JPWO2016170636A1 - 血管探査方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の血管探査方法は、レーザ光の照射により発生する散乱光強度の時間波形をフーリエ変換して実時間ドップラースペクトルを算出し、実時間ドップラースペクトルの値を所定のノイズパラメータ周波数領域において算術処理して実時間ノイズパラメータを算出し、血流が無い状態でレーザ光を照射して測定した零スペクトルの値をノイズパラメータ周波数領域において算術処理して静的ノイズパラメータ(RST)を算出し、実時間ドップラースペクトルから平均周波数(ωave)を算出し、平均周波数(ωave)と所定の閾値(ωthr)とを比較して血流速度の高低を判定し、実時間ノイズパラメータ(RRTN)と静的ノイズパラメータ(RST)との比と、所定のノイズパラメータ閾値(Rthr)とを比較してノイズの大小を判定し、血流速度が所定の閾値(ωthr)より高くかつノイズが小さいと判定された場合に血管が存在すると判定する。

Description

本発明は、血管探査方法に関するものである。
生体組織の外科的処置においては、生体組織の内側に隠れている血管の存在を術者が正確に認識し、血管を避けるように処置することが重要である。そこで、生体組織中に存在する血管を光学的に検出する機能を備えた外科処置装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、生体組織中の血液量を測定し、測定された血液量に基づいて、血管が存在するか否かを判定している。
特許第4490807号公報
特許文献1の血液量に基づく血管の検出方法は、血管の検出精度が低いとともに、術者にとって有用性に乏しいという問題がある。すなわち、血管内の血液と、出血によって血管から漏出した漏出血液とが区別無く同様に測定されるので、血管を、漏出血液とは区別して正確に検出することができない。また、術者にとっては、特に太い血管の位置を正確に認識することが重要であるが、特許文献1の方法では、細い血管と太い血管とが区別無く検出され、術者にとって真に重要な血管を特定することができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織に存在する血管を正確に検出することができ、かつ、所定の太さの血管を選択的に検出することができる血管探査方法を提供する。
本発明の一態様は、レーザ光を生体に照射することにより発生する散乱光強度の時間波形をフーリエ変換して実時間ドップラースペクトルを算出するステップと、前記実時間ドップラースペクトルの値を所定のノイズパラメータ周波数領域において算術処理することにより実時間ノイズパラメータを算出するステップと、血流が無い状態でレーザ光を照射することにより測定した零スペクトルの値を前記ノイズパラメータ周波数領域において算術処理することにより静的ノイズパラメータを算出するステップと、前記実時間ドップラースペクトルから平均周波数を算出するステップと、前記平均周波数と所定の閾値とを比較して血流速度の高低を判定するステップと、前記実時間ノイズパラメータと前記静的ノイズパラメータとの比と、所定のノイズパラメータ閾値とを比較してノイズの大小を判定するステップと、血流速度が前記所定の閾値より高くかつノイズが小さいと判定された場合に血管が存在すると判定するステップとを含む血管探査方法である。
本態様によれば、レーザ光の生体における散乱光強度の時間波形がフーリエ変換されて実時間ドップラースペクトルが取得され、取得された実時間ドップラースペクトルの値が所定のノイズパラメータ周波数領域において算術処理されることにより実時間ノイズパラメータが算出される。一方、血流が無い状態でレーザ光を照射して取得された零スペクトルの値もノイズパラメータ周波数領域において算術処理されることにより静的ノイズパラメータが算出される。
そして、実時間ドップラースペクトルから平均周波数が算出され、算出された平均周波数と所定の閾値とが比較されることにより血流速度の高低が判定される。一方、実時間ノイズパラメータと静的ノイズパラメータとの比と、所定のノイズパラメータ閾値とが比較されノイズの大小が判定される、そして、血流速度が高くかつノイズが小さいと判定された場合に血管が存在すると判定される。
