い、(S)−tert−ブチル2−(((2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸(化合物(35−4))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程5: 実施例1の工程10に準じ、化合物(1−9)の代わりに化合物(35−4)を用い、上記表題の化合物(35)を得た。
実施例36 5,5−ジメチル−4−(4−(6−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(36))
工程1: 5−ブロモピコリン酸(10g)、メタノ−ル(50ml)の混合物に濃硫酸(1ml)を加え、3時間加熱環流した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣にエタノ−ル(50ml)、ヒドラジン1水和物(10ml)を加え、3時間加熱環流を行った後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣に水を加え、生じた固体を濾取し、5−ブロモピコリン酸ヒドラジド(化合物(36−1))を黄色固体として得た。
工程2: 化合物(36−1)(1.5g)、アセトニトリル(25ml)、トリエチルアミン(1ml)の混合物に無水酢酸(0.79ml)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、生じた固体を濾取し、N’−アセチル−5−ブロモピコリン酸ヒドラジド(化合物(36−2))を白色固体として得た。
工程3: 化合物(36−2)(1.78g)、ロ−ソン試薬(2.8g)、1,4−ジオキサン(35ml)の混合物を1時間加熱環流した後、反応混合物を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。得られた固体をメタノ−ル:水(5:1)に懸濁した。固体を濾取し、2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−5−メチル−1,3,4−チアジアゾ−ル(化合物(36−3))を白色固体として得た。
工程4: 化合物(36−3)(1.15g)、エタノ−ルアミン(0.81ml)、ヨウ化銅(I)(85mg)、L−プロリン(103mg)、炭酸カリウム(1.24g)、及びDMSO(10ml)の混合物を80℃にて終夜撹拌した。室温に冷却後、水と酢酸エチルで希釈し、濾過後、クロロホルムにて3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。得られた残渣をメタノ−ルで希釈後、塩酸メタノ−ル溶液を加え、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに懸濁し、濾取した。得られた固体をクロロホルムに懸濁し、飽和重曹水を加えた。有機層を分離後、水層をクロロホルム/メタノ−ル(10:1)で5回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮した。得られた残渣をクロロホルムに懸濁した。固体を濾取し、2−((6−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エタノール(化合物(36−4))を褐色固体として得た。
工程5: 化合物(36−4)(559mg)、THF(10ml)、アセトニトリル(5ml)の混合物にNBS(421mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に亜硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水を加え、クロロホルム/メタノ−ル(10:1)で5回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮した。得られた残渣にジエチルエ−テルを加え、生じた固体を濾取し、2−((2−ブロモ−6−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エタノール(化合物(36−5))を褐色固体として得た。
工程6: 亜鉛粉末(705mg)、N,N−ジメチルアセトアミド(6ml)の混合物にトリメチルシリルクロリド(0.03ml)を加え、室温にて10分間撹拌した。続いて参考例(4)(2.25g)を加え、60℃にて30分間撹拌して有機亜鉛試薬のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を得た。別の反応容器に化合物(36−5)(680mg)、酢酸パラジウム(24mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(89mg)、N,N−ジメチルアセトアミド(6ml)を加え、室温にて10分間撹拌した。得られた混合物に上記の有機亜鉛試薬のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を加え、60℃で5時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に(水5ml)、酢酸エチル(5ml)を加えた。濾過後、有機層を分離し、水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−(4−(3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)−6−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(36−6))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程7: 化合物(36−6)(804mg)、トリフェニルホスフィン(501mg)、THF(6ml)の混合物に、氷冷下、四臭化炭素(634mg)を加えた。得られた混合物を室温にて1時間撹拌した後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後濃縮した。得られた残渣を塩基性・BR>Vリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(4−(3−((2−ブロモエチル)アミノ)−6−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(36−7))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程8: 実施例1の工程8及び10に準じ、化合物(1−7)の代わりに化合物(36−7)を用い、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、上記表題の化合物(36)を得た。
