JPWO2016185977A1 - 真贋認証用ガラスチップ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

真贋認証用として使用可能なガラスチップ及びその製造方法を提供する。ガラスマトリクス中に気泡及び結晶物から選択される少なくとも1種のマーカーが分散してなる真贋認証用ガラスチップであって、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数が5個/cm2以上であることを特徴とする真贋認証用ガラスチップ。

Description

本発明は、製品に表示されているパターン認識情報をチェックすることにより、本物と偽造品とを識別することが可能な真贋認証用ガラスチップ及びその製造方法に関する。
近年、国際的に模倣品流通が拡大しつつあり、特に発展途上国において多大な被害が発生している。このような被害に対抗するために、人工物メトリクスを用いた模倣品対策技術が提案されている。人工物メトリクスは紙やプラスチック等の人工物について、個体に固有かつランダムな物理的特徴を計測して固体認証する技術である。人工物メトリクスを利用した真贋認証用チップは、複製が極めて困難であることから、セキュリティ性が非常に高いという特徴を有している(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2013/073462号公報
紙やプラスチックからなる真贋認証用チップは、化学的耐久性や耐候性に劣るため、用途によっては使用が困難である。そこで、化学的耐久性や耐候性に優れる材料としてガラスを使用することが考えられるが、ガラスには、個体に固有かつランダムな物理的特徴を付与しにくく、真贋認証用チップとして使用することが困難である。
以上に鑑み、本発明は、真贋認証用として使用可能なガラスチップ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の真贋認証用ガラスチップは、ガラスマトリクス中に気泡及び結晶物から選択される少なくとも1種のマーカーが分散してなる真贋認証用ガラスチップであって、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数が5個/cm以上であることを特徴とする。
本発明の真贋認証用ガラスチップは、上記の通り、気泡及び結晶物から選択される少なくとも1種のマーカーを、単位面積当たり5個/cm以上と比較的多く含むものである。そのため、ガラスチップにおける各マーカーの大きさ、形状、配置パターン等が多彩であり、個体に固有かつランダムな物理的特徴を付与しやすいため、真贋認証用チップとして好適である。なお、「2次元的に画像認識した場合における」とは、例えばカメラやビデオカメラ等で撮影した際の写真や画像に基づいて判断することを意味する。
本発明の真贋認証用ガラスチップにおいて、2次元的に画像認識した場合におけるマーカーの直径が0.1μm以上であることが好ましい。
このようにすれば、マーカーが画像として認識されやすくなる。また、各マーカーの形状や大きさの相違が顕在化しやすくなり、チップの固有性が発現しやすくなる。なお、マーカーの直径は、マーカーの形状が円形でない場合は長径と短径の平均値を指す。
本発明の真贋認証用ガラスチップにおいて、ガラスマトリクスがケイ酸塩系ガラスまたは石英ガラスからなることが好ましい。
このようにすれば、真贋認証用ガラスチップの化学的耐久性や耐候性を向上させることができ、種々の用途に適用することが可能となる。
本発明の真贋認証用ガラスチップは、表面が未研磨であることが好ましい。
真贋認証用ガラスチップの表面が研磨されている場合、気泡に起因する微細な凹部や、結晶物に起因する凸部が表面に形成されやすくなる。これらの凹部や凸部には異物が付着しやすく、画像認識の妨げになるおそれがある。一方、真贋認証用ガラスチップの表面が未研磨である場合、上記のような凹部や凸部の発生が抑制され、画像認識精度が向上しやすくなる。
本発明の真贋認証システムは、上記の真贋認証用ガラスチップを利用することを特徴とする。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、上記の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、原料を溶融し、溶融ガラスを得る工程、及び、溶融ガラスを成形する工程を含み、溶融ガラス成形時の粘度が10dPa・s以上であることを特徴とする。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、溶融ガラス成形時の粘度を上記の通り比較的高くすることを特徴としている。