すなわち、本態様によれば、平均周波数が所定の閾値より高くなるのは、血管が存在する場合とノイズが高くなる場合とがあり、単に平均周波数によって血管の存在を判定するのではなく、平均周波数が高くかつノイズが低い場合に血管が存在すると判定することにより、ノイズによる誤判定を防止することができ、生体内に存在する血管の有無を精度よく判定することができる。
上記態様においては、前記ノイズパラメータ周波数領域が、直流成分を含んでいてもよい。
発明者らは、ノイズが大きくなる場合には、実時間ドップラースペクトルの直流成分が大きくなるという知見を得た。ノイズを判定するための実時間ノイズパラメータおよび静的ノイズパラメータを直流成分を含むノイズパラメータ周波数領域において算術処理することにより、ノイズの有無を明確に判定することができる。
また、上記態様においては、血管の存在の有無の判定結果を記憶するステップを含み、ノイズが大きいと判定された場合に、直前の判定結果によって血管の存在を判定してもよい。
このようにすることで、単発的なノイズの発生により血管の有無の判定が反転することを防止し、血管の有無を精度よく判定することができる。
本発明によれば、生体組織に存在する血管を正確に検出することができ、かつ、所定の太さの血管を選択的に検出することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る血管探査方法を適用する外科処置システムを模式的に示す図である。 図1の血管探査方法の一部を示すフローチャートである。 図2Aの続きの血管探査方法の一部を示すフローチャートである。 図2Bの続きの血管探査方法の一部を示すフローチャートである。 生体組織中の静的成分によるレーザ光の散乱を説明する図である。 生体組織中の動的成分によるレーザ光の散乱を説明する図である。 図1の判定部において取得される散乱光の強度の時系列データの一例を示す図である。 図1の判定部において取得される血流が存在しない場合の実時間ドップラースペクトルの一例を示す図である。 図1の判定部において取得される血流が存在する場合の実時間ドップラースペクトルの一例を示す図である。 図6の実時間ドップラースペクトルに含まれる血流による信号スペクトルの一例を示す図である。 図6の実時間ドップラースペクトルに含まれる低周波ノイズの一例を示す図である。 図6の実時間ドップラースペクトルに含まれるノイズフロアの一例を示す図である。 図6の実時間ドップラースペクトルに含まれるスパイクノイズの一例を示す図である。 図6の実時間ドップラースペクトルに含まれるランダムノイズの一例を示す図である。 図7Bの低周波ノイズが走査時に変動する様子を示す図である。 図7Cのノイズフロアが走査時に変動する様子を示す図である。 スペクトルの規格化に用いる規格化領域の定義を説明する図である。 走査ノイズスペクトルの一例を示す図である。 血流スペクトルの一例を示す図である。 複数の走査ノイズスペクトルから求めた直流成分の一例を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の直流成分の一例を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の周波数400Hz成分の一例を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の周波数800Hz成分の一例を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の周波数1.2kHz成分の一例を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の周波数1.6kHz成分の一例を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の周波数800kから900kHz成分の一例を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の直流成分によるノイズ判定を説明する図である。 