JPWO2017199370A1 - 送信局、制御局、受信局、データ伝送システムおよびデータ伝送方法 - Google Patents

送信局、制御局、受信局、データ伝送システムおよびデータ伝送方法 Download PDF

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Abstract

本発明にかかる送信局(1)は、指向方向を変更可能な送信アンテナ(16)と、送信アンテナ(16)から送信されたデータを受信する受信局の候補となる受信局における受信信号品質の推定値と他の無線通信システムにおいてデータの受信により生じる干渉量の推定値とに基づいて送信アンテナ(16)から送信されたデータを受信する受信局とともに決定された送信アンテナ(16)の指向方向に従って、送信アンテナ(16)の指向方向を制御する制御部(171)と、を備える。

Description

本発明は、無線信号としてデータを伝送するデータ伝送システムにおける送信局、制御局、受信局およびデータ伝送方法に関する。
観測衛星等、宇宙空間の地球周回軌道上において動作する人工衛星等を用いて取得したデータを、人工衛星等から地球上の受信局へ伝送するデータ伝送システムが導入されている。近年では、観測衛星が搭載する観測機器の高精度化に伴い、観測衛星が伝送するデータ量が増大している。このため、これまでよりも高速にデータを伝送すべく、広い帯域を利用可能な26GHz帯などを用いたデータ伝送システムが検討されている。以下、人工衛星を衛星と略す。
衛星を用いたデータ伝送システムでは、衛星から送信された信号を受信局が受信する際に降雨、降雪等に起因する降雨減衰等の信号減衰が生じる。特に、周波数帯が高くなるにつれて降雨による信号の減衰量は大きくなる。そこで、降雨減衰対策として種々の方法が検討されている。降雨減衰対策としては、例えば、複数の受信局を用いるサイトダイバーシチ、適応変調等が挙げられる。
複数の受信局を用いるサイトダイバーシチは、例えば、非特許文献1に記載されているように、衛星に搭載された送信局が送信するデータを地球上に配置された複数の受信局が受信し、中央局が複数の受信局からデータを受信し、受信したデータを合成する方法である。地理的に離れた複数の受信局の全てが同一時刻に降雨状態である確率は、単一の受信局が降雨状態である確率に比べて低い。このため、上述したサイトダイバーシチを用いると、単一の受信局を用いる場合に比べ、降雨により信号減衰が生じる確率を低減させることができる。したがって、上述したサイトダイバーシチを用いると、中央局がデータを正しく受信できる確率すなわち受信したデータが送信局から送信されたデータと一致する確率は、単一の受信局を用いて該受信局がデータを正しく受信できる確率と比べて高くなる。なお、上述したサイトダイバーシチを用いる場合は、正しく受信できることは、中央局が合成したデータが正しいデータであることを示す。
また、適応変調は、受信信号品質に応じて送信信号の変調方式、符号化率等を変更する方式であり、例えば非特許文献2において、ACM(Adaptive Coding and Modulation)またはVCM(Variable Coding and Modulation)と称される方法である。この方法によれば、受信品質が低い場合は変調多値数および符号化率を減らし、受信品質が高い場合は変調多値数および符号化率を増やすといった制御を行うことで、所望の誤り率を満たすように送受信することが可能となる。
上述したように、サイトダイバーシチを用いると、単一の受信局を用いる場合に比べ、降雨等による信号減衰が生じる確率を低減させることができるため、回線設計で見積もるべき降雨減衰量は少なくなり、受信信号品質の設計値が向上する。したがって、変調多値数と符号化率を高く設定し、スループットを向上させることができる。
ITU−R(International Telecommunication Union) P.618−11,2013年9月 ETSI TS (European Telecommunications Standards Institute Technical Specification) 302 307−1 V1.4.1,2014年11月
太陽同期準回帰軌道等の周回衛星では、衛星軌道の地上軌跡が変化する。このため、衛星の軌道上の位置によって受信局における衛星の仰角と受信局と衛星との間の距離とが変化するため、衛星が照射するビームの面積と形状が変化する。すなわち、サイトダイバーシチを行う複数の受信局において受信信号品質が所望の値となるようにビームの指向方向を定めたとしても、衛星の位置の変化により受信局における受信信号品質が所望の値を下回る可能性があるという問題がある。
また、周回衛星と受信局間との通信に用いる周波数と、地上の他の無線通信システムが用いる周波数とが同一である場合、お互いの電波が干渉となり、通信品質が低下する可能性がある。特に、周回衛星のビーム照射範囲内に他の無線通信システムの受信局が位置する場合は干渉量が高くなるため、干渉を回避するような手法が必要となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、他の無線通信システムへ与える干渉を抑制しつつ、周回衛星のデータを受信する受信局における受信信号品質を所望の値以上に維持することができる送信局を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、指向方向を変更可能な送信アンテナと、送信アンテナから送信されたデータを受信する候補の受信局における受信信号品質の推定値と他の無線通信システムにおいてデータの受信により生じる干渉量の推定値とに基づいて送信アンテナから送信されたデータを受信する受信局とともに決定された送信アンテナの指向方向に従って、送信アンテナの指向方向を制御する制御部と、を備える。
本発明にかかる送信局は、他の無線通信システムへ与える干渉を抑制しつつ、周回衛星のデータを受信する受信局における受信信号品質を所望の値以上に維持することができるという効果を奏する。
実施の形態にかかるデータ伝送システムの構成例を示す図 実施の形態の送信局の構成例を示す図 実施の形態の制御回路の構成例を示す図 実施の形態の送信局の制御部の制御処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態の受信局の構成例を示す図 実施の形態の受信局の制御部の制御処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態の中央局の構成例を示す図 実施の形態の制御局の構成例を示す図 稼働率と降雨減衰量の関係を模式化した図 極軌道衛星に搭載された送信局のビームのフットプリントの変化の一例を示す図 ビーム制御部におけるビーム決定処理手順の一例を示すフローチャート 受信品質推定値の算出処理手順の一例を示すフローチャート ビーム中心と送信局から受信局へ向かうベクトルとのなす角θを説明するための図 受信局のアンテナ指向方向を説明するための図 図11および図12を用いて説明した処理により決定された送信局のビームの照射方向の一例を示す図 周波数を選択の一例を示す図 偏波の選択の一例を示す図 実施の形態の受信局グループおよびビーム中心候補の選択を行った場合のビームのフットプリントの一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる送信局、制御局、受信局、データ伝送システムおよびデータ伝送方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明にかかるデータ伝送システムの構成例を示す図である。本実施の形態のデータ伝送システムである第1の無線通信システム401は、送信局1と、受信局2−1〜2−2と、中央局3と、制御局4とを備える。第2の無線通信システム402は、第1の無線通信システム401と同一の周波数または同一の偏波を用いる他の無線通信システムの一例である。同一の周波数または同一の偏波を用いるとは、周波数および偏波のうち少なくとも1つが同一であることを示す。第2の無線通信システム402は、送信局7と、受信局8とを備える。なお、図1では受信局を2つのみ示しているが、受信局の数はこれに限定されない。以下では、受信局2−1、2−2を区別せずに示す場合、受信局2と記載する。また、第2の無線通信システム402は任意の無線通信システムであり、図1では、送信局7および受信局8をそれぞれ1つずつ示しているが、送信局7および受信局8は、それぞれ2つ以上であってもよい。なお、第2の無線通信システム402は一般的などのような無線通信システムであってもよく、本実施の形態では、第2の無線通信システム402の送信局7および受信局8の詳細な説明を省略する。
送信局1は、衛星に搭載される送信装置である。なお、ここでは、送信局1が衛星に搭載される例を説明するが、送信局1は航空機等に搭載されてもよい。受信局2−1,2−2は地球上に設置される。中央局3および制御局4も地球上に設置される。図1において、局間を繋ぐ点線および実線は局間の接続形態を示し、点線は無線接続、実線は有線接続である。送信局1と受信局2−1,2−2とは無線で接続され、受信局2−1,2−2と中央局3とは有線で接続される。また、制御局4は受信局2−1,2−2および中央局3と有線で接続され、送信局1と無線で接続される。なお、制御局4と送信局1との間の無線回線と送信局1と受信局2−1,2−2との間の無線回線は異なる無線回線である。制御局4と送信局1との間の無線回線を、適宜、制御回線と呼び、送信局1と受信局2−1,2−2との間の無線回線を、適宜、データ回線と呼ぶ。制御回線とデータ回線は、例えば周波数が異なる。
フットプリント6は、送信局1がデータ回線により照射する電波の受信可能範囲を地表面の範囲として示したものである。送信局1がデータ回線により照射する範囲をビームと呼ぶ。なお、制御局4と送信局1との間の制御回線を用いた通信方法は送信局1と受信局2−1,2−2との間のデータ回線を用いた通信方法と異なることを前提とする。このため、送信局1が制御回線を用いて送信する電波の受信可能範囲はデータ回線を用いて照射する電波の受信可能範囲とは異なっていてよい。
