JPWO2017013737A1 - エレベータ装置 - Google Patents

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Abstract

エレベータ装置は、綱車(5)とモータとブレーキとを備えた巻上機(4)と、カゴ(1)とおもり(2)とを繋ぎ、綱車(5)に巻回されたロープ(3)と、綱車(5)とおもり(2)との間に設けられ、ロープ(3)が巻回されたそらせ車(6)と、そらせ車(6)を支持し、そらせ車(6)の垂直方向の移動を可能にするそらせ車取付梁(7)と、カゴ(1)のカゴ内負荷の値に応じて、そらせ車(6)の垂直方向の位置を制御するバネ(10)とを備え、バネ(10)は、カゴ内負荷の増加に応じてそらせ車(6)を下方に移動させ、カゴ内負荷の減少に応じてそらせ車(6)を上方に移動させるものである。

Description

この発明はエレベータ装置に関し、特に、カゴ内負荷に応じて非常停止時の減速度を制御して衝撃を緩和させるエレベータ装置に関する。
従来のエレベータ装置の巻上機は、綱車と、そらせ車と、綱車を回転させるためのモータと、綱車の回転を制動するためのブレーキとを有している。綱車及びそらせ車には、ロープが巻き掛けられている。ロープの一端には、カゴが連結されている。また、ロープの他端には、おもりが連結されている。カゴおよびおもりは、モータにより、昇降路内を昇降される。また、カゴの到着時には、ブレーキにより、綱車の回転が制動され、カゴが停止する。
また、カゴの下側には、非常止めが設けられている。非常止めは、非常時に、昇降路に設けられたガイドレールに係合して、カゴの昇降を阻止する。非常止めは、ロープが切れた場合、および、何らかの原因でカゴが定格速度を超える速度で降下し始めた場合にのみ、使用される。従って、地震などの非常停止時においても、通常は、巻上機のブレーキにより、カゴが停止される。
従来のエレベータ装置の竣工の際には、巻上機のブレーキの試験が行われる。当該試験の結果に基づき、必要に応じて、ブレーキトルクの調整を行う。
また、従来のエレベータ装置の竣工の際には、非常止めの試験も行なう。当該試験においては、カゴを停止させた状態で、非常止めを作動させて、カゴが下降する方向にモータを駆動させる。このとき、カゴは非常止めによって昇降が阻止されているので、カゴは移動しない。そのため、ロープが緩み、その結果、綱車が空転し始める。一方、もし、非常止めの阻止力が不十分であれば、ロープが緩まず、カゴが下降する。このことから、カゴが下降しなければ、非常止めが良好であると判断できる。
非常止めの試験は上記のように行うので、試験時には、巻上機のモータは、綱車が空転を始めるのに十分な非常に大きなトルクを出す必要がある。巻上機のモータの容量は、このトルクの大きさによって決定される。
しかしながら、このトルクの大きさは、実使用の運転に必要なトルクよりも大きい。従って、実使用の運転に必要なトルクに基づいて、巻上機のモータの容量を決定することができれば、モータの容量を小さくすることができる。
そこで、特許文献1においては、そらせ車の位置を移動させるための可動装置が設けられている。可動装置は、非常止めの試験時に、そらせ車の位置を、通常運転時の位置よりも上昇させる。これにより、綱車へのロープの巻き付け角が小さくなる。その結果、ロープのトラクションを小さくすることが可能となる。これにより、非常止めの試験に用いるトルクを小さくすることができる。その結果、モータの容量を小さくすることができる。
特開2002−348073号公報
特許文献1では、竣工時の試験を行うときにのみ、そらせ車の位置を変更している。試験終了後、そらせ車の位置を元の位置に戻す。従って、特許文献1では、エレベータの運行中に、そらせ車の位置を変化させる事は出来ない。
上述したように、通常運転時においては、カゴは、巻上機のブレーキにより、停止される。また、地震などの非常停止時においても、巻上機のブレーキにより、カゴが停止される。停止するための必要なブレーキトルクは、カゴ内の負荷の大きさによって変化する。
しかしながら、従来のエレベータ装置においては、竣工時にブレーキトルクの調整を行っている。従って、ブレーキトルクは常に一定である。従来のエレベータ装置においては、カゴ内の負荷変動に応じて、ブレーキトルクを変化させることはできない。上記の特許文献1においても、ブレーキトルクは常に一定である。
通常のカゴの着床時においては、予め設定された停止速度パターンに基づいてカゴが停止する。従って、適切な停止速度パターンを選択していれば、ブレーキトルクが一定であっても、乗客に衝撃を与えることはない。
しかしながら、非常停止時においては、通常の停止速度パターンよりも速い停止速度パターンで、カゴを停止させる。このとき、ブレーキトルクが一定であると、カゴ内負荷が小さい場合には、不必要に大きな減速度が発生してしまう。そのため、カゴが急激に停止してしまうので、カゴからの衝撃を乗客に与えてしまっていた。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、カゴ内負荷に応じて減速度を制御して、カゴの停止時の衝撃を緩和させることが可能なエレベータ装置を得ることを目的としている。
