JPWO2016171196A1 - クラックの発生が抑制された医療用ガラス容器の製造方法 - Google Patents

クラックの発生が抑制された医療用ガラス容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クラックの発生が抑制される医療用ガラス容器を製造する手段を提供する。【解決手段】医療用ガラス容器の製造方法は、着火されたポイントバーナ30の先端を、炎31がバイアル10に接触しない待機位置から、バイアル10の外部の開口16に対向する位置へ移動する第1工程と、ポイントバーナ30の先端をバイアル10の内部空間14へ挿入する第2工程と、内部空間14にポイントバーナ30の先端を保持しつつ、炎31をバイアル10の内面15に衝突させる第3工程と、ポイントバーナ30の先端を内部空間14から外部へ移動する第4工程と、ポイントバーナ30の先端を開口16に対向する位置から待機位置まで移動する第5工程とを含む。 少なくとも第2工程及び第4工程において、第3工程においてバイアル10の内面に衝突させるポイントバーナ30の炎31の火力より弱い火力の炎31をポイントバーナ30から噴出する。【選択図】図4

Description

本発明は、クラックの発生が抑制された医療用ガラス容器の製造方法に関する。
医療用バイアルのような医療用ガラス容器の原料として、化学的耐久性に優れたホウケイ酸ガラスが多く用いられている。ホウケイ酸ガラス製のガラス管が加熱されると共に変形されることによって、バイアルの口部及び底部が成形される。ホウケイ酸ガラスは加熱されることにより、ホウケイ酸ガラスに含まれるアルカリ成分が揮発する。揮発したアルカリ成分は、特にバイアルの底部近傍の内面に凝縮して加工劣化領域を生じる。このような加工劣化領域は、バイアルに貯留される医薬品などに対してアルカリ成分を溶出するおそれがある。これに対して、ISO4802−1又はISO4802−2等では、アルカリ成分の溶出基準が定められている。
アルカリ成分の溶出を低下させる方法として、ガラス管から成形されたバイアルを回転させながら、バイアルの内面に生じた劣化ガラスに対して、ポイントバーナによる酸素‐ガス炎をファイアブラストする方法が知られている(特許文献1,2参照)。
国際公開第2006/123621号公報 特開2010−269973号公報
ファイアブラストにおいて、ポイントバーナのノズルから噴出される炎を最適な位置にするために、バイアルの内部空間へポイントバーナのノズルを挿入することが好ましい。ポイントバーナのノズルがバイアルの先端へ挿入されるときに、ノズルの先端がバイアルの開口に接近する。このとき、ポイントバーナのノズルから噴出している炎によってバイアルの開口付近が加熱される。バイアルの開口付近が加熱されることにより、ガラス容器の開口付近にクラックが発生しやすくなることを本発明者らは見出した。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホウケイ酸ガラス製のガラス管を原料として成形される医療用ガラス容器の製造方法において、医療用ガラス容器にクラックが発生し難い手段を提供することにある。
(1) 本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法は、着火されているポイントバーナの先端を、当該ポイントバーナの先端から噴出する炎が当該ガラス容器に接触しない位置から、当該ガラス容器の外部であって当該ガラス容器の開口に対向する位置へ移動する第1工程と、着火されている当該ポイントバーナの先端を、開口を通じて当該ガラス容器の内部空間へ挿入する第2工程と、当該ガラス容器の内部空間に当該ポイントバーナの先端を保持しつつ、当該ポイントバーナの先端から噴出される炎を当該ガラス容器の内面に衝突させる第3工程と、着火されている当該ポイントバーナの先端を、開口を通じて当該ガラス容器の内部空間から外部へ移動する第4工程と、着火されている当該ポイントバーナの先端を、当該ガラス容器の開口に対向する位置から、当該ポイントバーナの先端から噴出する炎が当該ガラス容器に接触しない位置まで移動する第5工程とを含み、少なくとも当該第2工程及び当該第4工程において、当該第3工程において当該ガラス容器の内面に衝突させる当該ポイントバーナの炎の火力より弱い火力の炎を当該ポイントバーナから噴出する。
ガラス容器の成形工程において、ガラス容器の内面に加工劣化領域が生じる。第3工程では、ポイントバーナの先端をガラス容器の内部空間に位置させて、ポイントバーナの先端から噴出される炎をガラス容器の内面に衝突させる。これにより、ガラス容器の内面から加工劣化領域が除去される。
第2工程及び第4工程において、第3工程においてガラス容器の内面に衝突させるポイントバーナの炎の火力より弱い火力の炎をポイントバーナから噴出する。これにより、ポイントバーナの先端がガラス容器の開口を通過するときに、ガラス容器の開口付近に加わる熱量を抑制できる。
(2) 好ましくは、少なくとも上記第1工程及び上記第5工程において、上記ガラス容器の開口付近に遮蔽機構を位置させて、当該遮蔽機構により上記ポイントバーナの先端から噴出する炎が上記ガラス容器に接触することを遮蔽する。
