JPWO2017138078A1 - 成熟皮脂腺細胞の製造方法 - Google Patents

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Abstract

油滴を蓄積することができる培養皮脂腺細胞の提供。未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、成熟ヒト皮脂腺細胞の製造方法。

Description

本発明は、油滴を形成することができる分化した皮脂腺細胞の製造方法に関する。
皮脂腺は、多細胞性の胞状腺体であり、毛穴の内面に開く皮脂腺開口部から皮脂を分泌する。皮脂腺には皮脂腺細胞が存在し、皮脂を放出する役割を担う。分泌された皮脂は、皮膚及び毛髪を保護及び保湿する。皮脂の分泌異常は、脂性肌、乾燥肌、にきび、脂漏症、脂漏性皮膚炎、乾皮症などの肌トラブルの原因になる。特にニキビは、若年者を中心に、世界中で多くの者が経験している問題である。
皮脂分泌を制御する医薬品又は化粧品の開発研究のために、動物生体の皮脂腺の挙動を再現できる培養細胞モデルの構築が重要である。現在、実験に利用できる皮脂腺細胞株としては、ハムスター皮脂腺細胞株が知られている。この細胞は、生体の皮脂腺細胞と同様に細胞内に油滴を形成するという利点を有する一方、ゲノム情報が未解明であるため、遺伝学的アプローチによる研究には不向きである。
特許文献1及び非特許文献1には、皮脂腺の生理学検査に有用な、SV−40の巨大T抗原DNAのトランスフェクションによって不死化されたヒト由来セボサイト細胞株SZ95が開示されている。この細胞は、ヒト由来であるためゲノム情報が明らかであり、かつ増殖性が高い点で研究ツールとして有利である一方で、細胞内にほとんど油滴を形成しないという欠点を有する。
特許文献1及び非特許文献1に開示されたSZ95細胞以外にも、従来のヒト皮脂腺細胞には、インビトロで培養すると油滴を形成する能力を失うという共通の問題があった。これまでに、ヒトの皮膚から単離した皮脂腺細胞を培養すると、細胞質に脂質の蓄積が認められるものの、その量はケラチノサイトの4〜8倍程度に過ぎず、インビボでの皮脂腺細胞と比較して非常に低いことが報告され、その原因として、インビトロ培養では皮脂腺細胞の分化が不完全になることが示唆されている(非特許文献2)。この報告と一致して、上記SZ95細胞に皮脂腺細胞への分化を進行させるMyc遺伝子を導入すると、細胞質内に油滴が蓄積するようになることが報告されている(非特許文献3)。
特許文献2には、培養皮脂腺細胞には、皮脂を生合成する分化した細胞と、増殖能は有するが皮脂の生合成能を持たない未分化細胞とが含まれていること、及び、培養皮脂腺細胞が皮脂を産生しないのは、継代培養により未分化細胞ばかりが増殖して、皮脂を生合成する分化した細胞が減少することが原因であるとの考えを提示している。特許文献2にはまた、未分化の皮脂腺細胞を旋回培養することで、該細胞の分化を誘導する方法が開示されている。
非特許文献4には、非特許文献1記載のヒト由来セボサイト細胞株SZ95をリノール酸で処理したときに、細胞内での油滴の蓄積が観察されたことが報告されている。非特許文献5には、ヒト耳介前部の正常皮膚由来のセボサイト細胞株SEB−1で油滴蓄積が確認されたことが開示されている。
(特許文献1)特表2002−535984号公報
(特許文献2)特開平5−268948号公報
(非特許文献1)J Invest Dermatol, 1999, 113:1011-1120
(非特許文献2)Dermatology, 1998, 196:21-31
(非特許文献3)Stem cell, 2008, 26:1241-1252
(非特許文献4)J Invest Dermatol, 2008, 128:1266-1272
(非特許文献5)J Invest Dermatol, 2003, 120:905-914
本発明は、未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、成熟ヒト皮脂腺細胞の製造方法を提供する。
また本発明は、未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導方法を提供する。
また本発明は、未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することと、培養された細胞の油滴形成に対する被験物質又は試験条件の影響を調べることを含む、皮脂分泌制御剤の評価及び/又は選択方法を提供する。
さらに本発明は、細胞培養のためのチャンバーと、培養雰囲気を低酸素条件に調整又は維持するための酸素濃度制御器とを備える、成熟ヒト皮脂腺細胞の培養のための装置を提供する。