この発明は、綱車と、前記綱車を回転させるモータと、前記綱車を制動するブレーキと、を備えた巻上機と、カゴとおもりとを繋ぎ、前記綱車に巻回された、ロープと、前記綱車と前記おもりとの間に設けられ、前記ロープが巻回された、そらせ車と、前記そらせ車を支持し、前記そらせ車の垂直方向の移動を可能にする、そらせ車取付梁と、前記カゴのカゴ内負荷の値に応じて、前記そらせ車の垂直方向の位置を制御する位置制御部とを備え、前記位置制御部は、前記カゴ内負荷の増加に応じて前記そらせ車を下方に移動させ、前記カゴ内負荷の減少に応じて前記そらせ車を上方に移動させる、エレベータ装置である。
この発明においては、位置制御部が、カゴ内負荷の増加に応じてそらせ車を下方に移動させ、カゴ内負荷の減少に応じてそらせ車を上方に移動させるようにした。それにより、ロープのトラクションを変化させることができるので、カゴ停止時の減速度を制御して、カゴの停止時の衝撃を緩和させることができる。
この発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成を示す部分正面図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成を示す部分側面図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成を示す部分正面図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成を示す部分側面図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成を示す部分正面図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成を示す部分側面図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成を示す部分正面図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成を示す部分側面図である。 一般的なエレベータ装置におけるカゴ減速度とカゴ内負荷率との関係をグラフで示した説明図である。 この発明の実施の形態1に係るバネによるそらせ車の垂直方向位置の自動調整の原理について説明した説明図である。
カゴを停止させるために必要なブレーキトルクは、カゴ内負荷の値に応じて変化する。しかしながら、従来のエレベータ装置においては、竣工時の試験の際にブレーキトルクの調整を行うため、ブレーキトルクは常に一定であった。そのため、従来のエレベータ装置においては、カゴ内負荷が小さい状態で、カゴが非常停止した場合、大きな減速度が発生していた。そこで、この発明に係るエレベータ装置では、カゴ内負荷変動に応じて、そらせ車の垂直方向位置を自動的に調整できる機構を設けている。これにより、ロープのトラクションを制御し、カゴ停止時の衝撃を緩和させる。
以下、この発明を実施するための実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成を示す模式的な構成図である。図1に示すように、カゴ1及びおもり2が昇降路内に設けられている。昇降路の上部には、巻上機4が設けられている。巻上機4は、カゴ1及びおもり2を昇降させる。巻上機4は巻上機本体と綱車5とを有している。巻上機本体は、モータとブレーキとを含む。綱車5は、モータにより回転される。綱車5には、複数本のロープ3が巻き掛けられている。また、綱車5とおもり2との間にはそらせ車6が配置されている。そらせ車6にも、ロープ3が巻き掛けられている。ロープ3の一端にはカゴ1が連結されている。ロープ3の他端にはおもり2が連結されている。カゴ1及びおもり2は、ロープ3により、昇降路内に吊り下げられている。カゴ1及びおもり2は、綱車5の回転により昇降路1内を昇降される。
また、巻上機4は、巻上機台8に載置されている。巻上機台8は、昇降路の上部に固定されている。巻上機台8には、そらせ車6を取り付けるためのそらせ車取付梁7が設けられている。そらせ車取付梁7は、そらせ車6を支持している。そらせ車取付梁7は、そらせ車6の垂直方向の移動を可能にしている。そらせ車取付梁7は、矩形形状を有している。そらせ車取付梁7の長手方向は、垂直方向、すなわち、昇降方向である。巻上機台8も矩形形状である。巻上機台8の長手方向は、水平方向である。従って、巻上機台8の垂直方向の長さは、そらせ車取付梁7の垂直方向よりも短い。そらせ車取付梁7には、そらせ車6を垂直方向に移動させるための上下調整用溝9が設けられている。上下調整用溝9は、垂直方向、すなわち、昇降方向に延びている。上下調整用溝9内には、そらせ車6の中心軸61が挿入されている。そらせ車6の中心軸61は、上下調整用溝9に案内されて、垂直方向に移動することができる。このように、そらせ車取付梁7は、そらせ車6を支持するとともに、そらせ車6を垂直方向に移動させる。
