JPWO2017057517A1 - ねじ切りフライス及びそれを用いた管用めねじ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじ切りフライスを用いて金型部品等にめねじ穴を形成する上で、凸曲面を有する形状のねじ切り刃を使用しなくても、その形状のねじ切り刃を使用した場合と同等の凹曲面を有するめねじを形成する。【解決手段】工具本体の軸方向先端部側から後方側へかけ、進み側フランク面17とこれに軸方向に連続する山頂面16、及びこれに軸方向に連続する追い側フランク面18を持つ仕上げ刃12の、進み側フランク面17と山頂面16との間、及び山頂面16と追い側フランク面18との間にそれぞれ2面以上の面取り面25、26を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は金型部品等へのめねじ穴、特に英式管用ねじ穴を精度よく形成することが可能なねじ切りフライス、及びそれを用いた管用めねじ加工方法に関するものである。
金型部品等にめねじ穴を形成する工具としてのねじ切りフライスは工具本体の回転軸を中心として自転しながら、回転軸から偏心し、回転軸に平行な公転軸の回りに回転させられることにより被削材に対してヘリカル送りされ、穴の内周面に軸方向に連続しためねじを形成する(特許文献1、2参照)。
特許文献1のねじ切りフライスは被削材が特に高硬度材である場合に対応するために、被削材のめねじを荒切削する先行刃と、荒切削しためねじを仕上げ切削する仕上げ刃を工具の軸方向に直列に配列させた形態をしている。
特許文献2では被削材への下穴の形成とめねじの形成の機能を分離させるために、下穴形成用のエンドミル部とめねじ形成用のタップ部を軸方向に直列に配列させているが、タップ部は特許文献1と同様に荒切削用の荒加工刃と仕上げ用の仕上げ刃が軸方向に直列に配列した形になっている。
一方、JISB0202に規定されている英式管用平行めねじや、JISB0203に規定されている英式管用テーパめねじでは、ねじ山の頂部と谷底の角部が曲面になっているため、この種のめねじを加工するには、少なくとも特許文献1、2における仕上げ刃が曲面加工に適合していることが必要とされる。
特開2012−86286号公報(請求項1、段落0022〜0036、図1〜図5) 特開2004−322285号公報(請求項2、段落0013〜0022、図2〜図6)
しかしながら、特許文献1の先行刃と仕上げ刃の回転方向前方側の端部に位置し、凸の稜線(外形線)をなす各切れ刃は工具本体の回転軸に直交する方向に見たときの断面上、平面であるから(特許文献1の図3)、先行刃と仕上げ刃が切削しためねじの山部と谷部を曲面に加工することは難しい。この場合、図12−(b)に示すように少なくとも山部から谷部への移行部分、または谷部から山部への移行部分に切れ刃の平面形状の跡が残り易いため、上記の英式管用めねじ形状を得ることは困難である。
特許文献2でも工具本体の回転軸に直交する方向に見たときの断面上、荒加工刃と仕上げ刃は平面で構成されているため(特許文献2の図2)、特許文献1と同様、めねじの山部と谷部を曲面状に加工することは難しいと想像される。
図10−(a)は特許文献1、2のねじ切り刃(切れ刃)の断面を拡大した様子を、(b)は参考までに(a)に示すねじ切り刃のフランク面(側面)と山頂面との間に1面の面取り面を形成した場合の様子を示す。(a)に示す形状例の場合には、上記のようにめねじの山部から谷部への移行部分を曲面に加工することは難しい。(b)に示す形状例の場合にも、1面の面取り面では面取り面とそれに稜線(外形線)方向に隣接するいずれかの切れ刃とのなす角度が十分に小さくはないため、角部の切削跡が残り易く、(a)に示す形状例の場合と結果に大きな差異は生まれない。なお、図10−(b)は(a)を基礎とした参考例を示しており、従来例を示している訳ではない。
一方、図10−(c)に示すようにねじ切り刃の両側のフランク面から山頂面へ移行する面を凸曲面状に形成した場合には、ねじ切り刃の表面に角部がないため、めねじの山部から谷部への移行部分を曲面に加工することは可能である。但し、ねじ切り刃の表面を(c)に示すような連続した凸曲面状に形成するには、図11に示すように仕上げ刃に対応した、凹曲面を有する形状の総形砥石70を使用することが必要になる。
この場合、凹曲面を有する形状の総形砥石70を使用して図10−(a)に示す多角形状の凸部を有する形状のねじ切り刃の研削を開始することになるが、研削時には総形砥石70の凹曲面の全体ではなく、一部のみが集中的にねじ切り刃の凸部を研削することになる。その結果、総形砥石70に偏摩耗が生じ易く、砥石の寿命が極端に短くなるため、図10−(a)に示す凸部を有するねじ切り刃から図10−(c)に示す曲面からなるねじ切り刃を加工することは経済的に見合わないことになる。
本発明は上記背景より、図10−(c)に示す凸曲面を有する形状のねじ切り刃を使用しなくても、この形状のねじ切り刃を使用した場合と同等のめねじを被削材に形成可能なねじ切りフライス、及びそれを用いた管用めねじ加工方法を提案するものである。
請求項1に記載の発明のねじ切りフライスは、工具本体の軸方向先端部側の外周に、半径方向中心側から外周側へ向け、周方向に間隔を置いて複数のねじ切り刃が形成された切れ刃部を備え、ヘリカル送りされて被削材にめねじを形成するねじ切りフライスであり、
前記ねじ切り刃が、前記工具本体の軸方向先端部側から後方側へかけ、進み側フランク面とこれに軸方向に連続する山頂面、及びこれに軸方向に連続する追い側フランク面を持つ、前記めねじを形成するための仕上げ刃を少なくとも有し、
前記進み側フランク面と前記山頂面との間、及び前記山頂面と前記追い側フランク面との間にそれぞれ2面以上の面取り面が形成されていることを特徴とする。
「半径方向中心側から外周側へ向け」とは、各ねじ切り刃4が工具本体の回転軸O側である半径方向中心側から半径方向外周側へ向けて突設されるように形成されることを言う。「周方向に間隔を置いて」とは、複数のねじ切り刃4が工具本体の周方向に、切屑排出用の溝(刃溝21)を挟みながら、間隔を置いて配列することを言う。切屑排出用の溝(刃溝21)は工具本体の周方向に隣接するねじ切り刃4、4間に、回転軸Oに平行に、あるいは回転軸Oに沿うように形成される。周方向は工具本体の回転方向(回転の向きを問わない)、あるいは円周方向である。工具本体はねじ切りフライス1の本体を指す。
「ねじ切り刃4が仕上げ刃12を少なくとも有し」とは、ねじ切り刃4が1個、もしくは複数個の仕上げ刃12のみを有することと、特許文献1のように仕上げ刃12の他に、図1〜図4に示すように仕上げ刃12によるめねじの仕上げの前に被削材40を荒切削する先行刃5を含むことがあることを意味する。
