以下に図面を参照して、本発明にかかる情報処理装置、情報配信システム、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(情報処理方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例を示す説明図である。図1において、情報処理装置100は、情報の配信を支援するコンピュータである。配信対象の情報は、配信側が何らかの意図をもって配信先に発する情報であり、例えば、企業側から消費者に対する商品やサービスの広告である。また、配信対象の情報は、企業からのアンケート依頼や広報メッセージなどであってもよい。
ここで、趣味嗜好やライフスタイルが似ている人たちは、商品の購入傾向についても似ていることが多い。例えば、フルーツブランデー(果物を漬けたブランデー)を作る人は、料理好きの人が多く、多少高価な調理器具であっても購入して試す傾向がある。このため、フルーツブランデーを作ることに興味がある人に対して、高級調理器具の広告を行えば効果的であるといえる。
このような関係を事前に洗い出すことができれば、効果的な広告配信が行えて広告効果の向上を図ることができるといえる。ところが、このような関係を人手により一つ一つ洗い出すのは大変である。また、フルーツブランデーを作ることに興味がある人に対して高級調理器具の広告を行えば効果的であるといった関係は簡単には見出すことができないことも多い。
そこで、本実施の形態では、商品の購入履歴から複数のユーザを分類し、特定のクラスタに属するユーザのインターネットによるウェブページの閲覧傾向を特定して、閲覧傾向が類似する他のユーザを配信先として選出する情報処理方法について説明する。以下、情報処理装置100の処理例について説明する。
(1)情報処理装置100は、購入履歴情報110に基づいて、複数のユーザを商品の購入傾向に応じたクラスタに分類する。ここで、複数のユーザは、ユーザを識別する識別情報がそれぞれ付与されたユーザの集合であり、例えば、何らかの会に加わっている複数の会員ユーザである。会員ユーザとしては、例えば、百貨店のハウスカード会員が挙げられる。
以下の説明では、商品の購入傾向に応じて分類する複数のユーザとして、ある会に加わっている複数の会員ユーザを例に挙げて説明する。
購入履歴情報110は、複数の会員ユーザの各々と対応付けて商品の購入履歴を示す情報である。例えば、購入履歴情報110は、各会員ユーザの識別情報と対応付けて、各会員ユーザが購入した商品の商品名、ブランド名、商品カテゴリ、購入量、単価、購入金額、購入日時などを示す。
クラスタリングの手法としては、既存の任意の手法を用いることができる。具体的には、例えば、情報処理装置100は、購入履歴情報110に基づいて、各会員ユーザの商品カテゴリ別の購入量を要素とする特徴ベクトルを用いて、分割最適化型クラスタリング手法により、商品の購入傾向に応じたクラスタに分類することにしてもよい。
商品カテゴリは、商品を分類する区分であり、任意に設定可能である。例えば、商品カテゴリは、紳士服、婦人服、家具、寝具、食料品、雑貨などであってもよく、また、特定のブランド名や商品名、あるいは、特定のブランド名や商品名の組み合わせであってもよい。これにより、どの商品カテゴリの商品をどれくらい購入しているのかという特徴をもとに、複数の会員ユーザを分類することができる。
また、情報処理装置100は、分類したクラスタを特徴付ける語句を設定することにしてもよい。クラスタを特徴付ける語句は、そのクラスタがどのような会員ユーザの集合なのかを判断するための情報となる。クラスタを特徴付ける語句は、人手により設定されてもよく、また、情報処理装置100が自動設定することにしてもよい。
例えば、情報処理装置100のユーザが、クラスタに属する会員ユーザの商品の購入履歴を分析して、クラスタを特徴付ける語句を設定してもよい。また、例えば、情報処理装置100が、クラスタに属する会員ユーザの商品の購入履歴を参照して、購入量の合計が最も多い商品カテゴリのカテゴリ名(あるいは、ブランド名)を、クラスタを特徴付ける語句に設定してもよい。
なお、購入履歴情報110には、例えば、複数のユーザの各々と対応付けて店舗の来店履歴を示す情報が含まれていてもよい。これにより、例えば、どの店舗にどれくらい来店したのかという特徴をもとに、複数のユーザを分類することができる。
図1の例では、複数の会員ユーザが、クラスタX、クラスタYおよびクラスタZに分類された場合を想定する。また、クラスタXは、高級調理器具の購入量が多い会員ユーザの集合であり、クラスタXを特徴付ける語句として「高級調理器具」が設定されている場合を想定する。
(2)情報処理装置100は、閲覧履歴情報120に基づいて、第1のクラスタに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定する。ここで、第1のクラスタは、商品の購入傾向に応じて複数の会員ユーザを分類したいずれかのクラスタであり、任意に選択可能である。
閲覧履歴情報120は、第1のクラスタに属する会員ユーザの各々と対応付けてウェブページの閲覧履歴を示す情報である。例えば、閲覧履歴情報120は、各会員ユーザの識別情報と対応付けて、各会員ユーザが閲覧したウェブページのURL(Uniform Resource Locator)、閲覧日時などを示す。
具体的には、例えば、情報処理装置100は、閲覧履歴情報120を参照して、第1のクラスタに属する各会員ユーザが閲覧したウェブページのURLからキーワードを抽出する。より詳細に説明すると、情報処理装置100は、例えば、URLのパス名からディレクトリ名やファイル名をキーワードとして抽出する。
つぎに、情報処理装置100は、抽出した各キーワードの出現数に基づいて、各キーワードの出現頻度を算出する。そして、情報処理装置100は、算出した出現頻度が最大のキーワード、あるいは、出現頻度が高い上位いくつかのキーワードを閲覧傾向として特定する。
図1の例では、クラスタXに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向として「フルーツブランデー」が特定されている。閲覧傾向「フルーツブランデー」は、クラスタXに属する会員ユーザの多くが、フルーツブランデーに関するウェブページを閲覧している可能性が高いことを意味する。
(3)情報処理装置100は、特定した閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末の識別情報を出力する。ここで、閲覧傾向に対応するウェブページとは、例えば、閲覧傾向として特定されたキーワードを、ウェブページ内あるいはURLに含むウェブページである。また、ユーザ端末は、ウェブページを閲覧するためのブラウザを有するコンピュータであり、例えば、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話機などである。
