JPWO2017171056A1 - チタン複合材およびその製造方法、ならびに、梱包体 - Google Patents

チタン複合材およびその製造方法、ならびに、梱包体 Download PDF

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Abstract

チタン複合材1は、内層部4と表層部2,3とを有し、表層部2,3は、JIS1〜4種のいずれかに属する化学組成の工業用純チタンまたはチタン合金からなり、内層部4は、前記内層部は、チタンに、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上のチタン化合物が分散しており、前記炭化物の周囲に炭素が、前記窒化物の周囲に窒素が、前記酸化物の周囲に酸素が、それぞれが拡散した部分を備え、面積率で、0%超30%以下の空隙を有する。このチタン複合材1は、優れた機械的特性を有し、低コストで製造可能である。

Description

本発明は、チタン複合材およびその製造方法、ならびに、梱包体に関する。
チタン材は、耐食性に優れた金属材料であることから、海水を用いる熱交換器や各種の化学プラント等に用いられている。また、密度が炭素鋼に比べて小さく、比強度(単位重量あたりの強度)に優れることから、航空機の機体にも多く使用されている。また、自動車等の陸上輸送機器にチタン材を使用することにより、陸上輸送機器自体が軽量となり、燃費向上が期待される。
しかし、チタン材は、鋼材に比べて複雑で非常に多くの工程を経て製造される。代表的な製造工程を以下に例示する。
(1)製錬工程:原料である酸化チタンを塩素化して四塩化チタンとした後、マグネシウムあるいはナトリウムで還元することにより、海綿状(塊状)の金属チタン(以下、「スポンジチタン」という)を製造する工程
(2)溶解工程:スポンジチタンをプレス成形して電極とし、真空アーク溶解炉で溶解して鋳塊を製造する工程
(3)鍛造工程:鋳塊を熱間で鍛造してスラブ(熱間圧延素材)やビレット(熱間押出しや熱間圧延などの素材)などを製造する工程
(4)熱間加工工程:スラブやビレットを加熱して熱間で圧延や押出しして板や丸棒などを製造する工程
(5)冷間加工工程:板や丸棒をさらに冷間で圧延加工や押出しして薄板や丸棒、線などを製造する工程
チタン材は、このように多くの工程により製造されるため、非常に高価である。このため、チタン材は自動車等の陸上輸送機器には殆ど適用されていない。このため、チタン材の利用を促進するためには、その製造工程の生産性を高める必要がある。この課題に対処するため、チタン材の製造工程を簡略化する取り組みがなされている。
特許文献1には、チタン粉、結着剤、可塑剤、溶剤を含む組成物を薄板状に成形、乾燥、焼結、圧密および再焼結してチタン薄板を製造する方法が開示されている。この方法によれば、上記溶解工程、鍛造工程、熱間圧延工程および冷間圧延工程を省略できる。
特許文献2には、チタン合金粉に銅粉、クロム粉または鉄粉を添加して、炭素鋼製のカプセルに封入し、加熱して熱間で押出ししてチタン合金丸棒を製造する方法が開示されている。この方法によれば、上記溶解工程および鍛造工程を省略できるため、製造コストを下げることができる。
特許文献3には、スポンジチタン粉を銅製カプセルに充填して、700℃以下に加熱して温間押出し加工を施して、丸棒を製造する方法が開示されている。この方法では、上記溶解工程および鍛造工程を省略できるため、製造コストを下げることができる。
また、従来から知られているパック圧延は、加工性の悪いチタン合金などのコア材を加工性の良い安価な炭素鋼などのカバー材で被覆して熱間圧延する方法である。例えば、コア材の表面に剥離剤を塗布した後、少なくともその上下2面をカバー材で被覆、あるいは上下面の他に4周面もカバー材で被覆して、合わせ目を溶接して密閉被覆箱を製作し、その内部を真空に引いて密閉してから熱間圧延する。
パック圧延に関して、特許文献4には、密閉被覆箱の組立方法が開示され、特許文献5には、10−3torr(約0.133Pa)以上の真空度にしてカバー材を密封(パック)して密閉被覆箱を製造する方法が開示され、さらに、特許文献6には、炭素鋼(カバー材)で覆って、10−2torr(約1.33Pa)以下の真空下で高エネルギー密度溶接によって密封(パック)して、密閉被覆箱を製造する方法が開示されている。
これらのパック圧延では、被圧延材であるコア材をカバー材で覆って熱間圧延するため、コア材の表面は冷えた媒体(大気やロール)に直接触れることがなく、コア材の温度低下を抑制できるため、加工性の悪いコア材でも薄板の製造が可能になる。
カバー材として、コア材と異なる材質で、加工性が良く安価な炭素鋼などを用いている。カバー材は熱間圧延後に不要となるため、コア材から分離し易くするために、コア材の表面には剥離剤が塗布される。
特開2011−042828号公報 特開2014−019945号公報 特開2001−131609号公報 特開昭63−207401号公報 特開平09−136102号公報 特開平11−057810号公報
特許文献1により開示された方法では、高価なチタン粉(平均粒子径が4〜200μm)を原料として用いることや、焼結や圧密などの多くの工程が必要であるため、得られたチタン薄板は非常に高価であり、チタン材の利用促進には至っていない。
特許文献2により開示された方法では、高価なチタン粉合金を原料として使用するため、得られたチタン合金丸棒は高価であり、チタン材の利用促進には至っていない。しかも、加熱した際にスポンジチタン粉が酸化されるため、得られた丸棒は表層や内部に酸化チタンを含み、通常工程で製造した丸棒に比べて、外観が変色し、引張特性が劣る等の問題がある。
特許文献3により開示された方法では、加熱した際にスポンジチタン粉が酸化されるため、得られる丸棒は表層および内部に酸化チタンを含み、通常工程で製造した丸棒に比べて、外観が変色し、引張特性が劣る等の問題がある。
さらに、特許文献4〜6により開示された方法は、パック圧延のように圧延後にカバー材を剥がして廃却するため、製造コストが通常の工程よりも高くなり、得られたチタン材は、高コストであることに変わりがない。
このため、チタン材は、自動車などの陸上輸送機器に適用されるまでには至っていない。
本発明は、このような実情に鑑み、低コストでチタン板やチタン丸棒などのチタン材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために溶解工程と鍛造工程を省略してチタン材を製造できる手段を鋭意検討し、以下に列記の知見(A)〜(F)を得て、本発明を完成した。
