JPWO2017145981A1 - 光送信器 - Google Patents

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Abstract

入れ子型MZIを用いた光変調器の自動バイアス制御回路は、ペアレントMZI制御バイアス電圧を発生するペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、タップされた光変調器からの出力光を電気信号に変換するフォトデテクタと、電気信号に含まれる第1の周波数より低速な変調成分を抑圧する低周波遮断回路と、低速な変調成分が抑圧された電気信号に基づいて、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する制御部を有する。制御部は、低速な変調成分が抑圧された電気信号の実効値又はピーク値が最小となるように、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する。

Description

本発明は、光送信器に関する。
本願は、2016年2月23日に日本へ出願された日本特願2016−032436号、および、2016年6月20日に日本へ出願された日本特願2016−122138号に対して優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
光送信器に用いる光信号を生成する手段として、CW光(連続光)の強度や光位相を変調する機能を有する光変調器が広く用いられている。光変調器は幾つかのタイプが存在するが、基本的な構成の光変調器は、CW光源からのCW光を入力する光入力端子、変調された信号を出力する光出力端子、及び、電気のデータ信号を入力するための駆動信号入力電極を有する。理想的な状態にある光変調器では、駆動信号入力電極に印加されたRF(Radio Frequency:無線周波数)の駆動信号に対応する情報を有する光強度変調信号や光位相変調信号が、光出力端子から出力される。
本願は主に、光QAM(Quadrature Amplitude Modulation)信号生成用の光送信器に関するため、以降、特に断らない限り、光変調器は、QAM信号生成用の光変調器を指すものとする。なお、光QAMは、単一の波長を持つCW光を2つに分岐し、分岐されたCW光の各々に独立に強度変調ないし位相変調を施して、In−Phase(同相)およびQuadrature−Phase(直角位相)の変調光を生成し、それらを合成することによってデータを伝達する変調方式である。
光QAM信号の生成には、マッハツェンダー型干渉計(MZI)を複数入れ子状に組み合わせた光変調器が広く用いられている。図15に、従来のQAM信号生成用光送信器を構成する光変調器及びその周辺回路の典型例を示す。
光変調器Mは、入れ子型MZIを用いた半導体光変調器である。CW光は、光変調器Mの内部において、光分岐部200により分岐され、分岐されたCW光は、In−Phase用のMZI2a及びQuadrature−Phase用のMZI2bに入力される。以下では、In−Phase用のMZI2aをIn−Phase用MZI2aとも記載し、Quadrature−Phase用のMZI2bをQuadrature−Phase用MZI2bとも記載する。In−Phase用MZI2a及びQuadrature−Phase用MZI2bの両者の出力は、光合波部201により合波され、合波された光信号が光変調器Mから出力される。In−Phase用MZI2aと、Quadrature−Phase用MZI2bと、光分岐部200と、光合波部201とによって一つのMZIが構成されるが、この干渉計をペアレントMZI20とする。
駆動信号±Vdata_aがIn−Phase用駆動アンプ3aにより生成され、第1のIn−Phase用駆動信号入力電極6a及び第2のIn−Phase用駆動信号入力電極6bを介して、In−Phase用MZI2aに印加される。同様に、駆動信号±Vdata_bがQuadrature−Phase用駆動アンプ3bにより生成され、第1のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極6c及び第2のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極6dを介して、Quadrature−Phase用MZI2bに印加される。±Vdata_a及び±Vdata_bがn値を有するRFの強度変調信号であるならば、光変調器Mから出力される変調光はn値のQAM信号となる。ただし、正しく変調を行うためには各MZIで干渉する2つの光が正しい光位相差をもつよう、各光路長を精密に調整する必要がある。この調整には通例3種類のバイアス電圧を用いるが、以下ではこれらを、In−Phase用MZI制御バイアス電圧、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧及びペアレントMZI制御バイアス電圧と呼ぶことにする。これら3種類のバイアス電圧を、例えばヒーターに印加して光導波路を熱膨張させることにより、光位相差の微調整が可能である。
In−Phase用MZI2a及びQuadrature−Phase用MZI2bにおける光位相差の調整は、各MZIがヌル点にバイアスされるように行う。すなわち、Vdata_a=Vdata_b=0である瞬間に、In−Phase用MZI2a及びQuadrature−Phase用MZI2bの光出力が消光するように光位相差を調整する。図15では、In−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7aの出力電圧は、第1のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8a及び第2のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8bを介してIn−Phase用MZI2aの光位相差を調整し、In−Phase用MZI2aをヌル点にバイアスする。また、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7bの出力電圧は、第1のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8c及び第2のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8dを介してQuadrature−Phase用MZI2bのもつ光位相差を調整し、Quadrature−Phase用MZI2bをヌル点にバイアスする。
ペアレントMZI20における光位相差の調整は、In−Phase用MZI2a及びQuadrature−Phase用MZI2bの光出力に対して加えられる光位相差θが+π/2又は−π/2となるように行う。ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108から出力されるペアレントMZI制御バイアス電圧は、ペアレントMZI制御バイアス電極101を介してペアレントMZI20の光位相差を調整する。以下では、In−Phase用MZI2aの光出力とQuadrature−Phase用MZI2bの光出力との光位相差を単に「θ」とも記載する。
現実の光変調器は、In−Phase用MZI制御バイアス電圧、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧及びペアレントMZI制御バイアス電圧の最適値は一意に定まらず、温度変動その他の理由により経時変化する。この現象をバイアスドリフトという。バイアスドリフトを放置すれば光信号が復調不可能なほどに劣化するため、インサービスでのABC(Auto Bias Control:バイアス電圧自動調整)が必須となる。また、バイアスの最適値はCW光の波長にもある程度依存するため、波長チャネルの変更時にはABCにより速やかに最適なバイアス電圧を選びなおす必要がある。
上記3種類のバイアス電圧のABCを行う手段として、非対称バイアスディザリングを用いる方法がある。非対称バイアスディザリングでは、In−Phase用MZI制御バイアス電圧及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧のみにディザリングを行うことにより、3種類全てのバイアス電圧を最適に制御できるほか、上記の光位相差θ=±π/2の符号を選択したうえでロックすることが出来るため、前置予等化や変調器内で発生するチャープの微修正を正確に行えるという大きな利点を有する(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、非対称バイアスディザリングによるABCでは、ペアレントMZI制御バイアスの誤差検出感度が他の2つのバイアスの誤差検出感度より低く、ドリフトの検出には高感度な検出回路が必要という問題があった。
また、非対称バイアスディザリング以外にも、ペアレントMZI制御バイアスのABCに関する複数の手法が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
H. Kawakami,外4名,"Auto bias control and bias hold circuit for IQ-modulator in flexible optical QAM transmitter with Nyquist filtering",Optics Express,Vol. 22, No. 23, pp. 28163-28168,2014年 Pak S. Cho,外1名,"Bias Control for Optical OFDM Transmitters",IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL. 22,NO. 14,pp. 1030-1032,2010年
一般に、非特許文献2に記載されるようなペアレントMZI制御バイアスのABCは、他の2つのバイアスのABCに比べ、非常に大きな困難を伴う。以下その理由を述べる。
図16に、従来のQAM信号生成用光送信器によるQAM信号をPD(Photodetector)で受光し、得られた光信号を電気信号に変換した結果を、シミュレーションで示す。ここでは簡単のためにQAMは4値、すなわちQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)であるとした。また光変調器は理想的な動作を行うものとし、PDはQAMのシンボルレートと同等の帯域を持つものとした。図16ではIn−Phase用MZI制御バイアス電圧及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧は最適値に調整されており、ペアレントMZI制御バイアスのみがドリフトしている状況を考える。電気信号は正負両方の値を持ちうるが、光信号の強度は常に正の値であるため、PD出力は常に単一の符号(この図では正)となる。
θが最適値π/2である場合を図16(b)に示す。コンスタレーションの外形は正方形となり、PD出力電圧の上端の包絡線は一直線となる。深いノッチと浅いノッチが生じるが、これらノッチの各々は、隣接するシンボルへの遷移又は対角位置のシンボルへの遷移によって生じる。シンボル周期よりも充分長い時間で統計処理を行うと、電圧の平均値は1.57となり、RMS(Root Mean Square;実効値)は1.65となった。
次に、ペアレントMZI制御バイアスがドリフトしてθが最適値π/2以外の値をとった場合を、図16(a)及び図16(c)に示す。コンスタレーションの外形は菱形となり、PD出力波形の包絡線は上下2つに分離する。理想的な変調器であれば包絡線の上昇と下降は等量であるため、θによらず電圧の時間平均は一定値1.57を保つ。このため、PD出力の平均値を測定してもθのモニタは出来ない。
一方、PD出力電圧の分散及び二乗平均平方根(RMS)は、θが最適値から離れると大きくなる。この性質を利用してペアレントMZI制御バイアスのドリフトをモニタすることは可能である(例えば、非特許文献2参照)。
また、PD出力電圧のピーク値も、θが最適値から離れると大きくなる。図16(b)の説明で述べたように、図16に示した時間対PD出力電圧のグラフにおいて、波形のノッチの部分はシンボル間遷移に伴って生じる。一方、ノッチに挟まれたPD出力電圧の高さはQPSKの各シンボルの光強度に応じて定まる。そして、この光強度は、コンスタレーションの原点からの距離の2乗、すなわち光電界の大きさの2乗に比例する。図16(a)では、PD出力電圧がピーク値の2.9となる時刻が、コンスタレーションにおける鋭角の部分(右上と左下)のシンボルが出現する時刻である。図16(c)でも同様に、PD出力電圧がピーク値の2.9となる時刻が、コンスタレーションの鋭角の部分(右下と左上)に対応する。PD出力電圧のピーク値がもっとも小さくなるのは、図16(b)にて示した、θ=π/2のときであり、この場合においてθは最適値となる。
しかしこれらの手法の問題点は、θが最適値から減少したときも増加したときもPD出力電圧の分散ないしRMSあるいはピーク値は増加してしまうということである。このため、ドリフトの方向を直接に判定できず、ペアレントMZI制御バイアスのABCには困難が伴う。