ねじ切り刃4が先行刃5を有する場合、先行刃5は被削材40のめねじ穴を荒切削するため、先行刃5の山の高さは仕上げ刃12の山の高さより小さく(特許文献1、請求項5)、仕上げ刃12が先行刃5の切削後のめねじ穴を切削してめねじ45を仕上げ、特にめねじ45の谷部47と山部46を仕上げる。請求項1における「工具本体の軸方向」は工具本体の回転軸Oの方向である。ねじ切り刃4が先行刃5を有する場合には、仕上げ刃12は先行刃5による荒切削より細かい切削をし、めねじ45を仕上げる働きをするが、ねじ切り刃4が先行刃5を有しない場合には、仕上げ刃12は必ずしも一度の切削でめねじ45(谷部47と山部46)の仕上げまでをするとは限らない。
先行刃5が形成されない場合、ねじ切り刃4は1個、もしくは図9に示すように軸方向に連続する、あるいは連結された形の2個以上の仕上げ刃12からなり(請求項2〜4)、先行刃5が形成される場合、ねじ切り刃4は図1に示すように仕上げ刃12と先行刃5から構成される。先行刃5が形成される場合も、2個以上の仕上げ刃12が軸方向に連続することもある(請求項5)。
1枚(1個)の仕上げ刃12は図4−(a)、(b)に示すように工具本体の軸方向先端部側の進み側フランク面17とこれに軸方向後方側に連続する山頂面16とこれに軸方向後方側に連続する追い側フランク面18からなるため、「仕上げ刃12が軸方向に連続する」とは、進み側フランク面17から追い側フランク面18までの区間が軸方向に連続することを言う。2個の仕上げ刃12、12の間には半径方向中心側に凹となった谷底部20(請求項2)が形成される。「工具本体の軸方向先端部側」は工具本体(ねじ切りフライス1)のねじ切り刃4が工具本体の軸方向(回転軸O方向)への移動により被削材40の切削を開始する側の端部を指す。「工具本体の軸方向後方側」は軸方向先端部側の反対側を指し、切れ刃部2から見たときの後述のシャンク部3側を指す。
請求項1における「ヘリカル送りされ」とは、図6に示すように工具本体の回転軸Oを中心として自転したまま、回転軸Oから偏心した、回転軸Oに平行な公転軸OREの回りに回転させられながら、工具本体が軸方向先端部側の被削材40側へ送られることを言う(請求項8)。工具本体が被削材40側へヘリカル送りされることで、被削材40にめねじ45の谷部47と山部46が形成される(請求項8)。図6中、Rは工具本体(ねじ切りフライス)の回転方向(自転方向)を、RREは工具本体の公転方向を示す。
自転を伴う公転をしながら、軸方向先端部側へ移動させられることにより、ねじ切り刃4の山頂面16付近は図7−(a)の破線に示すような軌跡50を描いてめねじ45の谷部47を形成する。ねじ切り刃4が工具本体の軸方向に連続する2個以上の仕上げ刃12を有し、この2個の仕上げ刃12、12間の凹部である谷底部20が形成される場合には、この谷底部20付近は図7−(b)の破線に示すような軌跡51を描いてめねじ45の山部46を形成する。
請求項1における「進み側フランク面17とこれに軸方向に連続する山頂面16、及びこれに軸方向に連続する追い側フランク面18を持つ」とは、ねじ切り刃4が仕上げ刃12のみから構成される場合には、1個の仕上げ刃12がこれらの3面を有することを言い、ねじ切り刃4が仕上げ刃12と先行刃5を有する場合には、仕上げ刃12と先行刃5のそれぞれが3面を有することを言う。
仕上げ刃12を含む、工具本体の周方向に間隔を置いて配列する各ねじ切り刃4の各仕上げ刃12は工具本体の回転軸Oを含む断面上、被削材40のめねじ45の谷部47の形状に対応し、図3、図5に示すように山形状をする。この山(仕上げ刃12)が工具本体の軸方向先端部側から後方側へかけ、進み側フランク面17と山頂面16と追い側フランク面18からなる。図示するようにねじ切り刃4が軸方向に連続する2個以上の仕上げ刃12、12を有する場合には、仕上げ刃12、12間に、被削材40のめねじ45の山部46の形状に対応した谷形状の、軸方向に追い側フランク面18と進み側フランク面17に挟まれた谷底部20が形成される。
この各ねじ切り刃4の回転方向R前方側の稜線をなす端部が切れ刃であり、図4−(b)に示すように仕上げ刃12の進み側フランク面17、山頂面16、追い側フランク面18の各回転方向前方側の端部(稜線)は進み側切れ刃13、山頂刃15、追い側切れ刃14になり、谷底部20の回転方向前方側の端部(稜線)は谷底刃24になる。言い換えれば、進み側切れ刃13、山頂刃15、追い側切れ刃14の各回転方向後方側に連続する面が進み側フランク面17、山頂面16、追い側フランク面18である。
この進み側フランク面17と山頂面16との間、及び山頂面16と追い側フランク面18との間に、図5−(b)に示すようにそれぞれ2面以上の面取り面25a、26aが形成される。被削材40側へ凸になった山頂面16(山頂刃15)とその軸方向両側の進み側フランク面17(進み側切れ刃13)と追い側フランク面18(追い側切れ刃14)は図7−(a)に示すように被削材40のめねじ穴(下穴)を切削し、めねじ45の谷部47を形成する。
図3〜図6に示すように仕上げ刃12が工具本体の軸方向に2個以上、連続する場合(請求項2以下)には、上記のように軸方向先端部側の仕上げ刃12の追い側フランク面18と軸方向後方側の仕上げ刃12の進み側フランク面17との間に谷底部20が形成される。軸方向に連続する仕上げ刃12、12の内、被削材40側へ凹になった主に谷底部20の回転方向前方側の端部の、上記の谷底刃24とその軸方向両側の進み側切れ刃13及び追い側切れ刃14が図7−(b)に示すように被削材40のめねじ45の山部46を形成する。
面取り面25a、26aは図8−(a)、(b)に示すように進み側フランク面17と山頂面16と追い側フランク面18が形成された状態の仕上げ刃12を砥石面75a、76aの角度が異なる少なくとも2種類の角形砥石75、76に工具本体の周方向に摺動させることで形成される。
山頂面16の進み側フランク面17側の面取り面25a、26aは進み側フランク面17の一部でもあるから、図5−(b)に示すようにその面取り面25a、26aの回転方向前方側の稜線は進み側切れ刃13の一部になる。同様に山頂面16の追い側フランク面18側の面取り面25a、26aは追い側フランク面18の一部でもあるから、その面取り面25a、26aの回転方向前方側の稜線は追い側切れ刃14の一部になる。