(A)高価なチタン粉やスポンジチタン粉のような粉末ではなく、不定形で海綿状(塊状)のスポンジチタンを原料として使用する。海綿状のスポンジチタンは、従来から製造されているため、比較的安価に入手できる。また、スポンジチタンは製錬工程において鉄や塩素等の主な不純物が除去されているため、スポンジチタンからチタン材を直接製造しても、化学組成上の問題はない。また、製品にはならない端材等のチタン材(以下、「チタンスクラップ」という。)は、比較的安価に入手することができる。ただし、チタンスクラップは不定形であるため、直接加工してチタン材を製造することはできない。
(B)工業用純チタン材やチタン合金材を用いて作製した容器(以下、「梱包材」という。)に、スポンジチタンなどの充填材を収容して密閉したチタン梱包体であれば、熱間加工した際に、表面割れやヘゲ状等の表面欠陥の発生を抑制できる。特に、充填材の化学組成を純チタン材と同種のものにすることによって、従来のパック圧延のように圧延後にカバー材を剥がして廃却する必要はなく、チタン梱包材を、熱間加工後にもそのままチタン複合材(製品)の一部として有効に利用できる。
(C)熱間加工前に加熱した際に、スポンジチタンなどの充填材が酸化しないように、また、熱間加工時に充填材間や充填材と梱包材の間にある空隙が減少し易いように、梱包材の内圧を極力減圧しておくことが重要である。
(D)梱包材に収容する充填材として、スポンジチタンなどのチタン材とともに、炭素、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上の粉末を充填することにより、チタン複合材の引張強度を高めることができる。
(E)すなわち、工業用純チタンの展伸材であるチタン梱包材の内部に、スポンジチタンと、チタン複合材の引張強度を高めることができる炭素、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上の粉末とを充填および封入し、内部を減圧してチタン梱包体とし、このチタン梱包体に熱間加工を行い、必要に応じてさらに冷間加工も行ってチタン複合材とすることにより、熱間加工前にはチタン塊の集合であったチタン梱包体が、熱間加工後には全体として圧縮成形されて一体化したチタン複合材(三層のクラッド材)となる。
(F)チタン複合材は、内層部のみがチタン複合材の引張強度を高めることができる炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上のチタン化合物を含有するチタンの圧縮成形体であるが、表層部は工業用純チタンまたはチタン合金材の展伸材であるため、優れた加工性と高い引張強度を有するとともに、従来の溶解工程や鍛造工程を経ずに製造できるために製造コストを大幅に低減できる。
本発明は、以下に列記の通りである。
(1)内層部と前記内層部を覆う表層部とを有するチタン複合材であって、
前記表層部は、JIS1種〜4種のいずれかに属する化学組成の工業用純チタン材またはチタン合金材からなり、
前記内層部は、チタンに、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上のチタン化合物が分散しており、前記炭化物の周囲に炭素が、前記窒化物の周囲に窒素が、前記酸化物の周囲に酸素が、それぞれが拡散した部分を備え、面積率で、0%超30%以下の空隙を有する、
チタン複合材。
(2)前記内層部は、炭素、窒素および酸素の平均含有量の合計が0.05〜2.0質量%であり、前記チタン化合物が圧延方向に並んだ筋状化合物集合体としてチタン材に分散している、
上記(1)のチタン複合材。
(3)前記工業用純チタン材の化学組成は、質量%で、
C:0.08%以下、
H:0.013%以下、
O:0.4%以下、
N:0.05%以下、
Fe:0.5%以下、
残部:Tiおよび不純物である、
上記(1)または(2)のチタン複合材。
(4)JIS1〜4種のいずれかに属する工業用純チタン材またはチタン合金材からなるチタン梱包材に、スポンジチタン、チタンブリケットおよびチタンスクラップから選択される1種以上と、炭素、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上の粉末と充填し、封入し、内部を10Pa以下に減圧することによりチタン梱包体とし、前記チタン梱包体に熱間加工を行う、
チタン複合材の製造方法。
(5)前記熱間加工を行った後に冷間加工を行う、
上記(4)のチタン複合材の製造方法。
(6)JIS1〜4種のいずれかに属する工業用純チタン材またはチタン合金材からなるチタン梱包材と、前記チタン梱包材の内部に充填された充填材とを備える梱包体であって、
前記充填材が、スポンジチタン、チタンブリケットおよびチタンスクラップから選択される1種以上と、炭素、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上の粉末とを有し、前記内部の圧力は10Pa以下である、
熱間加工用の梱包体。
本発明に係るチタン複合材は、引張強度、ヤング率などの機械的特性に優れ、また、溶解工程、および鍛造工程などを経ずに製造可能であるため、製造コストを大幅に低減できる。また、本発明に係るチタン複合材は、鋳塊の表層や底面に多い欠陥部の切削除去や、鍛造後の表面割れや形状の悪い先後端部(クロップ)の除去など、多量のチタン素材を切削除去や切断除去を行うことなく製造できるため、製造歩留りが大幅に向上し、この点からも製造コストが大幅に低減されている。
図1は、本発明に係るチタン複合材の構成の一例を示す説明図である。 図2は、筋状化合物集合体42aを模式的に示す図である。 チタン複合材1の長さ方向(圧延方向)および厚さ方向に平行な断面(厚さ断面)において、1つの粒の厚さ方向の距離とその周囲の元素濃度分布の概念を示した図である。 図4は、本発明に係るチタン複合材の熱間加工用素材であるチタン梱包体の構成の一例を示す説明図である。 図5は、チタンブリケットの構成の一例を示す説明図である。 図6は、本発明に係るチタン梱包体の別の構成の一例を示す説明図である。 図7は、Ti−0.1%N板の断面ミクロ組織写真である。
本発明に係るチタン複合材およびチタン梱包体を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以降の説明では、化学組成に関する「%」は特に断りがない限り「質量%」を意味する。
1.本発明に係るチタン複合材1の構成
図1は、本発明に係るチタン複合材1の構成の一例を示す説明図である。
図1に示すように、チタン複合材1は、表層部2,3と内層部4とを備える。以下、各層について説明する。
(a)表層部2,3
(a−1)表層部2,3の化学組成
表層部2,3をなす工業用純チタン材としては、JIS1〜4種のいずれかに属する化学組成の工業用純チタン材を用いることができる。例えば、表層部2,3は、C:0.08%以下、H:0.013%以下、O:0.4%以下、N:0.05%以下、Fe:0.5%以下、残部Tiおよび不純物の化学組成を有する。