ペアレントMZI制御バイアスにディザリングを施すことにより、ドリフトの方向を判定することも理論的には可能ではある。図17は、従来のQAM信号生成用光送信器のペアレントMZI制御バイアス電圧にディザリングを施した場合の光QAM信号のコンスタレーション及びPD出力電圧波形を示す図である。図17(a)は、ディザリングによりθを微小に増減させた場合のコンスタレーション及びPD出力電圧のシミュレーション結果を示す。図17においても、In−Phase用MZI制御バイアス電圧及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧は最適値に調整されているものとしている。
図17(a)は、θ=0.7π/2を中心としたディザリングであるが、θを微小増加させている時間帯における平均電圧♯1も、θを微小減少させている時間帯における平均電圧♯2も共に1.57である。しかし、θを微小増加させている時間帯における電圧のRMS♯1と、θを微小減少させている時間帯における電圧のRMS♯2は各々1.72と1.89となり、差分が生じる。
図17(b)は、θ=1.3π/2を中心としてθを微小に増減させた場合を示す。θを微小増加させている時間帯における電圧のRMS♯1と、θを微小減少させている時間帯における電圧のRMS♯2は各々1.89と1.72となり、図17(a)と比べRMSの大小関係が逆転する。これは、θが最適値である±π/2でRMSが最小値となるためである。ディザ信号に同期した参照クロックを用いてRMSの変動を同期検波することにより、θが最適値より大きいか小さいかを判定し、ペアレントMZI制御バイアスに加えるべき補正量の正負を決定することも理論的には可能である。
だが前述の手法を現実に行うには、下記に述べる問題点がある。現実の光変調器では例えIn−Phase用MZI制御バイアス電圧及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧が最適であっても、光変調器出力光パワがペアレントMZI制御バイアスの影響を若干は受けることがありうる。この光パワの変動は、変調器の不完全性や半導体変調器における光導波路損失の電界依存性によって生じるものであるため、θの最適値とは無関係であり、ABCにとっては誤差要因となりえる。
図18は、図17におけるシミュレーションの条件に加えて、θが微小増加(又は減少)すると変調器損失が微小減少(又は増加)するという条件をおいた場合のシミュレーション結果を示す。図18(a)は、θ=0.7π/2を中心としたディザリングであるが、θを微小増加させている時間帯における平均電圧♯1と、θを微小減少させている時間帯における平均電圧♯2は各々1.82と1.34である。ディザリングの周期より長い時間で平均すれば、(1.82+1.34)/2=1.58であり、図17とほぼ同じ値となる。θを微小増加させている時間帯における電圧のRMS♯1と、θを微小減少させている時間帯における電圧のRMS♯2は各々1.99と1.61となる。
図18(b)は、θ=1.3π/2を中心としたディザリングであるが、θを微小増加させている時間帯における平均電圧♯1と、θを微小減少させている時間帯における平均電圧♯2は各々1.82と1.34であり、図18(a)と同様である。θを微小増加させている時間帯における電圧のRMS♯1と、θを微小減少させている時間帯における電圧のRMS♯2は各々2.18と1.47となる。図18では、図18(a)でも図18(b)でもRMS♯1>RMS♯2となり、大小関係の反転は起きない。このため、ペアレントMZI制御バイアスを正しく制御することが出来ないという問題が生じる。
上記の問題以外にも、図17に示した手法を現実に行う際には、ABC用のPDの帯域制限もまた問題となる。図16〜図18では、説明を容易にするために、PDの帯域をシンボルレートと同等とした。しかしながら、高帯域なPDは高価格であるため、光変調器に内蔵されているモニタ用PDは一般にシンボルレートに比べはるかに低帯域であり、PD出力電圧の分散ないしRMSの測定は、PD出力電圧の平均値の測定に比べ困難である。特に、ナイキストフィルタ付与の多値光QAM信号のように、駆動波形が複雑でアナログライクである場合は、θが最適であってもPD出力波形はアナログライクとなり、PD出力電圧の分散ないしRMSのθ依存性が小さくなるため、ペアレントMZI制御バイアスのドリフト検出は更に困難となる。
上記事情に鑑み、本発明は、複数のMZIを有するQAM信号生成用の光変調器において、ペアレントMZI制御バイアス電圧を従来よりも精度よく、正確に制御する光送信器を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、光変調器と自動バイアス制御回路とを有する光送信器であって、前記光変調器は、同相用のマッハツェンダー型干渉計である同相用MZIと直角位相用のマッハツェンダー型干渉計である直角位相用MZIとを有するマッハツェンダー型干渉計であるペアレントMZIと、連続光を分岐して、分岐された連続光を前記同相用MZI及び前記直角位相用MZIに入力する光入力端子と、前記同相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される同相用駆動信号入力電極と、前記直角位相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される直角位相用駆動信号入力電極と、前記同相用MZIから出力された光と、前記直角位相用MZIから出力された光とを合波して、合波された光を出力する光出力端子と、前記同相用MZIから出力された前記光と前記直角位相用MZIから出力された前記光の光位相差を調整するペアレントMZI制御バイアス電圧が印加されるペアレントMZI制御バイアス電極とを有し、前記同相用MZIは、前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第1の分岐部と、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第1の合波部とを有し、前記直角位相用MZIは、前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第2の分岐部と、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第2の合波部とを有し、前記自動バイアス制御回路は、前記ペアレントMZI制御バイアス電極に印加される前記ペアレントMZI制御バイアス電圧を発生するペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、タップされた前記光変調器からの出力光を電気信号に変換するフォトデテクタと、前記フォトデテクタにより変換された前記電気信号に含まれる第1の周波数より低速な変調成分を抑圧する低周波遮断回路と、前記低周波遮断回路により低速な変調成分が抑圧された電気信号に基づいて、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する制御部とを有し、前記制御部は、低速な変調成分が抑圧された前記電気信号の電圧の実効値又はピーク値が最小となるように前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する。
本発明の一態様は、光変調器と自動バイアス制御回路とを有する光送信器であって、前記光変調器は、同相用のマッハツェンダー型干渉計である同相用MZIと直角位相用のマッハツェンダー型干渉計である直角位相用MZIとを有するマッハツェンダー型干渉計であるペアレントMZIと、連続光を分岐して、分岐された連続光を前記同相用MZI及び前記直角位相用MZIに入力する光入力端子と、前記同相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される同相用駆動信号入力電極と、前記直角位相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される直角位相用駆動信号入力電極と、前記同相用MZIから出力された光と、前記直角位相用MZIから出力された光とを合波して、合波された光を出力する光出力端子と、前記同相用MZIから出力された前記光と前記直角位相用MZIから出力された前記光の光位相差を調整するペアレントMZI制御バイアス電圧が印加されるペアレントMZI制御バイアス電極とを有し、前記同相用MZIは、前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第1の分岐部と、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第1の合波部とを有し、前記直角位相用MZIは、前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第2の分岐部と、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第2の合波部とを有し、前記自動バイアス制御回路は、前記ペアレントMZI制御バイアス電極に印加される前記ペアレントMZI制御バイアス電圧を発生するペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、タップされた前記光変調器からの出力光を電気信号に変換するフォトデテクタと、前記電気信号に対して所定のしきい値でクリッピングを行うクリッパ回路と、前記クリッパ回路によりクリッピングされた前記電気信号に基づいて、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器にフィードバック制御を行う制御部とを有し、前記制御部は、クリッピングされた前記電気信号の電圧の平均値、実効値又はピーク値が最小となるように前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記自動バイアス制御回路は、前記フォトデテクタにより変換された前記電気信号に含まれる第1の周波数より低速な変調成分を抑圧し、前記低速な変調成分が抑圧された電気信号を前記クリッパ回路に出力する低周波遮断回路をさらに有する。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記低周波遮断回路は、応答速度が前記第1の周波数以下の利得調整回路を有する増幅器で構成される。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記低周波遮断回路は、前記光送信器が有する周辺回路が発するランダム雑音又は前記光入力端子に入力される前記連続光のもつランダム雑音の少なくとも一部を遮断する。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記自動バイアス制御回路は、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧に、前記第1の周波数よりも低周波の第2の周波数のディザリングを加える第1のディザリング印加部と、前記低周波遮断回路により低速な変調成分が抑圧された前記電気信号を前記第2の周波数で同期検波する同期検波部とを有し、前記制御部は、前記同期検波の結果が0となるよう前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する処理を行う。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記制御部は、前記同期検波の結果に所定のオフセット値を加えた結果が0となるように前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御し、前記オフセット値は、前記光変調器からの前記出力光の強度を測定する光パワモニタの誤差によって定まる。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記自動バイアス制御回路は、前記クリッパ回路のクリッピングの前記しきい値に第3の周波数のディザリングを加える第2のディザリング印加部と、前記クリッパ回路の出力を前記第3の周波数で同期検波する同期検波部とを有し、前記制御部は、前記同期検波の結果を参照して前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する処理を行う。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記制御部は、前記同期検波の結果に所定のオフセット値を加えた結果を参照して前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御し、前記オフセット値は、前記光変調器からの出力光の強度を測定する光パワモニタの誤差によって定まる。