図2A、図2B、および、図3A、図3Bは、本実施の形態に係るエレベータ装置の部分詳細図である。図2A、図2Bが、カゴ内負荷が小さい場合を示し、図3A、図3Bが、カゴ内負荷が大きい場合を示している。また、図2Aが正面図、図2Bが図2Aに対応する側面図である。同様に、図3Aが正面図、図3Bが図3Aに対応する側面図である。
図2A、図2B、および、図3A、図3Bに示すように、1対のそらせ車取付梁7と、1対の巻上機台8とが設けられている。図2Bおよび図3に示すように、2つの巻上機台8は、背中合わせに設けられている。2つの巻上機台8の間には、そらせ車取付梁7が設けられている。そらせ車取付梁7も、背中合わせに設けられている。各そらせ車取付梁7を、各巻上機台8が支持している。2つのそらせ車取付梁7の間には、そらせ車7が配置されている。図2B、図3Bに示されるように、各そらせ車取付梁7の上端71と下端72とは、同方向に、直角に折り曲げられている。従って、図2B及び図3Bに示すように、各そらせ車取付梁7の側面の形状は、コの字型になっている。同様に、各巻上機台8の上端81と下端82とは、同方向に、直角に折り曲げられている。従って、各巻上機台8の側面の形状は、図2B及び図3Bに示すように、コの字型になっている。各そらせ車取付梁7の上端71が、各巻上機台8の上端81の上に、配置されている。各そらせ車取付梁7の上端71の下面と、各巻上機台8の上端81の上面とが、接合されている。各そらせ車取付梁7の垂直方向の長さは、各巻上機台8の垂直方向の長さよりも長い。従って、各そらせ車取付梁7の下端72は、各巻上機台8の下端82よりも、下方に位置している。そのため、各巻上機台8の下端82と各そらせ車取付梁7の下端72との間には、空間がある。この空間内を、そらせ車6の中心軸61が、対向して配置された2つの上下調整用溝9に案内されて、垂直方向に移動する。上下調整用溝9は、この空間に対応する部分のそらせ車取付梁7に形成されている。上下調整用溝9は、貫通穴である。そらせ車6の中心軸61の両端は、これらの上下調整用溝9に挿入されている。そらせ車6の中心軸61の両端は、上下調整用溝9を介して、外部に突き出ている。
図2B、図3Bに示されるように、そらせ車6の中心軸61の両端の下面と、各そらせ車取付梁7の下端72の上面との間には、バネ10が設けられている。バネ10は、垂直方向、すなわち、昇降方向に設けられている。バネ10は、垂直方向に、伸び縮みする。バネ10は、カゴ内負荷の値に応じて、そらせ車6の垂直方向の位置を制御する位置制御部を構成している。図2A、図2Bは、バネ10が伸びている状態を示す。また、図3A、図3Bは、バネ10が縮んでいる状態を示す。バネ10は、そらせ車6を支持している。バネ10は、その伸縮により、そらせ車6を垂直方向に移動させることができる。なお、バネ10のバネ定数の値が小さすぎると、そらせ車6が支持できず、一方、バネ10のバネ定数の値が大きすぎると、バネ10において所望の変位量が得られない。そこで、バネ10のバネ定数は、バネ10がそらせ車6を支持でき、且つ、そらせ車6の垂直方向位置の調整が良好に行えるように、適宜、適切な値に選定される。
ここで、バネ定数とは、バネに単位あたりの変位を与えるのに必要な力のことである。すなわち、バネ定数とは、バネに対する荷重とバネの変位との比であり、それらの関係は、下式で表される。
荷重 = バネの変位 × バネ定数
なお、図2A,図2Bに示すように、カゴ内負荷が小さいときのそらせ車6を「そらせ車6a」と呼び、その場合のバネ10を「バネ10a」と呼ぶ。同様に、図3A,図3Bに示すように、カゴ内負荷が大きいときのそらせ車6を「そらせ車6b」と呼び、その場合のバネ10を「バネ10b」と呼ぶ。図から明らかなように、バネ10aの圧縮量は、バネ10bの圧縮量よりも小さい。カゴ内負荷が小さくなると、そらせ車6は、そらせ車6aの位置に移動する。これにより、ロープ3の綱車5への巻付角θが小さくなる。そのため、綱車5とロープ3との間で発生するトラクションが小さくなる。その結果、ブレーキの非常停止時のカゴ1の減速度が小さくなる。なお、以下では、カゴ内負荷が小さい場合の巻付角θをθa、カゴ内負荷が大きい場合の巻付角θをθbと呼ぶ。ここで、巻付角θとは、ロープ3と綱車5とが接触している部分に対応する角度のことである。
本実施の形態に係るエレベータ装置の動作を説明する前に、まず、その原理について説明する。
走行中に非常停止する際のカゴの減速度は、(1)エレベータシステムのイナーシャと、(2)ブレーキトルク、及び、(3)綱車5とロープ3との間のトラクションの3つの要素に依存する。これらの3つの要素について、以下に説明する。
(1)エレベータシステムのイナーシャ