なお、上記のJIS1種〜4種は、JISH4600:2012に規定されたものとする。JIS1種とはC:0.08%以下、H:0.013%以下、O:0.15%以下、N:0.03%以下、Fe:0.20%以下、残部Tiおよび不純物の組成を有する。JIS2種とは、C:0.08%以下、H:0.013%以下、O:0.20%以下、N:0.03%以下、Fe:0.25%以下、残部Tiおよび不純物の組成を有する。JIS3種とは、C:0.08%以下、H:0.014%以下、O:0.30%以下、N:0.05%以下、Fe:0.30%以下、残部Tiおよび不純物の組成を有する。JIS4種とは、C:0.08%以下、H:0.013%以下、O:0.40%以下、N:0.05%以下、Fe:0.50%以下、残部Tiおよび不純物の組成を有する。
一方、表層部2,3をなすチタン合金材としては、α型チタン合金、α+β型チタン合金、またはβ型チタン合金を用いることができる。
α型チタン合金としては、例えば、Ti−0.06%Pd、Ti−0.2Pd、Ti−0.02Pd−0.05Mm(ここで、Mmは、ミッシュメタルを指す)、Ti−0.5Ni−0.05Ru、Ti−0.5Cu、Ti−1.0Cu、Ti−1.0Cu−0.5Nb、Ti−1.0Cu−1.0Sn−0.3Si−0.25Nb、Ti−0.5Al−0.45Si、Ti−0.9Al−0.35Si、Ti−3Al−2.5V、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−6Al−2.75Sn−4Zr−0.4Mo−0.45Siなどがある。
α+β型チタン合金としては、例えば、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−6Al−7V、Ti−3Al−5V、Ti−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−1Fe−0.35O、Ti−1.5Fe−0.5O、Ti−5Al−1Fe、Ti−5Al−1Fe−0.3Si、Ti−5Al−2Fe、Ti−5Al−2Fe−0.3Si、Ti−5Al−2Fe−3Mo、Ti−4.5Al−2Fe−2V−3Moなどがある。
さらに、β型チタン合金としては、例えば、Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn、Ti−8V−3Al−6Cr−4Mo−4Zr、Ti−10V−2Fe−3Mo、Ti−13V−11Cr−3Al、Ti−15V−3Al−3Cr−3Sn、Ti−6.8Mo−4.5Fe−1.5Al、Ti−20V−4Al−1Sn、Ti−22V−4Alなどがある。
(a−2)表層部2,3の厚さ
チタン複合材1は、表層部2,3の厚さが厚過ぎると、内層部4の厚さが薄くなるため、機械的特性向上効果を十分に得られない。このため、表層部2,3の厚さは、好ましくは、チタン複合材1の全厚さに対して片面当たり40%以下であり、さらに好ましくは、片面当たり25%以下である。
一方、表層部2,3が薄い場合は、内層部4の厚さが厚くなるため、機械的特性向上効果は向上する。しかし、表層部2,3が薄過ぎるとチタン複合材1を加工する際に、表層部2,3が割れて内層部4が表面に現れ、内層部4にあるチタン化合物が脱落したり、表面に現れたチタン化合物が起点となって表面割れや端部割れが発生する。また、水等の液体が接すると、内層部4にその液体が侵入するという問題が発生する。このため、表層部2,3の厚さは、0.1mm以上とするのが好ましい。
(b)内層部4
内層部4は、チタン41にチタン化合物42が分散しており、前記チタン化合物の周囲にそれぞれの構成元素(すなわち、炭化物の周囲に炭素、窒化物の周囲に窒素、または酸化物の周囲に酸素)が拡散した部分(図示省略)を備え、面積率で、0%超30%以下の空隙43を有する。
(b−1)内層部4の化学組成
チタン複合材1の内層部4を構成するチタンとしては、例えば、JIS1種〜JIS4種の工業用純チタンを用いることができる。すなわち、一般的な不純物として、C:0.08%以下、H:0.013%以下、O:0.4%以下、N:0.05%以下、Fe:0.5%以下、残部がTiである工業用純チタンである。
特に、JIS1〜3種の工業用純チタンを使用すれば、十分な加工性を有しており、割れなどが発生せず、熱間加工後に上述の表層部2,3をなす工業用純チタンと一体化したチタン複合材1を得られる。
上記以外の残部は不純物である。不純物としては、加工性および機械的特性向上効果を減殺しない範囲で含有することができる。上記以外の不純物は、主にスクラップから混入する不純物元素として、Al,V,Cr,Nb,Si,Sn,MoおよびCu等があり、一般的な不純物元素(C,N,Fe,O,H)と併せて、総量で5%以下許容される。
内層部4は、チタン複合材1に良好な機械的特性を具備させるため、チタンに炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上のチタン化合物が分散しているものを用いる。内層部4においては、上記の効果を得るために、炭素、窒素および酸素の平均含有量の合計が0.05〜2.0質量%であることが好ましい。それぞれの元素の平均含有量の好ましい範囲と限定理由を述べる。
[C:0.001〜0.1%]
Cは、その平均濃度が0.001%未満であると、表層部2,3よりも内層部4の強度を高める効果が殆ど認められず、チタン複合材1の機械的特性を向上できない。一方、Cの平均濃度が0.1%を超えると、内層部4の靭性を劣化させ、熱間加工や冷間加工時に割れが多発して、内層部4の板厚方向が分断、剥離して、チタン複合材1としての形状を維持できない可能性がある。このため、内層部4のCの平均濃度は、0.001〜0.1%とするのが好ましい。
[N:0.001〜0.5%]
Nは、その平均濃度が0.001%未満であると、表層部2,3よりも内層部4の強度を高める効果が殆ど認められず、チタン複合材1の特性を向上できない。一方、Nの平均濃度が0.5%を超えると、内層部4の靭性を劣化させ、熱間加工や冷間加工時に割れが多発して、内層部4の板厚方向が分断、剥離して、チタン複合材1としての形状を維持できない可能性がある。このため、内層部4のNの平均濃度は、0.001〜0.5%とするのが好ましい。
[O:0.01〜1.0%]
Oは、その平均濃度が0.01%未満であると、表層部2,3よりも内層部4の強度を高める効果を殆ど認められず、チタン複合材1の特性を向上できない。一方、Oの平均濃度が1.0%を超えると、内層部4の靭性を劣化させ、熱間加工や冷間加工時に割れが多発して、内層部4の板厚方向が分断、剥離して、チタン複合材1としての形状を維持できない可能性がある。このため、内層部4のOの平均濃度は、0.01〜1.0%とするのが好ましい。