面取り面25a、26aは進み側フランク面17と山頂面16との間、及び追い側フランク面18と山頂面16との間にそれぞれ2面以上、形成されればよいため、3面以上、形成されることもある。但し、各面取り面25a、26a自体は平面、もしくは平面に近い曲面であるため、面取り面25a、26aを形成するために図11に示す総形砥石70を使用する必要性はない。仕上げ刃12は形態的には図10−(c)に示す、稜線方向に連続した曲面を有する仕上げ刃に近似した表面形状になるが、総形砥石70を使用する必要がないため、角形砥石75、76に偏摩耗を発生させることはない。
面取り面25a、26aを含む仕上げ刃12の山頂刃15(山頂面16)付近の部分は図5−(b)に示すように厳密には曲面ではなく、多面体形状(多角形状)である。但し、被削材40のめねじ45の谷部47を切削するときには、図6に示すように工具本体がヘリカル送りされることで、山頂刃15付近の部分は図7−(a)に破線のa〜eで示すような軌跡50を描き、この軌跡を結べば、山頂刃15付近が凸曲面である場合と変わりがない曲線が描かれる。すなわち、工具本体は連続した曲線を描きながら移動する。a〜eは移動の順序を示す。
山頂刃15付近の部分によるめねじ45の谷部47の切削時には、a〜eの軌跡50に示すように工具本体の半径方向外周側と内周側への移動(円運動)を伴う回転軸O方向(めねじ45の軸方向(深さ方向))先端側への移動のときに、進み側切れ刃13から山頂刃15を経て追い側切れ刃14にかけた仕上げ刃12の全体が谷部47を切削する。凹曲面を形成する谷部47の表面の内、図7−(a)中、上側の部分(下向き面、もしくはめねじ45の軸方向の浅い側)を山頂刃15から追い側切れ刃14にかけての部分が曲面を形成するように切削し、下側の部分(上向き面、もしくはめねじ45の軸方向の深い側)を進み側切れ刃13から山頂刃15へかけての部分が曲面を形成するように切削する。
ここでの進み側切れ刃13から山頂刃15にかけての部分と、山頂刃15から追い側切れ刃14にかけての部分は前記のように面取り面25a、26aが形成されている部分である。進み側切れ刃13から追い側切れ刃14にかけての部分を詳細に見れば、図5−(b)に示すように回転軸O方向には、進み側切れ刃13とそれに軸方向(稜線に沿った方向)に隣接する面取り面25aとの間、山頂刃15とその軸方向両側に隣接する面取り面26a、26aとの間、追い側切れ刃14とそれに軸方向に隣接する面取り面25aとの間には角部が形成されて(残されて)いる。但し、後述のように工具本体が工具本体の半径方向と軸方向に連続的に移動することで、角部が形成されていることに起因してめねじ45の表面に不連続面を形成することはなくなっている。
仕上げ刃12は上記のように被削材40に対しては工具本体の軸方向(回転軸O方向)の後方側(浅い側)から先端部側(深い側)へ移動しながら、めねじ45の山部46側から谷部47側へ移動した後、谷部47側から山部46側へ移動することで、めねじ45の谷部47を形成する。図7−(a)中、ハッチングの領域は被削材40を示すため、被削材40の凹となった部分がめねじ45の谷部47に該当する。上記のように面取り面25a、26aを含む仕上げ刃12の山頂刃15付近の部分の、谷部47側へ凸になった点の軌跡を結べば(包絡線を描けば)、その軌跡(包絡線)は凹曲面を形成し、この形状がそのまま谷部47の形状になる。
このように図7−(a)中、めねじ45の谷部47側へ凸になった破線で示す多面体の稜線部分内の同一点が被削材40の内周面に接触し、切削し続ける訳ではなく、被削材40への接触部分が稜線部分内で常に変化する。このため、結果的には図7−(a)にハッチングで示した被削材40の谷の形状のように仕上げ刃12の表面が、凸曲面で構成された図10−(c)に示す形状の仕上げ刃12で切削した場合の表面と変わりがない谷部47の切削状態を得ることができる。
同様のことはめねじ45の山部46を形成する後述の谷底刃24とその両側の進み側切れ刃13と追い側切れ刃14にも言える。図7−(b)に示すようにめねじ45の山部46側へ凹となった谷底刃24を挟んだ区間は山部46を切削し、形成する。このとき、工具本体がヘリカル送りされることで、図7−(b)に破線のa〜hで示すように谷底刃24は被削材40に対しては工具本体の軸方向(回転軸O方向)には、後方側(浅い側)から先端部側(深い側)へに移動しながら、工具本体の半径方向には、山部46から離れた側から山部46の表面に接近する向きに移動する。結果として谷底刃24の両側の追い側切れ刃14と進み側切れ刃13が山部46のそれぞれ下面と上面(両側面)を切削し、谷底刃24と両側の切れ刃13、14の一部が山部46の頂部を切削する。
仕上げ刃が図10−(a)に示す、面取り面のない、山頂刃15(山頂面16)と進み側切れ刃13と追い側切れ刃14からなる表面形状である場合、工具本体がヘリカル送りされたときには、図12−(a)に破線で示すような軌跡を描く。この結果、めねじの谷は図12−(b)に示すような、仕上げ刃の表面形状に沿った切削状態になり易く、凹曲面状に仕上げることはできないか、難しい。これは図10−(a)に示すように仕上げ刃の山頂刃15(山頂面16)が平坦面であることで、工具本体がヘリカル送りされながらも、めねじ側へ凸となった山頂面とその両側の角部が被削材に接触し続け、仕上げ刃の被削材への接触部分が稜線部分内で常に変化しにくいことによる。
これに対し、本発明では仕上げ刃12の山頂刃15(山頂面16)の軸方向両側に少なくとも2面の面取り面25、26を形成するだけで、上記のように曲面で構成された仕上げ刃12で切削した場合と同等の切削状態を得ることができる。従って仕上げ刃12の研削に要する手間が面取り面を形成しない場合(図10−(a))より山頂面16の軸方向片側に付き、少なくとも2面、多く面取り面を形成すればよいだけで済む。それでいながらも、被削材40に対する切削状態として図10−(c)に示す曲面状の仕上げ刃12と同等の結果が得られることになる。
山頂面16の軸方向片側に面取り面25を1面、形成した参考例としての図10−(b)に示す例との対比では、山頂面16の軸方向片側に付き、少なくとも1面、多く面取り面を形成するだけでよい。一方、山頂刃15付近が曲面で構成された図10−(c)に示す例との対比では、ねじ切り刃を研削するための総形砥石70を使用する必要がないため、砥石に偏摩耗を生じさせることが回避される。
図10−(b)に示すように山頂刃15(山頂面16)と進み側切れ刃13(進み側フランク面17)、及び追い側切れ刃14(追い側フランク面18)との間にそれぞれ面取り面25を1面しか形成しない場合、面取り面25と山頂面16とのなす角度、及び面取り面25と進み側フランク面17とのなす角度と、面取り面25と追い側フランク面18とのなす角度は十分に小さくはならない。図10−(b)に示す例の場合、面取り面25と山頂面16との間、または面取り面25とフランク面17、18との間にはどうしても角部が形成される(残される)。