このようにすることで、溶融ガラス中に含まれる気泡(特に巻き込み泡)が脱泡されにくくなり、成形後においてもガラスマトリクス中に多くの気泡が残存しやすくなる。結果として、ガラスマトリクス中に気泡を多く(具体的には、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数が5個/cm以上)含む真贋認証用ガラスチップを得ることが可能となる。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法において、溶融ガラスをフュージョン法(オーバーフローダウンドロー法)、スロットダウンドロー法またはフロート法により成形することが好ましい。
上記成形方法を採用することにより、所定の厚みを有する真贋認証用ガラスチップの量産が可能となり、生産性の向上を図ることができる。また、上記の成形方法により得られるガラスチップは表面が比較的平滑であるため、表面を研磨することなく使用することが可能である。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、上記の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、原料を溶融し、溶融ガラスを得る工程、溶融ガラスを成形して母材を得る工程、及び、母材を加熱延伸する工程を含み、溶融ガラス成形時の粘度が10dPa・s以上であることを特徴とする。
本発明の真贋認証用ガラスチップは、上記のように一旦母材を作製した後、当該母材を加熱延伸する方法(リドロー法)によっても製造することができる。この場合においても、溶融ガラス成形時の粘度を上記の通り比較的大きくすることにより、気泡を多く含む母材を作製することができる。さらには、当該母材を用いて加熱延伸を行うことにより、ガラスマトリクス中に気泡を多く(具体的には、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数が5個/cm以上)含む真贋認証用ガラスチップを得ることが可能となる。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法において、原料としてガラスカレットを用いることが好ましい。
ガラスカレットは比較的粒子径が大きく溶解時に巻き込み泡が発生しやすいため、ガラスマトリクス中に気泡を多く含む真贋認証用ガラスチップが得られやすくなる。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、上記の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、原料ガラス粉末の予備成型体を焼成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は上記のようないわゆる粉末焼結法によっても作製することができる。この場合、原料ガラス粉末の粒子径や焼成温度を適宜調整することにより、得られるガラスマトリクス中における気泡の数を適宜調整することが可能となる。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、上記の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、原料を溶融し、溶融ガラスを得る工程、及び、溶融ガラスを液相温度以下で保持して結晶物を析出させた後、成形する工程を含むことを特徴とする。
当該方法によれば、ガラスマトリクス中に結晶物が分散してなる本願発明の真贋認証用ガラスチップを容易に製造することが可能となる。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、上記の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、原料ガラス粉末及び結晶物粉末を含む混合粉末の予備成型体を焼成する工程を含むことを特徴とする。
当該方法によっても、ガラスマトリクス中に結晶物が分散してなる本願発明の真贋認証用ガラスチップを容易に製造することができる。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、上記の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、ガラス基板上に結晶物を散布する工程、及び、ガラス基板を焼成して軟化流動させることにより、結晶物をガラス基板中に埋没させる工程、を含むことを特徴とする。
