JPWO2017154945A1 - 光学検査装置、レンズ、および光学検査方法 - Google Patents

光学検査装置、レンズ、および光学検査方法 Download PDF

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Abstract

光学検査装置(100)は、LED(101)と、チャート(102)と、コリメータ(103)と、ミラー(111)とを備える。LED(101)は、チャート(102)に光を照射することによって、光をコリメータ(103)に対して軸上光線として照射する。これにより、チャート(102)の模様は、コリメータ(103)および被検光学系(120)を介して、画像センサ(130)の中心部に投影される。ミラー(111)は、その軸上光線のうち、コリメータ(103)を介してミラー(111)に照射される光を、反射する。これにより、ミラー(111)は、被検光学系(120)を介して画像センサ(130)の周辺部にチャート(102)の模様を投影する。

Description

本開示は、少なくとも1つのレンズを含む光学系の光学性能を検査する光学検査装置、その光学検査装置による検査を行って製造されたレンズ、および光学検査方法に関する。
従来、被検レンズの光学性能を検査する光学検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、光学検査装置である測定装置は、被検レンズの光軸上に配設されるチャートをミラーで反射し、この反射されたチャートを被検レンズで撮影することによって測定する。そして、測定装置は、その測定結果に基づいて、被検レンズの変調伝達関数(MTF)などを光学性能として演算する。
特開2004−184118号公報
しかしながら、上記特許文献1の光学検査装置では、そのチャートを被検レンズで撮影するときの撮影距離が制限されるという問題がある。
そこで、本開示は、撮影距離の制限を抑えることができる光学検査装置を提供する。
本開示の一態様に係る光学検査装置は、少なくとも1つのレンズを含む被検光学系を検査する光学検査装置である。光学検査装置は、発光体と、チャートと、コリメートレンズと、ミラーとを備える。チャートには、発光体によって投影される模様が描かれている。コリメートレンズは、チャートと被検光学系との間に配設されている。ミラーは、コリメートレンズと被検光学系との間に配設されている。発光体は、チャートに光を照射することによって、光をコリメートレンズに対して軸上光線として照射する。チャートの模様は、コリメートレンズおよび被検光学系を介して、画像センサの中心部に投影される。ミラーは、軸上光線のうち、コリメートレンズを介してミラーに照射される光を、反射する。これにより、被検光学系を介して画像センサの周辺部に投影する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の光学検査装置は、撮影距離の制限を抑えることができる。
図1は、実施の形態における光学検査装置の全体構成を示す図である。 図2Aは、実施の形態における反射部の上面図である。 図2Bは、実施の形態における反射部の断面斜視図である。 図3は、実施の形態におけるミラーの傾斜角を示す図である。 図4は、実施の形態におけるチャートを示す図である。 図5は、実施の形態における撮影画像を示す図である。 図6は、実施の形態における撮影画像のうちの部分画像を示す図である。 図7は、実施の形態における制御装置によるMTFの解析を説明するための図である。 図8は、実施の形態におけるフォーカス位置とMTFの値との間の関係を示す図である。 図9Aは、実施の形態における光学検査装置による検査方法を示すフローチャートである。 図9Bは、図9AのステップS130におけるMTFの値の算出処理を詳細に示すフローチャートである。 図10は、実施の形態の変形例に係る光学検査装置の全体構成を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した上記特許文献1に関し、以下の問題が生じることを見出した。
特許文献1の光学検査装置(測定装置)では、被検レンズの光軸上にあるチャートそのものを被検レンズでCCDセンサに投影する。さらに、この光学検査装置では、そのチャートをミラーで反射して、反射されたチャートを被検レンズでCCDセンサに投影する。このような光学検査装置では、ミラーによる反射を用いるため、被検レンズの光軸外のMTF(Modulation Transfer Function)あるいはPTF(Phase Transfer Function)を検査することができる。つまり、広角の被検レンズを小さい装置で検査することができる。しかしながら、被検レンズの検査に必要とされる光の入射角に応じた撮影距離を設定しなければならない。つまり、撮影距離が制限されるという問題がある。
本開示の一態様に係る光学検査装置は、少なくとも1つのレンズを含む被検光学系を検査する光学検査装置である。本開示の一態様に係る光学検査装置は、発光体と、チャートと、コリメートレンズと、ミラーとを備える。チャートは、発光体によって投影される模様が描かれている。コリメートレンズは、チャートと被検光学系との間に配設されている。ミラーは、コリメートレンズと被検光学系との間に配設されている。発光体は、チャートに光を照射することによって、光をコリメートレンズに対して軸上光線として照射する。これにより、チャートの模様は、コリメートレンズおよび被検光学系を介して、画像センサの中心部に投影される。ミラーは、軸上光線のうち、コリメートレンズを介してミラーに照射される光を、反射する。これにより、ミラーは、被検光学系を介して画像センサの周辺部にチャートの模様を投影する。
ミラーによって反射された光は、被検光学系の光軸に対して傾斜した方向からその被検光学系に入射する。これにより、チャートの模様が虚像として画像センサの周辺部に投影される。ミラーによって反射されない光は、被検光学系の光軸に沿ってその被検光学系に入射するこれにより、チャートの模様が画像センサの中心部に投影される。すなわち、画像センサの周辺部と中心部に同時にチャートの模様を投影できる。したがって、大きいチャートに広く描かれた模様を、広角の被検光学系を介して画像センサに一度に投影することと同様のことを、大きいチャートを用いることなく小さいチャートを用いて行うことができる。これにより、広角の被検光学系を検査する場合でも、光学検査装置を小型化することができる。さらに、大きいチャートを用いる場合には、被検光学系の種類ごとに、そのチャートに描かれる模様の範囲を変更して、被検光学系に対する光の入射角を調整する必要がある。つまり、被検光学系の種類ごとに、チャートを入れ替える必要がある。しかし、本開示の一態様に係る光学検査装置では、ミラーの角度によってその入射角を調整することができるため、各種類の被検光学系に対してチャートを統一化することができる。その結果、チャートの入れ替えの手間を省くことができる。
さらに、本開示の一態様に係る光学検査装置では、コリメートレンズから出射された光、つまり平行光がミラーに反射されて被検光学系に照射される。したがって、チャートとコリメートレンズまたはミラーとの間の距離に関わらず、ミラーによって反射される光の向きを一定に保つことができる。その結果、チャートと画像センサとの間の撮影距離の制限を受けることなく、例えば、撮影距離が無限であっても被検光学系の検査を行うことができる。つまり、撮影距離の制限を抑えることができる。
また、本開示の一態様に係る光学検査装置では、周辺光線ではなく、コリメートレンズの中心軸(つまり光軸)に沿った光である軸上光線がコリメートレンズに照射される。これにより、コリメートレンズの中心に光が照射されてその周辺には光は照射されないようにできる。これにより、コリメートレンズの歪曲の影響を受けることなく、被検光学系を検査することができる。これにより、被検光学系の検査精度を向上することができる。
例えば、光学検査装置は、複数のミラーを備え、複数のミラーは、コリメートレンズの中心軸と略同一の軸の周りに回転対称となるように配置され、被検光学系の検査に応じた角度だけ中心軸に対して傾斜してもよい。
これにより、被検光学系の光学性能として、被検光学系の光軸上とその周辺とにおける変調伝達関数(MTF)などの解像度、片ボケ、光軸ずれ、およびフランジバックを同時に検査することができる。
また、被検光学系は、被検光学系の光軸がコリメートレンズの中心軸と一致するように光学検査装置に配置され、被検光学系の検査に必要とされる光の入射角がθの場合、ミラーは、中心軸に対してθ/2だけ傾斜していてもよい。
これにより、ミラーによって反射された光は、被検光学系の検査に必要とされる光の入射角で、その被検光学系に入射するため、その入射角における被検光学系の光学性能を適切に検査することができる。
また、チャートの模様は略円形であり、チャートにおける模様の周辺は黒色であってもよい。
これにより、模様が略円形であるため、画像センサに投影される複数の像(模様とその模様の複数の虚像)のそれぞれも略円形となる。したがって、ミラーの配置に応じて、画像センサに投影される複数の像のそれぞれが傾いて見えることを抑えることができ、それらの像を同一パターンに揃えることができる。さらに、画像センサに投影される複数の像のエッジの形状は円弧となるため、そのエッジの検出において画像センサのセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。例えば、水平方向のエッジの検出であれば、複数の水平方向のエッジの検出を、垂直方向に位置をずらしながら行い、それらの検出結果の平均化を行えば、画像センサのセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。
また、チャートにおける模様の周辺が黒色であるため、例えばコリメートレンズを保持する鏡筒内部で反射する不要な光を抑えることができる。その結果、被検光学系の光学性能の検査精度を向上することができる。
また、光学検査装置は、さらに、コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、画像センサは、ステージに配置されていてもよい。