第1工程及び第5工程において、ポイントバーナの先端はガラス容器の外部にあり、ガラス容器の開口付近の位置と炎がガラス容器に接触しない位置との間を回動される。このとき、遮蔽機構が、ポイントバーナの先端から噴出される炎がガラス容器に接触しないように遮蔽する。
(3) 好ましくは、上記各工程において、上記ガラス容器の開口が水平方向より上方を向くように支持し、少なくとも上記第2工程及び上記第4工程において、上記ポイントバーナの先端を構成するノズルを上記ガラス容器の軸線と平行な方向に沿わせた状態として上記ガラス容器に対して移動させる。
これにより、ポイントバーナの先端は、ガラス容器の外部と内部との間をガラス容器の軸線と平行に移動する。ポイントバーナの先端から噴出される炎は、ガラス容器の軸線と平行な方向に噴出されている。ポイントバーナの先端ガラス容器の首部付近を通過するとき、ガラス容器の開口付近の内面に炎が接触することが抑制できる。また、ガラス容器の開口が水平方向より上方を向くように支持されているため、ガラス容器が水平方向に移動することなく、安定した位置に維持される。
(4) 好ましくは、上記第3工程において、上記ガラス容器を一対のローラで支持し、上記ポイントバーナの先端から噴出される炎を上記ガラス容器の内面に衝突させつつ、当該ローラの回転により上記ガラス容器を回転させる。
これにより、ガラス容器の内面において周方向に均一に炎が衝突される。
(5) 好ましくは、上記遮蔽機構として上記ポイントバーナの先端から噴出される炎を遮蔽できる遮蔽板を用い、上記第1工程及び上記第5工程において、上記ガラス容器の開口を区画する縁部の一部と上記ポイントバーナの先端との間に上記遮蔽板を位置させる。
これにより、簡易な構成の遮蔽機構が実現される。
(6) 好ましくは、上記第1工程及び上記第5工程において、上記ガラス容器の縁部の上側と上記ポイントバーナの先端との間に上記遮蔽板を位置させる。
(7) 好ましくは、上記第1工程及び上記第5工程において、上記ポイントバーナを回動することにより上記ポイントバーナの先端を上記ガラス容器に対して移動させる。
これにより、第1工程及び第5工程において、ガラス容器の軸線方向に対するポイントバーナの移動距離が短くなり、ポイントバーナの先端がガラス容器から大きく離間される。
本発明によれば、ホウケイ酸ガラス製のガラス管から成形される医療用ガラス容器の製造方法において、ポイントバーナの炎を用いて加工劣化領域を除去し、かつ医療用ガラス容器にクラックが発生することを抑制できる。
図1は、本発明の実施形態に係るファイアブラスト装置80であって、ポイントバーナ30が待機位置にある状態の概略図である。 図2は、ポイントバーナ移動装置40であって、ポイントバーナ30が水平方向(前後方向103)に沿った状態の概略図である。 図3(A),図3(B)は、ローラ対60にバイアル10が載置されて遮蔽板51により口部13の一部が遮蔽された状態を示す概略図である。 図4(A)は、第1工程において、ポイントバーナ30が待機位置にある状態を示す図であり、図4(B)は、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31が遮蔽板51により遮蔽された状態を示す図であり、図4(C)は、ポイントバーナ30のノズル32がガラス容器の軸線と平行な方向に沿った状態を示す図である。 図5は、第2工程において、ポイントバーナ30のノズル32がバイアル10の内部空間14に挿入された状態を示す図である。 図6は、第3工程におけるポイントバーナ30などを示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[ファイアブラスト装置80の概略]
図1に示されるように、ファイアブラスト装置80は、ポイントバーナ30、ポイントバーナ移動装置40、ローラ対60及び遮蔽板51を有する。ファイアブラスト装置80は、バイアル10(ガラス容器の一例)にファイアブラストを行うための装置である。以下、ファイアブラスト装置80の構成要素が詳細に説明される。以下の説明において、図1における上下を基準に上下方向101が定義され、図1の紙面に垂直な方向を基準に左右方向102が定義され、これら上下方向101及び左右方向102と垂直な方向に、前後方向103が定義される。
[ポイントバーナ30]
図1及び図2に示されるように、ポイントバーナ30は、バーナ本体33及びノズル32を有しており、不図示のボンベ及び流量制御装置と接続されている。
バーナ本体33は、概ね円筒状の形状であり、液化天然ガス等の可燃ガス及び酸素がそれぞれ流通可能な流路と、これら流路が合流して混合ガスを形成し、その混合ガスが流通可能な流路とが内部空間に形成されている。バーナ本体33は、基端側において可燃ガスが貯留されたボンベ及び酸素が貯留されたボンベとそれぞれ接続されている。バーナ本体33と各ボンベとの間には、可燃ガス及び酸素の流量をそれぞれ制御するための流量制御装置(不図示)が設けられている。流量制御装置は、公知のものが採用可能である。