この角部の形成(残存)により仕上げ刃によるめねじの谷部47の切削時に角部が被削材40に接触し続け、被削材40を切削し続ける傾向が生じ易い。但し、前記のように図10−(b)は従来の仕上げ刃の形状例を示している訳ではなく、図10−(a)に示す従来の仕上げ刃の形状例と本願発明の形状例の中間の形態を示している。
仕上げ刃12を回転方向に見た図10−(a)において、例えば進み側切れ刃13と山頂刃15のなす角度(内角)が120°であるとしたときに、(b)に示すように1面だけ形成された面取り面25が進み側切れ刃13(進み側フランク面17)と山頂刃15(山頂面16)の双方に同じ内角で交わるように形成された場合、面取り面25と進み側切れ刃13、及び山頂刃15とのなす角度は150°になる。面取り面25両側の外角は30°になる。ここでの「回転方向に見た」とは、図2に示す回転方向Rとは逆向きに仕上げ刃12を見たときのことを言う。以下、同様である。図2に示す回転方向Rは工具本体の回転の向きを示している。
これに対し、図5−(b)、図8−(b)に示すように山頂面16と進み側フランク面17、及び追い側フランク面18との間に2面の面取り面25、26を、隣接する面とのなす角度が等しくなるように形成した場合、各面取り面25、26両側の外角が15°になるため、(b)に示す例より角部の角度(内角)が大きくなる(165°)。この結果、角部の形成(残存)によるめねじの谷部47への影響が小さくなり、角部の被削材40への継続した接触が回避され易くなる。
本発明では1面の面取り面25を有する図10−(b)に示す形状の仕上げ刃に対し、もう1面の面取り面26を追加するだけのことで、図11に示す総形砥石70を用いて形成された図10−(c)に示す形状の仕上げ刃を使用してめねじ45の谷部47を形成したことと同等の結果を得ることが可能になっている。すなわち、本発明は図10−(b)に示す仕上げ刃への面取り面26の追加のみによりその(b)に示す形状の仕上げ刃から想定されるめねじ45の谷部47の形状を超え、図10−(c)に示す仕上げ刃の使用と同等の結果を得ている。このことから、図10−(b)に示す仕上げ刃に対する単なる面取り面の形成数の相違(増加)に留まらず、面取り面26の追加のみにより飛躍的な効果を獲得するに至っていると言える。
なお、図5−(b)に示すように山頂面16と進み側フランク面17との間、及び山頂面16と追い側フランク面18との間に形成された2面以上の面取り面25、26の、進み側フランク面17の稜線(進み側切れ刃13)と追い側フランク面18の稜線(追い側切れ刃14)に沿った方向の各幅P1、P2、Q1、Q2は山頂面16の稜線(山頂刃15)に沿った方向の幅S以下であることが適切である(請求項3)。P1、P2はフランク面17、18寄りの第一面取り面25の幅、Q1、Q2は山頂面16寄りの第二面取り面26の幅を指している。
面取り面25、26の幅P1、P2、Q1、Q2が山頂面16の幅S以下であることで、山頂面16の稜線である山頂刃15による、めねじ谷部47の最も深い部分(底)の切削幅が山頂面16の幅Sで決まる。このため、山頂刃15による谷部47の切削が、面取り面25、26を含む進み側切れ刃13と追い側切れ刃14による谷部47の切削より支配的になる。この結果、谷部47の底を含め、谷部47の多くの部分を、軸方向の移動と円運動をする山頂刃15が切削するため、谷部47の基本的な形状を山頂刃15が決定することができ、谷部47を精度よく形成することが可能になる。
例えば面取り面25a、26aの幅P1、P2、Q1、Q2が山頂面16の幅Sより大きい場合には、山頂刃15によるめねじ谷部47の切削より、進み側切れ刃13と追い側切れ刃14による谷部47の切削が支配的になり易いため、切削された谷部47の幅が小さくなり易く、谷部47の形状を決定付ける谷部47の切削精度が低下し易い。これに対し、山頂面16の幅Sが面取り面25a、26aの幅P1、P2、Q1、Q2以上であることで、谷部47の底付近における幅が山頂面16の幅Sで決まるため、山頂刃15の幅Sの精度を確保しておけば、山頂刃15(山頂面16)の形状通りに谷部47の形状を形成し易くなり、谷部47の切削精度を確保し易くなる利点がある。
山頂面16と進み側フランク面17との間、及び山頂面16と追い側フランク面18との間に2面以上の面取り面25a、26aが形成された仕上げ刃12はめねじ45の谷部47を精度よく切削するために、軸方向に2個以上、連続する(連結された形に形成される)こともある(請求項2)。「仕上げ刃12が軸方向に2個、連続する」とは、進み側フランク面17から山頂面16を経て追い側フランク面18までの山の部分が軸方向に谷底部20を挟んで連続して繰り返され、この山の部分が軸方向に連結された形に形成されることを言う。
この場合、隣接する2個の仕上げ刃12、12の内、工具本体の軸方向先端部側の仕上げ刃12の追い側フランク面18と、軸方向後方側の仕上げ刃12の進み側フランク面17との間に、半径方向中心側に凹となった谷底部20が形成される(請求項2)。ここで、前記のように主に山頂面16の回転方向前方側の端部(稜線)である山頂刃15がめねじ45の谷部47を形成(切削)し、主に谷底部20の回転方向前方側の端部(稜線)である谷底刃24がめねじ45の山部46を形成(切削)する関係で、図5−(a)に示すように谷底部20の凹部分の軸方向幅vは山頂面16の、工具本体の半径方向外周側へ凸となった凸部分の軸方向幅uより大きいことが適切である(請求項2)。「軸方向幅」は「工具本体の軸方向の距離」の意味である。「工具本体の半径方向外周側へ凸となった凸部分」には山頂面16の両側の各2面以上の面取り面25a、26aが含まれる(図5−(a))。
谷底部20の凹部分は仕上げ刃12を外周側から回転方向に見たときの、あるいは被削材40側から見たときの凹部分であり、凹曲面状に形成される場合(請求項4)と、平面状に形成される場合がある。「凹曲面状」は凹曲面に近い多面体状に形成される場合を含む。「平面状」とは、凹部分が仕上げ刃12の外周側から見たときに凹曲面状ではなく、平面状、または平面状に近い形状に形成されることを言う。
谷底部20の凹部分の軸方向幅vは図5−(a)に示すように凹部分とその軸方向先端部側に連続する追い側フランク面18(追い側切れ刃14)の曲率の変化箇所、もしくは屈曲箇所y1と、凹部分とその軸方向後方側に連続する進み側フランク面17(進み側切れ刃13)の曲率の変化箇所、もしくは屈曲箇所y2を軸方向に結ぶ直線の線分の長さを言う。同様に山頂面16の凸部分の軸方向幅uは凸部分とその軸方向先端部側に連続する進み側フランク面17(進み側切れ刃13)の曲率の変化箇所、もしくは屈曲箇所x1と、凸部分とその軸方向後方側に連続する追い側フランク面18(追い側切れ刃14)の曲率の変化箇所、もしくは屈曲箇所x2を軸方向に結ぶ直線の線分の長さを言う。「山頂面16の凸部分」は上記のように面取り面25a、26aを含み、厳密には回転方向に見たとき、多角形(多面体)状であるが、全体的には凸曲面状とも言える。
