JPWO2016204271A1 - 免疫機能発達促進剤及び成長促進剤 - Google Patents

免疫機能発達促進剤及び成長促進剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、CCL25を含有する免疫機能発達促進剤及び成長促進剤を開示する。本発明の免疫機能発達促進剤を摂取することで、対象の免疫機能の発達を促進することができる。また、本発明の成長促進剤を摂取することで、対象の成長を促進することができる。

Description

本発明は、免疫機能発達促進剤及び成長促進剤に関する。
新生児の初期免疫機能獲得には母乳摂取が重要な役割を果たしている。特に、出産直後に分泌される初乳には、IgA抗体や免疫機能に関与する物質が多く含まれており、新生児の感染防御に重要な役割を果たしている。その免疫機能関与物質の一つにケモカインと呼ばれるタンパク質があり、CXCL8(IL−8)、CCL5(RANTES)及びCCL28が母乳に含まれるケモカインとして知られている。しかしながら、例えば、初乳の製造・分泌時期には乳腺組織内でCCL28の発現がほとんど見られないことが報告されている。このように、初乳の摂取による新生児の免疫獲得において、ケモカインがどのように関与しているかについては依然として不明である。
上記のケモカインの他、マウス、ヒトの胸腺で発見され、腸管免疫に関与するケモカインの一種に、Chemokine(C−C motif)ligand25(CCL25)がある。これまでに、母体におけるCCL25の働きとして、乳腺組織内での初乳へのIgAの移行にCCL25が関わっている可能性が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、CCL25についても初乳の摂取による新生児の免疫獲得における働きは明らかにされていない。
竹中正樹、茶山和敏、"妊娠および必乳中のマウス乳腺内におけるCCL25ケモカインの発現"、2010年3月5日、第11回静岡ライフサイエンスシンポジウム要旨集、p.19
本発明は、CCL25の新たな機能を同定することを目的とする。
本発明者らは、驚くべきことに、これまで母体で発現することによって乳汁へのIgAの移行に関与していると考えられていたCCL25が、乳汁自体に含まれており、乳汁を摂取する対象へ直接働きかけることで免疫機能の発達を促進する機能及び成長を促進する機能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供する。
[1]CCL25を含有する免疫機能発達促進剤。
[2]乳児用である[1]の免疫機能発達促進剤。
[3]経口摂取用である[1]又は[2]の免疫機能発達促進剤。
[4]CCL25を含有する成長促進剤。
[5]乳児用である[4]の成長促進剤。
[6]経口摂取用である[4]又は[5]の成長促進剤。
さらに、本発明は、以下の[7]〜[24]も提供する。
[7]免疫機能発達促進剤の製造のためのCCL25の使用。
[8]免疫機能発達促進剤が乳児用である[7]の使用。
[9]免疫機能発達促進剤が経口摂取用である[7]又は[8]の使用。
[10]成長促進剤の製造のためのCCL25の使用。
[11]成長促進剤が乳児用である[10]の使用。
[12]成長促進剤が経口摂取用である[10]又は[11]の使用。
[13]対象の免疫機能発達促進に使用するためのCCL25。
[14]対象が乳児である[13]のCCL25。
[15]対象がCCL25を経口摂取する[13]又は[14]のCCL25。
[16]対象の成長促進に使用するためのCCL25。
[17]対象が乳児である[16]のCCL25。
[18]対象がCCL25を経口摂取する[16]又は[17]のCCL25。
[19]必要とする対象にCCL25を投与する、対象の免疫機能発達を促進する方法。
[20]対象が乳児である[19]の方法。
[21]CCL25を経口投与する[19]又は[20]の方法。
[22]必要とする対象にCCL25を投与する、対象の成長を促進する方法。
[23]対象が乳児である[22]の方法。
[24]CCL25を経口投与する[22]又は[23]の方法。
本発明の免疫機能発達促進剤を摂取することで、対象の免疫機能の発達を促進することができる。また、本発明の成長促進剤を摂取することで、対象の成長を促進することができる。
