JPWO2016151634A1 - π型熱電変換素子のセル直列構造を有する機能性素子及びその作製方法 - Google Patents

π型熱電変換素子のセル直列構造を有する機能性素子及びその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】温度差を得るための十分な厚みがあるフレキシブル熱電デバイスを得るための構造として、熱電材料によって構成された糸が、熱伝導率が小さいフレキシブルな絶縁性基材に縫い込まれた織物構造を有する機能性素子およびその作製方法を提供する。【解決手段】機能性素子は、導電性繊維状物質から成る紡績糸が、シート状もしくは帯状の絶縁性基材に縫い込まれた素子であって、紡績糸が導電性繊維状物質から成り、絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込まれ、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成されたものである。導電性繊維状物質は、長手方向にP型特性とN型特性が交互に繰り返されるものであり、絶縁性基材の表面と裏面に交互に縫い込まれ、基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるようにする。

Description

本発明は、フレキシブル熱電デバイスを構成できる機能性素子ならびにその作製技術に関するものである。
近年、身の周りの未利用のエネルギーを回収して利用する、エナジーハーベスティングが注目を集めている。このような技術の中でも、熱を回収して電気エネルギーに変換する熱電変換技術への期待が大きい。身の回りで利用されているエネルギー全体量の約70%が活用されることなく排熱となっているからである。
しかし、従来の面積単価の高い熱電素子では経済的メリットが得にくいとう理由から、これまでのところ限定的な利用に留っている。そこで、大面積に対して低コストで利用でき、様々な形状の表面に対応できる柔軟性があり軽量化が図られた大面積フレキシブル熱電デバイスを実現することにより、使用用途が大きく広がる可能性がある。例えば、スマートビルディングなどで用いるセンサーネットワークにおける分散型自立電源や、体温による小型電気デバイスの駆動電源などに用いることが期待できる。
このような背景から有機材料や有機無機複合材料が有望な熱電材料として注目され始め、研究の発展とともにその性能は大きく向上してきた。しかし、多くの有機材料はもともと電極やトランジスタ、太陽電池材料として使用することを念頭に開発されてきた。そのため、薄膜での利用が一般的であり、熱電デバイスに必要な十分な厚みの高品質な熱電変換材料を得ることは容易ではない。
一般に、熱電変換材料の性能は、パワーファクターPF(=α2σ)及び無次元性能指数ZT(=α2σT/κ)で評価される。ここで、αはゼーベック係数、σは導電率、κは熱伝導率、Tは絶対温度である。パワーファクターPFは、熱電変換材料から得られる電力に対応し、無次元性能指数ZTは、エネルギー変換効率に対応しており、共に値が大きい方が熱電変換材料としての性能が良い。熱電変換素子の変換効率は、理想的にはZTのみで決まり、デバイス構造に依存しない。
これは温度差ΔTがついた定常状態において、全ての熱流が熱電材料を通じて低温側に流れているという仮定のもとに導出された指標であり、実際のデバイスではΔTは材料だけではなくデバイス構造にも依存し、厚みが厚いほどΔTは大きくなる。つまり、無次元性能指数ZTはデバイス構造に依存しない値であるが、実際の熱電デバイスの出力や効率はデバイス構造に大きく依存することになる。
例えば、体温37℃、外気温22℃の15℃の温度差がついた界面に対して、熱伝導率が0.1W/mKのデバイスを貼り付けるとすると、温度差を10℃つけるためには5mm程度の厚みが必要となる。仮に200μm程度の小さい厚みでは、1℃程度の温度差しかつかない。室温付近では熱電デバイスの効率と温度差には、ほぼ線形の関係があることから、熱電デバイスの厚みと熱電効率の関係は、厚みが大きくなると温度差は15℃に近づき、熱電効率が飽和する。高い熱電効率を得るためには、熱電デバイスに十分な膜厚が必要なのである。
特に、ゼーベック効果によって生じる熱起電力はデバイスの低温側と高温側の温度差に比例することから、デバイスに十分な温度差をつけることが重要となる。
しかしながら、デバイスの低温側と大気中との界面には対流熱抵抗が存在しているため、高温側からの熱流がせき止められ、薄膜形状(数百μm)では殆ど温度差がつかないという実態がある。また、薄膜材料でミリメートルオーダーの膜厚を成膜するのは困難である。従来のフレキシブル熱電デバイスは、薄膜材料を使用していることから、その厚みは200μm程度以下であり、実用的な高出力が得られ難いという問題点があった。
そのため、熱電デバイスの面内方向に対して温度差をつける(例えば、非特許文献1を参照)、或は、薄膜をスタックすることによって熱電デバイスの厚み方向に温度差をつけている(例えば、非特許文献2を参照)。多くが前者、すなわち、面内方向に対して温度差をつける方法を用いているが、この方法ではフレキシブル熱電デバイスの用途として考えられる医療用モニタリングやスマートビルディングなどの分散型電源として使用することができず、使用用途が限定されてしまうといった問題がある。また、後者、すなわち、厚み方向に温度差をつける方法では、膜厚制御が困難であり、また基板が必要となることから、熱流の多くが基板を通じて流れるため、効率が低下してしまうといった問題がある。