前記のように被削材40側へ凸になった山頂刃15とその両側の進み側切れ刃13及び追い側切れ刃14の一部が被削材40にめねじ45の谷部47を形成し、被削材40側へ凹になった谷底刃24とその両側の追い側切れ刃14及び進み側切れ刃13の一部が被削材40にめねじ45の山部46を形成する。このことから、山頂面16の凸部分の軸方向幅uが谷底部20の凹部分の軸方向幅vよりも大きければ(u>v)、被削材40に形成されるめねじ45の山部46の軸方向の幅が谷部47の幅より小さくなり易くなるため、めねじ45におねじを螺合させたときに、めねじ45の山部46に欠損を生じさせ易くなる。
これに対し、請求項2では谷底部20の凹部分の軸方向幅vが山頂面16の、工具本体の半径方向外周側へ凸となった凸部分の軸方向幅uより大きいことで(v>u)、めねじ45の山部46の幅を谷部47の幅より大きく確保し易くなる。この結果、めねじ45の山部46の幅を谷部47の幅より小さくなり易くなることが回避されるため、めねじ45におねじを螺合させたときに、めねじ45の山部46の欠損を生じさせにくくなる。
凹部分の軸方向幅vは具体的には凸部分の軸方向幅uの1.02〜1.20倍の範囲内、好ましくは1.025〜1.10倍の範囲内にあることが適切である。v=1.02〜1.20uの範囲内にあれば、図7−(a)、(b)に示すように工具本体がヘリカル送りされ、めねじ45の谷部47の切削のために山頂刃15が軸方向に移動しても、めねじ45の山部46の幅をめねじ45の谷部47の幅より大きく確保し易くなる。
仕上げ刃12が軸方向に2個以上、連続している場合(請求項2〜5)、軸方向先端部寄りの仕上げ刃12による被削材40の削り残しを、後方側の仕上げ刃12が加工する。従って軸方向先端部寄りの仕上げ刃12が摩耗した場合でも、後方側の仕上げ刃12が被削材40を加工することができるため、被削材40に対する加工精度が向上すると共に、工具本体の寿命を長期化させることが可能になる。
仕上げ刃12が軸方向に2個以上、連続している場合に(請求項2〜5)、軸方向先端部寄りの仕上げ刃12と後方側の仕上げ刃12の機能を分離させ、後方側の仕上げ刃12が先端部寄りの仕上げ刃12の切削を補う役目を持たせる上では、図5−(a)に示すように仕上げ刃12を回転方向R前方側から(仕上げ刃12を回転方向に)見たとき、あるいは工具本体の回転軸Oを通る断面で見たとき、軸方向に連続する2個の仕上げ刃12、12の内、軸方向先端部寄りに位置する仕上げ刃12の頂点と、その軸方向後方側に隣接する仕上げ刃12の頂点を通る直線Tと、回転軸とのなす角αが0〜5.0°の範囲内にあることが適切である(請求項6、請求項7)。
この場合、工具本体の回転軸Oを通る断面で仕上げ刃12を見たとき(仕上げ刃12を回転方向に見たとき)、回転軸Oから半径方向外周側に、軸方向の後方側の仕上げ刃12の山頂刃15が先端部側の仕上げ刃12の山頂刃15と同じだけ突出するか(α=0°)、図5−(a)に示すように先端部側の仕上げ刃12の山頂刃15より僅かに突出する状態になる(α>0°)。「同じだけ突出する」とは、軸方向の後方側の仕上げ刃12の山頂刃15が先端部側の仕上げ刃12の山頂刃15を通る直線(先端部側の仕上げ刃12の山頂刃15を含む平面)上に位置することを意味する。
特に図5−(a)に示すように先端部側の仕上げ刃12の山頂刃15より僅かでも突出する場合、すなわちα(軸方向先端部寄りに位置する仕上げ刃12の頂点と、その軸方向後方側に隣接する仕上げ刃12の頂点を通る直線と、回転軸Oとのなす角)が0°より大きい場合(請求項7)には、工具本体がヘリカル送りされることで、後方側の仕上げ刃12が先端部側の仕上げ刃12によるめねじ45の谷部47の切削を補い、谷部47の切削を仕上げる働きをする。従ってこの場合、軸方向に連続する2個以上の仕上げ刃12、12の機能が分離し、各仕上げ刃12の被削材40から受ける抵抗が分散するため、仕上げ刃12の破損に対する安全性が一層、向上する利点を有する。
仕上げ刃の進み側フランク面と山頂面との間、及び山頂面と追い側フランク面との間に2面以上の面取り面を形成することで、山頂面付近を多面体形状に形成するため、工具本体をヘリカル送りしながら、被削材のめねじの谷部を切削するときに、被削材への接触部分を稜線部分内で常に変化させることができる。この結果、被削材の谷部の形状を、ねじ切り刃の表面が曲面で構成された形状のねじ切り刃で切削した場合と変わりがない谷部の切削状態を得ることができる。すなわち、ねじ切り刃の山頂刃の軸方向両側に少なくとも2面の面取り面を形成するだけで、曲面で構成されたねじ切り刃で切削した場合と同等の切削状態を得ることができる。
従ってねじ切り刃の研削に要する手間が面取り面を形成しない場合より少なくとも1面、多く面取り面を形成すればよいだけで済みながらも、被削材に対する切削状態として曲面のねじ切り刃と同等の結果を得ることができる。
また山頂刃付近が曲面で構成されたねじ切り刃を研削するための総形砥石を使用する必要がないため、砥石に偏摩耗を生じさせることを回避することができる。
ねじ切り刃が先行刃と仕上げ刃を有する本発明のねじ切りフライスの製作例を示した側面図である。 ねじ切りフライスを底刃側から軸方向に見た図1の拡大端面図である。 図1のねじ切りフライスの切れ刃部の拡大図である。 図3のねじ切りフライスを底刃側から見た斜視図である。 図4−(a)の拡大図である。 (a)は図3の破線部分の拡大図、(b)は(a)の破線部分の拡大図である。 ねじ切りフライスを用いた管用めねじの切削の状況を示した縦断面図である。 被削材のめねじの谷部内でのねじ切りフライスの山頂刃の移動の軌跡を示した縦断面図である。 被削材のめねじの山部周囲での谷底刃の移動の軌跡を示した縦断面図である。 (a)は本発明のねじ切りフライスに第二面取り面を形成する様子を示した側面図、(b)は(a)のねじ切りフライスに第一面取り面を形成する様子を示した側面図である。 ねじ切り刃が3個の仕上げ刃からなる本発明の他のねじ切りフライスの製作例を示した側面図である。 (a)は面取り面のない従来のねじ切りフライスの仕上げ刃を示した側面図、(b)は(a)に示す例の仕上げ刃に対し、参考までに1面の面取り面を形成した場合のねじ切りフライスの仕上げ刃を示した側面図、(c)は山頂面から両側のフランク面にかけて凸曲面状に形成された従来のねじ切りフライスの仕上げ刃を示した側面図である。 山頂刃が曲面状に形成された図10−(c)に示すねじ切り刃の凸曲面を加工するための総形砥石を使用した研削方法を示した模式図である。 (a)は図10−(a)に示す従来の仕上げ刃が被削材にめねじの谷部を形成するときの移動の軌跡を示した縦断面図、(b)は(a)の仕上げ刃による谷部の形成状態を示した縦断面図である。
