JPWO2016208281A1 - 粘着剤及び粘着シート - Google Patents

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Abstract

脂肪族ポリカーボネートを粘着成分として含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しない粘着剤;前記粘着剤を用いて得られた粘着剤層を備えた粘着シート。

Description

本発明は、新規の粘着成分を含有する粘着剤、及び前記粘着剤を用いて得られた粘着シートに関する。
本願は、2015年6月24日に、日本に出願された特願2015−126765号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来の粘着剤の粘着成分は、主としてアクリル樹脂、ゴム、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂である。これは、以下のような理由による。すなわち、上記以外の樹脂は、ガラス転移点が常温以上であったり、結晶性を有していたりするため、このような樹脂を用いても粘着性を発現できず、粘着剤の成分としての使用は困難である。
ところで、ポリカーボネートは、エンジニアリングプラスチックとして優れた特性を有しており、さらに比較的安価であることから、産業上の幅広い分野で利用されている。典型的なポリカーボネートとしては、ビスフェノールAを用いて得られる、主鎖に芳香族基を有する芳香族ポリカーボネートがある。しかし、芳香族ポリカーボネートが粘着成分として利用されたことは、これまでに報告されていない。
これに対して、主鎖に芳香族基を有さず、脂肪族基のみを有し、ポリカーボネート骨格を有するポリマーが、粘着成分として利用できることが報告されている(特許文献1参照)。しかし、ここで開示されているポリマーは、ポリカーボネートジオール又はその誘導体とジカルボン酸又はその誘導体とから合成されるポリエステル、ポリカーボネートジカルボン酸又はその誘導体とジオール又はその誘導体とから合成されるポリエステル、及びポリカーボネートジオール又はその誘導体とジイソシアネート類とから合成されるポリウレタンである。すなわち、前記ポリマーは、主鎖にカルボン酸エステル結合又はウレタン結合と、ポリカーボネート骨格とを有する、ポリエステル又はポリウレタンであって、正確には、主鎖に脂肪族基のみを有し、かつエステル結合及びウレタン結合等のカーボネート基以外の連結構造を有しない、いわゆる脂肪族ポリカーボネートであるとはいえない。
一方、二酸化炭素とエポキシドとの共重合により、主鎖に脂肪族(非芳香族)基のみを有する脂肪族ポリカーボネートを製造できることが報告されている。ただし、脂肪族ポリカーボネートの用途は、これまで熱分解バインダー及び成形体に限られており、特に熱分解バインダーとしての用途がよく検討されている(例えば、特許文献2及び3参照)。脂肪族ポリカーボネートを用いて得られた成形体は、引張強度等の力学特性がその他の汎用樹脂を用いた場合よりも低いことが知られており、脂肪族ポリカーボネートと他の成分を含有する樹脂組成物を用いることで、力学特性が改良された成形体を得る方法が種々検討されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
特開平9−235537号公報 特開平6−334282号公報 特開平5−24934号公報 特開2014−1263号公報 特開2014−19748号公報
しかし、脂肪族ポリカーボネートが粘着成分として使用できることは、これまでに開示されていない。
したがって、このようなポリカーボネートのように、粘着成分として使用可能なことが具体的に知られていない成分を、新たに粘着成分として用いることができれば、新たな用途を開拓できる点で極めて有用である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、新規の粘着成分を含有する粘着剤、及び前記粘着剤を用いて得られた粘着シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、脂肪族ポリカーボネートを粘着成分として含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しない粘着剤を提供する。
本発明の粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネートの重量平均分子量が100000以上であるものが好ましい。
本発明の粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネートのガラス転移点が0℃以下であるものが好ましい。
本発明の粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネートが、下記一般式(1)−1で表される構成単位を有するものが好ましい。
Figure 2016208281
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基若しくはアリール基であり、R、R、R及びRのいずれか二以上が置換基を有していてもよいアルキル基である場合、これら二以上のアルキル基は相互に結合して、環を形成していてもよい。)
本発明の粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネートが、炭素数1〜16のアルキル基及びアルコキシ基のいずれか一方又は両方を側鎖として有するものが好ましい。
本発明の粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネートが、アルキル基及びアルコキシ基のいずれか一方又は両方を有する構成単位(i)と、水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方を有する構成単位(ii)とを有し、前記構成単位(i)と前記構成単位(ii)との合計量に対する、前記構成単位(ii)の量の割合が0.1〜10モル%であるものが好ましい。
本発明の粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネートが、二酸化炭素を原料として用いて得られたものが好ましい。
また、本発明は、前記粘着剤を用いて得られた粘着剤層を備えた粘着シートを提供する。
本発明によれば、新規の粘着成分を含有する粘着剤、及び前記粘着剤を用いて得られた粘着シートが提供される。
本発明に係る粘着シートの一実施形態の例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る粘着シートの他の実施形態の例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る粘着シートの他の実施形態の例を模式的に示す断面図である
<粘着剤>
本発明に係る粘着剤は、脂肪族ポリカーボネートを粘着成分として含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しないものである。前記脂肪族ポリカーボネートは、これまでに、粘着成分となることが報告されていない。
なお、本明細書において、「主鎖」とは、モノマー(単量体)の重合により形成された鎖状構造を意味する。
(脂肪族ポリカーボネート)
前記粘着剤が含有する脂肪族ポリカーボネートは、ポリカーボネートのうち、主鎖がカーボネート基(−O−C(=O)−O−)及び脂肪族基のみで構成されているものであり、主鎖を構成している2価の脂肪族基同士をカーボネート基が連結した構造を有する。
前記脂肪族ポリカーボネートは、その側鎖中に、芳香族基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
本明細書において「側鎖」とは、主鎖と結合する基(ペンダント、側基)や、ペンダントとみなされうる分子鎖を指すものとする。
また、前記脂肪族ポリカーボネートは、その主鎖中に、カルボン酸エステル結合(−C(=O)−O−)及びウレタン結合(−NH−C(=O)−O−)を有しないものである。
すなわち、例えば、前記脂肪族ポリカーボネートには、カルボン酸又はその誘導体と、アルコールとが反応して、エステル結合を主鎖中に形成して得られた、ポリカーボネート骨格を有するポリマーや、イソシアネート基を有する化合物と、アルコールとが反応して、ウレタン結合を主鎖中に形成して得られた、ポリカーボネート骨格を有するポリマー等は含まれない。ここで、カルボン酸の誘導体としては、例えば、エステル結合を形成可能なカルボン酸無水物及びカルボン酸ハライド等が挙げられる。
前記脂肪族ポリカーボネートは、その側鎖中に、カルボン酸エステル結合及びウレタン結合のいずれか一方又は両方を有していてもよいし、有していなくてもよい。
前記脂肪族ポリカーボネートとしては、例えば、下記一般式(1)で表される構成単位を有するものが挙げられる。
Figure 2016208281
(式中、Xは置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基である。)
式中、Xは置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基であり、前記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、鎖状構造及び環状構造を共に有するものでもよい。そして、環状の前記脂肪族炭化水素基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは置換基を有するか、又は有していないことを意味する。
前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜18であることが好ましく、4〜14であることがより好ましく、6〜12であることが特に好ましい。なお、前記炭素数は、置換基の炭素数を含まないものとする。置換基の炭素数は1〜16が好ましく、4〜12がより好ましい。
Xにおいて、「脂肪族炭化水素基が置換基を有する」とは、脂肪族炭化水素基の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを意味する。
