本発明は、食品を加熱する加熱調理器に関する。
加熱調理器の一例であるオーブンレンジは、マイクロ波加熱の他に、オーブン、グリル、スチームなどの複数の加熱源を備える。加熱調理器は、複数の加熱源の中から適切な加熱源を選択して、食品を加熱する。これにより、多種多様な調理を可能にしている。
しかし、多種多様な調理に対応するために、加熱源の制御内容の設定操作が煩雑となる。
そこで、従来、カメラを搭載したオーブンレンジで食器を撮影し、予め登録されている食器に対応する調理方法で調理を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、食品ごとに異なる仕上げ温度を設定して、仕上がり状況を映像により報知する加熱調理器が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、予め食器を撮影して登録する必要がある。そのため、ユーザにとって、面倒な操作が必要となる。
また、特許文献2に記載の技術は、ユーザが食品を指定して温度設定を行う必要がある。つまり、ユーザは、表示画像をタッチして食品を指定し、さらに温度の増減ボタンを押下して温度設定を行う必要がある。そのため、ユーザにとって、面倒な操作が必要となる。
特開2005−140418号公報
特開2002−243166号公報
本発明は、単品や複数の食品を加熱庫内に入れた場合でも、使用者は、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことが可能である。また、使用者が以前に設定した食品に該当する食品があれば、自動で呼び出して提示する。これにより、使用者の好みに応じて加熱処理可能な、使い勝手に優れる加熱調理器を提供する。
つまり、本発明の加熱調理器は、加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部と、加熱庫内の食品または食器を撮影する撮影部と、加熱部による加熱制御内容を設定する設定部と、撮影部で撮影された画像と設定部で設定された加熱制御内容とを関連付けて格納する格納部と、加熱制御内容を報知する報知部と、制御部を備える。制御部は、撮影部で撮影された画像に存在する食品または食器の数に基づいて、対応する食品または食器の加熱制御内容を報知するように報知部を制御する。
この構成によれば、単品の食品や複数の食品を加熱庫内に入れて加熱する場合、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。また、使用者が以前に設定した加熱制御内容に該当する加熱制御内容があれば、自動で呼び出して報知部に提示する。これにより、使用者の好みに応じて加熱できる、使い勝手に優れる加熱調理器を実現できる。
具体的には、使用者が、通常の加熱制御内容の設定と加熱開始の指示を行うと、自動的に食品の画像と加熱制御内容とを関連付けて、対応テーブルとして格納部に格納する。そして、次に同様の食品が、カメラなどの撮影部で撮影した画像から認識されると、加熱庫内にある食品が単品、または複数でも、使用者に所望の加熱制御内容を提示する。これにより、使い勝手に優れる加熱調理器を提供できる。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図2は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
図3Aは、同加熱調理器の食品が複数種類かどうかを判定する一例を示す図である。
図3Bは、同加熱調理器の食品が複数種類かどうかを判定する一例を示す図である。
図4は、同加熱調理器の類似度判定部の動作を示すフローチャートである。
図5は、同加熱調理器の表示部の提示例を示す図である。
図6は、同加熱調理器の表示部の他の提示例を示す図である。
図7は、本発明の実施の形態2における機器の構成を示すブロック図である。
図8は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1の加熱調理器について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の加熱調理器は、マグネトロン101、ヒータ102、赤外線センサ103、サーミスタ104、開閉検知部を構成するドアスイッチ105、撮影部106、設定部107、格納部108、複品判定部109、特徴量算出部110、類似度判定部111、制御部112などを備える。マグネトロン101とヒータ102は、例えば食品を加熱する加熱部を構成する。赤外線センサ103は、食品の温度を検知する。サーミスタ104は、加熱庫内の温度を検知する。ドアスイッチ105は、加熱庫内のドアの開閉を検知する。撮影部106は、例えばCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子から構成され、加熱庫内を撮影する。設定部107は、食品や食器などに対応して、加熱部による加熱制御内容を設定する。格納部108は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリから構成され、例えば食品と関連付いた加熱制御内容などを格納する。複品判定部109は、加熱庫内の食品が複数あるかどうかを判定する。特徴量算出部110は、撮影部106で撮影した画像から、食品や食器などの特徴量を算出する。類似度判定部111は、撮影部106で撮影した画像から、食品や食器などの類似度を算出する。
制御部112は、赤外線センサ103で検知した食品の温度を監視しながら、設定部107で設定された加熱制御内容に基づいて、食品を加熱する加熱部を制御する。
また、制御部112は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのマイクロプロセッサーから構成され、加熱部の制御以外に、各回路を制御する。
さらに、制御部112は、制御内容特定部113を備える。制御内容特定部113は、加熱庫内に置かれている食品の加熱制御をどのようにすべきかの候補を特定する。
また、図1に示すように、加熱調理器は、報知部の一例である表示部115、表示制御部114、操作部116などを、備える。表示部115は、例えば液晶表示装置から構成され、加熱制御内容などを表示する。表示制御部114は、表示部115の表示を制御する。操作部116は、例えばタッチパネルやキーボードなどから構成され、タッチや押下操作などにより、加熱の開始や各種操作を行う。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は構成される。
以下に、上記構成を有する加熱調理器の動作および作用について、図2から図4を用いて説明する。
図2は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。図3Aおよび図3Bは、同加熱調理器の食品が複数種類かどうかを判定する一例を示す図である。図4は、同加熱調理器の類似度判定部の動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、制御部112は、まず、加熱調理器の電源が投入されると、撮影部106を制御して、加熱庫内を撮影する(ステップS1)。そして、撮影した画像情報を格納部108に格納する。なお、ステップS1は、加熱庫内が空の状態の画像情報を、予め格納部108に格納するための処理である。
つぎに、制御部112は、開閉検知部を構成するドアスイッチ105からドアが開閉されたか否かを判定する(ステップS2)。ドアの開状態から閉状態への変化がない場合(ステップS2のN)、ドアが閉状態になるまで待機する。
一方、ドアが開状態から閉状態に変化したと判定すると(ステップS2のY)、制御部112は、撮影部106を制御して、加熱庫内の撮影を行う(ステップS3)。このとき、図3Aに示すような、例えば食品や食器などが収容された画像が、撮影される。
つぎに、制御部112は、撮影した加熱庫内の画像を複品判定部109に送信する。複品判定部109は、ステップS1で撮影した格納部108に格納した空の加熱庫内の画像と、ステップS3で撮影した加熱庫内の画像との差分を算出して、2値化する(ステップS4)。具体的には、画像を複数の画素に分割し、画素ごとに輝度信号の差分を求めて、その値を2値化する。
つぎに、制御部112は、類似度判定部111を制御して、ラベリング処理を実行して固まり(以下、「ブロック」と称する)の数を算出する(ステップS5)。なお、ラベリング処理は、図3Bに示すように、類似度判定部111で、任意の画素と、その近傍の画素について分類を行い、画素ごとの代表値が類似する連続した画素には同じ番号を振り、同じ番号を振った複数の画素を、1つのブロックとする処理である。そして、類似度判定部111は、ラベリング処理により、画像内にブロックが何個あるかを判定する。
具体的に説明すると、類似度判定部111は、まず、予め撮影した空の加熱庫内の画像と、今回撮影した加熱庫内の画像の画素ごとの輝度(あるいは、色あいなど)の比較を行い、数値化する。そして、類似度判定部111は、同じまたは所定の範囲内の数値の画素は連続していると判定する。
このとき、複品判定部109は、ラベリング処理したいくつかのブロックのうち、所定サイズ以上のブロックの個数を抽出する。なお、例えば醤油皿や子供用の食器の大きさを想定した場合、円状であれば直径5cm以上、矩形状であれば一辺5cmを、食品のブロックの所定のサイズとして判定する。
つぎに、特徴量算出部110は、複品判定部109が食品として抽出した画素のブロックごとに、特徴量を算出する。そして、類似度判定部111は、算出された特徴量と、格納部108に記憶されている過去の画像との類似度比較を行う(ステップS6)。
以下に、図4を用いて、ステップS6における処理について、より具体的に説明する。
まず、図4に示すように、制御部112は、特徴量算出部110で、撮影部106で撮影した画像情報の各画素における色信号(例えば、RGB信号)の明るさのヒストグラムを算出する(ステップS21)。
つぎに、制御部112は、格納部108に、予め登録されている画像があるか否かを判定する(ステップS22)。登録されている画像がない場合(ステップS22のN)、以下で説明するステップ27の処理を実行する。