血流スペクトルの相対強度の直流成分を示す図である。 血流が存在しない場合の規格化実時間ドップラースペクトルから規格化零スペクトルを減算して得られる差分スペクトルの一例を示す図である。 血流が存在する場合の規格化実時間ドップラースペクトルから規格化零スペクトルを減算して得られる差分スペクトルの一例を示す図である。 積分領域の定義を説明する図である。 血流が存在しない場合の差分スペクトルと領域スペクトルとの関係を示す図である。 血流が存在する場合の差分スペクトルと領域スペクトルとの関係を示す図である。 血流が存在しない場合の領域スペクトルとPS基準スペクトルとの関係を示す図である。 血流が存在する場合の領域スペクトルとPS基準スペクトルとの関係を示す図である。 血流が存在しない場合のPS基準スペクトルと計算用スペクトルとの関係を示す図である。 血流が存在する場合のPS基準スペクトルと計算用スペクトルとの関係を示す図である。 走査ノイズスペクトルの相対強度の直流成分、周波数400Hz成分および周波数800kから900kHz成分を乗算したノイズパラメータを示す図である。 血流スペクトルの相対強度の直流成分、周波数400Hz成分および周波数800kから900kHz成分を乗算した結果を示す図である。
本発明の一実施形態に係る血管探査方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る血管探査方法は、図1に示されるように、生体組織Aを処置するエネルギ処置具1と、生体組織A内の血管Bを光学的に検出する血管検出手段2と、該血管検出手段2による検出結果表示する表示部3とを備えるシステム100の血管検出手段2において、実施される測定方法である。
エネルギ処置具1は、体内に挿入可能な細長い胴部4と、該胴部4の先端に設けられ、生体組織Aにエネルギを作用させるエネルギ作用部5と、胴部4の基端に接続され、胴部4の内部を通る配線を介してエネルギ作用部5にエネルギ源を供給するエネルギ供給部6とを備えている。
エネルギ作用部5は、生体組織Aを把持可能な一対のジョー7,8を有するエネルギ鉗子(例えば、モノポーラ、バイポーラまたはエネルギ源を供給可能な把持鉗子)である。上ジョー7および下ジョー8は、互いに対向する内面7a,8aを有している。上ジョー7および下ジョー8は、エネルギ供給部6からエネルギ源(例えば、高周波電流)が供給されることによってエネルギ(例えば、高周波電流または超音波)を発生し、発生されたエネルギを内面7a,8aから該内面7a,8a間の生体組織Aへ向かって放出するようになっている。
エネルギ作用部5は、動作モードとして、高エネルギによって生体組織Aを切開する切開モードと、該切開モードにおける高エネルギよりも低い低エネルギによって生体組織Aを凝固させる凝固モードとを有する。エネルギ作用部5は、エネルギ供給部6から供給されるエネルギ源の強度に応じて、切開モードと凝固モードとを切り替えるようになっている。
血管検出手段2は、レーザ光Lを出力するレーザ光源9と、エネルギ作用部5の先端部に設けられ、レーザ光源9から供給されたレーザ光Lを射出する発光部10および生体組織Aによって散乱されたレーザ光Lの散乱光Sを受光する受光部11と、該受光部11によって受光された散乱光Sを検出する光検出部12と、該光検出部12によって検出された散乱光Sの強度の時系列データを取得して該時系列データを周波数解析する周波数解析部13と、該周波数解析部13による周波数解析結果に基づいて所定の範囲の直径を有する検出対象の血管Bの有無を判定する判定部14とを備えている。
レーザ光源9は、血液による吸収が少ない波長域(例えば、赤外領域)のレーザ光Lを出力する。レーザ光源9は、胴部4の内部を通る光ファイバ15を介して発光部10と接続されている。レーザ光源9から光ファイバ15へ入射されたレーザ光Lは、光ファイバ15によって発光部10まで導光され、発光部10から前方に向かって射出されるようになっている。
