JP2017217849A - 真贋認証用部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】読み取り時の画像認識エラーが発生しにくく、真贋認証用として好適な部材を提供する。
【解決手段】ガラスマトリクス1中にマーカー2が分散してなり、2次元的に画像認識した場合においてマーカー2がランダム模様を形成しており、表面に反射防止層3aを有することを特徴とする真贋認証用部材10。
【選択図】図1
【解決手段】ガラスマトリクス1中にマーカー2が分散してなり、2次元的に画像認識した場合においてマーカー2がランダム模様を形成しており、表面に反射防止層3aを有することを特徴とする真贋認証用部材10。
【選択図】図1
Description
本発明は、製品に表示されているパターン認識情報をチェックすることにより、本物と偽造品とを識別することが可能な真贋認証用部材に関する。
近年、国際的に模倣品流通が拡大しつつあり、特に発展途上国において多大な被害が発生している。このような被害に対抗するために、人工物メトリクスを用いた模倣品対策技術が提案されている。人工物メトリクスは紙やプラスチック等の人工物について、個体に固有かつランダムな物理的特徴を計測して固体認証する技術である。人工物メトリクスを利用した真贋認証用チップは、複製が極めて困難であることから、セキュリティ性が非常に高いという特徴を有している(例えば特許文献1参照)。
紙やプラスチックからなる真贋認証用チップは、化学的耐久性や耐候性に劣るため、用途によっては使用が困難である場合がある。そこで、化学的耐久性や耐候性に優れる材料としてガラスを用いた真贋認証用部材も提案されている。
一般に、真贋認証用部材は、カメラ等を用いて部材中に分散するマーカーを2次元的に画像認識することにより読み取りが行われる。しかしながら、ガラスを用いた真贋認証用部材は画像認識エラーが発生しやすいという問題がある。
以上に鑑み、本発明は、読み取り時の画像認識エラーが発生しにくく、真贋認証用として好適な部材を提供することを目的とする。
本発明の真贋認証用部材は、ガラスマトリクス中にマーカーが分散してなり、2次元的に画像認識した場合においてマーカーがランダム模様を形成している真贋認証用部材であって、表面に反射防止層を有することを特徴とする。ここで、「2次元的に画像認識した場合における」とは、例えばカメラやビデオカメラ等で撮影した際の写真や画像に基づいて判断することを意味する。また、「反射防止層」とは、真贋認証用部材上に形成された反射防止機能を有する膜や表面部分(表面構造)を含む。
本発明の調査の結果、ガラスを用いた真贋認証用部材について読み取り時の認識エラーは、主に表面での光反射が原因であることがわかった。具体的には、真贋認証用部材の読み取りの際に室内照明やカメラに備えられた照明の光、あるいは屋外光が真贋認証用部材表面で反射してカメラに映り込み、画像認識エラーが生じる場合がある。そこで、真贋認証用部材の表面に反射防止層を設けることにより、部材表面での光反射を抑制し、画像認識エラーを抑制することが可能となる。
本発明の真贋認証用部材において、反射防止層は、例えば無機薄膜または凹凸構造層である。
本発明の真贋認証用部材において、ガラスマトリクスがケイ酸塩ガラスからなることが好ましい。このようにすれば、真贋認証用部材の化学的耐久性や耐候性を向上させることができ、種々の用途に適用することが可能となる。また、加工性に優れ、所望の形状を有する真贋認証用部材を容易に作製することが可能となる。さらに、反射防止膜等の膜との密着性にも優れる。
本発明の真贋認証用部材において、マーカーが無機粒子または気泡からなることが好ましい。
本発明の真贋認証用部材において、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカーの個数が5個/cm2以上であることが好ましい。このようにすれば、各マーカーの大きさ、形状、配置パターン等が多彩となり、個体に固有かつランダムな物理的特徴を付与しやすいため、真贋認証用部材として好適となる。
本発明の真贋認証システムは、上記の真贋認証用部材を利用したことを特徴とする。
本発明によれば、読み取り時の画像認識エラーが発生しにくく、真贋認証用として好適な部材を提供することが可能となる。
以下に、本発明の真贋認証用部材の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(1)第1の実施形態に係る真贋認証用部材
