JPWO2016158577A1 - 透明導電シート、タッチパネルモジュールおよびタッチパネル装置 - Google Patents

透明導電シート、タッチパネルモジュールおよびタッチパネル装置 Download PDF

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Abstract

電気的特性の劣化が抑制されると共に、粘着剤層の透明性、耐久性および耐湿性にも優れること。導電層と当接する粘着剤層が、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下で、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選択される疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体を含んでなり、アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における疎水性モノマーの合計の配合割合が、アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下である透明導電シート並びにこれを用いたタッチパネルモジュール及びタッチパネル装置。

Description

本発明は、透明導電シート、タッチパネルモジュールおよびタッチパネル装置に関するものである。
画像表示面に触れることによって操作を可能にするタッチパネル付きディスプレイは、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、券売機、ATMなどに広く利用されている。タッチパネルには、指やペンなどで押した画面の位置を電圧変化の測定によって検知する抵抗膜方式や、画面に指で触れると発生する微弱な電流、つまり静電容量(電荷)の変化をセンサーで感知し、タッチした位置を把握する静電容量方式などが知られている。
静電容量方式のタッチパネルでは、透明な樹脂フィルムやガラス基板に透明導電膜としてITO膜(酸化インジウムスズ)を設けた構成が広く採用されている。しかしながら、ITO膜は抵抗が大きいため、画面サイズが大きくなるに従い応答速度(指先を接触してからその位置を検出するまでの時間)が遅くなるという問題がある。このため、ITO膜のような透明金属酸化物からなる電極の代わりに、金属微粒子などの金属材料を用いて形成された帯状の導電領域からなる格子を多数並べて構成された電極を採用することで、表面抵抗を低下させる方法も提案されている(たとえば、特許文献1等)。
特許文献1等に例示される技術では、帯状導電領域の腐食の防止、粘着剤層の凝集力の確保、高温高湿環境下での剥がれ・着色の防止等が重要となる。それゆえ、これらの課題を解決すべく、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体成分として含有し、カルボキシル基含有単量体を含有しない(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び窒素原子含有共重合性単量体を単量体成分として含有し、カルボキシル基含有単量体を含有しない(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)とを含有するアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を備えた透明導電膜積層体が提案されている(特許文献2)。
特開2012−33147号公報 特開2012−79257号公報
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献2に例示される部材においても、導電領域の腐食に起因する電気的特性の劣化防止、粘着剤層の透明性、耐久性、耐湿性をバランスよく両立させることが困難な場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電気的特性の劣化が抑制されると共に、粘着剤層の透明性、耐久性および耐湿性にも優れた透明導電シート、ならびに、これを用いて作製されたタッチパネルモジュールおよびタッチパネル装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
本発明の透明導電シートは、導電性物質として金属材料を用いた導電層と、導電層と当接すると共に1種類以上のポリマーを含む粘着剤層と、を少なくとも備え、1種類以上のポリマーのうちの少なくとも1種のポリマーが、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であり、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体であり、アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における、疎水性モノマーの合計の配合割合が、アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下であることを特徴とする。
本発明のタッチパネルモジュールは、導電性物質として金属材料を用いた導電層と、導電層と当接する粘着剤層と、を少なくとも備え、粘着剤層は、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であり、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体であり、アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における、疎水性モノマーの合計の配合割合が、アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下であることを特徴とする。
本発明のタッチパネル装置は、画像表示装置と、画像表示装置の画像表示面側に設けられ、導電性物質として金属材料を用いた導電層および導電層と当接する粘着剤層と、を少なくとも備え、粘着剤層は、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であり、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体であり、アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における、疎水性モノマーの合計の配合割合が、アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下であることを特徴とする。
本発明によれば、電気的特性の劣化が抑制されると共に、粘着剤層の透明性、耐久性および耐湿性にも優れた透明導電シート、ならびに、これを用いて作製されたタッチパネルモジュールおよびタッチパネル装置を提供することができる。
本発明の透明導電シートの一例を示す模式平面図である。 本発明の透明導電シートの他の例を示す模式平面図である。 図1および図2中に示す導電領域を拡大した場合の一例を示す拡大平面図である。 本発明の透明導電シートの断面構造の一例を示す模式断面図である。 本発明の透明導電シートの断面構造の他の例を示す模式断面図である。 本発明の透明導電シートの断面構造の他の例を示す模式断面図である。 本発明の透明導電シートの断面構造の他の例を示す模式断面図である。 本実施形態のタッチパネル装置の一例を示す模式断面図である。
