JPWO2017183557A1 - 温度計測システム - Google Patents

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Abstract

温度計測システムは、撮像装置と光学部材を有する。撮像装置は、被写体表面が放射又は反射する電磁波のうち、特定波長帯の電磁波に対して感度を有し、特定波長帯の電磁波からなる被写体像を輝度情報として取得する。光学部材は、特定波長帯の電磁波を透過可能であり、温度が気温と同じである。撮像装置は、光学部材を通さずに取得した被写体像の輝度情報と、光学部材を通して取得した被写体像の輝度情報と、を用いて、特定波長帯における気温相当の黒体放射輝度を算出する。

Description

本発明は温度計測システムに関するものであり、例えば、赤外線カメラで観測対象体の撮像を行うと共に観測対象体付近の気温の測定を行う温度計測システムに関するものである。
近年、各種の測定,診断,検知等には、絶対温度が零度以上の物体表面から絶対温度に応じた強度で放射される電磁波(主に赤外線領域の波長の電磁波)を検知して可視化する技術が用いられている。例えば、建物外壁表面の温度変化に伴ってその表面から放射される電磁波が変化することを利用して、その経時変化を計測することにより、外壁内面の剥離や水漏れの診断が行われている。また、工場における配管等の設備の表面から放射される電磁波の経時変化を計測することにより、設備の異常状態を検知することが行われている。例えば特許文献1や非特許文献1では、ガス状物質によって、その背景の物体表面からの放射電磁波の強度が変化することを利用して、ガス状物質の存在を検知する技術が提案されている。
国際公開第2008/135654号
Harig, R., Matz, G., Rusch, P., Gerhard, J.-H., Schafer, K., Jahn, C., Schwengler, P., Beil, A.: "Remote Detection of Methane by Infrared Spectrometry for Airborne Pipeline Surveillance: First Results of Ground-Based Measurements", SPIE 5235, 435-446, 2004.
いずれの技術も、観測対象体の温度変化を鋭敏に測定する必要があるが、屋外で実施されることが多いため、外乱の影響を受けやすいという問題がある。特に気温は観測対象体の温度変化に大きな影響を与えるため、外乱排除のために正確な気温情報の測定が必要となる。
物体表面から放射される電磁波は、主に赤外線波長域に感度を持つ赤外線カメラによって、画像の形で取得される。ここで赤外線カメラによって得られるデータは、物体表面から放射される電磁波の強度を表した輝度データである。この輝度データを用いて行う各種の測定,診断,検知等に気温情報を加味するには、気温データに対応する電磁波強度を表す輝度データが必要になる。つまり、気温データを輝度データに変換する必要がある。一般に、気温は気温計を用いて計測され、計測された気温データを輝度データに変換するには変換式が用いられる。
しかしながら、気温計には一般的な誤差があるため、機体ごとに0.1℃〜0.5℃程度のバラツキが生じる。また、用いる赤外線カメラの特性バラツキも存在するため、気温データから輝度データへの変換式を使った変換工程にも誤差が生じる。このため、従来の技術では気温データを正確に輝度データに変換することができない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、気温データを高精度に輝度データとして取得することの可能な温度計測システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の温度計測システムは、被写体表面が放射又は反射する電磁波のうち、特定波長帯の電磁波に対して感度を有し、前記特定波長帯の電磁波からなる被写体像を輝度情報として取得する撮像装置と、
前記特定波長帯の電磁波を透過可能であり、温度が気温と同じである光学部材と、を有し、
前記撮像装置が、前記光学部材を通さずに取得した前記被写体像の輝度情報と、前記光学部材を通して取得した前記被写体像の輝度情報と、を用いて、前記特定波長帯における気温相当の黒体放射輝度を算出することを特徴とする。