さらに本発明は、細胞培養のためのチャンバーと、培養雰囲気を低酸素条件に調整又は維持するための酸素濃度制御器とを備える、未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導のための装置を提供する。
酸素濃度が皮脂腺細胞の油滴形成に及ぼす影響。左:核染色像、中:油滴染色像、右:マージ像。画像左側の数値は酸素濃度。Enlargedは、1%酸素濃度下培養のマージ像中の白枠で囲んだ領域の拡大図を示す。 酸素濃度が皮脂腺細胞の油滴形成に及ぼす影響。左:核染色像、中:油滴染色像、右:マージ像。画像左側の数値は酸素濃度。 低酸素下培養時間(3〜9時間)による皮脂腺細胞の油滴形成量の変化。左:核染色像、中:油滴染色像、右:マージ像。 低酸素下培養時間(24〜48時間)による皮脂腺細胞の油滴形成量の変化。左:核染色像、中:油滴染色像、右:マージ像。Enlargedは、48時間培養のマージ像中の白枠で囲んだ領域の拡大図を示す。 低酸素下で培養した皮脂腺細胞におけるPLIN1発現量の向上。エラーバー=SD、n=3。
発明の詳細な説明
本発明は、油滴を形成することができる分化した培養皮脂腺細胞の製造方法に関する。
本発明者らは、従来の培養ヒト皮脂腺細胞に、生体内の皮脂腺細胞のように油滴を形成する能力を獲得させるための方法を鋭意検討した。その結果、ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することにより、該細胞が油滴を形成する細胞に分化することを見出した。
本発明によれば、生体内の皮脂腺細胞のように油滴を形成する性質を獲得した培養成熟ヒト皮脂腺細胞を提供することができる。本発明によって提供される培養成熟ヒト皮脂腺細胞は、皮脂分泌のメカニズムの研究、又は皮脂分泌を制御するための医薬品若しくは化粧品の開発のための有用なツールとなり得る。
皮脂腺の最外層には未分化な皮脂腺細胞である基底細胞が存在し、細胞分裂を活発に行っている。基底細胞が皮脂腺の中心部へと移行すると、次第に細胞分裂は停止する。分裂を停止した細胞は、細胞内に油滴を蓄積し始め、最終的には細胞質の大部分を油滴が占めるようになる。この油滴を蓄積している皮脂腺細胞は、分化した皮脂腺細胞である(J.Invest.Dermatol,1974,62:147−152)。油滴を蓄積した分化した皮脂腺細胞は、最後には崩壊して皮脂を放出する。
本明細書において、「成熟皮脂腺細胞」とは、分化した皮脂腺細胞であって、細胞内に油滴(lipid droplet)を有している細胞をいう。また本明細書において、「未成熟(の)皮脂腺細胞」とは、上記の「成熟皮脂腺細胞」との区別のために使用される語であり、上記「成熟皮脂腺細胞」でない未分化な皮脂腺細胞、あるいは細胞内に油滴を有していない皮脂腺細胞をいう。
細胞内における油滴の存在は、公知の方法で確認することができる。例えば、後述の実施例に記載したように、オイルレッドO、ナイルレッド等の油脂染色試薬により染色した細胞の顕微鏡観察、又は蛍光若しくは吸光度測定によって確認することができる。例えば、細胞内に油滴が存在する場合、油脂染色試薬で処理された細胞の細胞質内には、明瞭な点状又は円形の染色領域が観察される(例えば、図1)。あるいは、細胞内における油滴の存在は、細胞におけるperilipin 1(PLIN1)などの脂肪滴結合タンパク質(PNAS,2001,98:6494−6499)の発現量の測定などによって確認することもできる。
本発明においては、油滴を形成又は蓄積していない未成熟ヒト皮脂腺細胞の分化が誘導され、油滴を形成又は蓄積した、又は油滴蓄積量が増加した成熟ヒト皮脂腺細胞が調製される。すなわち、本発明の一態様は、成熟ヒト皮脂腺細胞の製造方法である。本発明の別の一態様は、未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導方法である。これらの本発明の方法は、未成熟のヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む。
上記本発明の方法において、低酸素条件下での培養に供される未成熟ヒト皮脂腺細胞の例としては、皮脂腺を含む生体の皮膚から公知の方法を用いて調製された培養ヒト皮脂腺細胞、確立されたヒト皮脂腺細胞株などが挙げられ、好ましくは、確立されたヒト皮脂腺細胞株である。ヒト皮脂腺細胞株の例としては、特許文献1、又は非特許文献1、5に記載された不死化ヒト由来セボサイト細胞株(例えばDSM ACC2383又はSZ95、及びSEB−1)が挙げられるが、これらに限定されない。
