JPWO2017104567A1 - 線維芽細胞増殖因子−23の安定化剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、線維芽細胞増殖因子−23(以下、FGF−23という)の安定化剤、FGF−23の安定化方法、FGF−23の保存方法、及び、FGF−23測定用試薬を提供する。本発明のFGF-23の安定化剤は、有効成分としてポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する。本発明のFGF-23の安定化方法及び保存方法は、FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体と共存させることを特徴とする。本発明のFGF-23測定用試薬は、本発明のFGF−23の安定化剤を含有する。

Description

本発明は、線維芽細胞増殖因子−23(以下、FGF−23と記す)の安定化剤、FGF−23の安定化方法、FGF−23の保存方法、及び、FGF−23測定用試薬に関する。
FGF−23は、線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーの一員であり、主として骨組織で産生され、腎臓に作用し、腎尿細管でのリンの再吸収を阻害する。近年、低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全等の疾患へのFGF−23の関与が示俊されている(特許文献1;非特許文献1参照)。
FGF−23は、251個のアミノ酸からなる蛋白であり、このうちN端24個のアミノ酸はシグナルペプチドであり、分泌されるFGF−23は227個のアミノ酸からなるものと考えられている。一部のFGF−23は、プロテアーゼの1種であるfurin等により179番目のアミノ酸Argと180番目のアミノ酸Serとの間でプロセッシングを受ける(非特許文献2、3参照)。プロセッシングを受けない、227個のアミノ酸からなる全長FGF−23は、血中リン濃度の低下等の生物活性を有するのに対して、このプロセッシングを受けた後のN端、及び、C端フラグメントは不活性であることが報告されている(非特許文献2、3参照)。
これまでに、血清又は血漿中のFGF−23の免疫学的測定法が報告されており(特許文献2,3;非特許文献4参照)、免疫学的測定法に基づく測定キットも市販されている[Human Intact FGF-23 ELISA Kit(Immutopics社)、Human FGF-23 ELISA Kit(Merck Millipore社)、FGF-23測定試薬(カイノス社)]。
特表2004−504063号公報 WO2003/57733号パンフレット WO2012/29837号パンフレット
腎と骨代謝, vol.15, No.4, p.351-356 (2002). Endocrinology, vol.143, p.3179-3182 (2002). Lab. Clin. Pract., vol.26, No.2 p.111-116 (2008). N ENGL J MED, vol.348, No.17, p.1656-1663 (2003).
FGF−23は非常に不安定であり、FGF−23を含有する水性媒体を容器内で保存すると、水性媒体中のFGF−23濃度が徐々に減少する。そのため、正確な検量線の作成が困難となると共に、検量線に基づく試料中のFGF−23の正確な測定が困難になるという問題がある。
本発明の目的は、試料中のFGF−23の正確な測定を可能とする、FGF−23の安定化剤、FGF−23の安定化方法、FGF−23の保存方法、及び、FGF−23測定用試薬を提供することにある。
本発明の発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤によりFGF−23が安定化される、という知見を見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記[1]〜[17]に関する。
[1] 有効成分としてポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、FGF−23の安定化剤。
[2] 前記ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、前記[1]に記載の安定化剤。
[3] さらにアルブミンを含有する、前記[1]又は[2]に記載の安定化剤。
[4] 前記アルブミンがウシ血清アルブミンである、前記[3]に記載の安定化剤。
[5] FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体と共存させることを特徴とする、FGF−23の安定化方法。
[6] 前記ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群より選ばれる、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、前記[5]に記載の安定化方法。
[7] FGF−23を含有する試料を、さらにアルブミンと共存させる、前記[5]又は[6]に記載の安定化方法。
[8] 前記アルブミンがウシ血清アルブミンである、前記[7]記載の安定化方法。
[9] 前記容器がプラスチック製容器である、前記[5]〜[8]のいずれか一つに記載の安定化方法。
[10] 前記プラスチック製容器が、ポリエチレン製容器、ポリプロピレン製容器、及び、ポリスチレン製容器からなる群より選ばれる容器である、前記[9]に記載の安定化方法。
[11] FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体と共存させることを特徴とする、FGF−23の保存方法。
[12] 前記ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群より選ばれる、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、前記[11]に記載の保存方法。
[13] FGF−23を含有する試料を、さらにアルブミンと共存させる、[11]又は[12]に記載の保存方法。
[14] 前記アルブミンがウシ血清アルブミンである、前記[13]に記載の保存方法。
[15] 前記容器がプラスチック製容器である、前記[11]〜[14]のいずれか一つに記載の保存方法。
[16] プラスチック製容器が、ポリエチレン製容器、ポリプロピレン製容器、及び、ポリスチレン製容器からなる群より選ばれる何れかの容器である、前記[15]に記載の保存方法。
[17] 前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載のFGF−23の安定化剤を含有することを特徴とする、FGF−23測定用試薬。
本発明により、試料中のFGF−23の正確な測定を可能とする、FGF−23の安定化剤、FGF−23の安定化方法、FGF−23の保存方法、及び、FGF−23測定用試薬が提供される。
(FGF−23の安定化剤)
本発明のFGF−23の安定化剤は、有効成分としてポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する。また、本発明のFGF−23の安定化剤は、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤に加え、アルブミンを含有してもよい。本発明のFGF−23の安定化剤は、容器内に収容されたFGF−23水溶液におけるFGF−23を安定に保持する効果を有する。ここで、「FGF−23を安定に保持する」とは、FGF−23水溶液を容器内で保存している間、容器内に収容されているFGF−23水溶液におけるFGF−23濃度がほぼ一定に維持されることを意味する。容器内に収容されているFGF−23水溶液におけるFGF−23濃度の測定方法は、FGF−23を正確に測定できる方法であれば、如何なる方法でもよく、例えば免疫学的測定法による公知のFGF−23の測定方法等を挙げることができる。免疫学的測定法としては、後述の免疫学的測定法等が挙げられる。