図2は、本実施の形態の送信局1の構成例を示す図である。本実施の形態の送信局1は、データ生成部11、送信バッファ12、符号化部13、変調部14、無線送信部15、送信アンテナ16および制御情報受信部17を備える。データ生成部11は、観測情報などの送信するデータすなわち送信データを生成する。データ生成部11は、例えば、観測機器等であってもよいし、観測機器から観測データを圧縮等の処理を施して送信するデータを生成する処理回路であってもよい。送信バッファ12は、データ生成部11により生成されたデータを蓄積する。
符号化部13は、送信バッファ12から出力されるデータすなわち送信データを符号化する。符号化部13における符号化で用いる符号は、畳み込み符号、LDPC(Low Density Parity Check)、RS(Reed Solomon)符号等を用いることができるが、これらに限定されない。変調部14は、符号化されたデータを変調する。変調部14における変調方式としては、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等を用いることができるが、これらに限定されない。無線送信部15は、変調されたデータを無線送信周波数帯の信号に変換し増幅して無線信号として送信アンテナ16を介して送信する。送信アンテナ16は、指向方向を変更可能なアンテナである。制御情報受信部17は、制御局4から制御情報を受信し、受信した制御情報に基づいて送信局1を構成する各部の動作を制御する。制御情報受信部17の受信部172は、制御局4から制御情報を受信して制御部171へ入力し、制御情報受信部17の制御部171は、入力された制御情報に基づいて送信局1を構成する各部の動作を制御する。
制御情報には、送信アンテナ16の指向方向を指定する情報が含まれる。すなわち、受信部172は、制御局4において受信する受信局の候補となる受信局2における受信信号品質の推定値に基づいて送信アンテナ16から送信されたデータを受信する受信局とともに決定された送信アンテナ16の指向方向を、制御局4から受信する。制御部171は、受信部172により受信された指向方向に従って、送信アンテナ16の指向方向を制御する。制御情報受信部17が実施する制御については後述する。また、制御情報には、符号化方式および変調方式を示す情報が含まれることもある。この場合、受信部172は、制御局4から、制御局4において送信アンテナ16の指向方向に対応する受信局2における受信信号品質の推定値に基づいて決定された符号化方式および変調方式を示す情報を受信し、制御部171は、受信した符号化方式および変調方式を示す情報に基づいて、符号化部13へ符号化方式を指示し、変調部14へ変調方式を指示する。
図2に示した各部は、各々を単独の装置または回路等のハードウェアとして実現することができる。データ生成部11は、観測機器またはデータを生成する処理回路等であり、送信バッファ12は、メモリであり、符号化部13はエンコーダであり、変調部14はモジュレータまたはモデムであり、無線送信部15はアナログデジタル変換回路、周波数変換回路および増幅回路等を含む処理回路である。制御情報受信部17の受信部172は、受信機であり、制御情報受信部17の制御部171は、制御情報に基づいて各部を制御する処理回路である。上記の各部は、単独の回路または装置として構成されてもよいし、複数の機能部が1つの回路または装置として構成されてもよい。
データ生成部11(データを生成する処理回路である場合)、制御情報受信部17内の制御部171、符号化部13および変調部14は、専用のハードウェアであっても、メモリおよびメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)とを備える制御回路であってもよい。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)等が該当する。
上記のデータ生成部11(データを生成する処理回路である場合)、制御情報受信部17内の処理回路、符号化部13および変調部14が、専用のハードウェアで実現される場合、これらは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。
データ生成部11(データを生成する処理回路である場合)、制御情報受信部17内の処理回路、符号化部13および変調部14がCPUを備える制御回路で実現される場合、この制御回路は例えば図3に示す構成の制御回路200である。図3に示すように制御回路200は、外部から入力されたデータを受信する受信部である入力部201と、CPUであるプロセッサ202と、メモリ203と、データを外部へ送信する送信部である出力部204とを備える。入力部201は、制御回路200の外部から入力されたデータを受信してプロセッサ202に与えるインターフェース回路であり、出力部204は、プロセッサ202又はメモリ203からのデータを制御回路200の外部に送るインターフェース回路である。データ生成部11(データを生成する処理回路である場合)、制御情報受信部17内の処理回路、符号化部13および変調部14が図3に示す制御回路200により実現される場合、プロセッサ202がメモリ203に記憶された、各部の各々の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ203は、プロセッサ202が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
次に、本実施の形態の送信局1における動作を説明する。送信局1のデータ生成部11は、データを生成すると送信バッファ12に当該データを格納する。送信バッファ12は制御情報受信部17から指定された時間に、指定された転送量でデータを符号化部13へ出力する。なお、上述した指定された時間は、例えば、送信局1とデータの送信対象となる受信局2との仰角があらかじめ定められた角度以上になる時間であり、制御局4から通知されてもよく、制御部171が、自身の位置すなわち送信局1が搭載される衛星の位置と受信局2との位置に基づいて算出してもよい。なお、後者の場合、データの送信対象となる受信局2の位置は、制御局4から通知される。受信局2の位置については、あらかじめ制御部171の内部または外部のメモリに受信局2の位置と受信局2の識別情報とを対応付けて格納しておき、制御局4から受信局2の識別情報が通知されるようにしてもよい。また、自身の位置については、衛星では、一般に自身の位置を算出する機能を有しており、この機能により算出された位置を用いることができる。また、上記の指定された転送量は、制御部171が、制御局4から通知された符号化方式および変調方式に基づいて算出する。
符号化部13は、送信バッファ12から出力されたデータを、制御情報受信部17の制御部171から指定された符号化方式で符号化する。なお、符号化方式は、符号化の種類、符号化率、パンクチャパタンすなわちデータ列から取り除くビットの規則を含む。符号化の種類は、例えば畳み込み符号、LDPC符号等、用いる符号の種類を示す。符号化方式は、制御局4から通知されてもよいし、予め決められた変更パタンで符号化方式を変更してもよい。例えば、あらかじめ制御部171の内部または外部のメモリに、複数の符号化方式を記憶しておき、制御部171は、あらかじめ定められた条件に従って複数の符号化方式のうちの1つを選択する。例えば、制御部171は、自身の位置と受信局2の位置とに基づいて符号化方式を選択すればよい。具体的には、例えば、受信局2と送信局1との仰角に応じて符号化方式を選択する。例えば、仰角が第1の値以下の場合には、第1の符号化方式を用い、仰角が第1の値より大きく第2の値以下の場合には、第2の符号化方式を用い、仰角が第2の値より大きい場合には、第3の符号化方式を用いる。なお、第2の値>第1の値である。仰角は、上述した自身の位置と、受信局2の位置とに基づいて算出することができる。
また、符号化部13は、制御情報受信部17の制御部171から指定されたデータ送信に係る情報、すなわち符号化方式および変調方式等を示す伝送制御情報をデータに含めてもよい。こうすることで、受信局2が送信局1からデータを受信した際に、符号化方式や変調方式が時々刻々と変化する場合においても、上記伝送制御情報をデータの復調に先だって受信することで、正しくデータを復調、復号することができる。
変調部14は、符号化部13から出力される符号化後のデータを、制御情報受信部17の制御部171から指定された変調方式で変調する。なお、上述した符号化部13の符号化方式と同様に、制御局4が変調方式を通知してもよいし、制御部171が予め決められた変更パタンで変調方式を変更してもよい。
すなわち、例えば、送信局1は、受信局2における送信局1の仰角ごとの受信品質推定値に応じた符号化方式および変調方式を示すインデックスの対応を変更パタンとして保持し、受信局2における送信局1の仰角と変更パタンとに基づいて符号化方式および変調方式を設定する。
無線送信部15は、変調部14により変調されたデータを、制御情報受信部17の制御部171から指定された周波数に周波数変換し、周波数変換後のデータを増幅した後に送信アンテナ16を介して無線信号として送信する。なお、符号化方式と同様に、制御局4が周波数を通知してもよいし、制御部171が予め決められた変更パタンで周波数を変更してもよい。
送信アンテナ16は、無線送信部15から入力される信号を、制御情報受信部17の制御部171から指定された偏波と照射方向すなわち指向方向へ無線信号として照射する。ここで、送信アンテナ16の照射方向、すなわちビームの中心方向の変更は、機械的にアンテナの向きを変更することにより行われてもよい。また、送信アンテナ16としてフェーズドアレーアンテナを用いて複数の放射素子で任意のビームを形成する構成の場合、ビームの中心方向の変更は、各素子の位相および振幅を変更することにより実現されてもよい。
次に、制御情報受信部17の制御部171の動作について説明する。図4は、制御部171の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図4では、ビームの照射方向、符号化方式、変調方式、およびデータを送信するタイミングを制御局4から通知する例を示している。制御部171は、制御情報を受信したかすなわち受信部172から制御情報が入力されたか否かを判断する(ステップS101)。制御情報を受信していない場合(ステップS101 No)、ステップS101を繰り返す。制御情報を受信した場合(ステップS101 Yes)、制御情報にビームの照射方向を指定する情報が有るか否かを判断する(ステップS102)。なお、制御局4から送信される制御情報には、例えば、どのような種類の情報が格納されるかを示す識別情報が格納されているとし、制御部171は、この識別情報に基づいてどのような情報が格納されているかを把握できるとする。制御情報にビームの照射方向を指定する情報が有る場合(ステップS102 Yes)、制御部171は、制御情報からビームの照射方向を指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて送信アンテナ16へ照射方向を指示する(ステップS103)。なお、照射方向を指定する情報には偏波を指定する情報を含めてもよく、例えば円偏波の場合は、右旋偏波を用いる場合、左旋偏波を用いる場合、両偏波を用いる場合の情報が含まれる。
