JPWO2017061631A1 - 構造部材及び車両 - Google Patents

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Abstract

構造部材(10)は、ハット部材(1)と、クロージングプレート(2)とを備える。ハット部材(1)は、頂面部(1a)と、頂面部(1a)の両端から延びる一対の側壁(1b)と、フランジ(1c)とを有する。クロージングプレート2は、一対のフランジ(1c)に接して設けられる。一対の側壁(1b)の各々は、側壁(1b)の一方端部から距離Shの位置に至るまでの領域に、低強度領域(1s)を有する。距離Shは、側壁(1b)の高さHの20〜40%である。低強度領域(1s)の降伏強度は、側壁(1b)の高さの2分の1の位置(1mid)における降伏強度の60〜85%である。

Description

本発明は、耐衝撃性を有する構造部材及びそれを用いた車両に関する。
車両の補強用部材として用いられる構造部材は、高強度及び軽量化が求められる。例えば、国際公開2005/058624号(特許文献1)には、耐衝撃用として、自動車の車体に両端支持の構造で装着される金属管が開示されている。この金属管は、全長又は部分的に曲がり部を有する。曲がり部の外周側が車体に加わる衝撃方向に略合致するよう配置される。この金属管は、真直管を用いた補強部材に比べ、車体補強用として優れた耐衝撃性を有する。
国際公開2005/058624号
構造部材の軽量化のために薄肉化を行う場合、通常は、あわせて高強度化も行う。構造部材は、降伏強度を超える衝撃を受けると折れ曲がり、折れ曲がり部が突出する。構造部材を薄肉化すると、衝撃で折れたときの突出度合いが大きくなりやすい。これに対して、例えば、車両に構造部材を用いる場合は、衝突による衝撃で変形した構造部材が折れ曲がって突出する度合いは、より小さいことが好ましい。なぜなら、折れ曲がり部が大きく突出するということは、局所的にエネルギー吸収が発生していることであり、部材全体としてのエネルギー吸収能が小さいことを意味するからである。衝撃エネルギーを構造部材がより効率よく吸収することで、車両内の乗員に加わる衝撃エネルギーをより抑えることができる。
そこで、本願は、衝撃エネルギーを効率よく吸収することができる構造部材及びそれを用いた車両を開示する。
本発明の実施形態における構造部材は、頂面部と、ハット部材と、クロージングプレートを備える。前記ハット部材は、前記頂面部の両端部から延び、互いに対向する一対の側壁と、前記一対の側壁それぞれにおいて、前記側壁の前記頂面部側の一方端部とは反対側の他方端部から前記一対の側壁の対向方向外側へ延びる一対のフランジとを有する。前記クロージングプレートは、前記ハット部材の前記一対のフランジに接して設けられる。前記一対の側壁の各々は、前記側壁の一方端部から所定距離の位置に至るまでの領域に、低強度領域を有する。前記所定距離は、前記側壁の高さの20〜40%である。前記低強度領域の降伏強度は、前記側壁の高さの2分の1の位置における降伏強度の60〜85%である。
本願開示によれば、衝撃を受けたとき、効率良く衝撃エネルギーを吸収することができる構造部材を提供することができる。
図1Aは、本発明の実施形態の構造部材の断面図である。 図1Bは、図1Aに示す構造部材の平面図である。 図1Cは、図1Aに示す構造部材の側面図である。 図2は、衝突試験の様子を模式的に示す図である。 図3は、一様な強度分布を持つ構造部材に衝撃を加えたときの変形を示す図である。 図4は、低強度領域を有する構造部材に衝撃を加えたときの変形を示す図である。 図5は、一様な強度分布を持つ構造部材の変形挙動を説明するための図である。 図6は、低強度領域を有する構造部材の変形挙動を説明するための図である。 図7Aは、構造部材が、衝撃荷重を受けて変形する様子を示す図である。 図7Bは、構造部材が、衝撃荷重を受けて変形する様子を示す図である。 図8は、図6より狭い範囲の低強度領域を有する構造部材の変形挙動を説明するための図である。 図9Aは、本実施形態の変形例における構造部材の断面図である。 図9Bは、クロージングプレートの変形例を示す断面図である。 図10は、頂面部が傾いている場合の側壁1bの高さ方向を説明するための図である。 図11Aは、構造部材の変形例を示す断面図である。 図11Bは、構造部材の変形例を示す断面図である。 図11Cは、構造部材の変形例を示す断面図である。 図11Dは、図11Bに示す構造部材の平面図である。 図12Aは、本実施形態の構造部材の断面図である。 図12Bは、図12Aに示す構造部材の平面図である。 図12Cは、図12Aに示す構造部材の側面図である。 図13は、車両に配置される構造部材の一例を示す図である。 図14は、本実施形態における構造部材によって構成されたBピラーを示す図である。 図15は、シミュレーションにおける解析モデル(順ハットモデル)の構成を模式的に示す図である。 図16は、シミュレーションに用いた構造部材の各寸法を示すである。 図17は、低強度領域と他の領域の強度比を変えて衝撃を与えた場合の、曲げ変形による変形量を示すグラフである。 図18は、シミュレーションにおける解析モデル(逆ハットモデル)の構成を模式的に示す図である。 図19は、順ハットモデルのシミュレーションの解析結果を示すグラフである。 図20は、逆ハットモデルのシミュレーションの解析結果を示すグラフである。 図21は、順ハットモデルの変形挙動の解析結果を示す図である。 図22は、逆ハットモデルの変形挙動の解析結果を示す図である。 図23は、強度が均一な試験体の変形結果を示す図である。 図24は、一部に低強度領域を有する試験体の変形結果を示す図である。 図25は、試験体の衝撃実験の測定結果と、試験体と同じ構造部材のモデルを用いたシミュレーションによる解析結果とを示すグラフである。
本発明の実施形態における第1の構成の構造部材は、クロージングプレートと、ハット部材とを備える。前記ハット部材は、頂面部と、前記クロージングプレートに接して設けられる一対のフランジと、前記頂面部の両端部から延び、互いに対向する一対の側壁を備える。前記一対の側壁は、前記頂面部側の一方端部と、前記一方端部と反対側の他方端部であって、前記一対のフランジが前記一対の側壁の対向方向外側へ延びる他方端部を有する。すなわち、前記一対の側壁の他方端部から前記一対のフランジが延びる。前記一対のフランジは、クロージングプレートに接合される。
前記一対の側壁の各々は、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央を含む高強度領域と、前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度の低強度領域とを含む。前記低強度領域は、前記頂面部に垂直な方向において、前記側壁の前記一方端部から前記他方端部へ向かって前記側壁の高さの20〜40%の距離の位置に至るまで形成される。また、前記低強度領域は、前記側壁の長手方向において、前記側壁の高さ以上の距離に渡って形成される。
言い換えれば、前記一対の側壁の各々における前記低強度領域は、前記側壁の一方端部から所定距離(前記側壁の高さの20〜40%の距離)の位置に至るまでの領域に形成される。すなわち、前記低強度領域は、前記側壁の一方端部から、前記強強度領域と前記低強度領域との境界にわたって形成される。前記側壁の一方端部から、前記境界のうち前記側壁の高さ方向の境界との距離は、側壁の高さの20〜40%である。
また、前記一対の側壁各々における前記低強度領域の前記各側壁の長手方向における幅は、各側壁の高さ方向の幅(すなわち側壁の高さ)以上である。
なお、第1の構成において、前記各側壁の高さ方向は、前記頂面部に垂直な方向である。また、前記側壁の高さは、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の一方端部から他方端部までの距離である。なお、後述の第2及び第4の構成においても、側壁の高さ方向は、前記頂面部に垂直な方向である。
各側壁の長手方向は、構造部材の長手方向であり、頂面部の長手方向でもある。構造部材は、長手方向(長軸)を持つ細長い部材である。各側壁の長手方向は、各側壁と頂面部との間に形成される稜線(第1の稜線)の延在方向と同じとする。側壁の長手方向は、側壁の高さ方向と概ね垂直になる。
前記一対の側壁各々における前記低強度領域の降伏強度は、前記頂面部に垂直な方向における側壁の中央の降伏強度の60〜85%である。ここで、頂面部に垂直な方向における側壁の中央は、前記側壁の高さの2分の1の位置である。
前記高強度領域は、前記側壁の高さ方向において、前記低強度領域と前記高強度領域との境界から前記側壁の他方端(前記クロージングプレート側の端部)にわたって設けられる。
上記第1の構成は、下記の第2の構成に言い換えることができる。第2の構成における構造部材は、少なくとも1枚のクロージングプレートと、ハット部材とを備える。前記ハット部材は、頂面部と、前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、それぞれが前記クロージングプレートに接合された2つのフランジと、前記2つのフランジの端部にある2つの第2の稜線と、前記2つの第1の稜線と前記2つの第2の稜線の間に、それぞれ位置する2つの側壁とを備える。前記2つの側壁の各々は、低強度領域を備える。第2の構成における前記2つの側壁の各々における前記低強度領域は、前記第1の稜線から前記第2の稜線に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記第2の稜線の間の距離の20〜40%まで設けられる。また、前記低強度領域は、前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記第2の稜線の間の距離以上の長さの領域に設けられる。前記低強度領域は、前記第1の稜線と前記第2の稜線の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する。なお、前記第1の稜線と前記第2の稜線の中央は、前記頂面部に垂直な方向における側壁の中央と同じである。
前記2つの側壁の各々は、前記低強度領域と、前記低強度領域より降伏強度の高い高強度領域を備える。前記高強度領域は、前記各側壁の前記頂面部に垂直な方向において、前記第2の稜線から前記低強度領域と前記高強度領域の境界に至るまでの領域に設けられる。前記頂面部に垂直な方向における側壁の中央の側壁は、高強度領域に含まれる。