前記脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基は、特に限定されないが、例えば、水酸基(ヒドロキシ基、−OH)、カルボキシ基(−C(=O)−OH)、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基、カルボキシアルキルチオ基、ヒドロキシアルキルチオ基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基、カルボキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基等が挙げられる。このように、前記脂肪族ポリカーボネートは、主鎖を構成するカーボネート基以外の基が脂肪族基のみであれば、主鎖(脂肪族基)から分岐している側鎖中に芳香族基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
前記置換基におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記置換基におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基等、後述するR等におけるアルコキシ基と同様のものが挙げられる。
前記置換基におけるアルケニル基としては、例えば、エテニル基(ビニル基ともいう)、2−プロペニル基(アリル基ともいう)、1−メチルエテニル基、2−メチルエテニル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基等、後述するR等におけるアルケニル基と同様のものが挙げられる。
前記置換基におけるアルケニルオキシ基としては、例えば、エテニルオキシ基(ビニルオキシ基ともいう)、2−プロペニルオキシ基(アリルオキシ基ともいう)、1−メチルエテニルオキシ基、2−メチルエテニルオキシ基、1−シクロヘキセニルオキシ基、2−シクロヘキセニルオキシ基、3−シクロヘキセニルオキシ基等、前記アルケニル基が酸素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
前記置換基におけるアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、炭素数が6〜13であることが好ましく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基(ジメチルフェニル基ともいう)等が挙げられ、これらアリール基の1個以上の水素原子が、さらにこれらアリール基や、後述するR等と同様のアルキル基で置換されたものも挙げられる。これら置換基を有するアリール基は、置換基も含めて炭素数が6〜13であることが好ましい。
前記置換基におけるヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
前記ヘテロアリール基としては、例えば、前記アリール基において、芳香環骨格を構成する1個以上の炭素原子が単独で、又は前記炭素原子がこれに結合している水素原子と共に、ヘテロ原子で置換され、且つ芳香族性を有する基、及び炭素数3以上の環状の不飽和脂肪族炭化水素基において、環骨格を構成する1個以上の炭素原子が単独で、又は前記炭素原子がこれに結合している水素原子と共に、ヘテロ原子で置換され、且つ芳香族性を有する基が挙げられる。前記ヘテロ原子で好ましいものとしては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、リン原子等が挙げられる。芳香環骨格を構成するヘテロ原子の数は、特に限定されないが、1〜2個であることが好ましい。そして、芳香環骨格を構成するヘテロ原子の数が2個以上である場合、これら複数個のヘテロ原子は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
なお、本明細書においては、例えば、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環式基が縮環した構造を有する基を、芳香族複素環式基と称する。
芳香族複素環式基としては、例えば4−ピリジル基が挙げられる。
前記置換基におけるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等、前記アリール基が酸素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
前記置換基におけるヘテロアリールオキシ基としては、例えば、前記ヘテロアリール基が酸素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
前記置換基におけるアルキルシリル基は、モノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基及びトリアルキルシリル基のいずれでもよい。
前記アルキルシリル基において、ケイ素原子に結合しているアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、鎖状構造及び環状構造を共に有するものでもよい。そして、環状の前記アルキル基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。ケイ素原子に結合している前記アルキル基としては、例えば、後述するR等におけるアルキル基と同様のものが挙げられ、炭素数が1〜10であることが好ましい。
前記ジアルキルシリル基及びトリアルキルシリル基において、複数個のアルキル基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。すなわち、ジアルキルシリル基において、2個のアルキル基は互いに同一であってもよいし(このようなジアルキルシリル基としては、例えば、ジメチルシリル基等が挙げられる)、異なっていてもよい(このようなジアルキルシリル基としては、例えば、エチルメチルシリル基等が挙げられる)。トリアルキルシリル基において、3個のアルキル基はすべて同一であってもよいし(このようなトリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基等が挙げられる)、すべて異なっていてもよく(このようなトリアルキルシリル基としては、例えば、エチルメチル−n−プロピルシリル基等が挙げられる)、2個のみ同一であってもよい(このようなトリアルキルシリル基としては、例えば、エチルジメチルシリル基等が挙げられる)。
前記置換基におけるアルキルシリルオキシ基としては、例えば、ジメチルシリルオキシ基、エチルメチルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、エチルメチル−n−プロピルシリルオキシ基、エチルジメチルシリルオキシ基等、前記アルキルシリル基が酸素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
前記置換基におけるカルボキシアルキルチオ基は、カルボキシ基を1個のみ有するモノカルボキシアルキルチオ基であってもよいし、カルボキシ基を2個以上有する、ジカルボキシアルキルチオ基、トリカルボキシアルキルチオ基等のポリカルボキシアルキルチオ基であってもよいが、モノカルボキシアルキルチオ基であることが好ましい。
前記カルボキシアルキルチオ基における、カルボキシ基の結合位置は特に限定されないが、炭化水素鎖の末端部であることが好ましい。
前記置換基におけるカルボキシアルキルチオ基としては、例えば、前記アルコキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換され、さらに1個以上の水素原子がカルボキシ基で置換されたものが挙げられる。例えば、モノカルボキシアルキルチオ基であれば、カルボキシメチルチオ基(−S−CH−C(=O)−OH)、2−カルボキシエチルチオ基(−S−CHCH−C(=O)−OH)、3−カルボキシ−n−プロピルチオ基(−S−CHCHCH−C(=O)−OH)等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記置換基におけるヒドロキシアルキルチオ基は、水酸基を1個のみ有するモノヒドロキシアルキルチオ基であってもよいし、水酸基を2個以上有する、ジヒドロキシアルキルチオ基、トリヒドロキシアルキルチオ基等のポリヒドロキシアルキルチオ基であってもよいが、モノヒドロキシアルキルチオ基であることが好ましい。
前記ヒドロキシアルキルチオ基における、水酸基の結合位置は特に限定されないが、炭化水素鎖の末端部であることが好ましい。
前記置換基におけるヒドロキシアルキルチオ基としては、例えば、前記アルコキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換され、さらに1個以上の水素原子が水酸基で置換されたものが挙げられる。例えば、モノヒドロキシアルキルチオ基であれば、ヒドロキシメチルチオ基(−S−CH−OH)、2−ヒドロキシエチルチオ基(−S−CHCH−OH)、3−ヒドロキシ−n−プロピルチオ基(−S−CHCHCH−OH)等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記置換基におけるアルキルカルボニルオキシアルキル基としては、例えば、メチルカルボニルオキシメチル基(CH−C(=O)−O−CH−)、エチルカルボニルオキシメチル基(CHCH−C(=O)−O−CH−)、n−プロピルカルボニルオキシメチル基(CHCHCH−C(=O)−O−CH−)、イソプロピルカルボニルオキシメチル基((CHCH−C(=O)−O−CH−)等の、後述するR等におけるアルキルカルボニルオキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
前記置換基におけるアルケニルカルボニルオキシアルキル基としては、例えば、エテニルカルボニルオキシメチル基(CH=CH−C(=O)−O−CH−)、1−メチルエテニルカルボニルオキシメチル基(CH=C(CH)−C(=O)−O−CH−)等、後述するR等におけるアルケニルカルボニルオキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
前記置換基におけるカルボキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基としては、例えば、前記アルキルカルボニルオキシアルキル基中のカルボニル基に結合しているアルキル基における1個の水素原子が、前記カルボキシアルキルチオ基で置換されてなる1価の基が挙げられる。
