JPWO2017150522A1 - リチウム二次電池用正極活物質 - Google Patents

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Abstract

一般式Li1±xCo1−x−y(式中、0.95≦1±x≦1.05、y≧0.8、1−x−y>0、Mは、Mn、Ni、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re、Ceからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せで表される、層状結晶構造を有する粒子の表面に、Al、Ti及びZrからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(「表面元素A」と称する)が存在する表面部を備えた活性粒子を含むリチウム二次電池用正極活物質であって、
XPSにより測定される、CoとMの原子比率の合計に対する、表面元素Aの原子比率の比(A/(Co+M))が0.07〜0.8、且つ、
表面リチウム不純物量が0.15wt%未満、且つ、
XRDにより測定されるピークの積分強度の比率(003)/(104)が1.15〜3.00であることを特徴とする。

Description

本発明は、リチウム二次電池の正極活物質として用いることができるリチウム二次電池用正極活物質に関する。
リチウム電池、中でもリチウム二次電池は、エネルギー密度が大きく、寿命が長いなどの特徴を有しているため、ビデオカメラ等の家電製品や、ノート型パソコン、携帯電話機等の携帯型電子機器などの電源として用いられている。最近では、該リチウム二次電池は、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などに搭載される大型電池にも応用されている。
リチウム二次電池は、充電時には正極からリチウムがイオンとして溶け出して負極へ移動して吸蔵され、放電時には逆に負極から正極へリチウムイオンが戻る構造の二次電池であり、その高いエネルギー密度は正極材料の電位に起因することが知られている。
リチウム二次電池の正極活物質としては、スピネル構造をもつリチウムマンガン酸化物(LiMn24)のほか、層状結晶構造をもつLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2などのリチウム金属複合酸化物が知られている。例えばLiCoO2は、リチウム原子層とコバルト原子層が酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を有しており、充放電容量が大きく、リチウムイオン吸蔵脱蔵の拡散性に優れているため、現在、市販されているリチウム二次電池の多くが、LiCoO2などの層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物を正極活物質として採用している。
LiCoO2やLiNiO2など、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物は、一般式LiMO2(M:遷移金属)で示される。これら層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物の結晶構造は、空間群R−3m(「−」は通常「3」の上部に付され、回反を示す。以下、同様。)に帰属し、そのLiイオン、Meイオン及び酸化物イオンは、それぞれ3aサイト、3bサイト及び6cサイトを占有する。そして、Liイオンからなる層(Li層)とMeイオンからなる層(Me層)とが、酸化物イオンからなるO層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を呈することが知られている。
このような層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物をリチウム二次電池の正極活物質として使用した場合、特に高温下で充放電すると、該リチウム金属複合酸化物と電解液とが化学反応して、正極活物質の表面に反応物が付着するなど変化するため、電池の容量や寿命特性が低下するという課題を抱えていた。
かかる課題を解決するための手段の一例として、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物の粒子表面を金属や金属酸化物で被覆することが考えられる。
例えば、特許文献1(特開2001−291518号公報)には、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物の表面に、Mg、Al、Co、K、Na、Ca、Si、Ti及びVからなる群より選択される金属の酸化物または複合金属酸化物層を含むリチウム二次電池用正極活物質が開示されている。
特許文献2(特開2005−310744号公報)には、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物の粒子粉末を、イソプロピルアルコール溶液に分散して撹拌した後、600℃で熱処理することで得られる粒子表面にアルミニウムをコーティングした正極活物質が開示されている。
特許文献3(特開2005−322616号公報)には、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物と粉末状金属アルミニウムを水に加えてスラリーにして、さらに撹拌して金属アルミニウムを溶解させた後、80℃で乾燥させることにより、得られる該複合酸化物の表面が水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及び炭酸リチウムを含む層で覆われたリチウム含有複合酸化物が開示されている。
特許文献4(特開2005−346956号公報)には、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物にステアリン酸アルミニウムを添加し、ボールミルで混合及び解砕して、600℃で熱処理することにより得られる、アルミニウム化合物が粒子表面に修飾されたリチウム含有複合酸化物が開示されている。
特許文献5(WO2007/142275号公報)には、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物粒子において、特定の表面領域に比較的高い特定の濃度のアルミニウムを含有せしめた表面修飾を施した正極活物質として、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物粒子であり、その表面層にアルミニウムが含有され、かつ該表面層5nm以内におけるアルミニウム含有量が、Niと元素Mの合計に対して、原子比率で0.8以上である表面修飾リチウム含有複合酸化物粒子からなることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質が開示されている。
特許文献6(特開2008−153017号公報)には、特定の組成を有しかつ特定の粒径と粒度分布を有するリチウム複合酸化物の表面をコーティングした正極活物質に用いる観点から、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物であって、平均粒径D50が3〜15μmで、最小粒径が0.5μm以上、最大粒径が50μm以下の粒度分布を有し、かつD10/D50が0.60〜0.90、D10/D90が0.30〜0.70である粒子からなる非水電解液二次電池用リチウム複合酸化物の表面にAなる物質(AはTi、Sn、Mg、Zr、Al、Nb及びZnからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素からなる化合物)がコーティングされた構造を有することを特徴とする非水電解液二次電池用正極活物質が開示されている。
特許文献7(特開平4−329267号公報)には、温度を約80℃とした20%NaOH水溶液中にLiCoO金属酸化物を浸漬させてアルカリ処理を行うことで、金属酸化物の表面にOH基の濃度を高めて、チタネートカップリング剤を用いて、カップリング処理をしたLiCoO金属酸化物が開示されている。
特開2001−291518号公報 特開2005−310744号公報 特開2005−322616号公報 特開2005−346956号公報 WO2007/142275号公報 特開2008−153017号公報 特開平4−329267号公報
前述のように、電解液とリチウム金属複合酸化物との反応を抑制するために、該リチウム金属複合酸化物の粒子表面を、金属や金属酸化物で被覆すると、電池のレート特性が低下してしまうという新たな課題が生じることになる。