一方、登録されている画像がある場合(ステップS22のY)、制御部112は、類似度判定部111を制御して、ステップS3で今回撮影した画像情報の画素サイズと同じサイズになるように、格納部108に格納されている画素サイズを変換する(ステップS23)。
つぎに、類似度判定部111は、今回撮影した画像の各画素のRGB信号のヒストグラムの合計値と、格納部108に格納されている画像の各画素のRGB信号のヒストグラムの合計値との差分を取る。そして、類似度判定部111は、差分が最小となるか否かを判定する(ステップS24)。差分が最小でない場合(ステップS24のN)、格納部108に格納されている別の画像の各画素のRGB信号のヒストグラムの合計値との差分を取り、判定を繰り返す。
つぎに、差分が最小である場合(ステップS24のY)、類似度判定部111は、抽出した画像のヒストグラムの差分が予め定められた所定値未満か否かを判定する(ステップS25)。差分が所定値以上と判定された場合(ステップS25のN)、以下で説明するステップ27の処理を実行する。
一方、差分が所定値未満と判定された場合(ステップS25のY)、制御部112は、ステップ24で判定した画像の情報を類似画像と確定する(ステップS26)。そして、類似度判定部111の類似度比較処理を終了する。
また、登録されている画像がない場合(ステップS22のN)、および差分の合計値が所定値未満と判定された場合(ステップS25のN)、制御部112は、類似画像がないと判定する。そして、制御部112は、表示部115に、例えば「類似画像が登録されていません」などのメッセージを表示する。これにより、ユーザに、類似する画像が登録されていないことを報知する。あるいは、制御部112は、今回撮影した画像情報を、新規の画像として、特徴量である初期画像との差分の色のヒストグラムとともに、格納部108に登録する(ステップS27)。そして、類似度判定部111の類似度比較処理を終了する。
なお、上記新規画像の登録処理は、操作部116を介して加熱開始の指示が出された場合にのみ、実行される。このとき、新規画像は、加熱制御内容と紐づけて格納部108へ登録される。そのため、操作部116を介して加熱開始の指示が行われずに、ドアが開けられた場合、格納部108への新規画像の登録は行わない。
以上にように、ステップS6における類似度判定部111の類似度比較処理が、実行される。
つぎに、図2に示すように、制御内容特定部113は、類似度判定部111で、ブロックごとに、格納部108に格納されている類似画像を決定する。そして、決定された類似画像と紐付けて格納部108に格納されている加熱制御内容を抽出して読み出す(ステップS7)。
つぎに、制御内容特定部113は、ブロックごとで提示される加熱制御内容を特定する(ステップS8)。このとき、類似度判定部111で、格納部108に記憶されている類似画像がないと判定された場合、加熱制御内容を特定しない。
つぎに、制御部112は撮影した画像情報にブロックが複数存在するか否かを判定する(ステップS9)。ブロックが複数存在しない場合(ステップS9のN)、制御部112は、1つのブロックである単品の加熱制御内容の提示処理を行う(ステップS10)。具体的には、制御部112は、ステップ8で特定した単品の加熱制御内容を表示部115に提示するように、表示制御部114を制御する。そして、処理を終了する。
一方、ブロックが複数存在する場合(ステップS9のY)、制御部112は、複数のブロックごとの加熱制御内容の提示処理を行う(ステップS11)。具体的には、制御部112は、ステップ8で判定した複数の加熱制御内容を表示部115に提示するように、表示制御部114を制御する。そして、処理を終了する。
以上により、加熱庫内に存在する食品や食器の数に基づいて、対応するそれぞれの加熱制御内容と紐付けされ、表示部115に提示される。
つぎに、上記状態において、制御部112は、操作部116を介して、使用者が加熱開始の指示を出すと、加熱庫内の食品や食器などの加熱が開始される。このとき、サーミスタ104や赤外線センサ103で検知した庫内温度や食品などの温度を監視する。そして、検知された温度に基づいて、制御部112は、設定部107で設定された加熱制御内容に応じて、加熱部を構成するマグネトロン101やヒータ102で、食品や食器などを加熱する。
以上により、本実施の形態の加熱調理器による加熱動作が実行される。
ここで、上記ステップS10およびステップS11の表示部115に提示される一例を、図5を用いて、説明する。
図5に示すように、表示部115には、複品判定部109で抽出した食品や食器などをブロックごとに、例えば矩形形状で切り出して提示する。同時に、表示部115に、切り出した食品や食器などに対応する加熱制御内容である、例えばメニューや、目標温度などを表示する。これにより、使用者は、加熱庫内に収容される食品や食器と関連付けられた加熱制御内容を、容易に認識できる。さらに、提示される加熱制御内容を、温度の表示の左右の△表示を押下などの操作により、任意に調整できる。
なお、本実施の形態では、図5に示すように、加熱庫内に存在する複数の食品や食器の全てを提示する例で説明したが、これに限られない。例えば、図示しない提示モードの切換スイッチにより、図6に示すように、複品判定部109で抽出したブロック単位ごとに、1つずつ拡大して提示してもよい。また、図5および図6に示すいずれの場合でも、例えば設定部107での設定時においては、選択している対象の画像を拡大して提示してもよい。これにより、使用者は、加熱制御内容を、より容易に認識できる。
また、本実施の形態では、操作部116で加熱開始の指示が出された場合、表示部115で提示された加熱制御内容をそのまま保持してもよい。つまり、格納部108への画像の特徴量に関する情報や加熱制御内容の変更は、行わなくてもよい。これにより、使用者は、加熱制御内容を設定することなく、加熱調理器による加熱を行える。
また、本実施の形態では、表示部115に加熱制御内容の提示がない場合、設定部107で加熱制御内容を変更してもよい。例えば、提示される加熱制御内容を、温度の表示の左右の△表示を押下などの操作により、任意に調整する。このとき、操作部116で加熱開始の指示が出された場合、制御部112は、格納部108へ、画像の特徴量と、変更した加熱制御内容とを紐付けて新規登録してもよい。これにより、今後、同じ食品や食器を加熱する場合には、加熱制御内容を、表示部115に表示できる。
さらに、本実施の形態では、使用者が操作部116を介して、提示された加熱制御内容を設定部107で加熱制御内容を変更した場合、格納部108に格納されている画像の特徴量や加熱制御内容の更新を行ってもよい。これにより、今後、同じ食品や食器を加熱する場合には、より適切な加熱制御内容を、表示部115に表示できる。
また、本実施の形態では、格納部108に格納された情報は、加熱制御内容とともに、記憶された格納部108への格納からの経過時間に基づいて、削除してもよい。これにより、記憶容量の増大を抑制できる。この場合、情報の登録容量に応じて、更新や新規登録が行われなかった古い情報から削除することが好ましい。
また、本実施の形態では、格納部108へ格納する画像情報を、画像の特徴量とともに、その画像自体の情報も紐付けて記憶するように構成している。これにより、後で、画像を確認できるように構成している。しかし、例えば特徴量のみを記憶する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、操作部116で加熱開始の指示が行われた場合、格納部108への画像の特徴量の変更を行わない例で説明したが、これに限られない。例えば、最新の画像の特徴量に更新する、あるいは特徴量を平均化して更新する構成としてもよい。これにより、今後、同じ食品や食器を加熱する場合には、より適切な加熱制御内容を、表示部115に表示できる。
また、本実施の形態では、撮影部106で予め撮影するタイミングとして、加熱調理器の電源がONになった時点を例に説明したが、これに限られない。例えば、加熱庫内が空の状態であれば、撮影のタイミングは任意でよい。
また、本実施の形態では、格納部108への新規画像登録を、複品判定部109で複品と判定されるか否かにかかわらず、以下の条件において実行している。つまり、格納部108に登録された画像がない場合や、登録された画像との差分が所定値以上の場合で、かつ加熱指示が行われた時に登録しているが、これに限られない。例えば、複品判定部109で単品(1つの食品)と判定された場合のみで、かつ加熱指示が行われた時に登録してもよい。これにより、単品での、より適切な加熱制御内容を登録できる。
また、本実施の形態では、制御内容特定部113で特定した加熱制御内容がない場合、表示部115に加熱制御内容を表示しない例で説明したが、これに限られない。例えば、予め準備したデフォルトの加熱制御内容を表示してもよい。これにより、使用者は、加熱制御内容の設定を簡単に行える。
また、本実施の形態では、格納部108に登録された情報を、登録からの経過時間に基づいて、登録容量や、更新や新規登録の無い古い情報から削除する例で説明したが、これに限られない。例えば、使用者が、任意の登録画像を呼び出して、指定して削除してもよい。これにより、記憶容量の増大を抑制できる。
また、本実施の形態では、報知部として表示部115を例に説明したが、これに限られない。例えば、音声で知らせるための音声合成装置などからなる音声発生部などで報知部を構成してもよい。これにより、目が不自由な使用者であっても簡単に加熱制御内容を設定できる。