上記した培養ヒト皮脂腺細胞及び細胞株の中には、未成熟の皮脂腺細胞だけでなく、一部に成熟皮脂腺細胞が存在することがあり得る。しかし、このような未成熟細胞と成熟細胞の混合物を本発明の方法に従って培養すれば、油滴を蓄積した成熟ヒト皮脂腺細胞の含有率が顕著に増加した培養皮脂腺細胞を調製することができる。したがって、本発明の方法で培養される未成熟の皮脂腺細胞とは、未成熟の皮脂腺細胞のみからなる皮脂腺細胞集団であっても、未成熟の皮脂腺細胞を含む皮脂腺細胞集団であってもよい。言い換えると、本発明の成熟ヒト皮脂腺細胞の製造方法の一実施形態は、未成熟のヒト皮脂腺細胞から成熟ヒト皮脂腺細胞を製造する方法であり得、別の一実施形態は、未成熟のヒト皮脂腺細胞を含むヒト皮脂腺細胞培養物から、成熟ヒト皮脂腺細胞の含有率がより高いヒト皮脂腺細胞培養物を製造する方法であり得る。
上記本発明の方法においては、上記未成熟のヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養する。これによって、該未成熟細胞を成熟ヒト皮脂腺細胞へと分化誘導する。本発明における低酸素条件とは、好ましくは培養雰囲気中の酸素濃度が約5%以下、より好ましくは約2%以下、さらに好ましくは約1%以下の条件であるか、あるいは培養雰囲気中の酸素濃度が約0.1%〜約5%の条件である。低酸素条件は、酸素濃度コントローラーを備えた培養器によって達成することができる。このような培養器は公知であり、様々なタイプが市販されている(例えば、BIONIX低酸素培養キット;株式会社スギヤマゲン)。
上記本発明の方法におけるヒト皮脂腺細胞を培養する際の他の条件は、通常のヒト皮脂腺細胞のインビトロでの培養条件に従えばよい。培養条件の例を以下に挙げる:培地は、William’s E Medium、D−MEM、RPMI1640、Ham’s F−12、Modified D−MEM/Ham’s F−12(1:1)培地(例えば、SebomedTM basal medium)等の基礎培地、好ましくはModified D−MEM/Ham’s F−12(1:1)培地に対して、血清を0.1%〜20%、好ましくは10%、Epidermal Growth Factor(EGF)を1〜10ng/mL、好ましくは3〜6ng/mL、ハイドロコルチゾンを0.1〜20μg/mL、好ましくは5〜15μg/mL、インスリンを5〜50μg/mL、好ましくは8〜20μg/mL添加したものを用いる。培養容器は、プラスチック、ガラス等、好ましくはプラスチックを使用する。培地への細胞の播種濃度は、1×103〜1×106cells/cm2、好ましくは0.5×103cells/cm2〜0.5×105cells/cm2である。培養は、培養温度30〜40℃、好ましくは33〜38℃で、静置、振盪、もしくは旋回条件下、好ましくは静置状態で実施する。培養時間は、細胞内の油滴の形成状態に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは24時間以上、より好ましくは24〜72時間程度である。
したがって、本発明の別の一態様は、上記低酸素条件で細胞を培養することができる手段を備えた細胞培養装置を、成熟ヒト皮脂腺細胞の培養のため、又は未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導のために使用することに関する。一実施形態において、該細胞培養装置は、細胞培養のためのチャンバーと、培養雰囲気を低酸素条件に調整又は維持するための酸素濃度制御器とを備える。
上記細胞培養のためのチャンバーとしては、培養細胞を培養する雰囲気を、周辺の通常の大気から遮断することができるものであればよく、例えば、密閉型のシャーレ、ジャー、インキュベーターなどを挙げることができる。上記酸素濃度制御器は、上記チャンバー内の酸素濃度を、通常の大気よりも低濃度に、好ましくは上述した低酸素条件に調整又は維持することができる装置である。該酸素濃度制御器としては、例えば、酸素吸収剤、ならびに酸素、窒素及び二酸化炭素を任意の濃度で混合することができる酸素コントローラー等を挙げることができる。上記に例示したチャンバー及び酸素濃度制御器は、各々市販されており、又はそれらを組み合わせた低酸素培養用キットも市販されている(例えば、BIONIX低酸素培養キット;株式会社スギヤマゲン)。例えば、従来癌細胞の培養用に提供されている低酸素培養のための機器又はキットを、本発明の成熟ヒト皮脂腺細胞の培養のための装置として応用することができる。
上記の手順で得られた成熟ヒト皮脂腺細胞は、生体内の皮脂腺細胞のように油滴を形成又は蓄積する性質を有しているので、皮脂分泌のメカニズムの研究、又は皮脂分泌を制御するための医薬品若しくは化粧品の開発研究において、ヒト皮脂腺モデルとして使用することができる。