CCL25を添加した人工乳を与えて人工哺育した新生仔マウス群(CCL25添加群)と、CCL25を添加していない人工乳を与えて人工哺育した新生仔マウス群(コントロール群)の体重増加を経時的に比較したグラフである。*はコントロール群と比較して有意差があったことを示す(P>0.05)。 CCL25添加群とコントロール群における体重当たりの臓器重量を比較したグラフである。*及び**はコントロール群と比較して有意差があったことを示す(*:P>0.05、**:P>0.01)。 CCL25添加群とコントロール群の腸管におけるIgA産生細胞数を比較したグラフである。*はコントロール群と比較して有意差があったことを示す(P>0.01)。 CCL25添加群とコントロール群の胸腺中の総細胞数及び総細胞数あたりのリンパ球数を比較したグラフである。
本実施形態における免疫機能発達促進剤及び成長促進剤は、ヒト及び非ヒト動物を含む哺乳類を対象としており、ヒトを対象とすることが好ましい。
本実施形態において、免疫機能発達促進剤及び成長促進剤は、好ましくは乳児用であり、より好ましくは新生児用である。乳児とは、母乳又は人工乳で生育されている子供を意味する。出生からの経過期間に特に拘るものではないが、ヒトの場合、例えば乳児は出生後1年未満の子供を意味することができ、新生児は出生後28日未満の子供を意味することができる。非ヒト動物においては、それぞれヒトの乳児及び新生児に対応する期間の個体を意味する。
本実施形態におけるCCL25を含有する免疫機能発達促進剤及び成長促進剤は、CCL25が活性を有する状態で含まれている組成物であれば特に限定されないが、母体から得られた乳汁そのものは含まれない。
CCL25は、公知の方法により製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。
本実施形態における免疫機能発達促進剤及び成長促進剤を対象に与える形式は、特に限定されず、経口摂取用、経腸摂取用、経静脈投与用等とすることができるが、経口摂取用とすることが好ましい。
本実施形態における免疫機能発達促進剤及び成長促進剤を対象の経口摂取用とする形態は、特に限定されず、対象が経口摂取するのに適当な媒体に添加して用いることができるが、人工乳に添加して用いることが好ましい。
人工乳は、母体から得られた乳汁をそのまま用いたものではなく、人工的に製造、加工された乳汁を意味し、例えば乳児用、未熟児用、医薬用の調製粉乳及び液体調製乳等が挙げられる。
免疫機能発達促進剤とは、その組成物を摂取した場合又は投与された場合に、対象の免疫機能の発達が、摂取していない対象又は投与されていない対象と比較して促進していると認められるものを意味する。促進しているか否かについて判断するための指標としては、例えば免疫系に関与する遺伝子及び/又はタンパク質の発現量、腸管(大腸及び小腸)、脾臓、胸腺等の免疫系器官である臓器の体重あたりの重量、IgA産生細胞、リンパ球(キラーT細胞及びヘルパーT細胞等のT細胞、B細胞及びナチュラルキラー細胞)、ダブルネガティブ細胞及びダブルポジティブ細胞等の免疫系に関与する細胞の数、小腸内のパイエル板の個数及び大きさ等を用いることができる。すなわち、その組成物を摂取していない対象又は投与されていない対象と比較して、免疫機能が働いている際に発現量が増加する遺伝子及び/又はタンパク質の発現量、腸管、脾臓、胸腺の体重あたりの重量が有意に高い場合、IgA産生細胞数、リンパ球数、パイエル板の個数が有意に多い場合、及びパイエル板の大きさが有意に大きい場合等には、その組成物の摂取又は投与により、免疫機能の発達が促進されていると判断することができる。
免疫機能が働いている際に発現量が増加する遺伝子及び/又はタンパク質としては、例えば各種免疫細胞の表面マーカー類、各種サイトカイン類及びIgAを含む免疫グロブリン等が挙げられる。免疫系器官としては、腸管、脾臓、胸腺の他にも、リンパ節、骨髄等が挙げられ、免疫系に関与する細胞としては、IgA産生細胞の他にも、リンパ球(キラーT細胞及びヘルパーT細胞等のT細胞、B細胞及びナチュラルキラー細胞)、ダブルネガティブ細胞、ダブルポジティブ細胞、マクロファージ及び白血球等が挙げられる。
成長促進剤とは、その組成物を摂取した場合又は投与された場合に、対象の成長が、摂取していない対象又は投与されていない対象と比較して促進していると認められるものを意味する。促進しているか否かについて判断するための指標としては、成長に関与する遺伝子及び/又はタンパク質の発現量、対象の体重、筋量、臓器重量等を用いることができる。すなわち、その組成物を摂取していない対象又は投与されていない対象と比較して、成長が促進される際に発現量が増加する遺伝子及び/又はタンパク質の発現量、対象の体重、筋量、臓器重量等が有意に高い場合には、その組成物の摂取又は投与により、成長が促進されている判断することができる。