当該方法によっても、ガラスマトリクス中に結晶物が分散してなる本願発明の真贋認証用ガラスチップを容易に製造することができる。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法において、ガラス基板上に、ガラス粉末を含有する層を形成した後、結晶物を散布することが好ましい。
このようにすれば、ガラス粉末が焼成により軟化流動して、ガラス基板と結晶物の界面を埋めるため、結晶物の輪郭が明瞭となりやすい。結果として、結晶物に対する画像認識精度が向上しやすくなる。また、結晶物がガラス基板中に固定されやすくなる。さらに、焼成時におけるガラス基板の望まない失透を抑制することができる。なお、ガラス基板の望まない失透を抑制できるメカニズムの詳細は不明であり、現在調査中である。
本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法は、上記の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、結晶物、ガラス粉末及びビークルを混合して結晶物含有ガラスペーストを準備する工程、ガラス板上に結晶物含有ガラスペーストを塗布し、結晶物含有ガラスペースト層を形成する工程、及び、結晶物含有ガラスペースト層を焼成することにより、結晶物含有ガラス層をガラス基板上に形成する工程、を含むことを特徴とする。
当該方法によっても、ガラスマトリクス中に結晶物が分散してなる本願発明の真贋認証用ガラスチップを容易に製造することができる。
本発明によれば、真贋認証用として使用可能なガラスチップを提供することが可能となる。
(a)は、本発明の真贋認証用ガラスチップを画像認識する様子(真贋認証システム)を示す模式的斜視図であり、(b)は真贋認証用ガラスチップの平面図である。 実施例1の真贋認証用ガラスチップの一部を示す平面写真である。 実施例2の真贋認証用ガラスチップの一部を示す平面写真である。 実施例3の真贋認証用ガラスチップを示す平面写真である。
図1(a)は、本発明の真贋認証用ガラスチップを画像認識する様子(真贋認証システム)を示す模式的斜視図であり、図1(b)は真贋認証用ガラスチップの平面図である。
真贋認証用ガラスチップ1は、ガラスマトリクス2中に気泡及び結晶物から選択される少なくとも1種のマーカー3を含む。真贋認証用ガラスチップ1の主面1aと垂直な方向Pからカメラ4で真贋認証用ガラスチップ1を撮影することにより、マーカー3を2次元的に画像認識することができる。
2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数は5個/cm以上であり、10個/cm以上、20個/cm以上、50個/cm以上、特に100個/cm以上であることが好ましい。2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数が少なすぎると、個体に固有かつランダムな物理的特徴を付与しにくいため、真贋認証用チップとして使用することが困難になる。一方、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数の上限は特に限定されないが、多すぎるとガラスチップの機械的強度が低下しやすくなるため、10000個/cm以下、特に8000個/cm以下であることが好ましい。
本発明の真贋認証用ガラスチップにおいては、マーカーとして気泡または結晶物が単独で含まれていても良いが、チップの固有性発現の観点からは両者が混在していることが好ましい。
結晶物としては、Al、SiO、TiO、ZrO、イットリウム安定化ZrO、ムライト、長石、アランダム(褐色溶融アルミナ)等のセラミックス粉末;金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム等の金属粉末;ガラス中からの析出結晶等が挙げられる。
2次元的に画像認識した場合におけるマーカーの直径は0.1μm以上、1μm以上、特に5μm以上であることが好ましい。2次元的に画像認識した場合におけるマーカーの直径が小さすぎると、マーカーが画像として認識されにくくなる。また、各マーカーの形状や大きさの相違が認識されにくく、チップの固有性が発現しにくくなる。なお、2次元的に画像認識した場合におけるマーカーの直径の上限は特に限定されないが、現実的には3000μm以下である。
2次元的に画像認識した場合におけるマーカーの形状は特に限定されず、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。チップの固有性発現の観点からは、2種以上の形状のマーカーが混在していることが好ましい。なお、円形や楕円形は、完全な円形や楕円形だけでなく、それに準ずるもの(略円形、略楕円形)も含む。