本発明の安定化剤により安定化されるFGF−23は、遺伝子組換え方法により製造されたものでも、生体試料から採取されたものであってもよい。遺伝子組換え方法によりFGF−23を製造する場合に用いられる遺伝子組換え方法としては、例えば宿主として大腸菌、動物細胞を用いて得られた形質転換体にFGF−23を産生させる方法等が挙げられる。生体試料からFGF−23を採取する方法としては、例えばFGF−23が含まれる可能性がある血液、血漿、血清等の生体試料から、FGF−23を分離、精製する方法等が挙げられる。また、公知の方法(例えば、WO2012/029837参照)を用いて、FGF−23を製造することもできる。
FGF−23水溶液とは、FGF−23が水性媒体中に溶解されている溶液である。水性媒体としては、FGF−23を安定に保持し得る水性媒体であれば特に制限はなく、例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等が挙げられ、これらの中では緩衝液が好ましい。
緩衝液に用いる緩衝剤としては、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッドの緩衝剤等が挙げられる。グッドの緩衝剤としては、例えば2-モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、3-モルホリノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N-〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕-2-アミノエタンスルホン酸(TES)、2-〔4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、3-〔N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ〕-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N-〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕-2-ヒドロキシ-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、3-〔4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル〕-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3-〔4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル〕プロパンスルホン酸[(H)EPPS]、N-〔トリス(ヒドロキシメチル)〕グリシン(Tricine)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸(CHES)、N-シクロヘキシル-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等が挙げられる。
本発明における容器とは、FGF−23水溶液を収容する容器であり、FGF−23水溶液を保存するために用いられる容器である。本発明における容器としては、例えばプラスチック製容器等が挙げられる。プラスチック製容器とは、FGF−23含有試料と接触する表面がプラスチックからなる容器を意味し、容器全体がプラスチックからなる容器のみならず、FGF−23含有試料と接触する表面のみがプラスチックからなる容器も包含される。プラスチック製容器としては、例えばポリエチレン製容器、ポリプロピレン製容器、ポリスチレン製容器、ポリ塩化ビニル製容器、ポリウレタン製容器、ポリテトラフルオロエチレン製容器、ポリエチレンテレフタレート製容器、アクリル樹脂製容器、ポリカーボネート製容器等が挙げられ、ポリエチレン製容器、ポリプロピレン製容器、及び、ポリスチレン製容器が好ましい。
本発明におけるポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン構造を有する非イオン性界面活性剤であれば特に制限はなく、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(以下、POEソルビタン脂肪酸エステルという)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(以下、POEアルキルエーテルという)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(以下、POEアルキルフェニルエーテルという)、ポリオキシエチレンアルキルアミン(以下、POEアルキルアミンという)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体(以下、POE・POP共重合体という)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル(以下、POE・POPアルキルエーテルという)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル(以下、POE・POPアルキルフェニルエーテルという)等が挙げられ、これらの中では、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POEアルキルアミンが好ましい。本発明において、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤は1種類のみを用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。また、本発明において、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤として、市販品を用いることもできる。
POEソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、例えば炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、これらの中では炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸としては、例えばオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサトリエン酸、アラキドン酸、イコサン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラドコサン酸、テトラコサペンタエン酸等が挙げられる。炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。POEソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート等が挙げられる。POEソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えばpolysorbate 80 (Tween 80)(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、polysorbate 40 (Tween 40)(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート)、polysorbate 60 (Tween 60)(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)、polysorbate 20 (Tween 20)(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)(以上、Sigma-Aldrich社製)、BLAUNON OT-21(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)(青木油脂工業社製)等が挙げられる。