表層部および内層部の成分分析は、公知の方法(例えば、JIS H 1612(1993)、JIS H 1614(1995)、JIS H 1615(1997)、JIS H 1617(1995)、JIS H 1619(2012)、JIS H 1620(1995))により求める。なお、この際、チタン複合材から表層部および内層部をそれぞれ切り出してから測定を行う。表層部は切削等で加工して得た切粉等から、内層部は表層削除後の残材から分析試料を採取して分析するのが効率的である。分析試料は、表層部、内層部の板厚方向の中心部から0.5g以上を採取する。表層部または内層部の厚さが薄く十分な量の切粉を得られない場合には、チタン複合材の全体の成分分析を行いその分析値と、表層部または内層部のいずれかの分析値と、それぞれの板厚から、表層または内層部の成分を算出(逆算)してもよい。
(b−2)内層部4の空隙率
チタン複合材1の空隙43の空隙率が多過ぎると、バルク金属としての機械的特性(強度や延性)が得られない。一方、空隙43は少ないほど望ましいが、空隙を完全に圧着させるためには、大圧下が必要となる。その結果、製造されるチタン複合材1の形状(厚さ)が制限され、さらには、製造コストが嵩む。
一方、チタン複合材1としての構造を維持するのに十分な機械的特性(強度や延性など)を有する程度に空隙43が含有される場合には、内層部4の密度が低くなり、チタン複合材1の軽量化を図ることができる。
以上のように、バルク金属としての機械的特性が重要な場合には空隙率を低くし、一方、チタン複合材1の軽量化を優先する場合には、空隙率を高くする。このように、用途に応じて、空隙率を選択することが可能である。この際の空隙率の範囲は、0%超30%以下であることが好ましく、0%超10%以下がより好ましい。なお、空隙率を10%以下とすることにより、一般的な工業用純チタンと遜色のない機械的特性を具備することができる。
チタン複合材1の内層部4に残存する空隙43の割合(空隙率)は、次のように算出される。チタン複合材1の長さ方向(圧延方向)に平行な厚さ断面が観察できるように樹脂に埋め込んだ後、ダイヤモンドまたはアルミナ研濁液を用いて観察面を研磨し(鏡面化仕上げ)、観察用試料に仕上げる。
この鏡面化仕上げを行った観察用試料は、光学顕微鏡で異なる位置の20か所の厚さ中心部について、撮影される。ここで、中心部とは、チタン複合材1が板の場合は、板厚中心であり、丸棒の場合は円断面の中心である。その光学顕微鏡写真にて観察される空隙43の面積割合を測定して、20枚の写真の空隙率の値を平均した結果を空隙率として算出する。
なお、光学顕微鏡で組織写真を撮影する際には、チタン複合材1の空隙の大きさ、または空隙率に応じて適正な倍率を選択する。例えば、空隙率が1%以下の場合は、空隙が小さいので、500倍程度の高倍率で観察して、写真撮影を行うのが好ましい。空隙率が10%以上の場合は、大きな空隙が多くなるので、20倍程度の低倍率で観察を行い、写真撮影を行うのが好ましい。また、空隙が小さくなるような空隙率が1%以下の場合、偏光観察が可能な微分干渉顕微鏡を用いることにより、通常の光学顕微鏡よりもより明瞭に観察することができる。
(b−3)内層部4の組織
図1に示すように、チタン複合材1中の内層部4には、チタン化合物42が多く含まれている。このチタン化合物42は、チタン複合材1の製造過程における熱間加工などにより、チタン化合物42の周囲にそれぞれの構成元素(すなわち、炭化物の周囲に炭素、窒化物の周囲に窒素、または酸化物の周囲に酸素)がチタン41に拡散するが、チタン41に固溶できないそれぞれの構成元素は、チタン化合物42としてチタン材41に分散した状態で残存する。このとき、チタン化合物42は、加工(圧延)方向に並び、筋状化合物集合体42aを構成している。また、チタン化合物42は、完全に化合物を形成しているもののほか、内部に炭素が存在している化合物を含む。例えば、チタン化合物の素材として炭素を用いた場合、熱間圧延等の製造過程において炭素がチタンと反応してチタン化合物を形成するが、そのチタン化合物の内部にチタンと反応しきれなかった炭素が残存することがある。
(b−3−1)チタン化合物の形状
図2は、筋状化合物集合体42aを模式的に示す図である。図2に示すように、筋状化合物集合体42aは、チタン化合物42の粒の中心間距離を圧延方向に投影した距離D(以下、「粒子間距離」という。)が20μm以下である複数のチタン化合物42の集合体を意味する。なお、本明細書において、粒子間距離が20μmを超える場合には別の筋状化合物集合体として扱う。
筋状化合物集合体42aは、その厚さt(すなわち、圧縮加工方向の大きさ。)が100μm以下であることが好ましい。この厚さが100μmを超えると、チタン複合材を加工する際に、チタン化合物42を起点に割れが発生する可能性が大きくなるからである。一方、筋状化合物集合体42aは、その長さL(すなわち、加工方向の大きさ)は、厚さ方向の大きさ(厚さ)tの2.0倍以上(すなわち、L/t≧2.0)であることが好ましく、3.0倍以上(すなわち、L/t≧3.0)であることがより好ましい。長さLが小さいと、引張応力を受けた際に、このチタン化合物を起点に内層部が破断しやすくなるからである。なお、L/t≦100とするのが好ましく、L/t≦40とするのがより好ましい。
筋状化合物集合体42aの大きさ(長さLおよび厚さt)は、次のように算出される。チタン複合材1の長さ方向(圧延方向)および厚さ方向に平行な断面(厚さ断面)を観察面とするように樹脂に埋め込んだ後、ダイヤモンドまたはアルミナ研濁液を用いて観察面を研磨して観察用試料に仕上げる。
光学顕微鏡を用いて、上記観察面の厚さ中心部の異なる位置の20か所を写真撮影する。ここで、厚さ中心部は、チタン複合材1が板である場合は板厚中心部であり、丸棒である場合は円断面の中心である。得られた20枚の写真において、筋状化合物集合体42aの長さLと厚さtを測定し、それぞれの値の平均値を長さLと厚さtとし、L/tを計算する。
(b−3−2)拡散層の存在
チタン化合物42のそれぞれの粒の周囲には、それぞれの構成元素(すなわち、炭化物の場合は炭素、窒化物の場合は窒素、酸化物の場合は酸素)の拡散層が存在する。拡散層とは、内層部4のチタン41に分散したチタン化合物42において、その構成元素(炭素、窒素または酸素)がチタン化合物42を中心として周辺のチタン41に拡散し、濃度勾配が形成された層をいう。
図3は、チタン複合材1の長さ方向(圧延方向)および厚さ方向に平行な断面(厚さ断面)において、1つの粒の厚さ方向の距離とその周囲の構成元素濃度分布の概念を示した図である。拡散層は、チタン複合材1を製造する過程で、加熱保持された際(熱間圧延前の加熱、熱間圧延中、熱間圧延後の熱処理等)に、チタン化合物42の粒から周囲のチタン41に各構成元素が拡散してできた層である。図3に示すように、拡散層は、内層部4のチタン41に含まれている各構成元素の値よりも多く含まれている。この拡散層が存在することにより、内層部4のチタン化合物42の粒とチタン41が強固に結合する。このため、チタン複合材1を加工する際にチタン化合物42を起点に割れることがない。