そこで本発明は、層状結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物を含有する正極活物質に関し、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、電解液との反応を抑えて電池の寿命特性を高めることができると共に、従来提案されている表面処理をした正極活物質に比べて、レート特性を同等または若しくはそれ以上とすることができる、新たなリチウム二次電池用正極活物質を提供せんとするものである。
また、リチウムコバルト金属複合酸化物の場合、高温環境下、高電位で使用した際、サイクル評価中に容量が急劣化を起こすなど、サイクル特性にも大きな課題を抱えていることがわかった。
本発明は、一般式Li1±xCo1−x−y(式中、0.95≦1±x≦1.05、y≧0.8、1−x−y>0、Mは、Mn、Ni、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「構成元素M」と称する))で表される層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物からなる粒子の表面に、Al、Ti及びZrからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「表面元素A」と称する)が存在する表面部を備えた粒子を含むリチウム二次電池用正極活物質であって、
X線光電子分光分析法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy、以下「XPS」とも称する)により測定される、前記一般式の構成元素であるCoの原子比率とMの原子比率(構成元素Mが2種類以上の場合は原子比率の合計)の合計に対する、表面元素Aの原子比率(表面元素Aが2種類以上の場合は原子比率の合計)の比(A/(Co+M))が0.07より大きく0.8より小さく、且つ、
表面リチウム不純物量が0.15wt%未満であり、且つ、
CuKα1線を用いた粉末X線回折装置(XRD:X-Ray Diffractometer、以下「XRD」とも称する)により測定されるX線回折パターンにおいて、(104)面由来のピークの積分強度に対する(003)面由来のピークの積分強度の比率(003)/(104)が1.15より大きく、3.00より小さい、ことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質を提案する。
本発明が提案する正極活物質によれば、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、電解液との反応を抑えて高温環境下、高電位使用における寿命特性を向上させることができると共に、表面処理が施された従来の正極活物質に比べて、レート特性を同等若しくはそれ以上にすることができる。よって、本発明が提案する正極活物質は、携帯電話などの民生用途の電池や車載用の電池、特に電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)に搭載する電池の正極活物質として特に優れたものとなる。
実施例において、電池特性評価で作製した電気化学評価用セルの構成を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明が下記実施形態に限定されるものではない。
<本正極活物質>
本発明の実施形態の一例に係るリチウム二次電池用正極活物質は、一般式(1):Li1±xCo1−x−y(式中、0.95≦1±x≦1.05、y≧0.8、1−x−y>0、Mは、Mn、Ni、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「構成元素M」と称する)。)で表される、層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物からなる粒子(「本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子」と称する)の表面に、Al、Ti及びZrからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「表面元素A」と称する)が存在する表面部を備えた粒子(「本粒子」と称する)を含有するリチウム二次電池用正極活物質(「本正極活物質」と称する)である。
本正極活物質は、本粒子の他に、他の成分を含んでいてもよい。但し、本粒子の特性を効果的に得ることができる観点から、本粒子が80wt%以上、中でも90wt%以上、その中でも95wt%以上(100wt%を含む)を占めるのが好ましい。
<本粒子>
本粒子は、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子の表面に、表面元素Aを含む表面部を備えた粒子である。
本粒子は、当該表面部を備えていれば、他の層や他の部分を備えていてもよい。
(本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子)
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子は、一般式(1):Li1±xCo1−x−y(式中、0.95≦1±x≦1.05、y≧0.8、1−x−y>0、Mは、Mn、Ni、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「構成元素M」と称する)。)で表される、層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物からなる粒子である。
一般式(1):Li1±xCo1−x−yにおいて、「1±x」は、0.95〜1.05、中でも0.97以上或いは1.03以下、その中でも0.98以上1.02以下であるのが好ましい。
上記式(1)中の「M」は、Mn、Ni、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群から選択される何れか1種或いは2種以上の組合せであればよい。
上記式(1)において、y≧0.8であればよく、中でもy≧0.9、その中でもy≧0.95、さらにその中でもy≧0.97であることが望ましい。
また、上記式(1)において、1−x−yは0.25以下であり、好ましくは0.15未満、さらに好ましくは0.10未満、その中でもさらに好ましくは0.05未満が望ましい。
なお、上記一般式(1)において、酸素量の原子比は、便宜上「2」と記載しているが、多少の不定比性を有してもよい。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子は、不可避不純物を含んでいてもよい。例えば不可避不純物の元素をそれぞれ0.17wt%以下であれば含んでいてもよい。この程度の量であれば、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子の特性にほとんど影響しないと考えられるからである。
(表面部)
表面部は、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子の表面に、Al、Ti及びZrからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「表面元素A」と称する)が存在するのが好ましい。
ここで述べる表面部は、粒子内部よりも表面元素Aの濃度の濃い部分が粒子表面に存在する部分を備えていることを特徴とする。
この表面部の厚さは、電解液との反応を抑えて寿命特性を向上させると共に、レート特性を維持乃至向上させる観点から、1nm〜300nmであるのが好ましく、中でも4nm以上或いは220nm以下、さらにその中でも8nm以上或いは150nm以下であるのが好ましい。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子の表面に上記表面部が存在していれば、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、電解液との反応を抑えて寿命特性が向上すると共に、従来提案されている表面処理が施された正極活物質に比べて、レート特性を同等若しくはそれ以上にすることができる。よって、本リチウムコバルト金属複合酸化物は、リチウム二次電池の正極活物質として使用するのに好適であり、携帯電話などの民生用途の電池や車載用の電池、特に電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)に搭載する電池の正極活物質として特に優れている。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子の表面に、表面元素Aが存在する表面部が存在するか否かは、表面元素Aの濃度が、粒子内部よりも粒子表面の方が高いか否かで判断することができる。具体的には、例えば走査透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)で当該粒子を観察した際、当該粒子の表面部に表面元素Aのピークが認められるか否かによって判断することができる。