POEアルキルエーテルにおけるアルキルとしては、例えば炭素数8〜24のアルキルが挙げられ、これらの中では炭素数10〜20のアルキルが好ましい。炭素数8〜24のアルキルとしては、例えばオクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル等が挙げられる。炭素数10〜20のアルキルとしては、例えばデシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル等が挙げられる。POEアルキルエーテルの市販品としては、例えばBrij35(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、Brij99(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、Brij56(ポリオキシエチレンセチルエーテル)、Brij78(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)(以上、Sigma-Aldrich社製)、ニッコールBC-23(ポリオキシエチレンセチルエーテル)(日光ケミカルズ社製)、ノニオンP-210、ノニオンP-213(以上、ポリオキシエチレンセチルエーテル)、ノニオンK-220(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、ノニオンE-205、ノニオンE-215、ノニオンE-230(以上、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、ノニオンS-215、ノニオンS-220(以上、ポリオキシエチレンステアリルエーテル)(以上、日油社製)、エマルゲン120(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、エマルゲン220(ポリオキシエチレンセチルエーテル)、エマルゲン320P(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)、エマルゲン420(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)(以上、花王社製)、アデカトールLA-875、アデカトールLA-975(以上、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)(以上、ADEKA社製)、エマルミンNL-100、エマルミンNL-110、エマルミンLS-80、エマルミンLS-90、(以上、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)(以上、三洋化成工業社製)、BLAUNON EL-1509、BLAUNON EL-1512P、BLAUNON EL-1515、BLAUNON EL-1521(以上、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、BLAUNON CH-310、BLAUNON CH-310L、BLAUNON CH-313(以上、ポリオキシエチレンセチルエーテル)、BLAUNON SR-711(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)(以上、青木油脂工業社製)、ノイゲンSD-70、ノイゲンSD-80、ノイゲンSD-110、ノイゲンSD-150(以上、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル)、ノイゲンTDS-80、ノイゲンTDS-100、ノイゲンTDS-200D(以上、ポリオキシエチレントリデシルエーテル)(第一工業製薬社製)等が挙げられる。
POEアルキルフェニルエーテルにおけるアルキルとしては、例えば炭素数8〜9のアルキル等が挙げられる。炭素数8〜9のアルキルとしては、例えばオクチル、ノニル等が挙げられる。POEアルキルフェニルエーテルの市販品としては、例えばトリトンX-100(Sigma-Aldrich社製)(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)、エマルゲン810(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)、エマルゲン910、エマルゲン930(以上、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)(以上、花王社製)、ニッコールOP-10(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)、ニッコールNP-10(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)(以上、日光ケミカルズ社製)、ノニオンHS-210、ノニオンHS-215、ノニオンHS-220(以上、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)、ノニオンNS-210、ノニオンNS-215、ノニオンNS-220(以上、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)(以上、日油社製)、BLAUNON NK-810(青木油脂工業社製)等が挙げられる。
POEアルキルアミンにおけるアルキルとしては、例えば炭素数8〜24のアルキルが挙げられ、これらの中では炭素数10〜20のアルキルが好ましい。炭素数8〜24のアルキルとしては、例えばオクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル等が挙げられる。炭素数10〜20のアルキルとしては、例えばデシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル等が挙げられる。POEアルキルアミンの市販品としては、例えばナイミーンL-207(ポリオキシエチレンラウリルアミン)、ナイミーンS-210、ナイミーンS-215、ナイミーンS-220(以上、ポリオキシエチレンステアリルアミン)、ナイミーンT2-210、ナイミーンT2-230[以上、ポリオキシエチレンアルキル(牛脂)アミン]、ナイミーンF-215[ポリオキシエチレンアルキル(ヤシ脂)アミン](以上、日油社製)、BLAUNON L-210、BLAUNON L-230(以上、ポリオキシエチレンラウリルアミン)、BLAUNON S-210、BLAUNON S-215、BLAUNON S-220、BLAUNON S-230(以上、ポリオキシエチレンステアリルアミン)、BLAUNON S-210T、BLAUNON S-215T、BLAUNON S-220T、BLAUNON S-230T[以上、ポリオキシエチレンアルキル(牛脂)アミン](以上、青木油脂工業社製)、ニューコールOD420(ポリオキシエチレンステアリルアミン)(日本乳化剤社製)等が挙げられる。