これにより、フォーカスブラケット撮影を容易に行うことができ、その撮影の結果を用いて被検光学系の光学性能の検査を迅速に行うことができる。つまり、本開示の一態様に係る光学検査装置は、コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、そのステージに画像センサが配置されている。これにより、画像センサを、光軸の方向における合焦点の前後を含む所定の範囲において、所定の間隔ごとに移動させることができる。その結果、それぞれのフォーカス位置におけるチャートの撮影を容易に行うことができる。つまり、フォーカス位置を変更しながらチャートの撮影を行う動作を簡単に行うことができる。なお、本開示では、このようなフォーカス位置を変更しながらチャートの撮像を行う動作をフォーカスブラケット撮影という。
また、光学検査装置は、さらに、コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、チャートは、ステージに配置されていてもよい。
これにより、フォーカスブラケット撮影を容易に行うことができ、その撮影の結果を用いて被検光学系の光学性能の検査を迅速に行うことができる。さらに、ステージに配置されたチャートが移動するため、被検光学系と画像センサとを固定していてもフォーカスブラケット撮影を容易に行うことができる。つまり、被検光学系が画像センサに固定された鏡筒(いわゆる完成品)であっても、その被検光学系の検査を適切に行うことができる。
また、本開示の一態様に係るレンズは、上述の光学検査装置による検査を行って製造された被検光学系であるレンズである。
このレンズは、上述の光学検査装置によって検査されているため、その光学性能を保証することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における光学検査装置の全体構成を示す図である。
本実施の形態における光学検査装置100は、被検光学系120を検査する装置であって、発光体であるLED(Light Emitting Diode)101と、チャート102と、コリメータ103と、反射部110と、画像センサ130と、ステージ141と、ステージ駆動機構142と、画像取込部151と、ステージ制御部152と、制御装置153とを備える。
被検光学系120は、少なくとも1つのレンズと、それらのレンズを保持する鏡筒とを備える。このような被検光学系120は、光学検査装置100における反射部110と画像センサ130との間に設置される。
LED101は、チャート102に対して光を照射する。
チャート102は、例えばシート状に形成され、LED101により投影される模様が描かれている。つまり、チャート102における模様は、光の透過率が高く、チャート102における模様以外の部分は、光の透過率が低い。なお、この模様の詳細については、後述する。
コリメータ103は、少なくとも1つのコリメートレンズと、そのコリメートレンズを保持する鏡筒とを備える。このようなコリメータ103は、チャート102側から入射する光を平行光に変換し、その平行光をチャート102と反対側に出射する。なお、このコリメータ103の鏡筒の内径は例えば25mmである。また、コリメータ103の中心軸は、コリメートレンズの光軸と同一である。
反射部110は、複数(例えば4つ)のミラー111と、それらのミラー111を保持するミラーホルダ112とを備える。これらのミラー111は、コリメータ103から出射される平行光のうち、そのミラー111に照射される平行光を被検光学系120に向けて反射する。
画像センサ130は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサなどであって、第1の光と第2の光とを受ける。第1の光は、コリメータ103からミラー111に反射されることなく被検光学系120に入射して、その被検光学系120から出射される光である。つまり、第1の光は、被検光学系120の光軸に沿った光である。第2の光は、コリメータ103からミラー111に反射されて被検光学系120に入射して、その被検光学系120から出射される光である。つまり、第2の光は、被検光学系120の光軸に対して傾斜した方向に沿った光である。
画像センサ130は、上述のような第1および第2の光を同時に受光する。具体的には、画像センサ130は、第1の光の受光によって、チャート102の模様を撮影する。画像センサ130は、さらに、第2の光の受光によって、チャート102の模様の虚像、つまり、ミラー111に映し出されたチャート102の模様を撮影する。これにより、画像センサ130は、LED101によって投影されるチャート102の模様と、その模様の複数の虚像とを同時に撮影する。
なお、チャート102の模様、コリメータ103、反射部110、被検光学系120、および画像センサ130は、それらの中心軸が被検光学系120の光軸に一致するように、その光軸に沿って配置されている。
ステージ141は、コリメータ103の中心軸に沿って移動可能なステージであって、画像センサ130を支持する台である。画像センサ130は、受光面を反射部110およびコリメータ103側に向けてこのステージ141に配置される。
ステージ駆動機構142は、例えばモータなどを備え、ステージ制御部152からの駆動信号に応じてそのモータの回転軸を回転させる。これにより、ステージ駆動機構142は、ステージ141を被検光学系120の光軸に沿って移動させる。つまり、その光軸の方向が鉛直方向であれば、ステージ駆動機構142は、ステージ141を鉛直方向に上下させる。
ステージ制御部152は、制御装置153からの制御信号に応じてステージ駆動機構142を制御するための駆動信号を生成して、その駆動信号をステージ駆動機構142に出力する。
画像取込部151は、画像センサ130から画像信号を取り込み、画像信号を制御装置153に出力する。この画像信号は、画像センサ130が撮影したチャート102の模様およびその虚像の画像である撮影画像を示す。
制御装置153は、例えばパーソナルコンピュータなどである。制御装置153は、ユーザによる操作に応じて上述の制御信号をステージ制御部152に出力する。また、制御装置153は、画像取込部151から出力された画像信号を取得する。制御装置153は、取得した画像信号を用いて、被検光学系120の光学性能を特定するための検査処理を実行する。
図2Aは、反射部110の上面図である。図2Bは、反射部110の断面斜視図である。具体的には、図2Aは、図1に示す光学検査装置100において反射部110をコリメータ103側から見た外観図である。また、図2Bは、反射部110と、被検光学系120および画像センサ130との位置関係を示す。
反射部110のミラーホルダ112は、略円環状に形成され、その内側に4つのミラー111を保持する。また、これらの4つのミラー111は、コリメータ103の中心軸の周りに回転対称となるように配置され、被検光学系120の検査に応じた角度だけその中心軸に対して傾斜している。なお、回転対称となる軸は、コリメータ103の中心軸に限定されない。回転対称となる軸は、実質的に中心軸とされる程度だけずれている軸、すなわち、コリメータ103の中心軸と略同一の軸であってもよい。
ここで、コリメータ103から反射部110に照射される光は平行光である。そして、その平行光のうち、コリメータ103の中心軸の近傍の光は、反射部110のミラーホルダ112の中空部113を通り抜けて、被検光学系120に含まれる被検レンズ121に照射される。また、その平行光のうち、ミラー111に照射される光は、そのミラー111によって被検レンズ121に向けて反射される。
図3は、ミラー111の傾斜角を示す図である。
本実施の形態では、LED101によるチャート102への光の照射によって、チャート102からはコリメータ103に対して軸上光線が照射される。この軸上光線は、コリメータ103の中心軸(つまり光軸)に沿った光であって、コリメータ103に入射すると、平行光となって反射部110側に出射する。ここで、反射部110のミラー111は、コリメータ103の中心軸に対して傾斜している。具体的には、ミラー111の被検レンズ121側の端がコリメータ103の中心軸に近く、ミラー111のチャート102側の端がコリメータ103の中心軸から遠くなるように、ミラー111は傾斜している。
より具体的には、被検レンズ121に対して入射角θで入射する光における、その被検レンズ121の光学性能を検査する場合には、ミラー111の中心軸に対する傾斜角は、θ/2である。つまり、コリメータ103から出射された平行光がミラー111に入射する入射角ηは、θ/2に等しい。
このように、本実施の形態における光学検査装置100は、4つのミラー111を備え、それらのミラー111は、被検光学系120の検査に応じた角度だけコリメータ103の中心軸に対して傾斜している。これにより、被検光学系120の光軸上とその周辺とにおける光学性能を同時に検査することができる。なお、被検光学系120の光学性能は、例えば、変調伝達関数(MTF)などの解像度、片ボケ、光軸ずれ、およびフランジバック等である。さらに、被検光学系120は、被検光学系120の光軸がコリメータ103の中心軸と一致するように光学検査装置100に配置されている。被検光学系120の検査に必要とされる光の入射角がθの場合、ミラー111は、その中心軸に対してθ/2だけ傾斜して配置される。これにより、ミラー111によって反射された光は、被検光学系120の検査に必要とされる光の入射角θで、その被検光学系120に入射するため、その入射角θにおける被検光学系120の光学性能を適切に検査することができる。
図4は、本実施の形態におけるチャート102を示す図である。
チャート102の中央部には、LED101により投影される略円形の模様102aが描かれている。チャート102における模様102aの外部は全て黒色である。