したがって、本発明の別の一態様は、上記低酸素下で培養したヒト皮脂腺細胞が油滴を形成又は蓄積するという性質を利用した、皮脂分泌制御剤の評価及び/又は選択方法である。該方法は、未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養すること、及び培養された細胞の油滴形成に対する被験物質又は試験条件の影響を調べることを含む。該未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養する手順は、上述したとおりである。
本発明の皮脂分泌制御剤の評価及び/又は選択方法の一実施形態において、上記未成熟ヒト皮脂腺細胞の低酸素条件下での培養は、被験物質の存在下で行われる。所定の期間の培養後、培養した細胞の油滴を観察し、該細胞の油滴形成に対する被験物質の影響を調べる。
別の一実施形態において、上記未成熟ヒト皮脂腺細胞の低酸素条件下での培養は、試験条件の適用下で行われる。所定の期間の培養後、培養した細胞の油滴を観察し、該細胞の油滴形成に対する試験条件の影響を調べる。
別の一実施形態においては、上記未成熟ヒト皮脂腺細胞の低酸素条件下での培養は、被験物質又は試験条件なしで行われ、該培養後の細胞は、被験物質又は試験条件を適用されてさらに培養される。この被験物質又は試験条件適用後の培養は、低酸素条件下である必要はない。所定の期間の培養後、細胞の油滴を観察し、該細胞の油滴形成に対する被験物質又は試験条件の影響を調べる。
被験物質又は試験条件としては、皮脂分泌制御に使用することを所望する物質又は条件であれば、特に制限されない。被験物質は、天然に存在する物質であっても、化学的若しくは生物学的方法等で人工的に合成した物質であってもよく、又は化合物であっても、組成物若しくは混合物であってもよい。試験条件としては、光(例えば光照射又は遮光)、温度(例えば加熱又は冷却)等の物理化学的条件などが挙げられるが、これらに限定されない。
培養細胞に被験物質又は試験条件を適用する方法としては、培地に被験物質を添加する方法、細胞に直接試験物質を添加する方法、被験物質の存在する雰囲気下で細胞を培養する方法、培養中の細胞を所定の物理化学的条件に曝す方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
細胞の油滴の観察においては、顕微鏡観察などで定性的に油滴を評価してもよいが、細胞の油滴形成量を定量してもよい。細胞の油滴形成量の定量方法としては、蛍光若しくは吸光度測定装置を用いて測定した、オイルレッドO、ナイルレッド等の油脂染色試薬で染色した細胞の染色強度に基づいて油脂量を定量する方法、細胞中のperilipin 1(PLIN1)などの脂肪滴結合関連タンパク質の発現量を、リアルタイムRT−PCR等により定量する方法などが挙げられる。
次いで、細胞の油滴形成に対する被験物質又は試験条件の影響を調べる。培養した細胞の油滴形成量が被験物質又は試験条件の適用により増加又は減少した場合、該被験物質又は試験条件は、皮脂分泌制御剤として選択される。より詳細には、被験物質又は試験条件の適用により、培養した細胞の油滴形成量が増加していた場合、該被験物質又は試験条件は、皮脂分泌促進剤として選択される。一方で、被験物質又は試験条件の適用により、培養した細胞の油滴形成量が減少していた場合、該被験物質又は試験条件は、皮脂分泌抑制剤として選択される。
好ましくは、細胞の油滴形成量は対照と比較される。被験物質又は試験条件を適用した細胞の油滴形成量が、対照よりも統計学的に有意に増加していた場合、該被験物質又は試験条件は、皮脂分泌促進剤として選択される。一方で、被験物質又は試験条件を適用した細胞の油滴形成量が、対照よりも統計学的に有意に減少していた場合、該被験物質又は試験条件は、皮脂分泌抑制剤として選択される。あるいは、被験物質又は試験条件を適用した細胞の油滴形成量が、好ましくは対照の120%以上、より好ましくは150%以上に増加していた場合、該被験物質又は試験条件は、皮脂分泌促進剤として選択される。一方で、被験物質又は試験条件を適用した細胞の油滴形成量が、好ましくは対照の80%以下、より好ましくは60%以下に減少していた場合、該被験物質又は試験条件は、皮脂分泌抑制剤として選択される。
対照としては、例えば、被験物質若しくは試験条件を適用しないで、又は対照物質存在下で、未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養したもの、あるいは、低酸素条件下での培養中及び培養後に被験物質又は試験条件を適用しなかった細胞、などが挙げられる。
