JPWO2017057559A1 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

内燃機関用点火コイル部材用であって、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の絶縁性樹脂との接着性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法を提供する。さらに詳しくはポリアリーレンスルフィド樹脂およびジメチルポリシロキサンを必須成分として配合してなることを特徴とする内燃機関用点火コイル部材用のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、並びにポリアリーレンスルフィド樹脂およびジメチルポリシロキサンを必須成分として、ポリアリーレンスルフィド樹脂の融点以上の温度で溶融混練する内燃機関用点火コイル部材用のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法を提供する。

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法に関する。
従来、内燃機関用点火コイルとして内燃機関のプラグホールに挿入する胴体部の内部に昇圧コイルを内蔵した、いわゆるスティックコイルは、プラグホール内の高温下にさらされるなどの劣悪な環境に耐えるために、内燃機関の燃焼室に近い胴体部の外装、及び、点火コイルにおいて生成した電圧を点火プラグに印加する導電性弾性体を内包している高圧部においては、加水分解に耐え電気絶縁性が良好なポリフェニレンスルフィド(PPS)などの特殊樹脂材を胴体ケースに、燃焼室から離れている頭部においてはポリブチレンテレフタレート(PBT)などの難燃性の樹脂材を用いて外装を成型してきた。
PPS樹脂で構成された高圧部は、さらに高圧部内部に絶縁樹脂材を充填して良好な絶縁状態を維持するよう設計されているが、PPS樹脂は他の樹脂との相溶性がわるい樹脂であることから、該高圧部を構成するPPS樹脂と、その内部に充填されるPPS樹脂以外の絶縁樹脂材との接着面で界面剥離が生じやすく、この為、意図しない電気導通が生じると界面剥離部位の周辺に過電流が発生して絶縁破壊を引き起こす恐れがあった。
また、前記頭部も、略筐体形状を呈した頭部ケース内に絶縁性樹脂材を充填して良好な絶縁状態を維持するよう設計されているが、頭部ケースとしてPPS樹脂を用いた場合には、上記と同様の理由により、頭部ケースを構成するPPS樹脂とその内部に充填されるPPS樹脂以外の絶縁性樹脂との接着面で界面剥離が生じやすく、この為、意図しない電気導通が生じると界面剥離部位の周辺に過電流が発生して絶縁破壊を引き起こす恐れがあった。
特開2014−3287号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、内燃機関用点火コイル部材用であって、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の絶縁性樹脂との接着性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品を得ることができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂およびジメチルポリシロキサンを必須成分として配合してなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品が、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等を含む硬化性樹脂組成物からなる絶縁性樹脂との接着性に優れ、接着面において界面剥離の発生をより抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)およびジメチルポリシロキサン(B)を必須成分として配合してなる内燃機関用点火コイル部材用のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、に関する。
さらに本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)およびジメチルポリシロキサン(B)を必須成分として、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の融点以上で溶融混練することを特徴とする内燃機関用点火コイル部材用のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法、に関する。
本発明により、内燃機関用点火コイル部材用であって、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の絶縁性樹脂との接着性に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品を得ることができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法を提供することができる。
内燃機関用点火コイルを正面からみた断面図。 高圧部の断面図。 本実施例における高圧部の断面図。 本実施例における高圧部の一部を拡大した断面図。
本発明に用いる内燃機関用点火コイル部材用のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)およびジメチルポリシロキサン(B)を必須成分として配合してなることを特徴とする。以下、詳述する。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を必須成分として配合してなる。本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記式(1)
Figure 2017057559
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4の範囲のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基を表す。)で表される構造部位と、必要に応じてさらに下記式(2)
Figure 2017057559
で表される3官能性の構造部位と、を繰り返し単位とする樹脂である。下記式(8)で表される3官能性の構造部位は、他の構造部位との合計モル数に対して、0.001〜3モル%の範囲が好ましく、特に0.01〜1モル%の範囲であることが好ましい。
ここで、前記式(1)で表される構造部位は、特に該式中のR及びRは、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の機械的強度の点から水素原子であることが好ましく、その場合、下記式(3)で表されるパラ位で結合するもの、及び下記式(4)で表されるメタ位で結合するものが挙げられる。
Figure 2017057559
