JPWO2017119236A1 - フレキソ印刷版、フレキソ印刷版原版、および、これらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献3には、印刷層(A)の表面の二乗平均平方粗さRqが、0.3μm以上2.4μm以下であり、印刷層(A)の最大高さRyが8μm以上21μm以下であり、印刷層(A)の十点平均粗さRzが8μm以上21μm以下であって、印刷層(A)は、表面に存在する研磨剤の粒度が3μm以上20μm以下である研磨紙、研磨フィルム又は研磨ホイールによって表面調整することにより形成されたものである凸版印刷原版が記載されており([請求項1])、これにより、フレキソ印刷等の凸版印刷におけるベタ品質が向上することが記載されている([0008])。
また、特許文献2および特許文献3に記載された印刷版についても検討したところ、ベタ部において、インキの転写性を十分に向上できず、インキ濃度が低くなることがわかった。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
凹凸構造を有する画像部の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが、15〜120μmであり、油溜まり面積A2が、2〜180であり、切断レベル30%における負荷長さ率Rmr30%が、20〜90%であるフレキソ印刷版。
[2] 粗さ曲線要素の平均長さRSmが、20〜40μmである[1]に記載のフレキソ印刷版。
[3] 油溜まり面積A2が、40〜140である[1]または[2]に記載のフレキソ印刷版。
[4] 負荷長さ率Rmr30%が、35〜75%である[1]〜[3]のいずれかに記載のフレキソ印刷版。
[5] 凹凸構造が、複数の溝からなる凹部と凹部以外の凸部とからなる[1]〜[4]のいずれかに記載のフレキソ印刷版。
[6] レリーフ層の形成材料が、結晶性ポリマーを含む[1]〜[5]のいずれかに記載のフレキソ印刷版。
[7] 結晶性ポリマーが、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、および、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1種の結晶性ポリマーである[6]に記載のフレキソ印刷版。
[8] 表面に凹凸構造が形成されたレリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版であって、
凹凸構造を有するレリーフ形成層の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが15〜120μmであり、油溜まり面積A2が、2〜180であり、切断レベル30%における負荷長さ率Rmr30%が、20〜90%であるフレキソ印刷版原版。
[9] 粗さ曲線要素の平均長さRSmが、20〜40μmである[8]に記載のフレキソ印刷版原版。
[10] 油溜まり面積A2が、40〜140である[8]または[9]に記載のフレキソ印刷版原版。
[11] 負荷長さ率Rmr30%が、35〜75%である[8]〜[10]のいずれかに記載のフレキソ印刷版原版。
[12] 凹凸構造が、複数の溝からなる凹部と凹部以外の凸部とからなる[8]〜[11]のいずれかに記載のフレキソ印刷版。
[13] レリーフ形成層の形成材料が、結晶性ポリマーを含む[8]〜[12]のいずれかに記載のフレキソ印刷版原版。
[14] 結晶性ポリマーが、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、および、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1種の結晶性ポリマーである[13]に記載のフレキソ印刷版原版。
[15] 非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のフレキソ印刷版を製造するフレキソ印刷版の製造方法であって、
レーザー彫刻用樹脂組成物を用いてレリーフ形成層を形成する層形成工程と、
レリーフ形成層にレーザー彫刻を施して、非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を形成し、フレキソ印刷版を得る彫刻工程と、を有するフレキソ印刷版の製造方法。
[16] 層形成工程と彫刻工程との間に、レーザー彫刻用樹脂組成物を架橋する架橋工程を有する[15]に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
[17] 凹凸構造は、複数の溝からなる凹部と凹部以外の凸部とから構成される構造であり、
彫刻工程において、主走査方向のみに彫刻を行って溝を形成する[15]または[16]に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
[18] 非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のフレキソ印刷版を製造するフレキソ印刷版の製造方法であって、
感光性樹脂組成物からなるレリーフ形成層とアブレーション層をこの順に有する積層体を準備する準備工程と、
アブレーション層にレーザーを照射して、アブレーション層の、レーザーが照射された部分を除去し、所望の形状のマスクを形成するマスク形成工程と、
レリーフ形成層にマスクを介して紫外線を照射し、レリーフ形成層を硬化させる露光工程と、
レリーフ形成層の、露光工程により硬化されなかった部分を除去し、レリーフ層を形成し、フレキソ印刷版を得る現像工程と、を有するフレキソ印刷版の製造方法。
[19] 表面に凹凸構造が形成されたレリーフ形成層を有する、[8]〜[14]のいずれかに記載のフレキソ印刷版原版を製造するフレキソ印刷版原版の製造方法であって、
レーザー彫刻用樹脂組成物を用いて未架橋レリーフ形成層を形成する層形成工程と、
未架橋レリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を形成する架橋工程と、
架橋工程の後に、転写により架橋レリーフ形成層の表面に凹凸構造を形成して、フレキソ印刷版原版を得る凹凸形成工程と、を有するフレキソ印刷版原版の製造方法。
[20] 非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備える架橋レリーフ層を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のフレキソ印刷版を製造するフレキソ印刷版の製造方法であって、[19]に記載されたフレキソ印刷版原版の製造方法で作製されたフレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層の非画像部となる部分をレーザー彫刻し、非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する、フレキソ印刷版の製造方法。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、「質量部」および「質量%」は、それぞれ、「重量部」および「重量%」と同義である。
また、上記架橋は、光および/または熱により行われ、樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されない。
また、架橋レリーフ形成層を有する印刷版原版にレーザー彫刻し、所望によりリンスすることによりフレキソ印刷版が作製される。
本発明のフレキソ印刷版は、非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版である。
また、上記凹凸構造を有する画像部の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmは、15〜120μmであり、油溜まり面積A2は、2〜180であり、切断レベル30%における粗さ曲線の負荷長さ率Rmr30%は、20〜90%である。