この拡散層は次のようにして把握できる。チタン複合材1の長さ方向(圧延方向)および厚さ方向に平行な断面(厚さ断面)を観察面とするように樹脂に埋め込んだ後、ダイヤモンドまたはアルミナ研濁液を用いて観察面を研磨して観察用試料に仕上げる。EPMAを用いて、上記観察用試料で観察されるチタン化合物42の粒が中心になるようにして厚さ方向に線分析を行う。分析の対象は、それぞれの構成元素(すなわち、炭化物の場合は炭素、窒化物の場合は窒素、酸化物の場合は酸素)である。内層部4のチタン41の値を基準にしてそれよりも濃度の高く、粒子を除いた領域が拡散層である。
前記の拡散層の厚さは、色々な因子によって変化する。例えば、チタン化合物を添加する場合、(1) チタン化合物の分解、(2)周辺へのそれぞれの構成元素の拡散、によって形成されるために、チタン化合物の分解速度とそれぞれの構成元素のチタン材内での拡散速度によって変化する。また、製造時の熱履歴によっても変化する。さらに、熱間圧延素材としての梱包体の加熱時における、スポンジチタン等とチタン化合物の接触程度によっても変化する。よって、拡散層の厚さは同一材の中でも色々な拡散層の厚さを有することになり、一義的に決定することは困難であるが、チタン化合物やそれぞれの構成元素が存在する、または存在した部分を中心に、少なからず形成される。
(b−4)内層部4の厚さ
チタン複合材1の全厚さに対する内層部4の厚さが厚いほど、機械的特性は向上するので、チタン複合材1の全厚さに対して20%超とするのが好ましく、より好ましくは50%超である。一方、厚すぎると、加工性が劣化するので、内層部4の厚さは、チタン複合材1の全厚さに対して95%以下とするのが好ましい。
2.本発明に係る梱包体5の構成
チタン梱包体5は、チタン梱包材6と充填材7,8とを備える。チタン梱包体5の形状は、特定の形状に限られるものではないが、製造されるチタン複合材1の形状によって決められる。板材のチタン複合材1を製造する場合は、直方体形状のチタン梱包体5を用いる。また、丸棒や線材、さらには押出材のチタン複合材1を製造する場合には、円柱形または八角柱等多角柱形状のチタン梱包体5を用いる。チタン梱包体5の大きさは、製品の大きさ(厚さ、幅や長さ)および製造量(質量)により決められる。
(a)チタン梱包材6
(a−1)チタン梱包材6化学組成
チタン梱包材6は、チタン複合材1の表層部2,3と同様、JIS1種〜JIS4種に属する工業用純チタンまたはチタン合金材を用いる。
(a−2)チタン梱包材6形状
チタン梱包材6の形状は、熱間加工用素材として用いられるチタン梱包体5の形状に依存するため、特に定形はなく、板材や管材などを用いることができる。
熱間加工および冷間加工、焼鈍などの製造工程を経て製造されるチタン複合材1に優れた表面性状、内層部4の保持、および加工性を具備させるためには、チタン梱包材6の厚さが重要となる。
チタン梱包材6の厚さが1mm未満と薄い場合には、塑性変形に伴って熱間加工の途中で、チタン梱包材6が破断し、チタン梱包体5内部の一部が脱落する。この場合、同時に真空が破れて、チタン梱包体5の内部に充填されているチタン材7の酸化が生じる。また、チタン梱包体5の内部に充填されたチタン材7の起伏がチタン梱包体5の表面に転写され、熱間加工中に大きな表面起伏を生じるおそれもある。
これらの結果、製造されるチタン複合材1は、表面性状または延性などの機械的特性が劣化する。さらに、チタン梱包材6が過度に薄くなると、内部に充填したチタン材7の重量を支え切れないおそれがある。このため、室温や熱間保持または加工中にチタン梱包体5の剛性が不足して変形するおそれがある。
これら問題が発生することなく熱間加工を行うことができ、優れた表面性状、内層部4の保持および加工性を具備したチタン複合材1を製造するために、チタン梱包材6の厚さは、好ましくは1mm以上であり、より好ましくは2mm以上である。
さらに、チタン梱包材6の厚さは、チタン梱包体5の全厚さの25%以下が好ましい。チタン梱包材6の厚さが、チタン梱包体5の全厚さの25%より厚いと、製造上の問題は特にないものの、チタン梱包体5の全厚さに占めるチタン梱包材6の割合が大きくなり、内部、または内層部4の厚さが薄くなる。このため、チタン梱包体5内部のチタン化合物量が少なくなり、機械的特性向上効果が低くなるため好ましくない。
(b)充填材7,8
(b−1)チタン材7
充填材としてのチタン材7は、スポンジチタン、チタンブリケットおよびチタンスクラップから選択される1種以上である。
(b−1−1)チタン材7の化学組成
チタン材7の化学組成は、JIS1種〜JIS4種に相当する工業用純チタンを用いることができる。すなわち、C:0.08%以下、H:0.013%以下、O:0.4%以下、N:0.05%以下、Fe:0.5%以下、残部Tiおよび不純物の化学組成を有する。
(b−1−2)チタン材7の形状
チタン材7としては、従来のクロール法などの製錬工程により製造された通常のスポンジチタンを用いることができる。その大きさは、平均粒径で20mm以下であることが好ましい。平均粒径が20mmより大きいと、チタン化合物等の粉末8と均一に混合し難く、熱間加工によって製造したチタン複合材1の内層部4内でチタン化合物のむらを生じるおそれがある。一方、平均粒径が小さい場合には、特性面では問題はないが、チタン材7の平均粒径が0.5mm未満では、破砕するのに時間がかかり、微細な粉塵の発生も多く飛散するため、製造効率が悪くなる。このため、チタン材の平均粒径は0.5mm以上であることが好ましい。
チタン材7としては、チタンスクラップを用いることできる。例えば、チタンスクラップは、工業用純チタン材の製造工程で発生する製品にならない端材、工業用純チタン素材を製品形状とするために切削、研削した際に発生するチタン切粉、製品として使用した後の不要になった工業用純チタン材等である。チタンスクラップは、大き過ぎると、搬送し難い、チタン梱包体5に入れ難いといった問題があるので、適宜切断するのが望ましい。
スポンジチタンまたはチタンスクラップは塊状であるため、素材の間には空隙(すきま)9がある。スポンジチタン等のハンドリング性向上、またはこれら空隙を少なくするために、予めスポンジチタン等およびチタン化合物等の粉末8を混合後に圧縮成形して、図5に示すようなブリケット10としてからチタン梱包体5に入れてもよい。
(b−2)チタン化合物等の粉末8
(b−2−1)チタン化合物等の粉末8の化学組成