エレベータシステムのイナーシャとは、エレベータシステムの慣性力のことである。通常、カゴ動作時に非常停止をした場合、エレベータシステムのイナーシャが小さい場合、すなわち、カゴ内負荷が小さい場合は、カゴ1の減速度が大きくなり、逆に、イナーシャが大きい場合、すなわち、カゴ内負荷が大きい場合は、カゴ1の減速度が小さくなる。
(2)ブレーキトルク
ブレーキトルクとは、巻上機4のブレーキの停止時のトルクのことである。ブレーキトルクが大きい場合は、カゴ1の減速度が大きくなり、逆に、ブレーキトルクが小さい場合は、カゴ1の減速度が小さくなる。
(3)綱車5とロープ3との間のトラクション
巻上機4の綱車5とロープ3との間のトラクションとは、ロープ3と綱車5との間に発生する摩擦力のことである。以下では、この摩擦力を、ロープ3のトラクションと呼ぶ。ロープ3のトラクションによって、巻上機4の回転力が、ロープ3を介して、カゴ1の上下の移動に変換される。従って、綱車5に巻き付けるロープ3の長さが長ければ長いほど、すなわち、巻付角θが大きいほど、ロープ3のトラクションは大きくなる。逆に、綱車5に巻き付けるロープ3の長さが短いほど、すなわち、巻付角θが小さいほど、トラクションは小さくなる。ここで、「綱車5に巻き付けるロープ3の長さ」とは、綱車5とロープ3とが接触している部分のロープ3の長さ、すなわち、巻付角θに対応するロープ3の長さである。
次に、トラクションとブレーキトルクとの関係について説明する。
ブレーキトルクがロープ3のトラクションよりも小さい場合は、ブレーキトルクによってカゴ1の減速度が決まる。
一方、ブレーキトルクがロープ3のトラクション以上の場合は、全ブレーキトルクが発生する前に、トラクション限界により、ロープ3と綱車5との間で滑りが発生する。そのため、トラクション限界よりも高いブレーキトルクは、カゴ1には伝わらないことになる。なお、トラクション限界とは、トラクションの最大値のことである。
以上から、ブレーキトルクが一定の場合においても、トラクションの大きさを変化させる事により、カゴ1の減速度を変化させる事が可能となることがわかる。
次に、一般的なエレベータ装置における、カゴ減速度とカゴ内負荷との関係について説明する。図7は、カゴ減速度とカゴ内負荷との関係を示したグラフである。図7において、縦軸はカゴ1の減速度であり、横軸はカゴ内負荷率である。カゴ内負荷率[%]とは、カゴ1の乗車率[%]のことである。
一般的なエレベータ装置においては、おもりの重りが、カゴ質量とカゴ積載量の1/2との和に等しくなるように、おもりの重さを設定する。すなわち、乗車率50%の時にカゴの重量とおもりの重量とが釣り合うように、おもりの重さを設定する。図7は、そのようなエレベータ装置において、カゴが非常停止した際のカゴの減速度を表している。図7において、D1が、上方向に走行中のカゴが非常停止した場合のグラフで、D2が、下方向に走行中のカゴが非常停止した場合のグラフである。図7から、以下の特徴が読み取れる。
(a)カゴの減速度が最も大きくなる条件は、カゴ内負荷が小さく、かつ、カゴが下方向に移動している場合。
(b)カゴの減速度が最も小さくなる条件は、カゴ内負荷が大きく、かつ、カゴが下方向に移動している場合。
(c)カゴが下方向に移動している場合は、カゴ内負荷の増加に伴って、カゴの減速度が小さくなる。
(d)カゴが上方向に移動している場合は、カゴ内負荷の増加に伴って、カゴの減速度が大きくなる。すなわち、上記(c)と逆の現象となる。
(e)カゴ内負荷率の変化による、カゴの減速度の最大値と最小値との差分は、カゴが下方向に移動している時の方が、カゴが上方向に移動している時よりも大きい。なお、当該差分とは、減速度の変動幅である。
このように、一般的なエレベータ装置においては、カゴ内負荷率および走行方向によって、減速度が変化する。そのため、カゴが非常停止すると、大きな減速度が発生する場合がある。そこで、本実施の形態では、カゴ内負荷変動に応じて、減速度を調整することで、大きな減速度の発生を抑える。具体的には、バネ10を用いて、そらせ車6の垂直方向位置を調整する。これにより、ロープ3のトラクションを変化させ、非常停止時の衝撃を緩和する。衝撃を緩和するためには、特に、上記(a)の場合の減速度が大きいので、上記(a)の場合の減速度の低減を図ることが重要である。そのため、本実施の形態では、特に、上記(a)の場合の減速度の低減に着目する。
本実施の形態に係るエレベータ装置の動作について説明する。
上述したように、本実施の形態においては、カゴ1内の負荷の変動に応じて、そらせ車6の垂直方向位置を調整する。
そらせ車6の垂直方向位置の調整のために、本実施の形態においては、バネ10とそらせ車取付梁7とが設けられている。そらせ車取付梁7には、上下調整用溝9が設けられている。そらせ車6は、そらせ車取付梁7により支持されている。そらせ車6の中心軸61は、上下調整用溝9に案内されて、垂直方向に移動する。これにより、そらせ車6は垂直方向に移動する。具体的には、カゴ内負荷が小さいときは、図2A,図2Bに示されるように、バネ10が伸びて、そらせ車6が上方向に移動する。一方、カゴ内負荷が大きいときは、図3A,図3Bに示されるように、バネ10が縮んで、そらせ車6が下方向に移動する。