本発明の実施形態の第3の構成の構造部材は、少なくとも1枚のクロージングプレートと、ハット部材とを備える。前記ハット部材は、頂面部と、前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、それぞれが前記クロージングプレートに接合された2つのフランジと、前記2つのフランジの端部にある2つの第2の稜線と、前記2つの第1の稜線と前記2つの第2の稜線の間に、それぞれ位置する2つの側壁とを備える。前記2つの側壁の各々は、低強度領域を備える。第3の構成における前記2つの側壁の各々における低強度領域は、前記第2の稜線から前記第1の稜線に向かって、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記第2の稜線と前記第1の稜線の間の距離の20〜40%まで設けられる。また、前記低強度領域は、前記第2の稜線の延在方向に、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記第2稜線と前記第1の稜線の間の距離以上の長さの領域に設けられる。前記低強度領域は、前記クロージングプレートに垂直な方向における側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する。
第3の構成における前記一対の側壁の各々は、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記側壁の中央を含む高強度領域と、前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度の低強度領域とを含む。前記低強度領域は、前記クロージングプレートに垂直な方向において、前記側壁の前記他方端部から前記一方端部へ向かって前記側壁の高さの20〜40%の距離の位置に至るまで形成される。前記他方端部は、前記側壁の高さ方向の両端部のうちクロージングプレート側の端部である。前記一方端部は、前記側壁の高さ方向の両端部のうち頂面部側の端部である。また、前記低強度領域は、前記側壁の長手方向において、前記側壁の高さ以上の距離に渡って形成される。
なお、第3の構成において、前記各側壁の高さ方向は、前記クロージングプレートに垂直な方向である。また、前記側壁の高さは、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記側壁の一方端部から他方端部までの距離である。
第3の構成において、前記2つの側壁の各々は、前記低強度領域と、前記低強度領域より降伏強度の高い高強度領域を備える。前記高強度領域は、前記各側壁の前記クロージングプレートに垂直な方向において、第1の稜線から前記低強度領域と前記高強度領域の境界に至るまでの領域に設けられる。前記クロージングプレートに垂直な方向における前記側壁の中央の前記側壁の部分は、高強度領域に含まれる。
本発明の実施形態の第4の構成の構造部材は、少なくとも1枚のクロージングプレートと、溝型部材とを備える。前記溝型部材は、頂面部と、前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、それぞれが前記クロージングプレートに接合される2つの接合部と、前記2つの第1の稜線と前記2つの接合部との間に、それぞれ位置する2つの側壁とを備える。前記2つの側壁の各々は、低強度領域を備える。第4の構成における前記2つの側壁の各々における低強度領域は、前記第1の稜線から前記接合部に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記接合部の間の距離の20〜40%まで設けられる。また、前記低強度領域は、前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記接合部の間の距離以上の長さの領域に設けられる。前記低強度領域は、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する。
前記2つの側壁の各々は、前記低強度領域と、前記低強度領域より降伏強度の高い高強度領域を備える。前記高強度領域は、前記各側壁の前記頂面部に垂直な方向において、前記接合部から前記低強度領域と前記高強度領域の境界に至るまでの領域に設けられる。前記頂面に垂直な方向における前記第1の稜線と前記接合部の中央の側壁の部分は、前記高強度領域に含まれる。
第4の構成において、前記溝型部材は、クロージングプレートに接する稜線を有さない。2つの側壁の各々において、第1の稜線と反対側の端部には、第2の稜線ではなく、接合部が設けられる。前記側壁は、前記接合部側の一部において、前記クロージングプレートと重ね合わされる。側壁とクロージングプレート重ね合わされる部分において、前記側壁は、前記クロージングプレートと接触する接触面を有する。この接触面は、前記側壁と同じ方向に延びる。
前記側壁の高さ方向は、前記頂面部に垂直な方向である。前記側壁の高さは、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線から前記接合部までの距離である。
本発明の実施形態の第5の構成の構造部材は、少なくとも1枚のクロージングプレートと、溝型部材とを備える。前記溝型部材は、頂面部と、前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、前記クロージングプレートに接合されるフランジと、前記フランジの端部にある第2の稜線と、前記溝型部材の前記フランジ以外の部分と前記クロージングプレートとを接合する接合部と、前記2つの第1の稜線のうち一方と前記第2の稜線との間に位置する第1の側壁と、前記2つの第1の稜線のうち他方と前記接合部との間に位置する第2の側壁とを備える。
前記第1の側壁は、第1の低強度領域を含む。前記第1の低強度領域は、前記第1の稜線から前記第2の稜線に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記第2の稜線の間の距離の20〜40%まで、かつ前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記第2の稜線の間の距離以上の長さの領域に設けられ、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する。
前記第2の側壁は、第2の低強度領域を含む。前記第2の低強度領域は、前記第1の稜線から前記接合部に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記接合部の間の距離の20〜40%まで、かつ前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記接合部の間の距離以上の長さの領域に設けられ、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する。
第5の構成において、第1の側壁は、第1の稜線と反対側の端部に第2の稜線がある。これに対して、第2の側壁は、第1の稜線と反対側の端部に、第2の稜線ではなく、接合部が設けられる。前記第2の側壁は、前記接合部側の一部において、前記クロージングプレートと重ね合わされる。前記第2の側壁と前記クロージングプレート重ね合わされる部分において、前記第2の側壁は、前記クロージングプレートと接触する接触面を有する。この接触面は、前記第2の側壁と同じ方向に延びる。
前記第2の側壁の高さ方向は、前記頂面部に垂直な方向である。前記第2の側壁の高さは、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線から前記接合部までの距離である。
頂面部に加えられた荷重により側壁は圧縮される。換言すると、側壁は第1の稜線と支持部の間で圧縮される。部材に第2の稜線がある場合、クロージングプレートに接する第2の稜線が支持部となる。この場合、側壁は第1の稜線と第2の稜線の間の領域である。部材に第2の稜線が無い場合、クロージングプレートとの接合部が支持部となる。この場合、側壁は第1の稜線と接合部の間の領域である。上記第1、2、4及び5の構成において、ハット部材又は溝型部材の2つの側壁は、側壁の高さ方向の中央を含む高強度領域と、高強度領域より低い降伏強度を持つ低強度領域とを備える。低強度領域は、各側壁の頂面部側の一方端部から、各側壁の高さの20〜40%の距離の位置に至るまで、かつ、低強度領域の各側壁の長手方向(すなわち第1の稜線の延在方向)において、各側壁の高さ(すなわち第1の稜線から第2の稜線あるいは接合部までの頂面部に垂直な方向における距離)以上の距離にわたって形成される。発明者らは、このような低強度領域によって、頂面部に衝撃が加わった場合の構造部材の衝撃エネルギーの吸収効率を高められることを見出した。具体的には、頂面部に対して垂直方向に衝撃が加わった場合、各側壁の頂面部側20〜40%の領域に形成された低強度領域において、衝撃による応力を衝撃方向に垂直な方向(側壁の長手方向)に分散させるとともに、各側壁の高さ方向中央を含む高強度領域の剛性を生かして、構造部材の変形を抑えることができることが見出された。さらに、各側壁の低強度領域の降伏強度を、各側壁の高さ方向の中央の位置における降伏強度の60〜85%とすることで、構造部材の衝撃エネルギー吸収効率を、要求されるレベルに高められることが見出された。すなわち、上記第1、2及び4の構成の構造部材では、衝撃を受けたとき、効率良く衝撃エネルギーを吸収することができる。
上記第3の構成において、ハット部材の2つの側壁は、側壁の高さ方向中央を含む高強度領域と、高強度領域より降伏強度が低い低強度領域とを備える。低強度領域は、各側壁の第2の稜線(クロージングプレート側の端部)から、クロージングプレートに垂直な方向における側壁の高さ(第1の稜線から第2の稜線までの距離)の20〜40%の距離の位置に至るまで、かつ各側壁の長手方向(すなわち第2の稜線の延在方向)に、第2の稜線から第1の稜線までのクロージングプレートに垂直な方向における距離以上の長さの領域にわたって形成される。発明者らは、ハット部材の2つの側壁に、このような低強度領域を形成することにより、クロージングプレートに衝撃が加わった場合の構造部材の衝撃エネルギーの吸収効率を高めることができることを見出した。具体的には、クロージングプレートに対して垂直方向に衝撃が加わった場合、側壁のクロージングプレート側20〜40%の領域に形成された低強度領域において、衝撃による応力を長手方向に分散させるとともに、側壁の高さ方向中央を含む高強度領域の剛性を生かして、構造部材の変形を抑えることができることが見出された。さらに、各側壁の低強度領域の降伏強度を、各側壁の高さ方向の中央の位置における降伏強度の60〜85%とすることで、構造部材の衝撃エネルギー吸収効率を要求されるレベルまで高められることが、発明者らによって見出された。すなわち、上記第3の構成の構造部材では、衝撃を受けたとき、効率良く衝撃エネルギーを吸収することができる。