本発明の一態様は、前記光変調器は、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する同相用MZI制御バイアス電圧が印加される同相用MZI制御バイアス電極と、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する直角位相用MZI制御バイアス電圧が印加される直角位相用MZI制御バイアス電極とをさらに有し、前記第1の合波部は、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記同相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、前記第2の合波部は、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記直角位相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、前記自動バイアス制御回路は、前記同相用MZI制御バイアス電極に印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧又は前記直角位相用MZI制御バイアス電極に印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧の少なくとも片方に第4の周波数のディザリングを加える第3のディザリング印加部を有し、前記第4の周波数、又は、前記第4の周波数の倍の周波数は、前記第1の周波数よりも高周波である。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記光送信器の立ち上げシーケンスにおける前記ディザリングの振幅を運用期間中における前記ディザリングの振幅よりも大きくする。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記クリッパ回路は、前記しきい値に達しない信号を前記しきい値に切り上げて前記クリッピングを行う。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記光変調器は、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する同相用MZI制御バイアス電圧が印加される同相用MZI制御バイアス電極と、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する直角位相用MZI制御バイアス電圧が印加される直角位相用MZI制御バイアス電極とをさらに有し、前記第1の合波部は、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記同相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、前記第2の合波部は、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記直角位相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、前記制御部は、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧の制御を開始するに先立ち、前記同相用MZI制御バイアス電極に印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧及び前記直角位相用MZI制御バイアス電極に印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧の両方又は一方を調整する。
本発明の一態様は、光変調器と自動バイアス制御回路とを有する光送信器であって、前記光変調器は、同相用のマッハツェンダー型干渉計である同相用MZIと直角位相用のマッハツェンダー型干渉計である直角位相用MZIとを有するマッハツェンダー型干渉計であるペアレントMZIと、連続光を分岐して、分岐された連続光を前記同相用MZI及び前記直角位相用MZIに入力する光入力端子と、前記同相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される同相用駆動信号入力電極と、前記直角位相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される直角位相用駆動信号入力電極と、前記同相用MZIから出力された光と、前記直角位相用MZIから出力された光とを合波して、合波された光を出力する光出力端子と、前記同相用MZIから出力された前記光と前記直角位相用MZIから出力された前記光の光位相差を調整するペアレントMZI制御バイアス電圧が印加されるペアレントMZI制御バイアス電極とを有し、前記同相用MZIは、前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第1の分岐部と、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第1の合波部とを有し、前記直角位相用MZIは、前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第2の分岐部と、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第2の合波部とを有し、前記自動バイアス制御回路は、前記ペアレントMZI制御バイアス電極に印加される前記ペアレントMZI制御バイアス電圧を発生するペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、タップされた前記光変調器からの出力光の強度に対応する電圧を発生するフォトデテクタと、前記フォトデテクタが発生させた前記電圧の値と所定のしきい値とを比較し、前記しきい値より大きな前記電圧又は前記しきい値より小さな前記電圧を選択する識別回路と、前記識別回路によって選択された前記電圧のデータを用いて演算処理する演算回路と、前記演算処理の結果に基づいて、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器にフィードバック制御を行う制御部とを有する。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記演算回路は、選択された前記電圧の時間平均値、選択された前記電圧の積算値、又は、選択された前記電圧の二乗平均平方根を前記演算処理において演算する。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記演算回路は、前記識別回路により前記電圧が選択される頻度を前記演算処理において演算する。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記識別回路は、N種類(Nは自然数)の前記しきい値それぞれに基づいて前記フォトデテクタから出力された前記電圧を選択し、前記演算回路は、前記識別回路により選択されたN種類の前記電圧のデータそれぞれに対して前記演算処理を行う。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記識別回路は、2種類の前記しきい値で上限および下限が定まるよう前記フォトデテクタから出力された前記電圧を選択し、前記演算回路は、前記識別回路により選択された前記電圧のデータに対して前記演算処理を行う。
本発明の一態様は、上述の光送信器において、前記制御部は、前記識別回路により前記電圧が選択される頻度が予め定められた頻度より小さい場合は、前記しきい値を前記フォトデテクタが発生させた前記電圧の時間平均値に近づける。
本発明により、複数のMZIからなるQAM信号生成用の光変調器において、ペアレントMZI制御バイアス電圧を従来技術よりも精度よく、正確に制御できるバイアス電圧自動調整が実現可能となる。
本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。 第1の実施形態の作用を示す図である。 第2の実施形態の構成を示す図である。 第2の実施形態の作用を示す図である。 第4の実施形態の構成を示す図である。 第4の実施形態のクリッパ回路の出力を模式的に示す図である。 第5の実施形態の作用を示す図である。 第6の実施形態の構成を示す図である。 第7の実施形態の構成を示す図である。 第8の実施形態の構成を示す図である。 第10の実施形態の構成を示す図である。 光位相差の変化と各シンボルの光強度との関係を示す図である。 光位相差の変化と各シンボルの光強度との関係を示す図である。 第10の実施形態の光位相差の変化に応じた光強度の変化としきい値との関係を示す図である。 第11の実施形態の構成を示す図である。 従来のQAM信号生成用光送信器の典型的な構成を示す図である。 従来のQAM信号生成用光送信器による光QAM信号のコンスタレーション及びPD出力電圧波形を示す図である。 従来のQAM信号生成用光送信器のペアレントMZI制御バイアス電圧にディザリングを施した場合の光QAM信号のコンスタレーション及びPD出力電圧波形を示す図である。 理想的ではない光変調器を用いた従来のQAM信号生成用光送信器のペアレントMZI制御バイアス電圧にディザリングを施した場合の光QAM信号のコンスタレーション及びPD出力電圧波形を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態における光送信器を説明する。
以下に説明する各実施形態において、図15に示した光送信器の構成要素又は他の実施形態における構成要素と同じ構成要素に対しては同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における光送信器1の構成例を示す図である。第1の実施形態における光送信器1は、図15に示すQAM(Quadrature Amplitude Modulation)信号生成用の光変調器Mと、In−Phase(同相)用MZI(マッハツェンダー型干渉計)制御バイアス電圧発生器7aと、Quadrature−Phase(直角位相)用MZI制御バイアス電圧発生器7bとを有し、更にABC(バイアス電圧自動調整)回路30を有する。ABC回路30は、図15におけるペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108を有し、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108を制御する。
光変調器Mは、入れ子型MZIを用いた半導体光変調器であり、ペアレントMZI20と、第1のIn−Phase用駆動信号入力電極6aと、第2のIn−Phase用駆動信号入力電極6bと、第1のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極6cと、第2のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極6dと、第1のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8aと、第2のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8bと、第1のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8cと、第2のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8dと、ペアレントMZI制御バイアス電極101を有する。ペアレントMZI20は、光分岐部200(光入力端子)と、In−Phase用MZI2aと、Quadrature−Phase用MZI2bと、光合波部201(光出力端子)とを有する。
光分岐部200は、CW光を入力する。光分岐部200は、入力されたCW光を分岐し、分岐されたCW光をIn−Phase用MZI2a及びQuadrature−Phase用MZI2bに出力する。
In−Phase用MZI2aの分岐部21a(第1の分岐部)は、光分岐部200から入力したCW光を2つのブランチに分岐する。第1のIn−Phase用駆動信号入力電極6a及び第2のIn−Phase用駆動信号入力電極6bはそれぞれ、In−Phase用駆動アンプ3aが生成した駆動信号±Vdata_aをIn−Phase用MZI2aの各ブランチの光信号に印加する。第1のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8a及び第2のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8bはそれぞれ、In−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7aからの出力電圧により、In−Phase用MZI2aの2つのブランチの光信号の光位相差を調整し、In−Phase用MZI2aをヌル点にバイアスする。In−Phase用MZI2aの合波部22a(第1の合波部)は、光位相差が調整された2つのブランチの光信号を合波し、合波された光信号を光合波部201に出力する。
Quadrature−Phase用MZI2bの分岐部21b(第2の分岐部)は、光分岐部200から入力したCW光を2つのブランチに分岐する。第1のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極6c及び第2のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極6dはそれぞれ、Quadrature−Phase用駆動アンプ3bが生成した駆動信号±Vdata_bをQuadrature−Phase用MZI2bの各ブランチの光信号に印加する。第1のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8c及び第2のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8dは、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7bの出力電圧により、Quadrature−Phase用MZI2bの2つのブランチの光信号の光位相差を調整し、Quadrature−Phase用MZI2bをヌル点にバイアスする。Quadrature−Phase用MZI2bの合波部22b(第2の合波部)は、光位相差が調整された2つのブランチの光信号を合波し、合波された光信号を光合波部201に出力する。