また、本実施の形態では、複品判定部109、特徴量算出部110、類似度判定部111、制御部112、制御内容特定部113、表示制御部114などを個別に構成した例で説明したが、これに限られない。例えば、上記各構成要素の機能を、1つの制御部の中に組み込んで、組み込んだ制御部で実行する構成としてもよい。これにより、加熱調理器の低コスト化ができる。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は、開閉自在のドアが取り付けられた加熱庫と、加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部であるマグネトロン101およびヒータ102と、加熱庫内を撮影する撮影部106と、加熱制御内容を設定する設定部107と、撮影部106で撮影された画像と設定部107で設定された加熱制御内容を紐づけて記憶する格納部108を備える。さらに、食品が複数種類かどうかを判定する複品判定部109と、撮影部106が撮影した複数の画像の類似度を判定する類似度判定部111と、類似度判定部111での判定結果に応じて撮影部106で撮影された食品に対応する加熱制御内容を特定する制御内容特定部113と、加熱制御内容を提示する表示部115と、制御部112を備える。制御部112は、複品判定部109により食品が単品と判定した場合、1つの加熱制御内容を、表示部115に提示する。また、制御部112は、複品判定部109により食品が複数種類である判定した場合、複数の加熱制御内容を食品の種類ごとに表示部115に提示する。これにより、単品の食品や、複数の食品が加熱庫内に収容された場合、加熱制御内容などの各々の設定を簡単に行うことができる。また、使用者が意識しない日々の操作の中で、今回判定された食品などに該当する、以前に設定した加熱制御内容などがあれば、自動で呼び出して提示する。その結果、使用者の好みに応じて加熱できる、使い勝手に優れる加熱調理器を実現できる。
また、本実施の形態の加熱調理器は、複品判定部109により食品が複数種類存在すると判定された場合、制御部112は、表示部115に撮影部106で撮影された複数の食品の画像を分割して提示する。このとき、分割した各々の画像を、そのまま、または拡大して提示する。同時に、分割した画像毎に加熱制御内容を、表示部115に提示する。これにより、複数の食品が加熱庫内に収容された場合でも、使用者が加熱庫内の個々の食品を、より確認しやすくなる。そのため、加熱制御内容などの各々の設定を、より簡単に行える加熱調理器を実現できる。
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2の加熱調理器について、図7および図8を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態2における加熱調理器の構成を示すブロック図である。図8は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
つまり、本実施の形態の加熱調理器は、図7に示すように、制御内容特定部113内に熱源判定部117を、さらに備える点で、実施の形態1とは異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるので、同一符号、同一名称を用いて、詳細な説明は省略する。
そして、本実施の形態の加熱調理器は、食品や食器に紐付けされて抽出された加熱制御内容に基づいて、熱源判定部117で所定の熱源を判定して、食品を加熱する構成を備える。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は構成される。
以下に、上記構成を有する加熱調理器の動作および作用について、図8を用いて説明する。
まず、事前に加熱庫内の空の状態を撮影し、食品などを収容してドアを閉じた後、再び、撮影部で加熱庫内を撮影する。そして、制御内容特定部113は、ブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容の抽出を行う。以上の動作は、図2を用いて説明した実施の形態1の動作と同様である。
すなわち、まず、実施の形態1と同様に、図2に示すステップS1〜ステップS7までの動作を行う。
そして、本実施の形態のポイントである、図8のステップS31〜ステップS43までの動作を行う。そのため、図2に示すステップS1〜ステップS7までの動作の説明は、省略する。
具体的に、実施の形態2のおける加熱調理器の動作について、図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、まず、制御内容特定部113は、設定部107で設定されている設定内容、例えば選択されたメニューがあるか否かを判定する(ステップS31)。なお、設定内容は、設定が確定している内容に限らず、設定途中の時点で選択されている使用熱源に関わる加熱制御内容も含まれる。選択されたメニューがある場合(ステップS31のY)、ステップS32に移行する。具体的には、使用者が、例えばメニューの「あたため」選択している場合や、事前にデフォルトメニューとして「あたため」が選択されている場合が該当する。
つぎに、制御部112は、制御内容特定部113で、抽出される画像と紐づけて格納部108に格納された加熱制御内容があるか否かを判定する(ステップS32)。抽出される加熱制御内容がある場合(ステップS32のY)、複品判定部109で複数種類の食品(複品)か否かを判定する(ステップS33)。
このとき、単品と判定された場合(ステップS33のN)、熱源判定部117は、抽出された加熱制御内容の熱源と、メニューの熱源と一致するか否かを判定する(ステップS36)。つまり、熱源判定部117は、選択されたメニューの「あたため」に使用する熱源が、抽出された類似画像と紐付く加熱制御内容の熱源と一致するか否かを判定する。具体的には、メニューの熱源がマグネトロン101のみで、抽出された加熱制御内容の熱源がマグネトロン101のみで加熱制御を行う場合に相当する。つまり、加熱制御内容の熱源がメニューの熱源と一致する場合(ステップS36のY)、抽出した加熱制御内容を、そのブロックの加熱制御内容と特定する。そして、制御部112は、特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する(ステップS41)。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
一方、抽出された類似画像と紐付く加熱制御内容の熱源が、メニューの熱源と一致しない場合(ステップS36のN)、一致しないブロックについては、メニューのデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップS38)。具体的には、該当する加熱制御内容(例えば、選択された「あたため」メニューのデフォルトの加熱制御内容である、固定の目標温度や加熱時間、もしくは前回使用した目標温度や加熱時間など)を、そのブロックの加熱制御内容として表示部115で表示する。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
また、ステップS33で、複品判定部109が複数種類の食品(複品)と判定した場合(ステップS33のY)、制御内容特定部113は、熱源判定部117の判定に基づいて、抽出された加熱制御内容の熱源のうち、選択されたメニューの熱源と一致する加熱制御内容の熱源を特定する(ステップS34)。具体的には、抽出したブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容の熱源のうち、マグネトロン101のみで加熱制御を行う加熱制御内容の熱源のみを、そのブロックの加熱制御内容と特定する。そして、特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する。
このとき、ステップ34で加熱制御内容が特定できないブロックについては、メニューの熱源のデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップ35)。具体的には、該当するデフォルトの加熱制御内容(例えば選択された「あたため」メニューのデフォルトの加熱制御内容である、固定の目標温度や加熱時間、もしくは前回使用した目標温度や加熱時間など)を、そのブロックの加熱制御内容として表示部115で表示する。そして、ステップS31に戻り、以降の処理を実行する。
同様に、制御内容特定部113は、抽出したブロックごとに類似画像と紐づく加熱制御内容で特定した熱源のうち、熱源判定部117で判定した選択メニューで使用する熱源が、例えばヒータ102のみであれば、ヒータ102のみで加熱制御を行う加熱制御内容の熱源のみを特定する。一方、熱源判定部117で判定した使用熱源が、マグネトロン101とヒータ102であれば、マグネトロン101とヒータ102で加熱制御を行う加熱制御内容の熱源を、そのブロックの加熱制御内容と特定する。そして、特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する。
すなわち、ステップS33において、制御内容特定部113は、複品判定部109により食品が単品と判定された場合(ステップS33のN)、1つの加熱制御内容について、熱源判定部117が判定した使用熱源と一致する熱源のみを、そのブロックの加熱制御内容と特定して、表示制御部114へ情報を送る。一方、複品判定部109により食品が複数種類(複品)と判定された場合(ステップS33のY)、複数の加熱制御内容の全てについて、熱源判定部117が判定した使用熱源と一致する熱源を、そのブロックの加熱制御内容と特定して、表示制御部114へ情報を送る。
なお、制御内容特定部113は、設定部107での設定が確定するまでに、選択されている加熱制御内容の熱源に関する内容が変更されるごとに、熱源判定部117が判定した使用熱源による情報の絞り込みを行う。そして、絞り込んだ情報を表示制御部114へ情報を送る。
また、ステップ32において、制御内容特定部113が画像と紐付けて格納部108に格納されている加熱制御内容を抽出していない場合(ステップS32のN)、抽出されていないブロックについては、メニューのデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップS38)。具体的には、該当するデフォルトの加熱制御内容(例えば選択された「あたため」メニューのデフォルト加熱制御内容である、固定の目標温度や加熱時間、もしくは前回使用した目標温度や加熱時間など)を、表示部115で表示する。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