POE・POP共重合体の市販品としては、例えばプロノン201、プロノン204、プロノン208(以上、日油社製)等が挙げられる。
POE・POPアルキルエーテルにおけるアルキルとしては、例えば炭素数8〜24のアルキルが挙げられ、これらの中では炭素数10〜20のアルキルが好ましい。炭素数8〜24のアルキルとしては、例えばオクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル等が挙げられる。炭素数10〜20のアルキルとしては、例えばデシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル等が挙げられる。POE・POPアルキルエーテルの市販品としては、例えばファインサーフIDEP-802、ワンダサーフID-90(以上、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル)、ワンダサーフRL-80、ワンダサーフRL-100、ワンダサーフRL-140(以上、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル)(以上、青木油脂工業社製)等が挙げられる。
POE・POPアルキルフェニルエーテルの市販品としては、例えばエマルゲンL40(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオクチルフェニルエーテル)(花王社製)等が挙げられる。
本発明におけるポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性のHLB価(Hydrophile-Lipophile Balance価)は、FGF−23を安定化し得るHLB価であれば特に制限はなく、通常12〜20であり、12.5〜19が好ましく、13〜18がより好ましい。使用されるポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤の濃度は、FGF−23を安定化し得る濃度であれば特に制限はなく、通常0.00001〜10w/v%であり、0.00005〜1w/v%が好ましい。
本発明におけるアルブミンとしては、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヒト、マウス、ウサギ由来のアルブミン等が挙げられ、これらの中ではウシ血清アルブミン(BSA)が好ましい。また、遺伝子工学的な手法により製造されたアルブミンも用いることができる。本発明においては、2種類以上のアルブミンを組み合わせて使用することもできる。使用されるアルブミンの濃度は、FGF−23を安定化し得る濃度であれば特に制限はなく、通常0.01〜5w/v%であり、0.05〜1w/v%が好ましい。
本発明の安定化剤には、キレート剤、塩類、防腐剤等を含有してもよい。キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)等が挙げられる。塩類としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム等が挙げられる。防腐剤としては、例えばアジ化ナトリウム、バイオエース等が挙げられる。
本発明のFGF−23安定化剤によるFGF−23の安定性は以下の方法により評価することができる。
先ず、容器中に、FGF−23を含有する溶液Xを調製する。調製直後の溶液X中のFGF−23濃度[CX(調製直後)]を決定する。次に、この溶液Xを4℃で7日間保存し、この保存後の溶液X中のFGF−23濃度[CX(保存後)]を決定する。決定したCX(調製直後)及びCX(保存後)を用いて、以下の式(I)より、溶液Xに対するFGF−23の残存率(%)を算出する。
Figure 2017104567
溶液Xに対するFGF−23の残存率(%)は、100(%)に近い程、FGF−23が安定に保持されていることを意味する。すなわち、FGF−23が安定化されることを意味する。
上記のFGF−23濃度は、FGF−23を正確に測定できる方法であれば、如何なる方法によっても決定することができ、例えば免疫学的測定法による公知のFGF−23測定方法を用いて決定することができる。免疫学的測定法としては、測定原理に基づいて、サンドイッチ法、競合法等が挙げられ、また、検出法に基づいて、吸光度法、化学発光法、蛍光法、放射免疫測定法等が挙げられる。従って、FGF−23濃度は、FGF−23濃度に対応する吸光度、発光強度、蛍光強度、放射線強度等を用いて決定することができる。免疫学的測定法による公知のFGF−23測定方法には、市販のFGF−23測定キットを用いる方法も含まれる。市販のFGF−23測定キットとしては、例えば、Human Intact FGF-23 ELISA Kit(Immutopics社)、Human FGF-23 ELISA Kit(Merck Millipore社)、FGF-23測定試薬(カイノス社)等が挙げられる。
(FGF−23の安定化方法)
本発明のFGF−23の安定化方法は、FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体と共存させることを特徴とする方法である。当該安定化方法の具体的態様を以下に記す。
・安定化方法1
FGF−23を含有する試料を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法2
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含む容器へ、FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法3
FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法4
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
また、FGF−23の安定化方法は、FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含有する水性媒体と共存させることを特徴とする方法である。当該安定化方法の具体的態様を以下に記す。
・安定化方法5
FGF−23を含有する試料を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法6
FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含む容器へ、アルブミンを含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法7
FGF−23を含有する試料及びアルブミンを含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法8
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びアルブミンを含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法9
