JPWO2017094566A1 - 有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法 - Google Patents

有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法 Download PDF

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Abstract

有機エレクトロニクスデバイスまたは製造装置の構成にかかわらず、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法を提供する。本発明の一実施形態に係る管理方法は、製造装置(1)内に基材(2)を配置する配置工程と、基材(2)に付着した、有機エレクトロニクスデバイスおよび製造装置の少なくとも一方の材料に由来する不純物を検出する検出工程と、を含む。

Description

本発明は、有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法に関する。
近年、有機薄膜を用いた多種多様な有機エレクトロニクスデバイスが開発されている。有機エレクトロニクスデバイスの分野では常に、高効率、長寿命、高耐久性または高感度といった「高性能化」が求められている。
有機エレクトロニクスデバイスの高性能化を実現するためには、製造過程における製品への不純物混入を防止する必要があることが知られている。そのような技術として、例えば特許文献1〜3に記載の技術が報告されている。
特許文献1には、真空チャンバーに接続された真空ポンプ由来の不純物を検出する不純物検出方法であって、前記不純物を検出する検出器として有機膜を用いる、不純物検出方法が記載されている。
特許文献2には、正孔注入電極を表面に形成した基板の当該電極の表面に有機層を形成するための有機成膜室を備えた有機EL素子製造装置を新規組立した際または装置分解オーバーホールした際、装置の内部をオゾンガスで洗浄してから有機層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法が記載されている。
特許文献3には、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層を有する発光素子の作製方法であって、減圧下の成膜室内で、成膜材料を加熱し気化させる第1の工程と、前記成膜室内で、前記発光性の有機化合物を含む層に含まれる層を成膜する第2の工程と、を、排気、及び質量分析計での前記成膜室内の水の分圧の測定をしながら行い、前記第2の工程の開始時、前記水の分圧が、前記第1の工程における前記水の分圧の平均値より小さい値である発光素子の作製方法が記載されている。
国際公開第2013/145640号パンフレット(2013年3月19日公開) 日本国公開特許公報「特開2004−192857号(2004年7月8日公開)」 日本国公開特許公報「特開2014−199789号(2014年10月23日公開)」
しかしながら、上述のような従来技術には改善の余地がある。
例えば、特許文献1に記載の技術は、主に真空ポンプの潤滑剤由来の不純物を検出対象としている。また、特許文献2に記載の技術は、ストッカー室の内部に付着していた大気中の有機物などによる悪影響を回避することを目的としている。特許文献3に記載の技術は、水分および酸素等を管理の指標としている。高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法を提供するという観点からは、これらの技術では不十分な場合があった。
また、上述のような従来技術による製造装置の管理は、製造装置の構造によって適不適が生じるため、適用範囲が限定される場合があった。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象となる有機エレクトロニクスデバイスまたは製造装置の構成にかかわらず、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法を実現することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料に由来する不純物を管理の指標とすることにより、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。また、本発明によれば、対象となる有機エレクトロニクスデバイスまたは製造装置の構成は限定されない。すなわち本発明の一実施形態は、以下の構成からなるものである。
〔1〕有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法であって、上記製造装置内に基材を配置する配置工程と、上記基材に付着した、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料および上記製造装置の材料の少なくとも一方に由来する不純物を検出する検出工程と、を含むことを特徴とする管理方法。
〔2〕上記基材は、基板および有機膜の少なくとも一方を含むことを特徴とする〔1〕に記載の管理方法。
〔3〕上記基材は、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料を含み、かつ上記不純物とは異なる材料からなることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の管理方法。
〔4〕上記配置工程は、有機エレクトロニクスデバイスの製造前、製造中および製造後の少なくともいずれか1つの段階で行われることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の管理方法。
〔5〕上記有機エレクトロニクスデバイスが多層膜を有することを特徴とする〔4〕に記載の管理方法。
〔6〕上記製造装置は、蒸着プロセスまたは塗布プロセスによって有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の管理方法。
本発明は、対象となる有機エレクトロニクスデバイスまたは製造装置の構成にかかわらず、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法を提供できるという効果を奏する。
本管理方法における配置工程の例を模式的に示す図である。 有機エレクトロニクスデバイスの製造方法の例を模式的に示す図である。 検出対象となる不純物の例を示す図である。
本発明の実施の形態について、以下に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意味する。
〔1.管理方法〕
まず、本発明の一実施形態に係る管理方法の概要について説明する。上記管理方法は、有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法であって、上記製造装置内に基材を配置する配置工程と、上記基材に付着した、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料および上記製造装置の材料の少なくとも一方に由来する不純物を検出する検出工程と、を含む。