本実施形態の透明導電シートは、導電性物質として金属材料を用いた導電層と、導電層と当接する粘着剤層と、を少なくとも備える。ここで、粘着剤層は、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であり、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体であり、アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における、疎水性モノマーの合計の配合割合が、アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下であることを特徴とする。
ここで、粘着剤層に含まれるアクリル系共重合体の共重合モノマー成分としては、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(以下、「疎水性モノマーa1」と称す場合がある)、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(以下、「疎水性モノマーa2」と称す場合がある)および炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(以下、「疎水性モノマーb」と称す場合がある)からなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーが選択される。
これらのモノマーは疎水性のアルキル基を分子内に有する疎水性モノマーであるため、空気中の水分が粘着剤層に吸湿されるのを抑制できる。このため、共重合モノマー成分に占める疎水性モノマーa1、疎水性モノマーa2および疎水性モノマーbからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーの配合割合が大きければ、粘着剤層と当接する導電層を構成する金属元素が、粘着剤層に吸湿された水分子と接触してイオン化し難くなる。この場合、金属細線を構成する金属元素(たとえば、Agなど)のイオン化やこれに起因するマイグレーションを抑制し、結果として金属細線の短絡や破断を抑制することができる。これに加えて、粘着剤層の湿熱白化も抑制できる。
なお、疎水性モノマーa1は、α位のメチル基の寄与により、α位が水素であるアクリル酸エステル類よりも低極性であるから、同炭素数のアルキル基を有するモノマー種同士で比較した場合に疎水性が高くなるため、得られる重合体をより疎水性に富んだものとすることができることに加え、ポリマー鎖の立体障害が大きく、粘着剤層内の水分子の透過拡散を抑制する事ができる。また、疎水性モノマーa2は、適度に嵩高い環状アルキル基の寄与により、得られる重合体をより疎水性に富んだものとすることができる。また、疎水性モノマーbは、それ自体疎水性の大きな長鎖アルキル基の寄与により、得られる重合体をより疎水性に富んだものとすることができる。
なお、上述したような効果を確実に発揮させるためには、共重合モノマー成分に占める疎水性モノマーの合計の配合割合は、アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であることが必要であり、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。なお、配合割合の上限値は100質量%であってもよいが、マイグレーションや湿熱白化の抑制と粘着剤層として要求されるその他の特性とをバランスよく両立させる観点からは、97質量%以下であることが好ましい。
ここで、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(疎水性モノマーa1)としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、イソノニルメタクリレートなどが挙げられ、この中でもn−ブチルメタクリレートが好ましい。また、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(疎水性モノマーa2)としては、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、この中でもシクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、シクロヘキシルメタクリレートが特に好ましい。
また、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(疎水性モノマーb)としては、たとえばn−デシル(メタ)アクリレート、iso−デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、iso-トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso-ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、などが挙げられ、これらの中でも、iso−デシルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。
アクリル系共重合体の共重合モノマー成分としては、上記疎水性モノマーa1,a2,b以外のその他のモノマーも必要に応じて適宜用いられる。その他のモノマーとしては、特に限定されるものではないが、たとえば、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニルなどが挙げられる。アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを含んでも良いが、金属腐食性の観点から、アクリル系共重合体の総質量に対して1質量%以下であることが必要であり、0.5質量%以下であることが好ましく、使用しないことがより好ましい。
なお、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドなどのように、その他のモノマーとして水酸基、アミド基などを有する親水性モノマーを用いる場合、アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における親水性モノマーの配合割合が大きすぎると、マイグレーションや、粘着剤層の湿熱白化の抑制が不十分となる場合がある。このため、アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における親水性モノマーの配合割合は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
また、粘着剤層に含まれるアクリル系共重合体の重量平均分子量Mwは10万を超えることが必要である。これにより優れた耐久性を確保できる。なお、重量平均分子量Mwは15万以上が好ましく、20万以上がより好ましい。一方、耐久性の観点では重量平均分子量Mwの上限値は特に限定されるものではないが、アクリル系共重合体の粘度が高くなり取り扱い性に劣るなどの実用上の問題を抑制等する観点からは200万以下であり、180万以下が好ましい。
なお、本願明細書において、重量平均分子量Mwとは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定により求められた重量平均分子量を意味する。ここで、粘着剤層中に2種類以上のアクリル系共重合体が含まれる場合は、各々のポリマー毎に、重量平均分子量Mwが求められる。