一方、ステップ31において、制御内容特定部113が、設定部107で設定されている設定内容、例えば選択されたメニューがない場合(ステップS31のN)、制御内容特定部113は、抽出されたブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容があるか否かを判定する(ステップS39)。抽出された加熱制御内容がある場合(ステップS39のY)、複品判定部109で複数種類の食品(複品)か否かを判定する(ステップS40)。
このとき、食品が単品と判定された場合(ステップS40のN)、制御部112は、抽出した加熱制御内容を、特定した加熱制御内容として、表示制御部114へ情報を送り、表示部115に提示する(ステップ41)。
一方、食品が複品と判定された場合(ステップS40のY)、制御内容特定部113は、熱源判定部117の判定に基づいて、紐付ける加熱制御内容が抽出された複数の加熱制御内容の全ての使用熱源について、確認する。そして、最も多い使用熱源の加熱制御内容と紐づくブロックのみについて、加熱制御内容を特定する。特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する(ステップ42)。
このとき、ステップ42で加熱制御内容が特定できないブロックについては、最も多い使用熱源のデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップ43)。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
また、ステップS39において、抽出されたブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容がない場合(ステップS39のN)、制御部112は、表示制御部114へ情報を送らず、表示部115に表示しない(ステップS44)。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
なお、制御内容特定部113は、設定部107での設定が確定するまでに、選択されている加熱制御内容の熱源に関する内容が変更されるごとに、熱源判定部117が判定した使用熱源による特定した情報の絞り込みを行う。そして、選択されたメニューがある場合と同様に、絞り込んだ情報を表示制御部114へ情報を送る。
また、ステップS42において、複品判定部109で判定されたブロックの数が偶数の場合で、かつ熱源判定部117で使用熱源が同じと判定されたブロックの数が同数の場合、複品判定部109により分割した画像のサイズが最も大きいブロックの属する使用熱源の加熱制御内容を特定する。そして、特定したブロックの加熱制御内容の情報を、表示制御部114へ送る。一方、いずれにも該当しない場合には、表示制御部114へ情報を送らず、表示部115に表示しない。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は、制御内容特定部113に、熱源判定部117を備える。
そして、表示部115は、制御内容特定部113で特定した予め選択されている加熱制御内容、もしくは設定部107で選択されている加熱源と一致する加熱制御内容のみを提示する。これにより、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
また、複品判定部109が撮影部106で撮影した食品の画像情報から食品が複数種類だと判定し、かつ制御内容特定部113が複数の種類について特定した加熱制御内容の中の加熱源が異なる場合、つぎのように動作する。
つまり、上記の状況において、予め選択されている加熱制御内容、もしくは設定部107で選択されている加熱制御内容の加熱源がない時は、表示部115は、特定した制御内容で最も多い加熱源の加熱制御内容のみを提示する。これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
さらに、複品判定部109が撮影部106で撮影した食品画像情報から食品が複数種類だと判定し、かつ制御内容特定部113が複数の種類について特定した加熱制御内容の中に加熱源が異なる場合、つぎのように動作する。
つまり、上記状況において、予め選択されている加熱制御内容、もしくは設定部で選択されている加熱制御内容の加熱源がない場合、表示部115は、特定した加熱制御内容のうち、複品判定部109により分割した最も大きい画像サイズに紐付く加熱制御内容のみを提示する。これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
なお、本実施の形態では、設定部107で選択されている使用熱源に関わる加熱制御内容をメニューとして表示する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、「レンジ」、「グリル」などの熱源を、直接指定する加熱制御内容に関わる使用熱源であれば、加熱制御内容は任意としてもよい。
また、本実施の形態では、複品判定部109、特徴量算出部110、類似度判定部111、制御部112、制御内容特定部113、表示制御部114などを個別の構成および名称で説明したが、これに限られない。例えば、上記各構成要素の機能を、1つの制御部の中に組み込んで、組み込んだ制御部で実行する構成としてもよい。また、上記構成要素や回路を、全て制御部と称してもよい。
以上で説明したように、本発明の加熱調理器は、加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部と、加熱庫内の食品または食器を撮影する撮影部と、加熱部による加熱制御内容を設定する設定部と、撮影部で撮影された画像と設定部で設定された加熱制御内容とを関連付けて格納する格納部と、加熱制御内容を報知する報知部と、制御部を備える。制御部は、撮影部で撮影された画像に存在する食品または食器の数に基づいて、対応する食品または食器の加熱制御内容を報知するように報知部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、単品の食品や複数の食品を加熱庫内に入れて加熱する場合、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。また、使用者が以前に設定した加熱制御内容に該当する加熱制御内容があれば、自動で呼び出して報知部に提示する。これにより、使用者の好みに応じて加熱できる、使い勝手に優れる加熱調理器を実現できる。
また、本発明の加熱調理器は、開閉可能な扉を有する加熱庫と、扉の開閉を検知する開閉検知部を、さらに備える。制御部は、扉が開状態から閉状態に変化したことを開閉検知部が検知すると、撮影部で加熱庫内の食品または食器を撮影し、撮影部が撮影した加熱庫内の食品または食器の画像と格納部に格納された画像との比較を行う。さらに、制御部は、撮影部で撮影された画像に存在する食品または食器の数に基づいて、対応する食品または食器の加熱制御内容を報知するように報知部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、複数の食品を加熱庫内に入れて加熱する場合でも、使用者は、加熱庫内の個々の食品を、より確認しやすくなる。これにより、使用者は、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。
また、本発明の加熱調理器の報知部は、表示部を備え、制御部は、撮影部が撮影した画像に、食品または食器が複数種類存在すると判定すると、表示部に、撮影された画像に存在する食品または食器ごとに複数の画像に分割し、分割した画像をそのまま、または個別に拡大して表示するとともに、表示した画像ごとに対応する加熱制御内容を表示してもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
また、本発明の加熱調理器は、撮影部で撮影された画像に食品または食器が含まれている場合、制御部は、画像に含まれる食品または食器に対応する加熱制御内容を抽出し、抽出した加熱制御内容に対応する加熱源と、設定部で設定された加熱制御内容に対応する加熱源とが一致すれば、加熱制御内容を報知部により報知する構成としてもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容を、使用者により早く提供できる。
また、本発明の加熱調理器は、撮影部で撮影された画像に複数の食品または食器が含まれている場合、制御部は、画像に含まれる複数の食品または食器に対応する複数の加熱制御内容を抽出する。そして、抽出した複数の加熱制御内容に対応する加熱源が異なると判定されるか、または、予め設定部で設定された加熱制御内容に対応する加熱源がないと判定されると、抽出した複数の加熱制御内容に対応する加熱源のうち、最も多く用いられる加熱源のみを報知部により報知する構成としてもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容を、使用者により早く提供できる。
また、本発明の加熱調理器の制御部は、撮影部で撮影した画像から複数種類の食品が存在すると判定する場合、撮影した食品に対応する加熱制御内容と加熱源を判定する。そして、判定した加熱源が食品に応じて異なる場合、または、予め設定部で設定された加熱制御内容の加熱源が撮影した画像に対応する加熱源と異なる場合、報知部は、設定した加熱制御内容のうち、分割した画像サイズの最も大きい加熱制御内容に紐付く加熱制御内容のみを提示する構成としてもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容をより早く提供する加熱調理器を実現できる。
本発明の加熱調理器は、単品の食品や、複数の食品を加熱庫内に入れた場合、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。また、以前に設定した加熱制御内容に該当する加熱制御内容があれば、自動で呼び出して提示する。そのため、家庭内だけでなく業務用などの加熱調理器としても有用である。
101 マグネトロン(加熱部)
102 ヒータ(加熱部)
103 赤外線センサ
104 サーミスタ
105 ドアスイッチ(開閉検知部)
106 撮影部
107 設定部
108 格納部
109 複品判定部
110 特徴量算出部