すなわち、上記管理方法では、製造装置内に汚染評価用の基材を設置して一定時間経過後に取り出し、当該基材に付着した不純物を分析する。本発明者らは、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料に由来する不純物による汚染が少ないほど有機エレクトロニクスデバイスは高性能であることを見出した。つまり、本発明者らは、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造するための製造装置の管理方法においては、従来技術のような潤滑剤由来の不純物、大気中の有機物、水分および酸素等の評価のみではなく、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料に由来する不純物による汚染の評価が有効であることを見出した。よって、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料に由来する不純物による汚染の評価に基づいて、製造装置を管理することができる。上記管理方法によって管理された製造装置においては、高性能の有機エレクトロニクスデバイスを製造することができる。
上記管理方法においては、製造装置または有機エレクトロニクスデバイスの構成に応じて管理指標となる不純物の種類および量、並びに基材の種類を任意に定めることができるので、対象となる製造装置および有機エレクトロニクスデバイスの構成は限定されない。よって、上記管理方法を幅広い製造装置に適用することができる。また、汚染評価によって得られた結果に基づき、簡便な作業で日常的に製造装置の状態を管理できる。
なお、本明細書において、「管理」とは、例えば、不純物による汚染の評価を行い、その評価結果に基づいて必要であれば製造装置の洗浄、修理または更新等を行うことによって、製造装置の性能およびその製造装置によって製造される有機エレクトロニクスデバイスの性能を維持または改善することを意味する。また、このような管理方法を、製造装置の研究開発、出荷検査および据え付け時の性能検査に利用することができる。例えば、製造装置の研究開発において、上記管理方法による装置管理を行うことで、効率的な研究開発を行うことができる。
上記管理方法によれば、不純物の量または有無に着目し、例えば基準値を決めて評価を行うことにより、適切な洗浄タイミングを決定することができる。製造装置内の洗浄は、有機溶剤を用いた入念な拭き取りまたは加熱真空排気の繰り返し等の大がかりな作業を必要とする。従って、洗浄頻度が過剰な場合は、製造コストおよび管理コストの増加につながる。一方、洗浄が必要な状態であるにもかかわらず製造装置をそのまま使用すると、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造することができないため、歩留まりが悪くなる。上記管理方法によれば、洗浄のタイミングを無駄なく決定することができるため、製造コストおよび管理コストを低減することができ、また、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを効率的に製造することができる。
なお、特定の製造装置において上記管理方法による効果が確認できれば、同様の装置(例えば、全く同じ操作方法である複数の製造装置)についても、同様に洗浄のタイミングを決定することができる。複数の製造装置を一括で管理できれば、コストにおけるメリットはさらに大きくなる。
さらに、上記管理方法によれば、不純物の量および有無に着目し、例えば基準値を決めて評価を行うことにより、製造装置のオーバーホールまたは老朽化した製造装置の更新のタイミングを決定することができる。高額なオーバーホールまたは更新が定期的に行われる場合または有機エレクトロニクスデバイスの性能に基づいた感覚的な判断により実施される場合、余分な製造コストおよび管理コストが発生し得る。上記管理方法によれば、オーバーホールまたは更新のタイミングを無駄なく決定できる。このことは、製造コストおよび管理コストの観点から大きなメリットである。
〔2.製造装置〕
次に、上記管理方法において管理の対象となる製造装置について説明する。管理の対象となる製造装置は、有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置であれば、特に限定されない。
上記有機エレクトロニクスデバイスとしては、例えば、有機EL、有機太陽電池、有機トランジスタおよび有機メモリ等が挙げられる。
上記有機エレクトロニクスデバイスは、基板上に1層の有機膜が形成されたものであってもよく、多層膜が形成されたものであってもよい。上記管理方法であれば、有機エレクトロニクスデバイスが多層膜を有する場合にも、各層に含まれる不純物を検出することができる。よって、多層膜を有する有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置において上記管理方法を適用した場合、多層膜中のいずれの層を製造する段階に不純物が多く含まれ得るかを評価することができる。
上記製造装置としては、蒸着プロセスまたは塗布プロセスによって有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置が挙げられる。
図2は、有機エレクトロニクスデバイスの製造方法を模式的に示す図である。図2の(a)は、蒸着プロセスによる製造方法を示しており、図2の(b)は、塗布プロセスによる製造方法を示している。
まず、図2の(a)に基づいて、蒸着プロセスによる製造方法を説明する。製造装置1内(例えば、製造装置のチャンバー内)の成膜材料保持部3に成膜材料4を配置する。成膜材料保持部3の上部に、基板5を配置する。加熱機構6によって成膜材料4を加熱すると、成膜材料4が気化して基板5に蒸着する。ここで矢印9は、気化した成膜材料4が基板5に蒸着する様子を模式的に表している。そして、真空ポンプ等に接続された排気管7から排気することによって製造装置1内を真空状態にして、基板5に蒸着した成膜材料を乾燥させる。これにより、成膜材料4に由来する膜8が基板5上に形成された有機エレクトロニクスデバイスを得ることができる。
次に、図2の(b)に基づいて、塗布プロセスによる製造方法を説明する。なお、図示していないが、塗布プロセスはグローブボックスまたはクリーンベンチ内で行われ得る。本明細書においては、グローブボックスおよびクリーンベンチ等も上記製造装置に包含される。塗布プロセスでは、基板5上に、液滴吐出機構10から成膜材料4の溶液を滴下する。そして、基板5上に塗布された成膜材料を乾燥させる。これにより、成膜材料4に由来する膜8が基板5上に形成された有機エレクトロニクスデバイスを得ることができる。
〔3.配置工程〕
上記管理方法は、上記製造装置内に基材を配置する配置工程を含む。それゆえ、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料の少なくとも一方に由来する不純物を基材に付着させることができる。そのため、後述する検出工程において、有機エレクトロニクスデバイスの製造工程の任意の段階において基材に付着し得る不純物の種類および/または量を評価することができる。
<3−1.基材>
上記基材は、不純物を検出するために当該不純物を付着させる対象となるものである。上記基材の材質は、特に限定されるものではなく、無機物であってもよく、有機物であってもよく、有機物と無機物との混合物であってもよい。基材の材質は、例えば、有機エレクトロニクス分野で一般的に使用される材質であることが好ましい。