なお、粘着剤層に含まれるポリマー成分としては、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であるアクリル系共重合体(以下、「主成分ポリマー」と称す場合がある)が少なくとも含まれているのであれば、主成分ポリマーのみから構成されていてもよく、主成分ポリマーとその他のポリマーとから構成されていてもよい。その他のポリマーとしては、主成分ポリマーとは重量平均分子量Mwや構成モノマー組成が異なるアクリル系共重合体や、主成分ポリマーと基本的な分子構造が異なる非アクリル系ポリマーが挙げられる。但し、全ポリマー成分に占めるその他のポリマーの配合割合が大きすぎる場合には、粘着剤層の諸特性を決定する上で主成分ポリマーよりもその他のポリマーの影響が支配的なるため、その他のポリマーの配合割合は30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、4質量%以下であることがさらに好ましい。特に、ポリマーを構成するモノマー組成が主成分ポリマーと大きく異なるその他のポリマー(例えば、ガラス転移温度が50℃以上異なるアクリル系共重合体や、非アクリル系ポリマー)は、主成分ポリマーとの相溶性が十分ではなく、粘着剤層のヘイズを上げるおそれがあるため添加しないことが好ましい。
さらに、(i)その他のポリマーの重量平均分子量Mwが10万以下である場合、耐久性の低下を招きやすくなり、(ii)その他のポリマーが主成分ポリマーよりも親水性の高い分子構造を有する場合には、マイグレーションや湿熱白化の抑制が困難となることがある。このため、主成分ポリマーと共にその他のポリマーを併用する場合でも、上述した(i)(ii)に該当するその他のポリマーは用いないか、あるいは、その配合割合を極力小さくすることが望ましい。
なお、粘着剤層には、主成分ポリマー等のポリマー成分以外にも、重合反応に寄与せずに残存する重合開始剤(残存重合開始剤)が微量含まれることがある。残存重合開始剤の残存量が多いと粘着剤層の耐熱性低下を招きやすくなることがあるため、残存量は出来る限り小さい方が望ましい。この観点からは、粘着剤層に含まれる残存重合開始剤の残存量は、500ppm以下が好ましく、300ppm以下がより好ましく、200ppm以下がさらに好ましく、実質的に0ppmあるいは検出限界以下であることが最も好ましい。なお、粘着剤層中に2種類以上の残存重合開始剤が含まれる場合、残存量は、各々の残存重合開始剤の総量を意味する。また、残存重合開始剤としては後述する熱重合開始剤や光重合開始剤を例示することができる。
粘着剤層の形成方法は特に限定されるものではないが、通常、主成分ポリマー等のポリマー成分を含む塗布液を、支持体(「セパレータ」とも称する)の表面に塗布し、揮発性成分を乾燥させ、必要に応じて一定期間養生させることで、粘着剤層を形成することができる。乾燥条件、養生条件については特に制限されず、従来公知の方法を採用することができる。また、主成分ポリマー等のポリマー成分及び必要に応じて反応性希釈剤を含む塗工液を、支持体の表面に塗布し、活性エネルギー線を照射することで、粘着剤層を形成することもできる。さらには、主成分ポリマー等のポリマー成分、光重合開始剤および必要に応じて多官能モノマー、架橋剤、有機溶媒を含む溶液を支持体の表面に塗布、乾燥し、被着体に貼り合わせた後、活性エネルギー線を照射することで、粘着剤層を形成することもできる。なお、反応性希釈剤とは、ビニル基などの重合性官能基を有する化学種であって、モノマー、オリゴマーなど、比較的分子量の小さい化学種を指す。具体的には、本実施形態の透明導電シートに用いるアクリル系共重合体を構成するモノマー種であってもよい。
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線および電子線が挙げられる。活性エネルギー線の照射条件としては、通常、照度が1〜200mW/cmの活性エネルギー線を積算光量300〜1000mJ/cm照射して行う。照射による重合率は90〜100%とすることが好ましい。重合率はガスクロマトグラフィーにより残存モノマー量を測定することによって求めることができる。
粘着剤層の厚みは適宜選択することができるが、通常、5〜200μm程度である。
支持体としては、塗工層の形成が可能であれば公知の支持体が利用できるが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、アクリル樹脂フィルム等の樹脂フィルムを用いることができる。
また、支持体の表面は離型性を有していてもよい。表面が離型性を有する支持体の場合は、この離型性を有する面に塗工層が形成される。また、本実施形態の透明導電シートを使用する場合、表面が離型性を有する支持体は、使用の前に予め粘着剤層から剥離される。
また、粘着剤層の形成に用いる粘着剤は、たとえば、以下の手順で作製することができる。まず、反応容器内に有機溶剤と疎水性モノマーa1、疎水性モノマーa2および疎水性モノマーbからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含む原料モノマーとを仕込み、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で所定の温度まで加熱後、熱重合開始剤を添加して所定の時間反応させる。なお、熱重合反応は、未反応の原料モノマーが残らないよう十分に進行させることが望ましい。
熱重合反応に用いる熱重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤を用いることができ、たとえば、有機パーオキサイド類、有機ハイドロパーオキサイド類、有機パーオキシケタール類及びアゾ化合物類等が挙げられる。
ここで、有機パーオキサイド類としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジイソノナイルパーオキサイド、2−メチルペンタノイルパーオキサイド等が例示できる。また有機ハイドロパーオキサイド類としては、tert−ブチルハイドロパ−オキサイド、クミルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジハイドロパーオキシヘキサン、p−メタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド等が例示できる。
また、有機パーオキシケタ−ル類としては、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが、アゾ化合物類としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル,2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル,2,2'−アゾビスシクロヘキシルニトリル,1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル),2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル,ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート等がそれぞれ例示できる。
これらの重合開始剤は、原料モノマー100質量部に対して、0.0001質量部〜5質量部の範囲で用いることができる。
また、主成分ポリマーの重量平均分子量Mwを制御するために、熱重合開始剤の種類および量、反応時間、反応温度などの反応条件を調整したり、適宜、連鎖移動剤を使用することで調節することができる。連鎖移動剤としては、メチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、メルカプトイソブチルアルコール、チオグリセロール、チオグリコール酸メチル、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