一方、織物構造体を形成する熱電デバイスが知られている。例えば、消防衣服などの耐熱防護服用の生地として用いられ、環境温度を定量的に測定することが可能な熱電対含有織物がある(特許文献1を参照)。これは、複数の経糸と複数の緯糸とが交差して織られ、経糸同士の間又は緯糸同士の間に、少なくとも一対の第一の熱電対素線と第二の熱電対素線が織り込まれている熱電対含有織物である。すなわち、織糸の間に熱電対素線を織り込んだものである。また、実質的に横糸方向を向くような複数のワイヤの網状組織により形成される熱電構造体がある(特許文献2を参照)。
特許文献1の熱電デバイスの場合、電極を形成しなければならず、金属線を利用していることから熱電効率が大きく低下することが問題である。また、特許文献2の熱電構造体の場合、熱電対としての使用を想定しており、型構造をもっていないことから熱電効率が悪いことが問題である。さらに、特許文献1の熱電デバイスと特許文献2の熱電構造体の両方とも、温度差を面内方向につける構造になっており、厚さ方向につける構造になっていない。
特開2010−090492号公報 特開2007−329456号公報
C. A. Hewitt et al., Nano Lett., 12, 1307 (2012) K. Suemori et al., Appl. Phys. Lett. 102, 153902(2013)
上述の如く、従来のフレキシブル熱電デバイスでは、熱起電力はデバイスの低温側と高温側の温度差に比例することから、デバイスに十分な温度差をつけることが重要であるにも関わらず、数百μm程度の薄膜形状では殆ど温度差がつかないという問題があった。
また、熱電デバイスを構成するP型とN型の半導体層とは別に、それらを直列に多数接続する電極を形成する必要があり、界面抵抗の増加による熱電効率の低下、経時劣化、プロセスの複雑化などの問題があった。
上記状況に鑑みて、本発明は、温度差を得るための十分な厚みがあるフレキシブル熱電デバイスを得るための構造として、熱電材料によって構成され十分な柔軟性と機械的強度を持つ糸が、熱伝導率の小さいフレキシブルな絶縁性基材に縫い込まれた織物構造を有する機能性素子およびその作製方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の機能性素子は、導電性繊維状物質から成る紡績糸が、シート状もしくは帯状の絶縁性基材に縫い込まれた素子であって、紡績糸が絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込まれ、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成されたものである。
従来の導電性薄膜材料や薄膜をスタックして厚みを制御した材料を用いるフレキシブル熱電デバイスでは、十分な温度差がつかず効率が著しく低下してしまうという問題があった。上記構成の機能性素子によれば、繊維状物質が絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込まれることで、π型熱電変換素子のセル直列構造を形成するため、絶縁性材料の厚さによって、温度差方向に対する素子の厚み制御ができるため、表と裏で十分な温度差をつけることができ、効率の低下がないフレキシブル熱電変換素子を提供することができる。
また、導電性繊維状物質に対して部分ドーピングを行い、熱伝導率が小さいフェルトなどの絶縁性基材が1本の導電性繊維状物質で縫い込まれることがよい。プロセスの簡素化が図れ、それに伴う製造コストが低減できるからである。
導電性繊維状物質は、長手方向にP型特性とN型特性が交互に繰り返されるものであり、絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込まれ、基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるようにする。これにより、3次元のフレキシブル熱電変換素子が実現できる。
ここで、導電性繊維状物質から成る紡績糸は、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、グラフェン(Graphene)、グラフェンナノリボン(Graphene Nanoribbon)、フラーレンナノウィスカー(Fullerene Nano Whisker)及び無機半導体ウィスカー(Whisker)の群から選択される1種以上の導電性ナノファイバーと、絶縁性もしくは導電性の柔軟性ポリマーとの複合材料から成るものを用いることができる。
グラフェンナノリボンは、例えば、文献(H.Sakaguchi et al., "Width-Controlled Sub-Nanometer Graphene Nanoribbon Films Synthesized by Radical-Polymerized Chemical Vapor Deposition", Advanced Materials, Volume 26, Issue 24, pp.4134-4138, 2014)に作製方法や物性が開示されている。