また、基材の形状も特に限定されるものではなく、平面を含んでいてもよく、曲面を含んでいてもよい。基材は例えば、平面からなる立体であってもよく、曲面からなる球体であってもよく、平面と曲面とが混在する立体であってもよい。また、基材は、柔軟性を有しており、平面と曲面とが自由に変化し得る基材であってもよい。基材は、例えば、有機エレクトロニクス分野で一般的に使用される基板であってもよい。また、基材は1層であってもよく、2層以上の多層であってもよい。
上記基材は、基板および有機膜の少なくとも一方を含むことが好ましい。すなわち、基材は、基板または有機膜であってもよく、基板上に有機膜が形成されたものであってもよい。上記基板および上記有機膜は有機エレクトロニクス分野で一般的に使用される形態であるため、有機エレクトロニクスデバイスの製造工程において付着し得る不純物を検出するために好ましい。
例えば、上記基板の材料は、無機物としてはシリコンおよびガラス等が挙げられ、有機物としては合成樹脂等が挙げられる。有機物として具体的には、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびフッ素樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、有機膜とは、有機物を含む膜を意味し、当該有機物としては芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、ヘテロ芳香族炭化水素もしくはヘテロ多環芳香族炭化水素から誘導される化合物、環同士が共有結合を介して連結された化合物、フラーレンを骨格に含む化合物、ポルフィリンおよびフタロシアニンを骨格に含む化合物、これらの構造を含む金属錯体化合物、並びに、これらの構造を含むオリゴマーおよびポリマー等が挙げられる。
有機膜の膜厚は特に制限されず、1nm以下であってもよく、1〜10nmであってもよく、10〜100nmであってもよく、100〜1000nmであってもよく、1μm以上であってもよい。特に製造装置に由来する不純物を評価する場合には、基材である有機膜の内部に含まれる不純物が少なくなるように、基材としてはできるだけ薄い有機膜を用いることが好ましい。この観点からは、当該基材としての有機膜の膜厚は、10nm以下であることがより好ましく、1nm以下であることがさらに好ましい。
なお、上述の特許文献1においては、基板のみでは不純物を検出することができず、不純物を検出するためには有機膜を用いる必要があることが記載されている。これは、特許文献1に記載の技術では、潤滑剤由来の不純物を検出対象としているため、基板を用いた検出ができなかったと考えられる。一方、上記管理方法の場合は、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料に由来する不純物を検出することを目的としているため、基材の材料については特に限定されない。
上記基材は、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料を含み、かつ上記不純物とは異なる材料からなることが好ましい。当該材料としては、例えば、上述した芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、ヘテロ芳香族炭化水素もしくはヘテロ多環芳香族炭化水素から誘導される化合物、環同士が共有結合を介して連結された化合物、フラーレンを骨格に含む化合物、ポルフィリンおよびフタロシアニンを骨格に含む化合物、これらの構造を含む金属錯体化合物、並びに、これらの構造を含むオリゴマーおよびポリマー等が挙げられる。これにより、実際に使用される有機エレクトロニクスデバイスの材料に付着し得る不純物を検出することができる。また、検出対象となる不純物とは別の材料を基材として用いることにより、不純物の検出を容易に行うことができる。
<3−2.配置方法>
上記基材を配置する場所は、上記製造装置内であれば特に限定されない。基材の配置場所としては、例えば、製造装置のチャンバー内が挙げられる。本明細書において、チャンバーとは、有機エレクトロニクスデバイスが製造される空間を意味し、製造室とも称する。
また、クラスター型製造装置またはインライン型製造装置等は、複数の製造室を有している。この場合、複数の製造室の少なくとも1つに基材を配置すればよい。上記管理方法によれば、製造室ごとに不純物を評価することにより、どの製造室において汚染が生じ得るかを特定することができる。これにより、製造室ごとに洗浄のタイミングを無駄なく決定できる。このことは、製造コストの観点から、大きなメリットである。
上記基材の配置方向も特に限定されず、例えば、不純物を付着させたい基材の面が、重力方向に対して同じ向き、逆向き、横向き(垂直)または斜め方向であってもよい。
上記基材を配置する時間も特に限定されない。不純物をより確実に基材に付着させるという観点からは、配置時間は5分以上であることが好ましく、10分以上であることがより好ましく、20分以上であることがさらに好ましく、30分以上であることが特に好ましい。また、配置工程を短期間で完了させるという観点からは、配置時間は15時間以下であることが好ましく、10時間以下であることがより好ましい。製造装置の操業中に管理を行うという観点からは、配置時間は8時間以下であることが特に好ましい。ただし、配置時間は目的によって変更すればよく、短時間における不純物の量および有無を評価する場合には5分未満であってもよく、長期間における不純物の量および有無を評価する場合には15時間以上であってもよく、数日間、数週間または数か月間単位でも問題ない。例えば、配置時間は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間(1週間)、8日間、9日間、10日間、2週間、3週間、4週間、1か月間、2か月間または3か月間であってもよい。
上記配置工程は、有機エレクトロニクスデバイスの製造前、製造中および製造後の少なくともいずれか1つの段階で行われることが好ましい。これにより、有機エレクトロニクスデバイスの製造前、製造中および製造後の各段階において付着し得る不純物を、後述する検出工程において検出することができる。よって、有機エレクトロニクスデバイスの製造工程のいずれの段階において特に不純物が多くなり得るのかを特定することができる。従って、製造装置内の洗浄を行うべきタイミング等を決定するための判断材料を得ることができる。また、製造装置内の洗浄を行わなくてもよいタイミング等も決定することができるため、有機エレクトロニクスデバイスの製造の効率化およびコストダウンにつながり得る。
図1は、上記管理方法における配置工程を模式的に示す図である。図1の(a)は、配置工程が有機エレクトロニクスデバイスの製造前または製造後に行われる場合を示しており、図1の(b)は、配置工程が有機エレクトロニクスデバイスの製造中に行われる場合を示している。
配置工程が有機エレクトロニクスデバイスの製造前または製造後に行われる場合は、例えば、図1の(a)に示すように、有機エレクトロニクスデバイスの材料(基板および成膜材料)または完成した有機エレクトロニクスデバイス等が配置されていない状態で、基材2を製造装置1内(例えば、製造装置のチャンバー内)に配置する。ここで、矢印11は、不純物が基材2に付着する様子を模式的に表している。成膜材料保持部3の上部にはシャッター12が設けられていてもよい。