成長が促進される際に発現量が増加する遺伝子及び/又はタンパク質としては、例えば成長ホルモン、甲状腺ホルモン及び糖質コルチコイド等が挙げられる。
本発明を以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(新生仔マウス実験群)
交尾が確認できた日を妊娠0日目とし、出産する前日(妊娠19日目)にメスを1匹に隔離した。そして、出産した日を0日目とし、生後0日目(親を帝王切開)、生後1日目、生後2日目、生後5日目、生後10日目、生後21日目(離乳後)の6群を作成し、各時期の新生仔から腸管(小腸及び大腸)を摘出した。
(腸管試料の作製)
マウス新生仔を、毒物の使用基準に従ってジエチルエーテル過剰吸入によって安楽死させ、腸管(小腸及び大腸)を摘出した。大腸はRNAlater(TaKaRa社)に漬けて一晩4℃で浸透させた後、−80℃で保存した。小腸は3等分にし、それぞれを、(1)リアルタイムPCRに用いるサンプルとして、RNAlater(TaKaRa社)に漬けて一晩4℃で浸透させた後、−80℃で保存し、(2)免疫染色に用いるサンプルとして、プラスチック製のクリオモルド(角型1号;Sakura Finetek社)に封入剤であるティシューテックO.C.T.コンパウンド(Sakura Finetek社)と共に入れ、ドライアイス上で速やかに凍結させ、凍結切片用のブロックを作製し、−80℃で保存し、(3)ヘマトキシリン・エオジン(Hematoxylin and Eosin Stain;HE Stain)組織染色に用いるサンプルとして、4%パラホルムアルデヒド固定液に24〜36時間浸漬させ、固定処理を行った。組織染色用サンプルは固定処理後に1×PBSで3〜4回洗浄し、組織標本の作製のために70%エタノール溶液中で保存した。
(リアルタイムPCR法)
トータルRNAは、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社)を用いて、プロトコルに従って調製した。cDNAの合成にはSuper Script(商標)First−Strand Synthesis System(Invitrogen社)を使用した。リアルタイムPCR用チューブにFast Start Essential DNA Green Master 2xconc.(Roche社)10μl、Sense primer(10μM)1μl、Anti−sense primer(10μM)1μl、cDNA1μl、Fast Start Essential DNA Green Master HO(Roche社)7μlを加えて全反応量を20μlとした。そして、Light Cycler(商標)Nano(Roche社)を使用してリアルタイムPCRを行った。リアルタイムPCRに用いたプライマー(Sigma−Aldrich社)は、GAPDH(PCR産物のサイズ 136bp):5’−GGGTGTGAACCATGAGAAGT−3’(配列番号1;フォワード)、5’−GACTGTGGTCATGAGTCCT−3’(配列番号2;リバース)、CCL25(PCR産物のサイズ 131bp):5’−CCATCAGCAGCAGTAAGAGG−3’(配列番号3;フォワード)、5’−CTGTAGGGCGACGGTTTTAT−3’(配列番号4;リバース)、CCR9(PCR産物のサイズ 110bp):5’−GCCTGAGCAGGGAGATTAT−3’(配列番号5;フォワード)、5’−GAGCAGACAGAGTG−3’(配列番号6;リバース)である。解析する遺伝子としては、CCL25、CCR9及び内部標準としてGAPDHを用いた。それぞれ遺伝子の反応条件は、初期変性を95℃で3分間行った後、CCL25:熱変性(95℃、60秒)、アニーリング(55℃、50秒)、伸長反応(72℃、60秒)を全40サイクル、CCR9:熱変性(95℃、60秒)、アニーリング(58℃、50秒)、伸長反応(72℃、60秒)を全45サイクル、GAPDH:熱変性(95℃、60秒)、アニーリング(55℃、50秒)、伸長反応(72℃、60秒)を全45サイクル、の各条件で増幅を行った。
(免疫組織化学的染色)