選択された皮脂分泌制御剤は、皮脂分泌の促進又は抑制の効果を有し、過剰な皮脂分泌又は皮脂分泌の低下に伴う種々の状態又は疾患を治療又は改善し得る。例えば、皮脂分泌抑制剤は、ニキビ、脂性肌、脂漏症などの治療若しくは改善剤、又は皮脂を原因とする臭い(体臭など)の抑制の有効成分として使用することができ、皮脂分泌促進剤は、乾燥肌、乾皮症、ドライアイ、唇の荒れ若しくは乾燥などの治療又は改善剤の有効成分として使用することができる。
本発明はまた、例示的実施形態として以下の物質、製造方法、用途又は方法を包含する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
<1>未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、成熟ヒト皮脂腺細胞の製造方法。
<2>未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導方法。
<3>未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、ヒト皮脂腺細胞の油滴形成量の増加方法。
<4>好ましくは、上記未成熟ヒト皮脂腺細胞が、未成熟皮脂腺細胞のみからなる皮脂腺細胞集団であるか、又は未成熟皮脂腺細胞を含む皮脂腺細胞集団である、<1>〜<3>のいずれか1項記載の方法。
<5>上記未成熟ヒト皮脂腺細胞が、好ましくはヒト皮脂腺細胞株であり、より好ましくはDSM ACC2383で登録された細胞、SZ95細胞、又はSEB−1細胞である、<1>〜<3>のいずれか1項記載の方法。
<6>上記低酸素条件が、培養雰囲気中の酸素濃度が、好ましくは約5%以下、より好ましくは約2%以下、さらに好ましくは約1%以下の条件であるか、あるいは培養雰囲気中の酸素濃度が約0.1%〜約5%の条件である、<1>〜<5>のいずれか1項記載の方法。
<7>好ましくは、上記培養が静置状態で実施される、<1>〜<6>のいずれか1項記載の方法。
<8>好ましくは、上記培養が24時間以上実施される、<1>〜<7>のいずれか1項記載の方法。
<9>未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することと、培養された細胞の油滴形成に対する被験物質又は試験条件の影響を調べることを含む、皮脂分泌制御剤の評価及び/又は選択方法。
<10>好ましくは、上記未成熟ヒト皮脂腺細胞が、未成熟皮脂腺細胞のみからなる皮脂腺細胞集団であるか、又は未成熟皮脂腺細胞を含む皮脂腺細胞集団である、<9>記載の方法。
<11>上記未成熟ヒト皮脂腺細胞が、好ましくはヒト皮脂腺細胞株であり、より好ましくはDSM ACC2383で登録された細胞、SZ95細胞、又はSEB−1細胞である、<9>記載の方法。
<12>上記低酸素条件が、培養雰囲気中の酸素濃度が、好ましくは約5%以下、より好ましくは約2%以下、さらに好ましくは約1%以下の条件であるか、あるいは培養雰囲気中の酸素濃度が約0.1%〜約5%の条件である、<9>〜<11>のいずれか1項記載の方法。
<13>好ましくは、上記培養が静置状態で実施される、<9>〜<12>のいずれか1項記載の方法。
<14>好ましくは、上記培養が24時間以上実施される、<9>〜<13>のいずれか1項記載の方法。
<15>好ましくは、上記未成熟ヒト皮脂腺細胞の低酸素条件下での培養が、被験物質の存在下又は試験条件の適用下で行われる、<9>〜<14>のいずれか1項記載の方法。
<16>好ましくは、上記未成熟ヒト皮脂腺細胞の低酸素条件下での培養が被験物質又は試験条件なしで行われ、かつ、上記方法は、該低酸素条件下で培養した細胞を、被験物質又は試験条件の適用下でさらに培養することをさらに含む、<9>〜<14>のいずれか1項記載の方法。
<17>好ましくは、培養した細胞の油滴形成量が被験物質又は試験条件の適用により増加又は減少した場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌制御剤として選択することをさらに含む、<9>〜<16>のいずれか1項記載の方法。
<18>好ましくは、
被験物質若しくは試験条件を適用しないで未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養すること、ならびに、
以下のいずれか:
上記被験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて統計学的に有意に増加していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌促進剤として選択すること;
上記試験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて統計学的に有意に減少していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌抑制剤として選択すること;