受光部11は、胴部4の内部を通る光ファイバ16を介して光検出部12に接続されている。受光部11によって受光された散乱光Sは、光ファイバ16によって光検出部12まで導光され、該光検出部12に入射するようになっている。
光検出部12は、光ファイバ16から入射された散乱光Sの強度をデジタル値に変換し、該デジタル値を周波数解析部13へ順次送信する。
本実施形態に係る血管探査方法は、図2Aに示されるように、周波数解析部13によって、光検出部12から受信したデジタル値が所定期間にわたって時系列に記録されることにより、散乱光Sの強度の時間変化を示す時系列データを取得する(図2AのステップS1)ところから開始される。周波数解析部13は、取得された時系列データを高速フーリエ変換することにより、実時間ドップラースペクトルfRT(ω)を算出する(図2AのステップS2)。
ここで、時系列データおよび実時間ドップラースペクトルfRT(ω)について説明する。
生体組織Aには、図3および図4に示されるように、脂肪や、出血によって血管Bから露出した漏出血液のように静止している静的成分と、血管B内を流動する血液中の赤血球Cのように移動している動的成分とが含まれる。静的成分に周波数fのレーザ光Lが照射されたときには、レーザ光Lと同一の周波数fを有する散乱光Sが発生する。これに対し、動的成分に周波数fのレーザ光Lが照射されたときには、ドップラーシフトによって、レーザ光Lの周波数fからシフトした周波数f+Δfを有する散乱光Sが発生する。このときの周波数のシフト量Δfは、動的成分の移動の速さに依存する。
したがって、生体組織A内のレーザ光Lの照射領域に血管Bが含まれている場合、血管B内の血液によって散乱されて周波数f+Δfを有する散乱光Sと、血管B内の血液以外の静的成分によって散乱されて周波数fを有する散乱光Sとが同時に受光部11によって受光される。その結果、時系列データには、図5に示されるように、周波数fの散乱光Sと周波数f+Δfの散乱光Sとの干渉に起因して周期的に散乱光S全体の強度が変化するうなりが現れる。
生体組織Aに照射されたレーザ光Lは静的成分および動的成分において多重散乱が起こるため、レーザ光Lが赤血球Cに入射する際の、光の進行方向と赤血球Cの移動方向(血流方向)とが成す入射角は単一ではなく分布が生じる。このため、ドップラーシフトによる周波数シフト量Δfには分布が生じる。これにより、散乱光S全体の強度のうなりはΔfの分布に対応して幾つもの周波数成分が重なり合ったものになっている。また、Δfの分布は血流速度が速い程高周波数側まで広がる。
このような散乱光Sの時系列データを高速フーリエ変換すると、図6Aおよび図6Bに示されるように、血流の速さに応じた周波数ω(以下、周波数シフト量Δfをωと記す)に強度を有する実時間ドップラースペクトルfRT(ω)が得られる。
ここで、実時間ドップラースペクトルfRT(ω)には、図7Aに示されるように、血流による信号スペクトルの他、図7Bに示されるように、生体組織A表面の凹凸や境界で散乱強度が変動する結果、実時間ドップラースペクトルfRT(ω)の変化として表れる低周波ノイズ、図7Cに示されるように、レーザ光源9自体の光量変動等によるノイズフロア、図7Dに示されるように、電気系等に由来して特定周波数に表れるスパイクノイズ等のノイズが含まれる。また、図7Eに示されるランダムノイズも含まれる。
また、エネルギ処置具1の手動操作時には、図8Aおよび図8Bに破線で示されるように、低周波ノイズおよびノイズフロアが変動するため、図6Aおよび図6Bに示されるように、血流がない状態および血流が存在する状態のいずれの場合においても実時間ドップラースペクトルfRT(ω)には、破線で示されるような変動が生じる。
そこで、これらのノイズを除去して、血流による信号スペクトルを精度よく抽出する必要がある。
本実施形態においては、まず、実時間ドップラースペクトルfRT(ω)における適当な周波数範囲に規格化領域RNrmを設定する。規格化領域RNrmは、図9に示されるように、所望の血流に対応する実時間ドップラースペクトルfRT(ω)の強度がノイズフロア強度と同程度となる周波数よりも高い周波数に設定される任意の周波数領域である。