中でも、XPSにより測定される、構成元素であるCoの原子比率とMの原子比率(構成元素Mが2種類以上の場合は原子比率の合計)の合計に対する、表面元素Aの原子比率(表面元素Aが2種類以上の場合は原子比率の合計)の比(A/(Co+M))が0.07より大きく0.8より小さいことが好ましい。
当該比(A/(Co+M))が0.8より小さくなる程度に表面元素Aが存在すれば、電解液との反応を抑えて寿命特性を向上させることができる。また、従来提案されている表面処理をした正極活物質と比べて、レート特性を同等または若しくはそれ以上にすることができる。
かかる観点から、当該比(A/(Co+M))は、0.07より大きく0.8より小さいことが好ましく、中でも0.10より大きく0.6以下、その中でも0.12より大きく0.4以下、その中でもさらに0.15より大きく、0.3以下であるのが好ましい。
このように当該比(A/(Co+M))が0.07より大きく0.8より小さくなるように調整するためには、例えば、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子を表面処理する際、表面処理剤における表面元素Aの量を調整すると共に、その後の熱処理温度を調整するようにすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
<結晶構造>
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子の結晶構造に関しては、CuKα1線を用いたXRDにより測定されるX線回折パターンにおいて、(104)面由来のピークの積分強度に対する(003)面由来のピークの積分強度の比率(003)/(104)が1.15より大きいことが好ましい。
当該比率(003)/(104)が1.00に近い程、岩塩構造が占める割合が大きいことを意味している。当該比率(003)/(104)が1.15より大きければ、岩塩構造が占める割合が小さくなり、レート特性を良好にすることができることが分かった。
かかる観点から、本正極活物質に関しては、当該比率(003)/(104)が1.15より大きいのが好ましく、中でも1.20より大きいのが好ましく、その中でもさらに1.30より大きいのが好ましい。
一方、当該比率(003)/(104)が3.00よりも大きくなると、リチウムの挿入脱離による膨張収縮の異方性が大きくなるため、サイクル特性が悪化するということがわかった。
かかる観点から、本正極物質に関しては、当該比率(003)/(104)が3.00より小さいのが好ましく、中でも2.50以下、その中でもさらに2.00より小さいのが好ましく、特にその中でも1.70より小さいのが好ましい。
なお、本正極活物質に関して、当該比率(003)/(104)を1.15より大きく3.00より小さくするには、焼成条件を調整したり、表面処理における溶媒または水の量を調整したりすればよい。但し、このような方法に限定するものではない。
<表面リチウム不純物量>
本正極活物質は、表面リチウム不純物量が0.15wt%以下であるのが好ましい。
表面リチウム不純物量が0.15wt%以下であれば、未反応分の残存リチウムが電解液と反応して寿命特性の劣化を招く反応を抑制することができるので好ましい。
かかる観点から、本正極活物質の表面リチウム不純物量は0.15wt%以下であるのが好ましく、中でも0wt%より大きい、或いは0.10wt%以下であるのがさらに好ましい。
ここで、上記の表面リチウム不純物は、焼成した際に反応しないで残存するLiに由来するものと考えられる。よって、表面リチウム不純物量を上記範囲に調整するには、原料混合条件、焼成条件を調整して十分に反応させるとともに、表面処理条件、熱処理条件を調整することによって未反応分をさらに反応させるように調整すればよい。但し、それに限定するものではない。
<比表面積>
本正極活物質は、比表面積(SSA)が0.1〜2m/gであるのが好ましい。
本正極活物質の比表面積(SSA)が0.1〜2m/gであれば、Liの挿入脱離する反応場を十分に確保することができるため、レート特性を維持することができるので好ましい。
かかる観点から、本正極活物質の比表面積(SSA)は、0.1〜2m/gであるのが好ましく、中でも1.5m/g以下、その中でも1.3m/g以下、その中でもさらに1.0m/g以下であるのがさらに好ましい。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粉末の比表面積を上記範囲とするには、焼成条件や解砕条件を調整するのが好ましい。但し、これらの調整方法に限定されるものではない。
<表面LiOH量>
本正極活物質は、下記測定方法で測定されるLiOH量は、レート特性向上の観点から、0.07wt%未満、その中でも0.05wt%未満であるのが好ましい。
本正極活物質において、上記表面LiOH量を0.07wt%未満とするためには、表面処理条件、熱処理条件を調整することによって、未反応分を十分に反応させるのが好ましい。但し、これらの調整方法に限定されるものではない。
<表面LiCO量>
本正極活物質において、下記測定方法で測定されるLiCO量は、レート特性向上の観点から、0.15wt%未満、特に0.13wt%未満、その中でも0.10wt%以下であるのが好ましい。
本正極活物質において、上記LiCO量を0.15wt%未満とするためには、表面処理条件、熱処理条件を調整することによって、未反応分を十分に反応させるのが好ましい。但し、これらの調整方法に限定されるものではない。
(表面LiOH量、表面LiCO量の測定方法)
Winkler法を参考にして次の手順のとおり滴定を行う。試料10.0gをイオン交換水50mlに分散させ、15min浸漬させた後、ろ過し、ろ液を塩酸で滴定する。滴定は自動滴定装置(京都電子工業製「AT−700」)を用いて行った。pHを測定しながら、pH8.5までの滴定量とpH4.25までの滴定量をもとにして表面LiOH量と表面LiCO量を算出する。
<タップ密度>
本正極活物質のタップ密度は2.0g/cm以上であるのが好ましく、中でも2.1g/cm以上或いは3.2g/cm以下、その中でも2.2g/cm以上或いは3.1g/cm以下、さらにその中でも2.2g/cm以上或いは3.0g/cm以下であるのが特に好ましい。
このように本正極活物質のタップ密度が2.0g/cm以上であれば、電極密度を高めることができため、体積エネルギー密度を高めることができる。
本正極活物質のタップ密度を2.0g/cm以上とするには、700℃以上の高い温度で焼成したり、ホウ素化合物やフッ素化合物のように、焼成時の反応性を高める物質を添加して焼成したり、緻密な原料を使用したりして、本正極活物質を製造するのが好ましい。但し、これらの調整方法に限定されるものではない。
<用途>
本正極活物質は、例えば、カーボンブラック等からなる導電材と、テフロン(登録商標)バインダー等からなる結着剤と、を混合して正極合剤を製造することができる。この際、必要に応じて本正極活物質と他の正極活物質とを組み合わせて使用してもよい。
そして、このような正極合剤を正極に用い、例えば負極にはリチウムまたはカーボン等のリチウムを吸蔵・脱蔵できる材料を用い、非水系電解質には六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩をエチレンカーボネート−ジメチルカーボネート等の混合溶媒に溶解したものを用いて、リチウム2次電池を構成することができる。但し、このような構成の電池に限定する意味ではない。
本正極活物質を正極活物質の少なくとも一つとして備えたリチウム電池は、充放電を繰り返して使用した場合に優れた寿命特性(サイクル特性)を発揮することから、携帯電話などの民生用途の電池や電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)に搭載するモータ駆動用電源として用いるリチウム電池の正極活物質の用途に特に優れている。
なお、「ハイブリッド自動車」とは、電気モータと内燃エンジンという2つの動力源を併用した自動車である。
また、「リチウム電池」とは、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー電池など、電池内にリチウム又はリチウムイオンを含有する電池を全て包含する意である。