実施例37 4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(37))
実施例36に準じ、無水酢酸の代わりにジフルオロ酢酸無水物を用い、ピロリジンの代わりにtert−ブチルアミンを用い、上記表題の化合物(37)を得た。
実施例38 4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−3−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(38))
実施例36に準じ、無水酢酸の代わりにジフルオロ酢酸無水物を用い、ピロリジンの代わりにジメチルアミンを用い、上記表題の化合物(38)を得た。
実施例39 4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−3−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(39))
実施例37に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、上記表題の化合物(39)を得た。
実施例40 4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(40))
実施例36に準じ、無水酢酸の代わりにシクロプロパンカルボン酸クロリドを用い、ピロリジンの代わりにtert−ブチルアミンを用い、上記表題の化合物(40)を得た。
実施例41 4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(41))
工程1: 5−フルオロピコリノニトリル(25g)、DMSO(100ml)、2−アミノエタノール(25ml)の混合物を75℃にて40分間攪拌した。室温に冷却後、水で希釈し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濾過した。濾液を濃縮し、5−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピコリノニトリル(化合物(41−1))を白色固体として得た。
工程2: 化合物(41−1)(29g)、及び、THF(300ml)の混合物にNBS(32g)を加え室温にて3時間撹拌した。得られた混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液(10%、100ml)を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過後、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(110ml)にて再結晶した。得られた固体を濾取、乾燥し、6−ブロモ−5−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピコリノニトリル(化合物(41−2))を白色固体として得た。
工程3: 化合物(41−2)(3.4g)、及び、ピリジン(4.0ml)の混合物に無水酢酸(4.0ml)を加え室温にて30分間攪拌した。得られた混合物を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて順に洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。濾過後、濃縮し、得られた残渣を酢酸イソプロピルにて再結晶し、2−((2−ブロモ−6−シアノピリジン−3−イル)アミノ)エチル 酢酸エステル(化合物(41−3))を白色固体として得た。
工程4: 亜鉛粉末(0.97g)、及び、N,N−ジメチルアセトアミド(5ml)の混合物にトリメチルシリルクロリド(0.089ml)を加え超音波照射下50℃にて15分間反応させた。室温に冷却後、N,N−ジメチルアセトアミド(44ml)、参考例(4)(4.8g)を加え超音波照射下、50℃にて20分間反応させた。室温に冷却後、過剰量の亜鉛粉末を濾別して得られた混合液を、別途調整した化合物(41−3)(1.8g)、酢酸パラジウム(II)(0.16g)、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ジフェニル]−2−イル)ホスフィン(0.17g)及びN,N−ジメチルアセトアミド(4ml)の混合液に加え、70℃にて2時間攪拌した。室温に冷却後、得られた混合物を酢酸エチルと水にて希釈し、不溶物を濾過後、得られた濾液を水、飽和食塩水にて順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、酢酸2−((6−シアノ−2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル(化合物(41−4))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程5: 化合物(41−4)(8.5g)、及び、エタノール(100ml)の混合物にヒドロキルアミン水溶液(50%、2.8ml)を加えて60℃にて10分間攪拌した。得られた混合物を濃縮、乾燥し、酢酸2−((2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−6−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル(化合物(41−5))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程6: 化合物(41−5)、及び、THF(100ml)の混合物を0℃に冷却し、ジフルオロ酢酸無水物(2.2ml)、ピリジン(25ml)を順次加え、室温にて5分攪拌した。得られた混合物をさらに60℃にて2時間攪拌した。冷却後、塩酸(0.5M、30ml)を加え、酸エチルにて抽出した。有機層を分離後、水、飽和食塩水にて順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。濾過後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、酢酸2−((6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾ−ル−3−イル)−2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル(化合物(41−6))を白色固体として得た。