このように、カゴ1内の負荷が小さい時は、そらせ車6が上方向に移動することで、綱車5に巻き付けるロープ3の長さが短く、巻付角θが小さくなる。すなわち、図2Aに示す、θ=θaの状態である。これにより、綱車5とロープ3との接触面積が小さくなるので、ロープ3のトラクションが低下する。このため、巻上機4のブレーキのブレーキトルクが一定でも、カゴ1の減速度を小さくする事ができる。
一方、カゴ1内の負荷が大きい時は、そらせ車6が下方向に移動することで、綱車5に巻き付けるロープ3の長さが長く、巻付角θが大きくなる。すなわち、図3Aに示す、θ=θbの状態である。これにより、綱車5とロープ3との接触面積が大きくなるので、ロープ3のトラクションが上昇する。このため、巻上機4のブレーキのブレーキトルクが一定でも、カゴ1の減速度を大きくする事ができる。
こうすることで、上記(a)の場合の減速度を低減することができる。また、上記(e)の差分についても、カゴ1が下方向に移動している場合の差分を小さくすることができる。このように、本実施の形態は、カゴが下方向に移動している場合に、特に有効である。カゴが上方向に移動している場合には、逆の動作になる。そのため、カゴ内負荷が大きい場合には、減速度を低減することができるので、本実施の形態は有効である。一方、カゴ内負荷が小さい場合には、減速度が増加してしまうが、減速度の絶対値が元々小さいため、それほど、問題はない。
従って、本実施の形態においては、カゴ1が非常停止しても、常に大きな減速度が発生しないので、非常停止時の衝撃を緩和することができる。
上述したように、本実施の形態においては、カゴ1内の負荷の変動に応じて、そらせ車6の垂直方向位置が自動的に調整されるように、バネ10を設けている。バネ10による自動調整方法について以下に説明する。
図8に示すように、そらせ車6の中心軸61には、そらせ車6を介して、ロープ3から、斜め下方向に負荷Lが掛かる。負荷Lの方向は、ロープ3とそらせ車6との接点Pとそらせ車6の中心とを結ぶ直線の方向と一致する。このとき、ロープ3に生じる張力が大きくなればなるほど、そらせ車6の中心軸61には、大きな負荷Lが生じることになる。ロープ3に生じる張力は、カゴ1内の負荷が大きいときに大きくなり、カゴ1内の負荷が小さいときに小さくなる。
負荷Lは、図8に示すように、分力L1,L2に分けることができる。分力L1は、下方向の分力である。分力L2は、綱車5とそらせ車6との間のロープ3の向きに平行な方向の分力である。従って、負荷Lが大きくなれば、同時に、分力L1も大きくなる。そのため、カゴ1内の負荷が大きくなればなるほど、分力L1も大きくなる。
この原理により、カゴ1内の負荷が小さい場合には、分力L1が小さいため、図2A,図2Bに示すように、バネ10は伸びている。従って、そらせ車6の垂直方向位置は高い。
一方、カゴ1内の負荷が大きい場合には、分力L1が大きいため、図3A,図3Bに示すように、バネ10は縮んでいる。従って、そらせ車6の垂直方向位置は低い。
このように、本実施の形態においては、バネ10により、カゴ1内の負荷の変動に応じて、そらせ車6の垂直方向位置が自動的に調整される。バネ10の圧縮量は、カゴ1内の負荷とバネ定数とにより、一意に決定される。そのため、バネ10のバネ定数を適宜選定する事により、カゴ1内の負荷に追従させて、そらせ車6を所望の位置に調整することができる。そのため、カゴ1内の負荷を測定しなくても、常に、ロープ3の巻付角θを自動的に最適な値に調整することができる。従って、本実施の形態においては、カゴ1内の負荷を測定するためのセンサーを設ける必要もない。
以上のように、本実施の形態においては、エレベータ装置が、綱車5と、綱車5を回転させるモータと、綱車5を制動するブレーキとを備えた巻上機4と、カゴ1とおもり2とを繋ぎ、綱車5に巻回された、ロープ3と、綱車5とおもり2との間に設けられ、ロープ3が巻回された、そらせ車6と、そらせ車6を支持し、そらせ車6の垂直方向の移動を可能にする、そらせ車取付梁7と、カゴ1のカゴ内負荷の値に応じて、そらせ車6の垂直方向の位置を制御する位置制御部としてのバネ10とを備えている。バネ10は、カゴ内負荷の増加に応じてそらせ車6を下方に移動させ、カゴ内負荷の減少に応じてそらせ車を上方に移動させる。そらせ車6の上下方向の移動により、ロープ3のトラクションを調整することができるので、カゴ内負荷に応じて、非常停止時の減速度を制御して衝撃を緩和させることができる。
また、本実施の形態においては、そらせ車取付梁7が、そらせ車6の中心軸61を上下方向にのみ移動可能にする上下調整用溝9を備えている。これにより、中心軸61は、上下移動のみが可能で、横方向に移動することはない。従って、そらせ車6の動きが安定する。