本明細書においては、まず、凹凸構造を有する画像部の表面を、ハイブリッドレーザーマイクロスコープOPTELICS(登録商標) HYBRID(レーザーテック株式会社製)を用い、対物レンズ50xApo(高開口数(高NA))を用いて、高さ0.1μm刻みでコンフォーカル計測して、3次元データを求める。次いで、専用解析ソフトLMeye7を用いて計測データを解析し、粗さ曲線要素の平均長さRSmを求める。評価は、縦300μm、横300μmの領域を評価範囲とし、横方向に1024ライン分測定し、各評価値の平均値を求めた。
本明細書においては、まず、凹凸構造を有する画像部の表面を、ハイブリッドレーザーマイクロスコープOPTELICS(登録商標) HYBRID(レーザーテック株式会社製)を用い、対物レンズ50xApo(高NA)を用いて、高さ0.1μm刻みでコンフォーカル計測して、3次元データを求める。次いで、専用解析ソフトLMeye7を用いて計測データを解析し、油溜まり面積A2を求める。計測データの解析は、まず、粗さ曲線において、深くなればなるほど実体部分が増えることを表す負荷曲線を求め、この付加曲線の中央部分に等価な等価直線を求める。次に、この等価直線と横軸のMr=100%の位置で縦軸と交わる点から横軸に平行に直線を引く。この直線と負荷曲線とMr=100%の直線で囲まれる面積を油溜まり面積A2として求める。
以下の説明においては、「粗さ曲線の負荷長さ率Rmr30%」を単に「負荷長さ率Rmr30%」ともいう。
本明細書においては、まず、凹凸構造を有する画像部の表面を、ハイブリッドレーザーマイクロスコープOPTELICS(登録商標) HYBRID(レーザーテック株式会社製)を用い、対物レンズ50xApo(高NA)を用いて、高さ0.1μm刻みでコンフォーカル計測して、3次元データを求める。次いで、専用解析ソフトLMeye7を用いて計測データを解析し、負荷長さ率Rmr30%を求める。評価は、縦300μm、横300μmの領域を評価範囲とし、横方向に1024ライン分測定し、各評価値の平均値を求めた。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
そして、本発明者らは、この原因が、凹部の深さのばらつきの大きさ、および、凹凸のピッチの大きさにあると考えた。
また、粗さ曲線要素の平均長さRSmは15μm以上とすることで、インキの流れを良くして転写性を向上できると考えられる。
また、上記インキの転写性および均一性の観点から、粗さ曲線要素の平均長さRSmは、15〜100μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
また、油溜まり面積A2を2以上とすることで、凹凸構造を明確に形成してインキの流れ道を形成することができ、その結果インキ転移性を向上できると考えられる。
また、上記インキの転写性および均一性の観点から、油溜まり面積A2は、3〜160が好ましく、40〜140μmがより好ましい。
また、負荷長さ率Rmr30%を90%以下とすることで、多くのインキの流れ道を確保することができ、転写されるインキの均一性および転写性を向上できると考えられる。
また、上記インキの転写性および均一性の観点から、負荷長さ率Rmr30%は、25〜85%が好ましく、35〜75%がより好ましい。
ここで、インキの流れ道を好適に確保できる等の点で、複数の溝からなる凹部と凹部以外の凸部とからなる構造であるのが好ましい。
画像部3は、印刷時にインキを着けてこのインキを被印刷物に転写する、すなわち、印刷時に画像を形成する領域である。また、非画像部4は、印刷時にインキをつけない、すなわち、画像を形成しない領域である。
また、凹部5および凸部6からなる凹凸構造は、画像部の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが15〜120μmで、油溜まり面積A2が2〜180で、切断レベル30%における粗さ曲線の負荷長さ率Rmr30%が20〜90%であることを満たすものであれば、図2に示すように、各々の溝が互いに平行に配置されたものであってもよく、各々の溝が互いに放射状に配置されたものであってもよく、各溝が屈曲し、2以上の直線部分を有する態様に配置されたものであってもよい。
同様に、凹凸構造が、微小な突起部からなる凸部を複数有する構造である場合や、微小な穴部からなる凹部を複数有する構造の場合の、突起部の形状、幅、高さ、数密度、配置パターン等、ならびに、孔部の形状、幅、高さ、数密度および配置パターン等にも限定はない。
本発明のフレキソ印刷版原版は、表面に凹凸構造が形成された架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版である。
また、上記凹凸構造は、複数の溝からなる凹部と、上記凹部以外の凸部とから構成されている。
また、上記凹凸構造を有する架橋レリーフ形成層の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmは、15〜120μmであり、油溜まり面積A2は、2〜180であり、切断レベル30%における粗さ曲線の負荷長さ率Rmr30%は、20〜90%である。
すなわち、本発明の印刷版原版の架橋レリーフ形成層は、表面に上述のフレキソ印刷版の画像部に形成された凹凸構造と同様の凹凸構造を有する。
したがって、本発明の印刷版原版の架橋レリーフ形成層の表面に形成される凹凸構造については説明を省略する。
このような支持体としては特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート));PAN(ポリアクリロニトリル);PI(ポリイミド);PA(ポリアミド);テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂;スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム;ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など);等が挙げられる。
支持体としては、PETフィルム、PENフィルム、PIフィルム、PAフィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコーン樹脂フィルムが好ましく用いられる。
本発明の第1の態様に係るフレキソ印刷版の製造方法(以下、「印刷版第1製造方法」ともいう。)は、上述した本発明のフレキソ印刷版を製造する製造方法であって、
レーザー彫刻用樹脂組成物を用いてレリーフ形成層を形成する層形成工程と、
レリーフ形成層にレーザー彫刻を施して、非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を形成し、フレキソ印刷版を得る彫刻工程と、を有するフレキソ印刷版の製造方法である。
また、好ましくは、層形成工程と彫刻工程との間に、レーザー彫刻用樹脂組成物を架橋する架橋工程を有する。
なお、後述する本発明の第3の態様に係るフレキソ印刷版の製造方法は、後述するフレキソ印刷版原版の製造方法により製造されるフレキソ印刷版原版を利用したフレキソ印刷版の製造方法である。
以下に、印刷版第1製造方法の各工程について詳述する。
層形成工程は、レーザー彫刻用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)を用いて架橋前(硬化前)のレリーフ形成層を形成する工程である。
上記樹脂組成物は、フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層を形成する従来公知の樹脂組成物を用いることができ、例えば、バインダーポリマーおよび光熱変換材料を含有する樹脂組成物が挙げられる。
以下に、層形成工程に用いる樹脂組成物に含有する各成分について詳述する。
バインダーポリマーとしては特に制限されないが、熱可塑性ポリマー、ジエン系ポリマーなどが挙げられる。
熱可塑性ポリマーは、熱可塑性を示すポリマーであれば特に限定されない。
このような熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらのうち、レーザー彫刻感度の観点から、露光または加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。このようなポリマーは、特開2008−163081号公報の[0038]段落に記載されているものが好ましく挙げられる。