−80℃で保存した腸管組織を、切片作製の前に、−20℃で約20分間平衡化(切片作製時の粗砕を防止)した後、腸管組織ブロックをクリオスタットで8μmの厚さに薄切し、シランコートした無蛍光スライドガラス(FRC−11;Matsunami社)に貼り付けた。切片がスライド上で乾いた後、冷アセトンで−20℃で10分間浸漬し、風乾した。洗浄バッファー(1XPBS)で切片を各5分間、3回洗浄した後、免疫染色を行った。免疫染色には、CCL25及びIgAそれぞれについて一次抗体及び二次抗体を用いた。1%BSA含有PBSブロッキング液で、各切片を室温で1時間ブロッキング処理した。ブロッキング液を除去し、ブロッキング液で希釈した一次抗体を各切片に添加し、4℃で一晩インキュベートした。一次抗体液を除去し、1XPBSで切片を各5分間、3回洗浄した。1%BSA含有PBSブロッキング液で希釈した二次抗体を各切片に添加し、室温で2時間インキュベートした後、二次抗体を除去し、1XPBSで切片を各5分間、3回洗浄した。その後、水溶性封入剤(Thermo Scientific社)にてスライドグラス上で封入し、実体蛍光顕微鏡(MZ10F;Leica社)にて観察を行った。免疫組織化学的染色に使用した抗体は、CCL25:Goat anti−mouse CCL25/TECK antibody(一次抗体;R&D Systems社)、Fluorescein(FITC)−conjugated AffiniPure Rabbit Anti−Goat++ IgG (H+L)(二次抗体;Jackson Immuno Research社)、IgA:Goat anti−mouse IgA affinity Purified(一次抗体;Bethyl Laboratories社)、Rhodamine(TRITC)−conjugated AffiniPure Donkey Anti−Goat++ IgG (H+L)(二次抗体;Jackson Immuno Research社)であり、それぞれ1:100の希釈倍率で用いた。
(統計学的解析)
実験結果に関するすべての統計処理は、t−検定を用いて行い、統計学的有意水準は特に明示のない場合については5%(P>0.05)とした。
(人工乳汁の作製)
マウス用人工乳汁を用いた人工哺乳法に関する文献(Biosci. Biotechnol. Biochem.,2007, 71(10), 2420-2427及びExperimentalanimals, 2006, 55(4), 391-397)を参考に、脂肪の含有量を16%から18%に修正して、マウス用人工乳汁を作製した。以下に人工乳汁の作成方法を示す。初めに、Casein mixtureを作製した。
(a)セリン(0.2875g)、システイン(0.225g)及びトリプトファン(0.27g)の3種類のアミノ酸を、NaOH(0.25g)及びKOH(1.5g)を含む200mlのアルカリ水溶液に加えた(常にスターラーで撹拌、60〜70℃)。
(b)カゼイン(40.0g)をアルカリ水溶液に加え、溶解した。このCasein mixtureを、沸騰しているお湯の入ったバス中で30分間滅菌した。次に、カゼイン塩のミセルを作製した。
(c)Casein mixtureにカルシウム及びマグネシウムを加えた。CaCl・2HO(1.7g)、GlyCaPO(8g)及びMgCl・6HO(1.9g)を50mlの蒸留水(121℃で10分間オートクレーブ)に溶かし、ポリトロン様ミキサーでホモジナイズした。これをCasein mixtureにゆっくりと加えた(ホモジナイザーで混ぜ続ける)。
(d)CaCO・2HO(2.5g)及びCa−citrate(1.2g)を25mlの蒸留水に溶かし、オートクレーブした後、Casein mixtureにゆっくりと加えた。
(e)NaHPO(0.8g)及びKHPO(0.08g)を12.5mlの蒸留水に溶かし、オートクレーブで滅菌した後Casein mixtureに加えた。
(f)ラクトース水溶液(ラクトース18.91gを55mlの蒸留水に溶かしたもの)をオートクレーブで滅菌した後、ゆっくりとCasein mixtureに加えた。
(g)FeSO・7HO(0.48g)及びCitrate−HO(0.01g)を5mlの蒸留水に溶かした。そのうちの2.5ml、ZnSO・7HO(0.3g)、CuSO・5HO(0.075g)及びMnSO・5HO(0.0125g)を6.25mlの蒸留水に溶かした。そのうちの1.25ml、NaF(0.00775g)及びKI(0.0125g)を6.25mlの蒸留水に溶かした。そのうちの1.25mlをCasein mixtureに加えた。この操作は、Millipore Filtration(0.45μm)で滅菌した後に、常に撹拌しながら行った。