<製造方法>
本正極活物質の製造方法の一例として、例えば、アルミニウム、チタン及びジルコニウムのうちの少なくとも一種を含有する表面処理剤を用いて、層状結晶構造を有する上記リチウムコバルト金属複合酸化物の粒子粉末(「本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末」と称する)の表面処理(「表面処理工程」と称する)を行った後、該表面処理後の本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末を熱処理(「熱処理工程」と称する)する方法を挙げることができる。但し、このような方法に限定されるものではない。
但し、前記表面処理工程及び前記熱処理工程を備えていればよいから、他の工程をさらに備えていても構わない。例えば、前記熱処理工程後に解砕工程を挿入してもよいし、表面処理工程前に解砕工程や分級工程を挿入してもよい。また、その他の工程を追加してもよい。
また、本正極活物質の製造方法をこの方法に限定する意図ではない。
(本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末の製造方法)
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末は、原料を混合し、必要に応じて造粒、乾燥させた後、焼成、必要に応じて熱処理、さらに必要に応じて解砕して得ることができる。
但し、購入するなどして入手したリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を所定の処理を施して、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末として用いることもできる。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末の原料に用いるリチウム化合物としては、例えば水酸化リチウム(LiOH及びLiOH・H2Oを含む)、炭酸リチウム(LiCO)、硝酸リチウム(LiNO3)、酸化リチウム(Li2O)、その他脂肪酸リチウムやリチウムハロゲン化物等を挙げることができる。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末の原料に用いるコバルト化合物の種類も特に制限はなく、例えば塩基性炭酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト、オキシ水酸化コバルト、水酸化コバルト、酸化コバルトなどを用いることができ、中でも、塩基性炭酸コバルト、水酸化コバルト、酸化コバルト、オキシ水酸化コバルトが好ましい。
その他、上記式(1)中のM元素の水酸化物塩、炭酸塩、硝酸塩などを、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末の原料として用いることができる。
原料の混合方法としては、乾式混合や湿式混合で行うことができる。乾式混合としては、ボールミルや精密混合機を使って混合することができる。
湿式混合としては、水や分散剤などの液媒体を加えてスラリー化させるのが好ましい。そして、後述するスプレードライ法を採用する場合には、前述の得られたスラリーを湿式粉砕機で粉砕するのが好ましい。但し、乾式粉砕してもよい。このような原料の混合では、原料の粗粉を除いて原料混合時の均質性を高めるため、原料を混合する前に予め、原料の最大粒径(Dmax)が20μm以下、中でも10μm以下、その中でも5μm以下になるように調整するのが好ましい。
原料を混合した後、必要に応じて造粒するのが好ましい。
造粒方法は、各種原料が分離せずに造粒粒子内で分散していれば湿式でも乾式でもよく、押し出し造粒法、転動造粒法、流動造粒法、混合造粒法、噴霧乾燥造粒法、加圧成型造粒法、或いはロール等を用いたフレーク造粒法でもよい。
この際、湿式造粒した場合には、焼成前に充分に乾燥させることが必要である。この際の乾燥方法としては、噴霧熱乾燥法、熱風乾燥法、真空乾燥法、フリーズドライ法などの公知の乾燥方法によって乾燥させればよく、中でも噴霧熱乾燥法が好ましい。
噴霧熱乾燥法は、熱噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を用いて行うのが好ましい(本明細書では「スプレードライ法」と称する)。
但し、例えば所謂共沈法によって焼成に供する共沈粉を作製することも可能である(本明細書では「共沈法」と称する)。共沈法では、原料を溶液に溶解した後、pHなどの条件を調整して沈殿させることにより、共沈粉を得ることができる。
なお、スプレードライ法では、粉体強度が相対的に低く、粒子間に空隙(ボイド)が生じる傾向がある。そこで、スプレードライ法を採用する場合には、後述する焼成工程後の解砕工程において、従来の粉砕方法、例えば回転数1000rpm程度の粗粉砕機による解砕方法に比べて、解砕強度がより高い粉砕方法を採用するのが好ましい。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末を得るための焼成工程では、必要に応じて500〜870℃で仮焼成した後、700〜1000℃で本焼成するのが好ましい。当該仮焼成をせずに、700〜1000℃で本焼成することも可能である。
仮焼成によって、原料に含まれる成分から発生するガス(例えばCO)を抜くことができる。そして、本焼成では、仮焼成よりも高温で焼成することにより、粒子の結晶性を上げたり、所望する粒径に調整したりすることができる。
前記仮焼成は、焼成炉にて、大気雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、酸素分圧を調整した雰囲気下、或いは二酸化炭素ガス含有雰囲気下、或いはその他の雰囲気下において、500〜870℃の温度(:焼成炉内の焼成物に熱電対を接触させた場合の温度を意味する。)、中でも600℃以上或いは870℃以下、その中でも650℃以上或いは770℃以下で、0.5時間〜30時間保持するように焼成するのが好ましい。
焼成炉の種類は特に限定するものではない。例えばロータリーキルン、静置炉、その他の焼成炉を用いて焼成することができる。
前記本焼成は、焼成炉にて、大気雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、酸素分圧を調整した雰囲気下、或いは二酸化炭素ガス含有雰囲気下、或いはその他の雰囲気下において、700〜1000℃温度(:焼成炉内の焼成物に熱電対を接触させた場合の温度を意味する。)、好ましくは750℃以上或いは950℃以下、より好ましくは800℃以上或いは950℃以下、その中でもさらに好ましくは830℃以上或いは910℃以下で0.5時間〜30時間保持するように焼成するのが好ましい。この際、複数の金属元素を含む焼成物が、目的組成のリチウムコバルト金属複合酸化物の単一相とみなせる焼成条件を選択するのが好ましい。
焼成炉の種類は特に限定するものではない。例えばロータリーキルン、静置炉、その他の焼成炉を用いて焼成することができる。
なお、仮焼成せずに本焼成する場合には、700〜1000℃、中でも750℃以上或いは950℃以下、その中でも800℃以上或いは950℃以下、その中でもさらに830℃以上或いは910℃以下で0.5時間〜30時間保持するように本焼成するのが好ましい。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末を得るための焼成後の熱処理は、結晶構造の調整が必要な場合に行うのが好ましい。その際の熱処理雰囲気としては、大気雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、酸素分圧を調整した雰囲気下などの酸化雰囲気の条件で熱処理を行うのが好ましい。
前記焼成後、若しくは前記熱処理後の解砕は、高速回転粉砕機などを用いて解砕するのが好ましい。高速回転粉砕機によって解砕すれば、粒子どうしが凝集していたり、焼結が弱かったりする部分を解砕することができ、しかも粒子に歪みが入るのを抑えることができる。但し、高速回転粉砕機に限定する訳ではない。
当該高速回転粉砕機の一例としてピンミルを挙げることができる。ピンミルは、円盤回転型粉砕機として知られており、ピンの付いた回転盤が回転することで、内部を負圧にして原料供給口より粉を吸い込む方式の解砕機である。そのため、微細粒子は、質量が軽いため気流に乗りやすく、ピンミル内のクリアランスを通過する一方、粗大粒子は確実に解砕される。そのため、ピンミルで解砕すれば、粒子間の凝集や、弱い焼結部分を確実に解すことができると共に、粒子内に歪みが入るのを抑制することができる。