制御部171は、制御情報に符号化方式を指定する情報が有るか否かを判断する(ステップS104)。制御情報に符号化方式を指定する情報が有る場合(ステップS104 Yes)、制御情報から符号化方式を指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて符号化部13へ符号化方式を指示する(ステップS105)。
また、制御部171は、制御情報に変調方式を指定する情報が有るか否かを判断する(ステップS106)。制御情報に変調方式を指定する情報が有る場合(ステップS106 Yes)、制御情報から変調方式を指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて変調部14へ変調方式を指示する(ステップS107)。
また、制御部171は、制御情報にデータを送信するタイミングを指定する情報が有るか否かを判断する(ステップS108)。制御情報にデータを送信するタイミングを指定する情報が有る場合(ステップS108 Yes)、制御情報から送信するタイミングを指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて送信バッファ12へデータの出力を指示し(ステップS109)、ステップS101へ戻る。
ステップS102で、制御情報にビームの照射方向を指定する情報が無い場合(ステップS102 No)、制御部171は、ステップS104へ進む。ステップS104で、制御情報に符号化方式を指定する情報が無い場合(ステップS104 No)、制御部171は、ステップS106へ進む。ステップS106で、制御情報に変調方式を指定する情報が無い場合(ステップS106 No)、ステップS108へ進む。ステップS108で、制御情報にデータを送信するタイミングを指定する情報が無い場合(ステップS108 No)、ステップS101へ戻る。
なお、上記の手順は、一例であり、ステップS102およびステップS103と、ステップS104およびステップS105と、ステップS106およびステップS107と、ステップS108およびステップS109と、の順序を変更してもよい。また、ステップS102およびステップS103と、ステップS104およびステップS105と、ステップS106およびステップS107と、ステップS108およびステップS109と、を並列に実行してもよい。
また、以上の説明では、制御情報受信部17が実施する処理のうち、本実施の形態のデータの伝送方法にかかる機能部の制御について説明したが、制御情報受信部17は上述した処理以外の処理をさらに実施してもよい。また、図4では、ビームの照射方向、符号化方式、変調方式、およびデータを送信するタイミングを制御局4から通知する例を示したが、上述したように、符号化方式、変調方式、およびデータを送信するタイミングのうち1つ以上を制御部171が決定してもよい。制御部171が、ビームの照射方向、符号化方式、変調方式、およびデータを送信するタイミングのうち1つ以上の項目を決定する場合、図4のフローチャートにおいて、これらの項目に対応する処理の替わりに、上述した方法で制御部171がそれぞれの項目を決定する処理を行う。また、無線送信部15において周波数変換を行う周波数が制御局4から通知される場合には、制御部171は、図4の符号化方式、変調方式、およびデータを送信するタイミングと同様に、受信した制御情報から周波数を指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて無線送信部15に周波数を指示する。
図5は、本実施の形態の受信局2の構成例を示す図である。本実施の形態の受信局2は、受信アンテナ21と、無線受信部22と、復調部23と、復号部24と、受信バッファ25と、制御情報受信部26とを備える。受信アンテナ21は、送信局1から送信された無線信号を受信する。無線信号受信部22は、受信した無線信号を電気信号に変換して出力する。復調部23は、無線受信部22から出力される電気信号を復調する。復号部24は、復調部23により復調された信号を復号して、復号後のデータを受信バッファ25へ格納する。制御情報受信部26は、制御局4から制御情報を受信し、受信局2を構成する各部の動作を制御する。制御情報受信部26の受信部262は、制御局4から制御情報を受信して制御部261へ入力し、制御部261は受信部262から入力される制御情報に基づいて受信局2の各部を制御する。
図5に示した各部は、各々を単独の装置または回路等のハードウェアとして実現することができる。無線受信部22は、アナログデジタル変換回路等を含む受信機であり、復調部23はデモジュレータまたはモデムであり、復号部24はデコーダであり、受信バッファ25はメモリであり、制御情報受信部26の受信部262は受信機であり、制御情報受信部26の制御部261は、各部を制御する処理回路である。上記の各部は、単独の回路または装置として構成されてもよいし、複数の機能部が1つの回路または装置として構成されてもよい。
復調部23、復号部24および制御部261は、専用のハードウェアであっても、メモリとメモリに格納されるプログラムを実行するCPUとを備える制御回路であってもよい。復調部23、復号部24および制御部261が、専用のハードウェアとして実現される場合、これらは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものである。
復調部23、復号部24および制御部261がCPUを備える制御回路により実現される場合、この制御回路は例えば図3に示す構成の制御回路200である。復調部23、復号部24および制御部261が図3に示す制御回路200により実現される場合、プロセッサ202がメモリ203に記憶された、各部の各々の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。
次に、受信局2の動作について説明する。受信局2の受信アンテナ21は、送信局1の送信アンテナ16により照射された無線信号を受信する。なお、受信アンテナ21は、指向方向および偏波を変更可能であり、制御情報受信部26から指定された方向を指向する。受信アンテナ21の指向方向は、制御局4から通知される。ただし、制御情報受信部26は、制御局4から自局が受信対象外であることを指定された場合は、受信アンテナ21に対して送信局1からの信号の受信停止を指示してもよい。
無線受信部22は、受信アンテナ21により受信された信号を、制御情報受信部26から指定された周波数に変換した後に、電気信号に変換して出力する。復調部23は、無線受信部22から出力された電気信号を、制御情報受信部26から指定された復調方式で復調する。なお、復調方式の選択は送信局1の変調部14で用いられた変調方式に対応した復調方式となるよう、制御局4から通知される、または予め定められた変更パタンで変更する。予め定められた変更パタンで変更する場合、この変更パタンは送信局1において設定された予め定められた変更パタンに対応したものとする。すなわち、送信局1が変調方式を変更する契機と受信局2が復調方式を変更する契機とが同じになるように設定される。
なお、送信局1が送信するデータの中に変調方式および符号化方式などを示す伝送制御情報が含まれる場合は、復調部23は、上記電気信号の中から伝送制御情報を抽出し、伝送制御情報に含まれる変調方式に対応した復調方式で復調してもよい。また、復調部23は、復調を行うとともに電気信号である受信信号の受信品質を算出してもよい。具体的には、例えば、復調部23は、受信信号に含まれる既知データを用いて信号対干渉雑音比であるSINR(Signal to Interference and Noise Power Ratio)を計算する。復調部23により測定された受信品質を制御局4へ通知すると、制御局4は後述する変調方式と符号化方式の選択において、直近の受信品質に応じた変調方式と符号化方式を選択することができる。
復号部24は、復調部23により復調されたデータを、制御情報受信部26から指定された復号方式で復号し、復号データを受信バッファ25へ格納する。なお、復号方式の選択は復調部23における復調方式と同様に、制御局4から指定される、予め決められた変更パタンで変更する、または伝送制御情報に含まれる情報に従う。復号方式は、送信局1における符号化方式に対応した復号方式とする。また、復号部24が出力する復号データは硬判定値でもよいし、軟判定値でもよい。また、復号部24は、復号データとともに、復号の成功もしくは失敗を示す受信結果を受信バッファ25へ格納する。なお、復号の成功または失敗は、例えば、送信局1の符号化部13において、符号化としてLDPC等の誤り訂正符号化だけでなく、CRC(Cyclic Redundancy Check)符号などの誤り検出符号化を行っておくことで、CRC符号の復号により判定できる。
受信バッファ25は、復号部24から受信した復号データと受信結果とを保持し、保持している復号データと受信結果とを任意のタイミングで中央局3へ出力する。なお、中央局3と受信局2−1,2−2とは、専用回線等により接続され、受信バッファ25からデータを中央局3へ出力可能であるとする。
次に、制御情報受信部26の制御部261の動作について説明する。図6は、制御部261の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図6では、受信アンテナの指向方向、復号方式、復調方式、および受信局2に該受信局2を受信対象局とするか否かを示す情報を制御局4から通知する例を示している。制御部261は、制御情報を受信したかすなわち受信部262から制御情報が入力されたか否かを判断する(ステップS111)。制御情報を受信していない場合(ステップS111 No)、ステップS111を繰り返す。制御情報を受信した場合(ステップS111 Yes)、制御部261は、制御情報に受信アンテナの指向方向を指定する情報が有るか否かを判断する(ステップS112)。制御情報に受信アンテナの指向方向を指定する情報が有る場合(ステップS112 Yes)、制御部261は、制御情報から受信アンテナの指向方向を指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて受信アンテナ21へ指向方向を指示する(ステップS113)。