具体的には、例えば、情報処理装置100は、ユーザ端末の閲覧履歴情報130に基づいて、特定した閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末を検出する。ここで、ユーザ端末の閲覧履歴情報130は、ユーザ端末と対応付けてウェブページの閲覧履歴を示す情報である。例えば、ユーザ端末の閲覧履歴情報130は、各ユーザ端末の識別情報と対応付けて、各ユーザ端末において閲覧されたウェブページのURL、閲覧日時などを示す。
ユーザ端末の識別情報は、例えば、ユーザが利用するブラウザインスタンスを特定する情報である。同じユーザでもユーザ端末が異なると、ブラウザインスタンスは異なる。また、同じユーザが同じユーザ端末を用いても異なるIDでログインすると、ブラウザインスタンスは異なる。さらに、同じユーザが同じユーザ端末を用いて同じIDでログインしても、ブラウザが異なると、ブラウザインスタンスは異なる。
ユーザ端末の識別情報としては、例えば、アクセスしたウェブサイトから送信され、ブラウザを通じてユーザ端末に保存されるクッキー情報を用いることができる。クッキー情報は、ウェブサイトの訪問者の識別に用いられる情報であり、例えば、ユーザの識別や属性に関する情報(クッキー名や値)を含む。
なお、ユーザ端末の閲覧履歴情報130は、情報処理装置100が有していてもよく、他のコンピュータ(例えば、図2に示すようなSSPサーバ204)が有していてもよい。また、情報処理装置100は、他のコンピュータに問い合わせることにより、特定した閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末を検出することにしてもよい。
図1の例では、閲覧傾向「フルーツブランデー」に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末Ta,Tb,Tcの識別情報(例えば、クッキー情報)を含む配信先情報140が出力されている。配信先情報140には、例えば、クラスタXを特徴付ける語句「高級調理器具」が含まれる。
このように、情報処理装置100によれば、商品の購入傾向に応じて分類された、あるクラスタに属する会員ユーザとウェブページの閲覧傾向が類似する、すなわち、会員ユーザと趣味嗜好が類似する他のユーザのユーザ端末を特定することができる。これにより、商品について所定の購入傾向を有する会員ユーザと趣味嗜好が類似する他のユーザに対して広告配信を行うことが可能となる。別側面から見れば、情報の配信先とすべきユーザ端末を特定することができるので、ユーザ端末を特定せずに一律に情報を配信するよりも、通信網に送出されるデータ量を削減することにつながる。
図1の例では、広告主や広告代理店などが、配信先情報140を参照することにより、「高級調理器具」の購入履歴がある会員ユーザと趣味嗜好が類似する他のユーザのユーザ端末Ta,Tb,Tcを特定することができる。これにより、「高級調理器具」に興味がある可能性が高いターゲット(ユーザ端末Ta,Tb,Tc)を絞り込んで広告配信を行うことが可能となり、広告効果の向上を図ることができる。
(情報配信システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる情報配信システム200のシステム構成例について説明する。以下の説明では、配信対象の情報として、企業側から消費者に対する商品、サービスの広告を例に挙げて説明する。
図2は、情報配信システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、情報配信システム200は、情報処理装置100と、広告依頼側装置201と、複数のユーザ端末202と、複数のDSPサーバ203と、SSPサーバ204と、を含む。情報配信システム200において、情報処理装置100、広告依頼側装置201、ユーザ端末202、DSPサーバ203およびSSPサーバ204は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
ここで、情報処理装置100は、購入履歴DB(Database)220および閲覧履歴DB230を有し、広告の配信を支援する。なお、購入履歴DB220および閲覧履歴DB230の記憶内容については、図5および図6を用いて後述する。
広告依頼側装置201は、広告依頼側のユーザ(例えば、広告主)が使用するコンピュータであり、例えば、PC、タブレットPCなどである。ユーザ端末202は、ウェブページを閲覧するためのブラウザを有するコンピュータであり、例えば、PC、タブレットPCなどである。図1に示したユーザ端末Ta,Tb,Tcは、例えば、ユーザ端末202に相当する。
DSPサーバ203は、広告主にとって広告効果が最大になるように、最適な広告枠の購入や配信対象の選択などを支援するコンピュータである。SSPサーバ204は、広告枠をもつ配信事業者側の利益が最大となるように、最適な広告の選択と広告枠の販売を支援するコンピュータである。
また、SSPサーバ204は、例えば、ユーザ端末202の識別情報と対応付けて、ユーザ端末202におけるウェブページの閲覧履歴を示す閲覧履歴情報を管理する。ユーザ端末202の識別情報は、例えば、アクセスしたウェブサイトから送信され、ブラウザを通じてユーザ端末202に保存されるクッキー情報である。
ここで、情報配信システム200の動作例について説明する。
まず、広告依頼側装置201は、DSPサーバ203に広告の入札条件を提示する。広告の入札条件には、例えば、予算、広告の掲載基準、上限入札価格およびターゲットユーザ属性(例えば、ユーザ端末202のクッキー情報)などが含まれる。
つぎに、閲覧者のユーザ端末202において、パブリッシャー(媒体運営者)のウェブサイトにアクセスすると、ウェブページ内に埋め込まれたタグが起動し、不図示のアドサーバを介して、SSPサーバ204に広告枠がリクエスト(広告リクエスト)される。広告リクエストには、例えば、閲覧者のユーザ端末202のクッキー情報が含まれる。
SSPサーバ204は、広告リクエストを受け取ると、各DSPサーバ203に対して入札リクエストを送信する。入札リクエストには、例えば、閲覧者のユーザ端末202のクッキー情報、IP(Internet Protocol)アドレス、広告枠ID、広告サイズ、最低入札価格(フロアプライス)、入札締切時刻などが含まれる。
各DSPサーバ203は、入札リクエストを受信すると、広告依頼側装置201から提示された広告の入札条件と比較し、入札するか否かを判断する。各DSPサーバ203は、入札すると判断した場合、SSPサーバ204に入札レスポンスを送信する。入札レスポンスには、例えば、入札価格が含まれる。
SSPサーバ204は、各DSPサーバ203から送信される入札レスポンスの入札価格を比較して、勝利DSPを確定する。そして、SSPサーバ204は、勝利DSPに対して、勝利通知と成約価格を送信する。このとき、広告依頼側装置201から受け付けていた掲載広告主の情報が、勝利DSP経由で不図示のアドサーバに通知され、アドサーバから閲覧者のユーザ端末202に送信される。