フラーレンナノウィスカーは、例えば、文献(宮澤薫一, ”フラーレンナノウィスカーの合成と性質”, 表面科学 Vol. 28, No. 1, pp. 34―39, 2007)に作製方法や物性が開示されている。
また、導電性繊維状物質から成る紡績糸は、0.1〜100μmの径のカーボンナノチューブ(CNT)から成る繊維を複数撚り合せた撚糸(以下「CNT紡績糸」という)を好適に用いることができる。
CNT1本の直径は、1〜2nmであり、CNTを繊維にする場合に最も細いものとして10nm程度まであり得るが、機械的強度の観点から、少なくとも0.1μm以上の径のCNT紡績糸を用いる。また、多く撚り合せることにより100μm以上の径のCNT紡績糸も実現可能であるが、絶縁性基材の表面と裏面に交互に縫い込めることが必要であり、100μm以下の径のCNT紡績糸を用いる。
CNTやその複合材料は、CNTの柔軟性や高いアスペクト比を生かすことによって、糸状に形成することができる。CNT紡績糸を用いることにより、基板を使用することなく3次元構造デバイスを作製することができ、温度差方向に対するデバイスの長さも自由に制御することが可能となる。さらに、CNTの配向が長手方向にそろうことによる導電率やゼーベック係数の向上も見込まれる。また、紡績糸の形状を活かすことにより、服に直接縫い付けるといったテクスタイルエレクトロニクスの素材として幅広い応用が期待できる。
なお、CNTから成る繊維は、CNTとCNTの接合部に籠状タンパク質が挿入されることが好ましい。CNTとCNTの接合部に籠状タンパク質が挿入されることにより、接合部の絶縁性のシェル部によって局所的なフォノン(格子振動)反射が生じ、熱電変換材料全体としての熱伝導率が低くなり、熱電変換効率を向上させることができるからである。
絶縁性基材は、柔軟性を有することが好ましく、具体的には、布、紙、発砲ポリマー、エラストマー、ゲル状膜の何れかを好適に用いることができる。ここで、布とは、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものであり、織物、編み物(メリヤス生地)、レース、フェルト、不織布、絹織物、毛織物が含まれる。
次に、本発明の機能性素子の作製方法について説明する。
本発明の第1の観点の機能性素子の作製方法は、導電性繊維状物質から成る紡績糸を用いて連続π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する機能性素子の作製方法であって、下記1)〜4)の何れかのステップにより、紡績糸が、長手方向にP型特性とN型特性が交互に周期的に繰り返され、その後、紡績糸を、シート状もしくは帯状の絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように糸を通し、絶縁性基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるように縫い込むステップを備える。
1)導電性繊維状物質がP型特性を有する場合、N型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸す処理と同時に、紡績糸におけるP型特性を残す部分を、溶媒と非親和性の溶剤に含浸させるステップ
2)導電性繊維状物質がP型特性を有する場合、N型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸す処理の前に、紡績糸におけるP型特性を残す部分を、溶媒と非親和性の溶剤に含浸させ、その後、N型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸すステップ
3)導電性繊維状物質がN型特性を有する場合、P型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸す処理と同時に、紡績糸におけるN型特性を残す部分を、溶媒と非親和性の溶剤に含浸させるステップ
4)導電性繊維状物質がN型特性を有する場合、P型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸す処理の前に、紡績糸におけるN型特性を残す部分を、溶媒と非親和性の溶剤に含浸させ、その後、P型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸すステップ
上記の作製方法よって、導電性繊維状物質を紡糸し、柔軟性を持った糸状にし、紡糸後にP型半導体部とN型半導体部が交互に現れるように形成することで、P型とN型の各材料を交互に配置し電極によって接続するという作製プロセスを省略することができる。紡績糸を、電気的および熱的に絶縁性を有する布状の基材に縫い込むだけで、単一の熱電変換セルだけにとどまらず、熱電変換セルを多数直列接続する構造を簡単に形成することができる。このような素子構造によって、十分な厚みを持ったフレキシブル熱電デバイスを作製することが容易となり、大気への放熱に制限されがちなフレキシブル熱電デバイスの応用(人体に貼り付ける、建造物に作り付ける等)において、素子の両面間に十分な温度差を得ることが容易で、高い変換効率が得られるようになる。