制御部261は、制御情報に復号方式を指定する情報が有るか否かを判断する(ステップS114)。制御情報に復号方式を指定する情報が有る場合(ステップS114 Yes)、制御部261は、制御情報から復号方式を指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて復号部24へ復号方式を指示する(ステップS115)。
また、制御部261は、制御情報に復調方式を指定する情報が有るか否かを判断する(ステップS116)。制御情報に復調方式を指定する情報が有る場合(ステップS116 Yes)、制御部261は、制御情報から復調方式を指定する情報を抽出し、抽出した情報に基づいて復調部23へ復調方式を指示する(ステップS117)。
また、制御部261は、制御情報に自局がデータを受信する対象局でないことを示す情報が有るか否かを判断する(ステップS118)。制御情報に自局がデータを受信する対象局でないことを示す情報が有る場合(ステップS118 Yes)、制御部261は、受信アンテナ21へ受信停止を指示し(ステップS119)、ステップS111へ戻る。
ステップS112で、制御情報に受信アンテナの指向方向を指定する情報が無い場合(ステップS112 No)、ステップS114へ進む。ステップS114で、制御情報に復号方式を指定する情報が無い場合(ステップS114 No)、ステップS116へ進む。ステップS116で、制御情報に復調方式を指定する情報が無い場合(ステップS116 No)、ステップS118へ進む。ステップS118で、制御情報に自局がデータを受信する対象局でないことを示す情報が無い場合(ステップS118 No)、ステップS111へ戻る。
なお、上記の手順は、一例であり、図4で示した処理手順の場合と同様に、各ステップの順序を変更してもよいし、復調方式および復号方式などのうち1つ以上を制御部261が決定してもよい。また、指向方向を指定する情報には偏波を指定する情報を含めてもよく、例えば円偏波の場合は、右旋偏波を用いる場合、左旋偏波を用いる場合、および両偏波を用いる場合のいずれであるかを示す情報が含まれる。
図7は、本実施の形態の中央局3の構成例を示す図である。本実施の形態の中央局3は、受信バッファ31−1〜31−nと、データ選択部32と、データ再生部33と、制御情報送受信部34とを備える。nは2以上の整数である。受信バッファ31−1〜31−nには、それぞれ受信局2−1〜2−nから出力された復号データおよび受信結果が格納される。データ選択部32は、受信局2−1〜2−nから受信したデータの重複または欠落を管理して、連続する受信データをデータ再生部33へ出力する。
データ再生部33は、データ選択部32から出力されるデータを画像などのアプリケーションデータとして再生する。制御情報送受信部34は、制御局4との間で制御情報を送受信し、データ選択部32の動作を制御する。制御情報送受信部34の送受信部342は、制御局4から制御情報を受信して制御部341へ入力し、制御部341により生成された制御情報を制御局4へ送信する。制御部341は、送受信部342から入力される制御情報に基づいて受信の対象となる受信局2を把握し、受信の対象となる受信局2をデータ選択部32へ通知する。また、制御部341は、データ選択部32によりデータの欠落が検出された場合、欠落したデータを示す情報を格納した制御情報を生成して送受信部342へ出力する。
図7に示した各部は、各々を単独の装置または回路等のハードウェアとして実現することができる。受信バッファ31−1〜31−nは、メモリであり、データ選択部32、データ再生部33および制御部341は処理回路であり、送受信部342は送信機および受信機である。上記の各部は、単独の回路または装置として構成されてもよいし、複数の機能部が1つの回路または装置として構成されてもよい。
データ選択部32、データ再生部33および制御部341は、専用のハードウェアであっても、メモリとメモリに格納されるプログラムを実行するCPUとを備える制御回路であってもよい。データ選択部32、データ再生部33および制御部341が、専用のハードウェアとして実現される場合、これらは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものである。
データ選択部32、データ再生部33および制御部341がCPUを備える制御回路により実現される場合、この制御回路は例えば図3に示す構成の制御回路200である。データ選択部32、データ再生部33および制御部341が図3に示す制御回路200により実現される場合、プロセッサ202がメモリ203に記憶された、各部の各々の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。
次に、中央局3の動作について説明する。中央局3の受信バッファ31−1〜31−nには、受信局2−1〜2−nから出力された復号データと受信結果が格納される。データ選択部32は、受信バッファ31−1〜31−nに保持された復号データを読み出し、復号データの重複と欠落を管理し、連続したデータ列となるように各受信バッファ31−1〜31−nに格納された復号データを選択して読み出す。ここで、例えば、送信局1のデータ生成部11により生成されたデータはフレーム化されているとし、データ生成部11は各フレームにシーケンス番号を付加しているとする。また、符号化部13は、フレーム単位でシーケンス番号を含めてデータを符号化しているとする。この場合、復号データは、フレーム単位で生成され、各復号データにはシーケンス番号が含まれる。このような場合、データ選択部32は、受信バッファ31−1〜31−nに格納された復号データをシーケンス番号に基づいて正しい順序に並べることができる。復号データが重複する場合、すなわち同一シーケンス番号の復号データが複数存在する場合、いずれの復号データも受信結果より正しく復号されていることが確認できていれば、全て同一のデータとみなすことができる。よって、いずれか1つのデータを任意の方法で選択すればよい。この際、データ選択部32は、制御部341から通知される受信の対象となる受信局2に基づいて、受信の対象となる受信局2に対応する受信バッファ31−1〜31−nに格納された復号データからデータを選択してもよい。
また、データ選択部32は、上述した受信結果を用いて正しく受信できなかった復号データを破棄するようにすれば、シーケンス番号が誤っている復号データを用いることがなく、データ選択部32の誤動作を防ぐことができる。更には、データ選択部32はデータの選択に加え、データの並び替えを行ってもよい。例えば、各受信局2と中央局3との間に存在するルータなどによりデータの順序逆転が生じた場合においても、データ選択部32が、シーケンス番号によってデータの並び替えを行うことで連続したデータ列を生成できる。
また、データ選択部32が、データの欠落を検出した場合に、制御部341に欠落したシーケンス番号を通知し、制御部341が欠落したシーケンス番号を示す情報を格納した制御情報を生成して送受信部342を介して制御局4へ通知してもよい。この場合、制御局4は、送信局1に対して欠落したデータの再送を指示することができ、これにより信頼性の高い伝送を実現することができる。更には、制御部341が、欠落したシーケンス番号と対応する復号データの送信元の受信局2の識別情報を制御情報に格納しておくと、制御局4は、受信局2ごとに受信失敗を検出することができる。これにより、制御局4は、ある受信局2における受信失敗が閾値回数以上通知された場合は、当該受信局2は異常状態と判断し、受信対象候補から外すことができる。
なお、受信局2の復号部24が復号データとして軟判定値を出力する場合は、データ選択部32は、重複して受信した2つの受信局2からの信号を信頼度情報で重みづけした後、ベクトル合成、データ判定および復号を行うことができる。例えば、2つの受信局より受信した信号に対し、受信信号品質の比によって2つの信号に重みづけを行って合成することで、合成後の信号は受信信号品質の良い、即ちデータの信頼度が高い信号の成分を多くすることができる。この場合、上記のようにデータが重複した場合に1つを選択することにより複数の受信局のデータを合成する場合と比較して、受信信号の信頼度を高くすることができるため、復号後の誤り率を低減することができる。
データ再生部33は、データ選択部32から出力される連続したデータ列を、画像などのアプリケーションデータへ再生する。
図8は、本実施の形態の制御局4の構成例を示す図である。本実施の形態の制御局4は、受信品質推定部41と、ビーム制御部42と、符号化変調制御部43と、制御情報送受信部44と、位置管理部45と、を備える。
受信品質推定部41は、送信局1が送信した信号を受信局2が受信する際の受信品質と、送信局1が送信した信号を受信局8が受信する際の受信品質を推定する。すなわち、受信品質推定部41は、送信局1の送信アンテナ16から送信された信号を受信する受信局2における受信信号品質の推定値である受信品質推定値と、受信局8における干渉量推定値すなわち干渉量の推定値である与干渉量を算出する。ビーム制御部42は、受信品質推定部41により推定された受信品質と与干渉量とに基づいて送信局1のビームの照射方向と、送信局1が送信する信号を受信する対象局となる受信局2と、受信局2のビームの指向方向を選択する。すなわち、ビーム制御部42は、受信品質推定値と与干渉量に基づいて、送信局1の送信アンテナ16の指向方向と、受信局2の受信アンテナ21の指向方向を決定する。
符号化変調制御部43は、送信局1と受信局2との間の通信に用いる符号化方式および変調方式を決定する決定部である。制御情報送受信部44は、送信局1、受信局2、中央局3との間で制御情報を送受信する。制御情報送受信部44の送信部442は、送信局1へ制御情報を無線信号として送信する。位置管理部45は、送信局1が搭載される衛星の位置を算出する。位置管理部45による衛星の位置の算出方法についてはどのような方法を用いてもよいが、例えば軌道決定および軌道伝搬計算により衛星の位置を算出する。