また、柔軟で可撓性を有する膜形成が目的とされる場合には、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーが好ましい。このような樹脂やポリマーは、特開2008−163081号公報の[0039]〜[0040]段落に記載されているものが好ましく挙げられる。
更に、樹脂組成物の調製の容易性や、作製される印刷版における油性インクに対する耐性向上の観点から、親水性または親アルコール性ポリマーを使用することも好ましい。親水性ポリマーとしては、特開2008−163081号公報の[0041]段落に記載されているものを使用することができる。
このようなポリマーとして、主鎖にエチレン性不飽和結合を含むポリマーとしては、例えば、SB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
また、側鎖にエチレン性不飽和結合をもつポリマーとしては、後記のバインダーポリマーの骨格に、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基のようなエチレン性不飽和基を側鎖に導入することにより得られる。バインダーポリマー側鎖にエチレン性不飽和基を導入する方法は、(1)重合性基に保護基を結合させてなる重合性基前駆体を有する構成単位をポリマーに共重合させ、保護基を脱離させて重合性基とする方法、(2)水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基などの反応性基を複数有する高分子化合物を作製し、これらの反応性基と反応する基及びエチレン性不飽和基を有する化合物を高分子反応により導入する方法など、公知の方法をとることができる。これらの方法によれば、高分子化合物中へのエチレン性不飽和基の導入量を制御することができる。
なお、バインダーポリマーは、ヒドロキシル基、シラノール基、加水分解性シリル基等の反応性官能基を有するバインダーポリマーであることが好ましく、その具体例としては、ビニル共重合体(ポリビニルアルコールやポリビニルアセタールなどのビニルモノマーの共重合体及びその誘導体)やアクリル樹脂(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系モノマーの共重合体及びその誘導体)が挙げられる。
上記ジエン系ポリマーとしては、具体的には、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのジエン系ポリマーのうち、レリーフ形成層の製膜性を向上させる観点から、融点が23℃以下の液状ポリマー(例えば、液状ブタジエンゴムなど)を好適に用いることができる。
ここで、融点とは、示差走査熱量測定(DSC:Differential scanning calorimetry)の測定パンに加温前の熱可塑性ポリマーを20mg入れ、これを窒素気流中で10℃/分で30℃から300℃まで昇温した際に、観測された吸熱ピークの開始温度である。
ここで、結晶性ポリマーとは、分子構造の中に長い鎖状の分子が規則的に並んだ結晶性領域と、規則的に並んでいない非結晶性領域が混在したポリマーを意味し、その結晶性領域の割合である結晶化度が25度で1体積%以上有するポリマーのことを指す。
ここで結晶化度とは、示差走査熱量計により窒素雰囲気下、25℃から200℃までの範囲で昇温速度20℃/minにて温度を変化させながら、結晶融解による吸熱ピーク(ΔH(J/g))を求める。測定されたΔHに基づき、以下の式により到達結晶化度(%)を算出する。
結晶化度(%)={ΔH/a}×100
上式中、「a」は公知の文献で示されている、結晶性領域の成分が100%結晶化した場合の結晶融解熱量(例えば、ポリ乳酸の場合94J/g、ポリエチレン(HDPE)293(J/g))を意味する。
具体的には、例えば、SB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)、ACM(アクリル酸エステルゴム)、ACS(アクリロニトリル塩素化ポリエチレンスチレン共重合体)、非晶性ポリアルファオレフィン、アタクチックポリプロピレン、アクリロニトリルスチレン共重合体、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチルビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリプロピレン、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリオクテニレン、トランス−ポリイソプレン,ポリビニルブチラール、エチレン−オクテンコポリマー等のエチレン−α−オレフィンコポリマー、プロピレン−α−オレフィンコポリマー、1,3−ペンタジエン重合体などが挙げられる。
これらのうち、SBS、SIS、SEBS、ポリプロピレン、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリオクテニレン、トランス−ポリイソプレン,エチレン−オクテンコポリマー等のエチレン−α−オレフィンコポリマー、プロピレン−α−オレフィンコポリマーが好ましく、その中でも、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレン−α−オレフィンコポリマー、プロピレン−α−オレフィンコポリマー、ポリオクテニレンが特に好ましい。
光熱変換材料は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進する成分と考えられる。
そのため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換材料を選択することが好ましい。
例えば、本発明の印刷版原版を、700〜1,300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合は、光熱変換材料としては、700〜1,300nmに極大吸収波長を有する化合物を用いることが好ましい。
このような光熱変換材料としては、種々の染料又は顔料が用いられる。
これらの顔料のうち、好ましいものは後述するカーボンブラックである。
上記カーボンブラックは特に限定されず、樹脂組成物中における分散性などが安定である限り、American Society for Testing and materials(ASTM)による分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。
ここで、本発明においては、カーボンブラックは、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進する光熱変換剤として機能していると考えられる。
なお、これらのカーボンブラックは、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができるが、コストの観点から粉体で使用することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は架橋剤を含有していてもよい。その場合、架橋剤は、特に限定されず、従来公知の重合開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤等)等を使用することができる。
これらのうち、半減期温度が高く、その結果、樹脂組成物の混練時のスコーチ(早期硬化)を抑制することができる理由や、彫刻感度と、フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった理由などから、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
上記有機過酸化物としては、具体的には、例えば、ジクミルペルオキシド(10時間半減期温度:116℃)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(10時間半減期温度:119℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度:118℃)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