図1は工具本体の軸方向先端部側の外周に、半径方向中心側から外周側へ向け、周方向に間隔を置いて複数のねじ切り刃4が形成された切れ刃部2を備え、ヘリカル送りされることにより被削材40にめねじ45を形成するねじ切りフライス(工具本体とも言う)1の製作例を示す。図面ではねじ切り刃4(4a〜4d)が底刃付き4枚刃の例を示している。ねじ切り刃4の枚数が3枚未満では加工能率が低下し、6枚を超えれば、切屑排出量の減少による切屑の詰まりが生じ易いことから、ねじ切り刃4の枚数は3〜6枚が適切である。以下では図示する4枚刃の例に基づいてねじ切りフライス1を説明する。
ねじ切りフライス1は図1に示すように回転軸Oに沿い、工具本体の軸方向先端部の切れ刃部2と、工具本体の軸方向後方側に形成された円柱状のシャンク部3と、切れ刃部2とシャンク部3との間に形成され、切れ刃部2とシャンク部3との間の距離を確保する首部60の3部分を有する。切れ刃部2には工具本体の周方向(回転方向)に刃溝21を隔て、間隔を置いて配列する複数のねじ切り刃4a〜4dが形成される。
図1はねじ切り刃4a〜4dが、工具本体の軸方向先端部側に位置し、被削材40に形成されるめねじ45の谷部47を荒切削する先行刃5a〜5dと、先行刃5a〜5dの軸方向後方側に位置し、先行刃5a〜5dの切削した谷部47を仕上げ切削する仕上げ刃12a〜12dを備える場合の例を示している。但し、図9に示すように先行刃5は不在の場合もある。
図3に示すように仕上げ刃12a〜12dの、回転軸Oからの山の高さは先行刃5a〜5dの山の高さより大きい。先行刃5a〜5dと仕上げ刃12a〜12dを含むねじ切り刃4a〜4dの、図2に示す回転方向R前方側には図3、図4に示すように凹曲面をなすすくい面19a〜19dが形成される。このねじ切り刃4a〜4dとすくい面19a〜19dとの間の境界線である連続する凸の稜線が先行刃5a〜5dと仕上げ刃12a〜12dの切れ刃であり、詳しくは後述の進み側切れ刃6a〜6d、13a〜13dと追い側切れ刃7a〜7d、14a〜14d等の各切れ刃である。
切れ刃部2の軸方向先端部には図2、図4−(a)に示すように被削材40にめねじ穴を切削する底刃30a〜30dが回転軸Oから半径方向外周側に向けて形成され、図2に示すように底刃30a〜30dの回転方向前方側にすくい面32a〜32dが形成され、回転方向後方側に逃げ面31a〜31dが形成される。ねじ切り刃4a〜4dのすくい面19a〜19dは図3、図4に示すように底刃30a〜30dのすくい面32a〜32dとは異なる面をなし、すくい面32a〜32dの軸方向後方側で、回転方向後方側に位置する。
底刃30a〜30dの各すくい面32a〜32dと、それぞれの回転方向前方側に位置する底刃30b〜30aの逃げ面31b〜31aとの間に、底刃30a〜30dが切削した切屑を排出するためのギャッシュ33a〜33dが形成される。ギャッシュ33a〜33dは工具本体の軸方向に、ギャッシュ33a〜33dの切屑を排出するための、首部60にまで形成される刃溝21a〜21dに連続する。
刃溝21a〜21dは図3、図4に示すようにギャッシュ33a〜33dに軸方向に、あるいは軸方向に沿って連続する溝底面22a〜22dとその回転方向前方側の溝壁面23a〜23dと、回転方向後方側のねじ切り刃4a〜4dのすくい面19a〜19dから構成される。「連続する」とは、互いに異なる面をなしながらも、空間的に連続することを意味し、「隣接する」、または「連通する」と同義である。
ねじ切り刃4a〜4dが先行刃5a〜5dを有する場合、図2〜図4に示すように底刃30a〜30dの半径方向外周側の端部から先行刃5a〜5dが連続して形成される。先行刃5と仕上げ刃12は回転方向前方側から見たとき(回転方向に見たとき))、図1、図3に示すようにめねじ45の谷部47の形状に対応した凸形状をするため、先行刃5a〜5dは細かく言えば、軸方向先端部側から後方側へかけ、進み側切れ刃6a〜6dと山頂刃8a〜8dと追い側切れ刃7a〜7dの3部分から構成される。同様に仕上げ刃12a〜12dも軸方向先端部側から後方側へかけて進み側切れ刃13a〜13dと山頂刃15a〜15dと追い側切れ刃14a〜14dの3部分から構成される。
先行刃5a〜5dと仕上げ刃12a〜12dの内、主に山頂刃8a〜8d、15a〜15dがめねじ45の谷部47を切削する。「主に」とは、山頂刃8a〜8d、15a〜15dを軸方向に挟んだ進み側切れ刃6a〜6d、13a〜13dと追い側切れ刃7a〜7d、14a〜14dの山頂刃8a〜8d、15a〜15dに近い部分も谷部47の切削に関与することがある意味である。
先行刃5a〜5dの進み側切れ刃6a〜6dと山頂刃8a〜8d及び追い側切れ刃7a〜7dの各回転方向後方側には図2、図4−(b)に示すようにそれぞれの逃げ面としての進み側フランク面10a〜10d、山頂面9a〜9d、追い側フランク面11a〜11dが形成される。同様に仕上げ刃12a〜12dの進み側切れ刃13a〜13dと山頂刃15a〜15d及び追い側切れ刃14a〜14dの各回転方向後方側にはそれぞれの逃げ面としての進み側フランク面17a〜17d、山頂面16a〜16d、追い側フランク面18a〜18dが形成される。
先行刃5a〜5dの追い側フランク面11a〜11dとそれに軸方向に隣接する仕上げ刃12a〜12dの進み側フランク面17a〜17dとの間には、図3、図4−(a)に示すようにめねじ45の山部46を形成する谷底部20a〜20dが形成される。仕上げ刃12a〜12dが軸方向に連続する場合には、図4−(b)に示すように軸方向先端部側の仕上げ刃12a〜12dの追い側フランク面18a〜18dと後方側の仕上げ刃12a〜12dの進み側フランク面17a〜17dとの間にも谷底部20a〜20dが形成される。谷底部20a〜20dの回転方向前方側の稜線はめねじ45の山部46を切削する谷底刃24a〜24dになる。
主に谷底刃24a〜24dはめねじ45の山部46を切削するが、図7−(b)に示すように谷底刃24a〜24dに軸方向に隣接する追い側切れ刃7a〜7d、14a〜14dと進み側切れ刃13a〜13dの谷底刃24a〜24dに近い部分も山部46の切削に関与することがある。
仕上げ刃12a〜12dの進み側フランク面17a〜17dと山頂面16a〜16dとの間、及び山頂面16a〜16dと追い側フランク面18a〜18dとの間には図3の破線部分の拡大図である図5−(a)、(b)に示すように2面以上の第一面取り面25a〜25dと第二面取り面26a〜26dが形成される。