図1は、本発明の第1の実施形態に係る真贋認証用部材を画像認識する様子(真贋認証システム)を示す模式的斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る真贋認証用部材の模式的断面図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る真贋認証用部材を画像認識する様子(真贋認証システム)を示す模式的斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る真贋認証用部材の模式的断面図である。
真贋認証用部材10は、ガラスマトリクス1にマーカー2が分散した矩形板状からなるものである。真贋認証用部材10の一方の主面上には反射防止層3aが形成されている。真贋認証用部材10における反射防止層3aが形成された主面と垂直な方向Pからカメラ4で真贋認証用部材10を撮影することにより、マーカー2を2次元的に画像認識することができる。
ガラスマトリクス1としては、例えばケイ酸塩ガラスや石英ガラスが挙げられる。これらのガラスは化学的耐久性や耐候性に優れるため、真贋認証用部材を種々の用途に適用することが可能となる。特にケイ酸塩ガラスは加工性に優れ、所望の形状を有する真贋認証用部材を容易に作製することが可能となる。さらに、反射防止膜等の膜との密着性にも優れる。なお、ケイ酸塩ガラスとしては、例えば質量%で、SiO2 30〜97%含有するものが挙げられる。またAl2O3、B2O3、R2O(RはLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)、R´O(R´はMg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)等の酸化物を含有してもよい。
ガラスマトリクス1は可視域透過率に優れるものが好ましい。それにより、ガラスマトリクス1内部に位置するマーカー2が認識されやすくなり、真贋認証用部材10の画像認識精度が向上しやすくなる。具体的には、ガラスマトリクス1の波長400〜800nmにおける全光線透過率は50%以上、特に60%以上であることが好ましい。
マーカー2は特に制限はないが、可視光を吸収、反射または散乱するものであればよく、例えば無機粒子または気泡である。このようにすれば、真贋認証用部材10が無機物であるガラスと無機粒子(あるいはガラスのみ)から構成されるため、半永久的にランダムな物理的特徴を維持することが可能となる。無機粒子または気泡が単独で含まれていても良いが、真贋認証用部材10の固有性発現の観点からは両者が混在していることが好ましい。なお、無機粒子の一部がガラスマトリクス1の表面から露出していてもよい。
無機粒子としては、Al2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、イットリウム安定化ZrO2、ムライト、長石、アランダム(褐色溶融アルミナ)等のセラミックス粉末;金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム等の金属粉末;ガラス粉末;ガラスマトリクス1中からの析出結晶等が挙げられる。
2次元的に画像認識した場合におけるマーカー2の直径は0.1μm以上、1μm以上、特に5μm以上であることが好ましい。2次元的に画像認識した場合におけるマーカー2の直径が小さすぎると、マーカー2が画像として認識されにくくなる。また、各マーカー2の形状や大きさの相違が認識されにくく、真贋認証用部材10の固有性が発現しにくくなる。なお、2次元的に画像認識した場合におけるマーカー2の直径の上限は特に限定されないが、現実的には3000μm以下である。
2次元的に画像認識した場合におけるマーカー2の形状は特に限定されず、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。真贋認証用部材10の固有性発現の観点からは、2種以上の形状のマーカー2が混在していることが好ましい。なお、円形や楕円形は、完全な円形や楕円形だけでなく、それに準ずるもの(略円形、略楕円形)も含む。