上記被験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて、好ましくは120%以上、より好ましくは150%以上に増加していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌促進剤として選択すること;
又は、
上記被験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下に減少していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌抑制剤として選択すること;
をさらに含む、<15>記載の方法。
<19>好ましくは、
上記低酸素条件下で培養した細胞を、被験物質若しくは試験条件を適用しないでさらに培養すること
ならびに、
以下のいずれか:
上記被験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて統計学的に有意に増加していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌促進剤として選択すること;
上記試験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて統計学的に有意に減少していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌抑制剤として選択すること;
上記試験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて、好ましくは120%以上、より好ましくは150%以上に増加していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌促進剤として選択すること;
又は、
上記被験物質又は条件を適用した細胞の油滴形成量が、該被験物質若しくは試験条件を適用しなかった細胞と比べて、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下に減少していた場合に、該被験物質又は試験条件を皮脂分泌抑制剤として選択すること;
をさらに含む、<16>記載の方法。
<20>好ましくは、上記皮脂分泌制御剤が、過剰な皮脂分泌又は皮脂分泌の低下に伴う種々の状態又は疾患の治療又は改善剤である、<9>〜<19>のいずれか1項記載の方法。
<21>細胞培養のためのチャンバーと、培養雰囲気を低酸素条件に調整又は維持するための酸素濃度制御器とを備える、成熟ヒト皮脂腺細胞の培養のための装置。
<22>細胞培養のためのチャンバーと、培養雰囲気を低酸素条件に調整又は維持するための酸素濃度制御器とを備える、未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導のための装置。
<23>上記低酸素条件が、培養雰囲気中の酸素濃度が、好ましくは約5%以下、より好ましくは約2%以下、さらに好ましくは約1%以下の条件であるか、あるいは培養雰囲気中の酸素濃度が約0.1%〜約5%の条件である、<21>又は<22>記載の装置。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<方法>
1)細胞
ヒト皮脂腺細胞株(SZ95)は、10%FBS、5ng/mL EGFを含むSebomedTM basal medium中で培養した。通常酸素濃度下での培養は、大気中の酸素濃度(20.9%)下で行った。低酸素下での培養は、BIONIX低酸素培養キット(株式会社スギヤマゲン)を用いて、酸素濃度10%、5%、1%又は0.1%の条件下で行った。いずれの場合も、5%CO2、37℃下で、最大72時間培養した。
2)油滴の蛍光顕微鏡観察
SZ95を4%パラホルムアルデヒド溶液を用いて5分間固定し、その後1μg/mLのNile red溶液(Sigma Aldorich)、及びDAPI溶液(Life Technologies)で15分間、室温で染色し、蛍光顕微鏡を用いて油滴の観察を実施した。
3)リアルタイムRT−PCR
細胞から、RNeasy(登録商標)Mini kitを用いて、添付のプロトコールに従ってtotal RNAを抽出した。抽出したtotal RNAからのcDNA合成には、QuantiTect(登録商標)reverse transcription kit(QIAGEN)を用いた。リアルタイムPCRでは、TaqMan(登録商標)Universal master Mix(Life technologies)、ならびにTaqManプローブ(Life technologies)を用いて、Perilipin 1(PLIN1)、及びRibosomal protein LP0(RPLP0)のmRNA発現量を定量した。PLIN1のmRNA発現量は、RPLP0の発現量で補正した。