高速回転粉砕機の回転数は4000rpm以上にするのが好ましく、中でも5000rpm以上或いは12000rpm以下、その中でも7000rpm以上或いは10000rpm以下にするのがさらに好ましい。
焼成後の分級は、凝集粉の粒度分布調整とともに異物除去という技術的意義があるため、好ましい大きさの目開きの篩を選択して分級するのが好ましい。
このようにして製造される本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末は、カールフィッシャー法により110〜300℃で測定される水分量が50〜1000ppmであるのが好ましい。当該水分量が50ppm以上であれば、表面処理剤の中でも特にカップリング剤との反応を高め、表面処理効果を高めることができる。他方、水分量が1000ppm以下であれば、電池特性を同等若しくはそれ以上とすることができる点で好ましい。
かかる観点から、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末の当該水分量は50〜1000ppmであるのが好ましく、中でも50ppm以上或いは700ppm以下、その中でも50ppm以上或いは500ppm以下、その中でもさらに400ppm以下であるのがさらに好ましい。
なお、カールフィッシャー法により110〜300℃で測定される水分量とは、カールフィッシャー水分計(例えば三菱化学株式会社製CA−100)を用いて、窒素雰囲気中で110℃にした装置内で測定サンプル(試料)を45分間加熱した後に、300℃に昇温して300℃で45分間加熱した際に放出される水分量のことである。
カールフィッシャー法により110〜300℃で測定される水分は、本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末に化学的に結合している水分が主であると考えられる。
本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末の水分量を上記範囲に調整する手段としては、主として、上記のようにして製造された本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末を、乾燥させたり、除湿させたり、保管での湿度を制御したりする方法などを挙げることができる。但し、このような方法に限定するものではない。
(表面処理工程)
上記のようにして製造された本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末を表面処理する方法としては、アルミニウム、チタン及びジルコニウムのうちの少なくとも一種を含有する表面処理剤と、上記のようにして得られた本リチウムコバルト金属複合酸化物粉末とを接触させればよい。
例えば、アルミニウム、チタン及びジルコニウムのうちの少なくとも一種を含む有機金属化合物、例えばチタンカップリング剤又はアルミニウムカップリング剤又はジルコニウムカップリング剤又はチタン・アルミニウムカップリング剤又はチタン・ジルコニウムカップリング剤又はアルミニウム・ジルコニウムカップリング剤又はチタン・アルミニウム・ジルコニウムカップリング剤などの表面処理剤を、有機溶媒に分散させてディスパージョンを作り、該ディスパージョンと、上記のようにして得た本リチウムコバルト金属複合酸化物粒子粉末と、を接触させて表面処理を行う方法を挙げることができる。
前記の表面処理剤としては、有機官能基と加水分解性基を分子中に有する化合物を例示することができる。中でも、側鎖にリン(P)を有するものが好ましい。側鎖にリン(P)を有するカップリング剤は、バインダーとのなじみがより良いため、バインダーとの結着性に特に優れている。
前記表面処理工程では、リチウムコバルト金属複合酸化物粉末100wt%に対し、0.1〜20wt%相当の表面処理剤を接触させるのが好ましく、中でも0.5wt%以上或いは10wt%以下、その中でも1wt%以上或いは5wt%以下、その中でもさらに1wt%以上或いは3wt%以下の表面処理剤を、本リチウムコバルト金属複合酸化物粉末に接触させるのがさらに好ましい。
より具体的には、例えば、本リチウムコバルト金属複合酸化物粉末のモル数に対する、表面処理剤中のアルミニウム、チタン及びジルコニウムの合計モル数の割合{(M/リチウムコバルト金属複合酸化物粉末)×100(M:Al、Ti、Zr)}が0.005〜4%となるように、中でも0.04%以上或いは2%以下となるように、その中でも0.08%以上或いは1%以下となるように、その中でも特に0.08%以上或いは0.6%以下となるように、本リチウムコバルト金属複合酸化物粉末と表面処理剤とを接触させることが好ましい。
表面処理剤を有機溶媒又は水に分散させたディスパージョンの量については、本リチウムコバルト金属複合酸化物粉末100wt%に対し、0.2〜20wt%、中でも1wt%以上或いは15wt%以下、その中でも2wt%以上或いは10wt%以下の量、さらにその中でも2wt%以上或いは7wt%以下の量に調整し、この量のディスパージョンを本リチウムコバルト金属複合酸化物粉末に接触させるのが好ましい。
層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物の場合、接触させる有機溶媒又は水の量が多いと、層状結晶構造中のリチウムが溶出してしまうため、表面処理剤の量あるいは表面処理剤を有機溶媒又は水に分散させたディスパージョンの量を、上記のように制限するのが好ましい。
また、このように少量の表面処理剤あるいは表面処理剤を、有機溶媒又は水に分散させたディスパージョンを、リチウムコバルト金属複合酸化物粉末に接触させることにより、大気又は酸素と混ざりながら表面処理剤をリチウムコバルト金属複合酸化物粉末に接触させることができる。これにより、粒子表面に酸素を残存させることができるため、後の熱処理時の有機物の酸化反応で消費される酸素の供給に寄与するものと推察することができる。
この際、上記の量の表面処理剤あるいは表面処理剤を、有機溶媒に分散させたディスパージョンは一度にリチウムコバルト金属複合酸化物粉末に接触させて混合するのではなく、何回かに分けて接触させて混合する処理を繰り返すのが好ましい。
その他、表面処理剤として、無機化合物粉体を利用して乾式処理することも可能である。ただし、無機化合物粉体を使用する場合は、XPSにより測定される、構成元素であるCoの原子比率とMの原子比率(構成元素Mが2種類以上の場合は原子比率の合計)の合計に対する、表面元素Aの原子比率(表面元素Aが2種類以上の場合は原子比率の合計)の比(A/(Co+M))や、表面部の厚みなどを制御し、抵抗成分が増加しないように条件を調整するのが好ましい。
(表面部の付着処理)
上記のような表面処理剤を用いて表面処理を行う場合、有機溶媒又は水を揮発させるために、例えば40〜120℃に加熱して乾燥させた後、次工程の熱処理を施すのが好ましい。表面処理剤の種類によっては、120℃以上900℃未満で付着処理を行うのが好ましい。表面処理剤の種類によっては、付着処理と熱処理工程を同時に行うことができる。
(熱処理工程)
上記表面処理工程後の熱処理工程では、表面処理後のリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を、酸素濃度20〜100%の雰囲気下において、700℃より高く、900℃未満(:炉内の焼成物に熱電対を接触させた場合の温度、すなわち品温を意味する。)を所定時間保持するように熱処理するのが好ましい。900℃以上であると、表面処理元素が結晶構造内に拡散して、表面元素Aの原子比率(表面元素Aが2種類以上の場合は原子比率の合計)の比(A/(Co+M))が小さくなってしまうため、好ましくない。
このような熱処理により、有機溶媒又は水を揮発させたり、表面処理剤の側鎖を分解させたりすることができると共に、表面処理剤中のアルミニウム又はチタン又はジルコニウムを、表面からより深層方向に拡散させることができ、電解液との反応を抑えて寿命特性を向上させることができると共に、表面処理が施された従来の正極活物質に比べて、レート特性を同等若しくはそれ以上にすることができる。
さらに、熱処理温度は本焼成温度以下とすることで、熱処理後の解砕負荷を低減できるため、好ましい。
このような熱処理による効果をさらに高める観点から、熱処理工程における処理雰囲気は、酸素含有雰囲気とするのが好ましい。中でも、酸素濃度20〜100%の酸素含有雰囲気であるのが好ましく、中でも30%以上或いは100%以下、その中でも50%以上或いは100%以下、さらにその中でも60%以上或いは100%以下、さらにその中でも80%以上或いは100%以下である酸素含有雰囲気であるのがさらに好ましい。