第2の発明の温度計測システムは、上記第1の発明において、前記黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、前記被写体表面における前記特定波長帯の電磁波の輝度が同じ測定点について取得したものであることを特徴とする。
第3の発明の温度計測システムは、上記第1の発明において、前記黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、前記被写体表面における前記特定波長帯の電磁波の輝度が互いに異なる少なくとも2つの測定点について取得したものであることを特徴とする。
第4の発明の温度計測システムは、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記光学部材において前記被写体像を構成する電磁波が透過する光学面の法線が、前記撮像装置の光軸に対して非平行であることを特徴とする。
本発明によれば、気温計を介さないため、気温計の機体差やデータ変換工程の誤差に起因する気温情報の誤差が生じない。したがって、気温データを高精度に輝度データとして取得することの可能な温度計測システムを実現することができる。
温度計測システムの実施の形態を示す概略構成図。 温度計測システムの実施の形態による測定手順の具体例1を示すフローチャート。 温度計測システムの実施の形態による測定手順の具体例2を示すフローチャート。 光学部材移動タイプの温度計測システムの実施の形態を示す概略断面図。 図4の温度計測システムにおいて視野内に光学部材が挿入される前と後の被写体表面と輝度測定点を、撮像装置側から見た状態で示す平面図。 光学部材固定タイプの温度計測システムの実施の形態を示す概略断面図。 図6の温度計測システムにおいて視野内の一部に光学部材が配置された被写体表面と輝度測定点を、撮像装置側から見た状態で示す平面図。 図4の温度計測システムにおいて視野内に光学部材が挿入される前と後の被写体表面と輝度測定点を、放射輝度の異なる2領域について、撮像装置側から見た状態で示す平面図。 図6の温度計測システムにおいて視野内の一部に光学部材が配置された被写体表面と輝度測定点を、放射輝度の異なる2領域について、撮像装置側から見た状態で示す平面図。 光学部材が斜めに配置された温度計測システムの実施の形態を示す断面図。 光学部材の上下方向に電磁波遮断部材が配置された温度計測システムの実施の形態を示す断面図。 光学部材の周囲に電磁波遮断部材が配置された温度計測システムの実施の形態を示す断面図。
以下、本発明を実施した温度計測システム等を、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施の形態等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
図1に、本発明の実施の形態に係る温度計測システムT0の概略断面構造を模式的に示す。この温度計測システムT0は、図1に示すように、撮像装置DU,光学部材OE等で構成されている。撮像装置DUは、絶対温度が零度以上の被写体表面(物体表面)HSが放射又は反射する電磁波のうち、特定波長帯の電磁波に対して感度を有し、特定波長帯の電磁波からなる被写体像を輝度情報として取得するものである。また、撮像装置DUの視野の前方に配置されている光学部材OEは、温度が気温と同じであり、特定波長帯の電磁波を透過可能である(つまり、特定波長帯の電磁波に対する透過率が0%より大きく100%より小さい光学特性を有する。)。
上記特定波長帯の電磁波として代表的なものは赤外線であり、撮像装置DUの具体例としては赤外線撮像装置(つまり、赤外線波長域に感度を持つ赤外線カメラ)が挙げられる。より具体的には、波長1〜16μmの波長帯の少なくとも一部の波長を検知できる赤外線撮像装置が挙げられ、例えば、8〜16μmを検知する非冷却型遠赤外線撮像装置、3〜5μmを検知する冷却型中赤外線撮像装置等が挙げられる。つまり、観測対象や利用目的に合わせて特定波長域を設定し、その特定波長域において検知感度がある撮像装置を選択すればよい。