また、熱電糸のP型N型の塗り分けのピッチと縫い込む基材の厚みを比較的自由に選ぶことができ、衣服や車のシートの表皮などに用いる場合に適した1mm程度の厚みの素子から、建築用断熱材料に用いるための10cm程度の厚みの素子までスケーラブルな熱電デバイスの作製方法、幅広い用途に用いることができる。
本発明の第2の観点の機能性素子の作製方法は、導電性繊維状物質から成る紡績糸を用いて連続π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する機能性素子の作製方法であって、紡績糸を、シート状もしくは帯状の絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込むステップと、下記A)、或は、B)のステップを備え、紡績糸が、長手方向にP型特性とN型特性が交互に周期的に繰り返され、絶縁性基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるようにする。なお、一方のドーパントが不要なところまでしみ出すことが問題になるので、なるべく早く両方のドーパント溶液を染み込ませるため、ドーパント溶液を交互かつ速やかに吐出す。
A)縫い込んだ後の縫い目に合せて、P型ドーパント溶液とN型ドーパント溶液を交互かつ速やかに吐出し、縫い目から基材の厚み方向に溶液を含浸させるステップ
B)導電性繊維状物質がP型あるいはN型特性の一方を有する場合、縫い込んだ後の縫い目に合せて、ドーピング剤を含有しないブランク溶液と、他方のP型あるいはN型ドーパント溶液を交互かつ速やかに吐出し、縫い目から基材の厚み方向に溶液を含浸させるステップ
第2の観点の機能性素子の作製方法によれば、先に紡績糸を絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込み、その後、縫い込んだ後の縫い目に合せてドーピング処理を施すことから、縫い目のピッチを自由に変更可能で、縫い方や縫い位置を自由に変更することができる。
また、一本の糸状の導電性繊維状物質に部分ドーピングを行うことで、P型とN型の部分を交互に作製できる。
本発明の第2の観点の機能性素子の作製方法において、絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように紡績糸を縫い込むステップの後、縫い込んだ後の縫い目に合せてP型ドーパント溶液とN型ドーパント溶液を交互に吐出す前に、P型ドーパント溶液およびN型ドーパント溶液と非親和性の溶剤を、絶縁性基材の表面と裏面に塗布し、紡績糸と絶縁性基材を固定することが好ましい。
本発明の第3の観点の機能性素子の作製方法は、導電性繊維状物質から成る紡績糸を用いて連続π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する機能性素子の作製方法であって、下記a)〜c)のステップを備え、紡績糸が、長手方向にP型特性とN型特性が交互に周期的に繰り返され、絶縁性基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるようにする。
a)紡績糸を、シート状もしくは帯状の絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込むステップ
b)導電性繊維状物質がP型あるいはN型特性の一方を有する場合、他方のP型あるいはN型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸す処理の前に、縫い込んだ後の縫い目の一つ飛ばしに、溶媒と非親和性の溶液を吐出し、縫い目から基材の厚み方向に溶液を含浸させるステップ
c)他方のP型あるいはN型ドーパント溶液に紡績糸を浸すステップ
第3の観点の機能性素子の作製方法によれば、第2の観点と同様、先に紡績糸を絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込み、その後、縫い込んだ後の縫い目に合せてドーピング処理を施すことから、縫い目のピッチを自由に変更可能で、縫い方や縫い位置を自由に変更することができる。
本発明の第1の観点の機能性素子の作製方法において、P型あるいはN型ドーピング剤を含有する溶媒に紡績糸を浸すステップの後、紡績糸に対して、防湿性あるいはガスバリア性を有するコーティング剤を塗布するステップを更に備えることが好ましい。
例えば、ポリマーをコーティングすることにより、パッシベイションを行い、大気安定を高めることができる。
本発明によれば、温度差を得るために十分な厚みがあるフレキシブル熱電デバイスを提供できるといった効果を有する。