また、本実施の形態では、そらせ車6とそらせ車取付梁7の下端72との間に、位置制御部としての、バネ10が設けられている。バネ10は、カゴ内負荷の変動に追従して、伸縮する。そのため、そらせ車6の上下位置は、バネ10の伸縮により、自動的に移動する。具体的には、カゴ内負荷が大きい時は、当該カゴ内負荷に応じてバネ10が縮んで、そらせ車6の位置が下方向に移動する。一方、カゴ内負荷が小さい時は、当該カゴ内負荷に応じてバネ10が伸びて、そらせ車6の位置が上方向に移動する。このため、バネ10のバネ定数を適切に選定することにより、そらせ車6の移動距離を任意に決める事ができる。そのため、カゴ1内の負荷を測定しなくても、常に、ロープ3の巻付角θを自動で最適な値とすることができる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成を示す模式的なブロック図である。本実施の形態と上記の実施の形態1との主要な相違点は、本実施の形態においては、バネ10の代わりに、アクチュエータ11が設けられている点である。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
本実施の形態においては、巻上機4の巻上機本体20には、モータ18と、ブレーキ16と、エンコーダ12とが設けられている。
エンコーダ12は、モータ18の回転方向を検出することで、綱車5の回転方向を検出する検出器である。エンコーダ12は、綱車5の回転方向に応じた信号を発生する。エンコーダ12からの信号の正負により、綱車5の回転方向、すなわち、カゴ1の移動方向を検知することができる。
巻上機4の他の構成については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
また、カゴ1には、秤装置13が設けられている。秤装置13は、カゴ1内の重量を、カゴ内負荷として検出する。秤装置13は、検出したカゴ内負荷に応じた信号を出力する。
エンコーダ12からの信号、及び、秤装置13からの信号は、エレベータ制御装置14へ伝送される。エレベータ制御装置14は、これらの信号に基づいて、後述するアクチュエータ制御装置19を介して、アクチュエータ11の伸縮を制御する。従って、本実施の形態においては、エレベータ制御装置14が、カゴ1の移動方向およびカゴ内負荷に応じて、アクチュエータ11の伸縮量を演算する伸縮量演算部を構成している。
また、エレベータ制御装置14は、電力変換装置15を介して、巻上機4のモータ18を動作させる。さらに、エレベータ制御装置14は、ブレーキ制御装置17を介して、ブレーキ16を動作させる。
本実施の形態においては、そらせ車6に対し、アクチュエータ11が設けられている。アクチュエータ11は、垂直方向に設けられている。アクチュエータ11は、そらせ車6を支持している。アクチュエータ11は、そらせ車6を垂直方向に移動させることができる。エレベータ制御装置14からの信号が、アクチュエータ制御装置19を介して、アクチュエータ11に伝送される。当該信号により、アクチュエータ11が動作する。こうして、そらせ車6は、アクチュエータ11により、上下に動かされる。
本実施の形態においては、アクチュエータ11と、秤装置13と、エンコーダ12と、エレベータ制御装置14と、アクチュエータ制御装置19とが、カゴ内負荷の値に応じて、そらせ車6の垂直方向の位置を制御する位置制御部を構成している。
次に、図5A、図5B、および、図6A、図6Bを用いて、アクチュエータ11の構成について説明する。図5A、図5B、および、図6A、図6Bは、本実施の形態に係るエレベータ装置の部分詳細図である。図5A、図5Bが、カゴ内負荷が小さい場合を示し、図6A、図6Bが、カゴ内負荷が大きい場合を示している。また、図5Aが正面図、図5Bが図5Aに対応する側面図である。図6Aが正面図、図6Bが図6Aに対応する側面図である。
アクチュエータ11は、上端部111と、下端部112と、上端部111と下端部112とを繋ぐアーム113とから構成されている。アクチュエータ11のアーム113は、垂直方向、すなわち、昇降方向に設けられている。アクチュエータ11のアーム113は、垂直方向に伸縮する。本実施の形態においては、アーム113の伸縮により、そらせ車6が、上下調整用溝9に案内されて、上下に移動する。
なお、図5A,図5Bに示すように、カゴ内負荷が小さい場合のそらせ車6のを「そらせ車6a」と呼び、その場合のアクチュエータ11を「アクチュエータ11a」と呼ぶ。同様に、図6A,図6Bに示すように、カゴ内負荷が大きい場合のそらせ車6を「そらせ車6b」と呼び、その場合のアクチュエータ11を「アクチュエータ11b」と呼ぶ。