制御情報送受信部44の送受信部443は、受信局2との間、および中央局3との間で制御情報を送受信する。制御部441は、ビーム制御部42により選択されたビームの照射方向、符号化変調制御部43が選択した符号化方式および変調方式を格納した制御情報を生成して送信部442へ出力する。また、制御部441は、符号化変調制御部43が選択した符号化方式および変調方式を受信局2へ通知するための制御情報を生成して送受信部443へ出力する。または、制御部441は、符号化変調制御部43が選択した符号化方式、変調方式に対応する復号方式および復調方式を受信局2へ通知するための制御情報を生成して送受信部443へ出力する。
なお、ここでは、制御局4が、符号化方式および変調方式を送信局1へ通知し、復号方式および復調方式を受信局2へ通知する例を説明したが、これに限らず、上述したように、制御局4が、符号化方式および変調方式をあらかじめ定めた変更パタンで変更してもよく、受信局2が、復号方式および復調方式をあらかじめ定めた変更パタンで変更してもよい。また、制御情報送受信部44の制御部441は、送受信部443経由で中央局3から、欠落したデータを示す情報を格納した制御情報を受信すると、欠落したデータの再送を指示するための制御情報を生成して送信部442へ出力する。
また、制御部441は、送信局1が送信する信号を受信する対象局となる受信局2を示す情報を格納した制御情報を生成して送受信部443を介して中央局3へ通知してもよい。また、受信局2が受信信号品質を測定して制御情報として送信する場合、制御部441は、送受信部443経由で受信したこの制御情報に格納された受信信号品質を受信品質推定部41に通知する。そして、受信品質推定部41は、通知された受信信号品質に基づいて、受信信号品質の推定値を補正してもよい。例えば、通知された受信信号品質と受信信号品質の推定値との差が所定の閾値以上の場合は、両者の平均値を補正後の受信信号品質推定値とすることで、実際の伝搬路状態に近い推定値へ補正することができる。
図8に示した各部は、各々を単独の装置または回路等のハードウェアとして実現することができる。受信品質推定部41、ビーム制御部42、符号化変調制御部43、位置管理部45および制御部441は処理回路であり、送受信部443は送信機および受信機であり、送信部442は無線送信機である。上記の各部は、単独の回路または装置として構成されてもよいし、複数の機能部が1つの回路または装置として構成されてもよい。
受信品質推定部41、ビーム制御部42、符号化変調制御部43、位置管理部45および制御部441は、専用のハードウェアであっても、メモリとメモリに格納されるプログラムを実行するCPUとを備える制御回路であってもよい。受信品質推定部41、ビーム制御部42、符号化変調制御部43、位置管理部45および制御部441が、専用のハードウェアとして実現される場合、これらは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものである。
受信品質推定部41、ビーム制御部42、符号化変調制御部43、位置管理部45および制御部441がCPUを備える制御回路により実現される場合、この制御回路は例えば図3に示す構成の制御回路200である。受信品質推定部41、ビーム制御部42、符号化変調制御部43、位置管理部45および制御部441が図3に示す制御回路200により実現される場合、プロセッサ202がメモリ203に記憶された、各部の各々の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。
ここで、本実施の形態のデータ伝送システムにおけるサイトダイバーシチについて説明する。本実施の形態のデータ伝送システムにおけるサイトダイバーシチは、上記非特許文献1に記載されているように、複数の受信局を用いることにより降雨減衰が生じる確率を低減させる手法である。例えば2つの受信局2を用いてサイトダイバーシチを行う場合の稼働率が90%となる場合の、各受信局2における稼働率が80%であったとする。稼働率は、受信局2において降雨減衰量がしきい値より小さくなる時間率を示す。例えば、2つの受信局2を用いてサイトダイバーシチを行う場合、一方が雨で降雨減衰量がしきい値以上となっていたとしても、他方の受信局2が晴れていれば、この他方の受信局2において受信されたデータを用いれば降雨減衰の影響は受けない。このように、サイトダイバーシチを行う場合の稼働率は、単独の受信局を用いた場合の稼働率より高くなる。
図9は、稼働率と降雨減衰量の関係を模式化した図である。なお、図中の数値は例を示したものであり、実際の稼働率と降雨減衰量は図中の数値に限定されない。図9より、稼働率80%のときに回線設計で見積もるべき降雨減衰量は−20dBである。一方、図9より、稼働率90%のときに回線設計で見積もるべき降雨減衰量は−30dBである。すなわち、サイトダイバーシチを行う場合は単一の受信局で受信する場合と比較して降雨減衰量を10dB低く見積もることができる。このため、受信品質の推定値が高くなる。一般に、受信品質の推定値が高いほど、変調多値数と符号化率を高く設定することができる。このため、サイトダイバーシチを行う場合は単一の受信局で受信する場合と比較して変調多値数と符号化率を高く設定することができ、これによりスループットを向上させることができる。
一方、データ伝送用の周波数帯が上がると、同一アンテナ径における送信アンテナが形成するビームのビームパタンは狭域になる。このため、サイトダイバーシチを行う複数の受信局にビームが照射されるようにビームの指向方向を制御する必要がある。また、送信局1が搭載される衛星の軌道が静止軌道でない場合、衛星の直下点の地上位置は変化する。特に、送信局1が太陽同期準回帰軌道等のように極軌道衛星に搭載される場合、衛星の直下点の緯度および経度は大きく変化し、また、地上局からみた衛星の仰角も大きく変化する。
図10は、太陽同期準回帰軌道等のように極軌道衛星に搭載された送信局1のビームのフットプリントの変化の一例を示す図である。図10の左側は、送信局1を搭載する衛星101が、第1の軌道を通過する際の送信アンテナ16の形成するビームの中心102およびフットプリント103を示している。図10に示した例では、地球100上に設置された受信局2−1〜2−4の4つを図示している。図10の右側は、送信局1を搭載する衛星101が、第2の軌道を通過する際の送信アンテナ16の形成するビームの中心105およびフットプリント106を示している。なお、第1の軌道、第2の軌道は、同一の衛星が太陽同期準回帰軌道等を周回する場合の異なる時刻の軌道を示している。
図10に示すように、図10の右側の状態で送信局1の送信アンテナ16のビームの指向方向を、サイトダイバーシチを行う受信局2−2,2−4にビームが照射されるように、一旦設定したとしても、上記の衛星の直下点の緯度および経度の変化と、地上局からみた衛星の仰角の変化とにより、図10の左側に示すようにサイトダイバーシチを行う2つの受信局に適切にビームが照射されなくなる可能性がある。また、第1の無線通信システムと同一の周波数を用いる第2の無線通信システムの受信局8が、送信局1が照射するビームの範囲内にある場合、受信局8への与干渉量が増大する可能性がある。
そこで、本実施の形態では、制御局4が、受信局2における受信信号品質と受信局8における干渉量の推定値である与干渉量を算出して、与干渉量に基づいて評価値を算出し、受信の対象局となる受信局2を選択してビームの照射方向を選択すると共に、受信局2のアンテナ指向方向を選択する。これにより、サイトダイバーシチを行う複数の受信局における受信信号品質を所望の値以上に維持することができ、スループットを向上させることができる。また、受信局8に対する与干渉量を所望の値以下に維持することができ、他の無線通信システムのスループットの低下を防ぐことができる。
次に、本実施の形態の制御局4の動作について説明する。以下では、制御局4が、送信局1のビームの照射方向すなわちビーム指向方向、送信局1から送信された無線信号を受信してサイトダイバーシチを行う受信局2の組み合わせ、変調方式、符号化方式、受信局2のアンテナ指向方向などを決定する例について説明する。
図11は、ビーム制御部42におけるビーム決定処理手順の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、まず、ビーム制御部42は、全てのビーム探索候補のループを開始する(ステップS1)。このループでは、ビーム探索候補を識別するために用いる変数をiとするとき、i=1,2,…,Niがループの条件となる。ビーム探索候補のループでは、順次iを1,2,…,Niに設定し、各iについて、ステップS13までの処理を繰り返す。Niは、ビーム探索候補の総数であり任意の値に設定できる。ここで、ビーム探索候補とは、送信局1の送信アンテナ16のビームの中心の地表面への投影点を、例えば緯度経度で表したものである。送信局1の送信アンテナ16のビームの中心の地表面への投影点を緯度経度で表したものを、以下、ビーム中心座標と呼ぶ。各ビーム中心座標候補をiと対応付けておく。例えば、ビーム中心座標の探索範囲を緯度経度ともに10度とし、0.1度刻みでビーム中心座標の候補を設定する場合、ビーム中心座標の候補は1万点となる。この場合、ビーム探索候補の総数すなわちビーム中心座標の候補の総数Niは10000となり、ステップS1で開始するループの条件は、i=1,2,…,10000となる。
ビーム探索候補のループにおいてiを設定する、すなわち送信アンテナのビーム中心座標の候補を決定すると、ビーム制御部42は、当該ビーム中心座標を中心としてビームを照射した場合における受信局8に対する与干渉量I(i)を算出する(ステップS2)。ここで、与干渉量は、例えば、干渉電力が許容値未満である受信局8の数としてもよいし、受信局8の総数に対して、干渉電力が許容値未満である受信局8の数の割合としてもよい。いずれにしても、与干渉量I(i)は、I(i)が多いほど、受信局8に与える影響が少なくなるような指標であるとする。また、干渉電力に対する許容値は干渉電力の閾値と時間の閾値の組み合わせとしてもよく、例えば干渉電力が閾値xワットを閾値y時間だけ連続して超過した場合に許容値を超過したと判断してもよい。なお、干渉電力は、送信局1の位置と、送信局1の送信電力と、送信局1のアンテナ指向方向と、送信局1のビームパタンと、受信局8の位置と、受信局8のアンテナ指向方向と、受信局8のビームパタンとに基づいて算出することができる。例えば、送信局1のアンテナ指向方向と受信局8のアンテナ指向方向がほぼ正対する場合に干渉電力が大きくなる。制御局4の位置管理部45は、受信局8の位置とアンテナ指向方向とビームパタンを把握しているものとする。具体的には、干渉電力は、例えば、後述する送信局2における受信品質推定値の算出方法において、降雨減衰量を考慮せずかつ受信局2に関するパラメータの替わりに受信局8に関するパラメータを用いて算出することができる。