チタン化合物等の粉末8は、例えば、炭化物の場合、炭素粉末、TiC粉末等が例示され、窒化物の場合、TiN粉末のほか、FeN粉末、FeN粉末等(ただし、内層部4のチタンのFe濃度がJIS規格を超えてはならない。)が例示され、酸化物の場合、TiO粉末、TiO粉末、Ti粉末のほか、FeO粉末、Fe粉末やFe粉末等(ただし、内層部4のチタンのFe濃度がJIS規格を超えてはならない。)が例示される。これらの粉末8は、市販されているものを用いればよい。
(b−2−2)チタン化合物等の粉末8の形状
チタン化合物等の粉末8の平均粒径が50μmを超えると、チタン材7と均一に混合し難い。よって、チタン複合材1の内層部4内でチタン化合物を均一に分散させることができなくなる。このため、チタン化合物等の粉末8の平均粒径は、好ましくは50μm以下である。
一方、チタン化合物等の粉末8の平均粒径がより小さい場合には特性面では問題はないものの、小さ過ぎると、チタン材7と混合する際、またはチタン梱包体5中に充填する際に、粉塵の飛散が問題になって作業に支障をきたすおそれがある。このため、チタン化合物等の粉末8の平均粒径は0.1μm以上であることが好ましい。
(C)梱包体5の内部圧力
チタン梱包体5内の空隙43に空気が残存していると、熱間加工前の加熱時にチタン材7が酸化・窒化してしまい、製造されるチタン複合材1の延性が低下する。このため、チタン梱包体5内を減圧して高真空とすることが有効である。
熱間加工時のチタン材7の酸化・窒化を防止するためには、チタン梱包体5の内部圧力(絶対圧)を10Pa以下、好ましくは1Pa以下にすることがよい。チタン梱包体5の内部圧力が10Paより大きいと、残留している空気によりチタン材7が酸化、または窒化してしまう。内部圧力を極端に小さくすることは、装置の気密性向上、および真空排気装置の増強などを要し、製造コストの増大に繋がるので、内部圧力の下限は、1×10−3Paとするのがよい。
3.チタン複合材1の製造方法
チタン複合材1は、チタン梱包体5に熱間加工、またはさらに冷間加工を行うことにより製造される。
(a)熱間加工方法
熱間加工の方法は、製品の形状によって選択することができる。板材のチタン複合材1を製造する場合は、直方体形状(スラブ)のチタン梱包体5を加熱して、熱間圧延を行い、チタン板とする。必要に応じて、従来工程と同様に、熱間圧延後に表面の酸化層を酸洗などで除去した後、冷間圧延を行い、さらに薄く加工してもよい。
丸棒や線材のチタン複合材1を製造する場合は、円柱や多角形形状(ビレット)のチタン梱包体5を加熱して、熱間圧延や熱間押し出しを行い、チタン丸棒や線材とする。また、必要に応じて、従来工程と同様に、熱間加工後に酸化層を酸洗などで除去した後、冷間圧延を行い、さらに細く加工してもよい。
(a−1)熱間加工の加熱温度
さらに、押出形材のチタン複合材1を製造する場合は、円柱や多角形形状(ビレット)のチタン梱包体5を加熱して、熱間押出を行い、種々の断面形状のチタン形材とする。熱間加工前の加熱温度としては、通常のチタンスラブやビレットを熱間加工する場合と同様の加熱温度とすればよい。加熱温度は、チタン梱包体5の大きさや熱間加工の度合い(加工率)によって異なるが、600℃以上1200℃以下に加熱することが好ましい。
加熱温度が低過ぎると、チタン梱包体5の高温強度が高く、変形能が低いため、熱間加工中に割れが発生し易い。特に、チタン梱包体5の溶接部が割れて、内部が露出して一部が脱落したり、内部が酸化したりすると、チタン複合材1に必要な特性が得られなくなる。また、チタン化合物の粒の周囲にある構成元素の拡散層が形成されず、内層部のチタン化合物の粒とチタンが十分に結合できない。このため、チタン複合材を加工する際にチタン化合物を起点に割れが発生する場合がある。一方、加熱温度が高過ぎると、得られたチタン複合材1の組織が粗くなり、十分な材料特性が得られない。また、酸化により表面の梱包材6が減肉されてしまう。よって、加熱温度は、600℃〜1200℃とすることが推奨される。
(a−2)熱間加工の加工率
熱間加工の際の加工の度合い、すなわち加工率は、チタン複合材1の内層部4の空隙率を制御するために選択することができる。ここでいう加工率は、チタン梱包体5の断面積と熱間加工後のチタン複合材1の断面積の差を、チタン梱包体5の断面積で除した割合(百分率)である。
この加工率が低い場合には、チタン梱包体5内部の空隙43が十分に圧着されないため、熱間加工後であっても、空隙43のまま残存する。このような空隙を多く含むチタン複合材1は、含有する空隙の分だけ軽量となり、機械的特性向上効果にも問題はない。ただし、内層部4に存在する空隙43が多いため、機械的特性が十分に得られない。一方、加工率が増大すると、空隙率は低下して機械的特性が向上する。このため、製造されるチタン複合材1の機械的特性が重要視される場合には、加工率は高いほうが好ましい。
(b)熱間加工の工程
熱間圧延後は、焼鈍、冷間圧延に供してもよい。チタン複合材1は、熱間加工材(例えば熱延板)でも、冷間加工材(例えば冷延板)でも、機械的特性向上効果に大きな違いはない。また、表面状態も圧延まま、酸洗仕上げ、焼鈍仕上げのいずれの状態でも良く、機械的特性向上効果は変わらない。
4.チタン梱包体5の製造方法
(a)充填材7,8の混合
チタン材7にチタン化合物等の粉末8を均一かつ高密度で充填する必要がある。このためには、これらのチタン材7およびチタン化合物等の粉末8を容器に充填して回転または振動させて、内部のチタン材7、およびチタン化合物等の粉末8が均一に分散するように混合すればよい。
撹拌する方法は、容器を上下方向に回転させる、水平から20〜70°傾けて斜め方向に回転させる、容器を上下方向や水平方向等に振動させる、あるいは容器内に撹拌子を挿入して撹拌子を回転させたりする方法等が挙げられる。
撹拌時間は、容器の大きさや混合するチタン材7、およびチタン化合物等の粉末8の量により変化するが、1〜30分間であるのが好ましい。生産性を考慮すると、数分間で均一に混合できるように、容器の大きさや処理量を決めることが好ましい。
混合したチタン材7とチタン化合物等の粉末8は、そのままでチタン梱包体5内に充填する。あるいは、チタン材7のハンドリング性向上やこれら空隙を少なくするために、圧縮成形して図5に示すようなチタンブリケット10としてから、チタン梱包体5内に格納してもよい。
(b)溶接
チタン梱包材6を溶接部11で溶接する方法には、TIG溶接またはMIG溶接等のアーク溶接、ならびに電子ビーム溶接やレーザー溶接等が例示され、特に限定はされない。ただし、溶接雰囲気は、チタン材7、およびチタン梱包材6の面が酸化、または窒化されないように、真空雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気で溶接を行うことが好ましい。
チタン梱包材6のつなぎ目(溶接部11)を最後に溶接する際には、チタン梱包体5を真空雰囲気の容器(チャンバー)に入れて溶接を行い、チタン梱包体5の内部を真空に保つことが好ましい。