これらの中でも、特に繰り返し単位中の芳香族環に対する硫黄原子の結合は前記構造式(3)で表されるパラ位で結合した構造であることが前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性や結晶性の面で好ましい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、前記式(1)や式(2)で表される構造部位のみならず、下記の構造式(5)〜(8)
Figure 2017057559
で表される構造部位を、前記式(1)と式(2)で表される構造部位との合計の30モル%以下で含んでいてもよい。特に本発明では上記式(5)〜(8)で表される構造部位は10モル%以下であることが、ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性、機械的強度の点から好ましい。前記ポリアリーレンスルフィド樹脂中に、上記式(5)〜(8)で表される構造部位を含む場合、それらの結合様式としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れであってもよい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、その分子構造中に、ナフチルスルフィド結合などを有していてもよいが、他の構造部位との合計モル数に対して、3モル%以下が好ましく、特に1モル%以下であることが好ましい。
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂の物性は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、以下の通りである。
(溶融粘度)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、300℃で測定した溶融粘度(V6)が2〜1000〔Pa・s〕の範囲であることが好ましく、さらに流動性および機械的強度のバランスが良好となることから2〜500〔Pa・s〕の範囲がより好ましく、特に2〜200〔Pa・s〕の範囲であることが特に好ましい。但し、本発明において、溶融粘度(V6)は、ポリアリーレンスルフィド樹脂を島津製作所製フローテスター、CFT−500Dを用い、300℃、荷重:1.96×10Pa、L/D=10(mm)/1(mm)にて、6分間保持した後に溶融粘度を測定した値とする。
(非ニュートン指数)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、0.90〜2.00の範囲であることが好ましい。リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が0.90〜1.50の範囲であることが好ましく、さらに0.95〜1.20の範囲であることがより好ましい。このようなポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
Figure 2017057559
[ただし、SRは剪断速度(秒−1)、SSは剪断応力(ダイン/cm)、そしてKは定数を示す。]N値は1に近いほどPPSは線状に近い構造であり、N値が高いほど分岐が進んだ構造であることを示す。
(製造方法)
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば1)硫黄と炭酸ソーダの存在下でジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、2)極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下にジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、3)p−クロルチオフェノールを、必要ならばその他の共重合成分を加えて、自己縮合させる方法、等が挙げられる。これらの方法のなかでも、2)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加しても良い。上記2)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを、必要に応じてポリハロゲノ芳香族化合物と加え、反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07−228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でジハロゲノ芳香族化合物と必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加え、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01〜0.9モルの範囲の有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下の範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。ジハロゲノ芳香族化合物の具体的な例としては、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、o−ジハロベンゼン、2,5−ジハロトルエン、1,4−ジハロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1〜18の範囲のアルキル基を有する化合物が挙げられ、ポリハロゲノ芳香族化合物としては1,2,3−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−トリハロベンゼン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,4,5−テトラハロベンゼン、1,4,6−トリハロナフタレンなどが挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
重合工程により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を含む反応混合物の後処理方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、(1)重合反応終了後、先ず反応混合物をそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒留去後の固形物を水、反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に中和、水洗、濾過および乾燥する方法、或いは、(2)重合反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、かつ少なくともポリアリーレンスルフィドに対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、ポリアリーレンスルフィドや無機塩等の固体状生成物を沈降させ、これらを濾別、洗浄、乾燥する方法、或いは、(3)重合反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過および乾燥をする方法、(4)重合反応終了後、反応混合物に水を加えて水洗浄、濾過、必要に応じて水洗浄の時に酸を加えて酸処理し、乾燥をする方法、(5)重合反応終了後、反応混合物を濾過し、必要に応じ、反応溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に水洗浄、濾過および乾燥する方法、等が挙げられる。