このあと、閲覧者のユーザ端末202(ウェブページ内に埋め込まれたタグ)が、掲載広告主の情報を受け取ると、広告リクエストをDSPサーバ203(勝利DSP)に送信する。DSPサーバ203は、ユーザ端末202から広告リクエストを受信すると、ウェブページの所定の領域に埋め込む広告情報を、ユーザ端末202に対して配信する。所定の領域は、例えば、入札リクエストに含まれる広告枠IDから特定されるウェブページ内の領域である。この結果、閲覧者のユーザ端末202のウェブページ内の広告枠に広告情報が表示される。
なお、図2の例では、広告依頼側装置201を1台のみ表記したが、情報配信システム200には、複数の広告依頼側装置201が含まれていてもよい。また、情報処理装置100は、例えば、広告依頼側装置201、DSPサーバ203およびSSPサーバ204のいずれかのコンピュータにより実現されてもよい。なお、上記説明は、情報処理装置100により特定されたユーザ端末202に対して、DSPサーバ203、SSPサーバ204が連携して処理を行うことで広告配信の処理を実行する一例である。上記の例に限らず、情報配信システム200は、情報処理装置100により特定されたユーザ端末202に対して、ウェブページ内の広告枠に表示させる広告情報を送信する構成を有していればよい。
(情報処理装置100のハードウェア構成例)
つぎに、図2に示した情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
図3は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、情報処理装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した広告依頼側装置201、ユーザ端末202、DSPサーバ203、SSPサーバ204)に接続される。I/F303は、ネットワーク210と装置内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、情報処理装置100は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、図2に示したDSPサーバ203およびSSPサーバ204についても、情報処理装置100と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(広告依頼側装置201のハードウェア構成例)
つぎに、図2に示した広告依頼側装置201のハードウェア構成例について説明する。
図4は、広告依頼側装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、広告依頼側装置201は、CPU401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、I/F405と、ディスプレイ406と、入力装置407とを有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、広告依頼側装置201の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ディスクドライブ403は、CPU401の制御に従ってディスク404に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク404としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
I/F405は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置(例えば、図2に示したDSPサーバ203)に接続される。そして、I/F405は、ネットワーク210と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
ディスプレイ406は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ406として、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)などを採用することができる。
入力装置407は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置407は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
なお、広告依頼側装置201は、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ403およびディスク404を有していなくてもよい。また、図2に示したユーザ端末202についても、広告依頼側装置201と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(購入履歴DB220の記憶内容)
つぎに、情報処理装置100が有する購入履歴DB220の記憶内容について説明する。購入履歴DB220は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305等の記憶装置により実現される。なお、図1に示した購入履歴情報110は、例えば、購入履歴DB220内の購入履歴情報に対応する。
図5は、購入履歴DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、購入履歴DB220は、会員ユーザID、購入日時、商品カテゴリ、ブランド名、商品名、数量、単価および金額のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、購入履歴情報(例えば、購入履歴情報500−1〜500−3)をレコードとして記憶する。
ここで、会員ユーザIDは、会員ユーザを一意に識別する識別子である。購入日時は、会員ユーザが商品を購入した日時である。商品カテゴリは、会員ユーザが購入した商品を分類する区分である。ブランド名は、会員ユーザが購入した商品のブランド名(メーカー名)である。
商品名は、会員ユーザが購入した商品の名称である。数量は、会員ユーザが購入した商品の数量である(単位:個)。単価は、会員ユーザが購入した商品の単価である(単位:円)。金額は、会員ユーザが購入した商品を購入した際に支払った金額である(単位:円)。なお、会員ユーザが購入した商品は、実際に店舗に訪れて購入したものであってもよく、また、インターネット上で購入したものであってもよい。
例えば、購入履歴情報500−1は、会員ユーザU1が商品を購入した購入日時「2016年3月1日11時20分」を示す。また、購入履歴情報500−1は、会員ユーザU1が購入した商品の商品カテゴリ「高級調理器具」、ブランド名「xxx」、商品名「無水鍋」、数量「1個」、単価「28,000円」および金額「28,000円」を示す。
(閲覧履歴DB230の記憶内容)