このように、本実施の形態においては、アクチュエータ11が、そらせ車6を支持するとともに、そらせ車6の垂直方向位置を調整する。エンコーダ12と秤装置13とからの信号に基づいて、エレベータ制御装置14が、アクチュエータ11を伸ばすか又は縮めるかを決定する。また、エレベータ制御装置14は、伸ばす場合には、その伸び量を演算し、縮める場合には、その縮め量を演算する。エレベータ制御装置は、それらの演算結果に基づいて、アクチュエータ制御装置19を制御する。当該制御により、アクチュエータ制御装置19は、アクチュエータ11のアーム113の伸縮を調整する。アーム113が伸縮する事により、そらせ車6は、以下のように移動する。
(1)カゴが下方向に移動している場合:
・カゴ内負荷が小さい場合は、そらせ車6を上方向に移動させる。
・カゴ内負荷が大きい場合は、そらせ車6を下方向に移動させる。
(2)カゴが上方向に移動している場合:
・カゴ内負荷が小さい場合は、そらせ車6を下方向に移動させる。
・カゴ内負荷が大きい場合は、そらせ車6を上方向に移動させる。
上記(1)は実施の形態1と同じ動作であるが、上記(2)は実施の形態1と逆の動作である。図7のグラフからわかるように、カゴが下方向に移動している場合には、カゴ内負荷が小さい場合は減速度を小さくし、カゴ内負荷が大きい場合は減速度を大きくすることが望ましい。したがって、本実施の形態では、上記(1)のように、そらせ車6を移動させる。一方、 カゴが上方向に移動している場合には、カゴ内負荷が小さい場合は減速度を大きくし、カゴ内負荷が大きい場合は減速度を小さくすることが望ましい。したがって、本実施の形態では、上記(2)のように、そらせ車6を移動させる。
上記動作により、カゴ1が下方向へ移動している際の効果は実施の形態1と同じであるが、上方向へカゴ1が移動している際には、実施の形態1に比べて、さらに、カゴ1の減速度を低減することが可能となる。
このように、本実施の形態においては、アクチュエータ11が、カゴ1が下方向に移動している場合は、カゴ内負荷の増加に応じてそらせ車6を下方に移動させ、カゴ内負荷の減少に応じてそらせ車6を上方に移動させる。一方、カゴ1が上方向に移動している場合は、カゴ内負荷の増加に応じてそらせ車6を上方に移動させ、カゴ内負荷の減少に応じてそらせ車6を下方に移動させる。
アクチュエータ11の伸縮量は、例えば、以下のようにして決定する。
カゴ1が上方向に移動の場合と下方向に移動の場合とに分けて、2つのルックアップテーブルを用意する。各ルックアップテーブルは、カゴ内負荷率[%]とアクチュエータ11の長さ[cm]との対応関係が予め定められている。例えば、上方向のルックアップテーブルでは、カゴ内負荷率が0%以上20%未満の場合は、アクチュエータ11の長さが○○cm、カゴ内負荷率が20%以上40%未満の場合は、アクチュエータ11の長さが△△cm、・・・というように、予め決定されている。下方向のルックアップテーブルでも同様である。これにより、エレベータ制御装置14は、現在のカゴ内負荷に対応するアクチュエータ11の長さを、当該ルックアップテーブルから検索する。そうして、エレベータ制御装置14は、現在のアクチュエータ11の長さと検索したアクチュエータ11の長さとを比較して、アクチュエータ11の伸縮量を決定する。
なお、アクチュエータ11の伸縮量の決定方法は、この場合に限らない。たとえば、カゴ1が上方向に移動の場合と下方向に移動の場合ごとに、カゴ内負荷をパラメータとする関数を用意しておき、当該関数により演算するようにしてもよい。あるいは、他の方法により、演算するようにしてもよい。
他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、実施の形態1と同様に、エレベータ装置が、カゴ1とおもり2とを繋ぐロープ3と、ロープ3が巻掛けられた綱車5及びそらせ車6と、そらせ車6の垂直方向位置を調整可能にそらせ車6を支持するそらせ車取付梁7とを備えている。本実施の形態においては、カゴ内負荷とカゴ1の移動方向とに応じて、上記(1),(2)に示したように、そらせ車6を上方向または下方向に移動させる。
これにより、カゴ1が下方向に移動していて、且つ、カゴ内負荷が小さい場合、および、カゴ1が上方向に移動していて、且つ、カゴ内負荷が大きい場合には、そらせ車6を上方向に移動させる。これにより、綱車5に巻き付けるロープ3の長さが短くなり、巻付角θが小さくなる。その結果、ロープ3のトラクションが低下する。このため、巻上機4のブレーキのブレーキトルクが一定の場合においても、カゴ1の減速度を小さくする事ができる。
一方、カゴ1が上方向に移動していて、且つ、カゴ内負荷が小さい場合、および、カゴ1が下方向に移動していて、且つ、カゴ内負荷が大きい場合には、そらせ車6を下方向に移動させる。これにより、綱車5に巻き付けるロープ3の長さが長くなり、巻付角θが大きくなる。その結果、ロープ3のトラクションが増加する。このため、巻上機4のブレーキのブレーキトルクが一定の場合においても、カゴ1の減速度を大きくする事ができる。
以上のように、本実施の形態においても、カゴ内負荷に応じて、そらせ車6の垂直方向位置を移動させるようにしたので、上記の実施の形態1と同様に、カゴ内負荷に応じて非常停止時の減速度を制御して衝撃を緩和させることができる。