図6に示すように、チタン化合物等の粉末8と混合し圧縮成形したチタンブリケット10を梱包材であるチタン展伸材で覆い、チタン展伸材の全周囲をシーム溶接(回転電極を用いた抵抗溶接)して密閉し、チタン梱包体12を製造してもよい。この際、事前に端部に穴をあけて銅管をろう溶接した銅管を通して、チタン展伸材の内部を所定の圧力になるまで減圧し、減圧後に銅管を圧着して、チタン展伸材内部の圧力を保ってもよい。
5.チタン複合材1の用途
高い引張強度と良好な加工性を有するとともに、低コストで製造可能であることから、自動車などの陸上輸送機器の構造部材として用いることができる。
表1に示すチタン梱包体を製造し、このチタン梱包体に表1に示す製作工程でチタン複合材1(板材)を製造した。
充填材として、クロール法により製造した粒度が2.5mm以上6mm以下であり、化学組成がJIS1種相当(C:0.002%、H:0.001%、O:0.03%、N:0.001%、Fe:0.03%、残部Tiおよび不純物)のスポンジチタンを用いた。また、充填材として、市販のTiO粉末(平均粒径2μm)、TiC粉末(平均粒径3μm)またはTiN粉末(平均粒径5μm)を用いた。
上記のスポンジチタンと、チタン化合物等の粉末は、V型混合器に所定量を投入して混合した。混合した素材は、金型に投入して圧縮成形し、厚さ15mm、幅50mm、長さ60mmの図5に示すチタンブリケットにした。比較として、試料No.11では、スポンジチタン粒7のみ添加し、粉末原料8を添加しないでチタンブリケットを作成した。
チタン梱包材として、JIS1種(TP270C;C:0.001%、H:0.005%、O:0.04%、N:0.001%、Fe:0.03%、残部Tiおよび不純物)またはJIS2種(TP340C;C:0.002%、H:0.004%、O:0.09%、N:0.001%、Fe:0.05%、残部Tiおよび不純物)工業用純チタン材からなる、厚さ1.0mmの薄板を用いた。
図6に示すように、チタンブリケットを梱包材である工業用純チタン材で覆い、工業用純チタン材の全周囲をシーム溶接(回転電極を用いた抵抗溶接)して密閉した。この工業用純チタン材は、事前に端部に穴をあけて銅管をろう溶接した。シーム溶接後、銅管を通して、工業用純チタン材の内部を所定の圧力(0.06〜1.2Pa)になるまで減圧し、減圧後に銅管を圧着して、工業用純チタン材内部の圧力を保った。試料No.12では38Paまで減圧したところで、銅管を圧着して梱包体とした。
作製したチタン梱包体は、大気雰囲気下、850℃で4時間加熱した後、熱間圧延を行い、厚さ2.0mmのチタン複合材を製作した。チタン複合材は、725℃で15分間焼鈍後、酸洗して表層のスケールを除去して、組織観察や引張試験に供した。
チタン複合材の長さ方向(圧延方向)および厚さ方向に平行な断面(厚さ断面)が観察できるように樹脂に埋め込んだ後、ダイヤモンドまたはアルミナ研濁液を用いて観察面を研磨し(鏡面化仕上げ)、観察用試料に仕上げた。空隙率は、光学顕微鏡で、上記観察用試料の厚さ中心部を20か所写真撮影して、個々の写真毎に空隙の面積率を測定してそれらの平均値を求めた。筋状化合物集合体は、光学顕微鏡で、上記観察用試料の厚さ中心部を観察して、その形態を求めた。また、観察された筋状化合物集合体20個について、厚さtと長さLを測定してL/tを算出して、それらの平均値を求めた。
拡散層の厚さは、TiO粉末、TiC粉末,TiN粉末を添加したNo.2、No.4、No.6について、上記観察用試料の厚さ中心部に観察された筋状化合物集合体5個について、その中に観察された3個のチタン化合物の粒をEPMAで測定した。チタン化合物の粒が中心になるようにして厚さ方向に線分析を行い、内層部のチタンの値を基準にして、それよりもチタン化合物の構成元素(炭素、窒素または酸素)濃度が高く、粒子を除いた片側の領域の距離を測定して、それらを平均して、筋状化合物集合体それぞれの拡散層の厚さとして求めた。
引張試験はチタン複合材の圧延方向で評価した。引張速度は、降伏点を超えるまで0.4%/分で、降伏点を超えてからは30%/分で行い、強度を測定した。また、降伏するまでの応力−ひずみ曲線の勾配からヤング率を求めた。
結果を表1にまとめて示す。
Figure 2017171056
図7は、Ti−0.1%N板の断面ミクロ組織の写真の一例である。
図7に例示するように、本発明例である試料No.8のチタン複合板の断面の組織を観察すると、黒く見えるチタン化合物が所々に認められる。この黒い筋状化合物集合体は、窒化チタンの集合体であり、X線回折で測定した結果、TiNであった。
チタンに、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上のチタン化合物が分散している本発明例の試料No.1〜8は、これらのチタン化合物を有していない試料No.10に比べて、チタン複合材の強度やヤング率が向上した。なお、チタン梱包体5を作製する際に、チタン梱包体の内部の真空度を10Paより大きくした試料No.9は、チタン複合材の内部が一部で酸化し、強度は低下したものの、ヤング率は一定値以上を維持していた。TiO粉末を添加したNo.2では、酸素の拡散層の厚さが4〜6μmであった。TiC粉末を添加したNo.4では、炭素の拡散層の厚さが25〜32μmであった。TiN粉末を添加したNo.6では、窒素の拡散層の厚さが1〜2μmであった。
酸化物の粉末を多量に添加した試料No.11では、熱間圧延時に内部割れが発生して、健全なチタン複合材が得られなかった。チタン梱包体5の圧下率が小さく、内層部の空隙率が大きくなった試料No.12では、酸化物が空隙とともに方向性なく点在しており、引張試験片を製作する際に割れてしまった。
表2に示すように、チタン梱包体からチタン複合材を製造した。
充填材として使用するスポンジチタンは、クロール法により製造した化学組成がJIS1種相当(C:0.001%、H:0.001%、O:0.04%、N:0.001%、Fe:0.03%、残部Tiおよび不純物)のスポンジチタンで、スポンジチタンBは粒度が6mm以上13mm以下ものを、スポンジチタンCは粒度が2.5mm以上6mm以下のものを、スポンジチタンDは粒度が0.8mm以上2.5mm以下のものを、それぞれ用いた。
また、チタンスクラップとして、JIS2種(C:0.002%、H:0.006%、O:0.08%、N:0.001%、Fe:0.05%、残部Tiおよび不純物)の薄板を10〜20mm角に切断したものを一部(試料No.26,27)で使用した。
さらに、充填材として使用するチタン化合物等の粉末は、市販のTiO粉末(平均粒径2μm)、TiC粉末(平均粒径3μm)またはTiN粉末(平均粒径5μm)を用いた。これらのスポンジチタン粒とチタン化合物等の粉末は、V型混合器に所定量を投入して混合した。