ノズル32は、バーナ本体33の先端側に接続されている。ノズル32は、ストロー状であり、バーナ本体33から流出する混合ガスが流通可能である。ノズル32の外径は、バイアル10の内部空間14へ挿入可能であって、ノズル32の先端がバイアル10の内部空間14に位置した状態において、ノズル32の軸線方向が変更可能な太さに設計されている。すなわち、ノズル32の外径は、バイアル10の首部18の内径より十分に細い。ノズル32の軸線方向に沿った長さは、バイアル10の軸線方向に沿った長さより十分に長い。ノズル32の素材としては、例えばセラミックなどの耐熱性が高いものが好ましい。
混合ガスは、バーナ本体33の内部空間からノズル32の内部空間を介して、ポイントバーナ30の先端であるノズル32の先端から外部へ流出される。ノズル32の先端から外部へ流出する混合ガスに着火することにより、ポイントバーナ30の先端から炎が噴出される。ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、流量制御装置によりガス及び酸素のそれぞれの流量を反抗することにより制御可能である。なお、火力の強さは一般的に一時間当たりにおける熱量(kcal/h)で定義される。
[ポイントバーナ移動装置40]
ポイントバーナ移動装置40は、ポイントバーナ30をバイアル10に対して相対的に移動するためのものである。図1に示されるように、ポイントバーナ移動装置40は、回動装置41、スライド装置42及びバーナ支持部43を備える。
回動装置41は、回動軸44、回動軸支持部45及び不図示の回動用の駆動装置を有する。回動軸44は、回動軸支持部45により軸線方向を左右方向102に沿わせた状態で回転可能に支持されている。回動軸44には、バーナ支持部43が固定されている。バーナ支持部43を介してポイントバーナ30が回動軸44に連結されている。回動軸44が回転することにより、バーナ支持部43と共にポイントバーナ30が、回動軸44周りに回動する。図には現れていないが、回動軸44には、ステッピングモータなどの駆動源から駆動力が入力される。駆動源の回転向き及び回転量が制御されることにより、ポイントバーナ30が所望の回動位置へ回動される。
スライド装置42は、スライド部46、スライド部支持台47及び不図示のスライド用の駆動装置を有する。スライド部46は、スライド部支持台47の上面に前後方向103へスライド可能に積載されている。各図には詳細に現れていないが、スライド部支持台47の上面には、前後方向103に沿ったガイドが設けられており、このガイドによってスライド部46が前後方向103に案内される。スライド部46には、ステッピングモータなどの駆動源から駆動力が入力される。駆動源から供給される駆動力の前後方向103に対する向き及び駆動量が制御されることにより、スライド部46が前後方向103に対して任意の位置へスライドされる。スライド部46のスライドに伴って、回動軸支持部45及びポイントバーナ30が移動する。
図1に示されるポイントバーナ30の位置は、待機位置である。待機位置において、ポイントバーナ30は、概ね回動軸44より図1における右手方向に位置し、バイアル10から遠い位置にある。また、ポイントバーナ30のノズル32の先端から噴出される炎31は、概ね上方に向いており、バイアル10に接触しない位置である。回動軸44が反時計回りに回動することにより、ポイントバーナ30は、図2に示されるようなスライド位置に移動可能である。スライド位置において、ポイントバーナ30の軸線方向は、水平方向(前後方向103)に対して若干傾いていてもよい。ポイントバーナ30の軸線方向は、後述のローラ対60及びバイアル10の軸線と平行である。ポイントバーナ30のノズル32の先端は、基端側より下方となるように、軸線が水平方向(前後方向103)に対して傾斜している。ノズル32の軸線は、水平方向(前後方向103)に対して0から10度傾斜している。また、ポイントバーナ30のノズル32の先端はバイアル10の外側において、バイアル10の開口16と対向する位置にある。スライド位置から、回動軸44が時計回りに回動されることにより、ポイントバーナ30は、スライド位置から待機位置に移動可能である。
[ローラ対60]
図3(A)及び図3(B)に示されるように、ローラ対60は、一対の第1ローラ61及び第2ローラ62である。第1ローラ61及び第2ローラ62は、それぞれが回転軸を前後方向103に対して若干傾いた状態で、左右方向102に沿って並列されている。第1ローラ61及び第2ローラ62は、ポイントバーナ30と対峙する面が反対側より上方となるように、軸線が水平方向(前後方向103)に対して傾斜している。ローラ対60の軸線は、水平方向(前後方向103)に対して0から10度傾斜している。第1ローラ61及び第2ローラ62の間隔は、バイアル10の外径に対して十分に狭い。第1ローラ61及び第2ローラ62の双方の外周面にバイアル10の外周面が接する様にして、ローラ対60の上にバイアル10が載置される。ローラ対60の上に載置されたバイアル10の軸線は、第1ローラ61及び第2ローラ62の軸線と平行である。この状態において第1ローラ61及び第2ローラ62が同じ向きへ回転すると、ローラ対60の上に載置されたバイアル10がバイアル10の軸線周りに回転される。なお、各図には示されていないが、第1ローラ61及び第2ローラ62は、モータなどの駆動源から駆動力が入力される。各図には、ローラ対60を回転可能に支持する支持機構は省略されている。