工程7: 化合物(41−6)(9.8g)、メタノール(100ml)、及びTHF(50ml)の混合物を0℃に冷却し、水酸化ナトリウム水溶液(5M、0.85ml)を加えて、0℃にて1時間攪拌した。得られた混合物に塩酸(5M、0.85ml)を加えて室温にて2時間攪拌した。生じた固体を濾取し、メタノール(50ml)にて洗浄後、減圧乾燥し、4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾ−ル−3−イル)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(41−7))を白色固体として得た。
工程8: 実施例1の工程7、8及び10に準じ、化合物(1−6)の代わりに化合物(41−7)を用い、上記表題の化合物(41)を得た。
実施例42 4−(4−(3−((2−(イソプロピルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(42))
実施例41に準じ、ジフルオロ酢酸無水物の代わりにトリフルオロ酢酸無水物を用い、tert−ブチルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用い、上記表題の化合物(42)を得た。
実施例43 4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(43))
工程1: 実施例41の工程1〜6に準じ、ジフルオロ酢酸無水物の代わりにトリフルオロ酢酸無水物を用い、酢酸2−((2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル(化合物(43−1))を得た。
工程2: 化合物(43−1)(0.44g)、DMF(10ml)、ヒドロキシアミン塩酸塩(0.43g)、tert−ブトキシカリウム(0.69g)の混合物を70℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過した。得られた濾液を濃縮し、酢酸2−((2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル(化合物(43−2))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程3: 実施例41の工程7及び8に準じ、化合物(41−6)の代わりに化合物(43−2)を用い、上記表題の化合物(43)を得た。
実施例44 5,5−ジメチル−4−(4−(3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(44))
実施例43に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにピロリジンを用い、上記表題の化合物(44)を得た。
比較例B 4−(4−(4−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン
工程1: 2,6−ジブロモ−4−ニトロピリジン(1g)、炭酸カリウム(490.3mg)、2−アミノエタノール(0.32ml)、及びDMSO(10ml)の混合物を60℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−((2,6−ジブロモピリジン−4−イル)アミノ)エタノール(比較例B(1−1))を褐色油状物質として得た。
工程2: 比較例B(1−1)(212mg)、5−フルオロピリジン−3−ボロン酸(50mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(82.8mg)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、0.39ml)、及び1,4−ジオキサン(7.16ml)の混合物を100℃にて1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−((6−ブロモ−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−4−イル)アミノ)エタノール(比較例B(1−2))を粗精製物として得た。得られた粗精製物は、さらに精製すること無く全量を次工程に使用した。
工程3: 比較例B(1−2)粗精製物、四臭化炭素(237.6mg)、トリフェニルホスフィン(187.9mg)、THF(3ml)、及びジクロロメタン(1ml)の混合物を室温にて30分撹拌した。反応混合物に飽和重曹水、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、6−ブロモ−N−(2−ブロモエチル)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−4−アミン(比較例B(1−3))を黄色アモルファス状物質として得た。
工程4: 比較例B(1−3)(65.7mg)、tert−ブチルアミン(0.2ml)、THF(1ml)の混合物を80℃にて4時間撹拌した。反応混合物にtert−ブチルアミン(0.2ml)を追加し、90℃にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N1−(6−ブロモ−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−4−イル)−N2−(tert−ブチル)エタン−1,2−ジアミン(比較例B(1−4))を黄色アモルファス状物質として得た。