また、熱処理工程における処理温度は、700℃より高く、900℃未満(:焼成炉内の焼成物に熱電対を接触させた場合の温度を意味する。)であるのが好ましく、中でも710℃以上、或いは880℃以下、その中でも850℃以下、さらにその中でも720℃以上、或いは800℃未満であるのがさらに好ましい。
さらにまた、熱処理工程における処理時間は、処理温度にもよるが、0.5〜20時間であるのが好ましく、中でも1時間以上或いは10時間以下、その中でも3時間以上或いは10時間以下であるのがさらに好ましい。
炉の種類は特に限定するものではない。例えばロータリーキルン、静置炉、その他の焼成炉を用いて焼成することができる。
(解砕)
上記熱処理工程後、リチウムコバルト金属複合酸化物粉末を解砕してもよい。
この際、解砕前後の比表面積(SSA)の変化率が100〜250%となる解砕強度で、リチウムコバルト金属複合酸化物粉末を解砕するのが好ましい。
熱処理後の解砕は、表面処理の効果を保持するように、表面処理層の下の新生面が露出し過ぎないように行うのが良いから、解砕前後の比表面積(SSA)の変化率が100〜200%であるのが好ましく、中でも175%以下、その中でも150%以下、その中でもさらに125%以下となるように解砕するのが好ましい。
このような解砕方法の好ましい一例として、相対方向に高速回転する粉砕板に取り付けられたピンにより粉砕する解砕装置(例えばピンミル)を使用することができる。
表面処理後の工程で解砕を行う場合は、表面部を削りとらないように、4000〜7000rpm、中でも6500rpm以下、その中でも6000rpm以下で解砕することが好ましい。
上記のようにした解砕後は必要に応じて分級してもよい。この際の分級は、凝集粉の粒度分布調整とともに異物除去という技術的意義があるため、好ましい大きさの目開きの篩を選択して分級するのが好ましい。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
次に、実施例及び比較例に基づいて、本発明について更に説明する。但し、本発明が以下に示す実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
炭酸リチウム、オキシ水酸化コバルト、酸化マグネシウムを、モル比でLi:Co:Mg=0.999:0.997:0.004となるように秤量した。
秤量した原料を精密混合機で混合後、混合原料を得た。得られた混合原料を、静置式電気炉を用いて、大気雰囲気下、850℃で22時間焼成した。焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、篩下のリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を回収した。
得られたリチウムコバルト金属複合酸化物粉末の、カールフィッシャー法により110〜300℃で測定される水分量は241ppmであった。
焼成して得られたリチウムコバルト金属複合酸化物粉末の化学分析を行った結果、Li:7.0%、Co:60.9%、Mg:0.1%であった。
次に、表面処理剤としてのチタニウムカップリング剤(味の素ファインテクノ株式会社 プレンアクト(登録商標)KR−46B)3.0wt%と、溶媒としてのイソプロピルアルコール7.6wt%とを混合して、溶媒中にアルミニウムカップリング剤が分散してなるディスパージョンを調製した。その後、焼成して得られたリチウムコバルト金属複合酸化物粉末100wt%に対して、前記ディスパージョン10.6wt%を添加して、カッターミル(岩谷産業株式会社製ミルサー720G)を用いて混合した。
次に、100℃で1時間真空乾燥した。その後、炭酸リチウムをアルミニウムカップリング剤に対して3.9wt%になるように添加し、カッターミルを用いて混合した。混合後、酸素濃度98%の雰囲気下で品温を730℃で5時間維持するように熱処理してリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を得た。
熱処理して得られたリチウムコバルト金属複合酸化物を目開き53μmの篩で分級して、篩下のリチウムコバルト金属複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<実施例2>
表面処理剤としてジルコニウムカップリング剤(KENRICH PETROCHMICALS,INC.Ken−React(登録商標)NZ12)を使ったことと、真空乾燥後に添加する炭酸リチウムの量を、ジルコニウムカップリング剤に対して3.0%に変更した以外、実施例1と同様にして、リチウムコバルト金属複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<実施例3>
表面処理、真空乾燥後に炭酸リチウムを添加せず、熱処理するようしたことと、熱処理温度を770℃に変更した以外、実施例2と同様にして、リチウムコバルト金属複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<比較例1>
炭酸リチウム、オキシ水酸化コバルトを、モル比でLi:Co=1.000:1.000となるように秤量した。
秤量した原料をPP容器に入れて、Zrボールを加えてボールミル混合を行い、混合原料を得た。得られた混合原料を、静置式電気炉を用いて、大気雰囲気下、850℃で22時間焼成した。焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、篩下のリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を回収した。
得られたリチウムコバルト金属酸化物粉末(サンプル)の化学分析を行った結果、Li:7.0、Co:59.4%であった。
<比較例2>
炭酸リチウム、オキシ水酸化コバルトを、モル比でLi:Co=1.002:0.998となるように秤量した。
秤量した原料をPP容器に入れて、Zrボールを加えてボールミル混合を行い、混合原料を得た。得られた混合原料を、静置式電気炉を用いて、大気雰囲気下、1000℃で22時間焼成した。焼成して得られた焼成塊を乳鉢に入れて乳棒で解砕し、目開き53μmの篩で分級し、篩下のリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を回収した。
得られたリチウムコバルト金属酸化物粉末(サンプル)の化学分析を行った結果、Li:7.1、Co:59.5%であった。
<比較例3>
比較例2で作製したリチウムコバルト金属酸化物粉末を80℃にした20%NaOH水溶液中に入れて撹拌しながらアルカリ処理を行なった。このときスラリーの濃度が33%となるようにした。アルカリ処理後、ろ過して、得られたケーキを120℃で乾燥した。乾燥後、目開き53μmの篩で分級し、篩下のリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を回収した。
<比較例4>
比較例3で作製したリチウムコバルト金属酸化物粉末に対して、表面処理剤としてチタニウムカップリング剤(味の素ファインテクノ株式会社 プレンアクト(登録商標)KR−44)0.1wt%と、溶媒としてのイソプロピルアルコール0.25wt%とを混合して、溶媒中にアルミニウムカップリング剤が分散してなるディスパージョンを調製した。その後、焼成して得られたリチウムコバルト金属複合酸化物粉末100wt%に対して、前記ディスパージョン0.35wt%を添加して、カッターミル(岩谷産業株式会社製ミルサー720G)を用いて混合した。
次に、100℃で1時間真空乾燥し、大気中で、品温を900℃で30分維持するように熱処理してリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を得た。
熱処理して得られたリチウムコバルト金属複合酸化物を目開き53μmの篩で分級して、篩下のリチウムコバルト金属複合酸化物粉末(サンプル)を得た。
<表面部の分析および表面部の厚みの測定方法>
リチウムコバルト金属複合酸化物(サンプル)の粒子表面付近の断面を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JEM−ARM200F」)で観察すると共に、エネルギー分散型X線分析(EDS:Energy dispersive X-ray spectrometry)で分析した。
この結果、上記実施例で得られた各実施例で得られたリチウムコバルト金属複合酸化物(サンプル)については、各粒子の表面にAl元素、又はTi元素、又はZr元素を多く含む層が存在していることを確認することができた。
表面部の厚みは、粒子表面部でライン分析を行い、Al元素、又はTi元素、又はZr元素のピークの両端の長さを表面部の厚みとして計測した。