(h)その後、Whey Protein Isolate(40g)及びWhey Protein Hydrolysate(50g)を250mlの滅菌蒸留水に溶かした。この溶液を、撹拌しながら40℃以下に冷ましたCasein mixtureに加えた。
(i)カルニチン(0.08g)、ピコリン酸(0.04g)、エタノールアミン(0.068g)及びタウリン(0.3g)を5mlの蒸留水に溶かした。そのうちの2.5mlを Casein mixtureに加えた。
(j)クエン酸二水素コリン(1.47g)を18.375mlの蒸留水に溶かした中和溶液(5N NaOHでpH7.0に中和)に、水溶性ビタミンmixture(シアノコバラミン(0.0119mg)、ビオチン(0.18mg)、葉酸(0.78mg)、チアミン塩酸塩(8.81mg)、ピリドキシン塩酸塩(1.25mg)、リン酸リボフラビンナトリウム(12.15mg)、パントテン酸カルシウム(26.43mg)、p−アミノ安息香酸(44.04mg)、ニコチン酸(49.88mg)、アスコルビン酸ナトリウム(674mg)、及び4−イノシトール(487.25mg))を溶かした。そのうちの17.5mlをCasein mixtureに加えた。
(k)脂溶性ビタミン(ビタミンK(19.825mg)、ビタミンE:α−トコフェロール(23.45mg)及びビタミンAとDを含む混合物)並びに6種類の食用油(パーム油(53.85g)、ココナッツ油(44.9g)、コーン油(17.955g)、中鎖脂肪酸油(26.9325g)、大豆油(35.91g)及びコレステロール(0.4g))を沸騰しているお湯の入ったバス中で30分間滅菌した。この油性溶液を40〜50℃まで冷ました後、撹拌しながらCasein mixtureに加えた。
(l)この最終混合物を、高圧条件下(180kg/cm)で3回ホモジナイズした。
(m)ホモジナイズの後、人工乳汁は無菌的に50ml滅菌ポリプロピレンボトルに分注し、−20℃で凍結させた。
(n)冷凍した人工乳汁はガンマ線照射処理(30kGy)による滅菌をし、哺乳実験まで−20℃で保存した。
(人工哺育実験に用いたマウス)
10〜12週齢のddY系マウス(JapanSLC社)及びddY系マウスの新生仔を用いた。
(人工哺育実験)
予備実験として、帝王切開して3時間以内に人工乳汁で人工哺育を開始した。32匹の帝王切開による新生仔に人工哺育を行ったところ、3日目には約43%(14匹)の新生仔マウスが死亡した。そして、9日目までに全数の新生仔マウスが死亡した。このことから、本実施例においては、生後2日齢まで母乳哺育させた新生仔に、生後3日齢から、3時間に1回、人工乳汁を与えることとした。
(ヘマトキシン染色)
人工哺育したマウスの小腸を摘出し、小腸(十二指腸から空腸まで)をピンでとめて、10%ホルマリン液中で3時間以上浸漬固定処理を行った。固定処理後に蒸留水で数回洗浄し、Mayer’s Hematoxylin Solutionで7分間染色した。その後、蒸留水で一回洗浄した後、一時間流水洗した。
(実施例1 新生仔腸管内のCCL25及びCCR9の発現とIgA産生細胞の経時的変化の観察)
リアルタイムPCRにより、腸管組織のCCL25mRNAの発現について解析した。その結果、離乳時期である生後21日目群の発現量を1とした時、小腸でのCCL25mRNA発現量は、生後0日目群で0.12±0.07、生後1日目群で0.09±0.06、生後2日目群で0.39±0.04、生後5日目群で0.62±0.003及び生後10日目群で0.70±0.05であった。すなわち、CCL25mRNAの発現量は、生後2日目から増加し始めて、その量は経時的に増加し、生後5日目群から生後21日目群まで、その発現量は0日目群に比べて、有意に増加した。また、大腸での発現量は、生後0日目群で0.41±0.04、生後1日目群で0.33±0.01、生後2日目群で0.27±0.02、生後5日目群で0.08±0.006及び生後10日目群で0.09±0.006であり、生後21日目群が最も高かった。
CCL25の唯一のレセプターであるCCR9について、リアルタイムPCRにより、腸管組織におけるmRNAの発現について解析した。その結果、小腸では、生後21日目群を1とした時、生後0日目群で0.15±0.04、生後1日目群で0.25±0.006、生後2日目群で0.02±0.01、生後5日目群で0.50±0.01及び生後10日目群で0.7±0.01であった。すなわち、CCR9mRNAの発現量は、生後0日目に比較して、生後5日目から有意に増加し始め、その量は経時的に増加していた。そして、生後21日目群のCCR9mRNA量が最も高い値を示した。大腸での発現量は、生後0日目群で0.006±0.0005、生後1日目群で0.036±0.008、生後2日目群で0.005±0.001、生後5日目群で0.005±0.0003及び生後10日目群で0.004±0.0004であり、CCR9mRNAの発現量は、生後1日目群、生後2日目群、生後5日目群及び生後10日目群では低い値を示しており、生後21日目群がピークになることが分かった。