光合波部201は、In−Phase用MZI2aから出力される光信号及びQuadrature−Phase用MZI2bから出力される光信号を入力して合波し、合波された光信号を光変調器Mから出力する。
実際の光送信器においては、In−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7a及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7bを制御するためのABC回路も必要であるが、本実施形態における図面では割愛する。これら2種類のバイアスを制御するためのABC回路は、後述する第8の実施形態において説明するように、例えば非特許文献1に記載の公知の技術で実現することが可能である。
前述のとおり、In−Phase用MZI制御バイアス及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアスの最適化は、ペアレントMZI制御バイアス電圧の最適化に比べ容易であるため、ペアレントMZI制御バイアス電圧の制御の前段階でIn−Phase用MZI制御バイアス及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアスを最適化しておくことが望ましい。そこで、後述するABC回路30のコントローラ307は、ペアレントMZI制御バイアス電圧の制御を開始するに先立ち、第1のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8a及び第2のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8bのそれぞれに印加されるIn−Phase用MZI制御バイアス電圧と、第1のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8c及び第2のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8dのそれぞれに印加されるQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧との両方(又は少なくとも一方)を調整する。この前処理により、ペアレントMZI制御バイアス電圧の収束速度を上げることが可能となる。
ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108を制御するためのABC回路30は、光タップ300と、フォトデテクタ301と、ハイパスフィルタ(HPF)302と、RMSモニタ303と、ディザリング部304と、ディザリング印加部305と、同期検波回路306と、コントローラ307(制御部)とを備えて構成される。
光タップ300は、光変調器Mから出力された光信号を分岐し、分岐された光信号をフォトデテクタ301に出力する。フォトデテクタ301は、光タップ300が出力した光信号を入力する。フォトデテクタ301は、入力した光信号を電気信号に変換し、変換された電気信号をHPF302に出力する。ここで、図16(b)に関する説明で述べたように、フォトデテクタ301から出力された電気信号は、シンボル間遷移に応じて大小のノッチを有している。HPF302は、フォトデテクタ301が出力した電気信号を入力し、遮断周波数fcよりも低速な変調成分を抑圧し、得られた電気信号をRMSモニタ303に出力する。RMSモニタ303は、HPF302が出力した電気信号を入力し、RMSの変化を検出した後、測定結果の情報(data)を同期検波回路306に出力する。
ディザリング部304及びディザリング印加部305は、ペアレントMZI制御バイアス電圧に周波数fdのディザリングを加える。ここでfc>fdとする。同期検波回路306は、ディザリング部304から出力される参照クロック(clk)とRMSモニタ303による測定結果を元にフォトデテクタ301で変換された電気信号の同期検波を行う。コントローラ307は、同期検波回路306から出力される同期検波結果をもとにペアレントMZI制御バイアス電圧が最適であるか否かを判定し、ペアレントMZI制御バイアス電圧が最適でない場合にはペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108の出力を修正することによりABCを行う。
図2は、HPF302及びRMSモニタ303の作用をシミュレーションで示した図である。シミュレーションの条件は図18と同様である。すなわち、QAMは4値のQPSKであり、ペアレントMZI制御バイアス電圧にディザリングを施した。光変調器は理想的ではないものとし、PD(Photodetector)はQAMのシンボルレートと同等の帯域を持つものとした。また、θが微小増加(又は減少)すると変調器損失が微小減少(又は増加)する条件とした。θは、In−Phase用MZI2aの光出力とQuadrature−Phase用MZI2bの光出力との光位相差である。
本実施形態ではペアレントMZI制御バイアス電圧に周波数fdのディザリングが加わっているため、θも周波数fdで微小な増減を繰り返す。図2や図18では、理解を容易にするためにθの増減を大きめにしてシミュレーションと作図を行っているが、ABC回路30をインサービスで動かす場合においては、QAM信号の信号品質劣化が生じない程度のディザ振幅に抑える必要がある。ただし、光送信器1のスタートアップ期間のみはディザ振幅を大きめにとり、誤差検出感度を向上させて速やかに各バイアスを最適値に収束させる構成としてもよい。このように、ディザリングの振幅は、光送信器1の立ち上げシーケンスにおいて大きく、運用期間中において小さくしてもよい。
図2及び図18では理想的ではない光変調器を仮定しているため、図18にて既に説明したように、θが微小に増加している時間領域でのフォトデテクタ301の出力電圧の平均値(図18に示した平均電圧#1)と、θが微小に減少している時間領域でのフォトデテクタ301の出力電圧の平均値(図18に示した平均電圧#2)とは異なる。しかし、HPF302はfc以下の周波数成分を遮断するため、図2に示すように、HPF302出力での平均電圧#1と平均電圧#2の値は殆ど0になる。だが、θが微小に増加している時間領域でのHPF302の出力電圧のRMS(RMS#1)と、θが微小に減少している時間領域でのHPF302の出力電圧のRMS(RMS#2)とは同一ではない。θの平均値が0.7×π/2である場合にはRMS♯1<RMS♯2であるが、θの平均値が1.3×π/2である場合にはRMS♯1>RMS♯2となる。図17に示した理想的な光変調器を用いた場合と同様に、θが最適値より大きいか小さいかによって、RMS♯1とRMS♯2との大小関係が逆転する。θが最適値であればRMS♯1及びRMS♯2はともに最小値となる。
RMSの変化はRMSモニタ303によって検出され、検出結果は同期検波回路306で同期検波され、RMSの変化とディザリング信号fdが同相であるか逆相であるかが判定される。θが最適値であれば同期検波結果は0となる。コントローラ307は、この同期検波結果をペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108にフィードバックし、ペアレントMZI制御バイアス電圧及びθを最適値に保つ。
このように、ABC回路30は、ペアレントMZI制御バイアス電圧に、周波数fcよりも低周波の周波数fdのディザリングを加える処理と、HPF302からの出力信号を周波数fdで同期検波し、同期検波結果が0(又は0に近い値)となるようペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108を制御する処理とを行う。
なんらかの理由でディザリング又は同期検波が困難な場合は、コントローラ307は、ペアレントMZI制御バイアス電圧を微小変更しつつ山登り法を行ってRMSが最小となるよう制御を行ってもよい。このとき、コントローラ307は、RMSの統計処理を1/fcよりも長い時間範囲で行うのが望ましい。これは、コントローラ307への入力時の信号においては、HPF302により、0〜fcの周波数成分を持つランダム雑音が抑圧されているためである。
<第2の実施形態>
図2に示したHPF出力電圧の波形に着目し、上端の包絡線と下端の包絡線を描くと、周波数fdで変動していることが分る。ただし上端の包絡線と下端の包絡線とは逆相であるため、HPF出力には周波数fdの強度変調成分は存在しない。第2の実施形態では、片方の包絡線を選択的に取り出すことにより、θが最適値であるか否かを判定する。
図3は、第2の実施形態における光送信器1aの構成例を示す図である。第2の実施形態の光送信器1aが図1に示す第1の実施形態の光送信器1と異なる点は、ABC回路30に代えて、ABC回路31を備える点である。ABC回路31がABC回路30と異なる点は、第1の実施形態におけるRMSモニタ303に代えて、DC電源308と、電圧加算器309と、クリッパ回路310と、平滑化回路311とを備える点である。
DC電源308は電圧加算器309を介して、HPF302の出力にDC電圧V1を加算する。HPF302の出力は一般に正負にまたがるが、小型光送信器では電源供給に制約が伴うことが多いため、アクティブ回路については入出力電圧を正又は負のどちらかに限定した方が、回路構成が容易になることがある。このような場合は、HPF302をパッシブ回路で構成し、DC電圧V1を適切に選ぶことにより、電圧加算器309の出力を正又は負のどちらかに限定することが出来る。
電圧加算器309の出力はクリッパ回路310に入力される。クリッパ回路310は、DC電源308から出力される電圧V2を参照して、電圧加算器309の出力に対して電圧V2をしきい値としたクリッピング処理を施す。ここで、電圧V2はDC電圧V1と概ね同じ値とするが、必ずしもDC電圧V1と同一でなくてもよく、誤差検出感度が最も高くなるように電圧V2の値を選択する。
ここで、クリッピング処理には2つの選択肢がある。すなわち、これら2つのクリッピング処理は、電圧V2以上の電圧を電圧V2にクリップする処理と、電圧V2以下の電圧を電圧V2にクリップする処理である。光QAM信号の強度波形は、図16などに示したように、シンボル間の遷移時にノッチが生じ、このノッチはθの大小に関わらず発生するため、精度のよいABCの実現のためにはノッチを抑圧した方がよい。このため、フォトデテクタ301から出力される電圧V2以下の電圧を電圧V2にクリップする処理をとることが望ましい。
図4は、V1=V2=0とした場合の、クリッパ回路310の出力波形の作用をシミュレーションで示した図である。シミュレーションの条件は図2及び図18と同様である。θが微小に増加している時間領域でのクリッパ回路310出力電圧の平均値(平均電圧#1)と、θが微小に減少している時間領域でのクリッパ回路310出力の出力電圧の平均値(平均電圧#2)とは異なる値を持つ。同様に、θが微小に増加している時間領域でのクリッパ回路310出力電圧のRMS(RMS#1)と、θが微小に減少している時間領域でのクリッパ回路310の出力電圧のRMS(RMS#2)とは異なる値を持つ。θが最適値π/2より小さいときに平均電圧#1<平均電圧#2、RMS#1<RMS#2であるが、θが最適値π/2より大きいときには平均電圧#1>平均電圧#2、RMS#1>RMS#2となって、大小関係が逆転する。第1の実施形態と同様にして、RMSの変化を同期検波してθが最適値より大きいか小さいかを判定することは可能であるが、第2の実施形態では、平均電圧の変化を同期検波してθが最適値より大きいか小さいかを判定することも出来る。前述したように、RMSの変化を検出するためにはABC回路31の帯域を高く取る必要があるが、平均電圧の変化の検出であれば、帯域への要求が緩和されるため、平均電圧の変化を同期検波することがより望ましい。
クリッパ回路310の出力波形は、平滑化回路311によってfdより充分高い周波数成分が平滑化される。平滑化回路311は遮断周波数がfdより充分大きなローパスフィルタで構成可能である。ローパスフィルタに代えて透過帯域fdのバンドパスフィルタを用いてもよい。平滑化回路311の出力は、第1の実施形態と同様に同期検波回路306によって同期検波され、コントローラ307によりθが最適値より大きいか小さいかが判定される。θが最適値であれば同期検波結果は0となる。コントローラ307はこの結果をペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108にフィードバックし、ペアレントMZI制御バイアス電圧及びθを最適値に保つ。
この実施形態でも、なんらかの理由でディザリング又は同期検波が困難な場合は、ペアレントMZI制御バイアス電圧を微小変更しつつ山登り法を行って平均電圧又はRMSが最小となるよう制御を行ってもよい。このときもまた、コントローラ307は、平均電圧又はRMSの統計処理を1/fcよりも長い時間範囲で行うのが望ましい。
<第3の実施形態>
第1及び第2の実施形態では、HPF302の遮断周波数fcをディザリングの周波数fdより高くとった。ここで、fd成分だけでなく、HPF302が、光送信器1又は光送信器1a内のランダム雑音を抑圧するようにfcを設定してもよい。このような場合は、In−Phase用駆動アンプ3aやQuadrature−Phase用駆動アンプ3b、あるいは電源系の揺らぎなど電気回路系のランダム雑音や、CW光源の強度変調雑音などに由来する雑音スペクトルの全て、又は一部がHPF302によって遮断されるようにfcを設定する。