つぎに、情報処理装置100が有する閲覧履歴DB230の記憶内容について説明する。閲覧履歴DB230は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305等の記憶装置により実現される。なお、図1に示した閲覧履歴情報120は、例えば、閲覧履歴DB230内の閲覧履歴情報に対応する。
図6は、閲覧履歴DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、閲覧履歴DB230は、会員ユーザID、閲覧日時およびURLのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、閲覧履歴情報(例えば、閲覧履歴情報600−1〜600−3)をレコードとして記憶する。
ここで、会員ユーザIDは、会員ユーザを一意に識別する識別子である。閲覧日時は、会員ユーザがウェブページを閲覧した日時、例えば、会員ユーザがウェブページにアクセスした日時である。URLは、会員ユーザが閲覧したウェブページのURLである。
例えば、閲覧履歴情報600−1は、会員ユーザU1がURL「http://www.xry.co.jp/fruitbrandy/」のウェブページを閲覧した閲覧日時「2016年2月27日19時12分」を示す。
なお、閲覧履歴DB230内の閲覧履歴情報は、例えば、情報処理装置100において会員ユーザの閲覧履歴を管理して生成することにしてもよく、また、情報処理装置100がSSPサーバ204から取得することにしてもよい。
(情報処理装置100の機能的構成例)
つぎに、情報処理装置100の機能的構成例について説明する。
図7は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。図7において、情報処理装置100は、取得部701と、分類部702と、特定部703と、検出部704と、出力部705と、を含む構成である。取得部701〜出力部705は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
取得部701は、会員ユーザの商品の購入履歴を示す購入履歴情報を取得する。購入履歴情報は、会員ユーザが購入した商品の情報を示すものであり、例えば、図5に示した購入履歴情報500−1〜500−3である。
具体的には、例えば、取得部701は、商品を販売する各店舗のPOS(Point−Of−Sale terminal)端末あるいは広告依頼側装置201から、各店舗で販売された商品の購入履歴情報を取得することにしてもよい。また、例えば、取得部701は、不図示の入力装置を用いたユーザ(例えば、広告主)の操作入力により、複数の会員ユーザの購入履歴情報を取得することにしてもよい。取得された購入履歴情報は、例えば、図5に示した購入履歴DB220に記憶される。
また、取得部701は、会員ユーザのウェブページの閲覧履歴を示す閲覧履歴情報を取得する。閲覧履歴情報は、会員ユーザが閲覧したウェブページの情報を示すものであり、例えば、図6に示した閲覧履歴情報600−1〜600−3である。
具体的には、例えば、取得部701は、会員ユーザのユーザ端末202に保存されたクッキー情報を収集する。そして、取得部701は、収集した会員ユーザのユーザ端末202のクッキー情報を用いて、SSPサーバ204に問い合わせることにより、当該クッキー情報に対応する会員ユーザの閲覧履歴情報を取得する。なお、会員ユーザのユーザ端末202に保存されたクッキー情報は、例えば、情報処理装置100からユーザ端末202に問い合わせることにより収集されてもよい。
また、例えば、取得部701は、不図示の入力装置を用いたユーザ(例えば、広告主)の操作入力により、複数の会員ユーザの閲覧履歴情報を取得することにしてもよい。また、例えば、情報処理装置100が検索サイトを提供するコンピュータの場合には、取得部701は、当該検索サイトを利用して会員ユーザが閲覧したウェブページの閲覧履歴を示す閲覧履歴情報を取得することにしてもよい。取得された閲覧履歴情報は、例えば、図6に示した閲覧履歴DB230に記憶される。
分類部702は、取得された会員ユーザの商品の購入履歴を示す購入履歴情報に基づいて、複数の会員ユーザを商品の購入傾向に応じたクラスタCに分類する。具体的には、例えば、まず、分類部702は、購入履歴DB220を参照して、各会員ユーザの商品カテゴリ別の購入量(数量)を要素とする特徴ベクトルを作成する。
例えば、商品カテゴリとして、商品カテゴリ1、商品カテゴリ2および商品カテゴリ3を想定する。また、会員ユーザU1の商品カテゴリ1,2,3別の購入量が1個、0個、3個であるとする。この場合、会員ユーザU1の特徴ベクトルは(1,0,3)となる。
そして、分類部702は、作成した各会員ユーザの特徴ベクトルを用いて、分割最適化型クラスタリング手法により、複数の会員ユーザを商品の購入傾向に応じたクラスタCに分類することにしてもよい。分割最適化型クラスタリング手法とは、分割の良さを表す評価関数を定義し、その評価関数を最適化するように分割を繰り返し行う手法であり、例えば、k−means法を用いたものがある。ただし、クラスタリングの手法としては、既存の任意の手法を用いることができる。
また、分類部702は、分類したクラスタCを特徴付ける語句を設定する。具体的には、例えば、分類部702は、不図示の入力装置を用いたユーザ(例えば、広告主)の操作入力により、分類したクラスタCを特徴付ける語句を設定することにしてもよい。また、例えば、分類部702は、広告依頼側装置201からクラスタCを特徴付ける語句の入力を受け付けることにしてもよい。これにより、例えば、広告主は、分類された各クラスタCに属する会員ユーザの商品の購入履歴を分析して、各クラスタCを特徴付ける任意の語句を設定することができる。
また、例えば、分類部702は、分類したクラスタCに属する会員ユーザの商品の購入履歴を参照して、購入量の合計が多い上位いくつかの商品カテゴリのカテゴリ名を、クラスタCを特徴付ける語句に設定してもよい。これにより、クラスタCを特徴付ける語句を自動設定することができる。
分類された分類結果は、例えば、図8に示すようなクラスタ情報800として出力される。ここで、クラスタ情報800の具体例について説明する。
図8は、クラスタ情報800の具体例を示す説明図である。図8において、クラスタ情報800は、クラスタIDとクラスタ特徴語と会員ユーザIDとを対応付けて示す情報である。クラスタIDは、複数の会員ユーザを商品の購入傾向に応じて分類したクラスタCを識別する識別子である。クラスタ特徴語は、クラスタCを特徴付ける語句である。会員ユーザIDは、クラスタCに属する会員ユーザを識別する識別子である。
クラスタ情報800によれば、複数の会員ユーザを分類して得られた各クラスタCに属する会員ユーザ、および各クラスタを特徴付けるクラスタ特徴語を特定することができる。例えば、クラスタC1に属する会員ユーザが「会員ユーザU1,U3,U7,U13,U22,…」であり、クラスタC1を特徴付けるクラスタ特徴語が「高級調理器具」であることを特定することができる。