また、血流が無い状態でレーザ光Lを照射して取得された散乱光強度から、ノイズフロアおよびスペクトルのみを含む零スペクトルfZERO(ω)を算出しておく(図2AのステップS3)。
次に、ノイズパラメータを求めるための周波数領域を別途設定し、fRT(ω)から実時間ノイズパラメータRRTNを取得する(図2AのステップS4)。また、fZERO(ω)から静的ノイズパラメータRSTを取得する(図2AのステップS5)。
実測した走査ノイズスペクトルと血流スペクトルを図10および図11に示す。
図10は血流の無い状態での走査ノイズスペクトル(走査ノイズ大小)を示している。また、図11は血流のある状態での血流スペクトルを示している。
これらの図10,図11によれば、走査ノイズスペクトルおよび血流スペクトルは、同じ周波数領域に観測されることが分かる。これらのスペクトルを切り分ける目的でエネルギ作用部5を走査しながら複数の走査ノイズスペクトルを取得し、その周波数成分が走査時にどのように変化するのかを調べた結果を図12に示す。図12によれば、走査ノイズの大きさと直流成分の強度には相関があるという知見が得られた。
また、その他の周波数成分について、同様に測定毎の変化を調べた結果を図13Aから図13Fに示す。図13Aは直流成分(DC)、図13Bは周波数400Hz、図13Cは周波数800Hz、図13Dは周波数1.2kHz、図13Eは周波数1.6kHz、図13Fは周波数800kから900kHzの場合である。いずれの場合にも走査ノイズとの相関が見られるが、直流成分の変化が最も顕著に現れている。
そこで、図14Aに示されるように、ノイズパラメータ周波数として直流成分を設定し、ノイズパラメータ閾値を設定して、相対強度がノイズパラメータ閾値を超える場合にはノイズが大きいと判定し、ノイズパラメータ閾値以下の場合にのみ血流の有無を判定することとした。図14Bに示されるように、血流スペクトルの直流成分は走査ノイズより小さいので、ノイズと血流とを区別することができる。具体的な処理については後述する。
次に、規格化領域RNrmにおける実時間ドップラースペクトルfRT(ω)の平均値を用いて実時間ドップラースペクトルfRT(ω)および零スペクトルfZERO(ω)を規格化する(図2AのステップS6,S7)。
そして、規格化された規格化実時間ドップラースペクトルfNrm(ω)から規格化された規格化零スペクトルfzNrm(ω)を減算することにより、図15および図16に示されるように、差分スペクトルfSUB(ω)を算出する(図2AのステップS8)。これにより、ノイズフロアおよび部分的にスパイクノイズが低減された差分スペクトルfSUB(ω)が算出される。
次に、図17に示されるように血流による信号スペクトル領域を削りすぎず、かつ、低周波ノイズをカットできるような積分領域RIntを設定し、図18Aおよび図18Bに示されるように、積分領域RIntより低い周波数領域のスペクトルを差分スペクトルfSUB(ω)から除去して領域スペクトルfrng(ω)を算出する(図2AのステップS9)。
これにより低周波ノイズおよび一部のスパイクノイズを除去した領域スペクトルfrng(ω)が生成される。
また、図19Aおよび図19Bに示されるように、最も低周波数のスパイクノイズよりも低いPS基準周波数ωPSを設定し、該PS基準周波数ωPSより高いPS基準領域RPSにおける領域スペクトルfrngの最大値maxPSを領域スペクトルfrngから減算することにより、PS基準スペクトルfPS(ω)を算出する(図2BのステップS10)。そして、PS基準スペクトルfPS(ω)においては、領域スペクトルfrngの最大値maxPSを減算することにより負の強度となる要素が発生するので、図20Aおよび図20Bに示されるように、負の強度となった領域については0に置き換えることにより、全ての強度が0以上の計算用スペクトルf(ω)を算出する(図2BのステップS11からS13)。
そして、算出された計算用スペクトルf(ω)、および計算用スペクトルf(ω)に周波数ωを乗算したものを積分領域RInt内で周波数ωについて積分し、2つの積分値I,Iωfを取得する(図2BのステップS14)。