<XPSによる分析>
リチウムコバルト金属複合酸化物(サンプル)をXPS(アルバック・ファイ社製「XPS Quantam2000」)により、スパッタリングしながら深さ方向の存在元素の割合を分析した。測定に使用した機器仕様・条件等は以下の通りである。
X線源:AlKα1(1486.8eV)
管電圧:15kV
管電流:3mA
X線照射面積:200μmφ
測定条件:状態・半定量用ナロー測定
パスエネルギー:23.5eV
測定間隔:0.1eV
スパッタレート:1〜10nm/min(SiO2換算)
データ解析ソフト(アルバック・ファイ社製「マルチパックVer6.1A」)を用いてXPSデータの解析を行った。元素ごとに計算に用いる軌道を決定し、感度係数を考慮して解析を実施した。
Co:2p1 感度係数1.056
Al:2p 感度係数0.256
Ti:2p 感度係数2.077
Zr:3d 感動係数2.767
この結果、上記実施例で得られた各リチウムコバルト金属複合酸化物(サンプル)については、構成元素であるCoの原子比率とMの原子比率の合計に対する、表面元素Aの原子比率の比(A/(Co+M))が0.07より大きく0.8より小さいことを確認できた。
<表面LiOH量・表面LiCO量>
Winkler法に参考にして次の手順のとおり滴定を行った。試料10.0gをイオン交換水50mlに分散させ、15min浸漬させた後、ろ過し、ろ液を塩酸で滴定する。その際、滴定は自動滴定装置(京都電子工業製「AT−700」)を用いて行った。pHを測定しながら、pH8.5までの滴定量とpH4.25までの滴定量をもとにして表面LiOH量と表面LiCO量を算出した。
<表面リチウム不純物量の算出>
前述の滴定から計算される水酸化リチウムの量と炭酸リチウムの量を足したものを表面リチウム不純物量とした。
<D50の測定>
実施例及び比較例で得られたリチウムコバルト金属複合酸化物粉末(サンプル)について、レーザー回折粒子径分布測定装置用自動試料供給機(日機装株式会社製「Microtorac SDC」)を用い、リチウムコバルト金属複合酸化物粉末(サンプル)を水溶性溶媒に投入し、40%の流速中、40Wの超音波を360秒間照射した後、日機装株式会社製レーザー回折粒度分布測定機「MT3000II」を用いて粒度分布を測定し、得られた体積基準粒度分布のチャートからD50を求めた。
なお、測定の際の水溶性溶媒は60μmのフィルターを通し、溶媒屈折率を1.33、粒子透過性条件を透過、粒子屈折率2.46、形状を非球形とし、測定レンジを0.133〜704.0μm、測定時間を30秒とし、2回測定した平均値をD50とした。
<比表面積の測定>
実施例及び比較例で得られたリチウムコバルト金属複合酸化物粉末(サンプル)の比表面積を次のようにして測定した。
先ず、サンプル(粉体)2.0gを全自動比表面積測定装置Macsorb(株式会社マウンテック製)用のガラスセル(標準セル)に秤量し、オートサンプラーにセットした。窒素ガスでガラスセル内を置換した後、前記窒素ガス雰囲気中で250℃15分間、熱処理した。その後、窒素・ヘリウム混合ガスを流しながら4分間冷却を行った。冷却後後、サンプル(粉体)をBET一点法にて測定した。
なお、冷却時及び測定時の吸着ガスは、窒素30%:ヘリウム70%の混合ガスを用いた。
<タップ密度の測定>
実施例及び比較例で得られたリチウムコバルト金属複合酸化物30gを150mlのガラス製メスシリンダーに入れ、振とう比重測定器((株)蔵持科学器械製作所製 KRS‐409)を用いてストローク60mmで350回タップした時の粉体充填密度をタップ密度として求めた。
<X線回折>
実施例および比較例で得られたリチウムコバルト金属複合酸化物についてX線回折測定を行い、得られたX線回折パターンにおいて、リガク社製統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2を用いてピーク検索を行った。データ処理は自動でバックグラウンド除去とKα2除去が行われ、空間群R−3mの結晶構造に帰属する(104)面由来のピークの積分強度に対する、(003)面由来のピークの積分強度の比率(003)/(104)を算出した。
XRD測定は、装置名「UltimaIV、(株)リガク製」を用い、下記測定条件1で測定を行って、XRDパターンを得た。測定に使用した機器仕様・条件は以下の通りである。
=XRD測定条件=
線源:CuKα(線焦点)、波長:1.541836Å
操作軸:2θ/θ、測定方法:連続、計数単位:cps
開始角度:15.0°、終了角度:120.0°、積算回数:1回
サンプリング幅:0.01°、スキャンスピード:1.0°/min
電圧:40kV、電流:40mA
発散スリット:0.2mm、発散縦制限スリット:2mm
散乱スリット:2°、受光スリット:0.15mm
オフセット角度:0°
ゴニオメーター半径:285mm、光学系:集中法
アタッチメント:ASC−48
スリット:D/teX Ultra用スリット
検出器:D/teX Ultra
インシデントモノクロ:CBO
Ni−Kβフィルター:無
回転速度:50rpm
<電池特性評価>
実施例・比較例で作製したリチウムコバルト金属複合酸化物粉末を正極活物質として用いて、2032型コイン電池、および図1に示す電気化学評価用セルTOMCEL(登録商標)を作製した。これを用いて以下に示す電池性能評価試験、レート特性評価試験、サイクル特性評価試験を行った。
(コイン電池の作製)
正極活物質として実施例及び比較例で作製したリチウムマンガン複合酸化物粉末(サンプル)を89質量部と、アセチレンブラック5質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)6質量部とを秤量して混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン(NMP)100質量部を加えて、遊星式撹拌・脱泡装置(クラボウ製 マゼルスターKK‐50S)を用いて正極合剤スラリー(固形分濃度50質量%)を調整した。
このとき、予めPVDFをNMPに溶解させておき、正極活物質及びアセチレンブラックを加えて固練りして、正極合剤スラリー(固形分濃度50質量%)を調製した。
この正極合剤スラリーを、集電体であるアルミ箔上に、塗工機を用いて搬送速度20cm/minにて塗工した後、該塗工機を使用して70℃を2分間保持するように加熱した後、120℃を2分間保持するように乾燥させて、正極合剤層を形成して正極合剤層付きアルミ箔を得た。次に、この正極合剤層付きアルミ箔を、50mm×100mmのサイズに電極を打ち抜いてからロールプレス機を使用してプレス線圧3t/cmでプレス厚密した後、13mmφに打ち抜いた。次に、真空状態において、室温から200℃まで加熱し、200℃で6時間保持するように加熱乾燥し、正極とした。
負極はφ14mm×厚み0.6mmの金属Liとし、カーボネート系の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lになるように溶解させた電解液を含浸させたセパレータを置き、2032型コイン電池を作製した。
(電池性能評価試験)
上記のようにして準備した2032型コイン電池を用いて次に記述する方法で初期活性を行った。25℃にて0.1Cで4.3Vまで定電流定電位充電した後、0.1Cで3.0Vまで定電流放電した。これを3サイクル繰り返した。なお、実際に設定した電流値は正極中の正極活物質の含有量から算出した。
(レート特性評価試験)
上記のように、放電容量を評価した後の、コイン電池を使用してレート特性評価試験を行った。25℃にて0.1Cで4.3Vまで定電流定電位充電した後、5Cで3.0Vまで定電流放電した。上記評価にて、4.3−3.0Vまでの5Cの放電容量を求めた。5Cの放電容量/0.1Cの放電容量×100を計算して、レート特性の指数とした。数値が大きいほどレート特性が向上したことを示す。
(サイクル寿命評価試験)
前述のように、放電容量を評価した後の、コイン電池を使用してサイクル寿命特性評価試験を行った。25℃の環境下にて、充放電範囲を4.3V〜3.0Vとし、充電は0.1C定電流定電位、放電は0.1C定電流で1サイクル充放電行った後、1Cにて充放電サイクルを98回行った。
99サイクル目の放電容量を、2サイクル目の放電容量で割り算して求めた数値の百分率(%)をサイクル寿命特性値として求めた。
表1には、各実施例及び比較例の寿命特性値(4.3V容量維持率@25℃)を、比較例4のサイクル寿命特性値を100とした場合の相対値として示した。
(電気化学評価用セルの作製)