111 類似度判定部
112 制御部
113 制御内容特定部
114 表示制御部
115 表示部(報知部)
116 操作部
117 熱源判定部
本発明は、食品を加熱する加熱調理器に関する。
加熱調理器の一例であるオーブンレンジは、マイクロ波加熱の他に、オーブン、グリル、スチームなどの複数の加熱源を備える。加熱調理器は、複数の加熱源の中から適切な加熱源を選択して、食品を加熱する。これにより、多種多様な調理を可能にしている。
しかし、多種多様な調理に対応するために、加熱源の制御内容の設定操作が煩雑となる。
そこで、従来、カメラを搭載したオーブンレンジで食器を撮影し、予め登録されている食器に対応する調理方法で調理を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、食品ごとに異なる仕上げ温度を設定して、仕上がり状況を映像により報知する加熱調理器が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、予め食器を撮影して登録する必要がある。そのため、ユーザにとって、面倒な操作が必要となる。
また、特許文献2に記載の技術は、ユーザが食品を指定して温度設定を行う必要がある。つまり、ユーザは、表示画像をタッチして食品を指定し、さらに温度の増減ボタンを押下して温度設定を行う必要がある。そのため、ユーザにとって、面倒な操作が必要となる。
特開2005−140418号公報
特開2002−243166号公報
本発明は、単品や複数の食品を加熱庫内に入れた場合でも、使用者は、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことが可能である。また、使用者が以前に設定した食品に該当する食品があれば、自動で呼び出して提示する。これにより、使用者の好みに応じて加熱処理可能な、使い勝手に優れる加熱調理器を提供する。
つまり、本発明の加熱調理器は、加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部と、加熱庫内の食品または食器を撮影する撮影部と、加熱部による加熱制御内容を設定する設定部と、撮影部で撮影された画像と設定部で設定された加熱制御内容とを関連付けて格納する格納部と、加熱制御内容を報知する報知部と、制御部を備える。制御部は、撮影部で撮影された画像に存在する食品または食器の数に基づいて、対応する食品または食器の加熱制御内容を報知するように報知部を制御する。
この構成によれば、単品の食品や複数の食品を加熱庫内に入れて加熱する場合、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。また、使用者が以前に設定した加熱制御内容に該当する加熱制御内容があれば、自動で呼び出して報知部に提示する。これにより、使用者の好みに応じて加熱できる、使い勝手に優れる加熱調理器を実現できる。
具体的には、使用者が、通常の加熱制御内容の設定と加熱開始の指示を行うと、自動的に食品の画像と加熱制御内容とを関連付けて、対応テーブルとして格納部に格納する。そして、次に同様の食品が、カメラなどの撮影部で撮影した画像から認識されると、加熱庫内にある食品が単品、または複数でも、使用者に所望の加熱制御内容を提示する。これにより、使い勝手に優れる加熱調理器を提供できる。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図2は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
図3Aは、同加熱調理器の食品が複数種類かどうかを判定する一例を示す図である。
図3Bは、同加熱調理器の食品が複数種類かどうかを判定する一例を示す図である。
図4は、同加熱調理器の類似度判定部の動作を示すフローチャートである。
図5は、同加熱調理器の表示部の提示例を示す図である。
図6は、同加熱調理器の表示部の他の提示例を示す図である。
図7は、本発明の実施の形態2における機器の構成を示すブロック図である。
図8は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1の加熱調理器について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の加熱調理器は、マグネトロン101、ヒータ102、赤外線センサ103、サーミスタ104、開閉検知部を構成するドアスイッチ105、撮影部106、設定部107、格納部108、複品判定部109、特徴量算出部110、類似度判定部111、制御部112などを備える。マグネトロン101とヒータ102は、例えば食品を加熱する加熱部を構成する。赤外線センサ103は、食品の温度を検知する。サーミスタ104は、加熱庫内の温度を検知する。ドアスイッチ105は、加熱庫内のドアの開閉を検知する。撮影部106は、例えばCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子から構成され、加熱庫内を撮影する。設定部107は、食品や食器などに対応して、加熱部による加熱制御内容を設定する。格納部108は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリから構成され、例えば食品と関連付いた加熱制御内容などを格納する。複品判定部109は、加熱庫内の食品が複数あるかどうかを判定する。特徴量算出部110は、撮影部106で撮影した画像から、食品や食器などの特徴量を算出する。類似度判定部111は、撮影部106で撮影した画像から、食品や食器などの類似度を算出する。
制御部112は、赤外線センサ103で検知した食品の温度を監視しながら、設定部107で設定された加熱制御内容に基づいて、食品を加熱する加熱部を制御する。
また、制御部112は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのマイクロプロセッサーから構成され、加熱部の制御以外に、各回路を制御する。
さらに、制御部112は、制御内容特定部113を備える。制御内容特定部113は、加熱庫内に置かれている食品の加熱制御をどのようにすべきかの候補を特定する。
また、図1に示すように、加熱調理器は、報知部の一例である表示部115、表示制御部114、操作部116などを、備える。表示部115は、例えば液晶表示装置から構成され、加熱制御内容などを表示する。表示制御部114は、表示部115の表示を制御する。操作部116は、例えばタッチパネルやキーボードなどから構成され、タッチや押下操作などにより、加熱の開始や各種操作を行う。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は構成される。
以下に、上記構成を有する加熱調理器の動作および作用について、図2から図4を用いて説明する。
図2は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。図3Aおよび図3Bは、同加熱調理器の食品が複数種類かどうかを判定する一例を示す図である。図4は、同加熱調理器の類似度判定部の動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、制御部112は、まず、加熱調理器の電源が投入されると、撮影部106を制御して、加熱庫内を撮影する(ステップS1)。そして、撮影した画像情報を格納部108に格納する。なお、ステップS1は、加熱庫内が空の状態の画像情報を、予め格納部108に格納するための処理である。
つぎに、制御部112は、開閉検知部を構成するドアスイッチ105からドアが開閉されたか否かを判定する(ステップS2)。ドアの開状態から閉状態への変化がない場合(ステップS2のN)、ドアが閉状態になるまで待機する。
一方、ドアが開状態から閉状態に変化したと判定すると(ステップS2のY)、制御部112は、撮影部106を制御して、加熱庫内の撮影を行う(ステップS3)。このとき、図3Aに示すような、例えば食品や食器などが収容された画像が、撮影される。
つぎに、制御部112は、撮影した加熱庫内の画像を複品判定部109に送信する。複品判定部109は、ステップS1で撮影した格納部108に格納した空の加熱庫内の画像と、ステップS3で撮影した加熱庫内の画像との差分を算出して、2値化する(ステップS4)。具体的には、画像を複数の画素に分割し、画素ごとに輝度信号の差分を求めて、その値を2値化する。
つぎに、制御部112は、類似度判定部111を制御して、ラベリング処理を実行して固まり(以下、「ブロック」と称する)の数を算出する(ステップS5)。なお、ラベリング処理は、図3Bに示すように、類似度判定部111で、任意の画素と、その近傍の画素について分類を行い、画素ごとの代表値が類似する連続した画素には同じ番号を振り、同じ番号を振った複数の画素を、1つのブロックとする処理である。そして、類似度判定部111は、ラベリング処理により、画像内にブロックが何個あるかを判定する。
具体的に説明すると、類似度判定部111は、まず、予め撮影した空の加熱庫内の画像と、今回撮影した加熱庫内の画像の画素ごとの輝度(あるいは、色あいなど)の比較を行い、数値化する。そして、類似度判定部111は、同じまたは所定の範囲内の数値の画素は連続していると判定する。
このとき、複品判定部109は、ラベリング処理したいくつかのブロックのうち、所定サイズ以上のブロックの個数を抽出する。なお、例えば醤油皿や子供用の食器の大きさを想定した場合、円状であれば直径5cm以上、矩形状であれば一辺5cmを、食品のブロックの所定のサイズとして判定する。
つぎに、特徴量算出部110は、複品判定部109が食品として抽出した画素のブロックごとに、特徴量を算出する。そして、類似度判定部111は、算出された特徴量と、格納部108に記憶されている過去の画像との類似度比較を行う(ステップS6)。
以下に、図4を用いて、ステップS6における処理について、より具体的に説明する。
まず、図4に示すように、制御部112は、特徴量算出部110で、撮影部106で撮影した画像情報の各画素における色信号(例えば、RGB信号)の明るさのヒストグラムを算出する(ステップS21)。