前記置換基におけるヒドロキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基としては、例えば、前記アルキルカルボニルオキシアルキル基中のカルボニル基に結合しているアルキル基における1個の水素原子が、前記ヒドロキシアルキルチオ基で置換されてなる1価の基が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素基が有する前記置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、すべての水素原子が置換基で置換されていてもよい。そして、置換基を有する前記脂肪族炭化水素基は、置換基も含めて炭素数が前記範囲であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基において、前記置換基の数が2個以上である場合、これら置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、2個以上の置換基はすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記脂肪族炭化水素基における前記置換基の結合位置は、特に限定されないが、前記置換基の末端部が側鎖の末端部となる位置であることが好ましく、X中の主鎖を構成する炭素原子であってもよいし、側鎖の末端の炭素原子であってもよい。
前記脂肪族炭化水素基が有する前記置換基は、水酸基、カルボキシ基、カルボキシアルキルチオ基、ヒドロキシアルキルチオ基、カルボキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基、及びヒドロキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基等の、水酸基又はカルボキシ基を有する基であることが好ましい。このような置換基を有する場合、前記脂肪族ポリカーボネートは、水酸基又はカルボキシ基において、架橋剤により容易に架橋でき、後述する粘着シートの粘着力や保持力を容易に調節できる。
置換基を有していてもよい前記脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいアルキレン基であることが好ましく、置換基を有していてもよいエチレン基であることがより好ましい。
そして、前記脂肪族ポリカーボネートは、下記一般式(1)−1で表される構成単位(以下、「構成単位(1)−1」と略記することがある))を有するものが好ましい。
Figure 2016208281
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基若しくはアリール基であり、R、R、R及びRのいずれか二以上が置換基を有していてもよいアルキル基である場合、これら二以上のアルキル基は相互に結合して、環を形成していてもよい。)
〜Rにおける前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、鎖状構造及び環状構造を共に有するものでもよい。そして、環状の前記アルキル基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
〜Rにおける前記アルキル基は、炭素数が1〜16であることが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。
環状の前記アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられ、さらに、これら環状のアルキル基の1個以上の水素原子が、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基で置換されたものが挙げられる。ここで、水素原子を置換する直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基としては、R〜Rにおけるアルキル基として例示した上記のものが挙げられる。
直鎖状の前記アルキル基は、炭素数が1以上であればよいが、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4以上であることが特に好ましい。分岐鎖状及び環状の前記アルキル基は、炭素数が3以上であれよいが、4以上であることがより好ましい。
直鎖状、分岐鎖状及び環状の前記アルキル基は、炭素数が16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることが特に好ましい。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜16であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。
分岐鎖状及び環状のアルキル基は、炭素数が3〜16であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、4〜8であることがさらに好ましい。
前記アルキル基の炭素数がこのような下限値及び上限値であることで、前記脂肪族ポリカーボネートはガラス転移点(Tg)がより低くなり、粘着力や加工性が向上するなど、粘着成分としての性状がより向上する。
〜Rにおける前記アルコキシ基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、鎖状構造及び環状構造を共に有するものでもよい。そして、環状の前記アルコキシ基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
〜Rにおける前記アルコキシ基は、炭素数が1〜16であることが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、1−メチルブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2,2−ジメチルブチルオキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルヘキシルオキシ基、3−メチルヘキシルオキシ基、2,2−ジメチルペンチルオキシ基、2,3−ジメチルペンチルオキシ基、2,4−ジメチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、2,2,3−トリメチルブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基等、R〜Rにおける直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
環状の前記アルコキシ基としては、例えば、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等、R〜Rにおける環状の前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
直鎖状の前記アルコキシ基は、炭素数が1以上であればよいが、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4以上であることが特に好ましい。分岐鎖状及び環状の前記アルコキシ基は、炭素数が3以上であれよい。
直鎖状、分岐鎖状及び環状の前記アルコキシ基は、炭素数が16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることが特に好ましい。
直鎖状のアルコキシ基は、炭素数が1〜16であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、3〜8であることがさらに好ましく、4〜8であることが特に好ましい。
分岐鎖状及び環状のアルコキシ基は、炭素数が3〜16であることが好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。
前記アルコキシ基の炭素数がこのような下限値及び上限値であることで、前記脂肪族ポリカーボネートはガラス転移点(Tg)がより低くなり、粘着力や加工性が向上するなど、粘着成分としての性状がより向上する。
〜Rにおける前記アルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、鎖状構造及び環状構造を共に有するものでもよい。そして、環状の前記アルケニル基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
〜Rにおける前記アルケニル基は、炭素数が2〜16であることが好ましい。
〜Rにおける前記アルケニル基としては、例えば、R〜Rの前記アルキル基(炭素数が2以上であるもの)において、炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が挙げられる。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルケニル基としては、例えば、エテニル基(ビニル基ともいう)、2−プロペニル基(アリル基ともいう)、1−メチルエテニル基(イソプロペニル基ともいう)、2−メチルエテニル基(1−プロペニル基ともいう)等が挙げられる。
環状の前記アルケニル基としては、例えば、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
直鎖状の前記アルケニル基は、炭素数が2以上であれよく、分岐鎖状及び環状の前記アルキル基は、炭素数が3以上であれよい。
直鎖状、分岐鎖状及び環状の前記アルケニル基は、炭素数が16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることが特に好ましい。
直鎖状のアルケニル基は炭素数が2〜16であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
分岐鎖状及び環状のアルケニル基は、炭素数が3〜16であることが好ましく、3〜12であることがより好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。
前記アルケニル基の炭素数がこのような下限値及び上限値であることで、前記脂肪族ポリカーボネートはガラス転移点(Tg)がより低くなり、粘着力や加工性が向上するなど、粘着成分としての性状がより向上する。
〜Rにおける前記アルキルカルボニルオキシアルキル基としては、R〜Rにおける前記アルキル基の1個の水素原子がアルキルカルボニルオキシ基で置換されてなる1価の基が挙げられ、前記アルキルカルボニルオキシ基としては、R〜Rにおける前記アルキル基がカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の炭素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
〜Rにおける前記アルキルカルボニルオキシアルキル基中の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
〜Rにおける前記アルキルカルボニルオキシアルキル基は、炭素数が3以上であればよく、3〜16であることが好ましい。