上記第1〜第5の構成のいずれかにおいて、前記低強度領域は、前記側壁の長手方向中央に配置することが望ましい。その理由は次のとおりである。側壁の長手方向中央は、長手方向両端部から離れている。これら両端部の付近は、他の部材に連結される支持されることが多い。両端部が支持された状態で中央に荷重が作用した場合、曲げモーメントが大きくなる。低強度領域を、側壁の長手方向中央に配置することにより、衝撃による変形が大きくなりやすい位置に低強度領域が配置される。その結果、衝撃エネルギーの吸収効率をより高めることができる。側壁の長手方向は、第1、2、4、5の構成においては、側壁と頂面部の間の第1の稜線の延在方向とし、第3の構成においては、側壁とクロージングプレートの間の第2の稜線の延在方向とする。
上記第1〜第6の構成のいずれかにおいて、前記頂面部又は前記クロージングプレートは、前記側壁の長手方向において互いに離れて位置において他の部材と連結される少なくとも2つの連結部を含んでもよい。この場合、前記低強度領域は、前記側壁の長手方向において前記少なくとも2つの連結部の間の中央に配置されることが望ましい。その理由は次のとおりである。2つの連結部の中央は、他の部材に支持される位置から離れている。2つの連結部の中央に荷重が作用した場合、曲げモーメントが大きくなる。そのため、少なくとも2つの連結部で支持された構造部材において、少なくとも2つの連結部の中央に低強度領域を設けることで、衝撃による変形が大きくなりやすい位置に低強度領域が配置される。その結果、衝撃エネルギーの吸収効率をより高めることができる。
上記第1、第2、第4及び第5の構成のいずれかにおいて、前記2つの側壁の各々において、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の引張強度は、980MPa以上とすることが望ましい。なぜなら、このような高強度の構造部材において、衝撃エネルギーの吸収効率向上の効果が好適に得られるからである。なお、側壁の高さ方向は、頂面部に垂直な方向とする。
上記第3の構成において、前記2つの側壁の各々において、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記側壁の中央の引張強度は、980MPa以上とすることが望ましい。なぜなら、このような高強度の構造部材において、衝撃エネルギーの吸収効率向上の効果が好適に得られるからである。
上記第1、第2、第4及び第5の構成のいずれかの構造部材を備える車両も、本発明の実施形態に含まれる。このような車両において、前記構造部材は、前記頂面部が前記車両の外側に、前記クロージングプレートが前記車両の内側になるよう配置されることが好ましい。これにより、車両の外側から、構造部材の頂面部に対して衝撃が加わった場合に、構造部材によって効率よく衝撃を吸収することができる。
上記第3の構成の構造部材を備える車両も、本発明の実施形態に含まれる。このような車両において、前記構造部材は、前記クロージングプレートが前記車両の外側に、前記頂面部が前記車両の内側になるよう配置されることが好ましい。これにより、車両の外側から、構造部材のクロージングプレートに対して衝撃が加わった場合に、構造部材によって効率よく衝撃を吸収することができる。
上記第1〜第4の構成の構造部材において、頂面部の両端部は、頂面部の長手方向に垂直な方向の両端部である。なお、頂面部の長手方向は、構造部材の長手方向であり、側壁の長手方向でもある。構造部材の長手方向は、ハット部材(又は溝型部材)及びクロージングプレートで囲まれる中空部の延びる方向である。すなわち、ハット部材(又は溝型部材)及びクロージングプレートで形成される管状部の軸方向が、構造部材の長手方向となる。
頂面部の両端部から延びる2つの側壁は頂面部に対して同じ方向に延びる。すなわち、2つの側壁は、互いに対向した状態で、頂面部の両端部から延びる。2つの側壁は、前記頂面部の内面側から前記頂面部を支える構成となる。なお、2つの側壁が対向した状態は、2つの側壁の内面が平行である場合に限らない。
[実施形態1]
実施形態1は、上記第1、第2、第4、及び第5の構成に関する。図1Aは、本発明の実施形態の構造部材の断面図であり、図1Bは、図1Aに示す構造部材の平面図、図1Cは、図1Aに示す構造部材の側面図である。図1A〜図1Cに示す構成は、上記第1及び第2の構成に関する。
図1A〜図1Cに示す構造部材10は、ハット型の断面を有するハット部材1と、ハット部材1に接合されるクロージングプレート2を備える。構造部材10は、ハット部材1とクロージングプレート2で形成される閉断面構造を有する。
図1Aに示すように、ハット部材1は、頂面部1aと、一対の側壁1bと、一対のフランジ1cを有する。一対の側壁1bは、頂面部1aの両端から延び、互いに対向する。一対のフランジ1cは、一対の側壁1bそれぞれにおいて、側壁1bの頂面部1a側の一方端部とは反対側の他方端部から一対の側壁1bの対向方向外側へ延びる。クロージングプレート2は、一対のフランジ1cに接触して設けられる。
図1Bに示すように、頂面部1aと一対の側壁1bとの境界部分(肩部)1abは、長手方向に延びる稜(以下、第1の稜線1abと称する。)を形成する。第1の稜線1abは、ハット部材1の屈曲している部分(屈曲部)である。頂面部1aの長手方向に垂直な方向(x方向)における両端が一対の第1の稜線1abとなる。一対の第1の稜線1abから一対の側壁1bがそれぞれ延びる。一対の側壁1bは、同じ方向(z方向)へ延びる。構造部材10において、頂面部1aと一対の側壁1bの境界部分で形成される稜(第1の稜線1ab)の延びる方向(y方向)における寸法は、一対の側壁1bが互いに対向する方向(x方向)における寸法より長くなっている。構造部材10の長手方向は、頂面部1aと側壁1bとの間に形成される第1の稜線1abの延在方向と同じになっている。
図1A及び図1Cに示すように、フランジ1cと一対の側壁1bの各々との境界部分1bcは、長手方向に延びる稜(以下、第2の稜線1bcと称する。)を形成する。第2の稜線1bcは、ハット部材1の屈曲している部分(屈曲部)である。一対の側壁1bの各々において、各側壁1bの両端部のうち頂面部1a側の一方端とは反対側の他方端に第2の稜線1bcが形成される。すなわち、一対の側壁1bの各他方端における一対の第2の稜線1bcから、一対のフランジ1bが互いに離れる方向に延びている。
図1A及び図1Cに示すように、一対の側壁1bの各々は、側壁1bの一方端部から距離Shの位置までの領域に、低強度領域1sを有する。低強度領域1sは、周辺よりも強度が低い領域である。一対の側壁1bにおいて、低強度領域1s以外の部分は、低強度領域1sより強度が高い高強度領域となる。各側壁1bの高さ方向(頂面部1aに垂直な方向)において、低強度領域1sは、頂面部1a側の一方端部(第1の稜線1ab)から、第1の稜線1abから距離Shの位置に至るまでの部分に形成される。すなわち、第1の稜線1abから距離Shの位置に低強度領域1sと高強度領域の境界1skがある。この境界1skと、第1の稜線abとの側壁1bの高さ方向における距離が距離Shである。低強度領域1sと高強度領域の境界1skから第2の稜線1bc(フランジ1c)に至るまでの部分は、高強度領域となる。
また、図1Cに示すように、低強度領域1sは、側壁1bの長手方向(第1の稜線1abの延在方向(y方向))において、側壁1bの高さH以上の距離に渡って形成される。すなわち、低強度領域1sの側壁1bの長手方向の長さSnは、側壁1bの高さH以上である。ここで、側壁1bの高さは、頂面部1aに垂直な方向(z方向)における第1の稜線1ab(側壁1bの一方端部)から第2の稜線1bc(側壁1bの他方端部)までの距離とする。このように、低強度領域1sは、第1の稜線1abから側壁1bの高さ方向に距離Shの位置まで、かつ、側壁1bの長手方向において、側壁1bの高さH以上の距離にわたって設けられる。
このように、構造部材10において、側壁1bの頂面部1a側の一部に低強度領域1sを設けることで、構造部材10に衝撃が加わった場合の、曲げ方向の変形の度合いをより小さくすることができる。これは、発明者らが構造部材の衝撃による変形の様子を注意深く観察した結果得られた、下記の知見に基づくものである。発明者らは、ハット部材とクロージングプレートで構成される構造部材に圧子を衝突させる衝突試験(シミュレーション)を行い、構造部材の変形挙動を観察した。図2は、衝突試験の様子を模式的に示す図である。衝突試験では、構造部材10aを2つの台12に掛け渡して配置する。2つの台12の中間の位置において、構造部材10aに対して圧子11を衝突させる。
図3は、一様な強度分布を持つ構造部材10bに衝撃を加えたときの変形を示す図である。図4は、図1A〜図1Cと同様の低強度領域を有する構造部材10cに図3と同様の衝撃を加えたときの変形を示す図である。図3に示すように、強度分布が一様な構造部材10bの場合、折れ曲がる箇所が、鋭く突出するように折れ曲がる。この変形モードを折れと称する。これに対して、側壁に低強度部を有する構造部材10cの場合、図4に示すように、衝撃を受けた頂面部とその両端部から延びる側壁の一部が衝撃によりつぶれる。この変形モードを断面潰れと称する。図3の場合に比べて、図4の場合の方が、同じ衝撃荷重を受けた際に変形して衝撃吸収に貢献する部材の領域が広く、その結果、構造部材の曲げ方向への突出度合いが小さい。
図5は、一様な強度分布を持つ構造部材10bの変形挙動を説明するための図である。図6は、図1A〜図1Cに示すような低強度領域を有する構造部材10cの変形挙動を説明するための図である。図5及び図6は、構造部材の側面、すなわち側壁側から見た構成を示す。
図5に示すように、一様な強度分布を持つ構造部材10bでは、衝撃により、曲げ変形起点Pで発生した変形は、頂面部及び側壁が側面視でくさび状になるように、側壁の高さ方向に進行する。その結果、曲げ方向(側壁の高さ方向)に鋭く突出するように折れ曲がる。場合によっては、側壁にひびが入ることもある。
図6に示すように、側壁の頂面部側に低強度領域1sc(図6ではドットで示される領域)を有する構造部材10cでは、曲げ変形起点Pから内側へ進行する変形は、低強度領域1scの境界に達すると、低強度領域1scよりも強度が強い領域へ向かわずに、比較的強度の低い横方向(構造部材10cの長手方向)に進行しやすくなる。そのため、変形は長手方向に広がり、曲げ方向(側壁の高さ方向)への変形度合いが小さくなる。
また、ハット部材とクロージングプレートで構成される構造部材が、頂面部に垂直な方向に曲げ変形する場合、側壁の高さ方向の中央付近が折れやすい。すなわち、側壁の高さの2分の1の位置付近が折れ変形の起点となりやすい。図7A及び図7Bは、頂面部1daとその両端から延びる側壁1dbを有するハット部材と、クロージングプレート2dとで構成される構造部材10dが、衝撃荷重を受けて変形する様子を示す図である。頂面部1daに衝撃荷重が入力されると、ハット部材の肩部(頂面部1daと側壁1dbの境界の折れ曲がり部)の角度が変形し、側壁1dbの高さ方向の中央域が折れ曲がり、その結果、構造部材10dが潰れる。この側壁1dbの折れ曲がりが容易に発生するのを避けるため、図1A〜図1Cに示す構造部材10では側壁1bの高さ方向の中央域の強度を高強度化している。