<第4の実施形態>
図5は、第4の実施形態における光送信器1bの構成例を示す図である。第4の実施形態の光送信器1bが図3に示す第2の実施形態の光送信器1aと異なる点は、ABC回路31に代えて、ABC回路32を備える点である。ABC回路32が、第2の実施形態のABC回路31と異なる点は、ペアレントMZI制御バイアス電圧に周波数fdのディザリングを加えるディザリング部304及びディザリング印加部305に代えて、DC電源308から出力される電圧V2に周波数fdのディザリングを加えるディザリング部304b及びディザリング印加部305bを備える点である。ディザリング部304bは、参照クロック(clk)を同期検波回路306に出力し、かつ、ディザリング印加部305bを介してクリッパ回路310のクリッピングのしきい値に周波数fdのディザリングを加える。クリッパ回路310の出力は平滑化回路311によって平滑化され、周波数fdの周期信号が得られる。平滑化回路311の出力は同期検波回路306によって同期検波される。コントローラ307は、同期検波結果をペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108にフィードバックし、ペアレントMZI制御バイアス電圧及びθを最適値に保つ。
図6は、第4の実施形態におけるクリッパ回路310の出力を模式的に示す図である。ここでは、ディザリングによりクリッパ回路310のクリッピングしきい値は2つの値th1とth2を周波数fdで繰り返すものとしている。また、QAM信号は4値、すなわちQPSK信号であるものとする。
図6(a)に示すように、ペアレントMZI制御バイアス電圧及びθが最適であるとき、QPSKのもつ4つのシンボルA、B、C、Dはそれぞれ、同一の光パワPa、Pb、Pc、Pdを持つ。図6では、クリッパ回路310のしきい値th1とth2は、th1>Pa,Pb,Pc,Pd≧th2の関係をみたしているが、かならずしもこの関係である必要はない。また、クリッピングのしきい値が正弦波状に変動してもよい。
図6(b)に示すように、ペアレントMZI制御バイアス電圧及びθが離調し始めると、シンボルBとシンボルDの光パワPb、Pdは下降するが、クリッパ回路310の出力はth2より下には落ちない。一方、シンボルAとシンボルCの光パワPa、Pcは上昇するため、しきい値がth2の期間における平均電圧は上昇する。図6(c)に示すように、ペアレントMZI制御バイアス電圧及びθが更に離調すると、光パワPa、Pcがth1を越えるため、クリッパ回路310の出力の最大電圧は一定に揃う。
クリッパ回路310の出力を平滑化回路311に通すと、周波数fdの周期信号が得られるが、その振幅はペアレントMZI制御バイアス電圧及びθが最適であるときに最大となる。ただし、クリッパ回路310の出力電圧を1/fdより長い時間で平均した平均値は、ペアレントMZI制御バイアス電圧及びθが最適であるときに最小となっている。
平滑化回路311の出力は同期検波回路306によって同期検波される。本実施形態では、同期検波結果はペアレントMZI制御バイアス電圧及びθが最適であるときに、絶対値が最大となる。同期検波結果の符号は同期検波回路306が受け取る参照クロックとディザリング印加部305bが印加するディザリングの位相差に依存するが、正負どちらの符号となるかは回路設計時に定まるので、θを最適とするにあたっての同期検波結果の目標値を定めることが出来る。
コントローラ307は、同期検波結果が上記の目標値となるようにペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108を制御する。本実施形態では、ペアレントMZI制御バイアス電圧が過大であるか不足しているかの判定が直接にはできない。そのため、コントローラ307は、ペアレントMZI制御バイアス電圧の微小変更と同期検波結果の取得を交互に繰り返しつつ山登り法を行って同期検波結果が上記の目標値に近づくようペアレントMZI制御バイアス電圧を選択する制御を行ってもよい。
平滑化回路311は遮断周波数がfdより充分大きなローパスフィルタで構成可能である。ローパスフィルタに代えて透過帯域fdのバンドパスフィルタを用いてもよい。
本実施形態では、ペアレントMZI制御バイアス電圧には周波数fdのディザリングが加わっていないため、理想的ではない光変調器であっても、フォトデテクタ301の出力には周波数fdの強度変調成分は発生しない。このため、図18に示したような同期検波結果に対する悪影響は発生しない。
また本実施形態では、ディザリングがHPF302の後段で行われるため、HPF302の遮断周波数fcをディザリングの周波数fdより高くとる必要はないが、HPF302が、光送信器1b内のランダム雑音を抑圧するようにfcを設定してもよい。あるいは、HPF302および電圧加算器309に代えて、1/fdよりも長い時間範囲で平均した平均電圧が常に一定に保たれるような利得制御アンプをクリッパ回路310の入力側に配置してもよい。
<第5の実施形態>
第2の実施形態では、理想的ではない光変調器を想定し、変調器挿入損失の変動を抑える為、HPF302及びクリッパ回路310を併用した。しかし、変調器の応答が充分に理想的であり、図17に示したようなPD出力電圧が得られるならば、第2の実施形態からHPF302を省いてもよい。
図7は、第2の実施形態からHPF302を省き、V1=0、V2=2とした場合の、クリッパ回路310出力をシミュレーションで示した図である。シミュレーションの条件は図17と同様である。第2の実施形態と同様に、θが最適値π/2より小さいときに平均電圧#1<平均電圧#2であるが、θが最適値π/2より大きいときには平均電圧#1>平均電圧#2となって、大小関係が逆転することが分る。このため、第2の実施形態と同様にθが最適値より大きいか小さいかの判定が可能となる。
<第6の実施形態>
第1〜第2の実施形態では、HPF302によってfc以下の変調成分を抑圧し、ディザリングの周波数fdの周波数成分を抑圧した。HPF302に代えて、応答速度がfc以下の利得調整機能を有するRFアンプ(増幅器)を用いることも出来る。図8は、第6の実施形態における光送信器1cの構成例を示す図である。なお、図8では、第1の実施形態に基づいた構成を例として示している。第6の実施形態の光送信器1cが図1に示す第1の実施形態の光送信器1と異なる点は、ABC回路30に代えてABC回路33を備える点、及び、HPF302に代えてRFアンプ312を備える点である。図18に示されるようなPD出力電圧がRFアンプ312に入力される場合について考える。ディザリングの周波数fdはfcより低いため、利得調整機能は、図18に記載の平均電圧#1及び平均電圧#2の変動を補償するように利得を変更することが出来る。すなわち、図18においてθが微小減少している期間では利得を平常値の115%とし(ここで1.82/((1.82+1.34)/2)×100=115)、θが微小増加している期間では利得を平常値の85%とする(ここで1.34/((1.82+1.34)/2)×100=85)ことにより、平均電圧#1と平均電圧#2を等しく保つことが出来る。これにより、他の実施形態と同様に、θが最適値より大きいか小さいかの判定が可能となる。
<第7の実施形態>
第1〜第2の実施形態及び第6の実施形態では、HPF302又は利得調整機能を有するRFアンプ312によって周波数fc以下の変調成分を抑圧し、ディザリングの周波数fdの周波数成分を抑圧した。HPF302又は利得調整機能を有するRFアンプ312と類似の機能を有するディジタル回路により、周波数fc以下の変調成分を抑圧し、ディザリングの周波数fdの周波数成分を抑圧してもよい。
図9は、第7の実施形態における光送信器1dの構成例を示す図である。
同図に示す光送信器1dでは、上述したいずれかの実施形態の光送信器におけるフォトデテクタ301を除いたABC回路の全ての構成要素がディジタルシグナルプロセッサ400の内部でディジタル回路として構成される。同図では、ディジタルシグナルプロセッサ400が、図3に示す光送信器1aのフォトデテクタ301を除いたABC回路31の全ての構成要素を備える場合を例に示している。
光送信器1dは、光変調器Mと、In−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7aと、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7bとを有し、更にフォトデテクタ301と、ディジタルシグナルプロセッサ400と、AD(アナログ・ディジタル)コンバータ401と、DA(ディジタル・アナログ)コンバータ402とを有する。ディジタルシグナルプロセッサ400は、振幅調整回路403と、DC電源308と、電圧加算器309と、クリッパ回路310と、平滑化回路311と、ディザリング部304と、ディザリング印加部305と、同期検波回路306と、コントローラ307と、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108とを有する。
フォトデテクタ301の出力は、ADコンバータ401を介して、ディジタルシグナルプロセッサ400に入力される。ADコンバータ401の出力に含まれる周波数fdの周波数成分は、振幅調整回路403によって抑圧される。本実施形態では、振幅調整回路403は、ディザリング部304からディザ信号に同期したクロックを得ることが出来る。クロックと同期して図18に記載の平均電圧#1と平均電圧#2の算定を行い、第6の実施形態と同様に比例係数を定めてからADコンバータ401の出力に比例係数をかける。得られたデータ列を第2の実施形態と同様に処理することにより、θが最適値より大きいか小さいかの判定が可能となる。コントローラ307によって得られたペアレントMZI制御バイアス電圧の補正量を示すディジタルデータは、他の実施形態と同様に周波数fdのディザリングに対応する数値を加算/減算したうえで、DAコンバータ402を介して、ペアレントMZI制御バイアス電極101にフィードバックされる。
<第8の実施形態>
これまで説明した実施形態では、In−Phase用MZI制御バイアス及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアスのABCや、θの符号の選択(+π/2又は−π/2の選択)が出来ない。これらの機能を実現するために、これまで説明した第1〜7の実施形態と、非特許文献1に記載された公知の手法とを併用することも出来る。
非特許文献1に記載の技術では、In−Phase用MZI制御バイアス及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアスの両者に同一の周波数fd2のディザ信号を重畳し、フォトデテクタ301の出力に重畳される周波数fd2又は2×fd2の信号を検出する。ディザリング部304及び後述する同期検波回路306aをタイムシェアリングで動作させ、第1〜7の実施形態における周波数fdの検出と、非特許文献1に記載の手法による周波数fd2又は2×fd2の検出とをサイクリックに行うことで、上述したいずれかの実施形態と非特許文献1に記載の技術を併用することができる。
図10は、第8の実施形態における光送信器1eの構成例を示す図である。なお、図10では、第7の実施形態に基づいた構成を例として示している。第8の実施形態の光送信器1eが第7の実施形態の光送信器1dと異なる点は、ディジタルシグナルプロセッサ400に代えてディジタルシグナルプロセッサ405を備える点、同期検波回路306に代えて同期検波回路306aを備える点、ならびに、ディザリング部900、ディザリング印加部901及びディザリング印加部902を備える点である。
ディザリング印加部901及びディザリング印加部902は、それぞれ、ディザリング部900が発生させる周波数fd2のディザ信号をIn−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7aの出力電圧(図10の例では第1のIn−Phase用MZI制御バイアス電極8aへ供給される出力電圧)、および、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7bの出力電圧(図10の例では第1のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極8cへ供給される出力電圧)に印加する。あるいは、In−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7aの出力電圧及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7bの出力電圧のどちらか片方に周波数fd2のディザ信号を印加するようにしてもよい。この場合、ディザリング印加部901又はディザリング印加部902を設けなくともよい。
ここで、ディザリング部900がディザ信号を生成している時間帯では、ディザリング部304はディザ信号を生成しない。逆に、ディザリング部304がディザ信号を生成しているときには、ディザリング部900はディザ信号を生成しない。ディザリング部900がディザ信号を生成している時間帯では、周波数fd2又は2×fd2の第2の参照クロック(clk2)がディザリング部900から同期検波回路306aに入力される。この時間帯では、参照クロック(clk)はディザリング部304から同期検波回路306aに入力されない。同期検波回路306aは、フォトデテクタ301の出力に重畳される周波数fd2又は2×fd2の信号を同期検波し、非特許文献1に記載の手法によってバイアスを制御する。