つぎに、制御部112は、格納部108に、予め登録されている画像があるか否かを判定する(ステップS22)。登録されている画像がない場合(ステップS22のN)、以下で説明するステップ27の処理を実行する。
一方、登録されている画像がある場合(ステップS22のY)、制御部112は、類似度判定部111を制御して、ステップS3で今回撮影した画像情報の画素サイズと同じサイズになるように、格納部108に格納されている画素サイズを変換する(ステップS23)。
つぎに、類似度判定部111は、今回撮影した画像の各画素のRGB信号のヒストグラムの合計値と、格納部108に格納されている画像の各画素のRGB信号のヒストグラムの合計値との差分を取る。そして、類似度判定部111は、差分が最小となるか否かを判定する(ステップS24)。差分が最小でない場合(ステップS24のN)、格納部108に格納されている別の画像の各画素のRGB信号のヒストグラムの合計値との差分を取り、判定を繰り返す。
つぎに、差分が最小である場合(ステップS24のY)、類似度判定部111は、抽出した画像のヒストグラムの差分が予め定められた所定値未満か否かを判定する(ステップS25)。差分が所定値以上と判定された場合(ステップS25のN)、以下で説明するステップ27の処理を実行する。
一方、差分が所定値未満と判定された場合(ステップS25のY)、制御部112は、ステップ24で判定した画像の情報を類似画像と確定する(ステップS26)。そして、類似度判定部111の類似度比較処理を終了する。
また、登録されている画像がない場合(ステップS22のN)、および差分の合計値が所定値未満と判定された場合(ステップS25のN)、制御部112は、類似画像がないと判定する。そして、制御部112は、表示部115に、例えば「類似画像が登録されていません」などのメッセージを表示する。これにより、ユーザに、類似する画像が登録されていないことを報知する。あるいは、制御部112は、今回撮影した画像情報を、新規の画像として、特徴量である初期画像との差分の色のヒストグラムとともに、格納部108に登録する(ステップS27)。そして、類似度判定部111の類似度比較処理を終了する。
なお、上記新規画像の登録処理は、操作部116を介して加熱開始の指示が出された場合にのみ、実行される。このとき、新規画像は、加熱制御内容と紐づけて格納部108へ登録される。そのため、操作部116を介して加熱開始の指示が行われずに、ドアが開けられた場合、格納部108への新規画像の登録は行わない。
以上にように、ステップS6における類似度判定部111の類似度比較処理が、実行される。
つぎに、図2に示すように、制御内容特定部113は、類似度判定部111で、ブロックごとに、格納部108に格納されている類似画像を決定する。そして、決定された類似画像と紐付けて格納部108に格納されている加熱制御内容を抽出して読み出す(ステップS7)。
つぎに、制御内容特定部113は、ブロックごとで提示される加熱制御内容を特定する(ステップS8)。このとき、類似度判定部111で、格納部108に記憶されている類似画像がないと判定された場合、加熱制御内容を特定しない。
つぎに、制御部112は撮影した画像情報にブロックが複数存在するか否かを判定する(ステップS9)。ブロックが複数存在しない場合(ステップS9のN)、制御部112は、1つのブロックである単品の加熱制御内容の提示処理を行う(ステップS10)。具体的には、制御部112は、ステップ8で特定した単品の加熱制御内容を表示部115に提示するように、表示制御部114を制御する。そして、処理を終了する。
一方、ブロックが複数存在する場合(ステップS9のY)、制御部112は、複数のブロックごとの加熱制御内容の提示処理を行う(ステップS11)。具体的には、制御部112は、ステップ8で判定した複数の加熱制御内容を表示部115に提示するように、表示制御部114を制御する。そして、処理を終了する。
以上により、加熱庫内に存在する食品や食器の数に基づいて、対応するそれぞれの加熱制御内容と紐付けされ、表示部115に提示される。
つぎに、上記状態において、制御部112は、操作部116を介して、使用者が加熱開始の指示を出すと、加熱庫内の食品や食器などの加熱が開始される。このとき、サーミスタ104や赤外線センサ103で検知した庫内温度や食品などの温度を監視する。そして、検知された温度に基づいて、制御部112は、設定部107で設定された加熱制御内容に応じて、加熱部を構成するマグネトロン101やヒータ102で、食品や食器などを加熱する。
以上により、本実施の形態の加熱調理器による加熱動作が実行される。
ここで、上記ステップS10およびステップS11の表示部115に提示される一例を、図5を用いて、説明する。
図5に示すように、表示部115には、複品判定部109で抽出した食品や食器などをブロックごとに、例えば矩形形状で切り出して提示する。同時に、表示部115に、切り出した食品や食器などに対応する加熱制御内容である、例えばメニューや、目標温度などを表示する。これにより、使用者は、加熱庫内に収容される食品や食器と関連付けられた加熱制御内容を、容易に認識できる。さらに、提示される加熱制御内容を、温度の表示の左右の△表示を押下などの操作により、任意に調整できる。
なお、本実施の形態では、図5に示すように、加熱庫内に存在する複数の食品や食器の全てを提示する例で説明したが、これに限られない。例えば、図示しない提示モードの切換スイッチにより、図6に示すように、複品判定部109で抽出したブロック単位ごとに、1つずつ拡大して提示してもよい。また、図5および図6に示すいずれの場合でも、例えば設定部107での設定時においては、選択している対象の画像を拡大して提示してもよい。これにより、使用者は、加熱制御内容を、より容易に認識できる。
また、本実施の形態では、操作部116で加熱開始の指示が出された場合、表示部115で提示された加熱制御内容をそのまま保持してもよい。つまり、格納部108への画像の特徴量に関する情報や加熱制御内容の変更は、行わなくてもよい。これにより、使用者は、加熱制御内容を設定することなく、加熱調理器による加熱を行える。
また、本実施の形態では、表示部115に加熱制御内容の提示がない場合、設定部107で加熱制御内容を変更してもよい。例えば、提示される加熱制御内容を、温度の表示の左右の△表示を押下などの操作により、任意に調整する。このとき、操作部116で加熱開始の指示が出された場合、制御部112は、格納部108へ、画像の特徴量と、変更した加熱制御内容とを紐付けて新規登録してもよい。これにより、今後、同じ食品や食器を加熱する場合には、加熱制御内容を、表示部115に表示できる。
さらに、本実施の形態では、使用者が操作部116を介して、提示された加熱制御内容を設定部107で加熱制御内容を変更した場合、格納部108に格納されている画像の特徴量や加熱制御内容の更新を行ってもよい。これにより、今後、同じ食品や食器を加熱する場合には、より適切な加熱制御内容を、表示部115に表示できる。
また、本実施の形態では、格納部108に格納された情報は、加熱制御内容とともに、記憶された格納部108への格納からの経過時間に基づいて、削除してもよい。これにより、記憶容量の増大を抑制できる。この場合、情報の登録容量に応じて、更新や新規登録が行われなかった古い情報から削除することが好ましい。
また、本実施の形態では、格納部108へ格納する画像情報を、画像の特徴量とともに、その画像自体の情報も紐付けて記憶するように構成している。これにより、後で、画像を確認できるように構成している。しかし、例えば特徴量のみを記憶する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、操作部116で加熱開始の指示が行われた場合、格納部108への画像の特徴量の変更を行わない例で説明したが、これに限られない。例えば、最新の画像の特徴量に更新する、あるいは特徴量を平均化して更新する構成としてもよい。これにより、今後、同じ食品や食器を加熱する場合には、より適切な加熱制御内容を、表示部115に表示できる。
また、本実施の形態では、撮影部106で予め撮影するタイミングとして、加熱調理器の電源がONになった時点を例に説明したが、これに限られない。例えば、加熱庫内が空の状態であれば、撮影のタイミングは任意でよい。
また、本実施の形態では、格納部108への新規画像登録を、複品判定部109で複品と判定されるか否かにかかわらず、以下の条件において実行している。つまり、格納部108に登録された画像がない場合や、登録された画像との差分が所定値以上の場合で、かつ加熱指示が行われた時に登録しているが、これに限られない。例えば、複品判定部109で単品(1つの食品)と判定された場合のみで、かつ加熱指示が行われた時に登録してもよい。これにより、単品での、より適切な加熱制御内容を登録できる。
また、本実施の形態では、制御内容特定部113で特定した加熱制御内容がない場合、表示部115に加熱制御内容を表示しない例で説明したが、これに限られない。例えば、予め準備したデフォルトの加熱制御内容を表示してもよい。これにより、使用者は、加熱制御内容の設定を簡単に行える。
また、本実施の形態では、格納部108に登録された情報を、登録からの経過時間に基づいて、登録容量や、更新や新規登録の無い古い情報から削除する例で説明したが、これに限られない。例えば、使用者が、任意の登録画像を呼び出して、指定して削除してもよい。これにより、記憶容量の増大を抑制できる。
また、本実施の形態では、報知部として表示部115を例に説明したが、これに限られない。例えば、音声で知らせるための音声合成装置などからなる音声発生部などで報知部を構成してもよい。これにより、目が不自由な使用者であっても簡単に加熱制御内容を設定できる。