仕上げ刃12a〜12dを回転方向に見たとき、第一面取り面25a〜25dと第二面取り面26a〜26dは互いに角度をなすため、第一面取り面25a〜25dと山頂面16a〜16dとのなす角度と、第二面取り面26a〜26dと山頂面16a〜16dとのなす角度は相違する。2面の面取り面25、26の内、山頂面16a〜16dから遠い側の面取り面25を第一面取り面25a〜25dと言い、近い側の面取り面26を第二面取り面26a〜26dと言う。
第一面取り面25a〜25dは第二面取り面26a〜26dより山頂面16a〜16dから遠くに形成される関係で、図5−(b)に示すように第一面取り面25a〜25dの山頂面16a〜16dとのなす角度θ1は、山頂面16a〜16d寄りの第二面取り面26a〜26dの山頂面16a〜16dとのなす角度θ2より大きい。第一面取り面25a〜25dと第二面取り面26a〜26dの山頂面16a〜16dとのなす角度θ1、θ2が相違することから、第一面取り面25a〜25dと第二面取り面26a〜26dは図8−(a)、(b)に示すように各面取り面25a〜25d、26a〜26dの傾斜角度に応じた砥石面75a、76aを持つ角形砥石75、76に研削されることにより形成される。
図5−(a)はまた、工具本体の軸方向先端部側の仕上げ刃12の山頂刃15を通り、回転軸Oと平行な、実線で示す直線と、軸方向先端部側の仕上げ刃12の頂点と、その軸方向後方側に隣接する仕上げ刃12の頂点を通る、一点鎖線で示す直線とのなす角度αが0°より大きい場合の例を示している。
この例では軸方向先端部側の仕上げ刃12が被削材40を先行して切削するか、先行刃5に続いて切削し、その後、軸方向後方側に隣接する仕上げ刃12が被削材40を切削することで、先端部側の仕上げ刃12が被削材40を荒切削(荒加工)し、後方側の仕上げ刃12が仕上げ切削(仕上げ加工)をする役割を分担することができる。このため、先端部側の仕上げ刃12が仕上げ切削まで継続して切削する場合より、先端部側の仕上げ刃12の摩耗とそれによる折損の可能性を低下させることができるため、先端部側の仕上げ刃12の摩耗と破損に対する安全性を向上させることができる。
ねじ切りフライス1は工具本体のシャンク部3を把持し、工具本体をヘリカル送り可能なマシニングセンター等のNC工作機械の主軸に装着される。その状態で、ねじ切りフライス1は図6に示すように工具本体の回転軸Oを中心として自転しながら、回転軸Oから偏心した、回転軸Oに平行な公転軸OREの回りにも回転(公転)させられたまま、軸方向先端部側へ送り出されることにより被削材40に下穴とめねじ45を形成する。
ねじ切りフライス1が図6に示すようにヘリカル送りされて回転軸O回りに自転しながら、公転軸OREの回りに回転させられ、ねじ切り刃4の仕上げ刃12が被削材40のめねじ45の谷部47を切削しているときの様子を図7−(a)に示し、山部46を切削しているときの様子を図7−(b)に示す。
図7−(a)に破線で示すように谷部47は主に仕上げ刃12の山頂刃15a〜15dとその軸方向両側の進み側切れ刃13a〜13d、及び追い側切れ刃14a〜14dが図中、a〜eで示する軌跡50を描くことにより切削される。進み側切れ刃13a〜13dと追い側切れ刃14a〜14dは第一面取り面25a〜25dと第二面取り面26a〜26dの稜線(進み側切れ刃13と追い側切れ刃14)を含む。仕上げ刃12はa〜eの破線の軌跡50で示すように工具本体の軸方向(回転軸O方向)先端部側(図7−(a)の下側)へ送られながら、谷部47の形状に沿い、被削材40の山部46側から谷部47側へ一旦移動した後、谷部47側から山部46側へ移動する。a〜eは移動の順序を示すが、a〜eが指す各破線自体が仕上げ刃12を示している。図7−(a)の下側は図6の下側である。図7−(a)中、右側が山部46側であり、左側が谷部47側である。
仕上げ刃12が上記の軸方向先端部側への移動を伴いながら、山部46側から谷部47側へ移動するときには、山頂刃15と追い側切れ刃14及び進み側切れ刃13が被削材40を切削する。谷部47の底付近では主に山頂刃15とその両側に隣接する面取り面26a、26aの稜線(進み側切れ刃13a〜13dと追い側切れ刃14a〜14d)が被削材40を切削する。仕上げ刃12が上記の軸方向先端部側への移動を伴いながら、谷部47から山部46へ移動するときには、主に山頂刃15と進み側切れ刃13が被削材40を切削する。
このように谷部47内での仕上げ刃12の深さ方向(めねじ45の径方向)の位置、及び回転軸O方向の位置に応じ、被削材40の切削に関与する刃が変化し、各刃における切削する部分も相違する。このときの軌跡50(a〜e)の谷部47の内周面寄りの点を結んだ曲線(包絡線)が被削材40に形成される谷部47の形状になる。ここで、山頂刃15の軸方向両側に第一面取り面25と第二面取り面26が形成されていることで、仕上げ刃12の表面全体が凸曲面状に形成されている場合と変わらない凹曲面状の谷部47を形成することが可能になっている。
仕上げ刃12、12間の谷底刃24がめねじ45の山部46を切削するときには、図7−(b)に示すように谷底刃24とその軸方向両側の追い側切れ刃14及び進み側切れ刃13が破線a〜hで示す軌跡51を描くことにより山部46の周囲を切削する。このときにも、仕上げ刃12は軸方向先端部側へ送られるときに、a〜hに示すように山部46の形状に沿い、山部46の外周側から山部46の表面に接近するように移動する。
図7−(b)中、谷底刃24が山部46と距離を置いた、aで示す位置にあるときには、谷底刃24の軸方向先端部側にある追い側切れ刃14が山部46の下面側を切削する。b〜hに示すように谷底刃24が山部46に接近するに従い、工具本体は被削材40に対して降下するため、谷底刃24の軸方向後方側にある進み側切れ刃13が山部46の上面側を切削し、主に谷底刃24が山部46の頂部を切削する。
山部46の頂部とその付近を主に谷底刃24が切削するため、山部46の頂部を凸曲面状に切削する上では、谷底刃24が凹曲面状に形成されていることが合理的である。凹曲面状とは、凹曲面であることと、多面体でありながら、全体として凹曲面と同等であることを含む。谷底刃24とその軸方向両側の追い側切れ刃14及び進み側切れ刃13が山部46の表面を切削するときには、軌跡51(a〜h)の最も被削材40寄りの線を結んだ曲線が山部46の形状になる。