2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカー2の個数は5個/cm2以上、10個/cm2以上、20個/cm2以上、50個/cm2以上、特に100個/cm2以上であることが好ましい。2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカー2の個数が少なすぎると、個体に固有かつランダムな物理的特徴を付与しにくいため、真贋認証用部材10として使用することが困難になる。一方、2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりのマーカー2の個数の上限は特に限定されないが、多すぎると真贋認証用部材10の機械的強度が低下しやすくなるため、10000個/cm2以下、特に8000個/cm2以下であることが好ましい。
反射防止層3aは無機薄膜からなる。無機薄膜であれば、耐候性に優れるため、真贋認証用部材10を屋外で使用した際の劣化を抑制することができる。無機薄膜の種類としては酸化物、窒化物、フッ化物等からなる単層膜または多層膜(誘電体多層膜)が挙げられ、スパッタ法、蒸着法、コーティング法等により形成することができる。なお、無機薄膜以外にも、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂(アンチグレア塗料)からなる層であってもよい。
反射防止膜5aの光反射率は、波長380〜780nmにおいて5%以下、4%以下、特に3%以下であることが好ましい。光反射率が高すぎると、光源の光等の映り込みにより認識エラーが発生しやすくなる。
真贋認証用部材10の表面に皮脂等の汚れが付着する、あるいは菌が付着して増殖すると、光が吸収または散乱しやすくなり、認証時のエラーを引き起こすおそれがある。そこで、部材表面に防汚処理や抗菌処理を施してもよい。防汚処理を施す方法としては、TiO2光触媒を用いた親水処理やフッ素系樹脂を用いた撥水処理を部材表面に施す方法が挙げられる。抗菌処理を施す方法としては、抗菌効果のあるイオン、例えばAg、Zn、Cu等の抗菌作用のあるイオンを部材表面に塗布する、あるいはイオン交換処理によりガラスマトリクス表面に埋め込む方法、抗菌効果を有するフィルムを部材表面に貼付ける方法等が挙げられる。
また、真贋認証用部材10の表面に傷が形成されると、光が不当に散乱して認証時のエラーを引き起こすおそれがある。そこで、部材表面に耐傷処理を施してもよい。耐傷処理を施す方法としては、ゴム系、シリコーン系のハードコート剤を部材表面に塗布する方法や、部材表面を化学強化または風冷強化し強化ガラスとする方法等が挙げられる。
真贋認証用部材10の面積(平面視における面積)は使用する用途に応じて適宜選択すれば良いが、例えば0.1〜25cm2、さらには0.2〜20cm2とすることが好ましい。また、真贋認証用部材10の厚みは、機械的強度を考慮して0.05mm以上、特に0.1mm以上とすることが好ましい。一方、真贋認証用部材10の厚みが大きすぎると、重量が大きくなりすぎるため、5mm以下、特に3mm以下とすることが好ましい。
本発明の真贋認証用部材10は対象物品の表面に接合して用いられる。接合方法は特に限定されないが、例えばガラスフリットにより対象物品に融着接合させることが好ましい。このようにすれば、真贋認証用部材10が対象物品に強固に接合され、取り外しが困難になることから、セキュリティ性を高めることが可能となる。
真贋認証用部材10は、ガラスマトリクス1中にマーカー2を分散させた板状部材を得た後、当該板状部材の一方の主面に反射防止層3aを形成することにより作製することができる。ガラスマトリクス1中にマーカー2を分散させる方法としては、(1)ガラス板上に無機粒子を分散して加熱することにより、ガラス板を軟化流動させ、無機粒子をガラス板中に埋没させる方法、(2)焼成によりガラスマトリクス1となるグリーンシートに無機粒子を埋め込み、焼成する方法、(3)ガラスマトリクス1の原料であるガラス粉末と、無機粒子とを混合して板状に予備成型した後、焼成する方法、(4)ガラス溶融成形工程で結晶を析出させる方法、(5)板状ガラス母材を熱処理して結晶を析出させる方法、等が挙げられる。
(2)第2の実施形態に係る真贋認証用部材
図3は、本発明の第2の実施形態に係る真贋認証用部材の模式的断面図である。図3に示す真贋認証用部材20は、反射防止層3bが凹凸構造層からなる点で、第1の実施形態に係る真贋認証用部材10と異なる。凹凸構造層としては、光の波長以下のサイズからなるモスアイ構造のような微細な凹凸構造からなる。凹凸構造層の作製方法としては、ナノインプリント法やフォトリソグラフィ法が挙げられる。本実施形態では、反射防止層3bはフィルム状のもの(例えば樹脂フィルム)が部材表面に貼り付けられている。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る真贋認証用部材の模式的断面図である。図3に示す真贋認証用部材20は、反射防止層3bが凹凸構造層からなる点で、第1の実施形態に係る真贋認証用部材10と異なる。凹凸構造層としては、光の波長以下のサイズからなるモスアイ構造のような微細な凹凸構造からなる。凹凸構造層の作製方法としては、ナノインプリント法やフォトリソグラフィ法が挙げられる。本実施形態では、反射防止層3bはフィルム状のもの(例えば樹脂フィルム)が部材表面に貼り付けられている。