ここで注意しなければならないのは、非特許文献1に記載の技術ではフォトデテクタ301からの出力には既に周波数fd2又は2×fd2の周波数成分が重畳されているため、HPF302や振幅調整回路403は、周波数fd2又は2×fd2の周波数成分を抑圧せずに透過させなければならない。したがって、fd<fc<fd2又はfd<fc<2×fd2を満たすよう、周波数fd2を定める。
<第9の実施形態>
これまで説明した実施形態では光タップ300によってタップされた変調光を変調器外にあるRMSモニタ303でモニタする構成であった。これらに代えて光変調器に内蔵されているパワモニタを活用してもよい。この構成をとる場合、光変調器出力強度の変化が変調器内蔵パワモニタ出力に正しく反映されないことがあるので注意しなければならない。例えば、3つあるバイアス電圧のどれか一つをスイープさせた結果、光変調器出力強度が増減をしたとする。変調器内蔵パワモニタの出力もまた増減を行うが、光変調器出力強度が極値を作るバイアス電圧と、変調器内蔵パワモニタ出力が極値を作るバイアス電圧とにずれが生じることがある。そこで、コントローラ307は、光パワモニタの誤差によって定まるある一定のオフセット値を同期検波結果に加えた結果を参照して、ペアレントMZI制御バイアス電圧をフィードバック制御する。上記のようなずれが生じると、例えば、本来は同期検波結果が0でペアレントMZI制御バイアス電圧が最良となる筈のものが、同期検波結果が0以外の値でペアレントMZI制御バイアス電圧が最良となることがありえる。この誤差を補正するためには、光パワモニタの誤差によって定まるある一定のオフセット値を同期検波結果に加算し、加算結果が0又は0に近い値となるようにペアレントMZI制御バイアス電圧をフィードバック制御する。
<第10の実施形態>
図11は、第10の実施形態における光送信器1fの構成例を示す図である。
同図に示す光送信器1fでは、第7の実施形態と同様に、フォトデテクタ301を除いたABC回路の全ての構成要素がディジタルシグナルプロセッサ410の内部でディジタル回路として構成される。
光送信器1fは、光変調器Mと、In−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7aと、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器7bとを有し、更にフォトデテクタ301と、ディジタルシグナルプロセッサ410と、ADコンバータ401と、DAコンバータ402とを有する。ディジタルシグナルプロセッサ410は、識別回路500と、第1の演算回路501と、第2の演算回路502と、コントローラ307と、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108とを有する。
光タップ300は、光変調器Mから出力された光信号を分岐し、分岐された光信号をフォトデテクタ301に出力する。フォトデテクタ301は、光タップ300からの出力光を電気信号に変換する。この変換により、フォトデテクタ301は、出力光の強度に対応する電圧を発生する。光信号の光強度が高いほど、信号の電圧値は高くなる。ADコンバータ401は、フォトデテクタ301が発生させた電気信号をアナログからディジタルに変換する。ディジタルに変換された電気信号は、フォトデテクタ301からの出力電圧の値を含んだデータである。ADコンバータ401は、ディジタルに変換された信号を、ディジタルシグナルプロセッサ410の識別回路500に出力する。
識別回路500は、電圧値に変換された光信号の光強度を識別するために、少なくとも1つの識別用のしきい値を有する。本実施形態では、識別回路500が、第1のしきい値(th1)と第2のしきい値(th2)の2つの識別用のしきい値を持つ場合を例に説明する。識別回路500は、ADコンバータ401から入力された信号が示す電圧と識別用のしきい値との大小関係を調べる。識別回路500は、入力された信号が示す電圧が第1のしきい値(th1)を越えた場合、入力信号の値を第1の演算回路501に出力する。また、識別回路500は、入力された信号が示す電圧が第2のしきい値(th2)より小さい場合、入力信号の値を第2の演算回路502に出力する。
第1のしきい値及び第2のしきい値の設定と、識別回路500の動作とを、図12A、図12B及び図13を用いて説明する。ここでは、QPSKに代えて、16QAMを用いて説明する。
図12A及び図12Bは、光位相差θの変化と各シンボルの光強度との関係を示す図である。図12Aは、16QAMのコンスタレーションにおけるシンボルと光位相差θを示す。16QAMのコンスタレーションは、星印で表されるように、♯1〜♯16のシンボルを有する。原点から遠い位置にあるシンボルは、それだけ光電界の絶対値が大きいので、大きな光強度を有する。
図12Bは、図12Aに示す♯1〜♯16の各シンボルの光強度が、光位相差θに応じてどのように変化するかを示すグラフである。θが、最適値ではないある値から、最適値π/2=90度(deg)に近づいていくと、光強度が減少するシンボルと光強度が増大するシンボルとが現れるため、各シンボルの光強度の変動は複雑なものとなる。
図13は、光位相差θの変化に応じた光強度の変化としきい値との関係を示す図である。上述したように、各シンボルの光強度には変動があるものの、16QAMの全シンボルの光強度の平均値は、図16において説明したQPSKの例と同様に、θに関わらず一定である。この平均値の位置を、図13に示す。このため、変調光の光強度をモニタするだけではθの制御を行うことは出来ない。また、図16において説明したQPSKの例と同様に、光強度のRMSを求めてθの制御を行うことは可能であるが、多値QAMの場合は各シンボルの光強度の変化が複雑であるため、光強度のRMSの変化率は抑圧され、θの制御の精度が落ちる。
そこで、本実施形態では先述のとおり、識別回路500に2つのしきい値を持たせる。図13に示す例では、第1のしきい値より高い光強度を有するシンボルのみ着目すると、それらのシンボルの光強度の合計(図12Aにおける#1,#4、#13、#16のシンボルの光強度の合計)は、θが最適値90度に近づくにつれ単調減少してゆくことが分る。また第2のしきい値より低い光強度を有するシンボルのみ着目すると、θが0〜30度及び150〜180度においてやや複雑な変化が生じるものの、θが30〜150度の範囲では、光強度の合計(図12Aにおける#6,#7、#10、#11のシンボルの光強度の合計)は、θが最適値90度に近づくにつれ単調増加していくことが分る。この性質を利用して、θの制御を精度良く行うことが出来る。
具体的には、コントローラ307は、第1の演算回路501に入力される信号(データ)が示す電圧の平均値が最小となり、かつ、第2の演算回路502に入力される信号(データ)が示す電圧の平均値が最大となるように、θを制御すればよい。なお、平均値に代えて、電圧の積算値又は電圧の値の二乗平均平方根を用いてもよい。あるいは、コントローラ307は、第1の演算回路501及び第2の演算回路502に入力されるデータの出現頻度が最小となるようにθを制御してもよい。
第1及び第2のしきい値をどのように決定するかは、変調光の光強度及びフォトデテクタ301の帯域に依存するが、任意のθで第1のしきい値より大きな光強度が必ず存在するように、また、第2のしきい値より小さな光強度が必ず存在するように設定することが望ましい。図13には、第1のしきい値の設定に失敗した例を示している。この例では、θが60〜120度の範囲において、しきい値より大きな光強度は存在しないため、第1の演算回路501に入力されるデータは存在せず、θを最適値の90度に設定することが出来ない。
この問題を解消するためには、予め第1のしきい値を光強度の平均値より充分高く設定し、また第2のしきい値を光強度の平均値より充分低く設定しておき、コントローラ307は、必要に応じて第1のしきい値及び第2のしきい値を変更すればよい。例えば、第1の演算回路501に入力されるデータの出現頻度が0または非常に小さい場合(予め定められた頻度より小さい場合)、コントローラ307は、第1のしきい値を光強度の平均値、すなわち、フォトデテクタ301から出力される電圧の時間平均値に近づける。また、例えば、第2の演算回路502に入力されるデータの出現頻度が0または非常に小さい場合、コントローラ307は、第2のしきい値を光強度の平均値、すなわち、フォトデテクタ301から出力される電圧の時間平均値に近づける。これによって、第1の演算回路501及び第2の演算回路502に入力されるデータの出現頻度をある程度確保する。
データの出現頻度を確保したならば、次に、コントローラ307は、第1のしきい値及び第2のしきい値を固定した状態で、第1の演算回路501、及び、第2の演算回路502のそれぞれに入力される信号(データ)が示す電圧の平均値、積算値又は二乗平均平方根が、最大または最小となるようθを制御すればよい。あるいは、コントローラ307は、第1の演算回路501及び第2の演算回路502に入力されるデータの出現頻度が最小となるようにθを制御してもよい。
第1の演算回路501、及び、第2の演算回路502が収集するデータは基本的にランダム信号であるため、データ数が多ければ多いほど、統計的に信用の出来る演算結果が得られる。しかし多くのデータを収集するためには、長時間ディジタルシグナルプロセッサ410をデータの収集の稼動に占有させなければならない。この間に、ディジタルシグナルプロセッサ410は、他の制御、例えば基板温度の制御や光源の強度の監視といった作業が出来なくなるという弊害が生じる。この問題を避けるために、第1の演算回路501、及び、第2の演算回路502が行うデータの収集および演算を一時的に中断し、この中断期間にディジタルシグナルプロセッサ410は基板温度の制御や光源の強度の監視といった他の作業を行い、再び第1の演算回路501、及び、第2の演算回路502が行うデータの収集および演算を再開するという手順を踏んでも良い。
このように、コントローラ307は、第1の演算回路501及び第2の演算回路502における演算処理の結果に基づいて、ペアレントMZI制御バイアス電圧が適切であるか否かを判定し、判定結果によりペアレントMZI制御バイアス電圧発生器108にフィードバック制御を行う。演算処理では、フォトデテクタ301からの出力電圧の時間平均値、積算値又は二乗平均平方根、あるいは、識別回路500において出力電圧が選択される頻度が演算される。
また、本実施形態では、識別回路500が用いるしきい値を2種類としたが、いずれか1つだけを用いてもよい。あるいは、3種類以上のしきい値と、それぞれのしきい値に対応した演算回路を用いて、演算結果の相互比較を行ってもよい。このように、識別回路500は、N種類(Nは自然数)のしきい値それぞれによりフォトデテクタ301の出力電圧を選択し、演算回路は、識別回路500により選択されたN種類の出力電圧のデータそれぞれに対して演算処理を行う。なお、識別回路500がM種類(Mは2以上の整数)のしきい値を有する場合、少なくとも一つのしきい値をフォトデテクタ301の出力電圧の時間平均値より大きくし、かつ、少なくとも他の一つのしきい値をフォトデテクタ301の出力電圧の時間平均値より小さくする。
<第11の実施形態>
前述の第10の実施形態では、識別回路500に2つのしきい値を持たせ、第1のしきい値より高いデータのみを第1の演算回路501にて集計し、第2のしきい値より低いデータのみを第2の演算回路502にて集計した。しかし、本発明はこのような構成に限られず、2つのしきい値の間にあるデータのみを選択し、選択されたデータを単一の演算回路にて集計し、電圧の平均値、積算値、または電圧の値の二乗平均平方根を計算する構成としてもよい。
図14は、第11の実施形態における光送信器1gの構成例を示す図である。
第11の実施形態の光送信器1eが図11に示す第10の実施形態の光送信器1fと異なる点は、ディジタルシグナルプロセッサ410に代えてディジタルシグナルプロセッサ415を備える点、識別回路500に代えて識別回路500aを備える点、および、第2の演算回路502を用いない点である。図14に示す光送信器1gでは、第10の実施形態と同様に、フォトデテクタ301を除いたABC回路の全ての構成要素がディジタルシグナルプロセッサ415の内部でディジタル回路として構成される。
識別回路500aは、電圧値に変換された光信号の光強度を識別するために、第1のしきい値(th1)と第2のしきい値(th2)の2つの識別用のしきい値を持つ。識別回路500aは、ADコンバータ401から入力された信号が示す電圧と識別用のしきい値との大小関係を調べる。識別回路500aは、入力された信号が示す電圧が第1のしきい値(th1)より小さく、かつ第2のしきい値(th2)より大きい場合にのみ、入力信号の値を第1の演算回路501に出力する。すなわち、識別回路500aは、第1のしきい値(th1)及び第2のしきい値(th2)でそれぞれ上限および下限が定まるように、ADコンバータ401から入力された信号を選択する。
コントローラ307は、第1の演算回路501に入力される信号(データ)が示す電圧の平均値が最小となるように、θを制御すればよい。なお、平均値に代えて、電圧の積算値又は電圧の値の二乗平均平方根を用いてもよい。あるいは、コントローラ307は、第1の演算回路501に入力されるデータの出現頻度が最小となるようにθを制御してもよい。
図13に示した光強度は理想的な条件下での計算値であるため、θ=90度を中心に完全に左右対称となっている。しかし、現実の変調信号では、符号の偏りや変調器の不完全性により、図13に示した光強度が左右非対称なピークをもつことがあり得る。また、回路雑音により、θとは無関係なサージ状のノイズや、フォトデテクタ301の暗電流による低パワの雑音が、変調信号に重畳することもあり得る。