ガラスマトリクスとしては、例えばケイ酸塩系ガラスや石英ガラスが挙げられる。これらのガラスは化学的耐久性や耐候性に優れるため、真贋認証用ガラスチップを種々の用途に適用することが可能となる。なお、ケイ酸塩系ガラスとしては、例えば質量%で、SiO 30〜97%含有するものが挙げられる。またAl、B、RO(RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)、R´O(R´はMg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)等の酸化物を含有してもよい。
ガラスマトリクスは可視域透過率に優れるものが好ましい。それにより、ガラスマトリクス内部に位置するマーカーが認識されやすくなり、真贋認証用ガラスチップの画像認識精度が向上しやすくなる。具体的には、ガラスマトリクスの波長400〜800nmにおける全光線透過率は50%以上、特に60%以上であることが好ましい。
真贋認証用ガラスチップの形状は特に限定されないが、通常は矩形板状である。真贋認証用ガラスチップの面積(平面視における面積)は使用する用途に応じて適宜選択すれば良いが、例えば0.1〜25cm、さらには0.2〜20cmとすることが好ましい。また、真贋認証用ガラスチップの厚みは、機械的強度を考慮して0.05mm以上、特に0.1mm以上とすることが好ましい。一方、真贋認証用ガラスチップの厚みが大きすぎると、重量が大きくなりすぎるため、5mm以下、特に3mm以下とすることが好ましい。
真贋認証用ガラスチップの表面は未研磨であることが好ましい。この場合、気泡に起因する微細な凹部や、結晶物に起因する凸部が表面に形成されにくく、異物が付着しにくくなる。結果として、真贋認証用ガラスチップの画像認識精度が向上しやすくなる。
真贋認証用ガラスチップ表面に皮脂等の汚れが付着する、あるいは菌が付着して増殖すると、光が吸収または散乱しやすくなり、認証時のエラーを引き起こすおそれがある。そこで、真贋認証用ガラスチップの表面に防汚処理や抗菌処理を施すことが好ましい。防汚処理を施す方法としては、TiO光触媒を用いた親水処理やフッ素系樹脂を用いた撥水処理をガラスチップ表面に施す方法が挙げられる。抗菌処理を施す方法としては、抗菌効果のあるイオン、例えばAg、Zn、Cu等の抗菌作用のあるイオンをガラスチップ表面に塗布する、あるいはイオン交換処理によりガラスチップ表面に埋め込む方法、抗菌効果を有するフィルムをガラスチップ表面に貼付ける方法等が挙げられる。
また、真贋認証用ガラスチップの表面に傷が形成されると、光が散乱しやすくなり、認証時のエラーを引き起こすおそれがある。そこで、真贋認証用ガラスチップの表面に耐傷処理を施すことが好ましい。耐傷処理を施す方法としては、ゴム系、シリコーン系のハードコート剤をガラスチップ表面に塗布する方法や、ガラスチップ表面を化学強化または風冷強化し強化ガラスとする方法、または強化ガラスやサファイア等の強高度部材をガラスチップ表面に貼り付ける方法等が挙げられる。
本発明の真贋認証用ガラスチップは対象物品の表面に接合して用いられる。接合方法は特に限定されないが、例えばガラスフリットにより対象物品に融着接合させることが好ましい。このようにすれば、真贋認証用ガラスチップが対象物品に強固に接合され、取り外しが困難になることから、セキュリティ性を高めることが可能となる。
以下に、本発明の真贋認証用ガラスチップの製造方法について説明する。
(1)ガラスマトリクス中に気泡が分散してなる真贋認証用ガラスチップの製造方法
(製造方法1−a)
ガラスマトリクス中に気泡が分散してなる真贋認証用ガラスチップは、原料を溶融して溶融ガラスを得た後、溶融ガラスを成形することにより製造することができる。ここで、溶融ガラス成形時の粘度は10dPa・s以上、102.5dPa・s以上、特に10dPa・s以上であることが好ましい。溶融ガラス成形時の粘度が小さすぎると、溶融ガラス中に含まれる気泡(特に巻き込み泡)が脱泡されやすくなる。結果として、成形後においてガラスマトリクス中に気泡が残存しにくくなり、本発明の真贋認証用ガラスチップが得られにくくなる。
原料としては、各成分の酸化物や炭酸塩等を用いても良いが、ガラスカレットを用いることが好ましい。ガラスカレットは比較的粒子径が大きく溶解時に巻き込み泡が発生しやすいため、ガラスマトリクス中に気泡を多く含む真贋認証用ガラスチップが得られやすくなる。上記効果を得るため、ガラスカレットの平均粒子径(D50)は100μm以上、特に150μm以上であることが好ましい。ただし、ガラスカレットの平均粒子径が大きすぎると、かえって巻き込み泡が発生しにくくなったり、溶解しにくくなるため、5000μm以下、特に4000μm以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、平均粒子径(D50)はレーザー回折測定装置を用いて測定した値を指す。