工程5: 比較例B(1−4)(57.5mg)、参考例(5)(69.5mg)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(12.8mg)、炭酸ナトリウム水溶液(2M、0.10ml)及び1,4−ジオキサン(1.57ml)の混合物を100℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過、濾液を濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(4’((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−5−フルオロ−5’’,6’’−ジヒドロ−[3,2’:6’,4’’−テルピリジン]−1’’(2’’H)−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(比較例B(1−5))を褐色アモルファス状物質として得た。
工程6: 比較例B(1−5)(16mg)、20%水酸化パラジウム/炭素(15mg)、酢酸エチル(1ml)、エタノール(0.1ml)、メタノール(0.1ml)、THF(0.1ml)、DMF(0.1ml)、及びTFA(0.01ml)の混合物を水素雰囲気下、室温にて4時間撹拌した。窒素置換後、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、上記表題の比較例Bを得た。
実施例1〜44の化合物の化学構造式及び物性値を以下の表1に示す。
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
Figure 2017200087
試験例1 Akt1キナーゼ活性阻害作用の確認
Akt1の調製並びにAkt1のキナーゼ活性に対する本発明化合物のインビトロでの阻害活性測定法は、Biochem.J.vol.385,pp399−408(2005)及びCancer Res.vol.68,pp2366−2374(2008)の文献に記載されている方法を参考にして実施した。Akt1の調製においては、まず、昆虫細胞Sf9でMiddle T antigenタグを付加させたヒトAkt1を発現させ、その後アフィニティー精製とPDK1による活性化を経てAkt1を調製し、化合物の阻害活性測定時まで−80℃で保存した。化合物の阻害活性測定においては、まず、反応用緩衝液(15mM Tris−HCl pH7.5,0.01% Tween−20,2mM DTT)中でAkt1と本発明化合物を25℃で120分間プレインキュベーションした。次に、基質としてビオチン化Crosstide(biotin−KGSGSGRPRTSSFAEG、Millipore社製)とMgClとATPをそれぞれ終濃度500nMと10mMと150μMとなるように加え、25℃で60分間反応させた。そこへ終濃度40mMになるようEDTAを加えることで反応を停止させた後、Euラベル化抗リン酸化Crosstide抗体(PerkinElmer社製)とSureLight APC−SA(PerkinElmer社製)をそれぞれ終濃度0.5nMと62.5nMになるように含む検出液を添加し、室温で2時間反応した。最後に、PHERAstar FS(BMG LABTECH社製)またはPHERAstar(BMG LABTECH社製)で波長337nmの励起光照射時における蛍光量を620nmと665nmの二波長で測定した。二波長の蛍光量比からリン酸化反応量を求め、リン酸化反応を50%抑制することのできる化合物濃度をIC50値(nM)と定義し以下の表2に示した。
また、対照化合物として、以下の既知のAkt阻害活性を有する比較例A(WO2010/056563(実施例31))、及び比較例Bを用いた。
Figure 2017200087
Figure 2017200087
試験例2 Rsk1キナーゼ活性阻害作用の確認
Rsk1キナーゼ活性に対する本発明化合物のインビトロでの阻害活性測定はカルナバイオサイエンス社のQSS AssistTM FPアッセイキットを用いて実施した。
化合物の阻害活性測定においては、まず、被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で段階希釈した。次に、キナーゼ反応用緩衝液(20mM HEPES(pH7.4),2mM dithiothreitol,0.01% Tween−20)中にRsk1蛋白質、基質ペプチド(終濃度は100nM)、塩化マグネシウム(終濃度は10mM)、ATP(終濃度は30μM)と被験化合物DMSO溶液(DMSOの終濃度は5%)を加えて25℃で40分間インキュベーションしキナーゼ反応を行った。そこへモレキュラーデバイス社のIMAP Progressive Binding Buffer Aにて400倍希釈したIMAP Progressive Binding Reagentを加えてキナーゼ反応を停止させた。室温で暗所に120分間静置後に、PHERAstar(BMG LABTECH社、励起波長485nm、検出波長520nm)で測定して得られた蛍光偏光度よりリン酸化反応量を求め、リン酸化反応を50%抑制することのできる化合物濃度をIC50値(nM)と定義し下記の表3に示した。
Figure 2017200087
試験例3 S6K1キナーゼ活性阻害作用の確認
S6K1キナーゼ活性に対する本発明化合物のインビトロでの阻害活性測定はカルナバイオサイエンス社のQSS AssistTM FPアッセイキットを用いて実施した。
化合物の阻害活性測定においては、まず、被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で段階希釈した。次に、キナーゼ反応用緩衝液(20mM HEPES(pH7.4),2mM dithiothreitol,0.01% Tween−20)中にS6K蛋白質、基質ペプチド(終濃度は100nM)、塩化マグネシウム(終濃度は5mM)、ATP(終濃度は25μM)と被験化合物DMSO溶液(DMSOの終濃度は5%)を加えて25℃で30分間インキュベーションしキナーゼ反応を行った。そこへモレキュラーデバイス社のIMAP Progressive Binding Buffer Aにて400倍希釈したIMAP Progressive Binding Reagentを加えてキナーゼ反応を停止させた。室温で暗所に120分間静置後に、PHERAstar(BMG LABTECH社、励起波長485nm、検出波長520nm)で測定して得られた蛍光偏光度よりリン酸化反応量を求め、リン酸化反応を50%抑制することのできる化合物濃度をIC50値(nM)と定義し下記の表4に示した。