なお、チャート102の略円形の模様102aの直径は、被検光学系120の水平画角またはコリメータ103の鏡筒の内径に応じて設定される。水平画角は、画面水平方向において写すことが可能な範囲である。例えば、被検光学系120の水平画角が160°の場合には、上述の入射角θは61.9°であり、模様102aの直径は、水平画角の5%(すなわち8°)に相当する3mmが好ましい。また、被検光学系120の水平画角が59.1°の場合には、上述の入射角θは22.4°であり、模様102aの直径は、水平画角の3%(すなわち約2°)に相当する0.8mmが好ましい。また、模様102aの直径は、コリメータ103の鏡筒の内径の1/3以下であることが好ましい。具体的には、コリメータ103の鏡筒の内径が約25mmの場合、チャート102の略円形の模様102aの直径を、上述のように3mmとすることによって、コリメータ103の鏡筒の内径の12%に抑えている。また、この場合、チャート102の略円形の模様102aの直径を、上述のように0.8mmとすることによって、コリメータ103の鏡筒の内径の3.2%に抑えている。
これにより、本実施の形態では、光をコリメータ103に対して、周辺光線として照射することなく、軸上光線として照射することができる。すなわち、チャート102の模様102aの直径を抑えることにより、LED101からチャート102を透過する光を軸上光線とみなすことができる。
図5は、画像センサ130による撮影によって得られた画像を示す図である。
画像センサ130によって得られた画像である撮影画像Pの中心には、略円形の像Paが現れる。また、撮影画像Pの周辺の4箇所には、略円形の像Pbが現れている。像Paは、チャート102の模様102aがコリメータ103および被検光学系120を介して画像センサ130に投影された像である。すなわち、模様102aがミラー111を介さずに投影された像である。周辺4箇所の像Pbは、チャート102の模様102aがミラー111によって反射されて画像センサ130に投影された像、すなわち模様102aの虚像である。この周辺4箇所の像Pbは、画像の中心から隅までの距離を1とする場合、その中心から例えば0.6の距離の位置に現れる。
このように、本実施の形態では、模様102aが略円形であるため、画像センサ130に投影される像Pa、Pb(模様とその模様の複数の虚像)のそれぞれも略円形となる。したがって、ミラー111の配置に応じて、画像センサ130に投影される像Pa、Pbのそれぞれが傾いて見えることを抑えることができる。これにより、像Paと像Pbとを同一のパターンに揃えることができる。また、チャート102における模様102aの周辺が黒色であるため、被検光学系120の光学性能を検査する妨げとなる不要な光を抑えることができる。例えば、コリメータ103の鏡筒内部で反射する不要な光を抑えることができる。その結果、被検光学系120の光学性能の検査精度を向上することができる。
図6〜図9Bは、画像センサ130によって得られた撮影画像Pを用いて、被検光学系120の光学性能を検査するための検査処理を説明するための図である。
図6は、撮影画像Pの一部の画像を示す図である。
制御装置153は、検査処理を行うときには、それぞれ画像センサ130によって得られた撮影画像Pの一部の画像である、像Paを含む部分画像と、像Pbを含む部分画像とを特定する。そして、制御装置153は、その部分画像ごとに、その部分画像の中から、さらに、4つの領域H1、H2、V1およびV2を特定する。領域H1およびH2は、それぞれ像PaまたはPbの水平方向のエッジを含む領域であり、領域V1およびV2は、それぞれ像PaまたはPbの垂直方向のエッジを含む領域である。制御装置153は、4つの領域H1、H2、V1およびV2におけるエッジを解析することにより、被検光学系120のMTF、片ボケ、および光軸ずれを算出する。
図7は、制御装置153によるMTFの算出を説明するための図である。
制御装置153は、図7の(a)および(b)に示すように、例えば領域H1に含まれる水平ラインに沿って、画素位置の変化量に対する画素値の変化量の割合である微分値を、画素位置ごとに算出する。この微分値は、像Paまたは像Pbのエッジの強度を示す。つまり、上述の微分値の算出によって、像Paまたは像Pbのエッジが検出される。また、制御装置153は、このような微分値の算出を、領域H1に含まれる複数の水平ラインのそれぞれに対して行う。
さらに、制御装置153は、図7の(b)に示す微分値の波形を周波数解析(例えばフーリエ変換)することによって、図7の(c)に示すように、空間周波数とMTFの値との関係を示すデータを生成する。なお、このデータによって示されるMTFの値は、上述の水平ラインごとに得られるMTFの値の平均値である。制御装置153は、このようなデータの生成を、領域H1だけでなく、領域H2、V1およびV2に対しても同様に行う。
さらに、制御装置153は、そのデータに基づいて、各領域H1、H2、V1およびV2における、予め定められた検査周波数に対応するMTFの値を特定する。
ここで本実施の形態では、チャート102の模様102aが略円形であるため、画像センサ130に投影される像Pa、Pbのエッジの形状は円弧となる。そのため、エッジの検出において画像センサ130のセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。すなわち、上述のような複数の水平ラインのそれぞれにおけるエッジの検出では、像Pa、Pbのエッジの形状が円形であるため、水平方向にずれた位置にあるエッジが検出される。そして、それらのエッジの検出結果の平均値(MTFの値の平均値)が算出されるため、画像センサ130のセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。
図8は、フォーカス位置とMTFの値との関係を示す図である。
制御装置153は、ステージ制御部152を介してステージ141を光軸に沿って移動させながら、画像取込部151に対して撮影画像Pの取り込みを繰り返し実行させる。つまり、制御装置153は、ステージ制御部152および画像取込部151を制御することによって、フォーカスブラケット撮影を行う。これにより、それぞれ互いにフォーカス位置が異なる複数の撮影画像Pが取得される。
制御装置153は、これらの撮影画像Pに対して、図6および図7に示す処理を行うことによって、図8に示すように、各フォーカス位置におけるMTFの値、つまり、検査周波数に対応するMTFの値を特定する。図8において、曲線a0は、光軸上の像Paに対応するMTFの値を示す。また、曲線a1は、撮影画像Pにおける左下にある像Pbに対応するMTFの値を示す。曲線a2は、撮影画像Pにおける左上にある像Pbに対応するMTFの値を示す。同様に、曲線a3は、撮影画像Pにおける右下にある像Pbに対応するMTFの値を示す。曲線a4は、撮影画像Pにおける右上にある像Pbに対応するMTFの値を示す。
制御装置153は、曲線a0において、つまり光軸上の像Paにおいて、MTFの値が最大になるフォーカス位置CTを、被検光学系120における入射角=0°のフランジバック(すなわち焦点距離)として算出する。さらに、制御装置153は、曲線a1において、つまり左下の像Pbにおいて、MTFの値が最大になるフォーカス位置LDを、被検光学系120における左下の入射角=θの合焦位置として算出する。同様に、制御装置153は、曲線a2〜4において、MTFの値が最大になるフォーカス位置LU、RD、RUを、被検光学系120における左上、右下、および右上の入射角=θの合焦位置として算出する。
また、制御装置153は、フォーカス位置LD、LUの平均値と、フォーカス位置RD、RUの平均値との差を、被検光学系120における片ボケXとして算出する。同様に、制御装置153は、フォーカス位置RU、LUの平均値と、フォーカス位置RD、LDの平均値との差を、被検光学系120における片ボケYとして算出する。
図9Aは、本実施の形態における光学検査装置100による検査方法を示すフローチャートである。
まず、光学検査装置100に、被検光学系120が設置される(ステップS110)。そして、制御装置153は、ステージ制御部152に対して制御信号を出力することによって、ステージ141を光軸に沿って移動させながら、画像取込部151に対して撮影画像Pの取り込みを繰り返し実行させる。これにより、フォーカスブラケット撮影が行われる(ステップS120)。さらに、制御装置153は、そのフォーカスブラケット撮影によって得られた複数の撮影画像Pに基づいて、MTFの値を算出する(ステップS130)。次に、制御装置153は、撮影画像Pに基づいて片ボケを算出する(ステップS140)。さらに制御装置153は、撮影画像Pに基づいてフランジバックを算出する(ステップS150)。さらに、制御装置153は、被検光学系120における光軸ずれを算出する(ステップS160)。以上のように、被検光学系120の光学性能であるMTFの値、片ボケ、フランジバックおよび光軸ずれが算出される。そして、制御装置153は、上述のように算出された光学性能に基づいて、被検光学系120の良否を判定する(ステップS170)。このような判定が行われた後に、光学検査装置100から、被検光学系120が取り出される(ステップS180)。
図9Bは、図9AのステップS130におけるMTFの値の算出処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、制御装置153は、撮影画像Pにおける部分画像を切り出す(ステップS131)。そして、制御装置153は、その部分画像に含まれる像Paまたは像Pbの重心を算出する。さらに、制御装置153は、エッジ検出を行う(ステップS132)。このエッジ検出では、制御装置153は、図6に示すように、算出された重心を中心にして左右および上下に配置される領域H1、H2、V1およびV2を特定する。そして、制御装置153は、図7の(a)に示すように、それらの領域において水平方向または水平方向に沿って配列される複数の画素の画素値の読み出しを行う(ステップS132)。
次に、制御装置153は、図7の(b)に示すように、その読み出された画素値に対して微分を行うことによって、各画素位置における微分値を算出する(ステップS133)。さらに、制御装置153はフーリエ変換を行うことによって、図7の(c)に示すように、空間周波数とMTFの値との間の関係を示すデータを生成する(ステップS134)。
次に、制御装置153は、生成された領域H1および領域H2のデータに基づいて、水平成分(H成分)におけるMTFの平均値を算出する。同様に、制御装置153は、生成された領域V1およびV2のデータに基づいて、垂直成分(V成分)におけるMTFの平均値を算出する(ステップS135)。
(効果等)