ローラ対60に対して、前後方向103におけるポイントバーナ30と反対には、あて板20が設けられている。あて板20は、ローラ対60側の面が平面の平板であり、ローラ対60より上方へ突出するように配置されている。あて板20は、ローラ対60に載置されたバイアル10の底部11と当接可能である。あて板20によって、ローラ対60に載置されたバイアル10の底部が前後方向103に対して位置決めされる。
[遮蔽板51]
遮蔽板51は、遮蔽機構の一例である。図3(A)及び図3(B)に示されるように、遮蔽板51は前後方向103に薄い平板である。遮蔽板51は、左右方向102において下側に向かって狭まる台形の形状である。遮蔽板51の左右方向102における幅は、バイアル10の口部13の外径よりも広く設計されている。遮蔽板51は、その表裏面の一方が、上下方向101及び左右方向102に広がるようにして、前後方向103においてローラ対60とポイントバーナ30との間に位置されている。図3(A)に示されるように、遮蔽板51は、バイアル10の開口16を区画する縁部17と平行になるように前後方向103に傾けられている。遮蔽板51は、ローラ対60より若干上方に配置されている。遮蔽板51の下端は、上下方向101において、バイアル10の開口16の中心より若干上方に位置する。バイアル10側の遮蔽板51の面は、口部13における縁部17を有する端面の上側の一部と近接しつつ対面する。
この遮蔽板51の位置は、ローラ対60に載置されたバイアル10の大きさに合わせて移動可能であることが好ましい。各図には詳細に示されていないが、遮蔽板51は、上下方向101に対して移動可能であることが好ましい。遮蔽板51の位置は、後述されるように、バイアル10の開口16を区画する縁部17の上側の一部とポイントバーナ30との間となるように調整される。ポイントバーナ30の先端から噴出する炎31は、遮蔽板51の左右方向102における中央部分を上方から下方へ接触しながら上下方向101に移動可能である。遮蔽板51の素材としては、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31を遮るものであればよく、例えばステンレス等の金属、熱伝導性のよいグラファイトなどが挙げられる。
[バイアル10]
バイアル10は、医療用ガラス容器の一例である。図3及び図4に示されるように、バイアル10は、底が封止された概ね円筒形状の外形の容器であり、左側から順に底部11、側面部12、首部18及び口部13を有する。バイアル10は、内部空間14を有し、口部13の一端において開口する。底部11は、平らな円盤状の形状であり、底部11の縁において側面部12と連続する。側面部12は、円筒形状である。側面部12は、軸線方向において、外径及び内径が一定に成形されている。首部18は、側面部12に連続し、側面部12からテーパー状に狭まる。首部18の内径及び外径は、側面部12より狭く成形されている。口部13は、首部18に連続し、縁部17で区画される開口16を有する。口部13の内径及び外径は、側面部12より狭く成形されている。口部13の外径は、首部18の外径において最も狭く形成された箇所より広く成形されている。
[バイアル10の製造方法]
バイアル10の製造方法は、主として容器成形工程、ファイアブラスト工程を含む。容器成形工程は、ガラス管からバイアル10を成形する工程である。ファイアブラスト工程は、ポイントバーナ30の先端から噴出された炎31をバイアル10の内面15における加工劣化領域に衝突させる工程である。
[容器成形工程]
一例として、一般的な縦型成形機を用いて、垂直に保持されて回転するガラス管を加熱することによりバイアル10が成形される。ガラス管は、バーナの炎で加熱されることにより軟化する。ガラス管の一部が軟化変形することにより、バイアル10の底部11及び口部13がガラス管から成形される。底部が成形される際に、ガラス管の原料であるホウケイ酸ガラスからアルカリホウ酸塩等が揮発する。揮発したアルカリホウ酸塩等のアルカリ成分は、バイアル10の内面15における底部11近傍に付着して加工劣化領域を生じさせる。加工劣化領域を除去するために、以下に詳細に説明するファイアブラスト工程が行われる。
[ファイアブラスト工程]
ファイアブラスト工程において、ファイアブラスト装置80が用いられる。ファイアブラスト工程は、主として以下の5つの工程を含む。
(1)着火されているポイントバーナ30の先端を、ポイントバーナ30の先端から噴出する炎31がバイアル10に接触しない位置から、バイアル10の外部であってバイアル10の開口16に対向する位置へ移動する第1工程。
(2)着火されているポイントバーナ30の先端を、開口16を通じてバイアル10の内部空間14へ挿入する第2工程。
(3)バイアル10の内部空間14にポイントバーナ30の先端を保持しつつ、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31をバイアル10の内面15に衝突させる第3工程。
(4)着火されているポイントバーナ30の先端を、開口16を通じてバイアル10の内部空間14から外部へ移動する第4工程。