次に、生後10日目の大腸及び小腸におけるCCL25及びCCR9のmRNA発現量を比較した。その結果、小腸の発現量を1とした時、大腸のCCL25mRNA発現量は0.07±0.009であった。また、CCR9mRNA発現量は、小腸の発現量を1とした時、大腸のCCR9mRNA発現量は0.06±0.003であった。大腸のCCL25mRNA及びCCR9mRNAの発現量は小腸に対して有意に低い値を示した。この結果から、新生仔腸管におけるCCL25の発現も、腸管機能が確立されている離乳後と同様に、主に小腸で発現していることが確認された。
次に、CCL25抗体を用いた免疫組織化学的染色法により、小腸組織のCCL25の経時的変化を確認した。CCL25−FITC抗体を用いて小腸組織においてCCL25の発現に免疫組織化学染色法を行った。蛍光実体顕微鏡で蛍光染色の陽性部位を観察した結果、生後0日目群、生後2日目群及び生後5日目群において小腸の絨毛上皮にCCL25の発現はほとんど確認できなかったが、生後1日目群、生後10日目群及び生後21日目群では、絨毛上皮にCCL25の発現が確認できた。
次に、免疫組織化学的染色法によるIgA抗体を用いて、小腸組織のIgA産生細胞の経時的変化を確認した。IgA−RITC抗体を用いて小腸組織においてIgA産生細胞の発現に免疫組織化学染色法を行った。蛍光実体顕微鏡で蛍光染色後に観察を行った結果、生後0日目群、生後2日目群及び生後5日目群では小腸の絨毛上皮にIgA産生細胞の発現はほとんど確認できなかったが、生後10日目群では、ほとんどの、生後21日目群ではすべての絨毛上皮にIgA産生細胞の存在が確認できた。
(実施例2 CCL25が体重増加に与える影響)
新生仔マウスを、Yajima et al.の文献(Biosci. Biotechnol. Biochem., 2007, 71(10),2420-2427及びExperimental animals, 2006, 55(4),391-397)に記載の方法に準じて、生後2日齢まで母乳哺育させた後に、3日齢から各人工乳汁を用いて人工哺育を開始した。新生仔マウスを(1)人工乳汁にCCL25(Recombinant Mouse CCL25(TECK)、Bio−Legend社)を0.5μg/ml添加した群(CCL25添加群)及び(2)人工乳汁CCL25抗原の無添加群(コントロール群)の2群に分けた。
人工哺育した新生仔マウスの体重変化を調べた結果、CCL25添加群の新生仔マウスの体重は、生後4日齢まではコントロール群とほぼ同等の体重だったが、5日齢以降は、コントロール群に比べて有意に増加した(図1)。
(実施例3 CCL25が免疫器官の重量及びパイエル板に与える影響)
実施例2と同様に新生仔マウスをCCL25添加群及びコントロール群に分け、10日齢まで7日間人工保育した後に解剖し、腸管(小腸及び大腸)、脾臓及び胸腺を摘出し、各重量をCCL25添加群及びコントロール群で比較した。免疫系器官である脾臓、胸腺、及び腸管の体重当たりの重量で比較した結果、コントロール群の脾臓(SP)が3.95%±0.05、胸腺(Thy)が4.00%±0.06、大腸(LI)が7.02%±0.08及び小腸(SI)が5.46%±0.10であったのに対して、CCL25添加群の脾臓重量(SP)は4.99%±0.058、胸腺重量(Thy)は4.95%±0.059、大腸重量(LI)は6.99%±0.04及び小腸重量(SI)は6.44%±0.06であった。CCL25添加群では、コントロール群に対して、小腸の重量が高い傾向が見られ、さらに、脾臓及び胸腺の重さが有意に高かった(図2)。これに対して、体重あたりの大腸の重量はコントロール群とCCL25添加群でほぼ同じ値を示した。
また、ヘマトキシン染色した小腸を顕微鏡で観察して、小腸内のパイエル板の数を数え、一匹当たりのパイエル板の数を算出した。さらに、一つ一つのパイエル板の長径及び短径を測定して、その平均を一つのパイエル板の大きさとし、一匹当たりのパイエル板の大きさを算出した。コントロール群及びCCL25添加群について、パイエル板の個数及び大きさを比較した結果、個々のパイエル板の大きさには差がみられなかったが、パイエル板の個数はCCL25添加群の方がコントロール群よりも多い傾向がみられた。