前記アルキルカルボニルオキシアルキル基は、例えば、メチルカルボニルオキシメチル基(CH−C(=O)−O−CH−)、エチルカルボニルオキシメチル基(CHCH−C(=O)−O−CH−)、n−プロピルカルボニルオキシメチル基(CHCHCH−C(=O)−O−CH−)、イソプロピルカルボニルオキシメチル基((CHCH−C(=O)−O−CH−)等の、アルキルカルボニルオキシメチル基であることが好ましい。
〜Rにおける前記アルケニルカルボニルオキシアルキル基としては、R〜Rにおける前記アルキル基の1個の水素原子がアルケニルカルボニルオキシ基で置換されてなる1価の基が挙げられ、前記アルケニルカルボニルオキシ基としては、R〜Rにおける前記アルケニル基がカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の炭素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
〜Rにおける前記アルケニルカルボニルオキシアルキル基中の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
〜Rにおける前記アルケニルカルボニルオキシアルキル基は、炭素数が4以上であればよく、4〜16であることが好ましい。
前記アルケニルカルボニルオキシアルキル基は、例えば、エテニルカルボニルオキシメチル基(CH=CH−C(=O)−O−CH−)、1−メチルエテニルカルボニルオキシメチル基(CH=C(CH)−C(=O)−O−CH−)等の、アルケニルカルボニルオキシメチル基であることが好ましい。
〜Rにおける前記アリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、炭素数が6〜13であることが好ましく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が挙げられ、これらアリール基の1個以上の水素原子が、さらにこれらアリール基や、R〜Rにおけるものとして例示した上記のアルキル基で置換されたものも挙げられる。これら置換基を有するアリール基は、置換基も含めて炭素数が6〜13であることが好ましい。
〜Rのいずれか二以上が置換基を有していてもよいアルキル基である場合、これら二以上のアルキル基は相互に結合して、これらアルキル基がそれぞれ結合している炭素原子と共に、環を形成していてもよい。
この場合、これらアルキル基の相互に結合している位置(炭素原子)は特に限定されないが、置換基を有するアルキル基が環を形成している場合には、置換基以外の部位の炭素原子が、もう一方のアルキル基の炭素原子と結合しているものとする。
二以上のアルキル基の相互に結合している位置(炭素原子)で好ましいものの例としては、これらアルキル基の末端の炭素原子(メチル基の炭素原子)が挙げられる。
二以上のアルキル基が相互に結合して形成している前記環は、飽和脂肪族炭化水素基であり、単環状及び多環状のいずれでもよく、環員数が5〜10であることが好ましい。
〜Rのいずれか二以上の前記アルキル基が環を形成している構成単位(1)−1で好ましいものとしては、例えば、R及びRのいずれか一方又は両方がアルキル基であり、R及びRのいずれか一方又は両方がアルキル基である場合に、R及びRのいずれか一方のアルキル基と、R及びRのいずれか一方のアルキル基とが、相互に結合して環を形成しているものが挙げられる。
〜Rにおける前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基及びアリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基、カルボキシアルキルチオ基、ヒドロキシアルキルチオ基等が挙げられ、これら置換基は、前記脂肪族炭化水素基が有していてもよい前記置換基と同様のものである。
前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基及びアリール基が有する前記置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、すべての水素原子が置換基で置換されていてもよい。そして、置換基を有する前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基及びアリール基は、置換基も含めて炭素数が前記範囲であることが好ましい。
前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基及びアリール基において、前記置換基の数が2個以上である場合、これら置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、2個以上の置換基はすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基及びアリール基における前記置換基の結合位置は、特に限定されないが、例えば、前記アルキル基の場合には、その末端部(前記アルキル基のエチレン基へ結合している炭素原子とは反対側の末端の炭素原子)であることが好ましい。
置換基を有するR〜Rとしては、例えば、置換基を有するアルキル基であれば、置換基として水酸基を有するヒドロキシアルキル基、置換基としてカルボキシ基を有するカルボキシアルキル基、置換基としてハロゲン原子を有するハロアルキル基、置換基としてアルコキシ基を有するアルコキシアルキル基、置換基としてアルケニルオキシ基を有するアルケニルオキシアルキル基、置換基としてアリール基を有するアリールアルキル基(アラルキル基)、置換基としてヘテロアリール基を有するヘテロアリールアルキル基、置換基としてアリールオキシ基を有するアリールオキシアルキル基、置換基としてヘテロアリールオキシ基を有するヘテロアリールオキシアルキル基、置換基としてアルキルシリル基を有するアルキルシリルアルキル基、置換基としてアルキルシリルオキシ基を有するアルキルシリルオキシアルキル基、置換基としてカルボキシアルキルチオ基を有するカルボキシアルキルチオアルキル基、置換基としてヒドロキシアルキルチオ基を有するヒドロキシアルキルチオアルキル基等が挙げられる。置換基としてアルケニル基を有するアルキル基は、それ自体がアルケニル基となる。
アルキル基以外のR〜Rが置換基を有する場合も、同様に水素原子が置換基で置換されたものが挙げられる。
前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基及びアリール基が有する前記置換基は、水酸基を有する基及びカルボキシ基を有する基のいずれか一方又は両方であることが好ましい。
前記水酸基を有する基とは、水酸基、及び水酸基とそれ以外の基とから構成される基を意味する。
前記カルボキシ基を有する基とは、カルボキシ基、及びカルボキシ基とそれ以外の基とから構成される基を意味する。
カルボキシ基を有するR〜Rで好ましいものとしては、例えば、置換基としてカルボキシアルキルチオ基を有するアルキルカルボニルオキシアルキル基(すなわち、カルボキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基)等が挙げられる。
水酸基を有するR〜Rで好ましいものとしては、例えば、置換基としてヒドロキシアルキルチオ基を有するアルキルカルボニルオキシアルキル基(すなわち、ヒドロキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基)等が挙げられる。
構成単位(1)−1は、R〜Rの少なくとも一以上が前記置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基又はアリール基であるものが好ましく、少なくともR及びRのいずれか一方又は両方が前記置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基又はアリール基であるものがより好ましい。
前記脂肪族ポリカーボネートが有する構成単位は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択できる。
例えば、前記脂肪族ポリカーボネートが構成単位(1)−1を有する場合であれば、前記脂肪族ポリカーボネートは、構成単位(1)−1以外の構成単位を有していてもよいし、有していなくてもよい。そして、前記脂肪族ポリカーボネートが有する構成単位(1)−1は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、構成単位(1)−1以外の構成単位も1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
前記脂肪族ポリカーボネートは、構成単位の全量(モル数)に対する、構成単位(1)−1の量(モル数)の割合が、90モル%以上であるものが好ましく、95モル%以上であるものがより好ましく、97モル%以上であるものがさらに好ましく、99モル%以上であるものが特に好ましく、100モル%であるものでもよい。
前記脂肪族ポリカーボネートは、ガラス転移点(Tg)がより低くなり、粘着力や加工性が向上するなど、粘着成分としての性状がより向上するという効果が特に顕著に得られる点から、アルキル基及びアルコキシ基のいずれか一方又は両方を側鎖として有するものが好ましく、前記アルキル基及びアルコキシ基の炭素数については先に説明したとおりであり、例えば、1〜16であることが好ましく、4〜8であることが特に好ましい。例えば、前記脂肪族ポリカーボネートが構成単位(1)−1を有する場合であれば、R〜Rの少なくとも一以上が前記アルキル基又はアルコキシ基であるものが好ましく、少なくともR及びRのいずれか一方又は両方が前記アルキル基又はアルコキシ基であるものがより好ましい。そして、R〜Rの少なくとも一以上が炭素数4〜8のアルキル基又はアルコキシ基であるものが好ましく、少なくともR及びRのいずれか一方又は両方が炭素数4〜8のアルキル基又はアルコキシ基であるものがより好ましい。
前記脂肪族ポリカーボネートは、アルキル基及びアルコキシ基のいずれか一方又は両方を有する構成単位(i)と、水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方を有する構成単位(ii)と、を有するものが好ましい。例えば、前記脂肪族ポリカーボネートが構成単位(1)−1を有する場合であれば、一般式(1)−1においてR〜Rの少なくとも一以上が前記アルキル基又はアルコキシ基である構成単位と、一般式(1)−1においてR〜Rの少なくとも一以上が水酸基又はカルボキシ基を有する基である構成単位とを、共に有する前記脂肪族ポリカーボネートが特に好ましい。