本発明の機能性素子の模式図 CNT紡績糸の作製方法のイメージ図 作製したCNT紡績糸の熱電測定結果、(1)はゼーベック測定、(2)はI−V測定 π型熱電変換素子の説明図 PEIを用いてCNT紡績糸のキャリアドーピングを行った場合の浸漬時間と導電率及びゼーベック係数の相関グラフ キャリアドーピング前のCNT紡績糸の特性図 CNT紡績糸に対するキャリアドーピングの説明図(1) キャリアドーピング後のCNT紡績糸の特性図(1) CNT紡績糸に対するキャリアドーピングの説明図(2) キャリアドーピング後のCNT紡績糸の特性図(2) 機能性素子の模式図 機能性素子の作製フロー図(1) 機能性素子の作製フロー図(2) 第1の機能性素子の作製方法の模式図 第1の機能性素子の作製方法の作製フロー図 第2の機能性素子の作製方法の模式図 第2の機能性素子の作製方法の作製フロー図 第3の機能性素子の作製方法の模式図 第3の機能性素子の作製方法の作製フロー図 第4の機能性素子の作製方法の模式図 第4の機能性素子の作製方法の作製フロー図 第5の機能性素子の作製方法の模式図 第5の機能性素子の作製方法の作製フロー図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、本発明の機能性素子の模式図を示している。本発明の機能性素子は、導電性ナノファイバーの紡績糸が、フェルトなどの不織布などの絶縁性基材3の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込まれ、P型の糸1とN型の糸2が交互に繰り返して現れる構造を成し、これによりπ型熱電変換素子のセル直列構造が形成されている。以下では、導電性ナノファイバーの紡績糸として、CNT紡績糸について説明する。
<CNT紡績糸の作製方法>
CNTは、HiPco法を用いて作られたNanoIntegris社のものを使用した。超音波分散させ、3重量%のSDS(Sodium Dodecyl Sulfate)水溶液に分散させた。図2にCNT紡績糸の作製方法のイメージを示す。
ディスペンサーに入れたCNTの分散液を回転台に乗せた凝集液に吐出することによって、流体力学的に延伸紡糸を行った。凝集液は、5重量%のPVA(Polyvinyl alcohol)水溶液を用いた。回転速度は約50rpm、中心軸から3cm程度離れたところで水流に対し、並行になるようにノズルの向きと位置を調整して、CNTの分散液の吐出を行った。その後、溶媒を純水に置換して、紡績糸を一方の端から引き上げ、大気中で乾燥させることにより、CNT紡績糸を作製した。得られたCNT紡績糸の直径は、10〜30μm程度であった。
得られたCNT紡績糸について熱電測定を行った。測定結果を下記表1に示す。表1には、CNT紡績糸と同じ分散条件で作製した無配向のCNT薄膜の測定結果を比較用として示している。なお、測定は全て大気中で行った。
上記表1の結果から、CNT紡績糸では、CNT薄膜と比較し、導電率が減少したものの、ゼーベック係数が増加したことにより、パワーファクターはCNT薄膜と比べて2.9倍に増加した。CNT紡績糸では、長手方向が電流方向により配向していると考えられるにも関わらず導電率は減少した結果となった。この要因として、PVAへの正孔移動によるキャリア数の減少と、紡績糸を形成する際に絶縁体であるPVAがCNT間に入り込んだことによるものと推察する。また、CNT紡績糸のゼーベック係数が大きく増加していることについては、同様に、PVAへの正孔移動と共に、CNT間に入り込んだPVAがCNT接合部でゼーベック効果を起こしている可能性がある。つまり、適切な凝集剤を選択することで、CNTのキャリアや界面を制御することが可能であり、適切な凝集剤を選択することで更なる熱電性能の向上が図れる可能性があることがわかる。
<CNT紡績糸に対するキャリアドーピングについて>
N型ドーパントとして知られているPEI(Polyethyleneimine)を用いて、CNT紡績糸のキャリアドーピングを行った。N型ドーピングは1重量%のPEI水溶液(溶媒:メタノール)に対して、CNT紡績糸を一定時間浸すことで行った。浸漬時間と、導電率及びゼーベック係数の関係を図5に示す。
CNT紡績糸をPEIに浸漬して十分な時間ドーピングを行うと、ゼーベック係数がN型に変化しており、PEIがドナーとして機能していることがわかる。導電率の時間変化については、ドーピング当初は、ドナー分子によって電子が注入されると、CNTに本来存在するホールを打ち消し、真性に近づき導電率がいったん減少するが、ドーピングが更に進行すると電子が多数キャリアとなって導電率が増加する。
ゼーベック係数Sは、下記数式1のように、電子とホールの各々の導電率の重みをもったゼーベック係数の和となる。
ここで、Sは電子のゼーベック係数、Sはホールのゼーベック係数、δは電子の導電率、δはホールの導電率である。ドーピングを行う前は、δ<<δであるため、S=Sである。ドーピングによりホールの導電率が減少するため、電子のゼーベック効果を影響が無視できなくなり、全体のゼーベック係数が減少する。さらに、ドーピングが進むと、δ>>δとなり、S=Sとなる。このことから、作製したCNT紡績糸は、従来のCNT薄膜と同様にドーパントによるキャリア制御が可能であることがわかる。
作製した2cm程度のCNT紡績糸に関して、ドーピング前後のゼーベック係数の変化についてグラフを参照して説明する。ドーピング前のCNT紡績糸のゼーベック係数は、38(μV/K)程度(図6参照)であったのに対して、図7に示すように、CNT紡績糸の半分1cmだけをPEIに浸しN型ドーピングを行った結果、ドーピングを行った側のゼーベック係数は、−26.5(μV/K)となり、ドーピングを行わなかった側は、−17.8(μV/K)を示した(図8参照)。