溶融ガラスの成形方法は特に限定されず、例えばプレス成形、ロール成形、インゴット成形等を用いることができるが、なかでもフュージョン法、スロットダウンドロー法またはフロート法により成形することが好ましい。これらの成形方法を採用することにより、所定の厚みを有する真贋認証用ガラスチップの量産が可能となり、生産性の向上を図ることができる。また、上記の成形方法により得られるガラスチップは表面が比較的平滑であるため、表面を研磨することなく使用することが可能である。なかでも、フュージョン法によれば、溶融ガラスの両表面が成形体に触れることなく成形することが可能であることから、特に表面平滑性に優れたガラスチップを得ることが可能となる。
(製造方法1−b)
本発明の真贋認証用ガラスチップは、原料を溶融して溶融ガラスを得た後、溶融ガラスを成形して母材を作製し、さらに当該母材を加熱延伸する方法(リドロー法)によっても製造することができる。この場合も、既述の理由から、溶融ガラス成形時の粘度は10dPa・s以上、102.5dPa・s以上、特に10dPa・s以上であることが好ましい。
(製造方法1−c)
本発明の真贋認証用ガラスチップは、原料ガラス粉末の予備成型体を焼成することによっても製造することができる。原料ガラス粉末の平均粒子径(D50)は50〜1000μm、特に70〜800μmであることが好ましい。原料ガラス粉末の平均粒子径が小さすぎると、ガラスマトリクス中に気泡が残存しにくくなる。一方、原料ガラス粉末の平均粒子径が大きすぎると、焼結状態が不十分となって、得られるガラスチップの機械的強度が低下しやすくなる。焼成温度は原料ガラス粉末の軟化点±100℃の範囲内、特に原料ガラス粉末の軟化点±50℃の範囲内であることが好ましい。焼成温度が低すぎると、焼結状態が不十分となって得られるガラスチップの機械的強度が低下しやすくなる。一方、焼成温度が高すぎると、焼結状態が緻密となり、ガラスマトリクス中に気泡が残存しにくくなる。
(製造方法1−d)
本発明の真贋認証用ガラスチップは、表面粗さの比較的大きい第1のガラス板の表面に第2のガラス板を積層して圧着した状態で、加熱延伸することによっても作製することができる。まず、第1のガラス板の表面に第2のガラス板を積層して圧着することにより、第1のガラス板の表面粗さに起因して、第1のガラス板と第2のガラス板の間には局所的に隙間が形成される。その状態で第1のガラス板と第2のガラス板の積層体を加熱延伸することにより、両ガラス板の融着が促進される。第1のガラス板と第2のガラス板の間に局所的に形成された隙間は、一部がガラス板同士の融着により消滅するが、一部は気泡として残存する。結果として、ガラスマトリクス中に気泡を有するガラスチップを得ることができる。
所望の気泡を形成する観点から、第1のガラス板の表面粗さ(Ra)(第2のガラス板と対抗する面の表面粗さ)は0.1μm以上、特に0.3μm以上であることが好ましい。一方、第1のガラス板の表面粗さの上限は特に限定されないが、現実的には50μm以下である。第2のガラス板の表面粗さ(第1のガラス板と対抗する面の表面粗さ)は特に限定されないが、第1のガラス板と同等の表面粗さを有すると、両ガラス板間に多くの隙間が形成され、結果としてガラスマトリクス中に比較的多くの気泡を有するガラスチップが得られやすくなるため好ましい。
第1のガラス板及び第2のガラス板の厚みは0.02〜3mm、特に0.05〜2mmであることが好ましい。第1のガラス板及び第2のガラス板の厚みが小さすぎると、真贋認証用ガラスチップの機械的強度が低下しやすくなる。または、真贋認証用ガラスチップを作製する際に、ガラス板が破損しやすくなる。一方、第1のガラス板及び第2のガラス板の厚みが大きすぎると、真贋認証用ガラスチップの重量が大きくなりすぎる傾向がある。
ガラス板を3枚以上積層させた状態で上記の製造方法を適用しても構わない。その場合、ガラスマトリクス中に気泡をより多く形成することが可能となる。
(2)ガラスマトリクス中に結晶物が分散してなる真贋認証用ガラスチップの製造方法
(製造方法2−a)
ガラスマトリクス中に結晶物が分散してなる真贋認証用ガラスチップは、原料を溶融して溶融ガラスを得た後、溶融ガラスを液相温度以下(液相粘度以上)で保持して結晶物を析出させ、その後成形することにより製造することができる。結晶物を析出させるための溶融ガラスの保持温度は、具体的には液相温度〜(液相温度−150)℃、特に(液相温度−10)℃〜(液相温度−100)℃の範囲であることが好ましい。また、結晶物を析出させるための溶融ガラスの保持時間は10分間以上、特に60分間以上であることが好ましい。保持温度または保持時間が上記範囲外であると、結晶物が十分に析出しにくくなる。なお、原料の溶融温度を比較的低温(具体的には10dPa・s以上の粘度となる温度)にすることにより、ガラスマトリクス中に結晶物とともに気泡を含有する真贋認証用ガラスチップを作製することが可能となる。