一方、配置工程が有機エレクトロニクスデバイスの製造中に行われる場合は、図1の(b)に示すように、基板5および成膜材料4を配置するとともに、基材2を配置し、上述の蒸着プロセスまたは塗布プロセス等を開始すればよい。
ここで、上述のように有機エレクトロニクスデバイスが多層膜を有している場合は、多層膜中のいずれか少なくとも1つの層(例えば、第1の層、第2の層または更なる層)を形成中に付着し得る不純物を検出することもできる。
上記管理方法によれば、同じ製造室内で多層膜の製造または異なる材料を用いた製造を行う場合、どの段階で汚染が生じ得るかを特定することができる。また、多層膜中のいずれの層の形成中に特に不純物が多くなり得るのかを特定することができる。どの段階にて汚染が生じ得るかを特定できなければ、製造装置の改善のための作業コストが大幅に増加し得る。上記管理方法によれば、製造工程の段階ごとに切り分けて汚染を評価することができるため、有機エレクトロニクスデバイスの性能が悪化した場合の問題特定が容易となる。それゆえ、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造する歩留まりの向上につながる。
また、配置工程は、製造装置を新規に導入した場合の有機エレクトロニクスデバイスの製造前に行われてもよい。上記管理方法によれば、製造装置を新規導入する場合、製造装置の材料に由来する不純物による汚染を評価することによって製造装置の据え付け時の状態を管理することができる。製造装置の新規導入時に発生し得る製造装置の材料に由来する不純物による初期汚染を十分に除去できていない場合は、試製造後に追加洗浄の要否を判断することになり、製造コストがかかる。また、初期汚染に気づかなかった場合、高性能な有機エレクトロニクスデバイスを製造することができずに歩留まりが悪くなるおそれがある。よって、製造装置の材料に由来する初期の汚染を評価することは、製造装置の導入後の歩留まり向上、並びに洗浄および調整等の再セッティング作業の発生防止につながる。このことは、製造コストの観点から大きなメリットである。
また、配置工程が有機エレクトロニクスデバイスの製造中に行われる場合は、製造工程の任意の段階で待機時間を設けてもよい。例えば、有機エレクトロニクスデバイスの製造工程において多層膜を形成する場合、第1の層を形成した後、第2の層の形成を開始するまでに待機時間を設けてもよい。これにより、待機時間において不純物を十分に付着させることができる。また、これらの待機時間を設けたことによる不純物の付着への影響および完成した有機エレクトロニクスデバイスの性能への影響を評価することができる。この評価結果に基づいて、製造工程中のいずれの段階における作業時間を短縮する必要があるか等を検討することができる。
〔4.検出工程〕
上記管理方法は、上記基材に付着した、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料および上記製造装置の材料の少なくとも一方に由来する不純物を検出する検出工程を含む。これにより、従来知られている真空ポンプの潤滑剤由来の不純物、大気中の有機物、並びに水分および酸素ではなく、有機エレクトロニクスデバイスの材料および上記製造装置の材料に由来する不純物を検出することができ、その結果を製造装置の管理に反映することができる。
<4−1.不純物>
上記検出工程において、検出対象となる不純物は、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料および上記製造装置の材料の少なくとも一方に由来する不純物である。本明細書において、「上記有機エレクトロニクスデバイスの材料および上記製造装置の材料の少なくとも一方に由来する不純物」とは、真空ポンプの潤滑剤由来の不純物、大気中の有機物、並びに水分および酸素を除く不純物を意味する。
上記有機エレクトロニクスデバイスの材料に由来する不純物としては、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料として用いられる有機物材料および無機物材料、並びにこれらの材料の派生物等が挙げられる。また、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料に由来する不純物としては、上記有機物材料および上記無機物材料に混入している不純物も挙げられる。
上記有機物材料としては、芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、ヘテロ芳香族炭化水素もしくはヘテロ多環芳香族炭化水素から誘導される化合物、環同士が共有結合を介して連結された化合物、フラーレンを骨格に含む化合物、ポルフィリンおよびフタロシアニンを骨格に含む化合物、これらの構造を含む金属錯体化合物、並びに、これらの構造を含むオリゴマーおよびポリマー等が挙げられる。
上記無機物材料としては、アルミニウムおよびマグネシウム等の金属、並びにそれらを含む金属合金が挙げられる。無機物材料としては、酸化リチウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウム等も挙げられる。
上記材料の派生物としては、上記有機物材料および上記無機物材料の分解物および重合物等が挙げられる。上記分解物としては、熱分解物および加水分解物等が挙げられる。さらに、上記材料の派生物には、上記分解物および上記重合物が生じる反応における反応生成物(すなわち、副生成物等)も包含される。例えば、上記材料の派生物としては、上記有機物材料および上記無機物材料を由来として発生する有機化合物および金属成分が挙げられる。
上記有機物材料および上記無機物材料に混入している不純物としては、有機エレクトロニクスデバイスの材料としては本来含有されていることが意図されていなかったが結果的に含有されていた有機物、金属、非金属およびハロゲン等が挙げられる。
上記有機エレクトロニクスデバイスの材料に由来する不純物は、例えば、〔アルカリ金属元素〕Li、Na、K、Rb、Cs;〔アルカリ土類金属元素〕Be、Mg、Ca、Sr、Ba;〔ランタノイド元素〕La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu;〔アクチノイド元素〕Th、U;〔遷移金属元素〕Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au;〔ホウ素族元素〕B、Al、Ga、In、Tl;〔炭素族元素〕Si、Ge、Sn、Pb;〔ニクトゲン元素〕P、As、Sb、Bi;〔カルコゲン元素〕S、Se、Te;〔ハロゲン元素〕F、Cl、Br、I;のうちの少なくとも一つであってもよい。
上記製造装置の材料としては、合成樹脂、合成樹脂添加剤、合成樹脂および合成樹脂添加剤の派生物、金属材料、セラミックス材料、並びにガラス材料等が挙げられる。
上記合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイド、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、ポリアミドおよびポリエステル等が挙げられる。