Figure 2017200087
試験例4 細胞増殖抑制試験
RKO細胞(ヒト大腸癌細胞株)に対するin vitro細胞増殖抑制試験を以下の条件で実施した。
10%のFBS、1mMのL−グルタミン(GIBCO、Cat#:25030)及び1mMのピルビン酸ナトリウム(GIBCO、Cat#:11360)を含むMEM培地(GIBCO、Cat#:10370−088)中で培養したRKO細胞(ATCC、Cat#:CRL−2577)を、96ウェル平底マイクロプレート(COSTAR、Cat#:3904)の各ウェルに2×10個(150μl)ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス含有の培養器中で1日培養した。ジメチルスルホキシドにて段階稀釈した本発明化合物、或いはジメチルスルホキシドのみを、10%のFBS,1mMのL−グルタミン,及び1mMのピルビン酸ナトリウムを含むMEM培地に添加した。これを先に述べたRKO細胞の培養プレートの各ウェルに50μlずつ加えて、化合物の最終濃度がそれぞれ10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01、0.003、0μMになるようにした。また、別途用意したRKO細胞の培養プレートを室温に30分間放置後、100μlの培地を除いた後に50μlのCellTiter−Glo(登録商標)2.0 Assay(Promega、Cat#:G9242)を各ウェルに添加した。10分間暗所で放置した後、Multimode Plate Reader(PerkinElmer、EnSpire)にて化合物添加時のウェルの生細胞由来発光量を測定した。化合物或いはジメチルスルホキシドのみを加えた細胞は37℃、5%炭酸ガス含有の培養器中でさらに3日間培養した。培養後、室温に30分間放置し、各ウェルから上清を150μlずつ除き、50μlの細胞培養液が残るようにした。残った細胞培養液50μlに対し、等量のCellTiter−Glo(登録商標)2.0 Assayを添加した。10分間暗所で放置した後、Multimode Plate Readerにて各ウェルの生細胞由来発光量を測定した。以下の式より細胞増殖率を算出し、細胞増殖率が50%となる濃度、すなわち細胞増殖を50%阻害する本発明化合物の濃度(GI50値(nM))を求めた。
細胞増殖率(%)=(T−C)/(C−C)×100;T≧Cの場合
細胞増殖率(%)=(T−C)/C×100;T<Cの場合
:化合物添加時のウェルの発光量(count per second)
C:ジメチルスルホキシドのみを添加したウェルの発光量(count per second)
T:被検化合物を添加したウェルの発光量(count per second)
また、対照化合物として、以下の既知のAkt阻害活性を有する比較例A(WO2010/056563(実施例31))、及び比較例Bを用いた。
Figure 2017200087
本発明における代表化合物及び対照化合物のRKO細胞に対するGI50値を評価し、その結果を以下の表5に示す。
Figure 2017200087
この結果から、本発明化合物は、既知のAkt阻害活性を有するピペラジン誘導体よりも、顕著に高い細胞増殖阻害活性を有することが明らかとなった。また、化合物1と比較例Bの対比から、R、R、R及びRを含むアミノ側鎖の置換位置が細胞増殖阻害活性に著しく影響を与えることが明らかになった。このような置換位置による活性の違いは全く知られておらず、驚くべき知見である。
試験例5 細胞増殖抑制試験
HEC−6細胞(子宮体癌細胞株)に対するin vitro細胞増殖抑制試験を以下の条件で実施した。
15%のFBSを含むMEM培地(GIBCO、Cat#:10370)中で培養したHEC−6細胞(Health Science Research Resources Bank、細胞番号:JCRB1118)を、384ウェル平底マイクロプレート(CORNING、Cat#:3571)の各ウェルに500個(20μl)ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス含有の培養器中で1日培養した。ジメチルスルホキシドにて段階稀釈した本発明化合物、或いはジメチルスルホキシドのみを、15%のFBSを含むMEM培地に添加した。これを先に述べたHEC−6細胞の培養プレートの各ウェルに5μlずつ加えて、化合物の最終濃度がそれぞれ10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01、0.003、0.001、0.0003、0μMになるようにした。また、別途用意したHEC−6細胞の培養プレートを室温に30分間放置後、20μlのCellTiter−Glo(登録商標)2.0 Assay(Promega、Cat#:G9243)を各ウェルに添加した。10分間プレートシェイカーにて攪拌後30分間暗所で静置した後、Multimode Plate Reader(PerkinElmer、EnVision)にて各ウェルの生細胞由来発光量を測定した。化合物或いはジメチルスルホキシドのみを加えた細胞は37℃、5%炭酸ガス含有の培養器中でさらに3日間培養した。培養後、室温に30分間放置し、各ウェル25μlのCellTiter−Glo(登録商標)2.0 Assayを添加した。10分間プレートシェイカーにて攪拌後30分間暗所で静置した後、Multimode Plate Readerにて各ウェルの生細胞由来発光量を測定した。以下の式より細胞増殖率を算出し、細胞増殖率が50%となる濃度、すなわち細胞増殖を50%阻害する本発明化合物の濃度(GI50値(μM))を求めた。
細胞増殖率(%)=(T−C)/(C−C)×100;T≧Cの場合
細胞増殖率(%)=(T−C)/C×100;T<Cの場合
:化合物添加時のウェルの発光量(count per second)
C:ジメチルスルホキシドのみを添加したウェルの発光量(count per second)
T:被検化合物を添加したウェルの発光量(count per second)
また、対照化合物として、上記の既知のAkt阻害活性を有する比較例A(WO2010/056563(実施例31))、及び比較例Bを用いた