すなわち、構造部材10では、側壁1bの高さの中央(2分の1)の位置1midの強度をある程度強くして、側壁1bの高さ方向中央の位置1midよりも頂面部1a側に、中央の位置1midより強度の低い低強度領域1sを設ける。低強度領域1sの範囲及び、高さ方向中央の位置1midに対する低強度領域1sの強度比を適切に設定することにより、中央の位置1midでの側壁1bの折れが容易に発生しないようにし、さらに、中央の位置1midより頂面部1a側での側壁1bの長手方向のつぶれの度合を大きくすることができる。その結果、図6に示すように、曲げ方向への変形度合が小さくなるような変形挙動とすることができる。
なお、図7A及び図7Bに示す変形挙動は、圧子を構造部材の頂面部に衝突させた場合に限られない。例えば、構造部材を長手方向に圧縮する軸力により曲げ変形する場合や、3点曲げ試験のように、頂面部に圧子を押し付けて長手方向に垂直な方向の力を静的に加えたときの曲げ変形も、同様の変形挙動となり得る。
また、図6のように、曲げ方向への変形度合を小さくするには、低強度領域1sの長手方向(第1の稜線2の延在方向)の幅も重要であることが発明者らによって見出されている。図8は、低強度領域1scの長手方向の長さSnを、側壁1bの高さHの2分の1(H/2)より短くした場合の変形挙動を説明するための図である。図8に示すように、低強度領域の長手方向の幅が狭い場合、曲げ変形起点Pから内側へ進行する変形が、長手方向における低強度領域1scと高強度領域の境界に達するのが早くなる。その結果、長手方向のつぶれが制限され、高さ方向の変形が進行しやすくなる。
発明者らは、様々な条件で構造部材の曲げ試験及び解析を行った結果、構造部材が曲げ変形する際、長手方向の変形の範囲は、側壁の高さと同程度になることを見出した。さらに、発明者らは、低強度領域1scの長手方向の幅を、側壁の高さ以上にすることで、衝撃による変形を長手方向に分散させ、曲げ方向への変形度合を小さくできることを見出した。
発明者らは、上記の知見に基づき、以下のように構造部材10を構成することに想到した。図1A及び図1Cに示す一対の側壁1bの各々は、側壁1bの一方端部から距離Shの位置に至るまでの領域に、低強度領域1sを有する。側壁1bの低強度領域1sの距離Shは、側壁1bの高さHの20〜40%とすることができる。低強度領域1sの降伏強度は、側壁1bの高さHの2分の1の位置1mid(すなわち、高さ方向中央の位置1mid)における降伏強度の60〜85%とすることができる。
すなわち、ハット部材の断面において、側壁1bのうち頂面部1a側端部から側壁1bの高さHの20〜40%の長さまでの間、側壁1bの高さHの50%の位置(すなわち側壁1bの高さ方向中央)の箇所より降伏強度が60〜85%の低強度領域1sが連続している。言い換えれば、低強度領域1sは、第1の稜線1abから第2の稜線1bcに向かって、頂面部1aに垂直な方向における第1の稜線1abと第2の稜線1bcの間の距離の20〜40%の位置まで設けられる。低強度領域1sの降伏強度は、第1の稜線1abと第2の稜線1bcの中央における側壁1bの降伏強度の60〜85%である。
これにより、例えば、頂面部1aに衝撃が加わった場合の変形挙動が、図4に示すような断面つぶれになりやすくなる。その結果、頂面部1aに垂直な方向への曲げ変形の度合を小さくすることができる。このように、構造部材10は、衝撃を受けたとき、小さい変形でより大きい衝撃エネルギーを吸収することができる。すなわち、構造部材10は、衝撃エネルギーを効率よく吸収することができる。
なお、低強度領域1sの距離Shは、側壁1bの高さHの35%以下であるとより好ましく、30%以下だとなお好ましい。また、距離Shは、側壁1bの高さHの25%以上であるとより好ましい。側壁1bにおける低強度領域1sの強度と、高さ方向中央の位置1midの強度との比(強度比)は、80%以下であるとより好ましい。また、この強度比は、70%以上であるとより好ましい。
また、低強度領域1sは、側壁1bの長手方向において、側壁1bの高さH以上の距離に渡って形成されることが好ましい。すなわち、低強度領域1sは、第1の稜線1abの延在方向に、頂面部1aに垂直な方向における第1稜線1abと第2の稜線1bcとの距離以上の長さの領域に設けられる。これにより、長手方向への変形を進行させやすくして、曲げ方向への変位をより抑えることができる。低強度領域1sの第1の稜線1abの延在方向の寸法は、側壁1bの高さの1.5倍(3H/2)以上とすることが好ましく、側壁1bの高さの2倍(2H)以上とすることがさらに好ましい。
側壁1bの高さ方向中央の位置1midにおける引張強度は、例えば、980MPa以上(降伏強度500MPa以上)とすることが望ましい。これにより、側壁1bの高さ方向中央の位置1midの強度を確保し、この位置1midで側壁1bが折れにくくすることができる。なお、構造部材10の低強度領域1s以外の領域は、この高さ方向中央の位置1midと同様の強度にすることができる。
第1の稜線1abと第2の稜線1bcの間において、低強度領域1sの端部から第2の稜線1bc(フランジ1c)までの領域は、高強度領域である。高強度領域の降伏強度は、低強度領域1sの降伏強度より高い。なお、高強度領域における強度分布は、均一でなくてもよい。
頂面部1aの少なくとも一部に低強度領域を設けてもよいし、頂面部1aに低強度領域を設けなくてもよい。構造部材10の折れ曲がり変形では、側壁1bの強度の影響が支配的であることが発明者らによって見いだされた。頂面部1aの強度は、側壁1bの強度に比べて、折れ曲がり変形に与える影響が少ない。
図1Aに示すように、ハット部材1は、一対のフランジ1c、一対のフランジ1cから折れ曲がって縦に延びる一対の側壁1b、及び、一対の側壁1bに挟まれる頂面部1aを備える。図1Aに示す例では、側壁1bはフランジ1cに対して垂直となっている。また、一対の側壁1bは、同じ長さである。フランジ1cと頂面部1aは、平行である。一対の側壁1bのうち一方の側壁1bの低強度領域1sの距離Shと、対向する他方の側壁1bの低強度領域1sの距離Shは同じである。図1Aにおいて、構造部材10の強度分布は、左右対称となっている。
構造部材10の構成は、図1Aに示す例に限られない。例えば、側壁1bとフランジ1cとの角度は、90度(直角)でなくてもよい。同様に、側壁1bと頂面部1aとの角度も90度(直角)に限られない。例えば、構造部材10の長手方向に垂直な断面は、台形形状であってもよい。すなわち、頂面部1a、側壁1b及びクロージングプレート2で構成される閉断面の形状は、台形であってもよい。この場合、第1の稜線1abに垂直な面の断面形状は、左右対称であってもよいし、左右対称でなくてもよい。また、一対の側壁1bは、長さが互いに異なっていてもよい。その結果、フランジ1cと頂面部1aは、平行でなくてもよい。また、一対のフランジ1cの高さ(z方向における位置)が、互いに異なっていてもよい。
また、側壁1bと頂面部1aの境界となる角(肩部)の断面形状には、R(丸みすなわち湾曲部)を形成してもよい。同様に、側壁1bとフランジ1cの境界の角(肩部)の断面形状に、R(丸みすなわち湾曲部)を形成してもよい。また、側壁1b及び/又は頂面部1aの表面は、平面でなく曲面とすることができる。すなわち、側壁1b及び/又は頂面部1aは、湾曲していてもよい。なお、側壁1bと頂面部1aの角におけるRの曲率半径が大きすぎると、側壁1bが高さ方向の荷重を支える機能が低下する。そのため、側壁1bと頂面部1aの角のR(湾曲)の内側面の曲率半径は、例えば、15mm以下とする。或いは、側壁1bと頂面部1aの角のR(湾曲)の内側面の曲率半径を、例えば、側壁1bの高さHの3分の1以下、(R≦H/3)とする。
一対の側壁1bの少なくとも一方に、凹部(溝)、凸部(稜)、段差又は孔が設けられてもよい。頂面部1aに、凹部(溝)、凸部(稜)、段差又は孔が設けられてもよい。但し、これらの側壁1b又は頂面部1aに設けられる凹部(溝)、凸部(稜)、段差又は孔は、構造部材10の変形挙動に重大な影響を与えない程度の大きさとする必要がある。例えば、構造部材10を、頂面部1aに凸部を形成した二段ハット形状又は三段以上のハット形状としてもよい。
側壁1bと頂面部1aの境界の角又は側壁1bとフランジ1cの境界の角にR(丸みすなわち湾曲部)を形成した場合、長手方向に垂直な断面において、Rが形成された部分のうち、側壁1bの高さ方向中央の位置1midから遠い方のR止まり(湾曲部の端)を側壁1bの端部として、上記側壁1bの高さH及び低強度領域1sの距離Shを決定する。
すなわち、側壁1bと頂面部1aの間の湾曲した部分(湾曲部)の頂面部1a側の端(R止まり)を側壁1bの一方端部として、側壁1bの高さH及び低強度領域1sの高さ方向の距離Shを決定する。また、側壁1bとフランジ1cの間の湾曲した部分(湾曲部)のフランジ1c側の端(R止まり)を側壁1bの他方端部として、側壁1bの高さH及び低強度領域1sの高さ方向の距離Shを決定する。
同様にして、第1の稜線1ab及び第2の稜線1bcを基準に、側壁1bの高さH及び低強度領域1sの高さ方向の距離Shを決定する。この場合、具体的には、第1の稜線1abは、側壁1bと頂面部1aとの間のR(湾曲部)の頂面部1a側の端(R止まり)、すなわち、R(湾曲部)の側壁1bの高さ方向中央の位置1midから遠い方のR止まり(湾曲部の端)とする。第2の稜線1bcは、側壁1bとフランジ1cとの間のR(湾曲部)のフランジ1c側の端(R止まり)、すなわち、R(湾曲部)の側壁1bの高さ方向中央の位置1midから遠い方のR止まり(湾曲部の端)とする。
ここで、側壁1bの高さは、側壁1bの一方端部から他方端部までの高さ方向における寸法である。言い換えれば、側壁1bの高さは、側壁1bの第1の稜線1abから第2の稜線1bcまでの頂面部1aに垂直な方向における寸法である。低強度領域1sの距離Shは、側壁1bの一方端部から側壁1bの低強度領域1sの境界までの高さ方向における寸法である。すなわち、低強度領域1sの距離Shは、第1の稜線1abから側壁1bの低強度領域1sと高強度領域との境界までの頂面部1aに垂直な方向における寸法である。側壁1bの高さの2分の1の位置1midは、側壁1bの高さ方向における中央の位置である。すなわち、側壁1bの高さの2分の1の位置1midは、頂面部1aに垂直な方向における第1の稜線1abと第2の稜線1bcの中央の側壁1bの位置である。
側壁1bの高さ方向は、頂面部1aに垂直な方向とする。頂面部1aに垂直な方向とは、具体的には、頂面部1aの表面の平面に垂直な方向とする。頂面部1aが、長手方向に垂直な断面において、凹部、凸部、段差又は湾曲部を含む場合、2つの第1の稜線1abを結ぶ仮想平面に垂直な方向を、頂面部に垂直な方向とする。