なお、分類部702は、例えば、不図示の入力装置を用いたユーザの操作入力により、または、広告依頼側装置201からクラスタ情報の入力を受け付けることにしてもよい。
図7の説明に戻り、特定部703は、分類したクラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧履歴情報に基づいて、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定する。ここで、ウェブページの閲覧傾向を特定する対象クラスタCは、任意に選択可能である。
例えば、特定部703は、例えば、不図示の入力装置を用いたユーザの操作入力により、または、広告依頼側装置201から対象クラスタCの選択を受け付けることにしてもよい。これにより、例えば、広告主は、各クラスタCを特徴付けるクラスタ特徴語などをもとに、対象クラスタCを任意に選択することができる。また、特定部703は、分類された全てのクラスタCを対象クラスタCとして選択することにしてもよい。
具体的には、例えば、まず、特定部703は、閲覧履歴DB230から、クラスタCに属する各会員ユーザの閲覧履歴情報を取得する。つぎに、特定部703は、取得した閲覧履歴情報を参照して、クラスタCに属する各会員ユーザが閲覧したウェブページのURLからキーワード(例えば、ディレクトリ名やファイル名)を抽出する。
また、特定部703は、クラスタCに属する各会員ユーザが閲覧したウェブページにアクセスして、当該ウェブページのメタデータからキーワードを抽出することにしてもよい。より詳細に説明すると、例えば、特定部703は、SEO(Search Engine Optimization)用にメタタグとして埋め込まれているキーワードを抽出することにしてもよい。
なお、キーワードの中には、表記揺れや、英語表記と日本語表記の違いなど、キーワード同士が完全に一致しなくても、同じ意味を表すものがある。このため、例えば、特定部703は、キーワード同士が完全に一致しなくても、同じ意味を表すキーワードは、一つのキーワードとして扱うことにしてもよい。
抽出されたキーワードは、例えば、後述の図9に示すようなキーワードリスト900に記憶される。
つぎに、特定部703は、取得した閲覧履歴情報を参照して、抽出したキーワードごとに、当該キーワードを含むURLのウェブページの閲覧履歴がある会員ユーザの数(以下、「出現ユーザ数」という)を算出する。また、特定部703は、算出した各キーワードの出現ユーザ数を、クラスタCに属する会員ユーザの総数で割ることにより、各キーワードの出現頻度を算出する。
算出されたキーワードの出現ユーザ数および出現頻度は、例えば、図9に示すようなキーワードリスト900に記憶される。ここで、キーワードリスト900の具体例について説明する。
図9は、キーワードリスト900の具体例を示す説明図である。図9において、キーワードリスト900は、あるクラスタCに属する各会員ユーザが閲覧したウェブページのURLおよび/またはメタデータから抽出されたキーワードごとの出現ユーザ数および出現頻度を示す情報である。
そして、特定部703は、例えば、キーワードリスト900を参照して、出現頻度が高い上位N個のキーワードを、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向として特定することにしてもよい。Nは、任意に設定可能であり、例えば、3〜5程度の値に設定される。
図9の例では、Nを「N=3」とすると、特定部703は、出現頻度が高い上位3個のキーワード「フルーツブランデー、キルティング、ゴルフスクール」を、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向として特定する。
また、特定部703は、クラスタCに属する各会員ユーザのウェブページの閲覧履歴情報のうち、当該各会員ユーザの購入履歴情報に含まれる最新の購入日時よりも閲覧日時が前のウェブページの閲覧履歴情報を取得することにしてもよい。この際、特定部703は、最新の購入日時よりも前の直近数週間程度の期間に閲覧日時が含まれるウェブページの閲覧履歴情報を取得することにしてもよい。
そして、特定部703は、取得した閲覧履歴情報に基づいて、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定することにしてもよい。最新の購入日時は、例えば、クラスタCに応じて設定される対象商品を購入した最新の購入日時である。対象商品は、例えば、クラスタCのクラスタ特徴語に応じて設定される広告対象となる商品である。
一例として、図8に示したクラスタ特徴語「高級調理器具」のクラスタC1を例に挙げると、対象商品として、高級調理器具のいずれかの商品が設定される。なお、特定部703は、例えば、不図示の入力装置を用いたユーザ(例えば、広告主)の操作入力により、または、広告依頼側装置201から対象商品の設定を受け付けることにしてもよい。
これにより、各会員ユーザが対象商品を購入した最新の購入日時よりも前に閲覧していたウェブページの閲覧履歴情報をもとに、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定することができる。すなわち、会員ユーザが広告対象の商品を購入する前に閲覧していたウェブページに応じた閲覧傾向を特定することができる。
また、特定部703は、クラスタCに属する会員ユーザのうち、クラスタCに対する適合度が相対的に高い会員ユーザの閲覧履歴情報に基づいて、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定することにしてもよい。ここで、クラスタCに対する適合度とは、会員ユーザがクラスタCの特徴にどれだけ即しているかを表す指標値である。
具体的には、例えば、特定部703は、クラスタCに属する各会員ユーザの商品カテゴリ別の購入量(数量)を要素とする特徴ベクトルの平均ベクトルを算出し、算出した平均ベクトルをクラスタCの重心とする。つぎに、特定部703は、各会員ユーザの特徴ベクトルとクラスタCの重心との距離を算出し、算出した距離を、クラスタCに対する各会員ユーザの適合度とする。
そして、特定部703は、算出した適合度が高い上位α人の会員ユーザ、あるいは、算出した適合度が閾値β以上の会員ユーザの閲覧履歴情報に基づいて、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定することにしてもよい。αおよびβは、任意に設定可能である。
これにより、クラスタCの特徴により即した会員ユーザのウェブページの閲覧履歴情報をもとに、クラスタCのウェブページの閲覧傾向を特定することができる。