正極活物質として実施例及び比較例で作製したリチウムマンガン複合酸化物粉末(サンプル)を89質量部と、アセチレンブラック5質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)6質量部とを秤量して混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン(NMP)100質量部を加えて、遊星式撹拌・脱泡装置(クラボウ製 マゼルスターKK‐50S)を用いて正極合剤スラリー(固形分濃度50質量%)を調整した。
このとき、予めPVDFをNMPに溶解させておき、正極活物質及びアセチレンブラックを加えて固練りして、正極合剤スラリー(固形分濃度50質量%)を調製した。
この正極合剤スラリーを、集電体であるアルミ箔上に、塗工機を用いて搬送速度20cm/minにて塗工した後、該塗工機を使用して70℃を2分間保持するように加熱した後、120℃を2分間保持するように乾燥させて、正極合剤層を形成して正極合剤層付きアルミ箔を得た。次に、この正極合剤層付きアルミ箔を、50mm×100mmのサイズに電極を打ち抜いてからロールプレス機を使用してプレス線圧3t/cmでプレス厚密した後、16mmφに打ち抜いた。次に、真空状態において、室温から200℃まで加熱し、200℃で6時間保持するように加熱乾燥し、正極3とした。
負極6には、φ19mm×厚み0.6mmの金属Liを用いた。
セパレータ4には、カーボネート系の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lになるように溶解させた電解液を含浸させた微孔性のポリプロピレン樹脂製のセパレータを用いた。
そして、図1に示すように、耐有機電解液性のステンレス鋼製の下ボディ1の内側中央に、前記正極合材からなる正極3を配置した。この正極3の上面にはセパレータ4を配置し、スペーサー5によりセパレータを固定した。更に、セパレータ上面には、金属Liを下面側に固定してなる負極6を配置し、負極端子を兼ねたスペーサー7を配置し、その上に上ボディ2を被せて螺子で締め付け、電池を密封して電気化学評価用セルTOMCEL(登録商標)を作製した。
(電池性能評価試験)
上記のようにして準備した電気化学評価用セルを用いて次に記述する方法で初期活性を行った。25℃にて0.1Cで4.3Vまで定電流定電位充電した後、0.1Cで3.0Vまで定電流放電した。これを3サイクル繰り返した。なお、実際に設定した電流値は正極中の正極活物質の含有量から算出した。
(高温高電位サイクル寿命評価:45℃高温サイクル特性)
上記のようにして初期活性を行った後の電気化学用セルを用いて下記に記述する方法で充放電試験し、高温サイクル寿命特性を評価した。
電池を充放電する環境温度を45℃となるようにセットした環境試験機内にセルを入れ、充放電できるように準備し、セル温度が環境温度になるように4時間静置後、充放電範囲を4.5V〜3.0Vとし、充電は0.1C定電流定電位、放電は0.1C定電流で1サイクル充放電行った後、1Cにて充放電サイクルを60回行った。
61サイクル目の放電容量を2サイクル目の放電容量で割り算して求めた数値の百分率(%)を高温サイクル寿命特性値として求めた。
表1には、各実施例及び比較例の寿命特性値(4.5V容量維持率@45℃)を、比較例4の高温サイクル寿命特性値を100とした場合の相対値として示した。
(考察)
上記の実施例・比較例並びにこれまで発明者が行ってきた試験結果から、層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物からなる粒子の表面に、Al、Ti及びZrからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せが存在する表面部を備えた活性粒子を含むリチウム二次電池用正極活物質に関し、XPSにより測定される、構成元素であるCoの原子比率とMの原子比率(構成元素Mが2種類以上の場合は原子比率の合計)の合計に対する、表面元素Aの原子比率(表面元素Aが2種類以上の場合は原子比率の合計)の比(A/(Co+M))が0.07より大きく0.8より小さければ、電解液との反応を抑えて寿命特性を向上できるとともに、従来提案されている表面処理をした正極活物質に比べて、レート特性を同等若しくはそれ以上にできることが分かった。
さらに、CuKα1線を用いた粉末X線回折装置(XRD)により測定されるX線回折パターンにおいて、(104)面由来のピークの積分強度に対する(003)面由来のピークの積分強度の比率(003)/(104)が1.15より大きく、3.00より小さければ、レート特性を良好にすることができることが分かった。
なお、上記の実施例は特定組成の層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物についての実施例であるが、上記実施例のほか本発明者が多くの試験を行った結果、一般式Li1±xCo1−x−y(式中、0.95≦1±x≦1.05、y≧0.8、1−x−y>0、Mは、Mn、Ni、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「構成元素M」と称する。)で表される、層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物からなる粒子を芯材とし、その表面に、Al、Ti及びZrからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「表面元素A」と称する)が存在する表面部を備えた粒子を含むリチウム二次電池用正極活物質においては、少なくとも、Coの原子比率とMの原子比率の合計に対する、表面元素Aの原子比率の比(A/(Co+M))が0.07より大きく0.8より小さく、且つ、表面リチウム不純物量が0.15wt%未満であり、且つ、(104)面由来のピークの積分強度に対する(003)面由来のピークの積分強度の比率(003)/(104)が1.15より大きく、3.00より小さい場合には、構成元素Mとして挙げたいずれの元素も結晶構造の安定化に寄与するため、レート特性とサイクル特性を向上できることが分かった。例えば、上記実施例は、構成元素MとしてMgを用いたものである。Coとのイオン半径との差を考慮して、使用する構成元素のモル数などを設計することで、Mn、Ni、Na、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せを用いた場合も、上記実施例と同様の効果を得ることができるものと考えることができる。

Claims (4)

  1. 一般式Li1±xCo1−x−y(式中、0.95≦1±x≦1.05、y≧0.8、1−x−y>0、Mは、Mn、Ni、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re及びCeからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「構成元素M」と称する))で表される層状結晶構造を有するリチウムコバルト金属複合酸化物からなる粒子の表面に、Al、Ti及びZrからなる群のうちの何れか1種或いは2種以上の組合せ(これを「表面元素A」と称する)が存在する表面部を備えた粒子を含むリチウム二次電池用正極活物質であって、
    X線光電子分光分析法(XPS)により測定される、前記一般式の構成元素であるCoの原子比率とMの原子比率(構成元素Mが2種類以上の場合は原子比率の合計)の合計に対する、表面元素Aの原子比率(表面元素Aが2種類以上の場合は原子比率の合計)の比(A/(Co+M))が0.07より大きく0.8より小さく、且つ、
    表面リチウム不純物量が0.15wt%未満であり、且つ、
    CuKα1線を用いた粉末X線回折装置(XRD)により測定されるX線回折パターンにおいて、(104)面由来のピークの積分強度に対する(003)面由来のピークの積分強度の比率(003)/(104)が1.15より大きく、3.00より小さい、ことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
  2. タップ密度が2.0g/cm以上であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質。
  3. 請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質を正極活物質として備えたリチウム二次電池。
  4. 請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質を正極活物質として備えたハイブリット電気自動車用または電気自動車用のリチウム二次電池。
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