前記脂肪族ポリカーボネートは、前記構成単位(i)と前記構成単位(ii)とを有するものである場合、前記構成単位(i)と前記構成単位(ii)との合計量に対する、前記構成単位(ii)の量の割合([構成単位(ii)の量(モル)]/{[構成単位(i)の量(モル)]+[構成単位(ii)の量(モル)]}×100)は、0.05〜20モル%であることが好ましく、0.1〜10モル%であることがより好ましい。上述のモル比がこのような範囲であることで、前記脂肪族ポリカーボネートが水酸基又はカルボキシ基を有する構成単位を有することによる効果が、より顕著に得られる。
前記脂肪族ポリカーボネートは、重量平均分子量(Mw)が100000以上であることが好ましく、150000以上であることがより好ましく、200000以上であることが特に好ましい。
また、前記脂肪族ポリカーボネートは、重量平均分子量が2000000以下であることが好ましく、1000000以下であることがより好ましく、500000以下であることが特に好ましい。
具体的には、100000〜2000000が好ましく、150000〜1000000がより好ましく、200000〜500000がさらに好ましい。
前記脂肪族ポリカーボネートは、重量平均分子量が前記下限値以上であることで、より優れた粘着性を有し、重量平均分子量が前記上限値以下であることで、溶液の粘度が低くなり、塗工性が向上する。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
前記脂肪族ポリカーボネートは、分散度(Mw/Mn)が、1.0〜10.0であることが好ましく、1.0〜6.0であることがより好ましく、1.0〜4.2であることが特に好ましい。
前記脂肪族ポリカーボネートのガラス転移点(Tg)は、0℃以下であることが好ましく、−5℃以下であることがより好ましく、−10℃以下であることが特に好ましい。脂肪族ポリカーボネートのガラス転移点が前記上限値以下であることで、粘着剤の粘着力や初期タック等の粘着性能が向上する。
また、前記脂肪族ポリカーボネートのガラス転移点(Tg)は、−60℃以上であることが好ましく、−50℃以上であることがより好ましく、−40℃以上であることが特に好ましい。脂肪族ポリカーボネートのガラス転移点が前記下限値以上であることで、常温環境下において、粘着剤が柔らかくなり過ぎないことにより、粘着剤の抜き加工時に抜き刃に粘着剤が付着したり、粘着剤を介して被着体に貼付したラベルがずれる等の不具合の発生が高度に抑制される。
具体的には、ガラス転移点は、−60〜0℃が好ましく、−50〜−5℃がより好ましく、−40〜−10℃がさらに好ましい。
前記脂肪族ポリカーボネートは、例えば、二酸化炭素(CO)と、主鎖を脂肪族基で構成するように重合するモノマーとを、金属触媒の存在下で、必要に応じて水分含有量を所定量以下に制御して、重合反応させる工程を有する製造方法で製造できる。例えば、構成単位(1)−1を有する脂肪族ポリカーボネートは、以下に示すように、二酸化炭素と、下記一般式(1a)−1で表される化合物(エチレンオキシド(エポキシド)又はその誘導体、以下、「化合物(1a)−1」と略記することがある)とを、金属触媒の存在下で、必要に応じて水分含有量を所定量以下に制御して、重合反応させる工程を有する製造方法で製造できる(例えば、「国際公開第2011/142259号」参照)。なお、本明細書において「モノマー」とは、特に断りのない限り、主鎖を脂肪族基で構成するように二酸化炭素と重合反応する化合物を意味するものとする。また、「誘導体」とは、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されている化合物を意味し、ここでの「置換基」としては、上述のR〜Rが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
Figure 2016208281
(式中、R、R、R及びRは前記と同じであり;nは2以上の整数である。)
式中、R〜Rは、前記一般式(1)−1中のR〜Rと同じである。
また、nは2以上の整数であり、前記脂肪族ポリカーボネート中の構成単位(1)−1の数を表す。
化合物(1a)−1で好ましいものとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−デセンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、3−フェニルプロピレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシド、3−ナフチルプロピレンオキシド、3−フェノキシプロピレンオキシド、3−ナフトキシプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3−ビニルオキシプロピレンオキシド、3−トリメチルシリルオキシプロピレンオキシド、3−メトキシプロピレンオキシド(メチルグリシジルエーテル)、3−エトキシプロピレンオキシド(エチルグリシジルエーテル)、3−n−プロポキシプロピレンオキシド(n−プロピルグリシジルエーテル)、3−n−ブトキシプロピレンオキシド(n−ブチルグリシジルエーテル)、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
これらの中でも化合物(1a)−1は、二酸化炭素との高い重合反応性を有する点においては、エチレンオキシド、エチレンオキシドの誘導体、プロピレンオキシド、プロピレンオキシドの誘導体がより好ましく、プロピレンオキシド、プロピレンオキシドの誘導体がさらに好ましい。
nは2〜10000の整数が好ましい。
重合反応させる工程で用いる前記モノマー(例えば、化合物(1a)−1)は、1種のみでよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜調節すればよい。
前記金属触媒としては、例えば、アルミニウム触媒、亜鉛触媒等が挙げられる。これらの中でも前記金属触媒は、二酸化炭素と前記モノマーとの重合反応において、高い重合活性を示すことから、亜鉛触媒であることが好ましく、有機亜鉛触媒であることがより好ましい。
前記有機亜鉛触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛触媒;一級アミン、2価のフェノール、2価の芳香族カルボン酸、芳香族ヒドロキシ酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族モノカルボン酸からなる群より選択される1種又は2種以上等の化合物と、亜鉛化合物と、を反応させることにより得られる有機亜鉛触媒等が挙げられる。
前記亜鉛化合物は、上述の反応を行うことができるものであれば、特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛等の無機亜鉛化合物;ジエチル亜鉛、酢酸亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合物が挙げられる。
これらの中でも、より高い重合活性を示すことから、前記亜鉛化合物は、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、ジエチル亜鉛であることが好ましい。
前記亜鉛化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜調節すればよい。
前記有機亜鉛触媒は、より高い重合活性を示すことから、前記亜鉛化合物、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族モノカルボン酸を反応させて得られる有機亜鉛触媒であることが好ましい。例えば、グルタル酸亜鉛は、酸化亜鉛とグルタル酸とを反応させて得られるが、有機亜鉛触媒はこれに限定されない。
重合反応時の前記金属触媒の使用量は、前記モノマーの使用量100質量部に対して、0.001〜20質量部であることが好ましく、0.01〜14質量部であることがより好ましい。金属触媒の使用量が前記下限値以上であることで、重合反応がより進行し易くなる。また、金属触媒の使用量が前記上限値以下であることで、金属触媒の過剰使用が抑制され、経済性が向上する。
前記重合反応を行う方法は、目的物が得られる限り特に限定されないが、例えば、オートクレーブに、前記モノマー、金属触媒、及び必要に応じて溶媒を仕込み、混合した後、得られた混合物に二酸化炭素を圧入して、反応させる方法が挙げられる。
前記重合反応で必要に応じて用いる溶媒は、特に限定されない。
前記溶媒のうち、有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロエタン、トリクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸プロピル等のカルボン酸エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル等が挙げられる。
前記溶媒の使用量は、重合反応がより進行し易くなる点から、前記モノマーの使用量100質量部に対して、100〜10000質量部であることが好ましい。
前記重合反応における二酸化炭素の圧入時の圧力は、特に限定されないが、0.1〜20MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましく、0.1〜5MPaであることがさらに好ましい。二酸化炭素の圧入時の圧力が前記下限値以上であることで、重合反応がより進行し易くなる。また、二酸化炭素の圧入時の圧力が前記上限値以下であることで、二酸化炭素の過剰使用が抑制され、経済性が向上する。
前記重合反応時には、反応系内の水分量を前記金属触媒の使用量(100モル%)に対して、5モル%以下とすることが好ましく、4.5モル%以下とすることがより好ましい。重合反応時の反応系内の水分量は、例えば、カールフィッシャー水分計を用いて測定できる。反応系内の水分量は、例えば、乾燥剤を用いる方法等、公知の方法で調節できる。
前記重合反応時の反応温度は、特に限定されないが、20〜100℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限値以上であることで、重合反応がより短時間で完結する。また、反応温度が前記上限値以下であることで、副反応が抑制され、前記脂肪族ポリカーボネートの収率が向上する。
前記重合反応の反応時間は、反応温度により適宜調節すればよいが、2〜40時間であることが好ましい。