クロージングプレート2は、ハット部材1の両側のフランジ1cに接合され、固定される。クロージングプレート2は、ハット部材1の頂面部1aに衝撃荷重が加えられた場合にハット部材1が口開きして潰れてしまうのを抑える。クロージングプレート2には、凹凸、段差又は孔が設けられてもよい。クロージングプレーと2とハット部材1の接合方法は、両者を固定するものであれば、特に限定されない。例えば、溶接又は締結部材により、両者を接合することができる。また、クロージングプレート2は、平板に限られず、例えば、断面ハット型に形成してもよい。
図1Bに示す例では、構造部材10は、長手方向に直線状に延びて形成される。これに対して、構造部材10は、長手方向において湾曲していてもよい。例えば、側面(x方向)から見て、頂面部1a側(z+方向)に凸となるよう湾曲した形状にすることができる。また、上(z方向)から見て構造部材10を湾曲させてもよい。また、頂面部1aの幅(長手方向に垂直な方向(x方向)の長さ)は、一様でなくてもよい。側壁1bの高さ(z方向の長さ)も一様でなくてもよい。
図9Aは、本実施形態の変形例における構造部材10eの断面図である。構造部材10eは、形状の異なる一対の側壁1br、1bhを有する。一対の側壁1br、1bhは、フランジ1cr、1chに対する角度及び、高さHR、HLが互いに異なる。そのため、一対のフランジ1cr、1chの高さ方向における位置が異なっている。また、一方の側壁1brの高さHRの2分の1の位置1midrと、他方の側壁1bhの高さHLの2分の1の位置1midhの高さ方向の位置も異なっている。一方の側壁1brの低強度領域1srの距離ShRと、他方の側壁1bhの低強度領域1shの距離ShLは、異なっている。このように、構造部材10eの断面が左右対称でない場合、一対の側壁1br、1bhそれぞれにおいて、高さHR、HL、高さ方向中央の位置1midr、1midh、低強度領域1sr、1shが、別々に設定される。
図9Aに示す例では、一対の側壁1br、1bhのうち一方の側壁1brは、段差を有する。このように、側壁1brに、段差がある場合も、側壁1brの一方端部から他方端部までの高さ方向の寸法を、側壁1brの高さHRとする。すなわち、高さ方向において、側壁1brの最も低い位置から最も高い位置までの長さを、側壁1brの高さHRとする。側壁1brに、凹凸又は孔がある場合も同様である。また、低強度領域の距離ShRについても、同様に、高さ方向において、低強度領域1srの最も低い位置から最も高い位置までの寸法を、低強度領域1srの距離ShRとする。
一対の側壁1bのうち他方の側壁1bhは、一方端部にR(湾曲部)が形成されている。この例では、R(湾曲部)が形成された部分のうち、側壁1bhの高さ方向中央の位置1midから遠い方のR止まり(湾曲部の端)部分を側壁1bhの端部として、側壁1bhの高さHL及び低強度領域1shの距離ShLが決定される。
図9Bは、クロージングプレート2の変形例を示す断面図である。図9Bに示す例では、クロージングプレート2は、ハット部材1から離れる方向に突出する形状を有する。具体的には、クロージングプレート2は、ハット部材1のフランジ1cr、1chと接合される接合部2aと、接合部の間の中間部2bを含む。中間部2bは、ハット部材1から離れる方向に突出する形状となっている。この例では、クロージングプレート2の断面形状がハット型になっている。図9Bでは、中間部2bの外面は、接合部2aの外面と略平行となっているが、平行でなくてもよい。
このように、クロージングプレート2をハット部材1から離れる方向へ突出させた形状とすることで、構造部材の高さ方向の寸法を調整することができる。なお、低強度領域の配置の基準とする側壁の高さ(H、HL、HR)の値は、クロージングプレート2の高さ方向の寸法によって変わるものではない。また、図9Bに示す構造部材10e1は、長手方向に垂直な面の断面の形状は、高さ方向の軸に関して対称でないが、これを、図1Aに示すように対称な形状としてもよい。
図10は、頂面部1aが傾いている場合の側壁1bの高さ方向を説明するための図である。図10に示す構造部材10e3において、ハット部材1の頂面部1aと、フランジ1cr、1chは、平行でない。また、一方の側壁1brと他方の側壁1bhのz方向の長さは異なる。側壁1br、1bhの高さ方向は、頂面部1aに垂直な方向とする。各側壁1br、1bhの高さHL、HR及び、各低強度領域1sr、1shの一方端部(第1の稜線1bcr、1bch)から境界1skr、2skhまでの距離ShR、ShLは、側壁1br、1bhの高さ方向を基準として決められる。そのため、側壁1br、1bhの表面における一方端部(第1の稜線1abr、1anh)から他方端部(第2の稜線1bcr、1bch)までの距離と、高さHR、HLとは異なっている。
図11A〜図11Cは、本実施形態における構造部材の変形例を示す断面図である。図11A〜図11Cは、構造部材の長手方向に垂直な面における断面形状を示す。図11Dは、図11Bに示す構造部材10hをz方向から見た平面図である。図11A及び図11Bに示す例は、上記第5の構成に関する。図11Cに示す例は、上記第4の構成に関する。
図11A〜図11Cに示す変形例では、2つのフランジを備えるハット部材の代わりに、フランジを含まない溝型部材又は1つのフランジを含む溝型部材が用いられる。図1A〜図1Cに示す構造部材10は、側壁1bの両端の第1の稜線1ab及び第2の稜線1bcが、頂面部1aに垂直な方向の荷重に対する変形のしにくさ(曲げ剛性)に寄与する構造である。これに対して、図11A〜図11Cに示す変形例では、2つの側壁のうち少なくとも一方では、側壁の両端の第1の稜線及び接合部が曲げ剛性に寄与する構造となっている。
図11A〜図11Cに示す構造部材10g、10h、10iは、いずれも、溝型の溝型部材13と、溝型部材13に接合されるクロージングプレート2を備える。図11A〜図11Cに示す溝型部材13は、頂面部1aと、頂面部1aの両端から延びる2つの側壁1br、1bhと、溝型部材13とクロージングプレート2を接合する2つの接合部3r、3hを備える。2つの側壁1br、1bhは、互いに対向する。2つの接合部3r、3hは、溝型部材13の一部とクロージングプレート2とが重ね合わされた部分に設けられる。接合部3r、3hは、例えば、スポット溶接又はレーザー溶接の部分である。接合部が溝型部材13の長手方向(稜線延在方向)に不連続(断続的)に配置されている場合、接合部は不連続な接合部を結んだ位置にあるとみなす。すなわち、断続的に配置される複数の接合部の間を結ぶ線上に接合部があるとみなす。接合部と第1の稜線の間が側壁となる。頂面部1aと2つの側壁1br、1bhとの間には、2つの第1の稜線1abr、1abhがある。
図11A及び図11Bに示す溝型部材13において、2つの側壁1br、1bhは、第1の側壁1brと第2の側壁1bhを含む。第1の側壁1brの頂面部1a側の一方端部とは反対側の他方端部は屈曲している。この屈曲部からフランジ1drが延びる。フランジ1drは、クロージングプレート2と重ね合わされる。フランジ1drは、クロージングプレート2と接触する接触面を有する。フランジ1drとクロージングプレート2は、接合部3rにおいて互いに接合される。
第1の側壁1brは、2つの第1の稜線1abr、1abhの一方の第1の稜線1abrとフランジ1drとの間に位置する。フランジ1drと第1の側壁1brとの間には第2の稜線1bdrがある。第2の稜線1bdrは、フランジ1drの端部である。第2の稜線1bdrは、第1の稜線1abr、1abhと同じ方向すなわち溝型部材13の長手方向(y方向)に延在する。
第1の側壁1brの高さHRは、頂面部1aに垂直な方向における第1の側壁1brの高さ、すなわち、第1の稜線1abrと第2の稜線1bdrとの頂面部1aに垂直な方向における距離である。第1の側壁1brの頂面部1aに垂直な方向における中央1midrは、頂面部1aに垂直な方向における第1の稜線1abrと第2の稜線1bdrの中央である。
第2の側壁1bhは、2つの第1の稜線1abr、1abhのうち他方の第1の稜線1abhと接合部3hとの間に位置する。第2の側壁1bhは、屈曲していない。第2の側壁1bhの接合部3h側の一部は、クロージングプレート2と重ね合わされる。第2の側壁1bhの接合部3h側の一部は、クロージングプレート2と接触する接触面1dhを有する。第2の側壁1bhは、接触面1dhと同じ方向に延びる。
第2の側壁1bhの高さHLは、頂面部1aに垂直な方向の第1の稜線1abhと接合部3hの間の距離である。第1の側壁1bhの頂面部1aに垂直な方向における中央1midhは、頂面部1aに垂直な方向における第1の稜線1abhと接合部3hの中央である。
図11Cに示す溝型部材13において、2つの側壁1br、1bhは、2つの第1の稜線1abr、1abhと、2つの接合部3r、3hとの間に、それぞれ位置する。2つの側壁のうち一方の側壁1brの高さHRは、第1の稜線1abrと接合部3rとの間の頂面部1aに垂直な方向における距離である。2つの側壁のうち他方の側壁1bhの高さHLは、第1の稜線1abhと接合部3hとの間の頂面部1aに垂直な方向における距離である。
図11A〜図11Cに示す溝型部材13において、各側壁1br、1bhは、低強度領域1sr、1shと、低強度領域1sr、1shより降伏強度が高い高強度領域を含む。各側壁1br、1bhの低強度領域1sr、1shは、各側壁の一方端部(第1の稜線1abr、1abh)から、低強度領域1sr、1shと高強度領域との境界1skr、1skhにわたって形成される。各側壁1br、1bhの一方端部から境界1skr、1skhまでの各側壁の高さ方向における距離ShR、ShLは、各側壁の高さHR、HLの20〜40%である。また、図11Dに示すように、低強度領域1shは、側壁1bhの長手方向(第1の稜線1abhの延在方向)において、側壁1bhの高さHL以上の距離に渡って形成される。なお、低強度領域1sr、1shの長手方向の幅は、図11A〜図11Cにおける各側壁1br、1bhのいずれにおいても、側壁1bh、1bhの高さHR、HL以上である。各側壁1br、1bhにおける低強度領域1sr、1shの降伏強度は、各側壁1br、1bhの高さ方向おける中央の位置1midr、1midhの降伏強度の60〜85%である。
すなわち、図11A〜図11Cに示す各側壁1br、1bhの低強度領域1sr、1shは、側壁の高さ方向においては、第1の稜線1abr、1abhから、各側壁1br、1bhの高さHR、HLの20〜40%の距離まで設けられる。第1の稜線1abr、1abhの延在方向(側壁1br、1bhの長手方向)においては、低強度領域1sr、1shは、各側壁1br、1bhの高さHR、HL以上の距離にわたって設けられる。
図11Aに示す例では、第1の側壁1brと第2の側壁1bhは互いに平行である。これに対して、図11Bに示す例では、第1の側壁1brと第2の側壁1bhは互いに平行ではない。図11Bに示す例では、第1の側壁1brと第2の側壁1bhは、頂面部1aから離れるにしたがって、互いの間隔が大きくなるように延びている。この例では、第1の側壁1brは頂面部1aに垂直な方向に延びる。第2の側壁1bhは、頂面部1aに垂直な軸に対して角度を有する方向に延びる。第1の側壁1brのクロージングプレート2側の他方端部からフランジ1drが外側に延びる。図11Aに示すような断面を有する構造部材は、例えば、Aピラーに適用できる。