光学部材OEの例としては、ガラス板,プラスチック板等の電磁波吸収素材が挙げられる。光学部材OEの特定波長帯の電磁波に対する透過率は、0%より大きく100%より小さければよく、特定波長帯の電磁波に対する透過率が例えば50%であることが好ましい。つまり、光学部材OEとして、特定波長帯の電磁波に対する透過率(例えば、赤外線透過率)が50%の半透明板を用いることが好ましい。また、光学部材OEの表面での反射を少なくするために、観測波長よりも小さな凹凸を表面に設けたり無反射コートを施したりすることが好ましい。
撮像装置DUは、被写体表面HSの静止画撮影や動画撮影のために、被写体像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力するレンズユニットLUを備えている。レンズユニットLUは、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の光学像(すなわち被写体像)を形成する撮像レンズLN(AX:光軸)と、その撮像レンズLNにより形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像センサーSRと、を備えている。
撮像装置DUは、レンズユニットLUの他に、信号処理部1,演算制御部2,メモリー3,操作部4,表示部5等を備えている。撮像センサーSRで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリー3(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、ケーブルを介したり赤外線信号等に変換されたりして、通信機能により他の機器に伝送される。演算制御部2はマイクロコンピューターからなっており、輝度情報処理機能,撮影機能,画像再生機能等の機能の制御;撮像レンズLNや光学部材OEの移動機構の制御等を集中的に行う。表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、撮像センサーSRによって変換された画像信号や記録画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を演算制御部2に伝達する。
被写体表面HSから絶対温度に応じた強度で放射される赤外線等の電磁波を検知して可視化する場合、被写体表面HSの温度変化に気温が大きな影響を与えるため、正確な気温情報の測定が必要になる。そこで、温度計測システムT0では、撮像装置DUが、光学部材OEを通さずに取得した被写体像の輝度情報と、光学部材OEを通して取得した被写体像の輝度情報と、を用いて、特定波長帯における気温相当の黒体放射輝度を算出する構成になっている。
図2,図3に、温度計測システムT0による測定手順の具体例1,2をそれぞれ示す。光学部材OEの温度は気温の測定に大きく影響するため、最初に光学部材OEの温度が気温と同じになるようにする。具体例1(図2)では、測定開始後、所定の時間が経過するまで待機することにより、光学部材OEの温度が気温と同じになるようにする(#10)。この所定の時間は、光学部材OEの熱容量,光学部材OEの表面積等を考慮し、予め計算シミュレーション又は実験により求めておいたものである。具体例2(図3)では、測定開始後、光学部材OEの温度の経時変化が許容範囲内(温度変化ゼロ近傍)に収まるまで待機することにより、光学部材OEの温度が気温と同じになるようにする(#05,#15)。光学部材OEの温度測定(#05)は、例えば、熱電対等の温度計測機を用いて行う。
測定手順の具体例1,2において、光学部材OEが気温と同じ温度になるようになじんだら(#10;#05,#15)、光学部材OEを通さずに被写体像の輝度情報を取得し(#20の工程1)、光学部材OEを通して被写体像の輝度情報を取得し(#30の工程2)、工程1,2で取得した輝度情報を用いて、特定波長帯における気温相当の黒体放射輝度を算出し(#40)、測定を終了する。なお、工程1,工程2は順序が逆になっても構わない。
工程1(#20)で光学部材OEを通さずに被写体像の輝度情報を取得し、工程2(#30)で光学部材OEを通して被写体像の輝度情報を取得するために、背景となる被写体表面HSからの電磁波が光学部材OEを通らない光路と通る光路を構成する必要がある。そのための実施の形態の構成を、2つのタイプの温度計測システムT1,T2を挙げて説明する。