前記脂肪族ポリカーボネートのうち、水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方を有するものは、例えば、少なくとも一部の前記モノマーとして、前記アルケニル基等の重合性不飽和結合(C=C等)を有するものを用いて重合反応を行うことで、側鎖中に重合性不飽和結合を有する、中間体に相当する脂肪族ポリカーボネートを製造した後、この脂肪族ポリカーボネートに対して、水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方と、メルカプト基等の前記重合性不飽和結合に対して付加反応し得る基とを共に有する化合物(以下、「付加化合物」と略記することがある)を反応させて、前記脂肪族ポリカーボネート中の重合性不飽和結合に対して前記化合物を付加反応させることで、好適に製造できる。
前記アルケニル基等の重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
前記付加化合物としては、例えば、カルボキシアルキルチオール(アルカンの水素原子がカルボキシ基及びメルカプト基(−SH)で置換されてなる化合物)、ヒドロキシアルキルチオール(アルカンの水素原子が水酸基及びメルカプト基(−SH)で置換されてなる化合物)等が挙げられる。
上述の中間体に相当する脂肪族ポリカーボネートは、先に説明した目的物である脂肪族ポリカーボネートの場合と同様の方法で製造できる。
前記付加反応時の前記付加化合物の使用量は、中間体に相当する脂肪族ポリカーボネート中の重合性不飽和結合の量に応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、通常は、脂肪族ポリカーボネート中の重合性不飽和結合のモル数に対して、1〜10倍モル量であることが好ましく、1〜6倍モル量であることがより好ましい。
前記付加反応は、反応率が向上する点から、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の公知のラジカル開始剤を用いて行うことが好ましい。
また、前記付加反応は、製造工程を簡略化できる点から、前記重合反応で用いる溶媒と同様の溶媒を用いて行うことが好ましい。
前記重合開始剤及び溶媒の使用量は、適宜調節すればよい。
前記付加反応時の反応温度及び反応時間は、特に限定されず、例えば、前記重合反応時の反応温度及び反応時間と同様でもよい。
前記付加反応は、例えば、前記重合反応後の反応液にそのまま、又は必要に応じて公知の後処理操作を行った前記反応液に、前記付加化合物等を添加して行うことができる。
例えば、前記脂肪族ポリカーボネートが、R〜Rの一以上がカルボキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基である構成単位(1)−1を有するものである場合、このような脂肪族ポリカーボネートは、少なくとも一部の前記モノマーとして、R〜Rの一以上がアルケニルカルボニルオキシアルキル基である化合物(1a)−1を用い、前記付加化合物として、カルボキシアルキルチオールを用いて、上述の工程を行うことで、製造できる。
同様に、前記脂肪族ポリカーボネートが、R〜Rの一以上がヒドロキシアルキルチオアルキルカルボニルオキシアルキル基である構成単位(1)−1を有するものである場合、このような脂肪族ポリカーボネートは、少なくとも一部の前記モノマーとして、R〜Rの一以上がアルケニルカルボニルオキシアルキル基である化合物(1a)−1を用い、前記付加化合物として、ヒドロキシアルキルチオールを用いて、上述の工程を行うことで、製造できる。
前記重合反応又は付加反応終了後は、必要に応じて公知の後処理操作を行った後、公知の方法で目的物である脂肪族ポリカーボネートを取り出すことができる。また、得られた脂肪族ポリカーボネートは、必要に応じて精製してもよい。
脂肪族ポリカーボネートは、従来、ガラス転移点(Tg)が低いものがほとんど製造されてこなかったが、上述のモノマーを用いる製造方法によって、ガラス転移点が低くて、粘着成分として適した特性を有する脂肪族ポリカーボネートが得られる。
二酸化炭素は、地球温暖化の原因物質であるが、その一方で、日々様々な産業分野で排出されており、地球規模での排出量の削減が求められている。これに対して、上述の製造方法は、原料として二酸化炭素を用いるため、二酸化炭素を固定化でき、また、炭素資源の選択肢の拡大という点でも、優れたものであるといえる。
本発明に係る粘着剤が含有する前記脂肪族ポリカーボネートは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
(溶媒)
本発明に係る粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネート以外に、溶媒を含有するものが好ましい。溶媒を含有することにより、前記粘着剤の流動性や粘度等の物性を容易に調節できる。
前記溶媒は特に限定されず、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
前記粘着剤における溶媒の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜調節すればよいが、前記脂肪族ポリカーボネートの含有量100質量部に対して、100〜1000質量部であることが好ましく、100〜400質量部であることがより好ましい。
前記粘着剤は、前記溶媒以外の成分の総含有量(固形分(不揮発分)の総含有量)に対する、前記脂肪族ポリカーボネートの含有量の割合が、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、97質量%以上であることが特に好ましく、99質量%以上であることが最も好ましく、100質量%であっても(前記粘着剤が前記脂肪族ポリカーボネート及び溶媒以外の成分、すなわち後述するその他の成分を含有していなくても)よい。前記含有量の割合がこのような範囲であることで、粘着成分として前記脂肪族ポリカーボネートを用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
(その他の成分)
本発明に係る粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネート及び溶媒以外に、その他の成分を含有していてもよい。前記その他の成分は、粘着成分及び非粘着成分のいずれであってもよい。
前記粘着剤が含有する前記その他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
粘着成分である前記その他の成分としては、例えば、脂肪族ポリカーボネート以外の公知の粘着成分が挙げられ、より具体的にはアクリル樹脂、ゴム、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
非粘着成分である前記その他の成分としては、例えば、架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、劣化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、光安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤等の、粘着剤分野で公知の各種添加剤が挙げられる。
ただし、本発明に係る粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネートが十分な粘着力を有しているため、粘着付与剤等を用いなくても、十分な粘着力を有する粘着シートが得られる。
本発明に係る粘着剤で好ましいものとしては、例えば、前記その他の成分として架橋剤を含有するものが挙げられる。このような粘着剤を用いることで、後述する粘着剤層として、より優れた粘着力と再剥離性を有するものが、容易に得られる。
前記架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等が挙げられる。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素化トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(トリメチロールプロパン変性TDI)等が挙げられる。
前記アジリジン系架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)等が挙げられる。
前記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、スズ、亜鉛、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の二価以上の金属と、アセチルアセトン又はアセト酢酸エステルと、からなるキレート化合物が挙げられる。
前記粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネート及びその他の成分の総含有量に対する、前記その他の成分の含有量の割合が、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以下であることが特に好ましく、1質量%以下であることが最も好ましく、0質量%であっても(前記粘着剤が前記その他の成分を含有していなくても)よい。前記含有量の割合がこのような範囲であることで、粘着成分として前記脂肪族ポリカーボネートを用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
例えば、前記その他の成分として架橋剤を用いる場合には、前記脂肪族ポリカーボネート及び架橋剤の総含有量に対する、前記架橋剤の含有量の割合は、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。また、前記脂肪族ポリカーボネート及び架橋剤の総含有量に対する、前記架橋剤の含有量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。具体的には、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.2〜1質量%がさらに好ましい。
本発明に係る粘着剤は、前記脂肪族ポリカーボネート以外の成分を含有する場合、各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
また、溶媒を用いる場合、前記粘着剤中の成分はすべて溶解していてもよいし、一部又はすべての成分が溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
各成分の配合時の温度及び時間は特に限定されないが、例えば、温度は15〜30℃、時間は1〜60分間とすることが好ましい。
本発明の粘着剤は、脂肪族ポリカーボネート、架橋剤、及び溶剤を含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しないものであることが好ましい。