原体としては、例えば、パークミルD(日油株式会社製)、PerkadoxBC−FF(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックスDC(アルケマ吉富株式会社製)、パーブチルP(日油株式会社製)、パーカドックス14(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックスF(アルケマ吉富株式会社製)、ルペロックスF90P(アルケマ吉富株式会社製)、パーヘキサ25B(日油株式会社製)、カヤヘキサAD(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックス101(アルケマ吉富株式会社製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、希釈品としては、例えば、パークミルD−40(日油株式会社製:不活性充填剤希釈品)、パークミルD−40MB(日油株式会社製:シリカ/ポリマー他希釈品)、カヤクミルD−40C(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、カヤクミルD−40MB−S(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、カヤクミルD−40MB(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、パーブチルP−40(日油株式会社製:不活性充填剤希釈品)、パーブチルP−40MB(日油株式会社製:シリカ/ポリマー他希釈品)、パーカドックス14/40(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、パーカドックス14−40C(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、ルペロックスF40(アルケマ吉富株式会社製)、パーヘキサ25B−40(日油株式会社製:シリカ他希釈品)、カヤヘキサAD−40C(化薬アクゾ株式会社製:ケイ酸カルシウム希釈品)、トリゴノックス101−40MB(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、ルペロックス101XL(アルケマ吉富株式会社製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
樹脂組成物は、バインダーポリマーおよび光熱変換材料以外の任意の添加剤として、例えば、重合性化合物、カーボンブラック以外の他の充填剤などを含有してもよい。
重合性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物」という。)であるのが好ましい。
また、任意の重合性化合物を含有する場合の含有量は、樹脂組成物の全質量に対し、0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
他の充填剤は、有機でも無機でもよいが、加工性がより良好となる理由や、コストや硬化膜の強度の観点から、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、および、ステアリン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種以上を用いるのが好ましく、シリカおよび/または炭酸カルシウムを用いるのが特に好ましい。
樹脂組成物には、公知の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、架橋助剤、シランカップリング剤、ワックス、プロセス油、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
レリーフ形成層の形成方法としては、例えば、樹脂組成物を調製し、必要に応じて、この樹脂組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法;樹脂組成物を調製し、樹脂組成物を支持体上に流延し、これをオーブンなどの中で加熱乾燥して溶剤を除去する方法、図4に示すようなカレンダーロールを用い、樹脂組成物をシート状に成型する方法;などが好適に挙げられる。
図4中、カレンダーロール60は第1ロール62a〜第4ロール62dを有しおり、これらのロールの間隔、ロールの温度、および、ロールの回転速度が設定可能となっている。
このロールの間に樹脂組成物の混練物70をセットし、圧延成形することにより、シート状の未硬化層71、すなわち、未架橋レリーフ形成層を得ることができる。
架橋工程は、上記層形成工程で形成した未架橋レリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を形成する工程である。
ここで、架橋させる方法としては、光および/または熱により未架橋レリーフ形成層を硬化させる方法であれば特に特に限定されず、従来のフレキソ印刷版原版の製造方法で用いられる硬化方法を適宜利用することができる。
未架橋レリーフ形成層が光重合開始剤を含有する場合には、光重合開始剤のトリガーとなる光(以下、「活性光線」ともいう。)を未架橋レリーフ形成層に照射することで、レリーフ形成層を架橋することができる。
活性光線の照射は、未架橋レリーフ形成層全面に行うのが一般的である。
活性光線としては、例えば、可視光、紫外光、電子線などが挙げられるが、紫外光が最も一般的である。レリーフ形成層の支持体等、レリーフ形成層を固定化するための基材側を裏面とすれば、表面に光を照射するだけでもよいが、支持体が活性光線を透過する透明なフィルムであれば、更に裏面からも光を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行ってもよいし、保護フィルムを剥離した後に行ってもよい。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、レリーフ形成層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行ってもよい。
未架橋レリーフ形成層が熱重合開始剤を含有する場合、未架橋レリーフ形成層を加熱することにより架橋することができる。
熱による架橋を行うための加熱手段としては、未架橋レリーフ形成層を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
未架橋レリーフ形成層を熱により架橋することにより、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。
彫刻工程は、上記架橋工程で架橋させた架橋レリーフ形成層にレーザー彫刻を施して、非画像部と、表面に上述した凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を形成する工程である。
レーザー彫刻のための画像データの生成方法は、以下の手法を用いることができる。
まず、作製する印刷版の原画像データを取得する。次に、この原画像データを、レーザー彫刻を行うためのデータに変換するため、RIP(Raster Image Processor)処理を行う。一方で、原画像データをラスタライズして、各画像部の外縁(端辺)から所定の幅の複数の部分領域を抽出する。抽出した各部分領域に、それぞれ所定の凹凸パターンのテンプレートを重ねてマスクを生成する。さらに、RIP処理をした画像データに、生成したマスクを掛け合わせて、出力画像データを生成する。
このようにして、原画像データの画像部に凹凸パターンを付加した出力画像データを生成して、この出力画像データを用いてレーザー彫刻を行い、フレキソ印刷版を作製する。
また、凹凸構造として複数の溝を形成する際においては、レーザーの主走査方向が連続的に照射されて形成される溝の長さをAとし、レーザーの副走査方向が連続的に照射されて形成される溝の長さをBとしたときに、AがBよりも3倍以上多くなる条件、または、Aのみとなる条件、すなわち、主走査方向のみに彫刻を行って溝を形成するのが好ましい。