(5)着火されているポイントバーナ30の先端を、バイアル10の開口16に対向する位置から、ポイントバーナ30の先端から噴出する炎31がバイアル10に接触しない位置まで移動する第5工程。
図1に示されるように、第1工程の前に、バイアル10は、回転されているローラ対60上に載置される。バイアル10の底部11があて板20と当接しつつ、バイアル10はバイアル10の軸線周りに回転される。図3に示されるように、遮蔽板51は、第1工程におけるバイアル10の大きさに対応する位置に移動される。すなわち、遮蔽板51は、前後方向103及び上下方向101において、バイアル10の開口16を区画する縁部17の上側の一部とポイントバーナ30との間となるように調整される。
[第1工程]
第1工程において、遮蔽板51は、バイアル10の開口16付近に位置される。図4(A)に示されるようにファイアブラストが行われていない状態では、ポイントバーナ30は待機位置に位置される。待機位置において、ポイントバーナ30のノズル32は、ローラ対60に載置されたバイアル10よりも先端が上方に位置するように、その軸線が水平方向(前後方向103)に対して傾斜されている。ノズル32の軸線が水平方向(前後方向103)に対して傾斜されている角度は、バイアル10の外形やノズル32の長さに応じて設定されるが、例えば図4(A)に示されるように、約70度程度である。ポイントバーナ30は、第1工程が行われる前に着火されているが、待機位置において、ポイントバーナ30のノズル32の先端から噴出する炎31は、バイアル10に接触しない。
ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、流量制御装置で制御可能である。第1工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、第3工程においてバイアル10の内面15に衝突させる炎31の火力より弱く調節される。第1工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、ファイアブラストをバイアル10に行うために十分な強さは不要であり、第3工程においてバイアル10の内面15に衝突させる炎31の火力より弱いことが好ましい。
図4(B)、図4(C)に示されるように、回動装置41により、待機位置のポイントバーナ30は、ノズル32の軸線がバイアル10の軸線と平行になる位置まで回動される。ポイントバーナ30の回動に伴って、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31も円弧を描くようにして下降する。ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31は、遮蔽板51の左右方向102における中央部分を上方から下方へ接触しながら移動する。このとき、仮に遮蔽板51が存在しないとすれば、炎31の回動軌跡は、ローラ対60に載置されたバイアル10の口部13と重複することになるが、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31は遮蔽板51で遮蔽されるため、バイアル10の口部13などには接触しない。図4(C)に示される位置までポイントバーナ30が回動されると、ノズル32の軸線がバイアル10の軸線と平行になり、かつノズル32の先端がバイアル10の開口16の中心にほぼ合致する。このとき、ポイントバーナ30の先端は、遮蔽板51の下端より下方に位置しており、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の一部は、口部13を通じてバイアル10の内部空間14へ進入する。
[第2工程]
第2工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、第3工程においてバイアル10の内面15に衝突させる炎31の火力より弱く調節される。図4(C)に示されるように、ノズル32の軸線がバイアル10の軸線と平行になるまで回動された後、第2工程において、着火された状態でポイントバーナ30は、スライド装置42によって、ノズル32をバイアル10の軸線と平行な方向に沿わせた状態でノズル32がバイアル10の内部空間14へ進入する向きへ水平方向(前後方向103)に沿ってスライドされる。これにより、図5に示されるように、ノズル32の先端部分が、バイアル10の開口16を通じて内部空間14へ進入する。
[第3工程]