両方がN型を示したことで、全体として得られるゼーベック係数は、ΔVpn(図4参照)が打ち消し合うことにより減少して、−6.2(μV/K)と小さい値となった。この理由としては、PEI溶液がCNT紡績糸に吸い上げられ、ドーピングを行っていない側まで到達したためと考えられる。これを防ぐために、図9に示すように、ドーピングを行っていない側をメタノールに浸した状態でドーピングを行った結果、ドーピングを行った側のゼーベック係数は、−17.8(μV/K)、ドーピングを行わなかった側は、15.5(μV/K)を示した(図10参照)。それぞれがP型、N型を示したことで、全体として得られるゼーベック係数は、32.0(μV/K)と大きい値となり、P型とN型の両方の特性を有するCNT紡績糸が得られた。
例えば、図11に示すように、CNT紡績糸を50本束ねて直径25mmとした糸を、厚み3mm、縦横10cmのフェルト(0.04W/mK)の表と裏に1mm間隔で交互に縫い込み、P型CNT紡績糸16とN型CNT紡績糸17が交互に繰り返して現れる構造を作り、π型熱電変換素子のセル直列構造を形成したものを想定し、得られる出力を推定した。材料として、ゼーベック係数150(μV/K)、導電率100(S/cm)、熱伝導率0.13(W/mK)のものを使用した場合、体温37℃、外気温22℃の15℃の温度差がついた界面で、凡そ350μWの出力が得られた。これは小型電子デバイスを動作させるのに十分な出力である。
次に、機能性素子の作製方法について説明する。機能性素子の作製方法は、大きく分けて2つの方法に分けられる。まず、これらの2つの方法の概要を図12及び図13のフローを参照して説明し、その後、具体的な作製方法については、他の実施例として説明する。
1つ目の方法としては、図12に示されるように、CNT紡績糸を作製し(S01)、CNT紡績糸に部分ドーピングを行った上で、P型N型ストライプ状に染め分けたCNT紡績糸を作製した後(S02)、染め分け周期と縫い目のピッチを合せて、CNT紡績糸を表裏交互に糸が出るように絶縁性基材に縫い込む(S03)。このような方法により、π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する(S04)。
2つ目の方法としては、図13に示されるように、CNT紡績糸を作製し(S11)、CNT紡績糸を表裏交互に糸が出るように絶縁性基材に縫い込んだ後(S12)、絶縁性基材に縫い込まれた状態でCNT紡績糸に部分ドーピングを行う(S13)。このような方法により、π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する(S14)。
図14は、第1の機能性素子の作製方法の模式図を示しており、図15は、第1の機能性素子の作製方法の作製フロー図を示している。
まず、図14(1)に示されるように、CNT紡績糸10を作製する(S21)。CNT紡績糸10の作製方法は上述の実施例1で示した方法で行う。次に、図14(2)に示されるように、長さ10cm程度のCNT紡績糸を四角状に巻きつけたものの下部をメタノールに浸した状態で、上部のみを上述の部分N型ドーピングを行う。これにより、CNT紡績糸10を、N型ドーピングを行う部分とブランク溶剤に浸す部分を交互にして、P型N型ストライプ状に染め分ける。その結果、図14(3)に示されるように、P型CNT紡績糸11とN型CNT紡績糸12が交互に現れる状態となった、P型とN型が交互に現れるCNT紡績糸13が作製される(S22)。
N型ドーピングをされた部分が厚み方向に位置するように、厚みが4mm程度の布に縫うことで機能性素子を作製する。この際、図14(4)に示されるように、P型とN型が交互に現れるCNT紡績糸13を、染め分け周期と縫い目のピッチを合せて、表裏交互に糸が出るように絶縁性基材15に縫い込む(S23)。これにより、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成される(S24)。
このように作製した機能性素子の熱電デバイスに対して、大気中(約21℃)で、手で触れたところ、体温によって凡そ2.5mVの熱起電力が発生することを確認している。
図16は、第2の機能性素子の作製方法の模式図を示しており、図17は、第2の機能性素子の作製方法の作製フロー図を示している。
まず、図16(1)に示されるように、CNT紡績糸10を作製する(S31)。CNT紡績糸10の作製方法は上述の実施例1で示した方法で行う。次に、図16(2)に示されるように、スポイド20を用いて、溶媒と親和性の低いポリマー21を所定ピッチ毎に染めない部分に含浸させる(ろうけつ染め)(S32)。図16(3)に示されるように、CNT紡績糸をN型ドーピング剤に浸す(S33)。P型CNT紡績糸11とN型CNT紡績糸12が交互に現れるCNT紡績糸13が得られる(図16(4))。
そして、図16(5)に示されるように、染め分け周期と縫い目のピッチを合せて、CNT紡績糸を表裏交互に糸が出るように絶縁性基材15に縫い込む(S34)ことにより、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成される(S35)。