レーザー彫刻の方法としては、例えば、円筒形を有するドラムの外周面にシート状のレーザー彫刻用印刷版原版を巻き付けてドラムを回転させて、印刷版原版に向けて露光ヘッドから、上記出力画像データに応じたレーザー光を射出し、露光ヘッドを主走査方向と直交する副走査方向に所定ピッチで走査させることで、印刷版原版の表面に2次元画像を高速で彫刻(記録)する方法、等が利用可能である。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、レーザー彫刻には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、「実用レーザー技術」電子通信学会編著等に記載されている。
また、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載されるファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、本発明のフレキソ印刷版の製造方法に好適に使用することができる。
本発明の印刷版第1製造方法では、彫刻工程の後に、彫刻表面をアルカリ水溶液でリンスするリンス工程を有していてもよい。リンス工程を有することにより、彫刻表面の付着・残留する彫刻カスを洗い流し、除去することが可能である。
リンスの手段として、アルカリ水溶液に浸漬する方法、アルカリ水溶液に浸漬しながら、リンス液を回転させ、彫刻表面をブラシで摺る方法、アルカリ水溶液をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主にアルカリ水溶液の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
本発明の印刷版第1製造方法では、彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻工程の後に、乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加してもよい。
本発明の印刷版第1製造方法では、必要に応じて、彫刻工程の後に更に架橋する後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
次に、作製したマスクを介して紫外線照射し、レリーフ形成層を硬化させる(露光工程)。次に、露光工程で硬化されなかった部分、すなわち、非画像部および凹部となる未露光部を除去して(現像工程)、レリーフ層を形成しフレキソ印刷版を作製することができる。
なお、現像工程の後に、「乾燥工程」「後架橋工程」等を行ってもよい。
例えば、段落[0044]で記載したバインダーポリマー、光重合性ポリマー、光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物を用いることができる。
例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸及びそれらの金属塩、アクリレート、メタクリレート及びスチレンのホモポリマー及びコポリマー、ブタジエン、イソプレンのホモポリマー及びコポリマー、スチレン及びオレフィンとのブロックコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、その他段落[0044]で記載したバインダーポリマーを用いることができる。
本発明のフレキソ印刷版原版の製造方法(以下、「原版製造方法」とも略す。)は、上述した本発明のフレキソ印刷版原版を製造する製造方法であって、
レーザー彫刻用樹脂組成物を用いて未架橋レリーフ形成層を形成する層形成工程と、
上記未架橋レリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を形成する架橋工程と、
上記架橋工程の後に、転写により架橋レリーフ形成層の表面に凹凸構造を形成して、フレキソ印刷版原版を得る凹凸形成工程と、を有するフレキソ印刷版原版の製造方法である。
また、フレキソ印刷版原版の製造方法における層形成工程および架橋工程は、上述した印刷版第1製造方法において説明した工程と同様であるため、凹凸形成工程のみについて以下に詳述する。
凹凸形成工程は、上記架橋工程で架橋させた架橋レリーフ形成層に転写により凹凸構造を形成する工程である。
具体的には、架橋直後の架橋レリーフ形成層に、形成する凹凸構造に対応する形状の金型を押し当てて、架橋レリーフ形成層の表面に凹凸構造を転写して形成することができる。
あるいは、形成する凹凸構造に対応する形状が表面に付与された冷却ロールにより、架橋直後の架橋レリーフ形成層にカレンダー処理を施し、架橋レリーフ形成層を冷却しながら凹凸構造を転写して形成してもよい。
金型や冷却ロールの表面の形状や押圧力を変えることで、所望の凹凸構造を形成して、粗さ曲線要素の平均長さRSm、油溜まり面積A2、負荷長さ率Rmr30%を適宜、設定することができる。
本発明の第3の態様に係るフレキソ印刷版の製造方法(以下、「印刷版第3製造方法」ともいう。)は、上述した本発明のフレキソ印刷版を製造する製造方法であって、
上述した本発明の原版製造方法により作製したフレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層に、レーザー彫刻を施して、非画像部と表面に上述した凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を形成し、フレキソ印刷版を得るフレキソ印刷版の製造方法である。
以下に、印刷版第3製造方法のレーザー彫刻について詳述する。
印刷版第3製造方法におけるレーザー彫刻は、上述した本発明のフレキソ印刷版原版の製造方法により作製したフレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層、すなわち、既に凹凸構造が形成された架橋レリーフ形成層にレーザー彫刻を施して、非画像部となる部分を彫刻する工程である。
このようなレーザー彫刻は特に限定されず、従来公知の彫刻工程と同様、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。
なお、印刷版第3製造方法におけるレーザー彫刻の方法や利用されるレーザーの種類等については、上述の印刷版第1製造方法において説明したものを含めて、従来公知の方法を適宜採用することができる。
次に、本発明に係るフレキソ印刷版を用いるフレキソ印刷装置(以下、単に、『印刷装置』ともいう)の構成について詳細に説明する。フレキソ印刷装置は、上記フレキソ印刷版を用いる以外は、基本的に、従来のフレキソ印刷装置と同様の構成を有する。
図5に示すように、フレキソ印刷装置30は、上記フレキソ印刷版1、ドラム(版胴)31、搬送ローラ(圧胴)32、アニロックスローラ33、ドクターチャンバ34、および、循環タンク35を有する。
搬送ローラ32は、被印刷体zを所定の搬送経路で搬送する搬送部(図示せず)を構成するローラであり、その周面が、ドラム31の周面と対面して配置されて、被印刷体zをフレキソ印刷版1に接触させるものである。
ドラム31はその回転方向が、被印刷体zの搬送方向と一致するように配置されている。
また、本発明のフレキソ印刷版を用いるフレキソ印刷装置で用いられるインキの種類にも、特に限定はなく、水性インキ、UV(Ultra Violet)インキ、油性インキ、EB(Electron Beam)インキ等の、通常のフレキソ印刷装置で用いられる、種々の公知のインキを用いることができる。
<樹脂組成物Aの調製>
ポリマー1としてEPDM:MITSUI EPT1045(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン含量:58質量%、ジエン含量:5質量%、ジエン種:ジシクロロペンタジエン(DCPD)、三井化学株式会社製)を80質量部と、光熱変換剤としてカーボンブラック#45L(窒素吸着比表面積:125m2/g、DBP吸収量:45cm3/100g、三菱化学株式会社製)を12質量部と、パークミルD40〔ジクミルペルオキシド(40質量%)、日油株式会社製〕を5質量部とを混練し、樹脂組成物Aを調製した。