また、粘着剤には、適宜イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤等の架橋剤(硬化剤)を用いてもよい。粘着剤中における架橋剤の配合量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、0.01質量部〜20.0質量部の範囲とすることができる。
なお、イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマーや、それらをトリメチロールプロパンなどの2価以上のアルコール化合物等に付加反応させたイソシアネート化合物ないしイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物等が例示される。また、公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどにイソシアネート化合物を付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N'−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、粘着剤には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤などの各種の添加剤や、主成分ポリマー以外のその他のポリマーをさらに添加することもできる。
導電層は金属材料を含むものであり、導電性を有するのであればその層構造は特に限定されず、たとえば、直径数nm〜百数十nm、長さが1μm前後から数百μm程度の金属ナノワイヤーの集合体から構成される導電層、金属膜もしくは直径数nm〜数百nm程度の金属微粒子などの金属成分を含む膜をパターニングにより所定の形状に形成した導電層、直径数十μm〜数百μm程度の金属ワイヤーをそのまま用いた導電層などが例示できる。なお、導電層の形成に際して、金属ナノワイヤーや金属微粒子を用いる場合は、これら金属材料を分散含有させた溶液やペーストを用いることができる。導電層を構成する金属元素としては、公知の導電性の金属が適宜利用できるが、Ag、Cu、Auなどが挙げられ、特にAgが好ましい。また、導電層を構成する金属成分として、金属ナノワイヤーや金属微粒子などを用いている場合は、導電層にはこれらの金属成分以外に、導電層の形状を維持・形成するためにバインダー成分等のその他の成分がさらに含まれていてもよい。
さらに、導電層は、粘着剤層に当接して設けられる。このため、透明導電シートやこれを用いて作製されるタッチパネルモジュールおよびタッチパネル装置の層構造をより単純化・薄型化することができる。また、導電層は、粘着剤層の少なくとも片面(以下、「導電層形成面」と称す)に当接して設けられるが、導電層形成面の全面を実質的に隙間無く覆うように設けられるのでは無く、導電層形成面の一部分を覆い、且つ、所定のパターン形状を成すように設けられる。なお、パターン形状は、タッチパネル装置として機能するのに必要な平面方向全体での透明性とセンシング機能とが両立できるのであれば特に限定されない。なお、導電層形成面における導電層の被覆率はタッチパネル装置としての機能が確保できる範囲で適宜選択できるが、たとえば、0.1%〜70%の範囲内、好ましくは1%〜50%の範囲内、より好ましくは2%〜40%の範囲内で適宜選択することができる。
このようなパターン形状としては、たとえば、第一方向と、第一方向と直交する第二方向とからなる平面空間において、下記(i)〜(iii)に例示されるものが挙げられる。
(i)略正方形状の導電領域を、第一方向に沿って、一の導電領域の頂点と他の導電領域の頂点とが電気的に接続される(たとえば、2つの頂点同士が部分的に重なりあう、2つの頂点を接続する接続部が設けられるなど)ように複数並べることで形成される導電領域列を、第二方向に沿って複数列配置したパターン形状(たとえば、特開2012−79257号公報に開示される図6等に例示されるパターン形状など)。
(ii)上記のパターン形状(i)において、各々の導電領域が、帯状の配線を格子状を成すように配置することで形成されたパターン形状(たとえば、特開2012−33147号公報の図3等に例示されるパターン形状など)。
(iii)長手方向が第一方向と平行を成す帯状の導電領域が、第二方向に沿って複数列配置されると共に、各々の導電領域が、帯状の配線を格子状を成すように配置することで形成されたパターン形状(たとえば、特開2014−198811号公報の図7、8等に例示されるパターン形状など)。
導電層の形成方法としては、特に限定されず、公知の方法をそのまま利用したり、あるいは、適宜アレンジして利用したり、さらには、公知の方法を2種類以上組み合わせて利用することができる。たとえば、導電層付きの支持体を、以下の(A)〜(C)に例示する方法で作製することができる。
(A)支持体表面にスパッタリング法、真空蒸着法、無電解メッキ法の公知の成膜法により金属膜を形成した後、この金属膜をパターニングする方法。
この場合、パターニングは、金属膜上にフォトレジスト膜をさらに形成した後、フォトレジスト膜を露光・現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する金属膜をエッチングして選択的に除去し、最後にパターニングされた金属膜(導電層)上に残るフォトレジスト膜を除去する。これにより導電層付きの支持体を得ることができる。
(B)支持体表面に、金属ナノワイヤーあるいは金属微粒子を含む溶液やペーストを、所定のパターン形状に印刷することで導電層を形成する方法(たとえば、特開2012−79257号公報等参照)。
印刷方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等、公知の印刷を利用することができる。なお、印刷後に必要に応じて、加熱処理や加圧処理を行ってもよい。
(C)支持体表面に、ハロゲン化銀とバインダーとを含む感光性組成物を塗布等することで感光性層を形成した後、感光性層を露光・現像処理して、所定のパターン形状を有する導電層を形成する方法(たとえば、特開2014−198811号公報等参照)。
以下に、一例として、上記(B)に示す方法により、導電層付きの支持体を作製する場合についてより具体的に説明する。
この場合、まず、金属ナノワイヤーを分散含有する溶液を、第一支持体の表面(離型性を有する表面)に塗布した後、乾燥させ、さらに加圧処理を行うことで、ベタ膜状の導電膜を形成する。これにより導電膜付きの第一支持体を得る。また、第二支持体の表面に、常温では粘着性を示さないが加熱により粘着性が発現する感熱接着剤(たとえば、ポリウレタン系接着剤等)を、所定のパターン形状となるようにスクリーン印刷などを利用して形成する。これにより感熱接着剤層付きの第二支持体を得る。
次に、導電膜付きの第一支持体と、感熱接着剤層付きの第二支持体とを、導電膜と感熱接着剤層とが互いに密着するように、ロールラミネート法などにより加熱加圧しながら貼り合せる。続いて第一支持体から第二支持体を剥離することで、第一支持体表面に設けられた導電膜のうち感熱接着剤層のパターン形状に対応する部分のみが感熱接着剤層側へと移行する。これにより、感熱接着剤層のパターン形状を反転させたパターン形状を有する導電膜(導電層)が第一支持体表面に形成される。
ここで、上記(A)〜(C)に例示した方法により得られた所定のパターン形状を有する導電層付きの支持体を用いて本実施形態の透明導電シートを作製する場合は、たとえば、以下の手順で透明導電シートを作製することができる。まず、支持体の表面に、本実施形態の透明導電シートを構成する粘着剤層を形成した粘着剤層付き支持体を準備する。