このように、本実施の形態における光学検査装置100は、少なくとも1つのレンズを含む被検光学系120を検査する光学検査装置である。光学検査装置100は、LED101と、チャート102と、コリメータ103と、ミラー111とを備える。LED101は、発光体である。チャート102は、LED101によって投影される模様102aが描かれている。コリメータ103は、チャート102と被検光学系120との間に配設されている。ミラー111は、コリメータ103と被検光学系120との間に配設されている。LED101は、チャート102に光を照射することによって、光をコリメータ103に対して軸上光線として照射する。この光は、コリメータ103および被検光学系120を介して、画像センサ130の中心部にチャート102の模様102aを投影する。ミラー111は、上述の軸上光線のうち、コリメータ103を介してそのミラー111に照射される光を、反射する。反射された光は、被検光学系120を介して画像センサ130の周辺部に投影される。
ミラー111によって反射された光は、被検光学系120の光軸に対して傾斜した方向からその被検光学系120に入射する。これにより、チャート102の模様102aが虚像として画像センサ130の周辺部に投影される。ミラー111によって反射されない光は、被検光学系120の光軸に沿ってその被検光学系120に入射する。これにより、チャート102の模様102aが画像センサ130の中心部に投影される。したがって、画像センサ130は、被検光学系120の光軸に対して傾斜した方向から投影された光と、光軸に沿って投影された光とを同時に取得できる。これにより、大きいチャートに広く描かれた模様を、広角の被検光学系を介して画像センサに一度に投影することと同様のことを、大きいチャートを用いることなく小さいチャート102を用いて行うことができる。これにより、広角の被検光学系120を検査する場合でも、光学検査装置100を小型化することができる。さらに、大きいチャートを用いる場合には、被検光学系の種類ごとに、そのチャートに描かれる模様の範囲を変更して、被検光学系に対する光の入射角を調整する必要がある。つまり、被検光学系の種類ごとに、チャートを入れ替える必要がある。しかし、本実施の形態における光学検査装置100では、ミラー111の角度によってその入射角を調整することができるため、各種類の被検光学系120に対してチャート102を統一化することができる。その結果、チャート102の入れ替えの手間を省くことができる。
さらに、本実施の形態における光学検査装置100では、コリメータ103から出射された光、つまり平行光がミラー111に反射されて被検光学系120に照射される。したがって、チャート102とコリメータ103またはミラー111との間の距離に関わらず、ミラー111によって反射される光の向きを一定に保つことができる。その結果、チャート102と画像センサ130との間の撮影距離の制限を受けることなく検査を行うことができる。例えば、撮影距離が無限であっても被検光学系120の検査を行うことができる。つまり、撮影距離の制限を抑えることができる。
また、本実施の形態における光学検査装置100では、周辺光線ではなく、コリメータ103の中心軸(つまり光軸)に沿った光である軸上光線がコリメータ103に照射される。これにより、コリメータ103の中心に光が照射されてその周辺には光は照射されることがないようにできる。これにより、コリメータ103に備えられているコリメートレンズの歪曲の影響を受けることなく、被検光学系120を検査することができる。これにより、被検光学系120の検査精度を向上することができる。
(変形例)
上記実施の形態では、フォーカスブラケット撮影において、チャート102と画像センサ130との間の撮影距離を、画像センサ130を移動させることによって変更した。本変形では、チャート102を移動させることによって、その撮影距離を変更する。
図10は、上記実施の形態の変形例に係る光学検査装置の全体構成を示す図である。
本変形例に係る光学検査装置100Aは、上記実施の形態における光学検査装置100と同様に、LED101と、チャート102と、コリメータ103と、反射部110と、画像取込部151と、ステージ制御部152と、制御装置153とを備える。また、本変形例に係る光学検査装置100Aは、上記実施の形態におけるステージ141およびステージ駆動機構142の代わりに、ステージ141aおよびステージ駆動機構142aを備える。また、本実施の形態では、光学検査装置100Aは、画像センサ130を備えていても備えていなくてもよい。光学検査装置100Aが画像センサ130を備えていない場合には、被検光学系120に固定されている画像センサ130が、その被検光学系120とともに光学検査装置100Aに設置される。
ステージ141aは、コリメータ103の中心軸に沿って移動可能なステージであって、チャート102を支持する台である。チャート102は、そのチャート102に描かれている模様102aが光軸上に配置されるように、このステージ141aに載置される。
ステージ駆動機構142aは、例えばモータなどを備え、ステージ制御部152からの駆動信号に応じてそのモータの回転軸を回転させる。これにより、ステージ141aを被検光学系120の光軸に沿って移動させる。つまり、その光軸の方向が鉛直方向であれば、ステージ駆動機構142aは、ステージ141aを鉛直方向に上下させる。
制御装置153は、フォーカスブラケット撮影を行うときには、ステージ制御部152を介してステージ141aを光軸に沿って移動させながら、画像取込部151に対して撮影画像Pの取り込みを繰り返し実行させる。
これにより、本変形例では、フォーカスブラケット撮影を容易に行うことができ、その撮影の結果を用いて被検光学系120の光学性能の検査を迅速に行うことができる。さらに、ステージ141aに配置されたチャートが移動するため、被検光学系120と画像センサ130とを固定していてもフォーカスブラケット撮影を容易に行うことができる。つまり、被検光学系120が画像センサ130に固定された鏡筒(いわゆる完成品)であっても、その被検光学系120の検査を適切に行うことができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態およびその変形例を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態およびその変形例で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記実施の形態およびその変形例において、画像取込部151、ステージ制御部152および制御装置153などの各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態およびその変形例における光学検査装置などを実現するソフトウェアは、図9Aに示すステップS120〜S170の各処理、または、図9Bのフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
また、本実施の形態およびその変形例では、被検光学系を検査する光学検査方法および光学検査装置について例をあげて説明した。本開示の一態様は、その光学検査方法によって被検光学系を検査するモジュールを組み込んだ、レンズ鏡筒生産装置であってもよい。具体的には、このレンズ鏡筒生産装置は、光学検査装置を用いて計測した片ボケ、光軸ずれ、およびフランジバックに基づいて、被検光学系120と画像センサ130の相対位置を調整して固定する。
また、本実施の形態およびその変形例では、光学検査装置は、4個のミラー111を備えているが、光学検査装置に備えられるミラー111の個数は、4個に限らず、1個以上であれば、何個であってもよい。
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る光学検査装置について、実施の形態とその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態およびその変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態またはその変形例に施したものや、上記実施の形態およびその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
本開示は、撮影距離の制限を受けることなく被検光学系の光学性能を適切に検査することができるという効果を奏する。カメラ、車載カメラ、携帯電話またはスマートフォンなどに搭載されているカメラ、あるいは、ドアホンなどに搭載されているカメラなどのレンズを検査する装置などに適用可能である。
100,100A 光学検査装置
101 LED(発光体)
102 チャート
102a 模様
103 コリメータ(コリメートレンズ)
110 反射部
111 ミラー
112 ミラーホルダ
120 被検光学系
121 被検レンズ
130 画像センサ
141,141a ステージ
142,142a ステージ駆動機構
151 画像取込部
152 ステージ制御部
153 制御装置
本開示は、少なくとも1つのレンズを含む光学系の光学性能を検査する光学検査装置、その光学検査装置による検査を行って製造されたレンズ、および光学検査方法に関する。
従来、被検レンズの光学性能を検査する光学検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、光学検査装置である測定装置は、被検レンズの光軸上に配設されるチャートをミラーで反射し、この反射されたチャートを被検レンズで撮影することによって測定する。そして、測定装置は、その測定結果に基づいて、被検レンズの変調伝達関数(MTF)などを光学性能として演算する。
特開2004−184118号公報
しかしながら、上記特許文献1の光学検査装置では、そのチャートを被検レンズで撮影するときの撮影距離が制限されるという問題がある。
そこで、本開示は、撮影距離の制限を抑えることができる光学検査装置を提供する。