尚、上記(1)〜(5)に例示したような後処理方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂の乾燥は真空中で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気中で行なってもよい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ジメチルポリシロキサン(B)を必須成分として配合してなる。本発明で用いるジメチルポリシロキサンは、ジメチルシロキサン結合(−Si(CH−O−)を主鎖とする重合体であり、前記Si原子は、メチル基以外に有機基を有していてもよい。このような、有機基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基などの炭素原子数2〜8の範囲のアルケニル基を例示することができ、好ましくはビニル基、アリル基であり、特に好ましくはビニル基である。かかるアルケニル基は、分子鎖の末端のSi原子に結合していてもよいし、分子鎖の途中のSi原子に結合していてもよい。硬化反応速度の面からは、アルケニル基が分子鎖末端のケイ素原子のみに結合したアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンであることが好ましい。前記ジメチルポリシロキサンは、直鎖状のジメチルポリシロキサンであることが好ましい。
また、前記ジメチルポリシロキサン(B)は、熱可塑性を有し、常温(15℃〜35℃の範囲)で固形ゴム状あるいは固形粉末状であるシリコーンゴムであることが好ましい。
前記(B)成分を配合すると、成形品の離形性が著しく向上し、その結果、高い表面平滑性、優れたシリコーン樹脂を含む硬化性樹脂組成物との接着性(以下、単にシリコーン樹脂接着性ということがある)等を兼ね備えることができる点で有利である。
前記ジメチルポリシロキサンはシリコーンゴム粒子であってもよく、その場合には平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒径が、0.01μm〜30μmの範囲が好ましく、0.1μm〜15μmの範囲がより好ましい。前記体積平均粒径が、0.01μm以上であると、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)や前記脂肪酸エステル(C)や前記シランカップリング剤(D)の分散性が向上して表面平滑性が良くなることがあり、30μm以下だと、耐衝撃性が向上する傾向にあり好ましく、15μm以下だと更に好ましい。なお、前記体積平均粒径は、例えば、レーザー回折法により測定することができる。
前記ジメチルポリシロキサン(B)成分の真比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.90〜1.5の範囲が好ましく、0.95〜1.4の範囲がより好ましい。
前記ジメチルポリシロキサン(B)成分のシロキサン結合の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜15,000の範囲が好ましく、さらに1,500〜12,000の範囲がより好ましく、さらに2,000〜10,000の範囲が特に好ましく、さらに4,000〜8,000の範囲が最も好ましい。かかる範囲で樹脂組成物が良好な耐コロナ性および成形性、特に離形性を有しつつ、かつ、成形品がエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等を含む硬化性樹脂組成物と優れた接着性を呈するため好ましい。
前記ジメチルポリシロキサン(B)成分は、シリカに含浸させたもの(以下、「シリカ含浸(B)」と称することがある)であってもよく、該ジメチルポリシロキサン(B)の周囲が3次元架橋構造を有するシリコーン樹脂粉末で被覆されたもの(以下、「シリコーン複合粒子」と称することがある)であってもよい。
ただし、前記ジメチルポリシロキサン(B)成分が前記シリカ含浸(B)成分である場合、該シリカ含浸(B)成分中のジメチルポリシロキサン(B)成分の含有量は、本発明の効果を損ねなければ特に限定されるものではないが、50%質量以上95質量%以下であることが好ましく、さらに65%質量以上75質量%以下であることがより好ましい。前記シリコーンゴム粒子(B)成分の含有量が65質量%以上75質量%以下であると、耐衝撃性が向上することや、平滑性が良くなる傾向となり好ましい。
また、前記ジメチルポリシロキサン(B)が前記シリコーン複合粒子である場合、該ジメチルポリシロキサン(B)成分に対する該被覆成分(3次元架橋構造を有するシリコーン樹脂粉末)の被覆率が50%以下であることが好ましい。前記被覆率が50%以下であると、耐衝撃性が向上することや、平滑性が良くなる傾向にあり好ましい。
前記ジメチルポリシロキサン(B)成分は、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。前記ジメチルポリシロキサン(B)成分の市販品の具体例としては、商品名で、KMP−597、KMP−598、KMP−594、X−52−875(以上、信越化学工業株式会社製)等のシリコーンゴム粒子;KMP−605、X−52−7030(以上、信越化学工業株式会社製)等のシリコーン複合粒子;GENIOPLAST(登録商標) Pellet S(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等のシリカ含浸(B)成分などが挙げられる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物においてジメチルポリシロキサン(B)の配合量は、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、好ましくはポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して1〜200質量部の範囲が好ましく、さらに5〜100質量部の範囲がより好ましい。1質量部以上であれば、耐コロナ性および成形性、特に離形性に優れることとなり、一方、200質量部以下であれば、機械的特性や、耐熱性や、硬化性樹脂組成物との接着性も優れる傾向となり好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必要に応じて、エポキシ樹脂(C)を任意成分として配合してなる。エポキシ樹脂(C)は、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの硬化性樹脂の硬化物との接着性をより向上させる成分であり、また、後述する衝撃性改質樹脂(D)を併用する場合には、該(D)成分の分散性を向上することもできる。