(製造方法2−b)
本発明の真贋認証用ガラスチップは、原料ガラス粉末及び結晶物粉末を含む混合粉末の予備成型体を焼成することによっても製造することができる。原料ガラス粉末の平均粒子径(D50)が大きすぎると、焼結状態が不十分となって、得られるガラスチップの機械的強度が低下しやすくなるため、1000μm以下、特に800μm以下であることが好ましい。原料ガラス粉末の平均粒子径(D50)の下限は特に限定されないが、現実的には0.1μm以上、特に1μm以上である。なお、原料ガラス粉末の平均粒子径(D50)を比較的大きくする(例えば50μm以上、さらには70μm以上)ことにより、ガラスマトリクス中に結晶物とともに気泡を含有する真贋認証用ガラスチップを作製することが可能となる。焼成温度は原料ガラス粉末の軟化点±100℃の範囲内、特に原料ガラス粉末の軟化点±50℃の範囲内であることが好ましい。焼成温度が低すぎると、焼結状態が不十分となって、得られるガラスチップの機械的強度が低下しやすくなる。一方、焼成温度が高すぎると、ガラスの粘度が低下して、結晶物粉末がガラスマトリクス中に沈降し、分散状態に劣る傾向がある。なお、原料ガラス粉末の結晶化物粉末を配合して焼成することにより、ガラスマトリクス中に適宜結晶物を分散させることが可能となる。
(製造方法2−c)
本発明の真贋認証用ガラスチップは、ガラス基板上に結晶物を散布した後、ガラス基板を焼成して軟化流動させることにより、結晶物をガラス基板中に埋没させる方法によっても製造することができる。
ガラス基板としては上述したものを使用することができる。焼成温度はガラス基板の軟化点以上、軟化点+50℃以上、特に軟化点+100℃以上であることが好ましい。焼成温度が低すぎると、ガラス基板が軟化流動が不十分となり、結晶物がガラス基板中に埋没しにくくなる。ここで、結晶物がガラス基板中に完全に埋没すると、表面平滑性に優れたガラスチップが得られるが、必ずしもそれに限られず、結晶物の一部がガラス基板表面から突出していても構わない。
なお、ガラス基板上に、ガラス粉末を含有する層を形成した後、結晶物を散布することが好ましい。このようにすれば、ガラス粉末が焼成により軟化流動して、ガラス基板と結晶物の界面を埋めるため、結晶物の輪郭が明瞭となりやすい。結果として、結晶物に対する画像認識精度が向上しやすくなる。また、結晶物がガラス基板中に固定されやすくなる。さらに、焼成時におけるガラス基板の望まない失透を抑制することができる。ガラス粉末を含有する層は、例えばガラス粉末とビークルを混合してなるガラスペーストをガラス基板上に塗布することにより形成することができる。ビークルとしては、公知の結合剤、可塑剤、溶剤等の有機成分を所定の割合で混合したものを使用することができる。
ガラス粉末を含有する層の厚みは1〜200μm、特に3〜150μmであることが好ましい。ガラス粉末を含有する層の厚みが小さすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、ガラス粉末を含有する層の厚みが大きすぎると、結晶物のガラス基板中への埋没を妨げるおそれがある。
ガラス粉末としてはガラス基板より軟化点が低いものを使用することが好ましい。具体的には、ガラス粉末の軟化点はガラス基板の軟化点の50℃以上、特に100℃以上低いことが好ましい。このようにすれば、焼成時にガラス粉末が十分に軟化流動して上記の効果が得られやすくなる。このような観点から、ガラス粉末としては、B−ZnO系ガラス、SiO−B−NaO系ガラス、B−Bi系ガラス、B−P系ガラス等を使用することが好ましい。ガラス粉末の粒度は特に限定されないが、軟化流動が不十分となり上記の効果が得られにくくなるため、平均粒子径(D50)は100μm以下、特に50μm以下であることが好ましい。ガラス粉末の平均粒子径(D50)の下限は特に限定されないが、現実的には0.1μm以上、特に1μm以上である。
(製造方法2−d)
本発明の真贋認証用ガラスチップは、結晶物、ガラス粉末及びビークルを混合して結晶物含有ガラスペーストを準備し、ガラス板上に結晶物含有ガラスペーストを塗布して結晶物含有ガラスペースト層を形成した後、結晶物含有ガラスペースト層を焼成することにより、結晶物含有ガラス層をガラス基板上に形成する方法によっても製造することができる。