本発明の粘着剤は、上記一般式(1)−1で表される構成単位を有する脂肪族ポリカーボネート、エポキシ系架橋剤、及び芳香族炭化水素、カルボン酸エステルを含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しないものであることが好ましい。
本発明の粘着剤は、脂肪族ポリカーボネート、エポキシ系架橋剤、芳香族炭化水素、及びカルボン酸エステルを含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しないものであり、
前記脂肪族ポリカーボネートが、アルコキシ基を有する構成単位と、カルボキシル基を有する構成単位とを含むことが好ましい。
本発明の粘着剤は、脂肪族ポリカーボネート、エポキシ系架橋剤、トルエン、及び酢酸エチルを含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しないものであり、
前記脂肪族ポリカーボネートが、n−ブトキシ基を有する構成単位と、カルボキシル基を有する構成単位とを含むことが好ましい。
<粘着シート>
本発明に係る粘着シートは、上述の本発明に係る粘着剤からなる粘着剤層を備えたものである。
前記粘着剤層は、前記粘着剤を用いて層状となるように形成すればよく、例えば、溶媒を含有する粘着剤を用いる場合には、この粘着剤を目的とする箇所に塗工し、乾燥させることで形成できる。
前記粘着剤の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
前記粘着剤層の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1〜100μmであることが好ましく、1〜60μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。
粘着剤層の厚さは、例えば、粘着剤の塗工量や、粘着剤の固形分(不揮発分)の濃度を調節することで、調節できる。
なお、前記粘着剤層の厚さは、定圧厚さ測定器(TECLOCK CORPORATION社製)を使用して測定できる。
前記粘着シートは、通常、基材シート上に前記粘着剤層を備えて構成される。
前記基材シートの材質は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、紙、樹脂等が挙げられる。
紙としては、例えば、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙、上質紙、合成紙等が挙げられる。
樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE等))、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらのいずれかの樹脂の水素添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が挙げられる。
基材シートは1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよく、複数層からなる場合、各層の材質はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
基材シートの厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、5〜300μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましい。基材シートが複数層からなるものである場合には、すべての層の合計の厚さが、このような数値範囲であることが好ましい。
また、前記粘着シートは、前記粘着剤層上に剥離フィルムを備えて構成されているものが好ましい。すなわち、前記粘着シートは、基材シート、粘着剤層及び剥離フィルムがこの順に積層されてなるものが好ましい。
図1は、このような本発明に係る粘着シートの一実施形態の例を模式的に示す断面図である。
ここに示す粘着シート1は、基材シート11、粘着剤層12及び剥離フィルム13がこの順に積層されてなるものである。粘着剤層12は、基材シート11の表面11aの全面に設けられている。また、剥離フィルム13は、粘着剤層12の表面12aの全面を被覆するように設けられている。なお、剥離フィルム13の剥離層は、剥離フィルム13の粘着剤層12との接触面に設けられているが、ここでは図示を省略している。
ただし、本発明に係る粘着シートは、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、一部の構成が変更又は省略されたり、さらに他の構成が追加されたものでもよい。例えば、図1において粘着剤層12は、基材シート11の表面11aの全面に設けられているが、基材シート11の表面11aの一部の領域のみに設けられていてもよく、その場合、粘着剤層12は所定の形状にパターニングされていてもよい。また、図2に示すように基材シート11と剥離フィルム13が省略された粘着シートであってもよいし、図3に示すように剥離フィルム13が省略された粘着シートであってもよい。
前記剥離フィルムは公知のものでよく、例えば、粘着シート又は粘着テープの分野で通常使用されるものでよい。好ましい剥離フィルムとしては、例えば、基材フィルムの表面に剥離層が設けられたもの、填料等の充填剤を含有するフィルム基材、填料等の充填剤を含有するフィルム基材の表面に剥離層が設けられたもの等が挙げられる。
前記基材フィルムとしては、例えば、上述の基材シートと同様のものが挙げられる。
前記剥離層としては、例えば、シリコーン樹脂(主鎖にケイ素原子を有する樹脂)、アルキッド樹脂、長鎖アルキル系樹脂(長鎖アルキル基を有する樹脂)、フッ素樹脂(フッ素原子を有する樹脂)等の剥離剤を含有するものが挙げられる。
剥離フィルムの厚さは特に限定されず、適宜調節すればよい。
基材シート、粘着剤層及び剥離フィルムがこの順に積層されてなる前記粘着シートは、例えば、前記基材シートの表面に前記粘着剤を塗工し、必要に応じて乾燥させて、粘着剤層を形成した後、この粘着剤層の基材シートとは反対側の表面(露出面)を、前記剥離フィルムの表面(剥離層の表面)に貼り合わせることで製造できる。
また、基材シート、粘着剤層及び剥離フィルムがこの順に積層されてなる前記粘着シートは、例えば、前記剥離フィルムの表面(剥離層の表面)に前記粘着剤を塗工し、必要に応じて乾燥させて、粘着剤層を形成した後、この粘着剤層の剥離フィルムとは反対側の表面を、前記基材シートの表面に貼り合わせることでも製造できる。
これらの製造方法において、粘着剤の塗工は、先に説明した方法で行えばよい。
また、これらの製造方法においては、上記以外の工程を必要に応じて追加して行ってもよい。
前記粘着シートにおける粘着剤層は、前記粘着剤を用いていることで、十分な粘着力と再剥離性とを有している。そして、前記粘着剤層は、例えば、被着体に貼付された状態を長時間維持する保持力や、基材シートからの脱落が抑制される基材シート密着性の点でも、優れたものとすることが可能である。
本発明の粘着シートの用途は、特に限定されるものではないが、例えば、粘着テープ、両面テープ、粘着ラベルなどの日用品;壁紙、床タイル、床シート(クッションフロアー)、カーペット、天井材、窓用粘着シート(例えば、遮熱シート、反射シート、防犯シート)などの住宅用資材;自動車用製品;家電製品;電子部品などにおいても利用することができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[製造例1]
<脂肪族ポリカーボネートの製造>
攪拌機、ガス導入管及び温度計を備えた1L容のオートクレーブの系内をあらかじめ窒素雰囲気に置換した後、金属触媒としてグルタル酸亜鉛を含むトルエンスラリー液(174.6g、グルタル酸亜鉛を0.2モル含む)、酢酸エチル(358.8g)、n−ブチルグリシジルエーテル(368g、2.83モル)、メタクリル酸グリシジル(6.1g、0.04モル)を仕込んだ。次に、得られた混合物を攪拌しながら、二酸化炭素ガスを加え、反応系内が1MPaとなるまで二酸化炭素ガスを充填した。その後、60℃に昇温し、反応により消費される二酸化炭素を補給しながら30時間重合反応を行なった。反応終了後、オートクレーブを冷却して脱圧し、内容物を酢酸エチル(358.8g)で希釈し、ろ過により不溶の触媒を除去した。得られた酢酸エチル溶液の一部を分析したところ、メタクリル基の導入量は、反応で消費されたn−ブチルグリシジルエーテルとメタクリル酸グリシジルの総モル数に対して、1.5モル%、n−ブトキシ基の導入量は、反応で消費されたn−ブチルグリシジルエーテルとメタクリル酸グリシジルの総モル数に対して98.5モル%、重量平均分子量は215,000、分散度は5.47、ガラス転移点は−20℃であった。
この酢酸エチル溶液を攪拌機、ガス導入管及び温度計を備えた2L容のセパラブルフラスコ内に移し、窒素雰囲気に置換した後、3−メルカプトプロピオン酸(15.2g、0.144モル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(6.7g、0.027モル)を仕込み、60℃で10時間反応を行なった。反応終了後、酢酸エチルを蒸留で取り除き、フラスコに残った樹脂をメタノール、水で洗浄し、乾燥させることで、脂肪族ポリカーボネート(A1)を得た。得られた脂肪族ポリカーボネート(A1)を分析した結果、カルボキシ基の導入量は、前記重合反応で消費されたn−ブチルグリシジルエーテルとメタクリル酸グリシジルの総モル数に対して1.5モル%、n−ブトキシ基の導入量は、前記重合反応で消費されたn−ブチルグリシジルエーテルとメタクリル酸グリシジルの総モル数に対して98.5モル%、重量平均分子量は203,000、分散度は4.01、ガラス転移点は−15℃であった。
ここで、上述の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件で測定(GPC測定)したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製「HLC−8020」
・GPCカラム(以下の順に通過):いずれも東ソー社製
TSK guard column HXL−H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
また、ガラス転移点は、パーキンエルマー社製DSC「PYRIS Diamond
DSC」を用い、昇降温速度10℃/分で−70℃から25℃の温度プロファイルで、対象物について測定を行い、そのときの変曲点を確認して求めた。
[実施例1]
<粘着シートの製造>
(粘着剤の製造)