この様なエポキシ樹脂(C)としては、特に制限されるものでなく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ、このうちビスフェノール型エポキシ樹脂、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合に、エポキシ接着性が飛躍的に向上するため好ましい。これらのエポキシ樹脂(C)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
このビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、具体的にはビスフェノールAのグリシジルエーテル、及び、該グリジシジルエーテルを更にビスフェノールAで高分子量化した構造のものが挙げられる。
このエポキシ樹脂(C)としては、特に、組成物中の成形加工性、相溶性が良好である点からエポキシ当量150〜2100g/eqの範囲であることが好ましい。とりわけ成形加工性の点から700〜2100g/eqの範囲が好ましい。
本発明においてエポキシ樹脂(C)は必須成分ではないが、添加する場合、その配合量はポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましく、さらに2〜25質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な耐コロナ性および成形性、特に離形性を有しつつ、かつ、成形品がエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの硬化性樹脂と優れた接着性を呈するため好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必要に応じて、耐衝撃性付与剤(D)を任意成分として配合してなる。耐衝撃性付与剤(D)としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、例えばα−オレフィン類とビニル重合性化合物とを共重合して得られる前記熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。前記α−オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1等の炭素原子数2〜8の範囲のα−オレフィン類などが挙げられる。前記ビニル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のα,β−不飽和カルボン酸類及びそのアルキルエステル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他の炭素原子数4〜10の範囲の不飽和ジカルボン酸類とそのモノ及びジエステル類、その酸無水物等のα,β−不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本発明において耐衝撃性付与剤は必須成分ではないが、添加する場合、その配合量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して1〜40質量部の範囲であることが好ましく、5〜20質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な耐コロナ性と成形性、特に離形性を有し、かつ成形品がエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの硬化性樹脂と優れた接着性を呈しつつ、さらに機械的強度、特に耐衝撃性や靱性が向上するため好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤(E)を任意成分として配合してなる。シランカップリング剤(E)としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、カルボキシ基と反応する官能基、例えば、エポキシ基、イソシアナト基、アミノ基または水酸基を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。本発明においてシランカップリング剤は必須成分ではないが、添加する場合、その配合量は、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.1〜5質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な耐コロナ性と成形性、特に離形性を有し、かつ成形品がエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの硬化性樹脂と優れた接着性を呈しつつ、さらに機械的強度が向上するため好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、更に機械的強度、特に冷熱衝撃強度、耐熱性、寸法安定性等の性能を改善するために、充填剤を任意成分として配合してなる。本発明において充填剤は必須成分ではないが、添加する場合、その配合量は、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して0質量部より多く、通常は1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、かつ600質量部以下の範囲とすることによって、強度、剛性、耐熱性、放熱性および寸法安定性など、加える充填剤の目的に応じて各種性能を向上させることができる。
該充填材としては、本発明の効果を損なうものでなければ公知慣用の材料を用いることもでき、例えば、繊維状のものや、粒状や板状などの非繊維状のものなど、さまざまな形状の充填材等が挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラストナイト等の天然繊維等の繊維状充填材が使用でき、またガラスビーズ、ガラスフレーク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、アタパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等の非繊維状充填剤も使用できる。
更に、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、上記成分に加えて、さらに用途に応じて、適宜、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリ二弗化エチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂、或いは、弗素ゴム等のエラストマーなどを任意成分として配合してなる。また、これらの樹脂は必須成分ではないが、添加する場合、その配合量は、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。