図4に、光学部材移動タイプの温度計測システムT1を示す。この温度計測システムT1は、被写体表面HSを構成する背景部材HEを備えている。図5に、背景部材HEで構成された被写体表面HSとその上の輝度測定点P1,P2を、撮像装置DU側から見た状態で示す。図4(A),図5(A)は工程1で輝度情報を取得するときの状態を示しており、図4(B),図5(B)は工程2で輝度情報を取得するときの状態を示している。
この温度計測システムT1は、撮像装置DUの視野外への光学部材OEの退避と(図4(A))、撮像装置DUの視野内への光学部材OEの挿入と(図4(B))、の切り替えを行うための挿抜機構10を備えている。図4(A)に示すように撮像装置DUの視野外へ光学部材OEを退避させると、光学部材OEは撮像装置DUの視野から完全に外れるため、光学部材OEを通さずに被写体像の輝度情報を取得することができる。図4(B)に示すように撮像装置DUの視野内に光学部材OEを挿入すると、光学部材OEは撮像装置DUの視野を完全に覆うため、光学部材OEを通して被写体像の輝度情報を取得することができる。
挿抜機構10の例としては、光学部材OEを直線状に移動させるものが挙げられる。また、回動部材に光学部材OEを配置し、回動部材を回転させることにより、光学部材OEを撮像装置DUの視野に入れたり視野から外したりするものが挙げられる。
図6に、光学部材固定タイプの温度計測システムT2を示す。この温度計測システムT2は、被写体表面HSを構成する背景部材HEを備えている。図7に、背景部材HEで構成された被写体表面HSとその上の輝度測定点P1,P2を、撮像装置DU側から見た状態で示す。この温度計測システムT2では、光学部材OEが撮像装置DUの視野の一部を覆うように配置されており、その視野内において、工程1での輝度情報の取得は光学部材OEが無い領域の輝度測定点P1で行われ、工程2での輝度情報の取得は光学部材OEがある領域の輝度測定点P2で行われる。
次に、工程1,2で取得した輝度情報を用いて、特定波長帯における気温相当の黒体放射輝度を算出する方法(#40)を説明する。撮像装置DUで撮像する被写体表面HSは、温度計測の対象となる空気の背景となる。そして、それを構成する背景部材HEとして、表面放射率が約100%(100%未満)であって温度制御された電磁波放射部材を用いるものとする。背景部材HEを構成する素材の性質を利用したり、凹凸表面の形成,塗料の吹き付け(例えば、黒体スプレー)等の表面処理を背景部材HEに施すことにより、表面放射率を約100%に調整することが可能である。なお、周囲から入射する電磁波の反射量が増えると表面放射率は100%より小さくなるが、表面放射率100%では周囲から電磁波が入射しても反射しない状態になる。
背景部材HEを撮像装置DUの前方に配置し、背景部材HEと撮像装置DUとの間に光学部材OEを配置するか、あるいは配置可能とする。特定波長域における光学部材OE(ガラス板等)の透過率は既知とし、前述した測定手順の具体例1又は具体例2(図2又は図3)に従って輝度測定点P1,P2での測定を行う。その際、工程1及び工程2(#20,#30)は、温度計測システムT1又は温度計測システムT2(図4又は図6)を用いて行う。そして、気温相当の黒体放射輝度の算出(#40)は、以下のようにして行う。
温度計測システムT1(図4)で工程1,2を実施する場合、工程1,2で得られた輝度値をそれぞれI1,I2とする。被写体表面HSにおける特定波長帯の電磁波の輝度が同じであれば、輝度測定点は撮像装置DUの視野内の任意の点でよい。つまり、黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、被写体表面HSにおける特定波長帯の電磁波の輝度が同じ測定点について取得したものであればよい。ただし、ここでは図5に示すように、同じ位置(図4の光軸AX上)の測定点P1,P2を想定している。
温度計測システムT2(図6)で工程1,2を実施する場合、図7に示すように、撮像装置DUの視野内における光学部材OEの外周近傍において、光学部材OEが被写体表面HSに重なっていない測定点P1と光学部材OEが被写体表面HSに重なっている測定点P2とを選び、測定点P1における工程1で得られた輝度値をI1、測定点P2における工程2で得られた輝度値をI2とする。なお、この場合も、黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、被写体表面HSにおける特定波長帯の電磁波の輝度が同じ測定点について取得したものであればよい。したがって、測定点P1と測定点P2とが近くに位置するように設定するのが好ましい。