図6に示されるように、第3工程において、回動装置41により、ノズル32の先端がバイアル10の内面15の底部11の上端付近を向くように、ポイントバーナ30が回動される。この回動により、ポイントバーナ30のノズル32は、その先端が基端より上方となるように、軸線が水平方向(前後方向103)に対して傾斜される。この状態において、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、ファイアブラストをバイアル10に行うために十分な強さに調節される。ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力として、加工劣化領域に含まれるアルカリ成分等がバイアル10の外部へ除去できる強さが必要である。ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31は、バイアル10の内面15に衝突される。また、ローラ対60が回転されることにより、バイアル10は、その軸線を水平方向(前後方向103)に沿わせた状態のまま軸線周りに回転する。これにより、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31がバイアル10の内面15の周方向へ順次衝突する。これにより、バイアル10の内面15に生じた加工劣化領域が除去される。ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31により加工劣化領域が除去される処理が、ファイアブラストと称される。
[第4工程]
第4工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、第3工程においてバイアル10の内面15に衝突させる炎31の火力より弱く調節される。図5に示されるように、回動装置41により、ノズル32の軸線がバイアル10の軸線と平行になるまでポイントバーナ30が回動される。続いて、スライド装置42によってポイントバーナ30が前述の第2工程と逆向きへ、すなわちバイアル10から離れる向きへスライドされることにより、ノズル32がバイアル10の開口16を通じて内部空間14から外部へ移動する(図4(C)に示す状態)。
[第5工程]
第5工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力は、第3工程においてバイアル10の内面15に衝突させる炎31の火力より弱く調節される。第5工程において、ポイントバーナ30は、図4(C)に示される位置から図4(A)に示される待機位置まで回動される。ポイントバーナ30が回動される過程において、図4(B)に示されるように、ポイントバーナ30の先端から噴出する炎31は、遮蔽板51で遮蔽される。したがって、この回動において、ポイントバーナ30の先端から噴出する炎31はバイアル10に接触しない。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、第3工程において、バイアル10の内面15における加工劣化領域にポイントバーナ30の先端から噴出される炎31を衝突させることにより、バイアル10の内面15から加工劣化領域が除去される。第2工程及び第4工程において、第3工程においてバイアル10の内面に衝突させるポイントバーナ30の炎31の火力より弱い火力の炎31をポイントバーナ30の先端から噴出されるため、ポイントバーナ30の先端がバイアル10の開口16を通過するときに、バイアル10の首部18などの開口16付近に加わる熱量が抑制される。
また、第1工程及び第5工程において、遮蔽板51は、バイアル10の開口16周辺に炎31が直接接触することを阻止する。これにより、バイアル10にクラックが発生することが抑制される。
また、各工程において、バイアル10の開口が水平方向(前後方向103)より上方を向くように支持し、少なくとも第2工程及び第4工程において、ポイントバーナ30の先端を構成するノズル32をバイアル10の軸線と平行な方向に沿わせた状態としてバイアル10に対して移動させる。このため、ポイントバーナ30の先端は、バイアル10の外部と内部空間14との間をバイアル10の軸線方向に対して平行に移動される。ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31は、バイアル10の軸線方向に対して平行に噴出されている。ポイントバーナ30の先端がバイアル10の首部18付近を通過する時、炎31がバイアル10の軸線方向に対して平行に噴出されているため、バイアル10の首部18などの開口16付近の内面に炎31が接触することが抑制される。
また、第3工程において、バイアル10を一対のローラ対60で支持し、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31をバイアル10の内面15に衝突させつつ、ローラ対60の回転によりバイアル10がバイアル10の軸線周りに回転される。このため、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31が、バイアル10の内面15における周方向に均一に衝突される。
また、遮蔽板51としてポイントバーナ30の先端から噴出される炎31を遮蔽できる遮蔽板51を用い、第1工程及び第5工程において、バイアル10の開口16を区画する縁部17の一部とポイントバーナ30の先端との間に遮蔽板51を位置させるため、簡易な構成の遮蔽機構が実現される。
また、第1工程及び第5工程において、ポイントバーナ30を回動することによりポイントバーナ30の先端をバイアル10に対して移動させるため、第1工程及び第5工程において、ポイントバーナ30の水平方向(前後方向103)における移動距離が短くなる。すなわち、第1工程及び第5工程において、バイアル10の軸線方向に対するポイントバーナ30の移動距離が短く設計される。
[変形例]