また本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、その他にも離型剤、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、防錆剤、カップリング剤等の公知慣用の添加剤を必要に応じ、任意成分として配合してなる。これらの添加剤は必須成分ではないが、添加する場合、その配合量は、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法は特に制限なく、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)およびジメチルポリシロキサン(B)を必須成分として、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の融点以上で溶融混練する。より具体的には、原料としてポリアリーレンスルフィド樹脂(A)およびジメチルポリシロキサン(B)の各必須成分と、必要に応じて、充填材等のその他の任意成分を、粉末、ベレット、細片など様々な形態でリボンブレンター、ヘンシェルミキサー、Vブレンターなどに投入してドライブレンドした後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または2軸の押出機およびニーターなどの公知の溶融混練機に投入し、樹脂温度がポリアリーレンスルフィド樹脂の融点以上となる温度範囲、好ましくは該融点+10℃以上となる温度範囲、より好ましくは融点+10℃〜融点+100℃となる温度範囲、さらに好ましくは融点+20〜融点+50℃となる温度範囲で溶融混練する工程を経て製造することができる。溶融混練機への各成分の添加、混合は同時に行ってもよいし、分割して行っても良い。
前記溶融混練機としては分散性や生産性の観点から二軸混練押出機が好ましく、例えば、樹脂成分の吐出量5〜500(kg/hr)の範囲と、スクリュー回転数50〜500(rpm)の範囲とを適宜調整しながら溶融混練することが好ましく、それらの比率(吐出量/スクリュー回転数)が0.02〜5(kg/hr/rpm)なる条件下に溶融混練することがさらに好ましい。また、前記成分のうち、充填剤や添加剤を添加する場合は、前記二軸混練押出機のサイドフィーダーから該押出機内に投入することが分散性の観点から好ましい。かかるサイドフィーダーの位置は、前記二軸混練押出機のスクリュー全長に対する、該押出機樹脂投入部から該サイドフィーダーまでの距離の比率が、0.1〜0.9であることが好ましい。中でも0.3〜0.7であることが特に好ましい。
このように溶融混練して得られる本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必須成分であるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)、ジメチルポリシロキサン(B)、必要に応じて加える任意成分およびそれらの由来成分を含む溶融混練物であり、該溶融混練後に、公知の方法でペレット、チップ、顆粒、粉末等の形態に加工してから、必要に応じて100〜150℃の温度で予備乾燥を施して、各種成形に供することが好ましい。
上記製造方法により製造される本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂をマトリックスとし、当該マトリックス中に、必須成分である前記ジメチルポリシロキサン(B)および炭酸カルシウム(C)と、それらに由来する成分、必要に応じて添加する任意成分が分散したモルフォロジーを形成する結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂成型品が本来有する機械的特性や耐熱性等の諸特性を維持しつつ、かつ、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂との接着性および耐コロナ性に優れたものとなるため好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、射出成形、圧縮成形、コンポジット、シート、パイプなどの押出成形、引抜成形、ブロー成形、トランスファー成形など各種成形に供することが可能であるが、特に離形性にも優れるため射出成形用途に適している。射出成形にて成形する場合、各種成形条件は特に限定されず、通常一般的な方法にて成形することができる。例えば、射出成形機内で、樹脂温度がポリアリーレンスルフィド樹脂の融点以上の温度範囲、好ましくは該融点+10℃以上の温度範囲、より好ましくは融点+10℃〜融点+100℃の温度範囲、さらに好ましくは融点+20〜融点+50℃の温度範囲で前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融する工程を経た後、樹脂吐出口よりを金型内に注入して成形すればよい。その際、金型温度も公知の温度範囲、例えば、室温(23℃)〜300℃、好ましくは120〜180℃に設定すればよい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品は、耐コロナ性に優れるだけでなく、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の樹脂、たとえば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等を含む硬化性樹脂組成物との接着性に優れる。このことから、ポリアリーレンスルフィド樹脂とそれ以外の樹脂との複合成形体として好適に用いることができる。
当該複合体の主な用途例として箱型の電気・電子部品集積モジュール用保護・支持部材・複数の個別半導体またはモジュール、センサ、LEDランプ、コネクタ、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサ、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナ、スピーカ、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、端子台、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダ、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤ、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザディスク・コンパクトディスク・DVDディスク・ブルーレイディスク等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライタ部品、ワードプロセッサ部品、あるいは給湯機や風呂の湯量、温度センサなどの水回り機器部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピュータ関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライタ、タイプライタなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ、ICレギュレータ、ライトディヤ用ポテンシオメーターベース、リレーブロック、インヒビタースイッチ、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディ、キャブレタースペーサ、排気ガスセンサ、冷却水センサ、油温センサ、ブレーキパットウェアーセンサ、スロットルポジションセンサ、クランクシャフトポジションセンサ、エアーフローメータ、ブレーキパッド摩耗センサ、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダ、ウォーターポンプインペラ、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュータ、スタータースイッチ、イグニッションコイルおよびそのボビン、モーターインシュレータ、モーターロータ、モーターコア、スターターリレ、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロータ、ランプソケット、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルタ、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品、その他各種用途にも適用可能である。
さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られる成形品は、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の絶縁性樹脂との接着性に優れることから専ら内燃機関用点火コイル部材として好適に用いることができる。例えば、図1に示すごとく、点火コイル1が、内外周に同心状に配置された一次コイル5及び二次コイル4が胴体筒部170の内部に配設された胴体部100と、胴体部100の基端側に圧入嵌合され、一次コイル5との通電及び遮断を制御するイグナイタ340及び外部接続端子341を備えた外部接続部312を備える頭部ケース310からなる頭部300と、胴体部100の先端側に圧入勘合されていてよく、点火プラグ600と電気的に接続される導電性弾性体500を内包する高圧部200とを有してなる内燃機関用点火コイルにおいて、前記頭部ケース310および/または前記高圧部200を構成する部材として本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を用いることができる。
このうち、前記高圧部200は、点火プラグに電圧を印加する導電性弾性体に、二次コイルおよび一次コイルによって昇圧された高電圧が印加されることにより、意図しない電気導通が生じる可能性が高いことから、前記高圧部200に、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を用いることがより好ましい。
以下、内燃機関用点火コイルの好ましい形態を示すが、本発明に用いる内燃機関用点火コイルはこれに限定されるものではない。
頭部ケース310は、例えば、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂であってよいが、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなることが好ましい。頭部ケース310は略筐体形状を呈しており、内燃機関に点火コイルを固定するための締結部材が挿入される固定部311と、電源等の外部との接続を行う外部接続部312と、一次コイル5との通電及び遮断を制御するイグナイタ340を備えている。
頭部ケース310の先端側の開口部の外周には、プラグホール内への水の浸入を防止するためのコイルシールラバー320が係止されている。
また、頭部ケース310は、胴体部100の胴体筒部170と嵌合される部位において、胴体筒部170の外周面側に当接する頭部外周側嵌合部313と、胴体筒部170の内周面側に当接する頭部内周側突起部314とからなる頭部側凹部315を有しており、頭部外周側嵌合部313と頭部内周側突起部314は頭部外周側嵌合部313の方が頭部内周側突起部314よりも胴体部軸方向先端側に向けて伸長されている。なお、頭部外周側嵌合部313には、ラバー係止部316が径方向外側に突出しており、前述したコイルシールラバー320は、かかるラバー係止部316によって係止されている。
胴体部100は、軟磁性体からなる円柱状の中心コア110と、中心コア110の径方向外側に設けられた円筒状の二次スプール120と、二次スプール120に巻回された二次巻線130からなる二次コイル4と、二次コイル4の径方向外側に設けられた円筒状の一次スプール140と、一次スプール140に巻回された一次巻線150からなる一次コイル5と、一次コイル5の径方向外側に設けられ、スリットを有した複数枚の無方向性電磁鋼板を径方向に重ねて構成される円筒状の外周コア160と、外周コア160の径方向外側に設けられた円筒状の胴体筒部170と、からなる。
胴体筒部170は、金属からなり、例えば圧延鋼などの鉄鋼部材から形成されている。そして、胴体筒部170の板厚tは0.2mm〜0.6mmの範囲で形成されている。
また、胴体筒部170は、胴体筒部170の基端側において、胴体筒部170の外周面を径方向内側に曲げた外周側曲面部171と、高圧部200と嵌合される胴体筒部170の先端側において、胴体筒部170の内周面を径方向外側に曲げた内周側曲面部172とを有している。
さらに、胴体筒部170の表面には、例えばNi、Crなどを含んだメッキ層が形成されており、かかるメッキ層は、主にNiを含有する金属で構成される。また、胴体筒部170の頭部側メッキ除去部174及び高圧部外周側突起部211に当接する部位においてはメッキ層を形成していない。
二次スプール120の先端側には、高圧部200の内筒部220と二次スプール120とを互いに固定し、二次コイル4、及び中心コア110の中心軸と、高圧部200に内包された導電性弾性体500の中心軸とをそろえるコイル固定部121を有している。
図2に高圧部200を正面から見た断面図を示す。高圧部200は、胴体部100の先端側に圧入嵌合される。前記高圧部200は、加水分解に対する耐久性が高く電気絶縁性の良好なポリフェニレンスルフィド樹脂であってもよいが、好適には、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物によって形成されている。また、高圧部200は、導電性の線材によって螺旋状に形成された導電性弾性体500を内包する内筒部220と、胴体筒部170と圧入嵌合される外筒部210と、プラグキャップ400を係止する下方突出部240とを有している。下方突出部240は、キャップ係止部230を有しており、かかるキャップ係止部230により、高圧部200の先端側に設けられたプラグキャップ400は係止されている。