さらに、本実施の形態においては、エンコーダ12により、カゴ1が上方向に移動しているのか、あるいは、カゴ1が下方向に移動しているのかを、検出することができる。それにより、カゴ内負荷だけでなく、カゴの移動方向も考慮して、そらせ車6の垂直方向位置を移動させる。その結果、カゴ1が上方向および下方向のいずれの方向に移動している場合にも、乗客に衝撃を与えるような大きな減速度の発生を常に抑えることができ、さらに、カゴ1の減速度の変動幅を低減することが可能となる。
また、本実施の形態においては、位置制御部を、そらせ車を支持する、伸縮可能なアクチュエータ11と、カゴ内負荷を測定する秤装置13と、モータ18の回転方向を検知することで、カゴ1の移動方向を検知するエンコーダ12と、秤装置13で測定されたカゴ内負荷とエンコーダ12で検知されたカゴ1の移動方向とに基づいて、アクチュエータ11の伸縮量を演算する伸縮量演算部としてのエレベータ制御装置14と、伸縮量演算部で演算された伸縮量に基づいて、アクチュエータ11を伸縮させるアクチュエータ制御装置19とから構成した。アクチュエータ11は、カゴ内負荷の変動およびカゴの移動方向に応じて伸縮することにより、そらせ車6の垂直方向の位置を制御する。これにより、アクチュエータ11が、カゴ内負荷の変動およびカゴの移動方向に応じて、そらせ車6の位置を制御することができる。上記の実施の形態1は、特に下方向にカゴ1が移動している場合に有効であったが、本実施の形態においては、上方向および下方向のいずれの場合にも有効である。
本実施の形態では、アクチュエータ11は、カゴ1が下方向に移動している場合は、カゴ内負荷の増加に応じてそらせ車6を下方に移動させ、カゴ内負荷の減少に応じてそらせ車6を上方に移動させる。一方、カゴ1が上方向に移動している場合は、カゴ内負荷の増加に応じてそらせ車6を上方に移動させ、カゴ内負荷の減少に応じてそらせ車6を下方に移動させる。これにより、カゴ1が上方向および下方向のいずれの方向に移動している場合においても、不必要な大きな減速度が発生することを抑えることができる。また、カゴ1が上方向および下方向のいずれの方向に移動している場合においても、減速度の変動幅を小さくすることができる。

Claims (5)

  1. 綱車と、前記綱車を回転させるモータと、前記綱車を制動するブレーキと、を備えた巻上機と、
    カゴとおもりとを繋ぎ、前記綱車に巻回された、ロープと、
    前記綱車と前記おもりとの間に設けられ、前記ロープが巻回された、そらせ車と、
    前記そらせ車を支持し、前記そらせ車の垂直方向の移動を可能にする、そらせ車取付梁と、
    前記カゴのカゴ内負荷の値に応じて、前記そらせ車の垂直方向の位置を制御する位置制御部と
    を備え、
    前記位置制御部は、前記カゴ内負荷の増加に応じて前記そらせ車を下方に移動させ、前記カゴ内負荷の減少に応じて前記そらせ車を上方に移動させる、
    エレベータ装置。
  2. 前記そらせ車取付梁は、垂直方向に設けられ、前記そらせ車の軸が挿入されて、前記軸の垂直方向の移動を案内する上下調整溝を有している
    請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記位置制御部は、前記そらせ車を支持するバネから構成され、
    前記バネは、前記カゴ内負荷の変動に応じて伸縮することにより、前記そらせ車の垂直方向の位置を制御する
    請求項1または2に記載のエレベータ装置。
  4. 前記位置制御部は、
    前記そらせ車を支持する、伸縮可能なアクチュエータと、
    前記カゴ内負荷を測定する秤装置と、
    前記モータの回転方向を検知することで、前記カゴの移動方向を検知するエンコーダと、
    前記秤装置で測定された前記カゴ内負荷と前記エンコーダで検知された前記カゴの移動方向とに基づいて、前記アクチュエータの伸縮量を演算する伸縮量演算部と、
    前記伸縮量演算部で演算された前記伸縮量に基づいて、前記アクチュエータを伸縮させるアクチュエータ制御装置と
    から構成され、
    前記アクチュエータは、前記カゴ内負荷の変動および前記カゴの移動方向に応じて伸縮することにより、前記そらせ車の垂直方向の位置を制御する
    請求項1または2に記載のエレベータ装置。
  5. 前記アクチュエータは、
    前記カゴが下方向に移動している場合は、前記カゴ内負荷の増加に応じて前記そらせ車を下方に移動させ、前記カゴ内負荷の減少に応じて前記そらせ車を上方に移動させ、
    前記カゴが上方向に移動している場合は、前記カゴ内負荷の増加に応じて前記そらせ車を上方に移動させ、前記カゴ内負荷の減少に応じて前記そらせ車を下方に移動させる、
    請求項4に記載のエレベータ装置。
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