本発明における代表化合物のHEC−6細胞に対するGI50値を評価し、その結果を表6に示す。
Figure 2017200087
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま引用により本明細書に組み入れるものとする。
(工程14)本工程は、式(XXVII)で表される化合物の水酸基を、ロゲン基、メタンスルホニル基等の脱離基に変換し、式(XXVIII)で表される化合物を製造する工程である。スルホニルエステル化の条件としては、メタンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド等と、適当な塩基を用いる条件を例示出来る。ハロゲン化に用いる条件としては、四塩化炭素、四臭化炭素、又はヨウ素等のハロゲン化剤と、トリフェニルホスフィン等を用いる条件、又は前述のスルホニルエステルをハロゲン化リチウム等にて処理し、ハロゲン基へと変換する条件が例示出来る。
参考例3 7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(参考例(3))
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.0g)をジクロロメタン(2.0ml)、TFA(2.0ml)に溶解し、室温にて15分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、乾燥させて得られた残渣に、参考例(2)(1.1g)、DMSO(7.0ml)、及び、DIPEA(2.3ml)を加え、マイクロウェーブ照射下、120℃にて4時間撹拌した。室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、上記表題の参考例(3)を白色アモルファス状物質として得た。
実施例12 4−(4−(5−((2−(エチルアミノ)エチル)アミノ)−5’−フルオロ−[2,3’−ビピリジン]−6−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(12))
実施例1に準じ、tert−ブチルアミンの代わりにエチルアミン(2M,THF溶液)を用い、上記表題の化合物(12)を得た。
工程7: 化合物(36−6)(804mg)、トリフェニルホスフィン(501mg)、THF(6ml)の混合物に、氷冷下、四臭化炭素(634mg)を加えた。得られた混合物を室温にて1時間撹拌した後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後濃縮した。得られた残渣を塩基性リカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、4−(4−(3−((2−ブロモエチル)アミノ)−6−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン(化合物(36−7))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程5: 化合物(41−4)(8.5g)、及び、エタノール(100ml)の混合物にヒドロキルアミン水溶液(50%、2.8ml)を加えて60℃にて10分間攪拌した。得られた混合物を濃縮、乾燥し、酢酸2−((2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−6−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル(化合物(41−5))を淡黄色アモルファス状物質として得た。
工程6: 化合物(41−5)、及び、THF(100ml)の混合物を0℃に冷却し、ジフルオロ酢酸無水物(2.2ml)、ピリジン(25ml)を順次加え、室温にて5分攪拌した。得られた混合物をさらに60℃にて2時間攪拌した。冷却後、塩酸(0.5M、30ml)を加え、酸エチルにて抽出した。有機層を分離後、水、飽和食塩水にて順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。濾過後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、酢酸2−((6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾ−ル−3−イル)−2−(1−(7−(2,4−ジメトキシベンジル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)ピリジン−3−イル)アミノ)エチル(化合物(41−6))を白色固体として得た。

Claims (19)

  1. 下記式(I)
    Figure 2017200087
    [式中、
    は、置換基を有していても良い、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基であり;
    は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
    、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
    は、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
    及びRは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3−C10シクロアルキル基を形成し;
    及びXは、同一又は異なって、N又はCRであり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、又はC3−C6シクロアルキル基であり;
    Figure 2017200087
    で表される、化合物又はその塩。