導電性弾性体500は先端側において点火プラグ600と電気的に接続され、基端側においては二次コイル4と電気的に接続されており、一次コイル5と二次コイル4によって昇圧された高電圧を点火プラグ600に印加する。
内筒部220は、内周側に導電性弾性体500を配設し、導電性弾性体500の位置決め機能を有するとともに、導電性弾性体500の螺旋形状の外周を拘束することによって導電性弾性体500の胴体部軸方向における中心軸を安定させる軸決め機能を有している。また、外筒部210は略円筒状を呈しており、その先端側において内筒部220の先端側と下方突出部240の基端側とは合流している。
外筒部210は、胴体筒部170と嵌合される部位において、胴体筒部170の内周面側に当接する高圧部内周側嵌合部212と、胴体筒部170の外周面側に当接する高圧部外周側突起部211とからなる高圧部側凹部213を有しており、高圧部内周側嵌合部212と高圧部外周側突起部211は、高圧部内周側嵌合部212の方が高圧部外周側突起部211よりも胴体部軸方向先端側に向けて伸長されている。
プラグキャップ400はゴムなどの絶縁性弾性体によって略円筒状に形成されてなり、点火プラグ600を内周の面圧によって固定するとともに、点火プラグ600に印加される高電圧が、内燃機関のプラグホールの周りの金属と導通するのを防止する。
次に、胴体部100と頭部300との嵌合、及び胴体部100と高圧部200との嵌合について述べる。
胴体部100と頭部300との嵌合は、胴体筒部170の基端側と頭部ケース310の胴体筒部170の基端側においてなされる。そして、かかる嵌合は胴体筒部170の外周側と頭部外周側嵌合部313の内周側でなされる。なお、前述したように、頭部外周側嵌合部313と頭部内周側突起部314は頭部外周側嵌合部313の方が頭部内周側突起部314よりも胴体部軸方向先端側に向けて伸長されており、胴体筒部170と当接する頭部外周側嵌合部313の内壁の長さL1は、3.3mm以上の長さで形成されている。かかる長さで形成されていることにより、内部に充填している絶縁性樹脂330を固化させるために点火コイル1に与えられる熱により膨張した、頭部300と胴体部100との間隙を抑制することができる。
すなわち、頭部300は、樹脂によって形成され、胴体筒部170が金属で形成されていることにより、胴体筒部170よりも膨張率の高い頭部300のほうが、点火コイル1に与えられる熱を受けて胴体筒部170の径方向外側へ膨張する。そして、頭部外周側嵌合部313が、胴体筒部170を外側から嵌合させていることから、頭部外周側嵌合部313と胴体筒部170との間に間隙が生じる可能性がある。これに対して、内壁の長さL1を3.3mm以上とすることで、嵌合長さを大きくとり、間隙から絶縁性樹脂330が漏れるのを抑制することができる。
また、胴体筒部170において頭部300と圧入嵌合される端部である頭部先端側には、胴体筒部170を径方向内側に曲げた外周側曲面部171が形成されている。
胴体部100と高圧部200との嵌合は、胴体筒部170の先端側と高圧部200の外筒部210の基端側においてなされる。そして、かかる嵌合は、胴体筒部170の先端側の嵌合は胴体筒部170の内周側と高圧部内周側嵌合部212の外周側とでなされる。なお、前述したように、高圧部内周側嵌合部212と高圧部外周側突起部211は高圧部内周側嵌合部212の方が高圧部外周側突起部211よりも胴体部軸方向先端側に向けて伸長されており、胴体筒部170と当接する高圧部内周側嵌合部212の外壁の長さL2は1.0mm以上の長さで形成されている。さらに、胴体筒部170において高圧部200と圧入嵌合される高圧部側端部には、胴体筒部170を径方向外側に曲げた内周側曲面部172が形成されている。かかる長さで形成されていることにより、内部に充填する絶縁性樹脂330を固化させるために点火コイル1に与えられる熱により膨張した、高圧部200と胴体部100とを確実に固定することができる。
すなわち、高圧部200は樹脂によって形成され、胴体筒部170が金属で形成されていることにより、胴体筒部170よりも膨張率の高い高圧部200のほうが、点火コイル1に与えられる熱を受けて胴体筒部170の径方向外側へ膨張する。そして、高圧部内周側嵌合部212が、胴体筒部170を内側から嵌合させていることから、膨張により高圧部内周側嵌合部212が胴体筒部170を内側から径方向外側に押圧することになる。したがって、L2の長さ2を1.0mm以上という短い長さで形成しても、高圧部200と、胴体部100とを確実に固定することができる。
なお、胴体筒部170の外周側の直径は頭部外周側嵌合部313の内周側の直径よりも締め代dだけ大きく形成され、また、高圧部内周側嵌合部212の外周側の直径は、胴体筒部170の内周側の直径よりも締め代dだけ大きく形成されている。締め代dの値は0.01mm〜0.25mmの範囲で形成される。
このように構成された点火コイル1の内部は、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等を含む硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁性樹脂330が、頭部ケース310の上端から流入充填されることにより絶縁皮膜されている。すなわち、頭部ケース310の上端から流入された絶縁性樹脂330は、頭部300から胴体部100の二次コイル4と一次コイル5との間などから先端側へ流動し、高圧部200内の外筒部210と内筒部220の間に流入する。そして充填された後に固化させることで、イグナイタ340、一次コイル5と二次コイル4との間隙、及び外筒部210と内筒部220との間の空間等を絶縁被覆する。なお、本実施例においては、高圧部の外筒部210と内筒部220との間に充填される絶縁性樹脂330は、頭部300に充填される絶縁性の樹脂と同一材料である。
次に、胴体筒部170の製造方法について述べる。円柱状の成型パンチ2と、円柱状の孔を有した金型土台3の間に圧延金属部材17が設置される。金型土台3が固定された状態で成型パンチ2が下方に動き、圧延金属部材17が下方に押し出されることで圧延金属部材17は鍔を有したコップ状に形成される。ここで、成型パンチ2によって圧延金属部材17を下方に押し出す際、圧延金属部材17の固定される部位、すなわち成型パンチ2の底部に当接する部位及び金型土台3の角部に当接する部位においては圧縮応力が発生し、また、圧延金属部材17の固定されていない部位、すなわち固定されている部位の反対側表面においては引張応力が発生する。この作用により、圧延金属部材17の底面と圧延金属部材17の外周側面との中間面には外周側曲面部171が形成され、圧延金属部材17の鍔表面と圧延金属部材17の内周側面の中間面には内周側曲面部172が形成される。
<実施例1〜8及び比較例1〜4>
表1に記載する組成成分および配合量にしたがい、各材料をタンブラーで均一に混合した。その後、東芝機械株式会社製ベント付き2軸押出機「TEM−35B」に前記配合材料を投入し、樹脂成分吐出量25kg/hr、スクリュー回転数250rpm、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)=0.1(kg/hr・rpm)、設定樹脂温度330℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。