(実施例4 CCL25が腸管組織のCCL25mRNA及びCCR9mRNAの発現に与える影響)
腸管組織のCCL25mRNAの発現について調べた結果、コントロール群の小腸CCL25mRNA発現量を1とした時、CCL25添加群での発現量は0.79±0.11であった。有意差はなかったが、コントロール群で発現量がより高い傾向が見られた。また、腸管組織のCCR9mRNAの発現量について調べた結果、コントロール群の小腸CCR9mRNA発現量を1とした時、CCL25添加群での発現量は1.29±0.16であった。有意差はなかったが、CCL25添加群で発現量がより高い傾向が見られた。
(実施例5 CCL25が小腸の腸絨毛におけるIgA産生細胞数に与える影響)
IgA−RITC抗体を用いて小腸組織のIgA産生細胞の免疫組織化学染色を行った。一つの腸管(小腸)の絨毛を7本選び、その中で陽性を示したIgA産生細胞の数を数え、コントロール群及びCCL25添加群で比較した。7本の絨毛内に確認できたIgA産生細胞数は、コントロール群では1.33±0.2とほとんど見られなかったのに対し、CCL25添加群では43.75±1.24と有意に大きかった(図3)。この結果から、乳汁中のCCL25が出産後10日目までのIgAの誘引に必須であることが明らかとなった。
(実施例6 CCL25が胸腺中の細胞数に与える影響)
実験動物は、10〜20週齢のddY系マウス(JapanSLC社)及びddY系マウスの新生仔を用いた。
新生仔マウスを、Yajima et al.の文献(Biosci. Biotechnol. Biochem., 2007, 71(10), 2420-2427及びExperimental animals, 2006, 55(4), 391-397)に記載の方法に準じて、生後2日齢まで母乳哺育させた後に、2日齢から10日齢までの8日間、各人工乳汁を用いて人工哺育を行った。新生仔マウスを(1)人工乳汁にCCL25(Recombinant Mouse CCL25(TECK)、 Bio−Legend社)を0.5μg/mL添加した群(CCL25添加群)及び(2)CCL25抗原の無添加群(コントロール群)の2つの実験群に分けた。
マウス用人工乳汁を用いた人工哺乳法に関する文献(Biosci. Biotechnol. Biochem., 2007, 71(10), 2420-2427及びExperimental animals, 2006, 55(4), 391-397)を参考に、脂肪の含有量を16%から18%に修正してマウス用人工乳汁を作製した。以下に人工乳汁の作成方法を示す。
(a)NaOH(1g)、KOH(6g)を800mlの蒸留水に溶かした(アルカリ水溶液)。セリン(1.15g)、システイン(0.9g)及びトリプトファン(1.08g)の3種類のアミノ酸をアルカリ水溶液に加えた(常にスターラーで撹拌、60〜70℃)。
(b)カゼイン(160.0g)をアルカリ水溶液に加え、溶解した。このCasein mixtureを、沸騰しているお湯の入ったバス中で30分間滅菌した。
(c)CaCl・2HO(6.8g)、GlyCaPO(32g)、MgCl・6HO(7.6g)を200mlの蒸留水に溶かし、ポリトロン様ミキサーでホモジナイズした。これを、Casein mixtureにゆっくりと加えた(ホモジナイザーで混ぜ続ける)。
(d)CaCO・2HO(10g)、Ca−citrate(4.8g)を100mlの蒸留水に溶かし、オートクレーブした後、Casein mixtureにゆっくりと加えた。
(e)NaHPO(3.2g)、KHPO(0.32g)を50mlの蒸留水に溶かし、オートクレーブでした後Casein mixtureに加えた。
(f)ラクトース水溶液(ラクトース75.64gを220mlの蒸留水に溶かしたもの)をオートクレーブで滅菌した後、ゆっくりとCasein mixtureに加えた。
(g)FeSO・7HO(1.92g)、citrate−HO(0.04g)を20mlの蒸留水に溶かした。そのうちの10ml、ZnSO・7HO(1.2g)、CuSO・5HO(0.3g)、MnSO・5HO(0.05g)を25mlの蒸留水に溶かした。そのうちの5ml、NaF(0.031g)、KI(0.05g)を25mlの蒸留水に溶かした。そのうちの5mlをCasein mixtureに加えた。この操作は、Millipore filtration(0.45μm)で滅菌した後に、常に撹拌しながら行った。