本実施形態では、このような不均一なピークやサージ状のノイズを第1のしきい値によって遮断し、また、暗電流による低パワの雑音を第2のしきい値によって遮断する。これにより、制御誤差を抑圧することが可能となる。
以上説明した実施形態によれば、入れ子型MZIを用いた光送信器は、光変調器と、自動バイアス制御回路と、それらの周辺回路とを有する。光変調器は、ペアレントMZIと、光入力端子と、In−Phase用駆動信号入力電極と、Quadrature−Phase用駆動信号入力電極と、In−Phase用MZI制御バイアス電極と、Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電極と、光出力端子と、ペアレントMZI制御バイアス電極とを有する。ペアレントMZIは、In−Phase用MZI及びQuadrature−Phase用MZIを有する。光入力端子は、連続光を分岐して、分岐された連続光をIn−Phase用MZI及びQuadrature−Phase用MZIに入力する。In−Phase用駆動信号入力電極には、In−Phase用MZIにおいて連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される。In−Phase用MZI制御バイアス電極には、In−Phase用駆動信号入力電極へ印加される駆動信号により光変調された2つのブランチの光の光位相差を調整するIn−Phase用MZI制御バイアス電圧が印加される。Quadrature−Phase用駆動信号入力電極には、Quadrature−Phase用MZIにおいて連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される。Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電極には、Quadrature−Phase用駆動信号入力電極へ印加される駆動信号により光変調された2つのブランチの光の光位相差を調整するQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧が印加される。光出力端子は、In−Phase用MZIから出力された光と、Quadrature−Phase用MZIから出力された光とを合波して、合波された光を出力する。ペアレントMZI制御バイアス電極には、In−Phase用MZIから出力された光とQuadrature−Phase用MZIから出力された光の光位相差を調整するペアレントMZI制御バイアス電圧が印加される。
In−Phase用MZIは、光入力端子から入力された連続光を2つのブランチに分岐する第1の分岐部と、In−Phase用駆動信号入力電極へ印加される駆動信号による光変調及びIn−Phase用MZI制御バイアス電極へ印加されるIn−Phase用MZI制御バイアス電圧による光位相差の調整が行われた2つのブランチの光を合波して、合波された光を出力する第1の合波部とを有する。Quadrature−Phase用MZIは、光入力端子から入力された連続光を2つのブランチに分岐する第2の分岐部と、Quadrature−Phase用駆動信号入力電極へ印加される駆動信号による光変調及びQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極へ印加されるQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧による光位相差の調整が行われた2つのブランチの光を合波して、合波された光を出力する第2の合波部とを有する。
自動バイアス制御回路は、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、フォトデテクタと、低周波遮断回路と、制御部とを有する。
ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器は、ペアレントMZI制御バイアス電極に印加されるペアレントMZI制御バイアス電圧を発生する。フォトデテクタは、タップされた光変調器からの出力光を電気信号に変換する。低周波遮断回路は、フォトデテクタにより変換された電気信号に含まれる周波数fcより低速な変調成分を抑圧する。制御部は、低速な変調成分が抑圧された信号に基づいて、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する。具体的には、制御部は、低速な変調成分が抑圧された信号のRMS又はピーク値が最小となるように、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する。
あるいは、自動バイアス制御回路は、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、フォトデテクタと、低周波遮断回路と、クリッパ回路と、制御部とを有する。
ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器は、ペアレントMZI制御バイアス電極に印加されるペアレントMZI制御バイアス電圧を発生する。フォトデテクタは、タップされた光変調器からの出力光を電気信号に変換する。低周波遮断回路は、フォトデテクタにより変換された電気信号に含まれる周波数fcより低速な変調成分を抑圧する。クリッパ回路は、低速な変調成分が抑圧された電気信号に対して所定のしきい値でクリッピングを行う。制御部は、クリッパ回路によりクリッピングされた電気信号に基づいて、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器にフィードバック制御を行う。具体的には、制御部は、クリッピングされた電気信号の電圧の平均値、RMS、又は、ピーク値が最小となるように、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する。
あるいは、自動バイアス制御回路は、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、フォトデテクタと、クリッパ回路と、制御部とを有する。
ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器は、ペアレントMZI制御バイアス電極に印加されるペアレントMZI制御バイアス電圧を発生する。フォトデテクタは、タップされた光変調器からの出力光を電気信号に変換する。クリッパ回路は、変換された電気信号に対して所定のしきい値でクリッピングを行う。制御部は、クリッパ回路によりクリッピングされた電気信号に基づいて、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器にフィードバック制御を行う。具体的には、制御部は、クリッピングされた電気信号の電圧の平均値、RMS、又は、ピーク値が小さな値となるようにペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する。
あるいは、自動バイアス制御回路は、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、フォトデテクタと、識別回路と、演算回路と、制御部とを有する。
ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器は、ペアレントMZI制御バイアス電極に印加されるペアレントMZI制御バイアス電圧を発生する。フォトデテクタは、タップされた光変調器からの出力光の強度に対応する電圧を発生する。識別回路は、フォトデテクタが発生させた電圧の値と所定のしきい値とを比較し、しきい値より大きな電圧又はしきい値より小さな電圧を選択する。演算回路は、識別回路によって選択された電圧を用いて演算処理する。制御部は、演算処理の結果に基づいて、ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器にフィードバック制御を行う。
上述した実施形態によれば、MZIを複数入れ子状に組み合わせた、光QAM信号生成用の光変調器において、ペアレントMZI制御バイアス電圧を従来技術よりも精度よく、正確に最適値に保つことが可能となる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明は、例えば、光直角位相振幅変調信号生成用の光送信器に利用可能である。
M…光変調器
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g…光送信器
2a…In−Phase用MZI
2b…Quadrature−Phase用MZI
3a…In−Phase用駆動アンプ
3b…Quadrature−Phase用駆動アンプ
6a…第1のIn−Phase用駆動信号入力電極
6b…第2のIn−Phase用駆動信号入力電極
6c…第1のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極
6d…第2のQuadrature−Phase用駆動信号入力電極
7a…In−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器
7b…Quadrature−Phase用MZI制御バイアス電圧発生器
8a…第1のIn−Phase用MZI制御バイアス電極
8b…第2のIn−Phase用MZI制御バイアス電極
8c…第1のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極
8d…第2のQuadrature−Phase用MZI制御バイアス電極
20…ペアレントMZI
21a、21b…分岐部
22a、22b…合波部
30、31、32、33…ABC回路(自動バイアス制御回路)
101…ペアレントMZI制御バイアス電極
108…ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器
200…光分岐部
201…光合波部
300…光タップ
301…フォトデテクタ
302…ハイパスフィルタ(HPF)
303…RMSモニタ
304、304b、900…ディザリング部
305、305b、901、902…ディザリング印加部
306、306a…同期検波回路
307…コントローラ
308…DC電源
309…電圧加算器
310…クリッパ回路
311…平滑化回路
312…RFアンプ
400、405、410、415…ディジタルシグナルプロセッサ
401…ADコンバータ
402…DAコンバータ
403…振幅調整回路
500、500a…識別回路
501…第1の演算回路
502…第2の演算回路

Claims (19)

  1. 光変調器と自動バイアス制御回路とを有する光送信器であって、
    前記光変調器は、
    同相用のマッハツェンダー型干渉計である同相用MZIと直角位相用のマッハツェンダー型干渉計である直角位相用MZIとを有するマッハツェンダー型干渉計であるペアレントMZIと、
    連続光を分岐して、分岐された連続光を前記同相用MZI及び前記直角位相用MZIに入力する光入力端子と、
    前記同相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される同相用駆動信号入力電極と、
    前記直角位相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される直角位相用駆動信号入力電極と、
    前記同相用MZIから出力された光と、前記直角位相用MZIから出力された光とを合波して、合波された光を出力する光出力端子と、
    前記同相用MZIから出力された前記光と前記直角位相用MZIから出力された前記光の光位相差を調整するペアレントMZI制御バイアス電圧が印加されるペアレントMZI制御バイアス電極とを有し、
    前記同相用MZIは、
    前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第1の分岐部と、
    前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第1の合波部とを有し、
    前記直角位相用MZIは、
    前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第2の分岐部と、
    前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第2の合波部とを有し、
    前記自動バイアス制御回路は、
    前記ペアレントMZI制御バイアス電極に印加される前記ペアレントMZI制御バイアス電圧を発生するペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、
    タップされた前記光変調器からの出力光を電気信号に変換するフォトデテクタと、
    前記フォトデテクタにより変換された前記電気信号に含まれる第1の周波数より低速な変調成分を抑圧する低周波遮断回路と、
    前記低周波遮断回路により低速な変調成分が抑圧された電気信号に基づいて、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、低速な変調成分が抑圧された前記電気信号の電圧の実効値又はピーク値が最小となるように前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する光送信器。