なお、本実施形態では、遮蔽機構として遮蔽板51が採用されたが、遮蔽機構が採用されない形態であっても本発明の作用効果が奏される。例えば、遮蔽機構を設けずに、第1工程及び第5工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31の火力を、第3工程においてバイアル10の内面15に衝突させる炎31の火力より弱く調節することによって、第1工程及び第5工程においてポイントバーナ30が回動されるときに、バイアル10の口部13付近に炎31が接触することにより口部13付近に加わる熱量を少なくすることができる。
また、遮蔽機構としては、遮蔽板51に限定されず、ポイントバーナ30から噴出された炎31をバイアル10に接触させない機構であればよい。例えば、第1工程及び第5工程において、遮蔽板51に代えて、バイアル10の口部13付近において、バイアル10の軸線と交差する方向へ流れる気流を形成して、ポイントバーナ30の先端から噴出された炎31を消すことなくバイアル10に到達しないようにしてもよい。
また、遮蔽板51の形状は特に限定されず、ポイントバーナ30の先端から噴出される炎31がバイアル10の開口16付近に接触することが抑制されるものであれば、他の形状であってもよい。また、遮蔽板51は平板形状に限定されず、例えば、ノズル32の先端の回動軌跡に沿った湾曲面を有する形状であってもよい。
また、容器成形工程において、一般的な縦型成形機を用いてバイアル10が成形されているが、他の成形方法が採用されてもよい。例えば、ガラス管の軸線を水平方向に沿わせた状態で保持されたガラス管からガラス容器を成形すること(所謂、ヨコ型成形機を用いること)によりバイアル10が成形されてもよい。
また、ガラス容器はバイアル10に限定されるものではなく、他の形状のガラス容器であってもよい。例えば、アンプル形状のガラス容器であってもよいし、バイアル10が完全に成形されていない中間品、例えば底部11が成形されているが口部13が成形されていないものであってもよい。
また、ポイントバーナ30の待機位置への移動は回動に限定されない。例えば、第1工程及び第5工程において、ノズル32を水平方向に沿わせた状態のポイントバーナ30が上下方向101に移動されることにより、待機位置及び図4(C)に示される位置へポイントバーナ30が移動されてもよい。また、ノズル32を水平方向に沿わせた状態のポイントバーナ30が前後方向103にのみスライドされてもよい。この場合、ポイントバーナ30は、図4(C)に示される位置と、この位置より右側であって、かつポイントバーナ30の先端から噴出される炎31がバイアル10に接触しない待機位置との間を前後方向103に沿って移動される。
また、第3工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出された炎31をバイアル10の内面15における加工劣化領域に衝突させるために、回動装置41により、ポイントバーナ30のノズル32が、その軸線方向が水平方向に対して傾斜するようにポイントバーナ30が回動されるが、ポイントバーナ30を固定させた状態のまま、バイアル10が、その軸線方向が水平方向に対してさらに傾斜されることにより、ポイントバーナ30の先端から噴出された炎31がバイアル10の内面15における加工劣化領域に衝突されてもよい。
また、第3工程において、ポイントバーナ30の先端から噴出された炎31を衝突させるバイアル10の内面15は、必ずしも内面15の全体である必要はない。例えば、加工劣化領域がバイアル10の内面15の底部11付近にのみ存在する場合には、内面15のうち底部11付近のみに炎31を衝突させてもよい。
また、ローラ対60は、ポイントバーナ30と対峙する面が反対側より上方となるように、ローラ対60の軸線が水平方向(前後方向103)に対して傾斜しているが、ローラ対60は、ローラ対60の軸線が水平方向(前後方向103)となるように位置されてもよい。これに伴って、第2工程及び第4工程において、ポイントバーナ30の軸線が水平方向(前後方向103)となるように固定された状態で水平方向(前後方向103)に移動されてもよい。
また、バイアル10を軸線方向周りに回転させるためにローラ対60が用いられているが、バイアル10を回転させる装置はローラ対60に限定されない。例えば、バイアル10を保持して回転するチャック装置が用いられてもよい。
以下、本発明の実施例が示される。
[バイアル10の成形工程]
上述の実施形態に示された容器成形工程によって、バイアル10を成形した。標準的な縦型成形機を用いて、ガラス管を加工することによりバイアル10を成形した。実施例において形成したバイアルのサイズは、外径が18mm、全長が33mm、容量が3mLである。
[実施例1]
成形された20個のバイアル10に対して、上述の実施形態に示されたファイアブラスト工程を行った。ローラ対60により、バイアル10を回転させた。ポイントバーナ30に導入するガス及び酸素の流量は、流量制御装置によって調節した。第1工程及び第5工程において、ガスの流量は0.3L/minに、酸素の流量は0.7L/minに調節した。第2工程及び第4工程において、ガスの流量は0.4L/minに、酸素の流量は0.9L/minに調節した。第3工程におけるファイアブラストは、10〜30秒間行われた。第3工程において、ガスの流量は0.4L/min以上に、酸素の流量は0.9L/min以上に調節した。