図11A及び11Bに示す例では、クロージングプレート2は面外に屈曲する屈曲部を有する。クロージングプレート2の屈曲部に形成される稜線2abhの延在方向は、側壁1bhにおけるクロージングプレート2と接触する接触面1dhとクロージングプレート2と接触しない面との境界線の延在方向と同じである。クロージングプレート2の屈曲部に形成される稜線2abhの延在方向の延在方向は、第1の稜線1abhの延在方向と同じとしてもよい。(図11D参照)。
図11Cに示す例では、2つの側壁1br、1bhは、いずれも、屈曲していない。すなわち、側壁1brがクロージングプレート2と接触する接触面1drは、側壁1brと同じ方向に延びる。側壁1bhがクロージングプレート2と接触する接触面1dhは、側壁1bhと同じ方向に延びる。
クロージングプレート2は、溝型部材13と重ね合わされて接触する2つの接触部分2br、2bhと、2つの接触部分2br、2bhの間の中間部分2aを含む。中間部分2aと、2つの接触部分2br、2bhの間は、屈曲している。中間部分2aと、2つの接触部分2br、2bhの間に形成される稜線2abr、2abhの延在方向は、各側壁1br、1bhにおけるクロージングプレート2と接触する接触面1dr、1dhと各側壁1br、1bhにおけるクロージングプレート2と接触しない面との境界線の延在方向と同じである。
図11A〜図11Cに示す構造部材10g、10h、10iにおいても、上記の図1A〜図1Cに示す構造部材10と同様の効果が得られる。なお、接合部3r、3hは、溶接の部分に限られない。例えば、ねじ等の締結具、接着剤、又は、ろう付けのろう等を接合部としてもよい。
[実施形態2]
実施形態2は、上記第3の構成に関する。図12Aは、本実施形態の構造部材の断面図であり、図12Bは、図12Aに示す構造部材の平面図、図12Cは、図12Aに示す構造部材の側面図である。
図12A〜図12Cに示す構造部材10jは、低強度領域1sが、各側壁1bのクロージングプレート2側の他方端部(第2の稜線1bc)から、各側壁1bの高さ方向に距離Shの位置まで、かつ長手方向に側壁1bの高さH以上の幅で形成される。これによって、クロージングプレート2に衝撃が加わった場合の衝撃エネルギーの吸収効率を高めることができる。
図12A〜図12Cに示す構造部材10jは、ハット部材1と、ハット部材1に接合されるクロージングプレート2を備える。図12Aに示すように、ハット部材1は、頂面部1aと、頂面部1aの両端から延び、互いに対向する2つの側壁1bと、2つの側壁1bからそれぞれ、対向方向外側に延びる2つのフランジ1cを備える。2つのフランジ1cは、クロージングプレート2に接合される。
構造部材10jのハット材1において、頂面部1aと2つの側壁1bとの間は、屈曲している。頂面部1aと2つの側壁1bとの間の屈曲部によって、それぞれ、2つの第1の稜線1abが形成される。2つのフランジ1cと2つの側壁1bとの間は、それぞれ屈曲している。2つのフランジ1cと2つの側壁1bとの間の屈曲部によって、それぞれ、2つの第2の稜線1bcが形成される。2つの側壁1bの各々は、第1の稜線1abと第2の稜線1bcとの間に位置することになる。
図12Cに示すように、第2の稜線1abの延在方向は、構造部材10jの長手方向と同じである。構造部材10jの長手方向は、側壁1bの長手方向でもあり、頂面部1aの長手方向でもある。図12Cに示す例では、第2の稜線1abの延在方向は、第1の稜線1abの延在方向と同じになっている。
図12A〜図12Cに示すハット部材1aにおいて、各側壁1bは、低強度領域1sと低強度領域1sより降伏強度が高い高強度領域を含む。各側壁1bの低強度領域1sは、各側壁1bのクロージングプレート2側の他方端部(第2の稜線1bc)から、低強度領域1sと高強度領域との境界1skにわたって形成される。各側壁1bの他方端部(第2の稜線1bc)から境界1skまでの各側壁1bの高さ方向における距離Shは、各側壁1bの高さHの20〜40%である。また、図12Cに示すように、低強度領域1sは、側壁1bの長手方向(第1の稜線1abの延在方向)において、側壁1bの高さH以上の距離に渡って形成される。すなわち、低強度領域1sの側壁1bの長手方向の幅は、側壁1bの高さHより長い。各側壁1bにおける低強度領域1sの降伏強度は、各側壁1bの高さ方向おける中央の位置1midの高強度領域の降伏強度の60〜85%である。
言い換えれば、図12A〜図12Cに示す各側壁1bの低強度領域1sは、側壁1bの高さ方向においては、第2の稜線1bcから、各側壁1bの高さHの20〜40%の距離まで設けられる。第2の稜線1bcの延在方向(側壁1bの長手方向)においては、低強度領域1sは、各側壁1bの高さH以上の距離にわたって設けられる。
なお、本実施形態では、側壁1bの高さ方向は、クロージングプレート2に垂直な方向とする。クロージングプレート2に垂直な方向とは、具体的には、クロージングプレート2の表面の平面に垂直な方向とする。クロージングプレート2が凸部、凹部、段差又は湾曲部を有する場合、2つの第2の稜線1bcを結ぶ仮想平面に垂直な方向を、クロージングプレート2に垂直な方向とする。各側壁1bの高さHは、クロージングプレート2に垂直な方向における第1の稜線1abと第2の稜線1bの間の距離と同じである。
本実施形態の構造部材10jでは、例えば、クロージングプレート2にz方向に衝撃が加わった場合の変形挙動が、図4に示すような断面つぶれになりやすくなる。その結果、クロージングプレート2に垂直な方向への曲げ変形の度合を小さくすることができる。このように、構造部材10jは、衝撃を受けたとき、小さい変形でより大きい衝撃エネルギーを吸収することができる。すなわち、構造部材10jは、衝撃エネルギーを効率よく吸収することができる。
なお、低強度領域1sの距離Shは、側壁1bの高さHの35%以下であるとより好ましく、30%以下だとなお好ましい。また、距離Shは、側壁1bの高さHの25%以上であるとより好ましい。側壁1bにおける低強度領域1sの強度と、高さ方向中央の位置1midの強度との比(強度比)は、83%以下であると好ましく、80%以下であるとより好ましい。また、この強度比は、70%以上であるとより好ましい。
上記実施形態1の変形例は、本実施形態2にも適用することができる。
上記実施形態1及び2において、第1の稜線及び第2の稜線の少なくとも一方は、曲線であってもよい。例えば、第1の稜線及び第2の稜線の少なくとも一方は、側壁の高さ方向に湾曲してもよいし、側壁に垂直な方向に湾曲してもよい。また、側壁の高さ(第1の稜線と第2の稜線の間の距離)が、長手方向(第1の稜線の延在方向)において変化していてもよい。側壁の高さが長手方向の位置によって異なる場合、低強度領域の高さ方向の距離Sh及び長手方向の距離Snの基準となる側壁の高さは、低強度領域が形成される部分における側壁の高さの平均値とする。
[車両への適用例]
上記の実施形態1の構造部材10(構造部材10e、10e2、10e3、10g、10h、10iその他変形例を含む。以下、同じ)を備える車両も、本発明の実施形態に含まれる。車両において、構造部材10は、頂面部1aが車両の外側に、クロージングプレート2が車両の内側になるよう配置することができる。すなわち、衝撃入力面が車両の外側になるように構造部材10が取り付けられる。これにより、車両の外側から衝撃を受けた場合に、構造部材10が車両の内側へ突出する度合が小さくなる。そのため、車両内の装置又人に構造部材10が接触する可能性がより低くなる。例えば、構造部材が、衝突時に客室内に向かって折れることが避けられる。これにより、安全性がより向上する。
上記の実施形態2の構造部材10jを備える車両も、本発明の実施形態に含まれる。車両において、構造部材10jは、頂面部1aが車両の内側に、クロージングプレート2が車両の外側になるよう配置することができる。すなわち、衝撃入力面が車両の外側になるように構造部材10jが取り付けられる。これにより、車両の外側から衝撃を受けた場合に、構造部材10が車両の内側へ突出する度合が小さくなる。
また、構造部材10、10jは、長手方向に離間した2箇所で支持された状態で用いることもある。この場合、構造部材10、10jは、他の部材に連結される部分である連結部を2つ有する。すなわち、構造部材10、10jは、連結部において他の部材に支持される。連結部は、支持部と称することもある。連結部は、側壁1b、頂面部1a及びクロージングプレート2の少なくとも1つに設けられる。
連結部では、構造部材10、10jは、他の部材に対して固定される。構造部材10、10jの連結部は、例えば、締結部材又は溶接により他の部材と接合される。なお、連結部は、3つ以上であってもよい。
また、連結部は、構造部材10、10jの内部空間に挿入された状態で、構造部材10、10jを支持する構成であってもよい。例えば、構造部材10の場合、クロージングプレート2に貫通孔をあけ、貫通孔から他の部材を挿入して、他の部材の端部を頂面部1aの内側の面に接合してもよい。このように、構造部材10の頂面部1aの部材内側に連結部を設けてもよい。構造部材10jの場合、頂面部1aに貫通孔をあけ、貫通孔から他の部材を挿入して、他の部材の端部をクロージングプレート2の内側の面に接合してもよい。このように、構造部材10jのクロージングプレート2の部材内側に連結部を設けてもよい。
低強度領域1sは、2つの連結部の間に設けることが好ましい。すなわち、2つの連結部の間の側壁1bに低強度領域1sの少なくとも一部が形成されることが好ましい。これにより、連結部により支持されていない構造部材の部分に衝撃が加わった場合の曲げ変形を少なくすることができる。また、低強度領域1sは、2つの連結部の中央に設けられることが望ましい。すなわち、2つの連結部の中央における側壁1bに、低強度領域1sが形成されることが好ましい。これにより、強い衝撃がかかる可能性の高い位置の衝撃エネルギー吸収効率を高めることができる。その結果、衝撃による構造部材の曲げ変形の度合を小さくすることができる。
また、構造部材10、10jの長手方向中央に低強度領域1sを配置することが望ましい。その理由は次のとおりである。構造部材10、10jは、長手方向中央から離れた両端部付近で他の部材と連結される。これにより、連結部が有る場合とない場合のいずれの場合においても、構造部材10、10jにおいて、衝撃によるモーメントが最も大きくなり折れ易い箇所(構造部材の長手方向中央或いは連結部間の中間箇所)の折れ変形を効果的に抑えることができる。