得られた樹脂組成物Aを、加熱プレス機(MP−WCL、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、10MPaの圧力で、160℃で20分間加熱して架橋し、厚さが915μmの架橋レリーフ形成層を形成した。
得られた架橋レリーフ形成層の片側に、光硬化性組成物(株式会社スリーボンド製:3030)を硬化後の平均膜厚が100μmになるように塗設した後、支持体として125μm厚のPETフィルムをニップローラにて貼り合わせ、20秒後にPETフィルム側からUV露光機(アイグラフィックス株式会社製UV露光機ECS―151U、メタルハライドランプ、1,500mJ/cm2、14sec露光)にて光硬化性組成物を硬化させて、厚さが1.14mmのフレキソ印刷版原版を得た。
上記で得たフレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層にレーザー彫刻を施すことにより、画像部、非画像部、および、画像部表面の凹凸構造を有するフレキソ印刷版を形成した。
具体的には、レーザー照射による彫刻は、レーザー彫刻機(Hell Gravure Systems社製 1300S)により、解像度2540dpiで彫刻し、その後、洗浄剤(The Procter & Gamble Company社製 ジョイ(登録商標)2%水溶液)を版上に垂らし、豚毛ブラシで擦り、流水にて水洗することで彫刻カスを除去した。
ここで、画像部における凹凸構造のパターンは、図6Aに示す画像パターン1(白色部が露光部であり凹部を表し、黒色部が未露光部であり、凸部を表す)を用いて、光量Lv10で彫刻することにより、下記第1表に示す表面粗さパラメータを有する画像部を形成した。
なお、画像パターン1においては、凹線、凸線の線幅が、1画素(2540dpi)であり、約10μmであった。したがって、画像パターン1における凹凸のピッチは、2画素である。
なお、下記第1表に示す粗さ曲線要素の平均長さRSm、油溜まり面積A2、および、粗さ曲線の負荷長さ率Rmr30%については、上述した測定方法により測定したものである。
また、下記第1表に示す光量Lvとは、レーザー彫刻機(Hell Gravure Systems社製 1300S)により、非画像部の照射レーザーパワー(Depth Power)の8bit階調の設定値であり、非画像部の照射レーザーパワーを255Lvとしたときの設定値を表す。光量10Lvは非画像部の照射レーザーパワーの10/255に相当する。
レーザー彫刻における条件(光量、画像パターン)を下記第1表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、フレキソ印刷版を作製した。
なお、下記第1表中、画像パターンについては、図6B〜図6Hに示す画像パターンをそれぞれ画像パターン2〜画像パターン8とする。
また、画像パターン3(図6C)においては、凹線の線幅が1画素(10μm)であり、凸線の線幅が3画素(30μm)であり、ピッチが4画素であった。
また、画像パターン4(図6D)においては、凹線の線幅が1画素(10μm)であり、凸線の線幅が5画素(50μm)であり、ピッチが6画素であった。
また、画像パターン5(図6E)においては、凹線の線幅が1画素(10μm)であり、凸線の線幅が1画素(10μm)であり、ピッチが2画素であり、凹部が主走査方向に対して、60°傾くものとした。
また、画像パターン6(図6F)においては、凹線の線幅が1画素(10μm)であり、凸線の線幅が3画素(30μm)であり、ピッチが4画素であり、凹部が主走査方向に対して、60°傾くものとした。
また、画像パターン7(図6G)においては、凹線の線幅が1画素(10μm)であり、凸線の線幅が5画素(50μm)であり、ピッチが6画素であり、凹部が主走査方向に対して、60°傾くものとした。
また、画像パターン8(図6H)においては、凹線の線幅が1画素(10μm)であり、凸線の線幅が2画素(20μm)であり、ピッチが3画素であり、凹部が主走査方向に対して、51.2°傾くものとした。
樹脂組成物に用いるポリマー1をそれぞれ、下記に示すポリマー2〜ポリマー4に変更し、カーボンブラック量を9質量部に変更し、パークミルD40の量を0.2質量部に変更し、加熱プレスを180℃、10分で行った以外は、実施例1と同様の方法により、フレキソ印刷版を作製した。
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・ポリマー2:シンジオタクチック1,2-ポリブタジエンRB820(JSR株式会社製)
・ポリマー3:シンジオタクチック1,2-ポリブタジエンRB830(JSR株式会社製)
・ポリマー4:シンジオタクチック1,2-ポリブタジエンRB840(JSR株式会社製)
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樹脂組成物に用いるポリマー1をそれぞれ、下記に示すポリマー4〜ポリマー6に変更し、カーボンブラック量を6質量部に変更し、パークミルD40を添加せず、加熱プレスを20MPa、5分で行った以外は、実施例1と同様の方法により、フレキソ印刷版を作製した。
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・ポリマー5:α−オレフィン系エラストマー ノティオTM PN-2060(Mitsui Chemicals America製)
・ポリマー6:エチレン−オクテンコポリマー Engage TM 8200(Dow Chemical製)
・ポリマー7:エチレン−オクテンコポリマー Engage TM 8401(ダウケミカル株式会社製)
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<樹脂組成物Bの調製>
ポリマーとしてシンジオタクチック1,2-ポリブタジエンRB830(ポリマー3:JSR株式会社製)を80質量部と、光熱変換剤としてカーボンブラック#45L(窒素吸着比表面積:125m2/g、DBP吸収量:45cm3/100g、三菱化学株式会社製)を9質量部と、パークミルD40〔ジクミルペルオキシド(40質量%)、日油株式会社製〕を0.2質量部とを混練し、樹脂組成物Bを調製した。
得られた樹脂組成物Bを、加熱プレス機(MP−WCL、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、10MPaの圧力で、180℃で10分間加熱して架橋し、厚さが915μmのレリーフ形成層を作製した。その直後、一面に、幅10μm、深さ10μm、ピッチ20μmの溝が複数、平行に形成されたSUS板をフレキソ印刷版原版の印刷面に重ね、2MPaの圧力で、25℃で30秒間加圧し、凹凸構造を転写した。
得られたレリーフ形成層の凹凸構造が形成されていない側の面に、光硬化性組成物(株式会社スリーボンド製:3030)を硬化後の平均膜厚が100μmになるように塗設した後、支持体として125μm厚のPETフィルムをニップローラにて貼り合わせ、20秒後にPETフィルム側からUV露光機(アイグラフィックス株式会社製UV露光機ECS―151U、メタルハライドランプ、1,500mJ/cm2、14sec露光)にて光硬化性層を硬化させて、表面に凹凸構造を有する、厚さが1.14mmのフレキソ印刷版原版を得た。
上記で得たフレキソ印刷版原版のレリーフ形成層にレーザー彫刻を施すことにより、画像部、および、非画像部を有するフレキソ印刷版を作製した。
具体的には、レーザー照射による彫刻は、レーザー彫刻機(Hell Gravure Systems社製 1300S)により、解像度2540dpiで彫刻し、その後、洗浄剤(The Procter & Gamble Company社製 ジョイ(登録商標)2%水溶液)を版上に垂らし、豚毛ブラシで擦り、流水にて水洗することで彫刻カスを除去した。
ここで、レリーフ形成層の表面にはすでに凹凸構造が形成されているため、得られたフレキソ印刷版の画像部の表面には凹凸構造を有する。
<樹脂組成物Cの調製>