本開示の一態様に係る光学検査装置は、少なくとも1つのレンズを含む被検光学系を検査する光学検査装置である。光学検査装置は、発光体と、チャートと、コリメートレンズと、ミラーとを備える。チャートには、発光体によって投影される模様が描かれている。コリメートレンズは、チャートと被検光学系との間に配設されている。ミラーは、コリメートレンズと被検光学系との間に配設されている。発光体は、チャートに光を照射することによって、光をコリメートレンズに対して軸上光線として照射する。チャートの模様は、コリメートレンズおよび被検光学系を介して、画像センサの中心部に投影される。ミラーは、軸上光線のうち、コリメートレンズを介してミラーに照射される光を、反射する。これにより、被検光学系を介して画像センサの周辺部に投影する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の光学検査装置は、撮影距離の制限を抑えることができる。
図1は、実施の形態における光学検査装置の全体構成を示す図である。 図2Aは、実施の形態における反射部の上面図である。 図2Bは、実施の形態における反射部の断面斜視図である。 図3は、実施の形態におけるミラーの傾斜角を示す図である。 図4は、実施の形態におけるチャートを示す図である。 図5は、実施の形態における撮影画像を示す図である。 図6は、実施の形態における撮影画像のうちの部分画像を示す図である。 図7は、実施の形態における制御装置によるMTFの解析を説明するための図である。 図8は、実施の形態におけるフォーカス位置とMTFの値との間の関係を示す図である。 図9Aは、実施の形態における光学検査装置による検査方法を示すフローチャートである。 図9Bは、図9AのステップS130におけるMTFの値の算出処理を詳細に示すフローチャートである。 図10は、実施の形態の変形例に係る光学検査装置の全体構成を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した上記特許文献1に関し、以下の問題が生じることを見出した。
特許文献1の光学検査装置(測定装置)では、被検レンズの光軸上にあるチャートそのものを被検レンズでCCDセンサに投影する。さらに、この光学検査装置では、そのチャートをミラーで反射して、反射されたチャートを被検レンズでCCDセンサに投影する。このような光学検査装置では、ミラーによる反射を用いるため、被検レンズの光軸外のMTF(Modulation Transfer Function)あるいはPTF(Phase Transfer Function)を検査することができる。つまり、広角の被検レンズを小さい装置で検査することができる。しかしながら、被検レンズの検査に必要とされる光の入射角に応じた撮影距離を設定しなければならない。つまり、撮影距離が制限されるという問題がある。
本開示の一態様に係る光学検査装置は、少なくとも1つのレンズを含む被検光学系を検査する光学検査装置である。本開示の一態様に係る光学検査装置は、発光体と、チャートと、コリメートレンズと、ミラーとを備える。チャートは、発光体によって投影される模様が描かれている。コリメートレンズは、チャートと被検光学系との間に配設されている。ミラーは、コリメートレンズと被検光学系との間に配設されている。発光体は、チャートに光を照射することによって、光をコリメートレンズに対して軸上光線として照射する。これにより、チャートの模様は、コリメートレンズおよび被検光学系を介して、画像センサの中心部に投影される。ミラーは、軸上光線のうち、コリメートレンズを介してミラーに照射される光を、反射する。これにより、ミラーは、被検光学系を介して画像センサの周辺部にチャートの模様を投影する。
ミラーによって反射された光は、被検光学系の光軸に対して傾斜した方向からその被検光学系に入射する。これにより、チャートの模様が虚像として画像センサの周辺部に投影される。ミラーによって反射されない光は、被検光学系の光軸に沿ってその被検光学系に入射するこれにより、チャートの模様が画像センサの中心部に投影される。すなわち、画像センサの周辺部と中心部に同時にチャートの模様を投影できる。したがって、大きいチャートに広く描かれた模様を、広角の被検光学系を介して画像センサに一度に投影することと同様のことを、大きいチャートを用いることなく小さいチャートを用いて行うことができる。これにより、広角の被検光学系を検査する場合でも、光学検査装置を小型化することができる。さらに、大きいチャートを用いる場合には、被検光学系の種類ごとに、そのチャートに描かれる模様の範囲を変更して、被検光学系に対する光の入射角を調整する必要がある。つまり、被検光学系の種類ごとに、チャートを入れ替える必要がある。しかし、本開示の一態様に係る光学検査装置では、ミラーの角度によってその入射角を調整することができるため、各種類の被検光学系に対してチャートを統一化することができる。その結果、チャートの入れ替えの手間を省くことができる。
さらに、本開示の一態様に係る光学検査装置では、コリメートレンズから出射された光、つまり平行光がミラーに反射されて被検光学系に照射される。したがって、チャートとコリメートレンズまたはミラーとの間の距離に関わらず、ミラーによって反射される光の向きを一定に保つことができる。その結果、チャートと画像センサとの間の撮影距離の制限を受けることなく、例えば、撮影距離が無限であっても被検光学系の検査を行うことができる。つまり、撮影距離の制限を抑えることができる。
また、本開示の一態様に係る光学検査装置では、周辺光線ではなく、コリメートレンズの中心軸(つまり光軸)に沿った光である軸上光線がコリメートレンズに照射される。これにより、コリメートレンズの中心に光が照射されてその周辺には光は照射されないようにできる。これにより、コリメートレンズの歪曲の影響を受けることなく、被検光学系を検査することができる。これにより、被検光学系の検査精度を向上することができる。
例えば、光学検査装置は、複数のミラーを備え、複数のミラーは、コリメートレンズの中心軸と略同一の軸の周りに回転対称となるように配置され、被検光学系の検査に応じた角度だけ中心軸に対して傾斜してもよい。
これにより、被検光学系の光学性能として、被検光学系の光軸上とその周辺とにおける変調伝達関数(MTF)などの解像度、片ボケ、光軸ずれ、およびフランジバックを同時に検査することができる。
また、被検光学系は、被検光学系の光軸がコリメートレンズの中心軸と一致するように光学検査装置に配置され、被検光学系の検査に必要とされる光の入射角がθの場合、ミラーは、中心軸に対してθ/2だけ傾斜していてもよい。
これにより、ミラーによって反射された光は、被検光学系の検査に必要とされる光の入射角で、その被検光学系に入射するため、その入射角における被検光学系の光学性能を適切に検査することができる。
また、チャートの模様は略円形であり、チャートにおける模様の周辺は黒色であってもよい。
これにより、模様が略円形であるため、画像センサに投影される複数の像(模様とその模様の複数の虚像)のそれぞれも略円形となる。したがって、ミラーの配置に応じて、画像センサに投影される複数の像のそれぞれが傾いて見えることを抑えることができ、それらの像を同一パターンに揃えることができる。さらに、画像センサに投影される複数の像のエッジの形状は円弧となるため、そのエッジの検出において画像センサのセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。例えば、水平方向のエッジの検出であれば、複数の水平方向のエッジの検出を、垂直方向に位置をずらしながら行い、それらの検出結果の平均化を行えば、画像センサのセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。
また、チャートにおける模様の周辺が黒色であるため、例えばコリメートレンズを保持する鏡筒内部で反射する不要な光を抑えることができる。その結果、被検光学系の光学性能の検査精度を向上することができる。
また、光学検査装置は、さらに、コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、画像センサは、ステージに配置されていてもよい。
これにより、フォーカスブラケット撮影を容易に行うことができ、その撮影の結果を用いて被検光学系の光学性能の検査を迅速に行うことができる。つまり、本開示の一態様に係る光学検査装置は、コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、そのステージに画像センサが配置されている。これにより、画像センサを、光軸の方向における合焦点の前後を含む所定の範囲において、所定の間隔ごとに移動させることができる。その結果、それぞれのフォーカス位置におけるチャートの撮影を容易に行うことができる。つまり、フォーカス位置を変更しながらチャートの撮影を行う動作を簡単に行うことができる。なお、本開示では、このようなフォーカス位置を変更しながらチャートの撮像を行う動作をフォーカスブラケット撮影という。
また、光学検査装置は、さらに、コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、チャートは、ステージに配置されていてもよい。
これにより、フォーカスブラケット撮影を容易に行うことができ、その撮影の結果を用いて被検光学系の光学性能の検査を迅速に行うことができる。さらに、ステージに配置されたチャートが移動するため、被検光学系と画像センサとを固定していてもフォーカスブラケット撮影を容易に行うことができる。つまり、被検光学系が画像センサに固定された鏡筒(いわゆる完成品)であっても、その被検光学系の検査を適切に行うことができる。
また、本開示の一態様に係るレンズは、上述の光学検査装置による検査を行って製造された被検光学系であるレンズである。
このレンズは、上述の光学検査装置によって検査されているため、その光学性能を保証することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における光学検査装置の全体構成を示す図である。
本実施の形態における光学検査装置100は、被検光学系120を検査する装置であって、発光体であるLED(Light Emitting Diode)101と、チャート102と、コリメータ103と、反射部110と、画像センサ130と、ステージ141と、ステージ駆動機構142と、画像取込部151と、ステージ制御部152と、制御装置153とを備える。