このように、構造部材10、10jは、高強度の車両用構造部材に用いることができる。車両用構造部材には、例えば、Aピラー、Bピラー、サイドシル、ルーフレール、フロアメンバー、フロントサイドメンバーといった車体を構成する部材、及び、ドアインパクトビームやバンパーといった車体に取り付けられ、外部からの衝撃から車両内の装置や乗員を守る部材が含まれる。車両用構造部材は、車両の衝突時の衝撃エネルギーを吸収する。
図13は、車両に配置される構造部材の一例を示す図である。図13に示す例では、Aピラー15、Bピラー16、サイドシル17、ルーフレール18、バンパー19、フロントサイドメンバー20、ドアインパクトビーム21、フロアメンバー22、及び、リアサイドメンバー23が車両用構造部材として用いられる。これらの車両用構造部材の少なくとも1つに、上記の構造部材10、10jのように低強度領域1sを設けることができる。
図14は、本実施形態における構造部材によって構成されたBピラー16を示す図である。図14に示す例では、Bピラー16は、構造部材10と同様に、頂面部16a、一対の側壁16b、一対のフランジ16c及びクロージングプレート(図示せず)を備える。Bピラー16の頂面部16aは、車両の外側に配置される。頂面部16aの長手方向に垂直な方向における両端から一対の側壁16bが互いに対向して延びる。側壁16bの頂面部16a側の一方端とは反対側の他方端からフランジ16cが延びて形成される。フランジ16cの頂面部16aとは反対側の面、すなわち車両の内側の面には、クロージングプレート(図示せず)が接合される。側壁16bの頂面部16a側の一部には低強度領域16sが設けられる。低強度領域16sは、頂面部16aと側壁16bの境界(肩部)から、側壁16bの高さの20〜40%の距離の位置までの領域に設けられる。低強度領域の降伏強度は、その他の領域の降伏強度(側壁16bの高さ方向中央位置の降伏強度)の60〜85%である。
衝撃エネルギーを吸収する車両用構造部材は、軸圧縮変形する物と折れ曲がり変形する物の2種類に大別される。折れ曲がり変形する物は、折れや断面潰れ変形により衝撃エネルギーを吸収する。Bピラー、サイドシル等の部材は高強度材を用いることで衝撃エネルギー吸収効率を高めることが求められる。そのため、本実施形態の構造部材10に、側壁1bの高さ方向中央の位置1midの引張強度(低強度領域以外の領域の引張強度)が980MPa以上(降伏強度500Mpa以上)の超高強度鋼を適用すると、上記の効果が顕著に現れる。また、構造部材10の側壁1bの中央の位置1midの強度(低強度領域1s以外の領域の強度)を、引張強度で1GPa以上とすることで、より効果を奏することができる。
なお、構造部材10、10jは、図13に示す自動車のような4輪車両に限られず、例えば、二輪車両の構造部材として用いることができる。また、構造部材10、10jの用途は、車両用に限られない。例えば、耐衝撃性を有する容器、建築物、船舶、又は、航空機等の構造部材として、構造部材10、10jを用いることができる。
[製造工程]
構造部材10、10jは、全体を同一素材で形成することができる。構造部材10、10jは、例えば、鋼板で形成することができる。構造部材10、10jの製造工程には、低強度領域1sを有するハット部材1(又は溝型部材13)を作製する工程と、クロージングプレート2を作製する工程と、ハット部材1とクロージングプレート2を接合する工程とが含まれる。ハット部材1の作製工程では、素材に強度差を与え、低強度領域を形成する工程が含まれる。
低強度領域を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、ロールフォーミングにより鋼板を断面ハット型に変形加工し、レーザー又は高周波加熱等の方法で、材料を局所的に加熱、焼き入れを行うことで、硬化領域を含むハット部材1を作り出すことができる。この場合、焼き入れを行わない領域が、相対的に強度が低い低強度領域となる。また、焼き入れを行ってハット部材1の全体を強化した後に、部分的に焼鈍処理を行って低強度領域を形成することもできる。
或いは、熱間プレス(ホットスタンピング)技術を用いて構造部材10、10jを作製することもできる。熱間プレスの工程において、加熱又は冷却の条件を金型内において部分的に異ならせることで、素材中に低強度領域を形成することができる。例えば、鋼板を用いて、鋼がオーステナイト単相域となる温度(Ac3温度)以上に加熱し、金型を用いて成形を行いつつ焼き入れを行う。この際に、冷却速度に差をつけることにより、急冷部は概ね硬質なマルテンサイト組織とし、緩冷部は、軟質なフェライトとパーライトの混相組織又はベイナイト組織とする。これにより、緩冷部を、低強度領域とすることができる。
なお、構造部材10、10jの製造方法は、上記例に限られない。例えば、テーラードブランク等、その他公知の方法を用いて、低強度領域1sを有する構造部材10、10jを形成することができる。
本実施例では、ハット部材とクロージングプレートを有する構造部材に圧子を衝突させた場合の構造部材の変形をシミュレーションで解析した。図15は、シミュレーションにおける解析モデルの構成を模式的に示す図である。本シミュレーションでは、構造部材30を2つの台120に架け渡した状態で、構造部材30の長手方向の中央部に、圧子110を、衝突させた場合の変形挙動を解析した。圧子110の曲率半径は150mmとし、圧子の初速度は、4m/秒とした。圧子110の質量は、350kgとした。
図16は、シミュレーションに用いた構造部材30の長手方向に垂直な断面における各寸法を示すである。構造部材30は、ハット部材3とクロージングプレート4を備える。ハット部材3は、頂面部3aと、一対の側壁3bと、一対のフランジ3cを有する。一対の側壁3bは、頂面部3aの両端から延び、互いに対向する。一対のフランジ3cは、一対の側壁3bそれぞれにおいて、側壁3bの頂面部3a側の一方端部とは反対側の他方端部から一対の側壁3bの対向方向外側へ延びる。クロージングプレート4は、一対のフランジ3cに固定される。一対の側壁3bの各々は、一方端部から距離Shの位置に至るまでの領域に、低強度領域3sを有する。
図16において、H=50mm、W1=50mm、W2=65mm、W3=40mm、t=1.4mmとした。低強度領域3sの距離Shを変化させて、衝突シミュレーションを行った。また、低強度領域3sと、その他の領域の強度を変化させて、衝突シミュレーションを行った。なお、低強度領域3sの長手方向の幅の半分の長さSL(図15参照)は、H/2とした。
図17は、Sh=(2/5)Hとして、低強度領域3sと他の領域の強度比を変えて衝撃荷重を入力した場合の、曲げ変形による変形量を示すグラフである。図17において、縦軸は、頂面部3aに垂直な方向(z方向)の構造部材の侵入量(突出量)を示す。横軸は、低強度領域3sの強度の他の高強度領域(=側壁3bの高さ方向中央の位置)の強度に対する比(強度比=低強度領域の強度/高強度領域の強度)を示す。図17のグラフでは、ひし形のプロットは、高強度領域の降伏強度を120kgfとした場合の結果を示し、四角のプロットは、高強度領域の降伏強度を145kgfとした場合の結果を示す。
強度比が、0.60〜0.85の区間では、強度比の増加に伴って侵入量は減少している(矢印Y1)。この区間では、変形モードは、図4に示す断面潰れとなっている。この区間では、低強度領域の強度が低い(強度比が0.60以下)場合、断面潰れの変形になるものの、侵入量が大きく、強度比が0.85を越える場合の侵入量と略同じとなった。強度比が0.85を超えると、侵入量は、急激に増加した(矢印Y2)。さらに、強度比0.85以上で強度比を増やすと、侵入量は、強度比の増加に応じて大きくなった(矢印Y3)。これは、強度比0.85を境に、変形モードが、図4に示す断面つぶれから、図3に示す折れに変化したためと考えられる。このように、低強度領域の強度が高すぎる(強度比が高い)と折れ曲がって変形し、侵入量が大きくなった。図17の結果から、衝撃による曲げ変形の侵入量を少なくする観点から、強度比は60〜85%が好ましく、強度比は70〜85%がより好ましいことが確認された。
下記表1は、上記強度比を0.83(低強度領域の降伏強度を、YP100MPa、その他の領域の降伏強度を、YP120MPa)とし、低強度領域の距離Shを変化させた場合の変形挙動を示す。表1において、上矢印は、直上の欄と同じ値を表す。変形挙動欄の丸(○)は、図4に示す断面潰れを示し、ばつ(×)は、図3に示す折れを示す。
Figure 2017061631

上記表1に示す結果では、低強度領域を設けない場合(Sh=0)、Sh=H/2(ShがHの50%)、及び、Sh=H/10(ShがHの10%)の場合に、変形挙動は、折れ(図3参照)となった。Sh=2H/5(ShがHの40%)、Sh=H/3(ShがHの約33%)、及び、Sh=H/5(ShがHの20%)の場合は、変形挙動は、断面つぶれ(図4)となった。この結果から、低強度領域3sの側壁3bの頂面部3a側の一方端部からの距離Shを、側壁3bの高さHの20〜40%とすることで、変形挙動を断面つぶれとして、侵入量を小さくできることが確認された。
さらに、圧子110を衝突させる面及び低強度領域3sの長手方向の寸法SLを変えて、シミュレーションを行った。図18は、シミュレーションにおける解析モデルの構成を模式的に示す図である。図18に示すモデルでは、構造部材30は、ハット部材3が下に、クロージングプレート4が上に位置するように、2つの台120に架け渡される。構造部材30の長手方向の中央が、2つの台120の中央に位置する。クロージングプレート4の長手方向の中央に、圧子110が衝突する。図18に示すモデルでは、一対の側壁3bの各々は、クロージングプレート4側の他方端部から距離Shの位置に至るまでの領域に、低強度領域3sを有する。
図15に示すハット部材の圧子110を衝突させるモデル(以下、順ハットモデルを称する)と、図18に示すクロージングプレート4に圧子110を衝突させるモデル(以下、逆ハットモデルと称する)の双方についてシミュレーションを行った。具体的には、順ハットモデル及び逆ハットモデルそれぞれにおいて、低強度領域3sの高さ方向の寸法Sh=H/3とし、長手方向の寸法SLを、SL=0、H/2、Hと変えて解析を行った。すなわち、下記case1〜case6の条件でシミュレーションを行った。
case1:順ハット、SL=0、Sh=0(低強度領域なし)
case2:順ハット、SL=H/2、Sh=H/3
case3:順ハット、SL=H、Sh=H/3
case4:逆ハット、SL=0、Sh=0(低強度領域なし)
case2:逆ハット、SL=H/2、Sh=H/3
case3:逆ハット、SL=H、Sh=H/3