ここで、計算用スペクトルf(ω)の積分値Iが0であるか否かが判定され(図2BのステップS15)、0である場合には便宜上1に置き換えられる(図2BのステップS16)。これにより、0で除算されることを回避するようになっている。また、計算用スペクトルf(ω)の積分値Iが所定の積分カットオフ値IfCUTより大きいか否かが判定され(図2BのステップS17)、判定結果に応じて、以下のように平均周波数ωaveが算出される。
>IfCUTの場合、ωave=Iωf/I
≦IfCUTの場合、ωave=0
すなわち、積分値Iがカットオフ値IfCUT以下の場合には、上位ステップにおいて除去しきれなかったランダムノイズによる誤判定が行われる可能性があるため、カットオフ値IfCUTより大きな積分値Iである場合にのみ、平均周波数ωaveを算出し(図2BのステップS18)、カットオフ値IfCUT以下の積分値Iである場合には、平均周波数ωaveを算出することなく、0に設定することとして(図2BのステップS19)、誤判定を防止している。
そして、図2Cに示されるように、算出された平均周波数ωaveの値が、所定の平均周波数閾値(所定の閾値)ωthrと比較して大きいか否かが判定され(図2CのステップS20)、大きい場合、すなわち、血流速度が高いと判定された場合には、平均周波数ωaveの値が、所定の平均周波数上限閾値ωupthrと比較して小さいか否かが判定される(図2CのステップS21)。平均周波数ωaveの値が、平均周波数上限閾値ωupthrより小さい場合には、ノイズパラメータを用いた判定が行われる(図2CのステップS22)。
ステップS20において、平均周波数ωaveの値が、平均周波数閾値ωthr以下である場合、および、ステップS21において、平均周波数ωaveの値が、平均周波数上限閾値ωupthr以上である場合には、反復変数VFD(i)=0が記憶される(図2CのステップS25)。一方、平均周波数ωaveの値が、平均周波数上限閾値ωupthrより小さい場合には、ノイズパラメータを用いた判定が行われる(図2CのステップS22)。
ノイズパラメータを用いた判定は、実時間ノイズパラメータRRTNと静的ノイズパラメータRSTとの比率である相対強度を算出し、当該相対強度が所定の閾値(ノイズパラメータ閾値)Rthrより小さいか否かを判定する(図2CのステップS22)。判定の結果、相対強度が閾値Rthrより小さい、すなわちノイズが小さいと判定された場合には、反復変数VFD(i)=1が記憶される(図2CのステップS23)。
一方、実時間ノイズパラメータRRTNと静的ノイズパラメータRSTとの比率である相対強度が、閾値Rthr以上であると判定された場合には、反復変数VFD(i)として、1つ前に記憶された反復変数VFD(i−1)が記憶される(図2CのステップS24)。そして、1つ前に記憶された反復変数VFD(i−1)が1であったか否かが判定され(図2CのステップS26)、1であった場合には、比較的太い血管Bが存在するものとする判定結果STRUEが生成される(図2CのステップS27)。
一方、ステップS25において、反復変数VFD(i)=0が記憶された場合、および、ステップS26において、1つ前の反復変数VFD(i−1)が0であった場合には、太い血管Bは存在しないものとする判定結果SFALSEが生成される(図2CのステップS28)。そして、いずれかの判定結果を示す信号が、判定部14から出力され(図2CのステップS29)、表示部3に表示される。
このように、本実施形態によれば、血管B内の血流に起因して生じる散乱光Sのドップラーシフトを解析することによって、血管B内を流動している血液が、出血によって血管Bから漏出している血液とは明確に区別して検出される。これにより、生体組織Aに存在する血管Bを正確に検出することができるという利点がある。
さらに、平均周波数ωaveの大きさが、血管Bの太さに依存することを利用して、血管Bの有無のみならず、血管Bの太さも認識することができる。これにより、太い血管Bのみを検出し、太い血管Bが存在する処置対象部位の切開を確実に回避するようにエネルギ作用部5の動作を適切に制御することができるという利点がある。