凹凸構造層の表面粗さRaは0.001〜0.3μm、0.003〜0.2μm、特に0.005〜0.15μmであることが好ましい。表面粗さRaが小さすぎると、所望の反射防止効果が得られにくくなる。一方、表面粗さRaが大きすぎると、光散乱が大きくなって、認証エラーが発生しやすくなる。
(3)第3の実施形態に係る真贋認証用部材
図4は、本発明の第3の実施形態に係る真贋認証用部材の模式的断面図である。図4に示す真贋認証用部材30は、ガラスマトリクス1の表面に、反射防止層3cとして凹凸構造層が直接形成されている点で、第2の実施形態に係る真贋認証用部材20と異なる。具体的には、サンドブラスト、エッチング、研磨等によりガラスマトリクス1の表面が粗面化されることにより凹凸構造層が形成されている。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る真贋認証用部材の模式的断面図である。図4に示す真贋認証用部材30は、ガラスマトリクス1の表面に、反射防止層3cとして凹凸構造層が直接形成されている点で、第2の実施形態に係る真贋認証用部材20と異なる。具体的には、サンドブラスト、エッチング、研磨等によりガラスマトリクス1の表面が粗面化されることにより凹凸構造層が形成されている。
また以下のようにして、ガラスマトリクス1の表面に反射防止層3cを形成してもよい。まず焼成により真贋認証用部材10となるグリーンシート、及び、セラミック粒子(アルミナ等)を含み、焼成によりセラミック層となるグリーンシートを準備する。真贋認証用部材10となるグリーンシートの表面にセラミック層となるグリーンシートを圧着し、焼成後、セラミック層を取り除くことで、セラミックス粒子の跡が真贋認証用部材10の表面に転写され、凹凸構造層が形成される。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
10mm角で厚み1mmのSiO2−Na2O−CaO系ケイ酸塩ガラス板(軟化点 740℃(ファイバーエロンゲーション法による測定値。以下同様。))上に、φ0.3mmの白色ZrO2球からなるマーカーを100個散布し、840℃で2時間大気中で加熱した。これにより、軟化流動したガラス板中にマーカーが埋没した。冷却後、10mm角、厚さ0.8mmとなるように加工を施した。
10mm角で厚み1mmのSiO2−Na2O−CaO系ケイ酸塩ガラス板(軟化点 740℃(ファイバーエロンゲーション法による測定値。以下同様。))上に、φ0.3mmの白色ZrO2球からなるマーカーを100個散布し、840℃で2時間大気中で加熱した。これにより、軟化流動したガラス板中にマーカーが埋没した。冷却後、10mm角、厚さ0.8mmとなるように加工を施した。
得られた板状部材の一方の主面に反射防止層をスパッタ法により形成することにより、真贋認証用部材を得た。反射防止層は、板状部材表面側から順に、TiO2(屈折率nd2.32、厚み24nm)、SiO2(屈折率nd1.47、厚み33nm)、Nb2O5(屈折率nd2.20、厚み111nm)、SiO2(屈折率nd1.47、厚み119nm)から構成される誘電体多層膜とした。各層の膜厚はSEM−EDX(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置)を用いて求めた。
真贋認証用部材の反射防止層が形成された主面について、分光光度計(島津製作所製UV−3100)で測定した光反射率は0.05%であった。真贋認証用部材について、反射防止層が形成された主面をカメラ付き携帯電話で10回撮影し、10枚の画像を得た。画像処理ソフトを用いて分析したところ、単位面積当たりのマーカーの個数は平均90.7個/cm2、標準偏差が0.65であった。
(実施例2)