(h)ガンマ線照射による滅菌(30KGy)を行った、Whey protein isolate(160g)及びWhey protein hydrolysate(200g)を1000mlの滅菌蒸留水に溶かし、この溶液を撹拌しながら40℃以下に冷ましたCasein mixtureに加えた。
(i)カルニチン(0.32g)、ピコリン酸(0.16g)、エタノールアミン(0.272g)及びタウリン(1.2g)を20mlの蒸留水に溶かした。そのうちの10mlをCasein mixtureに加えた。
(j)クエン酸二水素コリン(5.88g)を73.5mlの蒸留水に溶かした(65℃のwater bath中で)中和溶液(1N NaOHでpH7.0に中和)に、水溶性ビタミンmixture(シアノコバラミン(0.0476mg)、ビオチン(0.72mg)、葉酸(3.16mg)、チアミン塩酸塩(35.24mg)、ピリドキシン塩酸塩(50.0mg)、リン酸リボフラビンナトリウム(56.6mg)、パントテン酸カルシウム(105.72mg)、p−アミノ安息香酸(176.16mg)、ニコチン酸(199.52mg)、アスコルビン酸ナトリウム(2.696g)、及び4−イノシトール(1.989g))を溶かした。そのうちの70mlをCasein mixtureに加えた。
(k)脂溶性ビタミン(ビタミンK(79.3mg)、ビタミンE:α−トコフェロール(93.8mg)、ビタミンAとDを含む混合物)と6種類の食用油(パーム油(191.5g)、ココナッツ油(159.6g)、コーン油(63.84g)、中鎖脂肪酸油(95.76g)、大豆油(127.68g)、コレステロール(1.6g))を沸騰しているお湯の入ったバス中で30分間滅菌した。この油性溶液を40〜50℃まで冷ました後、撹拌しながらCasein Mixtureに加えた。
(l)ホモジナイズの後、人工ミルクは無菌的に50ml滅菌ポリプロピレンボトルに分注し、−80℃で保存した。冷凍した人工ミルクはガンマ線照射(30KGy)による滅菌をし、−80℃で保存した。
生まれた日を生後0日目として、生後0日目から2日目まで母乳哺育したマウス新生仔を親から離し、生後2日目から3時間に1回、哺乳器を用いて経口投与によって人工乳汁を授乳した。人工哺育期間中、哺乳量と体重を継時的に測定し、10日目まで8日間人工哺育した後に、ジエチルエーテル過剰吸入によって安楽死させ、解剖して胸腺を摘出した。
摘出した胸腺の重量を測定し、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)入りphosphate−buffered balanced salt solution(PBBS)の入ったシャーレへ取り出した。摘出した胸腺は、シャーレ内にて、ハサミで組織をある程度細切した後、スライドグラスのフロスト部分ですりつぶし、ピペットを用いて浮遊液を42Kのメッシュで濾して、コニカルチューブに移した。800rpmで5分間の遠心分離を行い、上清をデカンテーションによって除去した。残った胸腺細胞に、赤血球除去用塩化アンモニウム溶液(Tris−buffered ammonium chloride:ACTB)を加えてピペッティングし、室温で5分放置して溶血処理を行った。その後、冷PBBSを加え、800rpmで5分間の遠心分離を行い、上清をデカンテーションにより除去した。洗浄のため、冷PBBSを加えて、800rpmで5分間の遠心分離及び上清除去の操作を2回行った後、エッペンチューブへ移した。得られた溶液を適宜希釈し、総細胞数及びリンパ球数を数え、コントロール群及びCCL25添加群で比較した。実験結果に関するすべての統計処理は、t−検定を用いて行った。
胸腺中の総細胞数は、コントロール群よりもCCL25添加群で多い傾向にあった。また、総細胞数あたりもリンパ球数も、コントロール群よりもCCL25添加群で多い傾向にあった(図4)。
以上の結果より、CCL25の添加による、免疫機能発達促進効果及び成長促進効果が確認された。

Claims (6)

  1. CCL25を含有する免疫機能発達促進剤。
  2. 乳児用である請求項1に記載の免疫機能発達促進剤。
  3. 経口摂取用である請求項1又は2に記載の免疫機能発達促進剤。
  4. CCL25を含有する成長促進剤。
  5. 乳児用である請求項4に記載の成長促進剤。
  6. 経口摂取用である請求項4又は5に記載の成長促進剤。
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