次に、ビーム制御部42は、受信局グループのループを開始する(ステップS3)。このループでは、受信局グループを識別するために用いる変数をjとするとき、j=1,2,…,Njがループの条件となる。Njは受信局グループの総数である。ここで、受信局グループとは、同一時刻に送信局1から同一データを受信する受信局2の組のことを示す。例えば、サイトダイバーシチのために同一時刻に送信局1から同一データを受信する受信局2の組である。なお、本実施の形態では、サイトダイバーシチのために同一時刻に送信局1から同一データを受信する受信局2の組を決定する例を説明するが、同一時刻に送信局1から同一データを受信する受信局2の組の利用目的はサイトダイバーシチに限定されない。受信局グループを示す変数であるjと受信局2との対応は、あらかじめ定めてビーム制御部42内または外部のメモリにテーブル等により保持しておく。例えば、1(j=1)番目の受信グループは、受信局2−1と受信局2−2、2(j=2)番目の受信グループは、受信局2−1と受信局2−3、等のように受信グループの番号と受信局2の識別情報を対応付けておく。
受信局2の数をnとし、Cを、コンビネーションを表すとすると、jの最大値Njは、以下の式(1)で示すことができる。なお、以下の式(1)では、単一の受信局2で所望の受信品質を確保できる場合には、受信局グループを構成する受信局2は単一でもよいとしている。受信局グループを構成する受信局を2つ以上とする場合には、下記式(1)の右辺の最後の項は削除する。また、受信局グループを構成する受信局2の数の上限が定められている場合には、下記の式(1)において、受信局2の数をnの替わりに、受信局2の数の上限値を用いればよい。
jnnnn-1+…n1…(1)
次に、ビーム制御部42は、受信局2のループを開始する(ステップS4)。このループでは、受信局2を識別するために用いる変数をkとするとき、k=1,2,…,Nkがループの条件となる。Nkは受信局グループ内の受信局2の総数である。例えば、受信グループ内の受信局2の識別情報が最も若いものをk=1とし、識別情報が次に若いものをk=2とし、というように、若い順にkを割当てておく。例えば、j=1であり、1番目の受信グループは受信局2−1,受信局2−2で構成され、受信局2−1,受信局2−2の識別情報をそれぞれ2−1,2−2とするとき、受信局2−1はk=1に対応し、受信局2−2はk=2に対応する。また、j=2であり、2番目の受信グループは受信局2−1,受信局2−3で構成され、受信局2−1,受信局2−3の識別情報をそれぞれ2−1,2−3とするとき、受信局2−1はk=1に対応し、受信局2−3はk=2に対応する。
次に、ビーム制御部42は、受信品質推定部41へi,j,kを指定して、受信品質推定値CN(i,j,k)の算出を指示する(ステップS5)。受信品質推定部41は、受信品質推定値CN(i,j,k)を算出して、ビーム制御部42へ受信品質推定値CN(i,j,k)を通知する。CN(i,j,k)は、i番目のビーム探索候補を選択して、j番目の受信グループを選択したときの受信グループ内のk番目の受信局2における受信品質推定値を示す。受信品質推定値の算出方法については後述する。
次に、ビーム制御部42は、CN(i,j,k)がCm(i,j)より小さいか否かを判断する(ステップS6)。Cm(i,j)は、i番目のビーム探索候補を選択して、j番目の受信グループを選択したときの最小の受信品質推定値となる値であり、Cm(i,j)の初期値は、想定される最小の受信品質推定値より大きな値に設定しておく。例えば、Cm(i,j)の初期値は、想定される受信品質推定値の平均値より大きな値に設定しておく。ビーム制御部42は、CN(i,j,k)がCm(i,j)より小さい場合(ステップS6 Yes)、Cm(i,j)=CN(i,j,k)とし(ステップS7)、ステップS8へ進む。CN(i,j,k)がCm(i,j)より小さくない場合(ステップS6 No)、ステップS8へ進む。
ステップS8では、ビーム制御部42は、受信局のループが終了していない場合すなわちk=Nkでない場合、ステップS3へ戻り、受信局のループを終了するとステップS9へ進む。
ステップS9では、ビーム制御部42は、与干渉量と受信品質推定値を用いて評価値Q(i,j)を算出する(ステップS9)。具体的には、ビーム制御部42は、重みづけ係数α、βを用いてQ(i,j)=α×(I(i))+β×Cm(i,j)としてもよい。この場合、αを1とし、βを0とすることで与干渉を最も小さくする結果が得られる。同様に、αを0とし、βを1とすることで受信品質推定値が最も高くなる結果が得られる。αおよびβは、例えば、第2の通信システムの受信局8に要求される通信品質と受信局2に要求される通信品質とに基づいてあらかじめ定めておくことができる。また、αおよびβを変更可能なように構成してもよい。
次に、ビーム制御部42は、評価値Q(i,j)がQ_refより大きいか否かを判定する(ステップS10)。Q_refは、これまで計算されたビームおよび受信局の組み合わせにおける評価値の最大値を示し、Q_refの初期値は、想定される最大の評価値よりも小さい値に設定される。Q(i,j)がQ_refより大きい場合(ステップS10 Yes)、ビーム制御部42は、Q_ref=Q(i,j)とし(ステップS11)、ステップS12へ進む。Q(i,j)がQ_refより大きくない場合(ステップS10 No)、ステップS12に進む。
ステップS12では、ビーム制御部42は、受信局グループのループが終了していない場合すなわちj=Njでない場合、ステップS3へ戻り、受信局グループのループが終了した場合ステップS13へ進む。ステップS13では、ビーム制御部42は、ビーム探索候補のループが終了していない場合すなわちi=Niでない場合、ステップS1へ戻り、ビーム探索候補のループが終了した場合、処理を終了する。
以上の処理により、処理を終了すると、評価値が最大となる受信局グループおよびビーム中心候補が選択される。
次に、上記のステップS5の受信品質推定値の算出について説明する。図12は、本実施の形態の受信品質推定値の算出処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図12は一例であり、受信品質推定値の算出手順は図12の例に限定されない。図12に示すように、受信品質推定部41は、受信品質推定部41の内部または外部のメモリに予め格納されている送信局1の送信電力Ptを読み出す(ステップS21)。なお、送信局1の送信電力Ptを変更可能なように構成してもよい。
次に、受信品質推定部41は、送信局1の位置と、受信局2の位置と、i番目のビーム探索候補に対応する送信局1のアンテナ指向方向と、送信局1のビームパタンとに基づいて、送信局1の送信アンテナ利得Gtを算出する(ステップS22)。具体的には、例えば、受信品質推定部41は、次のように、送信アンテナ利得Gtを算出する。ここでは、ビームパタンは、ビームの中心からの角度に応じた送信アンテナ利得を示すものであるとする。ビームパタンは、あらかじめビーム制御部42の内部または外部のメモリに保持されている。受信品質推定部41は、送信局1の位置を、位置管理部45から取得する。また、受信局2の位置は、受信品質推定部41の内部または外部のメモリに予め格納されている。そして、受信品質推定部41は、送信局1の位置からビーム探索候補に対応するビーム中心座標の方向がビーム中心となるように送信アンテナ16の指向方向を設定したときの、ビーム中心301と送信局1から受信局2へ向かうベクトル302とのなす角θを算出する。図13は、ビーム中心と衛星101に搭載される送信局1から受信局2へ向かうベクトルとのなす角θを説明するための図である。図13においてビーム中心座標107は、ビーム探索候補に対応するビーム中心の座標である。図13では、ビームパタン300は模式的に送信局1を中心に記載しており、このビームパタン300は照射されるビームそのものを示すものではない。そして、受信品質推定部41は、ビームパタンを用いてθに対応する送信アンテナ利得Gtを算出する。
次に、受信品質推定部41は、j番目の受信局グループに属する受信局2がサイトダイバーシチを行う場合の降雨減衰量Lrを算出する(ステップS23)。ここでは、j番目の受信局グループに属する受信局2がサイトダイバーシチを行う前提で降雨減衰量を算出する。この降雨減衰量は、例えば、受信品質推定部41は、サイトダイバーシチを行う場合の降雨減衰量Lrを、例えば、非特許文献1に記載されているように、サイトダイバーシチを行う全ての受信局2が同時に所望の降雨減衰量以上となる確率と目標稼働率とからサイトダイバーシチを行う場合のジョイント降雨減衰量推定値を算出する。そして、このジョイント降雨減衰量推定値に対応する単一の受信局における降雨減衰量をLrとする。すなわち、Lrを、送信局1から送信されたデータを同時に受信する1つ以上の受信局が同時に所望の降雨減衰量以上となる確率と目標稼働率とから算出されるジョイント降雨減衰量推定値に対応する単独の前記受信局における降雨減衰量とすることができる。なお、サイトダイバーシチを適用しない場合は、単独の受信局2における降雨減衰量を算出すればよい。
次に、受信品質推定部41は、送信局1と受信局2との距離に基づいて距離減衰量Ldを算出する(ステップS24)。送信局1と受信局2との距離は、上述した送信局1の位置と受信局2の位置とに基づいて算出することができる。例えば、受信品質推定部41は、距離減衰量Ldを、自由空間伝搬損失として求める。ただし、受信局2が山岳などに配置される場合等、送信局1と受信局2との直線上に障害物がある場合は障害物による損失も考慮する。