  2. が、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していても良い、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環式の不飽和複素環基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. は、水素原子又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子であり、Rは、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、Xは、N又はCRであり、Rは、水素原子、又はハロゲン原子であり、Xは、N又はCHである、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. が、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、及びC3−C10シクロアルキル基から選択される1〜3個の置換基を有していても良い、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、又はピラゾリル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  5. 、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であるか、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子及び隣接する炭素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、かつRは、水素原子、又はC1−C6アルキル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  6. が、ハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基を有するピリジニル基、C1−C6アルキル基及びC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、C1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基、或いは無置換のフラニル基、又はチアゾリル基であり、
    、R及びRは、水素原子であり、
    は、水素原子であり、かつRは、C1−C6アルキル基であるか、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する4〜6員の単環式の飽和複素環を形成し、
    は、C1−C6アルキル基であり、Rは、水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
    及びXは、互いに異なって、N又はCHであり、
    Figure 2017200087
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  7. が、C1−C6アルキル基及びC1−C6ハロアルキル基を有するピラゾリル基、或いは、C1−C6ハロアルキル基を有するオキサジアゾリル基である、請求項6に記載の化合物又はその塩。
  8. 化合物が以下の化合物群から選択されるものである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩:
    4−(4−(6−(5−(ジフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−((2−(ピロリジン−1−イル)エチル)アミノ)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン;
    4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン;及び
    4−(4−(3−((2−(tert−ブチルアミノ)エチル)アミノ)−6−(5−(ジフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−5,5−ジメチル−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分とするAktキナーゼ阻害剤。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分とするRskキナーゼ阻害剤。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分とするS6Kキナーゼ阻害剤。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分とする、Aktキナーゼ、Rskキナーゼ及びS6Kキナーゼからなる群から選択される少なくとも2つに対する阻害剤。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分とする、Aktキナーゼ、Rskキナーゼ及びS6Kキナーゼに対する阻害剤。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する、Aktキナーゼが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
  15. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する、Rskキナーゼが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
  16. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する、S6Kキナーゼが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
  17. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する、Aktキナーゼ、Rskキナーゼ及びS6Kキナーゼからなる群から選択される少なくとも2つが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
  18. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する、Aktキナーゼ、Rskキナーゼ及びS6Kキナーゼが関与する疾患を治療するための医薬組成物。
  19. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
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