図18は、第3の機能性素子の作製方法の模式図を示しており、図19は、第3の機能性素子の作製方法の作製フロー図を示している。
まず、図18(1)(2)に示されるように、上述の実施例1で示した方法でCNT紡績糸10を作製し(S41)、絶縁性基材15の表裏交互に糸が出るように、CNT紡績糸10を絶縁性基材15に縫い込む(S42)。
次に、図18(3)に示されるように、縫い目に合せてP型ドーピング剤30とN型ドーピング剤31の吐出しを行う(S43)。吐出しにはインクジェット法を用いる。この場合、CNT紡績糸が本来P型特性を有することから、P型ドーピング剤の替わりにブランク溶剤を用いてもよい。これにより、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成される(S44)。形成された機能性素子のイメージを図18(4)に示す。
図20は、第4の機能性素子の作製方法の模式図を示しており、図21は、第4の機能性素子の作製方法の作製フロー図を示している。
まず、図20(1)(2)に示されるように、上述の実施例1で示した方法でCNT紡績糸10を作製し(S51)、絶縁性基材15の表裏交互に糸が出るように、CNT紡績糸10を絶縁性基材15に縫い込む(S52)。
次に、図20(3)に示されるように、縫い目に合せて1つとばしに溶媒と親和性の低いポリマー40の吐出しを行う(S53)。吐出しにはインクジェット法を用いる。
そして、図20(4)に示されるように、CNT紡績糸が縫い込まれた絶縁性基材15を、N型ドーピング剤23に浸す(S54)。これにより、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成される(S55)。形成された機能性素子のイメージを図20(5)に示す。
図22は、第5の機能性素子の作製方法の模式図を示しており、図23は、第5の機能性素子の作製方法の作製フロー図を示している。
まず、図22(1)(2)に示されるように、上述の実施例1で示した方法でCNT紡績糸10を作製し(S61)、絶縁性基材15の表裏交互に糸が出るように、CNT紡績糸10を絶縁性基材15に縫い込む(S62)。
次に、図22(3)に示されるように、ローラなどの塗布機器50を用いて、絶縁性基材15の表面51と裏面52をろうけつ染めにする(S63)。ろうけつ染めは、ドーピング剤の不要な浸透を防ぐと共に、基材と糸を固定し、糸ずれを防ぎ、位相がずれないようにするために行う。
そして、図22(4)に示されるように、縫い目に合せて隙間から、P型ドーピング剤とN型ドーピング剤の吐出しを行う(S64)。これにより、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成される(S65)。形成された機能性素子のイメージを図22(5)に示す。
本発明の機能性素子は、スマートハウスやスマートビルディングのためのセンサマトリックスを形成するための分散電源や、エナジーハーベスティング素子として、住宅、オフィス、自動車における排出熱エネルギーの再利用を図る熱電素子、ステッカー型の生体情報計測器(体温、脈拍、心電モニターなど)の電源などに利用できる。
1,11,16 P型CNT紡績糸
2,12,17 N型CNT紡績糸
3,15 絶縁性基材
10 CNT紡績糸
13 P型N型が交互に現れるCNT紡績糸
20 スポイド
21,40 ポリマー
23,30 N型ドーピング剤
31 P型ドーピング剤
50 塗布機器
51 表面
52 裏面
60 CNT
61 CNT分散剤
62 ディスペンサー
63 回転台
64 容器
65 凝集液
66 紡糸状CNT

Claims (13)

  1. 導電性繊維状物質から成る紡績糸が、シート状もしくは帯状の絶縁性基材に縫い込まれた機能性素子であって、
    前記紡績糸が前記絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込まれ、π型熱電変換素子のセル直列構造が形成されたことを特徴とする機能性素子。
  2. 前記紡績糸は、長手方向にP型特性とN型特性が交互に繰り返されるものであり、基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるようにされたことを特徴とする請求項1に記載の機能性素子。
  3. 前記紡績糸は、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、グラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレンナノウィスカー及び無機半導体ウィスカーの群から選択される1種以上の導電性ナノファイバーと、絶縁性もしくは導電性の柔軟性ポリマーとの複合材料から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性素子。
  4. 前記紡績糸は、0.1〜100μmの径のCNTから成る繊維を複数撚り合せた撚糸であることを特徴とする請求項3に記載の機能性素子。