図9は図1に示す例における底刃30と先行刃5がなく、工具本体の軸方向に連続する3個の仕上げ刃12のみからねじ切り刃4が形成されるねじ切りフライス100の製作例を示す。図1に示す底刃30付きのねじ切りフライス1は無垢の被削材40に対し、下穴とめねじ45(山部46と谷部47)を同時に加工することができる。但し、被削材40が高硬度材である場合等、一度のヘリカル送りでの加工により底刃30が折れ込む危険性がある場合ように、予め他のドリル等により下穴を穿設した後にめねじ45を形成する場合に、図9に示すねじ切りフライス100が用いられる。
図9に示すねじ切りフライス100においても、各仕上げ刃12の進み側フランク面17と山頂面16との間、及び山頂面16と追い側フランク面18との間に2面以上の面取り面25、26が形成される。
1……ねじ切りフライス、
2……切れ刃部、
3……シャンク部、
4a、4b、4c、4d……ねじ切り刃、
5a、5b、5c、5d……先行刃、
6a、6b、6c、6d……先行刃の進み側切れ刃、
7a、7b、7c、7d……先行刃の追い側切れ刃、
8a、8b、8c、8d……先行刃の山頂刃、
9a、9b、9c、9d……先行刃の山頂面、
10a、10b、10c、10d……先行刃の進み側フランク面、
11a、11b、11c、11d……先行刃の追い側フランク面、
12a、12b、12c、12d……仕上げ刃、
13a、13b、13c、13d……仕上げ刃の進み側切れ刃、
14a、14b、14c、14d……仕上げ刃の追い側切れ刃、
15a、15b、15c、15d……仕上げ刃の山頂刃、
16a、16b、16c、16d……仕上げ刃の山頂面、
17a、17b、17c、17d……仕上げ刃の進み側フランク面、
18a、18b、18c、18d……仕上げ刃の追い側フランク面、
19a、19b、19c、19d……ねじ切り刃のすくい面、
20a、20b、20c、20d……谷底部、
21a、21b、21c、21d……刃溝、
22a、22b、22c、22d……溝底面、
23a、23b、23c、23d……溝壁面、
24a、24b、24c、24d……谷底刃、
25a、25b、25c、25d……第一面取り面、
26a、26b、26c、26d……第二面取り面、
30a、30b、30c、30d……底刃、
31a、31b、31c、31d……底刃の逃げ面、
32a、32b、32c、32d……底刃のすくい面、
33a、33b、33c、33d……ギャッシュ、
40……被削材、
45……めねじ、
46……山部、
47……谷部、
50……仕上げ刃の軌跡、
51……谷底刃の軌跡、
60……首部、
70……総形砥石、
75……角形砥石、75a……砥石面、76……角形砥石、76a……砥石面、
100……(底刃なし)ねじ切りフライス、
O……回転軸(自転軸)、
RE……加工時の工具公転軸、
P1、P2……第一面取り面の幅、
Q1、Q2……第二面取り面の幅、
R……工具本体の回転方向(自転方向)、
RE……工具本体の公転方向、
S……山頂面の幅、
T……仕上げ刃の頂点を結ぶ直線、
u……山頂面の軸方向幅、
v……谷底部の軸方向幅、
x1……進み側切れ刃と第一面取り面との交点、
x2……追い側切れ刃と第一面取り面との交点、
y1……谷底刃と追い側切れ刃との交点、
y2……谷底刃と進み側切れ刃との交点、
α……仕上げ刃の頂点を結ぶ直線と回転軸とのなす角度、
θ1……第一面取り面と山頂面とのなす角度、
θ2……第二面取り面と山頂面とのなす角度。

Claims (8)

  1. 工具本体の軸方向先端部側の外周に、半径方向中心側から外周側へ向け、周方向に間隔を置いて複数のねじ切り刃が形成された切れ刃部を備え、ヘリカル送りされて被削材にめねじを形成するねじ切りフライスであり、
    前記ねじ切り刃は、前記工具本体の軸方向先端部側から後方側へかけ、進み側フランク面とこれに軸方向に連続する山頂面、及びこれに軸方向に連続する追い側フランク面を持つ、前記めねじを形成するための仕上げ刃を少なくとも有し、
    前記進み側フランク面と前記山頂面との間、及び前記山頂面と前記追い側フランク面との間にそれぞれ2面以上の面取り面が形成されていることを特徴とするねじ切りフライス。
  2. 前記仕上げ刃は軸方向に2個以上、連続し、この2個以上の仕上げ刃の内、前記工具本体の軸方向先端部側の仕上げ刃の前記追い側フランク面と、軸方向後方側の仕上げ刃の前記進み側フランク面との間に形成された、半径方向中心側に凹となった谷底部の凹部分の軸方向幅vは前記山頂面の、前記工具本体の半径方向外周側へ凸となった凸部分の軸方向幅uより大きいことを特徴とする請求項1に記載のねじ切りフライス。
  3. 前記面取り面の前記進み側フランク面と前記追い側フランク面の稜線に沿った方向の幅P、Qは前記山頂面の稜線に沿った方向の幅S以下であることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載のねじ切りフライス。
  4. 前記仕上げ刃は軸方向に2個以上、連続し、この2個以上の仕上げ刃の内、前記工具本体の軸方向先端部側の仕上げ刃の前記追い側フランク面と、軸方向後方側の仕上げ刃の前記進み側フランク面との間に、半径方向中心側に凹となった凹曲面状の谷底部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のねじ切りフライス。
  5. 前記ねじ切り刃は、前記工具本体の軸方向先端部側に位置する先行刃と、この先行刃の軸方向後方側に位置し、前記先行刃の山の高さより山の高さが大きい仕上げ刃を備え、前記仕上げ刃は軸方向に2個以上、連続していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のねじ切りフライス。
  6. 前記工具本体を回転軸を通る断面で見たとき、軸方向に連続する2個の仕上げ刃の内、軸方向先端部寄りに位置する仕上げ刃の頂点と、その軸方向後方側に隣接する仕上げ刃の頂点を通る直線と、前記回転軸とのなす角が0〜5.0°の範囲内にあることを特徴とする請求項2乃至請求項5に記載のねじ切りフライス。
  7. 前記軸方向先端部寄りに位置する仕上げ刃の頂点と、その軸方向後方側に隣接する仕上げ刃の頂点を通る直線と、前記回転軸とのなす角が0°より大きいことを特徴とする請求項6に記載のねじ切りフライス。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のねじ切りフライスを、工具本体の回転軸Oを中心として自転させたまま、回転軸Oから偏心した、回転軸Oに平行な公転軸OREの回りに回転させながら、軸方向先端部側の被削材側へ送り、前記被削材にめねじの谷部と山部を形成することを特徴とするねじ切りフライスを用いた管用めねじ加工方法。
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