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含む容器へ、FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法10
アルブミンを含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。


・安定化方法11
FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法12
FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を含む容器へ、アルブミンを添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法13
FGF−23を含有する試料及びアルブミンを含有する水性媒体を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法14
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びアルブミンを添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法15
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
・安定化方法16
アルブミンを含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を添加する工程を有する、FGF−23の安定化方法。
FGF−23を含有する試料としては、FGF−23を含有する試料であれば特に制限はなく、例えばFGF−23を含有する生体試料や、FGF−23標準液等が挙げられる。生体試料としては、例えば血液、血清、血漿、尿、唾液、髄液、糞便等が挙げられる。FGF−23標準液は、既知濃度のFGF−23を含有する水溶液であって、生体から取得された試料中のFGF−23の定量に必要な検量線の作成等に用いられる。FGF−23標準液に使用されるFGF−23としては、例えば前述のFGF−23が挙げられる。
本発明のFGF−23の安定化方法において用いられる容器、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤、及び、アルブミンとしては、例えば、前述の容器、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤、及び、アルブミンがそれぞれ挙げられる。
本発明のFGF−23の安定化方法において、生体試料中のFGF−23の含有量は、通常5〜10,000 pg/mLであり、検量線の作成も通常、この濃度範囲のFGF−23標準液を用いて行われる。本発明のFGF−23の安定化方法において使用されるポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤とその濃度、及び、アルブミンとその濃度としては、例えば、前述のポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤とその濃度、及び、アルブミンとその濃度がそれぞれ挙げられる。
本発明のFGF−23の安定化方法における安定化期間は、FGF−23が安定に保持される期間であれば特に制限はなく、通常、7日〜1年間である。また、本発明のFGF−23の安定化方法において、FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤、又は、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンと共存させる温度は、FGF−23が安定に保持される温度であれば特に制限はなく、通常、-5〜45℃であり、0〜30℃が好ましく、2〜10℃が特に好ましい。
本発明のFGF−23の安定化方法においては、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤およびアルブミンの他に、キレート剤、塩類、防腐剤等を、FGF−23水溶液中に添加してもよい。キレート剤、塩類、防腐剤としては、例えば、前述のキレート剤、塩類、防腐剤がそれぞれ挙げられる。
(FGF−23の保存方法)
本発明のFGF−23の保存方法は、FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体と共存させることを特徴とする方法である。当該保存方法の具体的態様を以下に記す。
・保存方法1
FGF−23を含有する試料を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法2
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含む容器へ、FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法3
FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法4
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
また、FGF−23の保存方法は、FGF−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含有する水性媒体と共存させることを特徴とする方法である。当該保存方法の具体的態様を以下に記す。
・保存方法5
FGF−23を含有する試料を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法6
FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含む容器へ、アルブミンを含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法7
FGF−23を含有する試料及びアルブミンを含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法8
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びアルブミンを含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法9
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含む容器へ、FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法10
アルブミンを含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法11
FGF−23を含有する試料を含有する水性媒体を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法12
FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を含む容器へ、アルブミンを添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法13
FGF−23を含有する試料及びアルブミンを含有する水性媒体を含む容器へ、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法14
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びアルブミンを添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法15
ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びアルブミンを含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
・保存方法16
アルブミンを含有する水性媒体を含む容器へ、FGF−23を含有する試料及びポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を添加する工程を有する、FGF−23の保存方法。
本発明のFGF−23の保存方法に使用されるおけるFGF−23とその濃度、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤とその濃度、及び、アルブミンとその濃度としては、例えば、上記のFGF−23の安定化剤におけるFGF−23とその濃度、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤とその濃度、及び、アルブミンとその濃度がそれぞれ挙げられる。本発明のFGF−23の保存方法における保存期間は、FGF−23が安定に保存される期間であれば特に制限はなく、通常、7日〜1年間である。また、本発明のFGF−23の保存方法における保存温度は、FGF−23が安定に保存される温度であれば特に制限はなく、通常、-5〜45℃であり、0〜30℃が好ましく、2〜10℃が特に好ましい。
本発明のFGF−23の保存方法においては、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤およびアルブミンの他に、キレート剤、塩類、防腐剤等を、FGF−23水溶液中に添加してもよい。キレート剤、塩類、防腐剤としては、例えば、前述のキレート剤、塩類、防腐剤がそれぞれ挙げられる。
(FGF−23測定用試薬)
本発明のFGF−23測定用試薬は、本発明のFGF−23の安定化剤を含む。本発明のFGF−23測定用試薬は、本発明のFGF−23の安定化剤以外の、その他の成分を含むものとすることができる。この場合、本発明のFGF−23測定用試薬においては、本発明のFGF−23の安定化剤を、その他の成分とは独立した容器に入れて、その他の成分が入れられた容器とは独立した構成要素としてもよいが、他のFGF−23測定用試薬に含有させて、同一の容器に入れることもできる。これらの形態の中では、本発明のFGF−23の安定化剤は、その他の成分と同一の容器に入れることが好ましい。「その他の成分」としては、例えば試料希釈液、磁性粒子懸濁液、ビオチン結合抗FGF−23抗体含有試薬、アルカリホスファターゼ標識抗FGF−23抗体フラグメント含有試薬、FGF−23測定用標準液等が挙げられるが、本発明のFGF−23の安定化剤を試料希釈液及び/又はFGF−23測定用標準液に含有させる形態が好ましい。既知濃度のFGF−23を含有するFGF−23測定用標準液に本発明のFGF−23の安定化剤を含有させることにより、標準品中のFGF−23が安定化されるため、正確な検量線を作成することができ、正確な検量線に基づく、正確なFGF−23の測定が可能となる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。尚、本実施例においては、下記メーカーの試薬及び容器を使用した。尚、FGF−23は、特許文献2に記載された方法によって製造したものを使用した。
Polysorbate 80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;HLB 15.0)(Sigma-Aldrich社製)、Polysorbate 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート;HLB 16.7)(Sigma-Aldrich社製)、Brij 35(ポリオキシエチレンラウリルエーテル;HLB 16.9)(Sigma-Aldrich社製)、Brij 99(ポリオキシエチレンオレイルエーテル;HLB 15.3)(Sigma-Aldrich社製)、Triton X-100(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル;HLB 16.9)(Sigma-Aldrich社製)、ナイミーンS-220(ポリオキシエチレンオクタデシルアミン;HLB 15.4)(日油社製)、ニッサンカチオンPB-300(ヘキサデシルトリメチルアンモニウム クロライド)(日油社製)、ニッサンカチオンF2-35R[アルキル(ヤシ)ジメチルベンジルアンモニウム クロライド](日油社製)、デオキシコール酸ナトリウム(関東化学社製)、パーソフトEP(アルキルエーテル硫酸ナトリウム塩)(日油社製)、CHAPS{2−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホネート}(同仁化学研究所社製)、ニッサンアノンBL(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)(日油社製)、BSA(Bovogen Biologicals社製)、塩化ナトリウム(関東化学社製)。
容器[ポリプロピレン製(1.5 mL)マイクロテストチューブ](トーホー社製)。
ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤によるFGF−23の安定化
(1)FGF−23溶液(溶液A1〜A6;溶液a1〜a6)の調製
以下の組成からなるFGF−23溶液(溶液A1〜A6;溶液a1〜a6)を調製した。
リン酸緩衝液 10 mmol/L (pH7.4)
FGF−23 1μg/mL
塩化ナトリウム 140 mmol/L
界面活性剤(第1表参照) 0.0005%
(2)FGF−23溶液(溶液a0)の調製
以下の組成からなるFGF−23溶液(溶液a0)を調製した。
リン酸緩衝液 10 mmol/L (pH7.4)
FGF−23 1μg/mL
塩化ナトリウム 140 mmol/L
溶液a0は、界面活性剤が含まれていない以外は、溶液A1〜A6、及び、溶液a1〜a6と同じ組成である。
(3)抗原希釈液の調製
以下の組成からなる抗原希釈液を調製した。
リン酸緩衝液 20 mmol/L (pH6.5)
塩化ナトリウム 300 mmol/L
BSA 0.2(w/v)%
(4)FGF−23定量用キット
以下の磁性粒子懸濁液、ビオチン結合抗FGF−23抗体含有試薬、及び、アルカリホスファターゼ標識抗FGF−23抗体フラグメント含有試薬の各構成試薬からなるFGF−23定量用キットを調製した。
<磁性粒子懸濁液>
磁性粒子として、ストレプトアビジンが結合した市販の磁性粒子(Dynabeads MyOne Streptavidin;ダイナル社製)を用いて、以下の組成からなる磁性粒子懸濁液を調製した。
MES(pH6.5) 50 mmol/L
ストレプトアビジン結合磁性粒子 0.75 g/L
BSA 0.1%
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
<ビオチン結合抗FGF−23抗体含有試薬>
第1抗体として、FERM BP-7838として寄託されたハイブリドーマが生産する抗FGF−23モノクローナル抗体を用いて、当該抗体とNHS−ビオチンとを混合し、37℃で1時間反応させ、反応後の混合物をセファデックスG-25カラム(GEヘルスサイエンス・ジャパン社製)に供して未反応のNHS−ビオチンを除去し、ビオチン結合抗FGF−23モノクローナル抗体を調製した。得られたビオチン結合抗FGF−23モノクローナル抗体を用いて、以下の組成からなるビオチン結合抗FGF−23抗体含有試薬を調製した。