梱包材の素材として、工業用純チタン材は、JIS1種(TP270HC:0.002%、H:0.006%、O:0.04%、N:0.002%、Fe:0.03%、残部Tiおよび不純物)、JIS2種(TP340H;C:0.001%、H:0.002%、O:0.10%、N:0.002%、Fe:0.06%、残部Tiおよび不純物)、およびTi−0.06%Pdの酸洗した厚さ10mmの厚板を用いた。
図4に示すように、工業用純チタン材の5枚を仮組みし、ここにスポンジチタン粒、あるいはチタンスクラップとチタン化合物等の粉末の混合物(充填材)を充填して、残りの工業用純チタン材であるチタン梱包材で蓋をした。
この状態で、真空チャンバー内に入れて、所定の圧力になるまで減圧(真空)した後、梱包材の継ぎ目を全周電子ビームで溶接した。この時のチャンバー内の圧力は、9.5×10−3〜2.1×10−1Paであった。
以上のようにして、内部にスポンジチタンやチタンスクラップとチタン化合物等の粉末の混合物を充填し、雰囲気が真空であるチタン梱包体を用意した。チタン梱包体の大きさは、厚さ80×幅100×長さ120mmとした。
作製したチタン梱包体は、大気雰囲気下、850℃で6時間加熱した後、熱間圧延を行い、厚さ5mmのチタン複合板を製作した。その後、チタン複合材は、725℃で15分間焼鈍後、酸洗して表層のスケールを除去して引張試験に供した。実施例1と同様に組織観察や引張試験を行ない、チタン複合材の空隙率、チタン化合物の形態や大きさL/t、拡散層の厚さ、強度およびヤング率を求めた。
結果を表2にまとめて示す。
Figure 2017171056
梱包材にJIS2種を用いた場合、チタン化合物粉末を添加した本発明例である試料No.13〜19は、チタン化合物を添加していない試料No.20に比べて、チタン複合材の強度やヤング率が向上した。
また、チタン梱包体の圧下率が小さく、内層部の空隙率が大きくなった試料No.21では、酸化物が空隙とともに方向性なく点在しており、引張試験片を製作する際に割れてしまった。
梱包材にJIS1種を用いた場合、チタン化合物粉末を添加した本発明例である試料No.22〜24は、チタン化合物を添加していない試料No.25に比べて、チタン複合材の強度やヤング率が向上した。
充填材に酸素量が0.08質量%の薄板スクラップを用いた場合、チタン化合物粉末を添加した本発明例である試料No.26は、チタン化合物粉末を添加していない試料No.27に比べて、チタン複合材1の強度やヤング率が向上した。
梱包材にJIS1種を用いた場合は、JIS2種を用いた梱包材に比べて、加工性のよいチタン複合材1が得られる。梱包材6にTi−0.06%Pdを用いた試料No.23は、JIS2種を用いた梱包材6に比べて、耐食性のよいチタン複合材が得られる。なお、TiO粉末を添加したNo.14では、酸素の拡散層の厚さは2〜6μmであった。TiC粉末を添加したNo.16では、炭素の拡散層の厚さは12〜18μmであった。TiN粉末を添加したNo.17では、窒素の拡散層の厚さは1〜2μmであった。
熱間圧延で得られた表2に示す、厚さ5mmのチタン複合材である試料No.13、14、16、20を、725℃で15分間焼鈍後、酸洗して表層のスケールを除去した。スケールを除去したチタン複合(熱間圧延材)は、1.0mmの厚さまで冷間圧延を行い、その後、真空加熱炉を用いて700℃で15分間焼鈍して引張試験に供した。実施例1と同様に組織観察や引張試験を行い、チタン複合材の空隙率、チタン化合物の形態や大きさL/t、拡散層の厚さ、強度およびヤング率を求めた。
結果を表3にまとめて示す。
Figure 2017171056
本発明例である試料No.28〜30は、チタン化合物粉末を添加することにより、チタン化合物粉末を添加していない試料No.31に比べて、チタン複合材の強度やヤング率が向上した。なお、TiO粉末を添加したNo.29では、酸素の拡散層の厚さは1〜4μmであった。TiC粉末を添加したNo.30では、炭素の拡散層の厚さは2〜6μmであった。
1 チタン複合材
2 表層部
3 表層部
4 内層部
41 チタン
42 チタン化合物
42a 筋状化合物集合体
43 空隙
5 チタン梱包体
6 チタン梱包材
7 スポンジチタン
8 チタン化合物等の粉末
9 空隙
10 ブリケット
11 溶接部
12 チタン梱包体

Claims (6)

  1. 内層部と前記内層部を覆う表層部とを有するチタン複合材であって、
    前記表層部は、JIS1種〜4種のいずれかに属する化学組成の工業用純チタン材またはチタン合金材からなり、
    前記内層部は、チタンに、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上のチタン化合物が分散しており、前記炭化物の周囲に炭素が、前記窒化物の周囲に窒素が、前記酸化物の周囲に酸素が、それぞれが拡散した部分を備え、面積率で、0%超30%以下の空隙を有する、
    チタン複合材。
  2. 前記内層部は、炭素、窒素および酸素の平均含有量の合計が0.05〜2.0質量%であり、前記チタン化合物が圧延方向に並んだ筋状化合物集合体としてチタン材に分散している、
    請求項1に記載のチタン複合材。
  3. 前記工業用純チタン材の化学組成は、質量%で、
    C:0.08%以下、
    H:0.013%以下、
    O:0.4%以下、
    N:0.05%以下、
    Fe:0.5%以下、
    残部:Tiおよび不純物である、
    請求項1または2に記載のチタン複合材。
  4. JIS1〜4種のいずれかに属する工業用純チタン材またはチタン合金材からなるチタン梱包材に、スポンジチタン、チタンブリケットおよびチタンスクラップから選択される1種以上と、炭素、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上の粉末と充填し、封入し、内部を10Pa以下に減圧することによりチタン梱包体とし、前記チタン梱包体に熱間加工を行う、
    チタン複合材の製造方法。
  5. 前記熱間加工を行った後に冷間加工を行う、
    請求項4に記載のチタン複合材の製造方法。
  6. JIS1〜4種のいずれかに属する工業用純チタン材またはチタン合金材からなるチタン梱包材と、前記チタン梱包材の内部に充填された充填材とを備える梱包体であって、
    前記充填材が、スポンジチタン、チタンブリケットおよびチタンスクラップから選択される1種以上と、炭素、炭化物、窒化物および酸化物から選択される1種以上の粉末とを有し、前記内部の圧力は10Pa以下である、
    熱間加工用の梱包体。

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