ポリマーとして、Kraton D-1102(ポリマー8:SBSブロックコポリマー、クレイトン株式会社製)を60質量部と、可塑剤としてDEHP#80030(フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、シグマアルドリッチ製)を32質量部と、モノマーとしてA-HD-N(ヘキサンジオールジアクリレート、新中村化学株式会社製)10質量部と、光重合開始剤としてイルガキュア651(BASF社製)を2質量部と、1質量部の染料及び熱安定剤とを混練し、樹脂組成物Cを調製した。
アクリル樹脂75質量部、および、ニトリルゴム(NBR)25質量部からなるバインダーポリマーに対し、カーボンブラック100質量部と可塑剤3質量部とを加え、さらに溶剤としてメチルイソブチルケトン815質量部を加え、攪拌機にて混合した。得られた混合液をロールミルにより分散させた後、さらにメチルイソブチルケトンを加えることにより、赤外線アブレーション組成物を調製した。
得られた赤外線アブレーション組成物を、カバーフィルムとして100μm厚のPETフィルムの片面に予め粘着防止剤を塗布した基板上に、乾燥後の厚みが3μmとなるようにバーコーターで塗布し、赤外線アブレーション層を形成した。
そして、先に調製した樹脂組成物Cを、支持体として125μm厚のPETフィルムの片面に予め接着剤を塗布した基板上に塗設した後、樹脂組成物Cの層側に赤外線アブレーション層を向けてカバーフィルムを積層し、カバーフィルムを除く厚みが1.14mmとなるように、120℃に加熱したプレス機でプレスすることにより、フレキソ印刷版原版を得た。
上記で得たフレキソ印刷版原版の支持体側から化学線(光源Philips紫外線低圧水銀ランプ、365nmにおける照度32mW/cm2)を15秒間照射し、レリーフ層の土台を形成した。その後、カバーフィルムを剥離した。
カバーフィルムを剥離したフレキソ印刷版原版を、Esko CDI SPARK4835に巻き付け、解像度4000dpiでイメージングを行った。その際、画像部表面の凹凸構造は、図7に示すマスクパターン(白色部が露光部であり凸部を表し、黒色部が未露光部であり、凹部を表す)となるようにして赤外線アブレーション層に赤外線レーザーを照射し、マスクを形成した(マスク形成工程)。
露光工程の後、メチルエチルケトン(MEK、出光興産株式会社製)をフレキソ印刷版原版上に垂らし、豚毛ブラシで擦り、流水にて水洗することで現像を行った(現像工程)。現像後、60℃で10分間乾燥し、化学線(光源Philips紫外線低圧水銀ランプ、365nmにおける照度32mW/cm2)を600秒間照射し、最後に表面粘着性を除去する(デタック)ために殺菌灯を300秒間照射してフレキソ印刷版を得た。
なお、形成された凹凸構造は、凹線の線幅が10μmであり、凸線の線幅が20μmであり、ピッチが30μmであった。
<樹脂組成物D調製>
ポリテトラメチレングリコール(三菱化学株式会社製PTMG850)10質量部と、ジメチロールプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)20質量部と、へキサメチレンジイソシアネート(東京化成工業株式会社製)40質量部と、ジラウリン酸−n−ブチルスズ(東京化成工業株式会社製)1.7質量部とをテトラヒドロフラン100質量部に溶解し、65℃で3時間攪拌した。更にヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社株式会社製)9質量部を加え65℃で更に2時間攪拌した。末端アミノ基含有アクリロニトリル、ブタジエンオリゴマー(宇部興産株式会社製 Hycar ATBNX 1300×16)63質量部をテトラヒドロフラン100部に溶解して調整した溶液を上記の溶液に室温下で攪拌しながら添加し、得られた溶液を減圧乾燥してテトラヒドロフランを除去し、親水性ポリマーを得た。
上記で合成した親水性ポリマー30質量部、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェル化学製、クラトン1102)25質量部、液状ポリブタジエン(クラレ株式会社製、LIR305)30質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(共栄社化学株式会社製)2.5重量部、1,6−ノナンジオールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)8重量部、2−フェニルー2,2−ジメトキシアセトフェノン(東京化成工業株式会社製)2質量部、および、2,6−ジt-ブチル−p−クレゾール(東京化成工業株式会社製)0.3質量部を130℃で混練し、樹脂組成物Dを調製した。
[実施例24]
<フレキソ印刷版原版の作製>
アクリル樹脂75質量部、および、ニトリルゴム(NBR)25質量部からなるバインダーポリマーに対し、カーボンブラック100質量部と可塑剤3質量部とを加え、さらに溶剤としてメチルイソブチルケトン815質量部を加え、攪拌機にて混合した。得られた混合液をロールミルにより分散させた後、さらにメチルイソブチルケトンを加えることにより、赤外線アブレーション組成物を調製した。
得られた赤外線アブレーション組成物を、カバーフィルムとして100μm厚のPETフィルムの片面に予め粘着防止剤を塗布した基板上に、乾燥後の厚みが3μmとなるようにバーコーターで塗布し、赤外線アブレーション層を形成した。
そして、先に調製した樹脂組成物Dを、支持体として125μm厚のPETフィルムの片面に予め接着剤を塗布した基板上に塗設した後、樹脂組成物Dの層側に赤外線アブレーション層を向けてカバーフィルムを積層し、カバーフィルムを除く厚みが1.14mmとなるように、120℃に加熱したプレス機でプレスすることにより、フレキソ印刷版原版を得た。
上記で得たフレキソ印刷版原版の支持体側から化学線(光源Philips紫外線低圧水銀ランプ、365nmにおける照度32mW/cm2)を15秒間照射した。その後、カバーフィルムを剥離した。
カバーフィルムを剥離したフレキソ印刷版原版を、Esko CDI SPARK4835に巻き付け、解像度4000dpiでイメージングを行った。この時、画像部表面の凹凸構造は、図7に示すマスクパターン(白色部が露光部であり凸部を表し、黒色部が未露光部であり、凹部を表す)となるようにして赤外線アブレーション層に赤外線レーザーを照射し、マスクを形成した(マスク形成工程)。
露光工程の後、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ5重量%を含有する40℃の中性水で10分間現像を行った(現像工程)。現像後、60℃で10分間乾燥し、化学線(光源Philips紫外線低圧水銀ランプ、365nmにおける照度32mW/cm2)を600秒間照射し、最後に表面粘着性を除去する(デタック)ために殺菌灯を300秒間照射してフレキソ印刷版を得た。
画像部表面に凹凸構造を付与しない(図8A、画像パターン9とする)以外は実施例1と同様にしてフレキソ印刷版を作製した。
レーザー彫刻における条件(光量、画像パターン)を下記第1表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、フレキソ印刷版を作製した。
なお、画像パターン10(図8B)においては、凹線の線幅が7画素(70μm)であり、凸線の線幅が7画素(70μm)であり、ピッチが14画素であった。
架橋直後に、一面に幅5μm、深さ10μm、ピッチ10μmの溝が複数、平行に形成されたSUS板を用いて転写を行った以外は実施例22と同様にしてフレキソ印刷版の作製を行った。
得られたフレキソ印刷版を印刷機(ILF−270−4F、太陽機械製作所)にセットし、水性フレキソ藍(ハイドリックFCG 739、大日精化製)をインキとして用い、印刷紙として、太閤OPPフィルム FOS−AQ(フタムラ化学株式会社製)を用いて、40m/minにて印刷を継続し、印刷開始から1,000mにおける印刷物上のベタ部のインキの濃度を、3箇所をポータブル反射濃度計(エックスライト社製)により各2回測定し、計6回の測定値の平均値を算出し、以下の基準で評価した。
A:濃度の平均値が1.85以上であるもの。
B:濃度の平均値が1.85未満1.70以上であるもの。
C:濃度の平均値が1.70未満1.55以上であるもの。
D:濃度の平均値が1.55未満1.40以上であるもの。