上記合成樹脂添加剤としては、上記合成樹脂に添加された可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤および難燃剤等が挙げられる。
上記可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤およびポリエステル系可塑剤等が挙げられる。上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびイオウ系酸化防止剤等が挙げられる。上記光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系光安定剤、ベンゾフェノン系光安定剤、サリシレート系光安定剤、シアノアクリレート系光安定剤、ニッケル系光安定剤、トリアジン系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、フェノール系光安定剤、リン酸系光安定剤およびイオウ系光安定剤等が挙げられる。上記帯電防止剤としては、ジノニルナフチルスルホン酸、メタクリル酸グリシジル、ポリエーテルエステルアミド系帯電防止剤、エチレンオキシド−エピクロルヒドリン系帯電防止剤、ポリエーテルエステル系帯電防止剤、ポリスチレンスルホン酸系帯電防止剤および四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体系帯電防止剤等が挙げられる。上記難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤および無機系難燃剤等が挙げられる。上記臭素系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールAおよびデカブロモジフェニルエーテル等が挙げられる。上記リン系難燃剤としては、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステルおよびハロゲン化リン酸エステル等が挙げられる。無機系難燃剤としては、三酸化アンチモンおよび水酸化マグネシウム等が挙げられる。
上記合成樹脂および上記合成樹脂添加剤の派生物としては、上記合成樹脂および上記合成樹脂添加剤の分解物および重合物等が挙げられる。上記分解物としては、熱分解物および加水分解物等が挙げられる。さらに、上記派生物には、上記分解物および上記重合物が生じる反応における反応生成物(すなわち、副生成物等)も包含される。例えば、上記派生物としては、上記合成樹脂および合成樹脂添加剤を由来として発生する有機化合物、並びに無機塩および無機酸化物等の無機物が挙げられる。
上記金属材料とは、上記製造装置の金属素材に使用される成分を意味する。上記金属材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、および、それらの金属合金等が挙げられる。また、上記金属材料としては、めっき鋼等も包含される。
上記セラミックス材料としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、炭化ケイ素および窒化ケイ素等が挙げられる。
上記ガラス材料としては、二酸化ケイ素、酸化ホウ素、五酸化二リン、酸化チタン、炭化ビスマス、酸化鉛、フッ化アルミ、塩化亜鉛、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、塩化リチウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
図3は、上記検出工程において検出対象となる不純物の具体例を示した図である。
図3の(a)に示す化合物は、化学式C3644、CAS番号677275−33−1で表され、TBPe(2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン)とも呼ばれる。
図3の(b)に示す化合物は、化学式C3020、CAS番号550378−78−4で表され、9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾールとも呼ばれる。
図3の(c)に示す化合物は、化学式C4646、CAS番号1174006−36−0で表され、ジ−[4−(N,N−ジ−p−トリル−アミノ)−フェニル]シクロヘキサンとも呼ばれる。
図3の(d)に示す化合物は、化学式C1310、CAS番号716−79−0で表される。
図3の(e)に示す化合物は、化学式C1412で表される。
図3の(f)に示す化合物は、化学式C1914、CAS番号2622−67−5で表される。
図3の(g)に示す化合物は、化学式C4432、CAS番号123847−85−8で表され、NPD(N,N’−ビス−(1−ナフチル)−N,N’−ビス−フェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン)とも呼ばれる。
図3の(h)に示す化合物は、化学式C5435、CAS番号1141757−83−6で表され、TrisPCz(9,9’−ジフェニル−6−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H,9’H−3,3’−ビカルバゾール)とも呼ばれる。
図3の(i)に示す化合物は、化学式C4530で表される。
図3の(j)に示す化合物は、化学式C3927、CAS番号1201800−83−0で表され、T2T(2,4,6−トリス(ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン)とも呼ばれる。
図3の(k)に示す化合物は、化学式C5632、CAS番号1416881−52−1で表され、4CzIPN(2,4,5,6−テトラキス(カルバゾール−9−イル)−1,3−ジシアノベンゼン)とも呼ばれる。
図3の(l)に示す化合物は、化学式C5436、CAS番号139092−78−7で表され、TCTA(4,4’,4’’−トリ−9−カルバゾリルトリフェニルアミン)とも呼ばれる。
図3の(m)に示す化合物は、化学式C2242、CAS番号103−23−1で表され、ジオクチルアジペートとも呼ばれる。
図3の(n)に示す化合物は、化学式C2438、CAS番号117−81−7で表され、ジオクチルフタレートとも呼ばれる。
また、上記不純物としては、2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール、フェニル−(p−トリル)−ベンゾイミダゾール、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、2−エチル−1−ヘキサノール、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、無水フタル酸(DOP分解物)および環状シロキサンD10〜12等も包含される。
検出対象となる不純物が付着する部分は基材上のいずれの部分であってもよい。不純物が付着する部分は、例えば、基材の表面であってもよい。基材が有機膜である場合は、不純物が付着する部分は有機膜の表面であってもよいし、有機膜の内部であってもよく、有機膜全体であってもよい。後述する前処理方法および測定方法によっては、有機膜の厚さ方向において段階的に分析することもできる。基材が平面状であり、表裏が存在する場合、不純物が付着する部分は、いずれの面であってもよく、両方であってもよい。
<4−2.前処理方法>