  2. 光変調器と自動バイアス制御回路とを有する光送信器であって、
    前記光変調器は、
    同相用のマッハツェンダー型干渉計である同相用MZIと直角位相用のマッハツェンダー型干渉計である直角位相用MZIとを有するマッハツェンダー型干渉計であるペアレントMZIと、
    連続光を分岐して、分岐された連続光を前記同相用MZI及び前記直角位相用MZIに入力する光入力端子と、
    前記同相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される同相用駆動信号入力電極と、
    前記直角位相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される直角位相用駆動信号入力電極と、
    前記同相用MZIから出力された光と、前記直角位相用MZIから出力された光とを合波して、合波された光を出力する光出力端子と、
    前記同相用MZIから出力された前記光と前記直角位相用MZIから出力された前記光の光位相差を調整するペアレントMZI制御バイアス電圧が印加されるペアレントMZI制御バイアス電極とを有し、
    前記同相用MZIは、
    前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第1の分岐部と、
    前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第1の合波部とを有し、
    前記直角位相用MZIは、
    前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第2の分岐部と、
    前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第2の合波部とを有し、
    前記自動バイアス制御回路は、
    前記ペアレントMZI制御バイアス電極に印加される前記ペアレントMZI制御バイアス電圧を発生するペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、
    タップされた前記光変調器からの出力光を電気信号に変換するフォトデテクタと、
    前記電気信号に対して所定のしきい値でクリッピングを行うクリッパ回路と、
    前記クリッパ回路によりクリッピングされた前記電気信号に基づいて、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器にフィードバック制御を行う制御部とを有し、
    前記制御部は、クリッピングされた前記電気信号の電圧の平均値、実効値又はピーク値が最小となるように前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する光送信器。
  3. 前記自動バイアス制御回路は、前記フォトデテクタにより変換された前記電気信号に含まれる第1の周波数より低速な変調成分を抑圧し、前記低速な変調成分が抑圧された電気信号を前記クリッパ回路に出力する低周波遮断回路をさらに有する請求項2に記載の光送信器。
  4. 前記低周波遮断回路は、応答速度が前記第1の周波数以下の利得調整回路を有する増幅器で構成される請求項1又は請求項3に記載の光送信器。
  5. 前記低周波遮断回路は、前記光送信器が有する周辺回路が発するランダム雑音又は前記光入力端子に入力される前記連続光のもつランダム雑音の少なくとも一部を遮断する請求項1又は請求項3に記載の光送信器。
  6. 前記自動バイアス制御回路は、
    前記ペアレントMZI制御バイアス電圧に、前記第1の周波数よりも低周波の第2の周波数のディザリングを加える第1のディザリング印加部と、
    前記低周波遮断回路により低速な変調成分が抑圧された前記電気信号を前記第2の周波数で同期検波する同期検波部とを有し、
    前記制御部は、前記同期検波の結果が0となるよう前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する処理を行う請求項1又は請求項3に記載の光送信器。
  7. 前記制御部は、前記同期検波の結果に所定のオフセット値を加えた結果が0となるように前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御し、
    前記オフセット値は、前記光変調器からの前記出力光の強度を測定する光パワモニタの誤差によって定まる請求項6に記載の光送信器。
  8. 前記自動バイアス制御回路は、
    前記クリッパ回路のクリッピングの前記しきい値に第3の周波数のディザリングを加える第2のディザリング印加部と、
    前記クリッパ回路の出力を前記第3の周波数で同期検波する同期検波部とを有し、
    前記制御部は、前記同期検波の結果を参照して前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御する処理を行う請求項2又は請求項3に記載の光送信器。
  9. 前記制御部は、前記同期検波の結果に所定のオフセット値を加えた結果を参照して前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器を制御し、
    前記オフセット値は、前記光変調器からの出力光の強度を測定する光パワモニタの誤差によって定まる請求項8に記載の光送信器。
  10. 前記光変調器は、
    前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する同相用MZI制御バイアス電圧が印加される同相用MZI制御バイアス電極と、
    前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する直角位相用MZI制御バイアス電圧が印加される直角位相用MZI制御バイアス電極とをさらに有し、
    前記第1の合波部は、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記同相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、
    前記第2の合波部は、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記直角位相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、
    前記自動バイアス制御回路は、前記同相用MZI制御バイアス電極に印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧又は前記直角位相用MZI制御バイアス電極に印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧の少なくとも片方に第4の周波数のディザリングを加える第3のディザリング印加部を有し、
    前記第4の周波数、又は、前記第4の周波数の倍の周波数は、前記第1の周波数よりも高周波である請求項1又は請求項3に記載の光送信器。
  11. 前記光送信器の立ち上げシーケンスにおける前記ディザリングの振幅を運用期間中における前記ディザリングの振幅よりも大きくする請求項6、請求項8又は請求項10に記載の光送信器。
  12. 前記クリッパ回路は、前記しきい値に達しない信号を前記しきい値に切り上げて前記クリッピングを行う請求項2又は請求項3に記載の光送信器。
  13. 前記光変調器は、
    前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する同相用MZI制御バイアス電圧が印加される同相用MZI制御バイアス電極と、
    前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号により光変調された前記2つのブランチの前記光の前記光位相差を調整する直角位相用MZI制御バイアス電圧が印加される直角位相用MZI制御バイアス電極とをさらに有し、
    前記第1の合波部は、前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記同相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、
    前記第2の合波部は、前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調及び前記直角位相用MZI制御バイアス電極へ印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧による前記光位相差の調整が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力し、
    前記制御部は、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧の制御を開始するに先立ち、前記同相用MZI制御バイアス電極に印加される前記同相用MZI制御バイアス電圧及び前記直角位相用MZI制御バイアス電極に印加される前記直角位相用MZI制御バイアス電圧の両方又は一方を調整する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光送信器。
  14. 光変調器と自動バイアス制御回路とを有する光送信器であって、
    前記光変調器は、
    同相用のマッハツェンダー型干渉計である同相用MZIと直角位相用のマッハツェンダー型干渉計である直角位相用MZIとを有するマッハツェンダー型干渉計であるペアレントMZIと、
    連続光を分岐して、分岐された連続光を前記同相用MZI及び前記直角位相用MZIに入力する光入力端子と、
    前記同相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される同相用駆動信号入力電極と、
    前記直角位相用MZIにおいて前記連続光を分岐して得られた2つのブランチの光の光位相差を変更して光変調を行う駆動信号が印加される直角位相用駆動信号入力電極と、
    前記同相用MZIから出力された光と、前記直角位相用MZIから出力された光とを合波して、合波された光を出力する光出力端子と、
    前記同相用MZIから出力された前記光と前記直角位相用MZIから出力された前記光の光位相差を調整するペアレントMZI制御バイアス電圧が印加されるペアレントMZI制御バイアス電極とを有し、
    前記同相用MZIは、
    前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第1の分岐部と、
    前記同相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第1の合波部とを有し、
    前記直角位相用MZIは、
    前記光入力端子から入力された前記連続光を前記2つのブランチに分岐する第2の分岐部と、
    前記直角位相用駆動信号入力電極へ印加される前記駆動信号による光変調が行われた前記2つのブランチの前記光を合波して、合波された光を出力する第2の合波部とを有し、
    前記自動バイアス制御回路は、
    前記ペアレントMZI制御バイアス電極に印加される前記ペアレントMZI制御バイアス電圧を発生するペアレントMZI制御バイアス電圧発生器と、
    タップされた前記光変調器からの出力光の強度に対応する電圧を発生するフォトデテクタと、
    前記フォトデテクタが発生させた前記電圧の値と所定のしきい値とを比較し、前記しきい値より大きな前記電圧又は前記しきい値より小さな前記電圧を選択する識別回路と、
    前記識別回路によって選択された前記電圧のデータを用いて演算処理する演算回路と、
    前記演算処理の結果に基づいて、前記ペアレントMZI制御バイアス電圧発生器にフィードバック制御を行う制御部とを有する光送信器。
  15. 前記演算回路は、選択された前記電圧の時間平均値、選択された前記電圧の積算値、又は、選択された前記電圧の二乗平均平方根を前記演算処理において演算する請求項14に記載の光送信器。
  16. 前記演算回路は、前記識別回路により前記電圧が選択される頻度を前記演算処理において演算する請求項14に記載の光送信器。
  17. 前記識別回路は、N種類(Nは自然数)の前記しきい値それぞれに基づいて前記フォトデテクタから出力された前記電圧を選択し、
    前記演算回路は、前記識別回路により選択されたN種類の前記電圧のデータそれぞれに対して前記演算処理を行う請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の光送信器。
  18. 前記識別回路は、2種類の前記しきい値で上限および下限が定まるよう前記フォトデテクタから出力された前記電圧を選択し、
    前記演算回路は、前記識別回路により選択された前記電圧のデータに対して前記演算処理を行う請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の光送信器。
  19. 前記制御部は、前記識別回路により前記電圧が選択される頻度が予め定められた頻度より小さい場合は、前記しきい値を前記フォトデテクタが発生させた前記電圧の時間平均値に近づける請求項17又は請求項18に記載の光送信器。
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