次に、導電層付きの支持体と粘着剤層付き支持体とをロールラミネート法などにより加圧しながら貼り合せる。貼り合せに際しては粘着剤層の性能が劣化しない範囲で必要に応じて加熱してもよい。これにより、支持体と、導電層と、粘着剤層と、支持体とがこの順に積層された積層体Aを得ることができる。また、この積層体Aから、導電層に当接された支持体を剥離することにより、導電層を粘着剤層の表面に転写させることで、導電層と、粘着剤層と、支持体とがこの順に積層された積層体Bを得ることができる。また、積層体Bの導電層が設けられた側の面に保護層を設けた積層体Cを得ることもできる。さらに、積層体Aから粘着剤層に当接された支持体を剥離した後、さらに導電層付きの支持体と貼り合せることで、第一支持体と、第一の導電層と、粘着剤層と、第二の導電層と、第二の支持体とをこの順に積層した積層体Dを得ることができる。ここで、導電層を形成するために用いる支持体や、保護層は、粘着剤層を形成するために用いる支持体と同様の材質の部材が利用できる。
この場合、積層体A、積層体B、積層体Cあるいは積層体Dを本実施形態の透明導電シートとして用いることができる。また、粘着剤層付きの支持体を、上記(A)〜(C)に例示した方法の支持体として使用し、粘着剤層の表面に直接導電層を形成してもよい。但し、この場合は、導電層を形成する過程において、粘着剤層表面の粘着特性が顕著に劣化しない導電層形成プロセスを選択することが好ましい。以上に例示したように、種々の製造プロセスや中間部材を適宜組み合わせて利用することにより、様々な層構造を持つ透明導電シートを得ることができる。
次に、本実施形態の透明導電シートを図面を用いてより具体的に説明する。図1および図2は、本実施形態の透明導電シートの一例を示す模式平面図であり、具体的には導電層のパターン形状の一例を示す図である。なお、図中、矢印で示されるX方向とY方向とは互いに直交する方向である。
図1に示す透明導電シート10A(10)は、正方形状の導電領域100A(100)を、X方向に沿って、一の導電領域100Aの頂点と他の導電領域100Aの頂点とが部分的に重なり合うように複数個並べることで形成された導電領域列110A(110)を、Y方向に沿って複数列配置したパターン形状の導電層20A(20)を有している。なお、図1に示す例では、導電領域列110A(110)のX方向両端側には引出し電極部112がさらに設けられている。また、図2に示す透明導電シート10B(10)は、長手方向がX方向と平行を成す帯状の導電領域100B(100)を、Y方向に沿って複数列配置したパターン形状の導電層20B(20)を有している。なお、図2に示す例では1つの導電領域100Bが1つの導電領域列110B(110)を構成している。また、図1、2中、各々の導電領域列110間は、接続されておらず、電気的に絶縁されている。これに加えて、後述するタッチパネルモジュールやタッチパネル装置において、図1、図2中に示す各々の導電領域列110は、不図示の引出し配線を介して不図示のプリント配線基板等から構成されるセンサ部に接続される。
また、図1、図2中に示す導電領域100は、透明なベタ膜状の部材であってもよいが、図3に例示するような2次構造をさらに有していてもよい。図3は、図1および図2中に示す導電領域100を拡大した場合の一例を示す拡大平面図である。図3に示す例では導電領域100は、帯状の配線102を格子状に配置した2次構造を有している。
図1、2に例示したように、導電層20は、通常、複数の導電領域100を含み、且つ、これら複数の導電領域100のうちから選択される少なくとも2つの導電領域100の間では互いに接続されずに電気的に絶縁されるように配置される。このため、図1に示す互いに隣り合う2つの導電領域100Aの接続部120のY方向長さや、図2に示す導電領域100BのY方向長さなどのように、線幅の最も狭い部分では、導電層20を構成する金属材料のマイグレーションが生じると断線が生じやすい。また、図1に示す一列目の導電領域列110Aを構成する導電領域100Aの2列目の導電領域列110A側の頂点と、二列目の導電領域列110Aを構成する導電領域100Aの1列目の導電領域列110A側の頂点との間の長さ(ギャップ長さG1)や、図2に示す一列目の導電領域列110Bと二列目の導電領域列110Bとの間の長さ(ギャップ長さG2)のように、電気的に絶縁された2つの導電領域100間の最も距離が短い部分では、導電層20を構成する金属材料のマイグレーションが生じると短絡が生じやすい。しかし、本実施形態の透明導電シート10では、上述したように大気中の水分に起因するマイグレーションが抑制されるため、断線や短絡を防ぐことが極めて容易である。
なお、線幅が最も狭い部分における線幅は、特に限定されるものではないが、たとえば、10nm〜1000μmの範囲とすることができる。線幅の下限値については100nm以上が好ましく、500nm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましく、線幅の上限値については200μmが好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。また、電気的に絶縁された2つの導電領域100間の最も距離が短い部におけるギャップ長さは、特に限定されるものではないが、たとえば、1μm〜5000μmの範囲とすることができる。最短距離の下限値については5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましく、最短距離の上限値については1000μmが好ましく、500μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
また、導電層20の厚みは特に制限されるものではないが、導電性と透明性との観点から、たとえば、10nm〜1000μmの範囲から選択可能である。厚みの下限値は、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、厚みの上限値は、100μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が最も好ましい。
図4〜図7は、本実施形態の透明導電シートの断面構造の一例を示す模式断面図であり、具体的には図1中の符号A1−A2間、あるいは、図2中の符号B1−B2間において導電層20が存在する部分における断面構造の一例を示す図である。図4に示す透明導電シート10C(10)では、基材40と、粘着剤層30と、導電層20とがこの順に積層された層構造を有しており、図5に示す透明導電シート10D(10)では、第一の基材40A(40)と、粘着剤層30と、導電層20と、第二の基材40B(40)とがこの順に積層された層構造を有しており、図6に示す透明導電シート10E(10)では、第一の基材40A(40)と、第一の導電層20C(20)と、粘着剤層30と、第二の導電層20D(20)と、第二の基材40Bとがこの順に積層された層構造を有しており、図7に示す透明導電シート10F(10)では、第一の基材40A(40)と、第一の粘着剤層30A(30)と、第一の導電層20C(20)と、第三の基材40C(40)と、第二の導電層20D(20)と、第二の粘着剤層30B(30)と、第二の基材40Bとがこの順に積層された層構造を有している。
本実施形態の透明導電シート10は、導電層20および粘着剤層30を各々少なくとも1層づつ含むものであれば図4〜図7に例示した層構造に限定されず、また、図6〜図7に例示したように導電層20および/または粘着剤層30は2層以上含まれていてもよい。また、本実施形態の透明導電シート10は、導電層20と粘着剤層30とのみから構成されていてもよいが、透明導電シート10の取り扱い性等の実用上の観点からは、通常、1層以上の基材40を含むものであることが特に好ましい。