検出部704は、特定された閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末を検出する。具体的には、例えば、検出部704は、閲覧傾向として特定されたキーワードを含むURLのウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末202を、SSPサーバ204に問い合わせることにしてもよい。この場合、SSPサーバ204は、当該キーワードを含むURLのウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末202のクッキー情報を特定し、特定したユーザ端末202のクッキー情報を情報処理装置100に送信する。
また、例えば、検出部704は、閲覧傾向として特定されたキーワードを含むウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末202を、SSPサーバ204に問い合わせることにしてもよい。この場合、SSPサーバ204は、例えば、当該キーワードがメタタグとして埋め込まれたウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末202のクッキー情報を特定し、特定したユーザ端末202のクッキー情報を情報処理装置100に送信してもよい。
これにより、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末202の識別情報を検出することができる。
出力部705は、検出されたユーザ端末202の識別情報を出力する。出力部705の出力形式としては、例えば、I/F303による外部のコンピュータへの送信、不図示のディスプレイへの表示、メモリ302やディスク305などの記憶装置への記憶がある。
具体的には、例えば、出力部705は、検出されたユーザ端末202のクッキー情報を示す配信先情報を、広告依頼側装置201に送信することにしてもよい。配信先情報には、例えば、クラスタCを特徴付けるクラスタ特徴語が含まれる。送信先となる広告依頼側装置201は、例えば、対象商品の広告主が使用する広告依頼側装置201である。なお、配信先情報の具体例については、図11を用いて後述する。
これにより、広告主は、商品の購入傾向に応じて分類されたクラスタCに属する会員ユーザとウェブページの閲覧傾向が類似する、すなわち、会員ユーザと趣味嗜好が類似する他のユーザのユーザ端末202を特定することができる。
また、出力部705は、検出されたユーザ端末202のうち、特定された閲覧傾向に対する適合度が相対的に高いユーザ端末202の識別情報を出力することにしてもよい。ここで、閲覧傾向に対する適合度とは、検出されたユーザ端末202のユーザが、クラスタCに属する会員ユーザウェブページの閲覧傾向にどれだけ即しているかを表す指標値である。
具体的には、例えば、まず、出力部705は、検出されたユーザ端末202におけるウェブページの閲覧履歴を示す情報をSSPサーバ204から取得する。この際、出力部705は、検出されたユーザ端末202において所定期間内に閲覧されたウェブページの閲覧履歴を示す情報をSSPサーバ204から取得することにしてもよい。所定期間は、任意に設定可能であり、例えば、直近数週間から数ヶ月程度の期間に設定される。
つぎに、出力部705は、取得した閲覧履歴を示す情報に基づいて、検出されたユーザ端末202ごとに、閲覧傾向として特定されたキーワードをURLに含むウェブページの閲覧履歴の数を算出し、算出した閲覧履歴の数を、当該閲覧傾向に対する適合度とする。この際、出力部705は、閲覧傾向として特定されたキーワードがメタタグとして埋め込まれたウェブページの閲覧履歴の数を算出して、当該閲覧傾向に対する適合度としてもよい。
算出されたユーザ端末202ごとの閲覧傾向に対する適合度は、例えば、図10に示すような適合度リスト1000に記憶される。ここで、適合度リスト1000の具体例について説明する。
図10は、適合度リスト1000の具体例を示す説明図である。図10において、適合度リスト1000は、あるクラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末202のクッキー情報と、当該閲覧傾向に対する適合度とを対応付けて示す情報である。
例えば、クッキー情報「cookie1」の適合度「10」は、クッキー情報「cookie1」から識別されるユーザ端末202について、閲覧傾向として特定されたキーワードをURLに含むウェブページの閲覧履歴の数が「10」であることに対応する。
そして、出力部705は、例えば、適合度リスト1000を参照して、閲覧傾向に対する適合度が高い上位M個のクッキー情報を出力する。Mは、任意に設定可能であり、例えば、広告予算に応じて決まる配信上限数をもとに設定される。
具体的には、例えば、出力部705は、クラスタCを特徴付けるクラスタ特徴語と、閲覧傾向に対する適合度が高い上位M個のクッキー情報とを対応付けて表す配信先情報を、広告依頼側装置201に送信することにしてもよい。配信先情報には、閲覧傾向に対する適合度が含まれていてもよい。ここで、配信先情報の具体例について説明する。ここでは、上記Mとして「M=3」が設定されている場合を想定する。
図11は、配信先情報の具体例を示す説明図である。図11において、配信先情報1100は、クラスタCを特徴付けるクラスタ特徴語と、クラスタCの閲覧傾向に対する適合度が高い上位M個のクッキー情報と、クラスタCの閲覧傾向に対する適合度とを対応付けて表す情報である。なお、クラスタCの閲覧傾向とは、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向である。
配信先情報1100によれば、例えば、「高級調理器具」の購入履歴がある会員ユーザとウェブページの閲覧傾向が類似する、すなわち、会員ユーザと趣味嗜好が類似する他のユーザのユーザ端末202を特定することができる。また、クラスタCの閲覧傾向に対する適合度をそれぞれ確認することができるため、例えば、どのターゲットに広告配信すれば、より広告効果を上げられるかといった判断を支援することができる。
また、出力部705は、検出されたユーザ端末202への広告の配信依頼を送信することにしてもよい。具体的には、例えば、出力部705は、検出されたユーザ端末202のクッキー情報を入札条件に含む広告の配信依頼を、DSPサーバ203に送信することにしてもよい。なお、広告の配信依頼には、例えば、対象商品の広告情報が含まれる。
これにより、クラスタCに属する会員ユーザと趣味嗜好が類似するユーザに対する広告の配信依頼を自動で行うことができる。
また、出力部705は、例えば、配信先情報1100を参照して、クラスタCの閲覧傾向に対する適合度が高い上位M個のクッキー情報を入札条件に含む広告の配信依頼を、DSPサーバ203に送信することにしてもよい。これにより、より高い広告効果が得られるターゲットを絞り込んで広告配信を行うことが可能となる。