不純物を測定する場合に、不純物を回収するために基材に対して前処理を行ってもよい。不純物を直接測定できる測定方法を用いる場合は、前処理を行わなくてもよい。
例えば、不純物を回収する方法として、溶媒接触による回収、蒸気接触による回収、加熱脱離による回収、真空脱離による回収、レーザー脱離による回収および物理的な剥ぎ取りによる回収等が挙げられる。溶媒接触または蒸気接触を行う場合、不純物および有機膜が溶媒に溶解してもよいし、溶解しなくてもよい。不純物および有機膜が溶媒に溶解する場合は、溶媒ごと不純物を回収することができる。不純物および有機膜が溶媒に溶解しない場合は、不純物および有機膜を洗い流す等して回収することができる。なお、蒸気接触の場合、基材を液体の溶媒に浸漬および溶解させる方法と比べて、少量の溶媒で不純物を回収できるので、溶媒由来の汚染を低減することができる。
溶媒接触を行う場合、溶媒は、水、酸、アルカリまたは有機溶媒であってもよく、これらの混合物であってもよい。また、溶媒は、有機膜が溶解する溶媒であってもよく、有機膜が剥離するものの溶解しない溶媒であってもよい。また、有機膜に含まれる成分の性質を変化させずに回収するという観点からは、上記溶媒は、有機膜を分解しない溶媒であることが好ましい。さらに、基材に含まれる不純物の溶出を防ぐという観点から、上記溶媒としては、基材を溶解または分解しない溶媒が選択されることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、トルエンおよびメタノールが挙げられる。また、分析対象となる成分を水溶性のイオンとして評価できるという観点からは、溶媒は水であることが好ましい。
酸としては、例えば、フッ化水素酸、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、過酸化水素水および過塩素酸が挙げられる。酸は水溶液であってもよいし、2種類以上の酸の混合液であってもよい。溶液中の酸の濃度は高いほうが好ましく、例えば、20%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
アルカリとしては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。アルカリは水溶液であってもよいし、2種類以上のアルカリの混合液であってもよい。溶液中のアルカリの濃度は高いほうが好ましく、例えば、20%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
蒸気接触を行う場合は、上述の溶媒が気化した蒸気を基材に接触させればよい。溶媒を気化させる方法として、具体的には、加熱する方法、減圧する方法および超音波振動させる方法等が挙げられる。また、これらの方法を適宜組み合わせることもできる。
加熱する方法においては、溶媒を沸騰させてもよく、有機膜を剥離または溶解させるために充分な蒸気が発生するのであれば、沸騰させなくてもよい。従って、溶媒の沸点まで加熱してもよいし、沸点未満の温度まで加熱してもよい。好ましくは、蒸気は、飽和蒸気である。加熱温度は、溶媒の種類等に応じて適宜決定され得るが、十分に蒸気を発生させるという観点からは、溶媒の沸点に近い温度であることが好ましく、溶媒の沸点であることがより好ましい。例えば、溶媒が水である場合、1気圧下での加熱温度は80℃〜100℃であることが好ましく、90℃〜100℃であることがより好ましく、100℃であることが特に好ましい。蒸気接触の場合、有機膜を高温で酸化分解する方法に比べて、低温にて処理することが可能である。また、加熱時間は、例えば溶媒が水である場合は、5分〜120分であることが好ましく、10分〜30分であることがより好ましい。例えば溶媒がアセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ヘキサンまたはメタノール等の低沸点溶媒である場合は、3分〜60分であることが好ましく、5分〜20分であることがより好ましい。例えば溶媒がトルエン、硝酸、フッ化水素酸、硝酸、塩酸、過酸化水素水、過塩素酸、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液または水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等の中沸点溶媒である場合は、5分〜120分であることが好ましく、10分〜30分であることがより好ましい。例えば溶媒が硫酸またはリン酸等の高沸点溶媒である場合は、10分〜120分であることが好ましく、20分〜60分であることがより好ましい。当該加熱時間であれば、十分に蒸気を発生させるという観点から好ましい。
減圧する方法においては、蒸気が発生する圧力まで減圧すればよい。
基材が有機膜および基板を含む場合、有機膜は、膜の形状を保ったまま基板から剥離されてもよいし、一部または全部が溶解されてもよい。例えば、蒸気が有機膜に浸透して有機膜と基板との界面に達し、有機膜と基板との結合を弱めることによって、有機膜が剥離されてもよい。また、有機膜の表面が徐々に溶解されてもよい。有機膜が複数の層から構成されている場合、一層ずつ剥離されてもよい。
溶解された有機膜は、溶媒と共に回収されてもよい。剥離された有機膜は、溶媒と共に回収されるか、若しくは、溶媒と分離して、具体的には、基板上に残留する膜状の有機物として回収されてもよい。従って、溶媒は、有機膜の回収液としての機能を兼ねていてもよい。
さらに、溶媒の種類を変更することで、分析対象となる成分として含まれる揮発性の元素の回収、または当該成分の形態別(固体、液体または気体)での回収が可能である。また、分析対象となる成分として含まれる元素をイオンの形態にて回収することもできる。また、溶媒の種類を選択することにより、操作中のブランクを低減することができる。
基材に蒸気を接触させる時間は、溶媒の種類および蒸気圧、並びに基材の大きさ等に応じて、適宜設定すればよい。有機膜を十分に剥離または溶解させるという観点からは、例えば、蒸気を接触させる時間は、30分〜60分であることが好ましく、60分〜180分であることがより好ましく、180分〜480分であることが特に好ましい。
前処理においては、基材と蒸気とを接触させるとともに、基材を加熱または冷却してもよい。
また、蒸気を発生させるときの温度および/または時間等の条件を変更することで、例えば有機膜の剥離強度を変化させることができる。このため、上述の前処理方法は、有機膜に含まれる成分の、深さ方向(有機膜の厚み方向)での評価に適用することができる可能性を有している。よって、剥離強度を調節することにより、有機膜の厚み方向の一部の領域のみを回収してもよい。これにより、有機膜の厚み方向の任意の領域を選択的に回収することができる。よって、有機膜の厚み方向において段階的に分析することができる。従って、例えば、有機膜の表面に存在する成分の含有量、および、基板と有機膜との界面に近い領域に存在する成分の含有量を区別して分析することができる。
なお、本明細書において、有機膜の表面に存在する成分とは、有機膜の内部であって有機膜の表面に近い領域に存在する成分および有機膜の表面に付着している成分を意味する。有機膜の内部であって有機膜の表面に近い領域とは、例えば、有機膜の表面から内部に向かって厚み方向へ10nm以内の領域であってもよく、厚み方向へ1nm以内の領域であってもよく、厚み方向へ0.1nm以内の領域であってもよい。