図19及び図20は、case1〜case6の解析結果を示すグラフである。図19は、順ハットモデルのcase1〜case3の荷重−ストローク線(F−S線)のグラフである。図20は、逆ハットモデルのcase4〜case6の荷重−ストローク線(F−S線)のグラフである。図19の解析結果では、case3は、case1、case2に比べて、荷重の低下が遅い。図20の解析結果では、case6は、case4、case5に比べて、荷重の低下が遅い。case3及びcase6の条件では、折れが抑制されるために荷重が継続していると考えられる。この事から、順ハットモデル及び逆ハットモデルのいずれにおいても、低強度領域3sの長手方向の幅を、側壁の高さHとした方が、H/2とするよりも、衝撃エネルギー吸収効率が高く、折れが抑制されることがわかった。
図21は、case1〜case3の変形挙動の解析結果を示す。図22は、case4〜case6の変形挙動の解析結果を示す。図21及び図22は、ストロークが20mmの時の構造部材の変形を示している。図21に示す順ハットモデルのcase1〜case3の解析結果においては、SL=Hとしたcase3の場合に、SL=0としたcase1及びSL=H/2としたcase2の場合に比べて、変形が長手方向に広がり、折れが抑制されている。図22に示す逆ハットモデルのcase4〜case6の解析結果においては、SL=Hとしたcase6の場合に、SL=0としたcase4及びSL=H/2としたcase5の場合に比べて、変形が長手方向に広がり、折れが抑制されている。
実際に、図15に示す構造部材と同様の試験体を作製し、衝撃を加える実験を行った。試験体を、試験体の長手方向に離間して配置した2つの台に、クロージングプレートを下にして載き、ハット部材に圧子(落錘)を衝突させた。圧子の質量は、376kgとし、圧子の衝突速度を3.9m/sとした。強度が均一の構造部材と、一部に低強度領域を有する構造部材の2つを、試験体として作製し、それぞれに圧子により衝撃を加えた。低強度領域は、側壁の頂面部側の端部から高さ方向に距離Shの位置まで、側壁の長手方向に距離LSにわたって設けた。ここで、距離Sh=0.3H(側壁の高さHの30%)、距離LS=H(側壁の高さH)とした。
図23は、強度が均一な試験体の変形結果を示す図である。図24は、一部に低強度領域を有する試験体の変形結果を示す図である。図23に示す試験体は、折れが発生している。図24に示す試験体は、断面潰れの変形となっている。低強度領域を設けた試験体の方が、衝撃による変形度合いが小さくなった。
図25は、一部に低強度領域を有する試験体の衝撃実験の測定結果と、試験体と同じ構造部材のモデルを用いたシミュレーションによる解析結果とを示すグラフである。図25のグラフは、横軸が、インパクタ―(圧子)変位量(mm)を示し、縦軸が荷重(kN)を示す。グラフにおいて、細線が実験結果を示し、太線が解析結果を示す。図25に示す結果から、シミュレーションによる解析結果は、実験結果に近いものとなっていることがわかった。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
1:ハット部材
1a:頂面部
1b:側壁
1c:フランジ
1s:低強度領域
2:クロージングプレート
10:構造部材

Claims (11)

  1. クロージングプレートと、
    ハット部材とを備え、
    前記ハット部材は、
    頂面部と、
    前記クロージングプレートに接して設けられる一対のフランジと、
    前記頂面部の両端部から延び、互いに対向する一対の側壁であって、前記頂面部側の一方端部と、前記一方端部と反対側の他方端部であって、前記一対のフランジが前記一対の側壁の対向方向外側へ延びる他方端部を有する、一対の側壁と、を備え、
    前記一対の側壁の各々は、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央を含む高強度領域と、前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度の低強度領域とを含み、前記低強度領域は、前記頂面部に垂直な方向において、前記側壁の前記一方端部から前記他方端部へ向かって前記側壁の高さの20〜40%の距離の位置に至るまで、かつ、前記側壁の長手方向において、前記側壁の高さ以上の距離に渡って形成される、構造部材。
  2. 少なくとも1枚のクロージングプレートと、
    ハット部材とを備え、
    前記ハット部材は、
    頂面部と
    前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、
    それぞれが前記クロージングプレートに接合された2つのフランジと、
    前記2つのフランジの端部にある2つの第2の稜線と、
    前記2つの第1の稜線と前記2つの第2の稜線の間に、それぞれ位置する2つの側壁とを備え、
    前記2つの側壁の各々は、
    前記第1の稜線から前記第2の稜線に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記第2の稜線の間の距離の20〜40%まで、かつ前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記第2の稜線の間の距離以上の長さの領域に設けられ、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する、低強度領域を備える、構造部材。
  3. 少なくとも1枚のクロージングプレートと、
    ハット部材とを備え、
    前記ハット部材は、
    頂面部と、
    前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、
    それぞれが前記クロージングプレートに接合された2つのフランジと、
    前記2つのフランジの端部にある2つの第2の稜線と、
    前記2つの第1の稜線と前記2つの第2の稜線の間に、それぞれ位置する2つの側壁とを備え、
    前記2つの側壁の各々は、
    前記第2の稜線から前記第1の稜線に向かって、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記第2の稜線と前記第1の稜線の間の距離の20〜40%まで、かつ前記第2の稜線の延在方向に、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記第2稜線と前記第1の稜線の間の距離以上の長さの領域に設けられ、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する、低強度領域を備える、構造部材。
  4. 少なくとも1枚のクロージングプレートと、
    溝型部材とを備え、
    前記溝型部材は、
    頂面部と、
    前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、
    前記溝型部材と前記クロージングプレートとを接合する2つの接合部と、
    前記2つの第1の稜線と前記2つの接合部との間に、それぞれ位置する2つの側壁とを備え、
    前記2つの側壁の各々は、
    前記第1の稜線から前記接合部に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記接合部の間の距離の20〜40%まで、かつ前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記接合部の間の距離以上の長さの領域に設けられ、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する、低強度領域を備える、構造部材。
  5. 少なくとも1枚のクロージングプレートと、
    溝型部材とを備え、
    前記溝型部材は、
    頂面部と、
    前記頂面部の両端部にある2つの第1の稜線と、
    前記クロージングプレートに接合されるフランジと、
    前記フランジの端部にある第2の稜線と、
    前記溝型部材の前記フランジ以外の部分と前記クロージングプレートとを接合する接合部と、
    前記2つの第1の稜線のうち一方と前記第2の稜線との間に位置する第1の側壁であって、第1の低強度領域を含み、前記第1の低強度領域は、前記第1の稜線から前記第2の稜線に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記第2の稜線の間の距離の20〜40%まで、かつ前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記第2の稜線の間の距離以上の長さの領域に設けられ、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する、第1の側壁と、
    前記2つの第1の稜線のうち他方と前記接合部との間に位置する第2の側壁であって、第2の低強度領域を含み、前記第2の低強度領域は、前記第1の稜線から前記接合部に向かって、前記頂面部に垂直な方向における前記第1の稜線と前記接合部の間の距離の20〜40%まで、かつ前記第1の稜線の延在方向に、前記頂面部に垂直な方向における前記第1稜線と前記接合部の間の距離以上の長さの領域に設けられ、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の降伏強度の60〜85%の降伏強度を有する、第2の側壁とを備える、構造部材。
  6. 前記低強度領域は、前記側壁の長手方向中央に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造部材。
  7. 前記頂面部又は前記クロージングプレートは、前記側壁の長手方向において互いに離れた位置において他の部材と連結される少なくとも2つの連結部を含み、
    前記低強度領域は、前記側壁の長手方向において前記少なくとも2つの連結部の間の中央に配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造部材。
  8. 前記2つの前記側壁の各々において、前記頂面部に垂直な方向における前記側壁の中央の引張強度は、980MPa以上である、請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載の構造部材。
  9. 前記2つの側壁の各々において、前記クロージングプレートに垂直な方向における前記側壁の中央の引張強度は、980MPa以上である、請求項3に記載の構造部材。
  10. 請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載の構造部材を備える車両であって、
    前記構造部材は、前記頂面部が前記車両の外側に、前記クロージングプレートが前記車両の内側になるよう配置される、車両。
  11. 請求項3に記載の構造部材を備える車両であって、
    前記構造部材は、前記クロージングプレートが前記車両の外側に、前記頂面部が前記車両の内側になるよう配置される、車両。
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