被検光学系120は、少なくとも1つのレンズと、それらのレンズを保持する鏡筒とを備える。このような被検光学系120は、光学検査装置100における反射部110と画像センサ130との間に設置される。
LED101は、チャート102に対して光を照射する。
チャート102は、例えばシート状に形成され、LED101により投影される模様が描かれている。つまり、チャート102における模様は、光の透過率が高く、チャート102における模様以外の部分は、光の透過率が低い。なお、この模様の詳細については、後述する。
コリメータ103は、少なくとも1つのコリメートレンズと、そのコリメートレンズを保持する鏡筒とを備える。このようなコリメータ103は、チャート102側から入射する光を平行光に変換し、その平行光をチャート102と反対側に出射する。なお、このコリメータ103の鏡筒の内径は例えば25mmである。また、コリメータ103の中心軸は、コリメートレンズの光軸と同一である。
反射部110は、複数(例えば4つ)のミラー111と、それらのミラー111を保持するミラーホルダ112とを備える。これらのミラー111は、コリメータ103から出射される平行光のうち、そのミラー111に照射される平行光を被検光学系120に向けて反射する。
画像センサ130は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサなどであって、第1の光と第2の光とを受ける。第1の光は、コリメータ103からミラー111に反射されることなく被検光学系120に入射して、その被検光学系120から出射される光である。つまり、第1の光は、被検光学系120の光軸に沿った光である。第2の光は、コリメータ103からミラー111に反射されて被検光学系120に入射して、その被検光学系120から出射される光である。つまり、第2の光は、被検光学系120の光軸に対して傾斜した方向に沿った光である。
画像センサ130は、上述のような第1および第2の光を同時に受光する。具体的には、画像センサ130は、第1の光の受光によって、チャート102の模様を撮影する。画像センサ130は、さらに、第2の光の受光によって、チャート102の模様の虚像、つまり、ミラー111に映し出されたチャート102の模様を撮影する。これにより、画像センサ130は、LED101によって投影されるチャート102の模様と、その模様の複数の虚像とを同時に撮影する。
なお、チャート102の模様、コリメータ103、反射部110、被検光学系120、および画像センサ130は、それらの中心軸が被検光学系120の光軸に一致するように、その光軸に沿って配置されている。
ステージ141は、コリメータ103の中心軸に沿って移動可能なステージであって、画像センサ130を支持する台である。画像センサ130は、受光面を反射部110およびコリメータ103側に向けてこのステージ141に配置される。
ステージ駆動機構142は、例えばモータなどを備え、ステージ制御部152からの駆動信号に応じてそのモータの回転軸を回転させる。これにより、ステージ駆動機構142は、ステージ141を被検光学系120の光軸に沿って移動させる。つまり、その光軸の方向が鉛直方向であれば、ステージ駆動機構142は、ステージ141を鉛直方向に上下させる。
ステージ制御部152は、制御装置153からの制御信号に応じてステージ駆動機構142を制御するための駆動信号を生成して、その駆動信号をステージ駆動機構142に出力する。
画像取込部151は、画像センサ130から画像信号を取り込み、画像信号を制御装置153に出力する。この画像信号は、画像センサ130が撮影したチャート102の模様およびその虚像の画像である撮影画像を示す。
制御装置153は、例えばパーソナルコンピュータなどである。制御装置153は、ユーザによる操作に応じて上述の制御信号をステージ制御部152に出力する。また、制御装置153は、画像取込部151から出力された画像信号を取得する。制御装置153は、取得した画像信号を用いて、被検光学系120の光学性能を特定するための検査処理を実行する。
図2Aは、反射部110の上面図である。図2Bは、反射部110の断面斜視図である。具体的には、図2Aは、図1に示す光学検査装置100において反射部110をコリメータ103側から見た外観図である。また、図2Bは、反射部110と、被検光学系120および画像センサ130との位置関係を示す。
反射部110のミラーホルダ112は、略円環状に形成され、その内側に4つのミラー111を保持する。また、これらの4つのミラー111は、コリメータ103の中心軸の周りに回転対称となるように配置され、被検光学系120の検査に応じた角度だけその中心軸に対して傾斜している。なお、回転対称となる軸は、コリメータ103の中心軸に限定されない。回転対称となる軸は、実質的に中心軸とされる程度だけずれている軸、すなわち、コリメータ103の中心軸と略同一の軸であってもよい。
ここで、コリメータ103から反射部110に照射される光は平行光である。そして、その平行光のうち、コリメータ103の中心軸の近傍の光は、反射部110のミラーホルダ112の中空部113を通り抜けて、被検光学系120に含まれる被検レンズ121に照射される。また、その平行光のうち、ミラー111に照射される光は、そのミラー111によって被検レンズ121に向けて反射される。
図3は、ミラー111の傾斜角を示す図である。
本実施の形態では、LED101によるチャート102への光の照射によって、チャート102からはコリメータ103に対して軸上光線が照射される。この軸上光線は、コリメータ103の中心軸(つまり光軸)に沿った光であって、コリメータ103に入射すると、平行光となって反射部110側に出射する。ここで、反射部110のミラー111は、コリメータ103の中心軸に対して傾斜している。具体的には、ミラー111の被検レンズ121側の端がコリメータ103の中心軸に近く、ミラー111のチャート102側の端がコリメータ103の中心軸から遠くなるように、ミラー111は傾斜している。
より具体的には、被検レンズ121に対して入射角θで入射する光における、その被検レンズ121の光学性能を検査する場合には、ミラー111の中心軸に対する傾斜角は、θ/2である。つまり、コリメータ103から出射された平行光がミラー111に入射する入射角ηは、θ/2に等しい。
このように、本実施の形態における光学検査装置100は、4つのミラー111を備え、それらのミラー111は、被検光学系120の検査に応じた角度だけコリメータ103の中心軸に対して傾斜している。これにより、被検光学系120の光軸上とその周辺とにおける光学性能を同時に検査することができる。なお、被検光学系120の光学性能は、例えば、変調伝達関数(MTF)などの解像度、片ボケ、光軸ずれ、およびフランジバック等である。さらに、被検光学系120は、被検光学系120の光軸がコリメータ103の中心軸と一致するように光学検査装置100に配置されている。被検光学系120の検査に必要とされる光の入射角がθの場合、ミラー111は、その中心軸に対してθ/2だけ傾斜して配置される。これにより、ミラー111によって反射された光は、被検光学系120の検査に必要とされる光の入射角θで、その被検光学系120に入射するため、その入射角θにおける被検光学系120の光学性能を適切に検査することができる。
図4は、本実施の形態におけるチャート102を示す図である。
チャート102の中央部には、LED101により投影される略円形の模様102aが描かれている。チャート102における模様102aの外部は全て黒色である。
なお、チャート102の略円形の模様102aの直径は、被検光学系120の水平画角またはコリメータ103の鏡筒の内径に応じて設定される。水平画角は、画面水平方向において写すことが可能な範囲である。例えば、被検光学系120の水平画角が160°の場合には、上述の入射角θは61.9°であり、模様102aの直径は、水平画角の5%(すなわち8°)に相当する3mmが好ましい。また、被検光学系120の水平画角が59.1°の場合には、上述の入射角θは22.4°であり、模様102aの直径は、水平画角の3%(すなわち約2°)に相当する0.8mmが好ましい。また、模様102aの直径は、コリメータ103の鏡筒の内径の1/3以下であることが好ましい。具体的には、コリメータ103の鏡筒の内径が約25mmの場合、チャート102の略円形の模様102aの直径を、上述のように3mmとすることによって、コリメータ103の鏡筒の内径の12%に抑えている。また、この場合、チャート102の略円形の模様102aの直径を、上述のように0.8mmとすることによって、コリメータ103の鏡筒の内径の3.2%に抑えている。
これにより、本実施の形態では、光をコリメータ103に対して、周辺光線として照射することなく、軸上光線として照射することができる。すなわち、チャート102の模様102aの直径を抑えることにより、LED101からチャート102を透過する光を軸上光線とみなすことができる。
図5は、画像センサ130による撮影によって得られた画像を示す図である。
画像センサ130によって得られた画像である撮影画像Pの中心には、略円形の像Paが現れる。また、撮影画像Pの周辺の4箇所には、略円形の像Pbが現れている。像Paは、チャート102の模様102aがコリメータ103および被検光学系120を介して画像センサ130に投影された像である。すなわち、模様102aがミラー111を介さずに投影された像である。周辺4箇所の像Pbは、チャート102の模様102aがミラー111によって反射されて画像センサ130に投影された像、すなわち模様102aの虚像である。この周辺4箇所の像Pbは、画像の中心から隅までの距離を1とする場合、その中心から例えば0.6の距離の位置に現れる。
このように、本実施の形態では、模様102aが略円形であるため、画像センサ130に投影される像Pa、Pb(模様とその模様の複数の虚像)のそれぞれも略円形となる。したがって、ミラー111の配置に応じて、画像センサ130に投影される像Pa、Pbのそれぞれが傾いて見えることを抑えることができる。これにより、像Paと像Pbとを同一のパターンに揃えることができる。また、チャート102における模様102aの周辺が黒色であるため、被検光学系120の光学性能を検査する妨げとなる不要な光を抑えることができる。例えば、コリメータ103の鏡筒内部で反射する不要な光を抑えることができる。その結果、被検光学系120の光学性能の検査精度を向上することができる。