光学部材OEの透過率をTとし、気温相当の黒体放射輝度をIairとすると、
(I1−Iair)・T=I2−Iair
が成り立つ。
air−Iair・T=I2−I1・T
air(1−T)=I2−I1・T
となるので、以下の式(F1)が得られる。
air=(I2−I1・T)/(1−T) …(F1)
上記式(F1)に従って、気温相当の黒体放射輝度Iairを算出する。
被写体表面HSを構成する背景部材HEは温度制御がなされているため、放射輝度は安定している。つまり、背景放射輝度の経時変化を少なくすることが可能である。したがって、上記方法を採用すれば、気温相当放射輝度Iairを高い測定精度で得ることができる。
また、撮像装置DUによって撮像する被写体表面HSを自然背景で構成してもよい。つまり、背景部材HEの代わりに自然背景を用いて、自然背景と撮像装置DUとの間に光学部材OEを配置するか、あるいは配置可能としてもよい。この方法を採用すれば、自然背景を利用しているため、背景となる部材の準備が不要となり、測定機材の小型化を図ることができる。また、光学部材OEを自然背景の近傍に配置することで、自然背景近辺の気温を測定でき、より一層測定精度を向上させることができる。
温度計測システムT0,T1,T2によれば、被写体表面HSの輝度情報と気温情報を利用して各種の測定,診断,検知等を行う際、特定波長帯の電磁波からなる被写体像を輝度情報として取得する撮像装置DUを用いて、気温情報が得られるようになっているため、気温計の出力を輝度に変換する工程は不要となる。気温計を介さないため、気温計の機体差やデータ変換工程の誤差に起因する気温情報の誤差は生じない。したがって、気温データを高精度に輝度データとして取得することが可能である。さらに、気温になじんだ光学部材OEを通して被写体表面HSを撮像装置DUで観測し演算することで、より簡単に気温データを直接輝度データとして取得することが可能となる。
次に、少なくとも2種類の電磁波放射部材からなる背景部材HEを用いて、黒体放射輝度を算出する方法を説明する。撮像装置DUで撮像する背景を構成する背景部材HEとして、表面放射率が約100%(100%未満)であって温度制御された電磁波放射部材を2種類用いるものとし、背景部材HEを構成する2種類の電磁波放射部材は相異なる電磁波放射輝度を有するものとする。相異なる放射輝度を実現する方法としては、相異なる温度に設定する方法(例えば、ペルチェ素子を用いた温度制御)、相異なる放射率に設定する方法等が挙げられる。
上記2種類の電磁波放射部材からなる背景部材HEを撮像装置DUの前方に配置し、背景部材HEと撮像装置DUとの間に光学部材OEを配置するか、あるいは配置可能とする。前述した測定手順の具体例1又は具体例2(図2又は図3)に従って、以下に説明する輝度測定点P1A,P1B,P2A,P2Bでの測定を行う。その際、工程1及び工程2(#20,#30)は、温度計測システムT1又は温度計測システムT2(図4又は図6)を用いて行う。
図8に、2種類の電磁波放射部材からなる背景部材HEで構成された被写体表面HSとその上の輝度測定点P1A,P1B,P2A,P2Bを、撮像装置DU側から見た状態で示す。図8(A)は工程1で輝度情報を取得するときの状態を示しており、図8(B)は工程2で輝度情報を取得するときの状態を示している。
図9に、2種類の電磁波放射部材からなる背景部材HEで構成された被写体表面HSとその上の輝度測定点P1A,P1B,P2A,P2Bを、撮像装置DU側から見た状態で示す。この温度計測システムT2では、光学部材OEが撮像装置DUの視野の一部を覆うように配置されており、視野内において、工程1での輝度情報の取得は光学部材OEが無い領域の輝度測定点P1A,P1Bで行われ、工程2での輝度情報の取得は光学部材OEがある領域の輝度測定点P2A,P2Bで行われる。
気温相当の黒体放射輝度の算出(#40)は、以下のようにして行う。まず、図8,図9に示すように、2種類の電磁波放射部材からなる背景部材HEにおいて、相異なる放射輝度の領域をRA,RBとする。
温度計測システムT1(図4)で工程1,2を実施する場合、領域RA内の任意の点において工程1,2で得られた輝度値をそれぞれI1A,I2Aとし、領域RB内の任意の点において工程1,2で得られた輝度値をそれぞれI1B,I2Bとする。被写体表面HSにおける特定波長帯の電磁波の輝度が互いに異なれば、輝度測定点は各領域RA,RB内の任意の点でよい。つまり、黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、被写体表面HSにおける特定波長帯の電磁波の輝度が互いに異なる少なくとも2つの測定点について取得したものであればよい。ただし、ここでは図8に示すように、領域RA,RBの境界から等距離の位置(図4の光軸AXに関して対称位置)の測定点P1A,P1B,P2A,P2Bを想定している。
温度計測システムT2(図6)で工程1,2を実施する場合、図9に示すように、撮像装置DUの視野内における光学部材OEの外周近傍において、光学部材OEが被写体表面HSに重なっておらずかつ領域RA内の測定点P1Aと、光学部材OEが被写体表面HSに重なっておりかつ領域RA内の測定点P2Aと、光学部材OEが被写体表面HSに重なっておらずかつ領域RB内の測定点P1Bと、光学部材OEが被写体表面HSに重なっておりかつ領域RB内の測定点P2Bと、を選び、測定点P1Aにおける工程1で得られた輝度値をI1A、測定点P2Aにおける工程2で得られた輝度値をI2A、測定点P1Bにおける工程1で得られた輝度値をI1B、測定点P2Bにおける工程2で得られた輝度値をI2Bとする。なお、この場合も、黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、被写体表面HSにおける特定波長帯の電磁波の輝度が互いに異なる少なくとも2つの測定点について取得したものであればよい。したがって、測定点P1A,P1B,P2A,P2Bが互いに近くに位置するように設定するのが好ましい。
前記式(F1)と同様に、輝度値の関係から以下の式(F2)が得られる。
air=(I1A・I2B−I2A・I1B)/{(I1A−I2A)−(I1B−I2B)} …(F2)
上記の式(F2)に従って、気温相当の黒体放射輝度Iairを算出する。なお、2種類の電磁波放射部材からなる背景温度に対して光学部材OEの有無があることから、得られる4点情報により透過率Tの項は消えることになる。
被写体表面HSを構成する背景部材HEは温度制御がなされているため、放射輝度は安定している。つまり、背景放射輝度の経時変化を少なくすることが可能である。したがって、上記方法を採用すれば、気温相当放射輝度Iairを高い測定精度で得ることができる。また、上記のように2種類以上の電磁波放射部材からなる背景部材HEで被写体表面HSを構成すれば、光学部材OEの透過率Tを予め知る必要がないため、光学部材OEの経年劣化や汚損による透過率変動があっても精度良く測定することが可能である。背景部材HEとして2種類以上の電磁波放射部材を用いる場合に限らず、黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、被写体表面HSにおける特定波長帯の電磁波の輝度が互いに異なる少なくとも2つの測定点について取得したものであればよい。
上記のように少なくとも2種類の電磁波放射部材からなる背景部材HEを用いて黒体放射輝度を算出する場合でも、撮像装置DUによって撮像する被写体表面HSを自然背景(相異なる放射輝度の領域RA,RBを有する自然背景)で構成してもよい。つまり、背景部材HEの代わりに自然背景を用いて、自然背景と撮像装置DUとの間に光学部材OEを配置するか、あるいは配置可能としてもよい。この方法を採用すれば、自然背景を利用しているため、背景となる部材の準備が不要となり、測定機材の小型化を図ることができる。また、光学部材OEを自然背景の近傍に配置することで、自然背景近辺の気温を測定でき、より一層測定精度を向上させることができる。
前述した温度計測システムT0,T1,T2を構成している光学部材OEでは、被写体像を構成するための電磁波を透過させる光学面が、撮像装置DUの光軸AXに対して垂直になっている。つまり、光軸AXに対して平行な法線を有する光学面が、光学部材OEに存在している。このため、その光学面での表面反射が気温の測定に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、図10に示すように、光学部材OEを斜めに配置することが好ましい。