ガラス基板としては製造方法2−cと同様のものを使用することができる。ガラスペースト層の焼成時にガラス基板の軟化変形を抑制するため、ガラス粉末としてはガラス基板より軟化点が低いものを使用することが好ましい。具体的には、ガラス粉末の軟化点はガラス基板の軟化点の50℃以上、特に100℃以上低いことが好ましい。このような観点から、ガラス粉末としては、B−ZnO系ガラス、SiO−B−NaO系ガラス、B−Bi系ガラス、B−P系ガラス等を使用することが好ましい。ガラス粉末の粒度は特に限定されないが、大きすぎると焼結状態が不十分となって、得られる結晶物含有ガラス層においてガラス粉末の粒界が残存する傾向があり、結晶物の輪郭が不明瞭になるおそれがある。従って、ガラス粉末の平均粒子径(D50)は100μm以下、特に50μm以下であることが好ましい。ガラス粉末の平均粒子径(D50)の下限は特に限定されないが、現実的には0.1μm以上、特に1μm以上である。ビークルとしては上述のものを使用することができる。
ガラスペースト層の焼成温度はガラス粉末の軟化点±100℃の範囲内、特にガラス粉末の軟化点±50℃の範囲内であることが好ましい。焼成温度が低すぎると、焼結状態が不十分となって、得られる結晶物含有ガラス層においてガラス粉末の粒界が残存する傾向があり、結晶物の輪郭が不明瞭になるおそれがある。一方、焼成温度が高すぎると、ガラス粉末が過度に軟化流動して、結晶物含有ガラス層の表面平滑性が低下しやすくなる。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
SiO−NaO−CaO系の窓板用ガラス(液相温度990℃、液相粘度104.3dPa・s、軟化点740℃)300gを乳鉢で粉砕し、目開き500μmの篩を通過させた後、さらに目開き300μmの篩にかけた。目開き300μmの篩上に残ったガラスカレット(平均粒子径(D50)=415μm)を原料として使用した。ガラスカレットを白金るつぼに投入して1100℃で30分間、電気炉中で加熱して融解させた。ガラス融液(溶融ガラス)の粘度を球引き上げ法で測定したところ103.5dPa・sであった。
ガラス融液をカーボン板状に流し出し、アニールすることにより内部に気泡を含むガラス板を得た。ガラス板を2cm×2cmの大きさに切断し、厚み1mmとなるように鏡面加工することにより、ガラスマトリクス中にマーカーとなる気泡が分散してなる真贋認証用ガラスチップを得た。
拡大レンズを備えたカメラ付き携帯電話でガラスチップを撮影し、画像を得た(図2)。画像処理ソフトを用いて画像分析したところ、マーカーとなる気泡の単位面積当たりの個数は、212.5個/cmであった。また、画像から認識される気泡の直径の最小値は10μm、最大値は1100μmであった。
(実施例2)
実施例1で得られたガラスカレットを白金るつぼに投入して、電気炉中1400℃で60分間加熱して融解した後、950℃で600分間加熱することにより結晶物を析出させた。この際、ガラス融液の粘度を球引き上げ法で測定したところ104.5dPa・sであった。
ガラス融液をカーボン板状に流し出し、アニールすることにより内部に結晶物を含むガラス板を得た。ガラス板を2cm×2cmの大きさに切断し、厚み1mmとなるように鏡面加工することにより、ガラスマトリクス中にマーカーとなる結晶物が分散してなる真贋認証用ガラスチップを得た。
拡大レンズを備えたカメラ付き携帯電話でガラスチップを撮影し、画像を得た(図3)。画像処理ソフトを用いて画像分析したところ、マーカーとなる結晶物の単位面積当たりの個数は、1005.2個/cmであった。また、画像から認識される結晶物の直径の最小値は20μm、最大値は800μmであった。
(実施例3)
−ZnO系ガラス(軟化点550℃)を粉砕してガラス粉末(平均粒子径(D50)=3μm)を得た。ガラス粉末に、結合剤や有機溶剤を含有するビークルを添加した後、3本ロールミルで混練することによりガラスペーストを得た。
実施例1で使用したSiO−NaO−CaO系の窓板用ガラス(厚み1.5mm)上に、上記で得られたガラスペーストを150メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷することにより厚み30μmのガラスペースト層を形成した。ガラスペースト層上に直径約300μmの球状のジルコニア結晶物を適量散布した。その後、400℃で1時間脱脂した後、900℃で2時間焼成し、窓板用ガラスを軟化流動させることにより、ジルコニア結晶物を埋没させた。これにより、ジルコニア結晶物が内部に埋没及び分散してなるガラス板を得た。得られたガラス板を15mm×15mmの大きさに切断し、厚み1mmになるように、ジルコニア結晶物を散布した側とは反対側の面を鏡面加工することにより、ガラスマトリクス中にマーカーとなる結晶物が分散してなる真贋認証用ガラスチップを得た。