また、出力部705は、特定部703によって特定されたクラスタCの閲覧傾向を示す情報を出力することにしてもよい。具体的には、例えば、出力部705は、クラスタCの閲覧傾向を示す情報を含む配信先情報を、広告依頼側装置201に送信することにしてもよい。これにより、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定可能な情報を提供することができる。
(情報処理装置100の情報処理手順)
つぎに、情報処理装置100の情報処理手順について説明する。
図12は、情報処理装置100の情報処理手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置100は、購入履歴DB220を参照して、複数の会員ユーザを商品の購入傾向に応じたクラスタCに分類する(ステップS1201)。
つぎに、情報処理装置100は、分類したクラスタCのうちの対象クラスタCを選択する(ステップS1202)。対象クラスタCは、ウェブページの閲覧傾向を特定するクラスタCであり、例えば、広告依頼側装置201のユーザ(例えば、広告主)により指定される。
そして、情報処理装置100は、選択した対象クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定する閲覧傾向特定処理を実行する(ステップS1203)。なお、閲覧傾向特定処理の具体的な処理手順については、図13を用いて後述する。
つぎに、情報処理装置100は、特定した対象クラスタCの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴があるユーザ端末202を検出する(ステップS1204)。そして、情報処理装置100は、検出した各ユーザ端末202について、対象クラスタCの閲覧傾向に対する適合度を算出する(ステップS1205)。
つぎに、情報処理装置100は、算出した対象クラスタCの閲覧傾向に対する適合度が高い上位M個のユーザ端末202のクッキー情報を含む配信先情報を生成する(ステップS1206)。そして、情報処理装置100は、生成した配信先情報を広告依頼側装置201に送信して(ステップS1207)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、商品の購入傾向に応じて分類されたクラスタCの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末202を特定可能な配信先情報を出力することができる。別側面から見れば、情報の配信先とすべきユーザ端末202を特定することができるので、ユーザ端末202を特定せずに一律に情報を配信するよりも、通信網に送出されるデータ量を削減することにつながる。
なお、ステップS1201において、情報処理装置100は、複数の会員ユーザを商品の購入傾向に応じて分類した分類結果を示すクラスタ情報(例えば、クラスタ情報800)を取得することにしてもよい。
<閲覧傾向特定処理の具体的処理手順>
つぎに、図12に示したステップS1203の閲覧傾向特定処理の具体的な処理手順について説明する。
図13は、閲覧傾向特定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置100は、閲覧履歴DB230から、対象クラスタCに属する各会員ユーザの閲覧履歴情報を取得する(ステップS1301)。
つぎに、情報処理装置100は、取得した閲覧履歴情報を参照して、対象クラスタCに属する各会員ユーザが閲覧したウェブページのURLからキーワードを抽出し(ステップS1302)、該キーワードごとの出現ユーザ数を算出する(ステップS1303)。出現ユーザ数は、キーワードを含むURLのウェブページの閲覧履歴がある会員ユーザの数である。
つぎに、情報処理装置100は、算出したキーワードごとの出現ユーザ数を、対象クラスタCに属する会員ユーザの総数で割ることにより、キーワードごとの出現頻度を算出する(ステップS1304)。そして、情報処理装置100は、算出した出現頻度が高い上位N個のキーワードを、対象クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向として特定して(ステップS1305)、閲覧傾向特定処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、クラスタCに属する会員ユーザが閲覧したウェブページのURLに頻繁に出現するキーワード(例えば、ディレクトリ名やファイル名)を、クラスタCの閲覧傾向として特定することができる。
なお、ステップS1301において、情報処理装置100は、対象クラスタCに属する各会員ユーザのユーザ端末202のクッキー情報を用いて、SSPサーバ204に問い合わせることにより、各会員ユーザの閲覧履歴情報を取得することにしてもよい。また、ステップS1302において、情報処理装置100は、対象クラスタCに属する各会員ユーザが閲覧したウェブページにメタタグとして埋め込まれているキーワードを抽出することにしてもよい。
(DSPサーバ203の配信依頼側支援処理手順)
つぎに、DSPサーバ203の配信依頼側支援処理手順について説明する。
図14は、DSPサーバ203の配信依頼側支援処理手順の一例を示すフローチャートである。図14のフローチャートにおいて、まず、DSPサーバ203は、広告依頼側装置201または情報処理装置100から、広告の配信依頼を受信したか否かを判断する(ステップS1401)。広告の配信依頼には、例えば、配信先のユーザ端末202のクッキー情報を含む入札条件や対象商品の広告情報が含まれる。
ここで、DSPサーバ203は、広告の配信依頼を受信するのを待つ(ステップS1401:No)。そして、DSPサーバ203は、広告の配信依頼を受信した場合(ステップS1401:Yes)、受信した広告の配信依頼に含まれる広告の入札条件を設定する(ステップS1402)。
つぎに、DSPサーバ203は、SSPサーバ204から入札リクエストを受信したか否かを判断する(ステップS1403)。入札リクエストには、例えば、ウェブページを表示するユーザ端末202のクッキー情報や広告枠IDなどが含まれる。ここで、DSPサーバ203は、入札リクエストを受信するのを待つ(ステップS1403:No)。
そして、DSPサーバ203は、入札リクエストを受信した場合(ステップS1403:Yes)、受信した入札リクエストが、設定した広告の入札条件を満たすか否かを判断する(ステップS1404)。具体的には、例えば、DSPサーバ203は、入札リクエストに含まれるユーザ端末202のクッキー情報が、入札条件に含まれるユーザ端末202のクッキー情報と一致しない場合は、入札リクエストが入札条件を満たさないと判断する。
ここで、広告の入札条件を満たさない場合(ステップS1404:No)、DSPサーバ203は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、広告の入札条件を満たす場合(ステップS1404:Yes)、DSPサーバ203は、SSPサーバ204に入札レスポンスを送信する(ステップS1405)。入札レスポンスには、例えば、入札価格が含まれる。そして、DSPサーバ203は、SSPサーバ204から結果通知を受信したか否かを判断する(ステップS1406)。