E:濃度の平均値が1.40未満であるもの。
C以上の評価を合格とした。
印刷物上のベタ印刷部を倍率5倍のレンズを用いて撮影することにより0.99mm2内の輝度データを得た。得られた輝度データについて、ばらつきの指標である標準偏差を求め、インキ均一性として定義した。
標準偏差が15以下を合格とした。標準偏差が小さいほどばらつきが小さく、インキ均一性が高いことを示す。
結果を表1に示す。
なお、表1中の凹凸構造の形成方法の項目において、直接、レーザー彫刻により、凹凸構造を形成したものを「DLE」と表し、マスクを形成して露光、現像を行って凹凸構造を形成したものを「LAMS」と表し、架橋後に転写により凹凸構造を形成したものを「転写」と表す。
また、実施例1〜4、10〜12等の対比から、粗さ曲線要素の平均長さRSmは、20〜40μmが好ましいことがわかる。
また、実施例1、8、11、14等の対比から、油溜まり面積A2は、40〜140が好ましいことがわかる。
また、実施例1、4、11、14等の対比から、負荷長さ率Rmr30%は、35〜75%が好ましいことがわかる。
以上より、本発明の効果は明らかである。
2 レリーフ層
3 画像部
4 非画像部
5 凹部
6 凸部
D 凹部の深さ
W 凹部の幅
30 フレキソ印刷装置
31 ドラム
32 搬送ローラ
33 アニロックスローラ
34 ドクターチャンバ
35 循環タンク
60 カレンダーロール
62a〜62d 第1ロール〜第4ロール
70 混錬物
71 未硬化層
z 被印刷体
Claims (20)
- 非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版であって、
前記凹凸構造を有する前記画像部の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが、15〜120μmであり、油溜まり面積A2が、2〜180であり、切断レベル30%における負荷長さ率Rmr30%が、20〜90%であることを特徴とするフレキソ印刷版。 - 前記粗さ曲線要素の平均長さRSmが、20〜40μmである請求項1に記載のフレキソ印刷版。
- 前記油溜まり面積A2が、40〜140である請求項1または2に記載のフレキソ印刷版。
- 前記負荷長さ率Rmr30%が、35〜75%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
- 前記凹凸構造が、複数の溝からなる凹部と前記凹部以外の凸部とからなる請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
- 前記レリーフ層の形成材料が、結晶性ポリマーを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
- 前記結晶性ポリマーが、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、および、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1種の結晶性ポリマーである請求項6に記載のフレキソ印刷版。
- 表面に凹凸構造が形成されたレリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版であって、
前記凹凸構造を有する前記レリーフ形成層の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが15〜120μmであり、油溜まり面積A2が、2〜180であり、切断レベル30%における負荷長さ率Rmr30%が、20〜90%であることを特徴とするフレキソ印刷版原版。 - 前記粗さ曲線要素の平均長さRSmが、20〜40μmである請求項8に記載のフレキソ印刷版原版。
- 前記油溜まり面積A2が、40〜140である請求項8または9に記載のフレキソ印刷版原版。
- 前記負荷長さ率Rmr30%が、35〜75%である請求項8〜10のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版原版。
- 前記凹凸構造が、複数の溝からなる凹部と前記凹部以外の凸部とからなる請求項8〜11のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
- 前記レリーフ形成層の形成材料が、結晶性ポリマーを含む請求項8〜12のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版原版。
- 前記結晶性ポリマーが、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、および、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1種の結晶性ポリマーである請求項13に記載のフレキソ印刷版原版。
- 非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版を製造するフレキソ印刷版の製造方法であって、
レーザー彫刻用樹脂組成物を用いてレリーフ形成層を形成する層形成工程と、
前記レリーフ形成層にレーザー彫刻を施して、前記非画像部と表面に前記凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を形成し、フレキソ印刷版を得る彫刻工程と、を有することを特徴とするフレキソ印刷版の製造方法。 - 前記層形成工程と前記彫刻工程との間に、レーザー彫刻用樹脂組成物を架橋する架橋工程を有する請求項15に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
- 前記凹凸構造は、複数の溝からなる凹部と凹部以外の凸部とから構成される構造であり、
前記彫刻工程において、主走査方向のみに彫刻を行って前記溝を形成する請求項15または16に記載のフレキソ印刷版の製造方法。 - 非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版を製造するフレキソ印刷版の製造方法であって、
感光性樹脂組成物からなるレリーフ形成層とアブレーション層をこの順に有する積層体を準備する準備工程と、
前記アブレーション層にレーザーを照射して、アブレーション層の、レーザーが照射された部分を除去し、所望の形状のマスクを形成するマスク形成工程と、
前記レリーフ形成層に前記マスクを介して紫外線を照射し、レリーフ形成層を硬化させる露光工程と、
前記レリーフ形成層の、前記露光工程により硬化されなかった部分を除去し、レリーフ層を形成し、フレキソ印刷版を得る現像工程と、を有することを特徴とするフレキソ印刷版の製造方法。 - 表面に凹凸構造が形成されたレリーフ形成層を有する、請求項8〜14のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版原版を製造するフレキソ印刷版原版の製造方法であって、
レーザー彫刻用樹脂組成物を用いて未架橋レリーフ形成層を形成する層形成工程と、
未架橋レリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を形成する架橋工程と、
前記架橋工程の後に、転写により前記架橋レリーフ形成層の表面に前記凹凸構造を形成して、フレキソ印刷版原版を得る凹凸形成工程と、を有することを特徴とするフレキソ印刷版原版の製造方法。 - 非画像部と表面に凹凸構造が形成された画像部とを備える架橋レリーフ層を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版を製造するフレキソ印刷版の製造方法であって、
請求項19に記載されたフレキソ印刷版原版の製造方法で作製されたフレキソ印刷版原版の前記架橋レリーフ形成層の前記非画像部となる部分をレーザー彫刻し、前記非画像部と表面に前記凹凸構造が形成された前記画像部を備える前記レリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する、フレキソ印刷版の製造方法。
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