次に、受信品質推定部41は、受信局2のアンテナ径に基づいて受信アンテナ利得Grを算出する(ステップS25)。受信局2ごとのアンテナ径は、受信品質推定部41内または外部のメモリに格納されているとする。なお、上述した送信アンテナ利得とは異なり、受信アンテナ21は常に送信局を指向するよう制御されるため、角度差による利得減少の影響は送信アンテナ16より小さい。このため、送信局1の方向とアンテナ中心との間の角度は設計誤差など、あらかじめ定められた一定値とすればよい。
次に、受信品質推定部41は、被干渉電力Liを算出する(ステップS26)。被干渉電力Liは、受信局2における送信局7から送信された信号による干渉により生じる受信品質の劣化を示す値であり、受信局2が送信局7から受信する電力の逆数に対応する。被干渉電力Liは、送信局7の位置と、送信局7の送信電力と、送信局7のアンテナ指向方向と、送信局7のビームパタンと、受信局2の位置と、受信局2のアンテナ指向方向と、受信局2のビームパタンとに基づいて算出することができる。なお、送信局7が複数ある場合、受信品質推定部41は、それぞれの送信局7からの干渉電力の総和をLiとして算出する。
なお、受信局2のアンテナ指向方向については、送信局7からの干渉電力が小さくなるよう、すなわち受信品質推定値が大きくなるよう決定される。図14は、受信局2のアンテナ指向方向を説明するための図である。図14では、受信局2の受信アンテナ21が送信局1を指向しているとする。図14に示すように受信局2の受信アンテナが送信局1を指向している場合、受信局2における送信局7のビーム角度、すなわち受信局2における指向中心と送信局7の方向とのなす角はθ1である。これに対し、受信局2の受信アンテナ21をさらにθ2だけ、送信局7の方向と反対の方向へ傾けると、送信局7からの干渉電力を小さくすることができる。例えば、受信品質推定部41は、受信局2の受信アンテナ21をさらに傾ける角度θ2を一定量ずつ増加させて送信局7からの干渉電力を計算し、送信局7からの干渉電力が閾値以下となった角度θ2を用いて受信局2のアンテナ指向方向を決定する。受信局2の制御部261は、制御局4から受信したアンテナ指向方向に基づいて受信アンテナ21を制御する。
次に、受信品質推定部41は、Pt+Gt+Lr+Ld+Gr+Liを算出し、算出した値を受信品質推定値として(ステップS27)、処理を終了する。なお、以上の処理では、受信品質推定部41は、送信局の送信電力と、送信局1の送信アンテナ利得と、受信局2の受信アンテナ利得と、受信局2における降雨減衰量と、受信局における距離減衰との全てに基づいて受信品質推定値を算出したが、これに限らず、これらのうち1つ以上に基づいて受信品質推定値を算出すればよい。なお、ここでは、以上述べたPt、Gt、Lr、Ld、GrおよびLiがデシベルで算出されることを前提としている。
図15は、図11および図12を用いて説明した処理により決定された送信局1のビームの照射方向の一例を示す図である。図15の例では、受信局2における受信アンテナ21の指向方法については、図14に示した例と同様であり、受信局2の受信アンテナをθ1から、さらにθ2傾けた例を示している。図15では、送信局1の送信アンテナ16が受信局2を指向した場合すなわちビームの照射方向を受信局2の方向とした場合に、送信局1からみた送信局1の送信アンテナ16のビームの照射方向と受信局8とのなす角をθ3としている。図15では、受信局2を1つとしているため、送信局1の送信アンテナ16が受信局2を指向する場合が一般には、受信局2における受信信号品質は最も高くなる。これに対し、α>0として、図11および図12を用いて説明した処理を実施すると、受信局8に対する与干渉量が考慮されるため、送信局1のビームの照射方向は、方向500となる。送信局1のビームの照射方向が方向500となった場合、ビームの照射方向を受信局2の方向とした場合に比べ、送信局1からみた送信局1の送信アンテナ16のビームの照射方向と受信局8とのなす角はθ4分大きくなるため、受信局8への与干渉は低減される。図15では、受信局2を1つの例を示しているが、受信局2が複数の場合も同様であり、α=0とした場合、すなわち複数の受信局2における受信信号品質だけを考慮した場合に比べ、受信局8への与干渉を低減させることができる。
なお、上述した処理は、図1に示す第1の無線通信システム401および第2の無線通信システム402が同一の周波数または同一の偏波を用いた場合を想定している。しかしながら、第1の無線通信システム401が第2の無線通信システム402とは異なる周波数または異なる偏波を用いることができる場合、上述した処理に対して、周波数および偏波のうちの少なくとも1つを選択する選択処理を追加してもよい。
図16は、周波数の選択の一例を示す図である。送信局1の無線送信部15は、周波数f1および周波数f2を用いて通信を行うことができるとする。図16に示した例では、制御局4のビーム制御部42は、第2の無線通信システム402で使用されている周波数に基づいて送信局1が用いる周波数を選択する。これにより、無線送信部15は、他の無線通信システムにおいて使用されている周波数に基づいて決定された周波数でデータを送信する。具体的には、制御局4のビーム制御部42は、他の無線通信システムにおいて使用されている周波数と、送信局1からみた受信局2の方向と送信局1からみた受信局8の方向とが閾値以下であるか否かと、に応じて、送信局1が用いる周波数を選択する。図16に示した例では、第2の無線通信システム402が周波数f1を用いて通信を行っているとする。この場合、図16の右側に示した送信局1の位置では、送信局1からみた受信局2の方向と送信局1からみた受信局8の方向とが閾値以下であり、制御局4のビーム制御部42は、送信局1が用いる周波数として、第2の無線通信システム402と異なる周波数である周波数f2を選択する。また、図16の左側に示した送信局1の位置では、送信局1が用いる周波数として、周波数f1および周波数f2の両方を選択する。
なお、送信局1からみた受信局2の方向と送信局1からみた受信局8の方向とが閾値以下であるかを判定する替わりに、図11に示した処理の外側に、さらに、周波数のループを設定する。このループでは、周波数f1および周波数f2の両方を用いる場合、周波数f1を用いる場合、周波数f2を用いる場合の3つをそれぞれ設定する。これにより、周波数の設定まで含めた組み合わせのなかで最も評価値が高くなる組み合わせを選択することができる。この場合、受信信号品質が一定値以上である場合には周波数f1および周波数f2の両方を選択する制約を設けておく。
図17は、偏波の選択の一例を示す図である。送信局1の無線送信部15は、右旋偏波および左旋偏波を用いて通信を行うことができるとする。図17に示した例では、制御局4のビーム制御部42は、第2の無線通信システム402で使用されている偏波に基づいて送信局1が用いる偏波を選択する。これにより、無線送信部15は、他の無線通信システムにおいて使用されている偏波に基づいて決定された偏波でデータを送信する。図17に示した例では、制御局4のビーム制御部42は、図16に示した周波数の場合と同様に、送信局1からみた受信局2の方向と送信局1からみた受信局8の方向とが閾値以下であるか否かに応じて、送信局1が用いる偏波を選択する。図17に示した例では、第2の無線通信システム402が右旋偏波を用いて通信を行っているとする。この場合、図17の右側に示した送信局1の位置では、送信局1からみた受信局2の方向と送信局1からみた受信局8の方向とが閾値以下である。制御局4のビーム制御部42は、送信局1が用いる周波数として、第2の無線通信システム402と異なる偏波である左旋偏波を選択する。また、図17の左側に示した送信局1の位置では、送信局1が用いる周波数として、左旋偏波および右旋偏波の両方を選択する。この場合も、周波数の例と同様に、送信局1からみた受信局2の方向と送信局1からみた受信局8の方向とが閾値以下であるかを判定する替わりに、図11に示した処理の外側に、さらに、偏波のループを設定し、このループでは、左旋偏波および右旋偏波の両方を用いる場合、左旋偏波を用いる場合、右旋偏波を用いる場合の3つをそれぞれ設定するようにしてもよい。
また、送信局1の送信アンテナ16と受信局2の受信アンテナ21とが楕円アンテナなどの非対称なビームパタンを有するアンテナである場合、アンテナ指向方向に加えてビームパタンのループを図11に示した処理の外側を設定し、制御局4のビーム制御部42が、ビームパタンも選択するようにしてもよい。
以上述べた方法により受信局グループおよびビーム中心候補を選択した場合、衛星の位置が変化しても、高い受信信号品質を確保することができる。図18は、本実施の形態の受信局グループおよびビーム中心候補の選択を行った場合のビームのフットプリントの一例を示す図である。図18における第1の軌道、第2の軌道は、図10に示した例と同様である。図18の左側は、図10の左側と同じ状態を示している。図18の右側は、送信局1を搭載する衛星101が、第2の軌道上を移動している例を示している。図18では、ビーム中心108は受信局2−3と受信局2−4の間となり、フットプリント109は受信局2−3と受信局2−4とをカバーしている。このように、本実施の形態では、衛星の位置に応じて、受信局2およびビームの照射方向を選択することができるため、衛星の位置が変化しても、高い受信品質推定値を保つことができる。
なお、上述したように受信局2の復調部23が受信品質を測定する場合は、制御局4は、この受信品質を当該受信局2から受信し、受信した受信品質を用いて、上述した処理で算出した受信品質推定値を補正してもよい。
また、ビーム制御部42は、選択された受信局グループ候補に属する受信局2ごとに、該受信局2の受信アンテナ21の指向方向を決定する。ビーム制御部42は、決定した受信局2の受信アンテナ21の指向方向を受信局2の識別情報とともに制御部441へ通知し、制御部441はビーム制御部42から受け取った受信アンテナ21の指向方向を制御情報に格納し、制御情報を宛先の受信局2へ送信するよう送受信部443へ指示する。また、ビーム制御部42は、ビームおよび受信グループの選択結果に基づいて、選択されたビーム中心候補に対応するビーム照射方向を算出し、ビーム照射方向を制御部441へ通知する。制御部441は、ビーム照射方向を格納した制御情報を生成し、制御情報を送信局1へ送信するよう送信部442へ指示する。また、ビーム制御部42は、ビームおよび受信グループの選択結果に基づいて、選択された受信局グループに属さない受信局に、受信の対象局でないことを示す情報を格納した制御情報を送信するよう制御部441へ指示する。制御部441は、指示に基づいて受信の対象局でないことを示す情報を格納した制御情報を生成し、制御情報を、選択された受信局グループに属さない受信局に送信するよう送受信部443へ指示する。また、ビーム制御部42は、ビームおよび受信グループの選択結果に基づいて、選択された受信局グループ候補に属する受信局2を符号化変調制御部43に通知する。