基材40としては、透明導電シート10の作製に際して、導電層20や粘着剤層30の形成に用いた支持体や、保護層形成用溶液の塗布や保護シートの貼り合せなどにより形成される保護層などを挙げることができる。なお、基材40が透明導電シート10の最表面に位置する部材である場合、言い換えれば、図4における基材40、図5〜7における基材40A、40Bである場合、基材40の粘着剤層30あるいは導電層20と接する側の面は離型性を有していてもよい。この場合、タッチパネル装置あるいはタッチパネルモジュールの組立に際して、表面が離型性を有する基材40を剥離した状態で、透明導電シート10が使用される。また、タッチパネル装置あるいはタッチパネルモジュールの組立に際して、剥離される基材40は透明な部材であってもよく、不透明な部材であってもよいが、これ以外の場合においては、基材40としては透明な部材が利用される。
なお、図1に示すパターン形状の導電層20Aを有する透明導電シート10Aを用いてタッチパネル装置あるいはタッチパネルモジュールを組み立てる場合、2層の導電層20Aを組み合わせて用いる。この場合、1層目の導電層20Aに対して、2層目の導電層20AはXY平面において90度回転させると共に、2層目の導電層20Aを構成する各導電領域100Aが、1層目の導電層20Aにおいて4つの導電領域100Aで囲まれた略正方形状の非導電領域130に位置するように配置される。また、図2に示すパターン形状の導電層20Bを有する透明導電シート10Bを用いてタッチパネル装置あるいはタッチパネルモジュールを組み立てる場合も、2層の導電層20Bを組み合わせて用いる。この場合、1層目の導電層20Bに対して、2層目の導電層20BはXY平面において90度回転させるように配置される
したがって、図4に示す透明導電シート10Cを2枚用いてタッチパネル装置あるいはタッチパネルモジュールを組み立てる場合、1枚目の透明導電シート10Cの導電層20と、2枚目の透明導電シート10Cの導電層20とが上述した配置関係となるようにすればよい。これは図5に示す透明導電シート10Dでも同様である。また、図6に示す透明導電シート10Eを用いてタッチパネル装置あるいはタッチパネルモジュールを組み立てる場合、第一の導電層20Cと第二の導電層20Dとが上述した配置関係となるようにすればよい。これは図7に示す透明導電シート10Fでも同様である。
本実施形態のタッチパネル装置は、画像表示装置と、画像表示装置の画像表示面側に設けられた導電性物質として金属材料を用いた導電層、および、この導電層と当接する粘着剤層とを含むものであれば特にその構成は制限されず、また、本実施形態のタッチパネルモジュールは、導電性物質として金属材料を用いた導電層、および、この導電層と当接する粘着剤層とを含むものであれば特にその構成は制限されない。但し、タッチパネル装置およびタッチパネルモジュールにおいて、導電層および粘着剤層は、本実施形態の透明導電シートと同様のものが利用される。
図8は、本実施形態のタッチパネル装置の一例を示す模式断面図であり、具体的には、図7に示す透明導電シート10Fを用いて作製されたタッチパネル装置の一例を示す模式断面図である。図8に示すタッチパネル装置200では、画像表示装置210の画像表示面側212には、第一の固定用粘着層220を介して透明導電シート10Fが貼り合せられている。さらに、透明導電シート10Fの画像表示装置210が配置された側と反対側には、第二の固定用粘着層230を介して透明保護層240が貼り合せられている。
ここで、画像表示装置としては、液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等、公知の画像表示装置が利用できる。また、透明保護層240としては、ガラス基板、ポリカーボネート基板等の硬質プラスチック基板、表面がハードコート処理された軟質樹脂層、サファイア基板等を例示することができる。固定用粘着層220、230としては、公知の粘着剤が適宜利用できるが、可視光域の波長に対する透過率の高い粘着剤が用いられる。
また、本実施形態のタッチパネルモジュールとしては、タッチパネル装置において、画像表示装置の画像表示面に対して、接着または固定することで実質的にタッチパネル装置を組み立て可能な部材が挙げられる。また、タッチパネルモジュールには、図1〜図7に例示したような導電層20に接続されるプリント配線基板等から構成されるセンサ部や、このセンサ部と導電層20とを接続する引出し配線などがさらに含まれていてもよい。たとえば、図8に示すタッチパネル装置200においては、透明導電シート10Fと、第二の固定用粘着層230と、透明保護層240とをこの順に積層した積層体を含む部材がタッチパネルモジュール300に相当する。本実施形態のタッチパネル装置を製造する場合は、本実施形態の透明導電シートを用いて、画像表示装置の画像表示面上にタッチパネルとして機能する層を順次形成してもよい。しかし、上述したようなモジュール化された部材である本実施形態のタッチパネルモジュールを予め準備しておけば、実質的にこのタッチパネルモジュールを画像表示装置の画像表示面に取り付けるだけの簡便な作業で、タッチパネル装置を作製することができる。
本実施形態のタッチパネル装置は、静電容量方式のタッチパネル装置であることが特に好ましいが、他の方式のタッチパネル装置であってもよい。また、本実施形態のタッチパネル装置は、スマートフォンなどのように画像表示面の対角線の長さ(画面サイズ)が数インチ程度の小画面から、数十インチ程度あるいは百インチを超える大画面まで、あらゆる画面サイズにおいて利用することができる。本実施形態のタッチパネル装置の用途としては、特に制限されず、たとえば、画面サイズが数インチから20数インチ程度のスマートフォン、携帯電話、ノートパソコン、パソコン用ディスプレイモニター、タブレット端末、券売機、ATM、各種の事務機器や産業用機器のディスプレイモニターなどに利用できることは勿論、画面サイズが20数インチ〜百数十インチ程度の家庭用あるいは業務用のテレビにも利用でき、さらには画面サイズが20数インチ程度以上の電子看板(デジタルサイネージ)、案内表示板、テーブル会議システムやホワイトボード等の画像表示装置付き事務機器、アミューズメント機器などのより大画面の表示が求められる用途なども挙げられる。
しかしながら、本実施形態のタッチパネル装置は、導電性物質として、ITOのような金属酸化物を用いた導電層では無く、ITOよりも低抵抗な金属材料を用いた導電層を利用してタッチパネルとしての機能を実現しているため、大画面の表示が求められる用途に適している。このような観点では、本実施形態の透明導電シート、タッチパネルモジュールおよびタッチパネル装置の対角線長さは、8インチ以上であることが好ましく、12インチ以上であることがより好ましく、15インチ以上であることがさらに好ましい。なお、対角線長さの上限は特に限定されないが、取り扱い性等の実用上の観点からは、500インチ以下が好ましく、300インチ以下がより好ましい。
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは無い。
(導電層付き支持体の作製)
1.金属ナノワイヤーの準備
導電層の形成に用いる金属ナノワイヤーとしては、Y.Sun、B.Gates、B.Mayers、& Y.Xia,“Crystalline silver nanowires by soft solution processing” 、Nano letters 、(2002)、2(2) 165〜168に記載されるポリオールを用いた方法の後、ポリビニルピロリドン(PVP)の存在下で、エチレングリコールに硫酸銀を溶解し、これを還元することによって合成された銀ナノワイヤーを用いた。すなわちCambrios Technologies Corporation 米国仮出願第60/815,627号に記載される修正されたポリオール方法によって、合成された銀ナノワイヤーを用いた。
2.導電膜付き支持体の作製