拡大レンズを備えたカメラ付き携帯電話でガラスチップを撮影し、画像を得た(図4)。画像処理ソフトを用いて画像解析したところ、マーカーとなる結晶物の単位面積当たりの個数は、185.5個/cmであった。また、画像から認識される結晶物の直径はいずれも約280μmであった。
1 真贋認証用ガラスチップ
2 ガラスマトリクス
3 マーカー
4 カメラ

Claims (15)

  1. ガラスマトリクス中に気泡及び結晶物から選択される少なくとも1種のマーカーが分散してなる真贋認証用ガラスチップであって、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数が5個/cm以上であることを特徴とする真贋認証用ガラスチップ。
  2. 2次元的に画像認識した場合におけるマーカーの直径が0.1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の真贋認証用ガラスチップ。
  3. ガラスマトリクスがケイ酸塩系ガラスまたは石英ガラスからなることを特徴とする請求項1または2に記載の真贋認証用ガラスチップ。
  4. 表面が未研磨であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップ。
  5. 請求項1〜4に記載の真贋認証用ガラスチップを利用することを特徴とする真贋認証システム。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、
    原料を溶融し、溶融ガラスを得る工程、及び、溶融ガラスを成形する工程を含み、溶融ガラス成形時の粘度が10dPa・s以上であることを特徴とする真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  7. 溶融ガラスをフュージョン法、スロットダウンドロー法またはフロート法により成形することを特徴とする請求項6に記載の真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、
    原料を溶融し、溶融ガラスを得る工程、溶融ガラスを成形して母材を得る工程、及び、母材を加熱延伸する工程を含み、溶融ガラス成形時の粘度が10dPa・s以上であることを特徴とする真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  9. 原料としてガラスカレットを用いることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、
    原料ガラス粉末の予備成型体を焼成する工程を含むことを特徴とする真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  11. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、
    原料を溶融し、溶融ガラスを得る工程、及び、溶融ガラスを液相温度以下で保持して結晶物を析出させた後、成形する工程を含むことを特徴とする真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、
    原料ガラス粉末及び結晶物粉末を含む混合粉末の予備成型体を焼成する工程を含むことを特徴とする真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  13. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、
    ガラス基板上に結晶物を散布する工程、及び、
    ガラス基板を焼成して軟化流動させることにより、結晶物をガラス基板中に埋没させる工程、
    を含むことを特徴とする真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  14. ガラス基板上に、ガラス粉末を含有する層を形成した後、結晶物を散布することを特徴とする請求項13に記載の真贋認証用ガラスチップの製造方法。
  15. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用ガラスチップを製造するための方法であって、
    結晶物、ガラス粉末及びビークルを混合して結晶物含有ガラスペーストを準備する工程、
    ガラス板上に結晶物含有ガラスペーストを塗布し、結晶物含有ガラスペースト層を形成する工程、及び、
    結晶物含有ガラスペースト層を焼成することにより、結晶物含有ガラス層をガラス基板上に形成する工程、
    を含むことを特徴とする真贋認証用ガラスチップの製造方法。
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