図10に示す光学部材OEにおいて、被写体像を構成する電磁波が透過する光学面の法線NLは、撮像装置DUの光軸AXに対して非平行になっている。この配置例によれば、光学部材OEにわずかに存在する表面反射による、撮像装置DU自身の写り込み(いわゆるナルシサス現象)を防ぐことができ、測定精度を上げることができる。
光学部材OEが有する光学面のなかでも、撮像装置DUに面している表面は、撮像センサーSR(図1)へと不要光を導きやすいので、その法線NLが光軸AXに対して非平行となるようにするのが好ましい。また、光学部材OE表面の法線NLの向きは、水平線よりも下向きであることが好ましい。そのようにすることで、特に屋外で測定する場合における太陽の写り込みの可能性を避けることができ、測定精度を向上させることが可能となる。
前述した温度計測システムT0,T1,T2を構成している光学部材OEでは、その周囲から入射してくる電磁波を遮るものが存在しない。そのため、光学部材OEでの表面反射が発生しやすくなっている。そこで、図11や図12に示すように、電磁波遮断部材B1,B2,B3を光学部材OEの周囲に配置することが好ましい。
図11(A)に示す光学部材OEの下方向には電磁波遮断部材B1が配置されており、図11(B)に示す光学部材OEの上下方向には電磁波遮断部材B1,B2が配置されている。また、図12に示す光学部材OEの周囲には、電磁波遮断部材B3が光学部材OEを囲むように配置されている。電磁波遮断部材B1,B2,B3を単独で又は組み合わせて、光学部材OEの周辺に設けることにより、光学部材OEにわずかに存在する表面反射による周囲電磁波の撮像装置DUへの写り込みを防止することができる。したがって、周囲電磁波が撮像装置DUに混入するのを防ぐことができるので、精度良い測定が可能となる。
電磁波遮断部材B1,B2又はB3の周りを、更に電磁波遮断部材B1,B2又はB3で囲むように、2重の遮断構造にすれば、より一層効果的な高精度の測定が可能となる。また、電磁波遮断部材B1,B2,B3において、光学部材OEに面している側の面の放射率を高くし(内側面の反射を減らす)、その反対側の面の放射率を低くする(外側面の反射を増やす)ことが好ましい。そのようにすれば、電磁波遮断部材B1,B2,B3自体の温度上昇による悪影響を抑えることができる。
T0,T1,T2 温度計測システム
DU 撮像装置
LU レンズユニット
LN 撮像レンズ
SR 撮像センサー
OE 光学部材
HE 背景部材
HS 被写体表面(背景)
AX 光軸
P1,P2,P1A,P1B,P2A,P2B 測定点
RA,RB 領域
NL 法線
B1,B2,B3 電磁波遮断部材
1 信号処理部
2 演算制御部
3 メモリー
4 操作部
5 表示部
10 挿抜機構

Claims (4)

  1. 被写体表面が放射又は反射する電磁波のうち、特定波長帯の電磁波に対して感度を有し、前記特定波長帯の電磁波からなる被写体像を輝度情報として取得する撮像装置と、
    前記特定波長帯の電磁波を透過可能であり、温度が気温と同じである光学部材と、を有し、
    前記撮像装置が、前記光学部材を通さずに取得した前記被写体像の輝度情報と、前記光学部材を通して取得した前記被写体像の輝度情報と、を用いて、前記特定波長帯における気温相当の黒体放射輝度を算出することを特徴とする温度計測システム。
  2. 前記黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、前記被写体表面における前記特定波長帯の電磁波の輝度が同じ測定点について取得したものであることを特徴とする請求項1記載の温度計測システム。
  3. 前記黒体放射輝度の算出に用いられる輝度情報が両方とも、前記被写体表面における前記特定波長帯の電磁波の輝度が互いに異なる少なくとも2つの測定点について取得したものであることを特徴とする請求項1記載の温度計測システム。
  4. 前記光学部材において前記被写体像を構成する電磁波が透過する光学面の法線が、前記撮像装置の光軸に対して非平行であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度計測システム。
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