(試験1)低酸素下培養による皮脂腺細胞の油滴形成量の促進
SZ95細胞を、20.9%、10%、5%、1%及び0.1%の酸素濃度下で2日間培養し、Nile red染色した後、蛍光顕微鏡観察した。顕微鏡画像を図1〜2に示す。図1〜2中、輝度の低い白色で見える円形の領域(図1の拡大図中の点線で囲った領域内)は細胞の核であり、核の周辺に多数点在している輝度の高い白いドット(図1の拡大図中の矢印)が油滴である。顕微鏡観察の結果、0.1%、1%及び5%の酸素濃度下で培養した細胞は、強くNile redに染色されており、細胞内に油滴を蓄積したことが明らかとなった。その中でも、酸素濃度が最も低い0.1%の酸素濃度下で培養した細胞が、油滴の形成率が最も高いことが確認された。
(試験2)培養時間による皮脂腺細胞の油滴形成量の変化
SZ95細胞を、酸素濃度0.1%で3、6、9、24、48時間培養した。その結果、24時間以上培養した細胞が、強くNile redに染色されており、細胞内に豊富に油滴を蓄積したことが明らかとなった(図3〜4)。
(試験3)低酸素による油滴形成の分子機構
Perilipin 1(PLIN1)がノックアウトされたマウスでは、通常脂肪細胞に蓄積される油滴が著しく減少することが報告されている(PNAS,2001,98:6494−6499)。本試験では、SZ95細胞を酸素濃度20.9%(通常)及び0.1%(低酸素)の条件下で24時間又は48時間培養した後、細胞のPLIN1の発現量を測定した。その結果、PLIN1の発現は、通常酸素濃度条件下(20.9%)と比較して、低酸素条件下(0.1%)で培養した細胞において有意に上昇していることが明らかとなった(図5)。このことから、皮脂腺細胞の低酸素環境下における油滴形成の分子機構にはPLIN1が関与していること、及びPLIN1を指標に、皮脂腺細胞の油滴形成量を定量することができることが示唆された。

Claims (13)

  1. 未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、成熟ヒト皮脂腺細胞の製造方法。
  2. 未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することを含む、未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導方法。
  3. 未成熟ヒト皮脂腺細胞を低酸素条件下で培養することと、培養された細胞の油滴蓄積に対する被験物質又は試験条件の影響を調べることを含む、皮脂分泌制御剤の評価及び/又は選択方法。
  4. 前記未成熟ヒト皮脂腺細胞が、ヒト皮脂腺細胞株である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記ヒト皮脂腺細胞株が、DSM ACC2383で登録された細胞、SZ95細胞、又はSEB−1細胞である、請求項4記載の方法。
  6. 前記低酸素条件が、培養雰囲気中の酸素濃度が5%以下の条件である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記低酸素条件が、培養雰囲気中の酸素濃度が2%以下の条件である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記低酸素条件が、培養雰囲気中の酸素濃度が1%以下の条件である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記低酸素条件が、培養雰囲気中の酸素濃度が0.1%〜5%の条件である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記培養が静置状態で実施される、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記培養が24時間以上実施される、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 細胞培養のためのチャンバーと、培養雰囲気を低酸素条件に調整又は維持するための酸素濃度制御器とを備える、成熟ヒト皮脂腺細胞の培養のための装置。
  13. 細胞培養のためのチャンバーと、培養雰囲気を低酸素条件に調整又は維持するための酸素濃度制御器とを備える、未成熟ヒト皮脂腺細胞の成熟ヒト皮脂腺細胞への分化誘導のための装置。
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