  5. 前記繊維は、CNTとCNTの接合部に、籠状タンパク質が挿入されたものであることを特徴とする請求項4に記載の機能性素子。
  6. 前記絶縁性基材が柔軟性を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の機能性素子。
  7. 前記絶縁性基材は、布、紙、発砲ポリマー、エラストマー、ゲル状膜の何れかであることを特徴とする請求項6に記載の機能性素子。
  8. 導電性繊維状物質から成る紡績糸を用いて連続π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する機能性素子の作製方法であって、
    前記導電性繊維状物質がP型特性を有する場合、N型ドーピング剤を含有する溶媒に前記紡績糸を浸す処理の前に、前記紡績糸におけるP型特性を残す部分を、前記溶媒と非親和性の溶剤に含浸させ、その後、N型ドーピング剤を含有する溶媒に前記紡績糸を浸すステップ、
    或は、
    前記導電性繊維状物質がN型特性を有する場合、P型ドーピング剤を含有する溶媒に前記紡績糸を浸す処理の前に、前記紡績糸におけるN型特性を残す部分を、前記溶媒と非親和性の溶剤に含浸させ、その後、P型ドーピング剤を含有する溶媒に前記紡績糸を浸すステップ、
    上記の何れかのステップにより、前記紡績糸が、長手方向にP型特性とN型特性が交互に周期的に繰り返され、
    その後、前記紡績糸を、シート状もしくは帯状の絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように糸を通し、前記絶縁性基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるように縫い込むステップ、
    を備えたことを特徴とする機能性素子の作製方法。
  9. 導電性繊維状物質から成る紡績糸を用いて連続π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する機能性素子の作製方法であって、
    前記紡績糸を、シート状もしくは帯状の絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込むステップ、
    縫い込んだ後の縫い目に合せて、P型ドーパント溶液とN型ドーパント溶液を交互に吐出し、縫い目から基材の厚み方向に溶液を含浸させるステップ、
    或は、
    前記導電性繊維状物質がP型あるいはN型特性の一方を有する場合、縫い込んだ後の縫い目に合せて、ドーピング剤を含有しないブランク溶液と、他方のP型あるいはN型ドーパント溶液を交互に吐出し、縫い目から基材の厚み方向に溶液を含浸させるステップ、
    を備え、
    前記紡績糸が、長手方向にP型特性とN型特性が交互に周期的に繰り返され、前記絶縁性基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるようにしたことを特徴とする機能性素子の作製方法。
  10. 前記絶縁性基材の表面と裏面に前記紡績糸を交互に縫い込むステップの後、縫い込んだ後の縫い目に合せてP型ドーパント溶液とN型ドーパント溶液を交互に吐出す前に、
    P型ドーパント溶液およびN型ドーパント溶液と非親和性の溶剤を、前記絶縁性基材の表面と裏面とに塗布し、前記紡績糸と前記絶縁性基材を固定することを特徴とする請求項9に記載の機能性素子の作製方法。
  11. 導電性繊維状物質から成る紡績糸を用いて連続π型熱電変換素子のセル直列構造を形成する機能性素子の作製方法であって、
    前記紡績糸を、シート状もしくは帯状の絶縁性基材の表面と裏面を交互に貫通するように縫い込むステップ、
    前記導電性繊維状物質がP型あるいはN型特性の一方を有する場合、他方のP型あるいはN型ドーピング剤を含有する溶媒に前記紡績糸を浸す処理の前に、縫い込んだ後の縫い目の一つ飛ばしに、前記溶媒と非親和性の溶液を吐出し、縫い目から基材の厚み方向に溶液を含浸させるステップ、
    他方のP型あるいはN型ドーパント溶液に前記紡績糸を浸すステップ、
    を備え、
    前記紡績糸が、長手方向にP型特性とN型特性が交互に周期的に繰り返され、前記絶縁性基材の厚み方向に折り返される際に、P型とN型が切り替わるようにしたことを特徴とする機能性素子の作製方法。
  12. P型あるいはN型ドーピング剤を含有する溶媒に前記紡績糸を浸すステップの後、
    前記紡績糸に対して、防湿性あるいはガスバリア性を有するコーティング剤を塗布するステップを更に備えることを特徴とする請求項8に記載の機能性素子の作製方法。
  13. 前記紡績糸は、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、グラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレンナノウィスカー及び無機半導体ウィスカーの群から選択される1種以上の導電性ナノファイバーと、絶縁性もしくは導電性の柔軟性ポリマーとの複合材料から成ることを特徴とする請求項8〜12の何れかに記載の機能性素子の作製方法。
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