MES(pH6.5) 50 mmol/L
抗FGF−23モノクローナル抗体 5μg/mL
BSA 0.1%
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
<アルカリホスファターゼ標識抗FGF−23抗体フラグメント含有試薬>
第2抗体フラグメントとして、FERM BP-7839として寄託されたハイブリドーマが生産する抗FGF−23モノクローナル抗体をペプシンで消化した後、G3000SWカラム(東ソー社製;口径:21.5 mm;長さ:60 cm)を用いたHPLCシステム(日立製作所社製)でF(ab’)2を分離した。得られたF(ab’)2を2−メルカプトエチルアミン塩酸塩(ナカライテスク社製)で還元した後、G3000SWカラム(東ソー社製;口径:21.5 mm;長さ:60 cm)を用いたHPLCシステム(日立製作所社製)でFab’を分離した。得られたFab’とアルカリホスファターゼとを以下の手順により、マレイミド法によって結合させた。
マレイミド化試薬Sulfo-HMCS(同仁化学研究所社製)を用いて、アルカリホスファターゼをマレイミド化し、反応混合物をセファデックスG-25カラム(GEヘルスサイエンス・ジャパン社製)に供して未反応のSulfo-HMCSを除去し、マレイミド化アルカリホスファターゼを得た。
調製したマレイミド化アルカリホスファターゼとFab’とを混合し、アルカリホスファターゼ標識Fab’抗体を作製した。得られたアルカリホスファターゼ標識Fab’抗体を用いて、以下の組成からなるアルカリホスファターゼ標識抗FGF−23抗体フラグメント溶液を調製した。
MES(pH6.5) 50 mmol/L
アルカリホスファターゼ標識抗FGF−23抗体フラグメント 7μg/mL
BSA 0.1%
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
(5)検量線の作成
次の各濃度のFGF−23の抗原希釈液溶液を測定用試料として調製した:10,000 pg/mL;3,000 pg/mL;1,000 pg/mL;300 pg/mL;100 pg/mL;50 pg/mL;5 pg/mL。なお、抗原希釈液として、0.2(w/v)%BSA及び300 mmol/L塩化ナトリウムを含む、20 mmol/L リン酸緩衝液(pH 6.5)を使用した。
調製した測定用試料(10μL)を反応キュベットに添加し、次いで、上記(4)で調製した磁性粒子懸濁液、ビオチン結合抗FGF−23抗体溶液、及び、アルカリホスファターゼ標識抗FGF−23抗体フラグメント溶液の各構成試薬30μLずつ加えて撹拌し、37℃で10分間反応させた。反応混合液中の磁性粒子を磁力で集めて、磁性粒子以外の反応液を除去すると共に、洗浄液[0.05%Tween20及び140 mmol/L塩化ナトリウムを含有する10 mmol/L リン酸緩衝液(pH7.4)]で磁性粒子を5回洗浄した。その後、9−(4−クロロフェニルチオホスホリルオキシメチリデン)−10−メチルアクリダン・二ナトリウム塩を主成分とする発光基質液(100μL)を加えて撹拌し、生成した光の発光強度を測定した。10,000 pg/mLのFGF−23の抗原希釈液溶液の代わりに、3,000 pg/mLのFGF−23の抗原希釈液溶液、1,000 pg/mLのFGF−23の抗原希釈液溶液、300 pg/mLのFGF−23の抗原希釈液溶液、100 pg/mLのFGF−23の抗原希釈液溶液、50 pg/mLのFGF−23の抗原希釈液溶液、5 pg/mLのFGF−23の抗原希釈液溶液、及び、上記(3)で調製した抗原希釈液の各溶液を用いて、同様の測定を行い、各溶液に対する発光強度を測定した。測定した発光強度を基に、FGF−23濃度と、発光強度との間の関係を示す検量線を作成した。
(6)調製直後の各FGF−23溶液(溶液A1〜A6;溶液a0〜a6)中のFGF−23の測定
上記(1)で調製した直後の溶液A1(0.5 mL)を、上記(2)で調製した抗原希釈液で500倍希釈し、測定用試料を調製した。調製した測定用試料を用いて、上記(5)と同様の方法により測定を行い、溶液A1に対する発光強度を測定した。測定した発光強度を上記(5)で作成した検量線に照らし合わせて、調製直後の溶液A1中のFGF−23濃度CA1(調製直後)を決定した。調製直後の溶液A1の代わりに、調製直後の溶液A2〜A6の各溶液を用いて同様の測定を行い、調製直後の溶液A2〜A6中のFGF−23濃度CA2(調製直後)〜CA6(調製直後)を決定した。また、調製直後の溶液A1の代わりに、調製直後の溶液a0〜a6の各溶液を用いて同様の測定を行い、調製直後の溶液a0〜a6中のFGF−23濃度Ca0(調製直後)〜Ca6(調製直後)を決定した。
(7)4℃で7日間保存後の各FGF−23溶液(溶液A1〜A6;溶液a0〜a6)中のFGF−23の測定
次に、上記(1)で調製したFGF−23溶液(溶液A1)(0.5 mL)をポリプロピレン製の容器内で、4℃で7日間保存した。調製直後の溶液A1の代わりに、この4℃で7日間保存後のFGF−23溶液A1を用いて、上記(5)と同様の測定を行い、4℃で7日間保存後の溶液A1中のFGF−23濃度CA1(保存後)を決定した。同様に、4℃で7日間保存後の溶液A2〜A6の各溶液を用いて測定を行い、4℃で7日間保存後の各溶液A2〜A6中のFGF−23濃度CA2(保存後)〜CA6(保存後)を決定した。また、調製直後の溶液A1の代わりに、4℃で7日間保存後の溶液a0〜a6の各溶液を用いて同様の測定を行い、4℃で7日間保存後の溶液a0〜a6中のFGF−23濃度Ca0(保存後)〜Ca6(保存後)を決定した。
(8)保存後の各FGF−23溶液中のFGF−23の残存率の決定
上記(6)で決定したFGF−23濃度CAi(調製直後)(i:1〜6)を100としたときの、上記(7)で決定したFGF−23濃度CAi(保存後)(i:1〜6)の相対値を第1表に示す。当該相対値は、4℃で7日間保存後のFGF−23の残存率を表す。
上記(6)で決定したFGF−23濃度Cai(調製直後)(i:0〜6)と、上記(7)で決定したFGF−23濃度Cai(保存後)(i:0〜6)とから、上記式(I)を用いて残存率(%)を算出した。その結果を第1表に示す。
Figure 2017104567
残存率(%)が100に近い程、溶液中のFGF−23が安定に保持されていることを示している。第1表の結果から明らかな様に、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する溶液(溶液A1〜A6)においては、いずれも残存率(%)が70以上であるのに対して、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有しない溶液(溶液a0)、カチオン性界面活性剤を含有する溶液(溶液a1、a2)、陰イオン性界面活性剤を含有する溶液(溶液a3、a4)、及び、両性界面活性剤を含有する溶液(溶液a5、a6)においては、FGF−23の残存率は、0〜5%であり、FGF−23は残存しないか、ほとんど残存しなかった。従って、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含む本発明の安定化剤により、FGF−23が安定化されることが明らかとなった。
BSAの添加によるFGF−23の長期保存安定化
(1)FGF−23溶液(溶液A7)の調製
以下の組成からなるFGF−23溶液(溶液A7)を調製した。
リン酸緩衝液 10 mmol/L (pH7.4)
FGF−23 1μg/mL
塩化ナトリウム 140 mmol/L