金属ナノワイヤーとして、上記方法で合成された短軸径約70nm〜80nm、アスペクト比100以上の銀ナノワイヤーを水性媒体中に0.5%w/v含有する水分散体(Cambrios Technologies Corporation社製、ClearOhmTM, Ink−A AQ)を、スロットダイ塗工機を使用し、第一支持体(厚み188μm。片面がハードコートされた高透明PETフィルム(HF1C22−188))のハードコート面上にウェット厚み20μmに塗布、乾燥した後に、圧力2000kN/mで加圧処理を行い均一な導電膜を形成した。これにより導電膜付きの支持体を得た。
3.感熱接着剤層付き支持体の作製
また、CRISVON NT−810−45(DIC社製ポリウレタン樹脂、45%溶液)100質量部をメチルエチルケトン 62.5質量部、トルエン 62.5質量部に溶解させた感熱接着剤溶液を準備した。そして、この感熱接着剤溶液を、表面が離型性を有する第二支持体(厚み23μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製テイジンテトロンフィルムG2))上に、グラビア印刷法にてパターン印刷を行い、塗膜を乾燥させることで厚み0.5μm〜0.8μm程度の感熱接着剤層を形成した。なお、パターン印刷により形成される感熱接着剤層のパターン形状は、図1に示すパターン形状を反転させたパターン形状(ネガティブパターン形状)とした。ここで、ネガティブパターン形状は、最終的に形成される図1に示す導電層20Aのパターン形状として、正方形状の導電領域100Aの一辺の長さが4mm、X方向において隣り合う導電領域100A間の接続部120の線幅が350μmとなるものを選択した。
4.導電層付き支持体の作製
次に、導電膜付きの第一支持体と、ネガティブパターン形状でパターン形成された感熱接着剤層を有する第二支持体とを、導電膜と感熱接着剤層とが互いに向き合うように重ねた状態で、ラミネーターを構成する一対の対向配置されたロール(金属製加熱ロールおよび耐熱シリコンロール)間を挿通させることで加熱加圧し、導電膜付きの支持体と感熱接着剤層を有する支持体とを貼り合せた。なお、この際のラミネート条件は、金属製加熱ロール温度110℃、ロールニップ圧(線圧)30kN/m、一対のロール間を通過する重ね合わされた2枚の支持体の搬送速度5m/分とした。続いて、貼り合せにより得られた積層体の温度が室温程度まで下がった時点で、積層体から第二支持体を剥離することにより、第一支持体上に、図1に示すパターン形状の導電膜(導電層20A)が残った導電層付き支持体を得た。
なお、得られた導電層付き支持体(第一支持体)の導電層を顕微鏡により観察した。その結果、いずれの導電層付き支持体においても、導電層は、第二支持体を剥離する剥離工程により損傷を受けておらず、また、感熱接着剤層と接触していた領域の導電膜は全て第二支持体側に転写されており、第一支持体側には残存していなかった。また得られた各々の導電層付き支持体について、剥離工程に起因する不良品を定量的に判断するために、抵抗値および光透過率の測定を行い、各々の値が平均値から±10%以内の導電層付き支持体のみを選別して、後述する各実施例および比較例の透明導電シートの作製に用いた。
(粘着剤層用ポリマーの合成)
粘着剤層の作製に用いるポリマーの合成には、以下に示すモノマーを用いた。
<疎水性モノマーa1>
MMA:メチルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
2EHMA:2−エチルへキシルメタクリレート
<疎水性モノマーa2>
CHA:シクロヘキシルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
<疎水性モノマーb>
LA:ラウリルアクリレート
SA:ステアリルアクリレート
IDMA:iso-デシルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
SMA:ステアリルメタクリレート
<その他のモノマー>
BA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
2HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
<ポリマーA1の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素道入管を備えた反応装置に、LA:70質量部、2EHA:25質量部および2HEA:5質量部、酢酸エチル:100質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。次いで、熱重合開始剤AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)の0.1質量部を撹拌下に添加し、10時間反応させ、酢酸エチル:150質量部で希釈しアクリル系共重合体(ポリマーA1)の酢酸エチル溶液を得た。このポリマーA1の重量平均分子量Mw、合成に用いたモノマーの組成、主要な重合条件を表1に示す。
<ポリマーA2〜A17、B1〜B4、C1の合成>
ポリマーの合成に用いたモノマーの組成を表1に示した内容に変更した以外はポリマーA1の合成例と同様にして合成を行った。これらポリマーの重量平均分子量Mw、合成に用いたモノマーの組成、主要な重合条件を表1に示す。
<重量平均分子量Mwの測定>
なお、表1に示す各ポリマーの重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量Mwとして求めた。測定条件を以下に示す。
−測定条件−
装置:HLC-8120(東ソー(株)製)
カラム:G7000HXL(東ソー(株)製)
GMHXL(東ソー(株)製)
G2500HXL(東ソー(株)製)
サンプル濃度:1.5mg/ml(テトラヒドロフランで希釈)
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/min
カラム温度:40℃
Figure 2016158577
(透明導電シートの作製)
<実施例1>
ポリマーA1に対し、トリメチロールプロパン付加トリレンジイソシアネート系架橋剤(コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)社製)を、固形分比(ポリマーA1のポリマー成分100質量部に対して)で0.3質量部配合してなる塗工液を、第三支持体(厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)上に乾燥後の厚さ50μmになるように塗布し、乾燥させた後、PETセパレータ(厚さ25μmのPETフィルム)をラミネートし、粘着剤層付き支持体を作製した。
次に、上記粘着剤層付き支持体のセパレータを剥離して粘着剤層を露出させ、導電層付きの支持体と粘着剤層付き支持体とを、導電層付き支持体の導電層が形成された面と、粘着剤層付き支持体の粘着剤層が形成された面とが向き合うように、貼り合せた。なお、貼り合せは、導電層付き支持体の作製に用いたのと同様のラミネーターを用いて実施し、このときのラミネート条件は、常温下にて、ロールニップ圧(線圧)30kN/m、一対のロール間を通過する重ね合わされた2枚の支持体の搬送速度5m/分とした。これにより、図1に示すパターン形状および図5に示す層構造(第一の基材40A(第三支持体)/粘着剤層30/導電層20A/第二の基材40B(第一支持体))を有する透明導電シートを得た。
<実施例2〜実施例17、比較例1〜比較例6>
粘着剤層の形成に用いたポリマー成分を表2に示した内容に変更した以外は、実施例1と同様にして透明導電シートを得た。
(評価)