SiO2−Na2O−CaO系ケイ酸塩ガラス(軟化点740℃)300gをボールミルで粉砕することによりガラス粉末(平均粒子径D50=5μm)を得た。ガラス粉末、Al2O3フィラー(平均粒子径(D50)2.4μm)を重量比で70:30の割合で原料粉末を得た。原料粉末100質量部に対して、13質量部の結合剤(共栄社化学製アクリル系高分子 製品名オリコックス#2434T)、1質量部の分散剤(共栄社化学製高分子型分散剤 製品名フローレン G700)、6質量部の可塑剤(アジピン酸ジオクチル)、45質量部の溶媒(メチルエチルケトン)を添加し、ボールミルで10時間混練を行うことによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムの上にブレードギャップ300μmでシート成形した。シート成形後、大気中で十分に乾燥させて溶媒を除去することで厚み150μmのグリーンシート1を得た。
SiO2−Na2O−CaO系ケイ酸塩ガラス(軟化点740℃)300gをボールミルで粉砕することによりガラス粉末(平均粒子径D50=5μm)を得た。ガラス粉末、Al2O3フィラー(平均粒子径(D50)2.4μm)を重量比で70:30の割合で原料粉末を得た。原料粉末100質量部に対して、13質量部の結合剤(共栄社化学製アクリル系高分子 製品名オリコックス#2434T)、1質量部の分散剤(共栄社化学製高分子型分散剤 製品名フローレン G700)、6質量部の可塑剤(アジピン酸ジオクチル)、45質量部の溶媒(メチルエチルケトン)を添加し、ボールミルで10時間混練を行うことによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムの上にブレードギャップ300μmでシート成形した。シート成形後、大気中で十分に乾燥させて溶媒を除去することで厚み150μmのグリーンシート1を得た。
次に、Al2O3セラミック粉末(平均粒子径D50=2.4μm)100質量部に対して、15質量部の結合剤(共栄社化学製アクリル系高分子 製品名オリコックス#2434T)、1質量部の分散剤(共栄社化学製高分子型分散剤 製品名フローレン G700)、7質量部の可塑剤(アジピン酸ジオクチル)、50質量部の溶媒(メチルエチルケトン)を添加し、ボールミルで10時間混練を行うことによりスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート製フィルムの上にブレードギャップ500μmでシート成形した。シート成形後、大気中で十分に乾燥させて溶媒を除去することで厚み300μmのグリーンシート2を得た。
得られたグリーンシート1及び2を15mm角に切断した。グリーンシート1を4枚積層し、80℃、10kNで熱圧着することによって、グリーンシート積層体1を得た。グリーンシート積層体1の上面にアルコールを噴霧し、直径0.5mmの白色のイットリウム安定化ジルコニウム球からなるマーカーを100個分散した。その状態で、グリーンシート積層体1を2枚のグリーンシート2で挟持し、80℃、10kNで熱圧着することにより、グリーンシート積層体1中にマーカーを埋め込んだ。これにより、グリーンシート積層体1の両主面にグリーンシート2が圧着されてなるグリーンシート積層体2を得た。グリーンシート積層体2を600℃で脱脂した後、870℃で焼成した。焼成体の両表面に形成されたAl2O3セラミック粉末層を超音波洗浄機で取り除き、加工を施すことにより、10mm角、厚さ1mmの真贋認証用部材を得た。得られた真贋認証用部材の表面には、Al2O3セラミック粉末層の転写により形成された微細凹凸構造層からなる反射防止層が形成されていた。
実施例1と同様にして、真贋認証用部材の反射防止層が形成された主面について光反射率を測定したところ、2.2%であった。また、実施例1と同様にして、単位面積当たりのマーカーの個数を測定したところ、平均67.0個/cm2であり、標準偏差が0.89であった。
(実施例3)
10mm角で厚み1mmの、Fe、Cr、Cuを含有したSiO2−Na2O−CaO系黒色ケイ酸塩ガラス板(軟化点740℃)上に、φ0.3mmの白色ZrO2球からなるマーカーを100個散布し、900℃で2時間大気中で加熱した。これにより、軟化流動したガラス板中にマーカーが埋没した。冷却後、得られた板状部材の表面を♯100の耐水研磨紙を用いて研磨し、さらに加工を施すことにより10mm角、厚さ0.8mmの真贋認証用部材を得た。得られた真贋認証用部材の表面には、研磨加工により形成された微細凹凸構造層からなる反射防止層が形成されていた。表面粗さ測定機(サーフコーダー)で測定した表面粗さRaは42μmであった。