製造例1で得られた脂肪族ポリカーボネート(A1)の濃度が50質量%である酢酸エチル溶液(100質量部、脂肪族ポリカーボネート(A1)として50質量部)、及びエポキシ系架橋剤溶液(大成化薬社製「TC−5」、濃度5質量%、溶媒成分:トルエン、以下、含有される架橋剤を「架橋剤(B1)」と略記することがある)(3質量部)を配合し、室温で30分間撹拌することで、溶液状の粘着剤を得た。各配合成分とその配合量(固型分量)を表1に示す。
(粘着シートの製造)
片面がシリコーン処理により剥離処理されたポリエチレンテレフタレート製フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)を剥離フィルムとして用い、その前記剥離処理面に、上記で得られた粘着剤を塗布し、100℃で1分間乾燥させることで、厚さが20μmの粘着剤層を形成した。このとき、粘着剤層の剥離フィルム上での形成量は、20g/mであった。
次いで、この粘着剤層の表面(露出面)に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート製基材シートを貼り合せることで、粘着シートを得た。得られた粘着シートは、以下の評価時においては、剥離フィルムを剥離させて用いた。
<粘着シートの評価>
上記で得られた粘着シートについて、下記評価を行った。
(粘着力)
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、粘着シートを25mm×300mmの大きさに切り出して粘着シート試験片とした。次いで、この粘着シート試験片から、25mm×150mmの大きさの分だけ剥離フィルムを剥離させて、露出した粘着剤層の表面(25mm×150mm)を被着体の表面に貼付して、粘着力評価用試料とした。前記被着体としては、ステンレス鋼(SUS304#360(耐水研磨紙#360を用いて、SUS304表面を往復30回研磨したもの))、ポリプロピレン(以下、「PP」と略記することがある)及びポリカーボネート(以下、「PC」と略記することがある)の3種の材質のものを用いた。
このような粘着力評価用試料を各被着体ごとに2つずつ作製し、いずれも作製してから23℃で24時間静置後に、引張速度300mm/分で180°引き剥がし法により粘着剤層の粘着力(N/25mm)を測定し、その平均値を算出して、「24時間後」粘着力(N/25mm)とした。結果を表1に示す。
なお、表1の「粘着力」の欄における「Cf」とは、粘着剤層の凝集破壊が見られたことを意味する。
(保持力)
粘着シートの粘着剤層の表面をステンレス鋼(SUS304#360)板の表面に貼付した。このとき、粘着剤層の表面の、ステンレス鋼板の表面への貼付領域が25mm×25mmの大きさとなるようにした。このように、粘着シートを貼付したステンレス鋼板を2つ作製し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で15分静置した後、クリープ試験機にセットし、この状態でさらに15分間静置した。次いで、40℃の環境下で粘着シートに9.8Nの荷重を加え、JIS Z 0237の保持力の測定法に従って、粘着シートが落下するまでの時間(最大70000秒)を測定し、粘着剤層の保持力(秒)とした。結果を表1に示す。
なお、表1の「保持力」の欄における「NC」及び「Cf」は、それぞれ以下の意味である。
NC(Non creep):保持力の測定時に70000秒を超えても、粘着シートが落下しなかっただけでなく、粘着シートのステンレス鋼板への貼付位置にずれが生じていなかった。
Cf(Cohesive failure):粘着剤層の凝集破壊が見られた。
(再剥離性)
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、粘着シートを20mm×40mmの大きさに切り出して粘着シート試験片とした。次いで、この粘着シート試験片の粘着剤層の表面全面を被着体の表面に貼付して、そのまま30分静置した。前記被着体としては、材質がポリプロピレン(PP)であるものを用いた。次いで、この粘着シート試験片を貼付した被着体を、温度70℃の雰囲気下で168時間静置した後、さらに温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置した。次いで、同じ環境下(温度23℃、相対湿度50%の環境下)で粘着シート試験片を被着体から剥離させ、剥離後の被着体の表面を目視観察し、表面における粘着剤の付着の有無や程度に着目して、粘着剤層の再剥離性を評価した。
そして、再剥離性が合格の場合を「A」、不合格の場合を「B」とした。結果を表1に示す。
なお、表1の「再剥離性」の欄における「Zip」とは、粘着剤層がその動きが止まりながら剥離する、所謂ジッピング(Zipping)剥離を生じたことを意味する。
(基材シート密着性)
製造直後から室温において7日間保存した後の粘着シートから剥離フィルムを剥離させた後の粘着剤層の表面を、指で複数回擦り、そのときの粘着剤層の脱落の有無及び程度を下記基準に従って評価し、「室温、7日後」基材シート密着性とした。結果を表1に示す。
また、上記の7日間保存後の粘着シートに代えて、製造直後から温度60℃、相対湿度95%の環境下で3日保存した粘着シートを用いた点以外は、上記と同じ方法で評価を行い、「60℃、95%RH、3日後」基材シート密着性とした。結果を表1に示す。
◎評価基準
5:基材シートから粘着剤層が全く脱落しなかった。
4:基材シートから粘着剤層がごく微量脱落した。
3:基材シートから粘着剤層が少量脱落した。
2:基材シートから粘着剤層が比較的容易に脱落した。
1:基材シートから粘着剤層が容易に脱落した。
*5、4、3、2、1の順に基材シート密着性が高いことを意味する。
(ヘイズ)
粘着シートから剥離フィルムを剥離させた後、JIS K7105に従って、積分球式光線透過率測定装置(日本電色工業社製「NDH−2000」)を用いて、拡散透過率(Td)(%)及び全光線透過率(Tt)(%)を測定した。そして、下記式により、ヘイズ(%)を算出した。
ヘイズ(%)=Td/Tt×100
[実施例2]
<粘着シートの製造及び評価>
粘着剤の製造時に、エポキシ系架橋剤溶液の配合量を3質量部に代えて6質量部とした(表1に示すように、架橋剤(B1)の配合量を0.15質量部に代えて0.30質量部とした)点以外は、実施例1と同じ方法で粘着シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
<粘着シートの製造及び評価>
粘着剤の製造時に、エポキシ系架橋剤溶液の配合量を3質量部に代えて1質量部とした(表1に示すように、架橋剤(B1)の配合量を0.15質量部に代えて0.05質量部とした)点以外は、実施例1と同じ方法で粘着シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016208281
上記結果から明らかなように、実施例1〜3の粘着シートにおける粘着剤層は、いずれも良好な粘着性を有しており、脂肪族ポリカーボネート(A1)は粘着成分として十分に機能することを確認できた。より詳細には、以下のとおりである。
実施例1〜3の粘着剤層はいずれも、被着体の材質によらず、24時間静置後の粘着力が大きく、被着体への貼付後に経時によっても十分な粘着力を有していた。
実施例1及び2の粘着剤層はいずれも、保持力の評価時に測定時間が70000秒を超えても、粘着シートが落下せず、それにとどまらず、粘着シートのステンレス鋼板への貼付位置にずれが生じておらず、優れた保持力を示した。
一方、実施例3の粘着剤層は、保持力が5080秒であり、こちらも実使用時に全く問題を生じないものであった。
実施例1〜3の粘着剤層はいずれも、ジッピング剥離が生じたものの、再剥離性は良好であった。
実施例1〜3の粘着剤層はいずれも、「室温、7日後」基材シート密着性が高かった。
そして、実施例1及び2の粘着剤層はいずれも、「60℃、95%RH、3日後」基材シート密着性がさらに高くなっており、加熱加湿経時によって基材シート密着性が増大していた。一方、実施例3の粘着剤層は、「60℃、95%RH、3日後」基材シート密着性がやや低くなっており、加熱加湿経時によって基材シート密着性がやや低下していたが、実使用時に全く問題を生じないものであった。
実施例1〜3の粘着剤層はいずれも、ヘイズが小さく、透明度が高かった。
本発明は、粘着シート等の粘着剤を用いる材料の分野で利用可能であり、二酸化炭素の固定化にも利用可能である。
1・・・粘着シート、11・・・基材シート、11a・・・基材シートの表面、12・・・粘着剤層、12a・・・粘着剤層の表面、13・・・剥離フィルム

Claims (8)

  1. 脂肪族ポリカーボネートを粘着成分として含有し、前記脂肪族ポリカーボネートが、その主鎖中にカルボン酸エステル結合及びウレタン結合を有しない粘着剤。
  2. 前記脂肪族ポリカーボネートの重量平均分子量が100000以上である、請求項1に記載の粘着剤。
  3. 前記脂肪族ポリカーボネートのガラス転移点が0℃以下である、請求項1又は2に記載の粘着剤。
  4. 前記脂肪族ポリカーボネートが、下記一般式(1)−1で表される構成単位を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤。
    Figure 2016208281
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニルカルボニルオキシアルキル基若しくはアリール基であり、R、R、R及びRのいずれか二以上が置換基を有していてもよいアルキル基である場合、これら二以上のアルキル基は相互に結合して、環を形成していてもよい。)
  5. 前記脂肪族ポリカーボネートが、炭素数1〜16のアルキル基及びアルコキシ基のいずれか一方又は両方を側鎖として有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤。
  6. 前記脂肪族ポリカーボネートが、アルキル基及びアルコキシ基のいずれか一方又は両方を有する構成単位(i)と、水酸基及びカルボキシ基のいずれか一方又は両方を有する構成単位(ii)とを有し、
    前記構成単位(i)と前記構成単位(ii)との合計量に対する、前記構成単位(ii)の量の割合が0.1〜10モル%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤。
  7. 前記脂肪族ポリカーボネートが、二酸化炭素を原料として用いて得られたものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤からなる粘着剤層を備えた粘着シート。
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