また、本実施の形態では、複品判定部109、特徴量算出部110、類似度判定部111、制御部112、制御内容特定部113、表示制御部114などを個別に構成した例で説明したが、これに限られない。例えば、上記各構成要素の機能を、1つの制御部の中に組み込んで、組み込んだ制御部で実行する構成としてもよい。これにより、加熱調理器の低コスト化ができる。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は、開閉自在のドアが取り付けられた加熱庫と、加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部であるマグネトロン101およびヒータ102と、加熱庫内を撮影する撮影部106と、加熱制御内容を設定する設定部107と、撮影部106で撮影された画像と設定部107で設定された加熱制御内容を紐づけて記憶する格納部108を備える。さらに、食品が複数種類かどうかを判定する複品判定部109と、撮影部106が撮影した複数の画像の類似度を判定する類似度判定部111と、類似度判定部111での判定結果に応じて撮影部106で撮影された食品に対応する加熱制御内容を特定する制御内容特定部113と、加熱制御内容を提示する表示部115と、制御部112を備える。制御部112は、複品判定部109により食品が単品と判定した場合、1つの加熱制御内容を、表示部115に提示する。また、制御部112は、複品判定部109により食品が複数種類である判定した場合、複数の加熱制御内容を食品の種類ごとに表示部115に提示する。これにより、単品の食品や、複数の食品が加熱庫内に収容された場合、加熱制御内容などの各々の設定を簡単に行うことができる。また、使用者が意識しない日々の操作の中で、今回判定された食品などに該当する、以前に設定した加熱制御内容などがあれば、自動で呼び出して提示する。その結果、使用者の好みに応じて加熱できる、使い勝手に優れる加熱調理器を実現できる。
また、本実施の形態の加熱調理器は、複品判定部109により食品が複数種類存在すると判定された場合、制御部112は、表示部115に撮影部106で撮影された複数の食品の画像を分割して提示する。このとき、分割した各々の画像を、そのまま、または拡大して提示する。同時に、分割した画像毎に加熱制御内容を、表示部115に提示する。これにより、複数の食品が加熱庫内に収容された場合でも、使用者が加熱庫内の個々の食品を、より確認しやすくなる。そのため、加熱制御内容などの各々の設定を、より簡単に行える加熱調理器を実現できる。
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2の加熱調理器について、図7および図8を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態2における加熱調理器の構成を示すブロック図である。図8は、同加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
つまり、本実施の形態の加熱調理器は、図7に示すように、制御内容特定部113内に熱源判定部117を、さらに備える点で、実施の形態1とは異なる。それ以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるので、同一符号、同一名称を用いて、詳細な説明は省略する。
そして、本実施の形態の加熱調理器は、食品や食器に紐付けされて抽出された加熱制御内容に基づいて、熱源判定部117で所定の熱源を判定して、食品を加熱する構成を備える。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は構成される。
以下に、上記構成を有する加熱調理器の動作および作用について、図8を用いて説明する。
まず、事前に加熱庫内の空の状態を撮影し、食品などを収容してドアを閉じた後、再び、撮影部で加熱庫内を撮影する。そして、制御内容特定部113は、ブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容の抽出を行う。以上の動作は、図2を用いて説明した実施の形態1の動作と同様である。
すなわち、まず、実施の形態1と同様に、図2に示すステップS1〜ステップS7までの動作を行う。
そして、本実施の形態のポイントである、図8のステップS31〜ステップS43までの動作を行う。そのため、図2に示すステップS1〜ステップS7までの動作の説明は、省略する。
具体的に、実施の形態2のおける加熱調理器の動作について、図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、まず、制御内容特定部113は、設定部107で設定されている設定内容、例えば選択されたメニューがあるか否かを判定する(ステップS31)。なお、設定内容は、設定が確定している内容に限らず、設定途中の時点で選択されている使用熱源に関わる加熱制御内容も含まれる。選択されたメニューがある場合(ステップS31のY)、ステップS32に移行する。具体的には、使用者が、例えばメニューの「あたため」選択している場合や、事前にデフォルトメニューとして「あたため」が選択されている場合が該当する。
つぎに、制御部112は、制御内容特定部113で、抽出される画像と紐づけて格納部108に格納された加熱制御内容があるか否かを判定する(ステップS32)。抽出される加熱制御内容がある場合(ステップS32のY)、複品判定部109で複数種類の食品(複品)か否かを判定する(ステップS33)。
このとき、単品と判定された場合(ステップS33のN)、熱源判定部117は、抽出された加熱制御内容の熱源と、メニューの熱源と一致するか否かを判定する(ステップS36)。つまり、熱源判定部117は、選択されたメニューの「あたため」に使用する熱源が、抽出された類似画像と紐付く加熱制御内容の熱源と一致するか否かを判定する。具体的には、メニューの熱源がマグネトロン101のみで、抽出された加熱制御内容の熱源がマグネトロン101のみで加熱制御を行う場合に相当する。つまり、加熱制御内容の熱源がメニューの熱源と一致する場合(ステップS36のY)、抽出した加熱制御内容を、そのブロックの加熱制御内容と特定する。そして、制御部112は、特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する(ステップS41)。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
一方、抽出された類似画像と紐付く加熱制御内容の熱源が、メニューの熱源と一致しない場合(ステップS36のN)、一致しないブロックについては、メニューのデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップS38)。具体的には、該当する加熱制御内容(例えば、選択された「あたため」メニューのデフォルトの加熱制御内容である、固定の目標温度や加熱時間、もしくは前回使用した目標温度や加熱時間など)を、そのブロックの加熱制御内容として表示部115で表示する。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
また、ステップS33で、複品判定部109が複数種類の食品(複品)と判定した場合(ステップS33のY)、制御内容特定部113は、熱源判定部117の判定に基づいて、抽出された加熱制御内容の熱源のうち、選択されたメニューの熱源と一致する加熱制御内容の熱源を特定する(ステップS34)。具体的には、抽出したブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容の熱源のうち、マグネトロン101のみで加熱制御を行う加熱制御内容の熱源のみを、そのブロックの加熱制御内容と特定する。そして、特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する。
このとき、ステップ34で加熱制御内容が特定できないブロックについては、メニューの熱源のデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップ35)。具体的には、該当するデフォルトの加熱制御内容(例えば選択された「あたため」メニューのデフォルトの加熱制御内容である、固定の目標温度や加熱時間、もしくは前回使用した目標温度や加熱時間など)を、そのブロックの加熱制御内容として表示部115で表示する。そして、ステップS31に戻り、以降の処理を実行する。
同様に、制御内容特定部113は、抽出したブロックごとに類似画像と紐づく加熱制御内容で特定した熱源のうち、熱源判定部117で判定した選択メニューで使用する熱源が、例えばヒータ102のみであれば、ヒータ102のみで加熱制御を行う加熱制御内容の熱源のみを特定する。一方、熱源判定部117で判定した使用熱源が、マグネトロン101とヒータ102であれば、マグネトロン101とヒータ102で加熱制御を行う加熱制御内容の熱源を、そのブロックの加熱制御内容と特定する。そして、特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する。
すなわち、ステップS33において、制御内容特定部113は、複品判定部109により食品が単品と判定された場合(ステップS33のN)、1つの加熱制御内容について、熱源判定部117が判定した使用熱源と一致する熱源のみを、そのブロックの加熱制御内容と特定して、表示制御部114へ情報を送る。一方、複品判定部109により食品が複数種類(複品)と判定された場合(ステップS33のY)、複数の加熱制御内容の全てについて、熱源判定部117が判定した使用熱源と一致する熱源を、そのブロックの加熱制御内容と特定して、表示制御部114へ情報を送る。
なお、制御内容特定部113は、設定部107での設定が確定するまでに、選択されている加熱制御内容の熱源に関する内容が変更されるごとに、熱源判定部117が判定した使用熱源による情報の絞り込みを行う。そして、絞り込んだ情報を表示制御部114へ情報を送る。
また、ステップ32において、制御内容特定部113が画像と紐付けて格納部108に格納されている加熱制御内容を抽出していない場合(ステップS32のN)、抽出されていないブロックについては、メニューのデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップS38)。具体的には、該当するデフォルトの加熱制御内容(例えば選択された「あたため」メニューのデフォルト加熱制御内容である、固定の目標温度や加熱時間、もしくは前回使用した目標温度や加熱時間など)を、表示部115で表示する。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