<耐コロナ性;貫通(厚み)方向の絶縁寿命性の測定>
得られたペレットを用いて、シリンダー温度320℃に設定した住友−ネスタール社製射出成形機(SG75−HIPRO・MIII)に供給し、金型温度130℃に温調した成形用金型を用いて射出成形を行い、図2に例示した成型部品を成形した。
次に、図3に示すように成型部品内部に絶縁性樹脂としてシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社製「SE−1714」)を流し込み加熱硬化させた。次に、X−Yに沿って切断し、図4に示すZ−Z’に沿って、以下の測定を行った。なお、それぞれの成形物の厚みは、ZからZ’に向かって、PPS樹脂成形物層(厚み1.0mm)、シリコーン樹脂層(厚み3.0mm)およびPPS樹脂成形物層(厚み1.0mm)であった。
JIS−C2110−1994の絶縁破壊強さの測定方法(7.1(1))に準拠し、25〔KV〕/50〔Hz〕の交流電圧を印加して導通するまでの時間(h)を測定し、材料の厚み方向の絶縁寿命を評価した。但し、厚み方向の絶縁寿命は、比較例1の寿命を1(基準値)としたときの倍率で表した。
Figure 2017057559
※測定を途中で打ち切り。
なお、表1中の配合樹脂、材料の数値は質量部を表し、下記のものを用いた。
PPS
A1 DIC株式会社製ポリアリーレンスルフィド樹脂「DIC.PPS(V6溶融粘度50Pa・s)」
B1 ジメチルポリシロキサン 旭化成ワッカーシリコーン株式会社製「GENIOPLAST PELLET S」(ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(分子量Mw=530,000、シロキサン結合数(分子量Mw/74)=7,162)をヒュームドシリカに含浸。ビニル基含有ジメチルポリシロキサン/ヒュームドシリカ=65/35(質量比))
B2 ジメチルポリシロキサン 東レ・ダウコーニング社製「トレフィルF202」(ジメチルシロキサン(分子量Mw=130,000、シロキサン結合数(分子量Mw/74)=1,756)をシリカに担持させて粉末化したもの。ジメチルシロキサン/シリカ=60/40(質量比))
GPC:ジメチルポリシロキサンの分子量Mwは、以下の条件により測定した。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8320 GPC」
カラム :東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G1000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器 :RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
カラム温度:40℃
展開溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :1.0ml/分
標準試料 :前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
単分散ポリスチレン:
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−380」
測定試料 :樹脂1mg(溶剤可溶分)をテトラヒドロフラン1mlに溶解させた後、マイクロフィルター(ポアサイズ0.45μm)でろ過したもの(50μl)。
1 点火コイル
4 二次コイル
5 一次コイル
100 胴体部
110 中心コア
120 二次スプール
121 コイル固定部
130 二次巻線
140 一次スプール
150 一次巻線
160 外周コア
170 胴体筒部
200 高圧部
210 外筒部
220 内筒部
300 頭部
310 頭部ケース
311 固定部
312 外部接続部
316 頭部側凹部
330 絶縁性樹脂
341 外部接続端子
400 プラグキャップ
500 導電性弾性体
600 点火プラグ

Claims (7)

  1. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)およびジメチルポリシロキサン(B)を必須成分として配合してなる内燃機関用点火コイル部材用のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  2. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、ジメチルポリシロキサン(B)が1〜200質量部の範囲である請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 前記内燃機関用点火コイル部材は、ポリアリーレンスルフィド樹脂よりも絶縁性が高い絶縁性樹脂と接する部位に用いられるものである請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 当該部位は、点火コイルが、内外周に同心状に配置された一次コイル及び二次コイルが胴体筒部の内部に配設された胴体部と、胴体部の基端側に圧入嵌合され、一次コイルとの通電及び遮断を制御するイグナイタ及び外部接続端子を備えた外部接続部を備える頭部ケースからなる頭部と、胴体部の先端側に圧入勘合されていてよく、点火プラグと電気的に接続される導電性弾性体を内包する高圧部とを有してなる内燃機関用点火コイルにおいて、前記頭部ケースを構成する部材である請求項3記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 当該部位は、点火コイルが、内外周に同心状に配置された一次コイル及び二次コイルが胴体筒部の内部に配設された胴体部と、胴体部の基端側に圧入嵌合され、一次コイルとの通電及び遮断を制御するイグナイタ及び外部接続端子を備えた外部接続部を備える頭部ケースからなる頭部と、胴体部の先端側に圧入勘合されていてよく、点火プラグと電気的に接続される導電性弾性体を内包する高圧部とを有してなる内燃機関用点火コイルにおいて、前記高圧部を構成する部材である請求項3又は4記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 溶融混練物である請求項1〜5の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  7. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)およびジメチルポリシロキサン(B)を必須成分として、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の融点以上で溶融混練することを特徴とする内燃機関用点火コイル部材用のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
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