符号化変調制御部43は、ビーム制御部42から通知された受信局2に対応する受信品質推定値を受信品質推定部41のメモリから読み出す。なお、受信品質推定部41は、内部のメモリにステップS5で算出する受信品質推定値を全て一時的に保持しており、図11に示した処理の終了時に、最終的に選択された受信グループおよびビーム中心候補に対応する受信グループ内の受信局ごとの受信品質推定値を内部のメモリに保持するとする。符号化変調制御部43は、読み出した受信品質推定値に基づいて、所望の誤り率を満たすように符号化方式、および変調方式を決定する。具体的には、受信品質推定値が低いと誤り率が高くなるため、受信品質推定値が低い場合、符号化変調制御部43は、符号化方式として符号化率の低いものを選択し、変調方式として変調多値数の少ないものを選択する。例えば、受信品質推定値を複数の段階に分けて、段階ごとに所望の誤り率を満たす符号化方式、および変調方式の組み合わせをあらかじめ定めておき、段階ごとの符号化方式、変調方式をテーブルとして保持しておく。そして、符号化変調制御部43は、読み出した受信品質推定値とテーブルとに基づいて符号化方式および変調方式を選択する。
符号化変調制御部43は、符号化方式および変調方式を制御情報送受信部44に通知する。制御情報送受信部44は、符号化方式および変調方式を格納した制御情報を生成して、送信局1、受信局2へ通知する。符号化方式および変調方式は、1つの制御情報により通知されてもよいし、符号化方式と変調方式とでそれぞれ異なる制御情報として通知されてもよい。
また、受信品質推定部41が送信アンテナ利得Gtを計算する際に、ビームパタンが可変である場合は、複数のビームパタンの候補に対してそれぞれ送信アンテナ利得Gtを計算してもよい。例えば楕円などの非対称なビームパタンを有する場合は、アンテナを回転した際のビームパタンに対して送信アンテナ利得Gtを計算する。また、フェーズドアレーアンテナのように位相と振幅を変更する構成の場合は、位相と振幅の候補を決定し、そのときのビームパタンに対して計算してもよい。そして、図11の処理において、ビームパタンのループも追加する。なお、上述したようにビームパタンを変更する場合は、制御局4は送信局1に対してビームの照射方向に加えてビームパタンも通知すればよい。
なお、以上の説明では、制御局4が、与干渉電力と受信品質推定値に基づいて送信局ごとのビームの照射方向および受信局グループを決定するようにしたが、これに限らず、送信局2が与干渉電力と受信品質推定値に基づいて送信局ごとのビームの照射方向および受信局グループを決定するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、送信局1が受信局2を介して中央局3へデータを伝送するデータ伝送システムにおいて、制御局4が、他の無線通信システムへの与干渉電力を推定し、また、他の無線通信システムからの被干渉電力を考慮して受信品質推定値を推定し、与干渉電力と受信品質推定値に基づいて送信局ごとのビームの照射方向および受信局グループを決定するようにした。このため、同時に異なる無線通信システムが同一の周波数または偏波を用いている場合においても、他の無線通信システムへの与干渉を一定値未満に抑えつつ、送信局からデータを伝送することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,7 送信局、2,2−1〜2−4,8 受信局、3 中央局、4 制御局、11,51 データ生成部、12 送信バッファ、13 符号化部、14 変調部、15 無線送信部、16 送信アンテナ、17,26 制御情報受信部、21 受信アンテナ、22 無線受信部、23 復調部、24 復号部、25,31−1〜31−n 受信バッファ、32 データ選択部、33 データ再生部、34,44 制御情報送受信部、41 受信品質推定部、42 ビーム制御部、43 符号化変調制御部、171,261,441 制御部、172,262 受信部、442 送信部、443 送受信部。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、指向方向を変更可能な送信アンテナと、送信アンテナから送信されたデータを受信する候補の受信局における受信信号品質の推定値と他の無線通信システムにおいてデータの受信により生じる干渉量の推定値とに基づいて送信アンテナから送信されたデータを受信する受信局とともに決定された送信アンテナの指向方向に従って、送信アンテナの指向方向を制御する制御部と、制御局において算出された受信信号品質の推定値と干渉量の推定値とに基づいて決定された送信アンテナの指向方向を示す情報を、制御局から受信する受信部と、を備える。制御部は、制御局から受信した情報に基づいて、送信アンテナの指向方向を制御する。

Claims (12)

  1. 指向方向を変更可能な送信アンテナと、
    前記送信アンテナから送信されたデータを受信する候補の受信局における受信信号品質の推定値と他の無線通信システムにおいて前記データの受信により生じる干渉量の推定値とに基づいて前記送信アンテナから送信されたデータを受信する受信局とともに決定された前記送信アンテナの指向方向に従って、前記送信アンテナの指向方向を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする送信局。
  2. 制御局において算出された前記受信信号品質の推定値と前記干渉量の推定値とに基づいて決定された前記送信アンテナの指向方向を示す情報を、前記制御局から受信する受信部、
    を備え、
    前記制御部は、前記制御局から受信した前記情報に基づいて、前記送信アンテナの指向方向を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信局。
  3. 他の無線通信システムにおいて使用されている周波数に基づいて決定された周波数で前記データを送信する無線送信部、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の送信局。
  4. 他の無線通信システムにおいて使用されている偏波に基づいて決定された偏波で前記データを送信する無線送信部、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の送信局。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の送信局の送信アンテナから送信されたデータを受信する受信局の候補となる受信局における受信信号品質の推定値である受信品質推定値と他の無線通信システムにおいて前記データの受信により生じる干渉量の推定値である干渉量推定値とを算出する受信品質推定部と、
    前記受信品質推定値および前記干渉量推定値に基づいて前記送信アンテナから送信されたデータを受信する前記受信局とともに前記送信アンテナの指向方向を決定するビーム制御部と、
    前記ビーム制御部により決定された前記送信アンテナの指向方向を前記送信局へ送信する送信部と、
    を備えることを特徴とする制御局。
  6. 前記ビーム制御部は、前記受信品質推定値および前記干渉量推定値にそれぞれ重み係数を乗算した値の和である評価値を算出し、前記評価値に基づいて前記データを受信する前記受信局と前記送信アンテナの指向方向とを決定することを特徴とする請求項5に記載の制御局。
  7. 前記ビーム制御部は、前記他の無線通信システムが使用している周波数に基づいて、前記送信局が用いる周波数を選択することを特徴とする請求項5または6に記載の制御局。
  8. 前記ビーム制御部は、前記他の無線通信システムが使用している偏波に基づいて、前記送信局が用いる偏波を選択することを特徴とする請求項5または6に記載の制御局。
  9. 請求項1から4のいずれか1つに記載の送信局からデータを受信可能な受信局であって、
    指向方向を変更可能な受信アンテナと、
    他の無線通信システムからの前記受信局における干渉量に基づいて選択された前記受信アンテナの指向方向に基づいて、前記受信アンテナの指向方向を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする受信局。
  10. 制御局において決定された前記受信アンテナの指向方向を、前記制御局から受信する受信部、
    を備え、
    前記制御部は、前記制御局から受信した前記受信アンテナの指向方向に基づいて、前記受信アンテナの指向方向を制御する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の受信局。
  11. 請求項1から4のいずれか1つに記載の送信局と、
    請求項5または8のいずれか1つに記載の制御局と、
    請求項9または10に記載の受信局と、
    を備えることを特徴とするデータ伝送システム。
  12. 送信アンテナを備える送信局と、前記送信アンテナから送信されたデータを受信可能な受信局と、制御局とを備えるデータ伝送システムにおけるデータ伝送方法であって、
    前記制御局が、前記送信アンテナから送信されたデータを受信する前記受信局の候補となる前記受信局における受信信号品質の推定値である受信品質推定値と他の無線通信システムにおいて前記データの受信により生じる干渉量の推定値である干渉量推定値とを算出する受信品質推定値を算出する第1のステップと、
    前記制御局が、前記受信品質推定値および前記干渉量推定値に基づいて前記送信アンテナから送信されたデータを受信する前記受信局とともに前記送信アンテナの指向方向を決定する第2のステップと、
    決定された前記送信アンテナの指向方向を前記送信局へ送信する第3のステップと、
    前記送信局が、前記制御局から受信した前記送信アンテナの指向方向に基づいて、前記送信アンテナの指向方向を制御する第4のステップと、
    を含むことを特徴とするデータ伝送方法。
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