一方、ステップ31において、制御内容特定部113が、設定部107で設定されている設定内容、例えば選択されたメニューがない場合(ステップS31のN)、制御内容特定部113は、抽出されたブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容があるか否かを判定する(ステップS39)。抽出された加熱制御内容がある場合(ステップS39のY)、複品判定部109で複数種類の食品(複品)か否かを判定する(ステップS40)。
このとき、食品が単品と判定された場合(ステップS40のN)、制御部112は、抽出した加熱制御内容を、特定した加熱制御内容として、表示制御部114へ情報を送り、表示部115に提示する(ステップ41)。
一方、食品が複品と判定された場合(ステップS40のY)、制御内容特定部113は、熱源判定部117の判定に基づいて、紐付ける加熱制御内容が抽出された複数の加熱制御内容の全ての使用熱源について、確認する。そして、最も多い使用熱源の加熱制御内容と紐づくブロックのみについて、加熱制御内容を特定する。特定した加熱制御内容の情報を表示制御部114へ送り、表示部115に提示する(ステップ42)。
このとき、ステップ42で加熱制御内容が特定できないブロックについては、最も多い使用熱源のデフォルトの加熱制御内容を表示部115に提示する(ステップ43)。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
また、ステップS39において、抽出されたブロックごとに類似画像と紐付く加熱制御内容がない場合(ステップS39のN)、制御部112は、表示制御部114へ情報を送らず、表示部115に表示しない(ステップS44)。そして、ステップS31に戻り、同様の処理を実行する。
なお、制御内容特定部113は、設定部107での設定が確定するまでに、選択されている加熱制御内容の熱源に関する内容が変更されるごとに、熱源判定部117が判定した使用熱源による特定した情報の絞り込みを行う。そして、選択されたメニューがある場合と同様に、絞り込んだ情報を表示制御部114へ情報を送る。
また、ステップS42において、複品判定部109で判定されたブロックの数が偶数の場合で、かつ熱源判定部117で使用熱源が同じと判定されたブロックの数が同数の場合、複品判定部109により分割した画像のサイズが最も大きいブロックの属する使用熱源の加熱制御内容を特定する。そして、特定したブロックの加熱制御内容の情報を、表示制御部114へ送る。一方、いずれにも該当しない場合には、表示制御部114へ情報を送らず、表示部115に表示しない。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器は、制御内容特定部113に、熱源判定部117を備える。
そして、表示部115は、制御内容特定部113で特定した予め選択されている加熱制御内容、もしくは設定部107で選択されている加熱源と一致する加熱制御内容のみを提示する。これにより、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
また、複品判定部109が撮影部106で撮影した食品の画像情報から食品が複数種類だと判定し、かつ制御内容特定部113が複数の種類について特定した加熱制御内容の中の加熱源が異なる場合、つぎのように動作する。
つまり、上記の状況において、予め選択されている加熱制御内容、もしくは設定部107で選択されている加熱制御内容の加熱源がない時は、表示部115は、特定した制御内容で最も多い加熱源の加熱制御内容のみを提示する。これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
さらに、複品判定部109が撮影部106で撮影した食品画像情報から食品が複数種類だと判定し、かつ制御内容特定部113が複数の種類について特定した加熱制御内容の中に加熱源が異なる場合、つぎのように動作する。
つまり、上記状況において、予め選択されている加熱制御内容、もしくは設定部で選択されている加熱制御内容の加熱源がない場合、表示部115は、特定した加熱制御内容のうち、複品判定部109により分割した最も大きい画像サイズに紐付く加熱制御内容のみを提示する。これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
なお、本実施の形態では、設定部107で選択されている使用熱源に関わる加熱制御内容をメニューとして表示する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、「レンジ」、「グリル」などの熱源を、直接指定する加熱制御内容に関わる使用熱源であれば、加熱制御内容は任意としてもよい。
また、本実施の形態では、複品判定部109、特徴量算出部110、類似度判定部111、制御部112、制御内容特定部113、表示制御部114などを個別の構成および名称で説明したが、これに限られない。例えば、上記各構成要素の機能を、1つの制御部の中に組み込んで、組み込んだ制御部で実行する構成としてもよい。また、上記構成要素や回路を、全て制御部と称してもよい。
以上で説明したように、本発明の加熱調理器は、加熱庫に収納された食品を加熱する加熱部と、加熱庫内の食品または食器を撮影する撮影部と、加熱部による加熱制御内容を設定する設定部と、撮影部で撮影された画像と設定部で設定された加熱制御内容とを関連付けて格納する格納部と、加熱制御内容を報知する報知部と、制御部を備える。制御部は、撮影部で撮影された画像に存在する食品または食器の数に基づいて、対応する食品または食器の加熱制御内容を報知するように報知部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、単品の食品や複数の食品を加熱庫内に入れて加熱する場合、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。また、使用者が以前に設定した加熱制御内容に該当する加熱制御内容があれば、自動で呼び出して報知部に提示する。これにより、使用者の好みに応じて加熱できる、使い勝手に優れる加熱調理器を実現できる。
また、本発明の加熱調理器は、開閉可能な扉を有する加熱庫と、扉の開閉を検知する開閉検知部を、さらに備える。制御部は、扉が開状態から閉状態に変化したことを開閉検知部が検知すると、撮影部で加熱庫内の食品または食器を撮影し、撮影部が撮影した加熱庫内の食品または食器の画像と格納部に格納された画像との比較を行う。さらに、制御部は、撮影部で撮影された画像に存在する食品または食器の数に基づいて、対応する食品または食器の加熱制御内容を報知するように報知部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、複数の食品を加熱庫内に入れて加熱する場合でも、使用者は、加熱庫内の個々の食品を、より確認しやすくなる。これにより、使用者は、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。
また、本発明の加熱調理器の報知部は、表示部を備え、制御部は、撮影部が撮影した画像に、食品または食器が複数種類存在すると判定すると、表示部に、撮影された画像に存在する食品または食器ごとに複数の画像に分割し、分割した画像をそのまま、または個別に拡大して表示するとともに、表示した画像ごとに対応する加熱制御内容を表示してもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容で、より早く加熱可能な加熱制御内容を提示できる。
また、本発明の加熱調理器は、撮影部で撮影された画像に食品または食器が含まれている場合、制御部は、画像に含まれる食品または食器に対応する加熱制御内容を抽出し、抽出した加熱制御内容に対応する加熱源と、設定部で設定された加熱制御内容に対応する加熱源とが一致すれば、加熱制御内容を報知部により報知する構成としてもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容を、使用者により早く提供できる。
また、本発明の加熱調理器は、撮影部で撮影された画像に複数の食品または食器が含まれている場合、制御部は、画像に含まれる複数の食品または食器に対応する複数の加熱制御内容を抽出する。そして、抽出した複数の加熱制御内容に対応する加熱源が異なると判定されるか、または、予め設定部で設定された加熱制御内容に対応する加熱源がないと判定されると、抽出した複数の加熱制御内容に対応する加熱源のうち、最も多く用いられる加熱源のみを報知部により報知する構成としてもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容を、使用者により早く提供できる。
また、本発明の加熱調理器の制御部は、撮影部で撮影した画像から複数種類の食品が存在すると判定する場合、撮影した食品に対応する加熱制御内容と加熱源を判定する。そして、判定した加熱源が食品に応じて異なる場合、または、予め設定部で設定された加熱制御内容の加熱源が撮影した画像に対応する加熱源と異なる場合、報知部は、設定した加熱制御内容のうち、分割した画像サイズの最も大きい加熱制御内容に紐付く加熱制御内容のみを提示する構成としてもよい。
これにより、加熱庫内に入れた食品に応じて、使用者の意図にあった設定内容をより早く提供する加熱調理器を実現できる。
本発明の加熱調理器は、単品の食品や、複数の食品を加熱庫内に入れた場合、各々の加熱制御内容の設定を簡単に行うことができる。また、以前に設定した加熱制御内容に該当する加熱制御内容があれば、自動で呼び出して提示する。そのため、家庭内だけでなく業務用などの加熱調理器としても有用である。
101 マグネトロン(加熱部)
102 ヒータ(加熱部)
103 赤外線センサ
104 サーミスタ
105 ドアスイッチ(開閉検知部)
106 撮影部
107 設定部
108 格納部
109 複品判定部
110 特徴量算出部
111 類似度判定部
112 制御部
113 制御内容特定部
114 表示制御部
115 表示部(報知部)
116 操作部
117 熱源判定部