10mm角で厚み1mmの、Fe、Cr、Cuを含有したSiO2−Na2O−CaO系黒色ケイ酸塩ガラス板(軟化点740℃)上に、φ0.3mmの白色ZrO2球からなるマーカーを100個散布し、900℃で2時間大気中で加熱した。これにより、軟化流動したガラス板中にマーカーが埋没した。冷却後、得られた板状部材の表面を♯100の耐水研磨紙を用いて研磨し、さらに加工を施すことにより10mm角、厚さ0.8mmの真贋認証用部材を得た。得られた真贋認証用部材の表面には、研磨加工により形成された微細凹凸構造層からなる反射防止層が形成されていた。表面粗さ測定機(サーフコーダー)で測定した表面粗さRaは42μmであった。
実施例1と同様にして、真贋認証用部材の反射防止層が形成された主面について光反射率を測定したところ、3.9%であった。また、実施例1と同様にして、単位面積当たりのマーカーの個数を測定したところ、平均89.1個/cm2であり、標準偏差が0.94であった。
(比較例)
反射防止層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして真贋認証用部材を作製した。得られた真贋認証用部材について、実施例1と同様にして評価を行ったところ、光反射率は8.3%であり、単位面積当たりのマーカーの個数は平均67.4個/cm2、標準偏差が19.24であった。
反射防止層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして真贋認証用部材を作製した。得られた真贋認証用部材について、実施例1と同様にして評価を行ったところ、光反射率は8.3%であり、単位面積当たりのマーカーの個数は平均67.4個/cm2、標準偏差が19.24であった。
以上の結果から明らかなように、実施例1〜3の真贋認証用部材は、表面の光反射率が0.05〜3.9%と低く、単位面積当たりのマーカーの個数を測定した際の標準偏差が0.65〜0.94と小さかった。一方、比較例の真贋認証用部材は、表面の光反射率が8.3%と高く、単位面積当たりのマーカーの個数を測定した際の標準偏差が19.24と大きかった。このように、表面に反射防止層を形成した実施例1〜3の真贋認証用部材は、読み取り時の画像認識エラーが発生しにくく、真贋認証用として好適であることがわかる。
1 ガラスマトリクス
2 マーカー
3a、3b、3c 反射防止層
4 カメラ
10、20、30 真贋認証用部材
2 マーカー
3a、3b、3c 反射防止層
4 カメラ
10、20、30 真贋認証用部材
Claims (6)
- ガラスマトリクス中にマーカーが分散してなり、2次元的に画像認識した場合において前記マーカーがランダム模様を形成している真贋認証用部材であって、
表面に反射防止層を有することを特徴とする真贋認証用部材。 - 前記反射防止層が、無機薄膜または凹凸構造層であることを特徴とする請求項1に記載の真贋認証用部材。
- 前記ガラスマトリクスがケイ酸塩ガラスからなることを特徴とする請求項1または2に記載の真贋認証用部材。
- 前記マーカーが、無機粒子または気泡からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の真贋認証用部材。
- 2次元的に画像認識した場合における単位面積当たりの前記マーカーの個数が5個/cm2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の真贋認証用部材。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の真贋認証用部材を利用したことを特徴とする真贋認証システム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018052079A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 株式会社環境レジリエンス | 個別認証媒体とその作成法、及びそれを用いた認証システム |
WO2019093470A1 (ja) | 2017-11-10 | 2019-05-16 | 積水化学工業株式会社 | 蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス |
-
2016
- 2016-06-09 JP JP2016114937A patent/JP2017217849A/ja active Pending
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