ここで、DSPサーバ203は、結果通知を受信するのを待って(ステップS1406:No)、結果通知を受信した場合(ステップS1406:Yes)、受信した結果通知が勝利通知であるか否かを判断する(ステップS1407)。ここで、勝利通知ではない場合(ステップS1407:No)、DSPサーバ203は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、勝利通知である場合(ステップS1407:Yes)、DSPサーバ203は、ユーザ端末202から広告リクエストを受信したか否かを判断する(ステップS1408)。ここで、DSPサーバ203は、ユーザ端末202から広告リクエストを受信するのを待つ(ステップS1408:No)。
そして、DSPサーバ203は、広告リクエストを受信した場合(ステップS1408:Yes)、ウェブページの所定の領域に埋め込む広告情報を、ユーザ端末202に対して配信して(ステップS1409)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。なお、所定の領域は、例えば、入札リクエストに含まれる広告IDから識別されるウェブページ内の領域である。
これにより、例えば、ある商品を購入した会員ユーザと趣味嗜好が類似するユーザに限定して、同じ商品についての広告配信を行うことができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる情報処理装置100によれば、購入履歴DB220を参照して、複数の会員ユーザを商品の購入傾向に応じたクラスタCに分類することができる。また、情報処理装置100によれば、分類したクラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧履歴情報に基づいて、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定することができる。そして、情報処理装置100によれば、特定したクラスタCの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末202の識別情報を出力することができる。
これにより、商品の購入傾向に応じて分類されたクラスタCに属する会員ユーザとウェブページの閲覧傾向が類似する、すなわち、会員ユーザと趣味嗜好が類似する他のユーザのユーザ端末202を特定することができる。この結果、クラスタCに属する会員ユーザと趣味嗜好が類似するユーザに対して広告配信を行うことができる。換言すれば、会員ユーザと趣味嗜好が類似する他のユーザに対して、会員ユーザが購入した商品やサービスの広告配信を行うことが可能となり、広告効果の向上を図ることができる。別側面から見れば、情報の配信先とすべきユーザ端末202を特定することができるので、ユーザ端末202を特定せずに一律に情報を配信するよりも、通信網に送出されるデータ量を削減することにつながる。
また、情報処理装置100によれば、特定したクラスタCの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末202への広告の配信依頼を、DSPサーバ203に送信することができる。これにより、クラスタCに属する会員ユーザと趣味嗜好が類似するユーザに対する広告の配信依頼を自動で行うことができる。
また、情報処理装置100によれば、クラスタCに属する各会員ユーザのウェブページの閲覧履歴情報のうち、当該各会員ユーザの購入履歴情報に含まれる最新の購入日時よりも閲覧日時が前のウェブページの閲覧履歴情報を取得することができる。最新の購入日時は、例えば、クラスタCに応じて設定される対象商品を購入した最新の購入日時である。具体的には、例えば、情報処理装置100は、対象商品を購入した最新の購入日時よりも前の所定期間(例えば、直近数週間程度の期間)に閲覧日時が含まれるウェブページの閲覧履歴情報を取得することにしてもよい。そして、情報処理装置100によれば、取得した閲覧履歴情報に基づいて、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向を特定することができる。
これにより、各会員ユーザが対象商品を購入した最新の購入日時よりも前の直近数週間程度の期間に閲覧していたウェブページの閲覧履歴情報をもとに、クラスタCの閲覧傾向を特定することができる。この結果、例えば、対象商品を購入する直前の会員ユーザと同じような心理状態にある他のユーザを特定して対象商品の広告配信を行うことが可能となり、広告効果の最大化を図ることができる。
また、情報処理装置100によれば、クラスタCに属する会員ユーザのうち、クラスタCに対する適合度が相対的に高い会員ユーザの閲覧履歴情報に基づいて、クラスタCの閲覧傾向を特定することができる。これにより、クラスタCの特徴により即したウェブページの閲覧傾向を特定することができ、ひいては、広告配信のターゲットを適切に絞り込むことができる。
また、情報処理装置100によれば、クラスタCに属する会員ユーザの閲覧履歴情報に含まれるURLから抽出されるキーワードに基づいて、クラスタCの閲覧傾向を特定することができる。これにより、クラスタCに属する会員ユーザが閲覧したウェブページのURLに頻繁に出現するキーワード(例えば、ディレクトリ名やファイル名)を、クラスタCの閲覧傾向として特定することができる。
また、情報処理装置100によれば、クラスタCに属する会員ユーザの閲覧履歴情報に含まれるURLが示すウェブページのメタデータから得られるキーワードに基づいて、クラスタCの閲覧傾向を特定することができる。これにより、クラスタCに属する会員ユーザが閲覧したウェブページのメタデータ(メタタグ)に頻繁に出現するキーワードを、クラスタCの閲覧傾向として特定することができる。
また、情報処理装置100によれば、クラスタCの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末202のうち、クラスタCの閲覧傾向に対する適合度が相対的に高いユーザ端末202の識別情報を出力することができる。これにより、クラスタCに属する会員ユーザのウェブページの閲覧傾向により即した、換言すれば、クラスタCの特徴により即した他のユーザのユーザ端末202を特定することができる。
また、情報処理装置100によれば、クラスタCの閲覧傾向に対応するウェブページの閲覧履歴が検出されたユーザ端末202の識別情報と対応付けて、クラスタCの閲覧傾向に対するユーザ端末202の適合度を示す情報を出力することができる。これにより、クラスタCの特徴により即した他のユーザのユーザ端末202を特定することができ、対象商品の広告の配信先を選別しやすくさせることができる。
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。