また、本実施形態においては、判定部14により判定において、実時間ドップラースペクトルfRT(ω)に含まれる低周波ノイズ、ノイズフロア、スパイクノイズおよびランダムノイズを効果的に除去して、平均周波数ωaveを算出しているので、太い血管Bの存在を精度よく判定することができる。
さらに、本実施形態においては、ステップS22において実時間ノイズパラメータRRTNと静的ノイズパラメータRSTとの比率である相対強度の大きさを判定し、大きい場合にはノイズが大きいものとして、血管Bが無いという判定結果SFALSEを表示することにより、走査ノイズを血流と誤判定することを防止することができるという利点がある。
また、本実施形態においては、ステップS22における実時間ノイズパラメータRRTNと静的ノイズパラメータRSTとの比率が閾値Rthrより小さいか否かの判定結果を反復変数VFD(i)として記憶しておき、ステップS22における実時間ノイズパラメータRRTNと静的ノイズパラメータRSTとの比率が閾値Rthr以上であるとの判定結果が出た場合に、反復変数VFD(i)を1つ前の反復変数VFD(i−1)に置き換えるので、パルス状のノイズによって単発的にノイズが大きいと判定された場合に、血管Bが存在しないと誤判定されてしまう不都合の発生を未然に防止することができる。
なお、本実施形態においては、直流成分をノイズパラメータ周波数とした実時間ノイズパラメータRRTNと静的ノイズパラメータRSTとの比率である相対強度を求めたが、これに代えて、図21に示されるように、ノイズパラメータ周波数として複数の周波数領域の相対強度を乗算した値をノイズの大きさの判定に用いてもよい。このようにすることで、ダイナミックレンジが拡大するので、ノイズ判定の精度を向上することができる。図22に血流スペクトルについて同様の処理をした結果を示す。乗算によっても値は大きく変動せず、ノイズと明確に区別することができる。
B 血管
L レーザ光
RT(ω) 実時間ドップラースペクトル
RTN 実時間ノイズパラメータ
ZERO(ω) 零スペクトル
ST 静的ノイズパラメータ
ωave 平均周波数
ωthr 平均周波数閾値(所定の閾値)
thr 閾値(ノイズパラメータ閾値)
S2 実時間ドップラースペクトルを算出するステップ
S4 実時間ノイズパラメータを算出するステップ
S5 静的ノイズパラメータを算出するステップ
S18 平均周波数を算出するステップ
S20,S21 血流速度の高低を判定するステップ
S22 ノイズの大小を判定するステップ
S23,S24,S25 血管の存在の有無の判定結果を記憶するステップ
S27 血管が存在すると判定するステップ

Claims (3)

  1. レーザ光を生体に照射することにより発生する散乱光強度の時間波形をフーリエ変換して実時間ドップラースペクトルを算出するステップと、
    前記実時間ドップラースペクトルの値を所定のノイズパラメータ周波数領域において算術処理することにより実時間ノイズパラメータを算出するステップと、
    血流が無い状態でレーザ光を照射することにより測定した零スペクトルの値を前記ノイズパラメータ周波数領域において算術処理することにより静的ノイズパラメータを算出するステップと、
    前記実時間ドップラースペクトルから平均周波数を算出するステップと、
    前記平均周波数と所定の閾値とを比較して血流速度の高低を判定するステップと、
    前記実時間ノイズパラメータと前記静的ノイズパラメータとの比と、所定のノイズパラメータ閾値とを比較してノイズの大小を判定するステップと、
    血流速度が前記所定の閾値より高くかつノイズが小さいと判定された場合に血管が存在すると判定するステップとを含む血管探査方法。
  2. 前記ノイズパラメータ周波数領域が、直流成分を含む請求項1に記載の血管探査方法。
  3. 血管の存在の有無の判定結果を記憶するステップを含み、
    ノイズが大きいと判定された場合に、直前の判定結果によって血管の存在を判定する請求項1または請求項2に記載の血管探査方法。
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