基材に蒸気を接触させる方向も特に限定されない。基材を容器内に配置し、当該容器内にて蒸気を発生させることにより、容器内を蒸気で満たし、基材と蒸気とを接触させてもよい。また、蒸気を含んだガスを基材に吹き付けることにより、所望の方向から基材に蒸気を接触させてもよい。
蒸気接触は、密閉容器内において行われることが好ましい。この場合、分析の対象となる成分が揮発性を有している場合においても回収のロスを少なくすることができる。密閉容器は、容器の外側の環境への分析対象成分の揮発を防ぐことができる容器であれば特に限定されない。開口部を有する容器を用い、基材によって開口部を塞ぐことによって密閉容器としてもよい。また、密閉容器内にて蒸気接触を行う場合、操作環境由来の汚染を防ぐこともできる。
容器内にて蒸気を発生させる方法の一例を以下に説明する。まず、回収対象となる不純物または有機膜の材質に対応した溶媒を容器に入れる。溶媒を入れる容器は、当該溶媒に対する耐性を備えた(溶媒によって溶解されない)材質で形成されていればよい。具体的には、フッ素樹脂または石英等で形成された容器であれば、回収された分析用サンプルを汚染することがなく、好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)が挙げられる。
次に、溶媒を入れた容器に、基材を配置する。当該基材は、液体状の溶媒(気化する前の溶媒)と接触しない位置にセットされればよい。そして、容器を加熱することによって、または容器内において減圧もしくは超音波振動させることによって蒸気を発生させて、基材と蒸気とを接触させればよい。
例えば、基材が基板および有機膜を含んでいる場合、有機膜が形成された面が下を向くように基材を配置し、下側から蒸気を接触させてもよい。また、有機膜が形成された面が上を向くように基材を配置し、上側から蒸気を接触させてもよい。なお、ここで、「下」とは重力方向を意図し、「上」とは重力方向と逆の方向を意図する。また、有機膜が形成された面が重力方向と垂直な方向を向くように基材を配置し、蒸気を接触させてもよい。
有機膜が形成された面が下を向くように基材を設置し、下側から蒸気を接触させた場合、有機膜(または有機膜の溶解物)を自重によって重力方向へ落下させることによって回収することもできる。また、この場合、蒸気の発生源となる溶媒を下側に配置しておけば、溶媒中に、剥離された有機膜(または有機膜の溶解物)を落下させて回収することができる。
また、基材における蒸気を接触させる面積を調整することにより、蒸気を基材の一部の領域にのみ接触させてもよい。これにより、基材の任意の領域に由来する成分を選択的に回収することができる。よって、基材の任意の領域に存在する不純物を選択的に分析することができる。例えば、分析対象となる任意の領域以外の領域をマスキングした後に蒸気を接触させることによって、基材における蒸気を接触させる面積を調整してもよい。
蒸気接触によれば、蒸気の接触面積および接触強度を調節することにより、基材全体に由来する成分を回収することもできるし、基材の一部の領域に由来する成分を回収することもできる。また、蒸気接触によれば、例えば基材を高温にて酸化分解する方法に比べて、基材の任意の領域に由来する成分を選択的に回収することが容易である。
<4−3.測定方法>
不純物の量および有無の測定方法は、基材の形態および測定対象とする不純物の種類に応じて、適宜選択され得る。
測定方法としては、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)、イオンクロマトグラフィー(IC)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)、X線光電子分光法(XPS)、X線回折法(XRD)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、マトリックス支援型レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOFMS)、水素炎イオン化検出器を用いたガスクロマトグラフィー(GC−FID)、炎光光度検出器を用いたガスクロマトグラフィー(GC−FPD)、UV検出器を用いた液体クロマトグラフィー(LC−UV)、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)、キャピラリー電気泳動法(CE)、原子吸光分析法(AAS)およびグロー放電発光分析法(GD−OES)等が挙げられる。測定方法は、上記方法を組み合わせたLC−MS/UVまたはGC−MS/FID等であってもよく、測定対象によってその他の検出器を用いた測定方法であってもよい。また、上記測定方法は、水接触角の測定を除くものであってもよい。
〔5.その他の工程〕
上記管理方法は、上記検出工程によって検出された不純物の量が、予め設定された基準量以下であるか否か、または予め設定された基準量以上であるか否かを判定する判定工程を含んでいてもよい。当該判定工程は、検出された不純物の量が基準量より多いか否か、または基準量未満であるか否かを判定する工程であるともいえる。上記判定工程によれば、不純物を除去するために洗浄等の処理が必要であるか否かを決定するための判断材料を得ることができる。
上記管理方法は、製造装置を洗浄する洗浄工程を含んでいてもよい。上記洗浄工程によれば、製造装置において不純物の除去を適切に行うことができる。上記洗浄工程は、上記判定工程において不純物の量が予め設定された基準量以上である、または基準量より多いと判定された場合に行われてもよい。これにより、不要な洗浄を行わずに済むため、有機エレクトロニクスデバイスを効率的に製造することができる。
また、上述の配置工程は、洗浄工程の後に行われてもよい。上記管理方法によれば、洗浄後の製造装置について、不純物の増減および有無に着目し、例えば基準値を決めて評価を行うことにより、製造装置の再稼働前の段階で、洗浄効果を確認することができる。大がかりな洗浄作業を行ったにもかかわらず、再稼働後に有機エレクトロニクスデバイスの性能が向上せず、洗浄が不十分であると判断される場合は、製造装置の稼働を停止して再洗浄を行う必要がある。この場合、余分な製造コストおよび管理コストが発生し得る。上記管理方法によれば、無駄な稼働停止および再洗浄の防止につながる。このことは、製造コストおよび管理コストの観点から大きなメリットである。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下では、製造装置として真空蒸着装置を用いた。
〔実施例1〕
2台の真空蒸着装置内にそれぞれ基材として4インチφのシリコンウェハを配置した。具体的には、真空蒸着装置のチャンバー内の基板ホルダによって基材を保持した。当該基材を30分間静置後および15時間静置後に取り出した。基材の表側(以下では、基材の表側とは、図1の(a)の基材2において成膜材料保持部3と対向する面を意味する)に付着した不純物を、有機溶媒に接触させて回収し、回収液をLC−MSによって測定した。結果を表1に示す。有機エレクトロニクスデバイスの材料に由来する不純物として図3の(a)〜(l)に示す芳香族化合物が検出され、製造装置の材料に由来する不純物として図3の(m)に示すアジピン酸エステルおよび図3の(n)に示すフタル酸エステルが検出された。
Figure 2017094566