Polysorbate 80 0.001%
(2)FGF−23溶液(溶液B)の調製
以下の組成からなるFGF−23溶液(溶液B)を調製した。
リン酸緩衝液 10 mmol/L (pH7.4)
FGF−23 1μg/mL
塩化ナトリウム 140 mmol/L
Polysorbate 80 0.001%
BSA 1%
(3)FGF−23溶液(溶液a0)の調製
以下の組成からなるFGF−23溶液(溶液a0)を調製した。
リン酸緩衝液 10 mmol/L (pH7.4)
FGF−23 1μg/mL
塩化ナトリウム 140 mmol/L
(4)調製直後の各FGF−23溶液中のFGF−23の測定
上記(1)で調製した直後のFGF−23溶液(溶液A7)中のFGF−23濃度CA7(調製直後)を、実施例1の(4)に記載の方法により決定した。同様に、上記(2)で調製した直後のFGF−23溶液(溶液B)中のFGF−23濃度CB(調製直後)を決定した。さらに、上記(3)で調製した直後のFGF−23溶液(溶液a0)中のFGF−23濃度Ca0(調製直後)を決定した。
(5)40℃での保存後の各FGF−23溶液中のFGF−23の測定
上記(1)で調製したFGF−23溶液(溶液A7)(0.5 mL)をポリプロピレン製の容器内で、40℃で保存した。40℃で1週間保存した後の溶液A7中のFGF−23濃度CA7(1週間保存後)を、実施例1の(5)に記載の方法により決定した。同様に、40℃で2週間保存した後の溶液A7中のFGF−23濃度CA7(2週間保存後)を決定した。FGF−23溶液(溶液A7)の代わりに、上記(2)で調製したFGF−23溶液(溶液B)を用いて、同様の測定を行い、40℃で1週間保存した後の溶液B中のFGF−23濃度CB(1週間保存後)を、40℃で2週間保存した後の溶液B中のFGF−23濃度CB(2週間保存後)を決定した。また、FGF−23溶液(溶液A7)の代わりに、上記(3)で調製したFGF−23溶液(溶液a0)を用いて、同様の測定を行い、40℃で1週間保存した後の溶液a0中のFGF−23濃度Ca0(1週間保存後)を、40℃で2週間保存した後の溶液a0中のFGF−23濃度Ca0(2週間保存後)を決定した。
(6)40℃での保存後の各FGF−23溶液中のFGF−23の残存率の決定
上記(4)で決定したFGF−23濃度CA7(調製直後)と、上記(5)で決定したFGF−23濃度CA7(1週間保存後)及びCA7(2週間保存後)とから、式(I)により残存率(%)を算出した。その結果を第2表に示す。
上記(4)で決定したFGF−23濃度CB(調製直後)と、上記(5)で決定したFGF−23濃度CB(1週間保存後)及びCB(2週間保存後)とから、式(I)により残存率(%)を算出した。また、上記(4)で決定したFGF−23濃度Ca0(調製直後)と、上記(5)で決定したFGF−23濃度Ca0(1週間保存後)及びCa0(2週間保存後)とから、式(I)により残存率(%)を算出した。その結果を第2表に示す。
Figure 2017104567
第2表の結果から明らかな様に、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有しないFGF−23溶液(溶液a0)においては、40℃で1週間保存後で、すでに、FGF−23が残存していないが、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤と共にBSAを含有するFGF−23溶液(溶液B)においては、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有し、BSAを含有しないFGF−23溶液(溶液A7)に比較して、40℃で1週間保存後、及び、40℃で2週間保存後も、残存率が高かった。従って、本発明の、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤及びBSAを含有するFGF−23の安定化剤を用いることにより、FGF−23がより安定化されることが明らかとなった。
本発明により、低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全等の疾患の診断に有効なFGF−23の安定化剤、FGF−23の安定化方法、FGF−23の保存方法、及び、FGF−23測定用試薬が提供される。

Claims (17)

  1. 有効成分としてポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、線維芽細胞増殖因子−23の安定化剤。
  2. 前記ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群より選ばれる、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項1記載の安定化剤。
  3. さらにアルブミンを含有する、請求項1又は2記載の安定化剤。
  4. 前記アルブミンがウシ血清アルブミンである、請求項3記載の安定化剤。
  5. 線維芽細胞増殖因子−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体と共存させることを特徴とする、線維芽細胞増殖因子−23の安定化方法。
  6. 前記ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群より選ばれる、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項5記載の安定化方法。
  7. 線維芽細胞増殖因子−23を含有する試料を、さらにアルブミンと共存させる、請求項5又は6記載の安定化方法。
  8. 前記アルブミンがウシ血清アルブミンである、請求項7記載の安定化方法。
  9. 前記容器がプラスチック製容器である、請求項5〜8のいずれか一項に記載の安定化方法。
  10. 前記プラスチック製容器が、ポリエチレン製容器、ポリプロピレン製容器、及び、ポリスチレン製容器からなる群より選ばれる容器である、請求項9記載の安定化方法。
  11. 線維芽細胞増殖因子−23を含有する試料を、容器中で、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体と共存させることを特徴とする、線維芽細胞増殖因子−23の保存方法。
  12. 前記ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群より選ばれる、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項11記載の保存方法。
  13. 線維芽細胞増殖因子−23を含有する試料を、さらにアルブミンと共存させる、請求項11又は12記載の保存方法。
  14. 前記アルブミンがウシ血清アルブミンである、請求項13記載の保存方法。
  15. 前記容器が、プラスチック製容器である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の保存方法。
  16. 前記プラスチック製容器が、ポリエチレン製容器、ポリプロピレン製容器、及び、ポリスチレン製容器からなる群より選ばれる何れかの容器である、請求項15記載の保存方法。
  17. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の線維芽細胞増殖因子−23の安定化剤を含有することを特徴とする、線維芽細胞増殖因子−23測定用試薬。
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