図6〜図9Bは、画像センサ130によって得られた撮影画像Pを用いて、被検光学系120の光学性能を検査するための検査処理を説明するための図である。
図6は、撮影画像Pの一部の画像を示す図である。
制御装置153は、検査処理を行うときには、それぞれ画像センサ130によって得られた撮影画像Pの一部の画像である、像Paを含む部分画像と、像Pbを含む部分画像とを特定する。そして、制御装置153は、その部分画像ごとに、その部分画像の中から、さらに、4つの領域H1、H2、V1およびV2を特定する。領域H1およびH2は、それぞれ像PaまたはPbの水平方向のエッジを含む領域であり、領域V1およびV2は、それぞれ像PaまたはPbの垂直方向のエッジを含む領域である。制御装置153は、4つの領域H1、H2、V1およびV2におけるエッジを解析することにより、被検光学系120のMTF、片ボケ、および光軸ずれを算出する。
図7は、制御装置153によるMTFの算出を説明するための図である。
制御装置153は、図7の(a)および(b)に示すように、例えば領域H1に含まれる水平ラインに沿って、画素位置の変化量に対する画素値の変化量の割合である微分値を、画素位置ごとに算出する。この微分値は、像Paまたは像Pbのエッジの強度を示す。つまり、上述の微分値の算出によって、像Paまたは像Pbのエッジが検出される。また、制御装置153は、このような微分値の算出を、領域H1に含まれる複数の水平ラインのそれぞれに対して行う。
さらに、制御装置153は、図7の(b)に示す微分値の波形を周波数解析(例えばフーリエ変換)することによって、図7の(c)に示すように、空間周波数とMTFの値との関係を示すデータを生成する。なお、このデータによって示されるMTFの値は、上述の水平ラインごとに得られるMTFの値の平均値である。制御装置153は、このようなデータの生成を、領域H1だけでなく、領域H2、V1およびV2に対しても同様に行う。
さらに、制御装置153は、そのデータに基づいて、各領域H1、H2、V1およびV2における、予め定められた検査周波数に対応するMTFの値を特定する。
ここで本実施の形態では、チャート102の模様102aが略円形であるため、画像センサ130に投影される像Pa、Pbのエッジの形状は円弧となる。そのため、エッジの検出において画像センサ130のセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。すなわち、上述のような複数の水平ラインのそれぞれにおけるエッジの検出では、像Pa、Pbのエッジの形状が円弧であるため、水平方向にずれた位置にあるエッジが検出される。そして、それらのエッジの検出結果の平均値(MTFの値の平均値)が算出されるため、画像センサ130のセルピッチのばらつきの影響を抑えることができる。
図8は、フォーカス位置とMTFの値との関係を示す図である。
制御装置153は、ステージ制御部152を介してステージ141を光軸に沿って移動させながら、画像取込部151に対して撮影画像Pの取り込みを繰り返し実行させる。つまり、制御装置153は、ステージ制御部152および画像取込部151を制御することによって、フォーカスブラケット撮影を行う。これにより、それぞれ互いにフォーカス位置が異なる複数の撮影画像Pが取得される。
制御装置153は、これらの撮影画像Pに対して、図6および図7に示す処理を行うことによって、図8に示すように、各フォーカス位置におけるMTFの値、つまり、検査周波数に対応するMTFの値を特定する。図8において、曲線a0は、光軸上の像Paに対応するMTFの値を示す。また、曲線a1は、撮影画像Pにおける左下にある像Pbに対応するMTFの値を示す。曲線a2は、撮影画像Pにおける左上にある像Pbに対応するMTFの値を示す。同様に、曲線a3は、撮影画像Pにおける右下にある像Pbに対応するMTFの値を示す。曲線a4は、撮影画像Pにおける右上にある像Pbに対応するMTFの値を示す。
制御装置153は、曲線a0において、つまり光軸上の像Paにおいて、MTFの値が最大になるフォーカス位置CTを、被検光学系120における入射角=0°のフランジバック(すなわち焦点距離)として算出する。さらに、制御装置153は、曲線a1において、つまり左下の像Pbにおいて、MTFの値が最大になるフォーカス位置LDを、被検光学系120における左下の入射角=θの合焦位置として算出する。同様に、制御装置153は、曲線a2〜4において、MTFの値が最大になるフォーカス位置LU、RD、RUを、被検光学系120における左上、右下、および右上の入射角=θの合焦位置として算出する。
また、制御装置153は、フォーカス位置LD、LUの平均値と、フォーカス位置RD、RUの平均値との差を、被検光学系120における片ボケXとして算出する。同様に、制御装置153は、フォーカス位置RU、LUの平均値と、フォーカス位置RD、LDの平均値との差を、被検光学系120における片ボケYとして算出する。
図9Aは、本実施の形態における光学検査装置100による検査方法を示すフローチャートである。
まず、光学検査装置100に、被検光学系120が設置される(ステップS110)。そして、制御装置153は、ステージ制御部152に対して制御信号を出力することによって、ステージ141を光軸に沿って移動させながら、画像取込部151に対して撮影画像Pの取り込みを繰り返し実行させる。これにより、フォーカスブラケット撮影が行われる(ステップS120)。さらに、制御装置153は、そのフォーカスブラケット撮影によって得られた複数の撮影画像Pに基づいて、MTFの値を算出する(ステップS130)。次に、制御装置153は、撮影画像Pに基づいて片ボケを算出する(ステップS140)。さらに制御装置153は、撮影画像Pに基づいてフランジバックを算出する(ステップS150)。さらに、制御装置153は、被検光学系120における光軸ずれを算出する(ステップS160)。以上のように、被検光学系120の光学性能であるMTFの値、片ボケ、フランジバックおよび光軸ずれが算出される。そして、制御装置153は、上述のように算出された光学性能に基づいて、被検光学系120の良否を判定する(ステップS170)。このような判定が行われた後に、光学検査装置100から、被検光学系120が取り出される(ステップS180)。
図9Bは、図9AのステップS130におけるMTFの値の算出処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、制御装置153は、撮影画像Pにおける部分画像を切り出す(ステップS131)。そして、制御装置153は、その部分画像に含まれる像Paまたは像Pbの重心を算出する。さらに、制御装置153は、エッジ検出を行う(ステップS132)。このエッジ検出では、制御装置153は、図6に示すように、算出された重心を中心にして左右および上下に配置される領域H1、H2、V1およびV2を特定する。そして、制御装置153は、図7の(a)に示すように、それらの領域において水平方向または垂直方向に沿って配列される複数の画素の画素値の読み出しを行う(ステップS132)。
次に、制御装置153は、図7の(b)に示すように、その読み出された画素値に対して微分を行うことによって、各画素位置における微分値を算出する(ステップS133)。さらに、制御装置153はフーリエ変換を行うことによって、図7の(c)に示すように、空間周波数とMTFの値との間の関係を示すデータを生成する(ステップS134)。
次に、制御装置153は、生成された領域H1および領域H2のデータに基づいて、水平成分(H成分)におけるMTFの平均値を算出する。同様に、制御装置153は、生成された領域V1およびV2のデータに基づいて、垂直成分(V成分)におけるMTFの平均値を算出する(ステップS135)。
(効果等)
このように、本実施の形態における光学検査装置100は、少なくとも1つのレンズを含む被検光学系120を検査する光学検査装置である。光学検査装置100は、LED101と、チャート102と、コリメータ103と、ミラー111とを備える。LED101は、発光体である。チャート102は、LED101によって投影される模様102aが描かれている。コリメータ103は、チャート102と被検光学系120との間に配設されている。ミラー111は、コリメータ103と被検光学系120との間に配設されている。LED101は、チャート102に光を照射することによって、光をコリメータ103に対して軸上光線として照射する。この光は、コリメータ103および被検光学系120を介して、画像センサ130の中心部にチャート102の模様102aを投影する。ミラー111は、上述の軸上光線のうち、コリメータ103を介してそのミラー111に照射される光を、反射する。反射された光は、被検光学系120を介して画像センサ130の周辺部に投影される。
ミラー111によって反射された光は、被検光学系120の光軸に対して傾斜した方向からその被検光学系120に入射する。これにより、チャート102の模様102aが虚像として画像センサ130の周辺部に投影される。ミラー111によって反射されない光は、被検光学系120の光軸に沿ってその被検光学系120に入射する。これにより、チャート102の模様102aが画像センサ130の中心部に投影される。したがって、画像センサ130は、被検光学系120の光軸に対して傾斜した方向から投影された光と、光軸に沿って投影された光とを同時に取得できる。これにより、大きいチャートに広く描かれた模様を、広角の被検光学系を介して画像センサに一度に投影することと同様のことを、大きいチャートを用いることなく小さいチャート102を用いて行うことができる。これにより、広角の被検光学系120を検査する場合でも、光学検査装置100を小型化することができる。さらに、大きいチャートを用いる場合には、被検光学系の種類ごとに、そのチャートに描かれる模様の範囲を変更して、被検光学系に対する光の入射角を調整する必要がある。つまり、被検光学系の種類ごとに、チャートを入れ替える必要がある。しかし、本実施の形態における光学検査装置100では、ミラー111の角度によってその入射角を調整することができるため、各種類の被検光学系120に対してチャート102を統一化することができる。その結果、チャート102の入れ替えの手間を省くことができる。