なお、検出された化合物の精密質量(Exact Mass)を以下に示す。
図3の(a)に示す化合物:476.3443
図3の(b)に示す化合物:408.1626
図3の(c)に示す化合物:626.3661
図3の(d)に示す化合物:194.0844
図3の(e)に示す化合物:208.1000
図3の(f)に示す化合物:270.1157
図3の(g)に示す化合物:588.2565
図3の(h)に示す化合物:725.2831
図3の(i)に示す化合物:654.2532
図3の(j)に示す化合物:537.2205
図3の(k)に示す化合物:788.2688
図3の(l)に示す化合物:740.2940
図3の(m)に示す化合物:370.3083
図3の(n)に示す化合物:390.2770。
以上のことから、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料に由来する不純物が製造装置内に存在し得ることがわかる。これらが有機エレクトロニクスデバイスの性能に影響を与え得ることが予想される。また、実施例1では、静置時間が長いほど検出された不純物の量および種類が増加した。
〔実施例2〕
1台の真空蒸着装置内に基材として4インチφのシリコンウェハを配置し、30分静置後および15時間静置後に取り出した。基材の表側に付着した不純物をウェハ加熱脱離ガスクロマトグラフィー質量分析法(WTD−GC−MS)によって測定した。ヘキサデカン標準試料を用いて上記シリコンウェハ1cmあたりの不純物量を定量した結果を表2に示す。有機エレクトロニクスデバイスの材料に由来する不純物である芳香族化合物(No.1〜4)、製造装置の材料に由来する不純物である添加剤等(No.5〜12)が検出された。
Figure 2017094566
実施例2においても、有機エレクトロニクスデバイスの材料および製造装置の材料に由来する不純物が製造装置内に存在し得ることがわかる。また、実施例2では、静置時間が長いほど検出不純物の量および種類が増加の傾向にあった。
〔実施例3〕
1台の真空蒸着装置内に基材として4インチφのシリコンウェハを配置し、15時間静置後に取り出した。基材の表側に付着した不純物を酸溶媒に接触させて溶解し、溶解液をICP−MSによって測定した。各検出元素の標準試料を用いて上記シリコンウェハ1枚あたりの不純物量を定量した結果を表3に示す。
Figure 2017094566
上記管理方法によれば、不純物として有機物のみならず、無機元素成分も検出可能であることがわかる。
〔実施例4〕
1台の真空蒸着装置内に基材として4インチφのシリコンウェハを配置し、15時間静置後に取り出し、この基材を装置洗浄前の不純物量測定用サンプルとして評価した。続いて同じ装置にて有機ELデバイスを作成した。装置内を洗浄後、洗浄前と同様に基材として4インチφのシリコンウェハを配置し、15時間静置後に取り出し、この基材を装置洗浄後の不純物量測定用サンプルとして評価した。同じ装置にて再度、有機ELデバイスを作成した。基材の表側に付着した不純物を有機溶媒に接触させて回収し、回収液をLC−MSで測定した。検出された不純物の総量を汚染度として評価した。なお、当該不純物の総量には、真空ポンプの潤滑剤由来の不純物、大気中の有機物、並びに水分および酸素は含まれていない。また、有機ELデバイスの発光寿命LT90(初期輝度1000cd/m)を評価した。それぞれ装置洗浄前を100%としたときの相対汚染度と相対発光寿命を表4に示す。
Figure 2017094566
上記管理方法は、洗浄効果の確認においても有効であることが示された。
〔実施例5〕
真空蒸着装置内に基材として3インチφのSiウェハを配置した。当該真空蒸着装置内を用いて、多層膜としてホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホールブロック層および電子輸送層を有する有機ELデバイスを作成した。各層の成膜時間および次の層を形成するまでの待機時間を一定に保ちつつ、発光層成膜前後で次の層の形成を開始するまでに意図的に60分ずつまたは40分ずつの待機時間を設けたデバイスと、待機時間を設けなかったデバイスとを作成し、寿命評価をおこなった。すなわち、待機時間を設けたデバイスでは、ホール輸送層の成膜後から発光層の成膜前までと、発光層の成膜後からホールブロック層の成膜前までとにおいて、それぞれ60分または40分の待機時間を設けた。また、各層の成膜中は基材に成膜材料が付着しないように基材と成膜材料保持部との間にシャッターを配置した。このようにして得られた基材を不純物量測定用サンプルとして評価した。基材の表側に付着した不純物を有機溶媒に接触させて回収し、回収液をLC−MSで測定した。検出された不純物の総量を汚染度として評価した。なお、当該不純物の総量には、真空ポンプの潤滑剤由来の不純物、大気中の有機物、並びに水分および酸素は含まれていない。また、有機ELデバイスは発光寿命LT90(初期輝度1000cd/m)で評価した。発光層前後で60分ずつ待機した結果を100%としたときの相対汚染度と相対発光寿命を表5に示す。
Figure 2017094566
この結果から、上記管理方法において、有機エレクトロニクスデバイスの製造工程の任意の段階で待機時間を設けた場合、これらの待機時間を設けたことによる不純物の付着への影響および完成した有機エレクトロニクスデバイスの性能への影響を評価することができることがわかる。この評価結果を、製造工程中のいずれの段階における作業時間を短縮する必要があるか等の検討に利用することができる。
本発明は、主に有機エレクトロニクスデバイス分野において利用することができる。
1 製造装置
2 基材

Claims (6)

  1. 有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置の管理方法であって、
    上記製造装置内に基材を配置する配置工程と、
    上記基材に付着した、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料および上記製造装置の材料の少なくとも一方に由来する不純物を検出する検出工程と、を含むことを特徴とする管理方法。
  2. 上記基材は、基板および有機膜の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の管理方法。
  3. 上記基材は、上記有機エレクトロニクスデバイスの材料を含み、かつ上記不純物とは異なる材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の管理方法。
  4. 上記配置工程は、有機エレクトロニクスデバイスの製造前、製造中および製造後の少なくともいずれか1つの段階で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の管理方法。
  5. 上記有機エレクトロニクスデバイスが多層膜を有することを特徴とする請求項4に記載の管理方法。
  6. 上記製造装置は、蒸着プロセスまたは塗布プロセスによって有機エレクトロニクスデバイスを製造する製造装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の管理方法。
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