各実施例および比較例の透明導電シートの外観を目視観察したところ、比較例5,6を除き全面が透明であった。また、各実施例および比較例の透明導電シートや、この透明導電シートの作製に用いた粘着剤層については、抵抗値変化率、粘着剤層の透明性、耐久性および耐湿熱白化性について評価した。以下に詳細を示す。
<抵抗値変化率の評価>
導電層を構成する金属材料のマイグレーションに起因する抵抗値の変化を評価するために、各実施例および各比較例の透明導電シートについて、図1中のY方向の一端側に位置する1本の導電領域列110Aの両端に設けられた引出し電極部112をテスターに接続して、線抵抗(kΩ)を測定した。
ここで、線抵抗は、透明導電シートを作製した後の初期状態の抵抗値Riと、抵抗値Riを測定し終えた透明導電シートを高温高湿環境下(温度80℃、湿度80%)にて240時間放置した後の抵抗値Rwと、抵抗値Riを測定し終えた透明導電シートを高温低湿環境下(温度80℃、湿度10%)にて240時間放置した後の抵抗値Rdと、について測定した。そして、下式(1)により透明導電シートを高温高湿環境に放置した場合の抵抗値変化率RCw(%)と、下式(2)により透明導電シートを高温低湿環境に放置した場合の抵抗値変化率RCd(%)とを求めた。結果を表2に示す。
・式(1) RCw=100×(Rw−Ri)/Ri
・式(2) RCd=100×(Rd−Ri)/Ri
なお、表2に示す結果の評価基準は以下の通りである。
◎:抵抗値変化率RCが1%以下である。
○:抵抗値変化率RCが1%を超え2%以下である。
△:抵抗値変化率RCが2%を超え5%以下である。
×:抵抗値変化率RCが5%を超える。
<粘着剤層の透明性の評価>
粘着剤層に起因する透明導電シートの透明性を評価するために、各実施例および比較例の粘着剤層形成用の塗工液を用いて、厚さ1mmのガラス基板の片面に乾燥後の厚さが100μmの粘着剤層を形成した評価用サンプルを準備した。
透明性は、ヘイズメーター(HM−150型 (株)村上色彩研究所製)を用いて、JIS K 7361に準じてヘイズ(%)を測定することにより評価した。結果を表2に示す。なお、表2に示す結果の評価基準は以下の通りである。
ヘイズが1.0以下である:良好
ヘイズが1.0を超え1.5未満である:やや不良
ヘイズが1.5以上である:不良
<耐久性の評価>
各実施例および各比較例の透明導電シートの作製に用いた粘着剤層付き支持体を50mm×60mmに裁断した試験片のPETセパレーターを剥離し、露出した粘着面を、イソプロピルアルコールで表面を拭いたガラス基板の表面に貼り合せた評価サンプルを作製した。次に、この評価サンプルを、温度50℃、圧力5atmにて20分間オートクレーブ処理を行った。次いで、オートクレーブ処理後の評価サンプルを1時間室温で静置した後、温度85℃、湿度85%環境下に500時間置き、その後、温度23℃、湿度65%環境下に1時間静置し、これを目視観察した。
なお、表2に示す結果の評価基準は以下の通りである。
○:試験後に発泡やウキ、ハガレの発生がない。
×:試験後に発泡やウキ、ハガレの発生がある。
<耐湿熱白化性の評価>
各実施例および各比較例の透明導電シートの作製に用いた粘着剤層付き支持体を50mm×60mmに裁断した試験片のPETセパレーターを剥離し、露出した粘着面を、イソプロピルアルコールで表面を拭いたガラス基板の表面に貼り合せた評価サンプルを作製した。次に、この評価サンプルを、温度50℃、圧力5atmにて20分間オートクレーブ処理を行った。次いで、オートクレーブ処理後の評価サンプルを1時間室温で静置した後、温度85℃、湿度85%環境下に500時間置き、その後、温度23℃、湿度65%環境下に1時間静置下した。そして、これら一連の湿熱試験前後における評価サンプルのヘイズ値を、ヘイズメーターHM−150(村上色彩研究所(株)製)を用いてJIS K 7361に準拠して測定した。これにより粘着剤層の白化を評価した。結果を表2に示す。
なお、表2に示す結果の評価基準は以下の通りである。
○:湿熱試験前後のヘイズ値の差が3.0以下である。
△:湿熱試験前後のヘイズ値の差が3.0を超え5.0以下である。
×:湿熱試験前後のヘイズ値の差が5.0を超える。

Figure 2016158577
10、10A,10B、10C、10D、10E,10F :透明導電シート
20、20A,20B、20C、20D :導電層
30、30A、30B :粘着剤層
40、40A、40B、40C :基材
100、100A、100B :導電領域
102 :配線
110、110A、110B :導電領域列
112 :引出し電極部
120 :接続部
130 :非導電領域
200 :タッチパネル装置
210 :画像表示装置
212 :画像表示面
220、230 :固定用粘着層
240 :透明保護層
300 :タッチパネルモジュール

Claims (3)

  1. 導電性物質として金属材料を用いた導電層と、
    前記導電層と当接すると共に1種類以上のポリマーを含む粘着剤層と、を少なくとも備え、
    前記1種類以上のポリマーのうちの少なくとも1種のポリマーが、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であり、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体であり、
    前記アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における、前記疎水性モノマーの合計の配合割合が、前記アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、
    前記粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下であることを特徴とする透明導電シート。
  2. 導電性物質として金属材料を用いた導電層と、
    前記導電層と当接する粘着剤層と、を少なくとも備え、
    前記粘着剤層は、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であり、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体を含み、
    前記アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における、前記疎水性モノマーの合計の配合割合が、前記アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、
    前記粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下であることを特徴とするタッチパネルモジュール。
  3. 画像表示装置と、
    前記画像表示装置の画像表示面側に設けられ、導電性物質として金属材料を用いた導電層および前記導電層と当接する粘着剤層と、を少なくとも備え、
    前記粘着剤層は、重量平均分子量Mwが10万を超え200万以下であり、共重合モノマー成分として、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素数5〜9の環状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される1種以上の疎水性モノマーを含むアクリル系共重合体を含み、
    前記アクリル系共重合体の共重合モノマー成分における、前記疎水性モノマーの合計の配合割合が、前記アクリル系共重合体の総質量に対して35質量%以上であり、
    前記粘着剤層の厚さを100μmとした際のヘイズ値が1.0以下であることを特徴とするタッチパネル装置。
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