さらに、本実施の形態における光学検査装置100では、コリメータ103から出射された光、つまり平行光がミラー111に反射されて被検光学系120に照射される。したがって、チャート102とコリメータ103またはミラー111との間の距離に関わらず、ミラー111によって反射される光の向きを一定に保つことができる。その結果、チャート102と画像センサ130との間の撮影距離の制限を受けることなく検査を行うことができる。例えば、撮影距離が無限であっても被検光学系120の検査を行うことができる。つまり、撮影距離の制限を抑えることができる。
また、本実施の形態における光学検査装置100では、周辺光線ではなく、コリメータ103の中心軸(つまり光軸)に沿った光である軸上光線がコリメータ103に照射される。これにより、コリメータ103の中心に光が照射されてその周辺には光は照射されることがないようにできる。これにより、コリメータ103に備えられているコリメートレンズの歪曲の影響を受けることなく、被検光学系120を検査することができる。これにより、被検光学系120の検査精度を向上することができる。
(変形例)
上記実施の形態では、フォーカスブラケット撮影において、チャート102と画像センサ130との間の撮影距離を、画像センサ130を移動させることによって変更した。本変形では、チャート102を移動させることによって、その撮影距離を変更する。
図10は、上記実施の形態の変形例に係る光学検査装置の全体構成を示す図である。
本変形例に係る光学検査装置100Aは、上記実施の形態における光学検査装置100と同様に、LED101と、チャート102と、コリメータ103と、反射部110と、画像取込部151と、ステージ制御部152と、制御装置153とを備える。また、本変形例に係る光学検査装置100Aは、上記実施の形態におけるステージ141およびステージ駆動機構142の代わりに、ステージ141aおよびステージ駆動機構142aを備える。また、本変形例では、光学検査装置100Aは、画像センサ130を備えていても備えていなくてもよい。光学検査装置100Aが画像センサ130を備えていない場合には、被検光学系120に固定されている画像センサ130が、その被検光学系120とともに光学検査装置100Aに設置される。
ステージ141aは、コリメータ103の中心軸に沿って移動可能なステージであって、チャート102を支持する台である。チャート102は、そのチャート102に描かれている模様102aが光軸上に配置されるように、このステージ141aに載置される。
ステージ駆動機構142aは、例えばモータなどを備え、ステージ制御部152からの駆動信号に応じてそのモータの回転軸を回転させる。これにより、ステージ141aを被検光学系120の光軸に沿って移動させる。つまり、その光軸の方向が鉛直方向であれば、ステージ駆動機構142aは、ステージ141aを鉛直方向に上下させる。
制御装置153は、フォーカスブラケット撮影を行うときには、ステージ制御部152を介してステージ141aを光軸に沿って移動させながら、画像取込部151に対して撮影画像Pの取り込みを繰り返し実行させる。
これにより、本変形例では、フォーカスブラケット撮影を容易に行うことができ、その撮影の結果を用いて被検光学系120の光学性能の検査を迅速に行うことができる。さらに、ステージ141aに配置されたチャートが移動するため、被検光学系120と画像センサ130とを固定していてもフォーカスブラケット撮影を容易に行うことができる。つまり、被検光学系120が画像センサ130に固定された鏡筒(いわゆる完成品)であっても、その被検光学系120の検査を適切に行うことができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態およびその変形例を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態およびその変形例で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記実施の形態およびその変形例において、画像取込部151、ステージ制御部152および制御装置153などの各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態およびその変形例における光学検査装置などを実現するソフトウェアは、図9Aに示すステップS120〜S170の各処理、または、図9Bのフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
また、本実施の形態およびその変形例では、被検光学系を検査する光学検査方法および光学検査装置について例をあげて説明した。本開示の一態様は、その光学検査方法によって被検光学系を検査するモジュールを組み込んだ、レンズ鏡筒生産装置であってもよい。具体的には、このレンズ鏡筒生産装置は、光学検査装置を用いて計測した片ボケ、光軸ずれ、およびフランジバックに基づいて、被検光学系120と画像センサ130の相対位置を調整して固定する。
また、本実施の形態およびその変形例では、光学検査装置は、4個のミラー111を備えているが、光学検査装置に備えられるミラー111の個数は、4個に限らず、1個以上であれば、何個であってもよい。
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る光学検査装置について、実施の形態とその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態およびその変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態またはその変形例に施したものや、上記実施の形態およびその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
本開示は、撮影距離の制限を受けることなく被検光学系の光学性能を適切に検査することができるという効果を奏する。カメラ、車載カメラ、携帯電話またはスマートフォンなどに搭載されているカメラ、あるいは、ドアホンなどに搭載されているカメラなどのレンズを検査する装置などに適用可能である。
100、100A 光学検査装置
101 LED(発光体)
102 チャート
102a 模様
103 コリメータ(コリメートレンズ)
110 反射部
111 ミラー
112 ミラーホルダ
120 被検光学系
121 被検レンズ
130 画像センサ
141、141a ステージ
142、142a ステージ駆動機構
151 画像取込部
152 ステージ制御部
153 制御装置

Claims (8)

  1. 少なくとも1つのレンズを含む被検光学系を検査する光学検査装置であって、
    発光体と、
    前記発光体によって投影される模様が描かれたチャートと、
    前記チャートと前記被検光学系との間に配設されたコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズと前記被検光学系との間に配設されたミラーとを備え、
    前記発光体は、
    前記チャートに光を照射することによって、光を前記コリメートレンズに対して軸上光線として照射するとともに、前記チャートの模様を、前記コリメートレンズおよび前記被検光学系を介して、画像センサの中心部に投影し、
    前記ミラーは、
    前記軸上光線のうち、前記コリメートレンズを介して当該ミラーに照射される光を、反射することにより、前記被検光学系を介して前記画像センサの周辺部に投影する
    光学検査装置。
  2. 前記光学検査装置は、
    複数の前記ミラーを備え、
    前記複数のミラーは、前記コリメートレンズの中心軸と略同一の軸の周りに回転対称となるように配置され、前記被検光学系の検査に応じた角度だけ前記中心軸に対して傾斜している
    請求項1に記載の光学検査装置。
  3. 前記被検光学系は、前記被検光学系の光軸が前記コリメートレンズの中心軸と一致するように前記光学検査装置に配置され、
    前記被検光学系の検査に必要とされる光の入射角がθの場合、
    前記ミラーは、前記中心軸に対してθ/2だけ傾斜している
    請求項2に記載の光学検査装置。
  4. 前記チャートの模様は略円形であり、
    前記チャートにおける前記模様の周辺は黒色である
    請求項1〜3の何れか1項に記載の光学検査装置。
  5. 前記光学検査装置は、さらに、
    前記コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、
    前記画像センサは、前記ステージに配置されている
    請求項1〜4の何れか1項に記載の光学検査装置。
  6. 前記光学検査装置は、さらに、
    前記コリメートレンズの中心軸に沿って移動可能なステージを備え、
    前記チャートは、前記ステージに配置されている
    請求項1〜4の何れか1項に記載の光学検査装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の光学検査装置による検査を行って製造された前記被検光学系である
    レンズ。
  8. 少なくとも1つのレンズを含む被検光学系を検査する光学検査方法であって、
    発光体と、
    前記発光体によって投影される模様が描かれたチャートと、
    前記チャートと前記被検光学系との間に配設されたコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズと前記被検光学系との間に配設されたミラーとを用い、
    前記発光体が、
    前記チャートに光を照射することによって、光を前記コリメートレンズに対して軸上光線として照射するとともに、前記チャートの模様を、前記コリメートレンズおよび前記被検光学系を介して、画像センサの中心部に投影し、
    前記ミラーが、
    前記軸上光線のうち、前記コリメートレンズを介して当該ミラーに照射される光を、反射することにより、前記被検光学系を介して前記画像センサの周辺部に投影する
    光学検査方法。
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