[実施例2]
成形された20個のバイアル10に対して、遮蔽板51を使用しなかった以外は実施例1と同様にファイアブラスト工程を行った。
[比較例]
成形された19個のバイアル10に対して、ファイアブラスト工程中のガス及び酸素の流量を一定にし、かつ遮蔽板51を使用しなかった以外は実施例と同様にファイアブラスト工程を行った。ファイアブラスト工程において、ガスの流量は0.6L/minに、酸素の流量は1.34L/minに調節した。すなわち、第1工程から第5工程まで、ガス及び酸素の流量は一定に調節した。
[評価]
実施例1、実施例2及び比較例で得られたバイアル10を比較すると、実施例1で得られた20個のバイアル10のうち、いずれもクラックが観察されなかった。また、実施例2で得られた20個のバイアル10のうち、1個は首部18にクラックが観察されたが、他の19個はクラックが観察されなかった。これに対して、比較例で得られた19個のバイアル10のうち、9個は首部18にクラックが観察されたが、他の10個はクラックが観察されなかった。このため、実施例1、実施例2ともに、比較例に比べてクラックの発生が明らかに抑制された。また、実施例1のように遮蔽板51を使用した場合は、実施例2のように遮蔽板51を使用しなかった場合に比べて、さらにクラックの発生が抑制されることが確認された。
10・・・バイアル(ガラス容器)
11・・・底部
13・・・口部
15・・・内面
16・・・開口
17・・・縁部
18・・・首部
30・・・ポイントバーナ
31・・・炎
32・・・ノズル
51・・・遮蔽板(遮蔽機構)
60・・・ローラ対
103・・・前後方向

Claims (7)

  1. 着火されているポイントバーナの先端を、当該ポイントバーナの先端から噴出する炎が当該ガラス容器に接触しない位置から、当該ガラス容器の外部であって当該ガラス容器の開口に対向する位置へ移動する第1工程と、
    着火されている当該ポイントバーナの先端を、開口を通じて当該ガラス容器の内部空間へ挿入する第2工程と、
    当該ガラス容器の内部空間に当該ポイントバーナの先端を保持しつつ、当該ポイントバーナの先端から噴出される炎を当該ガラス容器の内面に衝突させる第3工程と、
    着火されている当該ポイントバーナの先端を、開口を通じて当該ガラス容器の内部空間から外部へ移動する第4工程と、
    着火されている当該ポイントバーナの先端を、当該ガラス容器の開口に対向する位置から、当該ポイントバーナの先端から噴出する炎が当該ガラス容器に接触しない位置まで移動する第5工程と、を含み、
    少なくとも当該第2工程及び当該第4工程において、当該第3工程において当該ガラス容器の内面に衝突させる当該ポイントバーナの炎の火力より弱い火力の炎を当該ポイントバーナから噴出する医療用ガラス容器の製造方法。
  2. 少なくとも上記第1工程及び上記第5工程において、上記ガラス容器の開口付近に遮蔽機構を位置させて、当該遮蔽機構により上記ポイントバーナの先端から噴出する炎が上記ガラス容器に接触することを遮蔽する請求項1に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  3. 上記各工程において、上記ガラス容器の開口が水平方向より上方を向くように支持し、
    少なくとも上記第2工程及び上記第4工程において、上記ポイントバーナの先端を構成するノズルを上記ガラス容器の軸線と平行な方向に沿わせた状態として上記ガラス容器に対して移動させる請求項1又は2に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  4. 上記第3工程において、上記ガラス容器を一対のローラで支持し、上記ポイントバーナの先端から噴出される炎を上記ガラス容器の内面に衝突させつつ、当該ローラの回転により上記ガラス容器を回転させる請求項3に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  5. 上記遮蔽機構として上記ポイントバーナの先端から噴出される炎を遮蔽できる遮蔽板を用い、上記第1工程及び上記第5工程において、上記ガラス容器の開口を区画する縁部の一部と上記ポイントバーナの先端との間に上記遮蔽板を位置させる請求項2に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  6. 上記第1工程及び上記第5工程において、上記ガラス容器の縁部の上側と上記ポイントバーナの先端との間に上記遮蔽板を位置させる請求項5に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  7. 上記第1工程及び上記第5工程において、上記ポイントバーナを回動することにより上記ポイントバーナの先端を上記ガラス容器に対して移動させる請求項1から6のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
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